(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146182
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】太陽光発電システムの監視装置、監視方法、および、配線異常検出センサ
(51)【国際特許分類】
H02S 50/00 20140101AFI20241004BHJP
G01R 31/54 20200101ALI20241004BHJP
G01R 31/58 20200101ALI20241004BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241004BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H02S50/00
G01R31/54
G01R31/58
H02J3/38 130
H02J13/00 301A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058928
(22)【出願日】2023-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000222037
【氏名又は名称】東北電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有松 健司
【テーマコード(参考)】
2G014
5F251
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
2G014AA02
2G014AB61
2G014AC07
5F251KA08
5G064AC09
5G064BA02
5G064BA03
5G064CB19
5G064DA02
5G066HA13
5G066HB06
(57)【要約】
【課題】太陽光発電システムの異常個所を早期かつ的確に把握する簡便な太陽光発電システムの監視装置、監視方法、および、配線異常検出センサを提供する。
【解決手段】複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサを有し、配線異常検出センサが、電力変換器の動作に起因して接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、発電部によって発電した電力を、検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、
前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサを有し、
該配線異常検出センサが、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有することを特徴とする、太陽光発電システムの監視装置。
【請求項2】
前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項3】
前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項4】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項5】
前記配線異常検出センサから出力された前記信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置と、該信号検知装置からの前記信号の有無に関する情報を集約する中央監視装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項6】
前記信号検知装置が、ドローンに搭載されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項7】
前記信号検知装置が、前記配線異常検出センサが設置された位置情報を記憶する記憶部と、前記ドローンが飛行する位置を特定する位置検出部と、前記配線異常検出センサの位置における前記信号の有無に関する情報を生成する情報生成部と、該情報生成部からの情報を前記監視装置に送信する通信部を有することを特徴とする、請求項6に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項8】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視方法であって、
前記太陽電池モジュール間の接続線に配線異常検出センサを設け、該配線異常検出センサにおける前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによる電力発生の有無によって、前記太陽電池モジュールの接続不良または前記接続線の断線による異常を判断することを特徴とする、太陽光発電システムの監視方法。
【請求項9】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置に用いられる配線異常検出センサであって、
前記配線異常検出センサが、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられ、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有することを特徴とする、配線異常検出センサ。
【請求項10】
前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする、請求項9に記載の配線異常検出センサ。
【請求項11】
前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の配線異常検出センサ。
