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特開2024-146099分散制御装置、及び分散制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146099
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】分散制御装置、及び分散制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20241004BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F11/07 181
B41J29/38 501
B41J29/38 301
G06F11/07 166
G06F11/07 140A
G06F11/07 140P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058815
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 伸自
【テーマコード(参考)】
2C061
5B042
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061HK19
2C061HV03
2C061HV04
2C061HV08
2C061HV16
2C061HV22
2C061HV56
5B042GA11
5B042KK06
5B042MC15
(57)【要約】
【課題】エラー検出を改善した分散制御装置を提供すること。
【解決手段】第1サブ回路と、第2サブ回路と、第1サブ回路、及び第2サブ回路を制御するメイン回路と、第1サブ回路、第2サブ回路、及びメイン回路と電気的に接続される中継回路と、を備え、第1サブ回路は、第1サブ回路に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、第2サブ回路は、第2サブ回路に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、中継回路は、第1エラー信号に含まれる第1エラー情報、及び第2エラー信号に含まれる第2エラー情報を保持し、メイン回路は、中継回路で保持される第1エラー情報、及び第2エラー情報の少なくとも一方を取得する、分散制御装置。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サブ回路と、
第2サブ回路と、
前記第1サブ回路、及び前記第2サブ回路を制御するメイン回路と、
前記第1サブ回路、前記第2サブ回路、及び前記メイン回路と電気的に接続される中継回路と、
を備え、
前記第1サブ回路は、前記第1サブ回路に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、
前記第2サブ回路は、前記第2サブ回路に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、
前記中継回路は、前記第1エラー信号に含まれる前記第1エラー情報、及び前記第2エラー信号に含まれる前記第2エラー情報を保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第1エラー情報、及び前記第2エラー情報の少なくとも一方を取得する、
ことを特徴とする分散制御装置。
【請求項2】
前記第1サブ回路は、前記第1サブ回路に軽度な異常である第1軽度エラーが生じたか否かを示す第1軽度エラー情報を前記第1エラー情報として含む第1軽度エラー信号と、前記第1サブ回路に前記第1軽度エラーよりも重度な異常である第1重度エラーが生じたか否かを示す第1重度エラー情報を前記第1エラー情報として含む第1重度エラー信号と、を前記第1エラー信号として出力し、
前記中継回路は、前記第1軽度エラー情報及び前記第1重度エラー情報を、前記第1エラー情報として保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第1軽度エラー情報及び前記第1重度エラー情報の少なくとも一方を、前記第1エラー情報として取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の分散制御装置。
【請求項3】
前記中継回路は、第1軽度エラー記憶領域及び前記第1軽度エラー記憶領域と異なる第1重度エラー記憶領域を含み、
前記第1軽度エラー情報は前記第1軽度エラー記憶領域に記憶され、前記第1重度エラー情報は前記第1重度エラー記憶領域に記憶される、
ことを特徴とする請求項2に記載の分散制御装置。
【請求項4】
前記第2サブ回路は、前記第2サブ回路に軽度な異常である第2軽度エラーが生じたか否かを示す第2軽度エラー情報を前記第2エラー情報として含む第2軽度エラー信号と、前記第2サブ回路に、前記第2軽度エラーよりも重度な異常である第2重度エラーが生じたか否かを示す第2重度エラー情報を前記第2エラー情報として含む第2重度エラー信号と、を前記第2エラー信号として出力し、
前記中継回路は、前記第2軽度エラー情報、及び前記第2重度エラー情報を前記第2エラー情報として保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第2軽度エラー情報、及び前記第2重度エラー情報の少なくとも一方を前記第2エラー情報として取得する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の分散制御装置。
【請求項5】
前記中継回路は、第2軽度エラー記憶領域、及び前記第2軽度エラー記憶領域と異なる第2重度エラー記憶領域を含み、
前記第2軽度エラー情報は前記第2軽度エラー記憶領域に記憶され、前記第2重度エラー情報は前記第2重度エラー記憶領域に記憶される、
ことを特徴とする請求項4に記載の分散制御装置。
【請求項6】
前記中継回路は、
前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じたことを示す前記第1エラー情報を含む前記第1エラー信号を保持した後、前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じていないことを示す前記第1エラー情報を含む前記第1エラー信号が入力された場合、前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じたことを示す前記第1エラー情報の保持を継続し、
前記第2サブ回路に前記第2エラーが生じたことを示す前記第2エラー情報を含む前記第2エラー信号を保持した後、前記第2サブ回路に前記第2エラーが生じていないことを示す前記第2エラー情報を含む前記第2エラー信号が入力された場合、前記第2サブ回路に前記第2エラーが生じたことを示す前記第2エラー情報の保持を継続する、
ことを特徴とする請求項1に記載の分散制御装置。
【請求項7】
前記メイン回路が出力するリセット信号によって、前記中継回路が保持する前記第1エラー情報がリセットされる、
ことを特徴とする請求項6に記載の分散制御装置。
【請求項8】
前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じた場合、前記第1サブ回路は、前記第1エラーの詳細情報を保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路から取得した前記第1エラー情報に、前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じたことを示す情報が含まれている場合、前記第1サブ回路に保持されている前記詳細情報を取得する詳細情報取得要求信号を出力する、
ことを特講とする請求項1に記載の分散制御装置。
【請求項9】
第1サブ端末と、
第2サブ端末と、
前記第1サブ端末、及び前記第2サブ端末を制御するメイン端末と、
前記第1サブ端末、前記第2サブ端末、及び前記メイン端末と電気的に接続される中継端末と、
を備え、
前記第1サブ端末は、前記第1サブ端末に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、
前記第2サブ端末は、前記第2サブ端末に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、
前記中継端末は、前記第1エラー信号に含まれる前記第1エラー情報、及び前記第2エラー信号に含まれる前記第2エラー情報を保持し、
前記メイン端末は、前記中継端末で保持される前記第1エラー情報、及び前記第2エラー情報の少なくとも一方を取得する、
ことを特徴とする分散制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散制御装置、及び分散制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、メインボードとサブボードを備え、分散制御を行う画像処理装置であって、サブボード側に設けられたウォッチドッグタイマ125によるカウント時間が、予め規定されたカウント時間を満了しているか否かを、メインボード側に設けられたCPU101で判断し、CPU101が、当該カウント時間を満了していると判断した場合、サブボード側に設けられたウォッチドッグタイマ125が、メインボード側のCPU101にエラー通知を行うことで、サブボードが不正常な状態であることをメインボードで認知できる、画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-049731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、分散制御を行う装置におけるエラー検出の観点において、特許文献1に記載の技術のみでは十分でなく、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る分散制御装置の一態様は、
第1サブ回路と、
第2サブ回路と、
前記第1サブ回路、及び前記第2サブ回路を制御するメイン回路と、
前記第1サブ回路、前記第2サブ回路、及び前記メイン回路と電気的に接続される中継回路と、
を備え、
前記第1サブ回路は、前記第1サブ回路に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、
前記第2サブ回路は、前記第2サブ回路に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、
前記中継回路は、前記第1エラー信号に含まれる前記第1エラー情報、及び前記第2エラー信号に含まれる前記第2エラー情報を保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第1エラー情報、及び前記第2エラー情報の少なくとも一方を取得する。
【0006】
本発明に係る分散制御システムの一態様は、
第1サブ端末と、
第2サブ端末と、
前記第1サブ端末、及び前記第2サブ端末を制御するメイン端末と、
前記第1サブ端末、前記第2サブ端末、及び前記メイン端末と電気的に接続される中継端末と、
を備え、
前記第1サブ端末は、前記第1サブ端末に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、
前記第2サブ端末は、前記第2サブ端末に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、
前記中継端末は、前記第1エラー信号に含まれる前記第1エラー情報、及び前記第2エラー信号に含まれる前記第2エラー情報を保持し、
前記メイン端末は、前記中継端末で保持される前記第1エラー情報、及び前記第2エラー情報の少なくとも一方を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】分散制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図2】電源回路の具体的な機能構成の一例を示す図である。
図3】中継回路の具体的な機能構成の一例を示す図である。
図4】メイン回路及びサブ回路の具体的な機能構成の一例を示す図である。
図5】記憶回路31の構成の一例を示す図である。
図6】使用者の要求により実行される分散制御装置の停止処理の一例を示す図である。
図7】停電検出時における分散制御装置の停止処理の一例を示す図である。
図8】軽度な異常が生じた場合の分散制御装置の動作の一例を示す図である。
図9】重度な異常が生じた場合の分散制御装置の動作の一例を示す図である。
図10】分散制御が実行される液体吐出装置の概略構造を示す図である。
図11】分散制御を実行する液体吐出装置の機能構成の具体例を示す図である。
図12】分散制御システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1.分散制御装置
1.1 分散制御装置の機能構成
1.1.1 分散制御装置の全体構成
本実施形態の分散制御装置1の機能構成について説明する。本実施形態の分散制御装置1は、1つの装置を複数の制御単位に分割し、分割した制御単位のそれぞれが独立して動作するととともに、上位の制御単位が各制御単位の相互間の協調を図る装置であって、係る構成を採用することで、装置の大型化等に起因して、装置全体の処理負荷が増加した場合であっても、特定の構成に処理負担が集中するおそれが低減し、その結果、意図しない処理遅延が生じるおそれや、動作の安定性が低下するおそれを低減することができる。
【0010】
図1は、分散制御装置1の機能構成の一例を示す図である。図1に示すように分散制御装置1は、電源回路2、中継回路3、メイン回路4、複数のサブ回路5、及びユーザーインターフェース6を備える。
【0011】
電源回路2は、分散制御装置1の外部から供給される商用交流電源から分散制御装置1の駆動源である電圧信号VDprを生成し、出力する。電源回路2が出力する電圧信号VDprは、中継回路3に供給される。中継回路3は、供給される電圧信号VDprをメイン回路4、及び複数のサブ回路5のそれぞれに対応して分配し、出力する。メイン回路4には、中継回路3によって電圧信号VDprが分配された信号の内の電圧信号VDmrが供給される。メイン回路4は、供給される電圧信号VDmrを駆動源として動作する。また、メイン回路4は、供給される電圧信号VDmrに基づく電圧信号VDD-pを生成し、ユーザーインターフェース6に出力する。ユーザーインターフェース6は、メイン回路
4から供給される電圧信号VDD-pを駆動源として動作する。また、複数のサブ回路5のそれぞれには、中継回路3によって電圧信号VDprが分配された信号の内の電圧信号VDsrが供給される。複数のサブ回路5のそれぞれは、供給される電圧信号VDsrを駆動源として動作する。
【0012】
このとき、電源回路2と中継回路3とは、通信信号CTprによって相互に通信可能に接続されている。また、中継回路3とメイン回路4とは、通信信号CTmrによって相互に通信可能に接続されている。また、中継回路3と複数のサブ回路5のそれぞれとは、通信信号CTsrによって相互に通信可能に接続されている。また、メイン回路4と複数のサブ回路5のそれぞれとは、通信信号CTmsによって相互に通信可能に接続されている。また、メイン回路4とユーザーインターフェース6とは、通信信号CTmpによって相互に通信可能に接続されている。
【0013】
以上のように本実施形態の分散制御装置1は、商用交流電源が供給され電圧信号VDprを出力する電源回路2と、電圧信号VDprに基づく電圧信号VDsrが供給される複数のサブ回路5と、複数のサブ回路5、及び中継回路3の動作を制御するメイン回路4と、電源回路2、メイン回路4、及び複数のサブ回路5と電気的に接続される中継回路3と、を備える。すなわち、本実施形態の分散制御装置1において、メイン回路4、及び複数のサブ回路5のそれぞれは、中継回路3を介して電圧信号VDprが供給されることで駆動する。そして、中継回路3、メイン回路4、及び、複数のサブ回路5のそれぞれは、電圧信号VDprが供給されることで、それぞれが独立して動作する。このとき、分散制御装置1において、電源回路2、中継回路3、メイン回路4、複数のサブ回路5、及びユーザーインターフェース6のそれぞれは、対応する通信信号CTpr,CTmr,CTsr,CTms,CTmpによって相互に通信可能に接続される。これにより、分散制御装置1を構成する電源回路2、中継回路3、メイン回路4、複数のサブ回路5、及びユーザーインターフェース6の相互間の協調が図られる。その結果、分散制御装置1の大型化等に起因して、装置全体の処理負荷が増加した場合であっても、特定の構成に処理負担が集中するおそれが低減し、意図しない処理遅延が生じるおそれや、動作の安定性が低下するおそれが低減する。
【0014】
ここで、以下の説明において、分散制御装置1が備える複数のサブ回路5を区別して説明を行う場合、分散制御装置1がn個のサブ回路5を有し、n個のサブ回路5を、サブ回路5-1~5-nと称する場合がある。この場合において、サブ回路5-1に供給される電圧信号VDsrを電圧信号VDsr1と称し、サブ回路5-1と中継回路3との間で伝搬される通信信号CTsrを通信信号CTsr1と称し、サブ回路5-1とメイン回路4との間で伝搬される通信信号CTmsを通信信号CTms1と称する場合がある。同様に、サブ回路5-i(iは1~n)に供給される電圧信号VDsrを電圧信号VDsriと称し、サブ回路5-iと中継回路3との間で伝搬される通信信号CTsrを通信信号CTsriと称し、サブ回路5-iとメイン回路4との間で伝搬される通信信号CTmsを通信信号CTmsiと称する場合がある。
【0015】
1.1.2 電源回路の機能構成
次に、このような分散制御装置1の機能構成の詳細について説明する。図2は、電源回路2の具体的な機能構成の一例を示す図である。電源回路2は、分散制御装置1の外部から供給される商用交流電源としての電圧信号VACから分散制御装置1の駆動源である電圧信号VDprとしての電圧信号VDa,VDb,VDcを生成し、出力する。
【0016】
電源回路2は、電源生成回路20、及び停電検出回路22を有する。また、電源生成回路20は、第1電源生成回路21a、第2電源生成回路21b、及び第3電源生成回路21cを含む。
【0017】
第1電源生成回路21a、第2電源生成回路21b、及び第3電源生成回路21cのそれぞれには、電圧信号VACが供給される。第1電源生成回路21aは、供給される電圧信号VACをAC/DC変換することで電圧信号VDprとして直流電圧である電圧信号VDaを生成し、出力する。同様に、第2電源生成回路21bは、供給される電圧信号VACをAC/DC変換することで電圧信号VDprとして直流電圧である電圧信号VDbを生成し、出力する。同様に、第3電源生成回路21cは、供給される電圧信号VACをAC/DC変換することで電圧信号VDprとして直流電圧である電圧信号VDcを生成し、出力する。すなわち、電源回路2、及び電源生成回路20は、商用電源である電圧信号VACが入力され電圧信号VDprとして電圧信号VDa,VDb,VDcを出力する。
【0018】
また、第1電源生成回路21aには、通信信号CTprとして出力制御信号SSaが入力される。第1電源生成回路21aは、入力される出力制御信号SSaに、電圧信号VDaの出力の停止を要求する情報が含まれている場合、電圧信号VDaの出力を停止し、入力される出力制御信号SSaに、電圧信号VDaの出力の停止を要求する情報が含まれていない場合、電圧信号VDaの出力を継続する。すなわち、第1電源生成回路21aからの電圧信号VDaの出力は、出力制御信号SSaによって制御される。
【0019】
同様に、第2電源生成回路21bには、通信信号CTprとして出力制御信号SSbが入力される。第2電源生成回路21bは、入力される出力制御信号SSbに、電圧信号VDbの出力の停止を要求する情報が含まれている場合、電圧信号VDbの出力を停止し、入力される出力制御信号SSbに、電圧信号VDbの出力の停止を要求する情報が含まれていない場合、電圧信号VDbの出力を継続する。すなわち、第2電源生成回路21bからの電圧信号VDbの出力は、出力制御信号SSbによって制御される。
【0020】
同様に、第3電源生成回路21cには、通信信号CTprとして出力制御信号SScが入力される。第3電源生成回路21cは、入力される出力制御信号SScに、電圧信号VDcの出力の停止を要求する情報が含まれている場合、電圧信号VDcの出力を停止し、入力される出力制御信号SScに、電圧信号VDcの出力の停止を要求する情報が含まれていない場合、電圧信号VDcの出力を継続する。すなわち、第3電源生成回路21cからの電圧信号VDcの出力は、出力制御信号SScによって制御される。
【0021】
停電検出回路22は、商用交流電源である電圧信号VACの電圧値を検出し、検出した電圧値が所定の閾値よりも低いか否かに応じた停電通知信号BOを出力する。すなわち、電源回路2は、電圧信号VACの電圧値が所定の閾値よりも低いか否かに応じた停電通知信号BOを出力する。
【0022】
具体的には、停電検出回路22は、分散制御装置1に供給される電圧信号VACの電圧値の実効値を検出する。停電検出回路22は、検出した電圧信号VACの実効値が所定の電圧値よりも低いか否かに応じて論理レベルが変化する停電通知信号BOを出力する。すなわち、電源回路2は、電圧信号VACの電圧値を検出し、検出した電圧値が所定の閾値よりも低い場合、電圧信号VACが異常であることを示す所定の論理レベルの停電通知信号BOを出力する停電検出回路22を有する。換言すれば、電源回路2は、電圧信号VACの電圧値を検出し、検出した電圧値が所定の閾値よりも低いか否かに応じた停電通知信号BOを出力する。
【0023】
ここで、停電検出回路22が、電圧信号VACの電圧値が異常であるか否かを判定する所定の閾値としては、例えば、分散制御装置1に供給される商用交流電源の定格電圧値の70%に設定することができる。すなわち、分散制御装置1の駆動電圧である商用交流電
源の定格電圧値が100Vの場合、停電検出回路22は、電圧信号VACの実効値が70V以下となることで、電圧信号VACの電圧値が異常であることを示す論理レベルの停電通知信号BOを出力し、また、分散制御装置1の駆動電圧である商用交流電源の定格電圧値が200Vの場合、停電検出回路22は、電圧信号VACの実効値が140V以下となることで、電圧信号VACの電圧値が異常であることを示す論理レベルの停電通知信号BOを出力してもよい。なお、停電検出回路22が、電圧信号VACの電圧値が異常であるか否かを判定する所定の閾値は、定格電圧値の70%に限るものではなく、分散制御装置1の使用環境や動作状態等に応じた任意の値でよい。また、停電検出回路22は、電圧信号VACの実効値に代えて、若しくは加えて、電圧信号VACの電圧値の平均値や周波数等に基づいて、電圧信号VACが異常であるか否かを検出してもよい。
【0024】
1.1.3 中継回路の機能構成
次に、中継回路3の具体的な機能構成について説明する。図3は、中継回路3の具体的な機能構成の一例を示す図である。中継回路3は、電源回路2、メイン回路4、及び複数のサブ回路5と電気的に接続することで、電源回路2、メイン回路4、及び複数のサブ回路5のそれぞれから供給される各種の信号を中継し、対応する構成に伝搬するとともに、電源回路2、メイン回路4、及び複数のサブ回路5のそれぞれから入力される信号に応じて、対応する電源回路2、メイン回路4、及び複数のサブ回路5への各種信号の供給を制御する。
【0025】
図3に示すように、中継回路3は、制御回路30、記憶回路31、遅延分配回路32、電源出力制御回路35、及び切替回路36,37-1~37-nを有する。また、図3には、中継回路3において各種信号が伝搬する伝搬配線を簡易的に図示している。
【0026】
切替回路36は、電圧信号VDa,VDb,VDcのそれぞれを、メイン回路4に供給するか否かを切り替える。具体的には、切替回路36は、スイッチSWam,SWbm,SWcmを含む。スイッチSWamは、一端が配線Wvdaと電気的に接続し、他端が配線Wvamと電気的に接続している。そして、スイッチSWamにおける一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。スイッチSWbmは、一端が配線Wvdbと電気的に接続し、他端が開放状態となっている。そして、スイッチSWbmにおける一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。スイッチSWcmは、一端が配線Wvdcと電気的に接続し、他端が開放状態となっている。そして、スイッチSWcmにおける一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。
【0027】
以上のように構成された切替回路36は、スイッチSWamの導通状態が制御端に入力される信号によって切り替えられることで、配線Wvdaを伝搬する電圧信号VDaを配線Wvamに供給するか否かを切り替える。すなわち、切替回路36は、スイッチSWamが導通に制御されている場合、電圧信号VDaを電圧信号VDmrの内の電圧信号VDa-mとして、メイン回路4に出力し、スイッチSWamが非導通に制御されている場合、電圧信号VDaのメイン回路4への供給を停止する。換言すれば、切替回路36は、メイン回路4に供給される電圧信号VDaの伝搬経路に設けられ、電圧信号VDaをメイン回路4に供給するか否かを切り替える。なお、本実施形態では、スイッチSWbm,SWcmの他端は、いずれも開放状態であるとして説明を行うが、これに限るものではない。
【0028】
切替回路37-1~37-nは、複数のサブ回路5のそれぞれに対応して設けられている。
【0029】
切替回路37-1は、電圧信号VDa,VDb,VDcのそれぞれを、サブ回路5-1に供給するか否かを切り替える。具体的には、切替回路37-1は、スイッチSWa1,
SWb1,SWc1を含む。スイッチSWa1は、一端が配線Wvdaと電気的に接続し、他端が配線Wva1と電気的に接続している。そして、スイッチSWa1における一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。スイッチSWb1は、一端が配線Wvdbと電気的に接続し、他端が配線Wvb1と電気的に接続している。そして、スイッチSWb1における一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。スイッチSWc1は、一端が配線Wvdcと電気的に接続し、他端が配線Wvc1と電気的に接続している。そして、スイッチSWc1における一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。
【0030】
以上のように構成された切替回路37-1は、スイッチSWa1,SWb1,SWc1のそれぞれの導通状態が制御端に入力される信号によって切り替えられることで、配線Wvdaを伝搬する電圧信号VDaを配線Wva1に供給するか否か、配線Wvdbを伝搬する電圧信号VDbを配線Wvb1に供給するか否か、及び配線Wvdcを伝搬する電圧信号VDcを配線Wvc1に供給するか否かを切り替える。すなわち、切替回路37-1は、スイッチSWa1が導通に制御されている場合、電圧信号VDaを電圧信号VDsr1の内の電圧信号VDa-s1として、サブ回路5-1に出力し、スイッチSWa1が非導通に制御されている場合、電圧信号VDaのサブ回路5-1への供給を停止し、スイッチSWb1が導通に制御されている場合、電圧信号VDbを電圧信号VDsr1の内の電圧信号VDb-s1として、サブ回路5-1に出力し、スイッチSWb1が非導通に制御されている場合、電圧信号VDbのサブ回路5-1への供給を停止し、スイッチSWc1が導通に制御されている場合、電圧信号VDcを電圧信号VDsr1の内の電圧信号VDc-s1として、サブ回路5-1に出力し、スイッチSWc1が非導通に制御されている場合、電圧信号VDcのサブ回路5-1への供給を停止する。換言すれば、切替回路37-1は、サブ回路5-1に供給される電圧信号VDa,VDb,VDcの伝搬経路に設けられ、電圧信号VDprの内の電圧信号VDa,VDb,VDcの少なくとも1つをサブ回路5-1に供給するか否かを切り替える。
【0031】
