(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146024
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】珈琲粉砕物の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23F 5/10 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
A23F5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058687
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】591014972
【氏名又は名称】株式会社 伊藤園
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】藏丸 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】津村 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】今枝 友昭
【テーマコード(参考)】
4B027
【Fターム(参考)】
4B027FB21
4B027FC10
4B027FE02
4B027FK01
4B027FQ04
4B027FR01
(57)【要約】
【課題】抽出効率が良好であり、かつ、珈琲飲料の濁りを抑制できる珈琲粉砕物の製造方法を提供すること。
【解決手段】焙煎された珈琲豆を用意すること;前記珈琲豆を、粉砕し、粒径が850μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であり、安息角が調整された珈琲粉砕物を得ること、及び;前記珈琲粉砕物に、不活性ガス雰囲気下で、加圧処理を施すこと、を含み;前記加圧処理におけるゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積が、5~520((kPa)×(h))である、珈琲粉砕物の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焙煎された珈琲豆を用意すること、
前記珈琲豆を、粉砕し、粒径が850μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であり、安息角が調整された珈琲粉砕物を得ること、及び
前記珈琲粉砕物に、不活性ガス雰囲気下で加圧処理を施すこと、
を含み、
前記加圧処理におけるゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積が、5~520((kPa)×(h))である、
珈琲粉砕物の製造方法。
【請求項2】
前記安息角を42°以下に調整する、請求項1に記載の珈琲粉砕物の製造方法。
【請求項3】
前記不活性ガス雰囲気下における酸素ガス濃度が10体積%以下である、請求項1に記載の珈琲粉砕物の製造方法。
【請求項4】
前記不活性ガスが窒素ガスである、請求項1に記載の珈琲粉砕物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、珈琲粉砕物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
珈琲粉砕物から珈琲エキスを抽出して飲む方法は、日本国内外を問わず古くから親しまれてきたコーヒーの飲み方であり、一般家庭では勿論、喫茶店などにおいて広く普及している。しかしながら、器具等を用いて抽出するには手間と時間を要することから、より手短に効率よく抽出できる珈琲粉砕物が求められている。
【0003】
また、昨今においては、自宅で抽出したコーヒーをグラスに注いでアイスコーヒーとして飲むなど、これまで実践したことがない楽しみ方に関心を持つ人々が増えている。しかしながら、抽出後のコーヒーは濁りを伴いやすく、特にグラスに注いで飲む場合には外観上の改善が望まれている。
【0004】
珈琲の抽出効率及び濁りの抑制については、技術的にいくつかの提案がなされている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05-111349号公報
【特許文献2】特開平06-030702号公報
【特許文献3】特開2007-217466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、抽出効率が良好であり、かつ、珈琲飲料の濁りを抑制できる珈琲粉砕物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の実施形態を含む。本発明は以下の実施形態に限定されない。
[1]焙煎された珈琲豆を用意すること;前記珈琲豆を、粉砕し、粒径が850μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であり、安息角が調整された珈琲粉砕物を得ること、及び;前記珈琲粉砕物に、不活性ガス雰囲気下で加圧処理を施すこと、を含み;前記加圧処理におけるゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積が、5~520((kPa)×(h))である、珈琲粉砕物の製造方法。
