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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146063
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】光照射モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20241004BHJP
【FI】
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058766
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩明
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA02
5F142BA32
5F142CA03
5F142CA13
5F142CB17
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD18
5F142CD42
5F142DB12
5F142GA31
(57)【要約】
【課題】照射対象物への積算光量を増加させることが可能な光照射モジュールを提供すること。
【解決手段】光照射モジュールが、基板と、基板上に形成されたn個(nは、2以上の整数)の配線パターンと、複数のLED素子と、を備え、各配線パターンは、第1~第3帯状部と、第1帯状部と第2帯状部とを接続する第1接続部と、第2帯状部と第3帯状部とを第2接続部と、を備え、i番目(iは、1からn-1までの整数)の配線パターンの第2帯状部と第3帯状部との間にi+1番目の配線パターンの第1帯状部が配置され、複数のLED素子は、各配線パターンの第2帯状部及び第3帯状部上に配置され、各LED素子の一方電極が直下の第2帯状部又は第3帯状部と接続され、i番目の配線パターンの第2帯状部と第3帯状部に配置されたLED素子の他方電極がi+1番目の配線パターンの第1帯状部と接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と前記第1方向と直交する第2方向とで規定される基板と、前記基板上に前記第1方向に沿って形成されたn個(nは、2以上の整数)の配線パターンと、前記配線パターン上に配置され前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に光を出射する複数のLED(Light Emitting Diode)素子と、を備える光照射モジュールにおいて、
前記各配線パターンは、
前記第2方向に延び、前記第1方向に間隔をおいて配置された第1~第3帯状部と、
前記第1帯状部と前記第2帯状部とを電気的に接続する第1接続部と、
前記第2帯状部と前記第3帯状部とを電気的に接続する第2接続部と、を備え、
i番目(iは、1からn-1までの整数)の配線パターンの前記第2帯状部と前記第3帯状部との間に、i+1番目の配線パターンの前記第1帯状部が配置され、
前記複数のLED素子は、前記各配線パターンの前記第2帯状部及び前記第3帯状部上に、前記第2方向に沿って配置され、
前記各LED素子の一方電極が、直下の前記第2帯状部又は前記第3帯状部と電気的に接続され、
前記i番目の配線パターンの前記第2帯状部と前記第3帯状部に配置された前記LED素子の他方電極が、前記i+1番目の配線パターンの前記第1帯状部と電気的に接続されている、
ことを特徴とする光照射モジュール。
【請求項2】
第1方向と前記第1方向と直交する第2方向とで規定される基板と、前記基板上に前記第1方向に沿って形成されたn個(nは、3以上の整数)の配線パターンと、前記配線パターン上に配置され前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に光を出射する複数のLED素子と、を備える光照射モジュールにおいて、
前記各配線パターンは、
前記第2方向に延び、前記第1方向に間隔をおいて配置された第1~第3帯状部と、
前記第1帯状部と前記第2帯状部とを電気的に接続する第1接続部と、
前記第2帯状部と前記第3帯状部とを電気的に接続する第2接続部と、を備え、
i番目(iは、1からn-2までの整数)の配線パターンの前記第2帯状部と前記第3帯状部との間に、i+1番目の配線パターンの前記第1帯状部が配置され、
前記i番目の配線パターンの前記第3帯状部とi+2番目の配線パターンの前記第1帯状部との間に、前記i+1番目の配線パターンの前記第2帯状部が配置され、
前記i+2番目の配線パターンの前記第1帯状部と前記第2帯状部の間に、前記i+1番目の配線パターンの前記第3帯状部が配置され、
前記複数のLED素子は、前記各配線パターンの前記第3帯状部上に、前記第2方向に沿って配置され、
前記各LED素子の一方電極が、直下の前記第3帯状部と電気的に接続され、
前記i番目の配線パターンの前記第3帯状部に配置された前記LED素子の他方電極が、i+1番目の配線パターンの前記第1帯状部または前記第2帯状部と電気的に接続されている、
ことを特徴とする光照射モジュール。
【請求項3】
前記各配線パターンに配置された前記複数のLED素子を一群のLED素子群としたときに、各LED素子群が前記第1方向に沿って所定の間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射モジュール。
【請求項4】
前記各LED素子群において、前記各LED素子の前記第1方向の配置ピッチが、前記第2方向の配置ピッチよりも広いことを特徴とする請求項3に記載の光照射モジュール。
【請求項5】
前記各LED素子群を覆うように配置されるシリンドリカルレンズをさらに有することを特徴とする請求項3に記載の光照射モジュール。
【請求項6】
前記光照射モジュールが、前記第1方向に複数連結されたときに、隣接する光照射モジュール間において最も近接するLED素子群の前記第1方向の間隔が、前記所定の間隔と略等しいことを特徴とする請求項3に記載の光照射モジュール。
【請求項7】
前記複数のLED素子が、前記第2方向に沿って一列に整列していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射モジュール。
【請求項8】
前記複数のLED素子が、前記第2方向に沿って複数列に整列していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射モジュール。