同様に、切替回路37-i(iは1~nのいずれか)は、電圧信号VDa,VDb,VDcのそれぞれを、サブ回路5-iに供給するか否かを切り替える。具体的には、切替回路37-iは、スイッチSWai,SWbi,SWciを含む。スイッチSWaiは、一端が配線Wvdaと電気的に接続し、他端が配線Wvaiと電気的に接続している。そして、スイッチSWaiにおける一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。スイッチSWbiは、一端が配線Wvdbと電気的に接続し、他端が配線Wvbiと電気的に接続している。そして、スイッチSWbiにおける一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。スイッチSWciは、一端が配線Wvdcと電気的に接続し、他端が配線Wvciと電気的に接続している。そして、スイッチSWciにおける一端と他端との間の導通状態は、制御端に入力される信号によって制御される。
【0032】
以上のように構成された切替回路37-iは、スイッチSWai,SWbi,SWciのそれぞれの導通状態が制御端に入力される信号によって切り替えられることで、配線Wvdaを伝搬する電圧信号VDaを配線Wvaiに供給するか否か、配線Wvdbを伝搬する電圧信号VDbを配線Wvbiに供給するか否か、及び配線Wvdcを伝搬する電圧信号VDcを配線Wvciに供給するか否かを切り替える。すなわち、切替回路37-iは、スイッチSWaiが導通に制御されている場合、電圧信号VDaを電圧信号VDsriの内の電圧信号VDa-siとして、サブ回路5-iに出力し、スイッチSWaiが非導通に制御されている場合、電圧信号VDaのサブ回路5-iへの供給を停止し、スイッチSWbiが導通に制御されている場合、電圧信号VDbを電圧信号VDsriの内の電圧信号VDb-siとして、サブ回路5-iに出力し、スイッチSWbiが非導通に制御されている場合、電圧信号VDbのサブ回路5-iへの供給を停止し、スイッチSWci
が導通に制御されている場合、電圧信号VDcを電圧信号VDsriの内の電圧信号VDc-siとして、サブ回路5-iに出力し、スイッチSWciが非導通に制御されている場合、電圧信号VDcのサブ回路5-iへの供給を停止する。換言すれば、切替回路37-iは、サブ回路5-iに供給される電圧信号VDa,VDb,VDcの伝搬経路に設けられ、電圧信号VDprの内の電圧信号VDa,VDb,VDcの少なくとも1つをサブ回路5-iに供給するか否かを切り替える。
【0033】
遅延分配回路32は、遅延回路33と分配回路34とを含む。そして、遅延分配回路32は、入力される停電通知信号BOを所定の期間遅延させた後、分配することで、遮断処理指示信号BO-m,BO-s1~BO-siとして出力する。
【0034】
遅延回路33には、停電通知信号BOが配線Wboを介して入力される。遅延回路33は、入力される停電通知信号BOを所定期間、遅延させた後、遅延停電通知信号dBOとして出力する。このような遅延回路33は、入力される停電通知信号BOを一定期間保持し所定のタイミングで出力するラッチ回路やバッファー回路によって構成されてもよく、ローパスフィルター等のフィルター回路によって構成されてもよい。これにより、停電通知信号BOにノイズが重畳している場合であっても、遅延回路33が出力する遅延停電通知信号dBOに対する当該ノイズの影響を低減することができるとともに、分散制御装置1に入力され電圧信号VACに瞬時停電や短時間の電圧降下が生じた場合であっても、遅延回路33が出力する遅延停電通知信号dBOに対する当該瞬時停電や電圧降下の影響を低減することができる。その結果、停電通知信号BO、及び遅延停電通知信号dBOの信頼性を高めることができる。
【0035】
分配回路34は、遅延回路33が出力する遅延停電通知信号dBOを分配し、メイン回路4、及びサブ回路5-1~5-nに出力する。具体的には、遅延回路33が出力する遅延停電通知信号dBOは、配線Wbodを伝搬し、分配回路34に入力される。遅延停電通知信号dBOが伝搬する配線Wbodは、分配回路34において、配線Wbom、及び配線Wbo1~Wbonに分岐している。すなわち、配線Wbodを伝搬する遅延停電通知信号dBOは、分配回路34において、配線Wbom、及び配線Wbo1~Wbonのそれぞれで伝搬されるn+1個の信号に分配される。ここで、以下の説明において、遅延停電通知信号dBOの内、配線Wbomで伝搬される信号を遮断処理指示信号BO-mと称し、配線Wbo1で伝搬される信号を遮断処理指示信号BO-s1と称し、配線Wboiで伝搬される信号を遮断処理指示信号BO-siと称する場合がある。
【0036】
また、図3に示すように、遮断処理指示信号BO-mが伝搬する配線Wbomは、中継回路3で配線Wsbmに分岐している。分岐した配線Wsbmは、切替回路36が有するスイッチSWbm,SWcmの制御端と電気的に接続している。すなわち、切替回路36が有するスイッチSWbm,SWcmの導通状態は、遮断処理指示信号BO-mによって制御される。また、遮断処理指示信号BO-s1が伝搬する配線Wbo1は、中継回路3で配線Wsb1に分岐している。分岐した配線Wsb1は、切替回路37-1が有するスイッチSWb1,SWc1の制御端と電気的に接続している。すなわち、切替回路37-1が有するスイッチSWb1,SWc1の導通状態は、遮断処理指示信号BO-s1によって制御される。同様に、遮断処理指示信号BO-siが伝搬する配線Wboiは、中継回路3で配線Wsbiに分岐している。分岐した配線Wsbiは、切替回路37-iが有するスイッチSWbi,SWciの制御端と電気的に接続している。すなわち、切替回路37-iが有するスイッチSWbi,SWciの導通状態は、遮断処理指示信号BO-siによって制御される。
【0037】
また、中継回路3には、使用者が分散制御装置1の動作の停止を要求する停止要求信号UOFFが入力される。停止要求信号UOFFは、中継回路3において、配線Woffを
伝搬し、分配回路34に入力される。このとき、停止要求信号UOFFが伝搬する配線Woffは、分配回路34において、配線Wbodに対してオア接続される。これにより、停止要求信号UOFFは、配線Wbodを伝搬し、分配回路34において、配線Wbom、及び配線Wbo1~Wbonのそれぞれで伝搬されるn+1個の信号に分配される。その結果、使用者が分散制御装置1の動作の停止を要求する停止要求信号UOFFは、配線Wbomを伝搬しメイン回路4に入力されるとともに、配線Wbom,Wsbmを伝搬しスイッチSWbm,SWcmのそれぞれの制御端に入力され、また、配線Wbo1~Wbonのそれぞれを伝搬しサブ回路5-1~5-iのそれぞれに入力されるとともに、配線Wbo1~Wbonのそれぞれ、及び対する配線Wsb1~Wsbnを伝搬しスイッチSWb1~SWbn,SWc1~SWcnのそれぞれの制御端に入力される。これにより、切替回路36が有するスイッチSWbm,SWcmの導通状態、切替回路37-1~37-nが有するスイッチSWb1~SWbn,SWc1~SWcnのそれぞれの導通状態は、停止要求信号UOFFによっても制御される。
【0038】
すなわち、分配回路34は、入力される停止要求信号UOFFを分配し、遮断処理指示信号BO-mとしてメイン回路4に出力し、遮断処理指示信号BO-s1としてサブ回路5-1に出力し、遮断処理指示信号BO-siとしてサブ回路5-iに出力する。このとき、サブ回路5-1が有する後述する制御回路51に供給される停電通知信号BOに基づく遮断処理指示信号BO-s1が伝搬する伝搬経路と、サブ回路5-1が有する後述する制御回路51に供給される停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-s1が伝搬する伝搬経路とは、分配回路34の接続点cp1において電気的に接続している。これにより、停電通知信号BOに基づく遮断処理指示信号BO-s1と、停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-s1とは、接続点cp1とサブ回路5-1が有する後述する制御回路51との間において、共通の伝搬経路で伝搬される。
【0039】
制御回路30は、電源回路2、メイン回路4、及びサブ回路5-1~5-nのそれぞれから入力される信号に基づいて、中継回路3の各種構成の動作を制御するとともに、メイン回路4との間で相互に通信を行うことで、分散制御装置1における各種構成の相互間での協調を図る。
【0040】
具体的には、制御回路30には、通信信号CTmrとして、配線Wfemを伝搬する重度エラー信号FE-m、及び配線Wnemを伝搬する軽度エラー信号NE-mと、通信信号CTsr1~CTsrnのそれぞれとして、配線Wfe1~Wfenのそれぞれを伝搬する重度エラー信号FE-s1~FE-sn、及び配線Wne1~Wnenのそれぞれを伝搬する軽度エラー信号NE-s1~NE-snと、が入力される。そして、制御回路30は、入力される重度エラー信号FE-m,FE-s1~FE-sn、及び軽度エラー信号NE-m,NE-s1~NE-snのそれぞれに基づいて、メイン回路4、及びサブ回路5-1~5-nのそれぞれの動作が正常であるか否かを判断し、判断結果を保持する。
【0041】
このとき、重度エラー信号FE-mが伝搬する配線Wfemは、中継回路3において配線Wsamに分岐している。そして、分岐した配線Wsamは、切替回路36が有するスイッチSWamの制御端と電気的に接続している。すなわち、切替回路36が有するスイッチSWamの導通状態は、重度エラー信号FE-mによって制御される。換言すれば、切替回路36は、重度エラー信号FE-mが入力され、メイン回路4に電圧信号VDprとしての電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える。
【0042】
また、重度エラー信号FE-s1が伝搬する配線Wfe1は、中継回路3において配線Wsa1に分岐している。そして、分岐した配線Wsa1は、切替回路37-1が有するスイッチSWa1の制御端と電気的に接続している。すなわち、切替回路37-1が有するスイッチSWa1の導通状態は、重度エラー信号FE-s1によって制御される。換言
すれば、切替回路37-1は、重度エラー信号FE-s1が入力され、サブ回路5-1に電圧信号VDsr1としての電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える。
【0043】
同様に、重度エラー信号FE-siが伝搬する配線Wfeiは、中継回路3において配線Wsaiに分岐している。そして、分岐した配線Wsaiは、切替回路37-iが有するスイッチSWaiの制御端と電気的に接続している。すなわち、切替回路37-iが有するスイッチSWaiの導通状態は、重度エラー信号FE-siによって制御される。換言すれば、切替回路37-iは、重度エラー信号FE-siが入力され、サブ回路5-iに電圧信号VDsriとしての電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える。
【0044】
また、制御回路30には、通信信号CTmrとして、配線Wcmrを伝搬する制御情報信号CS-mrが入力されるとともに、制御回路30は、通信信号CTmrとして、配線Wcmrを伝搬する制御情報信号CS-mrを出力する。この制御情報信号CS-mrは、制御回路30をメイン回路4との間で相互通信を実現する信号として機能する。これにより、中継回路3とメイン回路4との相互間における各種情報の共有が可能となり、相互間における協調が図られる。
【0045】
また、制御回路30は、記憶回路31に対して、メモリー制御信号MC1を出力する。記憶回路31は、不揮発性メモリー、及び揮発性メモリーの少なくとも一方を含み、制御回路30が出力するメモリー制御信号MC1によって制御される。具体的には、制御回路30が記憶回路31に所定の情報の書き込みを制御するメモリー制御信号MC1を出力することで、記憶回路31には、入力されるメモリー制御信号MC1に応じた情報が記憶される。また、制御回路30が記憶回路31に保持されている所定の情報を読み出すためのメモリー制御信号MC1を出力することで、入力されるメモリー制御信号MC1に応じた情報が記憶回路31から読み出され、記憶回路31は、読み出した情報を含むメモリー制御信号MC1を制御回路30に出力する。これにより、制御回路30は、記憶回路31に記憶される情報を取得する。すなわち、制御回路30は、メモリー制御信号MC1を用いて、重度エラー信号FE-m,FE-s1~FE-sn、及び軽度エラー信号NE-m,NE-s1~NE-snのそれぞれに基づいて判断されたメイン回路4、及びサブ回路5-1~5-nのそれぞれの動作が正常であるか否かの判断結果を、記憶回路31に記憶するとともに、メモリー制御信号MC1を用いて、記憶回路31から当該判断結果を読み出し、制御情報信号CS-mrを用いてメイン回路4と共有する。
【0046】
また、制御回路30は、電源出力制御回路35に対して、電源出力制御信号POCを出力する。電源出力制御回路35は、入力される電源出力制御信号POCに応じた出力制御信号SSa,SSb,SScを出力する。これにより、第1電源生成回路21aからの電圧信号VDaの出力の有無、第2電源生成回路21bからの電圧信号VDbの出力の有無、及び第3電源生成回路21cからの電圧信号VDcの出力の有無が制御される。すなわち、制御回路30は、電源生成回路20からの電圧信号VDa,VDb,VDcの出力を制御する。
【0047】
また、制御回路30は、スリープ要求信号SLPを出力する。スリープ要求信号SLPは、配線Wslpを伝搬する。そして、配線Wslpは、中継回路3において、接続点cp2において配線Woffと電気的に接続する。このとき、配線Wslpは配線Woffに対してオア接続される。これにより、スリープ要求信号SLPは、配線Woff、及び配線Wbodを伝搬し、分配回路34において、配線Wbom、及び配線Wbo1~Wbonのそれぞれで伝搬されるn+1個の信号に分配される。その結果、スリープ要求信号SLPは、配線Wbomを伝搬しメイン回路4に入力されるとともに、配線Wbom,Wsbmを伝搬しスイッチSWbm,SWcmのそれぞれの制御端に入力され、さらに、配線Wbo1~Wbonのそれぞれを伝搬しサブ回路5-1~5-iのそれぞれに入力され
るとともに、配線Wbo1~Wbonのそれぞれ、及び対する配線Wsb1~Wsbnを伝搬しスイッチSWb1~SWbn,SWc1~SWcnのそれぞれの制御端に入力される。すなわち、切替回路36が有するスイッチSWbm,SWcmの導通状態、切替回路37-1~37-nが有するスイッチSWb1~SWbn,SWc1~SWcnのそれぞれの導通状態は、スリープ要求信号SLPによっても制御される。
【0048】
1.1.4 メイン回路及びサブ回路の機能構成
次に、メイン回路4、及びサブ回路5の具体的な機能構成について説明する。図4は、メイン回路4及びサブ回路5の具体的な機能構成の一例を示す図である。ここで、図4には、メイン回路4、及びサブ回路5において各種信号が伝搬する伝搬配線を簡易的に図示している。また、複数のサブ回路5の具体的な機能構成は同様であり、以下の説明では、1個のサブ回路5を代表して用いて具体的な機能構成を説明する。その際、サブ回路5には、電圧信号VDa-s1~VDa-snとしての電圧信号VDa-sと、電圧信号VDb-s1~VDb-snとしての電圧信号VDb-sと、電圧信号VDc-s1~VDc-snとしての電圧信号VDc-sと、遮断処理指示信号BO-s1~BO-snとしての遮断処理指示信号BO-sと、が入力され、サブ回路5は、重度エラー信号FE-s1~FE-snとしての重度エラー信号FE-sと、軽度エラー信号NE-s1~NE-snとしての軽度エラー信号NE-sと、を出力するとして説明を行う。
【0049】
図4に示すように、メイン回路4は、制御回路40、駆動電源回路41、記憶回路42、重度エラー検出回路43、及び軽度エラー検出回路44を有する。そして、メイン回路4は、中継回路3と電気的に接続されているとともに、サブ回路5-1~5-i、及び中継回路3を制御する。
【0050】
駆動電源回路41には、電圧信号VDa-mが入力される。駆動電源回路41は、入力される電圧信号VDa-mの電圧値をメイン回路4で使用される所望の電圧値の直流電圧である電圧信号VDD-mに変換し、制御回路40に出力する。このような駆動電源回路41としては、任意のDC/DCコンバータを使用することができる。また、駆動電源回路41は、入力される電圧信号VDa-mに基づいて、図1に示すユーザーインターフェース6の駆動源である電圧信号VDD-pを生成し、ユーザーインターフェース6に出力する。なお、ユーザーインターフェース6に入力される電圧信号VDD-pは、駆動電源回路41とは異なる任意のDC/DCコンバータで生成されてもよい。
【0051】
重度エラー検出回路43は、メイン回路4に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた重度エラー信号FE-mを生成し、出力する。重度エラー検出回路43が出力する重度エラー信号FE-mは、配線Wfmを伝搬し、中継回路3に入力される。すなわち、重度エラー検出回路43が出力する重度エラー信号FE-mは、メイン回路4の配線Wfm、及び中継回路3の配線Wfemを伝搬し、中継回路3の制御回路30に入力される。ここで、重度エラー検出回路43が検出する重度な異常としては、発生すると分散制御装置1の動作が不安定となり、それ故に、分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められる異常であって、例えば、電圧信号VDa-mの過電圧異常や、電圧信号VDa-mの伝搬に伴い生じる電流の過電流異常、メイン回路4の過剰な発熱異常等が挙げられる。
【0052】
軽度エラー検出回路44は、メイン回路4に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた軽度エラー信号NE-mを生成し、出力する。軽度エラー検出回路44が出力する軽度エラー信号NE-mは、配線Wnmを伝搬し、中継回路3に入力される。すなわち、軽度エラー検出回路44が出力する軽度エラー信号NE-mは、メイン回路4の配線Wnm、及び中継回路3の配線Wnemを伝搬し、中継回路3の制御回路30に入力される。ここで、軽度エラー検出回路44が検出する軽度な異常としては、発生しても分散
制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められない程度の異常であって、例えば、メイン回路4が有するセンサー等の検出素子が検出する検出値の異常や、メイン回路4の安全性を損なわない程度の発熱異常等が挙げられる。
【0053】
制御回路40は、駆動電源回路41が出力する電圧信号VDD-mを駆動源として動作する。そして、制御回路40は、分散制御装置1の外部から入力される不図示の駆動データに基づいて、中継回路3、サブ回路5-1~5-n、及びユーザーインターフェース6のそれぞれの動作を制御する。また、制御回路40は、中継回路3、サブ回路5-1~5-n、及びユーザーインターフェース6のそれぞれから入力される信号に基づいて、メイン回路4が有する各種構成の動作を制御するとともに、中継回路3、サブ回路5-1~5-n、及びユーザーインターフェース6のそれぞれとの間で相互に通信を行うことで、分散制御装置1における各種構成の相互間における協調を図る。すなわち、制御回路40は、サブ回路5が有する後述する制御回路51の動作を制御する。
【0054】
制御回路40には、遮断処理指示信号BO-m、通信信号CTmrとしての制御情報信号CS-mr、通信信号CTmpとしての制御情報信号CS-mp、及び通信信号CTmsとしての制御情報信号CS-msが入力される。
【0055】
制御情報信号CS-mrは、配線Wcmを伝搬し、制御回路40に入力される。すなわち、中継回路3の制御回路30が出力する制御情報信号CS-mrは、中継回路3の配線Wcmr、及びメイン回路4の配線Wcmを伝搬し、制御回路40に入力される。そして、メイン回路4の制御回路40と中継回路3の制御回路30とは、制御情報信号CS-mrを用いて相互通信を実行する。これにより、メイン回路4と中継回路3との協調が図られる。なお、制御情報信号CS-mrは、メイン回路4の制御回路40から中継回路3の制御回路30に送信される場合と、中継回路3の制御回路30からメイン回路4の制御回路40に送信される場合とで、共通の伝搬経路を伝搬してもよく、異なる伝搬経路を伝搬してもよい。すなわち、配線Wcm、及び配線Wcmrは1個の伝搬経路に限られるものではない。
【0056】
制御情報信号CS-mpは、配線Wcpを伝搬し、制御回路40に入力される。また、制御回路40は、制御情報信号CS-mpを出力する。制御回路40が出力する制御情報信号CS-mpは、ユーザーインターフェース6に入力される。すなわち、メイン回路4の制御回路40とユーザーインターフェース6とは、制御情報信号CS-mpを用いて相互通信を実行する。これにより、メイン回路4とユーザーインターフェース6との協調が図られる。なお、制御情報信号CS-mpは、メイン回路4の制御回路40からユーザーインターフェース6に送信される場合と、ユーザーインターフェース6からメイン回路4の制御回路40に送信される場合とで、共通の伝搬経路を伝搬してもよく、異なる伝搬経路を伝搬してもよい。すなわち、配線Wcpは1個の伝搬経路に限られるものではない。
【0057】
制御情報信号CS-msは、配線Wcsを伝搬し、制御回路40に入力される。また、制御回路40は、制御情報信号CS-msを出力する。制御回路40が出力する制御情報信号CS-msは、サブ回路5が有する後述する制御回路51に入力される。すなわち、メイン回路4の制御回路40とサブ回路5の制御回路51とは、制御情報信号CS-msを用いて相互通信を実行する。これにより、メイン回路4とサブ回路5との協調が図られる。ここで、本実施形態の分散制御装置1は、n個のサブ回路5を有する。それ故に、メイン回路4の制御回路40は、n個のサブ回路5のそれぞれに対応するn個の制御情報信号CS-msを出力し、メイン回路4とn個のサブ回路5とは、n個の配線Wcsによって電気的に接続されている。なお、制御情報信号CS-msは、メイン回路4の制御回路40からサブ回路5の制御回路51に送信される場合と、サブ回路5の制御回路51からメイン回路4の制御回路40に送信される場合とで、共通の伝搬経路を伝搬してもよく、
異なる伝搬経路を伝搬してもよい。すなわち、配線Wcsは1個の伝搬経路に限られるものではない。
【0058】
また、制御回路40には、配線Wbmを伝搬する遮断処理指示信号BO-mが入力される。すなわち、中継回路3の遅延分配回路32が出力する遮断処理指示信号BO-mは、中継回路3の配線Wbom、及びメイン回路4の配線Wbmを伝搬し、制御回路40に入力される。制御回路40は、入力される遮断処理指示信号BO-mに基づいて、分散制御装置1に供給される電圧信号VACの電圧値が正常であるか否かを判断する。そして、制御回路40は、遮断処理指示信号BO-mに基づいて分散制御装置1に供給される電圧信号VACの電圧値が正常でないと判断した場合、メイン回路4の動作を停止させる電源遮断の処理を実行する。ここで、電源遮断の処理としては、メイン回路4に含まれる駆動電源回路41、重度エラー検出回路43、及び軽度エラー検出回路44の動作を停止させる停止処理や、制御回路40が保持する動作情報を記憶回路42に記憶させる情報記憶処理等が含まれる。
【0059】
また、制御回路40は、記憶回路42に対して、メモリー制御信号MC2を出力する。記憶回路42は、不揮発性メモリー、及び揮発性メモリーの少なくとも一方を含み、制御回路40が出力するメモリー制御信号MC2によって制御される。具体的には、制御回路40が記憶回路42に所定の情報の書き込みを制御するメモリー制御信号MC2を出力することで、記憶回路42には、入力されるメモリー制御信号MC2に応じた情報が記憶される。また、制御回路40が記憶回路42に保持されている所定の情報の読み出すためのメモリー制御信号MC2を出力することで、記憶回路42は、入力されるメモリー制御信号MC2に応じた情報を読み出し、読み出した情報を含むメモリー制御信号MC2を制御回路40に出力する。これにより、制御回路40は、記憶回路42に記憶される情報を取得する。
【0060】
また、制御回路40は、ユーザーインターフェース6の操作により入力される使用者からの停止要求に応じて、停止要求信号UOFFを生成し、出力する。具体的には、使用者がユーザーインターフェース6を操作することにより分散制御装置1に動作の停止を要求した場合、ユーザーインターフェース6は、当該停止の要求を含む制御情報信号CS-mpを生成し、制御回路40に出力する。制御回路40は、入力される制御情報信号CS-mpに基づいて、分散制御装置1の動作の停止を要求する停止要求信号UOFFを出力する。そして、制御回路40が出力する停止要求信号UOFFは、配線Wofを伝搬し、中継回路3に入力される。
【0061】
また、制御回路40は、電源遮断の処理が完了した後、制御回路40を含むメイン回路4への電圧信号VDa-mの供給を停止させる供給停止信号SRmを出力する。制御回路40が出力する供給停止信号SRmは、配線Wsrmを伝搬する。このとき、供給停止信号SRmが伝搬する配線Wsrmは、接続点cp3において配線Wfmに対してオア接続される。すなわち、供給停止信号SRmと重度エラー信号FE-mとは、共に配線Wfmで伝搬される。
【0062】
サブ回路5は、制御モジュール50、及び駆動モジュール55-1,55-2を有する。また、制御モジュール50は、制御回路51、駆動電源回路52、及び記憶回路53a,53bを含む記憶回路53を有する。
【0063】
駆動電源回路52には、電圧信号VDa-sが入力される。駆動電源回路52は、入力される電圧信号VDa-sの電圧値を制御モジュール50で使用される所望の電圧値の直流電圧である電圧信号VDD-saに変換し、制御回路51に出力する。このような駆動電源回路52としては、任意のDC/DCコンバータを使用することができる。
【0064】
制御回路51には、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDa-sに基づいて生成された電圧信号VDD-saが供給される。そして、制御回路51は、供給される電圧信号VDD-saを駆動源に動作する。また、制御回路51には、メイン回路4の制御回路40が出力する制御情報信号CS-msが入力される。制御回路51は、入力される制御情報信号CS-msに基づいて、駆動モジュール55-1の動作を制御するための駆動制御信号CD1と、駆動モジュール55-2の動作を制御するための駆動制御信号CD2と、を生成し、出力する。
【0065】
また、制御回路51には、配線Wboを伝搬する遮断処理指示信号BO-sが入力される。すなわち、中継回路3の遅延分配回路32が出力する遮断処理指示信号BO-sは、中継回路3の配線Wbo1~Wbonのいずれか、及びサブ回路5の配線Wboを伝搬し、制御回路51に入力される。制御回路51は、入力される遮断処理指示信号BO-sに基づいて、分散制御装置1に供給される電圧信号VACの電圧値が正常であるか否かを判断する。そして、制御回路51は、遮断処理指示信号BO-sに基づいて分散制御装置1に供給される電圧信号VACの電圧値が正常でないと判断した場合、サブ回路5の動作を停止させる電源遮断の処理を実行する。ここで、制御回路51が実行する電源遮断の処理としては、サブ回路5に含まれる制御モジュール50、及び駆動モジュール55-1,55-2の動作を停止させる停止処理や、制御回路51が保持する動作情報を記憶回路53に記憶させる情報記憶処理等が含まれる。
【0066】
また、制御回路51は、記憶回路53に含まれる記憶回路53aに対して、メモリー制御信号MC3を出力する。記憶回路53aは、揮発性メモリーとして構成され、制御回路51が出力するメモリー制御信号MC3によって制御される。具体的には、制御回路51が記憶回路53aに所定の情報の書き込みを制御するメモリー制御信号MC3を出力することで、記憶回路53aには、入力されるメモリー制御信号MC3に応じた情報が記憶される。また、制御回路51が記憶回路53aに保持されている所定の情報を読み出すためのメモリー制御信号MC3を出力することで、記憶回路53aは、入力されるメモリー制御信号MC3に応じた情報を読み出し、読み出した情報を含むメモリー制御信号MC3を制御回路40に出力する。これにより、制御回路51は、記憶回路53aに記憶される情報を取得する。
