IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

特開2024-146138マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール
<>
  • 特開-マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール 図1
  • 特開-マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール 図2
  • 特開-マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール 図3
  • 特開-マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール 図4
  • 特開-マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146138
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】マイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュール
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20241004BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04B1/40
H04B1/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058869
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】垂井 幸宣
【テーマコード(参考)】
5K011
5K060
【Fターム(参考)】
5K011DA02
5K011DA12
5K011DA21
5K011KA11
5K011KA18
5K060BB01
5K060CC04
5K060HH04
5K060HH06
5K060JJ06
5K060JJ21
5K060JJ23
(57)【要約】
【課題】容易に小型化が可能なマイクロ波送受信モジュールを得ること。
【解決手段】マイクロ波送受信モジュール1は、送信信号を増幅する高出力増幅器4と、送信信号を送信する際にゲートバイアス電圧V2、またはゲートバイアス電圧V2よりも低いゲートバイアス電圧V3を高出力増幅器4に送るゲートパルスドライバ回路13と、ゲートバイアス電圧V2をゲートパルスドライバ回路13に送る第1のバイアス設定回路11と、高出力増幅器4からの送信信号を通過させるか遮断するかを切り替えるスイッチ9と、反射波の検波電圧に応じてスイッチ9の切り替えを実行しゲートバイアス電圧V3を検波電圧に応じてゲートパルスドライバ回路13に送る第2のバイアス設定回路12と、を備え、第2のバイアス設定回路12は、ゲートバイアス電圧V3をゲートパルスドライバ回路13に送る際にスイッチ9に送信信号を遮断させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を増幅する高出力増幅器と、
アンテナに接続されて前記送信信号を前記アンテナに送信するとともに、前記アンテナから受信信号を受信するアンテナ端子と、
前記アンテナ端子に接続されて前記送信信号の送信と前記受信信号の受信とを切り替える送受切替スイッチと、
前記送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を前記高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路と、
前記第1のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、
前記高出力増幅器の出力側に接続されて前記アンテナからの反射波を検出するカップラと、
前記反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、
前記送受切替スイッチと前記高出力増幅器との間に接続されて前記高出力増幅器から出力された前記送信信号を通過させるか遮断するかを切り替えるスイッチと、
前記検波電圧に応じて前記スイッチの切り替えを実行するとともに、前記第2のゲートバイアス電圧を前記検波電圧に応じて前記ゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路と、
を備え、
前記第2のゲートバイアス電圧は、前記第1のゲートバイアス電圧よりも低く、
前記第2のバイアス設定回路は、前記第2のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る際に前記スイッチに前記送信信号を遮断させる、
ことを特徴とするマイクロ波送受信モジュール。
【請求項2】
送信信号を増幅する高出力増幅器と、
アンテナに接続されて前記送信信号を前記アンテナに送信するとともに、前記アンテナから受信信号を受信するアンテナ端子と、
前記アンテナ端子に接続されて前記送信信号の送信と前記受信信号の受信とを切り替える送受切替スイッチと、