【請求項12】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の配線異常検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムの監視装置、監視方法、および、配線異常検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電の普及及び拡大に伴い、太陽光発電所における保守点検の観点等から、太陽光発電システムにおいて故障発生(異常)により発電停止した個所を早期かつ的確に把握する必要性が高まっている。しかしながら、太陽電池側(直流側)における異常は、太陽電池内部の配線の断線や接触不良による抵抗値の増加など、電気的な要因が主となるが、これらの異常が発生した場合、広い面積に設置されたストリング単位やアレイ単位にある多量の太陽電池や配線の中から異常個所を発見するのは非常に困難である。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングの電圧と電流の他に漏れ電流を測定することによって、太陽電池ストリングの異常を精度良く検出することができるとする太陽光発電システムの監視システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数枚設置された太陽電池モジュールから落ち葉やタブ線の断線等により発電が低下している太陽電池モジュールを特定するための異常検知として、太陽電池モジュールのバイパスダイオードに並列に抵抗器、発光ダイオードを直列にした発電状態監視手段をバイパスダイオードと発光ダイオードとが逆極性となるように接続するする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-231249号公報
【特許文献2】特開2012-094751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された太陽光発電システムの監視装置では、測定の都度に電路を切り替えるために電源供給が必要な開閉器を用いる必要があり、かつ、ストリング単位での異常検出であるため、太陽電池ストリング内の太陽電池モジュールやモジュール間の配線における異常個所を詳細に特定することは困難といえる。また、既存の太陽光発電システムに導入する場合は供給電源や開閉器の追加など大幅な改造が必要となり、設備自体が煩雑になり簡便性に欠けるといえる。
【0007】
また、特許文献2に開示された方法では、太陽電池モジュール単位での異常を検知することは可能であるが、太陽電池モジュール製造時に監視手段を施す必要があるため、既存の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールに適用することは難しい。さらに、設置した個所における発光のみでしか異常の有無を判断できないため、ストリング単位等の太陽光発電システム全体の監視に用いることは実用的に困難である。
【0008】
太陽光発電システムの発電の根幹は太陽電池であり、通常はモジュール/パネル単位の太陽電池を複数組み合わせて所望の発電量を得る構成となっている。また、太陽電池は可動部がなく、異常となる原因は太陽電池内部の配線の断線や接触不良による抵抗値の増加など、電気的な要因が主となる。そして、これらの電気的な異常を監視するための従来技術では、大幅な改造や設備の煩雑化を招くため実用的でなく、また、太陽光発電システムの保守点検上の観点からも有用性が低いものであった。
【0009】
そのため、実際の設備においては、保守点検者が可搬型の非接触電流計測器などを用いて移動しながら各個所の配線における異常有無を確認しており、非常に労力がかかるとともに、正確に異常の有無を判断するためには同一発電状況、すなわち同時に確認することが最善であるため、現状では、異常個所を早期かつ的確に発見するのは非常に困難である。
【0010】
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、太陽光発電システムの発電時において直流側の配線に重畳されるノイズに着目し、太陽光発電システムの異常個所を早期かつ的確に把握する簡便な太陽光発電システムの監視装置、監視方法、および、配線異常検出センサを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサを有し、該配線異常検出センサが、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有することを特徴とするものである。
【0012】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とするものである。
【0013】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とするものである。
【0014】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
第5の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記配線異常検出センサから出力された前記信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置と、該信号検知装置からの前記信号の有無に関する情報を集約する中央監視装置をさらに備えることを特徴とするものである。
【0016】
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記信号検知装置が、ドローンに搭載されていることを特徴とするものである。
【0017】
第7の技術手段は、第6の技術手段において、前記信号検知装置が、前記配線異常検出センサが設置された位置情報を記憶する記憶部と、前記ドローンが飛行する位置を特定する位置検出部と、前記配線異常検出センサの位置における前記信号の有無に関する情報を生成する情報生成部と、該情報生成部からの情報を前記監視装置に送信する通信部を有することを特徴とするものである。
【0018】
第8の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視方法であって、前記太陽電池モジュール間の接続線に配線異常検出センサを設け、該配線異常検出センサにおける前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによる電力発生の有無によって、前記太陽電池モジュールの接続不良または前記接続線の断線による異常を判断することを特徴とするものである。
【0019】
第9の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置に用いられる配線異常検出センサであって、前記配線異常検出センサが、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられ、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有することを特徴とするものである。