【請求項9】
前記第1接続部が、前記第1帯状部と前記第2帯状部との間を前記第1方向に延びる帯状パターンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射モジュール。
【請求項10】
前記第2接続部が、前記第2帯状部と前記第3帯状部との間を前記第1方向に延びる帯状パターンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射モジュール。
【請求項11】
前記光照射モジュールが、前記光が照射される照射対象物に対して、前記第2の方向に相対的に移動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光照射モジュール。
【請求項12】
第1方向と前記第1方向と直交する第2方向とで規定される基板と、前記基板上に前記第1方向に沿って形成されたn個(nは、2以上の整数)の配線パターンと、前記配線パターン上に配置され前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に光を出射する複数のLED(Light Emitting Diode)素子と、を備える光照射モジュールにおいて、
前記各配線パターンは、
前記第2方向に延び、前記第1方向に間隔をおいて配置された第1~第3帯状部と、
前記第1帯状部と前記第2帯状部とを電気的に接続する第1接続部と、
前記第2帯状部と前記第3帯状部とを電気的に接続する第2接続部と、
を備えることを特徴とする光照射モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に複数のLED(Light Emitting Diode)素子を備えた光照射モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフセット枚葉印刷用のインキとして用いられる紫外線硬化型インキを硬化させるために、紫外光照射装置が用いられている。
【0003】
紫外光照射装置としては、従来、高圧水銀ランプや水銀キセノンランプ等を光源とするランプ型照射装置が知られているが、近年、消費電力の削減、長寿命化、装置サイズのコンパクト化の要請から、従来の放電ランプに替えて、紫外LED(Light Emitting Diode)を光源として利用した紫外光照射装置が実用に供されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図7は、特許文献1に記載の光照射モジュール(紫外光照射装置)の構成を示す図であり、図7(a)は、光照射モジュールの平面図であり、図7(b)は、光照射モジュールの基板1上の配線パターン(斜線部)を示す図である。図7に示すように、特許文献1に記載の光照射モジュールは、基板1と、基板1の表面に載置された複数(図7(a)においては40個)のLED素子3と、を備えている。また、基板1上には、電源用パターン6と、接地用パターン7と、複数の配線パターン8が形成されている。
【0005】
図7(b)に示すように、各配線パターン8は、X軸方向に直線状に延びる帯状部8aと、帯状部8aからY軸方向に台形状に突出する第1突出部8bと、帯状部8aからY軸方向と相反する方向に台形状に突出する第2突出部8cと、から構成されている。各配線パターン8の第1突出部8bと第2突出部8cが、X軸方向に沿って交互に形成されており、各配線パターン8の第1突出部8b間に、隣接する配線パターン8の第2突出部8cが配置され、各配線パターン8の第2突出部8c間に、隣接する配線パターン8の第1突出部8bが配置されるようになっている。
また、電源用パターン6は、X軸方向に直線状に延びる帯状部6aと、帯状部6aから、Y軸方向に隣接する配線パターン8の第2突出部8c間に台形状に突出する突出部6bとを有している。また、接地用パターン7は、X軸方向に直線状に延びる帯状部7aと、帯状部7aから、Y軸方向と相反する方向に隣接する配線パターン8の第1突出部8b間に台形状に突出する突出部7cとを有している。そして、図7(a)に示すように、本実施形態の各配線パターン8には、5箇所の第1突出部8bに対応して5個のLED素子3が配置され、5箇所の第2突出部8cに対応する位置の帯状部8aに5個のLED素子3が配置されている。また、電源用パターン6には、5箇所の突出部6bに対応して5個のLED素子3が配置され、Y軸方向に隣接する配線パターン8の第2突出部8cに対応する位置に5個のLED素子3が配置されている。
このように、各配線パターン8及び電源用パターン6には、10個のLED素子3がY軸方向に2列に分かれて配置されており、基板1上の40個のLED素子3は、全体として千鳥状配置となっている。そして、各LED素子3のアノード端子は、直下の配線パターン8(具体的には、第1突出部8b又は帯状部8a)又は電源用パターン6(具体的には、突出部6b又は帯状部6a)に対してダイボンド剤を介して接合されており、各LED素子3のカソード端子4は、ワイヤー5を介して、隣接する配線パターン8の帯状部8a、第2突出部8c又は接地用パターン7の帯状部7a、突出部7cに電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6881874号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、図7の構成においては、LED素子3を千鳥配置にすることにより、光照射モジュールが照射対象物に対してY軸方向に相対的に移動した際に、光照射モジュールがたどる移動幅分の範囲に対して、隙間をあけず万遍なく紫外光を照射することができる。
【0008】
しかしながら、LED素子3を千鳥配置とする必要上、図7の基板をX軸方向(左右方向)に並べてLED素子3の配列が連続的に規則正しい配列であるようにするためには、各配線パターン8及び電源用パターン6上において、LED素子3がY軸方向に2列に分かれて配置される必要があるため、各配線パターン8及び電源用パターン6上には偶数個のLED素子3を配置する必要があり(つまり、偶数個のLED素子3が並列に接続される必要があり)、電気回路設計上の制約ができる。
【0009】