前記送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を前記高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路と、
前記第1のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、
前記高出力増幅器の出力側に接続されて前記アンテナからの反射波を検出するカップラと、
前記反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、
前記第2のゲートバイアス電圧を前記検波電圧に応じて前記ゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路と、
を備え、
前記第2のゲートバイアス電圧は、前記第1のゲートバイアス電圧よりも低い、
ことを特徴とするマイクロ波送受信モジュール。
【請求項3】
カソード側が前記第1のバイアス設定回路の出力側に接続されるとともに、アノード側が接続点に接続された第1の整流器と、
カソード側が前記第2のバイアス設定回路の出力側に接続されるとともに、アノード側が前記接続点に接続された第2の整流器と、
をさらに備え、
前記ゲートパルスドライバ回路は、前記接続点および第1の整流器を介して前記第1のバイアス設定回路に接続されるとともに、前記接続点および第2の整流器を介して前記第2のバイアス設定回路に接続されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波送受信モジュール。
【請求項4】
前記第2のバイアス設定回路は、前記検波電圧が、比較対象となる電圧である比較電圧よりも大きい場合に、前記第2のゲートバイアス電圧を出力する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ波送受信モジュール。
【請求項5】
送信信号を増幅する高出力増幅器と、
アンテナに接続されて前記送信信号を前記アンテナに送信するアンテナ端子と、
前記送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を前記高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路と、
前記第1のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、
前記高出力増幅器の出力側に接続されて前記アンテナからの反射波を検出するカップラと、
前記反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、
前記アンテナ端子と前記高出力増幅器との間に接続されて前記高出力増幅器から出力された前記送信信号を通過させるか遮断するかを切り替えるスイッチと、
前記検波電圧に応じて前記スイッチの切り替えを実行するとともに、前記第2のゲートバイアス電圧を前記検波電圧に応じて前記ゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路と、
を備え、
前記第2のゲートバイアス電圧は、前記第1のゲートバイアス電圧よりも低く、
前記第2のバイアス設定回路は、前記第2のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る際に前記スイッチに前記送信信号を遮断させる、
ことを特徴とするマイクロ波送信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナを用いて信号を送信するマイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のアンテナと複数のマイクロ波送受信モジュールとを備えた電子走査アンテナがある。この電子走査アンテナでは、アンテナの素子間結合が原因で、マイクロ波送受信モジュールからアンテナ側を見た場合の送信信号の反射係数が、周波数およびビーム方向によって変動し(アクティブインピーダンス)、これにより、アンテナ端の見かけの反射波が増大する場合がある。このような反射波は、送信側の高出力増幅器などに直接入射されると、高出力増幅器の信頼性が低下する。
【0003】
特許文献1のフロントエンド回路は、送信と受信とでアンテナを共用するためのサーキュレータを備えており、サーキュレータの送信信号端子と、送信信号が入力される送信ポートとの間に、送信信号を減衰させることができる送信出力可変回路が接続されている。このフロントエンド回路は、反射波が発生する状態になると送信出力可変回路によって送信信号を減衰させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-126458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、磁性体と、直流磁界を印加する磁石とを備えたサーキュレータが配置されており、マイクロ波送受信モジュールの小型化が困難であるという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、容易に小型化が可能なマイクロ波送受信モジュールを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のマイクロ波送受信モジュールは、送信信号を増幅する高出力増幅器と、アンテナに接続されて送信信号をアンテナに送信するとともに、アンテナから受信信号を受信するアンテナ端子とを備える。