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特開2024-146179置き去り検知装置、置き去り検知システム、置き去り検知方法及び置き去り検知プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146179
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】置き去り検知装置、置き去り検知システム、置き去り検知方法及び置き去り検知プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241004BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20241004BHJP
   G01S 13/56 20060101ALI20241004BHJP
   G01S 13/74 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G08B25/04 C
G08B25/04 K
G08B21/02
G01S13/56
G01S13/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058924
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 昭彦
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5J070
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA06
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA07
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA12
5C086FA17
5C087AA10
5C087AA12
5C087AA21
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA44
5C087AA51
5C087BB20
5C087DD03
5C087DD14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5J070AC02
5J070AE09
5J070AF03
5J070AH25
5J070AK14
5J070AK22
5J070BC06
(57)【要約】
【課題】不要な置き去り検知を抑制し、不要な発報を抑制して、低コストで置き去り検知を行うこと。
【解決手段】置き去り検知装置は、車両の室内の生体を検知する検知部と、車両側から携帯端末と近距離通信を行い、携帯端末の所有者の車両に対する属性情報と、携帯端末との通信結果と、を取得する通信部と、通信結果から得られる携帯端末の位置情報と属性情報とに基づいて、室内の状況を判定し、判定された状況に応じて、検知部を動作させて、室内における生体の置き去りの検知を行う制御部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内の生体を検知する検知部と、
前記車両側から携帯端末と近距離通信を行い、前記携帯端末の所有者の前記車両に対する属性情報と、前記携帯端末との通信結果と、を取得する通信部と、
前記通信結果から得られる前記携帯端末の位置情報と前記属性情報とに基づいて、前記室内の状況を判定し、判定された前記状況に応じて、前記検知部を動作させて、前記室内における前記生体の置き去りの検知を行う制御部と、
を備える、置き去り検知装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記携帯端末が前記室内に存在するか否かを判定し、前記状況として、前記所有者が前記室内にいるか否かを判定する、
請求項1に記載の置き去り検知装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記携帯端末を前記所有者が携帯しているか否かの携帯状態を更に取得し、
前記制御部は、前記位置情報及び前記携帯状態に基づいて、前記状況として、前記所有者が前記室内にいるか否かを判定する、
請求項2に記載の置き去り検知装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記携帯端末を前記所有者が使用しているか否かの使用状態を更に取得し、
前記制御部は、前記位置情報、前記携帯状態及び前記使用状態に基づいて、前記状況として、前記所有者が前記室内にいるか否かを判定する、
請求項3に記載の置き去り検知装置。
【請求項5】
前記属性情報は、前記車両を管理する管理者情報であり、
前記制御部は、前記状況として、前記管理者情報を有する前記携帯端末の前記所有者が前記室内にいないと判定した場合、前記検知部を動作させて、前記室内における前記生体の置き去りの検知を行う、
請求項2から4にいずれか一項に記載の置き去り検知装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記置き去りを検知した場合、前記位置情報と前記属性情報とに基づいて、置き去り報知の実施可否を判定し、判定された前記実施可否に応じて、前記置き去り報知を行う制御を行う、
請求項1に記載の置き去り検知装置。
【請求項7】
前記通信部は、前記携帯端末への通信経路を複数有し、前記通信結果として、それぞれの前記通信経路の通信状態を取得し、
前記制御部は、前記通信状態に基づいて、前記通信経路を選択する、
請求項6に記載の置き去り検知装置。
【請求項8】
所有者の車両に対する属性情報を有する携帯端末と
請求項1に記載の置き去り検知装置と、
を備える、置き去り検知システム。
【請求項9】
携帯端末の所有者の車両に対する属性情報を有するサーバーと、
前記サーバーと通信可能な携帯端末と、
請求項1に記載の置き去り検知装置と、
を備え、