また、このような光照射モジュールにおいては、照射対象物のプロセス速度をあげるために、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を上げることが求められている。しかしながら、積算光量を上げるためには、LED素子3のY軸方向の配置ピッチをできる限り狭くする必要があるところ、図7の構成においては、Y軸方向にワイヤー5が引き出され、隣接する配線パターン8又は接地用パターン7に接続される構成であるため、LED素子3のY軸方向の配置ピッチをできる限り狭くするには物理的な制約がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気回路の設計の自由度を上げると共に、LED素子のY軸方向(照射対象物の移動方向)の配置ピッチを狭くし、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を増加させることが可能な光照射モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の光照射モジュールは、第1方向と第1方向と直交する第2方向とで規定される基板と、基板上に第1方向に沿って形成されたn個(nは、2以上の整数)の配線パターンと、配線パターン上に配置され第1方向及び第2方向と直交する第3方向に光を出射する複数のLED(Light Emitting Diode)素子と、を備える光照射モジュールにおいて、各配線パターンは、第2方向に延び、第1方向に間隔をおいて配置された第1~第3帯状部と、第1帯状部と第2帯状部とを電気的に接続する第1接続部と、第2帯状部と第3帯状部とを電気的に接続する第2接続部と、を備え、i番目(iは、1からn-1までの整数)の配線パターンの第2帯状部と第3帯状部との間に、i+1番目の配線パターンの第1帯状部が配置され、複数のLED素子は、各配線パターンの第2帯状部及び第3帯状部上に、第2方向に沿って配置され、各LED素子の一方電極が、直下の第2帯状部又は第3帯状部と電気的に接続され、i番目の配線パターンの第2帯状部と第3帯状部に配置されたLED素子の他方電極が、i+1番目の配線パターンの第1帯状部と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、第2方向に延びる第2帯状部及び第3帯状部上にLED素子が配置されるため、LED素子の第2方向の配置ピッチをLED素子が接触しない範囲で狭めることが可能となり、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を増加させることができる。また、並列接続されるLED素子の個数は、第2帯状部及び第3帯状部上に配置されるLED素子の個数で調整することができ、直列接続されるLED素子の個数は、配線パターンの数によって調整することができるため、電気回路の設計の自由度が上がる。
【0013】
また、別の観点からは、本発明の光照射モジュールは、第1方向と第1方向と直交する第2方向とで規定される基板と、基板上に第1方向に沿って形成されたn個(nは、3以上の整数)の配線パターンと、配線パターン上に配置され第1方向及び第2方向と直交する第3方向に光を出射する複数のLED素子と、を備える光照射モジュールにおいて、各配線パターンは、第2方向に延び、第1方向に間隔をおいて配置された第1~第3帯状部と、第1帯状部と第2帯状部とを電気的に接続する第1接続部と、第2帯状部と第3帯状部とを電気的に接続する第2接続部と、を備え、i番目(iは、1からn-2までの整数)の配線パターンの第2帯状部と第3帯状部との間に、i+1番目の配線パターンの第1帯状部が配置され、i番目の配線パターンの第3帯状部とi+2番目の配線パターンの第1帯状部との間に、i+1番目の配線パターンの第2帯状部が配置され、i+2番目の配線パターンの第1帯状部と第2帯状部の間に、i+1番目の配線パターンの第3帯状部が配置され、複数のLED素子は、各配線パターンの第3帯状部上に、第2方向に沿って配置され、各LED素子の一方電極が、直下の第3帯状部と電気的に接続され、i番目の配線パターンの第3帯状部に配置されたLED素子の他方電極が、i+1番目の配線パターンの第1帯状部または第2帯状部と電気的に接続されている、ことを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、第2方向に延びる第3帯状部上にLED素子が配置されるため、LED素子の第2方向の配置ピッチをLED素子が接触しない範囲で狭めることが可能となり、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を増加させることができる。また、並列接続されるLED素子の個数は、第3帯状部上に配置されるLED素子の個数で調整することができ、直列接続されるLED素子の個数は、配線パターンの数によって調整することができるため、電気回路の設計の自由度が上がる。
【0015】
また、各配線パターンに配置された複数のLED素子を一群のLED素子群としたときに、各LED素子群が第1方向に沿って所定の間隔をおいて配置されていることが望ましい。
【0016】
また、各LED素子群において、各LED素子の第1方向の配置ピッチが、第2方向の配置ピッチよりも広いことが望ましい。
【0017】
また、各LED素子群を覆うように配置されるシリンドリカルレンズをさらに有することが望ましい。
【0018】
また、光照射モジュールが、第1方向に複数連結されたときに、隣接する光照射モジュール間において最も近接するLED素子群の第1方向の間隔が、所定の間隔と略等しいことが望ましい。
【0019】
また、複数のLED素子が、第2方向に沿って一列に整列していることが望ましい。
【0020】
また、複数のLED素子が、第2方向に沿って複数列に整列していることが望ましい。
【0021】
また、第1接続部が、第1帯状部と第2帯状部との間を第1方向に延びる帯状パターンであることが望ましい。
【0022】
また、第2接続部が、第2帯状部と第3帯状部との間を第1方向に延びる帯状パターンであることが望ましい。
【0023】
また、光照射モジュールが、光が照射される照射対象物に対して、第2の方向に相対的に移動することが望ましい。
【0024】