[2]前記安息角を42°以下に調整する、上記[1]に記載の珈琲粉砕物の製造方法。
[3]前記不活性ガス雰囲気下における酸素ガス濃度が10体積%以下である、上記[1]又は[2]に記載の珈琲粉砕物の製造方法。
[4]前記不活性ガスが窒素ガスである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の珈琲粉砕物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態である珈琲粉砕物の製造方法によれば、抽出効率が良好であり、かつ、珈琲飲料の濁りを抑制できる珈琲粉砕物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の実施形態である珈琲粉砕物の製造方法は、焙煎された珈琲豆を用意すること;前記珈琲豆を、粉砕し、粒径が850μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であり、安息角が調整された珈琲粉砕物を得ること、及び;前記珈琲粉砕物に、不活性ガス雰囲気下で加圧処理を施すこと、を含む。前記加圧処理におけるゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積は、5~520((kPa)×(h))である。珈琲粉砕物の製造方法は、任意の工程を更に含んでよい。
【0010】
(焙煎された珈琲豆の用意)
本発明の実施形態において、珈琲粉砕物の製造方法は、焙煎された珈琲豆を用意することを含む。珈琲豆の種類及び産地は特に限定されない。珈琲豆の品種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等が挙げられる。珈琲豆の産地としては、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、エチオピア、モカ、ベネズエラ、グァテマラ、コスタリカ、ブルーマウンテン、コナ、マンデリン、キリマンジャロ等が挙げられる。
【0011】
焙煎された珈琲豆は、珈琲生豆を焙煎したものである。本明細書において、焙煎された珈琲豆を「焙煎珈琲豆」ともいう。焙煎の方式は、直火式、熱風式、又は半熱風式などのいずれの方式であってもよい。焙煎度も特に限定されない。焙煎度は、浅煎り、中煎り、及び深煎りのいずれであってもよい。焙煎度は、例えば、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、及びイタリアンに分類される。焙煎珈琲豆は、1種単独の焙煎珈琲豆からなる珈琲豆であっても、2種以上の焙煎珈琲豆を含むブレンド珈琲豆であってもよい。
【0012】
(焙煎珈琲豆の粉砕及び安息角の調整)
本発明の実施形態において、珈琲粉砕物の製造方法は、焙煎珈琲豆を、粉砕し、粒径が850μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であり、安息角が調整された珈琲粉砕物を得ることを含む。粉砕には、例えば、ロールグラインダータイプ、フラットカッタータイプ、コニカルカッタータイプ、ブレードカッタータイプ等の粉砕機を使用できる。粒径の調整が容易であり、耐久性及び操作性に優れることから、架砕方式の粉砕機であるロールグラニュレーターを用いることが好ましい。具体的には、日本グラニュレーター株式会社製のグラニュレーター(チャフ除去タイプ)「GRN-6042」、CB型グラニュレーター「GRN-153CB」等を用いることができる。
【0013】
粉砕により、粒径が850μm以下である粒子を70質量%以上の比率で含有し、かつ、安息角が調整された珈琲粉砕物を得る。珈琲粉砕物が粒径850μm以下である粒子を70質量%以上の比率で含有すると、珈琲粉砕物に含まれる粒子の表面積が十分となり、抽出効率を高めることができる。粒径が850μm以下である粒子の含有率は、少なくとも目開き850μmのメッシュがセットされた振とう機等を用いて求めることが可能であり、具体的には、振とう後、メッシュに残る珈琲粉砕物の質量と珈琲粉砕物全体の質量とにより算出できる。振とう機として、卓上形標準ふるい振とう機(例えば、VSS-51(筒井理化学器械株式会社製))を使用でき、質量の測定には、電子天秤(例えば、UX6200H(株式会社島津製作所製))を使用できる。
【0014】
珈琲粉砕物は、粒径850μm以下である粒子の含有率が75質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上である。粒径850μm以下である粒子の含有率が75質量%以上であると、抽出効率がより向上し、珈琲由来の成分を抽出しやすくなる。珈琲粉砕物の粒度分布は、粉砕機としてロールグラニュレーターによる粉砕の他、ブレードカッタータイプ粉砕機の処理時間、回転数を制御するなどよって調整が可能である。また、珈琲粉砕物の粒度分布は、振とう機等を利用して特定の粒径を持つ粒子の含有量を増加又は減少させることによっても調整することができる。
【0015】
珈琲粉砕物は、粒径700μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは粒径600μm以下である粒子の含有率が70質量%以上である。粒径700μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であると抽出効率がより向上し、珈琲由来の成分を抽出しやすくなる。
【0016】
