(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146181
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】対価推定装置、対価推定システム、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058927
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】300010899
【氏名又は名称】NGB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】金山 英嗣
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することを支援可能な対価推定装置、対価推定システム、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】各種情報を入力するための入力部11と、プロセッサと、プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置10である。少なくとも一つの命令がプロセッサにより実行されると、対価推定装置10は、入力部11に入力された情報に基づいて、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得し、取得された過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を入力するための入力部と、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置であって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置は、
前記入力部に入力された情報に基づいて、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得し、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する、対価推定装置。
【請求項2】
前記産業財産権に関する権利は、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つである、請求項1に記載の対価推定装置。
【請求項3】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る所在国を示す第一国情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る所在国を示す第二国情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す前記第二国情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項4】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用状況を示す第一使用状況情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標に関する使用状況を示す第二使用状況情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す前記第二使用状況情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項5】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡の種類を示す第一譲渡種類情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡の種類を示す第二譲渡種類情報に紐づけられて記録されており、
前記譲渡の種類は、一時的譲渡および非一時的譲渡であり、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類と同じ譲渡の種類を示す前記第二譲渡種類情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項6】
前記推定譲渡対価は、権利者に応じて算出される、請求項1または請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項7】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利者を示す第一権利者情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利者を示す第二権利者情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一権利者情報が示す権利者と同じ権利者を示す前記第二権利者情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項8】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の種類を示す第一商標種類情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の種類を示す第二商標種類情報に紐づけられて記録されており、
前記商標の種類は、ハウスマーク、ファミリーネームおよびペットネームであり、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一商標種類情報が示す商標の種類と同じ商標の種類を示す前記第二商標種類情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項9】
前記推定譲渡対価は、商標登録出願により生じた権利か商標権かに応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項10】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利の種類を示す第一権利種類情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利の種類を示す第二権利種類情報に紐づけられて記録されており、
前記権利の種類は、商標登録出願により生じた権利および商標権であり、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一権利種類情報が示す権利の種類と同じ権利の種類を示す前記第二権利種類情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項11】
前記推定譲渡対価は、区分数に応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項12】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数を特定するための第一区分数特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数を特定するための第二区分数特定情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一区分数特定情報によって特定される区分数と同じ区分数が特定される第二区分数特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項13】
前記推定譲渡対価は、登録日に応じて算出される、請求項1または請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項14】
前記入力部には、譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日を特定するための第一登録日特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標権に係る登録日を特定するための第二登録日特定情報と、前記過去に譲渡された商標権に係る譲渡日と、に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一登録日特定情報によって特定される登録日から現在日までの期間である第一登録期間と、前記第二登録日特定情報によって特定される登録日から前記譲渡日までの期間である第二登録期間と、の差が第一所定値以下となる前記第二登録日特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項15】
前記推定譲渡対価は、商標の使用期間に応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項16】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用期間を示す第一使用期間情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用期間を示す第二使用期間情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一使用期間情報が示す使用期間と、前記第二使用期間情報が示す使用期間と、の差が第二所定値以下となる前記第二使用期間情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項17】
前記推定譲渡対価は、商品役務分野に応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項18】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務分野を特定するための第一商品役務分野特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務分野を特定するための第二商品役務分野特定情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一商品役務分野特定情報によって特定される商品役務分野と同じ商品役務分野が特定される第二商品役務分野特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項19】
譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利に係る前記推定譲渡対価は、現在日と出願日との差に応じて算出され、
譲渡してもらう予定の商標権に係る前記推定譲渡対価は、登録日と出願日との差に応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項20】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利に係る出願日を特定するための第一出願日特定情報、または、譲渡してもらう予定の商標権に係る出願日を特定するための第一出願日特定情報および譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日を特定するための第一登録日特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日を特定するための第二出願日特定情報と、過去に譲渡された商標権に係る登録日を特定するための第二登録日特定情報と、前記過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利に係る譲渡日と、に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、
前記譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利においては、現在日から前記第一出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第一値と、前記譲渡日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第二値または前記第二登録日特定情報によって特定される登録日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第三値と、の差が第三所定値以下となる前記第二出願日特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得し、
前記譲渡してもらう予定の商標権においては、前記第一登録日特定情報によって特定される登録日から前記第一出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第四値と、前記譲渡日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第二値または前記第二登録日特定情報によって特定される登録日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第三値と、の差が第三所定値以下となる前記第二出願日特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項21】
前記推定譲渡対価は、更新回数に応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項22】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る更新回数を示す第一更新回数情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る更新回数を示す第二更新回数情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一更新回数情報が示す更新回数と同じ更新回数と同じ更新回数を示す前記第二更新回数情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項23】
前記推定譲渡対価は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数に応じて算出される、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項24】
前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を特定するための第一出願国数特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を特定するための第二出願国数特定情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一出願国数特定情報によって特定される出願国数と前記第二出願国数特定情報によって特定される出願国数の差が第四所定値以下となる前記第二出願国数特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項25】
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから取得された前記過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額を過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数で除した後に譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数で乗じることで得られる値を前記推定譲渡対価として算出する、請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項26】
前記推定譲渡対価は、取得された前記過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の平均値である、請求項1または請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項27】
前記推定譲渡対価は、取得された前記過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値以上最大値以下の範囲で示される、請求項1または請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項28】
前記入力部には、通信ネットワークを介して接続されたユーザ端末装置に入力された各種情報が入力される、請求項1または請求項2に記載の対価推定装置。
【請求項29】
少なくとも、プロセッサと、前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置と、
