(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001461
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20231227BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20231227BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20231227BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B65H7/02
B65H3/06 A
H04N1/12 A
H04N1/00 567K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100134
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中澤 一樹
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AA08
3F048AB02
3F048BA02
3F048BB02
3F048BB05
3F048BD07
3F048CB04
3F048DA01
3F048DC05
3F048EB03
3F343FA03
3F343FB01
3F343FC29
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
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3F343JA01
3F343KB04
3F343KB20
3F343LA04
3F343LA14
3F343LC12
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3F343MA03
3F343MA23
3F343MB04
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3F343MC27
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB30
5C062AB31
5C062AB32
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC10
5C062AD01
5C072AA01
5C072BA13
5C072NA01
5C072NA04
5C072UA13
(57)【要約】
【課題】媒体をピックアップするピックアップローラーを備えた搬送装置の電源オフ処理において、ピックアップローラーが原稿トレイの媒体に接する位置にあると、意図せず媒体が搬送経路に僅かに引き込まれる。
【解決手段】媒体を搭載する台と、前記台上に前記媒体が載置されているか否かを検知するセンサーと、前記台に載置された前記媒体を搬送可能な搬送位置と搬送不可能な退避位置との間で変位可能な搬送機構と、プロセッサーと、を備え、前記プロセッサーは、電源オフに移行するにあたり、前記センサーが前記媒体を検知した場合に前記退避位置に前記搬送機構がある状態で電源オフとし、前記センサーが前記媒体を検知しなかった場合に前記搬送位置に前記搬送機構がある状態で電源オフとする、搬送装置を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搭載する台と、
前記台上に前記媒体が載置されているか否かを検知するセンサーと、
前記台に載置された前記媒体を搬送可能な搬送位置と搬送不可能な退避位置との間で変位可能な搬送機構と、
プロセッサーと、を備え、
前記プロセッサーは、電源オフに移行するにあたり、前記センサーが前記媒体を検知した場合に前記退避位置に前記搬送機構がある状態で電源オフとし、前記センサーが前記媒体を検知しなかった場合に前記搬送位置に前記搬送機構がある状態で電源オフとする、
搬送装置。
【請求項2】
電源オフでの前記搬送機構を前記退避位置でロックするロック機構をさらに備える、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記プロセッサーは、電源オフに移行するにあたり、搬送途中の前記媒体の排出を行わせたのちに前記センサーの検出結果に応じた位置に前記搬送機構を配置する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記プロセッサーは、電源オンの非搬送状態においては、前記退避位置に前記搬送機構を維持し、搬送開始に応じて前記搬送機構を前記搬送位置に変位させる、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送機構はピックアップローラーを含み、
