(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146156
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】フィーダ、実装システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241004BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H05K13/02 D
H05K13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058892
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】羽場 直也
(72)【発明者】
【氏名】住田 寛人
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353EE03
5E353EE23
5E353HH42
5E353HH46
5E353HH48
5E353HH71
5E353HH80
5E353PP02
5E353PP03
5E353QQ03
(57)【要約】
【課題】シャッタをより確実に移動させることができるフィーダ等を提供する。
【解決手段】フィーダ10は、収容空間から部品を排出する部品排出口111と、部品排出口111を開閉するシャッタ112とを有するケース110が着脱可能に装着されるフィーダであって、シャッタ112を、部品排出口111からの部品の排出を許容しない閉鎖位置から部品排出口111から部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構20を備える。シャッタ移動機構20は、閉鎖位置のシャッタ112と係合可能なピン21と、シャッタ112を閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに、ピン21をシャッタ112と係合する第1位置からシャッタ112に対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構22と、ピン21が第1位置にあるか否かを検出する検出部24とを有し、ピン移動機構22は、検出部24の検出結果に基づいて駆動される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収容する収容空間から前記部品を排出する部品排出口と、前記部品排出口を開閉するシャッタとを有するケースが着脱可能に装着されるフィーダであって、
前記シャッタを、前記部品排出口からの前記部品の排出を許容しない閉鎖位置から前記部品排出口から前記部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構を備え、
前記シャッタ移動機構は、
前記閉鎖位置の前記シャッタと係合可能な係合ピンと、
前記シャッタを前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させるとともに、前記係合ピンを前記シャッタと係合する第1位置から前記シャッタに対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構と、
前記係合ピンが前記第1位置にあるか否かを検出する検出部と、を有し、
前記ピン移動機構は、前記検出部の検出結果に基づいて駆動される、
フィーダ。
【請求項2】
前記係合ピンが前記第2位置から前記第1位置へ移動することを規制する規制部をさらに備える、
請求項1に記載のフィーダ。
【請求項3】
前記シャッタは、前記フィーダとの結合面となる前記ケースの一側面において摺動自在に設けられ、
前記ピン移動機構は、前記係合ピンを前記第1位置から前記第2位置に移動させるとともに前記シャッタを前記閉鎖位置から前記開放位置に向かう摺動方向に移動させるように構成される、
請求項1または2に記載のフィーダ。
【請求項4】
前記係合ピンは、収縮ばねにより下方に付勢され、
前記ピン移動機構は、エアシリンダを用いて構成され、前記エアシリンダにエアーを供給して前記係合ピンを前記収縮ばねの付勢力に抗して前記第2位置から前記第1位置へ移動させ、前記エアーを供給した状態で前記係合ピンを前記摺動方向に移動させるように構成される、
請求項3に記載のフィーダ。
【請求項5】
前記ピン移動機構は、前記係合ピンに設けられたカムを用いて構成され、
前記カムは、一方の端部が他方の端部より前記結合面に対して離間するように構成され、
前記係合ピンは、前記カムに沿って移動することにより前記第1位置から前記第2位置へ移動するように構成される、
請求項3に記載のフィーダ。
【請求項6】
請求項1または2に記載のフィーダと、
制御部とを備え、
前記フィーダは、前記フィーダに装着された状態の前記ケースを位置決めするロック機構をさらに備え、
前記制御部は、前記係合ピンが前記第1位置にあることが検出されると前記ロック機構の解除動作を制限する、
実装システム。
【請求項7】
部品を収容する収容空間から前記部品を排出する部品排出口と、前記部品排出口を開閉するシャッタとを有するケースが着脱可能に装着されるフィーダの制御方法であって、
前記フィーダは、前記シャッタを、前記部品排出口からの前記部品の排出を許容しない閉鎖位置から前記部品排出口から前記部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構を備え、
前記シャッタ移動機構は、
前記閉鎖位置の前記シャッタと係合可能な係合ピンと、
前記シャッタを前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させるとともに、前記係合ピンを前記シャッタと係合する第1位置から前記シャッタに対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構と、を有し、
前記制御方法は、