各種情報を入力するための入力部と、
過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースと、を備える対価推定システムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置は、
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得し、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する、対価推定システム。
【請求項30】
コンピュータによって実行される対価推定方法であって、
前記対価推定方法を実行する対価推定装置に備わる入力部に入力された情報に基づいて、過去の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得するステップと、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出するステップと、を含む、対価推定方法。
【請求項31】
対価推定装置のプロセッサにより実行される少なくとも一つの命令を含むコンピュータプログラムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置に、
前記対価推定装置に備わる入力部に入力された情報に基づいて、過去の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得させ、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出させる、コンピュータプログラム。
【請求項32】
請求項31に記載されたコンピュータプログラムが記憶された、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対価推定装置、対価推定システム、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、母集団商標ID取得部と、類似関係保持部と、類似数取得部と、基礎値取得部と、商標価値算出部と、を有する商標価値算出装置であって、商標の経済的価値を評価することができる商標価値算出装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、商標登録出願により生じた権利や商標権等の産業財産権に関する権利を譲渡人から譲渡してもらう場合、譲受人は譲渡人から権利の譲渡に係る対価を要求されることがある。譲受人は、譲渡人から対価を要求された場合、要求された対価の額が妥当かどうかを検討するために、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の相場を知りたいことがある。しかし、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価は当事者間で自由に決めることができ、例えば、法定対価のような普遍的な対価の基準は存在しない。このため、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の相場を知ることは難しく、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することは難しかった。
【0005】
本開示は、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することを支援可能な対価推定装置、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための一態様に係る対価推定装置は、
各種情報を入力するための入力部と、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置であって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置は、
前記入力部に入力された情報に基づいて、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得し、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。
【0007】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る対価推定システムは、
少なくとも、プロセッサと、前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置と、
各種情報を入力するための入力部と、
過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースと、を備える対価推定システムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置は、
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得し、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。
【0008】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る対価推定方法は、
コンピュータによって実行される対価推定方法であって、
前記対価推定方法を実行する対価推定装置に備わる入力部に入力された情報に基づいて、過去の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得するステップと、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出するステップと、を含む。
【0009】
また、上記の目的を達成するための一態様に係るコンピュータプログラムは、
対価推定装置のプロセッサにより実行される少なくとも一つの命令を含むコンピュータプログラムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置に、
前記対価推定装置に備わる入力部に入力された情報に基づいて、過去の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得させ、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出させる。
【0010】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る非一時的コンピュータ可読媒体には、
上記のコンピュータプログラムが記憶されている。
【0011】
上記構成に係る対価推定装置によれば、対価推定装置は、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。例えば、ユーザは、算出された推定譲渡対価を用いることで、産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の相場観をつかむことができる。したがって、上記構成に係る対価推定装置によれば、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することを支援することができる。また、上記構成に係る対価推定システム、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体においても、上記構成に係る対価推定装置と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することを支援可能な対価推定装置、対価推定システム、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る対価推定システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、譲渡対価データベースに記憶されている各種情報を例示する図である。
【
図3】
図3は、過去に成立した譲渡の内容を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、対価推定方法のフローチャート図である。
【
図5】
図5は、譲渡してもらう予定の権利の内容を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第二実施形態に係る対価推定システムのブロック図である。
【
図9】
図9は、譲渡対価データベースに記憶されている各種情報を例示する図である。
【
図10】
図10は、過去に成立した譲渡の内容を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、譲渡してもらう予定の権利の内容を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第三実施形態に係る対価推定システムのブロック図である。
【
図14】
図14は、過去に成立した譲渡の内容を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、譲渡してもらう予定の権利の内容を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0015】
(第一実施形態)
図1から
図3を参照しつつ、本実施形態の対価推定システム1について説明する。
図1は、本開示の第一実施形態に係る対価推定システム1のブロック図である。
図1に例示するように、対価推定システム1は、対価推定装置10と、ユーザ端末装置20と、を含む。対価推定装置10とユーザ端末装置20は、有線または無線により通信可能である。対価推定装置10とユーザ端末装置20は、例えば、インターネット等の通信ネットワークを介して接続されうる。
【0016】
対価推定装置10は、入力部11と、記憶装置12と、制御部13と、表示部14と、出力部15と、を備えている。これらはバス16を介して互いに通信可能に接続されている。対価推定装置10は、産業財産権に関する権利に係る推定譲渡対価を算出するための装置である。なお、産業財産権に関する権利とは、特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利、意匠登録を受ける権利、商標登録出願により生じた権利、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権等である。なお、本実施形態における産業財産権に関する権利は、他人に譲渡することが可能な権利であり、著作権者人格権のような一身専属性を有する権利は含まれない。
【0017】
本実施形態において、対価推定装置10は、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る推定譲渡対価を算出するための装置である。ただし、対価推定装置10は、商標登録出願により生じた権利および商標権以外の産業財産権に関する権利に係る推定譲渡対価を算出するための装置であってもよい。
【0018】
入力部11は、例えば、対価推定装置10に対するユーザの入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する要求信号を生成するように構成されうる。この場合、入力部11は、例えば、表示部14上に重ねて配置されたタッチパネルや、対価推定装置10に電気的に接続されたキーボード等の入力装置等である。入力部11には、ユーザによって、各種情報が入力される。ただし、入力部11には、例えば、ユーザ端末装置20等の電子機器に入力された各種情報が通信ネットワークを介して入力されてもよい。入力部11は、入力された情報を制御部13に送信する。
【0019】
入力部11に入力される情報は、例えば、第一国情報、第二国情報、第一使用状況情報、第二使用状況情報、第一譲渡種類情報、第二譲渡種類情報、第一権利者情報、第二権利者情報、第一商標種類情報、第二商標種類情報、第一権利種類情報、第二権利種類情報、過去の対価情報等である。ただし、入力部11には、これらの情報以外の情報が入力されてもよい。
【0020】
第一国情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る所在国を示す情報である。なお、本実施形態において「国」は、独立国のみならず、国際的には承認されていない国や地域、欧州連合のような連合体等も含む概念である。例えば、譲渡してもらう予定の商標権が日本における商標権である場合、当該商標権の所在国は日本である。
【0021】
第二国情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る所在国を示す情報である。
【0022】
第一使用状況情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用状況を示す情報である。なお、商標登録出願により生じた権利および商標権は、産業財産権に関する権利の一例である。
【0023】
第二使用状況情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標に関する使用状況を示す情報である。
【0024】
第一譲渡種類情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡の種類を示す情報である。
【0025】
第二譲渡種類情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡の種類を示す情報である。
【0026】
第一権利者情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利者を示す情報である。
【0027】
第二権利者情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利者を示す情報である。
【0028】
なお、例えば、複数の権利者が同一のグループ会社に属する場合、当該同一のグループ会社に属する複数の権利者同士は、同一の権利者として扱ってもよい。
【0029】
第一商標種類情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の種類を示す情報である。
【0030】
第二商標種類情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の種類を示す情報である。
【0031】
第一権利種類情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利の種類を示す情報である。
【0032】
第二権利種類情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利の種類を示す情報である。
【0033】
過去の対価情報とは、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す情報である。なお、本実施形態における過去の対価情報は、過去の商標登録出願により生じた権利や商標権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す情報である。
【0034】
商標の使用状況とは、譲渡対象の権利(商標登録出願により生じた権利や商標権)に係る商標が使用されている状況(使用中)または譲渡対象の権利に係る商標が使用されていない状況(不使用)である。商標については、多くの国で不使用取消審判等の不使用取消制度が設けられている。不使用取消制度とは、出願日または登録日から所定の期間が経過した後に、当該所定の期間以上、継続して登録商標が使用されていない場合、その使用されていない商標に係る商標登録を取り消すことができる制度である。このため、商標においては、登録商標の使用状況が権利の譲渡に係る対価の額に大きな影響を与えることが多い。
【0035】
譲渡の種類とは、一時的譲渡および非一時的譲渡である。一時的譲渡とは、いわゆるアサインバックであり、権利を譲渡した後に当該権利を元の権利者に譲渡し直すことが予定されている譲渡である。アサインバックとは、商標登録出願の審査においていわゆる引例拒絶を受けた場合に、例えば、引用された出願商標に係る商標登録出願の出願人および/または登録商標に係る商標権の権利者の名義を引例拒絶を受けた商標登録出願に係る出願人の名義にし、当該引例拒絶を受けた商標登録出願について登録査定が発行された後に、当該引用された出願商標に係る商標登録出願の出願人および/または登録商標に係る商標権の権利者の名義を元の出願人および/または権利者の名義にすることで引例拒絶を克服する手法である。なお、商標にはこのような事情が存在するため、商標においては一時的譲渡(アサインバック)がしばしば行われるが、一時的譲渡は商標特有の譲渡の形態であり、特許や意匠には存在しない譲渡の形態である。非一時的譲渡とは、権利を譲渡した後に当該権利を元の権利者に譲渡し直すことが予定されていない譲渡である。
