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特開2024-146211端末装置、サーバ、検査システムおよび検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146211
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】端末装置、サーバ、検査システムおよび検査方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058982
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】北田 絢子
(72)【発明者】
【氏名】前田 匡哉
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】 検査対象物品と特定物品との照合を容易に行える検査システム、端末装置、管理サーバ、および、検査方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、端末装置は、表示部と、操作部と、画像取得部と、通信部と、プロセッサと、を有する。表示部は、画像を表示する。操作部は、操作指示が入力される。画像取得部は、指定物品と照合する検査対象物品を撮影した撮影画像を取得する。通信部は、指定物品に関する情報を管理する。プロセッサは、操作部に入力された照合の指示に応じて検査対象物品の画像を含む撮影画像と照合要求とをサーバへ送信し、サーバから取得する検査対象物品の画像と指定物品との照合結果を表示部に表示する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
操作指示が入力される操作部と、
指定物品と照合する検査対象物品を撮影した撮影画像を取得する画像取得部と、
指定物品に関する情報を管理するサーバと通信する通信部と、
前記操作部に入力された照合の指示に応じて前記検査対象物品の画像を含む前記撮影画像と照合要求とを前記サーバへ送信し、前記サーバから取得する前記検査対象物品の画像と指定物品との照合結果を前記表示部に表示するプロセッサと、
を有する端末装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、さらに、前記表示部に表示した照合結果に対して前記操作部により入力される前記検査対象物品に合致する指定物品の判定結果を前記サーバへ送信する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、さらに、前記判定結果に応じて前記サーバから提供される詳細情報を前記表示部に表示し、前記操作部により入力される前記詳細情報に基づく検査結果の登録が指示された場合に前記検査結果を前記サーバに送信する、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、さらに、前記検査結果を示すレポートを作成する、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
さらに、プリンタに接続するインターフェースを有し、
前記プロセッサは、前記検査結果を示すレポートの印刷を前記プリンタに要求する、
請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
指定物品に関する情報を記憶する記憶部と、
端末装置と通信する通信部と、
前記端末装置から検査対象物品の画像を含む撮影画像と照合要求とを受信した場合、前記検査対象物品の画像に対する前記記憶部に情報を記憶した指定物品との照合を実行し、照合結果を前記端末装置へ送信するプロセッサと、
を有するサーバ。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記端末装置から検査対象物品に合致する指定物品の判定結果を受信した場合に前記判定結果に関連する詳細情報を前記端末装置へ送信する、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記詳細情報を送信した前記端末装置から受信する検査対象物品に対する検査結果を記憶装置に保存する、
請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記検査対象物品に対する検査結果を受信した場合、前記検査結果と前記検査対象物品の画像とに基づいて前記記憶部が記憶する情報を更新する、
請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
端末装置とサーバとを有する検査システムにおいて、
前記端末装置は、
画像を表示する表示部と、
操作指示が入力される操作部と、
指定物品と照合する検査対象物品を撮影した撮影画像を取得する画像取得部と、
前記サーバと通信する第1の通信部と、
前記操作部に入力された照合の指示に応じて前記検査対象物品の画像を含む前記撮影画像と照合要求とを前記サーバへ送信し、前記サーバから取得する前記検査対象物品の画像と指定物品との照合結果を前記表示部に表示する第1のプロセッサと、を有し、
前記サーバは、
複数の指定物品に関する情報を記憶する記憶部と、
前記端末装置と通信する第1の通信部と、
前記端末装置から前記撮影画像と前記照合要求とを受信した場合、前記撮影画像に含まれる前記検査対象物品の画像に対する前記記憶部に情報を記憶した指定物品との照合を実行し、照合結果を前記端末装置へ送信する第2のプロセッサと、を有する、
検査システム。
【請求項11】
端末装置とサーバとを有する検査システムにおける検査方法であって、
前記端末装置は、
指定物品と照合する検査対象物品を撮影した撮影画像を取得し、
前記検査対象物品の画像を含む前記撮影画像と照合要求とを前記サーバへ送信し、
前記サーバから取得する前記検査対象物品の画像と指定物品との照合結果を表示装置に表示し、
前記サーバは、
複数の指定物品に関する情報を記憶部に記憶し、
前記端末装置からの前記撮影画像と前記照合要求とを受信した場合、前記撮影画像に含まれる前記検査対象物品の画像に対する前記記憶部に情報を記憶した指定物品との照合を実行し、
