(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146184
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/53 20140101AFI20241004BHJP
【FI】
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058932
(22)【出願日】2023-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物1] 令和4年11月4日掲載、掲載アドレス https://www.famitsu.com/news/202211/04281509.html [刊行物2] 令和5年2月28日掲載、掲載アドレス https://www.4gamer.net/games/529/G052958/20230208103/ [刊行物3] 令和5年2月28日掲載、掲載アドレス https://news.denfaminicogamer.jp/interview/230228w [刊行物4] 令和5年2月28日掲載、掲載アドレス https://www.gamepur.com/news/final-fantasy-xvi-developers-discuss-accessibility-active-time-lore-and-kaiju-inspired-combat [刊行物5] 令和5年2月28日掲載、掲載アドレス https://noisypixel.net/final-fantasy-xvi-preview-round-up-screenshots-interviews-gameplay/ [刊行物6] 令和5年2月28日掲載、掲載アドレス https://manualdosgames.com/final-fantasy-16-ganha-uma-gameplay-incrivel/ [刊行物7] 令和5年2月28日掲載、掲載アドレス https://blog.playstation.com/2023/02/28/hands-on-with-final-fantasy-xvi-new-gameplay-details/
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】前廣 和豊
(72)【発明者】
【氏名】青野 百花
(57)【要約】
【課題】プレイヤに対してより有効な情報を提供する。
【解決手段】ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示し、ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出し、抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する。また、プレイヤの操作に依らずに再生される動画を表示し、動画の再生状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出し、プレイヤからの説明要求を受け付けたとき、抽出した用語の説明文のうち少なくとも一部をプレイヤに提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する表示機能と、
前記ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、前記ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する抽出機能と、
前記抽出機能により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する提供機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記表示機能は、前記プレイヤの操作に依らずに再生される動画を表示し、
前記抽出機能は、前記動画の再生状況に対応する用語の説明文を前記所定の記憶領域から抽出し、
前記提供機能は、前記プレイヤからの説明要求を受け付けたとき、前記抽出機能により抽出した用語の説明文のうち少なくとも一部を前記プレイヤに提供する機能を
実現させるための請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記抽出機能は、前記プレイヤまたは前記プレイヤが操作するキャラクタの仮想空間における位置に関連する説明文を所定の記憶領域から抽出する機能を
実現させるための請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
通信ネットワークと、サーバと、プレイヤ端末とを備え、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、
前記ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する表示手段と、
前記ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、前記ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する提供手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
【請求項5】
ビデオゲームの進行を制御する機能をプレイヤ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記プレイヤ端末に、
前記ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する表示機能と、
前記ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、前記ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する抽出機能と、
