(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146146
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】蓮根の栽培方法
(51)【国際特許分類】
A01G 22/25 20180101AFI20241004BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20241004BHJP
【FI】
A01G22/25 Z
A01G31/00 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058878
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】505249078
【氏名又は名称】西山商事有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】小笹 道俊
【テーマコード(参考)】
2B022
2B314
【Fターム(参考)】
2B022AA01
2B022AA03
2B022AB13
2B314NC54
2B314NC58
(57)【要約】
【課題】水槽内で蓮根の栽培を行う蓮根の栽培方法であって、作業負担がさらに軽減された蓮根の栽培方法を提供することを課題とする。
【解決手段】種レンコン又は蓮根の苗である対象物を、その少なくとも一部を水槽内の栽培水に露出させた状態で該栽培水中に沈め、該水槽内に定着させる定着工程と、該定着工程後、対象物から生長した葉が栽培水の水面側に繁る状態まで生育する第1生育工程と、該第1生育工程後、対象物から生長した蓮根を収穫可能な状態になるまで生育する第2生育工程と、を有し、少なくとも第1生長工程では、栽培水の水面側を浮遊する浮遊物を遮光物として機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽内で蓮根の栽培を行う蓮根の栽培方法であって、
種レンコン又は蓮根の苗である対象物を、その少なくとも一部を水槽内の栽培水に露出させた状態で該栽培水中に沈め、該水槽内に定着させる定着工程と、
該定着工程後、前記対象物から生長した葉が前記栽培水の水面側に繁る状態まで生育する第1生育工程と、
該第1生育工程後、前記対象物から生長した蓮根を収穫可能な状態になるまで生育する第2生育工程と、を有し、
少なくとも前記第1生長工程では、前記栽培水の水面側を浮遊する浮遊物を遮光物として機能させる
ことを特徴とする蓮根の栽培方法。
【請求項2】
前記浮遊物は、時間の経過に伴い、その少なくとも一部の成分が分解されて亜硝酸態窒素になり、前記栽培水中に溶け出す
請求項1に記載の蓮根の栽培方法。
【請求項3】
前記浮遊物は、前記栽培水中で時間の経過に伴って腐葉土に変化する
請求項2に記載の蓮根の栽培方法。
【請求項4】
前記浮遊物には、蓮の葉、稲藁又は藻である
請求項2又は3の何れかに記載の蓮根の栽培方法。
【請求項5】
前記第1生育工程又は前記第2生育工程の少なくとも一方の少なくとも一部の期間において、前記栽培水中に含ませる養分の濃度を、時間の経過に伴って段階的に増加させる
請求項1に記載の蓮根の栽培方法。
【請求項6】
定着工程では、前記対象物を位置決め具によって前記前記水槽の底面側に定着させた
請求項1に記載の蓮根の栽培方法。
【請求項7】
前記栽培水に用いる水として、竹林から湧き出る天然水又は雨水を用いた
請求項1に記載の蓮根の栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽内で蓮根の栽培を行う蓮根の栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水田で蓮根の栽培を行った場合、その上面から所定の高さまで水を張った土の中の深い位置で生長した蓮根を収穫するため、土の掘り起し作業が必要になり、負担が大きい。この作業負担を改善するため、浅いプール(水槽)内の底面から所定の高さまで土を入れ、その土の上から所定高さまで栽培水を張り、土中に種レンコンを植え付ける蓮根の栽培方法が公知になっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