【0036】
商標においては、特許や意匠と異なり、積極的な権利の譲渡(本来的に欲している権利の譲渡)のみならず、消極的な権利の譲渡(本来的には欲していない権利であるが、引例拒絶を解消するために譲渡してもらいたい権利の譲渡)もある。このため、商標は、特許や意匠と比べて権利が盛んに譲渡されやすい。
【0037】
商標の種類とは、ハウスマーク、ファミリーネームおよびペットネームである。ハウスマークとは、営業の同一性を表わす営業標識として使用される社標である。ファミリーネームとは、個別商品の大概念(例えば、商品カテゴリ等)を表すものである。ペットネームとは、個別の商品名等を表すものである。一般的に、ハウスマーク、ファミリーネーム、ペットネームの順で商標としての重要度が高い。
【0038】
権利の種類とは、例えば、商標登録出願により生じた権利および商標権である。商標登録出願により生じた権利は、商標登録出願がされることで発生する権利であって、商標登録を受けることができる可能性があるという期待権である。商標権は、商標権の設定登録がされることで発生する権利であり、独占排他権である。このように、商標登録出願により生じた権利は商標登録を受けることができる可能性があるという期待権に過ぎないのに対し、商標権は既に設定登録された独占排他権であるため、商標権は商標登録出願により生じた権利よりも権利的な価値が高い。
【0039】
記憶装置12は、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶装置12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)である。記憶装置12には、例えば、
図2に例示する譲渡対価データベース40が記憶されている。譲渡対価データベース40は、
図3に例示するように、ユーザが過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報を入力部11に入力することで、構築される。なお、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報は、譲渡の当事者および/または関係者から直接承諾を得た上で、入力部11に入力される。
【0040】
本実施形態において、ユーザは、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報として、第二国情報と、第二使用状況情報と、第二譲渡種類情報と、第二権利者情報と、第二商標種類情報と、第二権利種類情報と、過去の対価情報と、を入力部11に入力する。例えば、
図3に例示する各種情報が入力部11に入力されると、当該入力された各種情報は譲渡対価データベース40に記録される。なお、本実施形態において、
図3に例示する当該入力された各種情報は、
図2のNo.1における譲渡に係る各種情報に対応している。このように、譲渡対価データベース40には、過去の対価情報が、第二国情報と、第二使用状況情報と、第二譲渡種類情報と、第二権利者情報と、第二商標種類情報と、第二権利種類情報と、に紐づけられて記録されている。つまり、譲渡対価データベース40には、過去の対価情報が、国ごとに、第二使用状況情報と、第二譲渡種類情報と、第二権利者情報と、第二商標種類情報と、第二権利種類情報と、に紐づけられて記録されている。また、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報は、ある特定の一人によって入力されてもよいし、複数の人によって入力されてもよい。
【0041】
図1に例示するように、制御部13は、ハードウェア構成として、メモリと、プロセッサと、を備えている。メモリは、例えば、各種コンピュータプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種コンピュータプログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種コンピュータプログラムから指定されたコンピュータプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0042】
なお、本実施形態においては、非一時的コンピュータ可読媒体がメモリとして利用されうる。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサが読み取ることのできる情報やデータを記憶しうる、あらゆるタイプの物理メモリ(RAM、ROM等)を指す。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによる実行処理に関する命令を記憶しうる。なお、「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、有形の品目を包含し、かつ搬送波や一時的な信号は除外する(すなわち、非一時的なものを指す)。非一時的コンピュータ可読媒体とは、例えば、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM)である。
【0043】
制御部13は、ユーザによって入力部11に入力された情報に基づいて、譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得する。このときに入力部11に入力される情報は、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一権利者情報、第一商標種類情報および第一権利種類情報の少なくとも一つである。制御部13は、譲渡対価データベース40から過去の対価情報を取得すると、取得された過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。推定譲渡対価は、例えば、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の平均値、最大値、最小値等である。なお、推定譲渡対価は、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値以上最大値以下の範囲で示されてもよい。
【0044】
制御部13は、算出した推定譲渡対価に基づいて、表示用データを生成する。制御部13は、生成した表示用データを、表示部14または出力部15に送信する。
【0045】
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチスクリーン型のディスプレイ等である。表示部14は、例えば、制御部13から受信した表示用データに基づく表示画像を表示するように構成されている。
【0046】
出力部15は、制御部13から受信した表示用データをユーザ端末装置20に出力する。
【0047】
ユーザ端末装置20は、対価推定装置10のユーザによって操作される端末装置である。ユーザ端末装置20は、例えば、デスクトップタイプのPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器である。ユーザ端末装置20は、表示部21を備えている。表示部21は、例えば、液晶ディスプレイ等である。表示部21は、出力部15から受信した表示用データに基づく表示画像を表示するように構成されている。
【0048】
次に、
図4から
図6を参照しつつ、第一実施形態に係る対価推定装置10が実行する対価推定方法について説明する。
図4は、第一実施形態に係る対価推定方法のフローチャート図である。なお、本実施形態では、
図2に例示する譲渡対価データベース40が既に構築されているものとする。また、本実施形態において、推定譲渡対価は、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の平均値であるものとする。
【0049】
図4に例示するように、ユーザは、各種情報を入力部11に入力する(STEP01)。
図5に例示するように、本実施形態では、ユーザは、第一国情報と、第一使用状況情報と、第一譲渡種類情報と、第一権利者情報と、第一商標種類情報と、第一権利種類情報と、を入力部11に入力する。つまり、ユーザは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る各種情報を入力部11に入力する。
図5に例示するように、ユーザが入力した第一国情報が示す国は日本である。ユーザが入力した第一使用状況情報が示す使用状況は使用中である。ユーザが入力した第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類は非一時的譲渡である。ユーザが入力した第一権利者情報が示す権利者はA株式会社である。ユーザが入力した第一商標種類情報が示す商標の種類はペットネームである。ユーザが入力した第一権利種類情報が示す権利の種類は、商標権である。入力部11は、入力されたこれらの各種情報を制御部13に送信する。
【0050】
図4に例示するように、制御部13は、入力部11に入力された情報に基づいて、譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得する(STEP02)。本実施形態では、制御部13は、
図2に例示する譲渡対価データベース40に記録された過去の対価情報のうち、
図5に例示する各種情報が示す内容に応じた過去の対価情報を譲渡対価データベース40から取得する。具体的には、制御部13は、
図5に例示する譲渡対価データベース40に記録された過去の対価情報のうち、以下の条件1から条件6を満たす過去の対価情報を譲渡対価データベース40から取得する。
<条件>
条件1:第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す第二国情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件2:第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す第二使用状況情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件3:第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類と同じ譲渡の種類を示す第二譲渡種類情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件4:第一権利者情報が示す権利者と同じ権利者を示す第二権利者情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件5:第一商標種類情報が示す商標の種類と同じ商標の種類を示す第二商標種類情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件6:第一権利種類情報が示す権利の種類と同じ権利の種類を示す第二権利種類情報に紐づく過去の対価情報であること。
【0051】
条件1から条件6を満たす過去の対価情報は、
図2に例示するNo.5からNo.7に係る過去の対価情報である。したがって、制御部13は、
図2に例示するNo.5からNo.7に係る過去の対価情報を譲渡対価データベース40から取得する。
【0052】
図4に例示するように、制御部13は、取得された過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する(STEP03)。本実施形態では、
図2に例示するNo.5からNo.7に係る過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得されており、かつ推定譲渡対価は取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の平均値であるので、制御部13は、推定譲渡対価は700万円(=(1,000万円+900万円+200万円)/3)であると算出する。
【0053】
図4に例示するように、制御部13は、算出された推定譲渡対価に基づいて、表示用データを生成する(STEP04)。制御部13は、表示用データを生成すると、当該生成された表示用データを表示部14または出力部15に送信する。なお、制御部13が、当該生成された表示用データを出力部15に送信した場合、出力部15は、制御部13から受信した表示用データをユーザ端末装置20に出力する。
【0054】
表示用データが表示部14に送信、または出力部15を介してユーザ端末装置20に出力されると、対価推定装置10の表示部14またはユーザ端末装置20の表示部21には、表示用データに基づく表示画像が表示される(STEP05)。このとき、対価推定装置10の表示部14またはユーザ端末装置20の表示部21には、
図6に例示するように、「推定譲渡対価は、700万円です。」というメッセージが表示される。ユーザは、対価推定装置10の表示部14またはユーザ端末装置20の表示部21に表示された
図6に例示する表示画像を視認することで、推定譲渡対価を認識することができる。
【0055】
ところで、商標登録出願により生じた権利や商標権等の産業財産権に関する権利を譲渡人から譲渡してもらう場合、譲受人は譲渡人から権利の譲渡に係る対価を要求されることがある。譲受人は、譲渡人から対価を要求された場合、要求された対価の額が妥当かどうかを検討するために、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の相場を知りたいことがある。しかし、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価は当事者間で自由に決めることができ、例えば、法定対価のような普遍的な対価の基準は存在しない。このため、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の相場を知ることは難しく、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することは難しかった。
【0056】
特に商標は、いわゆる引例拒絶において、例えば、引用された出願商標に係る商標登録出願の出願人および/または登録商標に係る商標権の権利者の名義を引例拒絶を受けた商標登録出願に係る出願人の名義に変更することで、引例拒絶を解消することができる。このため、商標においては、本来的には欲していない権利であるが、引例拒絶を解消するために権利を譲渡してもらいたいということがあるので、商標は、特許や意匠と比べて権利が盛んに譲渡されやすい。このような事情から、商標においては、産業財産権に関する権利の譲渡に係る対価の相場を知りたいという状況が生じやすい。
【0057】
上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された情報に基づいて、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40から取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。例えば、ユーザは、算出された推定譲渡対価を用いることで、商標登録出願により生じた権利や商標権の譲渡に関する対価の相場観をつかむことができる。したがって、上記構成に係る対価推定装置10によれば、商標登録出願により生じた権利や商標権(産業財産権の一例)の譲渡に係る対価の額の妥当性を検討することを支援することができる。また、上記構成に係る対価推定システム1、対価推定方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体においても、対価推定装置10と同様の効果を奏することができる。
【0058】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る推定譲渡対価を算出する。つまり、本実施形態において、産業財産権に関する権利は、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つである。商標は特許や意匠と異なり、商標登録出願の審査において引例拒絶を受けた場合、当該引例拒絶を解消するために、例えば、引用商標に係る商標登録出願により生じた権利や商標権を引用商標に係る商標登録出願により生じた権利や商標権の権利者から譲渡してもらいたいことがある。このように、商標は特許や意匠と比べて権利が盛んに譲渡されやすい。対価推定装置10によれば、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに関する推定譲渡対価を算出することができるので、対価推定装置10は、特許や意匠と比べて権利が盛んに譲渡されやすい商標の分野で利用することができる。
