(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146031
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】駐輪管理システム、駐輪管理方法、駐輪管理装置およびアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241004BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241004BHJP
【FI】
G07B15/00 L
G06Q50/10
G07B15/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058695
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】310012719
【氏名又は名称】株式会社レスター
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】田野尻 航史
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA38
3E127BA50
3E127BA70
3E127CA25
3E127CA35
3E127CA43
3E127CA47
3E127CA59
3E127EA04
3E127EA18
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】本発明によれば、自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。
【解決手段】駐輪場を管理する駐輪管理システムであって、駐輪場に配置された少なくとも1つの駐輪装置と、駐輪装置と無線通信を行い、駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部と、を備える駐輪管理システムである。駐輪装置は、無線通信、および、ロックとロック解除を行うための電力を供給する蓄電部を有し、管理部は、さらに、駐輪装置からの蓄電部の電気残量の情報を無線受信して、蓄電部の電気残量を管理する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐輪場を管理する駐輪管理システムであって、
駐輪場に配置された少なくとも1つの駐輪装置と、
前記駐輪装置と無線通信を行い、前記駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部と、
を備える駐輪管理システム。
【請求項2】
前記駐輪装置は、無線通信、および、ロックとロック解除を行うための電力を供給する蓄電部を有し、
前記管理部は、さらに、前記駐輪装置からの前記蓄電部の電気残量の情報を無線受信して、前記蓄電部の電気残量を管理する請求項1に記載の駐輪管理システム。
【請求項3】
前記駐輪場には、各駐輪装置が無線通信部を備えて、近接する他の駐輪装置と無線通信する複数の駐輪装置が配置され、
前記管理部は、前記駐輪場に配置された駐輪管理装置であって、
前記駐輪装置のロック情報を無線受信して、前記ロック情報に基づいて前記駐輪装置における駐輪料金の加算を開始し、駐輪料金の決済完了に応答して前記駐輪装置へロック解除情報を無線送信する制御部を有する請求項1に記載の駐輪管理システム。
【請求項4】
前記駐輪場には、各駐輪装置が無線通信部を備えて、近接する他の駐輪装置と無線通信する複数の駐輪装置が配置され、
前記管理部は、
前記駐輪場に配置された駐輪管理装置と、
前記駐輪管理装置と通信するサーバと、
を含み、
前記駐輪管理装置は、前記駐輪装置のロック情報を無線受信すると、前記駐輪装置の識別情報と前記ロック情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記駐輪装置の識別情報と前記ロック情報との受信に基づいて前記駐輪装置における駐輪料金の加算を開始し、
前記駐輪管理装置は、駐輪料金の決済要請を受けると、前記駐輪装置の識別情報と前記決済要請の情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記駐輪装置の識別情報と前記決済要請の情報との受信に応答して駐輪料金を算出して決済し、決済完了すると前記駐輪装置の識別情報とロック解除情報とを前記駐輪管理装置に送信し、
前記駐輪管理装置は、前記駐輪装置の識別情報とロック解除情報とを受信して、前記駐輪装置へロック解除情報を無線送信する請求項1に記載の駐輪管理システム。
【請求項5】
前記駐輪装置の識別情報と前記ロック情報との前記サーバへの送信、前記駐輪装置の識別情報と前記決済要請の情報との前記サーバへの送信、および、前記駐輪装置の識別情報とロック解除情報との前記駐輪管理装置への送信の少なくとも1つは、ユーザが携帯する携帯端末を介して行われる請求項4に記載の駐輪管理システム。
【請求項6】
前記管理部は、ユーザが携帯する携帯端末を介して通信接続されるサーバであって、
前記駐輪装置は、前記携帯端末を介して前記駐輪装置の識別情報とロック情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記駐輪装置の識別情報と前記ロック情報との受信に応答して前記駐輪装置における駐輪料金の加算を開始し、
前記携帯端末から前記駐輪装置の識別情報と決済要請の情報とを受信すると、駐輪料金を算出して決済し、決済完了すると前記駐輪装置の識別情報とロック解除情報とを前記携帯端末を介して前記駐輪装置に送信する請求項1に記載の駐輪管理システム。
【請求項7】
前記管理部は、ユーザが携帯する携帯端末に情報を提供する情報提供部を有する請求項1に記載の駐輪管理システム。
【請求項8】
前記無線通信は、ブロートゥース(登録商標)を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の駐輪管理システム。
【請求項9】
駐輪場に配置された駐輪管理装置であって、
複数の駐輪装置をそれぞれ制御する駐輪制御装置から、他の駐輪制御装置を中継してロック情報を受信し、前記駐輪制御装置へ他の駐輪制御装置を中継してロック解除情報を送信する第1通信部と、
前記複数の駐輪装置における駐輪料金の決済とロック解除とを処理するサーバに、ロック情報を送信する第2通信部と、
ユーザが携帯する携帯端末が有するアプリケーションを立ち上げる信号を送信し、前記携帯端末からの前記ロック解除情報を受信する第3通信部と、
を備える駐輪管理装置。
【請求項10】
前記第1通信部は、前記駐輪制御装置から前記駐輪制御装置の電源である充電部の電気残量を受信し、
前記電気残量が閾値以下である場合に前記充電部の交換を報知する報知部をさらに備える請求項9に記載の駐輪管理装置。
【請求項11】
駐輪場を管理する駐輪管理方法であって、
駐輪場に配置された少なくとも1つの駐輪装置と、前記駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部と、を無線通信で接続する無線接続ステップと、
