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特開2024-146190フレキシブル表示装置用金属支持体及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146190
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置用金属支持体及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241004BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241004BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20241004BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20241004BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20241004BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 338
G09F9/30 365
H10K59/10
H10K59/95
H10K77/10
H10K71/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058942
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】藤田 善博
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅允
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸一郎
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD17
3K107EE61
3K107GG51
5C094AA36
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA06
5C094GB01
5G435AA07
5G435BB04
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE13
5G435KK01
(57)【要約】
【課題】フレキシブル表示装置の屈曲部分の屈曲耐性を向上させることが可能な、フレキシブル表示装置用金属支持体及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置を提供する。
【解決手段】フレキシブル表示装置用金属支持体10は、第1面20aと第2面20bとを有する第1層20と、第1層20の第2面20b上に接合された第2層30と、を備える。第2層30は、少なくとも第1層20との接合面の反対側に向けて開口する第1穴31を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル表示装置用金属支持体において、
第1面と第2面とを有する第1層と、
前記第1層の前記第2面上に接合された第2層と、を備え、
前記第2層は、少なくとも前記第1層との接合面の反対側に向けて開口する第1穴を有する、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項2】
前記第1層は、穴を有さない、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項3】
前記第1穴は、貫通孔である、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項4】
前記第1層は、第2穴を有する、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項5】
前記第2穴が、少なくとも前記第2面側に向けて開口し、前記第2層が、前記第2穴内に収容されている、請求項4に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項6】
前記第2穴が、前記第1穴と平面視で重なる、請求項4に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項7】
前記第1層の前記第1面上に接合された第3層を更に備える、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項8】
前記第3層は、第3穴を有する、請求項7に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項9】
前記第1層は、第4穴を有し、前記第3層が、前記第4穴内に収容されている、請求項7に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項10】
前記第2層に接合された第3層を更に備える、請求項1に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【請求項11】
表示部材と、
前記表示部材を支持する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体と、を備えた、フレキシブル表示装置。
【請求項12】
フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法において、
第1穴を有する第2層を準備する工程と、
第1面と第2面とを有する第1層を準備する工程と、
前記第1層の前記第2面上に、前記第1穴が少なくとも前記第1層との接合面の反対側に向けて開口するように前記第2層を接合する工程と、を備えた、フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレキシブル表示装置用金属支持体及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばスマートフォン、タブレット等の表示装置において、折り畳み可能なものが知られている。このような表示装置としては、その一部分に屈曲可能な屈曲部分を有する、フレキシブル表示装置が存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-86462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、フレキシブル表示装置を折り畳んだときの屈曲部分の形状をより小さくすることが求められている。すなわち、屈曲部分の曲率半径をより小さくすることが求められている。しかしながら、屈曲部分の形状をより小さくすると、屈曲部分の強度を維持することが難しくなる。