前記携帯端末は、前記通信部との通信時に前記サーバーから前記属性情報を取得して、前記通信部に送信する、
置き去り検知システム。
【請求項10】
車両側から携帯端末と近距離通信を行い、前記携帯端末の所有者の前記車両に対する属性情報と、前記携帯端末との通信結果と、を取得し、
前記通信結果から得られる前記携帯端末の位置情報と前記属性情報とに基づいて、前記車両の室内の状況を判定し、判定された前記状況に応じて、前記室内における生体の置き去りの検知を行う、
置き去り検知方法。
【請求項11】
コンピューターに、
車両側から携帯端末と近距離通信を行い、前記携帯端末の所有者の前記車両に対する属性情報と、前記携帯端末との通信結果と、を取得する処理と、
前記通信結果から得られる前記携帯端末の位置情報と前記属性情報とに基づいて、前記車両の室内の状況を判定し、判定された前記状況に応じて、前記室内における生体の置き去りの検知を行う処理と、
を実行させる、置き去り検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置き去り検知装置、置き去り検知システム、置き去り検知方法及び置き去り検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車内の乳幼児の置き去りを検知し、警報を発する置き去り検知装置が知られている。例えば、特許文献1には、携帯装置が車両の通信可能エリア外になると、タイマーを作動させ、設定されたタイマー時間に到達すると、車内に乳幼児が置き去りにされてから所定の時間が経過したことを警告することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-149487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した置き去り検知装置は、車内に人がいるかどうか判定するが、その人が乳幼児であり、かつ、置き去りされている状況かどうかを判定するのは容易ではない。例えば、カメラを用いる置き去り検知装置では、画像認識が必要であるが、画像認識には死角があるため、乳幼児の置き去りを判定するのが困難な場合がある。また、レーダを用いる置き去り検知装置では、検知対象の形状や大きさの判定処理が必要であるが、例えば、乳幼児の姿勢の変化や体格の違いにより、レーダの反射波が変化するため、乳幼児かどうかの判定が困難な場合がある。
【0005】
このように、従来の置き去り検知装置では、乳幼児の置き去りを判定するのが困難であるため、不要な発報を行う可能性があり、その場合、利用者の使用感を損なうおそれがある。そのため、不要な置き去り検知を抑制すること、不要な発報を抑制することが望まれている。
【0006】
なお、乳幼児の置き去りを確実に判定するため、置き去り検知装置において、カメラやレーダの数を増やしたり、カメラとレーダとの検知結果を統合したりすることが検討されているが、このような装置はコストが非常に高くなってしまう問題がある。
【0007】
本発明の目的は、不要な置き去り検知を抑制し、不要な発報を抑制して、低コストで置き去り検知が可能な置き去り検知装置、置き去り検知システム、置き去り検知方法及び置き去り検知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る置き去り検知装置は、
車両の室内の生体を検知する検知部と、
前記車両側から携帯端末と近距離通信を行い、前記携帯端末の所有者の前記車両に対する属性情報と、前記携帯端末との通信結果と、を取得する通信部と、
前記通信結果から得られる前記携帯端末の位置情報と前記属性情報とに基づいて、前記室内の状況を判定し、判定された前記状況に応じて、前記検知部を動作させて、前記室内における前記生体の置き去りの検知を行う制御部と、
を備える。
【0009】
本発明に係る置き去り検知システムは、
所有者の車両に対する属性情報を有する携帯端末と
上記の置き去り検知装置と、
を備える。
【0010】
本発明に係る置き去り検知方法は、
車両側から携帯端末と近距離通信を行い、前記携帯端末の所有者の前記車両に対する属性情報と、前記携帯端末との通信結果と、を取得し、
前記通信結果から得られる前記携帯端末の位置情報と前記属性情報とに基づいて、前記車両の室内の状況を判定し、判定された前記状況に応じて、前記室内における生体の置き去りの検知を行う。
【0011】
本発明に係る置き去り検知プログラムは、
コンピューターに、
車両側から携帯端末と近距離通信を行い、前記携帯端末の所有者の前記車両に対する属性情報と、前記携帯端末との通信結果と、を取得する処理と、
前記通信結果から得られる前記携帯端末の位置情報と前記属性情報とに基づいて、前記車両の室内の状況を判定し、判定された前記状況に応じて、前記室内における生体の置き去りの検知を行う処理と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、不要な置き去り検知を抑制し、不要な発報を抑制して、低コストで置き去り検知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る置き去り検知装置を説明する概略図である。
図2図1に示す置き去り検知装置の一例を示すブロック図である。
図3図1に示すモバイル端末の一例を示すブロック図である。
図4図1図3に示す置き去り検知装置及びモバイル端末による置き去り検知方法の一例を説明するフローチャートである。
図5図4に示すフローチャートにおける検知実施の判定処理及び発報実施の判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
図6図5に示すフローチャートにおけるモバイル端末の通信状態判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
図7図5に示すフローチャートにおけるモバイル端末の位置判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
図8図4に示すフローチャートにおけるモバイル端末の経路選択処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