前記駐輪装置のロック情報を無線で受信して、駐輪料金の算出を開始する算出ステップと、
ユーザからロック解除要請を取得し、算出された駐輪料金の決済が完了した場合に、前記管理部から前記駐輪装置にロック解除情報を無線送信する解除情報送信ステップと、
前記駐輪装置でロックを解除するロック解除ステップと、
を含む駐輪管理方法。
【請求項12】
ユーザが携帯する携帯端末が有する、駐輪を管理するためのアプリケーションプログラムであって、
駐輪場に配置された駐輪管理装置から受信した信号に応答して立ち上がり、
前記駐輪場に配置された複数の駐輪装置における駐輪料金の決済とロック解除とを処理するサーバに、ロック解除の要請を送信するロック解除要請ステップと、
前記サーバから駐輪料金の決済の完了後に送信されるロック解除情報を受信するロック解除情報受信ステップと、
前記ロック解除情報を前記駐輪管理装置に送信するロック解除情報送信ステップと、
をコンピュータに実行させるアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐輪管理システム、駐輪管理方法、駐輪管理装置およびアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、駐輪装置を無線通信で接続して駐輪料金の決済や駐輪装置の締錠および解錠を管理する技術が開示されている。特許文献2には、駐輪場を管理する駐輪システムにおいて、駐輪装置をデータ通信網で接続し、携帯端末により解錠処理や決済処理をする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5126766号公報
【特許文献2】特開2021-155958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、自動管理の駐輪スペースを自在に設定することを課題としていなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る駐輪管理システムは、
駐輪場を管理する駐輪管理システムであって、
駐輪場に配置された少なくとも1つの駐輪装置と、
前記駐輪装置と無線通信を行い、前記駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部と、
を備える。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る駐輪管理装置は、
駐輪場に配置された駐輪管理装置であって、
複数の駐輪装置をそれぞれ制御する駐輪制御装置から、他の駐輪制御装置を中継してロック情報を受信し、前記駐輪制御装置へ他の駐輪制御装置を中継してロック解除情報を送信する第1通信部と、
前記複数の駐輪装置における駐輪料金の決済とロック解除とを処理するサーバに、ロック情報を送信する第2通信部と、
ユーザが携帯する携帯端末が有するアプリケーションを立ち上げる信号を送信し、前記携帯端末からの前記ロック解除情報を受信する第3通信部と、
を備える。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る駐輪管理方法は、
駐輪場を管理する駐輪管理方法であって、
駐輪場に配置された少なくとも1つの駐輪装置と、前記駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部と、を無線通信で接続する無線接続ステップと、
前記駐輪装置のロック情報を無線で受信して、駐輪料金の算出を開始する算出ステップと、
ユーザからロック解除要請を取得し、算出された駐輪料金の決済が完了した場合に、前記管理部から前記駐輪装置にロック解除情報を無線送信する解除情報送信ステップと、
前記駐輪装置でロックを解除するロック解除ステップと、
を含む。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るアプリケーションプログラムは、
ユーザが携帯する携帯端末が有する、駐輪を管理するためのアプリケーションプログラムであって、
駐輪場に配置された駐輪管理装置から受信した信号に応答して立ち上がり、
前記駐輪場に配置された複数の駐輪装置における駐輪料金の決済とロック解除とを処理するサーバに、ロック解除の要請を送信するロック解除要請ステップと、
前記サーバから駐輪料金の決済の完了後に送信されるロック解除情報を受信するロック解除情報受信ステップと、
前記ロック解除情報を前記駐輪管理装置に送信するロック解除情報送信ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2A】第2実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2B】第2実施形態に係る駐輪管理データベースの構成を示す図である。
【
図3A】第2実施形態に係る駐輪管理システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【
図3B】第2実施形態に係る駐輪管理システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【
図4A】第2実施形態に係る駐輪装置を制御する駐輪制御部の機能構成を示す図である。
【
図4B】第2実施形態に係る駐輪装置を制御する駐輪制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5A】第2実施形態に係る駐輪管理装置の機能構成を示す図である。
【
図5B】第2実施形態に係る駐輪管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6A】第2実施形態に係るサーバの機能構成を示す図である。
【
図6B】第2実施形態に係るサーバの処理手順を示すフローチャートである。
【
図7A】第2実施形態に係る携帯端末の機能構成を示す図である。
【
図7B】第2実施形態に係る携帯端末の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】第3実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】第3実施形態に係る駐輪管理システムの動作手順を示すシーケンス図である。
【
図10A】第3実施形態に係る駐輪管理装置の機能構成を示す図である。
【
図10B】第3実施形態に係る駐輪管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11A】第4実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図11B】第4実施形態に係る駐輪管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】第5実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図13】第6実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図14】第7実施形態に係る駐輪管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての駐輪管理システム100について、