【0005】
本開示は、フレキシブル表示装置の屈曲部分の屈曲耐性を向上させることが可能な、フレキシブル表示装置用金属支持体及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[12]に関する。
【0007】
[1]フレキシブル表示装置用金属支持体において、第1面と第2面とを有する第1層と、前記第1層の前記第2面上に接合された第2層と、を備え、前記第2層は、少なくとも前記第1層との接合面の反対側に向けて開口する第1穴を有する、フレキシブル表示装置用金属支持体。
【0008】
[2]前記第1層は、穴を有さない、[1]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0009】
[3]前記第1穴は、貫通孔である、[1]又は[2]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0010】
[4]前記第1層は、第2穴を有する、[1]又は[3]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0011】
[5]前記第2穴が、少なくとも前記第2面側に向けて開口し、前記第2層が、前記第2穴内に収容されている、[4]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0012】
[6]前記第2穴が、前記第1穴と平面視で重なる、[4]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0013】
[7]前記第1層の前記第1面上に接合された第3層を更に備える、[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0014】
[8]前記第3層は、第3穴を有する、[7]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0015】
[9]前記第1層は、第4穴を有し、前記第3層が、前記第4穴内に収容されている、[7]又は[8]に記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0016】
[10]前記第2層に接合された第3層を更に備える、[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用金属支持体。
【0017】
[11]表示部材と、前記表示部材を支持する、[1]乃至[10]のいずれか1つに記載のフレキシブル表示装置用金属支持体と、を備えた、フレキシブル表示装置。
【0018】
[12]フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法において、第1穴を有する第2層を準備する工程と、第1面と第2面とを有する第1層を準備する工程と、前記第1層の前記第2面上に、前記第1穴が少なくとも前記第1層との接合面の反対側に向けて開口するように前記第2層を接合する工程と、を備えた、フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、フレキシブル表示装置の屈曲部分の屈曲耐性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置を示す斜視図。
図2図2は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置を示す平面図。
図3図3は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置(展開状態)を示す断面図(図2のIII-III線断面図)。
図4図4は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置(折畳状態)を示す断面図。
図5図5は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す平面図。
図6図6は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図(図5のVI-VI線断面図)。
図7図7は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す部分拡大断面図(図5のVII-VII線断面図)。
図8図8は、変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す平面図。
図9図9(a)-(f)は、一実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法を示す断面図。
図10図10は、第1変形例によるによるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
図11図11は、第2変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
図12図12は、第3変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
図13図13は、第4変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
図14図14は、第5変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
図15図15は、第6変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
図16図16は、第7変形例によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の実施の形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
【0022】
本明細書中、第1方向D1とは、フレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の主たる面に平行な平面上に位置し、かつ折り曲げ中心線FLに対して垂直な方向をいう。第2方向D2とは、フレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の主たる面に平行な平面上に位置し、かつ折り曲げ中心線FLに対して平行な方向をいう。なお、第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれフレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の各辺に平行な方向であっても良い。また第1方向D1と第2方向D2とは互いに直交する。また、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の両方に対して垂直な方向であり、フレキシブル表示装置用金属支持体10又はフレキシブル表示装置70の厚み方向に平行な方向をいう。
