(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146038
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】光合波器、光合波部材、光源モジュール及び光学エンジン
(51)【国際特許分類】
G02B 6/125 20060101AFI20241004BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20241004BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20241004BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20241004BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20241004BHJP
G02F 1/035 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
G02B6/125 301
G02B6/122 311
G02B6/12 371
G02B6/42
G02B6/12 363
G02B6/12 301
G02B27/02 Z
G02F1/035
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058707
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 靖博
(72)【発明者】
【氏名】原 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】志村 淳
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
2H199
2K102
【Fターム(参考)】
2H137AA04
2H137AA17
2H137AB11
2H137BA46
2H137BA54
2H137BB02
2H137BB17
2H137BC02
2H137BC16
2H137BC51
2H137BC64
2H137CA34
2H137CA73
2H137CC01
2H137DA39
2H137EA04
2H137EA05
2H147AA04
2H147AB02
2H147AB04
2H147AB17
2H147AC01
2H147BA05
2H147BB02
2H147BE01
2H147BE13
2H147BE14
2H147CA08
2H147CA13
2H147CA18
2H147CA19
2H147CD02
2H147DA08
2H147EA05A
2H147EA13C
2H147EA15C
2H147FA02
2H147FC01
2H147GA19
2H199CA06
2H199CA29
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA70
2K102AA21
2K102BA02
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD08
2K102DC08
2K102DD05
2K102EA03
2K102EA17
2K102EB01
2K102EB29
(57)【要約】
【課題】ニオブ酸リチウム膜を用いた光変調器と接続・集積可能であって、マルチモードを除去してシングルモードで出射可能とするY分岐型光合波器を提供することである。
【解決手段】本発明のY分岐型光合波器101は、複数の光がそれぞれ伝搬する複数本の入力側光導波路51-1、51-2と、1本の出力側光導波路52とが接続された光合波部50を備え、光合波部50は平面視して、入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度αでテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、複数本の入力側光導波路のうちの少なくとも2本の入力側光導波路51-1、51-2は、等脚台形の対称軸に対して対称に配置され、第1角度αと異なる角度である第2角度θで傾斜して等脚台形の下底部50Aに接続され、前記第1角度と前記第2角度の差が0.9°以上14.8°以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長の異なる複数の光を合波する光合波器であって、
前記複数の光がそれぞれ伝搬する複数本の入力側光導波路と、1本の出力側光導波路とが接続された光合波部を備え、
前記光合波部は平面視して、入力側から出力側に向かって第1角度でテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、
前記複数本の入力側光導波路のうちの少なくとも2本の入力側光導波路は、前記等脚台形の対称軸に対して対称に配置され、前記第1角度と異なる角度である第2角度で傾斜して前記等脚台形の下底部に接続され、
前記第1角度と前記第2角度の差が0.9°以上14.8°以下である、光合波器。
【請求項2】
前記複数本の入力側光導波路は前記対称軸に対して対称に配置された4本以上の入力側光導波路を含み、前記対称軸を挟まずに隣接する2本の入力側光導波路は、一方に対して他方が前記第2角度で傾斜して前記等脚台形の下底部に接続されている、請求項1に記載の光合波器。
【請求項3】
前記複数本の入力側光導波路は前記対称軸に沿って延在して前記等脚台形の形状の下底部に接続される入力側光導波路を含む、請求項1に記載の光合波器。
【請求項4】
前記複数本の入力側光導波路は前記対称軸に沿って延在して前記等脚台形の形状の下底部に接続される入力側光導波路を含む、請求項2に記載の光合波器。
【請求項5】
前記複数本の入力側光導波路が2本であり、前記光合波部の長さが6μm以上、303μm以下である、請求項1に記載の光合波器。
【請求項6】
前記複数本の入力側光導波路が4本であり、前記光合波部の長さが16μm以上、238μm以下である、請求項2に記載の光合波器。
【請求項7】
前記複数本の入力側光導波路が3本であり、前記光合波部の長さが9μm以上、490μm以下である、請求項3に記載の光合波器。
【請求項8】
ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板と、
前記基板の主面に形成された、ニオブ酸リチウム膜からなる光合波機能層と、を備え、
請求項1~7のいずれか一項に記載の光合波器が光合波機能層に形成されている、光合波部材。
【請求項9】
請求項8に記載の光合波部材と、前記光合波部材で合波する光を出射する複数のレーザー光源とを備える、光源モジュール。
【請求項10】
請求項8に記載の光合波部材と、前記光合波部材に接続され、複数のレーザー光源から出射された複数の光を前記光合波部材に導波するマッハツェンダー型光変調器と、を備える、光変調機能付き光合波部材。
【請求項11】
請求項10に記載の光変調機能付き光合波部材と、前記光変調機能付き光合波部材で合波する光を出射する複数のレーザー光源とを備える、光源モジュール。
【請求項12】
請求項9に記載の光源モジュールと、
前記光源モジュールから出射された光を、画像表示するように角度を変えて反射する光走査ミラーと、を備える光学エンジン。
【請求項13】
請求項11に記載の光源モジュールと、