前記抽出機能により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する提供機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ビデオゲームの進行を制御する機能を実現させるためのビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テキストベースのビデオゲーム(ゲーム画面に表示されるテキストを読み進めることが中心となるビデオゲーム)の分野において、ゲーム画面に表示されているテキストに含まれる特定の用語についての説明文をプレイヤに表示するシステムが種々提案されている。
【0003】
このようなシステムには、例えば、単語と当該単語の解説とを対応付けて記憶する記憶手段を用いて、表示画面に表示されているテキストに含まれる特定の単語について解説を表示するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のシステムでは、ゲーム画面に表示されているテキストに含まれる用語についての説明文を表示するだけであり、利便性に欠ける場合があった。すなわち、プレイヤ自身が読んだテキストに含まれる用語ではなく、当該用語や表示中のゲーム画面に関連する用語についての知識を必要とするときに有効な説明文を得られない場合があった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、プレイヤに対してより有効な情報を提供することが可能なビデオゲーム処理プログラム及びビデオゲーム処理システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、前記ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する表示機能と、前記ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、前記ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する抽出機能と、前記抽出機能により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する提供機能とを実現させるためのものである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、プレイヤ端末とを備え、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、前記ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する表示手段と、前記ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、前記ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する提供手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行を制御する機能をプレイヤ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記プレイヤ端末に、前記ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する表示機能と、前記ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、前記ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する抽出機能と、前記抽出機能により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する提供機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0010】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における端末側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ビデオゲーム処理システム100のプレイヤ(プレイヤ)が使用するプレイヤ端末(プレイヤ端末)20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のプレイヤ端末を複数のプレイヤが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0014】
サーバ10と複数のプレイヤ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のプレイヤ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0015】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のプレイヤ端末20,201~20Nとを備えることにより、プレイヤの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0016】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のプレイヤ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。サーバ10の構成は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えていれば特に限定されない。以下、サーバ10のハードウェア構成の例について簡単に説明する。
【0017】
図1に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103とを少なくとも備える。
【0018】
CPU101は、各種の演算および制御を行う中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、適宜メモリ102に読み出したデータを用いてビデオゲームの制御に必要な各種の情報処理をCPU101にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置103に記憶させる。