図1を用いて説明する。駐輪管理システム100は、駐輪場110を管理するシステムである。
【0014】
図1に示すように、少なくとも1つの駐輪装置101と、駐輪装置101と無線通信を行う管理部102と、を含む。駐輪装置101は、駐輪場110に配置され、ロックとロック解除の状態を有する。管理部102は、駐輪装置101のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する。
【0015】
本実施形態によれば、自動管理(すなわち無人管理)の駐輪スペースを自在に設定することができる。
【0016】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る駐輪管理システムについて説明する。本実施形態に係る駐輪管理システムは、駐輪場に配置された少なくとも1つの駐輪装置と管理部とがと無線通信を行い、駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理することで、駐輪場を管理するシステムである。また、駐輪装置は、無線通信、および、ロックとロック解除を行うための電力を供給する蓄電部を有し、管理部は、さらに、駐輪装置からの蓄電部の電気残量の情報を無線受信して、蓄電部の電気残量を管理する。
【0017】
また、駐輪場に、各駐輪装置が無線通信部を備えて、近接する他の駐輪装置と無線通信する複数の駐輪装置が配置された、管理部は、駐輪場に配置された駐輪管理装置と、駐輪管理装置と通信するサーバと、を含む。この場合に、駐輪管理装置は、駐輪装置のロック情報を無線受信すると、駐輪装置の識別情報と前記ロック情報を前記サーバに送信する。サーバは、駐輪装置の識別情報と前記ロック情報との受信に応答して駐輪装置における駐輪料金の加算を開始する。駐輪管理装置は、駐輪料金の決済要請を受けると、駐輪装置の識別情報と決済要請の情報とをサーバに送信する。サーバは、駐輪装置の識別情報と決済要請の情報との受信に応答して駐輪料金を算出して決済し、決済完了すると駐輪装置の識別情報とロック解除情報とを駐輪管理装置に送信する。そして、駐輪管理装置は、駐輪装置の識別情報とロック解除情報とを受信して、駐輪装置へロック解除情報を無線送信する。
【0018】
なお、駐輪装置の識別情報とロック情報との前記サーバへの送信、駐輪装置の識別情報と決済要請の情報との前記サーバへの送信、および、駐輪装置の識別情報とロック解除情報との駐輪管理装置への送信の少なくとも1つは、ユーザが携帯する携帯端末を介して行われてもよい。無線通信としては、ブロートゥース(登録商標)が用いられるが、限定されるものではない。
【0019】
<駐輪管理システム>
図2A~
図3Bを参照して、本実施形態の駐輪管理システム200について構成および動作を説明する。
【0020】
(構成)
図2Aは、本実施形態に係る駐輪管理システム200の構成を示すブロック図である。
【0021】
駐輪管理システム200は、駐輪スタンドに配置された各駐輪装置が有する駐輪制御部210と、駐輪装置の駐輪制御部210と無線通信し、駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部202と、を備える。
【0022】
管理部202は、駐輪管理装置220と、サーバ230とから構成される。なお、ユーザが携帯する携帯端末240は、管理部202内に図示されているが、管理部202や駐輪管理システム200の外にあってもよい。
【0023】
駐輪制御部210は、他の駐輪制御部210および駐輪管理装置220と無線通信する。ここで、駐輪制御部210間の無線通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)・メッシュを利用し、駐輪管理装置220に近い駐輪制御部210は駐輪管理装置220と通信する。図面においては、Bluetooth(登録商標)で示す。一方、駐輪管理装置220に遠い駐輪制御部210は他の駐輪制御部210を中継して駐輪管理装置220と通信することで、自在な駐輪エリアを構成することができる。
【0024】
駐輪管理装置220は、駐輪制御部210と無線通信すると共に、サーバ230との通信および無線信号によりユーザが携帯する携帯端末240のアプリケーションを立ち上げる。携帯端末240は、アプリケーションに従いサーバ230に決済指示をし、決済完了後にサーバ230からロック解除情報を受信して駐輪管理装置220に渡し、対象の駐輪装置IDを有する駐輪装置に対してロック解除情報を無線送信する。
【0025】
また、サーバ230は、駐輪料金の決済および駐輪装置のロック解除情報の生成を行う。サーバ230は、駐輪管理システム200を管理するためのデータを格納する駐輪管理データベース232を有する。なお、ダッシュボード231は、駐輪装置のロック/ロック解除の状態、あるいは、決済結果などを監視するために使用される。
【0026】
図2Bは、本実施形態に係る駐輪管理データベース232の構成を示す図である。駐輪管理データベース232は、駐輪場を登録する駐輪場登録テーブル250と、駐輪状態を記憶して駐輪料金を算出する駐輪料金算出テーブル260と、駐輪履歴を蓄積する駐輪履歴蓄積テーブル270と、バッテリ残量を判定するバッテリ残量テーブル280と、を含む。なお、これらのテーブルは、駐輪装置IDをキーとして合成してもよい。また、駐輪料金の算出やバッテリ残量の判定をサーバ230で行わない場合は、それぞれを実施する構成要素内で保持するのが望ましい。
【0027】
駐輪場登録テーブル250は、本実施形態において管理する対象の駐輪場をあらかじめ登録するテーブルである。駐輪場登録テーブル250は、駐輪場ID251に対応付けて、駐輪場属性252と、駐輪時間単価253と、課金開始時間254と、駐輪場に設置された少なくとも1つの駐輪装置ID255と、を記憶する。そして、各駐輪装置ID255に対応付けて、駐輪装置間の無線接続256を記憶する。駐輪場属性252には、駐輪場の住所、サイズ、駐輪数などを記憶する。また、課金開始時間254は、ロック情報を受信してから実際に課金を開始するまでの遅延時間であり、例えば、ロック後、30分間までは無料などの設定が設置場所などに応じて行われる。また、駐輪装置間の無線接続256には、無線接続方式や無線通信順序(中継順序)などを記憶する。
【0028】
駐輪料金算出テーブル260は、駐輪料金を算出するためのテーブルである。駐輪料金算出テーブル260は、各駐輪装置ID261に対応付けて、駐輪装置の現在の状態を示すロック/ロック解除フラグ262を記憶する。さらに、各駐輪装置ID261に対応付けて、今まで駐輪された結果のロック日時263と、ロック解除日時264とを記憶する。そして、ロック解除日時264からロック日時263を差し引いた駐輪時間265と、駐輪料金266(=駐輪時間265×駐輪時間単価253)と、決済の未了/完了フラグ267と、を記憶する。