前記光源モジュールから出射された光を、画像表示するように角度を変えて反射する光走査ミラーと、を備える光学エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光合波器、光合波部材、光源モジュール及び光学エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、VR(Virtual Reality:仮想現実)やAR(Augmented Reality:拡張現実)等のxR技術において眼鏡型端末が検討されている。特に近年では、二次元的に走査された光をユーザの網膜に結像することで、使用者に画像を視認させる網膜走査ディスプレイが注目されている。網膜走査ディスプレイにおいては、一般的に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色に対応するLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)などの光源から出射される3色の可視光が、1つの光軸上に合波される。合波された3色の可視光は画像表示部に伝送される。画像表示部は伝送された光を二次元的に走査して、使用者の瞳孔に入射する。この入射光が使用者の網膜上に結像することで、使用者は画像を視認する。この場合、網膜が画像を表示するスクリーンである。
【0003】
例えば、特許文献1では、マッハツェンダー型光変調器を用いた網膜投影型ディスプレイの構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6728596号公報
【特許文献2】特許第6787397号公報
【特許文献3】特許第6572377号公報
【特許文献4】特開2012-48071号公報
【特許文献5】特開2020-27170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている網膜投影型ディスプレイでは、出射部において複数の光導波路が近接されているが、合波はされていないため、波長毎の光軸が異なり、出射光の制御が複雑となる。
【0006】
また、可視光変調器と接続可能あるいは集積可能で、RGBのカラーバランスを調整可能な光合波器が求められているが、現状では全く検討されていない。
【0007】
しかし、特許文献1では、出射部においては近接されているだけで合波はされていない。そのため波長毎の光軸が異なるため出射光の制御が複雑となる。
【0008】
また、特許文献2には、ニオブ酸リチウム膜を用いた可視光の変調器が開示されている。ニオブ酸リチウム膜を用いた可視光変調器と接続可能あるいは集積可能なRGB光合波器が求められているが、未だ検討されていない。
【0009】
可視光の合波については、一般的には方向性結合器が検討されている(例えば、特許文献3参照)。これらはガラス系材料で構成されており安定性に優れているが、Δn(コアとクアッドの屈折率差)の大きなニオブ酸リチウム基板を用いる場合、結合長が長くなり小型化ができない。
【0010】
特許文献4や特許文献5では、MMI(マルチモード干渉計)を用いたRGB合波器の構成が開示されているが、いずれもガラス系の材料であり、ニオブ酸リチウム膜を用いた構成については全く開示されていない。
【0011】
光合波器から出射されるRGBの光はシングルモードで出射されるのが望ましい。また、シングルモードの光は光の伝搬の際にモード分散を起こさないため、マルチモードの光に比べて光の伝搬損失が小さく、伝搬速度が速いため望ましい。しかしながら、マルチモードを除去してシングルモードで出射可能とする光合波器であって、眼鏡型端末等に搭載可能な小型の光合波器について具体的な提案はない。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ニオブ酸リチウム膜を用いた光変調器と接続可能あるいは集積可能であって、マルチモードを除去してシングルモードで出射可能とする光合波器、光合波部材、光源モジュール及び光学エンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
【0014】
本発明の態様1は、波長の異なる複数の光を合波する光合波器であって、前記複数の光がそれぞれ伝搬する複数本の入力側光導波路と、1本の出力側光導波路とが接続された光合波部を備え、前記光合波部は平面視して、入力側から出力側に向かって第1角度でテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、前記複数本の入力側光導波路のうちの少なくとも2本の入力側光導波路は、前記等脚台形の対称軸に対して対称に配置され、前記第1角度と異なる角度である第2角度で傾斜して前記等脚台形の下底部に接続され、前記第1角度と前記第2角度の差が0.9°以上14.8°以下である、光合波器である。
【0015】
本発明の態様2は、態様1の光合波器において、前記複数本の入力側光導波路は前記対称軸に対して対称に配置された4本以上の入力側光導波路を含み、前記対称軸を挟まずに隣接する2本の入力側光導波路は、一方に対して他方が前記第2角度で傾斜して前記等脚台形の下底部に接続されている。
【0016】
本発明の態様3は、態様1の光合波器において、前記複数本の入力側光導波路は前記対称軸に沿って延在して前記等脚台形の形状の下底部に接続される入力側光導波路を含む。
【0017】
本発明の態様4は、態様2の光合波器において、前記複数本の入力側光導波路は前記対称軸に沿って延在して前記等脚台形の形状の下底部に接続される入力側光導波路を含む。
【0018】
本発明の態様5は、態様1の光合波器において、前記複数本の入力側光導波路が2本であり、前記光合波部の長さが6μm以上、303μm以下である。
【0019】
本発明の態様6は、態様1の光合波器において、前記複数本の入力側光導波路が4本であり、前記光合波部の長さが16μm以上、238μm以下である。
【0020】
本発明の態様7は、態様1の光合波器において、前記複数本の入力側光導波路が3本であり、前記光合波部の長さが9μm以上、490μm以下である。
【0021】
本発明の態様8は、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板と、前記基板の主面に形成された、ニオブ酸リチウム膜からなる光合波機能層と、を備え、態様1~7のいずれか一つのY分岐型光合波器が光合波機能層に形成されている、光合波部材である。
【0022】
本発明の態様9は、態様8の光合波部材と、前記光合波部材で合波する光を出射する複数のレーザー光源とを備える、光源モジュールである。
【0023】
本発明の態様10は、態様8の光合波部材と、前記光合波部材に接続され、複数のレーザー光源から出射された複数の光を前記光合波部材に導波するマッハツェンダー型光変調器と、を備える、光変調機能付き光合波部材である。
【0024】
本発明の態様11は、態様10の光変調機能付き光合波部材と、前記光変調機能付き光合波部材で合波する光を出射する複数のレーザー光源とを備える、光源モジュールである。
【0025】
本発明の態様12は、態様9の光源モジュールと、前記光源モジュールから出射された光を、画像表示するように角度を変えて反射する光走査ミラーと、を備える光学エンジンである。
【0026】
本発明の態様13は、態様11に記載の光源モジュールと、前記光源モジュールから出射された光を、画像表示するように角度を変えて反射する光走査ミラーと、を備える光学エンジンである。
【発明の効果】
【0027】
本発明の光合波器によれば、ニオブ酸リチウム膜を用いた光変調器と接続可能あるいは集積可能であって、マルチモードを除去してシングルモードで出射可能とするY分岐型光合波器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係るY分岐型光合波器の一例を概念的に示す平面模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るY分岐型光合波器の他の例を概念的に示す平面模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るY分岐型光合波器のさらに他の例を概念的に示す平面模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る光合波部材(2入力型)の平面模式図である。
【
図5】