【0019】
記憶装置103は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置103の構成は特に限定されないが、複数のプレイヤ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームの制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0020】
図2は、ビデオゲーム処理サーバ10の構成の例であるビデオゲーム処理サーバ10A(サーバ10A)の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ10Aは、表示部11と、抽出部12と、提供部13とを少なくとも備える。
【0021】
表示部11は、ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する機能を有する。
【0022】
ここで、ビデオゲームの進行状況とは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行の様子を意味する。ビデオゲームの進行状況は特に限定されないが、プレイヤが認識し得る進行の様子が好ましい。ビデオゲームの進行状況の例には、シナリオが進行する様子、ビデオゲーム内で動画が再生される様子、プレイヤの位置やキャラクタの位置が変化する様子がある。なお、本例におけるビデオゲームの進行状況には、イベントシーンを振り返れるUI(動画再生メニュー)」などでプレイヤが動画再生を選択した状況も含まれるものとする。すなわち、ビデオゲームの進行状況として特定される情報には、プレイヤ操作に応じて再生された動画を特定する情報が含まれる。
【0023】
また、ゲーム画面とは、ビデオゲームの進行に関する画像を表示する画面を意味する。ゲーム画面の構成は、ビデオゲームの状況をプレイヤが認識し得るものであれば特に限定されない。ゲーム画面の構成の例には、シナリオの進行を表す画像や、仮想空間の画像、キャラクタの画像、プレイヤの位置を表す画像がある。
【0024】
また、ゲーム画面を表示するための構成は、プレイヤがビデオゲームの進行状況を認識し得るものであれば特に限定されない。すなわち、例えば画面を生成して端末に送信する構成としてもよいし、端末で画面を生成するための情報を端末に送信する構成としてもよい。
【0025】
抽出部12は、ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する機能を有する。
【0026】
ここで、テキストとは異なる情報とは、ビデオゲームにおいてテキストとして表現される情報とは異なる情報を意味する。このような情報の例には、ビデオゲームに登場する仮想空間やキャラクタや建物を表現した画像や、ビデオゲームで再生されるカットシーンあるいは動画がある。なお、ゲーム画面に表示されたテキストに基づいて用語の説明文を抽出する必要性を排除する意図であるため、画像や動画にテキストとしてプレイヤが認識しうる部分が含まれていることを許容する構成としてもよい。このような構成とすることで、ゲーム画面に表示されたテキストと紐づく説明文をプレイヤに提供する従来のシステムとは異なる観点からプレイヤに情報を提供することができるようになる。
【0027】
また、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を抽出するための構成は特に限定されないが、プレイヤが状況と説明文との関係を認識し得る構成が好ましい。このような例には、状況と説明文とが対応付けされた情報から状況を検索キーとして説明文を抽出する構成や、状況から特定される用語と説明文とが対応付けされた情報から用語を検索キーとして説明文を抽出する構成がある。この場合、状況から用語を特定するための構成は特に限定されず、状況と用語が対応付けされた所定のデータベースを用いる構成としてもよいし、状況から用語を特定する所定の生成規則を用いる構成としてもよい。特定規則の例には、ゲーム画面に表示されたゲーム内要素(例えば、キャラクタや建物)の名称を用語として特定する規則がある。なお、ゲーム内要素の名称がプレイヤによって変更された場合、説明文も更新される構成としてもよい。このような構成の例には、ゲームキャラクタの名称をプレイヤが設定または変更した場合に、説明文における同ゲームキャラクタの名称部分が設定または変更された名称に置換される構成がある。
【0028】
また、説明文を抽出するタイミングは特に限定されず、ビデオゲームの進行状況が所定の抽出条件を満たしたタイミングでもよいし、プレイヤが所定操作を入力したタイミングでもよい。所定の抽出条件の例には、シナリオが進行することや、ビデオゲーム内で動画が再生されることがある。所定操作の例には、用語の説明文を確認する画面を表示するための操作がある。また、ゲーム起動中は常に説明文を抽出する構成としてもよい。この場合、例えばプレイヤによる所定操作を受け付けなくても内部的には常にビデオゲームの進行状況に合わせた説明文の抽出がされることとなり、仮に用語の説明文を確認する画面をプレイヤが開けない状況でも、裏で判定・用語抽出はリアルタイムでされており、あくまでプレイヤが当該画面を視認できるのは、UIを開いた時に初めて画面上に当該画面が登場するときとなる。
【0029】
提供部13は、抽出部12により抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する機能を有する。
【0030】
ここで、説明文をプレイヤに提供するための構成は、説明文をプレイヤが認識し得る構成であれば特に限定されない。説明文をプレイヤに提供するための構成の例には、ゲーム画面とは別に設けられた表示領域に説明文を表示する構成や、音声出力手段を用いて説明文を読み上げる音声をプレイヤに対して出力する構成がある。
【0031】