【0029】
駐輪履歴蓄積テーブル270は、駐輪場の経営実績を検証するための駐輪履歴を蓄積するテーブルである。駐輪履歴蓄積テーブル270は、駐輪場ID271に対応付けて少なくとも1つの駐輪装置ID272を記憶する。そして、駐輪装置ID272に対応付けて、駐輪履歴273を記憶する。駐輪履歴273には、例えば、駐輪日時と、駐輪料金と、駐輪料金を月単位に積算した収入、あるいは、季節単位、週単位、曜日単位などで集計した収入とが記憶される。
【0030】
バッテリ残量テーブル280は、各駐輪制御部210の電源であるバッテリ(充電部)の電気残量を管理するためのテーブルである。バッテリ残量テーブル280は、駐輪装置ID281に対応付けて、検出したバッテリ残量282と、取替要否フラグ(≦Th)283と、を記憶する。
【0031】
(動作シーケンス)
図3Aおよび
図3Bは、本実施形態に係る駐輪管理システム200の動作手順を示すシーケンス図である。
図3Aにより、本実施形態における駐輪管理シーケンスを説明する。
【0032】
駐輪制御部210がステップS311においてロックを検知すると、ステップS313でロック情報を生成して駐輪装置IDと共に駐輪管理装置220に向けて無線送信する。なお、駐輪装置が駐輪管理装置220から離れている場合は、ステップS315のように他の駐輪制御部210を中継して駐輪管理装置220に無線送信する。
【0033】
駐輪管理装置220は、ロック情報と駐輪装置IDとを受信すると、ステップS317においてロック情報と駐輪装置IDとをサーバ230に送信する。ロック情報と駐輪装置IDとを受信したサーバ230は、ステップS319において、課金開始時間254を待ってから駐輪料金の算出を開始する。
【0034】
ユーザがロック解除を求める場合、ユーザが携帯する携帯端末240が駐輪管理装置220から発しているビーコンの受信範囲内に近づくと、ステップS321およびS323において携帯端末240においてあらかじめダウンロードされている駐輪管理アプリケーションが立ち上がる。そして、携帯端末240はステップS325において、サーバ230に駐輪装置IDを送り駐輪料金の決済を要請する。なお、駐輪装置IDは、携帯端末240からユーザが入力しても、2次元バーコード(QRコード(登録商標)など)を撮像して取得しても、駐輪制御部210から無線通信で取得してもよい。
【0035】
サーバ230は、ステップS327において駐輪料金を算出し、ステップS329において駐輪料金の決済をし、ステップS331においてロック解除情報を生成して携帯端末240に送信する。ロック解除情報を受信した携帯端末240は、ステップS333においてロック解除情報を駐輪管理装置220に無線送信する。駐輪管理装置220は、ステップS335においてロック解除情報を駐輪装置の駐輪制御部210に無線送信する。駐輪制御部210への無線送信は、駐輪装置が駐輪管理装置220から離れている場合、ステップS337およびS339に示すように他の駐輪制御部210を中継して行われる。そして、ロック解除情報を受信した駐輪制御部210は、ステップS341において当該駐輪装置のロックを解除する。
【0036】
なお、サーバ230は、例えば、ステップS351に示したように、駐輪装置の駐輪履歴を記憶するのが望ましい。
【0037】
次に、
図3Bにより、本実施形態におけるバッテリ残量管理シーケンスを説明する。
【0038】
駐輪制御部210がステップS361においバッテリ残量を検知すると、ステップS363でバッテリ残量を生成して駐輪装置IDと共に駐輪管理装置220に向けて無線送信する。なお、駐輪装置が駐輪管理装置220から離れている場合は、ステップS365のように他の駐輪制御部210を中継して駐輪管理装置220に無線送信する。
【0039】
駐輪管理装置220は、バッテリ残量と駐輪装置IDとを受信すると、ステップS367において、バッテリ残量が閾値(Th)以下か否かを判定する。バッテリ残量が閾値(Th)以下であれば、ステップS369において、当該駐輪装置のバッテリ取替を報知する。
【0040】
また、駐輪制御部210でバッテリ取替を報知する場合、駐輪管理装置220は、ステップS371において、バッテリ取替情報を駐輪装置の駐輪制御部210に無線送信する。駐輪制御部210への無線送信は、駐輪装置が駐輪管理装置220から離れている場合、ステップS373およびS375に示すように他の駐輪制御部210を中継して行われる。そして、バッテリ取替情報を受信した駐輪制御部210は、ステップS377において当該駐輪装置のバッテリ取替を報知する。
【0041】
また、サーバ230でバッテリ取替を報知する場合、サーバ230は、ステップS379において、駐輪管理装置220から受信したバッテリ取替を報知する。なお、サーバ230は、例えば、ステップS381に示したように、駐輪装置のバッテリ取替の履歴を記憶するのが望ましい。
【0042】
なお、
図3Aおよび
図3Bにおいて、駐輪管理とバッテリ残量管理とを別に示したが、ロック処理時やロック解除処理時にバッテリ残量判定を同時に行ってもよい。
【0043】
<駐輪装置を制御する駐輪制御部>
図4Aは、本実施形態に係る駐輪装置を制御する駐輪制御部210の機能構成を示す図である。
【0044】
駐輪制御部210は、近距離無線通信制御部401と、入出力インタフェース402と、を備える。近距離無線通信制御部401は、通信を中継する他の駐輪制御部210または駐輪管理装置220との通信を制御する。入出力インタフェース402には、駐輪ロック機構420が接続されてロック/ロック解除を行う。また、入出力インタフェース402を介して、バッテリ(蓄電部)430の電気残量を検出する。
【0045】
駐輪制御部210は、さらに、ロック検知部403と、ロック情報送信部404と、ロック解除情報受信部405と、ロック解除信号出力部406と、を有する。ロック検知部403は、駐輪ロック機構420からロック状態を検知する。ロック情報送信部404は、ロック検知部403からのロック情報、情報記憶部409に保持された駐輪装置IDを付加して近距離無線通信制御部401を介して無線送信する。ロック解除情報受信部405は、ロック解除情報を、近距離無線通信制御部401を介して無線受信して、自分の駐輪装置IDを有するかを判定する。ロック解除信号出力部406は、ロック解除情報受信部405からの自分の駐輪装置IDを有するロック解除情報に基づきロック解除信号を生成して、駐輪ロック機構420に出力する。
【0046】
駐輪制御部210は、さらに、バッテリ残量取得部407と、バッテリ残量送信部408とを備える。バッテリ残量取得部407は、バッテリ430の電気残量を取得する。バッテリ残量送信部408は、バッテリ430の電気残量を、駐輪装置IDを付加して近距離無線通信制御部401を介して無線送信する。
【0047】
