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特開2024-146051光モジュールおよびフレキシブル基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146051
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】光モジュールおよびフレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20241004BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H05K1/18 J
H05K1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058740
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】上村 浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓二
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 誠司
【テーマコード(参考)】
5E336
5E338
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336BB01
5E336BB12
5E336CC31
5E336CC55
5E336CC56
5E336EE20
5E336GG14
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB80
5E338CD13
5E338EE21
(57)【要約】
【課題】ドライバICおよび光回路素子を応力の影響から保護することできる光モジュールおよびフレキシブル基板を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る光モジュールは、第1面と、第1面と平行な第2面と、を有するパッケージと、第1面上に放熱ブロックを介して実装されるドライバICと、第2面上に温度調整素子を介して実装される光回路素子と、ドライバICおよび光回路素子の上に搭載され、ドライバICと光回路素子とに電気的に接続されるフレキシブル基板と、を備える。フレキシブル基板は、第1方向、および第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、本体に形成されている配線と、を備える。本体は、光回路素子に対向する第1端を有する。配線は、第1端から第1方向に沿って本体の外に突出する第1リード部を有する。第1リード部が光回路素子に接続される。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と平行な第2面と、を有するパッケージと、
前記第1面上に放熱ブロックを介して実装されるドライバICと、
前記第2面上に温度調整素子を介して実装される光回路素子と、
前記ドライバICおよび前記光回路素子の上に搭載され、前記ドライバICと前記光回路素子とに電気的に接続されるフレキシブル基板と、
を備え、
前記フレキシブル基板は、第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、前記本体に形成されている配線と、を備え、
前記本体は、前記光回路素子に対向する第1端を有し、
前記配線は、前記第1端から前記第1方向に沿って前記本体の外に突出する第1リード部を有し、
前記第1リード部が前記光回路素子に接続される、
光モジュール。
【請求項2】
前記第1リード部の可撓性は、前記本体の可撓性よりも大きい、
請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第1リード部は、前記光回路素子上に形成されたバンプを介して前記光回路素子と接続される第1結合部を有する、
請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル基板は、前記本体から突出し、前記第2方向に沿って前記第1リード部を挟むように配置された補強部を有し、
前記補強部が前記光回路素子に接続される、
請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記補強部は、ダミー配線を含む、
請求項4に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記本体は、前記第1端と反対に第2端を有し、
前記配線は、前記第2端から前記第1方向に沿って前記本体の外に突出する第2リード部を有し、
前記第2リード部が前記ドライバICに接続される、
請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記第1リード部は、前記光回路素子上に形成されたバンプを介して前記光回路素子と接続される第1結合部を有し、
前記第2リード部は、前記ドライバIC上に形成されたバンプを介して前記ドライバICと接続される第2結合部を有し、
前記第1結合部および前記第2結合部を通る直線の前記第1面に対する傾きは、10°以下である、
請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記第1結合部および前記第2結合部は、樹脂によって覆われている、
請求項7に記載の光モジュール。
【請求項9】
第1面と、前記第1面と平行な第2面と、を有するパッケージと、
前記第1面上に放熱ブロックを介して実装されるドライバICと、
前記第2面上に温度調整素子を介して実装される光回路素子と、
前記ドライバICおよび前記光回路素子の上に搭載され、前記ドライバICと前記光回路素子とに電気的に接続されるフレキシブル基板と、
を備え、
前記フレキシブル基板は、第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、前記本体に形成されている配線と、を備え、
前記本体は、前記ドライバICに対向する第2端を有し、
前記配線は、前記第2端から前記第1方向に沿って前記本体の外に突出する第2リード部を有し、
前記第2リード部が前記ドライバICに接続される、
光モジュール。
【請求項10】
第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、
前記本体に形成されている配線と、
を備え、
前記本体は、光回路素子に対向する第1端を有し、
前記配線は、前記第1端から前記第1方向に沿って前記本体の外に突出する第1リード部を有し、
前記第1リード部が前記光回路素子に接続される、
フレキシブル基板。
【請求項11】
第1方向、および前記第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、
前記本体に形成されている配線と、
を備え、
前記本体は、ドライバICに対向する第2端を有し、
前記配線は、前記第2端から前記第1方向に沿って前記本体の外に突出する第2リード部を有し、
前記第2リード部が前記ドライバICに接続される、
フレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示には、光モジュールおよびフレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光送信器が記載されている。光送信器は、マッハツェンダ変調器と、ドライバICと、配線基板とを備える。配線基板は、マッハツェンダ変調器とドライバICとをフリップチップ実装によって互いに接続する。配線基板は、二酸化ケイ素(SiO)または樹脂によって構成されたフレキシブル基板である。この光送信器では、マッハツェンダ変調器およびドライバICに対する配線基板の傾きが±3°以内とされる。
【0003】
