(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146041
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】無線通信システム、及び無線給電システム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/112 20130101AFI20241004BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20241004BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20241004BHJP
【FI】
H04B10/112
H02J50/20
H02J50/90
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058711
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘道
(72)【発明者】
【氏名】林 英誉
(72)【発明者】
【氏名】志村 朋人
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA24
5K102AL23
5K102AL28
5K102RD28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】通信相手の認識率を向上させる。
【解決手段】指向性の無線通信を実行する無線通信システム1は、第1ジンバル106に搭載された第1撮像部102及び第1無線通信部104を有する第1装置100と、境界部材22を含む物体20内に配置され、第2ジンバル206に搭載された第2撮像部202及び第2無線通信部204を有する第2装置200と、境界部材12、22の外側に配置されたマーカ180、280とを備える。第2撮像部及び第2無線通信部は、第2撮像部が境界部材22を介して物体20の外側方向を撮像し、第2無線通信部が境界部材22を介して物体20の外側方向と通信するように配置される。第1装置は、第1撮像部によって撮像された撮像画像によってマーカ280を検出し、検出したマーカ280に基づいて第2撮像部を検出し、第2撮像部の検出結果に基づいて、第1撮像部の撮像方向が第2撮像部に向くように第1ジンバルを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性の無線通信を実行する無線通信システムであって、
第1ジンバルに搭載された第1撮像部及び第1無線通信部を有する第1装置と、
境界部材を含む物体内に配置された、第2ジンバルに搭載された第2撮像部及び第2無線通信部を有する第2装置と、
前記境界部材の外側に配置されたマーカと
を備え、
前記第2撮像部及び前記第2無線通信部は、前記第2撮像部が前記境界部材を介して前記物体の外側方向を撮像し、前記第2無線通信部が前記境界部材を介して前記物体の外側方向と通信するように配置され、
前記第1装置は、
前記第1撮像部によって撮像された撮像画像によって前記マーカを検出する第1マーカ検出部と、
前記第1マーカ検出部によって検出された前記マーカに基づいて、前記第2撮像部を検出する第1撮像部検出部と、
前記第1撮像部検出部による検出結果に基づいて、前記第1撮像部の撮像方向が前記第2撮像部に向くように前記第1ジンバルを制御する第1ジンバル制御部と
を有する、無線通信システム。
【請求項2】
前記マーカは、前記境界部材の外側であって、前記第2ジンバルによって調整される前記第2撮像部の撮像方向の調整範囲外に配置される、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記マーカは、前記境界部材の外側であって、前記境界部材のうちの前記第2撮像部に対して最も近い位置からずれた位置に配置される、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第1撮像部検出部は、前記第1マーカ検出部によって検出された前記マーカのバウンディングボックスの中心位置を、前記バウンディングボックスを基準とした前記第2撮像部と前記マーカとの位置関係に基づく予め定められた変換方法によって変換した位置に基づいて、前記第2撮像部を検出する、請求項2又は3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記マーカの周囲に配置された光吸収素材を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記マーカは、色及び形状の少なくともいずれかによって前記第2装置を識別可能なマーカである、請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第2装置は、前記境界部材を含む第2物体内に配置され、
前記第1装置は、境界部材を含む第1物体内に配置され、
前記無線通信システムは、
前記第1物体の前記境界部材の外側に配置された第1マーカと、
前記第2物体の前記境界部材の外側に配置された第2マーカと
を備え、
前記第2装置は、
前記第2撮像部によって撮像された撮像画像によって前記第1マーカを検出する第2マーカ検出部と、
前記第2マーカ検出部によって検出された前記第1マーカに基づいて、前記第1撮像部を検出する第2撮像部検出部と、
前記第2撮像部検出部による検出結果に基づいて、前記第2撮像部の撮像方向が前記第1撮像部に向くように前記第2ジンバルを制御する第2ジンバル制御部と
を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記第1装置は、第1車両内に配置され、