また、本開示のマイクロ波送受信モジュールは、アンテナ端子に接続されて送信信号の送信と受信信号の受信とを切り替える送受切替スイッチと、送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路とを備える。また、本開示のマイクロ波送受信モジュールは、第1のゲートバイアス電圧をゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、高出力増幅器の出力側に接続されてアンテナからの反射波を検出するカップラとを備える。また、本開示のマイクロ波送受信モジュールは、反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、送受切替スイッチと高出力増幅器との間に接続されて高出力増幅器から出力された送信信号を通過させるか遮断するかを切り替えるスイッチと、検波電圧に応じてスイッチの切り替えを実行するとともに、第2のゲートバイアス電圧を検波電圧に応じてゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路とを備える。第2のゲートバイアス電圧は、第1のゲートバイアス電圧よりも低く、第2のバイアス設定回路は、第2のゲートバイアス電圧をゲートパルスドライバ回路に送る際にスイッチに送信信号を遮断させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかるマイクロ波送受信モジュールは、容易に小型化が可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールを備えた電子走査アンテナの構成を示す図
図2】実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールの構成を示す図
図3】実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールのゲートパルスドライバ回路が出力するゲートバイアス電圧を説明するための図
図4】実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールのゲートパルスドライバ回路が出力するゲートバイアス電圧の波形の一例示す図
図5】比較例のマイクロ波送受信モジュールの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールおよびマイクロ波送信モジュールを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールを備えた電子走査アンテナの構成を示す図である。電子走査アンテナ50は、複数のマイクロ波送受信モジュール(TRM:Transmit-Receive Module)1と、複数のアンテナ2と、給電回路40とを備えている。
【0012】
給電回路40には、複数のマイクロ波送受信モジュール1が接続されている。電子走査アンテナ50では、1つのマイクロ波送受信モジュール1に対して、1つのアンテナ2が接続されている。給電回路40は、送信時にはRF(Radio Frequency)信号を各マイクロ波送受信モジュール1に分配し、受信時には各マイクロ波送受信モジュール1からRF信号を受信する。
【0013】
電子走査アンテナ50では、アンテナ2の素子間結合が原因で、マイクロ波送受信モジュール1からアンテナ2側を見た場合の送信信号の反射係数が、周波数およびビーム方向によって変動する場合がある。この場合、アンテナ2の端部の見かけの反射波25が増大する。実施の形態では、反射波25が増大した際に、反射波25を遮断することで、マイクロ波送受信モジュール1が備える後述の高出力増幅器4を保護する。
【0014】
図2は、実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールの構成を示す図である。信号の送受信モジュールであるマイクロ波送受信モジュール1は、高周波デバイスと制御回路とを有している。具体的には、マイクロ波送受信モジュール1は、ドライバ増幅器(DA:Driver Amplifier)3と、高出力増幅器(HPA:High Power Amplifier)4と、送受切替スイッチ(TRSW:Transmit-Receive SWitch)5と、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)6と、カップラ7と、検波器(DET:DETector)8と、第1のバイアス設定回路11と、第2のバイアス設定回路12と、ゲートパルスドライバ回路13とを有している。
【0015】
マイクロ波送受信モジュール1のうちの高周波デバイスには、ドライバ増幅器3、高出力増幅器4、送受切替スイッチ5、低雑音増幅器6、カップラ7、および検波器8が含まれている。マイクロ波送受信モジュール1のうちの制御回路には、第1のバイアス設定回路11、第2のバイアス設定回路12、およびゲートパルスドライバ回路13が含まれている。