前記ピン移動機構を、前記係合ピンが前記第1位置にあるか否かの検出結果に基づいて駆動する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィーダ、実装システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィーダの一例として、バルク状態の部品を収容するバルクフィーダが知られている。例えば、特許文献1には、シャッタ開閉板をスライドさせることによって部品を供給するための開口(出口)を開閉するように構成されたバルクフィーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バルクフィーダにおいて、部品が収容されるケースの出口(部品排出口)において部品が詰まると、ケースから部品の取り出しができなくなる虞がある。そのため、ケースの出口を閉鎖するシャッタを確実に移動させて出口を開放することが求められている。
【0005】
そこで、本開示は、シャッタをより確実に移動させることができるフィーダ及び実装システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るフィーダは、部品を収容する収容空間から前記部品を排出する部品排出口と、前記部品排出口を開閉するシャッタとを有するケースが着脱可能に装着されるフィーダであって、前記シャッタを、前記部品排出口からの前記部品の排出を許容しない閉鎖位置から前記部品排出口から前記部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構を備え、前記シャッタ移動機構は、前記閉鎖位置の前記シャッタと係合可能な係合ピンと、前記シャッタを前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させるとともに、前記係合ピンを前記シャッタと係合する第1位置から前記シャッタに対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構と、前記係合ピンが前記第1位置にあるか否かを検出する検出部と、を有し、前記ピン移動機構は、前記検出部の検出結果に基づいて駆動される。
【0007】
本開示の一態様に係る実装システムは、上記のフィーダと、制御部とを備え、前記フィーダは、前記フィーダに装着された状態の前記ケースを位置決めするロック機構をさらに備え、前記制御部は、前記係合ピンが前記第1位置にあることが検出されると前記ロック機構の解除動作を制限する。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、部品を収容する収容空間から前記部品を排出する部品排出口と、前記部品排出口を開閉するシャッタとを有するケースが着脱可能に装着されるフィーダの制御方法であって、前記フィーダは、前記シャッタを、前記部品排出口からの前記部品の排出を許容しない閉鎖位置から前記部品排出口から前記部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構を備え、前記シャッタ移動機構は、前記閉鎖位置の前記シャッタと係合可能な係合ピンと、前記シャッタを前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動させるとともに、前記係合ピンを前記シャッタと係合する第1位置から前記シャッタに対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構と、を有し、前記制御方法は、前記ピン移動機構を、前記係合ピンが前記第1位置にあるか否かの検出結果に基づいて駆動する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、シャッタをより確実に移動させることができるフィーダ等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るフィーダの部分透視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る実装システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るシャッタ開の開始状態を示すフィーダの部分透視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るフィーダがシャッタを開ける動作を示す概念図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るシャッタ開の終了状態を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るフィーダの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態の変形例に係るフィーダがシャッタを開ける動作を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0014】
また、本明細書および図面において、X軸、Y軸およびZ軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。実施の形態では、Y軸方向は、フィーダが延在する方向(例えば、部品の搬方向)を示しており、Z軸方向はフィーダの上下方向を示している。平面視とは、Z軸方向からフィーダまたは部品実装装置を見ることを意味する。また、以下で示す摺動方向は、例えば、Y軸およびZ軸で規定される方向である。
【0015】
また、本明細書において、直交、平行などの要素間の関係性を示す用語、および、矩形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(あるいは、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0016】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0017】
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係るフィーダなどについて、
図1~
図6を参照しながら説明する。
【0018】
[1.フィーダの構成]
まず、本実施の形態に係るフィーダなどの構成について、
図1~
図3を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係るフィーダ10の部分透視図である。
図1では、フィーダ10のうち整列部11および搬送路12を透視して示している。また、