前記第2装置は、第2車両内に配置され、
前記第1マーカは、前記第1車両のフロントガラスに配置され、
前記第2マーカは、前記第2車両のリアガラスに配置され、
前記第1装置及び前記第2装置は、前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部によって車車間通信を実行する、請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
指向性の無線給電を実行する無線給電システムであって、
第1ジンバルに搭載された第1撮像部及び第1無線受給電部を有する第1装置と、
境界部材を含む物体内に配置された、第2ジンバルに搭載された第2撮像部及び第2無線受給電部を有する第2装置と、
前記境界部材の外側に配置されたマーカと
を備え、
前記第2撮像部及び前記第2無線受給電部は、前記第2撮像部が前記境界部材を介して前記物体の外側を撮像し、前記第2無線受給電部が前記境界部材を介して前記物体の外側から受電するように配置され、
前記第1装置は、
前記第1撮像部によって撮像された撮像画像によって前記マーカを検出する第1マーカ検出部と、
前記第1マーカ検出部によって検出された前記マーカに基づいて、前記第2撮像部を検出する第1撮像部検出部と、
前記第1撮像部検出部による検出結果に基づいて、前記第1撮像部の撮像方向が前記第2撮像部に向くように前記第1ジンバルを制御する第1ジンバル制御部と
を有する、無線給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、及び無線給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光無線装置および光ファイバ位置決め方法に関し、特に、光無線装置用の光ファイバの先端部の位置を決定する技術について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2022-73629号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、無線通信システムが提供される。前記無線通信システムは、指向性の無線通信を実行してよい。前記無線通信システムは、第1ジンバルに搭載された第1撮像部及び第1無線通信部を有する第1装置を備えてよい。前記無線通信システムは、境界部材を含む物体内に配置された、第2ジンバルに搭載された第2撮像部及び第2無線通信部を有する第2装置を備えてよい。前記無線通信システムは、前記境界部材の外側に配置されたマーカを備えてよい。前記第2撮像部及び前記第2無線通信部は、前記第2撮像部が前記境界部材を介して前記物体の外側方向を撮像し、前記第2無線通信部が前記境界部材を介して前記物体の外側方向と通信するように配置されてよい。前記第1装置は、前記第1撮像部によって撮像された撮像画像によって前記マーカを検出する第1マーカ検出部を有してよい。前記第1装置は、前記第1マーカ検出部によって検出された前記マーカに基づいて、前記第2撮像部を検出する第1撮像部検出部を有してよい。前記第1装置は、前記第1撮像部検出部による検出結果に基づいて、前記第1撮像部の撮像方向が前記第2撮像部に向くように前記第1ジンバルを制御する第1ジンバル制御部を有してよい。
【0004】
前記無線通信システムにおいて、前記マーカは、前記境界部材の外側であって、前記第2ジンバルによって調整される前記第2撮像部の撮像方向の調整範囲外に配置されてよい。
【0005】
前記無線通信システムにおいて、前記マーカは、前記境界部材の外側であって、前記境界部材のうちの前記第2撮像部に対して最も近い位置からずれた位置に配置されてよい。
【0006】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記第1撮像部検出部は、前記第1マーカ検出部によって検出された前記マーカのバウンディングボックスの中心位置を、前記バウンディングボックスを基準とした前記第2撮像部と前記マーカとの位置関係に基づく予め定められた変換方法によって変換した位置に基づいて、前記第2撮像部を検出してよい。
【0007】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記マーカの周囲に配置された光吸収素材を更に備えてよい。
【0008】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記マーカは、色及び形状の少なくともいずれかによって前記第2装置を識別可能なマーカであってよい。
【0009】
前記第2装置は、前記境界部材を含む第2物体内に配置されてよく、前記第1装置は、境界部材を含む第1物体内に配置されてよく、前記無線通信システムは、前記第1物体の前記境界部材の外側に配置された第1マーカと、前記第2物体の前記境界部材の外側に配置された第2マーカとを備えてよく、前記第2装置は、前記第2撮像部によって撮像された撮像画像によって前記第1マーカを検出する第2マーカ検出部と、前記第2マーカ検出部によって検出された前記第1マーカに基づいて、前記第1撮像部を検出する第2撮像部検出部と、前記第2撮像部検出部による検出結果に基づいて、前記第2撮像部の撮像方向が前記第1撮像部に向くように前記第2ジンバルを制御する第2ジンバル制御部とを有してよい。前記第1装置は、第1車両内に配置されてよく、前記第2装置は、第2車両内に配置されてよく、前記第1マーカは、前記第1車両のフロントガラスに配置されてよく、前記第2マーカは、前記第2車両のリアガラスに配置されてよく、記第1装置及び前記第2装置は、前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部によって車車間通信を実行してよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、無線給電システムが提供される。