【0020】
第10の技術手段は、第9の技術手段において、前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とするものである。
【0021】
第11の技術手段は、第10または第11の技術手段において、前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とするものである。
【0022】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1および第8の技術手段によれば、太陽光発電システムの発電時に直流側の配線に重畳されるノイズによって、配線異常検出センサが発電し信号を出力するため、センサの動作に必要な特別な電源を必要とせず、簡便な装置で、太陽光発電システムの直流側の配線における異常個所を早期かつ的確に把握することができる。このため、広い面積に設置されたストリング単位やアレイ単位にある非常に多量の太陽電池や配線の中から異常個所を容易に発見することができる。また、太陽光発電システムを停止せずに発電状態を常時監視することが可能となる。
【0024】
本発明の第2および第10の技術手段によれば、検知可能な信号として、複数の物理量の信号の中から一つまたは複数を選択することができるため、太陽光発電システムの設置場所などに応じて、適切な配線異常検出センサを設けることができる。
【0025】
本発明の第3および第11の技術手段によれば、接続線にまかれたコイルによって、電力変換器の動作に起因して接続線に重畳されるノイズから、確実に電力を得ることができる。
【0026】
本発明の第4および第12の技術手段によれば、コイルをフレキシブルプリント基板に形成しているため、接続線にコイルを巻く作業が簡便にできる。また、配線異常検出センサの発電部や信号出力部をフレキシブルプリント基板に形成することができるため、配線異常検出センサを一体に製作することができ小型で安価な製造が可能になる。
【0027】
本発明の第5の技術手段によれば、太陽電池モジュールの異常個所を、集中的に監視することが可能となる。
【0028】
本発明の第6の技術手段によれば、遠隔からの異常監視が可能となり、保守点検者が可搬型の配線異常検出センサを用いて移動しながら太陽光発電システムの配線における異常箇所の有無の確認する必要がなくなるため、異常検出に要する労力が軽減できる。
【0029】
本発明の第7の技術手段によれば、配線異常検出センサの上を通る予め定めた経路にしたがってドローンの自律飛行が可能となるため、太陽光発電システム全体の直流側の配線における異常個所の検出を大幅に省力化することができる。
【0030】
本発明の第9の技術手段によれば、動作に必要な特別な電源を必要とせず、簡便な構成で、太陽光発電システムの直流側の配線における異常個所を的確に把握することができるセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】太陽光発電システムの一構成を説明するための図である。
【
図2】太陽電池モジュールと太陽電池ストリングを説明するための図である。
【
図3】本発明に係る太陽光発電システムの監視装置の概略を説明するための図である。
【
図4】本発明に係る太陽光発電システムの配線異常検出センサ、信号検知装置、中央監視装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【
図5】本発明に係る太陽光発電システムの配線異常検出センサの一構成例を示す図である。
【
図6A】本発明に係る太陽光発電システムの配線異常検出センサをフレキシブルプリント基板で形成した場合の一構成例を示す図である。
【
図6B】
図6Aに示す配線異常検出センサをリング状に接続してコイルを形成した状態を示す図である。
【
図7】本発明に係る太陽光発電システムの監視装置あるいは監視方法における監視フローを説明するための図である。
【
図8】太陽電池ストリング内の太陽電池モジュールの配線や接続線に断線を含む異常がある場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明の太陽光発電システムの監視装置、監視方法、および、配線異常検出センサに係る好適な実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本発明はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内および均等の範囲内におけるすべての変更を含む。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。
【0033】
図1は、太陽光発電システムの一構成を説明するための図であり、
図2は、太陽電池モジュールと太陽電池ストリングを説明するための図である。太陽光発電システム100は、太陽電池アレイ10と、接続箱20と、PCS(Power Conditioning Subsystem:電力変換器)30を備えている。また、太陽光発電システム100の太陽電池は所望の発電量を得るために、通常は太陽電池モジュール(または、太陽電池パネル)11単位の太陽電池を複数組み合わせて接続線12によって直列接続した太陽電池ストリング13単位や、太陽電池ストリング13単位をさらに複数組み合わせた太陽電池アレイ10単位などの構成を有している。そして、太陽電池ストリング13や太陽電池アレイ10は広い面積に設置されているため、多量の太陽電池や配線の中から異常個所を発見することを困難にしている。
【0034】
太陽電池ストリング13は、接続箱20を介してPCS30に接続されている。接続箱20は、1つの太陽電池ストリング13を一つの回線として各太陽電池ストリング13で発電した直流電力を集めるための機器であって、開閉器や、逆流防止素子、避雷素子などの各種回路素子を有している。
【0035】