図1では、ケース110も図示している。
【0019】
図1に示すようにフィーダ10は、ケース110が着脱可能に取り付けられる物体である。
【0020】
ケース110は、中空の箱体であり、内部にバラ積み状態(バルク状態)で部品を収容する。ケース110は、収容する直方体形状を有する部品をフィーダ10に供給する。例えば、ケース110は、部品排出口111を有している(
図5)。部品排出口111はシャッタにより開放することができ、フィーダ10に装着された状態で、振動などにより揺らされることで収容する部品をフィーダ10に供給する。収容空間は、ケース110の内部空間である。
【0021】
部品は、例えば、抵抗器、コンデンサなどの電子部品であるが、これに限定されず、基板などの対象物に実装可能な物体であればよい。また、部品の形状は、例えば直方体状(例えば、平面視において矩形状)であるが、これに限定されない。
【0022】
図1の例では、ケース110は、傾斜してフィーダ10に取り付けられているが、これに限定されない。
【0023】
フィーダ10は、は、ケース110に接続され、ケース110に収容された部品(例えば、複数の部品)を供給位置13に搬送する。フィーダ10は、整列部11と、搬送路12とを有する。なお、フィーダ10は、部品実装装置の所定の位置に位置決めされるフィーダ本体部に対して着脱可能に取り付けられるアタッチメントを備えていてもよい。整列部11と搬送路12は、アタッチメントを介してフィーダ本体部に対して着脱不可能に取り付けられてもよい。
【0024】
整列部11は、搬送路12に接続され、ケース110から供給された複数の部品を整列させて、搬送路12に投入する。整列部11における部品の整列方法は特に限定されない。
【0025】
搬送路12は、一端(Y軸マイナス側の端部)が整列部11に接続され、整列部11により整列された部品(例えば、複数の部品)を供給位置13まで搬送する。搬送路12は、中空状(チューブ状)の部材または凹みにより構成されるが、これに限定されない。また、搬送路12が部品を搬送する搬送方法は特に限定されず、エアーなどにより部品を搬送してもよいし、振動などにより部品を搬送してもよい。
【0026】
フィーダ10は、部品実装装置のフィーダ装着部に対して位置決めされる。
【0027】
このようなフィーダ10は、供給ユニット(図示しない)に装着され、フィーダ10が装着された供給ユニットが部品実装装置(図示しない)に取り付けられる。
【0028】
供給ユニットは、部品実装装置の供給ユニット装着部(図示しない)に着脱自在に装着され、部品実装装置で使用される部品(例えば、電子部品)を供給するための装置である。供給ユニットは、フィーダ10が装着されるフィーダ装着部を有する台車により構成される。フィーダ装着部には、1以上(例えば、複数)のフィーダ10が装着される。
【0029】
部品実装装置は、対象物の一例である基板に、供給ユニットから供給された部品を実装する装置である。部品実装装置は、上記の供給ユニット、供給ユニット装着部を有する基台、フィーダ10により供給された部品を基板に搭載(実装)する実装ヘッドを含む部品実装機構、各種センサ、電源部、制御部などを備える。実装ヘッドは、供給位置13に供給された部品を吸着するための1以上の部品吸着ノズルを有する。
【0030】
フィーダ10の構成について、さらに
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態に係る実装システム1の機能構成を示すブロック図である。
図3は、本実施の形態に係るシャッタ開の開始状態を示すフィーダ10の部分透視図である。
図3は、
図1に示す破線領域の部分透視図を示す。
【0031】
なお、
図3に示すように、ケース110は、部品を収容する収容空間から部品を排出する部品排出口111と、部品排出口111を開閉し、ケース110の底面において摺動自在であるシャッタ112とを有する。
図3は、シャッタ112が閉じている状態を示している。なお、シャッタ開の開始状態は、フィーダ10がシャッタ112を開ける動作を開始するときのシャッタ移動機構20の各構成要素の状態(位置など)を意味する。
【0032】
図2に示すように、実装システム1は、フィーダ10と、制御部40とを備える。また、フィーダ10は、シャッタ移動機構20と、ロック機構30とを備える。
【0033】
シャッタ移動機構20は、シャッタ112を部品排出口111からの部品の排出を許容しない閉鎖位置(例えば、後述する
図3に示すシャッタ112の位置)から部品排出口111から部品を排出することが可能な開放位置(例えば、後述する
図5に示すシャッタ112の位置)に移動させるための機構である。
図2に示すように、シャッタ移動機構20は、ピン21と、ピン移動機構22と、ストッパ23と、検出部24とを有する。また、
図3に示すように、シャッタ移動機構20は、さらに、第1摺動ブロック60と、カム80と、モータ90と、変換部100とを備える。
【0034】
ピン21は、閉鎖位置のシャッタ112と係合可能な棒状の物体である。ピン21は、例えば、シャッタ112に設けられた凹みまたは貫通孔と係合する。ピン21は、
図3に示すピン21の延在方向(ケース110の底面と直交する方向であり、第1方向)に移動可能である。ピン21は係合ピンの一例であり、ケース110の底面は、フィーダ10と結合される結合面であり、ケース110の一側面の一例である。結合面は、例えば、ケース110がフィーダ10に装着された状態で、フィーダ10の上面と対向するケース110の面である。
【0035】
図3に示すように、ピン21は、係合部21aと、本体部21bと、弾性体21cとを有する。また、本体部21bの一部に凹み21dが形成されている。
【0036】
係合部21aは、本体部21bのケース110側の端部に設けられ、ピン21が第1位置に位置しているときにシャッタ112の凹みと係合する突起である。本開示では、係合部21aがシャッタ112と係合していることが検出部24により検出された場合に、第1摺動ブロック60が移動するように制御される。なお、第1位置は、シャッタ112と係合部21aとが係合するピン21の第1方向の位置であり、例えば、
図3に示すピン21の第1方向の位置である。第1位置は、第1摺動ブロック60からピン21が飛び出している位置である。