前記無線給電システムは、指向性の無線給電を実行してよい。前記無線給電システムは、第1ジンバルに搭載された第1撮像部及び無線受給電部を有する第1装置を備えてよい。前記無線給電システムは、境界部材を含む物体内に配置された、第2ジンバルに搭載された第2撮像部及び無線受電部を有する第2装置を備えてよい。前記無線給電システムは、前記境界部材の外側に配置されたマーカを備えてよい。前記第2撮像部及び前記無線受電部は、前記第2撮像部が前記境界部材を介して前記物体の外側を撮像し、前記無線受電部が前記境界部材を介して前記物体の外側から受電するように配置されてよい。前記第1装置は、前記第1撮像部によって撮像された撮像画像によって前記マーカを検出する第1マーカ検出部を有してよい。前記第1装置は、前記第1マーカ検出部によって検出された前記マーカに基づいて、前記第2撮像部を検出する第1撮像部検出部を有してよい。前記第1装置は、前記第1撮像部検出部による検出結果に基づいて、前記第1撮像部の撮像方向が前記第2撮像部に向くように前記第1ジンバルを制御する第1ジンバル制御部を有してよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】撮像部202とマーカ280との位置関係の一例を概略的に示す。
【
図3】撮像部102による撮像画像120の一例を概略的に示す。
【
図4】撮像部202とマーカ280との位置関係の他の一例を概略的に示す。
【
図5】撮像部202とマーカ280との関係について説明するための説明図である。
【
図7】装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図8】装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図9】装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図10】無線給電システム2の一例を概略的に示す。
【
図11】装置300の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図12】装置400の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図13】装置100、装置200、装置300、又は装置400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例えば、従来のトラッキング光無線通信においては、お互いの通信装置が相手を画像認識等で認識し、光軸が合うように装置の向きを自動的に調整させていた。このとき、トラッキング対象物体にマーカを取り付けることで、画像認識及びLiDAR(Light Detection and Ranging)等における対象装置の認識率を向上させることが可能となる。しかし、車車間やビル間のように窓ガラス等の部材を介してトラッキングを行う場合、当該部材による外光の反射や当該部材の内外における明暗差によってマーカを視認できない場合がある。例えば、本実施形態に係る無線通信システムは、車車間やビル間のような窓ガラス超しでもマーカトラッキングを実現すべく、通信相手の認識率を向上させる技術を提供する。具体的に、本実施形態に係る無線通信システムにおいては、窓ガラス等の、物体の内外の境界に位置する部材に直接マーカを予め定められた規則に従って配置し、配置されたマーカに基づいて、通信相手の位置を特定する構成することによって、通信相手の認識率を向上させる。
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、以下では車車間やビル間のように窓ガラスが無線通信装置間に介在する場合を例として説明する。
【0015】
図1は、無線通信システム1の一例を概略的に示す。無線通信システム1は、指向性の無線通信を実行する。無線通信システム1は、装置100及び装置200を備える。装置100は、第1装置の一例であってよい。装置200は、第2装置の一例であってよい。
【0016】
装置100は、物体10内に配置される。物体10は、境界部材12を含む。装置200は、物体20内に配置される。物体20は、境界部材22を含む。装置100と装置200とは、境界部材12及び境界部材22を介して、指向性の無線通信を実行する。装置100と装置200とは、例えば、光無線通信を実行する。装置100と装置200とは、例えば、ミリ波無線通信を実行する。
【0017】
境界部材12及び境界部材22は、装置100と装置200との指向性の無線通信を遮断する部材でなければ、どのような部材であってもよい。境界部材12及び境界部材22は、入射光又は入射波の一部を透過し、一部を反射する部材であってよい。境界部材12及び境界部材22は、例えば、窓ガラスである。境界部材12及び境界部材22は、例えば、アクリル板である。境界部材12及び境界部材22は、例えば、プラスチック板である。これらは例示であり、境界部材12及び境界部材22は、指向性の無線通信を遮断しない他の部材であってもよい。
【0018】
物体10及び物体20は、例えば、自動車及びバス等の車両である。車両の種類はこれらに限られない。物体10内に配置された装置100と、物体20内に配置された装置200とは、車車間通信を実行してよい。具体例として、物体10の境界部材12はフロントガラスであってよく、物体20の境界部材22はリアガラスであってよい。この場合、物体20が物体10の前方に位置する場合において、装置100と装置200とは、境界部材12及び境界部材22を介して無線通信を実行する。
