(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146040
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】車両の制御装置、車両制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241004BHJP
G09B 9/042 20060101ALI20241004BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G08G1/16 F
G09B9/042 A
G09B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058710
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100167461
【弁理士】
【氏名又は名称】上木 亮平
(72)【発明者】
【氏名】山田 健太
(72)【発明者】
【氏名】森本 寛
(72)【発明者】
【氏名】大見 拓寛
(72)【発明者】
【氏名】ウダラ エシャン マナワドゥ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE13
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF40
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】運転復帰の練習を、様々な走行シーンにおいて適切な頻度でドライバに実施させる。
【解決手段】制御装置5は、車両100の運転操作を自動的に行う自動運転を実施し、自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出し、車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて現在の走行シーンを特定し、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施したときに算出された習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を実施するように構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の制御装置であって、
前記車両の運転操作を自動的に行う自動運転を実施し、
自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、前記運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出し、
前記車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて、現在の走行シーンを特定し、
現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された前記習熟度に応じた頻度で、前記運転復帰練習を実施するように構成される、
車両の制御装置。
【請求項2】
前記習熟度が高いときは、低いときと比べて前記頻度を少なくするように構成される、
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された前記習熟度に基づいて、練習間隔を設定し、
現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施してからの経過時間が、前記練習間隔以上であれば、前記運転復帰練習を実施するように構成される、
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記習熟度が高いときは、低いときと比べて前記練習間隔を長くするように構成される、
請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施してからの経過時間に基づいて、前記習熟度を低下させる補正を実施し、
前記経過時間が長くなるにつれて、漸進的又は段階的に補正による低下量を大きくするように構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
運転復帰に要した時間が短いときは、長いときと比べて前記習熟度を高くするように構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
運転復帰期間におけるドライバの行動を、走行シーンごとに設定された評価項目と照らし合わせ、前記評価項目と合致する行動が多いときは、少ないときと比べて前記習熟度を高くするように構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項8】
前記評価項目には、
走行シーンごとに予め設定された安全確認動作の実施有無及び実施タイミングが含まれる、
請求項7に記載の車両の制御装置。
【請求項9】
前記評価項目には、
運転復帰期間における運転操作の操作量が、走行シーンごとに予め設定された許容量を超えていないことが含まれる、