複数のプレイヤ端末20,201~20Nは、それぞれ、プレイヤによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るプレイヤ端末の構成は上述した例に限定されず、プレイヤがビデオゲームの内容を認識し得る構成であればよい。プレイヤ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0032】
また、複数のプレイヤ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)及びソフトウェアを備える。なお、複数のプレイヤ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0033】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0034】
図3は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、プレイヤ端末20(端末20)のプレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御すること関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aと端末20とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0035】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Aが、用語の説明文を提供する準備を開始する条件(準備条件)が満たされたと判定したことを契機に開始される。
【0036】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、ゲーム画面を表示する(ステップS11)。本例においてサーバ10Aは、ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を端末20に出力させるための出力情報を生成し、生成した出力情報を端末20に送信する。
【0037】
端末20は、サーバ10Aから受信した出力情報に基づいて、所定の表示装置の表示画面にゲーム画面を出力する(ステップS12)。端末20は、ゲーム画面を出力後、プレイヤから受け付けた操作情報をサーバ10Aに送信することで、サーバ10Aによるビデオゲームを進行させる。
【0038】
サーバ10Aは、ゲーム画面を表示すると、用語の説明文を抽出する(ステップS13)。本例においてサーバ10Aは、端末20により表示されたゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する。
【0039】
サーバ10Aは、説明文を抽出すると、用語の説明文を提供する(ステップS14)。本例においてサーバ10Aは、抽出した用語の説明文をプレイヤ端末20に出力させるための出力情報を生成し、生成した出力情報をプレイヤ端末20に送信する。
【0040】
端末20は、サーバ10Aから受信した出力情報に基づいて、用語の説明文を出力する(ステップS15)。端末20は、ゲーム画面を出力後、プレイヤから受け付けた操作情報をサーバ10Aに送信することで、サーバ10Aによるビデオゲームを進行させる。
【0041】
図4は、ゲーム処理におけるサーバ10A側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0042】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、ゲーム画面を表示し(ステップS101)、用語の説明文を抽出し(ステップS102)、用語の説明文を提供する(ステップS103)。
【0043】
図5は、端末20がゲーム処理を実行する場合の端末20側の動作の例を示すフローチャートである。以下、端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、端末20の構成については、サーバ10から各種情報を受信することを除きサーバ10の構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0044】
端末20は、ゲーム処理において、先ず、ゲーム画面を表示し(ステップS201)、用語の説明文を抽出し(ステップS202)、用語の説明文を提供する(ステップS203)。本例において端末20は、サーバ10Aと通信することで、各ステップで用いる情報を取得する。なお、端末20が、自身が備える記憶部を参照して各ステップで用いる情報を特定する構成としてもよい。
【0045】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行を制御するサーバ10Aが、表示部11と、抽出部12と、提供部13とを備える構成としているので、ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示し、ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出し、抽出した用語の説明文をプレイヤに提供し、プレイヤに対してより有効な情報を提供することができる。
【0046】
すなわち、ゲーム画面に表示されているテキストに縛られることなく、プレイヤの状況に合わせた用語の説明文をプレイヤに提供することができるようになる。
【0047】
[第2の実施形態]
図6は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10Z(サーバ10Z)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Zは、表示部11Zと、抽出部12Zと、提供部13Zと、更新部14Zとを少なくとも備える。
【0048】
表示部11Zは、ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示する機能を有する。
【0049】
ここで、ビデオゲームの進行状況とは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行の様子を意味する。本例において表示部11Zは、プレイヤの操作に依らずに再生される動画を表示する。
【0050】