【0019】
なお、物体10には、2つの装置100が配置されてもよい。例えば、物体10のリアガラス側と、フロントガラス側とのそれぞれに装置100が配置されてもよい。物体20にも、2つの装置200が配置されてもよい。例えば、物体20のリアガラス側と、フロントガラス側とのそれぞれに装置200が配置されてもよい。
【0020】
物体10及び物体20は、ビル等の建物であってもよい。この場合、境界部材12及び境界部材22は、建物の窓であってよい。境界部材12及び境界部材22は、窓ガラスであってよく、アクリル板やプラスチック板であってもよい。物体10及び物体20は、それぞれが境界部材12及び境界部材22を含む任意の物体であってよい。物体10と物体20とが異なる種類の物体であってもよい。例えば、物体10が車両であり、物体20が建物であってもよい。
【0021】
装置100は、撮像部102、無線通信部104、及びジンバル106を有する。撮像部102は、第1撮像部の一例であってよい。無線通信部104は、第1無線通信部の一例であってよい。ジンバル106は、第1ジンバルの一例であってよい。
【0022】
撮像部102及び無線通信部104は、ジンバル106に搭載される。撮像部102及び無線通信部104は、撮像部102による撮像方向と、無線通信部104による無線通信方向とが一致するように、ジンバル106に対して設置される。ジンバル106によって、撮像部102及び無線通信部104の両方の向きが調整される。撮像部102及び無線通信部104は、撮像部102が境界部材12を介して物体10の外側方向を撮像し、無線通信部104が境界部材12を介した物体10の外側方向と通信するように配置される。
【0023】
装置200は、撮像部202、無線通信部204、及びジンバル206を有する。撮像部202は、第2撮像部の一例であってよい。無線通信部204は、第2無線通信部の一例であってよい。ジンバル206は、第2ジンバルの一例であってよい。
【0024】
撮像部202及び無線通信部204は、ジンバル206に搭載される。撮像部202及び無線通信部204は、撮像部202による撮像方向と、無線通信部204による無線通信方向とが一致するように、ジンバル206に対して設置される。ジンバル206によって、撮像部202及び無線通信部204の両方の向きが調整される。撮像部202及び無線通信部204は、撮像部202が境界部材22を介して物体20の外側方向を撮像し、無線通信部204が境界部材22を介した物体20の外側方向と通信するように配置される。
【0025】
撮像部102及び無線通信部104と、撮像部202及び無線通信部204とは、撮像部102の撮像方向と撮像部202の撮像方向が一致することによって、無線通信部104の通信方向と無線通信部204の通信方向とが一致するように配置される。
【0026】
本実施形態においては、撮像部102にではなく、境界部材12の外側にマーカ180が配置される。マーカ180は、撮像部102に対応する位置に配置される。マーカ180は、撮像部102に対して予め定められた規則に従った位置に配置される。これにより、マーカ180の位置から、撮像部102の位置を検出可能になる。
【0027】
例えば、マーカ180は、撮像部102の正面に配置される。例えば、マーカ180は、撮像部102の正面から少しずれた位置に配置される。例えば、マーカ180は、ジンバル106によって調整される撮像部102の撮像方向の調整範囲外に配置される。
【0028】
マーカ180は、例えば、シールであって、境界部材12の外側に貼り付けられる。マーカ180の境界部材12に対する設置は、貼り付けに限らず、任意の方法で設置されてよい。マーカ180の素材は、反射素材であってよい。
【0029】
マーカ280は、マーカ180と同様に、境界部材22の外側に配置される。マーカ280の素材は、反射素材であってよい。
【0030】
装置100は、撮像部102によって撮像された撮像画像によって、マーカ280を検出する。装置100は、検出したマーカ280に基づいて、撮像部202を検出する。装置100は、撮像部202の検出結果に基づいて、撮像部102の撮像方向が撮像部202に向くようにジンバル106を制御する。これにより、無線通信部104の通信方向を、無線通信部204に合わせることができる。従来のように、撮像部202にマーカ280を配置した場合、境界部材22による外光の反射や境界部材22の内外における明暗差によって、マーカ280を識別できない場合がある。それに対して、本実施形態に係る無線通信システム1では、マーカ280を境界部材22の外側であって、撮像部202に対して予め定められた規則に従った位置に配置し、装置100が当該規則に基づいてマーカ280から撮像部202を検出するよう構成することによって、撮像部202の認識率を向上させることができ、その結果として、装置100と装置200との無線通信を安定化させることができる。
【0031】
装置100と同様に、装置200は、撮像部202によって撮像された撮像画像によって、マーカ180を検出する。装置200は、検出したマーカ180に基づいて、撮像部102を検出する。装置200は、撮像部102の検出結果に基づいて、撮像部202の撮像方向が撮像部102に向くようにジンバル206を制御する。このように、装置100と装置200の双方で、マーカ180及びマーカ280を用いた調整を行うことによって、無線通信部104と無線通信部204との向きをより高い精度で合わせることができる。
【0032】
図2は、撮像部202とマーカ280との位置関係の一例を概略的に示す。以下、マーカ280について主に説明するが、マーカ180は、マーカ280と同様であってよい。