前記退避位置は前記媒体の搬送経路の上方である、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記プロセッサーは、電源オフに移行するにあたり、ジャムエラーがある場合は前記搬送機構を変位させず、前記ジャムエラーがない場合は前記センサーの検出結果に応じて変位させる、
請求項1に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ADF(Auto Document Feeder)を備えた画像読取装置が知られている(例えば特許文献1)。ADFでは、原稿トレイに載置された原稿がピックアップローラーによって給紙される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
媒体をピックアップするピックアップローラーを備えた搬送装置の電源オフ処理において、ピックアップローラーが原稿トレイの媒体に接する位置にあると、意図せず媒体が搬送経路に僅かに引き込まれるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための搬送装置は、媒体を搭載する台と、台上に媒体が載置されているか否かを検知するセンサーと、台に載置された媒体を搬送可能な搬送位置と搬送不可能な退避位置との間で変位可能な搬送機構と、プロセッサーと、を備え、プロセッサーは、電源オフに移行するにあたり、センサーが媒体を検知した場合に退避位置に搬送機構がある状態で電源オフとし、センサーが媒体を検知しなかった場合に搬送位置に搬送機構がある状態で電源オフとする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)画像読取装置の構成:
(2)電源オフ処理:
(3)他の実施形態:
【0008】
(1)画像読取装置の構成:
図1は、本発明の実施形態にかかる搬送装置としての画像読取装置100の構成を示すブロック図である。画像読取装置100は、読取部10と、プロセッサー20と、ADF(Auto Document Feeder)30と、通信部40と、UI部50を備えている。読取部10は、画像センサーと光源と光学系を備えている。光源は、ADF30によって搬送される媒体に光を照射する。光学系は1以上のレンズを含み、画像センサーは、光電変換素子を含む。光電変換素子は、媒体からの反射光を、光学系を介して受光し電気信号に変換する。画像センサーはアナログフロントエンドを備えている。アナログフロントエンドは、受光量に応じて光電変換素子が出力した信号にゲインを作用させて出力する回路やA/D変換する回路を含む。読取部10は、画像センサーから出力された信号から媒体の読取結果を示す画像データを生成し、通信部40を介して出力する。
【0009】
通信部40は、画像読取装置100に装着された各種のリムーバブルメモリーや、画像読取装置100と有線または無線で接続された他の装置と各種の通信プロトコルに従って通信するための通信インターフェース回路を含む。UI部50は、電源ボタン、読取開始ボタン等の入力部と、画像読取装置100のステータスを示すLED等の出力部を含んでいる。UI部50は、電源ボタンや読取開始ボタンが押下された場合、押下されたボタンを示す信号をプロセッサー20に出力する。また、プロセッサー20は、画像読取装置100の電源がオンである場合、オンであることを示す態様でLEDを点灯させる。
【0010】
プロセッサー20は、ROM、記憶媒体等に記憶される各種プログラムを実行することで、画像読取装置100を制御する。プロセッサー20は、単一のチップで構成されていてもよいし、複数のチップで構成されていてもよい。プロセッサー20は、CPUで構成されてもよいし、ASIC等によって構成されてもよいし、CPUとASICにより構成されてもよい。
【0011】
ADF30は、読取原稿である媒体を搭載する台34と、台34に媒体が載置されているか否かを検知するセンサー33と、媒体を搬送する搬送機構31と、搬送機構31のロック機構32を備えている。
【0012】
図2および
図3は、ADF30の構成を示す図である。搬送機構31は、媒体Mを搬送する機構である。本実施形態において、センサー33はレバー33aを有する接触式センサーであり、台34上に媒体Mが載置されると、載置された媒体Mがレバー33aを押し上げることによって媒体Mが台34上に存在することを検知するように構成されている。搬送機構31は、ピックアップローラー31aを含んでいる。搬送機構31は、台34上の媒体Mを搬送可能な搬送位置(