PCS30は、太陽電池で発電した直流電力を交流電力に変換するための電力変換器であり、PCS30は太陽電池に太陽光等の光が照射された場合において電力変換の動作をするものである。PCS30は、直流電力を交流電力に電力変換するために半導体式スイッチのスイッチング(オンオフ)により、PCS30を通過する電力を制御している。半導体式スイッチのオンオフは通常、数kHzから数十kHzの速さで行われる。このため、PCS30における電力変換の動作時は、接続線12を含む太陽電池側(直流側)の配線には半導体式スイッチのオンオフの影響により電気的に急峻に変動する成分(以下、ノイズと呼ぶ。)が重畳する。
【0036】
図3は、本発明に係る太陽光発電システムの監視装置の概略を説明するための図であり、
図4は、本発明に係る太陽光発電システムの配線異常検出センサ、信号検知装置、中央監視装置の一構成例を示す機能ブロック図である。本発明に係る太陽光発電システムの監視装置は、各太陽電池モジュール11(11a~11x)間の接続線12(12a~12x)に設けた配線異常検出センサ40(40a~40x)と、信号検知装置50、および、中央監視装置60を備えている。
【0037】
配線異常検出センサ40(40a~40x)の構成は後ほど詳述するが、配線異常検出センサ40は、太陽電池ストリング13単位や太陽電池アレイ10単位を構成する際に、太陽電池モジュール11間を接続する接続線12に取り付けられる。配線異常検出センサ40は、
図4に示すように、発電部41、信号出力部42を有している。発電部41は、太陽電池が発電した時のPCS30の動作に起因して接続線12に重畳されるノイズによって発電するためのものである。
【0038】
また、信号出力部42は、発電部41によって発電した電力を、検知可能な物理量の信号に変換して出力するためのものである。このため、配線異常検出センサ40は、太陽電池が正常に発電してPCS30に電力を供給している場合に信号を出力するが、太陽電池が発電しておらずPCS30に電力が供給されない場合には信号を出力しない。また、検知可能な物理量の信号としては、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であってよいが、本実施形態では、検知可能な物理量の信号として電波による無線信号の場合について説明する。
【0039】
信号検知装置50は、配線異常検出センサ40から発信された無線信号を検出するものであり、遠隔から配線異常検出センサ40の発電状態を監視するものである。信号検知装置50は、保守点検者が移動しながら配線異常検出センサ40からの信号を検出する可搬型(ハンディターミナル等)あってもよく、また、固定設置型として配線異常検出センサ40の近くに設置されてもよい。さらに、ドローン70のような移動体に搭載されていてもよい。
【0040】
図4に示す信号検知装置50の機能ブロック図は、主にドローン70に搭載された場合を示すものであり、可搬型や固定設置型として構成する場合は、不要な機能(部位)を省略することができる。信号検知装置50は、信号検出部51、表示部52、記憶部53、位置検出部54、情報生成部55、および、通信部56を備えている。信号検出部51は、配線異常検出センサ40から出力された無線信号を検知するためのものであり、太陽電池が正常に発電しているときに、配線異常検出センサ40からの無線信号を検出(受信)することができる。表示部52は、配線異常検出センサ40からの無線信号の検出結果や信号検知装置50の位置情報を表示するためのものであり、保守点検者が使用する可搬型の場合に有用である。
【0041】
記憶部53は、各配線異常検出センサ40の設置位置を記憶した地図データと、ドローン70に搭載される場合には、自律飛行を可能とするために、各配線異常検出センサ40の設置位置を経由する経路データなどを記憶している。
【0042】
位置検出部54は、GPSで測位した測位位置を示す位置情報を取得する部位であり、GPS衛星からの電波を受信する図示しないアンテナや受信したGPS信号を解析してドローン70の位置情報(緯度、経度)を求める解析部などで構成される。
【0043】
情報生成部55は、各配線異常検出センサ40の設置位置において、各配線異常検出センサ40から出力された無線信号を信号検出部51が検知できたか否かの情報と、各配線異常検出センサ40の位置情報または識別情報とを紐づけた情報を生成する部位である。情報生成部55で生成された情報は、通信部56に伝えられるほか、表示部52に表示してもよく、さらに記憶部53に記憶してもよい。
【0044】
通信部56は、中央監視装置60との間で情報や指令の通信を行う部位であり、情報生成部55で生成された情報は、通信部56によって中央監視装置60に送信される。また、通信部56は中央監視装置60からの指令受けて、ドローン70の飛行を司る図示しない飛行制御部に伝達することによって、中央監視装置60からの指令によってドローン70の飛行を制御することができる。
【0045】
信号検知装置50の各機能部位は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、および記憶装置などの制御デバイスで構成され、その一部又は全部を集積回路/ICチップセットとして搭載することも可能である。記憶装置としての記憶部53には、先述した地図データや経路データのほか、各種処理を行うためのプログラムや各種設定内容などが記憶される。
【0046】
中央監視装置60は、信号検知装置50から送信された、各配線異常検出センサ40からの信号の有無に関する情報を集約する部位である。中央監視装置60は、通信部61、情報集約部62、表示部(モニタ)63、および、通知部64を備えている。
【0047】
通信部61は、信号検知装置50との間で情報や指令の通信を行う部位である。通信部61は、信号検知装置50の通信部56を介して送信された、各配線異常検出センサ40の位置情報または識別情報と、各配線異常検出センサ40から出力された無線信号を信号検出部51が検知できたか否かの情報を受信し、情報集約部62に伝える。
【0048】
情報集約部62は、配線異常検出センサ40ごとに、各配線異常検出センサ40が無線信号を出力しているか否かの情報を集約する部位である。情報集約部62は、集約した情報を表示部63に伝えて表示させたり、配線異常検出センサ40からの無線信号を検知できない場合は、太陽電池モジュール11内の配線や接続線12に異常が発生したと判断して、通知部64にその旨を伝える。また、情報集約部62は、各配線異常検出センサ40に関する情報のほか、太陽光発電システム100の発電量などの種々の状況を集約することができる。