前記照合による照合結果を前記端末装置へ送信する、
検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端末装置、サーバ、検査システムおよび検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を検査する検査場において、検査対象物品と指定物品とを照合する検査を行う検査システムがある。この種の検査システムは、検査対象物品に付されたマーク又はタグに記載された文字などが指定物品のものと合致するか否かを検査員が判定する。
【0003】
しかしながら、指定物品が多数存在していたり指定物品が更新されたりすると、検査員が全ての指定物品を把握しておくことが難しい。また、全ての検査員が熟練者であるとは限らず、検査作業に不慣れな人物が検査員となることもある。検査作業に不慣れな人物が検査員となる場合、検査作業に手間と時間とがかかってしまうという問題もある。
【0004】
さらに、指定物品と合致する検査対象物品を発見した検査員は、当該物品に関するレポートを作成する場合もある。指定物品と合致する検査対象物品に関するレポートには、種々の情報を載せる必要があり、レポートに載せる種々の情報を収集するのには多くの手間と時間とがかかる。さらに、人手によってレポートを作成すると、人手による入力ミスなどを無くして正確な報告書を作成するのが容易ではないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2014/163014号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、検査対象物品と特定物品との照合を容易に行える端末装置、サーバ、検査システムおよび検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、端末装置は、表示部と、操作部と、画像取得部と、通信部と、プロセッサと、を有する。表示部は、画像を表示する。操作部は、操作指示が入力される。画像取得部は、指定物品と照合する検査対象物品を撮影した撮影画像を取得する。通信部は、指定物品に関する情報を管理する。プロセッサは、操作部に入力された照合の指示に応じて検査対象物品の画像を含む撮影画像と照合要求とをサーバへ送信し、サーバから取得する前記検査対象物品の画像と指定物品との照合結果を表示部に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る端末装置とサーバとによる検査システムにおける処理の概要を説明するための図である。
図2図2は、実施形態に係る端末装置およびサーバを含む検査システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る検査システムの端末装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る検査システムのサーバにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る検査システムによる検査対象物品に対する検査処理の流れを説明するためのシーケンスである。
図6図6は、実施形態に係る検査システムによる検査対象物品に対する検査処理の流れを説明するためのシーケンスである。
図7図7は、実施形態に係る検査システムにおける端末装置が表示する表示例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る検査システムにおける端末装置が表示する表示例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る検査システムにおける端末装置が表示する表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、実施形態に係る検査システム1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る検査システム1における処理の流れを概略的に説明するための図である。
検査システム1は、検査対象とする物品(検査対象物品)Pが予め指定物品リストLに登録されている指定物品と合致するかを検査するシステムである。
【0010】
端末装置3は、検査対象物品を含む撮影画像を取得し、撮影画像と照合要求とをサーバ2へ送信する。サーバ2は、撮影画像に含まれる検査対象物品の画像と指定物品との照合を実行する。例えば、サーバ2は、検査対象物品に付されたロゴマーク(ロゴ)又は検査対象物品に添付されるタグの記載内容に類似する指定物品の候補を照合結果として端末装置3に提供する。端末装置3は、サーバ2による照合結果を表示し、検査対象物品に合致する指定物品の判定入力を受け付ける。
【0011】
さらに、サーバ2は、端末装置3で入力される検査対象物品に合致する指定物品の判定結果を取得する。サーバ2は、判定結果に対応する指定物品に関する詳細情報や検査対象物品に関する詳細情報などを収集し、収集した詳細情報を端末装置3へ提供する。端末装置3は、サーバ2が収集する判定結果に関する詳細情報を参照して検査結果を確定する。サーバ2は、端末装置3で確定された検査結果を取得し、検査対象物品に対する検査結果として記憶部に保存する。また、端末装置3は、検査結果が確定された場合、検査対象物品に関する検査結果を示すレポートを作成する。
【0012】
ここで、検査システム1が検査対象とする検査対象物品Pは、特定の物品に限定されるものではない。例えば、検査対象物品Pは、他国から輸入される輸入品であっても良いし、指定される宛先へ送られる流通過程の物品であっても良いし、倉庫などに格納されている物品であっても良い。
【0013】
また、検査システム1において、検査対象物品Pと照合される指定物品は、ロゴマークなどの画像あるいは物品の商品名やブランド名等の文字情報などにより特定される。指定物品は、例えば、輸入差し止め品であって良いし、不良品などであっても良い。検査システム1は、複数の指定物品に関するロゴマークあるいは物品の商品名やブランド名などの特定情報を指定物品リストLに登録する。指定物品リストLは、随時更新されるようにしても良く、新たに登録される指定物品に関する情報が新規に登録されても良いし、登録済みの指定物品に関する情報が更新されても良い。