駐輪制御部210は、さらに、情報記憶部409と、情報中継部410とを備える。情報記憶部409は、当該駐輪装置IDとバッテリ残量とを保持する。情報中継部410は、ロック情報、ロック解除情報、バッテリ残量情報を駐輪管理装置220から離れた駐輪装置の駐輪制御部210に中継する。
【0048】
図4Bは、本2実施形態に係る駐輪装置を制御する駐輪制御部210の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、駐輪制御部210のCPU(Central Processing Unit)がRAM(Random Access Memory)を使用して実行し、
図4Aの構成要素を実現する。
【0049】
駐輪制御部210は、ステップS411において、駐輪ロック機構420におけるロック操作の検知か否かを判定する。ロック操作の検知と判定されると、駐輪制御部210は、ステップS413において、駐輪装置IDを付加したロック情報を生成する。そして、駐輪制御部210は、ステップS415において、ロック情報を無線送信する。
【0050】
ロック操作の検知と判定されない場合、駐輪制御部210は、ステップS421において、ロック解除情報の無線受信か否かを判定する。ロック解除情報の無線受信であれば、駐輪制御部210は、ステップS423において、ロック解除の指示を行う。そして、駐輪制御部210は、ステップS425において、ロック解除を駐輪管理装置220に無線通知する。
【0051】
ロック操作の検知と判定されず、ロック解除情報の無線受信でない場合、駐輪制御部210は、ステップS431において、バッテリ残量検出か否かが判定される。バッテリ残量検出であれば、バッテリ残量を駐輪管理装置220に無線通知する。なお、バッテリ残量情報を独立して送信する構成としたが、ロック時あるはロック解除時の無線通信に付加して送信してもよい。
【0052】
<駐輪管理装置>
図5Aは、本実施形態に係る駐輪管理装置220の機能構成を示す図である。
【0053】
駐輪管理装置220は、近距離無線通信制御部501と、通信制御部502と、を備える。近距離無線通信制御部501は、ブルートゥース(登録商標)で近接する駐輪装置の駐輪制御部210と無線通信して、ビーコンとして携帯端末240と無線通信する。通信制御部502は、サーバ230との通信を制御する。
【0054】
駐輪管理装置220は、さらに、駐輪検出部503と、駐輪開始情報送信部504と、ロック解除情報受信部505と、ロック解除情報送信部506と、を備える。駐輪検出部503は、駐輪装置の駐輪制御部210からブルートゥース(登録商標)・メッシュにより無線送信された駐輪装置でのロック情報から、駐輪を検出する。駐輪開始情報送信部504は、駐輪を検出すると、サーバ230に駐輪料金を算出するための駐輪装置IDを付加した駐輪開始情報を送信する。ロック解除情報受信部505は、携帯端末240からロック解除情報を無線受信する。ロック解除情報送信部506は、携帯端末240から無線受信したロック解除情報を、対象となる駐輪装置IDの駐輪装置に設けられた駐輪制御部210に無線送信する。
【0055】
駐輪管理装置220は、さらに、バッテリ残量受信部507と、バッテリ残量報知部508と、を備える。バッテリ残量受信部507は、駐輪装置の駐輪制御部210からブルートゥース(登録商標)・メッシュにより無線送信されたバッテリ残量を無線受信する。バッテリ残量報知部508は、無線受信したバッテリ残量を閾値と比較し、閾値以下ならばバッテリ残量が少なく取り替えが必要であることを報知する。
【0056】
図5Bは、本実施形態に係る駐輪管理装置220の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、駐輪管理装置220のCPUがRAMを使用して実行し、
図5Aの構成要素を実現する。
【0057】
駐輪管理装置220は、ステップS511において、駐輪制御部210からのロック情報の受信か否かを判定する。ロック情報の受信と判定されると、駐輪管理装置220は、ステップS513において、サーバ230の駐輪装置IDを付加したロック情報を通知する。
【0058】
ロック情報の受信と判定されない場合、駐輪管理装置220は、ステップS521において、ロック解除情報の無線受信か否かを判定する。ロック解除情報の無線受信であれば、駐輪管理装置220は、ステップS523において、ロック解除情報を駐輪装置IDが示す駐輪装置の駐輪制御部210に送信する。駐輪管理装置220は、ステップS525において、ロック解除を待って、ロック解除を認知するとステップS527において、ロック解除を記憶する。
【0059】
ロック情報の受信と判定されず、ロック解除情報の無線受信でない場合、駐輪管理装置220は、ステップS531において、バッテリ残量情報の受信か否かが判定される。バッテリ残量の受信であれば、駐輪管理装置220は、ステップS533において、バッテリ残量が閾値以下であるか否かを判定する。閾値以下である場合、駐輪管理装置220は、ステップS535において、バッテリ交換を通知する。なお、バッテリ残量情報を独立して送信する構成としたが、ロック時あるはロック解除時の無線通信に付加して通信してもよい。
【0060】
<サーバ>
図6Aは、本実施形態に係るサーバ230の機能構成を示す図である。
【0061】
サーバ230は、通信制御部601と、入出力インタフェース602と、を備える。通信制御部601は、携帯端末240または駐輪管理装置220との通信を制御する。入出力インタフェース602には、駐輪管理情報などが表示される表示部621と、駐輪管理情報の閲覧などを指示する操作部622とが接続される。
【0062】
サーバ230は、さらに、ロック情報受信部603と、駐輪料金算出部604と、ロック解除要請受信部605と、駐輪料金決済処理部606と、ロック解除情報生成部607と、ロック解除情報送信部608と、を有する。ロック情報受信部603は、駐輪管理装置220からロック情報を受信する。駐輪料金算出部604は、ロック情報に基づいて課金開始時間254を待ってから、対象となる駐輪装置IDに対応する駐輪料金の算出を開始する。実際には、駐輪装置IDに対応付けて開始時刻を記憶する。ロック解除要請受信部605は、携帯端末240からのロック解除要請を受信する。駐輪料金決済処理部606は、ロック解除要請の受信時刻と開始時刻との差から駐輪料金を算出して、決済処理を行う。なお、決済処理に制限はなく、既存の決済処理を組み込むことが可能である。ロック解除情報生成部607は、決済処理の完了後に、ロック解除情報を生成する。ロック解除情報送信部608は、生成されたロック解除情報を携帯端末240に送信する。
【0063】
サーバ230は、さらに、情報記憶部609と、バッテリ残量報知部610と、を備える。情報記憶部609は、駐輪を開始した駐輪装置IDとその決済内容とを記憶する。バッテリ残量報知部610は、サーバ230でバッテリ残量を管理する場合、バッテリ残量を報知する。
【0064】