【0049】
表示部63は、情報集約部62は集約した種々の情報を基に、太陽光発電システム100の状況を監視者が認識しやすい形式で表示する。配線異常検出センサ40からの無線信号を検出できない場合は、表示部63は、該当する配線異常検出センサ40を目視で特定できるように表示する。通知部64は、配線異常検出センサ40からの無線信号を検出できない場合に、異常が発生した旨の警告を表示部63に表示したり、図示しないスピーカから音声で監視者に知らせる。
【0050】
図5は、本発明に係る太陽光発電システムの配線異常検出センサの一構成例を示す図である。
図5に示すように、配線異常検出センサ40の発電部41は、太陽電池モジュール11間の接続線12に巻かれたコイル43を含んでいる。コイル43を含む発電部41は、太陽電池モジュール11が発電し、PCS30が動作した際に接続線12に重畳するノイズの周波数と共振する周波数特性を有しており、効率的に電力を取り出すことが可能となっている。このように、配線異常検出センサ40のコイル43はエナジーハーベスティングとして空間中に放射されるノイズより配線異常検出センサ40の電源を得るものであり、従来の非接触電流計測器のように有線や蓄電池等による電源供給が不要であることから、設置や使用にあたり取り扱いが容易となっている。
【0051】
図6Aは、本発明に係る太陽光発電システムの配線異常検出センサをフレキシブルプリント基板で形成した場合の一構成例を示す図であり、
図6Bは、
図6Aに示す配線異常検出センサをリング状に接続してコイルを形成した状態を示す図である。
【0052】
配線異常検出センサ40は、早期かつ的確に配線の異常個所を把握する目的から、多量の太陽電池モジュール11間を接続する接続線12に取り付ける必要があるために、簡便に取り付けられ、かつ、低コストであることが求められる。このため、本実施形態では、配線異常検出センサ40のコイル43を、テープ状のフレキシブルプリント基板48に形成した所定本数の直線状のプリント配線44から構成している。フレキシブルプリント基板48は、柔軟性のある樹脂材料等からなっており、プリント配線44は可撓性のある金属配線である。
【0053】
フレキシブルプリント基板48の長手方向端部46、47は、互いに表裏の異なる側でプリント配線44が露出されており、
図6Bに示すように、フレキシブルプリント基板48をリング状にして長手方向端部46、47を接続することにより、フレキシブルプリント基板48のプリント配線44をコイル状に接続することができる。このため、プリント配線44は、長手方向端部46、47で1ピッチずれるように形成されている。また、フレキシブルプリント基板48には、コイル43以外の発電部41と信号出力部42を構成する回路チップ45を搭載することができる。このように、配線異常検出センサ40を、フレキシブルプリント基板48から構成する場合、多層基板とすることが望ましいが、薄型で取り扱いが簡便であるとともに、テープ状のため製作コストも安価に実現できる。
【0054】
次に、本発明の太陽光発電システムの監視フローについて説明する。
図7は、本発明に係る太陽光発電システムの監視装置あるいは監視方法における監視フローを説明するための図であり、
図3も参照しつつ監視フローについて説明する。なお、
図3に示す概略図は、紙面最上部の太陽電池ストリング13aにおける太陽電池モジュール11a~11xがすべて正常に発電するとともに、接続線12a~12xの断線もない状況を示している。
【0055】
(ステップS1)
図3に示す概略図では、紙面最上部の太陽電池ストリング13aにおける太陽電池モジュール11a~11xはすべて正常に発電しており、この状況では、PCS30に直流電力が供給され PCS30は正常に動作する。
(ステップS2)
PCS30が動作に起因して、接続線12a~12xには、太陽電池モジュール11a~11xの発電による直流電圧に対して半導体スイッチのオンオフにより、ノイズが重畳される。
(ステップS3)
接続線12a~12xにノイズが重畳されると、ノイズによって配線異常検出センサ40a~40xのコイル43に誘導電流が流れ、発電部41が発電する。
(ステップS4)
発電部41が発電することによって、これを電源とする配線異常検出センサ40a~40xの信号出力部42が、信号(無線信号)を出力する。
(ステップS5)
信号検知装置50が各配線異常検出センサ40a~40xの設置位置の所定範囲内において、配線異常検出センサ40a~40xからの無線信号を検知する。信号検知装置50がドローン70に搭載されている場合は、ドローン70が各配線異常検出センサ40a~40xの設置個所を通る予め定められた飛行経路を飛ぶことによって、ドローン70が各配線異常検出センサ40a~40xの設置位置の所定範囲内に来た際に、配線異常検出センサ40a~40xからの無線信号を検知することになる。ここで、信号検知装置50が各配線異常検出センサ40a~40xの設置位置の所定範囲内において、配線異常検出センサ40a~40xからの無線信号を検知できた場合は、信号検知装置50の情報生成部55は検知できた旨の情報を生成し、検知できない場合は、検知できなかった旨の情報を生成する。
(ステップS6)
信号検知装置50が、各配線異常検出センサ40a~40xから無線信号を検知したか否かの情報を中央監視装置60に送信する。
(ステップS7)
中央監視装置60が、信号検知装置50から送信されてくる情報を受信し、集約する。
(ステップS8)
中央監視装置60が、信号検知装置50から送信されてきた情報に基づいて、監視者へ必要な情報を通知したり表示したりする。
【0056】
以上が、本発明の太陽光発電システムの監視フローであるが、次に、太陽電池モジュール11の配線に接続不良が生じたり、あるいは接続線12が断線した場合について説明する。
図8は、太陽電池ストリング内の太陽電池モジュールの配線や接続線に断線を含む異常がある場合を説明するための図である。
【0057】
図8に示す状態は、紙面最上段の太陽電池ストリング13aにおいて、太陽電池モジュール11x内あるいは太陽電池モジュール11xと太陽電池モジュール11y間の接続線12yに断線が生じた場合を示している。ここで、他の太陽電池ストリング13b~13zは正常に発電をしており、また、太陽電池モジュール11a側を最上流、太陽電池モジュール11z側を最下流とし、太陽電池モジュール11xの下流側の配線12yが断線により地絡しているものとする。