【0067】
また、制御回路51は、記憶回路53に含まれる記憶回路53bに対して、メモリー制御信号MC4を出力する。記憶回路53bは、不揮発性メモリーとして構成され、制御回路51が出力するメモリー制御信号MC4によって制御される。具体的には、制御回路51が記憶回路53bに所定の情報の書き込みを制御するメモリー制御信号MC4を出力することで、記憶回路53bには、入力されるメモリー制御信号MC4に応じた情報が記憶される。また、制御回路51が記憶回路53bに保持されている所定の情報を読み出すためのメモリー制御信号MC4を出力することで、記憶回路53bは、入力されるメモリー制御信号MC4に応じた情報を読み出し、読み出した情報を含むメモリー制御信号MC4を制御回路51に出力する。これにより、制御回路51は、記憶回路53bに記憶される情報を取得する。
【0068】
また、制御回路51は、電源遮断の処理が完了した後、制御回路51を含む制御モジュール50への電圧信号VDa-sの供給を停止させる供給停止信号SRを出力する。制御回路51が出力する供給停止信号SRは、配線Wsrを伝搬する。また、配線Wsrは、後述する配線Wfsに対して接続点cp4でオア接続されている。これにより、制御回路51が出力する供給停止信号SRは、配線Wsr,Wfsを伝搬し、制御回路30に入力される。
【0069】
駆動モジュール55-1は、駆動電源回路56-1、駆動デバイス57-1、及びエラー検出回路58を有する。
【0070】
駆動電源回路56-1には、電圧信号VDb-sが入力される。そして、駆動電源回路56-1は、入力される電圧信号VDb-sの電圧値を駆動デバイス57-1で使用される所望の電圧値の直流電圧である電圧信号VDD1に変換し、駆動デバイス57-1に出力する。このような駆動電源回路56-1としては、任意のDC/DCコンバータを使用することができる。
【0071】
駆動デバイス57-1は、駆動電源回路56-1が出力する電圧信号VDD1を駆動源として、制御モジュール50の制御回路51が出力する駆動制御信号CD1の制御の基で動作する。すなわち、駆動デバイス57-1は、制御回路51によって制御される。
【0072】
エラー検出回路58-1は、重度エラー検出回路58a-1と、軽度エラー検出回路58b-1と、を含む。そして、エラー検出回路58-1は、駆動デバイス57-1に異常が生じたか否かを示すエラー信号として、重度エラー信号FE1、及び軽度エラー信号NE1を出力する。
【0073】
重度エラー検出回路58a-1は、駆動デバイス57-1を含む駆動モジュール55-1に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた重度エラー信号FE1を生成し、出力する。重度エラー検出回路58a-1が出力する重度エラー信号FE1は、配線Wf1を伝搬し、中継回路3に入力されるとともに、配線Wf1から分岐し、制御回路51にも入力される。制御回路51は、入力される重度エラー信号FE1に基づいて、駆動デバイス57-1を含む駆動モジュール55-1に重度な異常が生じたか否かを判断し、判断結果を保持する。ここで、重度エラー検出回路58a-1が検出する重度な異常とは、発生すると分散制御装置1の動作が不安定となり、分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められる異常であって、例えば、電圧信号VDb-sの過電圧異常や、電圧信号VDb-sの伝搬に伴い生じる電流の過電流異常、駆動モジュール55-1の過剰な発熱異常等が挙げられる。
【0074】
軽度エラー検出回路58b-1は、駆動デバイス57-1を含む駆動モジュール55-1に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた軽度エラー信号NE1を生成し、出力する。軽度エラー検出回路58b-1が出力する軽度エラー信号NE1は、配線Wn1を伝搬し、中継回路3に入力されるとともに、配線Wn1から分岐し、制御回路51にも入力される。制御回路51は、入力される軽度エラー信号NE1に基づいて、駆動デバイス57-1を含む駆動モジュール55-1に軽度な異常が生じたか否かを判断し、判断結果を保持する。ここで、軽度エラー検出回路58b-1が検出する軽度な異常とは、発生しても分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められない程度の異常であって、例えば、駆動デバイス57-1が有するセンサー等の検出素子が検出する検出値の異常や、駆動モジュール55-1の安全性を損なわない程度の発熱異常等が挙げられる。
【0075】
すなわち、サブ回路5の駆動モジュール55-1は、駆動デバイス57-1に異常が生じたか否かを示すエラー情報を含むエラー信号を出力するエラー検出回路58-1を有し、エラー検出回路58-1は、駆動デバイス57-1に軽度な異常である軽度エラーが生じたか否かを示す軽度エラー信号NE1を出力する軽度エラー検出回路58b-1と、駆動デバイス57-1に軽度エラーよりも重度な異常である重度エラーが生じたか否かを示す重度エラー信号FE1を出力する重度エラー検出回路58a-1と、を含む。すなわち、エラー検出回路58-1が出力する駆動デバイス57-1に異常が生じたか否かを示すエラー情報には、駆動デバイス57-1に軽度な異常である軽度エラーが生じたか否かを示す情報と、駆動デバイス57-1に軽度エラーよりも重度な異常である重度エラーが生
じたか否かを示す情報と、が含まれ、エラー検出回路58-1が出力する駆動デバイス57-1に異常が生じたか否かを示すエラー信号には、駆動デバイス57-1に軽度な異常である軽度エラーが生じたことを示す情報を含む軽度エラー信号NE1と、駆動デバイス57-1に重度な異常である重度エラーが生じたことを示す情報を含む重度エラー信号FE1と、が含まれる。
【0076】
駆動モジュール55-2は、駆動電源回路56-2、駆動デバイス57-2、及びエラー検出回路58-2を有する。
【0077】
駆動電源回路56-2には、電圧信号VDc-sが入力される。そして、駆動電源回路56-2は、入力される電圧信号VDc-sの電圧値を駆動デバイス57-2で使用される所望の電圧値の直流電圧である電圧信号VDD2に変換し、駆動デバイス57-2に出力する。このような駆動電源回路56-2としては、任意のDC/DCコンバータを使用することができる。
【0078】
駆動デバイス57-2は、駆動電源回路56-2が出力する電圧信号VDD2を駆動源として、制御モジュール50の制御回路51が出力する駆動制御信号CD2の制御の基で動作する。すなわち、駆動デバイス57-2は、制御回路51によって制御される。
【0079】
エラー検出回路58-2は、重度エラー検出回路58a-2と、軽度エラー検出回路58b-2と、を含む。そして、エラー検出回路58-2は、駆動デバイス57-2に異常が生じたか否かを示すエラー信号として、重度エラー信号FE2、及び軽度エラー信号NE2を出力する。
【0080】
重度エラー検出回路58a-2は、駆動デバイス57-2を含む駆動モジュール55-2に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた重度エラー信号FE2を生成し、出力する。重度エラー検出回路58a-2が出力する重度エラー信号FE2は、配線Wf2を伝搬し、中継回路3に入力されるとともに、配線Wf2から分岐し、制御回路51にも入力される。制御回路51は、入力される重度エラー信号FE2に基づいて、駆動デバイス57-2を含む駆動モジュール55-2に重度な異常が生じたか否かを判断し、判断結果を保持する。ここで、重度エラー検出回路58a-2が検出する重度な異常とは、発生すると分散制御装置1の動作が不安定となり、分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められる異常であって、例えば、電圧信号VDc-sの過電圧異常や、電圧信号VDc-sの伝搬に伴い生じる電流の過電流異常、駆動モジュール55-2の過剰な発熱異常等が挙げられる。
【0081】
軽度エラー検出回路58b-2は、駆動デバイス57-2を含む駆動モジュール55-2に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた軽度エラー信号NE2を生成し、出力する。軽度エラー検出回路58b-2が出力する軽度エラー信号NE2は、配線Wn2を伝搬し、中継回路3に入力されるとともに、配線Wn2から分岐し、制御回路51にも入力される。制御回路51は、入力される軽度エラー信号NE2に基づいて、駆動デバイス57-2を含む駆動モジュール55-2に軽度な異常が生じたか否かを判断し、判断結果を保持する。ここで、軽度エラー検出回路58b-2が検出する軽度な異常とは、発生しても分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められない程度の異常であって、例えば、駆動デバイス57-2が有するセンサー等の検出素子が検出する検出値の異常や、駆動モジュール55-2の安全性を損なわない程度の発熱異常等が挙げられる。
【0082】
以上のように、サブ回路5の駆動モジュール55-2は、駆動デバイス57-2に異常が生じたか否かを示すエラー情報を含むエラー信号を出力するエラー検出回路58-2を有し、エラー検出回路58-2は、駆動デバイス57-2に軽度な異常である軽度エラー
が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE2を出力する軽度エラー検出回路58b-2と、駆動デバイス57-2に軽度エラーよりも重度な異常である重度エラーが生じたか否かを示す重度エラー信号FE2を出力する重度エラー検出回路58a-2と、を含む。すなわち、エラー検出回路58-2が出力する駆動デバイス57-2に異常が生じたか否かを示すエラー情報には、駆動デバイス57-2に軽度な異常である軽度エラーが生じたか否かを示す情報と、駆動デバイス57-2に軽度エラーよりも重度な異常である重度エラーが生じたか否かを示す情報と、が含まれ、エラー検出回路58-2が出力する駆動デバイス57-2に異常が生じたか否かを示すエラー信号には、駆動デバイス57-2に軽度な異常である軽度エラーが生じたことを示す情報を含む軽度エラー信号NE2と、駆動デバイス57-2に重度な異常である重度エラーが生じたことを示す情報を含む重度エラー信号FE2と、が含まれる。
【0083】
ここで、駆動モジュール55-1の重度エラー検出回路58a-1が出力する重度エラー信号FE1が伝搬する配線Wf1と、駆動モジュール55-2の重度エラー検出回路58a-2が出力する重度エラー信号FE2が伝搬する配線Wf2とは、接続点cp5においてオア接続された後、共通の配線Wfsとして中継回路3と電気的に接続される。このとき、サブ回路5は、駆動モジュール55-1の重度エラー検出回路58a-1が出力する重度エラー信号FE1の論理レベルと、駆動モジュール55-2の重度エラー検出回路58a-2が出力する重度エラー信号FE2の論理レベルとの論理和に応じた信号を重度エラー信号FE-sとして中継回路3に出力する。すなわち、複数のサブ回路5は、それぞれが、重度エラー信号FE1と重度エラー信号FE2との論理和から、対応する重度エラー信号FE-s1~FE-snを生成する。そして、複数のサブ回路5で生成された重度エラー信号FE-s1~FE-snは、それぞれが対応するサブ回路5の配線Wfsと、中継回路3の対応する配線Wfe1~Wfenとを伝搬し、制御回路30に入力される。
【0084】
すなわち、重度エラー信号FE1は、配線Wf1,Wfsと、配線Wfe1~Wfenのいずれかと、を伝搬し制御回路30に入力され、重度エラー信号FE2は、配線Wf2,Wfsと、配線Wfe1~Wfenのいずれかと、を伝搬し制御回路30に入力される。このとき、Wfsと、配線Wfe1~Wfenのいずれかには、重度エラー信号FE1と重度エラー信号FE2との論理和の重度エラー信号FE-sが伝搬する。換言すれば、重度エラー信号FE1が伝搬する伝搬経路と、重度エラー信号FE2が伝搬する伝搬経路と、は接続点cp5において電気的に接続し、重度エラー信号FE1と重度エラー信号FE2とは、接続点cp5と制御回路30との間において共通の伝搬経路を伝搬する。
【0085】
このとき、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE-sが伝搬する配線Wf1,Wfs,Wfe1の内、配線Wfe1は、中継回路3において分岐した配線Wsa1によってスイッチSWa1の制御端と電気的に接続している。すなわち、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE2が伝搬する伝搬経路の一部である配線Wf2は、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE1が伝搬する伝搬経路に沿って、配線Wsa1よりも重度エラー検出回路58a-1の近くであって、接続点cp5において、配線Wf1,Wfs,Wfe1と電気的に接続している。
【0086】
また、前述のとおり、制御回路51が出力する供給停止信号SRは、接続点cp4において配線Wfsと電気的に接続している。すなわち、供給停止信号SRは、配線Wsr,Wfsと、配線Wfe1~Wfenのいずれかと、を伝搬し制御回路30に入力される。換言すれば、供給停止信号SRが伝搬する伝搬経路と、重度エラー信号FE1が伝搬する伝搬経路と、は接続点cp4において電気的に接続し、重度エラー信号FE1と供給停止信号SRとは、接続点cp4と制御回路30との間において共通の伝搬経路を伝搬する。
【0087】
また、駆動モジュール55-1の軽度エラー検出回路58b-1が出力する軽度エラー信号NE1が伝搬する配線Wn1と、駆動モジュール55-2の軽度エラー検出回路58b-2が出力する軽度エラー信号NE2が伝搬する配線Wn2とは、接続点cp6においてオア接続された後、共通の配線Wnsとして中継回路3と電気的に接続される。このとき、サブ回路5は、駆動モジュール55-1の軽度エラー検出回路58b-1が出力する軽度エラー信号NE1の論理レベルと、駆動モジュール55-2の軽度エラー検出回路58b-2が出力する軽度エラー信号NE2の論理レベルとの論理和に応じた信号を軽度エラー信号NE-sとして中継回路3に出力する。すなわち、複数のサブ回路5は、それぞれが、軽度エラー信号NE1と軽度エラー信号NE2との論理和から、対応する軽度エラー信号NE-s1~NE-snを生成する。そして、複数のサブ回路5で生成された軽度エラー信号NE-s1~NE-snは、それぞれが対応するサブ回路5の配線Wnsと、中継回路3の対応する配線Wne1~Wnenとを伝搬し、制御回路30に入力される。
【0088】
すなわち、軽度エラー信号NE1は、配線Wn1,Wnsと、配線Wne1~Wnenのいずれかと、を伝搬し制御回路30に入力され、軽度エラー信号NE2は、配線Wn2,Wnsと、配線Wne1~Wnenのいずれかと、を伝搬し制御回路30に入力される。このとき、Wnsと、配線Wne1~Wnenのいずれかには、軽度エラー信号NE1と軽度エラー信号NE2との論理和の軽度エラー信号NE-sが伝搬する。換言すれば、軽度エラー信号NE1が伝搬する伝搬経路と、軽度エラー信号NE2が伝搬する伝搬経路と、は接続点cp6において電気的に接続し、軽度エラー信号NE1と軽度エラー信号NE2とは、接続点cp6と制御回路30との間において共通の伝搬経路を伝搬する。
【0089】
このとき、軽度エラー信号NE1が伝搬する伝搬経路、及び軽度エラー信号NE2が伝搬する伝搬経路は、重度エラー信号FE1が伝搬する伝搬経路、及び重度エラー信号FE2が伝搬する伝搬経路とは、電気的に接続されていない。すなわち、軽度エラー信号NE1,NE2は、重度エラー信号FE1,FE2が伝搬する伝搬経路とは異なる伝搬経路を伝搬し、制御回路30に入力される。
【0090】
そして、制御回路30には、サブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE1、及び軽度エラー信号NE2に応じた軽度エラー信号NE-s1、及び重度エラー信号FE1、及び重度エラー信号FE2に応じた重度エラー信号FE-s1が入力され、制御回路30は、サブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE1の論理レベル、及び軽度エラー信号NE2の論理レベルに応じた軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、及び重度エラー信号FE1の論理レベル、及び重度エラー信号FE2の論理レベルに応じた重度エラー信号FE-s1の論理レベル、を保持する。
【0091】
また、同様に制御回路30には、サブ回路5-2~5-nのそれぞれが出力する軽度エラー信号NE1、及び軽度エラー信号NE2に応じた軽度エラー信号NE-s2~NE-sn、及び重度エラー信号FE1、及び重度エラー信号FE2に応じた重度エラー信号FE-s2~FE-snが入力され、制御回路30は、サブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE1の論理レベル、及び軽度エラー信号NE2の論理レベルに応じた軽度エラー信号NE-s2~NE-snの論理レベル、及び重度エラー信号FE1の論理レベル、及び重度エラー信号FE2の論理レベルに応じた重度エラー信号FE-s2~FE-snの論理レベル、を保持する。
【0092】
1.1.5 記憶回路31が有する記憶領域の構成
ここで、制御回路30が保持する軽度エラー信号NE-s1~NE-snの論理レベル、及び重度エラー信号FE-s1~FE-snの論理レベルが記憶される記憶領域の具体例について説明する。
【0093】
図5は、軽度エラー信号NE-s1~NE-snの論理レベル、及び重度エラー信号FE-s1~FE-snの論理レベルが記憶される記憶回路31の構成の一例を示す図である。図5に示すように、記憶回路31は、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに軽度な異常が生じたか否かが記憶される軽度異常情報記憶領域Mg-neと、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに重度な異常が生じたか否かが記憶される重度異常情報記憶領域Mg-feと、を有する。
【0094】
軽度異常情報記憶領域Mg-neは、記憶領域Mne1~Mnenを含む。記憶領域Mne1~Mnenのそれぞれには、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに軽度な異常が生じたか否かを示す情報として、制御回路30に入力される軽度エラー信号NE-s1~NE-snのそれぞれの論理レベルが記憶される。具体的には、制御回路30は、サブ回路5-1から入力される軽度エラー信号NE-s1の論理レベルを異常情報nes1として保持し、保持する軽度エラー信号NE-s1の論理レベルに応じた“1”又は“0”の情報を記憶領域Mne1に記憶する。また、制御回路30は、サブ回路5-iから入力される軽度エラー信号NE-siの論理レベルを異常情報nesiとして保持し、保持する軽度エラー信号NE-siの論理レベルに応じた“1”又は“0”の情報を記憶領域Mneiに記憶する。
【0095】
同様に、重度異常情報記憶領域Mg-feは、記憶領域Mfe1~Mfenを含む。記憶領域Mfe1~Mfenのそれぞれには、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに重度な異常が生じたか否かを示す情報として、制御回路30に入力される重度エラー信号FE-s1~FE-snのそれぞれの論理レベルが記憶される。具体的には、制御回路30は、サブ回路5-1から入力される重度エラー信号FE-s1の論理レベルを異常情報fes1として保持し、保持する重度エラー信号FE-s1の論理レベルに応じた“1”又は“0”の情報を記憶領域Mfe1に記憶する。また、制御回路30は、サブ回路5-iから入力される重度エラー信号FE-siの論理レベルを異常情報fesiとして保持し、保持する重度エラー信号FE-siの論理レベルに応じた“1”又は“0”の情報を記憶領域Mfeiに記憶する。
【0096】
すなわち、中継回路3の記憶回路31は、記憶領域Mne1、及び記憶領域Mne1と異なる記憶領域Mfe1を含み、軽度エラー信号NE-s1の論理レベルは記憶領域Mne1に記憶され、重度エラー信号FE-s1の論理レベルは記憶領域Mfe1に記憶される。また、記憶回路31は、記憶領域Mnei、及び記憶領域Mneiと異なる記憶領域Mfeiを含み、軽度エラー信号NE-siの論理レベルは記憶領域Mneiに記憶され、重度エラー信号FE-siの論理レベルは記憶領域Mfeiに記憶される。
【0097】
ここで、以下の説明において、軽度異常情報記憶領域Mg-neの記憶領域Mne1~Mnenには、Hレベルの軽度エラー信号NE-siに対応して“1”の情報が記憶され、Lレベルの軽度エラー信号NE-siに対応して“0”の情報が記憶されるとして説明を行う。同様に、重度異常情報記憶領域Mg-feの記憶領域Mfe1~Mfenには、Hレベルの重度エラー信号FE-siに対応して“1”の情報が記憶され、Lレベルの重度エラー信号FE-siに対応して“0”の情報が記憶されるとして説明を行う。
【0098】
1.2 分散制御装置の動作
ここで、本実施形態の分散制御装置1のように、1つの装置を複数の制御単位に分割し、分割した複数の制御単位のそれぞれが独立して動作するととともに、分割した複数の制御単位の内の上位の制御単位が、各制御単位の相互間の協調を図ることで動作する所謂分散制御を実行する装置においては、当該装置の大型化等に起因して、装置全体の処理負荷が増加した場合であっても、特定の構成に処理負担が集中するおそれを低減することができ、これにより、当該装置が動作している期間における処理時間に遅延が生じるおそれが
低減し、その結果、分散制御を実行する装置の動作の安定性が低下するおそれが低減する。
【0099】
一方で、分散制御を実行する装置が動作を停止する停止処理を実行する場合にあっては、上位の制御単位が個々の制御単位のそれぞれに対して、個別に電源遮断の処理の実行を指示するとともに、上位の制御単位は、個々の制御単位毎の電源遮断の処理の実行状況を個別に取得するが故に、当該停止処理の実行に要する処理時間が長くなるとの問題があった。
【0100】
また、分散制御が実行される装置に入力される商用交流電圧の電圧値が遮断され、若しくは低下することにより、当該装置の動作が停止する場合、商用交流電圧が遮断されているが故に、装置に蓄えられた残留電荷を用いて停止処理を行う必要があり、少ない消費電力で、且つ短時間で停止処理を完了することが求められる。さらに、分散制御が実行される装置に異常が生じ、動作を停止させる場合にあっては、異常の状態によっては、分散制御装置1の動作が不安定になるおそれがあり、短時間で停止処理を完了することが求められる。
【0101】
係る課題に対して、本実施形態の分散制御装置1では、上述した構成を備えるとともに、特徴的な手順によって分散制御装置1の停止処理を実行することで、分散制御装置1の停止処理の実行に要する時間を短縮し、さらに、分散制御装置1に供給される商用交流電圧の電圧値が遮断され、若しくは低下した場合や、分散制御装置1に異常が生じた場合であっても、動作が不安定になるおそれを低減する。
【0102】
ここで、以下の説明における分散制御装置1で用いられる各種信号の論理レベルと、分散制御装置1の動作との関係について説明する。本実施形態の分散制御装置1では、停電通知信号BOは、入力される電圧信号VACの電圧値が所定の閾値以上の場合にHレベルとなり、入力される電圧信号VACの電圧値が所定の閾値よりも低い場合にLレベルになるとして説明を行う。また、重度エラー信号FE-m,FE-s1~FE-sn,FE1,FE2は、重度な異常を検出した場合にHレベルとなり、重度な異常が検出されない場合にLレベルとなり、軽度エラー信号NE-m,NE-s1~NE-sn,NE1,NE2は、軽度な異常を検出した場合にHレベルとなり、軽度な異常が検出されない場合にLレベルになるとして説明を行う。また、停止要求信号UOFFは、使用者からの停止要求が生じていない場合にHレベルとなり、使用者からの停止要求が生じることでLレベルとなるとして説明を行う。また、供給停止信号SRm,SRは、対応する構成への電圧信号VDaの供給を停止しない場合にLレベルとなり、対応する構成への電圧信号VDaの供給を停止する場合にHレベルとなるとして説明を行う。また、第1電源生成回路21a、第2電源生成回路21b、及び第3電源生成回路21cのそれぞれは、対応して入力される出力制御信号SSa,SSb,SScのそれぞれがLレベルの場合に、対応する電圧信号VDa,VDb,VDcの出力が可能となり、対応して入力される出力制御信号SSa,SSb,SScのそれぞれがHレベルの場合に、対応する電圧信号VDa,VDb,VDcの出力を停止するとして説明を行う。また、切替回路36,37-1~37-nのそれぞれに含まれるスイッチSWam,SWa1~SWanのそれぞれは、制御端にLレベルの信号が入力されている場合、一端と他端との間が導通となり、制御端にHレベルの信号が入力されている場合、一端と他端との間が非導通となり、切替回路36,37-1~37-nのそれぞれに含まれるスイッチSWbm,SWb1~SWbn,SWcm,SWc1~SWcnのそれぞれは、制御端にHレベルの信号が入力されている場合、一端と他端との間が導通となり、制御端にLレベルの信号が入力されている場合、一端と他端との間が非導通となるとして説明を行う。なお、分散制御装置1における各信号の論理レベルと、当該信号の論理レベルに伴う各種回路の動作との関係は一例であり、これに限るものではない。
【0103】
1.2.1 使用者の要求による停止処理
まず、使用者の要求による分散制御装置1の停止処理の一例について説明する。図6は、使用者の要求により実行される分散制御装置1の停止処理の一例を示す図である。図6に示すように、時刻t1以前において、分散制御装置1は、正常に動作している。そして、時刻t1において、使用者による電圧信号VDprの遮断の要求がユーザーインターフェース6に入力されると、ユーザーインターフェース6は、遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpを制御回路40に出力する。制御回路40は、入力される制御情報信号CS-mpに含まれる遮断要求情報Srqを解析する。そして、当該解析の結果に基づいて、制御回路40が使用者は電圧信号VDprの遮断を要求していると判断した後の時刻t2において、制御回路40は、分散制御装置1の動作を停止させるために、Lレベルの停止要求信号UOFFを出力する。制御回路40が出力するLレベルの停止要求信号UOFFは、配線Wof,Woffを伝搬し、分配回路34に入力される。分配回路34は、入力されるLレベルの停止要求信号UOFFを、配線Wbom,Wbo1~Wbonに分配し、遮断処理指示信号BO-m,BO-s1~BO-snとして出力する。すなわち、分配回路34から、Lレベルへの遮断処理指示信号BO-m,BO-s1~BO-snが出力される。
【0104】
分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-mは、配線Wbom及び配線Wbmを伝搬し、制御回路40に入力される。これにより、制御回路40は、電圧信号VDprの遮断要求が生じていると判断する。また、分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-mは、配線Wbomから分岐した配線Wsbmを伝搬し、スイッチSWbm,SWcmの制御端に入力される。その結果、スイッチSWbm,SWcmの一端と他端との間が非導通に制御される。
【0105】
また、分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-s1は、配線Wbo1及びサブ回路5-1の配線Wboを伝搬し、サブ回路5-1の制御回路51に入力されるとともに、配線Wbo1から分岐した配線Wsb1を伝搬し、スイッチSWb1,SWc1の制御端に入力される。
【0106】
スイッチSWb1,SWc1は、制御端にLレベルへの遮断処理指示信号BO-s1が入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-1への電圧信号VDb-s1,VDc-s1の供給が停止する。