【0016】
また、マイクロ波送受信モジュール1は、整流器の一例であるダイオード14,15と、アンテナ端子(RFant端子)18と、電圧入力端子21,22と、信号入力端子23と、スイッチ(SW:SWitch)9とを有している。ダイオード14が第1の整流器であり、ダイオード15が第2の整流器である。また、マイクロ波送受信モジュール1は、移相器を有しているが、図2では、図示を省略している。
【0017】
マイクロ波送受信モジュール1では、ゲートパルスドライバ回路13が、ドライバ増幅器3、高出力増幅器4、および接続点16に接続されている。ドライバ増幅器3は、高出力増幅器4に接続され、高出力増幅器4は、スイッチ9に接続されている。スイッチ9は、第2のバイアス設定回路12およびカップラ7に接続され、カップラ7は、検波器8および送受切替スイッチ5に接続されている。送受切替スイッチ5は、低雑音増幅器6および、アンテナ2に接続されるアンテナ端子18に接続されている。
【0018】
第2のバイアス設定回路12は、検波器8、スイッチ9、ダイオード15、および電圧入力端子21に接続されている。ダイオード15は、接続点16を介して、ダイオード14およびゲートパルスドライバ回路13に接続されている。
【0019】
第1のバイアス設定回路11は、ダイオード14に接続されている。また、第1のバイアス設定回路11は、接続点17を介して、電圧入力端子22およびゲートパルスドライバ回路13に接続されている。ダイオード14は、アノード側が接続点16に接続されており、カソード側が第1のバイアス設定回路11に接続されている。ダイオード15は、アノード側が接続点16に接続されており、カソード側が第2のバイアス設定回路12に接続されている。
【0020】
マイクロ波送受信モジュール1へは、比較電圧Vrefと、ゲートバイアス用電源電圧VNと、送受切替信号Ptrigとが入力される。マイクロ波送受信モジュール1へは、電圧入力端子21から比較電圧Vrefが入力され、電圧入力端子22からゲートバイアス用電源電圧VNが入力される。マイクロ波送受信モジュール1へは、信号入力端子23から送受切替信号Ptrigが入力される。
【0021】
比較電圧Vrefは、電圧入力端子21から第2のバイアス設定回路12へ送られる。ゲートバイアス用電源電圧VNは、電圧入力端子22から接続点17を介して、第1のバイアス設定回路11、第2のバイアス設定回路12、およびゲートパルスドライバ回路13に送られる。送受切替信号Ptrigは、信号入力端子23からゲートパルスドライバ回路13に送られる。
【0022】
マイクロ波送受信モジュール1が送信する送信信号は、ドライバ増幅器3と、高出力増幅器4と、スイッチ9と、結合ポートをアンテナ端子18側としたカップラ7と、アンテナ端子18側(送信側)に経路切替した送受切替スイッチ5とを介して、アンテナ端子18からアンテナ2へ出力される。
【0023】
マイクロ波送受信モジュール1のアンテナ端子18は、アンテナ2に入った受信信号をアンテナ2から受け付ける。アンテナ端子18が受付けた受信信号は、給電回路40側(受信側)に経路切替した送受切替スイッチ5を介して、低雑音増幅器6に送られる。
【0024】
ドライバ増幅器3は、高周波信号を増幅する送信系の増幅器である。ドライバ増幅器3は、高出力増幅器4が増幅のために必要とする入力信号の信号強度を担保するために設けられた増幅器であり、設置されない場合もある。ドライバ増幅器3は、ゲートパルスドライバ回路13から送られてくるゲートバイアス電圧に従ってパルス動作する。ドライバ増幅器3は、増幅した送信用の信号を高出力増幅器4に送る。なお、図2では、ドレイン電源電圧の図示を省略している。
【0025】
高出力増幅器4は、送信のために必要な信号強度の出力を得るために入力信号を増幅するための増幅器である。高出力増幅器4は、ゲートパルスドライバ回路13から送られてくるゲートバイアス電圧に従って動作する。高出力増幅器4は、増幅した信号を、スイッチ9を介してカップラ7に送る。
【0026】
スイッチ9は、第2のバイアス設定回路12によって、高出力増幅器4からカップラ7への送信信号の遮断と通過とが切り替えられる。カップラ7は、反射波の一部を取り出して検波器8に送る。検波器8は、カップラ7によって取り出された反射波の一部を検波電圧(直流電圧)Vdetに変換する。検波器8は、検波電圧Vdetを第2のバイアス設定回路12に送る。
【0027】
第1のバイアス設定回路11は、ゲートバイアス用電源電圧VNからゲートバイアス電圧V2(>ゲートバイアス電圧V1)を生成する。ゲートバイアス電圧V1は、信号の受信時にゲートパルスドライバ回路13がゲートバイアス用電源電圧VNから生成するゲートバイアス電圧であり、ゲートパルスドライバ回路13の電圧降下を無視するとゲートバイアス用電源電圧VNと同電位である。ゲートバイアス電圧V2は、信号の送信時にゲートパルスドライバ回路13が用いるゲートバイアス電圧である。
【0028】
第1のバイアス設定回路11が生成したゲートバイアス電圧V2は、第2のバイアス設定回路12がゲートバイアス電圧V3(<ゲートバイアス電圧V2)を出力していない場合に、ダイオード14および接続点16を介してゲートパルスドライバ回路13に送られる。マイクロ波送受信モジュール1では、ゲートバイアス電圧V2>ゲートバイアス電圧V3>ゲートバイアス電圧V1である。ゲートバイアス電圧V3は、信号の送信時にゲートパルスドライバ回路13が用いるゲートバイアス電圧である。ゲートバイアス電圧V2が、第1のゲートバイアス電圧であり、ゲートバイアス電圧V3が、第2のゲートバイアス電圧である。
【0029】
第2のバイアス設定回路12は、検波器8が検出した検波電圧Vdetと比較電圧Vrefとを比較する。第2のバイアス設定回路12は、検波電圧Vdetが比較電圧Vrefよりも大きい場合に、ゲートバイアス用電源電圧VNからゲートバイアス電圧V3を生成してゲートパルスドライバ回路13に出力する。検波電圧Vdetが比較電圧Vrefよりも大きい場合は、送信信号の反射波が特定値よりも大きい場合である。第2のバイアス設定回路12は、検波電圧Vdetが比較電圧Vref以下の場合には、ゲートバイアス電圧V3を生成しない。また、第2のバイアス設定回路12は、検波電圧Vdetが比較電圧Vrefよりも大きい場合に、ゲートバイアス用電源電圧VNから切替信号を生成しスイッチ9による信号の通過状態を遮断状態に切り替える。
【0030】
ゲートパルスドライバ回路13は、高出力増幅器4およびドライバ増幅器3のゲートバイアス電圧(ゲート電圧)を、送受切替信号Ptrigに応じて切り替える。
【0031】
本実施の形態のゲートパルスドライバ回路13は、送信信号の反射波が特定値以下の場合に、ゲートバイアス電圧V2を高出力増幅器4およびドライバ増幅器3に出力し、送信信号の反射波が特定値よりも大きい場合に、ゲートバイアス電圧V2よりも低いゲートバイアス電圧V3を高出力増幅器4およびドライバ増幅器3に出力する。
【0032】
ゲートパルスドライバ回路13は、信号の送受信タイミングに応じてゲートパルス信号を高出力増幅器4およびドライバ増幅器3に送る。これにより、ゲートパルスドライバ回路13は、高出力増幅器4およびドライバ増幅器3をパルス動作させる。ゲートパルスドライバ回路13は、例えば、信号の受信時には、ピンチオフ電圧以下のゲートバイアス電圧V1を高出力増幅器4に送る。
【0033】
また、ゲートパルスドライバ回路13は、信号の送信時には、第1のバイアス設定回路11によって設定された動作時電圧であるゲートバイアス電圧V2または第2のバイアス設定回路12によって設定された動作時電圧であるゲートバイアス電圧V3をドライバ増幅器3に送る。
【0034】
ゲートパルスドライバ回路13は、第2のバイアス設定回路12からゲートバイアス電圧V3が出力されていない場合に、第1のバイアス設定回路11からゲートバイアス電圧V2を受け付けて高出力増幅器4に出力する。
【0035】
また、ゲートパルスドライバ回路13は、第2のバイアス設定回路12からゲートバイアス電圧V3が出力されている場合に、第2のバイアス設定回路12からゲートバイアス電圧V3を受け付けて高出力増幅器4に出力する。
【0036】
低雑音増幅器6は、受信した信号を増幅する増幅器である。低雑音増幅器6は、受信した信号に含まれる雑音の付加を低減しつつ利得が得られる増幅器である。送受切替スイッチ5は、送信信号と受信信号とを切り替えるスイッチである。送受切替スイッチ5は、カップラ7を介して送られてくる送信信号を、アンテナ端子18に送る。また、送受切替スイッチ5は、アンテナ端子18を介して送られてくる受信信号を、低雑音増幅器6に送る。
【0037】
マイクロ波送受信モジュール1では、アクティブインピーダンスによって、アンテナ2の端部での信号の反射波が増大する場合がある。この場合において、マイクロ波送受信モジュール1がスイッチ9などを備えていない場合には、送受切替スイッチ5が送信側に切り替えられているので反射電力が高出力増幅器4の出力端に入力され、送信性能の低下、高出力増幅器4の信頼性の低下、または高出力増幅器4の破壊が発生するおそれがある。
【0038】
実施の形態のマイクロ波送受信モジュール1では、カップラ7により取り出した反射電力の一部が、検波器8によって検波電圧Vdetに変換され、第2のバイアス設定回路12に入力される。
【0039】
第2のバイアス設定回路12は、検波電圧Vdetが比較電圧Vrefを超えた場合に、スイッチ9が遮断状態となるようスイッチ9を制御するとともに、高出力増幅器4のゲートバイアス電圧V3を生成してダイオード15に出力する。
【0040】
ゲートバイアス電圧V3は、ゲートバイアス電圧V2よりも低く設定されているので、第2のバイアス設定回路12がゲートバイアス電圧V3を出力すると、ダイオード15がオンになり、ダイオード14がオフとなる。これにより、ゲートパルスドライバ回路13に動作時電圧であるゲートバイアス電圧V3が供給される。
【0041】
図3は、実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールのゲートパルスドライバ回路が出力するゲートバイアス電圧を説明するための図であり、図4は、実施の形態にかかるマイクロ波送受信モジュールのゲートパルスドライバ回路が出力するゲートバイアス電圧の波形の一例示す図である。図4に示すグラフの横軸は時間であり、縦軸はゲートバイアス電圧である。
【0042】