図3)と搬送不可能な退避位置(
図2)との間で変位可能である。搬送機構31が搬送位置にある場合、台34上に載置された媒体Mにピックアップローラー31aは接触する。退避位置は、台34上において媒体Mの搬送経路の上方であり、搬送機構31が退避位置にある場合ピックアップローラー31aは台34上に載置された媒体Mに接触しない。
【0013】
プロセッサー20は、電源オンの非搬送状態においては、
図2に示すように搬送機構31を退避位置に維持し、読取開始(搬送開始)に応じて
図3に示すように搬送機構31を搬送位置に変位させる。読取開始は、UI部50の読取開始ボタンの押下によって指示される。なお、通信部40を介して外部装置から読取開始が指示されてもよい。
【0014】
図2に示すように、搬送機構31が退避位置にある場合、ユーザーは台34に媒体を載置することができる。読取開始指示に応じて、プロセッサー20は、
図3に示すように搬送機構31を下降させて搬送位置に変位させ、図示しないモーターの駆動によりピックアップローラー31aを駆動させ、媒体Mを給紙する。また、プロセッサー20は、図示しないモーターを駆動して搬送経路上に配置されている搬送ローラー35a、36a等を回転させる。媒体Mが読取部10を通過する際に、画像センサーにより媒体が読み取られ画像データが生成される。読取部10を通過した媒体は、搬送ローラー37a、37bによって搬送経路から排出される。台34上に媒体Mが残存している場合、ピックアップローラー31aによる給紙以降の上述の処理が繰り返される。台34上の全ての媒体Mの読取が完了すると、プロセッサー20は、搬送機構31を退避位置に変位させて維持する。
【0015】
画像読取装置100が電源オン状態である場合にユーザーが電源ボタンを押下すると、プロセッサー20は、後述する電源オフ処理を行って電源オフ状態に移行させる。電源オフ状態に移行させる際に、搬送経路に媒体が残存したまま電源オフ状態に移行することを防止するため、プロセッサー20は、電源オフに移行するにあたり、搬送途中の媒体Mを排出するための排紙動作を行わせる。ここで、搬送途中の媒体Mとは、ピックアップローラー31aによってピックアップ済みの媒体である。搬送途中とは、ピックアップローラー31aの逆回転によって台34に戻すことが可能な状態よりも搬送が進んでいる状態である。このような状態の媒体は、搬送ローラー35a、36a、37aを回転させることによって排紙が行われる。なおこの際に読取は行われない。そして排紙動作を行わせたのちにプロセッサー20はセンサー33の検出結果に応じた位置に搬送機構31を配置する。
【0016】
仮に搬送機構31が搬送位置にあり、なおかつ、台34上に媒体Mが存在する場合、媒体Mがピックアップローラー31aによって僅かに搬送経路に引き込まれた状態で電源オフとなる。この場合にユーザーが媒体Mを引き抜こうとすると媒体Mが破損する可能性がある。また、媒体Mが搬送経路に僅かに引き込まれた状態で電源オフされた後、ユーザーが電源オンや電源オフを繰り返した場合も、媒体Mが破損する可能性がある。そのため、プロセッサー20は電源オフ状態に移行させるにあたり、センサー33が媒体Mを検知した場合に搬送機構31を上昇させ退避位置に搬送機構31がある状態で電源オフさせる。このようにすることで、電源オフ処理において、台34に媒体Mが存在する場合に台34上の媒体Mが意図せずわずかに搬送されて電源オフに移行することを防止できる。
【0017】
本実施形態において、ロック機構32(
図1)は、退避位置で搬送機構31をロックする機構である。
図4は、搬送機構31が退避位置と搬送位置との間で変位する際の動きを説明する説明図である。搬送機構31を搬送位置から退避位置に上昇させる場合、すなわち
図4の下図に示す状態から上図に示す状態に変位させる場合、図示しないモーターの動力によって軸Cを中心に部品313が反時計回りに回転する。部品311は部品310に固定された部品310と一体の部品であり、部品310および部品311は、軸Bで回転可能に部品312に取り付けられている。部品310は軸Aによって部品313の空洞314に掛けられている。部品313が反時計回りに回転すると、軸Aは空洞314を形成する部品313の内壁に沿って空洞314の端部314aに至る。搬送機構31が搬送位置にある場合の軸Aと軸Cとの距離K
1より、軸Aが端部314aに至った場合の軸Aと軸Cとの距離K