特許文献2には、基板を含む相互接続ブリッジアセンブリを有する光送信器が記載されている。相互接続ブリッジアセンブリの基板は、変調器ドライバおよび制御用ICを互いに電気的に接続する。基板は、柔軟性または弾性を有する材料によって構成されている。これにより、基板は、変調器ドライバの高さと制御用ICの高さとの差を吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-189699号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0180580号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ドライバICおよび光回路素子は、筐体内に収容されている状態において、温度変化による膨張または収縮によって応力の影響を受ける場合がある。よって、ドライバICおよび光回路素子を応力の影響から保護するとともにドライバICと光回路素子の間の信号伝送を可能とすることが求められる。
【0006】
本開示は、ドライバICおよび光回路素子間の電気接続のロバスト性を向上可能な光モジュールおよびフレキシブル基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る光モジュールは、第1面と、第1面と平行な第2面と、を有するパッケージと、第1面上に放熱ブロックを介して実装されるドライバICと、第2面上に温度調整素子を介して実装される光回路素子と、ドライバICおよび光回路素子の上に搭載され、ドライバICと光回路素子とに電気的に接続されるフレキシブル基板と、を備える。フレキシブル基板は、第1方向、および第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、本体に形成されている配線と、を備える。本体は、光回路素子に対向する第1端を有する。配線は、第1端から第1方向に沿って本体の外に突出する第1リード部を有する。第1リード部が光回路素子に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ドライバICおよび光回路素子間の電気接続のロバスト性を向上することできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る光モジュールの内部構造を示す平面図である。
図2図2は、実施形態に係る光モジュールの縦断面図である。
図3図3は、実施形態に係るフレキシブル基板、ドライバIC、光回路素子およびパッケージを示す平面図である。
図4図4は、図3のA-A線断面図、およびフレキシブル基板を拡大した模式図である。
図5図5は、実施形態に係るフレキシブル基板を示す平面図である。
図6図6は、図5のB-B線断面図である。
図7図7は、図5のC-C線断面図である。
図8図8は、図3のD-D線断面図、および図3のE-E線断面図である。
図9図9は、第1変形例に係るフレキシブル基板、ドライバIC、光回路素子およびパッケージを示す平面図である。
図10図10は、図9のF-F線断面図である。
図11図11は、第2変形例に係るフレキシブル基板、ドライバIC、光回路素子およびパッケージを示す平面図である。
図12図12は、図11のG-G線断面図である。
図13図13は、第3変形例に係るフレキシブル基板、ドライバIC、光回路素子およびパッケージを示す平面図である。
図14図14は、図13のH-H線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示に係る光モジュールおよびフレキシブル基板の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態に係る光モジュールは、(1)第1面と、第1面と平行な第2面と、を有するパッケージと、第1面上に放熱ブロックを介して実装されるドライバICと、第2面上に温度調整素子を介して実装される光回路素子と、ドライバICおよび光回路素子の上に搭載され、ドライバICと光回路素子とに電気的に接続されるフレキシブル基板と、を備える。フレキシブル基板は、第1方向、および第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、本体に形成されている配線と、を備える。本体は、光回路素子に対向する第1端を有する。配線は、第1端から第1方向に沿って本体の外に突出する第1リード部を有する。第1リード部が光回路素子に接続される。
【0011】
一実施形態に係るフレキシブル基板は、第1方向、および第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、本体に形成されている配線と、を備える。本体は、光回路素子に対向する第1端を有する。配線は、第1端から第1方向に沿って本体の外に突出する第1リード部を有する。第1リード部は、光回路素子に接続される。
【0012】
この光モジュールおよびフレキシブル基板は、本体および配線を備え、本体は光回路素子に対向する第1端を有する。配線は、第1リード部を有する。第1リード部は、本体の第1端から第1方向に沿って本体の外に突出するとともに光回路素子に接続される。フレキシブル基板の配線の第1リード部が光回路素子に接続されることにより、温度変化等が生じても第1端から突出する第1リード部が撓むので、ドライバICおよび光回路素子への応力の影響を低減できる。したがって、ドライバICおよび光回路素子を応力の影響から保護することができる。
【0013】
(2)上記(1)において、第1リード部の可撓性は、本体の可撓性よりも大きくてもよい。この場合、温度変化等が生じたときに第1リード部をより大きく撓ませることができるので、ドライバICおよび光回路素子への応力の影響をさらに低減できる。
【0014】
(3)上記(1)または(2)において、第1リード部は、光回路素子上に形成されたバンプを介して光回路素子と接続される第1結合部を有してもよい。この場合、フレキシブル基板の第1リード部はバンプを介して光回路素子に接続されるので、光回路素子への応力の影響をさらに低減できる。
【0015】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、フレキシブル基板は、本体から突出し、第2方向に沿って第1リード部を挟むように配置された補強部を有してもよい。補強部が光回路素子に接続されてもよい。この場合、光回路素子に対するフレキシブル基板の接続を補強することができる。
【0016】
(5)上記(4)において、補強部は、ダミー配線を含んでもよい。この場合、補強部と第1リード部、および、補強部と第2リード部の線膨張係数の差を小さくし、幅広い温度範囲において、配線にかかる力を効果的に低減することができる。
【0017】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、本体は、第1端と反対に第2端を有し、配線は、第2端から第1方向に沿って本体の外に突出する第2リード部を有してもよい。第2リード部がドライバICに接続されてもよい。この場合、本体はドライバICに対向する第2端を有し、配線は第2リード部を有する。第2リード部は、本体の第2端から第1方向に沿って本体の外に突出するとともにドライバICに接続される。フレキシブル基板の配線の第2リード部がドライバICに接続されることにより、温度変化等が生じても第2端から突出する第2リード部が撓むので、ドライバICおよび光回路素子への応力の影響を低減できる。
【0018】
(7)上記(6)において、第1リード部は、光回路素子上に形成されたバンプを介して光回路素子と接続される第1結合部を有してもよい。第2リード部は、ドライバIC上に形成されたバンプを介してドライバICと接続される第2結合部を有してもよい。第1結合部および第2結合部を通る直線の第1面に対する傾きは、10°以下であってもよい。この場合、ドライバICおよび光回路素子を応力の影響からより確実に保護できる。
【0019】
(8)上記(7)において、第1結合部および前記第2結合部は、樹脂によって覆われていてもよい。この場合、第1結合部および第2結合部をさらに強固にすることができる。
【0020】