【0023】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の構成)
まず、図1乃至図4により、本実施の形態によるフレキシブル表示装置の概略について説明する。図1乃至図4は、本実施の形態によるフレキシブル表示装置を示す図である。
【0024】
図1及び図2に示すフレキシブル表示装置70は、例えば有機EL表示装置であっても良い。フレキシブル表示装置70は、フレキシブルであり、折り曲げ可能な構造となっている。すなわちフレキシブル表示装置70は、折り曲げた状態の折曲状態(図4参照)と、開いた状態の展開状態(図2及び図3参照)とをとることができる。折曲状態とは、フレキシブル表示装置70を、折り曲げ中心線FLを中心に折り曲げた状態である。折曲状態において、表示部材71の外面同士が接近する方向に折り曲げられる。なお、これに限らず、筐体78の外面同士が接近する方向に折り曲げられても良い。展開状態とは、フレキシブル表示装置70を、折り曲げることなく、開いた状態である。展開状態において、表示部材71の面は、その全体が実質的に同一平面上に位置する。このようなフレキシブル表示装置70は、画像を表示する部分を有する薄型の電子機器であっても良い。このような電子機器は、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末機器であっても良い。
【0025】
図3に示すように、フレキシブル表示装置70は、表示部材71と、表示部材71を支持するフレキシブル表示装置用金属支持体10(以下、単に金属支持体10ともいう)と、を備える。表示部材71と金属支持体10との間には、クッションシート等の緩衝層76が設けられる。また金属支持体10の、表示部材71の反対側の面には、放熱層77が配置される。さらに、表示部材71、緩衝層76、金属支持体10及び放熱層77は、筐体78に支持される。
【0026】
表示部材71は、支持基材72と、薄膜トランジスタ(TFT)73と、有機EL素子74と、封止樹脂75とを有する。薄膜トランジスタ73は、支持基材72上に配置される。有機EL素子74は、薄膜トランジスタ73上に配置される。封止樹脂75は、有機EL素子74上に配置される。
【0027】
支持基材72は、表示部材71の全体を支持するものであり、可撓性を有するフィルムであっても良い。支持基材72としては、例えばポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料を用いても良い。薄膜トランジスタ73は、有機EL素子74を駆動するためのものであり、有機EL素子74の電極に印加される電圧を制御する。有機EL素子74は、それ自体が発光することにより画像等を表示する。有機EL素子74は、薄膜トランジスタ73に電気的に接続されている。有機EL素子74は、発光部と称しても良い。有機EL素子74は、図示しない反射電極と、有機発光層と、透明電極とを有していても良い。封止樹脂75は、有機EL素子74を封止し、有機EL素子74を保護するためのものである。表示部材71は、有機EL表示装置に限られるものではない。例えば、表示部材71は、それ自体が発光する機能をもつ他の表示装置であっても良い。表示部材71は、マイクロLED素子(発光体)を含むマイクロLED表示装置であっても良い。
【0028】
緩衝層76は、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときに表示部材71へ加わる応力を緩和する層である。緩衝層76は、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂等の弾力性をもつ樹脂材料の層であっても良い。金属支持体10は、フレキシブル表示装置70を折り曲げるときの屈曲強度を高める部材である。なお、金属支持体10の構成については後述する。
【0029】
放熱層77は、表示部材71からの熱を外部へ放出するための層である。放熱層77は、銅、ニッケル等の金属層であっても良い。また放熱層77は、電解めっきにより作製されためっき層であっても良い。筐体78は、表示部材71、緩衝層76、金属支持体10及び放熱層77を収容して保護する。筐体78は、折り曲げ中心線FLを中心に折り曲げ可能な構造を有する。
【0030】
フレキシブル表示装置70には、屈曲領域BAと、非屈曲領域NAとが存在する。屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに、物理的に変形する領域である。折り曲げ中心線FLは、屈曲領域BAの略中心に位置する。非屈曲領域NAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに、実質的に変形しない領域である。第1方向D1において、屈曲領域BAの両側にそれぞれ非屈曲領域NAが存在する。2つの非屈曲領域NAの、第1方向D1に沿う長さは互いに略同一であっても良い。これに限らず、2つの非屈曲領域NAの、第1方向D1に沿う長さは互いに異なっても良い。また屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70の第1方向D1の中央に存在する。これに限らず、屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70の第1方向D1の中央以外の位置にあっても良い。
【0031】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の構成)
次に、図5乃至図7により、本実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体の概略について説明する。図5乃至図7は、本実施の形態によるフレキシブル表示装置用金属支持体を示す図である。
【0032】
図5乃至図7に示すように、金属支持体10は、第1層20と、第2層30と、を備える。金属支持体10は、2層の積層体からなる。第1層20は、第1面20aと第2面20bとを有する。第1面20aは、フレキシブル表示装置70の表示部材71側を向く面である。第2面20bは、フレキシブル表示装置70の放熱層77側を向く面である。第1面20a及び第2面20bは、それぞれ第1方向D1軸と第2方向D2軸とによって形成される平面に平行である。第2層30は、第1層20の第2面20b上に接合されている。第2層30は、第2層30を厚み方向に貫通する第1穴31を有する。
【0033】