図2に示す例において、マーカ280は、撮像部202の正面側からみて、マーカ280の中心が撮像部202のレンズの中心に位置するように配置されている。
図2に示すような配置とすることによって、マーカ280を検出して、マーカ280の中心位置を特定することによって、撮像部202のレンズの中心を検出することができる。マーカ180は、撮像部202とマーカ280との位置関係と同様の、撮像部102とマーカ180との位置関係で配置されてよい。
【0033】
図2に示すマーカ280は、一例であり、マーカ280は、任意の形状を有してよい。マーカ280は、マーカ280の位置が正確に把握できることが要求されるので、特徴的な形状を有することが望ましい。形状があまり複雑だと、撮像部による認識が難しくなる場合があるため、比較的シンプルな形状であることが望ましい。マーカ280の色として、周囲と区別がつきやすい色が採用されてよい。マーカ280のサイズは、撮像部による認識のしやすさと、境界部材に配置したときの弊害とを考慮して決定されてよい。例えば、マーカ280が、車両のフロントガラスやリアガラスに配置される場合、運転等の邪魔にならない範囲で、撮像部が認識しやすいサイズが選択される。
【0034】
マーカ280は、色及び形状の少なくともいずれかによって、装置200を識別可能なマーカであってもよい。すなわち、複数の装置に設置される複数のマーカは、色及び形状の違いによって、識別可能であってよい。これにより、マーカに、撮像部を検出しやすくする機能と、装置を識別可能にする機能とを持たせることができ、有用性を高めることができる。
【0035】
撮像部202に対して配置されるマーカ280の数は、1つに限らず、複数のマーカ280が配置されてもよい。複数のマーカ280を配置した場合、例えば、物体10及び物体20が車両であって、横方向の位置関係がずれたときに、ずれ量を特定可能にできる。また、マーカ280を1つのみ配置する場合と比較して、マーカ280を複数配置することによって、マーカ280の誤検出を低減することができる。
【0036】
図3は、撮像部102による撮像画像120の一例を概略的に示す。装置100は、撮像画像120から、マーカ280を検出する。装置100は、撮像画像120における、マーカ280のマーカ中心124を特定する。装置100は、撮像画像120の画像中心122が、マーカ中心124に重なるようにジンバル106を制御する。これにより、撮像部102の撮像方向が撮像部202に向くようになり、その結果、無線通信部104の通信方向が無線通信部204に向くようになる。
【0037】
図4は、撮像部202とマーカ280との位置関係の他の一例を概略的に示す。
図4に示す例において、マーカ280は、マーカ280のバウンディングボックス130の辺を基準に鏡映変換したボックス(ミラーバウンディングボックス132と記載する場合がある。)の中心位置に、撮像部202のレンズの中心が位置するように配置されている。
【0038】
マーカ280が、
図4に例示する位置に配置されている場合、装置100は、撮像部102による撮像画像からマーカ280を検出して、バウンディングボックス130を特定し、マーカ中心124を特定する。装置100は、バウンディングボックス130の下辺を基準に鏡映変換したミラーバウンディングボックス132を特定して、撮像部202の中心を特定する。
【0039】
図4の位置関係は一例であって、マーカ280は、マーカ280の位置から撮像部202の位置を特定可能な位置関係であれば、任意の位置関係で配置されてよい。例えば、マーカ280は、マーカ280のバウンディングボックス130の上辺、左辺、又は右辺を基準に鏡映変換したボックスの中心位置に、撮像部202のレンズの中心が位置するように配置されてもよい。マーカ280は、鏡映変換以外の方法で、撮像部202の位置を特定可能な位置関係で配置されてもよい。
【0040】
マーカ280は、境界部材22の外側であって、境界部材22のうちの、撮像部202に対して最も近い位置からずれた位置に配置されてよい。特に、マーカ280は、ジンバル206によって調整される撮像部202の撮像方向の調整範囲外に配置されてよい。このように、マーカ280が撮像部202に対してずれた位置に配置されていても、どのような規則に従って配置されているかを装置100側が把握していれば、マーカ280から撮像部202の位置を特定することができる。
【0041】
仮に、マーカ280が、ジンバル206によって調整される撮像部202の撮像方向の調整範囲内に位置した場合、
図5に例示するように、撮像部202が斜めの方向を向いた際に、マーカ280が撮像部202の視界を遮ってしまうことになる。それに対して、マーカ280を、ジンバル206によって調整される撮像部202の撮像方向の調整範囲外に配置することによって、マーカ280が撮像部202の視界を遮ってしまうことを防ぐことができる。
【0042】
図6は、光吸収素材282の一例を概略的に示す。無線通信システム1は、
図6に例示するように、マーカ280の周囲に配置された光吸収素材282を更に備えてもよい。光吸収素材282によって、外光によるマーカ280の白飛びを抑えることができ、マーカ280の視認性を高めることができる。無線通信システム1は、マーカ180の周囲に配置された不図示の光吸収素材を更に備えてよい。
【0043】
図7は、装置100の機能構成の一例を概略的に示す。装置100は、撮像部102、無線通信部104、ジンバル106、マーカ検出部110、撮像部検出部112、ジンバル制御部114、及び通信制御部116を備える。ここでは、装置100が物体10内に配置され、通信相手が、物体20内に配置された装置200である場合を主に例に挙げて説明する。