また、別の観点からは、本発明の光照射モジュールは、第1方向と第1方向と直交する第2方向とで規定される基板と、基板上に第1方向に沿って形成されたn個(nは、2以上の整数)の配線パターンと、配線パターン上に配置され第1方向及び第2方向と直交する第3方向に光を出射する複数のLED(Light Emitting Diode)素子と、を備える光照射モジュールにおいて、各配線パターンは、第2方向に延び、第1方向に間隔をおいて配置された第1~第3帯状部と、第1帯状部と第2帯状部とを電気的に接続する第1接続部と、第2帯状部と第3帯状部とを電気的に接続する第2接続部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、電気回路の設計の自由度を上げることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、電気回路の設計の自由度を上げると共に、LED素子のY軸方向(照射対象物の移動方向)の配置ピッチを狭くし、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を増加させることが可能な光照射モジュールが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
図5】本発明の第5の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
図6】本発明の第6の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
図7】従来の光照射モジュールの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光照射モジュール10の概略構成を説明する図である。図1(a)は、本実施形態の光照射モジュール10を連結した構成を示す平面図であり、図1(b)は、光照射モジュール10の拡大平面図であり、図1(c)は、光照射モジュール10の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール10は、紫外光照射装置等に搭載されて照射対象物に対して紫外光を照射する装置であり、一般に、1つ以上の光照射モジュール10が、不図示の基台(例えば、ヒートシンク)上に配置されて、紫外光照射装置内に収容されている。なお、本明細書においては、光照射モジュール10から出射される紫外光の進行方向をZ軸方向とし、配線パターン18の延びる方向(図1の左右方向)をX軸方向とし、X軸方向及びZ軸方向と直交する方向(図1の上下方向)をY軸方向と定義して説明する。
【0029】
図1(a)に示すように、本実施形態の光照射モジュール10は、複数の光照射モジュール10をX軸方向に連結可能に構成されており、連結された光照射モジュール10間においてLED素子13の配置関係が連続する(つまり、LED素子13のX軸方向の配置ピッチpが維持される)ようになっている。
【0030】
図1(b)に示すように、本実施形態の光照射モジュール10は、基板11と、基板11の表面に載置された複数(図1(b)においては220個)のLED素子13と、を備えている。
【0031】
基板11は、例えば熱伝導率の高い窒化アルミニウムで形成された矩形状のセラミックス基板であり、その表面には、電源用パターン16と、接地用パターン17と、複数の(図1においては、10個の)配線パターン18a~18jが形成されている。
【0032】
電源用パターン16、接地用パターン17及び配線パターン18a~18jは、LED素子13に電力を供給する金属(例えば、銅、金)の薄膜である。
電源用パターン16は、外部の電源装置(不図示)の電源端子(不図示)と電気的に接続されるパターンであり、本実施形態においては、基板11の上辺に沿ってX軸方向に延びる第1電源パターン16aと、基板11の左辺に沿ってY軸方向に延びる第2電源パターン16bと、第2電源パターン16bからX軸方向に間隔をおいて第2電源パターン16bと平行に延びる第3電源パターン16cと、基板11の下辺に沿って基板11の左辺から基板11の略中央部まで延びる第4電源パターン16dと、から構成されている(図1(c))。
また、接地用パターン17は、外部の電源装置の接地端子(不図示)と電気的に接続されるパターンであり、本実施形態においては、基板11の下辺に沿って基板11の略中央部から基板11の右辺に向かって延びる第1接地パターン17aと、基板11の右辺に沿ってY軸方向に延びる第2接地パターン17bと、から構成されている(図1(c))。
また、各配線パターン18a~18jは、S字を時計回りに90度回転させたような形状を呈しており、Y軸方向に直線状に延びる第1帯状部18a1~18j1と、第2帯状部18a2~18j2と、第3帯状部18a3~18j3と、第1帯状部18a1~18j1と第2帯状部18a2~18j2とをY軸方向の端部において電気的に接続する第1接続部18a4~18j4と、第2帯状部18a2~18j2と第3帯状部18a3~18j3とをY軸と相反する方向の端部において電気的に接続する第2接続部18a5~18j5と、から構成されている(図1(c))。なお、本明細書においては、配線パターン18a~18jについて代表して「配線パターン18」と称する場合があり、第1帯状部18a1~18j1について代表して「第1帯状部18-1」と称する場合があり、第2帯状部18a2~18j2について代表して「第2帯状部18-2」と称する場合があり、第3帯状部18a3~18j3について代表して「第3帯状部18-3」と称する場合がある。
【0033】
図1(b)、(c)に示すように、本実施形態においては、各配線パターン18a~18iの第2帯状部18a2~18i2と第3帯状部18a3~18i3との間に、隣接する配線パターン18b~18jの第1帯状部18b1~18j1が配置されている。
つまり、配線パターン18a~18jを順に第1番目から第10番目の配線パターン18としたときに、i番目(iは、1から9までの整数)の配線パターン18の第2帯状部18-2と第3帯状部18-3との間に、i+1番目の配線パターン18の第1帯状部18-1が配置されている。
また、本実施形態においては、第2電源パターン16bと第3電源パターン16cとの間に、配線パターン18aの第1帯状部18a1が配置され、配線パターン18j(つまり、第10番目の配線パターン18)の第2帯状部18j2と第3帯状部18j3との間に、第2接地パターン17bが配置されている。
【0034】