【0107】
サブ回路5-1の制御回路51は、Lレベルへの遮断処理指示信号BO-s1が入力されることで電源遮断の処理を実行する。具体的には、サブ回路5-1の制御回路51は、揮発性メモリーである記憶回路53aに保持される情報を読み出すためのメモリー制御信号MC3を出力し、記憶回路53aに保持される情報を取得する。その後、サブ回路5-1の制御回路51は、記憶回路53aから取得した情報を不揮発性メモリーである記憶回路53bに記憶させるためのメモリー制御信号MC4を出力する。これにより、サブ回路5-1の動作状態が、不揮発性メモリーである記憶回路53bに記憶される。
【0108】
サブ回路5-1の制御回路51は、電源遮断の処理が完了した時刻t3aにおいて、サブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止させるためのHレベルの供給停止信号SRを出力する。サブ回路5-1の制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRは、配線Wsrを伝搬し、配線Wfsに供給される。すなわち、サブ回路5-1の制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRは、Hレベルの重度エラー信号FE-s1としてサブ回路5-1から出力される。Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルの重度エラー信号FE-s1は、サブ回路5-1の配線Wfs、及び配線Wfe1を伝搬し、制御回路30に入力されるとともに、配線Wfe1から分岐した配線
Wsa1を伝搬し、スイッチSWa1の制御端に入力される。
【0109】
制御回路30は、Hレベルの重度エラー信号FE-s1が入力されることで、サブ回路5-1における電源遮断の処理が完了したと判断し、入力されるHレベルの重度エラー信号FE-s1を保持する。また、スイッチSWa1は、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-s1が入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-1への電圧信号VDa-s1の供給が停止する。
【0110】
同様に、分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-siは、配線Wboi及びサブ回路5-iの配線Wboを伝搬し、サブ回路5-iの制御回路51に入力されるとともに、配線Wboiから分岐した配線Wsbiを伝搬し、スイッチSWbi,SWciの制御端に入力される。
【0111】
スイッチSWbi,SWciは、制御端にLレベルへの遮断処理指示信号BO-siが入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-iへの電圧信号VDb-si,VDc-siの供給が停止する。
【0112】
サブ回路5-iの制御回路51は、Lレベルへの遮断処理指示信号BO-siが入力されることで電源遮断の処理を実行する。これにより、サブ回路5-1と同様に、サブ回路5-iの動作状態が、不揮発性メモリーであるサブ回路5-iが有する記憶回路53bに記憶される。
【0113】
そして、サブ回路5-iの制御回路51は、電源遮断の処理が完了した時刻t3bにおいて、サブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止させるためのHレベルの供給停止信号SRを出力する。サブ回路5-iの制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRは、Hレベルの重度エラー信号FE-siとしてサブ回路5-iから出力される。Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルの重度エラー信号FE-siは、サブ回路5-iの配線Wfs、及び配線Wfeiを伝搬し、制御回路30に入力されるとともに、配線Wfeiから分岐した配線Wsaiを伝搬し、スイッチSWaiの制御端に入力される。
【0114】
制御回路30は、Hレベルの重度エラー信号FE-siが入力されることで、サブ回路5-iにおける電源遮断の処理が完了したと判断し、入力されるHレベルの重度エラー信号FE-siを保持する。また、スイッチSWaiは、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-siが入力されることで、一端と端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-iへの電圧信号VDa-siの供給が停止する。
【0115】
以上のように、制御回路30は、サブ回路5-1~5-nのそれぞれが出力する重度エラー信号FE-s1~FE-snを取得し保持する。そして、制御回路30は、保持する重度エラー信号FE-s1~FE-snのすべての論理レベルがHレベルとなった時刻t4において、サブ回路5-1~5-nの全ての電源遮断の処理が完了したと判断し、サブ回路5-1~5-nの全ての電源遮断の処理が完了したことを示す遮断完了情報Brcを含む制御情報信号CS-mrを制御回路40に出力する。
【0116】
制御回路40は、遮断完了情報Brcを含む制御情報信号CS-mrの入力が完了した時刻t5において、メイン回路4の電源遮断の処理を実行する。具体的には、制御回路40は、記憶回路42の内の揮発性メモリーの領域に保持される情報を読み出すためのメモリー制御信号MC2を出力することで、当該揮発性メモリーに保持される情報を取得し、その後、揮発性メモリーから取得した情報を、記憶回路42の内の不揮発性メモリーに記憶させるためのメモリー制御信号MC2を出力する。これにより、メイン回路4の動作状
態が、不揮発性メモリーに記憶される。
【0117】
そして、制御回路40は、電源遮断の処理が完了した時刻t6において、第1電源生成回路21a、第2電源生成回路21b、及び第3電源生成回路21cのそれぞれからの電圧信号VDa,VDb,VDcの出力を停止させるための停止要求情報Ps-allを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路30に出力する。
【0118】
また、制御回路40は、停止要求情報Ps-allを含む制御情報信号CS-mrの出力が完了した後の時刻t7において、制御回路40への電圧信号VDa-mの供給を停止させるためのHレベルの供給停止信号SRmを出力する。制御回路40が出力するHレベルの供給停止信号SRmは、配線Wsrmを伝搬し、配線Wfmに供給される。すなわち、制御回路40が出力するHレベルの供給停止信号SRmは、Hレベルの重度エラー信号FE-mとしてメイン回路4から出力される。Hレベルの供給停止信号SRmに基づくHレベルの重度エラー信号FE-mは、メイン回路4の配線Wfm、及び配線Wfemを伝搬し、制御回路30に入力されるとともに、配線Wfemから分岐した配線Wsamを伝搬し、スイッチSWamの制御端に入力される。スイッチSWa1は、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-mが入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、メイン回路4への電圧信号VDa-mの供給が停止する。
【0119】
また、時刻t7において、制御回路30には、停止要求情報Ps-allを含む制御情報信号CS-mrが入力される。制御回路30は、入力される制御情報信号CS-mrに含まれる停止要求情報Ps-allに基づいて、出力制御信号SSa,SSb,SScの論理レベルを全てHレベルに制御するための電源制御情報Poiを含む電源出力制御信号POCを生成し、電源出力制御回路35に出力する。
【0120】
電源出力制御回路35は、電源制御情報Poiを含む電源出力制御信号POCの入力が完了した時刻t8において、入力される電源出力制御信号POCに含まれる電源制御情報Poiを解析し、解析結果に基づいて、Hレベルの出力制御信号SSa、Hレベルの出力制御信号SSb、及びHレベルの出力制御信号SScを出力する。その結果、第1電源生成回路21aからの電圧信号VDaの出力、第2電源生成回路21bからの電圧信号VDbの出力、及び第3電源生成回路21cからの電圧信号VDcの出力が停止する。これにより、分散制御装置1の停止処理が完了する。
【0121】
以上のように、本実施形態の分散制御装置1では、メイン回路4の制御回路40に、使用者が電圧信号VDa,VDb,VDcを含む電圧信号VDprの遮断を要求する遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpが入力されると、制御回路40は、遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpに応じた停止要求信号UOFFを出力する。制御回路40が出力する停止要求信号UOFFは、遮断処理指示信号BO-s1として、サブ回路5-1の制御回路51に入力される。サブ回路5-1の制御回路51は、入力される停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-s1に応じて、電源遮断の処理を実行し、電源遮断の処理が完了した後、Hレベルの供給停止信号SRを出力する。そして、切替回路37-1であって、切替回路37-1に含まれるスイッチSWa1は、Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルへの重度エラー信号FE-s1に応じて、サブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止する。すなわち、使用者が電圧信号VDa,VDb,VDcを含む電圧信号VDprの供給の停止を要求する停止要求信号UOFFが、中継回路3に入力されると、中継回路3は、停電通知信号BOの論理レベルに依らず、遮断処理指示信号BO-s1をサブ回路5-1に出力し、遮断処理指示信号BO-siをサブ回路5-iに出力する。
【0122】
すなわち、本実施形態の分散制御装置1においてサブ回路5-1は、制御回路40が出
力する遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpに応じた停止要求信号UOFFに基づいて、電源遮断の処理を実行するとともに、電源遮断の処理が完了した後、サブ回路5-1がサブ回路5-1への電源の供給を遮断する。換言すれば、サブ回路5は、メイン回路4の介在なしに停止処理の1つである電源遮断の処理を完了させる。これにより、サブ回路5は、メイン回路4からの指示を待つことなく停止処理の1つである電源遮断の処理を完了させることができる。その結果、分散制御装置1の停止処理に要する時間を短くすることができる。
【0123】
さらに、本実施形態の分散制御装置1では、分散制御装置1がサブ回路5-iを有し、サブ回路5-iの制御回路51には、停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-siが入力される。そして、サブ回路5-iの制御回路51は、入力される停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-siに応じて、電源遮断の処理を実行し、電源遮断の処理が完了した後、Hレベルの供給停止信号SRを出力する。そして、切替回路37-iであって、切替回路37-iに含まれるスイッチSWaiは、サブ回路5-iの制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルへの重度エラー信号FE-siに応じて、サブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止する。
【0124】
ここで、切替回路37-1に含まれるスイッチSWa1は、サブ回路5-1の制御回路51が出力する供給停止信号SRの論理レベルに応じて、サブ回路5-1の制御回路51に電圧信号VDa-s1を供給するか否かを制御し、切替回路37-iに含まれるスイッチSWaiは、サブ回路5-iの制御回路51が出力する供給停止信号SRの論理レベルに応じて、サブ回路5-iの制御回路51に電圧信号VDa-siを供給するか否かを制御する。すなわち、サブ回路5-1の制御回路51が出力する供給停止信号SRの論理レベルは、切替回路37-1であって、切替回路37-1に含まれるスイッチSWa1がサブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止したか否かの情報に対応し、サブ回路5-iの制御回路51が出力する供給停止信号SRの論理レベルは、切替回路37-iであって、切替回路37-iに含まれるスイッチSWaiがサブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止したか否かの情報に対応する。
【0125】
そして、中継回路3の制御回路30は、切替回路37-1に含まれるスイッチSWa1がサブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止したか否かの情報であるサブ回路5-1の制御回路51が出力する供給停止信号SRに応じた重度エラー信号FE-s1の論理レベルと、切替回路37-iに含まれるスイッチSWaiがサブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止したか否かの情報であるサブ回路5-iの制御回路51が出力する供給停止信号SRに応じた重度エラー信号FE-siの論理レベルと、を保持し、メイン回路4の制御回路40は、中継回路3の制御回路30が保持する重度エラー信号FE-s1の論理レベルと、重度エラー信号FE-siの論理レベルと、を含む重度エラー信号FE-s1~FE-snの論理レベルであって、例えば、記憶回路31に記憶される重度異常情報記憶領域Mg-feに記憶されている異常情報fes1~fesnを取得する。これにより、制御回路40は、取得した重度異常情報記憶領域Mg-feに記憶されている異常情報fes1~fesnに基づいて、電源遮断の処理が完了したサブ回路5を特定することができる。
【0126】
以上のように、分散制御装置1が複数のサブ回路5を有する場合であっても、複数のサブ回路5のそれぞれがメイン回路4からの指示を待つことなく停止処理の1つである電源遮断の処理を完了させることができる。これにより、分散制御装置1の停止処理に要する時間を短くすることができる。また、複数のサブ回路5のそれぞれにおける停止処理の1つである電源遮断の処理が完了したか否かの情報が、中継回路3の制御回路30に保持されることで、メイン回路4は、中継回路3の制御回路30が保持する情報を取得するのみ
で、複数のサブ回路5の電源遮断の処理の状況を確認することができる。これにより、メイン回路4は、複数のサブ回路5に対して、電源遮断の処理の状況を個別に確認する必要がなく、その結果、分散制御装置1の停止処理に要する時間をさらに短くすることができる。
【0127】
1.2.2 停電検出による停止処理
次に、供給される電圧信号VACの電圧値が低下した場合における分散制御装置1の停止処理の一例について説明する。図7は、停電検出時における分散制御装置1の停止処理の一例を示す図である。図7に示すように、時刻t11以前において、分散制御装置1は、正常に動作している。そして、時刻t11において、分散制御装置1に入力される商用交流電源である電圧信号VACの供給が停止する。そして、電圧信号VACの供給が停止した後、所定の期間、電圧信号VACの電圧値が所定の閾値を下回った時刻t12において、停電検出回路22は、分散制御装置1に入力される電圧信号VACが異常であると判断し、Lレベルの停電通知信号BOを出力する。停電検出回路22が出力する停電通知信号BOは、遅延分配回路32に入力される。遅延分配回路32は、入力されるLレベルの停電通知信号BOを所定の期間遅延させた後、配線Wbom,Wbo1~Wbonに分配し、時刻t13において、Lレベルの遮断処理指示信号BO-m,BO-s1~BO-snとして出力する。
【0128】
遅延分配回路32が出力するLレベルへの遮断処理指示信号BO-mは、配線Wbom及び配線Wbmを伝搬し、制御回路40に入力される。これにより、制御回路40は、電圧信号VDprの遮断要求が生じていると判断する。また、分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-mは、配線Wbomから分岐した配線Wsbmを伝搬し、スイッチSWbm,SWcmの制御端に入力される。その結果、スイッチSWbm,SWcmの一端と他端との間が非導通に制御される。
【0129】
制御回路40は、遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpが入力されていない期間に、Lレベルへの遮断処理指示信号BO-mが入力されることで、分散制御装置1に入力される電圧信号VACの電圧値に異常が生じたと判断し、電源遮断の処理を実行する。具体的には、制御回路40は、記憶回路42の内の揮発性メモリーの領域に保持される情報を読み出すためのメモリー制御信号MC2を出力することで、当該揮発性メモリーに保持される情報を取得し、その後、揮発性メモリーから取得した情報を、記憶回路42の内の不揮発性メモリーに記憶させるためのメモリー制御信号MC2を出力する。これにより、メイン回路4の動作状態が、不揮発性メモリーに記憶される。
【0130】
また、分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-s1は、配線Wbo1及びサブ回路5-1の配線Wboを伝搬し、サブ回路5-1の制御回路51に入力されるとともに、配線Wbo1から分岐した配線Wsb1を伝搬し、スイッチSWb1,SWc1の制御端に入力される。
【0131】
スイッチSWb1,SWc1は、制御端にLレベルへの遮断処理指示信号BO-s1が入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-1への電圧信号VDb-s1,VDc-s1の供給が停止する。
【0132】
サブ回路5-1の制御回路51は、Lレベルへの遮断処理指示信号BO-s1が入力されることで電源遮断の処理を実行する。具体的には、サブ回路5-1の制御回路51は、揮発性メモリーである記憶回路53aに保持される情報を読み出すためのメモリー制御信号MC3を出力し、記憶回路53aに保持される情報を取得する。その後、サブ回路5-1の制御回路51は、記憶回路53aから取得した情報を不揮発性メモリーである記憶回路53bに記憶させるためのメモリー制御信号MC4を出力する。これにより、サブ回路
5-1の動作状態が、不揮発性メモリーである記憶回路53bに記憶される。
【0133】
そして、サブ回路5-1の制御回路51は、電源遮断の処理が完了した時刻t14aにおいて、サブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止させるためのHレベルの供給停止信号SRを出力する。サブ回路5-1の制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRは、配線Wsrを伝搬し、配線Wfsに供給される。すなわち、サブ回路5-1の制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRは、Hレベルの重度エラー信号FE-s1としてサブ回路5-1から出力される。Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルの重度エラー信号FE-s1は、サブ回路5-1の配線Wfs、及び配線Wfe1を伝搬し、制御回路30に入力されるとともに、配線Wfe1から分岐した配線Wsa1を伝搬し、スイッチSWa1の制御端に入力される。
【0134】
制御回路30は、Hレベルの重度エラー信号FE-s1が入力されることで、サブ回路5-1における電源遮断の処理が完了したと判断し、入力されるHレベルの重度エラー信号FE-s1を保持する。また、スイッチSWa1は、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-s1が入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-1への電圧信号VDa-s1の供給が停止する。
【0135】
同様に、分配回路34から出力されるLレベルへの遮断処理指示信号BO-siは、配線Wboi及びサブ回路5-iの配線Wboを伝搬し、サブ回路5-iの制御回路51に入力されるとともに、配線Wboiから分岐した配線Wsbiを伝搬し、スイッチSWbi,SWciの制御端に入力される。
【0136】
スイッチSWbi,SWciは、制御端にLレベルへの遮断処理指示信号BO-siが入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-iへの電圧信号VDb-si,VDc-siの供給が停止する。
【0137】
サブ回路5-iの制御回路51は、Lレベルへの遮断処理指示信号BO-siが入力されることで電源遮断の処理を実行する。これにより、サブ回路5-iの動作状態が、不揮発性メモリーであるサブ回路5-iが有する記憶回路53bに記憶される。
【0138】
そして、サブ回路5-iの制御回路51は、電源遮断の処理が完了した時刻t14bにおいて、サブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止させるためのHレベルの供給停止信号SRを出力する。サブ回路5-iの制御回路51が出力するHレベルの供給停止信号SRは、Hレベルの重度エラー信号FE-siとしてサブ回路5-iから出力される。Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルの重度エラー信号FE-siは、サブ回路5-iの配線Wfs、及び配線Wfeiを伝搬し、制御回路30に入力されるとともに、配線Wfeiから分岐した配線Wsaiを伝搬し、スイッチSWaiの制御端に入力される。
【0139】
制御回路30は、Hレベルの重度エラー信号FE-siが入力されることで、サブ回路5-iにおける電源遮断の処理が完了したと判断し、入力されるHレベルの重度エラー信号FE-siを保持する。また、スイッチSWaiは、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-siが入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、サブ回路5-iへの電圧信号VDa-siの供給が停止する。
【0140】
以上のように、制御回路30は、サブ回路5-1~5-nのそれぞれが出力する重度エラー信号FE-s1~FE-snを取得し保持する。そして、制御回路30は、保持する重度エラー信号FE-s1~FE-snのすべての論理レベルがHレベルとなった時刻t15において、サブ回路5-1~5-nの全ての電源遮断の処理が完了したと判断し、サ
ブ回路5-1~5-nの全ての電源遮断の処理が完了したことを示す遮断完了情報Brcを含む制御情報信号CS-mrを制御回路40に出力する。
【0141】
制御回路40は、サブ回路5-1~5-nの全ての電源遮断の処理が完了したことを示す遮断完了情報Brcを含む制御情報信号CS-mrが入力された時刻t16において、制御回路40への電圧信号VDa-mの供給を停止させるためのHレベルの供給停止信号SRmを出力する。制御回路40が出力するHレベルの供給停止信号SRmは、配線Wsrmを伝搬し、配線Wfmに供給される。すなわち、制御回路40が出力するHレベルの供給停止信号SRmは、Hレベルの重度エラー信号FE-mとしてメイン回路4から出力される。Hレベルの供給停止信号SRmに基づくHレベルの重度エラー信号FE-mは、メイン回路4の配線Wfm、及び配線Wfemを伝搬し、制御回路30に入力されるとともに、配線Wfemから分岐した配線Wsamを伝搬し、スイッチSWamの制御端に入力される。スイッチSWa1は、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-mが入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。その結果、メイン回路4への電圧信号VDa-mの供給が停止する。これにより、電圧信号VACの電圧値に異常が生じた際の分散制御装置1の停止処理が完了する。
【0142】
以上のように、本実施形態の分散制御装置1では、分散制御装置1に入力される商用交流電源である電圧信号VACの電圧値が所定の閾値を下回った場合、中継回路3は、停電検出回路22が出力する停電通知信号BOに応じて、メイン回路4に電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-mを出力し、サブ回路5-1に電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-s1を出力し、サブ回路5-iに電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-siを出力する。すなわち、メイン回路4、及びサブ回路5-1~5-nは、並行して電源遮断の処理を実行する。これにより、分散制御装置1に入力される商用交流電源である電圧信号VACの電圧値が所定の閾値を下回った場合であっても、分散制御装置1の停止処理に要する時間を短くすることができる。
【0143】
さらに、本実施形態の分散制御装置1では、分散制御装置1に入力される商用交流電源である電圧信号VACの電圧値が所定の閾値を下回った場合において、中継回路3は、停電検出回路22が出力する停電通知信号BOに応じて、サブ回路5-1に電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-s1を出力するとともに、切替回路37-1に含まれるスイッチSWb1,SWc1を非導通に制御することで、サブ回路5-1が有する制御回路51の駆動源である電圧信号VDa-s1とは異なる電圧信号VDb-s1,VDc-s1のサブ回路5-1への供給を停止し、サブ回路5-iに電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-siを出力するとともに、切替回路37-iに含まれるスイッチSWbi,SWciを非導通に制御することで、サブ回路5-iが有する制御回路51の駆動源である電圧信号VDa-siとは異なる電圧信号VDb-si,VDc-siのサブ回路5-1への供給を停止する。これにより、サブ回路5-1,5-iが電源遮断の処理をする際の消費電力が低減し、その結果、分散制御装置1に蓄えられた残留電荷の消費量を低減することができる。したがって、電源遮断の処理中に、分散制御装置1の動作が停止するおそれが低減される。
【0144】
1.2.3 異常発生時における分散制御装置の動作
次に、分散制御装置1に異常が生じたことによる分散制御装置1の動作の一例について説明する。本実施形態の分散制御装置1では、分散制御装置1に生じ得る異常が発生した場合であっても分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められない程度の軽度な異常と、発生することで分散制御装置1の動作が不安定となるが故に、分散制御装置1への電源電圧の供給の遮断が求められる重度な異常と、の2つの異常に分類して検出する。そして、分散制御装置1は、生じた異常が軽度な異常であるのか重度な異常であるのかに応じて、異なる処理を実行する。これにより、異常が生じた場合に分散制御装置1の動作を
継続するか否かを適切に判断することが可能となり、不用意な分散制御装置1の動作の停止によって、分散制御装置1で生成される生成物の生産性が低下するおそれが低減されるとともに、分散制御装置1に生じた異常による影響を低減することができる。なお、以下の説明では、分散制御装置1に生じる異常を軽度な異常と重度な異常との2種類に分類して異常を検出する場合を例示して説明を行うが、軽度な異常は、さらにいくつかの異常に細分化されてもよく、同様に、重度な異常は、さらにいくつかの異常に細分化されてもよい。
【0145】