図6Bは、本実施形態に係るサーバ230の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、サーバ230のCPUがRAMを使用して実行し、
図6Aの構成要素を実現する。
【0065】
サーバ230は、ステップS611において、駐輪管理装置220からのロック情報の受信か否かを判定する。ロック情報の受信と判定されると、サーバ230は、ステップS613において、課金開始時間254を待ってから駐輪装置IDに対応する駐輪料金の算出を開始する。そして、サーバ230は、ステップS615において、駐輪装置IDを駐輪履歴に追記する。
【0066】
ロック情報の受信と判定されない場合、サーバ230は、ステップS621において、携帯端末240からの決済要請の受信か否かを判定する。決済要請の受信であれば、サーバ230は、ステップS623において、駐輪料金を取得する。そして、サーバ230は、ステップS625において、駐輪料金の決済処理を実行する。駐輪料金の決済処理が正常に完了すると、サーバ230は、ステップS627において、ロック解除情報を生成して携帯端末240に送信する。そして、サーバ230は、ステップS629において、決済が完了した旨を記憶する。
【0067】
<携帯端末(スマホ)>
図7Aは、本実施形態に係る携帯端末240の機能構成を示す図である。
【0068】
携帯端末240は、近距離無線通信制御部(ビーコン)701と、通信制御部702と、を備える。近距離無線通信制御部701は、駐輪管理装置220との無線通信を制御する。通信制御部702は、サーバ230との通信を制御する。
【0069】
携帯端末240は、さらに、ビーコン受信部703と、アプリケーション立上部704と、駐輪管理アプリケーション705と、を備える。ビーコン受信部703は、駐輪管理装置220からのビーコンを受信する。アプリケーション立上部704は、ビーコン受信部703がビーコンを受信すると、駐輪管理アプリケーション705を立ち上げる。
【0070】
駐輪管理アプリケーション705は、駐輪料金決済要請部751と、ロック解除情報受信部752と、ロック解除情報送信部753と、決済エラー受信部754と、決済エラー報知部755と、を有する。駐輪料金決済要請部751は、サーバ230に対して駐輪料金決済を要請する。ロック解除情報受信部752は、決済完了後にサーバ230で生成され送信されたロック解除情報を受信する。ロック解除情報送信部753は、ロック解除情報を、近距離無線通信制御部701を介して駐輪管理装置220に送信する。決済エラー受信部754は、決済エラーがあった場合にサーバ230で生成され送信された決済エラーを受信する。決済エラー報知部755は、ユーザに決済エラーを報知する。
【0071】
図7Bは、本実施形態に係る携帯端末240の処理手順を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは、携帯端末240のCPUがRAMを使用して実行し、
図7Aの構成要素を実現する。
【0072】
携帯端末240は、ステップS701において、ビーコンの受信を待つ。ビーコンの受信を検出すると、携帯端末240は、ステップS703において、駐輪管理アプリケーションを立ち上げる。ステップS705は駐輪管理アプリケーションの手順である。
【0073】
駐輪管理アプリケーションでは、携帯端末240は、ステップS751において、駐輪料金の決済要請をサーバ230に送信する。そして、サーバ230における決済処理の結果を待つ。携帯端末240は、ステップS753において、決済完了後にサーバ230から送信されるロック解除情報の受信か否かを判定する。ロック解除情報の受信であれば、携帯端末240は、ステップS755において、ロック解除情報を駐輪管理装置220に送信する。一方、ロック解除情報の受信でなければ、携帯端末240は、ステップS757において、決済エラーをユーザに報知する。
【0074】
本実施形態によれば、自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。特に、少ないコストで、自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る駐輪管理システムについて説明する。本実施形態に係る駐輪管理システムは、上記第2実施形態と比べると、サーバで決済処理を行わずに駐輪管理装置(精算機)で決済処理を行う点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0076】
すなわち、駐輪場には、各駐輪装置が無線通信部を備えて、近接する他の駐輪装置と無線通信する複数の駐輪装置が配置される。そして、管理部は、駐輪場に配置された駐輪管理装置であり、駐輪装置のロック情報を無線受信して、駐輪装置における駐輪料金の加算を開始し、駐輪料金の決済完了に応答して駐輪装置へロック解除情報を無線送信する制御部を有する。
【0077】
<駐輪管理システム>
図8および
図9を参照して、本実施形態の駐輪管理システム800について構成および動作を説明する。
【0078】
(構成)
図8は、本実施形態に係る駐輪管理システム800の構成を示すブロック図である。なお、
図8において、
図2と同様に構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0079】
駐輪管理システム800は、駐輪装置の駐輪制御部210と、決済(精算)を行う機能を有する精算機820とで完結した独立したシステムである。すなわち、
図8の管理部802は、精算機820で構成され、サーバを含まない。
【0080】
(動作シーケンス)
図9は、本実施形態に係る駐輪管理システム800の動作手順を示すシーケンス図である。なお、
図9においては、
図3と重複するステップもあるが、
図3とは独立に説明する。
【0081】
(N+a)番目の駐輪制御部210は、(N)番目の駐輪制御部210を中継して、ステップS901およびS903に示すように、ロックの“開”状態を駐輪管理装置(精算機)820に無線送信する。これにより、(N+a)番目の駐輪装置が“空き(使用可)”であることが確認される。(N+a)番目の駐輪制御部210では、ステップS905において、駐輪が行われる。(N+a)番目の駐輪制御部210は、ステップS907において駐輪を認識し、ステップS909において駐輪を駐輪管理装置820に報告する。
【0082】
駐輪管理装置820は、(N+a)番目の駐輪制御部210からの駐輪報告を受けると、ステップS911において15秒待ってから、ステップS913においてロックを指示して駐輪料金のための時間カウントを始める。なお、この15秒間の待機は、ユーザの駐輪を確認するための時間であり、15秒に限定されない。また、ステップS911においては、同時に、駐輪制御部210に電力を供給するバッテリ(蓄電部)の電気残量を駐輪制御部210から受信して、残量が少なければ交換の要請を報知する。そして、ステップS915およびS917に示すように、ロックの指示を示すロック情報は(N)番目の駐輪制御部210を中継して(N+a)番目の駐輪制御部210に送信され、ロック機構によりロックされる。
【0083】
一方、決済(精算)時には、ユーザによる駐輪装置IDを含む精算申請を受けて、駐輪管理装置820は、ステップS921において、駐輪時間から駐輪料金の精算を実行する。そして、駐輪料金の精算が正常に完了すると、駐輪管理装置820は、ステップS923において、精算完了を報知し、ロック解除情報を駐輪装置IDに示された対象の駐輪装置の駐輪制御部210に対して無線送信する。この場合に、(N+a)番目の駐輪制御部210へのロック解除情報であれば、ステップS925およびS927に示すように、(N)番目の駐輪制御部210を中継して無線送信される。(N+a)番目の駐輪制御部210でロック解除されると、(N+a)番目の駐輪制御部210はステップS929において、ロック“開”の状態になったことを駐輪管理装置820に報告する。ロック“開”の報告は、ステップS931により中継されて駐輪管理装置820に伝達され、駐輪管理装置820は、ステップS933において、(N+a)番目の駐輪装置が“空き(使用可)”になったことを記憶して、次の駐輪を待つポーリング状態に以降する。以降、ステップS901~S933を繰り返す。
【0084】
<駐輪管理装置(精算機)>
図10Aは、本実施形態に係る駐輪管理装置820の機能構成を示す図である。なお、
図10Aにおいて、
図5Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0085】
駐輪管理装置820は、入出力インタフェース1002を備える。入出力インタフェース1002には、表示部1021と、操作部1022と、媒体読取部1023とが接続される。なお、媒体読取部1023は、駐輪料金の決済にために使用される。
【0086】
駐輪管理装置820は、さらに、駐輪料金算出部1004と、ロック解除要請取得部1005と、駐輪料金決済処理部1006と、ロック解除情報生成部1007と、ロック解除情報送信部1008と、を備える。
【0087】
駐輪料金算出部1004は、駐輪装置の駐輪制御部210からのロック情報に対応して、駐輪料金を算出する。ロック解除要請取得部1005は、操作部1022からのユーザのロック解除要請を取得する。駐輪料金決済処理部1006は、ユーザのロック解除要請に応答して駐輪料金決済を算出し、決済処理を行う。ロック解除情報生成部1007は、決済完了後に、ロック解除情報を生成する。ロック解除情報送信部1008は、ロック解除情報を対象の駐輪装置の駐輪制御部210に無線送信する。
【0088】
図10Bは、本実施形態に係る駐輪管理装置820の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、駐輪管理装置820のCPUがRAMを使用して実行し、
図10Aの構成要素を実現する。なお、
図10Bにおいて、
図5Bと同様のステップには同じステップ番号を付して、重複する説明を省略する。
【0089】
駐輪管理装置820は、ステップS1013において、駐輪料金の算出を開始する。そして、駐輪管理装置820は、ステップS1015において、駐輪履歴を追記する。駐輪管理装置820は、ステップS2023において、駐輪料金を算出する。そして、駐輪管理装置820は、ステップS2025において、駐輪料金の決済処理を実行する。
【0090】
本実施形態によれば、独立して精算(決済)可能な自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。
【0091】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る駐輪管理システムについて説明する。本実施形態に係る駐輪管理システムは、上記第2実施形態および第3実施形態と比べると、両方の処理が可能な点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態、第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0092】
なお、本実施形態においては、サーバで決済する場合にサーバで駐輪時間を算出する構成を示す。しかし、駐輪管理装置が駐輪時間を算出する構成を有するので、ロック解除時に駐輪管理装置が駐輪時間駐輪時間を送る、あるいは、駐輪場の駐輪時間単価が異なる場合などは駐輪管理装置が駐輪料金をサーバに送信する構成であってもよい。
【0093】
<駐輪管理システム>
図11Aおよび
図11Bを参照して、本実施形態の駐輪管理システム1100について構成および動作を説明する。
【0094】
(構成)
図11Aは、本実施形態に係る駐輪管理システム1100の構成を示すブロック図である。なお、
図11Aにおいて、
図2および
図8と同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0095】
図11Aにおける管理部1102は、駐輪管理装置である精算機+G/W1120と、サーバ230とから構成される。なお、ユーザが携帯する携帯端末240は、管理部1102内に図示されているが、管理部1102や駐輪管理システム1100の外にあってもよい。また、
図11Aには、特に駐輪管理を行っている自治体が有する自治体システムとの連携も記載されている。
【0096】
精算機+G/W1120は、第2実施形態における駐輪管理装置220と第3実施形態における駐輪管理装置820との両機能を有する駐輪管理装置である。本実施形態においては、精算機+G/W1120の表示画面において、ユーザが、現金あるいはICカード(キャッシュカード)を用いて精算機+G/W1120で決済するか、CDカード(クレジットカード)やスマホアプリを用いてサーバ230で決済するかを選択可能である。
【0097】
以下、それぞれの決済方法が選択された場合の処理は、第2実施形態または第3実施形態と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0098】
図11Bは、本実施形態に係る駐輪管理装置1120の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、駐輪管理装置1120のCPUがRAMを使用して実行し、
図11Aの構成要素を実現する。
【0099】
駐輪管理装置1120は、ステップS1101において、決済をサーバで行うか計算機で行うかを判定する。決済をサーバで行うと判定されると精算機+G/W1120はゲートウェイとして機能し、
図5BのステップS511~S535を参照して記載されたように、サーバ230による駐輪管理および決済処理を実行する。一方、決済を計算機(駐輪管理装置1120)で行うと判定されると精算機+G/W1120は精算機として機能し、
図10BのステップS511~S535、S1013~S1025を参照して記載されたように、精算機による駐輪管理および決済処理を実行する。
【0100】