金属支持体10は、屈曲領域BAと、非屈曲領域NAとを含む。屈曲領域BAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに物理的に変形する領域である。折り曲げ中心線FLは、屈曲領域BAの略中心に位置する。非屈曲領域NAは、フレキシブル表示装置70が折曲状態(図4参照)をとるときに、実質的に変形しない領域である。屈曲領域BA及び非屈曲領域NAは、それぞれ上述したフレキシブル表示装置70の屈曲領域BA及び非屈曲領域NAに対応する。
【0034】
第1層20は、フレキシブル表示装置70を折り曲げるときの屈曲強度を高める部材であっても良い。また第1層20は、第2層30を保持する。第1層20は穴を有していない。第1層20は、平面視で長方形形状を有している。この長方形は、一対の長辺が第1方向D1に平行であり、一対の短辺が第2方向D2に平行である。なお、これに限らず、一対の短辺が第1方向D1に平行であり、一対の長辺が第2方向D2に平行であっても良い。長方形の各角部は丸みを帯びていても良い。第1層20は、平面視で正方形、多角形、又は円形であっても良い。第1層20の平面形状は、フレキシブル表示装置70の平面形状に対応していても良い。第1層20の平面形状は、フレキシブル表示装置70の平面形状と同一であっても良い。あるいは、第1層20の平面形状は、フレキシブル表示装置70の平面形状よりも小さくても良い。
【0035】
第1層20は、フレキシブルで屈曲可能な薄板の形状を有する。なお、本明細書中、「フレキシブル」とは、「曲率半径を少なくとも5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下に曲げることが可能であること」をいう。
【0036】
第1層20の第1方向D1に沿う長さL1は、100mm以上としても良く、200mm以上としても良い。第1層20の第1方向D1に沿う長さL1は、500mm以下としても良く、400mm以下としても良い。第1層20の第2方向D2に沿う長さL2は、50mm以上としても良く、150mm以上としても良い。第1層20の第2方向D2に沿う長さL2は、400mm以下としても良く、350mm以下としても良い。
【0037】
第1層20の厚みT1は、30μm以上としても良く、35μm以上としても良い。第1層20の厚みT1を30μm以上とすることにより、第1層20の屈曲強度を保持できる。第1層20の厚みT1は、50μm以下としても良く、40μm以下としても良い。第1層20の厚みT1を50μm以下とするにより、金属支持体10を組み込んだフレキシブル表示装置70が過度に厚くなることを抑制できる。第1層20が炭素繊維複合材料から構成される場合、第1層20の厚みT1は、10μm以上としても良く、15μm以上としても良い。第1層20が炭素繊維複合材料から構成される場合、第1層20の厚みT1は、50μm以下としても良く、40μm以下としても良い。
【0038】
第1層20の主たる材料は、金属材料であっても良い。第1層20の主たる材料が金属材料である場合、金属材料としては、ステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金、チタン、チタン系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等を用いても良い。第1層20の主たる金属材料としてステンレスを用いた場合、第1層20が良好なバネ性を持つため、第1層20を屈曲させ易い。第1層20の主たる材料は、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。樹脂材料は、ポリイミド(PI)であっても良い。本明細書中、「主たる材料」とは、ある部材に50質量%超、好ましくは80質量%超含まれる材料をいう。
【0039】
第2層30は、第1面30aと第2面30bとを有する。第1面30aは、フレキシブル表示装置70の表示部材71側を向く面である。第1面30aは、第3面と称しても良い。第2面30bは、フレキシブル表示装置70の放熱層77側を向く面である。第2面30bは、第4面と称しても良い。第1面30a及び第2面30bは、それぞれ第1方向D1軸と第2方向D2軸とによって形成される平面に平行である。
【0040】
第2層30は、第1層20に接合されている。具体的には、第2層30の第1面30aが、第1層20の第2面20bに接合されている。第2層30は、第1層20に直接接合されても良く、他の層を介して第1層20に接合されても良い。第2層30は、例えば、拡散接合法、ろう付けによる接合法、接着剤による接合法、超音波接合法、又はレーザー溶接法により、第1層20に接合されても良い。
【0041】
第2層30は、金属支持体10の強度を高めるものであっても良い。第2層30は、フレキシブルで屈曲可能な薄板の形状を有する。第2層30は、第1層20の第2面20bの全体に設けられていても良い。第2層30の外周の形状は、第1層20の外周の形状と同一であっても良い。第2層30の第1方向D1に沿う長さは、第1層20の第1方向D1に沿う長さL1と同一であっても良い。第2層30の第2方向D2に沿う長さは、第1層20の第2方向D2に沿う長さL2と同一であっても良い。
【0042】
第2層30の厚みT2は、30μm以上としても良く、35μm以上としても良い。第2層30の厚みT2を30μm以上とすることにより、第2層30の屈曲強度を保持できる。第2層30の厚みT2は、50μm以下としても良く、40μm以下としても良い。第2層30の厚みT2を50μm以下とするにより、金属支持体10を組み込んだフレキシブル表示装置70が過度に厚くなることを抑制できる。なお、第2層30が炭素繊維複合材料から構成される場合、第2層30の厚みT2は、10μm以上としても良く、15μm以上としても良い。第2層30が炭素繊維複合材料から構成される場合、第2層30の厚みT2は、50μm以下としても良く、40μm以下としても良い。
【0043】
第2層30の主たる材料は、金属材料であっても良い。第2層30の主たる材料が金属材料である場合、金属材料としては、ステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金、チタン、チタン系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等を用いても良い。第2層30の主たる金属材料としてステンレスを用いた場合、第2層30が良好なバネ性を持つため、第2層30を屈曲させ易い。第2層30の主たる材料は、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。樹脂材料は、ポリイミド(PI)であっても良い。第2層30の主たる材料は、第1層20の主たる材料と同一であっても良く、異なっても良い。
【0044】