【0058】
ここで、太陽電池モジュール11x内あるいは接続線12yに断線が生じているため、太陽電池モジュール11xおよび接続線12yに直列接続された太陽電池ストリング13a全体に発電電流は流れない。しかしながら、断線した個所より上流側(接続線12よりも上流側)は他の太陽電池ストリング13b~13zと電気的に接続されているため、発電電圧は印加されることになる。これにより、断線した個所まではPCS30で発生しているノイズが重畳されるため、このノイズによって断線箇所より上流側の配線異常検出センサ40a~40xでは発電することができ、無線信号を出力することができる。なお、断線箇所よりも下流側に接地された配線異常検出センサ40zの接続線12zには、PCS30の動作に起因するノイズが重畳されないため、無線信号を出力することがない。
【0059】
したがって、信号検知装置50は、太陽電池ストリング13の上流側から、配線異常検出センサ40の無線信号を検知していくことにより、素早く断線箇所を特定することができる。
【0060】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、太陽光発電システムの発電時に直流側の配線に重畳されるノイズに着目し、直流側の配線における異常個所を検出するものであり、発電時に配線に重畳するノイズの有無から、遠隔から配線異常検出センサ40を設置した個所の発電状態を監視できるものである。
【0061】
また、検知可能な物理量の信号として電波による無線信号の場合について説明したが、検知可能な物理量の信号としては、振動、光、音による信号のいずれでもよく複数であってもよい。そして、信号検知装置50の信号検出部51は、配線異常検出センサ40から出力される信号の種類に応じてその構成を変更すればよいことは明らかである。
【符号の説明】
【0062】
10・・・太陽電池アレイ
11・・・太陽電池モジュール
12・・・接続線
13・・・太陽電池ストリング
20・・・接続箱
30・・・PCS(電力変換器)
40・・・配線異常検出センサ
41・・・発電部
42・・・信号出力部
43・・・コイル
44・・・プリント配線
45・・・回路チップ
46・・・長手方向端部
47・・・長手方向端部
48・・・フレキシブルプリント基板
50・・・信号検知装置
51・・・信号検出部
52・・・表示部
53・・・記憶部
54・・・位置検出部
55・・・情報生成部
56・・・通信部
60・・・中央監視装置
61・・・通信部
62・・・情報集約部
63・・・表示部
64・・・通知部
70・・・ドローン
100・・・太陽光発電システム
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、
前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサと、
該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を備え、
該配線異常検出センサが、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力によって、前記信号検知装置の前記信号検出部が検知可能な物理量の信号を出力する信号出力部を有することを特徴とする、太陽光発電システムの監視装置。
【請求項2】
前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項3】
前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項4】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項5】
前記信号検知装置からの前記信号の有無に関する情報を集約する中央監視装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項6】
前記信号検知装置が、ドローンに搭載されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項7】
前記信号検知装置が、前記配線異常検出センサが設置された位置情報を記憶する記憶部と、前記ドローンが飛行する位置を特定する位置検出部と、前記配線異常検出センサの位置における前記信号の有無に関する情報を生成する情報生成部と、該情報生成部からの情報を前記監視装置に送信する通信部を有することを特徴とする、請求項6に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項8】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視方法であって、
発電部と信号出力部を有する配線異常検出センサを前記太陽電池モジュール間の接続線に設けるとともに、該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を設け、
前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって、前記配線異常検出センサの発電部が発電するステップ、
前記発電部が発電した電力を電源として前記信号出力部が信号を出力するステップ、
前記信号出力部からの前記信号を前記信号検知装置の前記信号検出部が検知するステップを含み、
前記信号検出部が前記信号を検知できなかった場合に、前記太陽電池モジュールの接続不良または前記接続線の断線による異常と判断することを特徴とする、太陽光発電システムの監視方法。
【請求項9】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器と、信号検知装置を備えた太陽光発電システムの監視装置に用いられる配線異常検出センサであって、
前記配線異常検出センサが、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられ、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、前記信号検知装置が検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有することを特徴とする、配線異常検出センサ。