別の実施形態に係る光モジュールは、(9)第1面と、第1面と平行な第2面と、を有するパッケージと、第1面上に放熱ブロックを介して実装されるドライバICと、第2面上に温度調整素子を介して実装される光回路素子と、ドライバICおよび光回路素子の上に搭載され、ドライバICと光回路素子とに電気的に接続されるフレキシブル基板と、を備える。フレキシブル基板は、第1方向、および第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、本体に形成されている配線と、を備える。本体は、ドライバICに対向する第2端を有する。配線は、第2端から第1方向に沿って本体の外に突出する第2リード部を有する。第2リード部がドライバICに接続される。
【0021】
別の実施形態に係るフレキシブル基板は、(11)第1方向、および第1方向と交差する第2方向に延在する本体と、本体に形成されている配線と、を備える。本体は、ドライバICに対向する第2端を有する。配線は、第2端から第1方向に沿って本体の外に突出する第2リード部を有する。第2リード部がドライバICに接続される。
【0022】
この光モジュールおよびフレキシブル基板では、本体はドライバICに対向する第2端を有し、配線は第2リード部を有する。第2リード部は、本体の第2端から第1方向に沿って本体の外に突出するとともにドライバICに接続される。フレキシブル基板の配線の第2リード部がドライバICに接続されることにより、温度変化等が生じても第2端から突出する第2リード部が撓むので、ドライバICおよび光回路素子への応力の影響を低減できる。したがって、ドライバICおよび光回路素子を応力の影響から保護することができる。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
実施形態に係る光モジュールの種々の例を以下で図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示され、特許請求の範囲と均等の範囲における全ての変更が含まれることが意図される。図面の説明において、同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化または誇張して描いている場合があり、寸法比率および角度等は図面に記載のものに限定されない。
【0024】
図1は、本実施形態に係る光モジュール1の内部構造を示す平面図である。図2は、光モジュール1を示す縦断面図である。図1および図2に示されるように、光モジュール1は、例えば、直方体状のパッケージ2、光コネクタ3、および端子4を備える光送信モジュール(TOSA:Transmitter Optical Sub Assembly)である。光モジュール1は、例えば、コヒーレント光通信用の送信モジュール(CDM:Coherent Driver Module)であってもよい。パッケージ2は、例えば、セラミック製である。パッケージ2は、パッケージ2の長手方向である第1方向D1、パッケージ2の幅方向である第2方向D2、およびパッケージ2の高さ方向である第3方向D3に延在している。第1方向D1、第2方向D2、および第3方向D3は、それぞれ互いに直交する。
【0025】
パッケージ2は、第1方向D1の端部に位置する一対の第1側壁2bと、第2方向D2の端部に位置する一対の第2側壁2cと、第3方向D3の一端に位置する底壁2hとを有する。一対の第1側壁2b、一対の第2側壁2c、および底壁2hに囲まれた領域にはパッケージ2の内部空間2Aが画成される。内部空間2Aには、光モジュール1の部品が収容される。光モジュール1は、内部空間2Aを封止するリッド6を更に備える。リッド6は、例えば、金属製である。図1は、第3方向D3からの平面視にて、リッド6を省略した状態におけるパッケージ2の内部空間2Aを示している。
【0026】
内部空間2Aには、ドライバIC11と、光回路素子12と、光学部品20とが設けられている。例えば、光回路素子12は光変調器である。ドライバIC11は、例えば、シリコン(Si)基板上にSiGeBiCMOS(BipolarComplementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスを用いて電気回路を形成したものであり、端子4から供給される電気信号を増幅して光回路素子12に供給する。
【0027】
ドライバIC11は、光回路素子12に電気信号を供給する。光回路素子12は、例えば、リン化インジウム(InP)基板上にマッハツェンダ干渉計を形成したものであり、ドライバIC11から供給された電気信号に基づき外部から供給される光信号を変調して出力する。光信号の変調レートは、例えば、200GBdである。ドライバIC11から光回路素子12に供給される電気信号は、例えば、ドライバIC11の電気信号出力部および光回路素子12の電気信号入力部に形成された伝送線路を通る。これらの伝送線路は略等しい特性インピーダンスを有することが望ましく、特性インピーダンスは例えば差動60Ωである。ドライバIC11の第1方向D1の長さ、および、光回路素子12の第1方向D1の長さは、例えば、2mmである。ドライバIC11の第2方向D2の長さ、および、光回路素子12の第2方向D2の長さは、例えば、4mmである。
【0028】
パッケージ2は、放熱板(放熱部材)を有する。例えば、底壁2hは、放熱板によって構成されている。放熱板は、例えば、銅タングステン(CuW)によって構成されている。放熱板は、例えば、CuW以外の金属材料によって構成されていてもよい。以下、底壁2hのことを、放熱板ともいう。ドライバIC11は、放熱ブロック13を介して放熱板(放熱部材)に搭載されている。放熱ブロック13はパッケージ2の第1面2fに接着されている。ドライバIC11は、例えば、銀ペースト等の熱伝導性接着剤(不図示)によって放熱ブロックに接着される。熱伝導性接着剤の代わりに金錫(AuSn)半田、または錫銀銅(SnAgCu)半田等の合金半田を使用してもよい。同様に、放熱ブロック13は、例えば、熱伝導性接着剤によってパッケージ2の第1面2fに接着される。放熱ブロック13は、例えば、金属またはセラミックにより構成されていてもよい。また、放熱ブロック13は、窒化アルミニウムによって構成されていてもよい。
【0029】
光回路素子12は、例えば、温度調整素子であるTEC(Thermo Electric Cooler:熱電冷却器)15を介して底壁2hに搭載されている。TEC15はパッケージ2の第2面2gに接着されている。例えば、第1面2fおよび第2面2gは、底壁2hに形成されている。第2面2gは、第1面2fに対して平行な面である。例えば、第2面2gは、第1面2fと同一平面上に位置する。光回路素子12とTEC15の間にはスペーサ14が設けられる。光回路素子12は、例えば、熱伝導性接着剤によってスペーサ14に接着される。スペーサ14は、例えば、熱伝導性接着剤によってTEC15に接着される。TEC15は、例えば、熱伝導性接着剤によってパッケージ2の第2面2gに接着される。スペーサ14は、光回路素子12とTEC15の間ではなく、TEC15と底壁2hの間に設けられてもよい。スペーサ14は複数枚であってもよい。スペーサ14は、例えば、金属またはセラミックにより構成されていてもよい。また、スペーサ14は、窒化アルミニウムによって構成されていてもよい。スペーサ14には、例えば、光回路素子12以外の光学部品が搭載されてもよい。また、スペーサ14は省略することも可能である。
【0030】
例えば、光学部品20は、レンズ、ミラー、ビームスプリッタおよび光学フィルタの少なくともいずれかを含む。光学部品20は、光回路素子12に対する光信号の入出力を行う。光コネクタ3は、一対の第1側壁2bの一方に設けられる。光コネクタ3は、光学部品20に対する光信号の入出力を行う。なお、方向について、光コネクタ3からパッケージ2の外側へ光が出力される方向を前、前側または前方と称することがあり、前、前側または前方の反対の方向を後、後側または後方と称することがある。例えば、光コネクタ3から後、後側または後方に出力される光は、光学部品20に入力する。但し、これらの方向は、説明の便宜上のものであり、部品が配置されている方向等を限定するものではない。