上記文献の蓮根の栽培方法によれば、プールの底が浅いため、蓮根の収穫作業の負担が軽くなる一方で、種レンコンをプール内の土の中に埋設させるため、蓮根の収穫時、土を掘り起こす作業は依然として必要であり、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、水槽内で蓮根の栽培を行う蓮根の栽培方法であって、作業負担がさらに軽減された蓮根の栽培方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、水槽内で蓮根の栽培を行う蓮根の栽培方法であって、種レンコン又は蓮根の苗である対象物を、その少なくとも一部を水槽内の栽培水に露出させた状態で該栽培水中に沈め、該水槽内に定着させる定着工程と、該定着工程後、前記対象物から生長した葉が前記栽培水の水面側に繁る状態まで生育する第1生育工程と、該第1生育工程後、前記対象物から生長した蓮根を収穫可能な状態になるまで生育する第2生育工程と、を有し、少なくとも前記第1生長工程では、前記栽培水の水面側を浮遊する浮遊物を遮光物として機能させることを特徴とする。
【0007】
前記浮遊物は、時間の経過に伴い、その少なくとも一部の成分が分解されて亜硝酸態窒素になり、前記栽培水中に溶け出すものとしてもよい。
【0008】
前記浮遊物は、前記栽培水中で時間の経過に伴って腐葉土に変化するものとしてもよい。
【0009】
前記浮遊物には、蓮の葉、稲藁又は藻であるものとしてもよい。
【0010】
前記第1生育工程又は前記第2生育工程の少なくとも一方の少なくとも一部の期間において、前記栽培水中に含ませる養分の濃度を、時間の経過に伴って段階的に増加させるものとしてもよい。
【0011】
定着工程では、前記対象物を位置決め具によって前記前記水槽の底面側に定着させたものとしてもよい。
【0012】
前記栽培水に用いる水として、竹林から湧き出る天然水又は雨水を用いたものとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
栽培水の水面側を浮遊する浮遊物による遮光効果によって、種レンコン又は蓮根の苗の少なくとも一部を、水槽中の栽培水に露出させることが可能になり、該水槽内に土を入れることは必須ではなくなり、その結果、土の掘り起こし作業も不要になり、作業負担がさらに軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明を適用した蓮根の栽培方法の概略を示すものであり、(A)は種レンコンを定着させた状態を説明する説明図であり、(B)は蓮の葉が水面側に繁った状態を説明する説明図である。
【
図2】本発明を適用した蓮根の栽培方法の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願発明者は、鋭意検討の結果、太陽光等からの強い光(特に、紫外線)が、蓮の蓮根となる地下茎に照射された場合、その部分の生長が阻害されて蓮根が収穫できないか、或いはその品質が低下することを発見し、逆に、その部分に照射される光を部分的にでも遮れば、種レンコンや蓮根の苗を、土中に植えることなく、栽培水の中で育成できることを見出し、この特性を本願発明に利用したものである。
【0016】
図1は、本発明を適用した蓮根の栽培方法の概略を示すものであり、(A)は種レンコンを定着させた状態を説明する説明図であり、(B)は蓮の葉が水面側に繁った状態を説明する説明図である。
図2は本発明を適用した蓮根の栽培方法の手順を示すフロー図である。
【0017】
図2に示す通り、本発明を提供した蓮根R´の栽培方法は、種レンコンR又は蓮根の苗(図示する例では種レンコンR)である対象物Rを定着させる「定着工程」(
図1(A)参照)と、定着させた対象物Rから生長した蓮根Hを後述する予め定めた所定の時期まで生育する「第1生育工程」と、該第1生育工程を経てある程度生長した蓮Hを、その地下茎が収穫可能な蓮根Rに生長する時期(収穫時期)まで生育する「第2生育工程」(
図1(B)参照)と、該第2生育工程を経た蓮根Hの葉H1を刈り取る「から刈り工程」と、から刈り工程を経た蓮根Hから蓮根R´を収穫する「収穫工程」と、を有している。
【0018】
以下、これらの工程の夫々について詳述する。
【0019】
上記定着工程では、プール等の水槽1(
図3乃至
図5を参照)内で蓮根R´を栽培する前準備として、まず、その底面1aに腐葉土等の土を敷かない状態(底面1aの全体が露出した状態のまま)の水槽1内に、水道水若しくは天然水等の純粋な水か、或いは、蓮根R´の生長に必要な水溶性の養分が含有された液体肥料(液肥)を前記水に混入させてなる培養液である栽培水Wを注入し、この栽培水Wで水槽1内の略全体を満たす。
【0020】
ちなみに、前記天然水は、竹林から湧き出たものや雨水を用いると、蓮根R´を良好に生育することが可能になる。養分としては窒素等が挙げられる。ところで、今回は、アンモニア窒素は養分として用いず、これによってアブラムシによる被害を低減できる。
【0021】
続いて、水槽1内の栽培水Wの中に対象物Rを沈め、該対象物Rを前記底面2側に定着させる。対象物Rは、その自重によって、水槽1の底面1a側に自然に定着させてもよいが、錘等からなる位置決め具50により対象物Rを前記底面1a側に押し付けて安定的に定着させてもよく、或いは、係止具からなる位置決め具50によって対象物Rを前記底面1a側に係止させて安定的に定着させてもよい。