【0059】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す第二国情報に紐づく過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得される。発明者は、国によって不使用取消制度や同意書制度の有無や有用性等が異なるため、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利や商標権に係る所在国によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。対価推定装置10によれば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利や商標権に係る所在国も考慮した上で過去の対価情報を取得するので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0060】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す第二使用状況情報に紐づく過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得される。発明者は、譲渡対象の権利に係る商標に関する使用状況によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、譲渡対象の権利に係る商標が使用されている場合の権利の譲渡に係る対価は、譲渡対象の権利に係る商標が使用されていない場合の権利の譲渡に係る対価よりも高い傾向があることに気が付いた。これは、使用中の商標はその商標の権利者にとって関心が強い商標であるのに対し、不使用の商標はその商標の権利者にとって関心が薄い商標であり、場合によっては不使用取消審判等によって取り消される虞があるからである。対価推定装置10によれば、譲渡対象の権利に係る商標に係る使用状況も考慮した上で過去の対価情報を取得するので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0061】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類と同じ譲渡の種類を示す第二譲渡種類情報に紐づく過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得される。発明者は、譲渡の種類によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、一時的譲渡に係る対価の額は、非一時的譲渡に係る対価の額よりも安い傾向があることに気が付いた。これは、非一時的譲渡は権利を譲渡した後に当該権利を元の権利者に譲渡し直すことが予定されていない譲渡であるのに対し、一時的譲渡は権利を譲渡した後に当該権利を元の権利者に譲渡し直すことが予定されているからである。対価推定装置10によれば、譲渡の種類も考慮した上で過去の対価情報を取得するので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0062】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一権利者情報が示す権利者と同じ権利者を示す第二権利者情報に紐づく過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得される。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40から取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は権利者に応じて算出される。発明者は、権利者によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は権利者に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0063】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一商標種類情報が示す商標の種類と同じ商標の種類を示す第二商標種類情報に紐づく過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得される。発明者は、商標の種類によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、ハウスマークの商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、ファミリーネームおよびペットネームの商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。また、発明者は、ファミリーネームの商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、ペットネームの商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。これは、ハウスマーク、ファミリーネーム、ペットネームの順で商標としての重要度が高いからである。対価推定装置10によれば、商標の種類も考慮した上で過去の対価情報を取得するので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0064】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一権利種類情報が示す権利の種類と同じ権利の種類を示す第二権利種類情報に紐づく過去の対価情報が譲渡対価データベース40から取得される。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40から取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は商標登録出願により生じた権利か商標権かに応じて算出される。発明者は、権利の種類によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、商標権に関する権利の譲渡に係る対価の額は、商標登録出願により生じた権利に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。これは、商標登録出願により生じた権利は商標登録を受けることができる可能性があるという期待権に過ぎないのに対し、商標権は既に設定登録された独占排他権であるからである。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は商標登録出願により生じた権利か商標権かに応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0065】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の平均値であるので、ユーザは、対価推定装置が算出する推定譲渡対価を基に、相場観をつかむことができる。
【0066】
(第二実施形態)
次に、
図4および
図7を参照しつつ、第二実施形態に係る対価推定システム1Aについて説明する。なお、第二実施形態では、第一実施形態と同様の部分については第一実施形態と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。
【0067】
図7は、第二実施形態に係る対価推定システムのブロック図である。
図7に例示するように、対価推定システム1Aは、対価推定装置10の代わりに対価推定装置10Aを含み、さらに外部記憶装置30を含む点で第一実施形態に係る対価推定システム1と異なる。対価推定装置10Aは、記憶装置12を備えていない点で第一実施形態に係る対価推定装置10と異なる。なお、本実施形態では、
図2に例示する譲渡対価データベース40は外部記憶装置30に記憶されている。対価推定装置10と外部記憶装置30は、有線または無線により通信可能である。また、本実施形態においても、
図4に例示する対価推定方法が実行される。
【0068】
本実施形態において、制御部13は、入力部11に入力された情報に基づいて、外部記憶装置30に記憶されている譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得する。
【0069】
本実施形態で実行される対価推定方法は、
図4に例示する第一実施形態で実行される対価推定方法と同様であるが、本実施形態は、STEP02において、制御部13が外部記憶装置30に記憶されている譲渡対価データベース40から過去の対価情報を取得する点で第一実施形態と異なる。
【0070】
本実施形態に係る対価推定装置10Aにおいても、第一実施形態に係る対価推定装置10と同様の効果を奏する。
【0071】
(第一実施形態の第一変形例)
次に、
図4および
図8を参照しつつ、第一実施形態に係る対価推定システム1の第一変形例について説明する。なお、本変形例では、第一実施形態と同様の部分については第一実施形態と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。また、本変形例においても、
図4に例示する対価推定方法が実行される。
【0072】
本変形例で実行される対価推定方法は、基本的に、第一実施形態で実行される対価推定方法と同様である。ただし、STEP03において、本変形例に係る対価推定装置10が算出する推定譲渡対価は、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値以上最大値以下の範囲で示される。なお、本変形例において、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値は200万円であり、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最大値は1,000万円である。このため、
図8に例示するように、STEP05において対価推定装置10の表示部14またはユーザ端末装置20の表示部21に表示される表示画像には、「推定譲渡対価は、200万円以上1,000万円以下です。」というメッセージが表示される。ユーザは、対価推定装置10の表示部14またはユーザ端末装置20の表示部21に表示された
図8に例示する表示画像を視認することで、推定譲渡対価の範囲を認識することができる。
【0073】
本変形例においても、対価推定装置10は、第一実施形態で説明した効果と同様の効果を奏する。
【0074】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値以上最大値以下の範囲で示される。商標登録出願により生じた権利や商標権の譲渡に係る対価は当事者間で自由に決めることができるため、過去の対価の額は不均一であることが多い。対価推定装置10によれば、対価推定装置10が算出する推定譲渡対価は、取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値以上最大値以下の範囲で示されるので、ユーザは、妥当な金額と評価できる対価の範囲を認識することができる。
【0075】
(第一実施形態の第二変形例)
次に、
図4および
図9から
図12を参照しつつ、第一実施形態に係る対価推定システム1の第二変形例について説明する。なお、本変形例では、第一実施形態と同様の部分については第一実施形態と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。また、本変形例においても、
図4に例示する対価推定方法が実行される。
【0076】
本変形例において、入力部11には、第一国情報、第二国情報、第一使用状況情報、第二使用状況情報、第一譲渡種類情報、第二譲渡種類情報、第一権利者情報、第二権利者情報、第一商標種類情報、第二商標種類情報、第一権利種類情報、第二権利種類情報、第一区分数特定情報、第二区分数特定情報、第一出願日特定情報、第二出願日特定情報、第一登録日特定情報、第二登録日特定情報、譲渡日情報、第一使用期間情報、第二使用期間情報、第一商品役務分野特定情報、第二商品役務分野特定情報、第一更新回数情報、第二更新回数情報、第一出願国数特定情報、第二出願国数特定情報、過去の対価情報が入力される。
【0077】
第一区分数特定情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数を特定するための情報である。第一区分数特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分、区分数、出願番号、登録番号、国際登録番号等を示す情報である。なお、商品役務区分とは、商品役務を材質や用途等の一定の基準によってカテゴリー分けしたものである。商品役務区分は、例えば、第1類から第45類までの45個の区分に分けられている。区分数とは、その商標登録出願により生じた権利や商標権において指定されている商品役務区分の数である。例えば、商標「ABC」に係る商標登録出願により生じた権利や商標権において、第5類と第10類の商品役務区分が指定されている場合、当該商標に係る商標登録出願により生じた権利や商標権において指定されている商品役務区分の数は、2つである。
【0078】
第二区分数特定情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数を特定するための情報である。第二区分数特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分、区分数、出願番号、登録番号、国際登録番号等を示す情報である。
【0079】
第一出願日特定情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日を特定するための情報である。第一出願日特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日、出願番号、登録番号、国際登録番号等を示す情報である。
【0080】
第二出願日特定情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日を特定するための情報である。第二出願日特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日、出願番号、登録番号、国際登録番号等を示す情報である。
【0081】
第一登録日特定情報とは、譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日を特定するための情報である。第一登録日特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日、出願番号、登録番号、国際登録番号等を示す情報である。
【0082】
第二登録日特定情報とは、過去に譲渡された商標権に係る登録日を特定するための情報である。第二登録日特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標権に係る登録日、出願番号、登録番号、国際登録番号等を示す情報である。
【0083】
譲渡日情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つが譲渡された日を示す情報である。
【0084】
第一使用期間情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標が使用されている期間を示す情報である。
【0085】
第二使用期間情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標が使用されている期間を示す情報である。
【0086】
第一商品役務分野特定情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務分野を特定するための情報である。第一商品役務分野特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分、類似群コード、指定商品役務等を示す情報である。なお、類似群コードとは、その商品の生産部門、販売部門、原材料、品質等において共通性を有する商品、または、提供手段、目的若しくは提供場所等において共通性を有する役務をグルーピングし、各指定商品役務がどのグループに属するのかを示す共通コードである。類似群コードが同じである指定商品役務同士は、商標登録出願の審査において、同一または類似であると推定される。
【0087】
第二商品役務分野特定情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務分野を特定するための情報である。第二商品役務分野特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分、類似群コード、指定商品役務等を示す情報である。
【0088】