【0037】
本体部21bは、第1方向に延在する棒状の部分である。本体部21bには、カム80が挿通される貫通孔が形成されている。
【0038】
本体部21bは、ケース110の底面と平行な方向(第1摺動ブロック60の摺動方向であり、第2方向)の移動が規制された状態で保持されている。つまり、ピン21は、第1摺動ブロック60と一体となって第2方向に移動する。なお、第2方向は、平面視において、Y軸方向と平行な方向であり、
図3に示す側面視においてケース110の長手方向と平行な方向である。
【0039】
弾性体21cは、コイルばねなどにより構成され、本体部21bが挿通されるように設けられる。弾性体21cは、本体部21bの径が小さい部分に設けられ、一方の端部が本体部21bと当接する。
【0040】
弾性体21cは、第1摺動ブロック60がシャッタ112を閉鎖位置から開放位置に移動させている間、ピン21とシャッタ112との係合が解除されない程度の付勢力でピン21をシャッタ112側に付勢する。
【0041】
上記のように構成されるピン21は、カム80に沿って移動することにより第1位置から、ピン21がシャッタ112と離間する第2位置へ移動する。第2位置は、例えば、後述する
図5に示すピン21の位置である。また、凹み21dは、ピン21がカム80に沿って移動することにより第2位置に移動したときにストッパ23と係合する。凹み21dがストッパ23と係合することで、ピン21の第2位置から第1位置への移動が規制される。
【0042】
ピン移動機構22は、シャッタ112を閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに、ピン21を第1位置から第2位置へ移動させる。ピン移動機構22は、検出部24による検出結果に基づいて駆動が制御される。
図3に示すように、ピン移動機構22は、第1摺動ブロック60と、カム80と、モータ90と、変換部100とを有する。
【0043】
第1摺動ブロック60は、ピン21をケース110側へ移動可能に保持し、かつ、ケース110の底面に沿って摺動可能に構成される。第1摺動ブロック60は、検出部24によりピン21が第1位置にあることが検出された場合に駆動し、シャッタ112を閉鎖位置から開放位置に移動させる。
【0044】
第1摺動ブロック60は、ピン21の少なくとも一部と、ストッパ23とを収容する。
【0045】
なお、上記の第2位置は、ピン21がシャッタ112と係合しない(接触しない)位置であり、第1摺動ブロック60がケース110の底面に沿って摺動してもシャッタ112を開閉できない位置である。
【0046】
カム80は、第2方向に延在し、ピン21の第1方向の位置を変化させる物体である。カム80は、第1部分81(一方の端部の一例)と、第1部分より底面に対して離間する位置に配置される第2部分82と、第1部分81及び第2部分82を接続する第3部分83とを有する。
【0047】
第1部分81は、第2方向に延在しており、ピン21が閉鎖位置に対応する第2方向の位置(例えば、
図3に示すピン21の第2方向の位置)に位置しているときにピン21の貫通孔に挿通されている部分である。ピン21は、閉鎖位置に対応する第2方向の位置から開放位置に対応する第2方向の位置(例えば、後述する
図5に示すピン21の第2方向の位置)まで第1部分81に沿って移動する。第1部分81は、閉鎖位置に対応する第2方向の位置から開放位置に対応する第2方向の位置までの間、ピン21がケース110と係合している状態を維持するために設けられる。なお、以降において、閉鎖位置に対応する第2方向の位置を動作開始位置とも記載し、開放位置に対応する第2方向の位置を動作終了位置とも記載する。
【0048】
第2部分82は、第1部分81よりケース110の底面に対して離間するように構成される。具体的には、第2部分82は、第1部分81よりケース110の底面から離れた位置に、第2方向に延在するように設けられる。第2部分82は、第1部分81より径が大きく、例えば、本体部21bの貫通孔より径が大きい。
【0049】
第3部分83は、第1部分81から第2部分82に向かって傾斜するように設けられ、第1部分81及び第2部分82を接続する。第3部分83は、
図3に示す側面視において、第2方向と交差しており、第1部分81から第2部分82に向かうにつれ徐々に離間する距離が大きくなるように設けられる。また、第3部分83は、例えば、第1部分81と同じ径である。
【0050】
ピン21は、第3部分83に沿って移動することにより、第2位置に移動する。具体的には、弾性体21cが圧縮することで、ピン21が第1位置から第2位置に移動する。これにより、シャッタ112が開放位置に移動した後に、ピン21とシャッタ112との係合が解除される。
【0051】
モータ90は、第1摺動ブロック60を第2方向に移動させるための動力部であり、例えば、ギア機構のモータであり、歯車を有する。モータ90は、変換部100と接続されている。モータ90は、正転及び反転の両方の回転方向に回転可能である。
【0052】
変換部100は、モータ90の歯車に設けられた周状の複数の歯(突起)に応じた複数の突起を直線状に有し、モータ90の回転力を第2方向への移動力に変換する。
【0053】
このように、本実施の形態では、第1摺動ブロック60の移動の動力は、モータ90であり、移動させるための機構は、ラック&ピニオン機構であるが、これに限定されない。
【0054】
ストッパ23は、ピン21が第2位置から第1位置へ移動することを規制する。
図3に示すように、ストッパ23は、本体部23aと、弾性体23bとを有する。ストッパ23は、規制部の一例である。
【0055】
本体部23aは、ピン21に設けられた凹み21dと係合することでピン21の移動を規制する。具体的には、本体部23aには、
図3におけるピン21と重なる位置に図示しない凹みが形成されており、この本体部23aに形成された凹みと凹み21dとが係合することでピン21の移動を規制する。また、本体部23aは、第1摺動ブロック60が動作終了位置へ移動した場合に凹み21dと係合し、第1摺動ブロック60が動作開始位置へ移動した場合に凹み21dとの係合が解除するように構成される。なお、
図3では、本体部23aに形成された凹みと凹み21dとが係合していない状態を示す。
【0056】