請求項7に記載の車両の制御装置。
【請求項10】
前記ドライバの状態を表すドライバデータに基づいて、自動運転中に前記ドライバが実施しているセカンドタスクを特定し、
現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の前記運転復帰練習時に算出された前記習熟度に応じた頻度で、前記運転復帰練習を別途に実施するように構成される、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項11】
現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の前記運転復帰練習時に算出された前記習熟度に基づいて、練習間隔を設定し、
現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の前記運転復帰練習からの経過時間が、前記練習間隔以上であれば、前記運転復帰練習を別途に実施するように構成される、
請求項10に記載の車両の制御装置。
【請求項12】
前記運転復帰練習が終了したときは、前記車両のドライバに通知を行う出力機器を介して前記運転復帰練習の評価をドライバに通知する、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項13】
制御装置による車両制御方法であって、
車両の運転操作を自動的に行う自動運転を実施し、
自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、前記運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出し、
前記車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて、現在の走行シーンを特定し、
現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された前記習熟度に応じた頻度で、前記運転復帰練習を実施する、
車両制御方法。
【請求項14】
車両の制御装置用のコンピュータプラグラムであって、
前記制御装置に、
前記車両の運転操作を自動的に行う自動運転を実施させ、
自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、前記運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出させ、
前記車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて、現在の走行シーンを特定させ、
現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された前記習熟度に応じた頻度で、前記運転復帰練習を実施させる、
ことを実行させるためのコンピュータプラグラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置、車両制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の自動運転システムとして、自動運転を実施しているときに、自動運転から手動運転への運転復帰の練習をドライバに実施させるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の自動運転システムは、自車両の周辺に他車両が存在せず、かつ、一定速度での運転を一定時間継続することができると予想される走行シーンなど、運転復帰の練習に適した走行シーンのときに、運転復帰の練習をドライバに実施させるように構成されていた。
【0005】
自動運転から手動運転への運転復帰の要求は、様々な走行シーンで自動運転システムからドライバに対して出されることが想定され、必ずしも運転復帰に適した走行シーンで出されるとは限らない。そのため、前述した従来の自動運転システムでは、運転復帰の練習を実施していない走行シーンで運転復帰の要求が出されるおそれがあり、その結果、走行シーンによっては速やかな運転復帰を行うことができないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、運転復帰の練習を、様々な走行シーンにおいて適切な頻度でドライバに実施させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0008】
(1)車両の制御装置であって、車両の運転操作を自動的に行う自動運転を実施し、自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出し、車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて現在の走行シーンを特定し、現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を実施するように構成される、車両の制御装置。
【0009】
(2)習熟度が高いときは、低いときと比べて運転復帰練習の頻度を少なくするように構成される、上記(1)に記載の車両の制御装置。