図4に示した光合波部材をYZ面で切った断面模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る光合波部材(4入力型)の平面模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る光合波部材(3入力型)の平面模式図である。
【
図8】
図7に示した光合波部材をYZ面で切った断面模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る光変調機能付き光合波部材の平面模式図である。
【
図10】第1実施形態に係る光源モジュールの一例の平面模式図である。
【
図11】第1実施形態に係る光源モジュールの他の例の平面模式図である。
【
図12】第1実施形態に係る光源モジュールのさらに他の例の平面模式図である。
【
図13】第2実施形態に係る光源モジュールの平面模式図である。
【
図14】本実施形態に係る光学エンジンを説明するための概念図である。
【
図15】シミュレーションで用いたY分岐型光合波器のモデルを示す平面模式図である。
【
図16】シミュレーションで用いたY分岐型光合波器のモデルを示す平面模式図である。
【
図17】シミュレーションで用いたY分岐型光合波器のモデルを示す平面模式図である。
【
図18】シミュレーションで用いたY分岐型光合波器のモデルを示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0030】
〔Y分岐型光合波器〕
図1は、本発明の実施形態に係るY分岐型光合波器の一例を概念的に示す平面模式図である。
図1に示すY分岐型光合波器101は、波長の異なる複数の光を合波するY分岐型光合波器であって、複数の光がそれぞれ伝搬する複数本の入力側光導波路51-1、51-2と、1本の出力側光導波路52とが接続された光合波部50を備え、光合波部50は平面視して、入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度αでテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、複数本の入力側光導波路のうちの少なくとも2本の入力側光導波路51-1、51-2は、等脚台形の対称軸に対して対称に配置され、第1角度αと異なる角度である第2角度θで傾斜して等脚台形の下底部50Aに接続されている。光合波部50の等脚台形は、出力側光導波路52の延在方向に延びる対称軸AXに対して対称である。
Y分岐型光合波器101は、可視光を合波する光合波器であってもよい。
【0031】
図1に示すY分岐型光合波器101は、光合波部50が入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度αでテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、かつ、第1角度α及び第2角度θが異なる角度を有する構成を有することによって、高次モードが抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
【0032】
複数本の入力側光導波路は2本であり、光合波部50の長さは高次モードが抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波できる長さであり、例えば、6μm以上、303μm以下である。
【0033】
第1角度αと第2角度θの差が0.9°以上14.8°以下である。第1角度αと第2角度θの差が0.9°以上14.8°以下である構成とすることによって、高次モードがさらに抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
また、光合波部50の下底部50Aの幅方向端50Aaと、複数本の入力側光導波路のうち、幅方向端50Aaに最も近くに配置する入力側光導波路21-1との距離d0が2μm以下であることが好ましい。距離d0が2μm以下とすることによって、高次モードがさらに抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
【0034】
図2は、本発明の実施形態に係るY分岐型光合波器の他の例を概念的に示す平面模式図である。
図2に示すY分岐型光合波器102は、波長の異なる複数の光を合波するY分岐型光合波器であって、複数の光がそれぞれ伝搬する複数本の入力側光導波路151-1、151-2、151-3、151-4と、1本の出力側光導波路52とが接続された光合波部50を備え、光合波部50は平面視して、入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度でテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、複数本の入力側光導波路は4本の入力側光導波路151-1、151-2、151-3、151-4である。4本の入力側光導波路151-1、151-2、151-3、151-4のうち、等脚台形の対称軸AXを挟んで隣接する2本の入力側光導波路151-2、151-3は、対称軸AXに対して対称に配置され、第1角度αと異なる角度である第2角度θで傾斜して等脚台形の形状の下底部50Aに接続されている。また、隣接する2本の入力側光導波路151-2、151-3以外の残りの入力側光導波路151-1、151-4は、対称軸AXに対して対称に同数配置し、隣接する入力側光導波路に対して第2角度θで傾斜して等脚台形の形状の下底部50Aに接続されている。対称軸を挟まずに隣接する2本の入力側光導波路151-1及び151-2、あるいは、2本の入力側光導波路151-3及び151-4は、一方に対して他方が第2角度θで傾斜して前記等脚台形の下底部に接続されている。
図2に示すY分岐型光合波器102は、複数本の入力側光導波路は4本以上の偶数本の入力側光導波路であってもよい。
Y分岐型光合波器102は、可視光を合波する光合波器であってもよい。
【0035】
図2に示すY分岐型光合波器102は、光合波部50が入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度αでテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、かつ、第1角度α及び第2角度θが異なる角度を有する構成を有することによって、高次モードが抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
【0036】
複数本の入力側光導波路は4本であり、光合波部50の長さは高次モードが抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波できる長さであり、例えば、16μm以上、238μm以下である。
【0037】
第1角度αと第2角度θの差が0.9°以上14.8°以下である。第1角度αと第2角度θの差が0.9°以上14.8°以下である構成とすることによって、高次モードがさらに抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
また、光合波部50の下底部50Aの幅方向端50Aaと、複数本の入力側光導波路のうち、幅方向端50Aaに最も近くに配置する入力側光導波路21-1との距離d0が2μm以下であることが好ましい。距離d0が2μm以下とすることによって、高次モードがさらに抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
【0038】
図3は、本発明の実施形態に係るY分岐型光合波器のさらに他の例を概念的に示す平面模式図である。