まず、分散制御装置1に軽度な異常が生じた場合の分散制御装置1の動作について、説明する。図8は、分散制御装置1に軽度な異常が生じた場合の分散制御装置1の動作の一例を示す図である。
【0146】
図8に示すように、分散制御装置1は、時刻t21以前において正常に動作している。そして、時刻t21において、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じると、サブ回路5-1が有する軽度エラー検出回路58b-1は、駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたことを示すHレベルの軽度エラー信号NE1を出力する。軽度エラー検出回路58b-1が出力するHレベルの軽度エラー信号NE1は、配線Wn1,Wns,Wne1を伝搬し、Hレベルの軽度エラー信号NE-s1として制御回路30に入力される。また、軽度エラー検出回路58b-1が出力するHレベルの軽度エラー信号NE1は、配線Wn1において分岐し、制御回路51にも入力される。
【0147】
サブ回路5-1が有する制御回路51は、Hレベルの軽度エラー信号NE1が入力されると、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたと判断する。そして、サブ回路5-1が有する制御回路51は、異常情報ne1として、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたことを示す“1”の情報を記憶回路53bに記憶する為のメモリー制御信号MC4を生成し、記憶回路53bに出力する。すなわち、サブ回路5-1に軽度な異常が生じた場合、サブ回路5-1は、軽度な異常の詳細情報を保持する。これにより、駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne1=“1”が記憶回路53bに記憶される。すなわち、サブ回路5-1が有する制御回路51は、駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かを示す異常情報ne1として、駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne1=“1”を取得し、保持する。
【0148】
制御回路30は、Hレベルの軽度エラー信号NE-s1が入力されると、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたと判断し、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報nes1=“1”を記憶回路31に記憶する為のメモリー制御信号MC1を生成し、記憶回路31に出力する。これにより、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報nes1=“1”が記憶回路31に記憶される。すなわち、制御回路30には、軽度エラー信号NE1に応じた軽度エラー信号NE-s1が入力され、制御回路30は、軽度エラー信号NE-s1に含まれる軽度エラー信号NE1の論理レベルに応じた情報を保持し、その後、制御回路30は、保持する軽度エラー信号NE-s1に含まれる軽度エラー信号NE1の論理レベルに応じた情報を記憶回路31に記憶する。
【0149】
また、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne1=“1”が記憶回路53bに記憶され、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報nes1=“1”が記憶回路31に記憶された後の時刻t22において、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1とは異なる駆動デバイス57-2にも軽度な異常が生じた場合、サブ回路5-1が有する軽度エラー検出回路58b-2は、Hレベルの軽度エラー信号NE2を出力する。軽度エラー検出回路58b-2が出力するHレベルの軽度エラー信号NE2は、配線Wn2,Wns,Wne1を伝搬し、Hレベルの軽
度エラー信号NE-s1として制御回路30に入力される。また、軽度エラー検出回路58b-2が出力するHレベルの軽度エラー信号NE2は、配線Wn2において分岐し、制御回路51にも入力される。
【0150】
サブ回路5-1が有する制御回路51は、Hレベルの軽度エラー信号NE2が入力されると、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたと判断する。そして、サブ回路5-1が有する制御回路51は、異常情報ne2として、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたことを示す“1”の情報を記憶回路53bに記憶する為のメモリー制御信号MC4を生成し、記憶回路53bに出力する。これにより、駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne2=“1”が記憶回路53bに記憶される。すなわち、サブ回路5-1が有する制御回路51は、駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたか否かを示す異常情報ne2として、駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne2=“1”を取得し、保持する。
【0151】
このとき、配線Wn1と配線Wn2とが接続点cp6においてオア接続されている。それ故に、制御回路30には、Hレベルの軽度エラー信号NE1と、Hレベルの軽度エラー信号NE2と、に基づくHレベルの軽度エラー信号NE-s1が入力される。すなわち、時刻t22の前後において、制御回路30には、Hレベルの軽度エラー信号NE-s1が継続して入力されている。そのため、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じた後、サブ回路5-1の駆動デバイス57-2にも軽度な異常が生じた場合、制御回路30は、異常情報nes1を更新せず、記憶回路31に新たな異常情報nes1は記憶されない。
【0152】
すなわち、本実施形態の分散制御装置1において、サブ回路5-1が有する制御回路51は、サブ回路5-1に含まれる駆動デバイス57-1,57-2のそれぞれに軽度な異常が生じたか否かを示す異常情報ne1,ne2を記憶回路53bに記憶し、中継回路3が有する制御回路30は、駆動デバイス57-1,57-2を含むサブ回路5-1に軽度な異常が生じたか否かを示す異常情報nes1を記憶回路31に記憶する。換言すれば、サブ回路5-1が有する記憶回路53bには、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1,57-2のそれぞれに対して、軽度な異常が生じたか否かの詳細情報が個別に記憶され、中継回路3が有する記憶回路31には、サブ回路5-1が有する構成のいずれかにおいて軽度な異常が生じたか否かの情報が記憶される。
【0153】
また、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1,57-2の少なくとも一方に軽度異常が生じた後の時刻t23において、サブ回路5-1とは異なるサブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に、軽度な異常が生じた場合、サブ回路5-1の場合と同様に、サブ回路5-iが有する記憶回路53bには、サブ回路5-iの駆動デバイス57-1,57-2のそれぞれに対応して、軽度な異常が生じたか否かを示す詳細情報が記憶される。サブ回路5-iに軽度な異常が生じた場合、サブ回路5-iは、軽度な異常の詳細情報を保持する。また、サブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に、軽度な異常が生じた場合、サブ回路5-iは、サブ回路5-1の場合と同様に、サブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に軽度な異常が生じたことを示すHレベルの軽度エラー信号NE-siを出力する。
【0154】
制御回路30は、Hレベルの軽度エラー信号NE-siが入力されると、サブ回路5-1に加えて、サブ回路5-iにも軽度な異常が生じたと判断する。そして、制御回路30は、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたことを示す異常情報nesi=“1”を記憶回路31に記憶する為のメモリー制御信号MC1を生成し、記憶回路31に出力する。これ
により、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報nes1=“1”に加えて、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたことを示す異常情報nesi=“1”が記憶回路31に記憶される。
【0155】
記憶回路31にサブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報nes1=“1”と、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたことを示す異常情報nesi=“1”と、が記憶された後の時刻t24において、制御回路40は、サブ回路5-1~5-nに軽度な異常が生じたか否かの情報を記憶回路31から取得するための軽度異常情報取得要求Rq-neを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路30に出力する。
【0156】
制御回路30は、軽度異常情報取得要求Rq-neを含む制御情報信号CS-mrの入力が完了した後の時刻t25において、入力される制御情報信号CS-mrに含まれる軽度異常情報取得要求Rq-neに応じて、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに軽度な異常が生じたか否かの異常情報nes1~nesiを含む軽度異常情報群G-neを読み出す為のメモリー制御信号MC1を生成し、記憶回路31に出力する。記憶回路31は、入力されるメモリー制御信号MC1に応じて、軽度異常情報記憶領域Mg-neから異常情報nes1~nesiを軽度異常情報群G-neとして読出し、軽度異常情報群G-neを含むメモリー制御信号MC1を制御回路30に出力する。これにより、制御回路30は、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに軽度な異常が生じたか否かの情報であって、サブ回路5-1,5-iに軽度な異常が生じたことを示す異常情報nes1=“1”、及び異常情報nesi=“1”を含む軽度異常情報群G-neを取得する。そして、制御回路30が記憶回路31から軽度異常情報群G-neを取得した後の時刻t26において、制御回路30は、取得した軽度異常情報群G-neを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路40に出力する。
【0157】
制御回路40に軽度異常情報群G-neを含む制御情報信号CS-mrが入力された後の時刻t27において、制御回路40は、入力される制御情報信号CS-mrに含まれる軽度異常情報群G-neを解析し、サブ回路5-1~5-nの内、軽度な異常が生じたサブ回路5を特定する。具体的には、制御回路40は、入力される軽度異常情報群G-neに含まれる異常情報nes1~nesnの内、“1”を含む異常情報nes1~nesnを抽出することで、軽度な異常が生じたサブ回路5を特定する。すなわち、本実施形態の分散制御装置1では、異常情報nes1及び異常情報nesiに対応するサブ回路5-1とサブ回路5-iとに軽度な異常が生じたと特定される。
【0158】
その後、制御回路40は、軽度な異常が生じたサブ回路5-1,5-iから、軽度な異常の詳細情報を取得する。具体的には、制御回路40は、まず、サブ回路5-1から軽度な異常の詳細情報を取得するために、詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-ms1を生成し、サブ回路5-1の制御回路51に出力する。
【0159】
サブ回路5-1の制御回路51に、詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-ms1が入力された後の時刻t28において、サブ回路5-1の制御回路51は、記憶回路53bから、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かの情報、及びサブ回路5-1の駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたか否かの情報を読み出す為のメモリー制御信号MC4を生成し、記憶回路53bに出力する。これにより、制御回路51は、記憶回路53bに記憶されている駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne1=“1”と、駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたことを示す異常情報ne2=“1”と、を取得する。そして、制御回路51が異常情報ne1=“1”、及び異常情報ne2=“1”を取得した後の時刻t29において、取得した異常情報ne1=“1”及び異常情報ne2=“1”の情報を含む制御情報信号CS-ms1を生成し、制御回路40に出力する。これにより、制御回路40は、サブ
回路5-1に生じた軽度な異常の詳細情報として、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かの情報、及びサブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたか否かの情報を取得する。
【0160】
また、サブ回路5-1の制御回路51が、異常情報ne1=“1”、及び異常情報ne2=“1”を含む制御情報信号CS-ms1を制御回路40に出力し、制御回路40に、異常情報ne1=“1”及び異常情報ne2=“1”の情報を含む制御情報信号CS-ms1が入力された後の時刻t30以降において、制御回路40は、軽度な異常が生じたと特定された他のサブ回路5から、軽度な異常の詳細情報を取得する。具体的には、時刻t27において特定した軽度な異常が生じたサブ回路5のそれぞれに対して詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-msを生成し、対応するサブ回路5に出力する。これにより、対応するサブ回路5に含まれる制御回路51は、それぞれが記憶回路53bから駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かの情報、及び駆動デバイス57-2に軽度な異常が生じたか否かの情報を取得し、取得した情報を含む制御情報信号CS-msを生成し、制御回路40に出力する。これにより、制御回路40は、分散制御装置1が備えるサブ回路5-1~5-nに生じた軽度な異常の詳細な情報を取得する。
【0161】
すなわち、メイン回路4が有する制御回路40は、制御回路30が保持するサブ回路5-1~5-nに軽度な異常が生じたか否かの情報を取得し、取得したサブ回路5-1~5-nに軽度な異常が生じたか否かの情報に、サブ回路5-1~5-nのそれぞれが有する駆動デバイス57-1及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に軽度な異常が生じたことを示す情報が含まれている場合、対応するサブ回路5の制御回路51が保持する異常情報ne1,ne2を取得する。換言すれば、メイン回路4は、中継回路3から取得したサブ回路5-1に軽度な異常が生じたか否かの情報に、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示す情報が含まれている場合、サブ回路5-1に保持されている詳細情報を取得する詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-msを出力する。
【0162】
以上のように、本実施形態の分散制御装置1では、サブ回路5-1~5-nのそれぞれにおいて、軽度な異常が生じたか否かを中継回路3の制御回路30で保持するとともに、記憶回路31に記憶する。メイン回路4の制御回路40は、任意のタイミングで、分散制御装置1に軽度な異常が生じたか否かの情報を、中継回路3の制御回路30、又は記憶回路31から取得する。そして、制御回路40は、取得した分散制御装置1に軽度な異常が生じたか否かの情報に基づいて、軽度な異常が生じたサブ回路5を特定し、軽度な異常が生じたサブ回路5からのみ、当該軽度な異常の詳細情報を取得する。
【0163】
このような分散制御装置1では、サブ回路5-1~5-nのそれぞれが、任意のタイミングで軽度な異常が生じたか否かを検出することで、サブ回路5-1~5-nのそれぞれにおいて軽度な異常が生じたか否かをリアルタイムに取得することができる。これにより、サブ回路5-1~5-nのそれぞれにおいて軽度な異常が生じたか否かの検出精度が向上する。
【0164】
また、メイン回路4は、任意のタイミングで、中継回路3に記憶されているサブ回路5-1~5-nのそれぞれにおいて軽度な異常が生じたか否かの情報を取得することで、軽度な異常が生じたサブ回路5を特定し、特定したサブ回路5からのみ、軽度な異常の詳細情報を取得する。これにより、制御回路40は、軽度な異常が生じていないサブ回路5に対して、軽度な異常の詳細情報の取得要求を出力する必要がなく、短時間で軽度な異常の詳細情報を取得することができる。
【0165】
次に、分散制御装置1に重度な異常が生じた場合の分散制御装置1の動作について、説明する。図9は、分散制御装置1に重度な異常が生じた場合の分散制御装置1の動作の一
例を示す図である。
【0166】
図9に示すように、分散制御装置1は、時刻t31以前において正常に動作している。そして、時刻t31において、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じると、サブ回路5-1が有する重度エラー検出回路58a-1は、駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE1を出力する。重度エラー検出回路58a-1が出力するHレベルの重度エラー信号FE1は、配線Wf1,Wfs,Wfe1を伝搬し、Hレベルの重度エラー信号FE-s1として制御回路30に入力されるとともに、配線Wfe1から分岐した配線Wsa1を伝搬し、スイッチSWa1の制御端に入力される。また、重度エラー検出回路58a-1が出力するHレベルの重度エラー信号FE1は、配線Wf1において分岐し、制御回路51にも入力される。
【0167】
サブ回路5-1が有する制御回路51は、Hレベルの重度エラー信号FE1が入力されると、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたと判断する。そして、サブ回路5-1が有する制御回路51は、異常情報fe1として、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示す“1”の情報を記憶回路53bに記憶する為のメモリー制御信号MC4を生成し、記憶回路53bに出力する。これにより、駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fe1=“1”が記憶回路53bに記憶される。サブ回路5-1に重度な異常が生じた場合、サブ回路5-1は、重度な異常の詳細情報を保持する。
【0168】
また、図示を省略するが、時刻t31において、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に重度な異常が生じると、サブ回路5-1が有する重度エラー検出回路58a-2は、駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE2を出力する。重度エラー検出回路58a-2が出力するHレベルの重度エラー信号FE2は、配線Wf2,Wfs,Wfe1を伝搬し、Hレベルの重度エラー信号FE-s1として制御回路30に入力されるとともに、配線Wfe1から分岐した配線Wsa1を伝搬し、スイッチSWa1の制御端に入力される。また、重度エラー検出回路58a-2が出力するHレベルの重度エラー信号FE2は、配線Wf2において分岐し、制御回路51にも入力される。
【0169】
サブ回路5-1が有する制御回路51は、Hレベルの重度エラー信号FE2が入力されると、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたと判断する。そして、サブ回路5-1が有する制御回路51は、異常情報fe2として、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたことを示す“1”の情報を記憶回路53bに記憶する為のメモリー制御信号MC4を生成し、記憶回路53bに出力する。これにより、駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたことを示す異常情報fe2=“1”が記憶回路53bに記憶される。サブ回路5-1に重度な異常が生じた場合、サブ回路5-1は、重度な異常の詳細情報を保持する。
【0170】
すなわち、サブ回路5-1が有する制御回路51は、駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かを示す異常情報fe1として、駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fe1=“1”を取得し、保持し、また、駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたか否かを示す異常情報fe2として、駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたことを示す異常情報fe2=“1”を取得し、保持する。
【0171】
制御回路30は、Hレベルの重度エラー信号FE-s1が入力されると、サブ回路5-1に重度な異常が生じたと判断し、サブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fes1=“1”を記憶回路31に記憶する為のメモリー制御信号MC1を生成し、記憶回路31に出力する。これにより、サブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示す
異常情報fes1が記憶回路31に記憶される。すなわち、制御回路30には、重度エラー信号FE1,FE2に応じた重度エラー信号FE-s1が入力され、制御回路30は、重度エラー信号FE-s1に含まれる重度エラー信号FE1,FE2の論理レベルに応じた情報を保持し、その後、制御回路30は、保持する重度エラー信号FE-s1に含まれる重度エラー信号FE1,FE2の論理レベルに応じた情報を記憶回路31に記憶する。
【0172】
また、スイッチSWa1は、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-s1が入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。これにより、サブ回路5-1への電圧信号VDa-s1の供給が停止する。そして、電圧信号VDa-s1の電圧値がサブ回路5-1の駆動可能な電圧値であって、例えば、サブ回路5-1が有する制御回路51の電源電圧の電圧値を下回った時刻t32において、サブ回路5-1は動作を停止する。すなわち、切替回路37-1は、重度エラー信号FE-s1に含まれる重度エラー信号FE1の論理レベル、及び重度エラー信号FE2の論理レベルに応じて、サブ回路5-1が有する制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止する。
【0173】
また、サブ回路5-1が動作を停止した後の時刻t33において、サブ回路5-1とは異なるサブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に、重度な異常が生じると、サブ回路5-1の場合と同様に、サブ回路5-iが有する記憶回路53bには、サブ回路5-iの駆動デバイス57-1,57-2のそれぞれに対応して、重度な異常が生じたか否かを示す情報が記憶される。
【0174】
また、サブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に、重度な異常が生じると、サブ回路5-iは、サブ回路5-1の場合と同様に、サブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE-siを出力する。サブ回路5-iが出力するHレベルの重度エラー信号FE-siは、サブ回路5-iにおいて配線Wfsを伝搬した後、中継回路3の配線Wfeiを伝搬し、制御回路30に入力される。また、サブ回路5-iが出力するHレベルの重度エラー信号FE-siは、配線Wfeiから分岐した配線Wsaiを伝搬し、スイッチSWaiの制御端にも入力される。
【0175】
制御回路30は、Hレベルの重度エラー信号FE-siが入力されると、サブ回路5-1に加えて、サブ回路5-iにも重度な異常が生じたと判断する。そして、制御回路30は、サブ回路5-iに重度な異常が生じたことを示す異常情報fesi=“1”を記憶回路31に記憶する為のメモリー制御信号MC1を生成し、記憶回路31に出力する。これにより、サブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fes1=“1”に加えて、サブ回路5-iに重度な異常が生じたことを示す異常情報fesi=“1”が記憶回路31に記憶される。
【0176】
また、スイッチSWaiは、制御端にHレベルへの重度エラー信号FE-siが入力されることで、一端と他端との間が非導通となる。これにより、サブ回路5-iへの電圧信号VDa-siの供給が停止する。そして、電圧信号VDa-siの電圧値がサブ回路5-iの駆動可能な電圧値であって、例えば、サブ回路5-iが有する制御回路51の電源電圧の電圧値を下回った時刻t34において、サブ回路5-iは動作を停止する。すなわち、切替回路37-iは、重度エラー信号FE-siに含まれる重度エラー信号FE1の論理レベル、及び重度エラー信号FE2の論理レベルに応じて、サブ回路5-iが有する制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止する。
【0177】
以上のように、本実施形態の分散制御装置1において、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じた場合、制御回路30は、サブ回路5-1に重度な異
常が生じたことを示す異常情報fes1=“1”を記憶回路31に記憶し、サブ回路5-1の制御回路51は、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fe1=“1”を記憶回路53bに記憶する。そして、サブ回路5-1が有する制御回路51の制御の基で、サブ回路5-1への電圧信号VDa-s1の供給が停止され、サブ回路5-1は動作を停止する。
【0178】
同様に、サブ回路5-iが有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じた場合、制御回路30は、サブ回路5-iに重度な異常が生じたことを示す異常情報fesi=“1”を記憶回路31に記憶し、サブ回路5-iの制御回路51は、サブ回路5-iの駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fei=“1”を記憶回路53bに記憶する。そして、サブ回路5-iが有する制御回路51の制御の基で、サブ回路5-iへの電圧信号VDa-siの供給が停止され、サブ回路5-iは動作を停止する。
【0179】