第2層30は、複数の第1穴31を有する。複数の第1穴31は、屈曲領域BAに設けられている。複数の第1穴31は、ライン状に形成されても良い。複数の第1穴31は、互いに平行に配置されても良い。複数の第1穴31の平面形状は互いに同一であっても良く、互いに異なっても良い。各第1穴31は、それぞれ第2方向D2に沿って直線状に延びる。各第1穴31は、平面視で長方形状であっても良い。これに限らず、各第1穴31は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第1穴31は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。各第1穴31は、第2層30の第2方向D2の一部のみに存在しても良い。
【0045】
各第1穴31は、第1面30a及び第2面30bの両方に開口している。すなわち各第1穴31は、第2層30を厚み方向に貫通する貫通孔となっている。第1穴31が貫通孔であることにより、金属支持体10を折り畳んだ際、屈曲領域BAの曲率半径をより小さくでき、屈曲耐性を向上できる。また、金属支持体10をより軽量化できる。本明細書中、「穴」とは、非貫通孔及び貫通孔の両方を含む概念である。これに限らず、各第1穴31は、少なくとも第1層20との接合面である第1面30aの反対側に向けて開口していれば良い。すなわち、各第1穴31は、少なくとも第2面30bに向けて開口していれば良い。
【0046】
各第1穴31の第1方向D1に沿う長さL3は、50μm以上としても良く、100μm以上としても良い。各第1穴31の第1方向D1に沿う長さL3は、1000μm以下としても良く、500μm以下としても良い。各第1穴31の第2方向D2に沿う長さL4は、200μm以上としても良く、400μm以上としても良い。各第1穴31の第2方向D2に沿う長さL4は、2000μm以下としても良く、1000μm以下としても良い。長さL3及び長さL4は、それぞれ第2面30bにおける距離をいう。なお、貫通孔である第1穴31の深さd1は、第2層30の厚みT2に等しい。
【0047】
第2層30は、屈曲領域BAにおいて複数の第1土手部32を有する。各第1土手部32は、それぞれ第2方向D2に沿って直線状に延びる。複数の第1土手部32は、第1方向D1に互いに間隔を空けて配置されている。複数の第1土手部32の間には、それぞれ第1穴31が形成される。すなわち第1穴31と第1土手部32とは、第1方向D1に沿って交互に形成される。この場合、第1穴31と第1土手部32とが互い違いに配置されるので、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときに屈曲領域BAの特定の箇所に応力が集中することを緩和できる。
【0048】
複数の第1土手部32は、互いに平行に配置される。複数の第1土手部32の形状は互いに同一であっても良く、異なっても良い。各第1土手部32は、平面視で長方形状であっても良い。これに限らず、各第1土手部32は、平面視で第1穴31の周囲を取り囲む形状を有していても良い。各第1土手部32は、第2層30の第2方向D2の全体にわたって延びていても良く、第2層30の第2方向D2の一部のみに存在しても良い。各第1土手部32は、第1面30a側及び第2面30b側のいずれからも薄肉化されていない。各第1土手部32の厚みは、第2層30の厚みT2と同一である。
【0049】
各第1土手部32の第1方向D1に沿う長さL5は、50μm以上としても良く、100μm以上としても良い。各第1土手部32の第1方向D1に沿う長さL5は、400μm以下としても良く、200μm以下としても良い。なお、長さL5は、第2面30bにおける距離をいう。各第1土手部32の第2方向D2に沿う長さL6は、各第1穴31の第2方向D2に沿う長さL4と同一としても良い。
【0050】
金属支持体10の全体の厚みT0は、50μm以上としても良く、75μm以上としても良い。金属支持体10の全体の厚みT0を50μm以上とすることにより、金属支持体10の剛性を保持できる。金属支持体10の全体の厚みT0は、150μm以下としても良く、125μm以下としても良い。金属支持体10の全体の厚みT0を150μm以下とするにより、金属支持体10が過度に重くなることを抑制できる。
【0051】
図8は、金属支持体10の変形例を示す平面図である。図8に示すように、複数の第1穴31が互い違い(千鳥状)に配置されていても良い。各第1穴31は、平面視で略長方形形状を有している。これに限らず、各第1穴31は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。各第1穴31は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。複数の第1穴31は、第1列R1の第1穴31と、第2列R2の第1穴31とを含む。第1列R1の第1穴31は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置されている。第2列R2の第1穴31は、第2方向D2に沿って互いに間隔を空けて配置されている。第1列R1の第1穴31と第2列R2の第1穴31とは、第2方向D2にずれて配置されている。本変形例によれば、複数の第1穴31が互い違いになっていることにより、フレキシブル表示装置70を折り曲げたときに、第1穴31の周辺の特定箇所に応力が集中することを抑制できる。
【0052】
(フレキシブル表示装置用金属支持体の製造方法)
次に、図5及び図6に示す金属支持体10の製造方法について、図9(a)-(f)を用いて説明する。
【0053】
まず図9(a)に示すように、第1面30aと第2面30bとを有する第2層30Aを準備する。第2層30Aは、穴が形成される前の未加工の状態である。
【0054】
次に、図9(b)に示すように、第2層30A上に第1保護層51及び第2保護層52を設ける。具体的には、第2層30Aの第1面30a上に第1保護層開口51aを有する第1保護層51を設け、第2層30Aの第2面30b上に第2保護層開口52aを有する第2保護層52を設ける。第1保護層51及び第2保護層52は、それぞれレジスト層であっても良い。この際、まず第2層30Aの第1面30a及び第2面30bの全体にそれぞれ感光性レジストを塗布し、乾燥する。続いて、第2層30Aの第1面30a上及び第2面30b上の感光性レジストに対してそれぞれフォトマスクを介して露光し、現像する。これにより、第2層30Aの第1面30a上に第1保護層開口51aを有する第1保護層51を形成する。第2層30Aの第2面30b上に第2保護層開口52aを有する第2保護層52を形成する。第1保護層開口51a及び第2保護層開口52aの平面形状は、第1穴31の平面形状に対応する。第1保護層開口51aの平面形状と第2保護層開口52aの平面形状とは、互いに同一であっても良く、互いに異なっても良い。
【0055】
次いで、図9(c)に示すように、第1保護層51及び第2保護層52を耐腐蝕膜として第2層30Aに腐蝕液でエッチングを施す。腐蝕液は、第2層30Aの材質に応じて適宜選択できる。例えば、第2層30Aとしてステンレスを用いる場合、腐蝕液として塩化第二鉄を主成分とする塩酸との混合液、またはこれに硝酸を加えた混合液を用いてもよい。上記腐蝕液は、第2層30Aに対してスプレーエッチングしても良い。これにより、第2層30Aに、第2層30Aを貫通する第1穴31が形成される。