図3に示すY分岐型光合波器103は、波長の異なる複数の光を合波するY分岐型光合波器であって、複数の光がそれぞれ伝搬する複数本の入力側光導波路251-1、251-2、251-3と、1本の出力側光導波路52とが接続された光合波部50を備え、光合波部50は平面視して、入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度でテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、複数本の入力側光導波路は3本の入力側光導波路251-1、251-2、251-3であり、3本の入力側光導波路251-1、251-2、251-3のうち、1本の入力側光導波路251-2は、対称軸AXに沿って延在するように等脚台形の形状の下底部50Aに接続されており、1本の入力側光導波路251-2以外の残りの入力側光導波路251-1、251-3は、1本の入力側光導波路251-2に対して対称に同数配置し、隣接する入力側光導波路に対して第2角度θで傾斜して等脚台形の形状の下底部50Aに接続されている。
図3に示すY分岐型光合波器103は、複数本の入力側光導波路は3本以上の奇数本の入力側光導波路であってもよい。
Y分岐型光合波器103は、可視光を合波する光合波器であってもよい。
【0039】
図3に示すY分岐型光合波器103は、光合波部50が入力側から出力側に向かって(光の進行方向に)第1角度αでテーパ状に幅が狭まる等脚台形の形状を有し、かつ、第1角度α及び第2角度θが異なる角度を有する構成を有することによって、高次モードが抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
【0040】
複数本の入力側光導波路は3本であり、光合波部50の長さは高次モードが抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波できる長さであり、例えば、9μm以上、490μmである。
【0041】
第1角度αと第2角度θの差が0.9°以上14.8°以下である。第1角度αと第2角度θの差が0.9°以上14.8°以下である構成とすることによって、高次モードがさらに抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
また、光合波部50の下底部50Aの幅方向端50Aaと、複数本の入力側光導波路のうち、幅方向端50Aaに最も近くに配置する入力側光導波路21-1との距離d0が2μm以下であることが好ましい。距離d0が2μm以下とすることによって、高次モードがさらに抑制され、低損失で波長の異なる複数の光を合波することができる。
【0042】
〔光合波部材〕
本発明の実施形態に係る光合波部材は、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板と、基板の主面に形成された、ニオブ酸リチウム膜からなる光合波機能層と、を備え、本発明の実施形態に係るY分岐型光合波器が光合波機能層に形成されている。
【0043】
図4は、
図1に示したY分岐型光合波器101がニオブ酸リチウムからなる光合波機能層に形成されている光合波部材101Mの平面模式図であり、
図5は光合波部材101MのYZ面(
図4のX-X’)で切った断面模式図である。
図4及び
図5において、X方向は光入射口が配置する側面101Aに対して直交する方向であり、Y方向はX方向に直交する方向であり、Z方向はX方向及びY方向で形成される面に対して直交する方向である。
【0044】
図4に示す光合波部材101Mは、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20と、を備え、Y分岐型光合波器101が光合波機能層20に形成されている。
【0045】
光合波部材101Mにおいて、導波路コア膜と導波路クラッド膜の屈折率差をΔnとした際に、導波路コア膜をニオブ酸リチウムとするとガラスなどの材料に比べΔnを大きな値に設計でき、光導波路の曲率半径を小さくすることができ、設計の自由度の向上と小型化を両立できる。
【0046】
図4に示す光合波部材101Mにおいて、第1側面101Aに設けられた2個の光入射口(第1光入射口21-1i、第2光入射口21-2i)のそれぞれに接続する第1光入力側光導波路21-1、第2光入力側光導波路21-2を備え、また、第1側面101Aに対向する第3側面101Cに設けられた1個の光出射口22oに接続する光出力側光導波路22を備える。光出射口22oは、第1側面101Aに対して直交する面である第2側面101B又は第4側面101Cに備える構成としてもよい。
第1光入力側光導波路21-1は光合波部50に接続する入力側光導波路51-1に接続されており、また、第2光入力側光導波路21-2は光合波部50に接続する入力側光導波路51-2に接続されている。光出力側光導波路22は光合波部50に接続する光出力側光導波路52に接続されている。
【0047】
光合波機能層20は、上記光入射口、上記光出射口、上記光合波部、及び、上記光導波路が形成されたニオブ酸リチウム膜からなる導波路コア膜24と、これらを被覆するように導波路コア膜24上に形成される導波路クラッド(バッファ)膜25とからなる。以下、符号24をニオブ酸リチウム膜について用いることもある。
【0048】
基板10としては例えば、サファイア基板、Si基板、熱酸化シリコン基板などを挙げることができる。
光合波機能層20がニオブ酸リチウム(LiNbO3)膜からなるので、ニオブ酸リチウム膜より屈折率が低いものであれば特に限定されないが、単結晶ニオブ酸リチウム膜をエピタキシャル膜として形成させることができる基板として、サファイア単結晶基板もしくはシリコン単結晶基板が好ましい。単結晶基板の結晶方位は特に限定されないが、例えば、c軸配向のニオブ酸リチウム膜は3回対称の対称性を有しているので、下地の単結晶基板も同じ対称性を有していることが望ましく、サファイア単結晶基板の場合はc面、シリコン単結晶基板の場合は(111)面の基板が好ましい。
【0049】
ニオブ酸リチウム膜は例えば、c軸配向したニオブ酸リチウム膜である。ニオブ酸リチウム膜は例えば、基板10上にエピタキシャル成長したエピタキシャル膜である。エピタキシャル膜は、下地の基板によって結晶方位が揃えられた単結晶の膜のことである。エピタキシャル膜は、z方向およびxy面内方向に単一の結晶方位をもった膜であり、結晶がx軸、y軸及びz軸方向にともに揃って配向しているものである。基板10上に形成されている膜がエピタキシャル膜かどうかは、例えば、2θ-θX線回折における配向位置でのピーク強度と極点の確認を行うことで証明することができる。
【0050】
具体的には、2θ-θX線回折による測定を行ったとき、目的とする面以外の全てのピーク強度が目的とする面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。例えば、ニオブ酸リチウム膜がc軸配向エピタキシャル膜である場合には、(00L)面以外のピーク強度が、(00L)面の最大ピーク強度の10%以下、好ましくは5%以下である。ここで、(00L)は、(001)や(002)などの等価な面を総称する表示である。
【0051】
また、前述の配向位置でのピーク強度の確認の条件においては、一方向における配向性を示しているのみである。よって、前述の条件を得たとしても、面内において結晶配向がそろっていない場合には、特定角度位置でX線の強度が高まることはなく、極点は見られない。例えば、ニオブ酸リチウム膜がニオブ酸リチウム膜の場合、LiNbO3は三方晶系の結晶構造であるため、単結晶におけるLiNbO3(014)の極点は3つとなる。ニオブ酸リチウムの場合、c軸を中心に180°回転させた結晶が対称的に結合した、いわゆる双晶の状態にてエピタキシャル成長することが知られている。この場合、3つの極点が対称的に2つ結合した状態になるため、極点は6つとなる。また、(100)面のシリコン単結晶基板上にニオブ酸リチウム膜を形成した場合は、基板が4回対称となっているため、4x3=12個の極点が観測される。なお、本開示では、双晶の状態にてエピタキシャル成長したニオブ酸リチウム膜もエピタキシャル膜に含める。
【0052】
ニオブ酸リチウムの組成は、LixNbAyOzである。Aは、Li、Nb、O以外の元素である。xは、0.5以上1.2以下であり、好ましくは0.9以上1.05以下である。yは、0以上0.5以下である。zは1.5以上4.0以下であり、好ましくは2.5以上3.5以下である。Aの元素は、例えば、K、Na、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Sc、Ceであり、これらの元素を2種類以上の組み合わせても良い。