図9図4に示すフローチャートにおける検知実施の判定処理及び発報実施の判定処理のサブルーチンの他の一例(変形例1)を説明するフローチャートである。
図10図9に示すフローチャートにおけるモバイル端末の作動状態判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
図11図9に示すフローチャートにおけるモバイル端末の使用状態判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
[置き去り検知装置]
図1は、本実施の形態に係る置き去り検知装置の一例である置き去り検知装置10を説明する概略図である。図2は、図1に示す置き去り検知装置10の一例を示すブロック図である。図3は、図1に示すモバイル端末20A~20Cの一例を示すブロック図である。
【0016】
置き去り検知装置10は、車両100に配置される。置き去り検知装置10のセンサ部12は、車内(車両100の室内)の検知対象Tである人を検知できるように、例えば、車内中央部の天井等に配置される。車内に配置されたセンサ部12により、車内の人、例えば、乳幼児等を検知することができる。
【0017】
詳細は後述するが、本実施の形態では、まず、置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20C(本発明における携帯端末)からの情報に基づいて、車内の状況を判定するようにしている。そして、置き去り検知装置10は、当該情報に基づいて判定された車内の状況に応じて、車内の置き去り検知や置き去り検知に基づく報知を行うようにしている。なお、置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20Cと組み合わせて、置き去り検知システムとして構成してもよい。
【0018】
モバイル端末20A~20Cは、それらの所有者である車両利用者U1~U3の所有者情報と、車両利用者U1~U3の車両100に対する属性を示す属性情報(又は、権限を示す権限情報)を有している。属性情報としては、例えば、車両100の安全に責任を持って管理する管理者であるか否か、車両100を運転するか否、車両100の設備(窓、ドア等)を操作できるか否か等の情報である。管理者は、車両100の乗員の保護者でもある。
【0019】
ここでは、一例として、モバイル端末20Aの所有者である車両利用者U1は、車両100を所有し、運転し、管理する管理者であるとする。また、モバイル端末20Bの所有者である車両利用者U2は、車両100を運転し、管理する管理者であるとする。また、モバイル端末20Cの所有者である車両利用者U3は、車両100を運転せず、管理者でもない者とする。
【0020】
このような場合、モバイル端末20Aは、その所有者の車両利用者U1について、車両100に対する属性情報として、「管理者」、「運転可」、「操作可」等の情報を有する。また、モバイル端末20Bは、その所有者の車両利用者U2について、車両100に対する属性情報として、「管理者」、「運転可」、「操作可」等の情報を有する。また、モバイル端末20Cは、その所有者の車両利用者U3について、車両100に対する属性情報として、「非管理者」、「運転不可」、「操作可」等の情報を有する。
【0021】
このような属性情報は、車両利用者U1~U3自身が、それぞれのモバイル端末20A~20Cに予め登録しておき、これにより、車両100と関連付け(紐付け)するようにしている。
【0022】
なお、属性情報は、モバイル端末20A~20C側でなく、クラウドサーバー30側に登録しておいてもよい。つまり、置き去り検知装置10と、モバイル端末20A~20Cと、クラウドサーバー30と、を備える置き去り検知システムとして構成してもよい。この場合、モバイル端末20A~20Cは、LTE(Long Term Evolution)、3G、4G又は5G等の通信方式によるモバイル通信が可能な第3通信部24を有する構成とする。そして、それぞれのモバイル端末20A~20Cは、置き去り検知装置10側から通信があった場合、第3通信部24を用いて、クラウドサーバー30側から属性情報を読み出して、置き去り検知装置10側へ送信するようにする。
【0023】
また、ここでは、一例として、3つのモバイル端末20A~20Cを示しているが、置き去り検知装置10と通信するモバイル端末の数は、適宜に変更可能である。
【0024】
置き去り検知装置10は、図2に示すように、制御部11、センサ部12等を有する。置き去り検知装置10は、例えば、車両の大きさ等に応じて、他のセンサ部13を有していてもよいが、以降では、1つのセンサ部12を有することを前提として説明を行う。
【0025】
制御部11は、センサ制御部111、置き去り判定部112、車両側第1通信部113(本発明における通信部)等を有する。制御部11は、図示は省略するが、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有し、所謂、コンピューターとして機能する。
【0026】
センサ制御部111は、後述するセンサ部12の動作、例えば、後述する車両側第2通信部121の通信動作やレーダ部122のレーダ動作等を制御する。
【0027】
置き去り判定部112は、車両側第1通信部113の通信結果や後述するレーダ部122及びレーダ信号処理部123による検知結果に基づいて、置き去りの判定を行い、必要に応じて、置き去りの報知を行う。
【0028】
車両側第1通信部113は、後述するモバイル端末20A~20Cの端末側第1通信部21と近距離無線通信を行う。近距離無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)等を使用する。
【0029】
センサ部12は、車両側第2通信部121(本発明における通信部)、レーダ部122(本発明における検知部)、レーダ信号処理部123等を有する。
【0030】