第2のバイアス設定回路12は、反射波の反射電力が小さい場合、すなわち反射電力に応じた検波電圧Vdetが比較電圧Vref以下の場合には、スイッチ9で信号が通過するようにスイッチ9を制御する。一方、第2のバイアス設定回路12は、反射電力が大きい場合、すなわち検波電圧Vdetが比較電圧Vrefよりも大きい場合には、スイッチ9で信号が遮断されるようにスイッチ9を制御する。
【0043】
また、第2のバイアス設定回路12は、信号の送信時(TX時)において検波電圧Vdetが比較電圧Vref以下の場合には、ゲートバイアス電圧V3を出力しないので、第1のバイアス設定回路11が生成したゲートバイアス電圧V2が、ゲートパルスドライバ回路13に入力される。
【0044】
一方、第2のバイアス設定回路12は、信号の送信時において検波電圧Vdetが比較電圧Vrefよりも大きい場合には、ゲートバイアス電圧V3を出力するので、ゲートバイアス電圧V3が、ゲートパルスドライバ回路13に入力される。
【0045】
ゲートパルスドライバ回路13は、信号の受信時(RX時)には、ゲートバイアス用電源電圧VNと同電位のゲートバイアス電圧V1を用いて動作する。このように、ゲートパルスドライバ回路13は、信号の受信時にはゲートバイアス電圧V1を出力し、信号の送信時には、検波電圧Vdetが比較電圧Vref以下の場合には、ゲートバイアス電圧V2を出力する。そして、ゲートパルスドライバ回路13は、信号の送信時に、検波電圧Vdetが比較電圧Vrefよりも大きくなるとゲートバイアス電圧V2よりも低いゲートバイアス電圧V3を出力する。なお、ダイオード14,15の代わりの整流器として、第2のバイアス設定回路12からの制御信号に基づいて、オンまたはオフの動作を実行するトランジスタが配置されてもよい。
【0046】
以上の構成により、マイクロ波送受信モジュール1は、隣接するマイクロ波送受信モジュール1からの結合電力によってアンテナ2の端部での見かけの反射波が増大した際に大電力信号を高出力増幅器4の手前でスイッチ9により遮断する。さらに、マイクロ波送受信モジュール1は、ゲートパルスドライバ回路13の出力電圧を低く設定し、高出力増幅器4のRF出力電力を低減することによって自己の送信電力が遮断状態のスイッチ9により反射されて高出力増幅器4に戻る電力を下げ、高出力増幅器4を破壊等から保護する。ここで、高出力増幅器4だけでなくドライバ増幅器3も高出力増幅器4と同様な動作とすれば、高出力増幅器4のRF出力電力をさらに減衰させることができる。ドライバ増幅器3も高出力増幅器4と同様な動作とするか否かは、高出力増幅器4に要求されるRF出力電力の低減量に応じて決定される。
【0047】
本実施の形態では、検波器8からの検波電圧Vdetが、比較電圧Vrefよりも大きい場合に第2のバイアス設定回路12が動作するので、特定の反射電力値までは、送信時のゲート電圧(ゲートバイアス電圧V2)に変化はなく、高出力増幅器4の出力は変動しない。これにより、マイクロ波送受信モジュール1は、反射電力値が特定値よりも大きくなるまでは、送信出力の低下を抑制できる。
【0048】
なお、カップラ7の方向性により、通常動作(反射電力値が特定値以下の場合の動作)では検波器8への電力の入力は小さく、第2のバイアス設定回路12は動作しない。
【0049】
ここで、比較例のマイクロ波送受信モジュールについて説明する。図5は、比較例のマイクロ波送受信モジュールの構成を示す図である。比較例のマイクロ波送受信モジュール1Xは、サーキュレータ30と、ドライバ増幅器(DA)3と、高出力増幅器(HPA)4と、低雑音増幅器(LNA)6と、高耐電力スイッチ31と、終端抵抗32とを備えている。
【0050】
マイクロ波送受信モジュール1Xでは、ドライバ増幅器3が、高出力増幅器4に接続され、高出力増幅器4がサーキュレータ30に接続されている。また、低雑音増幅器6が高耐電力スイッチ31に接続され、高耐電力スイッチ31がサーキュレータ30に接続されている。サーキュレータ30は、アンテナ端子(RFant端子)18に接続されている。また、高耐電力スイッチ31は、終端抵抗32に接続されている。
【0051】
マイクロ波送受信モジュール1Xでは、アクティブインピーダンスによって、アンテナ2の端部で送信信号の反射波が増大する場合がある。この反射波は、送受分離回路であるサーキュレータ30を介して終端抵抗32側に制御された高耐電力スイッチ31によって終端抵抗32で吸収される。
【0052】
このように、マイクロ波送受信モジュール1Xは、サーキュレータ30を備えている。サーキュレータ30は、磁性体と、直流磁界を印加する磁石とを備えており、半導体で構成することが困難である。すなわち、サーキュレータ30の半導体化は困難であり、サーキュレータ30の小型化は難しい。このため、サーキュレータ30は大型化するので、マイクロ波送受信モジュール1Xは大型化する。
【0053】
また、マイクロ波送受信モジュール1Xに対し、送受分離回路としてサーキュレータ30の代わりに送受切替スイッチが配置される場合がある。この場合、マイクロ波送受信モジュール1Xでは、反射波が増大した際に、大電力の反射波が直接高出力増幅器4に入射されるので、高出力増幅器4の性能の劣化、高出力増幅器4の信頼性の低下、または高出力増幅器4の破壊が発生するおそれがある。
【0054】