【0014】
図1に示すように、検査システム1は、サーバ2と端末装置3とを有する。端末装置3は、サーバ2と通信接続される情報処理装置である。端末装置3は、カメラを備えるタブレットPCやスマートフォンであっても良いし、カメラを接続したコンピュータであっても良いし、カメラおよび表示部として機能するヘッドマウントディスプレイ(スマートグラスなど)に情報入力端末を接続したものであっても良い。サーバ2は、指定物品リストLを有し、種々の情報処理を実行するコンピュータである。
【0015】
端末装置3は、カメラによって撮影した検査対象物品Pの画像(撮影画像)を取得し、検査対象物品Pの画像を含む撮影画像をサーバ2へ送信する。サーバ2は、端末装置3から受信する検査対象物品Pを撮影した撮影画像に基づいて検査対象物品Pと指定物品リストに登録されている指定物品とを照合する。サーバ2は、照合結果として、検査対象物品Pと合致する候補となる指定物品を示す情報を照合結果として端末装置3へ提供する。
【0016】
端末装置3は、サーバ2からの照合結果を表示部に表示し、検査員による検査対象物品Pと指定物品との照合の判定結果を受け付ける。検査員は、表示部に表示されたサーバ2による照合結果を参照しつつ、端末装置3の操作部により検査対象物品Pと合致する指定物品又は検査対象物品Pと合致する指定物品がないことなどを判定した判定結果を入力する。端末装置3は、検査員による判定結果をサーバ2に登録したり、判定結果に基づく検査対象物品に関するレポートを作成(印刷)したりする。
【0017】
次に、実施形態に係る検査システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る検査システム1の構成例を説明するための図である。
検査システム1は、サーバ2、端末装置3およびプリンタ4を有する。検査システム1において、サーバ2は、ネットワークを介して、各地の検査場に存在する端末装置3が通信接続される。各検査場には、複数又は単数の端末装置3が配置される。各端末装置3は、ネットワークを介してサーバ2に通信接続する。また、検査場において、各端末装置3は、レポートなどを印刷するためのプリンタ4に接続される。
【0018】
端末装置3は、上述したように、カメラおよびタッチパネル付きのディスプレイを備えるタブレットPCやスマートフォンであっても良いし、カメラを接続したコンピュータ(例えば、ディスクトップ型のPC)であっても良い。また、端末装置3は、カメラおよび表示部を有するスマートグラスなどのウエアラブルデバイスに情報入力端末としてコンピュータを接続したものであっても良い。
【0019】
サーバ2は、後述する各種の処理を実行するコンピュータにより構成される。また、サーバ2は、指定物品リストLなどを格納する記憶部とネットワークを介して各端末装置3と通信するための通信インターフェースとを有する。なお、サーバ2は、1つのサーバコンピュータで構成しても良いし、複数のサーバコンピュータで構成しても良い。
【0020】
次に、実施形態に係る検査システム1のサーバ2における制御系の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る検査システム1のサーバ2における制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示す構成例において、サーバ2は、プロセッサ21、記憶部22、および、通信部23を有する。
プロセッサ21は、演算処理を実行する。プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ21は、記憶部22に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0021】
記憶部22は、ROM、RAM、書き換え可能な不揮発メモリなどの記憶デバイスにより構成される。記憶部22のROMは、読み出し専用の不揮発性メモリである。記憶部22のROMは、プログラムのデータおよび制御データなどを記憶する。記憶部22のRAMは、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリであり、データを一時的に記憶する。
【0022】
記憶部22の書き換え可能な不揮発性メモリは、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などにより構成される。記憶部22における書き換え可能な不揮発性メモリは、プログラム、設定データ、検査結果などの種々の情報を記憶する。
【0023】
また、記憶部22の不揮発性メモリは、指定物品リストL、および、物品管理データベース(DB)25を記憶する。指定物品リストLは、照合処理において参照する指定物品に関する情報を格納したリストである。物品管理データベース25は、指定物品を含む種々の物品に関する情報を格納するデータベースである。例えば、物品管理データベース25には、指定物品に関する詳細情報および物品番号で特定される物品に関する詳細情報などが格納される。また、物品管理データベース25は、検査対象物品に対する検査結果を示す情報を格納するようにしても良い。
【0024】
通信部23は、各検査システム1における端末装置3と通信するための通信インターフェースである。プロセッサ21は、通信部23を介して端末装置3と通信する。プロセッサ21は、通信部23を介して端末装置3から検査対象物品の画像を含む撮影画像を取得したり、端末装置3へ照合結果や判定結果に対する詳細情報を送信したり、端末装置3から判定結果や検査結果を取得したりする。
【0025】
次に、実施形態に係る検査システム1の端末装置3における制御系の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る検査システム1の端末装置3における制御系の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、端末装置3は、プロセッサ31、記憶部32、通信部33、プリンタインターフェース(I/F)34、カメラ35、表示部36、および、操作部37を有する。