【0031】
例えば、パッケージ2は、電気配線2Bを有する。電気配線2Bは、例えば、内部空間2Aのハーメチック性(気密性)を維持したままパッケージ2の後側の第1側壁2b(後壁)を貫通するフィードスルーの電気配線である。電気配線2Bの一部は、パッケージ2の外側に露出している。電気配線2Bのそれぞれの一端(パッケージ2の外側の一端)には、外部機器との電気的な接続のための複数の端子4が第2方向D2に沿って並ぶように配置されている。また、電気配線2Bのそれぞれの他端(パッケージ2の内側の一端)には、ドライバIC11との電気的な接続のための複数の端子5が第2方向D2に沿って並ぶように配置されている。
【0032】
パッケージ2は電気配線2Bが形成された第5面2jを有し、第5面2jにはさらに端子4、および、端子5が設けられる。端子4および端子5は、電気配線2Bを介して互いに電気的に接続されている。したがって、電気配線2Bを介して、パッケージ2の外側と内側(内部空間2A)とで電気信号をやりとりすることができる。電気信号には、例えば、アナログ信号およびデジタル信号の他、電源電圧およびグランド電圧(グランド電位)も含まれる。第5面2jは、第1面2fと平行な面である。内部空間2Aにおいて複数の端子5のそれぞれは、ボンディングワイヤ8bを介してドライバIC11のパッド11bに電気的に接続されている。ドライバIC11は放熱ブロック13の反対側に第3面11dを有し、第3面11dにパッド11bが設けられる。また、ドライバIC11の回路(不図示)も第3面11dに形成されている。
【0033】
光モジュール1は、第2方向D2に沿って延びると共にパッケージ2の外部に露出する複数の端子9b、および複数の端子9cを有する。端子9bおよび端子9cのそれぞれは、一対の第2側壁2cのそれぞれにおいてパッケージ2の外部に露出している。複数の端子9bのそれぞれはボンディングワイヤ8cを介してドライバIC11のパッド11cに電気的に接続されている。パッド11cはドライバIC11の第3面11dに設けられる。なお、端子9bおよび端子9cは、一対の第2側壁2cのいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0034】
複数の端子9cのそれぞれはボンディングワイヤ8dを介して光回路素子12のパッド12bに電気的に接続されている。光回路素子12はTEC15の反対側に第4面12dを有し、パッド12bは光回路素子12の第4面12dに設けられる。また、光回路素子12の回路(不図示)も第4面12dに形成されている。前述したように、光モジュール1には端子4または端子9b,9cを介して電気信号が供給され、当該電気信号はボンディングワイヤ8b,8c,8dを介してドライバIC11または光回路素子12に供給される。
【0035】
光回路素子12は、例えば、InP化合物半導体を用いて形成されたものであり、その線膨張係数は例えば4.5ppm/℃である。光回路素子12の温度は、TEC15で一定となるように制御される。ドライバIC11は、例えば、Si基板上に形成されたものであり、その線膨張係数は例えば3~4ppm/℃である。ドライバIC11の温度は、光モジュール1の外部温度と、ドライバIC11の消費電力、および、放熱ブロック13と底壁2hの熱抵抗に依存して変化する。底壁2hは、例えば、CuWで構成されており、線膨張係数は6~7ppm/℃である。このように、光モジュール1を構成する部品の線膨張係数および温度が異なることから、ドライバIC11と光回路素子12の第1方向D1、第2方向D2、および、第3方向D3における位置は外部温度に依存して変化しうる。光モジュール1は、ドライバIC11および光回路素子12を互いに電気的に接続するフレキシブル基板16を有する。
【0036】
図3は、フレキシブル基板16、ドライバIC11、および光回路素子12を拡大して示す平面図である。図3に示されるように、ドライバIC11のパッド11fは、フレキシブル基板16を介して、光回路素子12のパッド12cに電気的に接続される。フレキシブル基板16が伝送する電気信号は、例えば、100GHz以上の帯域を有する。フレキシブル基板16は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)であり、可撓性を有する。後述するように、ドライバIC11と光回路素子12との間において、FPCの熱抵抗を例えば100K/W以上とすることができる。これにより、ドライバIC11から光回路素子12への熱流入を低減することができ、光回路素子12の光学特性変化を低減することができる。
【0037】
パッケージ2において複数の端子5が第2方向D2に沿って並ぶように配置されている。ドライバIC11において複数のパッド11bが第2方向D2に沿って並んでいる。複数のボンディングワイヤ8bが第2方向D2に沿って並んでおり、各ボンディングワイヤ8bが端子5およびパッド11bを互いに電気的に接続している。一例として、端子5、ボンディングワイヤ8bおよびパッド11bの数は16である。
【0038】
図4は、図3のA-A線断面図である。図5は、第3方向D3に沿ってフレキシブル基板16を見たフレキシブル基板16の平面図である。図4および図5に示されるように、フレキシブル基板16は、本体16Aと、配線16cとを有する。例えば、本体16Aは、後述するベースフィルム16bを少なくとも含む。例えば、ベースフィルム16bは、ポリイミドによって構成されている。しかしながら、ベースフィルム16bは、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)またはポリテトラフルオロエチレン(一例としてテフロン(登録商標))を含んでいてもよい。本体16Aは、第1方向D1および第2方向D2の双方に延在している。例えば、第3方向D3に沿って見た場合において、本体16Aは矩形状を呈する。本体16Aは、光回路素子12に対向する第1端16sと、ドライバIC11に対向する第2端16tとを有する。
【0039】
フレキシブル基板16は、複数の配線16cを有する。複数の配線16cは、第2方向D2に沿って並んでいる。配線16cは、第1端16sから第1方向D1に沿って本体16Aの外に突出する第1リード部16xと、第2端16tから第1方向D1に沿って本体16Aの外に突出する第2リード部16yとを有する。第1リード部16xは、光回路素子12に接続される。第2リード部16yは、ドライバIC11に接続される。第1リード部16xは光回路素子12のパッド12cに接続される第1接合部18を有し、第2リード部16yはドライバIC11のパッド11fに接続される第2接合部19を有する。第1接合部18および第2接合部19を通る直線Xの第1面2fに対する傾きθは、例えば10°以下である。第1接合部18および第2接合部19については後に詳述する。
【0040】
フレキシブル基板16は、第3方向D3に沿って見た場合における本体16Aの四隅のそれぞれから第1方向D1に沿って突出する補強部16dを有する。補強部16dは、ドライバIC11および光回路素子12を跨がるように形成されており、ドライバIC11および光回路素子12に接続されている。第2方向D2に沿って第1リード部16xを挟むように2つの補強部16dが配置されている。第2方向D2に沿って第2リード部16yを挟むように2つの補強部16dが配置されている。例えば、補強部16dの第1方向D1の長さは、配線16cの第1方向D1の長さと略同一か、それよりも長い。補強部16dは、ダミー配線16hを含む。例えば、補強部16dの幅(第2方向D2の長さ)W2は、配線16cの幅よりも広い。例えば、ダミー配線16hの形状、大きさ、および材料は、配線16cの形状、大きさ、および材料と同一である。補強部16dは、例えば、後述するベースフィルム16b、保護フィルム16f、ダミー配線16hの少なくともいずれかを含む。
【0041】