【0044】
マーカ検出部110は、撮像部102によって撮像された撮像画像によって、通信相手のマーカ280を検出する。
【0045】
撮像部検出部112は、マーカ検出部110によって検出されたマーカ280に基づいて、撮像部202を検出する。撮像部検出部112は、例えば、マーカ検出部110によって検出されたマーカ280のバウンディングボックスの中心位置を、バウンディングボックスを基準とした撮像部202とマーカ280との位置関係に基づく予め定められた変換方法によって変換した位置に基づいて、撮像部202を検出する。
【0046】
ジンバル制御部114は、撮像部検出部112による検出結果に基づいて、撮像部102の撮像方向が撮像部202に向くようにジンバル106を制御する。
【0047】
通信制御部116は、無線通信部104による通信を制御する。通信制御部116は、ジンバル制御部114によるジンバル106の制御によって、撮像部102の撮像方向が撮像部202に向いたことに応じて、無線通信部104による無線通信を開始してよい。
【0048】
マーカ280が、色及び形状の少なくともいずれかによって装置200を識別可能なマーカである場合、マーカ検出部110は、マーカ280を解析することによって、装置200を識別してよい。撮像部検出部112は、例えば、マーカ検出部110によるマーカ280の解析結果が装置200である場合に、マーカ280を用いた、撮像部202の検出を実行する。これにより、例えば、撮像部102の撮像範囲内に、装置200のマーカ280と、他の装置のマーカとが含まれる場合に、誤って他の装置の撮像部を検出しようとしてしまうことを防ぐことができる。
【0049】
図8は、装置200の機能構成の一例を概略的に示す。装置200は、撮像部202、無線通信部204、ジンバル206、マーカ検出部210、撮像部検出部212、ジンバル制御部214、及び通信制御部216を備える。
【0050】
マーカ検出部210は、マーカ検出部110と同様に、撮像部202によって撮像された撮像画像によって、通信相手のマーカ180を検出する。撮像部検出部212は、撮像部検出部112と同様に、マーカ検出部210によって検出されたマーカ180に基づいて、撮像部102を検出する。ジンバル制御部214は、ジンバル制御部114と同様に、撮像部検出部212による検出結果に基づいて、撮像部202の撮像方向が撮像部102に向くようにジンバル206を制御する。通信制御部216は、通信制御部116と同様に、無線通信部204による通信を制御する。
【0051】
図9は、装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、通信装置100と通信装置200とが、無線通信をしていない状態から、無線通信を開始するまでの処理を説明する。撮像部102及び撮像部202のそれぞれが、連続的、定期的、又は不定期に撮像を実行しているものとする。また、ここでは、例えば、装置100と装置200との間の無線通信において、装置100側の処理内容を説明する。
【0052】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、撮像部102が、境界部材12を介して物体10の外側方向を撮像する。S104では、マーカ検出部110が、撮像部102による撮像画像を用いたマーカ280の検出処理を実行する。マーカを検出した場合(S104でYES)、S106に進み、マーカ280を検出しない場合(S104でNO)、S102に戻る。
【0053】
S106では、撮像部検出部112が、マーカ280に基づいて、撮像部202を検出する。S108では、ジンバル制御部114が、S106における検出結果に基づいて、ジンバル106を制御する。ジンバル制御部114は、撮像部102の撮像方向が撮像部202に向くようにジンバル106を制御する。
【0054】
S110では、S108におけるジンバル106の制御が終了したことに応じて、通信制御部116が、無線通信部104と無線通信部204とを用いた無線通信を開始する。
【0055】
装置100及び装置200は、無線通信を開始した後に、相互に調整を継続してよい。装置100及び装置200は、相互に通知データを送信することによって、交互に調整を実行してもよい。例えば、まず、装置100がジンバル106の制御を実行し、制御完了後、通知データを装置200に送信する。通知データを受信するまで、装置200は、ジンバル106の制御を行わない。通知データを受信した装置200は、ジンバル206を制御する。装置200は、調整後、通知データを装置100に送信する。
【0056】
図10は、無線給電システム2の一例を概略的に示す。無線給電システム2は、指向性の無線給電を実行する。無線給電システム2は、装置300及び装置400を備える。装置300は、第1装置の一例であってよい。装置400は、第2装置の一例であってよい。
【0057】
装置300は、物体10内に配置される。物体10は、境界部材12を含む。装置400は、物体20内に配置される。物体20は、境界部材22を含む。装置300と装置400とは、境界部材12及び境界部材22を介して、指向性の無線給電を実行する。境界部材12及び境界部材22は、装置100と装置200との指向性の無線給電を遮断する部材でなければ、どのような部材であってもよい。境界部材12及び境界部材22は、入射光又は入射波の一部を透過し、一部を反射する部材であってよい。境界部材12及び境界部材22は、例えば、窓ガラスである。境界部材12及び境界部材22は、例えば、アクリル板である。境界部材12及び境界部材22は、例えば、プラスチック板である。これらは例示であり、境界部材12及び境界部材22は、指向性の無線給電を遮断しない他の部材であってもよい。