【0010】
(3)現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施したときに算出された習熟度に基づいて練習間隔を設定し、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施してからの経過時間が練習間隔以上であれば、運転復帰練習を実施するように構成される、上記(1)に記載の車両の制御装置。
【0011】
(4)習熟度が高いときは、低いときと比べて練習間隔を長くするように構成される、上記(3)に記載の車両の制御装置。
【0012】
(5)現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施してからの経過時間に基づいて、習熟度を低下させる補正を実施し、経過時間が長くなるにつれて、漸進的又は段階的に補正による低下量を大きくするように構成される、上記(1)から(4)のいずれかに記載の車両の制御装置。
【0013】
(6)運転復帰に要した時間が短いときは、長いときと比べて習熟度を高くするように構成される、上記(1)から(5)のいずれかに記載の車両の制御装置。
【0014】
(7)運転復帰期間におけるドライバの行動を、走行シーンごとに設定された評価項目と照らし合わせ、評価項目と合致する行動が多いときは、少ないときと比べて習熟度を高くするように構成される、上記(1)から(6)のいずれかに記載の車両の制御装置。
【0015】
(8)評価項目には、走行シーンごとに予め設定された安全確認動作の実施有無及び実施タイミングが含まれる、上記(7)に記載の車両の制御装置。
【0016】
(9)評価項目には、運転復帰期間における運転操作の操作量が、走行シーンごとに予め設定された許容量を超えていないことが含まれる、上記(7)に記載の車両の制御装置。
【0017】
(10)ドライバの状態を表すドライバデータに基づいて、自動運転中にドライバが実施しているセカンドタスクを特定し、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習時に算出された習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を別途に実施するように構成される、上記(1)から(9)のいずれかに記載の車両の制御装置。
【0018】
(11)現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習時に算出された習熟度に基づいて練習間隔を設定し、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習からの経過時間が練習間隔以上であれば、運転復帰練習を別途に実施するように構成される、上記(10)に記載の車両の制御装置。
【0019】
(12)運転復帰練習が終了したときは、車両のドライバに通知を行う出力機器を介して運転復帰練習の評価をドライバに通知するように構成される、上記(1)から(11)のいずれかに記載の車両の制御装置。
【0020】
(13)制御装置による車両制御方法であって、車両の運転操作を自動的に行う自動運転を実施し、自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出し、車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて現在の走行シーンを特定し、現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を実施する、車両制御方法。
【0021】
(14)車両の制御装置用のコンピュータプラグラムであって、制御装置に、車両の運転操作を自動的に行う自動運転を実施させ、自動運転から運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて運転復帰の習熟度を算出させ、車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて現在の走行シーンを特定させ、現在と同じ走行シーンで最後に前記運転復帰練習を実施したときに算出された前記習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を実施させる、ことを実行させるためのコンピュータプラグラム。
【発明の効果】
【0022】
本発明のこれらの態様によれば、運転復帰の練習を、様々な走行シーンにおいて適切な頻度でドライバに実施させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態による車両のシステム概略図である。
【
図2】制御装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による運転復帰練習処理の詳細について説明するフローチャートである。
【
図4】本発明の第2実施形態による運転復帰練習処理の詳細について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による車両100のシステム概略図である。
【0026】