車両側第2通信部121は、後述するモバイル端末20A~20Cの端末側第2通信部22と近距離無線通信を行う。車両側第2通信部121は、近距離無線通信として、例えば、マイクロ波を用いるUWB(Ultra-Wide Band)通信を行うUWB通信機等である。
【0031】
UWB通信では、車両側第2通信部121とモバイル端末20A~20Cの端末側第2通信部22との間の応答時間(本発明における通信結果)に基づいて、置き去り検知装置10からモバイル端末20A~20Cまでの距離を測定することができる。つまり、UWB通信により、置き去り検知装置10に対するモバイル端末20A~20Cの相対距離(相対位置)を測定することができる。
【0032】
レーダ部122は、車内に電波を放射し、反射した電波の反射波をレーダ信号として受信する。電波としては、マイクロ波等を使用する。なお、ここでは、車両側第2通信部121とレーダ部122とを別々の構成としているが、UWB通信を行うUWB通信機は、レーダとしても使用可能である。この場合は、1つのUWB通信機を用いて、車両側第2通信部121及びレーダ部122として機能させてもよい。
【0033】
レーダ信号処理部123は、レーダ部122で受信したレーダ信号の信号処理を行って、車内の人を検知する。
【0034】
モバイル端末20A~20Cは、図3に示すように、端末側第1通信部21、端末側第2通信部22、演算処理部23を有し、また、第3通信部24を有してもよく、更に、後述するように、デバイス部25を有していてもよい。
【0035】
端末側第1通信部21は、置き去り検知装置10の車両側第1通信部113と、例えば、Bluetooth等で近距離無線通信を行う。
【0036】
端末側第2通信部22は、置き去り検知装置10の車両側第2通信部121と、例えば、UWB通信等で近距離無線通信を行う。
【0037】
演算処理部23は、図示は省略するが、演算/制御装置としてのCPU、主記憶装置としてのROM及びRAM等を有し、所謂、コンピューターとして機能する。演算処理部23においては、例えば、CPUがROMやRAMに格納されたプログラムを実行することで、所定の機能を実現する。
【0038】
モバイル端末20A~20Cは、少なくとも、端末側第1通信部21、端末側第2通信部22及び演算処理部23を有する構成であれば、例えば、スマートフォン等でもよいし、車両100のスマートキー操作に使用するキー端末でもよい。
【0039】
置き去り検知装置10及びモバイル端末20A~20Cは、以上説明した構成を有する。そして、本実施の形態では、置き去り検知装置10は、以下に説明する手順により、車内の状況を判定し、判定された車内の状況に応じて、車内の置き去り検知や置き去り検知に基づく報知を行うようにしている。
【0040】
[置き去り検知方法]
図4は、置き去り検知装置10及びモバイル端末20A~20Cによる置き去り検知方法の一例を説明するフローチャートである。置き去り検知方法は、例えば、置き去り検知プログラムにより実行される。
【0041】
置き去り検知方法においては、例えば、車両100のドアの施錠後に開始される。
【0042】
(ステップS11)
置き去り検知装置10の制御部11は、車両側第1通信部113及び車両側第2通信部121の少なくとも一方を用いて、モバイル端末20A~20C側の属性情報を取得する。
【0043】
(ステップS12)
制御部11は、置き去り検知について、検知実施の判定処理を行う。ここで、検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1について、図5を参照して説明を行う。
【0044】
[サブルーチンR1]
図5は、図4に示すフローチャートにおける検知実施の判定処理及び発報実施の判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【0045】
(ステップS21)
制御部11は、モバイル端末の通信状態判定処理を行う。ここで、モバイル端末の通信状態判定処理を行うサブルーチンR11について、図6を参照して説明を行う。
【0046】
[サブルーチンR11]
図6は、図5に示すフローチャートにおけるモバイル端末の通信状態判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【0047】
(ステップS211)
図6に示すように、属性情報として、管理者情報を有する全てのモバイル端末に対する判定を行う。ここでは、上述したように、モバイル端末20A及び20Bが属性情報として管理者情報を有するので、モバイル端末20A及び20Bが判定の対象となる。
【0048】
(ステップS212)
制御部11は、車両側第1通信部113及び車両側第2通信部121を用いて、第1通信及び第2通信の通信状態を確認する。本実施の形態では、一例として、第1通信をBluetooth、第2通信をUWB通信としている。
【0049】
(ステップS213)
制御部11は、第1通信及び第2通信が確立したかどうかを確認し、第1通信及び第2通信が確立した場合(YES)、ステップS214へ進み、第1通信及び第2通信が確立しなかった場合(NO)、ステップS217へ進む。
【0050】
(ステップS214)
制御部11は、車両側第1通信部113及び車両側第2通信部121を用いて、第1通信及び第2通信の通信品質を確認する。制御部11は、例えば、端末側第1通信部21、端末側第2通信部22からの通信信号の信号強度等により、通信品質を確認する。
【0051】
(ステップS215)
制御部11は、通信品質が閾値以上かどうかを確認し、通信品質が閾値以上である場合(YES)、ステップS216へ進み、通信品質が閾値未満である場合(NO)、ステップS217へ進む。
【0052】
(ステップS216)
制御部11は、第1通信及び第2通信の通信状態OKと判定する。
【0053】
(ステップS217)
制御部11は、第1通信及び第2通信の通信状態NGと判定する。
【0054】
(ステップS218)