また、反射波が増大した際の送信出力を低減させるために、マイクロ波送受信モジュール1Xの高出力増幅器4の出力側に、送信出力を変更可能な送信出力可変回路が配置される場合がある。この場合のマイクロ波送受信モジュール1Xは、反射波が増大した際に、送信出力可変回路によって送信出力を低減させる。送信出力可変回路によって送信出力が下げられる場合、送信出力可変回路の損失によって通常動作時の送信効率が低下するとともに、マイクロ波送受信モジュール1Xが大型化する。
【0055】
本実施の形態のマイクロ波送受信モジュール1は、反射波が増大した場合であっても、反射波はスイッチ9で遮断されて高出力増幅器4に入射されない。さらに、マイクロ波送受信モジュール1は、高出力増幅器4のRF出力電力を低減させることによってスイッチ9で反射される戻り電力を低下させる。これにより、マイクロ波送受信モジュール1は、高出力増幅器4の性能の劣化および信頼性の低下を防止できるとともに、高出力増幅器4が破壊されることを防止できる。
【0056】
また、マイクロ波送受信モジュール1は、サーキュレータ30を備えておらず、また送信出力可変回路も備えていない。このため、マイクロ波送受信モジュール1は、小型化が容易である。
【0057】
また、マイクロ波送受信モジュール1は、受信経路に高耐電力スイッチ31が配置されないので、受信経路における損失を低減でき、受信感度の低下を抑制できる。
【0058】
なお、本実施の形態では、検波器8が送信経路内に配置される場合について説明したが、検波器8は、送受切替スイッチ5とアンテナ端子18との間に配置されてもよい。この構成により、マイクロ波送受信モジュール1に対しては、受信時においても検波電圧Vdetを利用した耐電力を実現するための設計が可能となる。
【0059】
また、本実施の形態の図2では、送受切替スイッチ5、カップラ7、検波器8、およびスイッチ9を別々のブロックで図示しているが、送受切替スイッチ5、カップラ7、検波器8、およびスイッチ9は、同一チップ上に一体化して配置されてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、アンテナ2に接続されるモジュールが、マイクロ波送受信モジュール1のように送受信モジュールである場合について説明したが、アンテナ2に接続されるモジュールは、電子走査アンテナ用の送信モジュールであってもよい。この場合、送信モジュールは、送受切替スイッチ5および低雑音増幅器6を有していない。
【0061】
また、マイクロ波送受信モジュール1は、隣接するマイクロ波送受信モジュール1との間の結合電力によっては、スイッチ9を有していなくてもよい。この構成により、マイクロ波送受信モジュール1は、カップラ7以外は、高出力増幅器4の出力側に付加回路がなくなるので、通常動作での送信効率の低下を抑制できる。
【0062】
また、マイクロ波送受信モジュール1は、ゲートバイアス電圧V3を反射電力の増大に応じて低くすることも可能であり、これによりさらに高出力増幅器4からのRF出力電力を減衰できる。なお、本実施の形態では、第1のバイアス設定回路11、第2のバイアス設定回路12、およびゲートパルスドライバ回路13を別々の回路で構成したが、これらの3つの回路のうちの少なくとも2つを一体化したIC(Integrated Circuit)で構成することも可能である。
【0063】
このように実施の形態のマイクロ波送受信モジュール1は、第1のバイアス設定回路11と、第2のバイアス設定回路12と、スイッチ9とを備えている。マイクロ波送受信モジュール1は、送信信号の反射波の一部から検出された検波電圧Vdetが、比較電圧Vrefよりも大きい場合に、スイッチ9による信号の通過状態を遮断状態に切り替えることで、反射波が高出力増幅器4に入力されることを防止している。これにより、マイクロ波送受信モジュール1は、サーキュレータを用いることなく、反射波から高出力増幅器4を保護することが可能となる。マイクロ波送受信モジュール1は、サーキュレータを用いていないので、容易に小型化できる。
【0064】
また、マイクロ波送受信モジュール1は、検波電圧Vdetが、比較電圧Vrefよりも大きい場合に、ゲートパルスドライバ回路13が、高出力増幅器4に出力するゲートバイアス電圧をゲートバイアス電圧V2からゲートバイアス電圧V3に下げている。これにより、高出力増幅器4からの送信信号の出力電力を減衰することができるので、反射波から高出力増幅器4を保護することが可能となる。
【0065】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0066】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0067】
(付記1)
送信信号を増幅する高出力増幅器と、
アンテナに接続されて前記送信信号を前記アンテナに送信するとともに、前記アンテナから受信信号を受信するアンテナ端子と、
前記アンテナ端子に接続されて前記送信信号の送信と前記受信信号の受信とを切り替える送受切替スイッチと、
前記送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を前記高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路と、