【0056】
続いて、図9(d)に示すように、第2層30Aの第1面30a上の第1保護層51と、第2面30b上の第2保護層52とをそれぞれ剥離除去する。このようにして、複数の第1穴31を有する第2層30が得られる。なお、第1穴31は、プレス加工又はレーザー加工によって形成されても良い。
【0057】
次に、図9(e)に示すように、第1面20aと第2面20bとを有する第1層20を準備する。第1層20には、穴が形成されていない。
【0058】
次いで、図9(f)に示すように、第2層30を第1層20に接合する。このとき、第1穴31が少なくとも第1層20との接合面の反対側に位置する第2面30bに向けて開口するようにする。具体的には、第2層30の第1面30aを、第1層20の第2面20b上に接合する。この場合、第1層20と第2層30とは、拡散接合法によって互いに接合されても良い。拡散接合法を用いる場合、第2層30を溶融点に近い温度で第1層20に圧着する。これにより、第1層20と第2層30との接触面付近に位置する金属原子を相互に拡散させ、第1層20と第2層30とを互いに接合できる。拡散接合法を用いた場合、金属支持体10の全体の厚みT0を抑えられる。なお、第2層30は、例えば、ろう付け、接着剤、超音波接合、又はレーザー溶接により、第1層20に接合されても良い。
【0059】
このようにして、図5及び図6に示す金属支持体10が得られる。
【0060】
本実施の形態によれば、金属支持体10は、第1層20と、第2層30とを備え、第2層30は、第1穴31を有する。これにより、金属支持体10をフレキシブル表示装置70に組み込んだ際、フレキシブル表示装置70の屈曲領域BAの屈曲性を高めることができる。この結果、フレキシブル表示装置70を折り畳んだときの屈曲領域BAの形状をより小さくでき、屈曲耐性を向上できる。すなわち、屈曲領域BAの曲率半径をより小さくできる。
【0061】
また本実施の形態によれば、第1層20に第2層30を接合することにより、金属支持体10の屈曲耐性を向上できる。また、第1層20の厚みT1及び第2層30の厚みT2をそれぞれ単体で薄くできるため、第1層20及び第2層30をそれぞれ加工しやすい。
【0062】
また本実施の形態によれば、第1層20は穴を有していない。この場合、第1層20の加工性を考慮しなくても良く、第1層20として様々な材料を選択できる。例えば、第1層20として軽い材料を選択することにより、金属支持体10の全体を軽量化できる。また、第1層20の材料として、緩衝層76、又は、金属支持体10を緩衝層76に取り付けるための接着層に対して親和性の高い材料を選択できる。なお、上記接着層は、OCA(Optical Clear Adhesive)層等の透明接着層であっても良い。
【0063】
また本実施の形態によれば、第1層20は穴を有していない。この場合、金属支持体10の、フレキシブル表示装置70の表示部材71側を向く面に凹凸が存在しない。これにより、金属支持体10の穴によって生じる凹凸が表示部材71に影響を及ぼすことを抑制できる。これにより、フレキシブル表示装置70の平坦性を向上できる。
【0064】
また本実施の形態によれば、第2層30が第1穴31を有することにより、金属支持体10を軽量化できる。
【0065】
また本実施の形態によれば、予め第2層30に第1穴31を加工し、その後、第2層30を第1層20に接合する。これにより、積層される前の状態で第2層30を加工できるため、第2層30の材料として様々な材料を選択できる。例えば、第1層20及び第2層30の材料として、選択エッチング可能な材料の組み合わせ以外の材料を用いることが可能となる。また、積層される前の状態で第2層30を加工可能であるため、第2層30の加工を行いやすい。
【0066】
また本実施の形態によれば、予め第2層30に第1穴31をエッチング加工し、その後、第2層30を第1層20に拡散接合しても良い。これにより、拡散接合時の熱により第1層20と第2層30との界面が合金化した場合でも、この合金化した部分がエッチングに対して影響を及ぼすことがない。
【0067】
(変形例)
次に、図10乃至図16を参照して、本実施の形態の各種変形例について説明する。図9乃至図16は、それぞれ本実施の形態の変形例を示す図である。図9乃至図16において、図1乃至図8に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図1乃至図8に示す形態と図10乃至図16に示す各変形例において、特に断りのない限り、第1層は互いに略同一の構成としても良く、第2層は互いに略同一の構成としても良く、第3層は互いに略同一の構成としても良い。例えば、各変形例の第1層は、図1乃至図8に示す実施の形態の第1層と同様の材料からなっても良い。各変形例の第2層は、図1乃至図8に示す実施の形態の第2層と同様の材料からなっても良い。
【0068】
(第1変形例)
図10に示すように、第1層20は、第2穴21を有し、第2層30が第2穴21内に収容されていても良い。第2層30の平面形状は、第1層20の平面形状よりも小さい。第2層30の第1方向D1に沿う長さL7は、5mm以上としても良く、10mm以上としても良い。第2層30の第1方向D1に沿う長さL7は、30mm以下としても良く、25mm以下としても良い。第2層30の第2方向D2に沿う長さは、第1層20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良く、L2よりも短くても良い。第2層30の厚みT2は、第1層20の厚みT1よりも薄い。第1層20の厚みT1は、50μm以上としても良く、75μm以上としても良い。第1層20の厚みT1は、150μm以下としても良く、125μm以下としても良い。
【0069】
第1層20の主たる材料は、金属材料、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。第2層30の主たる材料は、金属材料、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。樹脂材料は、ポリイミド(PI)であっても良い。第1層20の主たる材料としては、第2層30の主たる材料よりも密度の軽い材料を用いることが好ましい。例えば、第1層20の主たる材料として炭素繊維複合材料(CFRP)、ポリイミド(PI)、チタン、チタン系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等を用い、第2層30の主たる材料としてステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金等を用いることが好ましい。
【0070】