弾性体23bは、コイルばねなどにより構成され、本体部23aをピン21側に付勢する。
【0057】
検出部24は、第1摺動ブロック60が動作開始位置に位置しているときの第1方向におけるピン21の位置を検出する。検出部24は、ピン21が第1位置にあることを検出する。言い換えると、検出部24は、ピン21が第1位置にあるか否か、つまりピン21がシャッタ112と係合する位置まで移動しているか否かを検出する。
【0058】
検出部24によるピン21の位置の検出方法は特に限定されない。検出部24は、例えば、フォトセンサであり、出射光がピン21により透過または反射された光を受光し、受光した光に基づいてピン21の位置を検出してもよい。例えば、ピン21に、出射光を通過させるための貫通孔が形成されていてもよい。また、検出部24は、ピン21が磁性体で構成されている場合、磁界の乱れを検出する近接センサであってもよい。
【0059】
また、検出部24は、さらに、第1摺動ブロック60が動作終了位置に移動した後に、ピン21が第1位置にないことを検出してもよい。
【0060】
ロック機構30は、ケース110がフィーダ10に装着された状態でケース110を位置決めする。
【0061】
図3に示すように、ロック機構30は、本体部31と、弾性体32とを有する。
【0062】
本体部31は、第1方向に延在する棒状の物体であり、第1方向に移動可能である。本体部31のケース110側の端部には、ケース110がフィーダ10に装着された状態でケース110の底面の係合部113と係合する突起である係合部31aが設けられる。係合部31aは、ケース110の底面に対して傾斜する傾斜面を有し、ケース110がフィーダ10に装着されるときに装着動作を妨げず、かつ、ケース110がフィーダ10に装着された状態で、ケース110の第2方向への移動を規制する。
【0063】
弾性体32は、コイルばねなどにより構成され、本体部31をケース110側に付勢する。
【0064】
制御部40は、検出部24に検出結果に基づいて、ピン移動機構22を制御し、ピン21の第1方向および第2方向の位置を制御する。制御部40は、例えば、シャッタ112を開く場合にピン21が第1摺動ブロック60から突出しており第1位置にあることが確認された後、第1摺動ブロック60を第2方向に移動させるようにピン移動機構22を制御する。また、制御部40は、例えば、ケース110がフィーダ10に装着されている状態でシャッタ112が開いているときは、ピン21を第1摺動ブロック60に引き込んだ状態でロックするようにピン移動機構22を制御する。
【0065】
また、制御部40は、ピン21が第1位置にあることが検出されるとロック機構30の解除動作を制限する。解除動作とは、ケース110の着脱を可能とするために、弾性体32を弾性変形させることで、係合部31aと係合部113との係合を解除することである。制御部40は、ピン21が第1位置にあることが検出されるとロック機構30によりケース110の第2方向への移動を規制した状態、つまりケース110が固定された状態を維持する。
【0066】
なお、ケース110は、シャッタ112を閉じるとケース内の部品が損傷する場合あるので、本実施の形態では、制御部40は、ピン21を用いてシャッタ112を閉じるための制御を行わない。
【0067】
制御部40は、フィーダ10内部に設けられてもよいし、供給ユニットに設けられてもよいし、部品実装装置に設けられてもよい。
【0068】
[2.シャッタの開動作]
続いて、上記のように構成されるフィーダ10におけるシャッタ112の開動作について、
図3に加え、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
【0069】
図3は、第1摺動ブロック60が動作開始位置に移動した状態を示す。なお、この時点で、ピン21は第1位置に位置しており、ピン21とシャッタ112とは、係合している。また、シャッタ112は閉じている。
【0070】
ピン21は、例えば、ロック機構30によりケース110が固定されている場合に、第2位置から第1位置へ移動する。例えば、制御部40は、ロック機構30の動作状態またはロック機構30を撮像した画像などによりロック機構30がケース110を固定しているか否かを判定し、固定していると判定した場合に、ピン移動機構22を制御してピン21を第2位置から第1位置へ移動させてもよい。
【0071】
図4は、本実施の形態に係るフィーダ10がシャッタ112を開ける動作を示す概念図である。
図5は、本実施の形態に係るシャッタ開の終了状態を示す図である。
図5は、
図1に示す破線領域の部分透視図を示す。
【0072】
図4の(a)は、ピン21が第1位置に移動し、シャッタ112と係合した状態を示しており、この状態でシャッタ112は閉じている。また、ピン21の凹み21dと、ストッパ23との係合は解除されている。
【0073】
図5は、検出部24によりピン21が第1位置にあることが検出された後、第1摺動ブロック60が第2方向に移動(動作開始位置から動作終了位置に移動)することで、シャッタ112が閉鎖位置から開放位置へ移動した状態を示す。
図5に示すシャッタ112の位置は、部品排出口111からフィーダ10へ部品の供給が可能な位置である。
【0074】
カム80を用いてピン21の位置を移動させる機構であるので、第1摺動ブロック60が第2の方向であってロック機構30と反対側の方向に移動することで、ピン21が第3部分83に沿って第1方向におけるケース110と反対側の方向に移動することで
図5に示す状態となってもよい。これにより、ピン21とシャッタ112との係合が解除されるので、生産中などに誤ってピン21がシャッタ112を閉じてしまうなど、作業者が意図しないタイミングでシャッタ112を閉じてしまうことを抑制することができる。
【0075】
図4の(b)は、
図5に示す状態を模式的に示す図である。
【0076】
図4の(b)は、第1摺動ブロック60が第2方向に移動するとともにピン21が第2位置に移動し、ピン21とストッパ23とが係合され、かつ、ピン21がストッパ23により固定された状態を示している。この状態でシャッタ112は開いている。
【0077】