さらにニオブ酸リチウム膜としては、基板上に貼り合わせされたニオブ酸リチウム単結晶薄膜であってもよい。
【0053】
ニオブ酸リチウム膜の膜厚は例えば、2μm以下である。ニオブ酸リチウム膜の膜厚とは、リッジ以外の部分の膜厚のことである。ニオブ酸リチウム膜の膜厚は使用する波長やリッジ形状などに応じて適宜最適設計を行えばよい。
【0054】
導波路は、ニオブ酸リチウム膜24の第1面24Aから突出するリッジである。第1面24Aは、ニオブ酸リチウム膜24のリッジ以外の部分(スラブ層)における上面である。
図4に示すように、光導波路21-1及び光導波路21-2の断面形状定形部の断面形状は矩形であるが、光を導波できる形状であればよく、例えば、台形、三角形、半円形等であってもよい。入力側光導波路51-1、51-2及び出力側光導波路52についても同様である。3つのリッジのy方向の幅Waは、0.2μm以上5.0μm以下であることが好ましく、3つのリッジの高さ(第1面24Aからの突出高さHa)は、例えば、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。その他の光導波路も同様である。
【0055】
光導波路21-1、光導波路21-2、入力側光導波路51-1、51-2及び出力側光導波路52のサイズをレーザー光の波長程度とすることによってシングルモードで伝搬することができる。
【0056】
図6は、
図2に示したY分岐型光合波器102がニオブ酸リチウムからなる光合波機能層に形成されている光合波部材102Mの平面模式図である。光合波部材102MのYZ面(
図4のX-X’)で切った断面模式図も入力側光導波路の数以外は
図5と同様なので省略するが、以下では同じ構成要素については
図5で示した符号を用いて説明する。
【0057】
図6に示す光合波部材102Mは、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20と、を備え、Y分岐型光合波器102が光合波機能層20に形成されている。
【0058】
図6に示す光合波部材102Mにおいて、第1側面101Aに設けられた4個の光入射口(第1光入射口121-1i、第2光入射口121-2i、第3光入射口121-3i、第4光入射口121-4i)のそれぞれに接続する第1光入力側光導波路121-1、第2光入力側光導波路121-2、第3光入力側光導波路121-3、第4光入力側光導波路121-4を備え、また、第1側面101Aに対向する第3側面101Cに設けられた1個の光出射口22oに接続する光出力側光導波路22を備える。
第1光入力側光導波路121-1は光合波部50に接続する入力側光導波路151-1に接続されており、第2光入力側光導波路121-2は光合波部50に接続する入力側光導波路151-2に接続されており、第3光入力側光導波路121-3は光合波部50に接続する入力側光導波路151-3に接続されており、第4光入力側光導波路121-4は光合波部50に接続する入力側光導波路151-4に接続されている。また、光出力側光導波路22は光合波部50に接続する光出力側光導波路52に接続されている。
【0059】
図7は、
図3に示したY分岐型光合波器103がニオブ酸リチウムからなる光合波機能層に形成されている光合波部材103Mの平面模式図であり、
図8は光合波部材103MのYZ面(
図7のX-X’)で切った断面模式図である。
【0060】
図7に示す光合波部材103Mは、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20と、を備え、Y分岐型光合波器103が光合波機能層20に形成されている。
【0061】
図7に示す光合波部材103Mにおいて、第1側面103Aに設けられた3個の光入射口(第1光入射口221-1i、第2光入射口221-2i、第3光入射口221-3i)のそれぞれに接続する第1光入力側光導波路221-1、第2光入力側光導波路221-2、第3光入力側光導波路221-3、を備え、また、第1側面103Aに対向する第3側面103Cに設けられた1個の光出射口22oに接続する光出力側光導波路22を備える。
第1光入力側光導波路221-1は光合波部50に接続する入力側光導波路251-1に接続されており、第2光入力側光導波路221-2は光合波部50に接続する入力側光導波路251-2に接続されており、第3光入力側光導波路221-3は光合波部50に接続する入力側光導波路251-3に接続されている。また、光出力側光導波路22は光合波部50に接続する光出力側光導波路52に接続されている。
【0062】
〔光変調機能付き光合波部材〕
本発明の一実施形態に係る光変調機能付き光合波部材は、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板と、基板の主面に形成された、ニオブ酸リチウム膜からなる光合波機能層と、を備え、上記実施形態に係るY分岐型光合波器と、そのY分岐型光合波器に接続され、複数のレーザー光源から出射された複数の光をY分岐型光合波器に導波するマッハツェンダー型光変調器とが集積して光合波機能層に形成されている。以下に説明する構成要素について、上記実施形態と同様な機能を有する構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0063】
図9は、光変調機能付き光合波部材の平面模式図である。
図9に示す光変調機能付き光合波部材400は、ニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10(
図8参照)と、基板10の主面に形成された、ニオブ酸リチウム膜からなる光合波機能層20とを備える。
【0064】
光変調機能付き光合波部材400は、上記実施形態に係る光合波部材103M(
図7参照)と、マッハツェンダー型光変調器40とを有する。
マッハツェンダー型光変調器40は3個のマッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3を備えているが、Y分岐型光合波器50の入力ポートの数に合わせて、2個又は4個以上を備えることができる。
なお、光変調機能付き光合波部材400は光合波部材としては
図7に示した光合波部材103Mを用いる構成であるが、光合波部材103Mに替えて、光合波部材101M(
図4参照)や光合波部材102M(
図6参照)などの他の光合波部材を用いる構成にすることができる。
【0065】
マッハツェンダー型光変調器40としては公知のマッハツェンダー型光変調器あるいは光導波路を用いることができ、波長と位相のそろった光ビームを2本の対(ペア)となるビームに分割(分波)し、それぞれに異なる位相を与えてから合流(合波)する。位相差の違いによって、合波した光ビームの強度が変わる。
【0066】
図9に示すマッハツェンダー型光導波路40(40-1、40-2、40-3)はそれぞれ、第1光導波路41と第2光導波路42と入力路43と出力路44と分岐部45と結合部46とを有する。
マッハツェンダー型光導波路40-1の第1出力路44はY分岐型光合波器50の第1光入力側光導波路251-1に接続されている第1光入力側光導波路221-1に繋がっている。また、マッハツェンダー型光導波路40-2の第1出力路44はY分岐型光合波器50の第2光入力側光導波路251-2に接続されている第1光入力側光導波路221-2に繋がっている。また、マッハツェンダー型光導波路40-3の第1出力路44はY分岐型光合波器50の第2光入力側光導波路251-3に接続されている第1光入力側光導波路221-3に繋がっている。
図9に示す第1光導波路41及び第2光導波路42は分岐部45の近傍及び結合部46の近傍以外は、x方向に直線状に延びる構成であるが、このような構成に限定されない。