そして、図1(b)に示すように、第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、及び各配線パターン18a~18jの第2帯状部18a2~18j2と第3帯状部18a3~18j3上には、Y軸方向に沿って所定の配置ピッチ(例えば、約2mm)で各10個のLED素子13が配置されている。なお、第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、及び各配線パターン18a~18jの第2帯状部18a2~18j2と第3帯状部18a3~18j3上に配置された各LED素子13は、X軸方向において所定の配置ピッチp(例えば、約3.5mm)で整列している。つまり、本実施形態のLED素子13は、全体として22個(X軸方向)×10個(Y軸方向)の態様でX軸方向及びY軸方向に整列して配置されている。
なお、本実施形態においては、最も左側(X軸方向マイナス側)に位置する第2電源パターン16b上の各LED素子13は、基板11の左辺からp/2だけ離れた位置に配置され、最も右側(X軸方向プラス側)に位置する配線パターン18jの第3帯状部18j3上の各LED素子13は、基板11の右辺からp/2だけ離れた位置に配置され、複数の光照射モジュール10がX軸方向に連結されたときに、連結された光照射モジュール10間においてLED素子13の配置関係が連続する(つまり、LED素子13のX軸方向の配置ピッチpが維持される)ようになっている(図1(a)、(b))。
また、本実施形態においては、各LED素子13のY軸方向の配置ピッチをX軸方向の配置ピッチpよりも狭くし、X軸方向には略均一な照射強度を有しつつも、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を増加させている。
【0035】
各LED素子13は、例えば、2.0mm(X軸方向長さ)×2.0mm(Y軸方向長さ)の平面視矩形状の外形を有し(図1(b))、上面にカソード端子14を備え、下面にアノード端子(不図示)を備えている。そして、各LED素子13のアノード端子(一方電極)は、直下の第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、第2帯状部18a2~18j2、又は第3帯状部18a3~18j3に対してダイボンド剤(不図示)を介して接合されている。ダイボンド剤は、LED素子13と第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、第2帯状部18a2~18j2、又は第3帯状部18a3~18j3とを機械的及び電気的に接合するための部材であり、例えば、導電性を有する銀(Ag)ペーストが用いられている。また、各LED素子13のカソード端子14(他方電極)は、X軸方向に引き出されるワイヤー15を介して、隣接する配線パターン18a~18jの第1帯状部18a1~18j1に電気的に接続されている。
つまり、配線パターン18a~18jを順に第1番目から第10番目の配線パターン18としたときに、i番目(iは、1から9までの整数)の配線パターン18の第2帯状部18-2と第3帯状部18-3に配置されたLED素子13のカソード端子14は、隣接するi+1番目の配線パターン18の第1帯状部18-1と電気的に接続されている。
また、第2電源パターン16bと第3電源パターン16cに配置されたLED素子13のカソード端子14は、隣接する配線パターン18aの第1帯状部18a1と電気的に接続され、配線パターン18j(つまり、第10番目の配線パターン18)の第2帯状部18j2と第3帯状部18j3に配置されたLED素子13のカソード端子14は、隣接する第2接地パターン17bと電気的に接続されている。
【0036】
このように、本実施形態の光照射モジュール10においては、第2電源パターン16bに配置された10個のLED素子13と第3電源パターン16cに配置された10個のLED素子13が並列に接続され、各配線パターン18a~18jの各第2帯状部18a2~18j2に配置された10個のLED素子13と各第3帯状部18a3~18j3に配置された10個のLED素子13が並列に接続されている。そして、並列に接続された各20個のLED素子13が各配線パターン18a~18jの各第1帯状部18a1~18j1によって直列に接続されている。つまり、並列に接続された各20個のLED素子13を一群のLED素子群としたとき、11群のLED素子13が直列に接続され、各LED素子群がX軸方向に沿って所定の間隔をおいて配置されている。
従って、外部の電源装置(不図示)の電源端子(不図示)を電源用パターン16に接続し、外部の電源装置の接地端子(不図示)を接地用パターン17に接続し、所定の駆動電圧Vpを印加すると、220個のLED素子13を同時に駆動することができる。なお、各LED素子13の動作電圧Vfを5(v)とすると、光照射モジュール10全体の駆動電圧Vpとしては、Vp=5(v)×11群=55(v)を印加することになる。
【0037】
上述のように、本実施形態の光照射モジュール10においては、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、第2帯状部18a2~18j2、第3帯状部18a3~18j3にLED素子13を配置し、各LED素子13のカソード端子14を、X軸方向に引き出されるワイヤー15を介して、第1帯状部18a1~18j1に接続している。
従って、本実施形態の構成によれば、LED素子13のY軸方向の配置ピッチは、LED素子13が接触しない範囲で狭めることが可能となり、従来(図7)のような物理的な制約を受けない。つまり、LED素子13のY軸方向の密度を自由に設定することが可能となる。
また、本実施形態においては、10個の配線パターン18a~18jによって、20個/1群のLED素子13を並列に接続し、11群のLED素子13を直列接続する回路構成としたが、配線パターン18を適宜増減させることによって、LED素子13の素子数(群数)を適宜変更することも可能である。つまり、電気回路の設計の自由度が上がる。
なお、上述したように、本実施形態の光照射モジュール10は、複数の光照射モジュール10をX軸方向に連結可能に構成されており、連結された光照射モジュール10間においてLED素子13の配置関係が連続する(つまり、LED素子13のX軸方向の配置ピッチpが維持される)ようになっている(図1(a))。
従って、連結された光照射モジュール10からも、X軸方向に略均一な照射強度を有する紫外光が出射され、複数の光照射モジュール10をX軸方向に連結することにより、X軸方向の照射幅を自由に設定することができる。
【0038】
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0039】