車両100は、周辺センサ1と、ドライバセンサ2と、出力機器3と、ストレージ装置4と、制御装置5と、を備える。周辺センサ1、ドライバセンサ2、出力機器3、ストレージ装置4、及び制御装置5は、それぞれコントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワーク6を介して通信可能に接続される。
【0027】
周辺センサ1は、車両100の周辺の状況を表す周辺データを生成するためのセンサである。本実施形態では周辺センサ1として、車両100の周囲を撮影するための一又は複数の外部カメラを備える。外部カメラは、所定のフレームレート(例えば、10[Hz]~40[Hz])で車両100の周囲を撮影し、車両100の周囲が写った周囲画像を生成する。外部カメラは、周囲画像を生成する度に、生成した周囲画像を周辺データとして制御装置5に送信する。
【0028】
なお外部カメラに替えて、又は外部カメラに加えて、車両100の周囲に存在する他車両や歩行者などの物標までの距離を計測する測距センサを周辺センサ1として備えていてもよい。測距センサの例としては、例えば、レーダ光を照射してその反射光に基づいて距離を計測するライダ(LiDAR;Light Detection And Ranging)や、電波を照射してその反射波に基づいて距離を計測するミリ波レーダセンサなどが挙げられる。
【0029】
ドライバセンサ2は、ドライバの状態を表すドライバデータを生成するためのセンサである。本実施形態ではドライバセンサ2として、ドライバの顔を含むドライバの外観を撮影するためのドライバモニタカメラを備える。ドライバモニタカメラは、所定のフレームレート(例えば、10[Hz]~40[Hz])でドライバの外観を撮影し、ドライバの外観が写った外観画像を生成する。ドライバモニタカメラは、ドライバの外観画像を生成する度に、生成した外観画像をドライバデータとして制御装置5に送信する。
【0030】
出力機器3は、車両100のドライバの体感覚(例えば、視覚、聴覚及び触覚など)を通じてドライバに通知を行うための機器である。本実施形態では、出力機器3として、ドライバが視認できる位置に配置されるディスプレイ(例えば、メーターディスプレイ、センターディスプレイ又はヘッドアップディスプレイなど)と、スピーカと、を備える。ディスプレイは、制御装置5から出力された表示信号に応じた情報(例えば、文字情報や画像情報)を表示する。スピーカは、制御装置5から出力された音声信号に応じた音声を出力する。
【0031】
ストレージ装置4は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid Disk Drive)、不揮発性の半導体メモリ等の記憶媒体を有し、高精度地図を記憶する。高精度地図には、自動運転レベル3の自動運転を実施するために必要な各種の道路情報が含まれている。自動運転レベル3の自動運転は、所定の走行環境条件を満たす限定された領域において、認知、判断及び操作から成る動的運転タスクの全てが後述する制御装置5によって実行される自動運転である。
【0032】
制御装置5は、通信部51と、記憶部52と、処理部53と、を備えるECU(Electronic Control Unit)である(
図2参照)。制御装置5には、前述した周辺データやドライバデータの他にも、自動運転レベル3の自動運転を実施するために必要な各種のデータ(例えば、測位センサによって取得された車両位置データや、車速センサによって取得された車速データなど)が入力される。制御装置5は、これらの入力データ及び高精度地図に基づいて車両100の動作を統括的に制御し、自動運転レベル3の自動運転を実施する。自動運転レベル3の自動運転が行われている間は、ドライバはセカンドタスク(例えば、スマートフォンの操作やシートを倒してのリラックスなどの運転以外のタスク)を行うことができる。また、制御装置5は、必要に応じて表示信号及び音声信号を生成して出力機器3に送信し、出力機器3を介して各種の通知をドライバに行う。
【0033】
図2は、制御装置5のハードウェア構成を示す図である。
【0034】
制御装置5は、通信部51と、記憶部52と、処理部53と、を備える。
【0035】
通信部51は、制御装置5を車内ネットワーク6に接続するためのインターフェース回路を備える。通信部51は、外部から受信したデータ(周辺データやドライバデータなど)を処理部53に供給する。また通信部51は、処理部53から出力された表示信号及び音声信号を出力機器3に送信する。
【0036】
記憶部52は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid Disk Drive)、半導体メモリ等の記憶媒体を有し、処理部53での処理に用いられる各種のコンピュータプログラムやデータ等を記憶する。
【0037】
処理部53は、一又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有し、記憶部52に格納された各種のコンピュータプログラムを実行するものであり、例えばプロセッサである。
【0038】