図9に示す第1光導波路41と第2光導波路42の長さは、略同一である。分岐部45は、入力路43と第1光導波路41及び第2光導波路42との間にある。入力路43は、分岐部45を介して、第1光導波路41及び第2光導波路42と繋がる。結合部46は、第1光導波路41及び第2光導波路42と出力路44との間にある。第1光導波路41と第2光導波路42とは、結合部46を介して、出力路44と繋がる。
【0067】
電極25,26は、各マッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3(以下、単に「各マッハツェンダー型光導波路40」ということがある。)に変調電圧を印加する電極である。電極25は、第1電極の一例であり、電極26は、第2電極の一例である。電極25の一端は電源131に接続され、他端は終端抵抗132に接続されている。電極26の一端は電源131に接続され、他端は終端抵抗132に接続されている。電源131は、変調電圧を各マッハツェンダー型光導波路40に印加する駆動回路の一部である。電極25,26は図の簡略化のために、マッハツェンダー型光導波路40-3の部分にのみ描いている。
【0068】
電極27、28は、各マッハツェンダー型光導波路40に直流バイアス電圧を印加する電極である。電極27の一端及び電極28の一端は電源133に接続されている。電源133は、直流バイアス電圧を各マッハツェンダー型光導波路40に印加する直流バイアス印加回路の一部である。
電極25,26に直流バイアス電圧を重畳する場合は、電極27、28を設けなくてもよい。また電極25,26、27、28の周囲に接地電極を設けてもよい。
【0069】
〔光源モジュール(第1実施形態)〕
本発明の第1実施形態に係る光源モジュールは、上記実施形態に係る光合波部材と、光合波部材で合波する光を出射する複数のレーザー光源とを備える。
図10は、第1実施形態に係る光源モジュールの平面模式図である。
図10では、
図4に示した光合波部材101Mを備える光源モジュールの例を示す。
レーザー光源は可視光のレーザー光源であってもよい。この場合、光源モジュールは可視光の光源モジュールである。
【0070】
図10に示す光源モジュール1001は、Y分岐型光合波器50を備える光合波部材101Mと、光合波部材101Mで合波する光を出射する2個のレーザー光源30(30-1、30-2)とを備える。光合波部材101Mはニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10(
図5参照)と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20(
図5参照)とを備え、側面101Aを有する。
図10に示した構成要素について、上記と同様な機能を有する構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0071】
レーザー光源30としては、各種レーザー素子が使用可能である。例えば、市販の赤色光、緑色光、青色光等のレーザーダイオード(LD)が使用可能である。赤色光は、ピーク波長が600nm~830nmである光が使用可能であり、緑色光は、ピーク波長が500nm~600nmである光が使用可能であり、青色光は、ピーク波長が380nm~500nmである光が使用可能である。
光源モジュール1001において、レーザー光源30-1、30-2をそれぞれ例えば、緑色光を発するLD、青色光を発するLD、及び赤色光を発するLDのいずれか2つとする。LD30-1、30-2は、それぞれのLDから発せられる光の出射方向に略直交する方向において互いに間隔をあけて配置され、サブキャリア120の上面に設けられている。
【0072】
光源モジュール1001では、レーザー光源の個数が2個の場合を例示したが、複数であれば2個に限定されず、3個以上であってよい。複数のレーザー光源は発光する光の波長がすべて異なるものでもよいし、また、発光する光の波長が同じレーザー光源があっても構わない。また、発光する光は赤(R)、緑(G)、青(B)以外の光も使用可能であり、図面を用いて説明した赤(R)、緑(G)、青(B)の搭載順についても、この順である必要性はなく適宜変更可能である。
【0073】
LD30は、ベアチップでサブキャリア120に実装可能である。サブキャリア120は、例えば窒化アルミニウム(AlN)や、酸化アルミニウム(Al2O3)、シリコン(Si)等で構成されている。
【0074】
サブキャリア120は、金属接合層を介して基板10と直接接合された構成とすることができる。この構成によって、空間結合やファイバ結合をしないことによりさらに小型化が可能となる。
サブキャリア120と基板10とを金属接合層を介して接合する構成とすることにより、製造時にサブキャリア120と基板10との相対位置を調整して、各光レーザーの光軸が第1光入力側光導波路21-1、第2光入力側光導波路21-2、第3光入力側光導波路21-3のそれぞれ軸線に合致するように、レーザー光の光軸位置のアライメントを行うことができる(アクティブアライメント)。
【0075】
光源モジュール1001において、Y分岐型光合波器50の2個の光入力側光導波路51-1、51-2にそれぞれ接続する第1光入力側光導波路21-1、第2光入力側光導波路21-2は各LD30(30-1、30-2)の出射口と対向し、各LD30の出射面から出射された光が第1光入力側光導波路21-1、第2光入力側光導波路21-2に入射可能に位置決めされている。第1光入力側光導波路21-1、第2光入力側光導波路21-2のそれぞれ軸線は、各LD30の出射口から出射されるレーザー光の光軸と略重なっている。このような構成及び配置によって、LD30-1、30-2から発せられる青色光、緑色光、赤色光等の光は、Y分岐型光合波器50の2個の第1光入力側光導波路21-1、第2光入力側光導波路21-2に入射可能である。
【0076】
光源モジュール1001において、LD30の光出射面31と光合波部材101Mの光入射面(側面)101Aとは、所定の間隔で配置されている。光入射面101Aは光出射面31と対向しており、x方向において光出射面31と光入射面101Aとの間には隙間Sがある。光源モジュール1001は空気中に露出されているので、隙間Sには空気が満ちている。隙間Sが同じガス(空気)で充填された状態となるため、LD30から出射された各色光を所定の結合効率を満たした状態で入射路に入射させることが容易である。光源モジュール1001がARグラス、VRグラスに用いられる場合、ARグラス、VRグラスで求められる光量等をふまえると、隙間(間隔)Sのx方向の大きさは、例えば0μmより大きく、5μm以下である。
【0077】
図11は、
図6に示した光合波部材101Mを備える光源モジュールの平面模式図である。
【0078】
図11に示す光源モジュール1002は、Y分岐型光合波器50を備える光合波部材102Mと、光合波部材102Mで合波する光を出射する4個のレーザー光源130(130-1、130-2、130-3、130-4)とを備える。光合波部材102Mはニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10(
図5参照)と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20(
図5参照)とを備える。
図11に示した構成要素について、上記と同様な機能を有する構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
レーザー光源は可視光のレーザー光源であってもよい。この場合、光源モジュールは可視光の光源モジュールである。
【0079】
レーザー光源130としては、各種レーザー素子が使用可能である。例えば、市販の赤色光、緑色光、青色光等のレーザーダイオード(LD)が使用可能である。