第2穴21は、第1層20の第2面20bに形成されている。第2穴21は、第1層20を厚み方向に貫通しない非貫通孔である。第2穴21は、少なくとも第2面20b側に向けて開口していれば良い。第2穴21の一部又は全部は、屈曲領域BAに存在する。第2穴21の一部が非屈曲領域NAに存在しても良く、存在しなくても良い。第2穴21の外周の平面形状は、第2層30の外周の平面形状と同一であっても良い。第2穴21は、平面視長方形状に形成されても良い。第2穴21は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。第2穴21は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。第2穴21は、第1層20に1つのみ存在しても良く、複数存在しても良い。
【0071】
第2穴21の第1方向D1に沿う長さL8は、第2層30の第1方向D1に沿う長さL7に等しくても良く、L7よりも長くても良い。第2穴21の第2方向D2に沿う長さは、第1層20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良く、L2よりも短くても良い。第2穴21の深さd2は、第2層30の厚みT2に等しくても良く、第2層30の厚みT2よりも深くても良い。第2穴21の深さd2は、第1層20の厚みT1の30%以上としても良く、40%以上としても良い。第2穴21の深さd2は、第1層20の厚みT1の90%以下としても良く、80%以下としても良い。第2穴21は、ハーフエッチングにより形成されたものであっても良い。本明細書中、「ハーフエッチング」とは、被エッチング材料をその厚み方向に途中までエッチングすることをいう。ハーフエッチング後の被エッチング材料の厚みは、ハーフエッチング前の被エッチング材料の厚みの例えば30%以上90%以下、好ましくは40%以上80%以下となる。なお、第2穴21は、プレス加工又はレーザー加工によって形成されたものであっても良い。
【0072】
本変形例によれば、非屈曲領域NAの全体又は大部分に第1層20を配置できる。これにより、第1層20の材料として、密度の軽い材料又は高剛性材料を選択することにより、金属支持体10を全体として軽量化又は高剛性化できる。
【0073】
(第2変形例)
図11に示すように、第1層20は、複数の第2穴21を有し、各第2穴21がそれぞれ対応する第1穴31と平面視で重なっていても良い。全ての第2穴21が対応する第1穴31と重なっていても良く、一部の第2穴21のみが第1穴31と重なっていても良い。複数の第2穴21は、屈曲領域BAに設けられている。各第2穴21は、第1層20を厚み方向に貫通する貫通孔である。各第2穴21の平面形状は、各第1穴31の平面形状と同一であっても良く、異なっていても良い。第2穴21は、エッチングにより形成されたものであっても良く、プレス加工又はレーザー加工によって形成されたものであったものであっても良い。
【0074】
本変形例によれば、第1層20が複数の第2穴21を有することにより、金属支持体10を全体として軽量化できる。また、第1層20が複数の第2穴21を有することにより、金属支持体10の屈曲領域BAの屈曲性を高めることができる。これにより、金属支持体10をフレキシブル表示装置70に組み込んだ際、フレキシブル表示装置70を折り畳んだときに屈曲領域BAの曲率半径をより小さくでき、屈曲耐性を向上できる。
【0075】
(第3変形例)
図12に示すように、金属支持体10は、第1層20の第1面20a上に接合された第3層40を備えていても良い。この場合、金属支持体10は、3層の積層体からなる。第3層40は、第1層20に対して第2層30の反対側に位置する。第3層40は、拡散接合法、ろう付けによる接合法、接着剤による接合法、超音波接合法、又はレーザー溶接法により、第1層20に接合されても良い。第3層40は、第1層20の第1面20aの全体に設けられても良く、第1層20の第1面20aの一部に設けられても良い。第3層40の厚みT3は、30μm以上としても良く、35μm以上としても良い。第3層40の厚みT3は、50μm以下としても良く、40μm以下としても良い。第3層40の厚みT3は、第1層20の厚みT1と同一としても良く、異なっても良い。
【0076】
第3層40の主たる材料は、金属材料であっても良い。第3層40の主たる材料が金属材料である場合、金属材料としては、ステンレス等の鉄系合金、銅、銅合金、チタン、チタン系合金、マグネシウム、又はマグネシウム系合金等を用いても良い。第3層40の主たる材料は、炭素繊維複合材料(CFRP)又は樹脂材料であっても良い。樹脂材料は、ポリイミド(PI)であっても良い。第3層40の主たる材料は、第1層20の主たる材料と同一であっても良く、異なっても良い。このほかの構成は、第2変形例(図11)の場合と同様にしても良い。
【0077】
本変形例によれば、第1層20の第1面20a上に第3層40が接合されている。このように、第2層30と第3層40とによって第1層20を均等に挟み込むことにより、フレキシブル表示装置70に組み込む前の金属支持体10に反りが生じることを抑制できる。
【0078】
(第4変形例)
図13に示すように、金属支持体10は、第1層20の第1面20a上に接合された第3層40を備えていても良い。第3層40は、複数の第3穴41を有する。各第3穴41は、それぞれ第1穴31と平面視で重なっていても良く、重ならなくても良い。複数の第3穴41は、屈曲領域BAに設けられている。各第3穴41は、第3層40を厚み方向に貫通する貫通孔である。各第3穴41の平面形状は、各第1穴31の平面形状と同一であっても良く、異なっていても良い。第3穴41は、エッチングにより形成されたものであっても良く、プレス加工又はレーザー加工によって形成されたものであっても良い。
【0079】
本変形例によれば、第1層20の第1面20a上に第3層40が接合されている。このように、第2層30と第3層40とによって第1層20を均等に挟み込むことにより、金属支持体10に反りが生じることを抑制できる。また、第3層40は、第3穴41を有する。これにより、第3層40側が内側となるように金属支持体10を折り曲げることが容易になるだけでなく、第2層30が内側となるように金属支持体10を折り曲げることも容易となる。また、屈曲領域BAに第3穴41が存在することにより、第3層40と、金属支持体10を緩衝層76に取り付けるための接着層との密着性を向上できる。これにより、金属支持体10と緩衝層76とが互いに剥離することを抑制できる。
【0080】
(第5変形例)