【0058】
物体10には、2つの装置300が配置されてもよい。例えば、物体10のリアガラス側と、フロントガラス側とのそれぞれに装置300が配置されてもよい。物体20にも、2つの装置400が配置されてもよい。例えば、物体20のリアガラス側と、フロントガラス側とのそれぞれに装置400が配置されてもよい。
【0059】
装置300は、撮像部302、無線受給電部304、及びジンバル306を有する。撮像部302は、第1撮像部の一例であってよい。無線受給電部304は、無線受給電を実行する。本実施形態において、受給電という記載は、受電及び給電の少なくともいずれかを実行可能であることを示す。すなわち、無線受給電部304は、無線給電及び無線受電が可能であってよく、無線給電のみが可能であってもよく、無線受電のみが可能であってもよい。無線受給電部304が無線給電のみ可能である場合、無線受給電部404は、無線受電可能であってよい。無線受給電部304が無線受電のみ可能である場合、無線受給電部404は、無線給電可能であってよい。無線受給電部304は、第2無線受給電部の一例であってよい。ジンバル306は、第1ジンバルの一例であってよい。
【0060】
撮像部302及び無線受給電部304は、ジンバル306に搭載される。撮像部302及び無線受給電部304は、撮像部302による撮像方向と、無線受給電部304による無線受給電方向とが一致するように、ジンバル306に対して設置される。ジンバル306によって、撮像部302及び無線受給電部304の両方の向きが調整される。撮像部302及び無線受給電部304は、撮像部302が境界部材12を介して物体10の外側方向を撮像し、無線受給電部304が境界部材12を介した物体10の外側方向と受給電するように配置される。
【0061】
装置400は、撮像部402、無線受給電部404、ジンバル406を有する。撮像部402は、第2撮像部の一例であってよい。無線受給電部404は、第2無線受給電部の一例であってよい。ジンバル406は、第2ジンバルの一例であってよい。
【0062】
撮像部402及び無線受給電部404は、ジンバル406に搭載される。撮像部402及び無線受給電部404は、撮像部402による撮像方向と、無線受給電部404による無線受給電方向とが一致するように、ジンバル406に対して設置される。ジンバル406によって、撮像部402及び無線受給電部404の両方の向きが調整される。撮像部402及び無線受給電部404は、撮像部402が境界部材22を介して物体20の外側方向を撮像し、無線受給電部404が境界部材22を介した物体20の外側方向と受給電するように配置される。
【0063】
撮像部302及び無線受給電部304と、撮像部402及び無線受給電部404とは、撮像部302の撮像方向と撮像部402の撮像方向が一致することによって、無線受給電部304の受給電方向と無線受給電部404の受給電方向とが一致するように配置される。
【0064】
本実施形態においては、撮像部302にではなく、境界部材12の外側にマーカ380が配置される。マーカ380は、マーカ280と同様であってよい。マーカ380は、撮像部302に対応する位置に配置される。マーカ380は、撮像部402に対して予め定められた規則に従った位置に配置される。これにより、マーカ380の位置から、撮像部302の位置を検出可能になる。例えば、マーカ380は、撮像部302の正面に配置される。例えば、マーカ380は、撮像部302の正面から少しずれた位置に配置される。例えば、マーカ380は、ジンバル306によって調整される撮像部302の撮像方向の調整範囲外に配置される。マーカ380は、例えば、シールであって、境界部材12の外側に貼り付けられる。マーカ380の境界部材12に対する設置は、貼り付けに限らず、任意の方法で設置されてよい。マーカ380の素材は、反射素材であってよい。マーカ480は、マーカ380と同様に、境界部材22の外側に配置される。マーカ480の素材は、反射素材であってよい。
【0065】
装置300は、撮像部302によって撮像された撮像画像によって、マーカ480を検出する。マーカ480は、マーカ280と同様であってよい。装置300は、検出したマーカ480に基づいて、撮像部402を検出する。装置300は、撮像部402の検出結果に基づいて、撮像部302の撮像方向が撮像部402に向くようにジンバル306を制御する。これにより、無線受給電部304の受給電方向を、無線受給電部404に合わせることができる。
【0066】
装置300と同様に、装置400は、撮像部402によって撮像された撮像画像によって、マーカ380を検出する。装置400は、検出したマーカ380に基づいて、撮像部302を検出する。装置400は、撮像部302の検出結果に基づいて、撮像部402の撮像方向が撮像部302に向くようにジンバル406を制御する。
【0067】
図11は、装置300の機能構成の一例を概略的に示す。装置300は、撮像部302、無線受給電部304、ジンバル306、マーカ検出部310、撮像部検出部312、ジンバル制御部314、及び受給電制御部316を備える。ここでは、装置300が物体10内に配置され、受給電相手が、物体20内に配置された装置400である場合を主に例に挙げて説明する。
【0068】
マーカ検出部310は、マーカ検出部110と同様に、撮像部302によって撮像された撮像画像によって、給電相手のマーカ480を検出する。撮像部検出部312は、撮像部検出部112と同様に、マーカ検出部310によって検出されたマーカ480に基づいて、撮像部402を検出する。ジンバル制御部314は、ジンバル制御部114と同様に、撮像部検出部312による検出結果に基づいて、撮像部302の撮像方向が撮像部402に向くようにジンバル306を制御する。