例えば、本実施形態の光照射モジュール10においては、220個のLED素子13が22個(X軸方向)×10個(Y軸方向)の態様で整列配置されるものとして説明したが、LED素子13の個数や列数に制限はなく、仕様に応じて適宜選択することができる。
【0040】
また、本実施形態のLED素子13は、紫外光を発するものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、LED素子13は、可視域または赤外域の光を発するものであってもよい。
【0041】
また、本実施形態のLED素子13は、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、各配線パターン18a~18jの第2帯状部18a2~18j2、第3帯状部18a3~18j3に配置されるものとしたが、必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、例えば、さらに各配線パターン18a~18jの第1接続部18a4~18j4及び第2接続部18a5~18j5にLED素子13を配置してもよい。この場合、第1接続部18a4~18j4及び第2接続部18a5~18j5に配置された各LED素子13のカソード端子14は、Y軸方向に引き出されるワイヤー15を介して、隣接する第1帯状部18a1~18j1に接続される。
【0042】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光照射モジュール20の概略構成を説明する平面図である。本実施形態の光照射モジュール20は、LED素子13のY軸方向の配置ピッチが第1の実施形態の光照射モジュール10よりも狭く、例えば、約1.3mmに設定されている点で第1の実施形態の光照射モジュール10とは異なる。
【0043】
図2に示すように、本実施形態のLED素子13は、第1の実施形態の光照射モジュール10と同様、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、各配線パターン18a~18jの第2帯状部18a2~18j2、第3帯状部18a3~18j3に配置されるため(図1(c)、図2)、本実施形態のLED素子13のY軸方向の配置ピッチは、LED素子13が接触しない範囲で自由に設定することができ、仕様に応じて照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を設定することが可能となる。
【0044】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る光照射モジュール30の概略構成を説明する平面図である。本実施形態の光照射モジュール30は、Y軸方向に並ぶ10個のLED素子13a~13jが、ジグザグに配置されている点で第1の実施形態の光照射モジュール10とは異なる。
より具体的には、本実施形態のLED素子13a~13jは、第1の実施形態の光照射モジュール10と同様、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、各配線パターン18a~18jの第2帯状部18a2~18j2、第3帯状部18a3~18j3に配置されるが(図1(c)、図3)、LED素子13a、13c、13e、13g、13iが、LED素子13b、13d、13f、13h、13jに対してX軸方向マイナス側にシフトして配置されている。つまり、LED素子13a、13c、13e、13g、13iがY軸方向に一列に並び、LED素子13b、13d、13f、13h、13jがY軸方向に一列に並ぶように構成されている(つまり、LED素子13a~13jがY軸方向に沿って複数列に配置されている)。
【0045】
このような構成によれば、Y軸方向に相対的に移動する照射対象物に対して、万遍なく(均一に)紫外光を照射することができる。
【0046】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る光照射モジュール40の概略構成を説明する図である。図4(a)は、光照射モジュール40の拡大平面図であり、図4(b)は、光照射モジュール40の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール40は、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、各配線パターン18a~18jの第1帯状部18a1~18j1、第2帯状部18a2~18j2、第3帯状部18a3~18j3、第4電源パターン16dが、LED素子13a~13jの配置に応じて、ジグザグ形状に形成されている点で第3の実施形態の光照射モジュール30と異なる。
【0047】
このように、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16b、第3電源パターン16c、各配線パターン18a~18jの第1帯状部18a1~18j1、第2帯状部18a2~18j2、第3帯状部18a3~18j3、第4電源パターン16dは、必ずしも直線状である必要はなく、Y軸方向に延びる、LED素子13a~13jの配置に応じた形状とすることができる。
【0048】
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る光照射モジュール50の概略構成を説明する図である。図5(a)は、本実施形態の光照射モジュール50を連結した構成を示す平面図であり、図5(b)は、光照射モジュール50の拡大平面図であり、図5(c)は、光照射モジュール50の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール50は、電源用パターン16Aと、接地用パターン17Aと、複数の(図5においては、10個の)配線パターン18Aa~18Ajの形状が異なり、LED素子13の配置が異なる点で、第1の実施形態の光照射モジュール10と異なる。
【0049】
図5(a)に示すように、本実施形態の光照射モジュール50も、第1の実施形態の光照射モジュール10と同様、複数の光照射モジュール50をX軸方向に連結可能に構成されており、連結された光照射モジュール50間においてLED素子群13Gの配置関係が連続する(つまり、LED素子群13GのX軸方向の配置ピッチpが維持される)ようになっている。
【0050】