図5に示すように、例えば、第1摺動ブロック60がシャッタ112を開くために第2方向に移動すると、第3部分83によりピン21がシャッタ112とは反対方向に移動し、凹み21dが本体部23aの位置まで移動すると、本体部23aが弾性体23bの付勢力によりピン21側に移動し、本体部23aと凹み21dとが係合する。これにより、ピン21は、シャッタ112側への移動が規制される。つまり、ピン21は、第1摺動ブロック60に引き込まれた状態で固定される。ストッパ23によりピン21がラッチされるとも言える。
【0078】
また、動作終了位置から動作開始位置に向けて第1摺動ブロック60が移動する場合、ピン21と、ストッパ23とが一体となって壁部50側に移動するので、ピン21はラッチされた状態のまま、動作開始位置に向かって移動する。ここで、第1摺動ブロック60が動作開始位置に移動するよりも先にストッパ23の先端が壁部50と当接するので、当接後は、ストッパ23の位置は変化せず、ピン21が壁部50側に移動する。これにより、本体部23aと凹み21dとの係合が解除される(ラッチが解除される)ので、ピン21がケース110側に飛び出すことが可能となる(
図3を参照)。
【0079】
ピン21が飛び出すタイミング(ラッチが解除されるタイミング)は、例えば、次のケース110がフィーダ10に装着された後である。つまり、ケース110がフィーダ10に装着される際、ピン21は第1摺動ブロック60に引き込まれた状態であってもよい。これにより、ピン21起因によるケース110の取り付け不良を防止することができる。また、ケース110が装着された後にピン21が飛び出すことで、次のケース110のシャッタ112とピン21とが係合される。
【0080】
[3.シャッタの開動作の制御]
続いて、上記のように構成されるフィーダ10におけるシャッタ112の開動作の制御について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態に係るフィーダ10の動作(シャッタ112の開動作の制御方法)を示すフローチャートである。なお、
図6において、作業者または実装システム1の外部の装置などが行う作業については、破線枠で示している。
【0081】
図6に示すように、制御部40は、ケース110をセットするセット先のフィーダ10のランプを点灯させる(S10)。制御部40は、フィーダ10が有する発光部(図示しない)を点灯させる。発光部は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を含んで構成される。
【0082】
次に、作業者または外部の装置は、ケース110を点灯しているフィーダ10にセットする(S20)。ステップS20において、ケース110がフィーダ10に装着される。
【0083】
次に、制御部40は、セットされた部品が正しいか否かを判定する(S30)。例えば、部品の種類などのタグ情報が記憶されたRF(Radio Frequency)タグがケース110に取り付けられており、制御部40は、RFタグから読み出したタグ情報と、生産計画とに基づいて、セットされた部品が正しいか否かを判定してもよい。生産計画では、例えば、フィーダ10と当該フィーダ10で用いる部品の種類を示す情報とが対応付けられている。
【0084】
制御部40は、セットされた部品が正しくないと判定した場合(S30でNo)、部品(例えば、ケース110)が誤ってセットされたこと(
図6に示す部品誤セットであること)を報知する(S40)。報知は、例えば、発光などの視覚的な報知であってもよいし、音などの聴覚的な報知であってもよいし、その他の方法であってもよい。
【0085】
ステップS40の後、新たなケース110に対して、ステップS20の動作が行われる。
【0086】
制御部40は、セットされた部品が正しいと判定した場合(S30でYes)、さらにピン21が第1位置にあるか否かを判定する(S50)。制御部40は、ステップS50において検出部24によりピン21が第1位置にあることが検出された場合(S50でYes)、フィーダ10内のシャッタ112(ケースシャッタ)を開ける制御を実行する(S60)。具体的には、制御部40は、モータ90を制御して、第1摺動ブロック60を第2方向(壁部50と反対側)に移動させる。
【0087】
次に、制御部40は、ケース110内の部品が無くなったか否かを判定する(S70)。制御部40は、部品の供給位置13または部品排出口111付近に設置されたセンサの検出結果または生産数に基づいてステップS70を実行してもよい。
【0088】
制御部40は、ケース110内の部品が無くなったと判定した場合(S70でYes)、ピン21が第1位置にあるか否かを判定する(S80)。制御部40は、検出部24の検出結果に基づいて、ステップS80の判定を実行する。
【0089】
次に、制御部40は、ピン21が第1位置にあると判定しなかった場合(S80でNo)、ロック機構30のロックを解除する。つまり、ピン21が第1摺動ブロック60に引き込まれた状態でフィーダ10からケース110が取り外し可能となる。これにより、作業者などは、ケース110をフィーダ10から取り外すことができる(S90)。なお、ロックが解除されたことが作業者などに対して報知されてもよい。
【0090】
また、制御部40は、ピン21が第1位置にあると判定した場合(S80でYes)、ロック機構30のロックを維持し、ステップS80に戻り処理を継続する。なお、ステップS80でYesである場合、ケース110が取り外し不可能であることが作業者などに対して報知されてもよい。
【0091】
また、制御部40は、ステップS50において検出部24によりピン21が第1位置にあることが検出されなかった場合(S50でNo)、第1摺動ブロック60の第2方向への移動を禁止する(S100)。
【0092】
[4.効果など]
以上のように、本開示の第1態様に係るフィーダ10は、部品を収容する収容空間から部品を排出する部品排出口111と、部品排出口111を開閉するシャッタ112とを有するケース110が着脱可能に装着されるフィーダであって、シャッタ112を、部品排出口111からの部品の排出を許容しない閉鎖位置から部品排出口111から部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構20を備える。シャッタ移動機構20は、閉鎖位置のシャッタ112と係合可能なピン21(係合ピンの一例)と、シャッタ112を閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに、ピン21をシャッタ112と係合する第1位置からシャッタ112に対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構22と、ピン21が第1位置にあるか否かを検出する検出部24と、を有し、ピン移動機構22は、検出部24の検出結果に基づいて駆動される。