光源モジュール1002において、レーザー光源130-1、130-2、130-3、130-4をそれぞれ例えば、緑色光を発するLD、青色光を発するLD、及び赤色光を発するLDのいずれか4つとする。LD130-1、130-2、130-3、130-4は、それぞれのLDから発せられる光の出射方向に略直交する方向において互いに間隔をあけて配置され、サブキャリア120の上面に設けられている。
【0080】
光源モジュール1002において、Y分岐型光合波器50の4個の光入力側光導波路51-1、51-2にそれぞれ接続する第1光入力側光導波路121-1、第2光入力側光導波路121-2、第3光入力側光導波路121-3、第4光入力側光導波路121-4は各LD130(130-1、130-2、130-3、130-4)の出射口と対向し、各LD130の出射面から出射された光が第1光入力側光導波路121-1、第2光入力側光導波路121-2、第3光入力側光導波路121-3、第4光入力側光導波路121-4に入射可能に位置決めされている。第1光入力側光導波路121-1、第2光入力側光導波路121-2、第3光入力側光導波路121-3、第4光入力側光導波路121-4のそれぞれ軸線は、各LD130の出射口から出射されるレーザー光の光軸と略重なっている。このような構成及び配置によって、LD130-1、130-2、130-3、130-4から発せられる青色光、緑色光、赤色光等の光は、Y分岐型光合波器50の4個の第1光入力側光導波路121-1、第2光入力側光導波路121-2、第3光入力側光導波路121-3、第4光入力側光導波路121-4に入射可能である。
【0081】
図12は、
図7に示した光合波部材103Mを備える光源モジュールの平面模式図である。
【0082】
図12に示す光源モジュール1003は、Y分岐型光合波器50を備える光合波部材103Mと、光合波部材103Mで合波する光を出射する3個のレーザー光源230(230-1、230-2、230-3)とを備える。光合波部材103Mはニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10(
図7参照)と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20(
図7参照)とを備える。
図12に示した構成要素について、上記と同様な機能を有する構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
レーザー光源は可視光のレーザー光源であってもよい。この場合、光源モジュールは可視光の光源モジュールである。
【0083】
レーザー光源230としては、各種レーザー素子が使用可能である。例えば、市販の赤色光、緑色光、青色光等のレーザーダイオード(LD)が使用可能である。
光源モジュール1003において、レーザー光源230-1、230-2、230-3をそれぞれ例えば、緑色光を発するLD、青色光を発するLD、及び赤色光を発するLDのいずれかとする。LD230-1、230-2、230-3は、それぞれのLDから発せられる光の出射方向に略直交する方向において互いに間隔をあけて配置され、サブキャリア120の上面に設けられている。
【0084】
光源モジュール1003において、Y分岐型光合波器50の3個の光入力側光導波路51-1、51-2にそれぞれ接続する第1光入力側光導波路221-1、第2光入力側光導波路221-2、第3光入力側光導波路221-3は各LD230(230-1、230-2、230-3)の出射口と対向し、各LD230の出射面から出射された光が第1光入力側光導波路221-1、第2光入力側光導波路221-2、第3光入力側光導波路221-3に入射可能に位置決めされている。第1光入力側光導波路221-1、第2光入力側光導波路221-2、第3光入力側光導波路221-3のそれぞれ軸線は、各LD230の出射口から出射されるレーザー光の光軸と略重なっている。このような構成及び配置によって、LD230-1、230-2、230-3から発せられる青色光、緑色光、赤色光等の光は、Y分岐型光合波器50の4個の第1光入力側光導波路221-1、第2光入力側光導波路221-2、第3光入力側光導波路221-3に入射可能である。
【0085】
〔光源モジュール(第2実施形態)〕
図13は、第2実施形態に係る光源モジュールの平面模式図である。
図13に示す光源モジュール2000は、
図9に示した光変調機能付き光合波部材400と、光変調機能付き光合波部材400で合波する光を出射する複数のレーザー光源230(230-1、230-2、230-3)とを備える。光合波部材400はニオブ酸リチウムとは異なる材料からなる基板10(
図8参照)と、基板10の主面に形成され、ニオブ酸リチウムからなる光合波機能層20(
図8参照)とを備える。
図13に示した構成要素について、上記と同様な機能を示す構成要素については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
レーザー光源は可視光のレーザー光源であってもよい。
【0086】
光源モジュール2000は、レーザー光源230-1、230-2、230-3の数と同数の3個のマッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3を有する。レーザー光源230-1、230-2、230-3とマッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3とは、レーザー光源から出射された光が対応するマッハツェンダー型光導波路に入射するように位置決めされている。
【0087】
レーザー光源230-1、230-2、230-3が実装されたサブキャリア120と、光変調機能付き光合波部材400を有する光合波機能層20が形成された基板10とを金属接合層を介して直接接合された構成とすることができる。この構成によって、空間結合やファイバ結合をしないことによりさらに小型化が可能となる。
また、製造時にサブキャリア120と基板10との相対位置を調整して、各光レーザーの光軸がマッハツェンダー型光導波路40-1、40-2、40-3のそれぞれの入力路43の軸線に合致するように、レーザー光の光軸位置のアライメントを行うことができる(アクティブアライメント)。
【0088】
光合波機能層20のサイズは、例えば、100mm2以下である。光合波機能層20のサイズが100mm2以下であれば、ARグラスやVRグラス等のxRグラス用として適している。
【0089】
光合波機能層20は、公知の方法で作製できる。例えばエピタキシャル成長、フォトリソグラフィ、エッチング、気相成長及びメタライズなどの半導体プロセスを用いて、光合波機能層20は製造される。
【0090】
ARグラスやVRグラス等のxRグラス用として本発明に係る光源モジュールを適用する場合、Y分岐型光合波器を構成する光合波部の幅は例えば、1~1000μm程度とすることが好ましく、また、その長さは例えば、10~10000μm程度とすることが好ましい。
【0091】
例えば、網膜投影型ディスプレイにおいて、所望の色で画像を表示するためには、光を表現するRGBの3色の各々の強度を独立に高速に変調する必要がある。かかる変調をレーザー光源(電流変調)だけ行うと、それらの変調を制御するICの負荷が大きくなってしまうが、マッハツェンダー型光変調器40(光変調機能付き光合波部材400)による変調(電圧変調)も併用することが可能となる。この場合は、粗調整を電流(レーザー光源)で行い、微調整を電圧(マッハツェンダー型光変調器40)で行ってもよいし、また、粗調整を電圧(マッハツェンダー型光変調器40)で行い、微調整を電流(レーザー光源)で行ってもよい。微調整を電圧で行う方が応答性がよいので、応答性を重視する場合には前者を採用し、微調整を電流で行う方が低い電流で済むため消費電力を抑制するため、消費電力の抑制を重視する場合には後者を採用することが好ましい。
【0092】
〔光学エンジン〕
本明細書において、光学エンジンとは、複数の光源と、複数の光源から出射された複数の光を1本の光にする合波部を含む光学系と、光学系から出射された光を画像表示するように角度を変えて反射する光走査ミラーと、光走査ミラーを制御する制御素子とを含む装置である。