プロセッサ31は、端末装置3全体の制御および演算処理などを実行する。プロセッサ31は、例えば、CPUである。プロセッサ31は、記憶部32に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0026】
記憶部32は、ROM、RAM、書き換え可能な不揮発メモリなどの種々の記憶デバイスにより構成される。記憶部32のROMは、読み出し専用の不揮発性メモリである。記憶部32のROMは、プログラムのデータおよび制御データなどを記憶する。記憶部32のRAMは、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。記憶部32のRAMは、データを一時的に記憶する。
【0027】
記憶部32の書き換え可能な不揮発性メモリは、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などにより構成される。記憶部32の書き換え可能な不揮発性メモリは、プログラム、および、各種の設定情報などの情報を記憶する。
【0028】
通信部33は、サーバ2と通信するための通信インターフェースである。プロセッサ31は、通信部33によりネットワークを介してサーバ2と通信する。プロセッサ31は、通信部33により撮影画像又は検査員による判定結果などのデータをサーバ2へ送信したり、サーバ2から照合結果などのデータを受信したりする。
【0029】
プリンタインターフェース34は、プリンタ4に接続するためのインターフェースである。プリンタインターフェース34は、ローカルにプリンタ4に接続するインターフェースであっても良いし、有線又は無線によるネットワーク通信によりプリンタ4に接続するインターフェースであっても良い。プロセッサ31は、プリンタインターフェース34により後述するレポートをプリンタ4に印刷させる。
【0030】
カメラ35は、画像を撮影する。カメラ35は、検査員の操作によって検査対象物品Pの画像を撮影する。カメラ35は、タブレットPC或いはスマートフォンなどの端末装置3本体の筐体に設けられたものであっても良いし、インターフェースにより端末装置3本体に接続されるものであっても良い。なお、端末装置3は、カメラ35の代わりに、外部の撮影装置(カメラ)が撮影する画像を取得するインターフェースを備えるものであっても良い。
【0031】
表示部36は、情報を表示するためのデバイスである。表示部36は、液晶又は有機ELなどの表示デバイスにより表示画面を構成する。プロセッサ31は、表示部36が表示画面に表示する表示内容を制御する。なお、端末装置3は、表示部36を接続するインターフェースを有し、外部装置としての表示部36がインターフェースに接続される構成としても良い。
【0032】
操作部37は、検査員などの操作者からの操作指示を入力するためのデバイスである。操作部37は、例えば、表示部36の表示画面上に設けたタッチパネルである。操作部37としてのタッチパネルは、表示画面においてタッチされた位置を検知し、検知結果をプロセッサ31へ供給する。プロセッサ31は、タッチパネルで検知したタッチ位置と表示画面における表示内容とに基づいて操作指示の内容を特定する。例えば、プロセッサ31は、表示部36に表示した操作ボタンへの入力を操作部としてのタッチパネルにより検知する。なお、実施形態において、端末装置3は、表示部36および操作部37として機能するタッチパネル付きの表示装置を備えるものとして説明する。
【0033】
次に、実施形態に係る検査システム1における検査対象物品Pに対する検査処理について説明する。
図5および図6は、実施形態に係る検査システム1における検査対象物品Pに対する検査処理の流れを説明するためのシーケンスである。
まず、検査員は、検査対象物品Pを選定する。例えば、検査員は、宛先が指定されている箱(梱包部材)内にある複数の物品から取り出す1つの物品を検査対象物品Pとして選定する。また、検査員は、物流貨物などが集積される検査場において複数の物品から選定する1つの物品を検査対象物品Pとするようにしても良い。検査員は、検査対象物品Pに対する検査を実施する場合、端末装置3において操作部27などを操作することにより検査(照合)開始を指示する。
【0034】
端末装置3のプロセッサ31は、検査開始の指示に応じて、通信部33によりネットワークを介してサーバ2にアクセスし、検査開始を要求する(ステップST11)。例えば、プロセッサ31は、ブラウザを起動してサーバ2にアクセスし、サーバ2に対して検査開始要求を送信する。
【0035】
サーバ2は、通信部23により端末装置3からアクセスを受信し、当該端末装置3からの検査開始要求を受け付ける。サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの検査開始要求を受け付けると、検査処理を実行するための応答を端末装置3へ出力する(ステップST12)。例えば、サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの検査開始要求に対する応答として、ネットワーク上で提供する検査処理(リモート検査)用のURLを端末装置3へ送信する。
【0036】
端末装置3は、通信部33によりサーバ2からの応答を受信する。端末装置3のプロセッサ21は、サーバ2からの応答に基づいて照合の対象となる検査対象物品Pの撮影画像を登録するための登録画面を表示部36に表示する(ステップST13)。例えば、プロセッサ31は、ブラウザによりサーバ2が指定するURLにアクセスし、サーバ2が提供する検査対象物品Pの撮影画像を登録するための登録画面を表示部36に表示する。
【0037】
端末装置3のプロセッサ31は、登録画面を表示部36に表示すると、検査員の操作に応じてカメラ35により検査対象物品Pの画像を撮影する(ステップST14)。例えば、検査員は、検査対象物品P全体の画像を撮影するだけでなく、検査対象物品Pにおいて指定物品と照合するためのロゴマークの表示部分又は検査対象物品Pに添付されるタグなどの画像を撮影する。
【0038】