【0093】
これにより、検出部24によりピン21が第1位置にあることが検出された場合、つまりシャッタ112とピン21とが係合している場合にピン移動機構22が駆動されるので、シャッタ112をより確実に移動させることができる。例えば、ピン21の位置のエラーによりシャッタ112が開かないことを防止することができる。
【0094】
また、本開示の第2態様に係るフィーダ10は、第1態様に係るフィーダであって、ピン21が第2位置から第1位置へ移動することを規制するストッパ23(規制部の一例)をさらに備える。
【0095】
これにより、シャッタ112が開放位置になるとピン21がシャッタ112から離間した位置でロックされるので、不用意にシャッタ移動機構20を操作してシャッタ112を閉めてしまうことが避けられる。例えば、生産中などに意図せずにシャッタ112が閉められてしまうことを抑制することができる。
【0096】
また、本開示の第3態様に係るフィーダ10は、第1態様または第2態様に係るフィーダであって、シャッタ112は、フィーダ10との結合面となるケース110の一側面において摺動自在に設けられ、ピン移動機構22は、ピン21を第1位置から第2位置に移動させるとともにシャッタ112を閉鎖位置から開放位置に向かう摺動方向に移動させるように構成される。
【0097】
これにより、シャッタ開とピン21のロックとを同時に行うことができる。
【0098】
また、本開示の第5態様に係るフィーダ10は、第3態様に係るフィーダであって、ピン移動機構22は、ピン21に設けられたカム80を用いて構成され、カム80は、一方の端部が他方の端部より結合面に対して離間するように構成され、ピン21は、カム80に沿って移動することにより第1位置から第2位置へ移動するように構成される。
【0099】
これにより、ピン21がシャッタ112に係合する位置および離間する位置に移動可能であると、シャッタ112が開放位置に移動する前にピン21がシャッタ112から離れてしまうおそれがあるが、カム80に沿って移動する構成にすることにより、ピン21を正しい位置に合わせることができる。例えば、シャッタ112が開放位置に移動する前にピン21がシャッタ112から離れてしまうことを抑制することができる。よって、さらに確実にピン21を移動させることができる。
【0100】
また、以上のように、本開示の第6態様に係る実装システム1は、上記の第1態様から第5態様のいずれかに係るフィーダ10と、制御部40とを備える。フィーダ10は、フィーダ10に装着された状態のケース110を位置決めするロック機構30をさらに備え、制御部40は、ピン21が第1位置にあることが検出されるとロック機構30の解除動作を制限する。
【0101】
これにより、不用意にケース110のロックが解除されることを防止できるので、ピン21が第1位置にある状態でフィーダ10からケース110が取り外され、ピン21が損傷することなどを防止することができる。
【0102】
また、以上のように、本開示の第7態様に係るフィーダ10の制御方法は、部品を収容する収容空間から部品を排出する部品排出口111と、部品排出口111を開閉するシャッタ112とを有するケース110が着脱可能に装着されるフィーダ10の制御方法である。フィーダ10は、シャッタ112を、部品排出口111からの部品の排出を許容しない閉鎖位置から部品排出口111から部品を排出することが可能な開放位置に移動するシャッタ移動機構20を備え、シャッタ移動機構20は、閉鎖位置のシャッタ112と係合可能なピン21と、シャッタ112を閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに、ピン21をシャッタ112と係合する第1位置からシャッタ112に対して離間する第2位置へ移動させるピン移動機構22と、を有する。フィーダ10の制御方法は、ピン移動機構22を、ピン21が第1位置にあるか否か検出結果に基づいて駆動する。
【0103】
これにより、上記のフィーダ10と同様の効果を奏する。
【0104】
(実施の形態の変形例)
上記実施の形態では、ピン21を第1位置および第2位置の一方から他方に移動させるためにカム80を用いる例について説明したがこれに限定されず、例えばエアシリンダ(図示しない)などが用いられてもよい。以下、エアシリンダを用いる場合について、
図7を参照しながら説明する。
【0105】
図7は、本変形例に係るフィーダがシャッタ112を開ける動作を模式的に示す図である。
図7の(a)は、第2摺動ブロック70が動作開始位置に移動した状態を示す。
図7(a)に示すフィーダが備えるシャッタ移動機構は、実施の形態に係るシャッタ移動機構20が有するカム80に替えて、エアシリンダを含むエアシリンダ機構を有する。第2摺動ブロック70は、ピン21とエアー経路を収容する。
【0106】
シャッタ移動機構は、シャッタ112を部品排出口111からの部品の排出を許容しない閉鎖位置(例えば、
図7の(a)及び(b)に示すシャッタ112の位置)から部品排出口111から部品を排出することが可能な開放位置(例えば、
図7の(c)及び(d)に示すシャッタ112の位置)に移動させるための機構である。また、閉鎖位置に対応する第2方向の位置を動作開始位置とも記載し、開放位置に対応する第2方向の位置を動作終了位置とも記載する。なお、第2方向は、ケース110の底面と平行な方向であり、第2摺動ブロック70の摺動方向でもある。
【0107】
エアシリンダを用いる場合、例えば、ピン21は収縮ばね(例えば、コイルばね)により下方(ケース110と反対方向)に付勢されている。ピン21が収縮ばねにより付勢されている状態は、ピン21が第2摺動ブロック70に引き込まれている状態である。そのときのピン21の位置は、第2位置である。つまり、ピン21とシャッタ112とは係合していない。なお、例えば、このとき、エアシリンダからエアーは供給されていない。また、シャッタ112は閉じている。
【0108】