ここで前述したように、制御装置5によって自動運転レベル3の自動運転が行われている間は、ドライバはセカンドタスクを行うことができる。その一方で制御装置5は、例えば高精度地図の範囲外を走行することになった場合や、周辺センサ1やドライバセンサ2などが故障した場合など、自動運転レベル3の自動運転を行うための所定の走行環境条件が満たされなくなると、動的運転タスクの少なくとも一部を引き継ぐように、出力機器3を介してドライバに要求する。このとき、ドライバが速やかに動的運転タスクを引き継ぐことができないと、車両100の安全な走行が困難となる。
【0039】
このように制御装置5は、自動運転を行っているときに、ドライバに対して、自動運転から動的運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰の要求を行うことがある。しかしながら、例えば運転歴の浅いドライバや長期間運転していないドライバなどは、自動運転から手動運転への運転復帰に慣れていないために速やかに動的運転タスクを引き継ぐことができないおそれがある。
【0040】
自動運転から手動運転への運転復帰に慣れていないドライバに対する対策としては、例えば、自動運転を行っているときに、自動運転から手動運転への運転復帰の練習を実施させることが挙げられる。この際、例えば車両100の周囲に他の車両が存在していない状況で定速走行している走行シーンなど、比較的練習の実施しやすい環境下で運転復帰練習を実施することも一案であるが、実際には、自動運転から手動運転への運転復帰の要求は、車両100の周囲に他の車両が存在していない状況で定速走行している走行シーンに限らず、例えば車両100の周囲に他の車両が存在している状況で定速走行している走行シーンや、渋滞末尾に差し掛かっていて減速が必要な走行シーン、前方に低速の他車両が存在していて車線変更が必要な走行シーンなど、自動運転中の様々な走行シーンで行われる可能性がある。そして、自動運転から手動運転への運転復帰の際にドライバに求められる安全確認動作や運転操作は、走行シーンごとに相違する。
【0041】
したがって、走行シーンごとに自動運転から手動運転の運転復帰の練習をドライバに実施させること望ましいと言える。しかしながらそのようにすると、運転復帰に慣れた走行シーンと不慣れな走行シーンとが生じることが想定される。このような場合には、運転復帰に慣れた走行シーンでの運転復帰の練習頻度を下げないと、ドライバが運転復帰練習に対して煩わしさを感じるおそれがある。一方で運転復帰に不慣れな走行シーンでの運転復帰の練習頻度を上げないと、当該走行シーンで実際に自動運転から手動運転への運転復帰の要求が出されたときに、速やかに動的運転タスクを引き継ぐことができないおそれがある。
【0042】
そこで本実施形態では、走行シーンごとに適切な頻度で運転復帰の練習を実施させることができるようにした。以下、
図3を参照して、自動運転から手動運転への運転復帰の練習をドライバに実施させるための運転復帰練習処理の詳細について説明する。
【0043】
図3は、本実施形態による運転復帰練習処理の詳細について説明するフローチャートである。本処理は、制御装置5の処理部53において実行される。
【0044】
ステップS1において、制御装置5は、周辺センサ1から受信した周辺データ、具体的には外部カメラから受信した周囲画像に基づいて、車両100の現在の走行シーンを特定する。本実施形態では制御装置5は、外部カメラから受信した周囲画像を識別器に順次入力し、車両100の周囲に存在する物標の数、物標の種別(乗用車やトラック、二輪車、歩行者など)、物標との位置関係(車両100に対する物標の位置)、分岐や合流の有無等の道路形状、及び天候などを時系列に沿って検出することで、車両100の走行シーンを特定する。識別器は、例えば、入力側から出力側に向けて直列に接続された複数の畳み込み層を有する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とすることができる。なお走行シーンの特定にあたっては、例えば外部の情報センタから受信した道路交通情報や天候情報などの各種の情報を参照してもよい。
【0045】
このステップS1の処理により、例えば、現在の走行シーンが、車両100の周囲に他の車両などの物標が存在するシーンであるのか、天候がどのような天候(晴れ、雨、雪、強風など)であるのか、定速走行しているシーンであるのか、加減速しているシーンであるのか、又は車線変更が必要なシーンであるのか等の特定が行われる。
【0046】
ステップS2において、制御装置5は、現在と同じ走行シーンを過去に走行して運転復帰練習が行われたときに算出されて、記憶部52に記憶された運転復帰の習熟度(以下「復帰習熟度」という。)、すなわち現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を行ったときに算出された復帰習熟度を読み込む。復帰習熟度の詳細については後述するが、復帰習熟度は、運転復帰に要した時間や運転復帰時のドライバの行動に応じて、ドライバが運転復帰に慣れているか慣れていないかを走行シーンごとに数値化しものである。なお制御装置5は、現在と同じ走行シーンで過去に運転復帰練習を行ったことがない場合は、復帰習熟度を最低値(例えばゼロ)とする。
【0047】