制御部11は、管理者情報を有する全てのモバイル端末に対する判定が終了するまで、上記のステップS212~S217を繰り返す。ここでは、上述したように、モバイル端末20A及び20Bに対する判定が終了するまで、上記のステップS212~S217を繰り返すことになる。そして、管理者情報を有する全てのモバイル端末に対する判定が終了すると、サブルーチンR11は終了し、図5に示すステップS22へ進む。
【0055】
なお、モバイル端末20A~20Cが第3通信部を有する場合、モバイル端末20A~20Cは、第3通信部とクラウドサーバー30との間において、上述したように、通信が確立したかどうか、通信状態OKかどうかを判定するようにする。
【0056】
(ステップS22)
制御部11は、サブルーチンR11での判定結果に基づいて、通信状態OKのモバイル端末が1台以上かどうかを確認する。制御部11は、通信状態OKのモバイル端末が1台以上である場合(YES)、ステップS23へ進み、通信状態OKのモバイル端末が1台もない場合(NO)、ステップS26へ進む。
【0057】
(ステップS23)
制御部11は、モバイル端末の位置判定処理を行う。ここで、モバイル端末の位置判定処理を行うサブルーチンR12について、図7を参照して説明を行う。
【0058】
[サブルーチンR12]
図7は、図5に示すフローチャートにおけるモバイル端末の位置判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【0059】
(ステップS231)
図7に示すように、通信状態OKの全てのモバイル端末に対する判定を行う。ここでは、一例として、管理者情報を有するモバイル端末20A及び20Bを判定の対象とする。
【0060】
(ステップS232)
制御部11は、車両側第2通信部121を用いて、モバイル端末の位置を確認する。車両側第2通信部121は、UWB通信を用い、車両側第2通信部121とモバイル端末の端末側第2通信部22との間の応答時間に基づいて、置き去り検知装置10からモバイル端末までの相対距離(相対位置)を測定する。
【0061】
(ステップS233)
制御部11は、モバイル端末の位置が車内かどうかを確認し、モバイル端末の位置が車内である場合(YES)、ステップS234へ進み、モバイル端末の位置が車内でない場合(NO)、ステップS235へ進む。
【0062】
(ステップS234)
制御部11は、モバイル端末の位置を車内と判定する。つまり、モバイル端末が車内に存在すると判定する。
【0063】
(ステップS235)
制御部11は、モバイル端末の位置を車外と判定する。つまり、モバイル端末が車内に存在しないと判定する。
【0064】
(ステップS236)
制御部11は、通信状態OKの全てのモバイル端末に対する判定が終了するまで、上記のステップS232~S235を繰り返す。ここでは、上述したように、モバイル端末20A及び20Bに対する判定が終了するまで、上記のステップS232~S235を繰り返すことになる。そして、通信状態OKの全てのモバイル端末に対する判定が終了すると、サブルーチンR12は終了し、図5に示すステップS24へ進む。
【0065】
(ステップS24)
制御部11は、サブルーチンR12での判定結果に基づいて、車内判定のモバイル端末が1台以上かどうかを確認する。制御部11は、車内判定のモバイル端末が1台以上である場合(YES)、ステップS25へ進み、車内判定のモバイル端末が1台もない場合(NO)、ステップS26へ進む。
【0066】
(ステップS25)
制御部11は、実施しないと判定する。検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1では、置き去り検知を実施しないと判定することになる。
【0067】
(ステップS26)
制御部11は、実施すると判定する。検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1では、置き去り検知を実施すると判定することになる。そして、検知実施の判定処理が終了すると、サブルーチンR1は終了し、図4に示すステップS13へ進む。
【0068】
(ステップS13)
制御部11は、サブルーチンR1での判定結果に基づいて、検知を実施するかどうかを判定し、検知を実施する場合(YES)、ステップS14へ進み、検知を実施しない場合(NO)、図4に示すフローを終了する。
【0069】
(ステップS14)
制御部11は、車内センサであるレーダ部122により、レーダ信号を取得する。具体的には、制御部11は、上述したように、車内に配置されたレーダ部122から電波を放射させ、当該電波の反射波をレーダ信号として取得させる。
【0070】
(ステップS15)
制御部11は、レーダ信号処理部123により、レーダ部122で取得したレーダ信号の信号処理を行って、検知結果を取得する。レーダ信号の信号処理により、例えば、人の呼吸に関する周波数帯のレーダ信号を検知することにより、車内に人がいるか否かの検知結果を取得する。
【0071】
置き去り検知装置10がセンサ部を複数有する場合、例えば、センサ部12だけでなく、センサ部13も有する場合、レーダ信号処理部123は、センサ部12による検知結果とセンサ部13による検知結果とを統合処理して、統合された検知結果を取得する。
【0072】
(ステップS16)
制御部11は、所得された検知結果に基づいて、車内に人を検知したかどうかを判定し、車内に人を検知した場合(YES)、ステップS17へ進み、車内に人を検知しない場合(NO)、図4に示すフローを終了する。
【0073】
(ステップS17)
制御部11は、発報実施の判定処理を行う。発報実施の判定処理を行うサブルーチンR2は、基本的には、図5図7を参照して説明した検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1と同じであるので、ここでは、その説明は省略する。但し、検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1では、検知を実施するかしないかを判定するのに対し、発報実施の判定処理を行うサブルーチンR2は、発報を実施するかしないか(実施可否)を判定する。
【0074】
(ステップS18)