なお、端末装置3がカメラ又はカメラを備えるスマートグラスなどのウエアラブルデバイスに接続したコンピュータとして構成される場合、検査員は、カメラ又はウエアラブルデバイスのカメラにより撮影した検査対象物品Pの画像を含む撮影画像を端末装置3としてのコンピュータに入力する。これにより、端末装置3としてのコンピュータは、外部装置としてのカメラ又はウエアラブルデバイスのカメラが撮影した検査対象物品Pの画像を取得するようにしても良い。
【0039】
プロセッサ31は、カメラ35が撮影した撮影画像を取得すると、撮影画像を表示部36に表示し、検査員による操作に応じてカメラ35が撮影した撮影画像を検査対象物品Pの画像として登録する(ステップST15)。プロセッサ31は、検査対象物品Pの画像を登録した場合、検査員による指示に応じて登録した検査対象物品Pの画像に対する指定物品との照合をサーバ2に要求する(ステップST16)。例えば、プロセッサ31は、通信部33により登録が指示された画像をサーバ2へアップロードすると共に、指定物品との照合処理をサーバ2に要求する。
【0040】
図7は、端末装置3の表示部36が表示する検査対象物品Pの画像を登録するための登録画面の表示例を示す図である。
端末装置3のプロセッサ31は、サーバ2から提供される図7に示すような登録画面を表示部36に表示する。図7に示す登録画面は、第1表示欄61、第2表示欄62、画像登録ボタン63、宛先登録ボタン64、照合ボタン65および終了ボタン66を有する。
【0041】
第1表示欄61は、検査対象物品Pの画像を表示する。例えば、プロセッサ31は、検査員が検査対象物品の撮影を選択した状態(例えば、第1表示欄61を選択した状態)でカメラ35が撮影した撮影画像を第1表示欄61に表示する。画像登録ボタン63は、第1表示欄61に対応する位置に表示される。検査員が画像登録ボタン63を選択(タッチ)すると、第1表示欄61に表示している画像が検査対象物品Pの画像として登録される。
【0042】
第2表示欄62は、検査対象物品Pに対する宛名情報を表示する。図7に示す例では、検査対象物品P又は検査対象物品Pを梱包する部材に添付されている宛名の記載面の画像が宛先情報として表示されている。例えば、プロセッサ31は、検査員が第2表示欄62を選択した状態でカメラ35により検査対象物品の宛名記載面を撮影した撮影画像を第2表示欄62に表示する。宛先登録ボタン64は、第2表示欄62に対応する位置に表示される。検査員が宛先登録ボタン64を選択(タッチ)すると、第2表示欄62に表示している情報が検査対象物品Pに対する宛先情報として登録される。
【0043】
例えば、プロセッサ31は、第2表示欄62に表示する宛名情報の画像から宛先情報を認識するようにしても良い。例えば、プロセッサ31は、第2表示欄62に表示する宛名情報の画像に宛先を示すバーコードが含まれる場合、バーコードを認識することにより宛先情報を認識する。また、プロセッサ31は、第2表示欄62に表示する宛名情報の画像に対する文字認識によって文字で表示されている宛先情報を認識するようにしても良い。また、プロセッサ31は、照合ボタン65で照合が指示された場合に検査対象物品の画像と共に宛先情報の認識結果をサーバ2へ送信(登録)するようにしても良い。
【0044】
照合ボタン65は、第1表示欄61に表示する登録された検査対象物品の画像に対する指定物品との照合処理を指示するボタンである。検査員は、第1表示欄61に表示した検査対象物品の画像に対する指定物品との照合処理を指示する場合に照合ボタン65を選択(タッチ)する。プロセッサ31は、照合ボタン65が選択された場合、第1表示欄61に表示する検査対象物品の画像に対する照合をサーバ2へ要求する。
【0045】
また、終了ボタン66は、検査の終了を指示するためのボタンである。検査員は、検査を終了する場合に終了ボタン66を選択(タッチ)する。プロセッサ31は、終了ボタン66が選択された場合、検査処理を終了する。
【0046】
なお、端末装置3のプロセッサ31は、第1表示欄61に表示する検査対象物品の画像が登録されていれば、第2表示欄62に表示する宛名情報が登録されてなくても、照合ボタン65への入力に応じてサーバ2に照合を要求する。また、照合ボタン65が選択された場合に第2表示欄62に表示する宛名情報の画像を取得すると、サーバ2は、検査対象物品の画像に対する指定物品との照合だけでなく、宛名情報の画像に対する宛先情報の認識処理なども実行するようにしても良い。
【0047】
サーバ2は、通信部23により端末装置3からの照合要求を受信する。サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの撮影画像と照合要求とを受信すると、端末装置3からの撮影画像を保存し、撮影画像に含まれる検査対象物品Pの画像と指定物品リストLの各指定物品とを照合する処理を含む照合処理を実行する(ステップST17)。また、プロセッサ21は、端末装置3から撮影画像と共に宛先情報を取得した場合、撮影画像と共に宛先情報を保存する。
【0048】
サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3から受信した撮影画像から指定物品と照合する検査対象物品Pの画像部分を抽出する。例えば、プロセッサ21は、撮影画像に含まれる検査対象物品Pの画像におけるロゴマークの部分の画像又は検査対象物品Pに添付されるタグの画像を撮影画像から抽出し、撮影画像から抽出した画像と指定物品リストLに登録されている指定物品に関する情報とを照合する。このような照合処理によって、プロセッサ21は、撮影された検査対象物品Pと類似する指定物品の候補を選出し、選出した候補を照合結果とする。
【0049】
具体例として、プロセッサ21は、検査対象物品Pのロゴマークの画像と類似する指定物品のロゴマークの画像との照合し、検査対象物品Pのロゴマークの画像と類似するロゴマークの指定物品を候補として選出する。プロセッサ21は、検査対象物品Pのロゴマークと類似する指定物品のロゴマークを複数選出しても良い。例えば、プロセッサ21は、検査対象物品Pのロゴマークとの類似度が所定値以上となる指定物品のロゴマークを候補として選出する。