ステップS3において、制御装置5は、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習が行われてからの経過時間T1を算出する。
【0048】
ステップS4において、制御装置5は、経過時間T1に基づいて、復帰習熟度を補正する。本実施形態では制御装置5は、経過時間T1が所定時間以上であれば、経過時間T1が大きくなるにつれて復帰習熟度が漸進的又は段階的に低くなるように、復帰習熟度を補正する。これは、最後に運転復帰練習をしてからの経過時間T1が長くなるにつれて、自動運転からの運転復帰に不慣れな状態に戻ると考えられるためである。なお、このステップS4は省略してもよい。
【0049】
ステップS5において、制御装置5は、復帰習熟度に基づいて、運転復帰練習の実施間隔の目標値(以下「練習間隔」という。)T2を設定する。練習間隔T2は、基本的に復帰習熟度が高いときには、低いときと比べて長くされる。これにより、復帰習熟度が高いとき、すなわち現在の走行シーンでの運転復帰に慣れていると判断できるときには、練習間隔T2を長くして、運転復帰練習の実施頻度を下げることができる。
【0050】
ステップS6において、制御装置5は、最後に運転復帰練習をしてからの経過時間T1が、練習間隔T2未満か否かを判定する。制御装置5は、経過時間T1が練習間隔T2未満であれば、運転復帰練習をまだ実施する必要がないと判断して今回の処理を終了する。一方で制御装置5は、経過時間T1が練習間隔T2以上であれば、運転復帰練習を実施する必要があると判断してステップS7の処理に進む。
【0051】
ステップS7において、制御装置5は、運転復帰練習の練習時間を確保できるか否かを判断する。本実施形態では制御装置5は、現在の時刻が、自動運転の予想終了時刻よりも所定時間以上前の時刻であれば、運転復帰練習の練習時間を確保できると判断してステップS8の処理に進む。一方で制御装置5は、自動運転の予想終了時刻よりも所定時間以上前の時刻でなければ、運転復帰練習の練習時間を確保できないと判断して今回の処理を終了する。
【0052】
ステップS8において、制御装置5は、出力機器を3介して、運転復帰練習を行ってもよいか否かをドライバに問い合わせ、運転復帰練習を行うことの同意が得られた場合はステップS9の処理に進む。一方で制御装置5は、運転復帰練習を行うことの同意が得られなかった場合は今回の処理を終了する。
【0053】
ステップS9において、制御装置5は、運転復帰練習をドライバに実施させる。そして制御装置5は、運転復帰までに要した時間及び運転復帰期間のドライバの行動の一方又は双方に基づいて、現在の走行シーンにおける復帰習熟度を算出し、算出した復帰習熟度を現在の走行シーンと関連付けて記憶部52に記憶する。
【0054】
本実施形態では制御装置5は、運転復帰までに要した時間が短いときは、長いときにと比べて復帰習熟度を高くする。これは、運転復帰までに要した時間が短いほど運転復帰に慣れていると判断できるためである。
【0055】
また制御装置5は、運転復帰期間のドライバの行動を、走行シーンごとに設定された評価項目と照らし合わせ、評価項目と合致するドライバの行動が多いときは、少ないときと比べて復帰習熟度を高くする。
【0056】
評価項目としては、例えば、運転復帰期間における各種の安全確認動作の実施有無、及びその実施タイミングを挙げることができる。この評価項目は、例えば、ルームミラーの確認やサイドミラーの確認、死角部分の目視確認などの走行シーンごとに要求される各種の安全確認動作が、運転操作(ハンドル操作、アクセル操作又はブレーキ操作)を開始する前の適切なタイミングで実施できているかをドライバの行動に基づいて検出することにより、評価することができる。
【0057】
また評価項目としては、例えば、運転復帰期間における適切な運転操作を挙げることができる。この評価項目は、例えば、運転復帰期間における運転操作の操作量が、走行シーンごとに予め設定された許容量を超えていないかを検出することにより、評価することができる。
【0058】
なおドライバの行動は、ドライバセンサ2から受信したドライバデータ、具体的にはドライバモニタカメラから受信したドライバの外観画像に基づいて検出することができる。本実施形態では制御装置5は、ドライバモニタカメラから受信したドライバの外観画像を識別器に順次入力し、ドライバの手や頭部といった所定部位の位置と、ドライバの顔向きと、運転席の状態と、運転席周辺に存在する物体の種別及び位置と、を時系列に沿って検出することで、ドライバの行動を検出している。識別器は、例えば、入力側から出力側に向けて直列に接続された複数の畳み込み層を有する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とすることができる。
【0059】
ステップS10において、制御装置5は、出力機器を3介して運転復帰練習の終了をドライバに通知するとともに、あわせて運転復帰練習の評価をドライバに通知する。ドライバに通知する運転復帰練習の評価は、簡単には復帰習熟度とすることができる。また、例えば運転復帰練習の結果、所定時間以内に運転復帰することができていなかった場合には、運転復帰が要求されたときに、車両を安全に停止させるMRM(Minimal Risk Maneuver)の実施を制御装置5側に求めることも手段の一つであることを伝えるなどの各種のアドバイスであってもよい。