【0022】
上記第1生育工程では、栽培水Wの中の対象物Rが、その周囲の芽等から茎H2や葉H1や根H3になって蓮Hとして生長し、該蓮Hの葉H1が栽培水Wの水面(液面)W1側に繁って、該水面W1の直上の一部又は全部(図示する例では過半以上、さらに具体的には大部分)が葉H1によって覆われ、紫外線を所定割合以上含んだ太陽光や人工的等の強い光(以下、単に「光」と表現する)における栽培水W中への照射が全体的又は部分的に遮られた状態になる時期(深緑時期)まで生育する第1生育工程を実行する。
【0023】
蓮Hの生長の最中、前記深緑時期に至るまでの間に何らの対策も行わなければ、光がそのままの状態で、水槽1内の栽培水Wの中に降り注ぎ、該栽培水W中にその全体が沈んだ対象物R又は蓮Hにおける水没部分(具体的には、茎H2、根H3及び蓮根R´)に照射され、その生長を阻害する。これを防止するため、この光を、部分的又は全体的(本例では全体的)に遮る目的で、栽培水Wの水面W1側に浮遊物L1を浮遊させ、該水面W1側に遮光層Lを形成させる。
【0024】
遮光層Lは、栽培水Wの中の対象物R又は蓮Hにおける栽培水Wの中に水没した部分への光に照射を部分的にでも遮ればよいので、水面W1の一部に浮遊させれば、その機能は達成されるが、その水面W1の全体に亘り形成し、栽培水Wの中への光の照射を全体的に遮ることがより望ましい。
【0025】
遮光層Lを構成する浮遊物L1は、密度が栽培水Wよりも低く、透光性が無い又は低い遮光物であって、且つ、対象物R又は蓮根R´(蓮H)の生長を阻害する成分が栽培水W中に排出されないものであれば、その材料選択は比較的自由であるが、栽培水Wの中で微生物の分解や酸化等の作用により、その成分が蓮根R´の生長に必要な養分に変化し、栽培水W中に溶け出すものが望ましい。
【0026】
蓮根R´の生長に必要な代表的なものとして亜硝酸態窒素が挙げられる。また、本例では、浮遊物L1として、以前に収穫した蓮根R´の蓮から採取され且つ枯れた葉、稲藁若しくは藻、又はこれらを混合させものを浮遊物L1として用いている。このような浮遊物L1は、栽培水Wの中で、その構成成分の少なくとも一部が亜硝酸体窒素等の養分に変化して該栽培水W中に流出し、最終的には、該浮遊物L1自体が腐葉土に変更する。ちなみに、ここで「腐葉土」は、微生物に分割された窒素になる成分を含んだものを意味している。
【0027】
このように蓮根R´の生長に必要な養分に変化する成分が含まれたものを浮遊物L1として利用すれば、初期の栽培水に養分を混入させることも必須ではなくなり、また、追加する液肥の量も少量でよくなり、利便性も高い。
【0028】
ちなみに、藻を遮光用の浮遊物L1として用いる場合、他の環境で育成したものを移植させてもよいが、蓮根R´を栽培する水槽1の栽培水Wの水面W1上で、藻も併せて生育させてもよい。
【0029】
上記第2生育工程では、水槽1内に貯水された栽培水W中への光の照射が、該栽培水Wの水面W1側に繁った多数の葉H1によって、部分的又は全体的(図示する例では全体的)に遮られるため(
図1(B)参照)、上述のように、遮光層Lによって遮光することは必ずしも必要ないが、より確実な遮光を行うため、第2生育工程でも、第1生育工程と同様、水面W1に遮光層Lを形成してもよい。
【0030】
そして、このような環境下での蓮Hの生育によって、従来の栽培方法において土中に埋設される範囲の茎H2(地下茎と呼ばれる茎H2)や種レンコンRが収穫可能な蓮根R´に生長する。ちなみに、ある程度生長した蓮Hは、その自重による安定的に水槽1の内部側に安定的に定着するので、その時点で、位置決め具50による位置決めを解除してもよい。
【0031】
ちなみに、第1育成工程及び第2育成工程において、断熱材等を利用して、水槽1内に栽培水Wの温度を気温よりも高い温度に保持させてもよい。ちなみに、水槽1内の栽培水Wの温度は、15~40℃の範囲と、25~40℃の範囲と、25~35℃の範囲と、30~40℃の範囲と、30~35℃の範囲との何れかに設定される。
【0032】
また、第1育成工程及び第2育成工程において、栽培水のpHは6.0~6.5の範囲に維持される。
【0033】
さらに、第1生育工程又は第2生育工程の少なくとも一方の少なくとも一部の期間(本例では、第1生育工程及び第2生育工程の全期間)において、栽培水W中に含ませる前記養分の濃度を、時間の経過に伴って段階的に増加するように、適宜養分を添加する。この養分の添加は、該養分を含まれた液肥を栽培水Wへの補充によって行う。
【0034】
上記から刈り工程では、蓮根Hを刈り、栽培水中の沈んだ蓮根Rの酸素を欠乏させ、そこに含まれる酸化鉄を還元させて味を調える。このから刈り工程は省略することも可能である。
【0035】