制御部11は、サブルーチンR2での判定結果に基づいて、発報を実施するかどうかを判定し、発報を実施する場合(YES)、ステップS19へ進み、発報を実施しない場合(NO)、図4に示すフローを終了する。
【0075】
(ステップS19)
制御部11は、置き去り検知の発報について、モバイル端末の経路選択処理を行う。ここで、モバイル端末の経路選択処理サブルーチンR3について、図8を参照して説明を行う。
【0076】
[サブルーチンR3]
図8は、図4に示すフローチャートにおけるモバイル端末の経路選択処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【0077】
(ステップS31)
図8に示すように、属性情報として、管理者情報を有する全てのモバイル端末に対する確認を行う。ここでも、上述したように、モバイル端末20A及び20Bが属性情報として管理者情報を有するので、モバイル端末20A及び20Bが確認の対象となる。
【0078】
(ステップS32)
制御部11は、車両側第1通信部113及び車両側第2通信部121を用いて、第1通信及び第2通信の通信状態を確認する。ここでも、一例として、第1通信をBluetooth、第2通信をUWB通信としている。
【0079】
(ステップS33)
制御部11は、第1通信及び第2通信が確立したかどうかを確認し、第1通信及び第2通信が確立した場合(YES)、ステップS34へ進み、第1通信及び第2通信が確立しなかった場合(NO)、ステップS38へ進む。
【0080】
(ステップS34)
制御部11は、車両側第1通信部113及び車両側第2通信部121を用いて、第1通信及び第2通信の通信品質を確認する。制御部11は、例えば、端末側第1通信部21、端末側第2通信部22からの通信信号の信号強度等により、通信品質を確認する。
【0081】
(ステップS35)
制御部11は、第1通信が第2通信より通信品質がよいかどうかを判定し、第1通信が第2通信より通信品質がよい場合(YES)、ステップS36へ進み、第1通信の通信品質が第2通信の通信品質以下である場合(NO)、ステップS37へ進む。
【0082】
(ステップS36)
制御部11は、第1通信を通信経路として設定する。
【0083】
(ステップS37)
制御部11は、第2通信を通信経路として設定する。
【0084】
(ステップS38)
制御部11は、管理者情報を有する全てのモバイル端末に対する確認が終了するまで、上記のステップS32~S37を繰り返す。ここでは、上述したように、モバイル端末20A及び20Bに対する確認が終了するまで、上記のステップS32~S37を繰り返すことになる。そして、管理者情報を有する全てのモバイル端末に対する確認が終了すると、サブルーチンR3は終了し、図4に示すステップS20へ進む。
【0085】
(ステップS20)
制御部11は、車両100で発報を実施し、サブルーチンR3で選択された通信経路を用いて、発報対象のモバイル端末で発報を実施する。
【0086】
制御部11は、例えば、車両100の音出力機器(例えば、クラクション、スピーカー等)を用い、音出力機器の音、音声により、車両100の周囲の人へ置き去りを知らせる警報を発報する。また、制御部11は、車両100のライト(例えば、前照灯等の全てのライト)を用い、ライトの点滅等により、車両100の周囲の人へ置き去りを知らせる警報を発報してもよい。
【0087】
また、制御部11は、車両側第1通信部113又は車両側第2通信部121により、サブルーチンR3で選択された第1通信又は第2通信の通信経路を用いて、発報対象のモバイル端末へ発報を実施させる通信を行う。そして、発報対象のモバイル端末においては、例えば、音、音声、振動等により、置き去りを知らせる警報を発報する。発報対象のモバイル端末が表示部を有する場合には、表示部を点滅させたり、表示部に表示するメッセージを点滅させたりして、置き去りを知らせる警報を発報してもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施の形態において、置き去り検知装置10は、車両側第1通信部113、車両側第2通信部121を用いて、車両100を利用する車両利用者U1~U3のモバイル端末20A~20Cと近距離通信を行う。置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20Cとの近距離通信により、通信結果として、上述した属性情報、位置情報、通信状態を取得する。そして、置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20Cの位置情報等の通信結果に基づいて、車内の状況、即ち、車内に管理者がいるか否かの状況を判定し、判定された状況に応じて、車内の生体(人)を検知するようにしている。
【0089】
本実施の形態では、置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20Cの位置情報等の通信結果に基づいて、車内に管理者がいるか否かの状況を判定しており、車内に管理者がいると判定された場合には、車内の置き去り検知は行わない。このように、置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20Cの位置情報等の通信結果を利用して、車内の状況(管理者の有無)を判定し、車内の置き去り検知の実施を判定している。これにより、不要な置き去り検知を抑制し、その結果、不要な発報を抑制することができ、利用者の使用感を改善することができる。また、不要な置き去り検知や置き去りの報知を抑制するので、置き去り検知装置10の待機期間を長くし、その消費電力を低減することができる。
【0090】
また、もし、仮に、何らかの理由により、不要な置き去り検知を実施したとしても、サブルーチンR2で実施の可否の判定を行うので、不要な発報を抑制することができ、利用者の使用感を改善することができる。
【0091】