【0050】
また、プロセッサ21は、撮影画像から抽出するロゴマーク又はタグの画像に対する文字認識によって得られる文字情報と指定物品の文字情報とを照合しても良い。この場合、プロセッサ21は、照合結果として、検査対象物品Pのロゴマーク又はタグの画像に対する文字認識の結果と類似する指定物品の文字情報を候補として選出する。例えば、プロセッサ21は、検査対象物品Pの画像に対する文字認識結果としての文字情報との一致度が所定値以上となる指定物品の文字情報を候補として選出する。
【0051】
さらに、プロセッサ21は、検査対象物品Pの画像に対する類似度によって選出する指定物品の候補と検査対象物品Pの画像に対する文字認識結果との一致度によって選出する指定物品の候補とを合わせて検査対象物品Pに類似する指定物品の候補として選出するようにしても良い。
【0052】
サーバ2のプロセッサ21は、上述したような照合処理が終了すると、照合処理の結果(照合結果)を端末装置3へ送信する(ステップST18)。例えば、プロセッサ21は、照合結果として、撮影画像に含まれる検査対象物品Pの画像と合致する候補となる指定物品の一覧を端末装置3へ送信する。プロセッサ21は、検査対象物品Pの画像と指定物品との照合によって複数の候補が得られた場合、それらの候補となる各指定物品の画像を照合結果として端末装置3へ送信する。また、プロセッサ21は、照合によって得られた指定物品の候補と共に、撮影画像から抽出した検査対象物品Pの画像に対する文字認識結果を照合結果として端末装置3へ送信しても良い。
【0053】
端末装置3は、サーバ2へ照合要求した後、通信部33によりサーバ2からの照合結果を受信する。端末装置3のプロセッサ31は、サーバ2からの照合結果を受信すると、照合結果を表示部36に表示する(ステップST19)。例えば、プロセッサ31は、照合結果として取得する検査対象物品Pと合致する指定物品の候補の一覧を表示部36に表示する。
【0054】
図8は、端末装置3の表示部36が表示する撮影した検査対象物品Pの画像に対するサーバ2による照合結果の表示例を示す図である。
端末装置3のプロセッサ31は、サーバ2から提供される照合結果に基づいて図8に示すような照合結果を表示部36に表示する。図8に示す照合結果の画面は、第1表示欄71、第2表示欄72、OCR表示欄74、検索ボタン75、検索欄76、検索ボタン77、宛先表示欄78、および、除外ボタン79を有する。
【0055】
第1表示欄71は、照合処理の対象とした検査対象物品Pの画像を表示する。例えば、プロセッサ31は、サーバ2へ送信した検査対象物品を含む撮影画像を第1表示欄71に表示する。また、プロセッサ31は、サーバ2が指定物品の照合した撮影画像から抽出したロゴマーク又はタグの画像を第1表示欄に表示するようにしても良い。
【0056】
第2表示欄72は、照合結果として得られた検査対象物品Pと合致する指定物品の候補を一覧72a、72b、72c、72dで表示する。図8に示す例では、検査対象物品Pと合致する候補となる指定物品のロゴマーク部分の画像72a、72b、72c、72dを一覧で表示している。例えば、プロセッサ31は、サーバ2から照合結果として候補となる複数の指定物品の画像を取得し、それらの画像を第2表示欄72に並べて表示する。
【0057】
第2表示欄72に表示する指定物品の候補72a、72b、72c、72dは、操作部37としてのタッチパネルで選択可能に表示される。検査員は、第2表示欄72に表示する候補から検査対象物品Pと合致する指定物品を決定すると、その表示部分をタッチすることで検査対象物品Pと合致する指定物品の判定結果を指示入力する。すなわち、プロセッサ31は、第2表示欄72に表示された候補から何れか1つが指定されると、指定された指定物品を検査対象物品Pと合致する指定物品の判定結果として取得する。
【0058】
OCR表示欄74は、検査対象物品の画像に対する文字認識結果を表示する。プロセッサ31は、サーバから取得する照合結果に検査対象物品の画像に対する文字認識結果が含まれる場合、OCR表示欄72に文字認識結果を表示する。
【0059】
検索ボタン75は、OCR表示欄74に対応して表示される。検索ボタン75が指示された場合、プロセッサ31は、OCR表示欄74に表示されている文字認識結果に基づいて指定物品の候補を選出することをサーバ2に要求(検索要求)する。プロセッサ31は、OCR表示欄74に文字認識結果を表示した場合に検索ボタン75を有効(選択可能)にするようにしても良い。
【0060】
検索欄76は、検査員が指定する検索対象の文字情報を表示する。検索欄76には検査員が操作部37を用いて検索する文字情報が入力される。プロセッサ31は。検索欄76が選択した状態において検索欄76への文字情報の入力を受け付け、操作部37を用いて入力される文字情報を検索欄76に表示する。
【0061】
検索ボタン77は、検索欄76に対応して表示される。プロセッサ31は、検索ボタン77が指示された場合、検索欄76に表示している文字情報に基づいて指定物品の候補を選出することをサーバ2に要求(検索要求)する。プロセッサ31は、検索欄76に文字情報を表示した場合に検索ボタン77を有効(選択可能)にするようにしても良い。
【0062】
宛先表示欄78は、検査対象物品に対する宛先情報を表示する。プロセッサ31は、当該検査対象物品の宛先情報の認識結果が得られている場合に、宛先表示欄78に宛先情報を表示する。プロセッサ31は、図8に示す画面を表示した状態において検査対象物品に対する宛先を示すバーコード又は文字情報を認識し、その認識結果としての宛先情報を宛先表示欄78に表示するようにしても良い。
【0063】
また、宛先表示欄78には、詳細ボタン78aを表示するようにしても良い。詳細ボタン78aが指示された場合、プロセッサ31は、宛先表示欄78に表示している宛先情報に対する詳細情報をサーバ2から取得し、表示するようにしても良い。例えば、宛先情報の物品番号が含まれる場合、プロセッサ31は、物品番号に対応する物品に関する詳細情報をサーバ2から取得して表示するようにしても良い。
【0064】