図6は、図5のB-B線断面図である。図5および図6に示されるように、例えば、本体16Aは、第3方向D3に沿って配線16cを挟むベースフィルム16bおよび保護フィルム16fを有する。例えば、ベースフィルム16bはポリイミドによって構成されている。ベースフィルム16bの厚さ(第3方向D3の長さ)は、例えば、200μm以下、100μm以下、50μm以下、または25μm以下であってもよい。
【0042】
例えば、配線16cは、1層である。すなわち、配線16cは、第3方向D3には並んでいない。1層の配線16cはベースフィルム16bに形成されている。第2方向D2および第3方向D3の双方に延在する平面に沿って切断した断面において、配線16cの1つの面はベースフィルム16bに対向しており、配線16cの残りの3つの面は保護フィルム16fに対向している。例えば、保護フィルム16fは、配線16cの3つの面を覆うように形成されている。1層の電気配線で構成された伝送線路の場合、電界は電気配線間に偏在するため、ベースフィルム16bに対し保護フィルム16fの誘電損失の影響を受ける場合がある。保護フィルム16fの誘電損の影響を軽減するため、保護フィルム16fを省略してもよい。この場合、例えば、保護フィルム16fがないことによる配線16cの露出面が金(Au)によってメッキされる。
【0043】
本実施形態では、保護フィルム16fは例えばソルダーレジストによって構成されている。また、保護フィルム16fは例えばカバーレイによって構成されていてもよい。保護フィルム16fの厚さは、例えば、25μmである。光モジュール1において、例えば、ベースフィルム16bは配線16cの上方(リッド6側)に位置し、保護フィルム16fは配線16cの下方(底壁2h側)に位置する。しかしながら、ベースフィルム16bが配線16cの下方に位置し、保護フィルム16fが配線16cの上方に位置していてもよい。
【0044】
配線16cはベースフィルム16bおよび保護フィルム16fの間に挟まれている。例えば、配線16cの厚さ(第3方向D3の長さ)は、20μmである。配線16cの厚みは、後述する熱抵抗の向上のため、例えば、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、または、10μm以下であってもよい。配線16cは、例えば、銅(Cu)によって構成されており、配線16cの表面は金(Au)によってメッキされている。この場合、後述するバンプ17との超音波接合を容易に行える。配線16cを構成する銅と、配線16cの表面を構成する金との間には、下地金属層が形成されていてもよい。下地金属層は、例えば、ニッケル(Ni)およびパラジウム(Pd)によって構成されている。配線16cの銅と金との間に下地金属層が形成されることにより、金の表面に銅等が析出して接続信頼性が低下することを抑制できる。
【0045】
図7は、図5のC-C線断面図である。図5および図7に示されるように、第1リード部16xおよび第2リード部16yのそれぞれは、ベースフィルム16bおよび保護フィルム16fを有していない。第1リード部16xおよび第2リード部16yのように、ベースフィルム16bおよび保護フィルム16fを有しておらず、電気配線のみによって構成された端子はフライングリードと称され、当該端子を有する構造はフライングリード構造と称される。フライングリードを有するFPCはフライングリードFPCと称される。本実施形態に係るフレキシブル基板16は、本体16Aの第1端16s、および本体16Aの第2端16tのそれぞれにフライングリード構造が形成されている。
【0046】
フレキシブル基板16は第2方向D2に沿って並ぶ複数の第1リード部16xからなる組C1を有し、複数の組C1が第2方向D2に沿って並んでいる。一例として、組C1を構成する第1リード部16xの数、および組C1の数は4である。フレキシブル基板16は第2方向D2に沿って並ぶ複数の第2リード部16yからなる組C2を有し、複数の組C2が第2方向D2に沿って並んでいる。一例として、組C2を構成する第2リード部16yの数、および組C2の数は4である。
【0047】
例えば、上記の組C1および組C2において、GSSG(グランド・シグナル・シグナル・グランド)構成の1層コプレーナ線路が形成されている。フレキシブル基板16では、例えば、上記GSSG構成の1層コプレーナ線路が4チャネル形成されている。各チャネルにシグナルが2本あることにより、差動信号の伝送が可能とされている。なお、伝送線路の構成は、GSSGに限られず、例えば、GSGSG(グランド・シグナル・グランド・シグナル・グランド)、またはSS(シグナル・シグナル)であってもよい。線路の構成と特性インピーダンスに合わせて配線16cの幅は適宜変更されうる。
【0048】
例えば、フレキシブル基板16の第2方向D2の長さW1は、3mmである。フレキシブル基板16の第1方向D1の長さ(幅)L1は、1mmである。第1リード部16xの長さ(第1方向D1の長さ)L3は、例えば、150μmである。第2リード部16yの長さ(第1方向D1の長さ)L2は、例えば、150μmである。配線16cは、高速信号を伝送する伝送線路を構成し、特性インピーダンスが所望の値になるように配線幅および配線間隔が設計されている。本実施形態において、特性インピーダンスは、光変調器である光回路素子12の終端抵抗に略等しいことが望ましく、例えば、差動50Ω以上かつ70Ω以下(一例として60Ω)である。本体16A上において配線16cの幅(第2方向D2の長さ)は、例えば、80μmであり、第2方向D2に沿って並ぶ配線16cの間隔は20μmである。この場合、配線16cは、第2方向D2に沿って100μmピッチで形成される。
【0049】
例えば、第1リード部16xの幅W3は85μm、第2方向D2に沿って並ぶ第1リード部16xの配線間隔は15μmである。第2リード部16yについても同様である。第1リード部16xおよび第2リード部16yの配線間隔が、第1リード部16xおよび第2リード部16y以外の配線16cの部分の配線間隔より小さいことにより、当該部分と第1リード部16xおよび第2リード部16yとで特性インピーダンスを一定にすることができる。
【0050】
伝送線路を構成する16本の配線16cの熱抵抗は、配線16cの厚さ(第3方向D3の長さ)が20μm、配線16cの長さ(第1方向D1の長さ)が1mm、配線16cの幅(第2方向D2の長さ)が80μm、配線16cを構成する銅(Cu)の熱伝導率が400W/(m・K)であるとすると、約100K/Wとなる。
【0051】
一方、ドライバIC11の第3方向D3の熱抵抗は、ドライバIC11を構成するシリコン(Si)の熱伝導率が162W/(m・K)、ドライバIC11の第1方向D1の長さが2mm、ドライバIC11の第2方向D2の長さが4mm、ドライバIC11の第3方向D3の長さが0.2mmであるとすると、0.15K/Wである。放熱ブロック13の第3方向D3の熱抵抗は、放熱ブロック13を構成する窒化アルミニウムの熱伝導率が200W/(m・K)、放熱ブロック13の第1方向D1の長さが2mm、放熱ブロック13の第2方向D2の長さが4mm、放熱ブロック13の第3方向D3の長さが1.2mmであるとすると、0.8K/Wである。ドライバIC11の第3面11dから底壁2h(放熱板)までの直列熱抵抗は、合計で1K/W程度となり、フレキシブル基板16の配線16cの熱抵抗に比べて100分の1程度である。
【0052】
光回路素子12の第3方向D3の熱抵抗は、光回路素子12を構成するインジウムリン(InP)の熱伝導率が68W/(m・K)、光回路素子12の第1方向D1の長さが2mm、光回路素子12の第2方向D2の長さが4mm、光回路素子12の第3方向D3の長さが0.2mmであるとすると、0.4K/Wである。スペーサ14の第3方向D3の熱抵抗は、スペーサ14を構成する窒化アルミニウムの熱伝導率が200W/(m・K)、スペーサ14の第1方向D1の長さが2mm、スペーサ14の第2方向D2の長さが4mm、スペーサ14の第3方向D3の長さが0.2mmであるとすると、0.1K/Wである。このため、光回路素子12の第4面12dから底壁2h(放熱板)までの熱抵抗は、合計で1K/W以下となり、フレキシブル基板16の配線16cの熱抵抗に比べて100分の1以下である。