また、不要な置き去り検知を抑制するので、車両側第2通信部121がUWB通信機であり、レーダ部122としても利用する場合には、通信機としての待機期間が長くなる。その結果、UWB通信を行うキー端末に対するレスポンスが向上し、利用者の使用感を改善することができる。
【0092】
また、本実施の形態では、置き去り検知装置10は、上述したように、モバイル端末20A~20Cの位置情報等の通信結果を利用して、車内の状況(管理者の有無)を判定し、車内の置き去り検知を実施する。これにより、レーダの数を増やしたり、カメラと組み合わせたりすることなく、乳幼児等の置き去りを検知することができ、低コストで置き去り検知を行うことができる。
【0093】
また、本実施の形態では、置き去り検知装置10は、モバイル端末20A~20Cの通信状態等の通信結果に基づいて、モバイル端末20A~20Cでの置き去りの報知に用いる通信経路を選択している。通信状態の良い通信経路を選択することにより、リトライを避けた即時性の高い報知を行うことができ、モバイル端末20A~20Cでの置き去りの報知を確実に行うことができる。
【0094】
<変形例1>
図9は、図4に示すフローチャートにおける検知実施の判定処理及び発報実施の判定処理のサブルーチンの他の一例(変形例1)を説明するフローチャートである。
【0095】
本変形例において、置き去り検知装置10及びモバイル端末20A~20Cは、図4に示す置き去り検知方法を実施するが、図4に示す置き去り検知方法において、図5に示すサブルーチンに代えて、図9に示すサブルーチンを行う。
【0096】
図9に示すサブルーチンを実施する場合、置き去り検知装置10は、図2に示す構成でよい。一方、モバイル端末20A~20Cは、図3に示す構成において、端末側第1通信部21、端末側第2通信部22、演算処理部23及び第3通信部24に加えて、デバイス部25を有する構成とする。
【0097】
デバイス部25は、モバイル端末20A~20Cの位置や移動の情報を取得するため、例えば、GPS(Global Positioning System)、加速度センサ、電子コンパス等を少なくとも1つ有する。また、デバイス部25は、モバイル端末20A~20Cの認証に必要な情報を取得するため、生体認証センサであるカメラ、指紋認証センサ、静脈認証センサ等を少なくとも1つ有する。デバイス部25は、このようなデバイスを用いて、情報を取得し、置き去り検知装置10は、以下に説明するように、デバイス部25で取得した情報を用いて、モバイル端末20A~20Cの使用状態等を判定する。
【0098】
図9に示すサブルーチンにおいて、ステップS41~S44は、図5に示すサブルーチンにおけるステップS21~S24と同じである。そのため、ここでは、ステップS41~S44の説明は省略し、ステップS45以降について、以下に説明をする。
【0099】
(ステップS45)
制御部11は、モバイル端末の作動状態判定処理を行う。ここで、モバイル端末の作動状態判定処理を行うサブルーチンR13について、図10を参照して説明を行う。
【0100】
[サブルーチンR13]
図10は、図9に示すフローチャートにおけるモバイル端末の作動状態判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【0101】
(ステップS451)
図10に示すように、車内判定の全てのモバイル端末に対する判定を行う。上述したサブルーチンR12での判定結果に基づいて、ここでは、一例として、モバイル端末20A及び20Bを判定の対象とする。
【0102】
(ステップS452)
制御部11は、車両側第1通信部113又は車両側第2通信部121を用いて、モバイル端末の作動ステータスを確認する。作動ステータスとしては、例えば、モバイル端末が作動している状態を示すアクティブ状態か、又は、モバイル端末が作動していない状態を示すスリープ状態かを確認する。
【0103】
(ステップS453)
制御部11は、作動ステータスに基づいて、モバイル端末が作動中かどうかを確認し、モバイル端末が作動中である場合(YES)、ステップS456へ進み、モバイル端末が作動中でない場合(NO)、ステップS454へ進む。
【0104】
(ステップS454)
制御部11は、車両側第1通信部113又は車両側第2通信部121を用いて、モバイル端末のデバイス部25からモバイル端末の位置や移動に関する情報を取得する。デバイス部25は、例えば、GPS(Global Positioning System)、加速度センサ、電子コンパス等であり、モバイル端末の位置や移動に関する情報を記憶しておく。制御部11は、このようなデバイス部25が記憶した情報から、モバイル端末の位置や移動に関する情報を取得する。
【0105】
(ステップS455)
制御部11は、モバイル端末の位置や移動に関する情報に基づいて、モバイル端末が移動したかどうかを確認し、モバイル端末が移動した場合(YES)、ステップS456へ進み、モバイル端末が移動していない場合(NO)、ステップS457へ進む。
【0106】
(ステップS456)
制御部11は、モバイル端末を利用者が携帯している携帯状態と判定する。利用者については、後述するサブルーチンR14で判定する。
【0107】
(ステップS457)
制御部11は、モバイル端末を放置している放置状態と判定する。例えば、モバイル端末を車内等に置きっ放しにしている場合、放置状態と判定することになる。
【0108】
(ステップS458)
制御部11は、車内判定の全てのモバイル端末に対する判定が終了するまで、上記のステップS452~S457を繰り返す。ここでは、上述したように、モバイル端末20A及び20Bに対する判定が終了するまで、上記のステップS452~S457を繰り返すことになる。そして、車内判定の全てのモバイル端末に対する判定が終了すると、サブルーチンR13は終了し、図9に示すステップS46へ進む。
【0109】
(ステップS46)
制御部11は、サブルーチンR13での判定結果に基づいて、車内判定の全てのモバイル端末が放置状態かどうかを確認する。制御部11は、車内判定の全てのモバイル端末が放置状態である場合(YES)、ステップS49へ進み、車内判定の全てのモバイル端末が放置状態でない場合(NO)、ステップS47へ進む。