【0060】
以上説明した本実施形態による車両100の制御装置5は、車両100の運転操作を自動的に行う自動運転を実施し、自動運転から動的運転タスクの少なくとも一部をドライバが実施する手動運転への運転復帰練習を自動運転中にドライバに対して行わせるとともに、運転復帰練習を実施したときに運転復帰に要した時間及び運転復帰期間におけるドライバの行動の一方又は双方に基づいて復帰習熟度(運転復帰の習熟度)を算出し、車両の周辺の状況を表す周辺データに基づいて現在の走行シーンを特定し、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施したときに算出された復帰習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を実施するように構成される。
【0061】
これにより、走行シーンごとに、各走行シーンでの復帰習熟度に応じた適切な頻度で運転復帰の練習をドライバに実施させることができる。
【0062】
より詳細には、制御装置5は、復帰習熟度が高いときには低いときと比べて運転復帰練習の実施頻度を少なくすることができるように、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施したときに算出された復帰習熟度に基づいて練習間隔T2を設定し、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施してからの経過時間T1が練習間隔T2以上であれば、運転復帰練習を実施し、復帰習熟度が高いときは、低いときと比べて練習間隔T2を長くするように構成されている。
【0063】
そのため、運転復帰に慣れた走行シーンでの運転復帰練習の実施頻度を下げることができるので、ドライバが運転復帰練習に対して煩わしさを感じるのを抑制できる。また、運転復帰に不慣れな走行シーンでの運転復帰練習の実施頻度を上げることができるので、当該走行シーンで実際に自動運転から手動運転への運転復帰の要求が出されたときに、速やかに動的運転タスクを引き継ぐことができるようになる。
【0064】
また、本実施形態による制御装置5は、現在と同じ走行シーンで最後に運転復帰練習を実施してからの経過時間T1に基づいて復帰習熟度を低下させる補正を実施し、経過時間T1が長くなるにつれて、漸進的又は段階的に補正による低下量を大きくするように構成されている。
【0065】
これにより、時間の経過とともに忘却などに起因して自動運転から手動運転への運転復帰に不慣れな状態に戻ることを考慮に入れて復帰習熟度を設定することができるので、一層適切な頻度で運転復帰の練習をドライバに実施させることができる。
【0066】
また本実施形態による制御装置5は、運転復帰期間におけるドライバの行動を、走行シーンごとに設定された評価項目と照らし合わせ、評価項目と合致する行動が多いときは、少ないときと比べて復帰習熟度を高くするように構成される。評価項目には、走行シーンごとに予め設定された安全確認動作の実施有無及び実施タイミングが含まれる。また評価項目には、運転復帰期間における運転操作の操作量が、走行シーンごとに予め設定された許容量を超えていないことが含まれる。
【0067】
これにより、ドライバの復帰習熟度をより正確に把握することができる。
【0068】
また本実施形態による制御装置5は、運転復帰練習が終了したときは、車両100のドライバに通知を行うための出力機器3を介して、運転復帰練習の評価をドライバに通知するように構成されている。
【0069】
これにより、運転復帰練習の評価をドライバにフィードバックして、運転復帰時におけるドライバの動作の改善を図ることができる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、ドライバの状態に基づいて運転復帰練習を実施するか否かの判断を行う点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
【0071】
前述した通り、制御装置5によって自動運転レベル3の自動運転が行われている間は、ドライバはセカンドタスクを行うことができる。しかしながら、例えば運転歴の浅いドライバや長期間運転していないドライバなどは、或るセカンドタスクを行っているときに、当該セカンドタスクを行っている状態から運転復帰するまでにどの程度の時間が必要なのか、また、どのような動作(例えば、シートポジションの変更動作や安全確認動作など)が必要なのかを把握できていないおそれがある。
【0072】
そこで本実施形態では、ドライバが実施しているセカンドタスクごとに適切な頻度で運転復帰の練習を実施させることができるようにした。
【0073】
図4は、本実施形態による運転復帰練習処理の詳細について説明するフローチャートである。本処理は、制御装置5の処理部53において、所定の演算周期で実行される。なお、
図4のフローチャートにおいて、ステップS5、S7、S8、S10の処理の内容は、第1実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0074】