第一更新回数情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る更新回数を示す情報である。なお、商標登録出願により生じた権利および商標権は、所定の期間、存続する。所定の期間は、例えば、登録日から10年間、出願日から10年間等である。商標登録出願により生じた権利および商標権の存続期間は、更新登録申請または更新登録出願を行うことで、何度でも更新することができる。したがって、更新回数が多い商標登録出願により生じた権利や商標権に係る商標ほど長年にわたり権利が維持されていると言える。商標は、継続的に使用されればされるほど、業務上の信用が化体するという特性を有しているため、権利が維持されている期間が長い商標登録出願により生じた権利や商標権ほど、権利価値が高いことが多い。このため、更新回数が多い商標登録出願により生じた権利や商標権に係る商標ほど、商標の価値が高いことが多い。
【0089】
第二更新回数情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る更新回数を示す情報である。
【0090】
第一出願国数特定情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を特定するための情報である。なお、商標の出願国数とは、ある商標と同一または実質的に同一の商標が出願されている国の数をいう。例えば、商標「ABC」が日本とタイに出願されている場合、この商標の出願国数は2カ国である。また、「実質的に同一の商標」とは、例えば、ある商標と完全に同一の商標ではないものの、異なる部分が商標の識別力に影響を与えないような部分のみである商標等である。第一出願国数特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を示す情報や当該商標の出願国を示す情報等である。なお、商標の出願国とは、ある商標と同一または実質的に同一の商標が出願されている国をいう。例えば、商標「ABC」が日本とタイに出願されている場合、この商標の出願国は日本とタイである。
【0091】
第二出願国数特定情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を特定するための情報である。第一出願国数特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を示す情報や当該商標の出願国を示す情報等である。
【0092】
本変形例において、第一区分数特定情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分を示す情報である。ただし、第一区分数特定情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数、出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報であってもよい。第二区分数特定情報は、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分を示す情報である。ただし、第二区分数特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数、出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報であってもよい。
【0093】
本変形例において、第一出願日特定情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日を示す情報である。ただし、第一出願日特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報であってもよい。第二出願日特定情報は、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日を示す情報である。ただし、第二出願日特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報であってもよい。
【0094】
本変形例において、第一登録日特定情報は、譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日を示す情報である。ただし、第一登録日特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標権に係る出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報であってもよい。第二登録日特定情報は、過去に譲渡された商標権に係る登録日を示す情報である。ただし、第二登録日特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標権に係る出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報であってもよい。
【0095】
本変形例において、第一商品役務分野特定情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分を示す情報である。ただし、第一商品役務分野特定情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る類似群コードまたは指定商品役務を示す情報であってもよい。第二商品役務分野特定情報は、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務区分を示す情報である。ただし、第二商品役務分野特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る類似群コードまたは指定商品役務を示す情報であってもよい。
【0096】
本変形例において、第一出願国数特定情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を示す情報である。ただし、第一出願国数特定情報は、例えば、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国を示す情報であってもよい。第二出願国数特定情報は、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を示す情報である。ただし、第二出願国数特定情報は、例えば、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国を示す情報であってもよい。
【0097】
本変形例において、記憶装置12には、
図9に例示する譲渡対価データベース40Aが記憶されている。譲渡対価データベース40Aは、
図10に例示するように、ユーザが過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報を入力部11に入力することで、構築される。なお、本変形例においても、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報は、譲渡の当事者および/または関係者から直接承諾を得た上で、入力部11に入力される。
【0098】
本変形例において、ユーザは、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報として、第二国情報と、第二使用状況情報と、第二譲渡種類情報と、第二権利者情報と、第二商標種類情報と、第二権利種類情報と、第二区分数特定情報と、第二出願日特定情報と、第二登録日特定情報と、譲渡日情報と、第二使用期間情報と、第二商品役務分野特定情報と、第二更新回数情報と、第二出願国数特定情報と、過去の対価情報と、を入力部11に入力する。例えば、
図10に例示する各種情報が入力部11に入力されると、当該入力された各種情報は譲渡対価データベース40Aに記録される。なお、本実施形態において、
図10に例示する当該入力された各種情報は、
図9のNo.1における譲渡に係る各種情報に対応している。このように、譲渡対価データベース40Aには、過去の対価情報が、第二国情報と、第二使用状況情報と、第二譲渡種類情報と、第二権利者情報と、第二商標種類情報と、第二権利種類情報と、第二区分数特定情報と、第二出願日特定情報と、第二登録日特定情報と、譲渡日情報と、第二使用期間情報と、第二商品役務分野特定情報と、第二更新回数情報と、第二出願国数特定情報と、に紐づけられて記録されている。つまり、譲渡対価データベース40Aには、過去の対価情報が、国ごとに、第二使用状況情報と、第二譲渡種類情報と、第二権利者情報と、第二商標種類情報と、第二権利種類情報と、第二区分数特定情報と、第二出願日特定情報と、第二登録日特定情報、譲渡日情報と、第二使用期間情報と、第二商品役務分野特定情報と、第二更新回数情報と、第二出願国数特定情報と、に紐づけられて記録されている。また、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報は、ある特定の一人によって入力されてもよいし、複数の人によって入力されてもよい。
【0099】
制御部13は、ユーザによって入力部11に入力された情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得する。このときに入力部11に入力される情報は、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一権利者情報、第一商標種類情報、第一権利種類情報、第一区分数特定情報、第一出願日特定情報と、第一登録日特定情報、第一使用期間情報、第一商品役務分野特定情報、第一更新回数情報および第一出願国数特定情報の少なくとも一つである。
【0100】
本変形例で実行される対価推定方法は、基本的に、第一実施形態で実行される対価推定方法と同様である。ただし、本変形例では、
図11に例示するように、STEP01において、ユーザは、第一国情報と、第一使用状況情報と、第一譲渡種類情報と、第一権利者情報と、第一商標種類情報と、第一権利種類情報と、第一区分数特定情報と、第一出願日特定情報と、第一登録日特定情報と、第一使用期間情報と、第一商品役務分野特定情報と、第一更新回数情報と、第一出願国数特定情報と、を入力部11に入力する。
【0101】
図11に例示するように、ユーザが入力した第一国情報が示す所在国は日本である。ユーザが入力した第一使用状況情報が示す使用状況は使用中である。ユーザが入力した第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類は非一時的譲渡である。ユーザが入力した第一権利者情報が示す権利者はA株式会社である。ユーザが入力した第一商標種類情報が示す商標の種類はペットネームである。ユーザが入力した第一権利種類情報が示す権利の種類は、商標権である。ユーザが入力した第一区分数特定情報によって特定される区分数は2つである。ユーザが入力した第一出願日特定情報によって特定される出願日は2010年8月21日である。ユーザが入力した第一登録日特定情報によって特定される登録日は2012年2月1日である。ユーザが入力した第一使用期間情報が示す使用期間は10年間である。ユーザが入力した第一商品役務分野特定情報によって特定される商品役務分野は第5類および第10類に係る商品役務分野である。なお、第5類に係る商品役務分野は、薬剤に関する分野である。第10類に係る商品役務分野は、医療用機械器具および医療用品に関する分野である。ユーザが入力した第一更新回数情報が示す更新回数は1回である。ユーザが入力した第一出願国数特定情報によって特定される出願国数は5ヵ国である。入力部11は、入力されたこれらの各種情報を制御部13に送信する。
【0102】
本変形例においても、
図4に例示するように、制御部13は、入力部11に入力された情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得する(STEP02)。本変形例では、制御部13は、
図9に例示する譲渡対価データベース40Aに記録された過去の対価情報のうち、
図11に例示する各種情報が示す内容に応じた過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。具体的には、制御部13は、
図9に例示する譲渡対価データベース40Aに記録された過去の対価情報のうち、以下の条件101から条件113を満たす過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。ただし、条件108については、譲渡してもらう予定の権利の種類が商標権である場合にのみ課される。つまり、譲渡してもらう予定の権利の種類が商標登録出願により生じた権利である場合、制御部13は、以下の条件101から条件107と、条件109から条件113と、を満たす過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。
<条件>
条件101:第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す第二国情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件102:第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す第二使用状況情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件103:第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類と同じ譲渡の種類を示す第二譲渡種類情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件104:第一権利者情報が示す権利者と同じ権利者を示す第二権利者情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件105:第一商標種類情報が示す商標の種類と同じ商標の種類を示す第二商標種類情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件106:第一権利種類情報が示す権利の種類と同じ権利の種類を示す第二権利種類情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件107:第一区分数特定情報によって特定される区分数と同じ区分数が特定される第二区分数特定情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件108:第一登録日特定情報によって特定される登録日から現在日までの期間である第一登録期間と、第二登録日特定情報によって特定される登録日から過去に譲渡された商標権に係る譲渡日までの期間である第二登録期間と、の差が第一所定値以下となる第二登録日特定情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件109:第一使用期間情報が示す使用期間と、第二使用期間情報が示す使用期間と、の差が第二所定値以下となる第二使用期間情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件110:第一商品役務分野特定情報によって特定される商品役務分野と同じ商品役務分野が特定される第二商品役務分野特定情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件111:以下の条件111Aまたは条件111Bを満たすこと。
条件111A:譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利においては、現在日から第一出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第一値と、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利に係る譲渡日から第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第二値または第二登録日特定情報によって特定される登録日から第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第三値と、の差が第三所定値以下となる第二出願日特定情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件111B:譲渡してもらう予定の商標権においては、第一登録日特定情報によって特定される登録日から第一出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第四値と、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利に係る譲渡日から第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第二値または第二登録日特定情報によって特定される登録日から第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第三値と、の差が第三所定値以下となる第二出願日特定情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件112:第一更新回数情報が示す更新回数と同じ更新回数と同じ更新回数を示す第二更新回数情報に紐づく過去の対価情報であること。