本実施形態によれば、より広範なユーザに利用可能な自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。例えば、スマホアプリやクレジッドカードで決済できるユーザも、現金やキャッシュカードによりその場で決済するユーザも利用が可能である。
【0101】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る駐輪管理システムについて説明する。本実施形態に係る駐輪管理システムは、上記第2実施形態から第4実施形態と比べると、駐輪管理装置を有さずに、サーバとスマホとでロックおよびロック解除の管理と決済とを可能とする点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0102】
すなわち、管理部は、ユーザが携帯する携帯端末を介して通信接続されるサーバである。駐輪装置は、携帯端末(スマホ)を介して駐輪装置の識別情報とロック情報をサーバに送信する。サーバは、駐輪装置の識別情報とロック情報との受信に応答して駐輪装置における駐輪料金の加算を開始する。そして、携帯端末から駐輪装置の識別情報と決済要請の情報とを受信すると、駐輪料金を算出して決済し、決済完了すると駐輪装置の識別情報とロック解除情報とを携帯端末を介して駐輪装置に送信する。
【0103】
<駐輪管理システム>
図12は、本実施形態に係る駐輪管理システム1200の構成を示すブロック図である。なお、
図2、
図8および
図11Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0104】
駐輪管理システム1200においては、各駐輪装置の駐輪制御装置210が携帯端末240のアプリを介してサーバ230に駐輪装置IDとロック情報とを送り駐輪時間の開始処理を実行する。各駐輪装置の駐輪制御装置210が携帯端末240のアプリを介してサーバ230で決済処理を実行する。この処理では、駐輪時に、携帯端末240のアプリが駐輪制御装置210から駐輪装置IDを取得し、決済時に、携帯端末240のアプリが保持する駐輪装置IDを駐輪制御装置210で認証することにより、より確実な駐輪管理を実現できるようになる。なお、駐輪装置IDは、携帯端末240からユーザが入力しても、2次元バーコード(QRコード(登録商標)など)を撮像して取得しても、駐輪制御部210から無線通信で取得してもよい。
【0105】
本実施形態によれば、スペースの形状やサイズに関係せず、自動管理の駐輪スペースを自在に設定することができる。すなわち、駐輪装置が1つであっても、駐輪スペースが連続した領域でなくても、商用電源が無い領域であっても、駐輪スペースを自在に設定することができる。
【0106】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る駐輪管理システムについて説明する。本実施形態に係る駐輪管理システムは、上記第2実施形態から第5実施形態と比べると、ユーザが携帯する携帯端末に情報を提供できる点で異なる。すなわち、管理部は、ユーザが携帯する携帯端末に情報を提供する情報提供部を有する。その他の構成および動作は、第2実施形態から第5実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0107】
<駐輪管理システム>
図13は、本実施形態に係る駐輪管理システム1300の構成を示すブロック図である。なお、
図2、
図8、
図11Aおよび
図12と同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0108】
駐輪管理システム1300は、各駐輪装置が有する駐輪制御部210と、駐輪装置の駐輪制御部210と無線通信し、駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部1302と、を備える。管理部1302は、駐輪管理装置220と、サーバ1330と、さらに、サーバ1330と協働する他の管理システム1350と、から構成される。ここで、他の管理システム1350は、例えば、駐輪管理業者、地方自治体、商業施設、マンション管理会社などが含まれる。
【0109】
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、駐輪場の管理処理に伴って、ユーザに情報提供をすることができる。
【0110】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る駐輪管理システムについて説明する。本実施形態に係る駐輪管理システムは、上記第2実施形態から第6実施形態と比べると、駐輪場の管理に加えて、他の管理もすることができる。を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第6実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0111】
<駐輪管理システム>
図14は、本実施形態に係る駐輪管理システム1400の構成を示すブロック図である。なお、
図2、
図8、
図11A、
図12および
図13と同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0112】
駐輪管理システム1400は、各駐輪装置が有する駐輪制御部210と、駐輪装置の駐輪制御部210と無線通信し、駐輪装置のロックとロック解除、および、駐輪料金の決済を管理する管理部1402と、を備える。管理部1402は、駐輪管理装置220と、他のサービス管理装置1420と、サーバ1430と、さらに、サーバ1430と協働する他の管理システム1450と、から構成される。ここで、他のサービス管理装置1420は、駐輪制御装置210とは異なる他のサービスデバイス1410を管理する装置である。
【0113】
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、ユーザが携帯する携帯端末を用いて、駐輪場の管理に加えて、他のサービス管理もすることができる。
【0114】
[他の実施形態]
なお、本実施形態においては、無線通信としてブルートゥース(登録商標)を用いたが、これに限定されない。他のZigbeeおよび920Hz帯の小電力無線通信でも実現でき同様の効果を奏する。
【0115】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0116】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に供給され、内蔵されたプロセッサによって実行される場合にも適用可能である。本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるアプリケーションプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるサーバも、プログラムを実行するプロセッサも本発明の技術的範囲に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の技術的範囲に含まれる。