電源用パターン16Aは、外部の電源装置(不図示)の電源端子(不図示)と電気的に接続されるパターンであり、本実施形態においては、基板11の下辺に沿って基板11の左辺から基板11の略中央に向かって延びる第1電源パターン16Aaと、基板11の左辺に沿ってY軸方向に延びる第2電源パターン16Abと、から構成されている(図5(c))。
また、接地用パターン17Aは、基板11の上辺に沿ってX軸方向に延びる第1接地パターン17Aaと、基板11の右辺に沿ってY軸方向に延びる第2接地パターン17Abと、第2接地パターン17AbからX軸方向マイナス側に間隔をおいて第2接地パターン17Abと平行に延びる第3接地パターン17Acと、基板11の下辺に沿って基板11の右辺から基板11の略中央部まで延びる第4接地パターン17Adと、から構成されている(図5(c))。
また、各配線パターン18Aa~18Ajは、E字を時計回り又は反時計回りに90度回転させたような形状を呈しており、Y軸方向に直線状に延びる第1帯状部18Aa1~18Aj1と、第2帯状部18Aa2~18Aj2と、第3帯状部18Aa3~18Aj3と、第1帯状部18Aa1~18Aj1、第2帯状部18Aa2~18Aj2及び第3帯状部18Aa3~18Aj3をY軸方向プラス側又はマイナス側の端部において電気的に接続する第1接続部18Aa4~18j4と、から構成されている(図5(c))。なお、本明細書においては、配線パターン18Aa~18Ajについて代表して「配線パターン18A」と称する場合があり、第1帯状部18Aa1~18Aj1について代表して「第1帯状部18A-1」と称する場合があり、第2帯状部18Aa2~18Aj2について代表して「第2帯状部18A-2」と称する場合があり、第3帯状部18Aa3~18Aj3について代表して「第3帯状部18A-3」と称する場合がある。
【0051】
図5(b)、(c)に示すように、本実施形態においては、各配線パターン18Aa~18Ahの第2帯状部18Aa2~18Ah2と第3帯状部18Aa3~18Ah3との間に、隣接する配線パターン18Ab~18Ajの第1帯状部18Ab1~18Aj1が配置され、各配線パターン18Aa~18Ahの第3帯状部18Aa3~18Ah3と各配線パターン18Ac~18Ajの第1帯状部18Ac1~18Aj1との間に、各配線パターン18Ab~18Aiの第2帯状部18Ab2~18Ai2が配置され、各配線パターン18Ac~18Ajの第1帯状部18Ac1~18Ah1と各配線パターン18Ab~18Aiの第2帯状部18Ab2~18Ai2との間に、各配線パターン18Ab~18Aiの第3帯状部18Ab3~18Ai3が配置されている。
つまり、配線パターン18Aa~18Ajを順に第1番目から第10番目の配線パターン18Aとしたときに、i番目(iは、1から8までの整数)の配線パターン18Aの第2帯状部18A-2と第3帯状部18A-3との間に、i+1番目の配線パターン18Aの第1帯状部18A-1が配置され、i番目の配線パターン18Aの第3帯状部18A-3とi+2番目の配線パターン18Aの第1帯状部18A-1との間に、i+1番目の配線パターン18Aの第2帯状部18A-2が配置され、i+2番目の配線パターン18Aの第1帯状部18A-1と第2帯状部18A-2の間に、i+1番目の配線パターン18Aの第3帯状部18A-3が配置されている。
また、本実施形態においては、配線パターン18Aa(つまり、第1番目の配線パターン18A)の第1帯状部18Aa1と第2帯状部18Aa2との間に、第2電源パターン16Abが配置され、配線パターン18Aj(つまり、第10番目の配線パターン18A)の第2帯状部18Aj2と第3帯状部18Aj3との間に、第3接地パターン17Acが配置されている。
【0052】
そして、図5(b)に示すように、第2電源パターン16Ab及び各配線パターン18Aa~18Ajの第3帯状部18Aa3~18Aj3上には、LED素子13が2個(X軸方向)×10個(Y軸方向)の態様で整列して配置されている。なお、本実施形態においては、第2電源パターン16Ab及び各配線パターン18Aa~18Ajの第3帯状部18Aa3~18Aj3上に配置された各20個のLED素子13を一群のLED素子群13Gとし、各LED素子群13Gは、X軸方向において所定の配置ピッチp(例えば、約7.0mm)で整列している。
なお、本実施形態においては、最も左側(X軸方向マイナス側)に位置する第2電源パターン16Ab上のLED素子群13Gは、基板11の左辺からp/2だけ離れた位置に配置され、最も右側(X軸方向プラス側)に位置する配線パターン18Ajの第3帯状部18Aj3上のLED素子群13Gは、基板11の右辺からp/2だけ離れた位置に配置され、複数の光照射モジュール50がX軸方向に連結されたときに、連結された光照射モジュール50間においてLED素子群13Gの配置関係が連続する(つまり、LED素子群13GのX軸方向の配置ピッチpが維持される)ようになっている(図5(a)、(b))。
また、本実施形態においては、各LED素子群13GのY軸方向の配置ピッチをX軸方向の配置ピッチpよりも狭くし、X軸方向には略均一な照射強度を有しつつも、照射対象物への積算光量(単位面積当たりの光エネルギー)を増加させている。
【0053】
各LED素子13は、第1の実施形態と同様、例えば、2.0mm(X軸方向長さ)×2.0mm(Y軸方向長さ)の平面視矩形状の外形を有し(図5(b))、上面にカソード端子14を備え、下面にアノード端子(不図示)を備えている。そして、各LED素子13のアノード端子(一方電極)は、直下の第2電源パターン16Ab又は第3帯状部18Aa3~18Aj3に対してダイボンド剤(不図示)を介して接合されている。また、各LED素子13のカソード端子14(他方電極)は、X軸方向に引き出されるワイヤー15を介して、隣接する配線パターン18b~18jの第2帯状部18Ab2~18Aj2又は第3帯状部18Ab3~18Aj3に電気的に接続されている。
つまり、配線パターン18Aa~18Ajを順に第1番目から第10番目の配線パターン18Aとしたときに、i番目(iは、1から9までの整数)の配線パターン18Aの第3帯状部18A-3に配置されたLED素子13のカソード端子14は、隣接するi+1番目の配線パターン18Aの第1帯状部18A-1又は第2帯状部18A-2と電気的に接続されている。
また、第2電源パターン16Abに配置されたLED素子13のカソード端子14は、隣接する配線パターン18Aaの第1帯状部18Aa1又は第2帯状部18Aa2と電気的に接続され、配線パターン18Aj(つまり、第10番目の配線パターン18A)の第3帯状部18Aj3に配置されたLED素子13のカソード端子14は、隣接する第2接地パターン17Ab又は第3接地パターン17Acと電気的に接続されている。