その後、分散制御装置1への電圧信号VACの供給の停止や、所定のリセット処理等の回復処理が実行されることで、分散制御装置1が動作を再開した後の時刻t41において、制御回路40は、サブ回路5-1~5-nに重度な異常が生じたか否かの情報を記憶回路31から取得するための重度異常情報取得要求Rq-feを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路30に出力する。
【0180】
制御回路30は、制御情報信号CS-mrの入力が完了した後の時刻t42において、入力される制御情報信号CS-mrに含まれる重度異常情報取得要求Rq-feに応じて、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに重度な異常が生じたか否かの異常情報fes1~fesiを含む重度異常情報群G-feを読み出す為のメモリー制御信号MC1を生成し、記憶回路31に出力する。記憶回路31は、入力されるメモリー制御信号MC1に応じて、重度異常情報記憶領域Mg-feから異常情報fes1~fesiを重度異常情報群G-feとして読出し、重度異常情報群G-feを含むメモリー制御信号MC1を制御回路30に出力する。これにより、制御回路30は、サブ回路5-1~5-nのそれぞれに重度な異常が生じたか否かの情報であって、サブ回路5-1,5-iに重度な異常が生じたことを示す異常情報fes1=“1”、及び異常情報fesi=“1”を含む重度異常情報群G-feを取得する。そして、制御回路30が記憶回路31から重度異常情報群G-feを取得した後の時刻t43において、制御回路30は、取得した重度異常情報群G-feを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路40に出力する。
【0181】
制御回路40に重度異常情報群G-feを含む制御情報信号CS-mrが入力された後の時刻t44において、制御回路40は、入力される制御情報信号CS-mrに含まれる重度異常情報群G-feを解析し、サブ回路5-1~5-nの内、重度な異常が生じたサブ回路5を特定する。具体的には、制御回路40は、入力される重度異常情報群G-feに含まれる異常情報fes1~fesnの内、“1”を含む異常情報fes1~fesnを抽出することで、重度な異常が生じたサブ回路5を特定する。すなわち、本実施形態の分散制御装置1では、異常情報fes1及び異常情報fesiに対応するサブ回路5-1とサブ回路5-iとに重度な異常が生じたことを特定する。
【0182】
その後、制御回路40は、重度な異常が生じたサブ回路5-1,5-iから、重度な異常の詳細情報を取得する。具体的には、制御回路40は、まず、サブ回路5-1から重度な異常の詳細情報を取得するために、詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-ms1を生成し、サブ回路5-1の制御回路51に出力する。換言すれば、メイン回路4は、中継回路3から取得したサブ回路5-1に重度な異常が生じたか否かの情報に、サブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示す情報が含まれている場合、サブ回路5-1に保持されている詳細情報を取得する詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-ms1を出力する。
【0183】
サブ回路5-1の制御回路51に詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-ms1が入力された後の時刻t45において、サブ回路5-1の制御回路51は、記憶回路53bから、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かの情報、及びサブ回路5-1の駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたか否かの情報を読み出す為のメモリー制御信号MC4を生成し、記憶回路53bに出力する。これにより、制御回路51は、記憶回路53bに記憶されている駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたことを示す異常情報fe1=“1”と、駆動デバイス57-2に重度な異常が生じていないことを示す異常情報fe2=“0”と、を取得する。そして、制御回路51が異常情報fe1=“1”、及び異常情報fe2=“0”を取得した後の時刻t46において、取得した異常情報fe1=“1”及び異常情報fe2=“0”を含む制御情報信号CS-ms1を生成し、制御回路40に出力する。これにより、制御回路40は、サブ回路5-1に生じた重度な異常の詳細情報として、サブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かの情報、及びサブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたか否かの情報を取得する。
【0184】
また、サブ回路5-1の制御回路51が、異常情報fe1=“1”、及び異常情報fe2=“0”を含む制御情報信号CS-ms1を制御回路40に出力し、制御回路40に、異常情報fe1=“1”及び異常情報fe2=“0”の情報を含む制御情報信号CS-ms1が入力された後の時刻t47以降において、制御回路40は、重度な異常が生じたと特定された他のサブ回路5から、重度な異常の詳細情報を取得する。具体的には、時刻t44において特定した重度な異常が生じたサブ回路5のそれぞれに対して詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-msを生成し、対応するサブ回路5に出力する。これにより、対応するサブ回路5に含まれる制御回路51は、それぞれが記憶回路53bから駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かの情報、及び駆動デバイス57-2に重度な異常が生じたか否かの情報を取得し、取得した情報を含む制御情報信号CS-msを生成し、制御回路40に出力する。これにより、制御回路40は、分散制御装置1が備えるサブ回路5-1~5-nに生じた重度の異常の詳細な情報を取得する。
【0185】
すなわち、メイン回路4が有する制御回路40は、制御回路30が保持するサブ回路5-1~5-nに重度な異常が生じたか否かの情報を取得し、取得したサブ回路5-1~5-nに重度な異常が生じたか否かの情報に、サブ回路5-1~5-nのそれぞれが有する駆動デバイス57-1及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に重度な異常が生じたことを示す情報が含まれている場合、対応するサブ回路5の制御回路51が保持する異常情報fe1,fe2を取得する。
【0186】
以上のように、本実施形態の分散制御装置1では、サブ回路5-1~5-nのいずれかに重度の異常が生じた場合、メイン回路4の制御回路40からの指示を待つことなく、対応するサブ回路5が、自身に供給される電圧信号VDa-sの供給を遮断する。これにより、サブ回路5-1~5-nのいずれかに重度の異常が生じた場合であっても、当該重度な異常が生じたサブ回路5の動作を短時間で停止することができる。その結果、サブ回路5で生じた重度の異常が、分散制御装置1の全体に波及するおそれが低減される。さらに、本実施形態の分散制御装置1では、サブ回路5に重度の異常が生じた場合、サブ回路5は、駆動デバイス57-1,57-2のいずれに重度の異常が生じたのかを含む情報を記憶回路53bに記憶する。これにより、分散制御装置1における重度の異常が解消した際に、サブ回路5に記憶された重度の異常の情報を取得することで、サブ回路5に生じた重度の異常を解析することができ、分散制御装置1の信頼性を高めることができる。
【0187】
また、本実施形態の分散制御装置1において、サブ回路5-1は、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE-s1と、サブ回路5-1に重度な異
常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE-s1と、を出力し、サブ回路5-iは、サブ回路5-iに重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE-siと、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE-siと、を出力し、中継回路3は、重度エラー信号FE-s1に含まれるサブ回路5-1に重度な異常が生じたか否かを示す情報としての重度エラー信号FE-s1の論理レベル、軽度エラー信号NE-s1に含まれるサブ回路5-1に軽度な異常が生じたか否かを示す情報としての軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、重度エラー信号FE-siに含まれるサブ回路5-iに重度な異常が生じたか否かを示す情報としての重度エラー信号FE-siの論理レベル、及び軽度エラー信号NE-siに含まれるサブ回路5-iに軽度な異常が生じたか否かを示す情報としての軽度エラー信号NE-siの論理レベルを保持し、メイン回路4は、中継回路3で保持される重度エラー信号FE-s1の論理レベル、軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、重度エラー信号FE-siの論理レベル、及び軽度エラー信号NE-siの論理レベルを取得する。すなわち、本実施形態の分散制御装置1において、中継回路3は、サブ回路5-1,5-iで生じた重度な異常、及び軽度な異常をリアルタイムで取得し、メイン回路4は、任意のタイミングで、分散制御装置1に軽度な異常が生じたか否かの情報、及び重度な異常が生じたか否かの情報を、中継回路3から取得する。
【0188】
これにより、サブ回路5-1,5-iのそれぞれは、軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が発生したか否かの検出を、メイン回路4の制御に依らず実行することができ、軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が発生したか否かの検出精度が向上する。
【0189】
さらに、メイン回路4が中継回路3から、サブ回路5-1,5-iのそれぞれに軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が生じたか否かの情報を取得することで、メイン回路4は、サブ回路5-1,5-iの動作タイミングに依らず、メイン回路4の動作タイミングに応じた任意のタイミングで、サブ回路5-1,5-iのそれぞれに軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が生じたか否かの情報を取得することができる。これにより、サブ回路5-1,5-iのそれぞれに軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が生じたか否かの情報の取得に要する時間を短くすることができる。その結果、サブ回路5-1,5-iのいずれかに軽度な異常、及び重度な異常が生じた場合に、当該異常に対する処理であって、例えば、分散制御装置1の停止処理に要する時間を短くすることができる。
【0190】
すなわち、本実施形態の分散制御装置1では、異常検出の精度を高めることができるとともに、分散制御装置1に異常が生じた場合であっても、当該異常に対する処理を短時間で実行することができる。
【0191】
ここで、サブ回路5-1が第1サブ回路の一例であり、サブ回路5-iが第2サブ回路の一例である。また、サブ回路5-1に生じた重度な異常及び軽度な異常の総称が第1エラーの一例であり、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE-s1の論理レベル、及びサブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE-s1の論理レベルの総称が第1エラー情報の一例であり、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE-s1、及びサブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE-s1の総称が第1エラー信号の一例であり、サブ回路5-1に生じた軽度な異常が第1軽度エラーの一例であり、サブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE-s1の論理レベルが第1軽度エラー情報の一例であり、サブ回路5-1が出力する軽度エラー信号NE-s1が第1軽度エラー信号の一例であり、サブ回路5-1に生じた重度な異常が第1重度エラーの一例であり、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE-s1の論理レベルが第1重度エラー情報の一例であり、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE-s1が第1重度エラー信号の一例である。また、サブ回路5-iに生じた重度な異常及び軽度な異常の総称が第2エラーの一例であり、サブ回路5-iが出力する重度エラー信号FE-siの論理レベル、及びサブ回路5-iが
出力する軽度エラー信号NE-siの論理レベルの総称が第2エラー情報の一例であり、サブ回路5-iが出力する重度エラー信号FE-si、及びサブ回路5-iが出力する軽度エラー信号NE-siの総称が第2エラー信号の一例であり、サブ回路5-iに生じた軽度な異常が第2軽度エラーの一例であり、サブ回路5-iが出力する軽度エラー信号NE-siの論理レベルが第2軽度エラー情報の一例であり、サブ回路5-iが出力する軽度エラー信号NE-siが第2軽度エラー信号の一例であり、サブ回路5-iに生じた重度な異常が第2重度エラーの一例であり、サブ回路5-iが出力する重度エラー信号FE-siの論理レベルが第2重度エラー情報の一例であり、サブ回路5-iが出力する重度エラー信号FE-siが第2重度エラー信号の一例である。また、軽度エラー信号NE-s1の論理レベルが記憶される記憶領域Mne1が第1軽度エラー記憶領域の一例であり、軽度エラー信号NE-siの論理レベルが記憶される記憶領域Mneiが第2軽度エラー記憶領域の一例であり、重度エラー信号FE-s1の論理レベルが記憶される記憶領域Mfe1が第1重度エラー記憶領域の一例であり、重度エラー信号FE-siの論理レベルが記憶される記憶領域Mfeiが第2重度エラー記憶領域の一例である。そして、詳細情報取得要求Rq-errを含む制御情報信号CS-ms1が詳細情報取得要求信号の一例である。
【0192】
1.3 作用効果
以上のように、本実施形態の分散制御装置1において、サブ回路5-1は、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE-s1と、サブ回路5-1に重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE-s1と、を出力し、サブ回路5-iは、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE-siと、サブ回路5-iに重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE-siと、を出力する。そして、中継回路3の制御回路30は、サブ回路5-1に軽度な異常が生じたか否かの情報としての軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、サブ回路5-1に重度な異常が生じたか否かの情報としての重度エラー信号FE-s1の論理レベル、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたか否かの情報としての軽度エラー信号NE-siの論理レベル、及びサブ回路5-iに重度な異常が生じたか否かの情報としての重度エラー信号FE-siの論理レベルを保持し、メイン回路4は、中継回路3で保持される軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、重度エラー信号FE-s1の論理レベル、軽度エラー信号NE-siの論理レベル、及び重度エラー信号FE-siの論理レベルを取得する。これにより、中継回路3は、サブ回路5-1,5-iで生じた重度な異常、及び軽度な異常をリアルタイムで取得することができ、メイン回路4は、任意のタイミングで、分散制御装置1に軽度な異常が生じたか否かの情報、及び重度な異常が生じたかの情報を取得することができる。
【0193】
その結果、サブ回路5-1,5-iのそれぞれは、軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が発生したか否かの検出を、メイン回路4の制御に依らず実行することができ、分散制御装置1における軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が発生したか否かの検出精度が向上する。さらに、メイン回路4が中継回路3から、サブ回路5-1,5-iのそれぞれに軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が生じたか否かの情報を取得することで、メイン回路4は、サブ回路5-1,5-iの動作タイミングに依らず、メイン回路4の動作タイミングに応じた任意のタイミングで、サブ回路5-1,5-iのそれぞれに軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が生じたか否かの情報を取得することができる。これにより、サブ回路5-1,5-iのそれぞれに軽度な異常が生じたか否か、及び重度な異常が生じたか否かの情報の取得に要する時間を短くすることができる。その結果、サブ回路5-1,5-iのいずれかに軽度な異常、及び重度な異常が生じた場合に、当該異常に対する処理であって、例えば、分散制御装置1の停止処理に要する時間を短くすることができる。
【0194】
また、本実施形態の分散制御装置1では、サブ回路5-1に電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える切替回路37-1は、サブ回路5-1が出力する重度エラー信号FE-s1に応じて、サブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDaの供給を停止し、サブ回路5-iに電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える切替回路37-iは、サブ回路5-iが出力する重度エラー信号FE-siに応じて、サブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDaの供給を停止する。
【0195】
これにより、サブ回路5-1,5-iのいずれかに重度な異常が発生した場合、異常が生じたサブ回路5は、メイン回路4の制御回路40の指示を待つことなく、動作を停止することができる。その結果、異常が生じたサブ回路5の動作を短時間で停止することができ、サブ回路5で生じた重度の異常が、分散制御装置1の全体に波及するおそれが低減される。さらに、異常が生じたサブ回路5のみが動作を停止することで、異常が生じていないサブ回路5によって、異常が生じたサブ回路5の動作を補完することができ、その結果、分散制御装置1で生成される生成物の生産性が低下するおそれが低減され、分散制御装置1の信頼性を高めることができる。
【0196】
さらに、本実施形態の分散制御装置1では、電源回路2は、商用電源である電圧信号VACの電圧値が所定の閾値よりも低いか否かに応じた停電通知信号BOを出力し、中継回路3は、停電通知信号BOに応じて、サブ回路5-1に電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-s1を出力し、サブ回路5-iに電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-siを出力する。すなわち、分散制御装置1において、サブ回路5-1,5-iは、メイン回路4からの指示を待つことなく、電源遮断の処理を実行する。これにより、商用電源である電圧信号VACの電圧値が所定の閾値よりも低下した場合であって、停電やその他の外的要因によって、突発的に分散制御装置1への電圧信号VACの供給が停止した場合であっても、分散制御装置1の動作を短時間に安定して停止することができる。すなわち、分散制御装置1の信頼性を高めることができる。
【0197】
また、本実施形態の分散制御装置1では、メイン回路4の制御回路40に使用者が電源電圧である電圧信号VDprの遮断を要求する遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpが入力された場合、制御回路40は、遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpに応じた停止要求信号UOFFを出力する。このとき、サブ回路5-1の制御回路51は、停止要求信号UOFFに応じた遮断処理指示信号BO-s1に応じて、電源遮断の処理を実行し、電源遮断の処理が完了した後、Hレベルの供給停止信号SRを出力し、サブ回路5-1の制御回路51に電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える切替回路37-1のスイッチSWa1は、Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルの重度エラー信号FE-s1に応じて、サブ回路5-1の制御回路51への電圧信号VDaの供給を遮断する。また、同様に、サブ回路5-iの制御回路51は、停止要求信号UOFFに応じた遮断処理指示信号BO-siに応じて、電源遮断の処理を実行し、電源遮断の処理が完了した後、Hレベルの供給停止信号SRを出力し、サブ回路5-1の制御回路51に電圧信号VDaを供給するか否かを切り替える切替回路37-iのスイッチSWaiは、Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルの重度エラー信号FE-siに応じて、サブ回路5-iの制御回路51への電圧信号VDaの供給を遮断する。
【0198】
これにより、分散制御装置1に使用者の要求による遮断処理が生じた場合であっても、分散制御装置1が有するサブ回路5-1~5-nのそれぞれは、メイン回路4の指示を待つことなく、電源遮断の処理を実行することができる。その結果、分散制御装置1に使用者の要求による遮断処理が生じた場合における電源遮断時間を短縮することができる。
【0199】
1.4 分散制御装置の変形例
ここで、上述した本実施形態の分散制御装置1において、中継回路3は、サブ回路5-
1に軽度な異常が生じたことを示すHレベルの軽度エラー信号NE-s1を保持した後、サブ回路5-1に軽度な異常が生じていないことを示すLレベルの軽度エラー信号NE-s1が入力された場合、軽度エラー信号NE-s1の論理レベルとしてサブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示すHレベルの保持を継続し、また、中継回路3は、サブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE-s1を保持した後、サブ回路5-1に重度な異常が生じていないことを示すLレベルの重度エラー信号FE-s1が入力された場合、重度エラー信号FE-s1の論理レベルとしてサブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示すHレベルの保持を継続してもよい。
【0200】
また、同様に、中継回路3は、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたことを示すHレベルの軽度エラー信号NE-siを保持した後、サブ回路5-iに軽度な異常が生じていないことを示すLレベルの軽度エラー信号NE-siが入力された場合、軽度エラー信号NE-siの論理レベルとしてサブ回路5-iに軽度な異常が生じたことを示すHレベルの保持を継続し、また、中継回路3は、サブ回路5-iに重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE-siを保持した後、サブ回路5-iに重度な異常が生じていないことを示すLレベルの重度エラー信号FE-siが入力された場合、重度エラー信号FE-siの論理レベルとしてサブ回路5-iに重度な異常が生じたことを示すHレベルの保持を継続してもよい。
【0201】
これにより、分散制御装置1に重度な異常、及び軽度な異常が突発的に生じ、自己で回復した場合であっても、当該重度な異常、及び軽度な異常の履歴を保持することができる。これにより、当該履歴に基づいて、分散制御装置1の信頼性を高めることができる。
【0202】
さらに、係る構成において、中継回路3が保持するサブ回路5-1に軽度な異常が生じたことを示すHレベルの軽度エラー信号NE-s1、サブ回路5-1に重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE-s1、サブ回路5-iに軽度な異常が生じたことを示すHレベルの軽度エラー信号NE-si、及びサブ回路5-iに重度な異常が生じたことを示すHレベルの重度エラー信号FE-siは、使用者の要求により、又は所定の回復処理が実行された際にメイン回路4が出力するリセット信号によって、リセットされてもよい。
【0203】
これにより、サブ回路5-1が、軽度な異常、及び重度な異常から回復したか否か、サブ回路5-iが、軽度な異常、及び重度な異常から回復したか否か、を把握することができ、分散制御装置1の信頼性が向上する。
【0204】
また、上述した本実施形態の分散制御装置1では、メイン回路4の制御回路40が所定のタイミングでサブ回路5-1~5-nに軽度な異常が生じたか否かの情報を記憶回路31から取得するための軽度異常情報取得要求Rq-neを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路30に出力するとともに、サブ回路5-1~5-nに重度な異常が生じたか否かの情報を記憶回路31から取得するための重度異常情報取得要求Rq-feを含む制御情報信号CS-mrを生成し、制御回路30に出力するとして説明を行ったが、中継回路3の制御回路30が、保持する軽度エラー信号NE-s1の論理レベルがHレベルの場合、すなわち、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に軽度な異常が生じたことを示す情報を保持した場合、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に軽度な異常が生じていることを示す情報を含む制御情報信号CS-mr1を軽度エラー発生信号として、メイン回路4の制御回路40に出力し、保持する重度エラー信号FE-s1の論理レベルがHレベルの場合、すなわち、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に重度な異常が生じたことを示す情報を保持した場合、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に重度
な異常が生じていることを示す情報を含む制御情報信号CS-mr1を重度エラー発生信号として、メイン回路4の制御回路40に出力してもよい。
【0205】
これにより、メイン回路4の制御回路40は、サブ回路5-1の駆動デバイス57-1、及び駆動デバイス57-2の少なくとも一方に軽度な異常、又は重度な異常が生じたことを早期に認識し、より適切な補完処理を実行することができる。その結果、分散制御装置1の信頼性がさらに向上する。
【0206】
2.分散制御装置が適用される電子機器の具体例
次に、上述した分散制御装置1が適用される電子機器の一例であって、媒体Pに液体を吐出することで所望の画像を形成する液体吐出装置1000の構成について説明する。なお、上述した分散制御装置1が適用される電子機器は、液体吐出装置1000に限るものではなく、分散制御が実行される各種の電子機器に適用することができる。
【0207】