抽出部12Zは、ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する機能を有する。
【0051】
ここで、テキストとは異なる情報とは、ビデオゲームにおいてテキストとして表現される情報とは異なる情報を意味する。本例において抽出部12Zは、動画の再生状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する。なお、抽出部12Zが、プレイヤまたはプレイヤが操作するキャラクタの仮想空間における位置に関連する説明文を所定の記憶領域から抽出する構成としてもよい。さらに、抽出部12Zが、シーケンス(フリー操作における物語の進行状況)に関連する説明文を所定の記憶領域から抽出する構成としてもよい。
【0052】
提供部13Zは、抽出部12Zにより抽出した用語の説明文をプレイヤに提供する機能を有する。
【0053】
ここで、説明文をプレイヤに提供するための構成は、説明文をプレイヤが認識し得る構成であれば特に限定されない。本例において提供部13Zは、プレイヤからの説明要求を受け付けたとき、抽出した用語の説明文のうち少なくとも一部をプレイヤに提供する。なお、提供部13Zが、用語をプレイヤに解説するために、画像や音声だけを用いる構成としてもよい。
【0054】
更新部14Zは、プレイヤによるビデオゲームの進行に基づいて、当該プレイヤに対応する説明文を更新する機能を有する。
【0055】
ここで、プレイヤと説明文とを対応付けるための構成は特に限定されないが、ビデオゲームの進行に応じて説明文が変わることをプレイヤが認識し得る構成であることが好ましい。このような構成の例には、ビデオゲームの進行に基づいてプレイヤが更新条件を満たした場合、満たされた更新条件に対応する更新内容が説明文に反映される構成がある(例えば、プレイヤP1が敵キャラクタE1を討伐すると、敵キャラクタE1の説明文に討伐経験ありの記載が追加される。)
【0056】
図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、プレイヤの操作に応じてビデオゲームの進行を制御することに関連する処理が行われる。以下、サーバ10Zを含むビデオゲーム処理システム100Zが行う各処理について説明する。なお、各処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0057】
ゲーム処理は、例えばプレイヤによる操作入力をシステム100Zが受け付けたことを契機に開始される。
【0058】
システム100Zは、ゲーム処理において、先ず、ゲーム画面を表示する(ステップS301)。本例においてシステム100Zは、プレイヤ操作に応じて進行するビデオゲームの状況を表す画面をゲーム画面として表示する。
【0059】
システム100Zは、ゲーム画面を表示すると、用語の説明文を抽出する(ステップS302)。本例においてシステム100Zは、ビデオゲームの進行に応じてプレイヤに提供することが有効と思われる解説用情報をとして、用語の説明文を所定の記憶領域から抽出する。
【0060】
システム100Zは、用語の説明文を抽出すると、用語の説明文を提供する(ステップS303)。本例においてシステム100Zは、ゲーム画面を介する所定の形式で用語の説明文をプレイヤに提供する。
【0061】
システム100Zは、用語の説明文を提供すると、説明文を更新する(ステップS304)。本例においてシステム100Zは、プレイヤが更新条件を満たした場合に、満たされた更新条件に対応する更新内容を説明文に反映させる。
【0062】
以下、本例においてプレイヤに用語の説明文を提供するための構成について、より詳細に記載する。
【0063】
本例においてシステム100Zは、ビデオゲームの主にメインストーリの進行に応じて、表示される項目が切り替わる専用閲覧メニューを表示する。
【0064】
ここで、専用閲覧メニューとは、「今知っておくとメインストーリの理解が深まる情報」を、プレイヤがいつでも確認できる専用閲覧メニューを意味する。専用閲覧メニューは、物語の「わからない・・・」を解決するための手軽なアクセス性を有することが好ましく、プレイヤが気になった時にすぐ調べることができる構成であることが好ましい。すなわち、プレイヤがわからないと思った箇所を即時に自己解決するための手段として、専用閲覧メニューが活用され得る構成であることが好ましい。また、専用閲覧メニューは、プレイヤにとって「現在」重要な用語がわかる構成であることが好ましい。このような構成の例にはいわゆるカットシーンやイベント中であってもフリー操作中いつでも操作できる構成であることが好ましい。また、専用閲覧メニューは、いわゆるテキストアドベンチャーに属するゲームではなく、例えばカットシーン中心のゲームでも、リアルタイムに用語の説明文をプレイヤに提供することができる。すなわち、例えばサウンドと併せてテキストが表示されて進行するシステム(例えば、テキストアドベンチャーやテキストベースのイベント)は、知りたい単語にアクセスするために「文字」や「単語」が必要となる。一方、本例における専用閲覧メニューは、ボイスラベルを用いて用語の切り替え表示を行うことができる。そのため、テキストアドベンチャーなどと異なり、セリフ内の「単語」に対しては項目の説明がひも付けることなく、サウンドデータのセリフの単位となるボイスラベルを基準に、項目の表示期間を設定できる。
【0065】
また、項目とは、プレイヤに提供する情報を表すものを意味する。プレイヤに提供する情報と項目を対応付けるための構成は特に限定されないが、プレイヤに情報の概要を把握させることが可能な構成であることが好ましい。プレイヤに提供する情報と項目の例には、ビデオゲームに登場する用語の説明文を含む解説用情報とその用語がある。なお、解説用情報の構成は特に限定されず、解説用の動画や補足情報を含む構成としてもよい。
【0066】