2の方が大きい。そのため、部品310および部品311は軸Bを中心に反時計回りに回転する。また、軸Aが端部314aに至る過程で部品312を含め搬送機構31全体が反時計回りに回転し搬送機構31が退避位置(
図4の上図)となる。
【0018】
画像読取装置100の筐体の内側には凸部300が形成されている。搬送機構31が退避位置にある場合、凸部300に部品310の角部310aが接触する。搬送機構31の自重により、退避位置にある場合に搬送機構31は時計回りに回転する力が作用するが、凸部300が部品310および部品311が軸Bを中心に時計回りに回転することを抑制し、部品311の端部311aが、部品313が時計回りに回転することを抑制する。このようなロック機構32(部品310,311,313,凸部300)によって、搬送機構31は退避位置を維持することが可能である。
【0019】
なお、ロックを解除する場合、すなわち、搬送機構31を退避位置から搬送位置(
図4の上図から下図)に変位させる場合、図示しないモーターの動力により軸Cを中心に部品313を時計回りに回転させる。その結果軸Aは空洞314の端部314aから離間し、軸Aと軸Cとの距離がK
2より小さくなり軸Aが軸Cに接近するため、角部310aが凸部300から外れる。そのため、ロックが解除され、部品313が部品315に到達するまで時計回りに回転する。部品313が部品315に到達する過程で、搬送機構31全体が軸Cを中心にして時計回りに規定量回転して搬送機構31が搬送位置に変位する。
【0020】
ところで、画像読取装置100の設置位置を変える場合等に、画像読取装置100が運搬されることがある。また運搬の際に画像読取装置100が落下することがあり得る。搬送機構31が退避位置にある場合、すなわち
図4の上図に示すようにロック状態にある場合に、画像読取装置100に落下衝撃が加わると、搬送機構31全体が軸Cを中心に時計回りに回転する力が作用する。しかし、部品310の角部310aが凸部300に回転を抑制されているため、軸Bに瞬間的に加重がかかる。その結果、軸Bが破損する可能性がある。
【0021】
そのため、プロセッサー20は、センサー33が媒体Mを検知しなかった場合には搬送位置に搬送機構31がある状態で電源オフとする。従って本実施形態によれば媒体Mが台34に残存していない場合に搬送機構31を搬送位置とすることにより、落下衝撃によって軸Bが破損する可能性を低減できる。また、媒体Mが台34上に存在しないため媒体Mが引き込まれることを回避できる。さらに、電源オフ/オン動作を繰り返した場合に、媒体Mがジャム状態になり、媒体Mが破損することも回避できる。
【0022】
なお、ADF30の搬送経路には、台34上の媒体を検出するセンサー33の他にも、複数箇所に媒体検出センサーが備えられている。プロセッサー20は、媒体の搬送ローラーの回転量と各媒体検出センサーの出力とに基づいて、搬送経路において媒体が詰まっている状態(ジャムエラー)が発生しているか否かを判断する。プロセッサー20は、電源オフに移行するにあたり、ジャムエラーがある場合は搬送機構31を変位させず、ジャムエラーがない場合はセンサー33の検出結果に応じて上述したように搬送機構31を変位させる。ジャムエラーが発生している場合に搬送機構31を変位させない構成により、媒体Mが破損する可能性を低減できる。
【0023】
(2)電源オフ処理:
図5および
図6は電源オフ処理を示すフローチャートである。電源オフ処理は、画像読取装置100が電源オンである場合に電源ボタンを押下されると開始される処理である。
図5と
図6の電源オフ処理は、電源オフ指示に応じて行う電源オフメカ動作(ステップS100,S200)において、最終的な搬送機構31の位置を退避位置とするか搬送位置とするかという点が異なる。機種によってどちらが選択されるかが異なる。
図5は、電源オフメカ動作において最終的に搬送機構31が退避位置となる機種において実施される電源オフ処理を示しており、
図6は最終的に搬送位置となる機種において実施される電源オフ処理を示している。
【0024】
まず
図5を参照しながら、電源オフメカ動作における最終的な搬送機構31の位置が退避位置である機種における電源オフ処理を説明する。電源オフ処理が開始されると、プロセッサー20は、電源オフメカ動作を行わせる(ステップS100)。すなわち、プロセッサー20は、ADF30の搬送ローラー(ピックアップローラー31aを除く)を回転させ、搬送経路内に残存している媒体を排出する。この際に搬送機構31は退避位置と搬送位置との間で変位し、最終的に退避位置にてステップS100の処理が終了する。
【0025】