前記第1のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、
前記高出力増幅器の出力側に接続されて前記アンテナからの反射波を検出するカップラと、
前記反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、
前記送受切替スイッチと前記高出力増幅器との間に接続されて前記高出力増幅器から出力された前記送信信号を通過させるか遮断するかを切り替えるスイッチと、
前記検波電圧に応じて前記スイッチの切り替えを実行するとともに、前記第2のゲートバイアス電圧を前記検波電圧に応じて前記ゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路と、
を備え、
前記第2のゲートバイアス電圧は、前記第1のゲートバイアス電圧よりも低く、
前記第2のバイアス設定回路は、前記第2のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る際に前記スイッチに前記送信信号を遮断させる、
ことを特徴とするマイクロ波送受信モジュール。
(付記2)
送信信号を増幅する高出力増幅器と、
アンテナに接続されて前記送信信号を前記アンテナに送信するとともに、前記アンテナから受信信号を受信するアンテナ端子と、
前記アンテナ端子に接続されて前記送信信号の送信と前記受信信号の受信とを切り替える送受切替スイッチと、
前記送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を前記高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路と、
前記第1のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、
前記高出力増幅器の出力側に接続されて前記アンテナからの反射波を検出するカップラと、
前記反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、
前記第2のゲートバイアス電圧を前記検波電圧に応じて前記ゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路と、
を備え、
前記第2のゲートバイアス電圧は、前記第1のゲートバイアス電圧よりも低い、
ことを特徴とするマイクロ波送受信モジュール。
(付記3)
カソード側が前記第1のバイアス設定回路の出力側に接続されるとともに、アノード側が接続点に接続された第1の整流器と、
カソード側が前記第2のバイアス設定回路の出力側に接続されるとともに、アノード側が前記接続点に接続された第2の整流器と、
をさらに備え、
前記ゲートパルスドライバ回路は、前記接続点および第1の整流器を介して前記第1のバイアス設定回路に接続されるとともに、前記接続点および第2の整流器を介して前記第2のバイアス設定回路に接続されている、
ことを特徴とする付記1または2に記載のマイクロ波送受信モジュール。
(付記4)
前記第2のバイアス設定回路は、前記検波電圧が、比較対象となる電圧である比較電圧よりも大きい場合に、前記第2のゲートバイアス電圧を出力する、
ことを特徴とする付記1から3の何れか1つに記載のマイクロ波送受信モジュール。
(付記5)
送信信号を増幅する高出力増幅器と、
アンテナに接続されて前記送信信号を前記アンテナに送信するアンテナ端子と、
前記送信信号を送信する際に、ゲートパルス信号である第1のゲートバイアス電圧または第2のゲートバイアス電圧を前記高出力増幅器に送るゲートパルスドライバ回路と、
前記第1のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る第1のバイアス設定回路と、
前記高出力増幅器の出力側に接続されて前記アンテナからの反射波を検出するカップラと、
前記反射波を直流電圧である検波電圧に変換する検波器と、
前記アンテナ端子と前記高出力増幅器との間に接続されて前記高出力増幅器から出力された前記送信信号を通過させるか遮断するかを切り替えるスイッチと、
前記検波電圧に応じて前記スイッチの切り替えを実行するとともに、前記第2のゲートバイアス電圧を前記検波電圧に応じて前記ゲートパルスドライバ回路に送る第2のバイアス設定回路と、
を備え、
前記第2のゲートバイアス電圧は、前記第1のゲートバイアス電圧よりも低く、
前記第2のバイアス設定回路は、前記第2のゲートバイアス電圧を前記ゲートパルスドライバ回路に送る際に前記スイッチに前記送信信号を遮断させる、
ことを特徴とするマイクロ波送信モジュール。
【符号の説明】
【0068】
1,1X マイクロ波送受信モジュール、2 アンテナ、3 ドライバ増幅器、4 高出力増幅器、5 送受切替スイッチ、6 低雑音増幅器、7 カップラ、8 検波器、9 スイッチ、11 第1のバイアス設定回路、12 第2のバイアス設定回路、13 ゲートパルスドライバ回路、14,15 ダイオード、16,17 接続点、18 アンテナ端子、21,22 電圧入力端子、23 信号入力端子、25 反射波、30 サーキュレータ、31 高耐電力スイッチ、32 終端抵抗、40 給電回路、50 電子走査アンテナ。
図1
図2
図3
図4
図5