条件113:第一出願国数特定情報によって特定される出願国数と第二出願国数特定情報によって特定される出願国数の差が第四所定値以下となる第二出願国数特定情報に紐づく過去の対価情報であること。
【0103】
なお、本変形例において、現在日は、2023年3月31日であるとする。第一所定値は、例えば、365日である。ただし、第一所定値は、これに限られない。第二所定値は、例えば、1年間である。ただし、第二所定値は、これに限られない。第三所定値は、例えば、30日である。ただし、第三所定値は、これに限られない。第四所定値は、例えば、1ヵ国である。ただし、第四所定値は、0ヵ国であってもよいし、2ヵ国以上であってもよい。
【0104】
条件101から条件113を満たす過去の対価情報は、
図9に例示するNo.5に係る過去の対価情報である。したがって、制御部13は、
図9に例示するNo.5に係る過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。
【0105】
STEP03は、第一実施形態と同様である。ただし、本変形例において、制御部13は条件101から条件113を満たす過去の対価情報を取得するので、推定譲渡対価は区分数、登録日、商標の使用期間、商品役務分野、現在日と出願日との差または登録日と出願日との差、更新回数および商標の出願国数に応じて算出される。対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報(本変形例においては、
図9に例示するNo.5に係る過去の対価情報)に基づいて、推定譲渡対価を算出する。
【0106】
STEP04およびSTPE05は、第一実施形態と同様である。ただし、STEP05において、対価推定装置10の表示部14またはユーザ端末装置20の表示部21には、
図12に例示するように、「推定譲渡対価は、1,000万円です。」というメッセージが表示される。
【0107】
本変形例においても、対価推定装置10は、第一実施形態で説明した効果と同様の効果を奏する。
【0108】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一区分数特定情報によって特定される区分数と同じ区分数が特定される第二区分数特定情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は区分数に応じて算出される。発明者は、指定されている区分数によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、指定されている区分数が多い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、指定されている区分数が少ない商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は区分数に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0109】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、入力部11に入力された第一登録日特定情報によって特定される登録日から現在日までの期間である第一登録期間と、第二登録日特定情報によって特定される登録日から過去に譲渡された商標権に係る譲渡日までの期間である第二登録期間と、の差が第一所定値(365日)以下となる第二登録日特定情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は登録日に応じて算出される。発明者は、登録期間の長さによって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、登録期間が長い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、登録期間が短い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。つまり、発明者は、商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、登録期間に比例することに気が付いた。条件108を満たす過去の対価情報に係る過去に譲渡された商標権に係る商標の登録期間は、譲渡してもらう予定の商標権に係る商標の登録期間と近しい。このため、条件108を満たす過去の対価情報は、譲渡してもらう予定の商標権の推定譲渡対価を算出する上で好適である。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は登録日に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0110】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、第一使用期間情報が示す使用期間と、第二使用期間情報が示す使用期間と、の差が第二所定値(1年間)以下となる第二使用期間情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は商標の使用期間に応じて算出される。発明者は、商標の使用期間の長さによって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、使用期間が長い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、使用期間が短い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。つまり、発明者は、商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、商標の使用期間に比例することに気が付いた。条件109を満たす過去の対価情報に係る過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利や商標権に係る商標の使用期間は、譲渡してもらう予定の商標権に係る商標の使用期間と近しい。このため、条件109を満たす過去の対価情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利や商標権の推定譲渡対価を算出する上で好適である。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は登録日に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は商標の使用期間に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0111】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、第一商品役務分野特定情報によって特定される商品役務分野と同じ商品役務分野が特定される第二商品役務分野特定情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は商品役務分野に応じて算出される。発明者は、商品役務分野によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、例えば、価格が高い商品役務が属する商品役務分野における商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、価格が低い商品役務が属する商品役務分野における商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は商品役務分野に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0112】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、対価推定装置10は、条件111Aまたは条件111Bを満たす過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利に係る推定譲渡対価は現在日と出願日との差に応じて算出され、譲渡してもらう予定の商標権に係る推定譲渡対価は登録日と出願日との差に応じて算出される。現在日と出願日との差または登録日と出願日との差が大きいほど、権利化に要している期間が長い。発明者は、権利化に要している期間が長くなるほど、権利化するために投下された費用の額も大きくなる傾向があることに気が付いた。つまり、発明者は、権利化するために投下された費用の額は、権利化に要している期間に比例することに気が付いた。また、発明者は、権利化するために投下された費用の額が大きい商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、権利化するために投下された費用の額が小さい商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。つまり、発明者は、商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、権利化するために投下された費用の額に比例することに気が付いた。条件111Aまたは条件111Bを満たす過去の対価情報に係る過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利や商標権において権利化に要している期間は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利や商標権において権利化に要している期間と近しい。このため、条件111Aまたは条件111Bを満たす過去の対価情報は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利や商標権の推定譲渡対価を算出する上で好適である。対価推定装置10によれば、商標登録出願により生じた権利に係る推定譲渡対価は現在日と出願日との差に応じて算出され、商標権に係る推定譲渡対価は登録日と出願日との差に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0113】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、第一更新回数情報が示す更新回数と同じ更新回数と同じ更新回数を示す第二更新回数情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は更新回数に応じて算出される。発明者は、更新回数によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、例えば、更新回数が多い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、更新回数が少ない商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。これは、更新回数が多い商標登録出願により生じた権利や商標権に係る商標ほど長年にわたり権利が維持されており、業務上の信用が化体した商標に係る権利であると言えるからである。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は更新回数に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0114】
また、上記構成に係る対価推定装置10によれば、第一出願国数特定情報によって特定される出願国数と第二出願国数特定情報によって特定される出願国数の差が第四所定値(1ヵ国)以下となる第二出願国数特定情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。そして、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得した過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する。つまり、対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数に応じて算出される。発明者は、出願国数によって要求される対価の額が変動しうることに気が付いた。具体的に言えば、発明者は、例えば、世界中で商標登録出願がされている商標は1ヵ国でのみ商標登録出願がされている商標よりも使用されている国が多い可能性が高く、使用されている国が多い商標ほど商標の価値は高くなる傾向があることに気が付いた。そして、発明者は、例えば、出願国数が多い商標に関する権利の譲渡に係る対価の額は、出願国数が少ない商標に関する権利の譲渡に係る対価の額よりも高い傾向があることに気が付いた。対価推定装置10によれば、推定譲渡対価は出願国数に応じて算出されるので、より適切な推定譲渡対価を算出することができる。
【0115】
(第三実施形態)
次に、
図4、
図9、
図13から
図15を参照しつつ、第三実施形態に係る対価推定システム1Bについて説明する。なお、第三実施形態では、第一実施形態の第二変形例と同様の部分については第一実施形態の第二変形例と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。
【0116】
図13は、対価推定システム1Bのブロック図である。
図13に例示するように、本実施形態に係る対価推定システム1Bは、対価推定装置10およびユーザ端末装置20に加えて外部データベース50も含む点で、第一実施形態に係る対価推定システム1と異なる。対価推定装置10と外部データベース50は、例えば、インターネット等の通信ネットワークを介して、接続される。
【0117】
外部データベース50は、例えば、日本特許庁のデータベース、アメリカ特許商標庁のデータベース、タイ知的財産局のデータベース、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)のデータベース、商標サービスプロバイダーが提供する商用データベース等である。例えば、日本特許庁のデータベースには、日本特許庁に対して行われた商標登録出願や商標登録に係る出願番号、登録番号、国際登録番号、出願日、登録日、商標、指定商品役務、商品役務区分、類似群コード、権利者等に関する各種情報が記録されている。なお、本明細書において、商標登録出願には、国際商標登録出願も含まれる。また、日本特許庁のデータベース以外のデータベース(例えば、アメリカ特許商標庁のデータベース等)についても、日本特許庁のデータベースと同様に、少なくとも一つの国における各種情報が記録されている。
【0118】
本実施形態において、入力部11には、第一国情報、第二国情報、第一使用状況情報、第二使用状況情報、第一譲渡種類情報、第二譲渡種類情報、第一商標種類情報、第二商標種類情報、譲渡日情報、第一使用期間情報、第二使用期間情報、第一出願国数特定情報、第二出願国数特定情報、第一案件特定番号情報、第二案件特定番号情報、過去の対価情報が入力される。
【0119】
第一案件特定番号情報とは、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報である。制御部13は、入力部11に入力された第一案件特定番号情報に基づいて、当該第一案件特定番号情報によって特定される商標に関する各種情報を外部データベース50から取得する。このときに制御部13が外部データベース50から取得する各種情報は、例えば、第一権利者情報、第一権利種類情報、第一区分数特定情報、第一出願日特定情報、第一登録日特定情報、第一商品役務分野特定情報および第一更新回数情報の少なくとも一つである。このため、本実施形態においては、第一権利者情報、第一権利種類情報、第一区分数特定情報、第一出願日特定情報、第一登録日特定情報、第一商品役務分野特定情報および第一更新回数情報を入力部11に入力する必要が無い。
【0120】
第二案件特定番号情報とは、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願番号、登録番号または国際登録番号を示す情報である。制御部13は、入力部11に入力された第二案件特定番号情報に基づいて、当該第二案件特定番号情報によって特定される商標に関する各種情報を外部データベース50から取得する。このときに制御部13が外部データベース50から取得する各種情報は、例えば、第二権利者情報、第二権利種類情報、第二区分数特定情報、第二出願日特定情報、第二登録日特定情報、第二商品役務分野特定情報および第二更新回数情報の少なくとも一つである。このため、本実施形態においては、第二権利者情報、第二権利種類情報、第二区分数特定情報、第二出願日特定情報、第二登録日特定情報、第二商品役務分野特定情報および第二更新回数情報を入力部11に入力する必要が無い。