上記収穫工程では、水槽1から栽培水Wを抜き、その状態で、蓮根R´の収穫を行う。この収穫は、土から掘り出す作業がまったく必要なくなるため、その手間が従来と比較して、飛躍的に軽減される。
【0036】
対象物が種レンコンRの場合、定着工程を暖かくなり始める3月又は4月ぐらいに行い、その後、1~2ヶ月程度が第1育成工程の実行する期間になり、その後、2~3ヶ月程度の第2育成工程を経て、収穫時期に至る。
【0037】
なお、上述の例では、対象物Rの表面の全体を、水槽1の栽培水Wに露出させているが、該表面の一部のみを、水槽1の栽培水Wに露出させるようにしてもよい。例えば、水槽1の底面1aに腐葉土等の土をある程度の厚みで敷設し、対象物Rを、その表面の一部が栽培水Wの中に露出した状態で、該表面のそれ以外の部分を、前記土の中に埋設させる。
【0038】
遮光の対策を行っていない場合には、対象物Rの一部でも栽培水Wに露出していれば、その露出した部分に光が照射され、蓮根R´の生長阻害の原因になるが、浮遊物によって構成された遮光層Lによって、上述した例と同様、この生長阻害の問題を解決できる。
【0039】
次に、
図3乃至
図5に基づき、水槽1の一実施例について説明する。
【0040】
図3は水槽の平面図であり、
図4はA-A断面図であり、
図5はB-B断面図である。水槽1は、屋外に固定的に設置されるプールや、移動可能な容器等によって構成され、図示する例では、水田、畑地、更地、グランド又は舗装地面等の整地した地面に設置された浅い屋外プールである。
【0041】
この屋外プール1は、平面視で前後に長い平板状に形成され且つその上面が上述した底面1aとなる底板2と、該底板2の方形枠状の縁部における略全周に亘る範囲から上方に突出形成された筒状の周壁3と、一体的に有し、その底板2の直上の周壁3に囲繞された空間を、栽培水Wを貯水する貯水室5としている。ちなみに、この貯水室5に対象物Rは定着され、ここで蓮Hを育成する。
【0042】
底板2及び周壁3の夫々は、非透水性材料(例えば、コンクリート材、金属材又は樹脂材)から構成されている。周壁3の底板2からの高さは、該屋外プール1を底浅にすることを目的として、20~40cmに設定することが望ましい。周壁3の左右の内壁面の距離は、蓮Hの生長を加味して8~10m程度に設定することが望ましい。
【0043】
屋外プール1の周壁3の四隅は、R面状に形成され、生長時における茎H2や根H3や蓮根R´の迂回が促進される。
【0044】
この屋外プール1には、溜め池や貯水タンクなどで一定期間貯水しておいて軟水化して調整された栽培水Wを貯水室5に給水する給水パイプ口の給水口4と、前記養分を多量に含んだ液体の肥料(液肥)を貯水室5に補充する肥料供給パイプの供給口6と、貯水室5の栽培水の水位を調整する水位調節装置7と、該屋外プール1内の栽培水を外部に配水する排水装置8と、が設けられている。
【0045】
なお、供給口6に代えて、施肥ポンプに接続されている長いホースによって、屋外プール1内の栽培水Wの水面W1の全体に肥料を散布して供給するようにしても良い。
【0046】
水位調節装置7は、貯水室5と周壁3を挟んで隣接し且つ周壁3の外周面側に一体的に設けられた一時貯水室9と、逆U字形状をなし且つその2つの端部の一方が貯水室5の栽培水Wに浸されるとともに他方が一時貯水室9の栽培水Wに浸される連通管11とを有し、サイフォン効果によって、貯水室5の水位と、一時貯水室9の水位とは、同一又は略同一の高さで保持される。一時貯水室9の栽培水Wは、排水パイプ12から外部に排出され、これによって貯水室5の栽培水の水位が調整される。
【0047】
排水装置8は、周壁3に開口形成された複数(図示する例では4つ)の排水口3aの夫々を個別に閉塞する部材である。複数の排水装置8の夫々を、対応する排水口3aから取り外すことにより、貯水室5の栽培水Wが自然に外部に配水される。一方で、複数の排水装置8の夫々を、対応する排水口3aに装着した該排水口3aを閉塞すると、貯水室5に栽培水を貯水可能な状態になる。
【0048】
また、この屋外プール1には、周壁3の対向する左右の側壁部の間に掛け渡された作業用道板14が設けられている。この作業用道板14は、屋外プール1の底面1aにおける該作業用道板14の直下に位置する部分に一列に並べられた複数の足場台16によって下支えされている。足場台16は、コンクリート製のブロックなどから構成され、底面1aに固定的に設置されている。
【0049】
作業用道板14は、屋外プール1(さらに具体的には貯水室5)に貯水された栽培水Wの水面W1の直上の近接した位置に配置される。作業者は、この作業用道板14上を歩行し、除草、防除、施肥、花弁摘み取り等の作業を効率的に行うことを可能とする。
【符号の説明】
【0050】
1 水槽
1a 底面
50 錘(位置決め具,係止具)
L1 浮遊物(遮光物)
R 種レンコン(対象物)
R´ 蓮根
W 栽培水
H1 葉