【0053】
以上より、ドライバIC11と光回路素子12との間における熱の流出入の影響は小さい。なお、ドライバIC11と光回路素子12との間の熱の流出入を抑制するためには、本実施形態のように、伝送線路を構成する配線16cの合計熱抵抗が100K/Wよりも大きいことが望ましい。合計熱抵抗が100K/Wより大きくなるように、配線16cの数、配線16cの厚さ、配線16cの幅、および配線16cの長さが設計されることが望ましい。
【0054】
図8は、図3のD-D線断面図、および図3のE-E線断面図である。図3および図8に示されるように、配線16cの第1リード部16xは、光回路素子12上に形成されたバンプ17を介して光回路素子12と接続される。例えば、第1リード部16xは、光回路素子12のパッド12cにバンプ17を介して接続される第1接合部18を有する。バンプ17は、例えば、Auスタッドバンプである。一例として、バンプ17は円柱状を呈しており、バンプ17の直径は50μmである。バンプ17の高さ(第3方向D3の長さ)は、例えば、10μmである。
【0055】
例えば、バンプ17は、超音波接合によってパッド12cに形成される。例えば、パッド12cは金(Au)によって構成されている。例えば、第1接合部18は、樹脂21によって覆われている。樹脂21は、一例として、紫外線硬化樹脂である。第1接合部18が樹脂21によって覆われていることにより、第1リード部16xとバンプ17、およびバンプ17と光回路素子12と、の接合を強固にすることができるとともに、第1接合部18の特性インピーダンスの上昇を抑制できる。なお、図3に示した平面図において、樹脂21は本体16Aの第1端16sから離隔していることが望ましい。この場合、第1リード部16xに、樹脂21で覆われない部分が残り、当該部分において可撓性を維持できる。ただし、樹脂21が本体16Aの第1端16sに接する場合においても、樹脂21が弾性を有する場合、第1リード部16xは可撓性を有する。
【0056】
配線16cの第2リード部16yは、ドライバIC11上に形成されたバンプ17を介してドライバIC11と接続される。第2リード部16yは、例えば、ドライバIC11のパッド11fにバンプ17を介して接続される第2接合部19を有する。バンプ17は、超音波接合によってパッド11fに形成される。パッド11fは、例えば、アルミニウム(Al)によって構成されている。バンプ17が超音波接合によってパッド11fに形成される場合、仮にパッド11fの表面が酸化していても、酸化膜が破られるので高信頼の電気的接続が可能となる。例えば、第2接合部19は、前述した樹脂21と同様の樹脂22によって覆われている。したがって、第2接合部19が樹脂22によって覆われていることにより、第2リード部16yとバンプ17、およびバンプ17とドライバIC11と、の接合を強固にすることができるとともに、第2接合部19の特性インピーダンスの上昇を抑制できる。樹脂22も、樹脂21と同様、本体16Aの第2端16tから離隔していることが望ましい。この場合、第2リード部16yに、樹脂22で覆われない部分が残り、当該部分において可撓性を維持できる。ただし、樹脂22が本体16Aの第2端16tに接する場合においても、樹脂22が弾性を有する場合、第2リード部16yは可撓性を有する。
【0057】
第1リード部16x、第2リード部16yおよびバンプ17は、ベースフィルム16bおよび保護フィルム16fを有しないため、伝送線路の特性インピーダンスが増大しうる。しかしながら、樹脂21および樹脂22が設けられることにより、電気配線間の容量が増えて特性インピーダンスの増大を抑制できる。接合強度または特性インピーダンスの影響が小さい場合、樹脂21および樹脂22の少なくともいずれかを省略してもよい。例えば、補強部16dは、樹脂23によってドライバIC11および光回路素子12に固定されている。樹脂23は、例えば、紫外線硬化樹脂である。補強部16dは、ドライバIC11および光回路素子12に電気的には接続されていなくてもよい。なお、樹脂23は、シート状の接着剤であってもよいし、補強部16dに予め形成されている樹脂であってもよい。
【0058】
なお、配線16c間のショートを抑制するため、第1接合部18では第1リード部16xの幅が細く、且つ第1リード部16xの間隔が広くてもよい。第2接合部19および第2リード部16yについても同様である。この場合でも、樹脂21および樹脂22を使用することにより、第1接合部18および第2接合部19の特性インピーダンスの上昇を抑制できる。
【0059】
第1リード部16xの可撓性は本体16Aの可撓性よりも大きく、かつ第2リード部16yの可撓性は本体16Aの可撓性よりも大きい。第1リード部16xの電気配線、および第2リード部16yの電気配線は、ベースフィルム16bおよび保護フィルム16fを有しておらず、互いに独立して変形可能であり、フレキシブル基板16におけるベースフィルム16b、配線16cおよび保護フィルム16fを有する部分よりも高い可撓性を有する。このように可撓性に優れたフライングリードFPCにより、ドライバIC11の高さK1(図2参照)が光回路素子12の高さK2と(例えば100μm程度)異なる場合でも、ドライバIC11を安定して光回路素子12に電気接続させることができる。
【0060】
より具体的には、部品のばらつき等により、ドライバIC11の高さK1と光回路素子12の高さK2との差が100μm程度となることがある。例えば、フレキシブル基板16の第1方向D1の長さが前述の通り1mmとすると、図4に示した傾きθは約6°となる。さらに、前述の通り、温度変化に伴う熱収縮または熱膨張によって、ドライバIC11の高さK1と光回路素子12の高さK2との差が大きくなることが想定される。また、前述の通り、ドライバIC11と光回路素子12の第1方向D1における距離が変化することが想定される。このため、ドライバIC11と光回路素子12の電気接続に可撓性の低い配線基板を使用した場合、接合部に大きな応力が発生し、信頼性上の問題が発生する可能性がある。しかしながら、フレキシブル基板16を使用した場合、第1リード部16xおよび第2リード部16yが本体16Aより撓みやすくなっていることにより、ドライバIC11および光回路素子12の電気接続の信頼性を高めることができる。また、温度変化等によってフレキシブル基板16に応力が生じたとしても本体16Aに加えて第1リード部16xおよび第2リード部16yが変形することによって当該応力を緩和できる。なお、可撓性をより高めるために、第1リード部16xおよび第2リード部16yの少なくともいずれかを予め撓ませておいてもよい。
【0061】
次に、フレキシブル基板16を組み立てて光モジュール1を製造する製造方法の例について説明する。例えば、ドライバIC11のパッド11f、および光回路素子12のパッド12cにバンプ17を形成する(バンプを形成する工程)。次に、ドライバIC11および光回路素子12に跨るようにフレキシブル基板16を搭載する。そして、樹脂23によって補強部16dをドライバIC11に固定するとともに、樹脂23によって補強部16dを光回路素子12に固定する(ドライバICとフレキシブル基板、および、光回路素子とフレキシブル基板を機械固定する工程)。
【0062】
そして、パッド11fのバンプ17に第2リード部16yを実装することによって、ドライバIC11にフレキシブル基板16を接続するとともに、パッド12cのバンプ17に第1リード部16xを実装することによって、光回路素子12にフレキシブル基板16を接続する(ドライバICとフレキシブル基板、および、光回路素子とフレキシブル基板を電気接続する工程)。バンプ17への第1リード部16xの実装、および、バンプ17への第2リード部16yの実装は、例えば、ウェッジボンダ等の超音波実装機で、第1リード部16xおよび第2リード部16yの表面の金とバンプ17の金とを超音波接合することで実現される。厚くて変形しやすいバンプ17を使用することで、第1リード部16xとパッド12c、第2リード部16yとパッド11fの高信頼の電気接続が可能となる。その後、一連の工程が完了する。なお、ドライバIC11および光回路素子12にフレキシブル基板16を接続させる順序については、上記の例に限られず適宜変更可能である。例えば、バンプ17への第1リード部16xの実装、および、バンプ17への第2リード部16yの実装は、熱圧着法により実現されてもよい。