【0121】
本実施形態では、例えば、
図14に例示する各種情報が入力部11に入力されると、当該入力された第二国情報、第二使用状況情報、第二譲渡種類情報、第二商標種類情報、譲渡日情報、第二使用期間情報、第二出願国数特定情報および過去の対価情報と、当該入力された第二案件特定番号情報に基づいて外部データベース50から取得された第二権利者情報、第二権利種類情報、第二区分数特定情報、第二出願日特定情報、第二登録日特定情報、第二商品役務分野特定情報および第二更新回数情報と、が、譲渡対価データベース40Aに記録される。
【0122】
なお、本実施形態において、第二案件特定番号情報によって特定される登録番号は、登録第1234567号である。登録第1234567号に係る商標権の権利者は、A株式会社である。登録第1234567号に係る商標の権利の種類は、商標権である。登録第1234567号に係る商標権において指定されている商品役務区分は、第3類、第5類、第10類、第35類および第44類である。登録第1234567号に係る商標権の出願日は、1980年4月2日である。登録第1234567号に係る商標権の登録日は、1981年5月2日である。登録第1234567号に係る商標権の更新回数は3回である。
【0123】
本実施形態において、
図14に例示する当該入力された各種情報は、
図9のNo.1における譲渡に係る各種情報に対応している。このようにして、
図9に例示する譲渡対価データベース40Aが構築される。なお、本実施形態においても、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報は、譲渡の当事者および/または関係者から直接承諾を得た上で、入力部11に入力される。
【0124】
本実施形態で実行される対価推定方法は、基本的に、第一実施形態の第二変形例で実行される対価推定方法と同様である。ただし、本実施形態では、
図15に例示するように、STEP01において、ユーザは、第一国情報と、第一使用状況情報と、第一譲渡種類情報と、第一商標種類情報と、第一使用期間情報と、第一出願国数特定情報と、第一案件特定番号情報と、を入力部11に入力する。制御部13は、入力部11に入力された第一案件特定番号情報に基づいて、当該第一案件特定番号情報によって特定される商標に関する各種情報を外部データベース50から取得する。STEP01において制御部13が外部データベース50から取得する各種情報は、第一権利者情報、第一権利種類情報、第一区分数特定情報、第一出願日特定情報、第一登録日特定情報、第一商品役務分野特定情報および第一更新回数情報である。
【0125】
なお、本実施形態において、第一案件特定番号情報によって特定される登録番号は、登録第5212345号である。登録第5212345号に係る商標権の権利者は、A株式会社である。登録第5212345号に係る商標の権利の種類は、商標権である。登録第5212345号に係る商標権において指定されている商品役務区分は、第5類と第10類である。登録第5212345号に係る商標権の出願日は、2010年8月21日である。登録第5212345号に係る商標権の登録日は、2012年2月1日である。登録第5212345号に係る商標権の更新回数は1回である。
【0126】
本実施形態においても、
図4に例示するように、制御部13は、入力部11に入力された情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得する(STEP02)。本実施形態では、制御部13は、
図9に例示する譲渡対価データベース40Aに記録された過去の対価情報のうち、
図15に例示する各種情報が示す内容に応じた過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。具体的には、
図9に例示する譲渡対価データベース40Aに記録された過去の対価情報のうち、第一実施形態の第二変形例において説明した条件101から条件113を満たす過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。したがって、制御部13は、
図9に例示するNo.5に係る過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得する。
【0127】
STEP03からSTEP05は、第一実施形態の第二変形例と同様である。
【0128】
本変形例においても、対価推定装置10は、第一実施形態および第一実施形態の第二変形例で説明した効果と同様の効果を奏する。
【0129】
上記の実施形態は本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0130】
第一実施形態、第二実施形態および第一実施形態の第一変形例において、入力部11には、第一国情報と、第一使用状況情報と、第一譲渡種類情報と、第一権利者情報と、第一商標種類情報と、第一権利種類情報と、が入力されており、制御部13は、入力部11に入力されたこれらの情報に基づいて、譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得しているが、本開示はこれに限られない。例えば、入力部11には、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一権利者情報、第一商標種類情報および第一権利種類情報の一部の情報が入力されてもよい。また、制御部13は、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一権利者情報、第一商標種類情報および第一権利種類情報の一部の情報に基づいて、譲渡対価データベース40から、過去の対価情報を取得してもよい。例えば、入力部11に第一国情報が入力された場合、制御部13は、入力部11に入力された第一国情報に基づいて、譲渡対価データベース40から、第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す第二国情報に紐づく過去の対価情報を取得する。この場合において、第一国情報が示す国が日本であるとき、制御部13は、
図2に例示するNo.1からNo.12に係る過去の対価情報を譲渡対価データベース40から取得する。また、例えば、入力部11に第一国情報および第一使用状況情報が入力された場合、制御部13は、入力部11に入力された第一国情報および第一使用状況情報に基づいて、譲渡対価データベース40から、第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す第二国情報と、第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す第二使用状況情報と、に紐づく過去の対価情報を取得する。つまり、この場合、制御部13は、譲渡対価データベース40から、第一国情報が示す所在国における、第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す第二使用状況情報に紐づく過去の対価情報を取得する。この場合において、第一国情報が示す所在国が日本であり、第一使用状況情報が示す使用状況が使用中であるとき、制御部13は、
図2に例示するNo.1からNo.7およびNo.9からNo.11に係る過去の対価情報を譲渡対価データベース40から取得する。
【0131】
第一実施形態の第二変形例において、入力部11には、第一国情報と、第一使用状況情報と、第一譲渡種類情報と、第一権利者情報と、第一商標種類情報と、第一権利種類情報と、第一区分数特定情報と、第一出願日特定情報と、第一登録日特定情報と、第一使用期間情報と、第一商品役務分野特定情報と、第一更新回数情報と、第一出願国数特定情報と、が入力されており、制御部13は、入力部11に入力されたこれらの情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得しているが、本開示はこれに限られない。例えば、入力部11には、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一権利者情報、第一商標種類情報、第一権利種類情報、第一区分数特定情報、第一出願日特定情報、第一登録日特定情報、第一使用期間情報、第一商品役務分野特定情報、第一更新回数情報および第一出願国数特定情報の一部の情報が入力されてもよい。また、制御部13は、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一権利者情報、第一商標種類情報、第一権利種類情報、第一区分数特定情報、第一出願日特定情報、第一登録日特定情報、第一使用期間情報、第一商品役務分野特定情報、第一更新回数情報および第一出願国数特定情報の一部の情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得してもよい。
【0132】
第三実施形態において、入力部11には、第一国情報と、第一使用状況情報と、第一譲渡種類情報と、第一商標種類情報と、第一使用期間情報と、第一出願国数特定情報と、第一案件特定番号情報と、が入力されており、制御部13は、入力部11に入力されたこれらの情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得しているが、本開示はこれに限られない。例えば、入力部11には、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一商標種類情報、第一使用期間情報、第一出願国数特定情報および第一案件特定番号情報の一部の情報が入力されてもよい。また、制御部13は、第一国情報、第一使用状況情報、第一譲渡種類情報、第一商標種類情報、第一使用期間情報、第一出願国数特定情報および第一案件特定番号情報の一部の情報に基づいて、譲渡対価データベース40Aから、過去の対価情報を取得してもよい。
【0133】
第一実施形態の第二変形例および第三実施形態において、入力部11には第一使用期間情報が入力されているが、本開示はこれに限られない。例えば、制御部13が、現在日から譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利に係る出願日を引いた値、または、現在日から譲渡してもらう予定の商標権に係る出願日もしくは登録日を引いた値を計算することで、対価推定装置10は第一使用期間情報を取得してもよい。
【0134】
第一実施形態の第二変形例および第三実施形態において、入力部11には第二使用期間情報が入力されているが、本開示はこれに限られない。例えば、制御部13が、譲渡日から過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利に係る出願日を引いた値、または、譲渡日から過去に譲渡された商標権に係る出願日もしくは登録日を引いた値を計算することで、対価推定装置10は第二使用期間情報を取得してもよい。
【0135】
第一実施形態の第二変形例および第三実施形態において、制御部13は、第一出願国数特定情報によって特定される出願国数と第二出願国数特定情報によって特定される出願国数の差が第四所定値以下となる第二出願国数特定情報に紐づく過去の対価情報を譲渡対価データベース40Aから取得しているが、本開示はこれに限られない。例えば、条件113のみを満たさない過去の対価情報が譲渡対価データベース40Aに記録されている場合、制御部13は、以下の式(1)に基づいて、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る推定譲渡対価を算出してもよい。なお、以下の式(1)において、Xは推定譲渡対価である。Aは第一出願国数特定情報によって特定される出願国数(譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願国数)である。Bは第二出願国数特定情報によって特定される出願国数(過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数)である。Cは条件113のみを満たさない過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額である。
X=C*A/B・・・式(1)
つまり、対価推定装置10は、譲渡対価データベース40Aから取得された過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額を第二出願国数特定情報によって特定される出願国数(過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数)で除した後に第一出願国数特定情報によって特定される出願国数(譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願国数)で乗じることで得られる値を推定譲渡対価として算出する。
【0136】
上記の実施形態において、対価推定装置10は、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る推定譲渡対価を算出しているが、本開示はこれに限られない。対価推定装置10は、商標登録出願により生じた権利および商標権以外の産業財産権(例えば、特許権、実用新案権、意匠権、著作権等)に係る推定譲渡対価を算出してもよい。
【0137】
上記の実施形態において、譲渡対価データベース40,40Aは、過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報が、譲渡の当事者および/または関係者から直接承諾を得た上で、入力部11に入力されることで構築されているが、本開示はこれに限られない。例えば、譲渡の当事者および/または関係者から直接承諾を得た上で産業財産権の譲渡を仲介する者が構築した譲渡対価に関する外部公開データベースから対価推定装置10が過去に成立した譲渡の内容に関する各種情報を取得することで、譲渡対価データベース40,40Aが構築されてもよい。
【0138】
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)各種情報を入力するための入力部と、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置であって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置は、
前記入力部に入力された情報に基づいて、過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得し、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する、対価推定装置。
(2)前記産業財産権に関する権利は、商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つである、(1)に記載の対価推定装置。
(3)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る所在国を示す第一国情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る所在国を示す第二国情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一国情報が示す所在国と同じ所在国を示す前記第二国情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)に記載の対価推定装置。
(4)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用状況を示す第一使用状況情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標に関する使用状況を示す第二使用状況情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一使用状況情報が示す使用状況と同じ使用状況を示す前記第二使用状況情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、(2)または(3)に記載の対価推定装置。
(5)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡の種類を示す第一譲渡種類情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡の種類を示す第二譲渡種類情報に紐づけられて記録されており、