ステップS21において、制御装置5は、ドライバセンサ2から受信したドライバデータ、具体的にはドライバモニタカメラから受信したドライバの外観画像に基づいて、ドライバが実施しているセカンドタスク(例えば、スマートフォンの操作や読書、動画視聴、シートを倒してのリラックスなど)を特定する。本実施形態では制御装置5は、ドライバモニタカメラから受信したドライバの外観画像を識別器に順次入力し、ドライバの手や頭部といった所定部位の位置と、ドライバの顔向きと、運転席の状態と、運転席周辺に存在する物体の種別及び位置と、を時系列に沿って検出することで、ドライバが実施しているセカンドタスクを検出する。識別器は、例えば、入力側から出力側に向けて直列に接続された複数の畳み込み層を有する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とすることができる。なお、ドライバが実施しているセカンドタスクの特定はこのような方法に限られるものではなく、公知の種々の手法によって特定すればよいものである。
【0075】
ステップS22において、制御装置5は、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習時に算出されて記憶部52に記憶された復帰習熟度を読み込む。
【0076】
ステップS23において、制御装置5は、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習からの経過時間T3を算出する。
【0077】
ステップS24において、制御装置5は、経過時間T3に基づいて、復帰習熟度を補正する。本実施形態では制御装置5は、経過時間T3が所定時間以上であれば、経過時間T3が大きくなるにつれて復帰習熟度が低くなるように、復帰習熟度を補正する。なお、第1実施形態と同様にこのステップS24は省略してもよい。
【0078】
ステップS26において、制御装置5は、経過時間T3が、練習間隔T2未満か否かを判定する。制御装置5は、経過時間T3が練習間隔T2未満であれば、運転復帰練習をまだ実施する必要がないと判断して今回の処理を終了する。一方で制御装置5は、経過時間T3が練習間隔T2以上であれば、運転復帰練習を実施する必要があると判断してステップS7の処理に進む。
【0079】
ステップS26において、制御装置5は、運転復帰練習をドライバに実施させる。そして制御装置5は、運転復帰までに要した時間及び運転復帰時のドライバの行動の一方又は双方に基づいて、セカンドタスク実施時における復帰習熟度を算出し、算出した復帰習熟度を実施していたセカンドタスクと関連付けて記憶部52に記憶する。
【0080】
以上説明した本実施形態による車両100の制御装置5は、ドライバの状態を表すドライバデータに基づいて、自動運転中にドライバが実施しているセカンドタスクを特定し、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習時に算出された復帰習熟度に応じた頻度で、運転復帰練習を実施するように構成される、
【0081】
より詳細には、制御装置5は、復帰習熟度が高いときには低いときと比べて運転復帰練習の実施頻度を少なくすることができるように、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習時に算出された復帰習熟度に基づいて、練習間隔T2を設定し、現在と同じセカンドタスクを実施しているときに行われた直近の運転復帰練習からの経過時間T3が、練習間隔T2以上であれば、運転復帰練習を実施するように構成される。
【0082】
これにより、ドライバが実施しているセカンドタスクごとに適切な頻度で運転復帰の練習を実施させることができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0084】
例えば、上記の第2実施形態では、ドライバの外観画像からドライバが実施しているセカンドタスクを特定していたが、例えば、ドライバの外観画像からドライバの覚醒度を検出し、覚醒度が一定以下に低下したと判断できるときに、運転復帰練習を実施させるようにしてもよい。これにより、ドライバの覚醒度が一定以下に低下するのを抑制することができる。
【0085】
また、例えば上記の各実施形態において、運転復帰練習中に明らかに危険な意図しない誤動作が検出されたときには、運転復帰練習を中断して自動運転に戻すようにし、その旨をドライバに通知するようにしてもよい。
【0086】
また、上記の各実施形態は適宜組み合わせ自由である。したがって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した各運転復帰練習処理を並行して実施するようにしてもよい。
【0087】
また、上記の実施形態において、制御装置5において実行されるコンピュータプログラム(運転復帰練習処理)は、半導体メモリ、磁気記録媒体または光記録媒体といった、コンピュータ読取可能な可搬性の記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
3 出力機器
5 制御装置
100 車両