【0063】
続いて、光モジュール1およびフレキシブル基板16から得られる作用効果について説明する。光モジュール1およびフレキシブル基板16は、本体16Aおよび配線16cを備え、本体16Aは光回路素子12に対向する第1端16sを有する。配線16cは、第1リード部16xを有する。第1リード部16xは、本体16Aの第1端16sから第1方向D1に沿って本体16Aの外に突出するとともに光回路素子12に接続される。フレキシブル基板16の配線16cの第1リード部16xが光回路素子12に接続されることにより、温度変化等による位置変化が生じても本体16Aおよび第1端16sから突出する第1リード部16xが撓むので、ドライバIC11および光回路素子12への応力の影響を低減できる。したがって、ドライバIC11および光回路素子12間の電気接続のロバスト性を向上することができる。
【0064】
本実施形態において、第1リード部16xの可撓性は、本体16Aの可撓性よりも大きい。この場合、温度変化等が生じたときに第1リード部16xをより大きく撓ませることができるので、ドライバIC11および光回路素子12間の電気接続のロバスト性をさらに向上できる。
【0065】
本実施形態において、第1リード部16xは、光回路素子12上に形成されたバンプ17を介して光回路素子12と接続される第1接合部18を有する。この場合、フレキシブル基板16の第1リード部16xはバンプ17を介して光回路素子12に接続されるので、ドライバIC11および光回路素子12間の電気接続をさらに高信頼化できる。バンプ17がスタッドバンプである場合、スタッドバンプが弾性を有することにより、バンプ17でも応力を緩和できるので、さらなるロバスト性の向上に寄与する。
【0066】
本実施形態において、フレキシブル基板16は、第2方向D2に沿って第1リード部16xを挟むように配置された補強部16dを有し、この補強部16dは、光回路素子12に接続されている。例えば、補強部16dは、ベースフィルム16b、配線16cおよび保護フィルム16fを有する。この場合、光回路素子12に対するフレキシブル基板16の接続を補強することができる。
【0067】
本実施形態において、補強部16dは、ダミー配線16hを含んでいる。この場合、ダミー配線16hを含まない場合に比べて補強部16dの強度を向上できる。ダミー配線16hの材料が配線16cの材料と同一である場合、補強部16dにおける線膨張係数と、第1リード部16xにおける線膨張係数との差を低減できる。さらに、補強部16dにおける線膨張係数と、第2リード部16yにおける線膨張係数との差を低減できる。その結果、補強部16d、第1リード部16x、および、第2リード部16yの温度変化に伴う第1方向D1における伸縮差を小さくすることができる。したがって、幅広い温度範囲において、フレキシブル基板16の第1方向D1にかかる力(特に引張力)の大部分を補強部16dが負担し、配線16cにかかる力を効果的に低減することができる。これにより、ドライバIC11と光回路素子12の電気接続のロバスト性の向上が可能となる。配線16cにかかる力を効果的に低減するため、補強部16dにおけるダミー配線16hの幅は配線16cの幅よりも広いことが望ましい。ダミー配線16hは、本体16Aの第1端16s側の補強部16dから、第2端16t側の補強部16dまで、連続して形成されていることが望ましい。
【0068】
本実施形態において、補強部16dは保護フィルム16fを有し、保護フィルム16fがドライバIC11(または光回路素子12)に対向する。よって、保護フィルム16fを有しない場合と比較して、ダミー配線16hの高さと、配線16cの高さとの差を縮小できる。その結果、第1リード部16xおよび第2リード部16yが変形することによる応力を低減することができるので接続信頼性をさらに向上できる。なお、ベースフィルム16bがドライバIC11(または光回路素子12)に対向するようにフレキシブル基板16が配置されてもよい。この場合、保護フィルム16fを省略してもダミー配線16hの高さと、配線16cの高さとの差を縮小できる。
【0069】
本実施形態において、本体16Aは、第1端16sと反対に第2端16tを有し、配線16cは、第2端16tから第1方向D1に沿って本体16Aの外に突出する第2リード部16yを有する。第2リード部16yは、ドライバIC11に接続されている。この場合、本体16AはドライバIC11に対向する第2端16tを有し、配線16cは第2リード部16yを有する。第2リード部16yは、本体16Aの第2端16tから第1方向D1に沿って本体16Aの外に突出するとともにドライバIC11に接続される。フレキシブル基板16の配線16cの第2リード部16yがドライバIC11に接続されることにより、温度変化等が生じても本体16Aおよび第2端16tから突出する第2リード部16yが撓むので、ドライバIC11および光回路素子12間の電気接続を高信頼化できる。このように、第2リード部16yからは、前述した第1リード部16xと同様の作用効果が得られる。
【0070】
本実施形態において、第1リード部16xは、光回路素子12上に形成されたバンプ17を介して光回路素子12と接続される第1接合部18を有し、第2リード部16yは、ドライバIC11上に形成されたバンプ17を介してドライバIC11と接続される第2接合部19を有する。第1接合部18および第2接合部19を通る直線Xの第1面2fに対する傾きθは、10°以下である。この場合、フレキシブル基板16を介したドライバIC11および光回路素子12間の電気接続のロバスト性をさらに向上できる。
【0071】
本実施形態において、第1接合部18は樹脂21に覆われており、第2接合部19は樹脂22に覆われている。樹脂21および樹脂22は、スタッドバンプを用いた超音波接合よりも高い接合強度を有する。この場合、第1接合部18および第2接合部19をさらに強固にすることができる。第1接合部18が樹脂21によって光回路素子12に機械的に固定されるとともに、第2接合部19が樹脂22によってドライバIC11に機械的に固定される。
【0072】
次に、本開示に係る光モジュールの種々の変形例について説明する。後述する種々の変形例に係る光モジュールの一部の構成は、前述した光モジュール1の一部の構成と同一である。したがって、以下では、光モジュール1の説明と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。
【0073】
図9は、第1変形例に係る光モジュールのフレキシブル基板26およびドライバIC11を拡大して示す平面図である。図10は、図9のF-F線断面図である。フレキシブル基板26は、光回路素子12に対向する第1端16sから第1方向D1に沿って本体26Aの外に突出する第1リード部16xを有する。フレキシブル基板26は、ドライバIC11に対向する第2端26tにおいて配線16cは突出していない。すなわち、フレキシブル基板26は、第2リード部16yを有しない点がフレキシブル基板16とは異なっている。
【0074】
フレキシブル基板26の第2端26tは、ベースフィルム26bおよび配線16cによって構成されている。本体26AのドライバIC11に対向する部分において、保護フィルム16fは除去されている。ドライバIC11に対向し、かつ保護フィルム16fが除去された本体26Aの部分は、ドライバIC11に接合される接合部29とされている。接合部29では、本体26Aがバンプ17を介してドライバIC11のパッド11fに接続されている。接合部29は、樹脂によって保護されてもよい。
【0075】