除外ボタン79は、検査対象物品に合致する指定物品がないことを指示するためのボタンである。検査員は、検査対象物品に合致する指定物品がないと判定した場合に除外ボタン79を選択(タッチ)する。プロセッサ31は、除外ボタン79が選択された場合、検査対象物品Pが指定物品ではないとすることを検査員による判定結果とする。
【0065】
端末装置3のプロセッサ31は、図8に示すような照合結果を表示部36に表示すると、検査員による操作部37への入力を受け付ける。プロセッサ31は、照合結果を表示した場合に文字情報による指定物品の検索が指示された場合(ステップST20、YES)、指定された文字情報による指定物品の検索をサーバ2に要求する(ステップST21)。
【0066】
例えば、図8に示す表示画面において検索ボタン75が指示された場合、プロセッサ31は、OCR表示欄74に表示されている文字情報に基づく指定物品の検索をサーバ2に要求する。また、プロセッサ31は、図8に示す表示画面において検索ボタン77が指示された場合、プロセッサ31は、検索欄76に表示されている文字情報に基づく指定物品の検索をサーバ2に要求する。
【0067】
サーバ2は、端末装置3からの文字情報に基づく指定物品の検索要求を通信部33による受信する。サーバ2のプロセッサ21は、検索要求を受信すると、指定された文字情報に基づいて指定物品リストLを検索する(ステップST22)。サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3から検索が指定された文字情報による検索結果が得られると、通信部33により検索結果を検索要求元の端末装置3へ送信する(ステップST23)。
【0068】
ここで、指定物品リストLには、指定物品のロゴマークなどの画像だけでなく、ロゴマークが示す文字列又はブランド名などの文字情報が指定物品の文字情報として登録されているものとする。例えば、プロセッサ21は、端末装置3から検索要求された文字情報と指定物品の文字情報との一致度が所定値以上となる指定物品の候補を選出し、選出した候補を検索結果とする。具体例としては、プロセッサ31は、検索要求された文字情報が「AB D」である場合、指定物品リストLに登録されている文字情報が「ABBD」又は「ABCD」である指定物品を候補した検索結果を得るようにしても良い。
【0069】
検索要求を送信した端末装置3は、通信部33によりサーバ2からの検索結果を受信する。端末装置3のプロセッサ31は、サーバ2からの検索結果として得られた指定物品の候補を表示部36に表示する(ステップST24)。これにより、端末装置3のプロセッサ31は、指定した文字情報に基づいて検索した指定物品も検索対象物品に合致する指定物品の候補として検査員に提示することができる。
【0070】
プロセッサ31は、表示部36に照合結果および検索結果を表示した状態において、検索員による操作部37への判定結果の入力を受け付ける(ステップST25)。すなわち、検査員は、サーバ2から取得する照合結果又は検索画面を表示部36に表示した状態において、操作部37による検査対象物品と合致する指定物品、又は、合致する指定物品なしの指示を入力する。例えば、図8に示す照合画面において、検査員は、検査対象物品に合致する指定物品の判定結果として、第2表示欄72に表示した指定物品の何れか、又は、除外ボタン79を指示する。
【0071】
プロセッサ31は、操作部37により検査対象物品Pに合致する指定物品の判定結果が入力されると、入力(指定)された判定結果をサーバ2へ送信する(ステップST26)。
サーバ2は、照合結果又は検索結果を送信した後、端末装置3からの判定結果を通信部33により受信する。サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの判定結果を受信すると、端末装置3からの判定結果に対する詳細情報を収集する(ステップST27)。例えば、プロセッサ21は、判定結果において検索対象物品に合致すると判定された指定物品に関する詳細情報を物品管理データベース25から収集する。また、プロセッサ21は、外部装置などから判定結果としての指定物品に関する詳細情報を収集しても良い。
【0072】
なお、サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの判定結果として検査対象物品Pに合致する指定物品がなしであった場合、当該判定結果を記憶部32に保存して一連の検査処理を終了するようにしても良い。
【0073】
サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの判定結果に応じた詳細情報を収集すると、収集した詳細情報を端末装置3へ送信する(ステップST28)。
端末装置3は、検索対象物品に合致すると判定した指定物品を示す判定結果を送信した後、サーバ2から判定結果の指定物品に関する詳細情報を受信する。端末装置3のプロセッサ31は、サーバ2が収集した判定結果の指定物品に関する詳細情報を受信すると、サーバ2から受信した情報を検査対象物品に合致する指定物品に関する詳細情報として表示部36に表示する(ステップST29)。プロセッサ31は、表示部36に表示した詳細情報について、検査結果に含める情報の追加および変更、又は、検査結果の確定の入力を受け付ける。
【0074】
図9は、端末装置3の表示部36が表示する検査対象物品に合致する指定物品の詳細情報を表示した表示例を示す図である。
端末装置3のプロセッサ31は、サーバ2から提供される詳細情報に基づいて図9に示すような詳細画面を表示部36に表示する。図9に示す詳細画面は、第1表示欄81、第2表示欄82、指定物品情報欄83、宛先情報欄84、変更追加ボタン85、および、確定ボタン86を有する。
【0075】
第1表示欄81は、検査対象物品Pの画像を表示する。例えば、プロセッサ31は、指定物品と合致したロゴマーク又はタグの画像を第1表示欄81に表示するようにしても良い。
第2表示欄82は、検査対象物品Pに合致すると判定された指定物品の画像を表示する。例えば、プロセッサ31は、第1表示欄81に表示した画像と対応する指定物品の画像を第2表示欄82に表示するようにしても良い。
【0076】