【0054】
このように、本実施形態の光照射モジュール50においては、第2電源パターン16Abに配置された20個のLED素子13が並列に接続され、各配線パターン18Aa~18Ajの各第3帯状部18Aa3~18Aj3に配置された20個のLED素子13が並列に接続されている。そして、並列に接続された各20個のLED素子13(つまり、LED素子群13G)が各配線パターン18Aa~18Ajの各第1帯状部18Aa1~18Aj1及び各第2帯状部18Aa2~18Aj2によって直列に接続されている。つまり、並列に接続された各20個のLED素子13を一群のLED素子群13Gとして、11個のLED素子群13Gが直列に接続され、各LED素子群13GがX軸方向に沿って所定の間隔をおいて配置されている。
【0055】
上述のように、本実施形態の光照射モジュール50においては、Y軸方向に直線状に延びる第2電源パターン16Ab、第3帯状部18Aa3~18Aj3にLED素子群13Gを配置し、各LED素子13のカソード端子14を、X軸方向に引き出されるワイヤー15を介して、第1帯状部18Aa1~18Aj1又は第2帯状部18Aa2~18Aj2に接続している。
従って、本実施形態の構成によれば、LED素子13のY軸方向の配置ピッチは、LED素子13が接触しない範囲で狭めることが可能となり、従来(図7)のような物理的な制約を受けない。つまり、LED素子13のY軸方向の密度を自由に設定することが可能となる。
また、本実施形態においては、10個の配線パターン18Aa~18Ajによって、20個/1群のLED素子13を並列に接続し、11個のLED素子群13Gを直列接続する回路構成としたが、配線パターン18Aを適宜増減させることによって、LED素子群13Gの数(群数)を適宜変更することも可能である。つまり、電気回路の設計の自由度が上がる。
なお、上述したように、本実施形態の光照射モジュール50は、複数の光照射モジュール50をX軸方向に連結可能に構成されており、連結された光照射モジュール50間においてLED素子群13Gの配置関係が連続する(つまり、LED素子群13GのX軸方向の配置ピッチpが維持される)ようになっている(図5(a))。
従って、連結された光照射モジュール50からも、X軸方向に略均一な照射強度を有する紫外光が出射され、複数の光照射モジュール50をX軸方向に連結することにより、X軸方向の照射幅を自由に設定することができる。
【0056】
(第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態に係る光照射モジュール60の概略構成を説明する図であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は斜視図である。本実施形態の光照射モジュール60は、第5の実施形態に係る光照射モジュール50上に、複数のシリンドリカルレンズ65を備える点で第5の実施形態に係る光照射モジュール50と異なる。
【0057】
図6(b)に示すように、本実施形態のシリンドリカルレンズ65は、X軸方向にパワーをもち、Y軸方向にパワーをもたない、平凸型のシリンドリカルレンズであり、光照射モジュール50の11個のLED素子群13Gを覆うようにそれぞれ配置されている。
【0058】
このような構成によれば、各LED素子群13Gから出射される紫外光の広がり角をX軸方向に狭めることができるため(調整することができるため)X軸方向においてより均一な照射強度の紫外光を照射することができる。
【0059】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0060】
1 :基板
3 :LED素子
4 :カソード端子
5 :ワイヤー
6 :電源用パターン
6a :帯状部
6b :突出部
7 :接地用パターン
7a :帯状部
7c :突出部
8 :配線パターン
8a :帯状部
8b :第1突出部
8c :第2突出部
10 :光照射モジュール
11 :基板
13 :LED素子
13G :LED素子群
13a :LED素子
13b :LED素子
13c :LED素子
13d :LED素子
13e :LED素子
13f :LED素子
13g :LED素子
13h :LED素子
13i :LED素子
13j :LED素子
14 :カソード端子
15 :ワイヤー
16 :電源用パターン
16A :電源用パターン
16Aa :第1電源パターン
16Ab :第2電源パターン
16a :第1電源パターン
16b :第2電源パターン
16c :第3電源パターン
16d :第4電源パターン
17 :接地用パターン
17A :接地用パターン
17Aa :第1接地パターン
17Ab :第2接地パターン
17Ac :第3接地パターン
17Ad :第4接地パターン
17a :第1接地パターン
17b :第2接地パターン
18 :配線パターン
18-1 :第1帯状部
18-2 :第2帯状部
18-3 :第3帯状部
18A :配線パターン
18A-1 :第1帯状部
18A-2 :第2帯状部
18A-3 :第3帯状部
18Aa :配線パターン
18Aa1 :第1帯状部
18Aa2 :第2帯状部
18Aa3 :第3帯状部
18Aa4 :第1接続部
18Ab :配線パターン
18Ab1 :第1帯状部
18Ab2 :第2帯状部
18Ab3 :第3帯状部
18Ac :配線パターン
18Ac1 :第1帯状部
18Aj :配線パターン
18Aj2 :第2帯状部
18Aj3 :第3帯状部
18a :配線パターン
18a1 :第1帯状部
18a2 :第2帯状部
18a3 :第3帯状部
18a4 :第1接続部
18a5 :第2接続部
18b :配線パターン
18b1 :第1帯状部
18c :配線パターン
18d :配線パターン
18e :配線パターン
18f :配線パターン
18g :配線パターン
18h :配線パターン
18i :配線パターン
18j :配線パターン
18j2 :第2帯状部
18j3 :第3帯状部
20 :光照射モジュール
30 :光照射モジュール
40 :光照射モジュール
50 :光照射モジュール
60 :光照射モジュール
65 :シリンドリカルレンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7