なお、ビデオゲームの進行に応じてプレイヤの操作に依らず進行する動画(例えば、カットシーン)の再生が開始された後、動作の再生が終わる前に項目を切り替えるために、ボイス制御を用いる構成としてもよい。また、カットシーン中でないフリー操作中のフィールド/ステージにおいて、プレイヤキャラクタやパーティメンバ、配置NPCなどによって発話されるトークを対象として項目を切り替えるためにボイス制御を用いることで、さらに細かい切り替えを可能とする構成としてもよい。また、上記では物語上のネタバレを防ぐために項目を切り替えることを想定した例について主に説明してきたが、ボイス制御の利用方法はこれに限定されない。すなわち、別の形の使用方法の例として、インゲーム中でも、例えばアクションゲームにおいて、プレイヤ操作に応じて特定のコンボが発生したとき、発生したコンボに関連する情報(例えば、コンボの発生条件や効果の説明文)を表示するためにボイス制御を用いる構成としてもよい。また、「特定のモンスターの鳴き声」が発生したとき、プレイヤ操作に応じて鳴き声に対応する生物を解説する説明文を表示する構成としてもよい。この場合、ボイスと解説用情報とが対応付けされたボイス制御用情報を用いてもよい。
【0067】
図8は、用語の抽出に用いる用語情報の例について説明するための説明図である。
図8に示すように、本例において用語情報は、識別情報と、状況条件と、用語とが対応付けされている。
【0068】
ここで、状況条件とは、抽出される用語を特定するための条件を意味する。状況条件の例は特に限定されないが、条件と用語の対応関係をプレイヤが認識し得るものであることが好ましい。本例において条件は、動画と、セリフと、キャプションとを含む。
【0069】
また、状況条件と用語の対応関係は特に限定されないが、プレイヤが認識し得る数の用語が状況条件と対応付けされた構成であることが好ましい。
【0070】
また、本例において表示される項目は、ビデオゲームの進行に応じて制御される。すなわち、解説用情報としてプレイヤに提供される情報は、メインストーリの進行やプレイヤの行動によって切り替わる。なお、情報の切り替え方法としては、プレイヤに提供する情報の項目が増えていくのではなく、提供する情報自体が更新される。すなわち、現在のプレイヤ状況に基づいて、所定の「キーワード」が項目として表示される。ただし、一度に表示される項目数の増減を否定するものではなく、例えば部分的には項目が増えていくことがある構成としてもよい。すなわち、例えばカットシーンの台詞に合わせて表示項目が所定数だけ増加していく構成としてもよい。
【0071】
図9は、ゲーム画面の例について説明するための説明図である。
図9で示すゲーム画面の例には、仮想空間を表示する領域901と、キャラクタ902と、キャラクタのセリフ903とが表示される。ここで、例えばプレイヤが所定操作を入力すると、ゲーム画面には少なくとも1つの項目が表示される。なお、所定の操作の例には、プレイヤが所持するコントローラの所定タッチパッドを長押しする操作や所定ボタン(例えば、オプションボタン)を押下してポーズさせた上で(すなわち、カットシーンを停止させた状態で)、所定タッチパッドを単押し(例えば、タップ)する操作がある。なお、項目の表示が禁止されている場合、項目表示の禁止を表すマークがゲーム画面に表示される。
【0072】
図10は、ゲーム画面の他の例について説明するための説明図である。
図10で示すゲーム画面の例には、複数のワード(例えば、キャラA、キャラB、国E、場所F)が複数の項目として表示される。ここで、例えばプレイヤがカーソル1010を操作して項目1001を選択すると、項目1001に対応する情報(例えば、説明文)がゲーム画面に表示される。
【0073】
また、プレイヤの現在地に基づいて情報を提供する場合、プレイヤが位置するエリアに対応付けされた項目がプレイヤに提供される。また、プレイヤのシーケンスに基づいて情報を提供する場合、プレイヤのゲーム進行度に対応付けされた項目がプレイヤに提供される。なお、この場合、例えばフリー操作中に限りシーケンスに基づく情報提供が行われる構成としてもよい。さらに、カットシーンもしくは会話イベント中の状況に基づいて情報を提供する場合、カットシーン再生中に満たされた条件に対応付けされた項目がプレイヤに提供される。すなわち、例えばカットシーン開始時は、直前シーケンスと同じ項目が表示された状態で始まり、カットシーンの進行に応じて所定のキャプションにより条件が満たされた場合、当該条件に対応付けされた項目に提供情報が切り替わる。そして、カットシーンの進行に応じて所定の発話により条件が満たされた場合、当該条件に対応付けされた項目に提供情報が切り替わる。
【0074】
また、本例において項目を制御する条件は、1.プレイヤ状況(クエストシーケンス)、2.カットシーン制御、3.場所対応、と主に3種類ある。また、プレイヤ状況は、メインストーリの進行・クエスト進行・NPCアクセス・敵討伐・手紙などによるフラグ管理(シーケンス)がある。また、カットシーン制御には、各種カットシーンとイベントシーンとが関連する。さらに、場所対応には、フィールド・アジト・ステージ内にいる時と集落内にいる時とがある。
【0075】
本例におけるカットシーン制御では、カットシーン単位での制御とセリフ単位、二段階での制御を行う。カットシーン単位で制御する場合、各カット/イベントの再生中を項目表示条件とする。また、セリフ単位で制御する場合(すなわち、カットシーンやイベント中のセリフの発話をトリガとする場合、)ボイスクリップのセリフ再生/終了時をトリガに項目の追加表示を行い、セリフのボイスラベルIDの指定で、カットシーン中に項目の追加表示を行う。このような構成とすることで、ネタバレなしで、プレイヤの今知りたい情報をフォローすることができる。ボイスデータ制御用に「カットシーンやイベントの管理ID」と「ボイスラベルやキャプションラベル(管理ID)」を設定する。なお、本例では、カットシーンやイベントのボイス発話時にシグナルを送り、カット側とイベント側で別のインターフェースを用意し、ボイスコントローラで制御する。
【0076】
また、項目をプレイヤに提供するための構成は特に限定されないが、ゲーム画面の視認性を阻害しない構成であることが好ましい。このような構成の例には、項目に対応する指標(例えば、重要度)に基づいて項目の大きさを可変とする構成や、表示する項目の数を状況に応じて追加・削除する構成がある。
【0077】