【請求項10】
前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする、請求項9に記載の配線異常検出センサ。
【請求項11】
前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の配線異常検出センサ。
【請求項12】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の配線異常検出センサ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサと、該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を備え、該配線異常検出センサが、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力によって、前記信号検知装置の前記信号検出部が検知可能な物理量の信号を出力する信号出力部を有することを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第5の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記信号検知装置からの前記信号の有無に関する情報を集約する中央監視装置をさらに備えることを特徴とするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第8の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視方法であって、発電部と信号出力部を有する配線異常検出センサを前記太陽電池モジュール間の接続線に設けるとともに、該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を設け、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって、前記配線異常検出センサの発電部が発電するステップ、前記発電部が発電した電力を電源として前記信号出力部が信号を出力するステップ、前記信号出力部からの前記信号を前記信号検知装置の前記信号検出部が検知するステップを含み、前記信号検出部が前記信号を検知できなかった場合に、前記太陽電池モジュールの接続不良または前記接続線の断線による異常と判断することを特徴とするものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
第9の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、該太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する電力変換器と、信号検知装置を備えた太陽光発電システムの監視装置に用いられる配線異常検出センサであって、前記配線異常検出センサが、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられ、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、前記信号検知装置が検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有することを特徴とするものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、前記太陽電池モジュールに太陽光等の光が照射された場合に前記太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する動作を行う電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、
前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサと、
該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を備え、
該配線異常検出センサが、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力によって、前記信号検知装置の前記信号検出部が検知可能な物理量の信号を出力する信号出力部を有し、該信号出力部は、前記太陽電池モジュールが発電して前記電力変換器に前記直流電力を供給している場合に前記信号を出力し、前記太陽電池モジュールが発電しておらず前記電力変換器に前記直流電力を供給していない場合に前記信号を出力しないことを特徴とする、太陽光発電システムの監視装置。
【請求項2】
前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項3】
前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項4】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項5】
前記信号検知装置からの前記信号の有無に関する情報を集約する中央監視装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項6】
前記信号検知装置が、ドローンに搭載されていることを特徴とする、請求項5に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項7】
前記信号検知装置が、前記配線異常検出センサが設置された位置情報を記憶する記憶部と、前記ドローンが飛行する位置を特定する位置検出部と、前記配線異常検出センサの位置における前記信号の有無に関する情報を生成する情報生成部と、該情報生成部からの情報を前記監視装置に送信する通信部を有することを特徴とする、請求項6に記載の太陽光発電システムの監視装置。
【請求項8】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、前記太陽電池モジュールに太陽光等の光が照射された場合に前記太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する動作を行う電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視方法であって、