前記譲渡の種類は、一時的譲渡および非一時的譲渡であり、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一譲渡種類情報が示す譲渡の種類と同じ譲渡の種類を示す前記第二譲渡種類情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、(2)から(4)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(6)前記推定譲渡対価は、権利者に応じて算出される、(1)から(5)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(7)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利者を示す第一権利者情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利者を示す第二権利者情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一権利者情報が示す権利者と同じ権利者を示す前記第二権利者情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、(2)から(6)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(8)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の種類を示す第一商標種類情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の種類を示す第二商標種類情報に紐づけられて記録されており、
前記商標の種類は、ハウスマーク、ファミリーネームおよびペットネームであり、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一商標種類情報が示す商標の種類と同じ商標の種類を示す前記第二商標種類情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、(2)から(7)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(9)前記推定譲渡対価は、商標登録出願により生じた権利か商標権かに応じて算出される、(2)から(8)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(10)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利の種類を示す第一権利種類情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る権利の種類を示す第二権利種類情報に紐づけられて記録されており、
前記権利の種類は、商標登録出願により生じた権利および商標権であり、
前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから、前記第一権利種類情報が示す権利の種類と同じ権利の種類を示す前記第二権利種類情報に紐づく前記過去の対価情報を取得する、(2)から(9)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(11)前記推定譲渡対価は、区分数に応じて算出される、(2)から(10)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(12)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数を特定するための第一区分数特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る区分数を特定するための第二区分数特定情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一区分数特定情報によって特定される区分数と同じ区分数が特定される第二区分数特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(11)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(13)前記推定譲渡対価は、登録日に応じて算出される、(1)から(12)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(14)前記入力部には、譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日を特定するための第一登録日特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標権に係る登録日を特定するための第二登録日特定情報と、前記過去に譲渡された商標権に係る譲渡日と、に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一登録日特定情報によって特定される登録日から現在日までの期間である第一登録期間と、前記第二登録日特定情報によって特定される登録日から前記譲渡日までの期間である第二登録期間と、の差が第一所定値以下となる前記第二登録日特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(13)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(15)前記推定譲渡対価は、商標の使用期間に応じて算出される、(2)から(14)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(16)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用期間を示す第一使用期間情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の使用期間を示す第二使用期間情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一使用期間情報が示す使用期間と、前記第二使用期間情報が示す使用期間と、の差が第二所定値以下となる前記第二使用期間情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(15)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(17)前記推定譲渡対価は、商品役務分野に応じて算出される、(2)から(16)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(18)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務分野を特定するための第一商品役務分野特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商品役務分野を特定するための第二商品役務分野特定情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一商品役務分野特定情報によって特定される商品役務分野と同じ商品役務分野が特定される第二商品役務分野特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(17)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(19)譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利に係る前記推定譲渡対価は、現在日と出願日との差に応じて算出され、
譲渡してもらう予定の商標権に係る前記推定譲渡対価は、登録日と出願日との差に応じて算出される、(2)から(18)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(20)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利に係る出願日を特定するための第一出願日特定情報、または、譲渡してもらう予定の商標権に係る出願日を特定するための第一出願日特定情報および譲渡してもらう予定の商標権に係る登録日を特定するための第一登録日特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る出願日を特定するための第二出願日特定情報と、過去に譲渡された商標権に係る登録日を特定するための第二登録日特定情報と、前記過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利に係る譲渡日と、に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、
前記譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利においては、現在日から前記第一出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第一値と、前記譲渡日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第二値または前記第二登録日特定情報によって特定される登録日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第三値と、の差が第三所定値以下となる前記第二出願日特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得し、
前記譲渡してもらう予定の商標権においては、前記第一登録日特定情報によって特定される登録日から前記第一出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第四値と、前記譲渡日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第二値または前記第二登録日特定情報によって特定される登録日から前記第二出願日特定情報によって特定される出願日を減算することで得られる第三値と、の差が第三所定値以下となる前記第二出願日特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(19)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(21)前記推定譲渡対価は、更新回数に応じて算出される、(2)から(20)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(22)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る更新回数を示す第一更新回数情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る更新回数を示す第二更新回数情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一更新回数情報が示す更新回数と同じ更新回数と同じ更新回数を示す前記第二更新回数情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(21)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(23)前記推定譲渡対価は、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数に応じて算出される、(2)から(22)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(24)前記入力部には、少なくとも、譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を特定するための第一出願国数特定情報が入力され、
前記譲渡対価データベースには、前記過去の対価情報が、過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数を特定するための第二出願国数特定情報に紐づけられて記録されており、
前記対価推定装置は、前記第一出願国数特定情報によって特定される出願国数と前記第二出願国数特定情報によって特定される出願国数の差が第四所定値以下となる前記第二出願国数特定情報に紐づく前記過去の対価情報を前記譲渡対価データベースから取得する、(2)から(23)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(25)前記対価推定装置は、前記譲渡対価データベースから取得された前記過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額を過去に譲渡された商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数で除した後に譲渡してもらう予定の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る商標の出願国数で乗じることで得られる値を前記推定譲渡対価として算出する、(2)から(23)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(26)前記推定譲渡対価は、取得された前記過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の平均値である、(1)から(25)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(27)前記推定譲渡対価は、取得された前記過去の対価情報が示す過去の譲渡対価の額の最小値以上最大値以下の範囲で示される、(1)から(25)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(28)前記入力部には、通信ネットワークを介して接続されたユーザ端末装置に入力された各種情報が入力される、(1)から(27)のいずれか一つに記載の対価推定装置。
(29)少なくとも、プロセッサと、前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える対価推定装置と、
各種情報を入力するための入力部と、
過去の産業財産権に関する権利の譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースと、を備える対価推定システムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置は、
前記入力部に入力された情報に基づいて、前記譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得し、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出する、対価推定システム。
(30)コンピュータによって実行される対価推定方法であって、
前記対価推定方法を実行する対価推定装置に備わる入力部に入力された情報に基づいて、過去の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得するステップと、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出するステップと、を含む、対価推定方法。
(31)対価推定装置のプロセッサにより実行される少なくとも一つの命令を含むコンピュータプログラムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記対価推定装置に、
前記対価推定装置に備わる入力部に入力された情報に基づいて、過去の商標登録出願により生じた権利および商標権の少なくとも一つに係る譲渡に関する対価の額を示す過去の対価情報が記録された譲渡対価データベースから、前記過去の対価情報を取得させ、
取得された前記過去の対価情報に基づいて、推定譲渡対価を算出させる、コンピュータプログラム。
(32)(31)に記載されたコンピュータプログラムが記憶された、非一時的コンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0139】
1,1A,1B:対価推定システム
10,10A:対価推定装置
11:入力部
12:記憶装置
13:制御部
14:表示部
15:出力部
16:バス
20:ユーザ端末装置
21:表示部
30:外部記憶装置
40,40A:譲渡対価データベース
50:外部データベース