珈琲粉砕物は、粒径500μm以下である粒子の含有率が30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。粒径500μm以下である粒子の含有率が30質量%以下であると、抽出時にフィルターの目詰まりが生じることを防止でき、良好な抽出効率が得られやすい。
【0017】
珈琲粉砕物は、粒径250μm以下である粒子の含有率が10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。粒径250μm以下である粒子の含有率が10質量%以下であると、抽出時にフィルターの目詰まりが生じることを防止でき、良好な抽出効率が得られやすい。
【0018】
珈琲粉砕物は、安息角が、42°以下に調整されていることが好ましい。安息角が、42°以下であると、粒子に残る角が取り除かれ、体積当たりの表面積が大きくなるために、抽出効率が向上する傾向がある。安息角は、好ましくは41°以下、より好ましくは40°以下である。安息角の下限は特に限定されないが、例えば、33°以上、35°以上、又は38°以上であってよい。
【0019】
安息角は、粉体物性測定器によって測定可能であり、例えば、マルチテスターMT-1001(株式会社セイシン企業製)等により測定できる。安息角は、撹拌機等により珈琲粉砕物を処理することで小さくなる傾向がある。一方で、安息角は、粉砕後に撹拌機等による処理を実施しないことで大きく維持される傾向がある。これらの傾向に基づき、安息角が調整された珈琲粉砕物を得ることができる。撹拌機は、珈琲粉砕物を撹拌できる撹拌機であれば特に限定されず、粉末の撹拌に一般的に使用される各種撹拌機を用いることができる。
【0020】
(珈琲粉砕物の加圧処理)
本発明の実施形態において、珈琲粉砕物の製造方法は、珈琲粉砕物に、不活性ガス雰囲気下で、ゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積が、5~520((kPa)×(h))となる条件で加圧処理を施すことを含む。加圧処理を施すことによって、珈琲粉砕物内に含まれる酸素の不活性ガスへの置換効率が高まり、置換された状態が維持されやすくなるため、抽出後の珈琲飲料の濁りを抑えることができる。
【0021】
不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、二酸化炭素ガス、アルゴンガス、又はこれらの混合ガス等が挙げられ、窒素ガスを好ましく使用できる。不活性ガス雰囲気中に含まれる酸素ガスの濃度は、例えば10体積%以下であり、好ましくは4体積%以下、より好ましくは3体積%以下、更に好ましくは2体積%以下である。酸素ガスの濃度は、酸素濃度計により測定可能であり、例えば、OXYGENANALYZER MODELIS-300(飯島電子工業株式会社製)等を用いて測定することができる。
【0022】
加圧処理時の圧力は、ゲージ圧力で0.5~45kPaであり、好ましくは1~40kPa、より好ましくは2~35kPaである。加圧処理時の圧力は、加圧容器に付属する圧力計等により測定することができ、例えば、圧力弁や圧力計を備えた加圧容器(型番:PCN-F-10-UT(日東金属工業株式会社製))等を用いることで測定することができる。加圧処理の時間は、5~24h(時間)であり、好ましくは5~20h、より好ましくは5~15hである。加圧処理時間は、加圧容器内にガスを充填し、容器内のゲージ圧力が0.1kPaとなった時点から、密封を開放してゲージ圧力が0kPaとなった時点までの時間とすることができる。
【0023】
ゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積は、5~520((kPa)×(h))であり、10~450であることが好ましく、20~300であることがより好ましく、25~200であることがより好ましい。ゲージ圧力(kPa)と時間(h)の積が前記範囲内であると、抽出効率を維持しつつ、濁りを抑える効果を得ることができる。
【0024】
加圧処理においては、好ましくは、珈琲粉砕物を加圧容器に入れ、容器内に不活性ガスを加えた状態で、容器内のゲージ圧力が0.5~45kPaである雰囲気を保ち、5~24hにわたって珈琲粉砕物を容器内に静置すればよい。
【0025】
粒径850μm以下である粒子の含有率が70質量%以上であり、安息角が調整された珈琲粉砕物を得た後、180分以内に、珈琲粉砕物に加圧処理を施すことが好ましい。180分以内であると、珈琲粉砕物の酸化を極力防止することができる。より好ましくは120分以内、更に好ましくは60分以内である。
【0026】
(任意の工程)
珈琲粉砕物の製造方法は、任意の工程を更に含んでよい。任意の工程として、例えば、珈琲生豆を用意すること、珈琲生豆を焙煎すること、焙煎珈琲豆を冷却すること、珈琲粉砕物を包装容器に充填すること等が挙げられる。これらの任意の工程は、公知の方法に従って実施できる。なお包装容器へ充填する場合には、品質を保持する観点から、加圧処理後、24時間以内に充填することが好ましく、12時間以内に充填することがより好ましい。
【実施例0027】
本発明の実施形態について実施例により具体的に説明する。本発明の実施形態は以下の実施例に限定されない。
【0028】
[珈琲粉砕物の製造]
(対照例1)
焙煎後96時間以内の焙煎珈琲豆(コロンビア産アラビカ種)を600g準備し、コーヒーミル(KR-804:Ditting社製)より中挽きに粉砕し、珈琲粉砕物を得た。