第1変形例に係る光モジュールの製造方法の例について説明する。まず、ドライバIC11およびフレキシブル基板26の一体部品を作製する。具体的には、ドライバIC11をフレキシブル基板26にフリップチップ実装する。ドライバIC11のパッド11fとフレキシブル基板26の配線16cは、バンプ17を介して超音波接合される。なお、ドライバIC11とフレキシブル基板26の実装は、フレキシブル基板26をフリップしてドライバIC11に実装してもよい。また、バンプ17を介したドライバIC11のパッド11fとフレキシブル基板26の配線16cの接続方法は、超音波接合ではなく熱圧着であってもよい。
【0076】
次に、ドライバIC11およびフレキシブル基板16の一体部品をパッケージ2に搭載し、ドライバIC11の基板面を放熱ブロック13に接着固定した後に、フレキシブル基板26を光回路素子12に接合する。具体的には、補強部16dを光回路素子12に固定した後、フレキシブル基板26の第1リード部16xを光回路素子12のパッド12cにバンプ17を介して超音波接合する。以上の工程を経て光モジュールの組み立てが完了する。ドライバIC11と放熱ブロック13の接着固定には例えば銀ペーストを使用することができる。
【0077】
以上、第1変形例に係る光モジュールおよびフレキシブル基板26では、本体26Aの第1端16sのみにフライングリード構造が形成されており、第2端26tにはフライングリード構造が形成されていない。すなわち、配線16cは、第2リード部16yを有しておらず、第1リード部16xのみを有する。この場合も光モジュール1と同様の作用効果が得られる。なお、上記とは異なり、本体の第2端のみにフライングリード構造が形成されており、第1端にフライングリード構造が形成されていない光モジュールであってもよい。この場合、配線は、第1リード部16xを有しておらず、第2リード部16yのみを有する。
【0078】
図11は、第2変形例に係る光モジュールのフレキシブル基板36およびドライバIC11を拡大して示す平面図である。図12は、図11のG-G線断面図である。フレキシブル基板36は、第3方向D3に沿って見たときにドライバIC11の第1方向D1の中央よりもパッケージ2寄りの位置にまで延在する本体36Aを有する。本体36Aのベースフィルム36bは、第3方向D3に沿って見た場合におけるドライバIC11の第1方向D1の中心を通るとともに第2方向D2に沿って延在する基準線Aよりもパッケージ2に近い位置にまで延在している。フレキシブル基板36は、本体36Aに接続され第2方向D2に沿って並ぶ固定部38を有する。固定部38は、バンプ39を介してドライバIC11の第3面11dに形成されたパッド37に固定される。フレキシブル基板36では、フレキシブル基板26と比較して、ドライバIC11に対する本体36Aの接続箇所の数が多いので、フレキシブル基板36とドライバIC11をより安定して接続することができ、ロバスト性の向上が可能となる。
【0079】
図13は、第3変形例に係る光モジュールのフレキシブル基板46およびドライバIC11を拡大して示す平面図である。図14は、図13のH-H線断面図である。フレキシブル基板46は、第3方向D3に沿って見たときに光回路素子12からドライバIC11を超えてパッケージ2の近くまで延在する本体46Aを有する。本体46Aのベースフィルム46bは、ドライバIC11の第1方向D1の全体を覆うように配置されている。フレキシブル基板46は、第2方向D2に沿って並ぶ複数の配線48を有する。配線48は、ドライバIC11のパッド11bおよびパッケージ2の端子5を跨ぐように配置される。フレキシブル基板46は、第3方向D3に沿って見た場合における本体46Aの四隅のそれぞれから第1方向D1に沿って突出する補強部16d、46dを有する。補強部16dは、光回路素子12に跨がるように形成されており、光回路素子12に接続されている。補強部46dは、パッケージ2に跨がるように形成されており、パッケージ2に接続されている。
【0080】
配線48は、バンプ47を介してドライバIC11のパッド11bに固定されるとともに、バンプ49を介してパッケージ2の端子5に固定される。配線48は、前述した配線16cと同様、フライングリードとされた(ベースフィルム46bおよび保護フィルム16fを有していない)第3リード部48bを有し、第3リード部48bがバンプ49を介して端子5に接合される。例えば、端子5に対する第3リード部48bの接合は、前述したパッド12cに対する第1リード部16xの接合と同様である。フレキシブル基板46では、パッケージ2の端子5が配線48を介してドライバIC11のパッド11bに電気的に接続されるので、前述したボンディングワイヤ8bを不要にできる。したがって、パッケージ2とドライバIC11との間における高周波接続が可能となる。パッケージ2とドライバIC11との間における高周波接続を実現するため、本体46A上の配線48、および第3リード部48bにおける配線幅および隣接配線との間隔は適宜設計される。配線48の特性インピーダンスは、ドライバIC11の入力終端抵抗に略等しいことが望ましく、例えば差動90Ω以上かつ110Ω以下(一例として100Ω)である。
【0081】
以上、本開示に係る光モジュールおよびフレキシブル基板の実施形態および種々の変形例について説明した。しかしながら、本発明は、前述の実施形態または種々の変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において適宜変更可能である。また、本開示に係る光モジュールおよびフレキシブル基板は、前述の実施形態、および第1変形例から第3変形例のうちの複数の例が組み合われたものであってもよい。例えば、本開示に係る光モジュールおよびフレキシブル基板の各部の構成、形状、大きさ、材料、数および配置態様は、前述した実施形態または変形例に限られず適宜変形可能である。
【0082】
例えば、前述した実施形態では、1層の配線16cを備えるフレキシブル基板16について説明した。しかしながら、フレキシブル基板は2層以上の配線を備えていてもよい。前述した実施形態では、第2方向D2に沿って並ぶ複数の配線16cを挟む位置に2つの補強部16dが設けられるフレキシブル基板16について説明した。しかしながら、フレキシブル基板における配線および補強部の配置は適宜変形可能である。前述した実施形態では、フレキシブル基板16が直方体状のパッケージ2、光コネクタ3、および端子4を備える光送信モジュールである光モジュール1に設けられる例について説明した。しかしながら、本開示に係るフレキシブル基板16は、光送信モジュール以外の光モジュールにも適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…光モジュール
2…パッケージ
2A…内部空間
2b…第1側壁
2B…電気配線
2c…第2側壁
2f…第1面
2g…第2面
2h…底壁
2j…第5面
3…光コネクタ
4…端子
5…端子
6…リッド
8b,8c,8d…ボンディングワイヤ
9b,9c…端子
11…ドライバIC
11b,11c…パッド
11d…第3面
11f…パッド
12…光回路素子
12b,12c…パッド
12d…第4面
13…放熱ブロック
14…スペーサ
15…TEC
16…フレキシブル基板
16A…本体
16b…ベースフィルム
16c…配線
16d…補強部
16f…保護フィルム
16g…凹部
16h…ダミー配線
16s…第1端
16t…第2端
16x…第1リード部
16y…第2リード部
17…バンプ
18…第1接合部
19…第2接合部
20…光学部品
21,22,23…樹脂
26…フレキシブル基板
26A…本体
26b…ベースフィルム
26t…第2端
29…接合部
36…フレキシブル基板
36A…本体
36b…ベースフィルム
37…パッド
38…固定部
39…バンプ
46…フレキシブル基板
46A…本体
46b…ベースフィルム
47…バンプ
48…配線
48b…第3リード部
49…バンプ
A…基準線
C1,C2…組
D1…第1方向
D2…第2方向
D3…第3方向
W2,W3…幅
X…直線
θ…傾き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14