また、本例において項目が持つ情報は、所定のデータベースで管理する。データベースにおける項目は、物語の進行に応じて、ページ数が増えていく・画像が変わるなどの更新が入る。そして、プレイヤによって項目が選択された場合、直接ページ数を指定して表示させる場合と、物語の最新ページを自動的に判断して表示させる場合の2つの手法が採用され得る。ここで、最新ページを表示させる場合はプレイヤ状況に対応して最新ページが特定される。また、直接ページ数を指定して表示させる場合(すなわち、プレイヤ状況を無視する場合)の例には、カットシーンやリプレイステージがある。すなわち、最新項目を自動で表示させると物語と合わなくなってしまう場合、表示させたいページを直接設定したデータベースを用いる。なお、カットシーンやリプレイステージにおいてだけでなく、ほぼ全ての状況において、項目が選択された場合に直接ページ数を指定する構成としてもよい。このような構成とする理由には、例えば、プレイヤがいわゆる「つよくてニューゲーム」を行う2周目プレイでは、プレイヤに対応する情報として参照されるデータベースの内容(プレイヤの登録状況)を引き継ぐ状態で物語の進行状況がリセットされるため、プレイヤのデータベースの登録状況ではなく、プレイヤの物語進行度を見る必要があることがある。すなわち、プレイヤの現在地(集落)などは、自動でページ数を変化するように制御した上で、それかつ2周目には物語進行の状況に応じて切り替わる構成とすることで、プレイヤの状況にあったページを表示することができるようになる。
【0078】
また、プレイヤが操作するキャラクタの現在地を表示する場合、所定の地図情報と区分情報とを用いた判定を使い、キャラクタの現在地を表示する。このとき、メインメニューにおける位置表示と併せて表示されている単語を、専用閲覧メニューでも閲覧できる。なお、キャラクタが映らないカットシーン中などでは、現在地表示を消す構成としてもよい。
【0079】
さらに、フィールドとフィールド上に存在する集落やランドマークなど特定のスポット(すなわち、仮想空間における特別な領域。スペシャルエリア。)には、任意で表示優先度をつけることで、表示される項目を制御してもよい。この場合、同一優先度の場合には条件を満たした項目がすべて表示され(最大個数以上は表示されない)、優先度が異なる場合は排他表示される構成としてもよい。優先度の例には、カットシーン、特定プレイシーン(リプレイ・特定クエスト・スコアアタック)、プレイヤ状況(メインクエストシーケンス)、の順で優先度を高くする構成がある。また、優先度に応じて複数条件が合致した場合の表示物を制御してもよい。
【0080】
また、カットシーン再生中、カットシーン再生中の条件に紐付いた項目のみを表示する構成としてもよい。このような構成に例には、ゲーム進行としては「メインクエストシーケンス:00750」の状況で、「カットシーン:CUT1600」が再生されている場合、メインクエストシーケンスより高い優先度をカットシーンに設定することで、「カットシーン:CUT1600」に紐付けた項目のみ表示し、「メインクエストシーケンス:00750」に紐付けられた項目は表示しないものがある。
【0081】
また、プレイヤが特定の条件を満たすシーン(例えば、リプレイ中やスコアアタック中)の対応として、特定プレイシーン中は、プレイ中の内容が表示される構成としてもよい。このような構成の例には、ゲーム進行としては「エリアA突入前」の状況で、「エリアB」のリプレイ・スコアアタックを行った場合、メインクエストシーケンスより高い優先度を特定プレイシーンに設定することで、リプレイ・スコアアタック中は、「エリアB」に紐付けた項目のみを表示し、「エリアA突入前」に紐付けられた項目は表示しないものがある。
【0082】
また、ビデオゲームでは、既存のメインストーリ以外にも、メインストーリとは異なるストーリ(以下「サブストーリ」という。)に対して用意したデータテーブルによってサブストーリが追加されることがある。本例においてサブストーリは、メインストーリとは別に進行するものである。ここで、メインストーリとサブストーリについて、プレイヤが並行して進める可能性があるため、メインストーリやサブストーリの進行中に適切な項目を表示したい。以下、サブストーリの進行に応じて、専用閲覧メニューにおいて表示される項目を切り替える場合について説明する。
【0083】
ここで、メインストーリとサブストーリそれぞれに複数の項目が対応付けされている場合、プレイヤの状況(例えば、ストーリのトラッキング状況や仮想空間におけるプレイヤ位置)に応じて、複数の項目のうち他の項目に優先して表示される項目を特定することで、専用閲覧メニューにおいて表示される項目を切り替えることができる。トラッキングの状況に応じた表示の場合、トラッキングされているストーリに対応付けられた項目を特定する。また、プレイヤ位置に応じた表示の場合、サブストーリがトラッキングされていない場合であっても、サブストーリのクエストが受注されており、かつプレイヤの現在地が所定場所であるときは、当該サブストーリに対応付けされた項目を特定する。そして、特定した項目が複数存在する場合、その中から所定数の項目を表示する。なお、特定した複数の項目と他の項目の中から所定数を表示する構成としてもよい。また、UIのナビゲーション表示上でプレイヤが任意で設定している優先表示状況に応じて、複数の項目うち他の項目に優先して表示される項目が特定される構成としても良い。
【0084】
また、サブストーリが複数ある場合(例えば、「サブストーリA」と「サブストーリB」)、各サブストーリのシーケンスに項目が対応付けされる。この場合に、複数のシーケンスが項目としての表示条件を満たした場合、所定規則に従って排他制御する構成としてもよい。すなわち、例えば、「カットシーン」「メインシーケンス」「サブシーケンスB」とに対応する項目が表示条件を満たした場合、「メインシーケンス」と「サブシーケンスB」のどちらかに対応する項目しか表示されない。すなわち、カットシーンについてはシーケンスに優先して取り扱われる。なお、メインストーリが進行中である場合はサブストーリに対応付けされた項目が表示されない構成としてもよい。
【0085】
また、所定のデータベースを参照してプレイヤが任意で読み返せる仕組みとして専用閲覧メニューを利用する構成としてもよい。この場合、例えば所定用語の説明文をプレイヤに表示する条件として、所定の用語が所定のデータベースに登録されていることを採用する構成がある。