図7の(b)は、ピン21を第2位置から第1位置へ移動させた状態、つまりピン21とシャッタ112とが係合した状態を示す。ピン21は、例えば、ロック機構30によりケース110が固定されている場合に、第2位置から第1位置へ移動する。例えば、制御部40は、ロック機構30の動作状態またはロック機構30を撮像した画像などによりロック機構30がケース110を固定しているか否かを判定し、固定していると判定した場合に、エアシリンダ機構を制御してピン21を第2位置から第1位置へ移動させてもよい。
【0109】
ピン21を突出させる場合、エアシリンダからエアーが第2摺動ブロック70内に供給される。例えば、エアシリンダが電磁弁をオンしてエアーを供給することで、ピン21を突出させ、エアーの供給をオフにするとピン21が引き込まれる。このように、エアーおよびばねにより、ピン21の位置が制御されてもよい。エアシリンダを制御することにより、エアシリンダにエアーを供給させてピン21を収縮ばねの付勢力に抗して第2位置から第1位置へ移動させることが可能である。これにより、ピン21が第2摺動ブロック70に引き込まれている状態にするためのロック機構が不要となり、シャッタ移動機構20の構成を簡素化することができる。例えば、エアーは、ピン21を収縮ばねの付勢力に抗して第2位置から第1位置へ移動させることができる程度の圧力を有し、ピン21が突出するときだけ供給されてもよい。これにより、エアーを供給するための動力を抑制することができるので、省エネ性を向上させることができる。例えば、制御部40は、所定の条件を満たす場合にのみエアーを供給するようにエアシリンダを制御してもよい。これにより不用意にピン21が突出しシャッタ112を閉じてしまうことを防ぐことができる。
【0110】
なお、上記では、ピン21が突出するときにエアーが供給される構成を例示したが、ピン21が第2摺動ブロック70に引き込まれるときにエアーが供給される構成であってもよい。
【0111】
図7の(c)は、シャッタ112が閉鎖位置から開放位置へ移動した状態を示す。
図7の(c)に示すシャッタ112の位置は、部品排出口111からフィーダ10へ部品の供給が可能な位置である。また、ピン21とシャッタ112とは係合した状態である。
【0112】
図7の(d)は、
図7の(c)に示す状態からピン21が第2位置に移動した状態を示す。第2摺動ブロック70が
図7の(c)に示す位置にある状態で、エアシリンダ機構によるエアーの供給をオフすることでピン21を
図7の(d)に示す第2位置に移動させてもよい。これにより、ピン21とシャッタ112との係合が解除されるので、生産中などに誤ってピン21がシャッタ112を閉じてしまうなど、作業者が意図しないタイミングでシャッタ112を閉じてしまうことを抑制することができる。
【0113】
上記のように、エアシリンダ機構では、第2摺動ブロック70が動作開始位置に移動した後にエアーの供給がオンされ、シャッタ112が開放位置へ移動した後にエアーがオフされるように制御されてもよい。
【0114】
以上のように、本開示の第4態様に係るフィーダ10は、第3態様に係るフィーダであって、ピン21(係合ピンの一例)は、収縮ばねにより下方に付勢され、ピン移動機構22は、エアシリンダを用いて構成され、エアシリンダにエアーを供給してピン21を収縮ばねの付勢力に抗して第2位置から第1位置へ移動させ、エアーを供給した状態でピン21を摺動方向に移動させるように構成される。
【0115】
これにより、カム80を用いる場合に比べて、ピン21を第2位置に位置させるためのロック機構を必要としないため、シャッタ移動機構20の構成を簡素化することができる。そのため、シャッタ移動機構20の機構的なエラーにより誤ってピン21が突出しシャッタ112を閉じてしまうことなどを防ぐことができる。よって、シャッタ112をさらに確実に移動させることができる。また、ピン21の位置の精度が向上する。
【0116】
(その他の実施の形態)
以上、一つまたは複数の態様に係るフィーダなどについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0117】
例えば、上記実施の形態では、対象物が基板である例について説明したが、これに限定されず、部品を実装可能な物体であればよく、例えば、部品が実装可能な他の部品であってもよい。
【0118】
また、上記実施の形態におけるピン移動機構では、ピンに設けられたカムフォロワが下方から接触する構成を有するカムが用いてられていてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0120】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0121】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェアまたはソフトウェアが並列または時分割に処理してもよい。
【0122】
また、これらの全般的または具体的な態様は、システムで実現されてもよい。
【0123】
また、本開示の一態様は、
図6に示されるシャッタの開動作の制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。
【0124】
また、例えば、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布または流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本開示は、部品を基板に装着することによって実装基板を生産するための部品実装装置に用いられるフィーダなどに有用である。
【符号の説明】
【0126】
1 実装システム
10 フィーダ
11 整列部
12 搬送路
13 供給位置
20 シャッタ移動機構
21 ピン(係合ピン)
21a、31a、113 係合部
21b、23a、31 本体部
21c、23b、32 弾性体
21d 凹み
22 ピン移動機構
23 ストッパ(規制部)
24 検出部
30 ロック機構
40 制御部
50 壁部
60 第1摺動ブロック
70 第2摺動ブロック
80 カム
81 第1部分(一方の端部)
82 第2部分
83 第3部分(他方の端部)
90 モータ
100 変換部
110 ケース
111 部品排出口
112 シャッタ