発電部と信号出力部を有する配線異常検出センサを前記太陽電池モジュール間の接続線に設けるとともに、該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を前記異常検出センサからの前記信号を検知可能な位置に設け、
前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって、前記配線異常検出センサの発電部が発電するステップ、
前記発電部が発電した電力を電源として前記信号出力部が信号を出力するステップ、
前記信号出力部からの前記信号を前記信号検知装置の前記信号検出部が検知するステップを含み、
前記信号検出部が前記信号を検知できなかった場合に、前記太陽電池モジュールの接続不良または前記接続線の断線による異常と判断することを特徴とする、太陽光発電システムの監視方法。
【請求項9】
複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、前記太陽電池モジュールに太陽光等の光が照射された場合に前記太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する動作を行う電力変換器と、信号検知装置を備えた太陽光発電システムの監視装置に用いられる配線異常検出センサであって、
前記配線異常検出センサが、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられ、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、前記信号検知装置が検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有し、該信号出力部は、前記太陽電池モジュールが発電して前記電力変換器に前記直流電力を供給している場合に前記信号を出力し、前記太陽電池モジュールが発電しておらず前記電力変換器に前記直流電力を供給していない場合に前記信号を出力しないことを特徴とする、配線異常検出センサ。
【請求項10】
前記信号が、電波、振動、光、音のいずれか一つまたは複数であることを特徴とする、請求項9に記載の配線異常検出センサ。
【請求項11】
前記配線異常検出センサの前記発電部が、前記接続線に巻かれたコイルを含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の配線異常検出センサ。
【請求項12】
前記コイルが、フレキシブルプリント基板に形成されていることを特徴とする、請求項11に記載の配線異常検出センサ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、前記太陽電池モジュールに太陽光等の光が照射された場合に前記太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する動作を行う電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視装置であって、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられた配線異常検出センサと、該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を備え、該配線異常検出センサが、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力によって、前記信号検知装置の前記信号検出部が検知可能な物理量の信号を出力する信号出力部を有し、該信号出力部は、前記太陽電池モジュールが発電して前記電力変換器に前記直流電力を供給している場合に前記信号を出力し、前記太陽電池モジュールが発電しておらず前記電力変換器に前記直流電力を供給していない場合に前記信号を出力しないことを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第8の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、前記太陽電池モジュールに太陽光等の光が照射された場合に前記太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する動作を行う電力変換器を備えた太陽光発電システムの監視方法であって、発電部と信号出力部を有する配線異常検出センサを前記太陽電池モジュール間の接続線に設けるとともに、該配線異常検出センサからの信号を検出する信号検出部を有する信号検知装置を前記異常検出センサからの前記信号を検知可能な位置に設け、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって、前記配線異常検出センサの発電部が発電するステップ、前記発電部が発電した電力を電源として前記信号出力部が信号を出力するステップ、前記信号出力部からの前記信号を前記信号検知装置の前記信号検出部が検知するステップを含み、前記信号検出部が前記信号を検知できなかった場合に、前記太陽電池モジュールの接続不良または前記接続線の断線による異常と判断することを特徴とする特徴とするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
第9の技術手段は、複数の太陽電池モジュールを接続した太陽電池ストリングと、前記太陽電池モジュールに太陽光等の光が照射された場合に前記太陽電池ストリングからの直流電力を交流電力に変換する動作を行う電力変換器と、信号検知装置を備えた太陽光発電システムの監視装置に用いられる配線異常検出センサであって、前記配線異常検出センサが、前記太陽電池モジュール間の接続線に設けられ、前記電力変換器の動作に起因して前記接続線に重畳されるノイズによって発電する発電部と、該発電部によって発電した電力を、前記信号検知装置が検知可能な物理量の信号に変換して出力する信号出力部を有し、該信号出力部は、前記太陽電池モジュールが発電して前記電力変換器に前記直流電力を供給している場合に前記信号を出力し、前記太陽電池モジュールが発電しておらず前記電力変換器に前記直流電力を供給していない場合に前記信号を出力しないことを特徴とするものである。