続いて、プロセッサー20は、エラーが発生しているか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、プロセッサー20は媒体検出センサーの出力に基づいて、ジャムエラーが発生しているか否かを判定する。ステップS105においてエラー有りと判定されなかった場合、プロセッサー20はセンサー33による媒体検出を行い(ステップS110)、媒体が存在するか否かを判定する(ステップS115)。すなわち、センサー33の出力に基づいて台34上に媒体が存在するか否かが判定される。
【0026】
ステップS115において媒体有りと判定されなかった場合、すなわち台34上に媒体が存在しない場合、プロセッサー20は搬送機構31を搬送位置に変位させる(ステップS120)。その結果、画像読取装置100が落下した場合にロック機構32の部品が破損する可能性を低減できる。また、媒体Mは台34上に存在しないため媒体Mが搬送経路に引き込まれることはない。ステップS115において媒体有りと判定された場合、プロセッサー20は、搬送機構31を変位させずに、退避位置で維持する。その結果、台34上の媒体Mが僅かに搬送経路に引き込まれることを防止できる。
【0027】
ステップS105においてエラー有りと判定された場合、プロセッサー20は、搬送機構を退避位置のまま変位させずに、電源オフ処理を終了する。そのため、搬送経路に詰まっている媒体が破損する可能性を低減できる。
【0028】
次に、
図6を参照しながら、電源オフメカ動作における最終的な搬送機構31の位置が搬送位置である機種における電源オフ処理を説明する。電源オフ処理が開始されると、プロセッサー20は、電源オフメカ動作を行わせる(ステップS200)。すなわち、プロセッサー20は、ADF30の搬送ローラーを回転させ、搬送経路内に残存している媒体Mを排出する。この際に搬送機構31は退避位置と搬送位置との間で変位し、最終的に搬送位置にてステップS200の処理が終了する。
【0029】
続くステップS205,S210,S215の処理は、
図5のステップS105,S110,S115と同様である。ステップS215において媒体有りと判定された場合、プロセッサー20は、搬送機構31を退避位置に変位させる(ステップS220)。その結果、台34上の媒体Mが僅かに搬送経路に引き込まれることを防止できる。ステップS215において媒体有りと判定されなかった場合、すなわち媒体Mが台34に存在しない場合、プロセッサー20は、搬送機構31を搬送位置のまま変位させず、電源オフ処理を終了する。その結果、画像読取装置100が落下した場合にロック機構32の部品が破損する可能性を低減できる。また、媒体Mは台34上に存在しないため媒体Mが搬送経路に引き込まれることはない。
【0030】
ステップS205においてエラー有りと判定された場合、プロセッサー20は、搬送機構を搬送位置のまま変位させずに電源オフ処理を終了する。その結果、詰まっている媒体が破損する可能性を低減できる。
【0031】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、搬送装置は、媒体を搬送することができる装置であればよく、画像読取装置のADFに限らず、例えば印刷装置やラミネーター等、媒体を搬送する搬送機構を有する様々な装置に本発明を適用可能である。
【0032】
また、上記実施形態においては、搬送機構の退避位置が媒体の搬送経路の上方である例を示したが、搬送機構の退避位置は搬送経路の上方以外であるように構成されていてもよい。
【0033】
台に媒体が存在するか否かを検知するセンサーは、機械的に媒体の有無を検知するように構成されたものであってもよいし、光学的に媒体の有無を検知するように構成されたものであってもよい。
【0034】
さらに、本発明は、コンピューターが実行するプログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置が備える部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリーであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0035】
10…読取部、20…プロセッサー、31…搬送機構、31a…ピックアップローラー、32…ロック機構、33…センサー、33a…レバー、34…台、35a、35b、36a、36b、37a、37b…搬送ローラー、40…通信部、50…UI部、100…画像読取装置、300…凸部、310…部品、310a…角部、311…部品、311a…端部、312…部品、313…部品、314…空洞、314a…端部、315…部品、A…軸、B…軸、C…軸、K1…距離、K2…距離、M…媒体