【0069】
受給電制御部316は、無線受給電部304による受給電を制御する。受給電制御部316は、ジンバル制御部314によるジンバル306の制御によって、撮像部302の撮像方向が撮像部402に向いたことに応じて、無線受給電部304による無線受給電を開始してよい。
【0070】
図12は、装置400の機能構成の一例を概略的に示す。装置400は、撮像部402、無線受給電部404、ジンバル406、マーカ検出部410、撮像部検出部412、ジンバル制御部414、及び受給電制御部416給電を備える。
【0071】
マーカ検出部410は、マーカ検出部310と同様に、撮像部402によって撮像された撮像画像によって、給電相手のマーカ380を検出する。撮像部検出部412は、撮像部検出部312と同様に、マーカ検出部410によって検出されたマーカ380に基づいて、撮像部302を検出する。ジンバル制御部414は、ジンバル制御部314と同様に、撮像部検出部412による検出結果に基づいて、撮像部402の撮像方向が撮像部302に向くようにジンバル406を制御する。受給電制御部416は、受給電制御部316と同様に、無線受給電部404による受給電を制御する。
【0072】
図13は、装置100、装置200、装置300、又は装置400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0073】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に記憶されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0074】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを記憶する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0075】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを記憶する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0076】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0077】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に記憶された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0078】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に記憶されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0079】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に記憶され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に記憶される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に記憶された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0080】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0081】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0082】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を記憶可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピーディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0083】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0084】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0086】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0087】
1 無線通信システム、10 物体、12 境界部材、20 物体、22 境界部材、100 装置、102 撮像部、104 無線通信部、106 ジンバル、110 マーカ検出部、112 撮像部検出部、114 ジンバル制御部、116 通信制御部、120 撮像画像、122 画像中心、124 マーカ中心、130 バウンディングボックス、132 ミラーバウンディングボックス、180 マーカ、200 装置、202 撮像部、204 無線通信部、206 ジンバル、210 マーカ検出部、212 撮像部検出部、214 ジンバル制御部、216 通信制御部、280 マーカ、282 光吸収素材、300 装置、302 撮像部、304 無線受給電部、306 ジンバル、310 マーカ検出部、312 撮像部検出部、314 ジンバル制御部、316 受給電制御部、380 マーカ、400 装置、402 撮像部、404 無線受給電部、406 ジンバル、410 マーカ検出部、412 撮像部検出部、414 ジンバル制御部、416 受給電制御部、480 マーカ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