【0110】
(ステップS47)
制御部11は、モバイル端末の使用状態判定処理を行う。ここで、モバイル端末の使用状態判定処理を行うサブルーチンR14について、図11を参照して説明を行う。
【0111】
[サブルーチンR14]
図11は、図9に示すフローチャートにおけるモバイル端末の使用状態判定処理のサブルーチンの一例を説明するフローチャートである。
【0112】
(ステップS471)
図11に示すように、携帯状態判定の全てのモバイル端末に対する判定を行う。上述したサブルーチンR13での判定結果に基づいて、ここでは、一例として、モバイル端末20A及び20Bを判定の対象とする。
【0113】
(ステップS472)
制御部11は、車両側第1通信部113又は車両側第2通信部121を用いて、モバイル端末のデバイス部25から本人認証状態に関する情報を取得する。デバイス部25は、例えば、カメラ、指紋認証センサ、静脈認証センサ等であり、デバイス部25は、モバイル端末の使用開始時に行った本人認証情報を記憶しておく。制御部11は、このようなデバイス部25が記憶した本人認証情報を、本人認証状態に関する情報として取得する。
【0114】
(ステップS473)
制御部11は、モバイル端末の使用者が所有者本人かどうかを確認し、モバイル端末の使用者が所有者本人である場合(YES)、ステップS474へ進み、モバイル端末の使用者が所有者本人でない場合(NO)、ステップS475へ進む。
【0115】
(ステップS474)
制御部11は、モバイル端末を所有者本人が使用と判定する。
【0116】
(ステップS475)
制御部11は、モバイル端末を所有者以外が使用と判定する。
【0117】
(ステップS476)
制御部11は、携帯状態判定の全てのモバイル端末に対する判定が終了するまで、上記のステップS472~S475を繰り返す。ここでは、上述したように、モバイル端末20A及び20Bに対する判定が終了するまで、上記のステップS472~S475を繰り返すことになる。そして、携帯状態判定の全てのモバイル端末に対する判定が終了すると、サブルーチンR14は終了し、図9に示すステップS48へ進む。
【0118】
(ステップS48)
制御部11は、サブルーチンR14での判定結果に基づいて、携帯状態判定の全てのモバイル端末を所有者本人以外が使用しているかどうかを確認する。
制御部11は、携帯状態判定の全てのモバイル端末を所有者本人以外が使用している場合(YES)、ステップS49へ進む。一方、携帯状態判定の全てのモバイル端末を所有者本人以外が使用していない場合、つまり、携帯状態判定のモバイル端末を1台でも所有者本人が使用している場合(NO)、ステップS50へ進む。
【0119】
(ステップS49)
制御部11は、実施すると判定する。図4に示す検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1の場合には、置き去り検知を実施すると判定することになる。また、図4に示す発報実施の判定処理を行うサブルーチンR2の場合には、発報を実施すると判定することになる。
【0120】
(ステップS50)
制御部11は、実施しないと判定する。図4に示す検知実施の判定処理を行うサブルーチンR1の場合には、置き去り検知を実施しないと判定することになる。また、図4に示す発報実施の判定処理を行うサブルーチンR2の場合には、発報を実施しないと判定することになる。
【0121】
以上説明したように、本変形例では、サブルーチンR13により、車内判定のモバイル端末が携帯されているか又は放置されているかを判定する。そのため、例えば、管理者のモバイル端末が車両100の車内にあっても、管理者の置き忘れでモバイル端末が車内に放置されている状態か否かを判定することができる。その結果、車内に管理者がいるか否かの状況をより正確に判定することができ、不要な置き去り検知や置き去りの報知を抑制することができる。
【0122】
また、本変形例では、サブルーチンR14により、携帯状態判定のモバイル端末を管理者である所有者本人が使用しているかどうかを判定する。そのため、例えば、管理者が車内におらず、管理者以外の人、例えば、子供などが管理者のモバイル端末を車内で使用している場合でも、当該モバイル端末を管理者が使用しているかどうかを判定することができる。その結果、車内に管理者がいるか否かの状況をより正確に判定することができ、不要な置き去り検知や置き去りの報知を抑制することができる。
【0123】
サブルーチンR13、R14においては、モバイル端末側が有する情報を有効に利用するので、車内に管理者がいるか否かの状況の判定をモバイル端末側の複数の情報により高度化して、より正確な判定を行うことができる。その結果、不要な置き去り検知や置き去りの報知を抑制することができ、利用者の使用感を改善することができる。
【0124】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は、本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【0125】
例えば、本実施の形態では、置き去り検知装置10は、乳幼児等を置き去りの検知対象としているが、乳幼児等を含めて、ペット等の生体を置き去りの検知対象としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、車両の室内への生体(乳幼児やペット等)の置き去りを検知する置き去り検知装置として有用である。
【符号の説明】
【0127】
10 置き去り検知装置
11 制御部
111 センサ制御部
112 置き去り判定部
113 車両側第1通信部
12、13 センサ部
121 車両側第2通信部
122 レーダ部
123 レーダ信号処理部
20A、20B、20C モバイル端末
21 端末側第1通信部
22 端末側第2通信部
23 演算処理部
24 第3通信部
25 デバイス部
30 クラウドサーバー
100 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11