図10は、分散制御が実行される液体吐出装置1000の概略構造を示す図である。液体吐出装置1000は、液体を吐出する吐出ヘッド500が搭載されたキャリッジ501が走査軸に沿って往復動し、搬送方向に沿って搬送される媒体Pに対して液体を吐出することで、媒体Pに対して所望の画像を形成するシリアル印刷方式のインクジェットプリンターを例示して説明を行う。このような液体吐出装置1000に用いられる媒体Pとしては、印刷用紙、樹脂フィルム、布帛等の任意の印刷対象を用いることができる。
【0208】
図10に示すように液体吐出装置1000は、メイン制御回路400、吐出ヘッド500、搬送機構540、移動機構570、ユーザーインターフェース600、及び液体容器700を備える。
【0209】
液体容器700には、媒体Pに吐出される複数種類の液体が貯留されている。このような液体容器700としては、インクカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、及び液体の補充が可能なインクタンク等を用いることができる。
【0210】
ユーザーインターフェース600には、使用者からの操作情報が入力される。そして、ユーザーインターフェース600は、使用者の操作情報を制御信号Ctrl-Pとしてメイン制御回路400に出力する。このようなユーザーインターフェース600は、例えば、使用者の操作情報が入力される操作スイッチと、使用者に各種情報を報知する報知部とを有し、例えば、タッチパネルで構成される。
【0211】
メイン制御回路400は、例えばCPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含む。そして、メイン制御回路400は、入力される制御信号Ctrl-Pに応じて吐出ヘッド500、搬送機構540、及び移動機構570を含む液体吐出装置1000の各要素を制御する。また、メイン制御回路400は、吐出ヘッド500、搬送機構540、及び移動機構570の動作状況を含む液体吐出装置1000の各要素の動作状況を、制御信号Ctrl-Pとして、ユーザーインターフェース600に出力する。ユーザーインターフェース600は、入力される制御信号Ctrl-Pに応じた情報を使用者に報知する。
【0212】
吐出ヘッド500は、キャリッジ501に搭載されている。吐出ヘッド500には、メイン制御回路400が出力する制御信号Ctrl-Hが入力される。また、吐出ヘッド500には、不図示のチューブを介して、液体容器700に貯留されている液体が供給される。そして、吐出ヘッド500は、メイン制御回路400が出力する制御信号Ctrl-Hに基づいて、液体容器700から供給される液体を吐出する。
【0213】
移動機構570は、キャリッジモーター593、及び無端ベルト594を含む。キャリッジモーター593は、メイン制御回路400から入力される制御信号Ctrl-Cに基づいて駆動する。無端ベルト594は、キャリッジモーター593の駆動に従って回転する。また、無端ベルト594には、吐出ヘッド500を搭載したキャリッジ501が固定されている。これにより、キャリッジモーター593の駆動により、吐出ヘッド500を搭載したキャリッジ501が走査軸に沿って往復動する。
【0214】
搬送機構540は、搬送モーター563、及び搬送ローラー564を含む。搬送モーター563は、メイン制御回路400から入力される制御信号Ctrl-Tに基づいて駆動する。搬送ローラー564は、搬送モーター563の駆動に従って回転する。この搬送ローラー564の回転に従って、媒体Pが搬送方向に沿って搬送される。
【0215】
以上のように液体吐出装置1000は、搬送機構540が媒体Pの搬送を制御し、移動機構570がキャリッジ501の走査軸に沿った往復動を制御する。そして、搬送機構540による媒体Pの搬送と、移動機構570によるキャリッジ501の往復動とに連動し、キャリッジ501に搭載された吐出ヘッド500が媒体Pに液体を吐出することで、液体吐出装置1000は、媒体Pの表面に所望の画像を形成する。
【0216】
以上のように構成された分散制御を実行する液体吐出装置1000の機能構成の具体例について、図11を用いて説明する。図11は、分散制御を実行する液体吐出装置1000の機能構成の具体例を示す図である。図11に示すように、液体吐出装置1000は、上述したメイン制御回路400、吐出ヘッド500、搬送機構540、移動機構570、及びユーザーインターフェース600に加えて、電源回路200、及び中継回路300を備える。
【0217】
そして、電源回路200と中継回路300とは、通信信号CTprによって相互に通信可能に接続され、中継回路300とメイン制御回路400とは、通信信号CTmrによって相互に通信可能に接続され、中継回路300と吐出ヘッド500とは、通信信号CTsr1によって相互に通信可能に接続され、中継回路300と搬送機構540とは、通信信号CTsr2によって相互に通信可能に接続され、中継回路300と移動機構570とは、通信信号CTsr3によって相互に通信可能に接続され、メイン制御回路400と吐出ヘッド500とは、上述した制御信号Ctrl-Hを含む通信信号CTms1によって相互に通信可能に接続され、メイン制御回路400と搬送機構540とは、上述した制御信号Ctrl-Tを含む通信信号CTms2によって相互に通信可能に接続され、メイン制御回路400と移動機構570とは、上述した制御信号Ctrl-Cを含む通信信号CTms3によって相互に通信可能に接続され、メイン制御回路400とユーザーインターフェース600とは、上述した制御信号Ctrl-Pを含む通信信号CTmpによって相互に通信可能に接続されている。
【0218】
以上のように構成された液体吐出装置1000は、電源回路200、中継回路300、メイン制御回路400、吐出ヘッド500、搬送機構540、移動機構570、及びユーザーインターフェース600のそれぞれが、独立して動作するとともに、対応する通信信号CTpr,CTmr,CTsr1~CTsr3,CTms1~CT-ms3,CTmpによって相互に通信可能に接続されることで、相互間の協調を図り、分散制御を実行する。その結果、液体吐出装置1000に大型化等に起因して、装置全体の処理負荷が増加した場合であっても、特定の構成に処理負担が集中するおそれが低減し、意図しない処理遅延が生じるおそれや、動作の安定性が低下するおそれが低減する。
【0219】
電源回路200は、電源生成回路210と、停電検出回路220とを有する。電源生成回路210は、液体吐出装置1000に入力される商用電源電圧から液体吐出装置100
0の各種構成で使用される直流電圧である電圧信号VDprを生成し、出力する。停電検出回路220は、液体吐出装置1000に入力される商用電源電圧の電圧値を検出する。このような電源回路200が、上述した分散制御装置1の電源回路2に相当し、電源生成回路210が、上述した分散制御装置1の電源生成回路20に相当し、停電検出回路220が、上述した分散制御装置1の停電検出回路22に相当する。すなわち、電源生成回路210は、電圧信号VDprとして電圧信号VDa,VDb,VDcに相当する複数の電圧値の直流電圧を出力し、停電検出回路220は、検出した電圧値が所定の閾値以上であるか否かに応じた停電通知信号BOに応じた信号を通信信号CTprとして出力する。
【0220】
中継回路300は、制御回路310、記憶回路320、信号分配回路330、電源出力制御回路350、及び切替回路360,370-1,370-3を有する。この中継回路300は、上述した分散制御装置1の中継回路3に相当する。
【0221】
制御回路310は、中継回路300の各種構成の制御を担うとともに、液体吐出装置1000が有する各種構成との間で相互に通信を行うことで、協調を図る。このような制御回路310は、上述した分散制御装置1の制御回路30に相当する。
【0222】
記憶回路320には、中継回路300の動作状態に応じた各種の情報や、電源回路200、メイン制御回路400,吐出ヘッド500,搬送機構540、及び移動機構570との間における通信情報等が記憶される。このような記憶回路320は、上述した分散制御装置1の記憶回路31に相当する。
【0223】
信号分配回路330には、電源回路200の停電検出回路220が出力する停電通知信号BOが通信信号CTprとして入力される。信号分配回路330は、入力される停電通知信号BOを遅延させたのち、メイン制御回路400,吐出ヘッド500、搬送機構540、及び移動機構570のそれぞれに対応して分配し、メイン制御回路400,吐出ヘッド500、搬送機構540、及び移動機構570のそれぞれに出力する。このような信号分配回路330は、上述した分散制御装置1の遅延分配回路32に相当する。
【0224】
電源出力制御回路350は、電源回路200が有する電源生成回路210からの電圧信号VDprの出力を制御するための通信信号CTprを生成し、電源回路200に出力する。これにより、電源回路200からの電圧信号VDprの出力の有無が制御される。このような電源出力制御回路350は、上述した分散制御装置1の電源出力制御回路35に相当する。
【0225】
中継回路300は、入力される電圧信号VDprを中継し、メイン制御回路400,吐出ヘッド500、搬送機構540、及び移動機構570のそれぞれに対応して分岐する。このとき、切替回路360は、複数のスイッチ回路を含み、分岐した電圧信号VDprの内の少なくとも1つをメイン制御回路400に供給するか否かを切り替え、切替回路370-1は、複数のスイッチ回路を含み、分岐した電圧信号VDprの内の少なくとも1つを吐出ヘッド500に供給するか否かを切り替え、切替回路370-2は、複数のスイッチ回路を含み、分岐した電圧信号VDprの内の少なくとも1つを搬送機構540に供給するか否かを切り替え、切替回路370-3は、複数のスイッチ回路を含み、分岐した電圧信号VDprの内の少なくとも1つを移動機構570に供給するか否かを切り替える。すなわち、切替回路360は、上述した分散制御装置1の切替回路36に相当し、切替回路370-1は、上述した分散制御装置1の切替回路37-1に相当し、切替回路370-2は、上述した分散制御装置1の切替回路37-2に相当し、切替回路370-3は、叙述した分散制御装置1の切替回路37-3に相当する。
【0226】
メイン制御回路400は、制御回路410、記憶回路420、駆動電源回路430、重
度エラー検出回路440、及び軽度エラー検出回路450を有する。このようなメイン制御回路400は、上述した分散制御装置1のメイン回路4に相当する。
【0227】
駆動電源回路430は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDmrを、メイン制御回路400で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路430が出力する直流電圧を駆動源として、メイン制御回路400に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路430は、上述した分散制御装置1の駆動電源回路41に相当する。
【0228】
制御回路410は、駆動電源回路430が出力する直流電圧を駆動源として動作することで、メイン制御回路400の各種構成の動作を制御するとともに、液体吐出装置1000の動作全体を統括する。さらに、制御回路410は、液体吐出装置1000が有する各種構成との間で相互に通信を行うことで、協調を図る。このような制御回路410は、上述した分散制御装置1の制御回路40に相当する。
【0229】
記憶回路420には、メイン制御回路400の動作状態に応じた各種の情報や、中継回路300、メイン制御回路400,吐出ヘッド500,搬送機構540、移動機構570、及びユーザーインターフェース600との間における通信情報等が記憶される。このような記憶回路420は、上述した分散制御装置1の記憶回路42に相当する。
【0230】
重度エラー検出回路440は、メイン制御回路400において重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTmrとして中継回路300に出力する。また、軽度エラー検出回路450は、メイン制御回路400において軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTmrとして中継回路300に出力する。このような重度エラー検出回路440は、上述した分散制御装置1における重度エラー検出回路43に相当し、軽度エラー検出回路450は、上述した分散制御装置1における軽度エラー検出回路44に相当する。
【0231】
吐出ヘッド500は、吐出制御モジュール510と、駆動信号出力モジュール520と、吐出モジュール530と、を有する。そして、吐出ヘッド500は、メイン制御回路400が出力する通信信号CTms1に含まれる制御信号Ctrl-Hに応じた所定のタイミングで所定量の液体を吐出する。このような吐出ヘッド500は、上述した分散制御装置1の複数のサブ回路5の内の1つであって、例えば、サブ回路5-1に相当する。
【0232】
吐出制御モジュール510は、吐出制御回路511、駆動電源回路512、及び記憶回路513を有する。そして、吐出制御モジュール510は、メイン制御回路400が出力する通信信号CTms1に含まれる制御信号Ctrl-Hに応じて、吐出制御モジュール510、駆動信号出力モジュール520、及び吐出モジュール530の動作を制御する。このような吐出制御モジュール510は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-1に含まれる制御モジュール50に相当する。
【0233】
駆動電源回路512は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1を、吐出制御モジュール510で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路512が出力する直流電圧を駆動源として、吐出制御モジュール510に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路512は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する駆動電源回路52に相当する。
【0234】
吐出制御回路511は、駆動電源回路512が出力する直流電圧を駆動源として動作することで、メイン制御回路400が出力する制御信号Ctrl-Hに応じて、吐出ヘッド500の各種構成の動作を制御する。さらに、吐出制御回路511は、液体吐出装置10
00が有する各種構成との間で相互に通信を行うことで、協調を図る。このような吐出制御回路511は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する制御回路51に相当する。
【0235】
記憶回路513には、吐出ヘッド500の動作状態に応じた各種の情報や、中継回路300、及びメイン制御回路400との間における通信情報等が記憶される。このような記憶回路513は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する記憶回路53に相当する。
【0236】
駆動信号出力モジュール520は、駆動電源回路521、駆動信号出力回路522、重度エラー検出回路523、及び軽度エラー検出回路524を有する。そして、駆動信号出力モジュール520は、吐出制御モジュール510の制御の基で、吐出ヘッド500から液体を吐出させる駆動信号を生成し、出力する。このような駆動信号出力モジュール520は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-1に含まれる駆動モジュール55-1に相当する。
【0237】
駆動電源回路521は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1を、駆動信号出力モジュール520で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路521が出力する直流電圧を駆動源として、駆動信号出力モジュール520に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路521は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する駆動電源回路56-1に相当する。
【0238】
駆動信号出力回路522は、吐出制御モジュール510によって規定される所定の信号波形の駆動信号を生成し、出力する。このような駆動信号出力回路522は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する駆動デバイス57-1に相当する。
【0239】
重度エラー検出回路523は、駆動信号出力モジュール520に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr1として中継回路300に出力する。ここで、駆動信号出力モジュール520に生じる重度な異常としては、例えば、入力される電圧信号VDsr1の電圧値の異常や、電圧信号VDsr1に基づいて生じた電流値の異常、過剰な温度上昇などが含まれる。また、軽度エラー検出回路524は、駆動信号出力モジュール520に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr1として中継回路300に出力する。ここで、駆動信号出力モジュール520に生じる軽度な異常としては、ノイズの重畳などに起因して、出力する駆動信号波形に歪みが生じた場合などが含まれる。このような重度エラー検出回路523は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する重度エラー検出回路58a-1に相当し、軽度エラー検出回路524は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する軽度エラー検出回路58b-1に相当する。
【0240】
吐出モジュール530は、駆動電源回路531、液体吐出ヘッド532、重度エラー検出回路533、及び軽度エラー検出回路534を有する。そして、吐出モジュール530は、吐出制御モジュール510の制御の基で、駆動信号出力モジュール520が出力する駆動信号に応じて、媒体Pに液体を吐出する。このような吐出モジュール530は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-1に含まれる駆動モジュール55-2に相当する。
【0241】
駆動電源回路531は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1を、吐出モジュール530で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路531が出力する直流電圧を駆動源として、吐出モジュー
ル530に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路531は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する駆動電源回路56-2に相当する。
【0242】
液体吐出ヘッド532は、吐出制御モジュール510によって規定されるタイミングで、駆動信号出力モジュール520が出力する駆動信号に応じた量の液体を吐出する。このような液体吐出ヘッド532としては、例えば、圧電素子を有し、当該圧電素子が駆動信号に応じて変位することで液体を吐出する構成であってもよく、また、発熱素子を有し、当該発熱素子が駆動信号に応じて発熱することで液体を吐出する構成であってもよい。このような液体吐出ヘッド532は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する駆動デバイス57-2に相当する。
【0243】
重度エラー検出回路533は、吐出モジュール530に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr1として中継回路300に出力する。ここで、吐出モジュール530に生じる重度な異常としては、例えば、入力される電圧信号VDsr1の電圧値の異常や、電圧信号VDsr1に基づいて生じた電流値の異常、過剰な温度上昇などが含まれる。また、軽度エラー検出回路534は、吐出モジュール530に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr1として中継回路300に出力する。ここで、吐出モジュール530に生じる軽度な異常としては、駆動信号波形の歪みに起因した吐出する液体の吐出精度の悪化や、吐出する液体の温度特性に基づく、液体の吐出精度の悪化などがあげられる。このような重度エラー検出回路533は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する重度エラー検出回路58a-2に相当し、軽度エラー検出回路524は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1が有する軽度エラー検出回路58b-2に相当する。
【0244】
搬送機構540は、搬送制御モジュール550と、搬送モジュール560と、を有する。そして、搬送機構540は、メイン制御回路400が出力する通信信号CTms2に含まれる制御信号Ctrl-Tに応じた所定のタイミングで媒体Pを搬送する。このような搬送機構540は、上述した分散制御装置1の複数のサブ回路5の内の1つであって、例えば、サブ回路5-2に相当する。
【0245】
搬送制御モジュール550は、搬送制御回路551、駆動電源回路552、及び記憶回路553を有する。そして、搬送制御モジュール550は、メイン制御回路400が出力する通信信号CTms2に含まれる制御信号Ctrl-Tに応じて、搬送制御モジュール550、及び搬送モジュール560の動作を制御する。このような搬送制御モジュール550は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-2に含まれる制御モジュール50に相当する。
【0246】
駆動電源回路552は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr2を、搬送制御モジュール550で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路552が出力する直流電圧を駆動源として、搬送制御モジュール550に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路552は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する駆動電源回路52に相当する。
【0247】
搬送制御回路551は、駆動電源回路552が出力する直流電圧を駆動源として動作することで、メイン制御回路400が出力する制御信号Ctrl-Tに応じて、搬送機構540の各種構成の動作を制御する。さらに、搬送制御回路551は、液体吐出装置1000が有する各種構成との間で相互に通信を行うことで、協調を図る。このような搬送制御回路551は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する制御回路51に相当する。
【0248】
記憶回路553には、搬送機構540の動作状態に応じた各種の情報や、中継回路300、及びメイン制御回路400との間における通信情報等が記憶される。この記憶回路553は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する記憶回路53に相当する。
【0249】
搬送モジュール560は、駆動電源回路561、搬送モーター563、搬送ローラー564、搬送位置検出センサー565、重度エラー検出回路566、及び軽度エラー検出回路567を有する。そして、搬送モジュール560は、搬送制御モジュール550の制御の基で、媒体Pを搬送する。このような搬送モジュール560は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-2に含まれる駆動モジュール55-1に相当する。
【0250】
駆動電源回路561は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr2を、搬送モジュール560で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路561が出力する直流電圧を駆動源として、搬送モジュール560に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路561は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する駆動電源回路56-1に相当する。
【0251】
搬送モーター563は、搬送制御モジュール550の制御の基で駆動する。そして、搬送モーター563の駆動により、搬送ローラー564が回転駆動し、媒体Pを搬送する。また、搬送位置検出センサー565は、搬送モーター563、及び搬送ローラー564の駆動により搬送される媒体Pの搬送位置を検出し、検出結果に応じた媒体Pの搬送位置を搬送制御回路551に出力する。このような搬送モーター563、搬送ローラー564、及び搬送位置検出センサー565の少なくとも1つが、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する駆動デバイス57-1に相当する。
【0252】
重度エラー検出回路566は、搬送モジュール560に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr2として中継回路300に出力する。ここで、搬送モジュール560に生じる重度な異常としては、例えば、入力される電圧信号VDsr2の電圧値の異常や、電圧信号VDsr2に基づいて生じた電流値の異常、過剰な温度上昇などが含まれる。また、軽度エラー検出回路567は、搬送モジュール560に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr2として中継回路300に出力する。ここで、搬送モジュール560に生じる軽度な異常としては、搬送される媒体Pの紙詰まりなどが含まれる。このような重度エラー検出回路566は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する重度エラー検出回路58a-1に相当し、軽度エラー検出回路567は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-2が有する軽度エラー検出回路58b-1に相当する。
【0253】
移動機構570は、キャリッジ制御モジュール580と、キャリッジ移動モジュール590と、を有する。そして、移動機構570は、メイン制御回路400が出力する通信信号CTms3に含まれる制御信号Ctrl-Cに応じた所定のタイミングでキャリッジ501を移動させる。このような移動機構570は、上述した分散制御装置1の複数のサブ回路5の内の1つであって、例えば、サブ回路5-3に相当する。
【0254】
キャリッジ制御モジュール580は、移動制御回路581、駆動電源回路582、及び記憶回路583を有する。そして、キャリッジ制御モジュール580は、メイン制御回路400が出力する通信信号CTms3に含まれる制御信号Ctrl-Cに応じて、キャリッジ制御モジュール580、及びキャリッジ移動モジュール590の動作を制御する。このようなキャリッジ制御モジュール580は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-3に含まれる制御モジュール50に相当する。
【0255】
駆動電源回路582は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr3を、キャリッジ制御モジュール580で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路582が出力する直流電圧を駆動源として、キャリッジ制御モジュール580に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路582は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する駆動電源回路52に相当する。