【0093】
図20に、本実施形態に係る光学エンジン5001を説明するための概念図に示す。図示したのは、光学エンジン5001がメガネ10000のフレーム10010に装備された状態を示すものである。符号Lは画像表示光である。
【0094】
光学エンジン5001は、光源モジュール1001と、光走査ミラー3001とを有する。光学エンジン5001が備える光源モジュール1001としては、上述の実施形態に係る光源モジュールを用いる。光源モジュールは可視光の光源モジュールであってもよい。
光源モジュールとしては、光源モジュール1001に替えて、光源モジュール1002、光源モジュール1003、又は、光源モジュール2000その他の本発明に係る光源モジュールを用いることができる。
【0095】
メガネフレームに取り付けられた光源モジュール1001から照射されたレーザー光は光走査ミラーで反射、走査されて人の目の中に入り、網膜に直接画像(映像)が投影される。
【0096】
光走査ミラー3001は例えば、MEMSミラーである。2D画像を投影するためには、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)に角度を変えてレーザー光を反射するように振動する2軸MEMSミラーであることが好ましい。
【0097】
光学エンジン5001は、光源モジュール1001から出射したレーザー光を光学的に処理する光学系として、コリメータレンズ2001aと、スリット2001bと、NDフィルタ2001cとを有する。この光学系は一例であって、他の構成であってもよい。
【0098】
光学エンジン5001は、レーザードライバ1100、光走査ミラードライバ1200、及び、これらのドライバを制御するビデオコントローラ1300を有する。
【実施例0099】
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。従って、以下の実施例では可視光を用いたが、可視光に限定されない。
【0100】
(実施例1-1~1-4(Win=Wout))
実施例1-1~1-4は、
図1に示したY分岐型光合波器の構成で、寸法、角度及び合波する可視光の波長を変えたものである。
図15(a)~(b)はそれぞれ、実施例1-1~1-4の構成を示すものである。実施例1-1~1-4は入力側光導波路の幅と出力側光導波路の幅とが等しい場合である。
表1は、RGBの各可視光の伝搬損失(dB)をシミュレーションで調べた結果を示すものである。シミュレーションソフトはFimmwave(Photon Design社)を用いた。
【0101】
【0102】
実施例1-1~1-4のいずれにおいても、各可視光の結合損失は5dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。
【0103】
(実施例2-1~2-4(Win=Wout))
実施例2-1~2-4は、
図2に示したY分岐型光合波器の構成で、寸法、角度及び合波する可視光の波長を変えたものである。
図16(a)~(b)はそれぞれ、実施例2-1~2-4の構成を示すものである。実施例2-1~2-4は入力側光導波路の幅と出力側光導波路の幅とが等しい場合である。
表2は、RGBの各可視光の伝搬損失(dB)をシミュレーションで調べた結果を示すものである。
【0104】
【0105】
実施例2-1~2-4のいずれにおいても、各可視光の結合損失は7~9dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。
【0106】
(実施例3-1~3-4(Win=Wout))
実施例3-1~3-4は、
図3に示したY分岐型光合波器の構成で、寸法、角度及び合波する可視光の波長を変えたものである。
図17(a)~(b)はそれぞれ、実施例3-1~3-4の構成を示すものである。実施例3-1~3-4は入力側光導波路の幅と出力側光導波路の幅とが等しい場合である。
表3は、RGBの各可視光の伝搬損失(dB)をシミュレーションで調べた結果を示すものである。
【0107】
【0108】
(比較例1~4(Win=Wout))
比較例1~4は、
図3に示したY分岐型光合波器の構成で、寸法、角度及び合波する可視光の波長を変えたものである。比較例1~4は入力側光導波路の幅と出力側光導波路の幅とが等しい場合である。
表4は、RGBの各可視光の伝搬損失(dB)をシミュレーションで調べた結果を示すものである。
【0109】
【0110】
比較例1~4のいずれにおいても、RGBの結合損失のうち、10dBを超える可視光があった。
【0111】
(実施例4-1~4-4(Win≠Wout))
実施例4-1~4-4は、
図3に示したY分岐型光合波器の構成で、寸法、角度及び合波する可視光の波長を変えたものである。
図18(a)~(b)はそれぞれ、実施例4-1~4-4の構成を示すものである。実施例4-1~4-4は入力側光導波路の幅と出力側光導波路の幅とが異なる場合である。
表5は、RGBの各可視光の伝搬損失(dB)をシミュレーションで調べた結果を示すものである。
【0112】
【0113】
実施例4-1~4-4のいずれにおいても、各可視光の結合損失は3~5dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。
【0114】
(実施例1~25(Win=Wout))
実施例1~25は、
図3に示したY分岐型光合波器の構成で、寸法、角度及び合波する可視光の波長を変えたものである。
表6及び表7は、RGBの各可視光の伝搬損失(dB)をシミュレーションで調べた結果を示すものである。
【0115】
【0116】
【0117】
実施例1~6は
図3における距離d
0=0でかつ光合波部幅(下底部の幅)Wy=2.1μmの場合であり、光合波部の長さL及び第1角度αをふったものである。
実施例7~11は
図3における距離d
0=0.5でかつ光合波部幅(下底部の幅)Wy=3.1μmの場合であり、光合波部の長さL及び第1角度αをふったものである。
実施例12~13は
図3における距離d
0=1でかつ光合波部幅(下底部の幅)Wy=4.1μmの場合であり、光合波部の長さL及び第1角度αをふったものである。
実施例14~15は
図3における距離d
0=1.5でかつ光合波部幅(下底部の幅)Wy=5.1μmの場合であり、光合波部の長さL及び第1角度αをふったものである。
実施例16~17は
図3における距離d
0=2でかつ光合波部幅(下底部の幅)Wy=6.1μmの場合であり、光合波部の長さL及び第1角度αをふったものである。
実施例1~17のいずれにおいても、各可視光の結合損失は2~10dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。
【0118】
実施例18~23は、光合波部の長さL=290μmであり、
図3における距離d
0=0.5であり、光合波部幅(下底部の幅)Wy=3.1μm、かつ、α=0.2°である点で実施例10と共通しており、第2角度θが異なる場合である。
実施例18~23のいずれにおいても、各可視光の結合損失は4~10dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。
【0119】
実施例24は、光合波部の長さL=132μmであり、
図3における距離d
0=0であり、光合波部幅(下底部の幅)Wy=2.1μm、かつ、α=0.3°である点で実施例2と共通しており、第2角度θが異なる場合である。
実施例24は、各可視光の結合損失は2~10dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。
【0120】
実施例25は、光合波部の長さL=60μmであり、
図3における距離d
0=0であり、光合波部幅(下底部の幅)Wy=3.1μm、かつ、α=1.1°である点で実施例7と共通しており、第2角度θが異なる場合である。
実施例25は、各可視光の結合損失は5~10dBであった。結合損失は10dB以下が望ましいので、良好であった。