指定物品情報欄83は、検査対象物品Pに合致すると判定された指定物品に関する詳細情報を表示する。例えば、指定物品情報欄83に表示する詳細情報は、サーバ2が端末装置3での判定結果に応じて収集した情報である。
【0077】
宛先情報欄84は、検査対象物品Pに対する宛先情報に関する詳細情報を表示する。例えば、宛先情報欄84に表示する詳細情報は、サーバ2が端末装置3での判定結果に応じて収集する情報である。ただし、検査対象物品Pが宛先を付与されていない物品である場合には宛先情報欄84は表示しないようにしても良い。
【0078】
変更追加ボタン85は、指定物品情報欄83又は宛先情報欄84に検査員が追記する情報がある場合、又は、指定物品情報欄83又は宛先情報欄84に表示した情報に対して検査員が変更する情報が有る場合に指示される。プロセッサ31は、変更追加ボタン85が指示された場合、操作部37を用いた操作による指定物品情報欄83又は宛先情報欄84への情報の入力および修正を受け付ける。
【0079】
確定ボタン86は、詳細画面の表示内容で検査結果を確定する場合に指示されるボタンである。プロセッサ31は、確定ボタン86が指示された場合に詳細画面において表示している内容を検査結果としてサーバ2に送信する。これにより、サーバ2は、端末装置3で確定が指示された詳細情報を検査対象物品に対する検査結果として記憶部32などに登録する。
【0080】
また、確定ボタン86は、詳細画面の表示内容でレポートを作成するボタン(レポート作成ボタン)としても機能する。プロセッサ31は、確定ボタン86が指示された場合に詳細画面において表示している内容に基づく検査結果のレポートを作成する。プロセッサ31は、作成したレポートの印刷をプリンタ4に要求するようにしても良い。これにより、端末装置3は、検査結果が確定した場合に検査結果の詳細情報を示すレポートを作成することができる。
【0081】
なお、確定ボタンとレポートボタンとは、それぞれ設けても良い。例えば、検査結果を確定した場合のレポート作成が任意であれば、確定ボタンとレポートボタンとを設け、検査結果の登録とレポート作成とをそれぞれ指示するようにしても良い。
【0082】
プロセッサ31は、表示部36に詳細情報を表示した状態において情報の追加および変更が指示されると、操作部37を用いて検査員が入力する追加の情報又は変更する情報を詳細情報として反映させる(ステップST30)。
【0083】
プロセッサ31は、表示部36に詳細情報を表示した状態において詳細情報の確定が指示されると、表示部36に表示している詳細情報を検査対象物品Pに対する検査結果として確定する(ステップST31)。プロセッサ31は、検査結果を確定すると、表示部36に表示している詳細情報を検査結果として確定し、確定した検査結果の登録をサーバ2に要求する(ステップST32)。
【0084】
サーバ2は、詳細情報を送信した後、端末装置3からの確定した詳細情報としての検査結果を通信部33により受信する。サーバ2のプロセッサ21は、端末装置3からの検査結果を受信すると、受信した検査結果を記憶部32に登録する(ステップST33)。例えば、プロセッサ21は、検査対象物品の画像に対応づけて確定した詳細情報としての検査結果を記憶部32に保存する。
【0085】
また、プロセッサ21は、検査対象物品の検査結果を受信すると、検査結果と検査対象物品の画像とに基づいて指定物品との照合を行うための指定物品に関する情報を学習する学習処理を実行する(ステップST35)。プロセッサ21は、学習処理によって得られた情報によって指定物品リストLおよび物品管理データベース25に登録されている当該検査対象物品に合致した指定物品に関する情報を更新する。これにより、サーバ2は、端末装置3から取得する検査対象物品の画像と指定物品の画像との照合による候補選出の精度を高めることができる。
【0086】
また、プロセッサ31は、表示部36に詳細情報を表示した状態においてレポート作成が指示されると、表示部36に表示している詳細情報の内容に基づいてレポートを作成する(ステップST33)。例えば、プロセッサ31は、作成したレポートの印刷データを生成し、プリンタインターフェース34を介して接続されるプリンタ4にレポートの印刷データを送信する。これにより、プリンタ4は、端末装置3からの印刷データに基づいてレポートを印刷できる。
【0087】
以上のように、実施形態に係る検査システムによれば、検査作業に不慣れな検査員であっても、指定物品を特定するためのロゴマークや品名などを覚えることなく、指定物品に該当する検査対象物品(例えば、特定のブランドの物品又は類似品など)を容易に特定することができる。
【0088】
また、実施形態に係る検査システムによれば、指定物品を特定するためのロゴマークや品名などを登録するリストを適宜更新することができるため、指定物品が追加されたり指定物品を特定するための情報が更新されたりしても、指定物品の候補として選出することができ、指定物品に該当する検査対象物品を確実に検出することができる。
【0089】
また、実施形態に係る検査システムによれば、検査対象物品を指定物品として判定した場合に当該指定物品や検査対象物品に関する詳細情報を簡単にサーバから取得することでき、指定物品と判定した検査対象物品に関する詳細情報を収集するための手間が掛からないようにできる。
【0090】
また、実施形態に係る検査システムによれば、指定物品と判定された検査対象物品に関する報告書(レポート)をサーバが収集した詳細情報に基づいて人手によらず迅速に正確な作成することができ、作業員による検査作業や報告書作成に要する時間などを削減するとこもできる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1…検査システム、P…検査対象物品、2…サーバ、L…指定物品リスト、3…端末装置、4…プリンタ、21…プロセッサ(第2のプロセッサ)、22…記憶部、23…通信部(第2の通信部)、25…物品管理データベース、31…プロセッサ(第1のプロセッサ)、32…記憶部、33…通信部(第2の通信部)、34…プリンタインターフェース、35…カメラ、36…表示部(表示装置)、37…操作部。
図1
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