【0256】
移動制御回路581は、駆動電源回路582が出力する直流電圧を駆動源として動作することで、メイン制御回路400が出力する制御信号Ctrl-Cに応じて、移動機構570の各種構成の動作を制御する。さらに、移動制御回路581は、液体吐出装置1000が有する各種構成との間で相互に通信を行うことで、協調を図る。このような移動制御回路581は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する制御回路51に相当する。
【0257】
記憶回路583には、移動機構570の動作状態に応じた各種の情報や、中継回路300、及びメイン制御回路400との間における通信情報等が記憶される。この記憶回路583は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する記憶回路53に相当する。
【0258】
キャリッジ移動モジュール590は、駆動電源回路591、キャリッジモーター593、無端ベルト594、走査位置検出センサー595、重度エラー検出回路596、及び軽度エラー検出回路597を有する。そして、キャリッジ移動モジュール590は、キャリッジ制御モジュール580の制御の基で、キャリッジ501を移動させる。このようなキャリッジ移動モジュール590は、上述した分散制御装置1が有する複数のサブ回路5の内の、サブ回路5-3に含まれる駆動モジュール55-1に相当する。
【0259】
駆動電源回路591は、中継回路300を介して入力される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr3を、キャリッジ移動モジュール590で使用される所定の電圧値の直流電圧に変換する。そして、駆動電源回路591が出力する直流電圧を駆動源として、キャリッジ移動モジュール590に含まれる各種構成が動作する。このような駆動電源回路591は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する駆動電源回路56-1に相当する。
【0260】
キャリッジモーター593は、キャリッジ制御モジュール580の制御の基で駆動する。そして、キャリッジモーター593の駆動により、無端ベルト594が回転駆動し、無端ベルト594に固定されたキャリッジ501が移動する。また、走査位置検出センサー595は、キャリッジモーター593、及び無端ベルト594の駆動により移動するキャリッジ501の走査位置であって、キャリッジ501に搭載された吐出ヘッド500の走査位置を検出し、検出結果に応じたキャリッジ501の走査位置を移動制御回路581に出力する。このようなキャリッジモーター593、無端ベルト594、及び走査位置検出センサー595の少なくとも1つが、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する駆動デバイス57-1に相当する。
【0261】
重度エラー検出回路596は、キャリッジ移動モジュール590に重度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr3として中継回路300に出力する。ここで、キャリッジ移動モジュール590に生じる重度な異常としては、例えば、入力される電圧信号VDsr3の電圧値の異常や、電圧信号VDsr3に基づいて生じた電流値の異常、過剰な温度上昇などが含まれる。また、軽度エラー検出回路597は、キャリッジ移動モジュール590に軽度な異常が生じたか否かを検出し、検出結果に応じた信号を通信信号CTsr3として中継回路300に出力する。ここで、キャリッジ移動モジュール590に生じる軽度な異常としては、移動するキャリッジ501の走査位置異
常に基づく液体の吐出特性の悪化などが含まれる。このような重度エラー検出回路596は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する重度エラー検出回路58a-1に相当し、軽度エラー検出回路597は、上述した分散制御装置1のサブ回路5-3が有する軽度エラー検出回路58b-1に相当する。
【0262】
以上のように構成された液体吐出装置1000であっても、電源回路200、中継回路300、メイン制御回路400、吐出ヘッド500、搬送機構540、移動機構570、及びユーザーインターフェース600のそれぞれが、上述した分散制御装置1の電源回路2、中継回路3、メイン回路4、複数のサブ回路5、及びユーザーインターフェース6のそれぞれと同様の動作を行うことで、上述した分散制御装置1と同様の作用効果を奏する。
【0263】
3.分散制御システム
次に、分散制御システム100の一例について説明する。なお、分散制御システム100の一例を説明するにあたり、分散制御装置1と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を簡略し、又は省略する。
【0264】
図12は、本実施形態の分散制御システム100の一例を示す図である。図12に示すように、本実施形態の分散制御システム100は、上述した分散制御装置1の電源回路2を含む電源端末120と、上述した分散制御装置1の中継回路3を含む中継端末130と、上述した分散制御装置1のメイン回路4を含むメイン端末140と、上述した分散制御装置1のサブ回路5-1~5-nのそれぞれを含むサブ端末150-1~150-nと、上述した分散制御装置1のユーザーインターフェース6を含むインターフェース端末160と、を有する。そして、電源端末120、中継端末130,メイン端末140,サブ端末150-1~150-n、及びインターフェース端末160は、例えば、少なくとも一部がCAN(Controller Area Network)を構成することで、相互に通信可能に接続されることで、分散制御を実行する。
【0265】
具体的には、本実施形態の分散制御システム100において電源端末120は、商用電源である電圧信号VACが入力され、直流電圧である電圧信号VDa,VDb,VDcを含む電圧信号VDprを出力する。具体的には、電源端末120は、商用電源である電圧信号VACが入力され、直流電圧である電圧信号VDa,VDb,VDcを出力する電源生成回路20を有する。
【0266】
また、本実施形態の分散制御システム100においてメイン端末140には、中継端末130を介して電圧信号VDprに応じた電圧信号VDmrが供給される。そして、メイン端末140は、電源端末120が出力する電圧信号VDprを駆動源として動作し、サブ端末150-1~150-nの動作を制御する。具体的には、メイン端末140は、サブ端末150-1~150-nの動作を制御する制御回路40を有する。
【0267】
また、本実施形態の分散制御システム100においてサブ端末150-1には、中継端末130を介して電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1が供給される。そして、サブ端末150-1は、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1を駆動源として動作する。具体的には、サブ端末150-1は、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1を駆動源として動作する制御回路51と、サブ端末150-1が有する制御回路51によって制御される駆動デバイス57-1と、サブ端末150-1が有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE1を出力する軽度エラー検出回路58b-1と、サブ端末150-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE1を出力する重度エラー検出回路58a-1と、を有する。
【0268】
また、本実施形態の分散制御システム100においてサブ端末150-i(iは1~nのいずれか)には、中継端末130を介して電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsriが供給される。そして、サブ端末150-iは、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsriを駆動源として動作する。具体的には、サブ端末150-iは、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsriを駆動源として動作する制御回路51と、サブ端末150-iが有する制御回路51によって制御される駆動デバイス57-iと、サブ端末150-iが有する駆動デバイス57-iに軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE1を出力する軽度エラー検出回路58b-iと、サブ端末150-iが有する駆動デバイス57-iに重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE1を出力する重度エラー検出回路58a-iと、を有する。
【0269】
また、本実施形態の分散制御システム100において、中継端末130は、サブ端末150-1、サブ端末150-iを含むサブ端末150-1~150-n、及びメイン端末140と電気的に接続される。そして、中継端末130は、制御回路30と、切替回路37-1~37-nと、を有する。
【0270】
制御回路30は、サブ端末150-1~150-nのそれぞれが有する軽度エラー検出回路58b-1~58b-nが出力する軽度エラー信号NE1に応じた軽度エラー信号NE-s1~NE-snと、サブ端末150-1~150-nのそれぞれが有する重度エラー検出回路58a-1~58a-nが出力する重度エラー信号FE1に応じた重度エラー信号FE-s1~FE-snと、が入力され、軽度エラー信号NE-s1の論理レベルを、サブ端末150-1が有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かの情報として取得し、重度エラー信号FE-s1の論理レベルを、サブ端末150-1が有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かの情報として取得し、同様に、軽度エラー信号NE-s2~NE-snのそれぞれの論理レベルを、対応するサブ端末150-2~150-nのそれぞれが有する駆動デバイス57-1に軽度な異常が生じたか否かの情報として取得し、重度エラー信号FE-s2~FE-snのそれぞれの論理レベルを、対応するサブ端末150-2~150-nのそれぞれが有する駆動デバイス57-1に重度な異常が生じたか否かの情報として取得するとともに、入力される重度エラー信号FE-s1~FE-snの論理レベルを、サブ端末150-1~150-nのそれぞれが有する制御回路51への電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1~VDsrnの供給が停止したか否かの状態情報として取得する。
【0271】
切替回路37-1は、サブ端末150-1に供給される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1が伝搬する伝搬経路に設けられ、重度エラー信号FE-s1の論理レベルに応じて、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr1をサブ端末150-1が有する制御回路51に供給するか否かを切り替え、同様に、切替回路37-2~37-nのそれぞれは、サブ端末150-2~150-nのそれぞれに供給される電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr2~VDsrnが伝搬する、対応した伝搬経路に設けられ、重度エラー信号FE-s2~FE-snの内の対応する信号の論理レベルに応じて、電圧信号VDprに応じた電圧信号VDsr2~VDsrnをサブ端末150-2~150-nが有する制御回路51に供給するか否かを切り替える。
【0272】
そして、本実施形態の分散制御システム100では、上述した分散制御装置1と同様に、サブ端末150-1は、サブ端末150-1に軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE-s1と、サブ端末150-1に重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE-s1と、を出力し、サブ端末150-iは、サブ端末150-iに重度な異常が生じたか否かを示す重度エラー信号FE-siと、サブ端末150-iに軽度な異常が生じたか否かを示す軽度エラー信号NE-siと、を出力する。そして、中継端末13
0は、重度エラー信号FE-s1に含まれるサブ端末150-1に重度な異常が生じたか否かを示す情報としての重度エラー信号FE-s1の論理レベル、軽度エラー信号NE-s1に含まれるサブ端末150-1に軽度な異常が生じたか否かを示す情報としての軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、重度エラー信号FE-siに含まれるサブ端末150-iに重度な異常が生じたか否かを示す情報としての重度エラー信号FE-siの論理レベル、及び軽度エラー信号NE-siに含まれるサブ端末150-iに軽度な異常が生じたか否かを示す情報としての軽度エラー信号NE-siの論理レベルを保持し、メイン端末140は、中継端末130で保持される重度エラー信号FE-s1の論理レベル、軽度エラー信号NE-s1の論理レベル、重度エラー信号FE-siの論理レベル、及び軽度エラー信号NE-siの論理レベルを取得する。
【0273】
また、本実施形態の分散制御システム100では、上述した分散制御装置1と同様に、切替回路37-1は、重度エラー信号FE-s1に含まれる重度エラー信号FE1の論理レベル、及び重度エラー信号FE2の論理レベルに応じて、サブ端末150-1が有する制御回路51への電圧信号VDsr1の供給を停止し、切替回路37-iは、重度エラー信号FE-siに含まれる重度エラー信号FE1の論理レベル、及び重度エラー信号FE2の論理レベルに応じて、サブ端末150-iが有する制御回路51への電圧信号VDsriの供給を停止する。
【0274】
また、本実施形態の分散制御システム100では、上述した分散制御装置1と同様に、分散制御装置1に入力される商用交流電源である電圧信号VACの電圧値が所定の閾値を下回った場合、中継端末130は、停電検出回路22が出力する停電通知信号BOに応じて、メイン端末140に電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-mを出力し、サブ端末150-1に電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-s1を出力し、サブ端末150-iに電源遮断の処理の実行を指示する遮断処理指示信号BO-siを出力する。
【0275】
そして、本実施形態の分散制御システム100では、上述した分散制御装置1と同様に、メイン端末140の制御回路40に、使用者が電圧信号VDa,VDb,VDcを含む電圧信号VDprの遮断を要求する遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpが入力されると、メイン端末140の制御回路40は、遮断要求情報Srqを含む制御情報信号CS-mpに応じた停止要求信号UOFFを出力する。
【0276】
メイン端末140の制御回路40が出力する停止要求信号UOFFは、遮断処理指示信号BO-s1として、サブ端末150-1の制御回路51に入力される。サブ端末150-1の制御回路51は、入力される停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-s1に応じて、電源遮断の処理を実行し、電源遮断の処理が完了した後、Hレベルの供給停止信号SRを出力する。そして、切替回路37-1であって、切替回路37-1に含まれるスイッチSWa1は、Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルへの重度エラー信号FE-s1に応じて、サブ端末150-1の制御回路51への電圧信号VDa-s1の供給を停止する。
【0277】
同様に、メイン端末140の制御回路40が出力する停止要求信号UOFFは、遮断処理指示信号BO-siとして、サブ端末150-iの制御回路51に入力される。サブ端末150-iの制御回路51は、入力される停止要求信号UOFFに基づく遮断処理指示信号BO-siに応じて、電源遮断の処理を実行し、電源遮断の処理が完了した後、Hレベルの供給停止信号SRを出力する。そして、切替回路37-iであって、切替回路37-iに含まれるスイッチSWaiは、Hレベルの供給停止信号SRに基づくHレベルへの重度エラー信号FE-siに応じて、サブ端末150-iの制御回路51への電圧信号VDa-siの供給を停止する。
【0278】
以上のように構成された分散制御システム100であっても、上述した分散制御装置1と同様の作用効果を奏する。
【0279】
ここで、サブ端末150-1が第1サブ端末の一例であり、サブ端末150-iが第2サブ端末の一例である。
【0280】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0281】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0282】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0283】
分散制御装置の一態様は、
第1サブ回路と、
第2サブ回路と、
前記第1サブ回路、及び前記第2サブ回路を制御するメイン回路と、
前記第1サブ回路、前記第2サブ回路、及び前記メイン回路と電気的に接続される中継回路と、
を備え、
前記第1サブ回路は、前記第1サブ回路に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、
前記第2サブ回路は、前記第2サブ回路に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、
前記中継回路は、前記第1エラー信号に含まれる前記第1エラー情報、及び前記第2エラー信号に含まれる前記第2エラー情報を保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第1エラー情報、及び前記第2エラー情報の少なくとも一方を取得する。
【0284】
この分散制御装置によれば、中継回路が、第1エラー信号に含まれる第1エラー情報、及び第2エラー信号に含まれる第2エラー情報を保持し、メイン回路が、中継回路で保持される第1エラー情報、及び第2エラー情報の少なくとも一方を取得することで、メイン回路は、第1サブ回路、及び第2サブ回路に異常が生じたか否かを、第1サブ回路、及び第2サブ回路に対して個別に確認する必要がなく、分散制御装置に異常が生じたか否かの検出時間を短縮することができる。
【0285】
上記分散制御装置の一態様において、
前記第1サブ回路は、前記第1サブ回路に軽度な異常である第1軽度エラーが生じたか否かを示す第1軽度エラー情報を前記第1エラー情報として含む第1軽度エラー信号と、前記第1サブ回路に前記第1軽度エラーよりも重度な異常である第1重度エラーが生じたか否かを示す第1重度エラー情報を前記第1エラー情報として含む第1重度エラー信号と、を前記第1エラー信号として出力し、
前記中継回路は、前記第1軽度エラー情報及び前記第1重度エラー情報を、前記第1エ
ラー情報として保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第1軽度エラー情報及び前記第1重度エラー情報の少なくとも一方を、前記第1エラー情報として取得してもよい。
【0286】
この分散制御装置によれば、第1サブ回路に生じたエラーの程度に応じて、出力する信号の種類を増やすことで、メイン回路4による、第1サブ回路で生じたエラーの取得精度が向上する。
【0287】
上記分散制御装置の一態様において、
前記中継回路は、第1軽度エラー記憶領域及び前記第1軽度エラー記憶領域と異なる第1重度エラー記憶領域を含み、
前記第1軽度エラー情報は前記第1軽度エラー記憶領域に記憶され、前記第1重度エラー情報は前記第1重度エラー記憶領域に記憶されてもよい。
【0288】
上記分散制御装置の一態様において、
前記第2サブ回路は、前記第2サブ回路に軽度な異常である第2軽度エラーが生じたか否かを示す第2軽度エラー情報を前記第2エラー情報として含む第2軽度エラー信号と、前記第2サブ回路に、前記第2軽度エラーよりも重度な異常である第2重度エラーが生じたか否かを示す第2重度エラー情報を前記第2エラー情報として含む第2重度エラー信号と、を前記第2エラー信号として出力し、
前記中継回路は、前記第2軽度エラー情報、及び前記第2重度エラー情報を前記第2エラー情報として保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路で保持される前記第2軽度エラー情報、及び前記第2重度エラー情報の少なくとも一方を前記第2エラー情報として取得されてもよい。
【0289】
この分散制御装置によれば、第2サブ回路に生じたエラーの程度に応じて、出力する信号の種類を増やすことで、メイン回路による、第2サブ回路で生じたエラーの取得精度が向上する。
【0290】
上記分散制御装置の一態様において、
前記中継回路は、第2軽度エラー記憶領域、及び前記第2軽度エラー記憶領域と異なる第2重度エラー記憶領域を含み、
前記第2軽度エラー情報は前記第2軽度エラー記憶領域に記憶され、前記第2重度エラー情報は前記第2重度エラー記憶領域に記憶されてもよい。
【0291】
上記分散制御装置の一態様において、
前記中継回路は、
前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じたことを示す前記第1エラー情報を含む前記第1エラー信号を保持した後、前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じていないことを示す前記第1エラー情報を含む前記第1エラー信号が入力された場合、前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じたことを示す前記第1エラー情報の保持を継続し、
前記第2サブ回路に前記第2エラーが生じたことを示す前記第2エラー情報を含む前記第2エラー信号を保持した後、前記第2サブ回路に前記第2エラーが生じていないことを示す前記第2エラー情報を含む前記第2エラー信号が入力された場合、前記第2サブ回路に前記第2エラーが生じたことを示す前記第2エラー情報の保持を継続してもよい。
【0292】
この分散制御装置によれば、第1サブ回路にエラーが生じた後、第1サブ回路が、当該エラーが生じた状態から自己復帰した場合であっても、エラーの状態が保持されることで、メイン回路は、第1サブ回路に生じたエラーの情報を取得し、取得したエラーの情報を解析することで、第1サブ回路の動作状態を判定することができる。
【0293】
上記分散制御装置の一態様において、
前記メイン回路が出力するリセット信号によって、前記中継回路が保持する前記第1エラー情報がリセットされてもよい。
【0294】
上記分散制御装置の一態様において、
前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じた場合、前記第1サブ回路は、前記第1エラーの詳細情報を保持し、
前記メイン回路は、前記中継回路から取得した前記第1エラー情報に、前記第1サブ回路に前記第1エラーが生じたことを示す情報が含まれている場合、前記第1サブ回路に保持されている前記詳細情報を取得する詳細情報取得要求信号を出力してもよい。
【0295】
この分散制御装置によれば、メイン回路は、エラーが生じた第1サブ回路からのみエラーの詳細情報を取得すればよく、分散制御装置1に異常が生じたか否かの詳細情報の取得時間を短縮することができる。
【0296】
分散制御システムの一態様は、
第1サブ端末と、
第2サブ端末と、
前記第1サブ端末、及び前記第2サブ端末を制御するメイン端末と、
前記第1サブ端末、前記第2サブ端末、及び前記メイン端末と電気的に接続される中継端末と、
を備え、
前記第1サブ端末は、前記第1サブ端末に第1エラーが生じたか否かを示す第1エラー情報を含む第1エラー信号を出力し、
前記第2サブ端末は、前記第2サブ端末に第2エラーが生じたか否かを示す第2エラー情報を含む第2エラー信号を出力し、
前記中継端末は、前記第1エラー信号に含まれる前記第1エラー情報、及び前記第2エラー信号に含まれる前記第2エラー情報を保持し、
前記メイン端末は、前記中継端末で保持される前記第1エラー情報、及び前記第2エラー情報の少なくとも一方を取得する。
【0297】
この分散制御システムによれば、中継端末が、第1エラー信号に含まれる第1エラー情報、及び第2エラー信号に含まれる第2エラー情報を保持し、メイン端末が、中継端末で保持される第1エラー情報、及び第2エラー情報の少なくとも一方を取得することで、メイン端末は、第1サブ端末、及び第2サブ端末に異常が生じたか否かを、第1サブ端末、及び第2サブ端末に対して個別に確認する必要がなく、分散制御システムに異常が生じたか否かの検出時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0298】
1…分散制御装置、2…電源回路、3…中継回路、4…メイン回路、5,5-1~5-n…サブ回路、6…ユーザーインターフェース、20…電源生成回路、21a…第1電源生成回路、21b…第2電源生成回路、21c…第3電源生成回路、22…停電検出回路、30…制御回路、31…記憶回路、32…遅延分配回路、33…遅延回路、34…分配回路、35…電源出力制御回路、36,37-1~37-n…切替回路、40…制御回路、41…駆動電源回路、42…記憶回路、43…重度エラー検出回路、44…軽度エラー検出回路、50…制御モジュール、51…制御回路、52…駆動電源回路、53,53a,53b…記憶回路、55-1,55-2…駆動モジュール、56-1,56-2…駆動電源回路、57-1,57-2…駆動デバイス、58,58-1,58-2…エラー検出回路、58a-1,58a-2…重度エラー検出回路、58b-1,58b-2…軽度エ
ラー検出回路、100…分散制御システム、120…電源端末、130…中継端末、140…メイン端末、150-1~150-n…サブ端末、160…インターフェース端末、200…電源回路、210…電源生成回路、220…停電検出回路、300…中継回路、310…制御回路、320…記憶回路、330…信号分配回路、350…電源出力制御回路、360,370-1~370-3…切替回路、400…メイン制御回路、410…制御回路、420…記憶回路、430…駆動電源回路、440…重度エラー検出回路、450…軽度エラー検出回路、500…吐出ヘッド、501…キャリッジ、510…吐出制御モジュール、511…吐出制御回路、512…駆動電源回路、513…記憶回路、520…駆動信号出力モジュール、521…駆動電源回路、522…駆動信号出力回路、523…重度エラー検出回路、524…軽度エラー検出回路、530…吐出モジュール、531…駆動電源回路、532…液体吐出ヘッド、533…重度エラー検出回路、534…軽度エラー検出回路、540…搬送機構、550…搬送制御モジュール、551…搬送制御回路、552…駆動電源回路、553…記憶回路、560…搬送モジュール、561…駆動電源回路、563…搬送モーター、564…搬送ローラー、565…搬送位置検出センサー、566…重度エラー検出回路、567…軽度エラー検出回路、570…移動機構、580…キャリッジ制御モジュール、581…移動制御回路、582…駆動電源回路、583…記憶回路、590…キャリッジ移動モジュール、591…駆動電源回路、593…キャリッジモーター、594…無端ベルト、595…走査位置検出センサー、596…重度エラー検出回路、597…軽度エラー検出回路、600…ユーザーインターフェース、700…液体容器、1000…液体吐出装置、P…媒体、SWa1~SWan,SWam,SWb1~SWbn,SWbm,SWc1~SWcn,SWcm…スイッチ
図1
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