図14に示すように、第1層20は、第2穴21を有し、第2層30が第2穴21内に収容されていても良い。また第1層20は、第4穴22を有し、第3層40が第4穴22内に収容されていても良い。第3層40は、複数の第3穴41を有する。第2層30及び第3層40の平面形状は、それぞれ第1層20の平面形状よりも小さい。第3層40の平面形状は、第2層30の平面形状と同一であっても良く、異なっても良い。第3層40の第1方向D1に沿う長さL9は、5mm以上としても良く、10mm以上としても良い。第3層40の第1方向D1に沿う長さL9は、30mm以下としても良く、25mm以下としても良い。第3層40の第2方向D2に沿う長さは、第1層20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良く、L2よりも短くても良い。第3層40の厚みT3は、第1層20の厚みT1よりも薄い。第3層40の厚みT3は、第1層20の厚みT1の15%以上45%以下としても良い。第2層30の厚みT2は、第1層20の厚みT1の15%以上45%以下としても良い。第3層40の厚みT3は、第2層30の厚みT2と同一であっても良く、異なっても良い。
【0081】
第4穴22は、第1層20の第1面20aに形成されている。第4穴22は、第1層20を厚み方向に貫通しない非貫通孔である。第4穴22の一部又は全部は、屈曲領域BAに存在する。第4穴22の一部が非屈曲領域NAに存在しても良く、存在しなくても良い。第4穴22の外周の平面形状は、第3層40の外周の平面形状と同一であっても良い。第4穴22は、平面視長方形状に形成されても良い。第4穴22は、平面視で例えば多角形形状又は円形形状を有していても良い。第4穴22は、平面視で角部が丸められた長方形形状を有していても良い。第4穴22は、第1層20に1つのみ存在しても良く、複数存在しても良い。第4穴22の平面形状は、第2穴21の平面形状と同一であっても良く、異なっても良い。第4穴22は、平面視で第2穴21と重なっても良く、ずれていても良い。
【0082】
第4穴22の第1方向D1に沿う長さL10は、第3層40の第1方向D1に沿う長さL9に等しくても良く、L9よりも長くても良い。第4穴22の第2方向D2に沿う長さは、第1層20の第2方向D2に沿う長さL2と同一としても良く、L2よりも短くても良い。第4穴22の深さd3は、第3層40の厚みT3に等しくても良く、第3層40の厚みT3よりも深くても良い。第4穴22の深さd3は、第1層20の厚みT1の15%以上としても良く、20%以上としても良い。第4穴22の深さd3は、第1層20の厚みT1の45%以下としても良く、40%以下としても良い。第4穴22の深さd3は、第2穴21の深さd2に等しくても良く、異なってもよい。第4穴22は、ハーフエッチングにより形成されたものであっても良い。第4穴22は、プレス加工又はレーザー加工によって形成されたものであっても良い。このほかの構成は、第1変形例(図10)の場合と同様にしても良い。
【0083】
本変形例によれば、第2層30が第2穴21内に収容され、第3層40が第4穴22内に収容されている。このように、第2層30と第3層40とによって第1層20を挟み込むことにより、金属支持体10に反りが生じることを抑制できる。また、第3層40は、第3穴41を有する。これにより、第3層40側が内側となるように金属支持体10を折り曲げることが容易になるだけでなく、第2層30が内側となるように金属支持体10を折り曲げることも容易となる。また、屈曲領域BAに第3穴41が存在することにより、第3層40と、金属支持体10を表示部材71に接着する接着層との密着性を向上できる。これにより、金属支持体10と表示部材71とが互いに剥離することを抑制できる。さらに、本変形例によれば、非屈曲領域NAの全体又は大部分に第1層20を配置できる。これにより、第1層20の材料として、密度の軽い材料又は高剛性材料を選択することにより、金属支持体10を全体として軽量化又は高剛性化できる。
【0084】
(第6変形例)
図15に示すように、金属支持体10は、第1層20の第1面20a上に接合された第3層40を備えていても良い。第3層40は、複数の第3穴41を有する。第1層20は、複数の第2穴21を有する。各第1穴31、各第2穴21及び各第3穴41は、それぞれ平面視で重なっていても良く、重ならなくても良い。複数の第2穴21は、屈曲領域BAに設けられている。各第2穴21は、第1層20を厚み方向に貫通する貫通孔である。複数の第3穴41は、屈曲領域BAに設けられている。各第3穴41は、第3層40を厚み方向に貫通する貫通孔である。各第1穴31、各第2穴21及び各第3穴41の平面形状は、互いに同一であっても良く、異なっていても良い。このほかの構成は、第4変形例(図13)の場合と同様にしても良い。
【0085】
本変形例によれば、第1層20の第1面20a上に第3層40が接合されている。このように、第2層30と第3層40とによって第1層20を均等に挟み込むことにより、金属支持体10に反りが生じることを抑制できる。また、第3層40は、第3穴41を有する。これにより、第3層40側が内側となるように金属支持体10を折り曲げることが容易になるだけでなく、第2層30が内側となるように金属支持体10を折り曲げることも容易となる。また、屈曲領域BAに第3穴41が存在することにより、第3層40と、金属支持体10を表示部材71に接着する接着層との密着性を向上できる。これにより、金属支持体10と表示部材71とが互いに剥離することを抑制できる。また第1層20が複数の第2穴21を有することにより、金属支持体10の屈曲領域BAの屈曲性を高めることができる。さらに金属支持体10をより軽量化できる。
【0086】
(第7変形例)
図16に示すように、金属支持体10は、第2層30の第2面30b上に接合された第3層40を備えていても良い。第3層40は、第2層30に対して第1層20の反対側に位置する。第3層40は、拡散接合法、ろう付けによる接合法、接着剤による接合法、超音波接合法、又はレーザー溶接法により、第2層30に接合されても良い。第3層40は、第2層30の第2面30bの全体に設けられても良く、第2層30の第2面30bの一部に設けられても良い。第3層40は、複数の第3穴41を有する。各第3穴41は、それぞれ第1穴31と平面視で重なっていても良く、重ならなくても良い。複数の第3穴41は、屈曲領域BAに設けられている。各第3穴41は、第3層40を厚み方向に貫通する貫通孔である。このほかの構成は、第4変形例(図13)の場合と同様にしても良い。
【0087】
本変形例によれば、第2層30の厚みT2及び第3層40の厚みT3をそれぞれ単体で薄くできるため、第2層30及び第3層40のそれぞれの加工を行いやすくできる。
【0088】
上記各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 フレキシブル表示装置用金属支持体
20 第1層
20a 第1面
20b 第2面
21 第2穴
30 第2層
30a 第1面
30b 第2面
31 第1穴
32 第1土手部
40 第3層
70 フレキシブル表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16