【0029】
(実施例1)
対照例1で得られた珈琲粉砕物をフードプロセッサー(magimix4100:ロボクープ社製)に投入し、5分間の撹拌を実施した。なお、撹拌は300gずつ2回に分けて実施した。撹拌された珈琲粉砕物を、加圧容器(型番PCN-F-10-UT:日東金属工業株式会社製)に投入し、窒素ガスの封入によりゲージ圧力を2kPaに調整した後、残存酸素濃度計(OXYGENANALYZER MODELIS-300:飯島電子工業株式会社製)にて残存酸素濃度を測定した。加圧容器の弁を閉め5時間にわたり加圧処理を実施した。なお撹拌後、容器内のゲージ圧力が0.1kPaに到達するまでに要した時間は45分であった。
【0030】
(実施例2~4)
加圧処理の条件を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様の方法により、珈琲粉砕物を得た。
【0031】
(比較例1~4)
加圧処理を実施しないか、又は、加圧処理の条件を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様の方法により、珈琲粉砕物を得た。
【0032】
(比較例5)
対照例1で得られた珈琲粉砕物を、条件を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様の方法により加圧処理し、珈琲粉砕物を得た。
【0033】
(実施例5)
対照例1で得られた珈琲粉砕物をフードプロセッサー(magimix4100:ロボクープ社製)に投入し、10分間の撹拌を実施した。なお、撹拌は300gずつ2回に分けて実施した。撹拌された珈琲粉砕物を、条件を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様の方法により加圧処理し、珈琲粉砕物を得た。
【0034】
[珈琲粉砕物の粒度分布及び安息角]
(粒度分布)
以下の方法により珈琲粉砕物の粒度分布を得て、粒度分布を利用して粒径が850μm以下である粒子の含有率(質量%)を求めた。
卓上形標準ふるい振とう機(VSS-51:筒井理化学器械株式会社製)に850μm、500μm、及び250μmの目開きの金属メッシュと受け皿とをセットした。珈琲粉砕物50gをフィーダーメモリ8にて10分間振とうした。各金属メッシュ及び受け皿の上に残った粉砕物の質量を、電子天秤(UX6200H:株式会社島津製作所製)を用いて計測し、合計値を100質量%としたときの各区分の比率(質量%)を算出した。
【0035】
(安息角)
安息角(°)の測定には、粉体物性測定器(マルチテスターMT-1001:株式会社セイシン企業製)を使用した。粉体物性測定器のサンプル投入口に目開き710μmの金属メッシュをセットし、珈琲粉砕物を載せ、「FEEDER RUNNING SCREEN」中の「MANUAL MODE」にてフィーダーメモリ7として稼働させた。7分間の稼働後、堆積した粉砕物を3方向(堆積物の頂点を中心として約120°間隔の3方向)から観察して3点の安息角を測定し、算術平均値を珈琲粉砕物の安息角(°)とした。
【0036】
[珈琲粉砕物の評価]
(抽出効率)
次の方法により対照例1の珈琲粉砕物の抽出効率(%)を測定した。
市販の珈琲用ドリップバッグフィルター(幅74mm×高さ90mm)を使用し、フィルターに珈琲粉砕物を9gセットした。純水を沸騰させた後、95℃の温度の純水を3回に分けて合計170gとなるように珈琲粉砕物に注ぎ、2分間で抽出を終了した。得られた抽出液のBrix値を、デジタル屈折計(RX-5000:株式会社アタゴ製)にて3回測定し、算術平均して平均Brix値を得た。「平均Brix値(%)×抽出液量(g)/9×100」の計算式により抽出効率(%)を算出した。
次いで、同様の方法により、各実施例及び比較例の珈琲粉砕物の抽出効率(%)を求めた。
【0037】
対照例1の珈琲粉砕物の抽出効率(%)と、各実施例及び比較例の珈琲粉砕物の抽出効率(%)とから、「各実施例及び比較例の抽出効率(%)-対照例1の抽出効率(%)」の計算式により「Δ抽出効率」を算出し、各の各実施例及び比較例の珈琲粉砕物の抽出効率を評価した。評価結果を表1に示す。
評価基準は次のとおりである。
◎:対照例1に対する「Δ抽出効率」が1.5%以上
〇:対照例1と比較し「Δ抽出効率」が0.5%以上1.5%未満
△:対照例1と比較し「Δ抽出効率」が0.5%未満
【0038】
(濁り防止(清澄性))
次の方法により対照例1の珈琲粉砕物を用いた抽出液の660nmにおける透過率(%)を測定した。
抽出液の660nmにおける透過率(%)を、紫外可視分光光度計(型番UV-1800:株式会社島津製作所製)にて3回測定し、算術平均して抽出液の透過率(%)得た。
次いで、同様の方法により、各実施例及び比較例の珈琲粉砕物を用いた抽出液の透過率(%)を測定した。
【0039】
対照例1の珈琲粉砕物の透過率(%)と、各実施例及び比較例の珈琲粉砕物の透過率(%)とから、「各実施例及び比較例の透過率(%)-対照例1の透過率(%)」の計算式により「Δ透過率(%)」を算出し、各実施例及び比較例の珈琲粉砕物の清澄性を評価した。評価結果を表1に示す。
評価基準は次のとおりである。
◎:対照例1に対する「Δ透過率」が2.0%以上
〇:対照例1に対する「Δ透過率」が1.0%以上2.0%未満
△:対照例1に対する「Δ透過率」が1.0%未満
【0040】