【0086】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、ビデオゲームの進行を制御するサーバ10Zが、表示部11Zと、抽出部12Zと、提供部13Zと、更新部14Zとを備える構成としているので、ビデオゲームの進行状況に基づいてゲーム画面を表示し、ゲーム画面に表示されているテキストとは異なる情報に基づいて、ビデオゲームの進行状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出し、抽出した用語の説明文をプレイヤに提供し、プレイヤに対してより有効な情報を提供することができるようになる。
【0087】
すなわち、ゲームの進行状況(例えば、ゲームの物語進行や、カットシーン中セリフの発話や地名UIの表示が行われた後、現在地の場所等)に応じてリアルタイムに用語の内容を変更させることで、カットシーンが流れている最中でリアルタイムに用語を抽出するゲームや、プレイヤキャラの現在地を解説するゲームを実現できるようになる。これにより、ビデオゲームにおける「プレイヤがゲームシナリオを把握するために適切な重要用語」をプレイヤが確認することの作業負担を軽減させることができる。また、複数のストーリが並行して発生している場合、プレイヤが任意で選択中の物語に対して、表示項目を切り替えることで、選択中のストーリとは異なる他のストーリの重要用語をプレイヤが確認することの作業負担も軽減させることができる。
【0088】
また、上述した第2の実施形態の例では、プレイヤの操作に依らずに再生される動画(例えば、カットシーン)を表示し、動画の再生状況に対応する用語の説明文を所定の記憶領域から抽出し、プレイヤからの説明要求を受け付けたとき、抽出した用語の説明文のうち少なくとも一部をプレイヤに提供し、プレイヤが理解していない状態のままでビデオゲームの進行が続いてしまう可能性を低下させることができるようになる。すなわち、例えばゲーム中のプレイヤが所定操作による説明要求を入力することで、様々なゲームシーンで用語の説明文を表示する機能を起動させることができるようになり、現在のメインシナリオ状況に合わせた「キーワードとなる項目」が閲覧できるUIをプレイヤに提供できるようになる。
【0089】
また、上述した第2の実施形態の例では、プレイヤまたはプレイヤが操作するキャラクタの仮想空間における位置に関連する説明文を所定の記憶領域から抽出し、プレイヤが知りたい可能性の高い情報を提供できるようになる。
【0090】
また、上述した第2の実施形態の例では、動画の再生状況が所定の更新条件を満たした場合に、抽出する前記用語の説明文を変更し、抽出した用語の説明文に対応する表示項目を少なくとも1つ表示し、かつプレイヤにより当該表示項目が選択された場合に用語の説明文を表示し、更新条件(例えば、セリフ再生やUIキャプション表示)に応じて表示項目(例えば、キーワード)を変更することができるようになり、ビデオゲームの状況に応じて優先度の高い情報をプレイヤに提供できるようになる。すなわち、プレイヤの状況に応じて、提供する情報の個数や内容が変化し、情報の出し分け手法や表示の仕組みの観点から、より有用な情報をプレイヤに提供できるようになる。
【0091】
また、上述した第2の実施形態の例では、プレイヤによるビデオゲームの進行に基づいて、当該プレイヤに対応する説明文を更新し、用語の種類に応じて更新前の説明文または更新後の説明文を抽出し、説明文によるプレイヤへのネタバレを防止することができるようになる。
【0092】
また、上述した第2の実施形態の例では、複数の説明文が抽出された場合、所定の優先規則に従って所定数の説明文または説明文の表示項目を表示し、ゲーム画面の視認性低下を防止することができるようになる。すなわち、プレイヤがUIを開くタイミングによって、表示される用語(あるいは、用語に対応するアイコン数)や閲覧できる説明文の内容が変化し得る。さらに、流動的に変化するUIとしての操作感をプレイヤに提供すべく、複数の用語が揺れる形態で配置されたゲーム画面を表示する構成としてもよい。なお、各用語についての表示形態の例には、円形の枠中に用語名と当該用語に対応する画像とを表示するものがある。
【0093】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0094】
なお、上述した各実施形態では、複数のプレイヤ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0095】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばプレイヤ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のプレイヤ端末20,201~20Nの何れか(例えば、プレイヤ端末20)が実行する構成としてもよい。例えば、サーバ10が実行する処理として説明した処理の全部をプレイヤ端末20が実行する構成とした場合、サーバ10は不要となりプレイヤ端末20単体で上述した各種の処理が実行される態様となる。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のプレイヤ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるプレイヤ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0096】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明の実施形態の一つによれば、プレイヤに対してより有効な情報を提供することを可能にするのに有用である。
【符号の説明】
【0098】
10 ビデオゲーム処理サーバ
11、11Z 表示部
12、12Z 抽出部
13、13Z 提供部
14Z 更新部
20,201~20N プレイヤ端末
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム