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特開2024-146221画像生成装置、画像読取システム、および、画像生成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146221
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】画像生成装置、画像読取システム、および、画像生成方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20241004BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
H04N1/387 110
H04N1/04 106A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058999
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】朝日 一隆
(72)【発明者】
【氏名】赤木 琢磨
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA05
5C072EA04
5C072NA01
5C072NA04
5C072RA01
5C072UA13
(57)【要約】
【課題】 ラインスキャナを用いて移動体の画像を取得できる画像生成装置、画像読取システム、および、画像生成方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、画像生成装置は、スキャナインターフェースとプロセッサとを備える。スキャナインターフェースは、読取位置においてライン情報を読み取るラインセンサを備えるラインスキャナと接続する。プロセッサは、読取位置を通過する移動体の移動速度を特定し、スキャナインターフェースにより接続するラインスキャナのラインセンサが所定の読取周期で読み取るライン情報を移動体の移動速度に応じて結合させた画像を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取位置においてライン情報を読み取るラインセンサを備えるラインスキャナと接続するスキャナインターフェースと、
前記読取位置を通過する移動体の移動速度を特定し、前記スキャナインターフェースにより接続する前記ラインスキャナの前記ラインセンサが所定の読取周期で読み取るライン情報を前記移動体の移動速度に応じて結合させた画像を生成するプロセッサと、
を備える画像生成装置。
【請求項2】
さらに、前記移動体の移動速度の設定値を記憶する記憶部を有し、
前記プロセッサは、前記記憶部に記憶した前記移動体の移動速度の設定値に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項3】
さらに、前記移動体と通信する通信部を有し、
前記プロセッサは、前記通信部により前記移動体から移動速度と移動速度の取得時刻とを示す情報を取得し、前記移動体から取得する情報に基づいて前記ライン情報を取得した時刻における前記移動体の移動速度を特定する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項4】
さらに、前記移動体の速度を特定するための情報を検知するセンサに接続するセンサインターフェースを有し、
前記プロセッサは、前記センサインターフェースにより前記センサから取得する情報に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項5】
前記センサインターフェースに接続するセンサは、前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を計測する速度計測センサであり、
前記プロセッサは、前記センサインターフェースにより前記速度計測センサから取得する情報に基づいて前記移動体が前記読取位置を通過するときの移動速度を特定する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項6】
前記センサインターフェースに接続するセンサは、前記移動体が前記読取位置を通過中に前記移動体に配置されている形状基準部の形状を検知する形状センサであり、
前記プロセッサは、前記センサインターフェースにより前記形状センサから取得する前記形状基準部の検知結果に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項7】
前記センサインターフェースに接続するセンサは、前記移動体が前記読取位置を通過中に前記移動体に配置されている基準画像部の画像を読み取るイメージセンサであり、
前記プロセッサは、前記センサインターフェースにより前記イメージセンサから取得する前記基準画像部の読取結果に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項4に記載の画像生成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記スキャナインターフェースにより前記ラインスキャナから取得するライン情報の一部から前記移動体に配置されている基準画像部の読取結果を抽出し、前記基準画像部の読取結果に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項1に記載の画像生成装置。
【請求項9】
ライン状に配置した光電変換素子により構成するラインセンサを備え、読取位置において前記ラインセンサが読み取るライン情報を出力するラインスキャナと、
前記ラインスキャナが出力するライン情報から前記読取位置を通過する移動体の画像を生成する画像生成装置と、を有し、
前記画像生成装置は、
前記ラインスキャナに接続するスキャナインターフェースと、
前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定し、前記スキャナインターフェースにより接続する前記ラインスキャナの前記ラインセンサが所定の読取周期で取得するライン情報を前記移動体の移動速度に応じて結合させた画像を生成するプロセッサと、を備える、
画像読取システム。
【請求項10】
さらに、前記読取位置を通過する前記移動体を検知するセンサを有し、
前記画像生成装置は、さらに、前記センサに接続するセンサインターフェースを備え、
前記画像生成装置の前記プロセッサは、前記センサが前記読取位置を通過している前記移動体を検知する間に前記ラインセンサが読み取るライン情報を取得し、前記センサにより検知される前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項9に記載の画像読取システム。
【請求項11】
ラインスキャナが備えるラインセンサが読取位置において所定の読取周期で読み取るライン情報を取得し、
前記読取位置を通過する移動体の移動速度を特定し、
前記移動体の移動速度に応じてライン情報を結合させた画像を生成する、
画像生成方法。
【請求項12】
さらに、前記移動体の移動速度の設定値を取得し、
前記移動体の移動速度の設定値に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項11に記載の画像生成方法。
【請求項13】
さらに、前記移動体から移動速度と移動速度の取得時刻とを示す情報を取得し、
前記移動体から取得する情報に基づいて前記ライン情報を取得した時刻における前記移動体の移動速度を特定する、
請求項11に記載の画像生成方法。
【請求項14】
さらに、前記移動体の速度を特定するための情報を検知するセンサが検知した情報を取得し、
前記センサが検知した情報に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項11に記載の画像生成方法。
【請求項15】
前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を計測する速度計測センサから情報を取得し、
前記速度計測センサから取得する情報に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項14に記載の画像生成方法。
【請求項16】
前記移動体が前記読取位置を通過中に前記移動体に配置されている形状基準部の形状を検知する形状センサから検知結果を取得し、
前記形状センサから取得する前記形状基準部の検知結果に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項11に記載の画像生成方法。
【請求項17】
前記移動体が前記読取位置を通過中に前記移動体に配置されている基準画像部の画像を読み取るイメージセンサから読取結果と取得し、
前記イメージセンサから取得する前記基準画像部の読取結果に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項14に記載の画像生成方法。
【請求項18】
前記ラインスキャナから取得するライン情報の一部から前記移動体に配置されている基準画像部の読取結果を抽出し、
前記基準画像部の読取結果に基づいて前記読取位置を通過する前記移動体の移動速度を特定する、
請求項11に記載の画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像生成装置、画像読取システムおよび画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を読み取るスキャナには、主にエリアスキャナとラインスキャナとがある。エリアスキャナは、被撮影物を含む撮影範囲における各画素情報からなる画像情報を取得する。ラインスキャナは、1又は数ライン分のライン状の画像情報(以下、ライン情報とも称する)を取得する。ラインスキャナは、一般にエリアスキャナに比べて解像度およびノイズ量などの画質の面で優れているが、被撮影物に対して相対的に静止した状態では被撮影物を含む広範囲の画像を取得することができない。
【0003】
従来、コンベアなどで一定の速度で搬送される物体の画像を撮影するシステムではラインスキャナが用いられることがあるが、自律走行する移動体の画像を撮影するシステムにはラインスキャナが用いられていない。ラインスキャナ又はラインスキャナに接続する画像生成装置は、被撮影物とする移動体の移動速度を特定することが容易ではないため、ラインスキャナが取得する複数のライン情報から歪みが少ない移動体全体の画像を生成するのが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-125354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ラインスキャナを用いて移動体の画像を取得できる画像生成装置、画像読取システム、および、画像生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、画像生成装置は、スキャナインターフェースとプロセッサとを備える。スキャナインターフェースは、読取位置においてライン情報を読み取るラインセンサを備えるラインスキャナと接続する。プロセッサは、読取位置を通過する移動体の移動速度を特定し、スキャナインターフェースにより接続するラインスキャナのラインセンサが所定の読取周期で読み取るライン情報を移動体の移動速度に応じて結合させた画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、各実施形態に係る画像生成装置を含む画像読取システムの基本的な構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、各実施形態に係る画像生成装置を含む画像読取システムの基本的な構成例を概略的に示す図である。
図3図3は、各実施形態に係る画像読取システムにおける画像生成装置の基本的な構成例を示すブロック図である。
図4図4は、各実施形態に係る画像読取システムにおける移動体の基本的な構成例を示すブロック図である。
図5図5は、各実施形態に係る画像読取システムによってラインスキャナを用いて移動体全体の画像を生成する処理の流れを概略的に説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る画像生成装置がラインスキャナを用いて移動体全体の画像を生成する画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態に係る画像生成装置および画像読取システムの構成例を示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る画像読取システムにおける移動体の構成例を示すブロック図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る画像生成装置がラインスキャナを用いて移動体全体の画像を生成する画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、第3の実施形態に係る画像生成装置を含む画像読取システムの全体構成例を概略的に示す図である。
図11図11は、第3の実施形態に係る画像生成装置を含む画像読取システムの全体構成例を概略的に示す図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る画像生成装置の構成例を示すブロック図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る画像生成装置がラインスキャナを用いて移動体全体の画像を生成する画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
図14図14は、第4の実施形態に係る画像生成装置を含む画像読取システムの全体構成例を概略的に示す図である。
図15図15(a)は、第4の実施形態に係る画像読取システムにおける形状センサによる形状基準部の検知結果の例に示す図である。図15(b)は、図15(a)に示す形状センサの検知結果に対応する移動体の移動速度の例を示す図である。
図16図16は、第4の実施形態に係る画像生成装置の構成例を示すブロック図である。
図17図17は、第4の実施形態に係る画像読取システムにおける移動体の構成例を示すブロック図である。
図18図18は、第4の実施形態に係る画像生成装置がラインスキャナを用いて移動体全体の画像を生成する画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
図19図19は、第5の実施形態に係る画像生成装置を含む画像読取システムの全体構成例を概略的に示す図である。
図20図20(a)は、第5の実施形態に係る画像読取システムにおけるイメージセンサによる基準画像部の読取結果の例に示す図である。図20(b)は、図20(a)に示すイメージセンサの読取結果に対応する移動体の移動速度の例を示す図である。
図21図21は、第5の実施形態に係る画像生成装置の構成例を示すブロック図である。
図22図22は、第5の実施形態に係る画像読取システムにおける移動体の構成例を示すブロック図である。
図23図23は、第5の実施形態に係る画像生成装置がラインスキャナを用いて移動体全体の画像を生成する画像生成処理を説明するためのフローチャートである。
図24図24は、第5の実施形態の変形例に係る画像生成装置を含む画像読取システムの全体構成例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、各実施形態に係る画像生成装置を有する画像読取システム1について概略的に説明する。
図1および図2は、各実施形態に係る画像読取システム1の基本的な構成を概略的に示す図である。図1は、物品Pを載せて移動する移動体6を上方から見た図であり、図2は、物品Pを載せて移動する移動体6を側方から見た図である。
【0009】
各実施形態に係る画像読取システム1は、基本的な構成として、ラインスキャナ2、フレーム3、センサ4、および、画像生成装置5および移動体6を有する。
ラインスキャナ2は、ラインセンサ2a、制御部および入出力インターフェースなどにより構成される。ラインセンサ2aは、1ライン(又は数ライン)分の画素情報(以下、ライン情報とも称する)を読み取る。ラインセンサ2aは、所定方向に並べた複数の光電変換素子を有する。ラインセンサ2aを構成する各光電変換素子は、1ライン分の各画素に対応し、入力する光を電子信号に変換して出力する。ラインセンサ2aは、所定方向に並べた複数の光電変換素子が出力する電気信号を所定方向に並べた画素情報であるライン情報を出力する。
【0010】
ラインスキャナ2の入出力インターフェースは、外部装置としての画像生成装置5と接続するためのインターフェースであり、ラインセンサ2aが取得したライン情報を画像生成装置5へ出力する。また、入出力インターフェースは、画像生成装置5からの撮影用パルスを受信する。ラインスキャナ2の制御部は、ラインスキャナ2を制御するものであり、ラインセンサ2aを駆動させる駆動回路を含む。駆動回路は、画像生成装置5からの撮影用パルスに応じてラインセンサ2aを駆動させる。
【0011】
フレーム3は、ラインスキャナ2が設置される。フレーム3は、ラインセンサ2aが所定の読取位置となるようにラインスキャナ2を保持する。また、フレーム3は、ラインスキャナ2を保持すると共に、ラインセンサ2aによる読取位置を移動体6が所定の移動方向へ移動できるように形成される。
【0012】
移動体6は、自律走行する。移動体6は、自律走行によってフレーム3に保持されるラインスキャナ2が備えるラインセンサ2aの読取位置を通過する。また、移動体6は、物品Pを搭載可能な筐体を有する。例えば、移動体6は、遠隔制御装置と通信する機能を有し、遠隔制御装置からの制御指示に応じて物品Pを載せた状態でラインセンサ2aの読取位置を含む走行ルートを自律走行する。
【0013】
センサ4は、移動体6を検知するセンサである。センサ4は、所定の検知位置において移動体の有無を検知する。センサ4は、ラインセンサ2aの読取位置又は読取位置の近傍における移動体6の有無を検知する。これにより、センサ4は、所定の移動方向へ移動する移動体6がラインセンサ2aの読取位置に達したことを検知する。また、センサ4は、読取位置で検知されていた移動体6が検知されなくなったことにより移動体6が読取位置を通過したことも検知する。
【0014】
画像生成装置5は、ラインスキャナ2が出力するライン情報から移動体6全体の画像を生成する。画像生成装置5は、ラインスキャナ2が出力する画像情報を取得できるように設置されるものであれば良い。例えば、画像生成装置5は、ラインスキャナ2と接続された状態でフレーム3に取り付ける。また、画像生成装置5は、ラインスキャナ2と一体的に構成されるものであっても良いし、フレーム3とは離れた場所に設置しても良い。
【0015】
画像生成装置5は、ラインスキャナ2が出力するライン情報を順次取得する。また、画像生成装置5は、後述する種々の手法によってラインセンサ2aの読取位置を通過するときの移動体6の移動速度を特定する。画像生成装置5は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で取得するライン情報を移動体6の移動速度に応じた間隔で繋ぎあわせることにより移動体6全体の画像を含む2次元の画像情報を生成する。
【0016】
次に、各実施形態に係る画像読取システム1における画像生成装置5の構成例について説明する。
図3は、各実施形態に係る画像読取システム1における画像生成装置5の基本構成例を説明するための図である。
図3に示す構成例において、画像生成装置5は、プロセッサ31、記憶部32、通信部33、スキャナI/F34、および、センサI/F35を有する。
【0017】
プロセッサ31は、演算処理を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ31は、記憶部32に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。例えば、プロセッサ31は、移動体6がラインセンサ2aの読取位置を通過する間にラインスキャナ2が順次出力する1ライン(又は数ライン)分の画像情報(ライン情報)を移動体6の移動速度に応じて繋ぎ合わせることにより移動体6全体の画像を生成する。
【0018】
記憶部32は、ROM、RAM、書き換え可能な不揮発メモリなどの記憶デバイスにより構成される。記憶部32のROMは、読み出し専用の不揮発性メモリである。記憶部32のROMは、プログラムのデータおよび制御データなどを記憶する。記憶部32のRAMは、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリであり、データを一時的に記憶する。記憶部32の書き換え可能な不揮発性メモリは、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などにより構成される。記憶部32の不揮発性メモリは、プログラムのデータおよび設定データなどの情報を記憶する。
【0019】
通信部33は、外部装置と通信する通信インターフェースである。例えば、移動体6と通信する運用形態とする場合、通信部33は、移動体6が備える通信インターフェースに対応するインターフェースを含むものとする。
【0020】
スキャナI/F34は、ラインスキャナ2に接続するためのインターフェースである。スキャナI/F34は、ラインスキャナ2が備えるインターフェースに対応するインターフェースで構成する。スキャナI/F34は、ラインスキャナ2に有線又は無線で接続する。スキャナI/F34は、ラインスキャナ2が取得するライン情報を順次入力する。また、スキャナI/F34は、ラインスキャナ2に制御信号などを供給する。
【0021】
センサI/F35は、センサ4に接続するためのインターフェースである。センサI/F35は、センサ4が備えるインターフェースに対応するインターフェースで構成する。センサI/F35は、有線又は無線でセンサ4に接続する。センサI/F35は、センサ4が検知した検知信号を取得する。
【0022】
次に、各実施形態に係る画像読取システム1における移動体6の基本構成について説明する。
図4は、各実施形態に係る画像読取システム1による撮影対象となる移動体6又は撮影対象となる物体を搭載する移動体6の基本的な構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、移動体6は、プロセッサ41、記憶部42、通信部43、駆動制御部44、および、駆動機構45などを有する。
【0023】
プロセッサ41は、移動体6全体の制御および演算処理などを実行する。プロセッサ41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ41は、記憶部42に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実行する処理部として機能する。
【0024】
記憶部42は、ROM、RAM、書き換え可能な不揮発メモリなどの種々の記憶デバイスにより構成される。記憶部42のROMは、読み出し専用の不揮発性メモリである。記憶部42のROMは、プログラムのデータおよび制御データなどを記憶する。記憶部42のRAMは、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリであり、データを一時的に記憶する。記憶部42の書き換え可能な不揮発性メモリは、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などにより構成される。記憶部42の書き換え可能な不揮発性メモリは、プログラム、および、各種の設定情報などの情報を記憶する。
【0025】
通信部43は、画像生成装置5などの外部装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、画像生成装置5と通信する形態とする場合、通信部43は、画像生成装置5が備える通信インターフェースに対応するインターフェースを含むものとする。
【0026】
駆動制御部44は、駆動機構45の動作を制御する。また、駆動制御部44は、プロセッサ41からの指示に応じて駆動機構45を駆動させることにより移動体6を動作させる。駆動制御部44は、例えば、駆動機構45を駆動させる駆動回路などを含む。
【0027】
駆動機構45は、移動体6を動作させるための機構である。駆動機構45は、例えば、移動体6のタイヤに接続するモータを有する。駆動機構45のモータは、駆動制御部44からの制御指示に応じて駆動することにより移動体6を移動させる。
【0028】
次に、各実施形態に係る画像読取システム1においてラインスキャナ2が読み取るライン情報により移動体6の画像を生成する処理について説明する。
図5は、各実施形態に係る画像読取システム1においてラインスキャナ2が読み取るライン情報により移動体6の画像を生成する処理を概略的に説明するための図である。
ここで、移動体6は、ラインセンサ2aの読取位置を通過するように自律走行するものとする。図5に示す例では、移動する移動体6の位置(時刻)ごとに、ラインスキャナ2の駆動信号としての撮影用パルスとラインスキャナ2が取得するライン情報の推移とを例示する。
【0029】
まず、図5に示す例において、「時刻A」では、移動体6が読取位置に達していない状態であるため、センサ4は移動体6を検知していない。この場合、撮影用パルスがオフ(Low)となるため、ラインスキャナ2はライン情報を出力しない。
「時刻B」では、移動体6が読取位置(センサ4の検知位置)に達するため、センサ4は移動体6を検知する。センサ4が移動体6を検知すると、撮影用パルスは、オン(Hi)となる。撮影用パルスがオンになると、ラインスキャナ2はラインセンサ2aを駆動させ、ラインセンサ2aが読取位置で撮像する画像情報であるライン情報を出力する。ラインスキャナ2は、撮影用パルスがオンとなっている間、所定の読取周期でラインセンサ2aが読み取るライン情報を出力する。
【0030】
「時刻C」では、移動体6が読取位置(センサ4の検知位置)に存在しているため、センサ4は移動体6を検知したことを出力する。撮影用パルスは、センサ4が移動体6を検知し続けているためオンのままとなる。撮影用パルスがオンとなっている間(センサ4が移動体を検知している間)、ラインスキャナ2は、読取位置を通過中の移動体6を撮像したライン情報を所定の読取周期で出力し続ける。従って、画像生成装置5は、時刻Cまでにラインスキャナ2が出力したライン情報を結合させることにより、ラインセンサ2aの読取位置を通過した部分の移動体6の画像を生成する。
【0031】
「時刻Z」では、移動体6が読取位置(センサ4の検知位置)から離れるため、センサ4は移動体6がないことを示す検知信号を出力する。センサ4がオフとなると、撮影用パルスはオフ(Low)になる。撮影用パルスがオフになると、ラインスキャナ2はライン情報の出力を停止する。センサ4が移動体6を検知したときから検知しなくなるまでの間で撮影パルスがオンであるため、ラインスキャナ2は、移動体6を検知したときから検知しなくなるまでの間(移動体6が読取位置を通過する間)のライン情報を所定の読取周期で出力する。従って、時刻Zの時点において、画像生成装置5は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取ったライン情報を結合することにより読取位置を完全に通過した移動体6全体の画像を生成する。
【0032】
ただし、画像生成装置5は、移動体6の移動速度が不定であると、歪みがない移動体6の画像を生成することが困難になる。仮に、画像生成装置5が読取周期のライン情報を一定の間隔で結合する場合、移動体6の移動速度が変動すると、画像生成装置5が生成する移動体の画像には歪みが生じる。例えば、一定の間隔でライン情報を結合した画像は、読取位置を通過中に移動体の速度が遅くなった区間で単位時間当たりのライン情報が多くなるため移動方向に対して間延び(拡大)したような画像となる。また、一定の間隔でライン情報を結合した画像は、読取位置を通過中に移動体の速度が速くなった区間で単位時間当たりのライン情報が少なくなるため移動方向に対して縮小したような画像となる。
【0033】
このため、各実施形態に係る画像読取システムにおける画像生成装置5は、ラインセンサ2aの読取位置を通過中の移動体の移動速度を特定し、移動体6の移動速度に応じてラインスキャナ2が所定の読取間隔で読み取ったライン情報を結合させることにより移動体6全体(移動体6と移動体6に搭載した物品の画像)の画像を生成する。
以下、第1~5の実施形態として、移動体の移動速度を種々の方法で特定し、ラインスキャナ2が読取位置において所定の読取周期で読み取るライン情報から移動体全体又は移動体に搭載した物品の画像を生成する画像読取システムについて説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態に係る画像読取システム1は、上述した構成を備えるラインスキャナ2、センサ4、画像生成装置5および移動体6により実現される。第1の実施形態に係る画像読取システム1において、画像生成装置5は上述した図3に示す構成を備え、移動体6は上述した図4に示す構成を備えるものとする。
【0035】
第1の実施形態に係る画像読取システム1において、移動体6は、ラインセンサ2aの読取位置を通過するときの移動速度の設定値を記憶部42に記憶しておく。第1の実施形態に係る移動体6は、記憶部42に記憶した設定値に基づく移動速度で移動(自律方向)し、ラインセンサ2aの読取位置を設定値の移動速度(規定速度)で通過することを前提する。
【0036】
例えば、移動体6のプロセッサ41は、記憶部42に記憶した設定値(規定速度)で移動体6全体がラインセンサ2aの読取位置を通過するように駆動制御部44に指示する。駆動制御部44は、ラインセンサ2aの読取位置を通過するときに移動体6を規定速度で移動させるように駆動機構45を制御する。これにより、移動体6は、ラインセンサ2aの読取位置を通過中において設定値に基づく移動速度で移動する。
【0037】
また、第1の実施形態に係る画像生成装置5は、移動体6が読取位置を通過するときの移動速度の設定値を記憶部32に記憶しておく。画像生成装置5のプロセッサ31は、記憶部32が記憶する設定値により移動体6がラインセンサ2aの読取位置を通過するときの移動速度を特定する。画像生成装置5のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取るライン情報を設定値から特定する移動速度に基づいて結合することにより移動体6全体の画像を生成する。
【0038】
次に、第1の実施形態に係る画像読取システム1の画像生成装置5による画像生成処理(第1の画像生成処理)について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る画像読取システム1の画像生成装置5による画像生成処理(第1の画像生成処理)の動作例を説明するためのフローチャートである。
画像生成装置5のプロセッサ31は、センサ4の検知信号を監視することにより、移動体6が読取位置に達したか(移動体6を読取位置で検知したか)否かを判定する(ステップST11)。
【0039】
画像生成装置5のプロセッサ31は、センサ4の検知信号により移動体6を読取位置で検知した場合(ステップST11、YES)、ラインスキャナ2に対してライン情報の取得を指示する撮影用パルスをオンにする(ステップST12)。撮影用パルスがオンになると、ラインスキャナ2は、ラインセンサ2aが所定の読取周期で読み取る読取位置のライン情報を画像生成装置5へ出力する。これにより、画像生成装置5のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンしている間、スキャナインターフェース34によりラインスキャナ2が所定の読取周期で出力するライン情報を取得する(ステップST13)。
【0040】
画像生成装置5のプロセッサ31は、ラインスキャナ2からライン情報を取得すると、記憶部32に記憶する設定値から特定する移動体6の移動速度に基づいて所定の読取周期で取得するライン情報を結合させる(ステップST15)。移動体6が読取位置を通過中にラインセンサ2aが読取周期で読み取ったライン情報を結合させた画像は、移動体6の画像となる。
【0041】
すなわち、プロセッサ31は、ラインセンサ2aが読取周期で読み取ったライン情報を設定値による移動速度に基づいて結合することにより移動体6の画像(物品Pを搭載した移動体6の上面の画像)を生成する。プロセッサ31は、設定値による移動速度でライン情報を結合した画像を記憶部32に保持する。これにより、画像生成装置5の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で読み取った部分の移動体6の画像が保持される。
【0042】
画像生成装置5のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンした後もセンサ4の検知信号を監視し、移動体6が読取位置を通過したか(移動体6を読取位置で検知されなくなったか)否かを判定する(ステップST16)。画像生成装置5のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過するまでの間、つまり、移動体6が読取位置を通過中である間(ステップST16、NO)、ステップST12-16の処理を繰り返し実行する。
【0043】
画像生成装置5のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過した場合(ステップST16、YES)、撮影用パルスをオフにし(ステップST17)、ラインスキャナ2による移動体6の撮像を終了する。ラインスキャナ2は、移動体6が読取位置に達したときから読取位置を通過するまでの間(撮影用パルスがオンである間)、ラインセンサ2aが所定の読取周期で取得するライン情報を画像生成装置5へ順次出力する。この結果、画像生成装置5は、ラインスキャナ2が移動体6全体を所定の読取間隔でスキャンしたライン情報を取得することになる。
【0044】
画像生成装置5のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過するまでの間にラインスキャナ2から読取周期で取得するライン情報を移動体6の移動速度の設定値に基づいて結合する処理を繰り返し実行する。これにより、画像生成装置5は、ラインスキャナ2が読取位置で撮像したライン情報を移動体6の移動速度に応じて結合した移動体6全体の画像を生成でき、生成した移動体6全体の画像を記憶部32に保持できる。
【0045】
なお、画像生成装置5のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過する間にラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取るライン情報を記憶部32に蓄積しておき、任意のタイミングで移動体6の画像を生成するようにしても良い。この場合、プロセッサ31は、記憶部32に蓄積した読取周期の複数のライン情報を設定値から特定する移動体6の移動速度に基づいて結合することにより移動体6全体の画像を生成するようにしても良い。
【0046】
以上のように、第1の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、設定値により移動体の移動速度を特定し、移動体がラインスキャナの読取位置を通過する間にラインスキャナが所定の読取周期で取得する複数のライン情報を所定の設定値により特定した移動速度に基づいて結合した画像を生成する。これにより、第1の実施形態に係る画像生成装置は、移動体がラインスキャナの読取位置を通過する間における移動体の移動速度を設定値から特定することができ、ラインスキャナが所定の読取周期で取得するライン情報から移動体全体や移動体に載せた物品の画像を生成することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態に係る画像読取システム12における画像生成装置52の構成例を示すブロック図である。
第2の実施形態に係る画像読取システム12は、上述した画像生成装置5の基本構成を備える画像生成装置52と上述した移動体6の基本構成を備える移動体62とにより構成される。第2の実施形態に係る画像読取システム12は、移動体62における内部時刻とライン情報の取得時刻とを同期させることにより、移動体62自身が計測する移動速度からライン情報を取得したときの移動体62の移動速度を特定する。
【0048】
図7に示すように、第2の実施形態に係る画像読取システム12における画像生成装置52は、図3に示す画像生成装置5の構成に加えてクロック36を有する。なお、図7に示す構成例において、プロセッサ31、記憶部32、通信部33、スキャナインターフェース34およびセンサインターフェース35は、上述した図3に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0049】
クロック36は、標準時刻を基準とする時刻を計時する。クロック36は、ラインスキャナ2がライン情報を取得した時刻として用いられる時刻情報を示すものであれば良い。ここで、画像生成装置52には、ラインスキャナ2からライン情報がリアルタイムに入力されるものとし、ラインスキャナ2からライン情報を入力したときにクロック36が計時する時刻をライン情報の取得時刻とする。なお、ラインスキャナ2が時刻を計時するクロックを備え、画像生成装置52は、ラインスキャナ2からライン情報と共にライン情報の取得時刻を示す情報を取得する構成としても良い。
【0050】
図8は、第2の実施形態に係る画像読取システム12における移動体62の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係る画像読取システム12における移動体62は、図4に示す移動体6の構成に加えてクロック46と速度計測部47とを有する。なお、図8に示す構成例において、プロセッサ41、記憶部42、通信部43、駆動制御部44、駆動機構45は、上述した図4に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0051】
クロック46は、標準時刻を基準となる時刻を計時する。速度計測部47は、移動体62自身の移動速度を計測する。速度計測部47は、移動体62がラインセンサ2aの読取位置を通過する場合に移動体62自身の移動速度を計測するものであれば良い。速度計測部47は、例えば、駆動機構45において移動体62の車輪を回転させるモータの回転数などから移動体62の移動速度を計測するものであっても良い。
【0052】
また、図7に示す構成例において、移動体62のプロセッサ41は、速度計測部47が計測する移動速度を示す情報とクロック46が計時する時刻を示す時刻情報とを紐づけて通信部43により画像生成装置52へ供給する機能を有する。つまり、プロセッサ41は、速度計測部47が計測する移動速度とその移動速度を計測した時刻とを紐づけた情報を画像生成装置52へ供給する。
【0053】
次に、第2の実施形態に係る画像読取システム12における画像生成処理(第2の画像生成処理)について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る画像読取システム12における画像生成処理(第2の画像生成処理)の動作例を説明するためのフローチャートである。
画像生成装置52のプロセッサ31は、センサ4の検知信号を監視することにより、移動体6が読取位置に達したか(移動体6を読取位置で検知したか)否かを判定する(ステップST21)。
【0054】
画像生成装置52のプロセッサ31は、センサ4の検知信号により移動体6を読取位置で検知した場合(ステップST21、YES)、ラインスキャナ2に対してライン情報の取得を指示する撮影用パルスをオンにする(ステップST22)。撮影用パルスがオンになると、ラインスキャナ2は、所定の読取周期で読取位置のライン情報をラインセンサ2aにより取得し、取得したライン情報を画像生成装置52へ出力する。
【0055】
画像生成装置52のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンしている間、通信部33により移動体62から移動速度と移動速度の計測時刻を示す時刻情報とを取得する(ステップST23)。移動体62のプロセッサ41は、ラインセンサ2aの読取位置を通過中、速度計測部47により自身の移動速度を計測し、速度計測部47が計測する移動速度とクロック46が計時する時刻(移動速度の計測時刻)とを紐づけた情報を通信部43により画像生成装置52へ供給する。例えば、画像生成装置52のプロセッサ31は、移動体62を読取位置で検知した際に通信部33により移動体62に移動速度の計測開始を要求することにより、読取位置を通過中の移動体62から移動速度と移動速度の計測時刻とを取得するようにしても良い。
【0056】
画像生成装置52のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンしている間、スキャナインターフェース34によりラインスキャナ2が所定の読取周期で出力するライン情報を取得する(ステップST24)。画像生成装置52のプロセッサ31は、ラインスキャナ2からライン情報を取得すると、クロック36が計時する時刻によりライン情報の取得時刻を特定する。プロセッサ31は、ライン情報の取得時刻と移動体62から取得する移動速度の計測時刻とを同期させることにより、ライン情報を取得した時刻に移動体62が計測した移動速度を特定する(ステップST25)。
【0057】
画像生成装置52のプロセッサ31は、ライン情報を取得した時刻の移動速度を特定すると、特定した移動体62の移動速度に基づいて読取周期で取得するライン情報を結合させる(ステップST26)。プロセッサ31は、移動体62の移動速度に基づいてライン情報を結合させることにより生成した移動体62の画像を記憶部32に保持する。これにより、画像生成装置5の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で読み取った部分の移動体6の画像が保持される。
【0058】
画像生成装置52のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンした後もセンサ4の検知信号を監視し、移動体62が読取位置を通過したか(移動体62を読取位置で検知されなくなったか)否かを判定する(ステップST27)。画像生成装置52のプロセッサ31は、移動体62が読取位置を通過するまでの間、つまり、移動体62が読取位置を通過中である間(ステップST27、NO)、ステップST23-27の処理を繰り返し実行する。
【0059】
画像生成装置52のプロセッサ31は、移動体62が読取位置を通過した場合(ステップST27、YES)、撮影用パルスをオフにし(ステップST28)、ラインスキャナ2による移動体62の撮像を終了する。ラインスキャナ2は、移動体62が読取位置に達したときから読取位置を通過するまでの間、所定の読取周期でラインセンサ2aが撮像するライン情報を画像生成装置52へ出力する。これにより、画像生成装置52は、移動体62自身が計測する移動速度で読取位置を通過した移動体6全体をラインスキャナ2が所定の読取間隔でスキャンしたライン情報を取得することになる。
【0060】
画像生成装置52のプロセッサ31は、移動体が読取位置を通過するまでの間、ラインスキャナ2から読取周期で取得するライン情報をライン情報の取得時刻で特定する移動体62の移動速度に基づいて結合する処理を繰り返し実行する。これにより、画像生成装置52のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で撮像するライン情報を移動体の移動速度に応じて結合させることにより移動体62全体の画像を形成(生成)するこができる。この結果、画像生成装置52の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で撮像したライン情報から形成(生成)した移動体62全体の画像が保持される。
【0061】
なお、画像生成装置52のプロセッサ31は、移動体62から取得する移動速度とその移動速度を計測時刻とを紐づけた情報と、ラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取るライン情報とそのライン情報の取得時刻とを紐づけた情報と、を記憶部32に蓄積しておくようにしても良い。この場合、画像生成装置52のプロセッサ31は、任意のタイミングで記憶部32に蓄積した情報に基づいてライン情報を取得したときの移動速度を特定し、移動体62の移動速度に基づいて読取周期のライン情報を結合させることにより移動体6全体の画像を生成するようにしても良い。
【0062】
以上のように、第2の実施形態に係る画像読取システムによれば、移動体は、時刻を計時するクロックと移動速度を計測する速度計測部とを有する。移動体は、計測した移動速度と移動速度の計測時刻とを紐づけた情報を画像生成装置へ供給する。画像生成装置は、ラインスキャナから取得するライン情報の取得時刻と移動速度の計測時刻とを同期させることによりライン情報を取得したときの移動体の移動速度を特定する。画像生成装置は、移動体がラインスキャナの読取位置を通過する間、特定する移動速度に基づいてラインスキャナが読取周期で取得する複数のライン情報を結合させた画像を生成する。
【0063】
これにより、第2の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、移動体が計測する移動速度に基づいてラインスキャナが所定の読取周期で取得するライン情報を結合した歪みが少ない移動体全体の画像や移動体に搭載した物品の画像を生成できる。
【0064】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図10および図11は、第3の実施形態に係る画像読取システム13の構成を概略的に示す図である。図10は、物品Pを載せて移動する移動体6を上方から見た図であり、図11は、物品Pを載せて移動する移動体6を側方から見た図である。
第3の実施形態に係る画像読取システム13は、上述した画像生成装置5の基本構成を備える画像生成装置53(図12参照)と上述した図4の基本構成を備える移動体6と速度計測センサ71とにより構成される。第3の実施形態に係る画像読取システム13は、移動体6の移動速度を速度計測センサ71の検知信号により実測し、実測した移動体6の移動速度を画像生成装置53が取得できるようにした構成である。
【0065】
図10および図11に示すように、第3の実施形態に係る画像読取システム13は、ラインスキャナ2、フレーム3、センサ4、画像生成装置53、および、速度計測センサ71を有する。図10および図11に示す画像読取システム13において、ラインスキャナ2、フレーム3およびセンサ4は、図1および図2に示す画像読取システム1と同様に構成されるものであるため、詳細な説明を省略するものとする。
【0066】
速度計測センサ71は、移動体の速度を特定するための情報を検知するセンサ(検知手段)の一例である。速度計測センサ71は、ラインセンサ2aの読取位置を通過している移動体6の移動速度を示す情報を検知できる場所に設置される。図10および図11に示す構成例において、速度計測センサ71は、床面に設置され、移動体6における特定位置に対する距離の変化を検知することにより読取位置を通過中の移動体6の移動速度を示す情報を検知する。
【0067】
なお、速度計測センサ71は、ラインセンサ2aの読取位置を通過している移動体の移動速度を示す情報を検知し、移動体の移動速度の検知結果をリアルタイムに画像生成装置53へ供給できるものであれば良い。つまり、速度計測センサ71は、設置位置が床面に限定されるものではないし、移動体6の筐体に対する距離の変化で移動速度を検知するものに限定されるものでもない。
【0068】
図12は、第3の実施形態に係る画像読取システム13における画像生成装置53の構成例を示すブロック図である。
図12に示すように、第3の実施形態に係る画像読取システム13における画像生成装置53は、図3に示す画像生成装置5の構成に加えて速度計測センサ用のセンサインターフェース(I/F)37を有する。なお、図12に示す構成例において、プロセッサ31、記憶部32、通信部33、スキャナインターフェース34およびセンサインターフェース35は、上述した図3に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0069】
センサインターフェース(第2のセンサインターフェース)37は、速度計測センサ71に接続する。センサインターフェース37は、速度計測センサ71が検知する移動体6の移動速度を示す検知信号(例えば、移動体6との距離を示す信号)を取得するインターフェースとして機能する。画像生成装置53のプロセッサ31は、速度計測センサ71が検知する検知信号に基づいて移動体6の移動速度を判定する。また、速度計測センサ71は、移動体6の移動速度を計測するものであっても良い。この場合、センサインターフェース37は、速度計測センサ71による移動体6の移動速度の計測結果を取得する。
【0070】
次に、第3の実施形態に係る画像読取システム13における画像生成処理(第3の画像生成処理)について説明する。
図13は、第3の実施形態に係る画像読取システム13の画像生成装置53による画像生成処理(第3の画像生成処理)の動作例を説明するためのフローチャートである。
画像生成装置53のプロセッサ31は、センサ4の検知信号を監視することにより、移動体6が読取位置に達したか(移動体6を読取位置で検知したか)否かを判定する(ステップST31)。
【0071】
画像生成装置53のプロセッサ31は、センサ4の検知信号により移動体6を読取位置で検知した場合(ステップST31、YES)、ラインスキャナ2に対してライン情報の取得を指示する撮影用パルスをオンにする(ステップST32)。撮影用パルスがオンになると、ラインスキャナ2は、所定の読取周期で読取位置のライン情報をラインセンサ2aにより取得し、取得したライン情報を画像生成装置53へ出力する。
【0072】
画像生成装置52のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンしている間、スキャナインターフェース34によりラインスキャナ2が所定の読取周期で出力するライン情報を取得する(ステップST33)。
【0073】
画像生成装置53のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取ったライン情報を取得すると共に、センサインターフェース37により速度計測センサ71が検知する移動体6の速度を示す検知信号を取得する(ステップST34)。プロセッサ31は、速度計測センサ71から取得する検知信号により移動体6の移動速度を特定する。なお、プロセッサ31は、速度計測センサ71が移動体6の移動速度を実測した結果を取得するようにしても良い。
【0074】
画像生成装置53のプロセッサ31は、ラインスキャナ2がライン情報を取得したときの移動速度を速度計測センサ71からの情報により特定すると、特定した移動体6の移動速度に基づいて読取周期のライン情報を結合させる(ステップST35)。プロセッサ31は、移動体6の移動速度に基づいて読取周期のライン情報を結合することにより生成した移動体6の画像を記憶部32に保持する。これにより、画像生成装置53の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で読み取った部分の移動体6の画像が保持される。
【0075】
また、画像生成装置53のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンした後もセンサ4の検知信号を監視し、移動体6が読取位置を通過したか(移動体6を読取位置で検知されなくなったか)否かを判定する(ステップST36)。画像生成装置53のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過するまでの間、つまり、移動体6が読取位置を通過中である間(ステップST36、NO)、ステップST33-36の処理を繰り返し実行する。
【0076】
画像生成装置53のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過した場合(ステップST36、YES)、撮影用パルスをオフにし(ステップST37)、ラインスキャナ2による移動体6の撮像を終了する。ラインスキャナ2は、移動体6が読取位置に達したときから読取位置を通過するまでの間、所定の読取周期でラインセンサ2aが撮像するライン情報を画像生成装置52へ出力する。これにより、画像生成装置53は、速度計測センサ71が検知する移動速度で読取位置を通過した移動体6全体を所定の読取間隔でスキャンしたライン情報を取得することになる。
【0077】
画像生成装置53のプロセッサ31は、移動体6が読取位置を通過するまでの間、ラインスキャナ2が読取周期で取得するライン情報を速度計測センサ71で検知した移動体6の移動速度に基づいて結合する処理を繰り返し実行する。これにより、画像生成装置53のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で撮像するライン情報を速度計測センサ71で検知した移動体6の実測の移動速度に応じて結合させることにより移動体6全体の画像を形成(生成)することができる。この結果、画像生成装置5の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で撮像したライン情報から形成(生成)した移動体6全体の画像が保持される。
【0078】
なお、画像生成装置53のプロセッサ31は、所定の読取周期でラインスキャナ2から取得するライン情報と各ライン情報を取得したときに速度計測センサ71からの情報で特定する移動体の実測の移動速度とを紐づけて記憶部32に蓄積しておくようにしても良い。この場合、画像生成装置53のプロセッサ31は、任意のタイミングで記憶部32に蓄積した情報に基づいて移動体6の実測の移動速度に基づいて読取周期おライン情報を結合することにより移動体6全体の画像を生成するようにしても良い。
【0079】
以上のように、第3の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、移動体の移動速度を検知する速度計測センサに接続する。画像生成装置は、速度計測センサの検知結果によりライン情報を取得したときの移動体の移動速度を特定する。画像生成装置は、移動体がラインスキャナの読取位置を通過する間、速度計測センサが検知するライン情報を取得したときの移動体の移動速度に基づいてラインスキャナが読み取る複数のライン情報を結合させた画像を生成する。これにより、第3の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、速度計測センサが実際に移動している移動体を検知することにより得られる移動体の移動速度に基づいてラインスキャナが所定の読取周期で取得するライン情報を結合させた移動体全体の画像を生成することができる。
【0080】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
図14は、第4の実施形態に係る画像読取システム14の構成を概略的に示す図である。図14は、物品Pを載せて移動する移動体6を上方から見た図である。
第4の実施形態に係る画像読取システム14は、上述した画像生成装置5の基本構成を備える画像生成装置54(図16参照)と上述した移動体6の基本構成を備える移動体64(図17参照)と形状センサ81とにより構成される。第4の実施形態に係る画像読取システム14は、移動体64に取り付けた形状基準部(形状パターン)82を所定位置に設置した形状センサ81を用いて検知し、形状センサ81による形状基準部82の検知結果に基づいて移動体64の移動速度を特定する。
【0081】
図14に示すように、第4の実施形態に係る画像読取システム14は、ラインスキャナ2、フレーム3、センサ4、画像生成装置54、移動体64、および、形状センサ81を有する。図10および図11に示す画像読取システム13において、ラインスキャナ2、フレーム3およびセンサ4は、図1および図2に示す画像読取システム1と同様に構成されるものであるため、詳細な説明を省略するものとする。
【0082】
移動体64は、形状基準部82が設けられる。形状基準部82は、移動体64の移動速度を計測するための所定の形状パターンで構成する。形状基準部82は、移動体64が読取位置を通過中に、形状センサ81によって形状が検知される位置に設けられる。
【0083】
形状センサ81は、検知した形状を示す信号を出力する。形状センサ81は、移動体64がラインセンサ2aの読取位置を通過中に形状基準部82の形状を検知する。形状センサ81は、移動体64の移動速度を特定するための情報を検知するセンサ(検知手段)の一例である。形状センサ81は、移動体64における形状基準部82の形状を検知した検知結果を画像生成装置54へ出力する。
【0084】
図14に示す構成例において、形状基準部82は、移動体64の側面に設けられる。形状センサ81は、ラインセンサ2aの読取位置を通過中の移動体64における形状基準部82がある側面に対向する位置に設けられる。形状センサ81は、所定の形状パターンで形成された形状基準部82までの距離(凹凸)を示す情報(検知信号)を連続的に出力する。このため、形状センサ81が形状基準部82の形状を検知した検知信号は、移動体64の移動速度に応じて変化する信号となる。
【0085】
図15(a)および(b)は、図14に示す形状センサ81による形状基準部82の検知結果とその検知結果に対応する移動体64の移動速度との関係例を示す図である。
図15(a)は、移動中の移動体64に設けた形状基準部82を形状センサ81が検知した検知結果を示す図である。図15(a)は、形状センサ81が検知した信号を横軸に沿って一定間隔で並べた信号の波形を示す。図15(b)は、図15(a)に示す検知結果に対応する移動体64の移動速度を示す図である。なお、図15(a)において、横軸は時間軸であり、縦軸は形状センサ81が検知する凹凸(形状センサ81に対する高さ)を示す。また、図15(b)において、横軸は図15(a)に対応する時間軸であり、縦軸は形状基準部82を設けた移動体64の移動速度を示す。
【0086】
図15(a)に示すように、形状センサ81の検知結果は、時間軸(横軸)において移動体64の移動速度に応じて変倍されたような形状となる。すなわち、形状センサ81は、移動体64の移動速度に応じて形状基準部82の形状パターンを時間軸で変倍したような形状となる検知信号を出力する。図15(a)に示す例において、bc間における形状センサ81の検知結果は、ab間およびcd間における検知結果に比べて、形状基準部82の形状パターンが横軸方向に拡大した形状となっている。これは、図15(b)に示すように、bc間における移動体64の移動速度が、ab間およびcd間における移動体64の移動速度に比べて遅くなっていることを示す。
【0087】
仮に、読取位置を通過する間の移動体64の移動速度が一定であれば、形状センサ81の検知結果は、形状基準部82の形状パターンを一定の割合で横軸方向に変倍又は等倍した形状となる。これに対して、移動体6が読取位置を通過する間に移動速度が遅くなった区間があれば、形状センサ81の検知結果は、移動速度が遅くなった区間で横軸方向に拡大(伸張)したような形状となる。また、移動体6が読取位置を通過する間に移動速度が遅くなった区間があれば、形状センサ81の検知結果は、移動速度が速くなった区間において横軸方向に縮小(圧縮)したような形状となる。
【0088】
これらの関係を用いて、画像生成装置54のプロセッサ31は、読取位置を通過中の移動体64に設けた形状基準部82に対する形状センサ81の検知結果によって、移動体64の移動速度を特定する。例えば、画像生成装置54のプロセッサ31は、形状センサ81が検知する形状基準部82の凸部又は凹部の間隔によって移動体64の移動速度を特定する。また、画像生成装置54のプロセッサ31は、移動体64が基準速度である場合の形状センサ81による形状基準部82の検知結果を基準値として記憶部32に保持しておき、実際の形状センサ81の検知結果と基準値との差異によって移動体64の移動速度を検知するようにしても良い。
【0089】
図16は、第4の実施形態に係る画像読取システム14における画像生成装置54の構成例を示すブロック図である。
図16に示すように、第4の実施形態に係る画像読取システム14における画像生成装置54は、図3に示す画像生成装置5の構成に加えて形状センサ用のセンサインターフェース(I/F)38を有する。なお、図16に示す構成例において、プロセッサ31、記憶部32、通信部33、スキャナインターフェース34およびセンサインターフェース35は、上述した図3に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0090】
センサインターフェース(第2のセンサインターフェース)38は、形状センサ81に接続する。センサインターフェース38は、形状センサ81が検知する移動体64の移動速度を示す検知信号(形状基準部82の検知信号)を取得するインターフェースとして機能する。形状センサ81は、読取位置を通過中の移動体64の側面に設けた形状基準部82の検知結果を出力する。画像生成装置54のプロセッサ31は、形状センサ81による移動体64の形状基準部82の検知信号に基づいて移動体64の移動速度を特定する。
【0091】
図17は、第4の実施形態に係る画像読取システム14における移動体64の構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、第4の実施形態に係る画像読取システム14における移動体64は、図4に示す移動体6に形状基準部82を設けた構成を有する。形状基準部82は、例えば、図14に示すように、移動体64の側面に設けられる。形状基準部82は、移動体が読取位置を通過中に、速度計測用のセンサとしての形状センサ81が検知できる形状パターンを備えるものであれば良い。なお、図17に示す構成例において、プロセッサ41、記憶部42、通信部43、駆動制御部44および駆動機構45は、上述した図4に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0092】
次に、第4の実施形態に係る画像読取システム14の画像生成装置54による画像生成処理(第4の画像生成処理)について説明する。
図18は、第4の実施形態に係る画像生成装置54による画像生成処理(第4の画像生成処理)の動作例を説明するためのフローチャートである。
画像生成装置54のプロセッサ31は、センサ4の検知信号を監視することにより、移動体64が読取位置に達したか(移動体64を読取位置で検知したか)否かを判定する(ステップST41)。
【0093】
画像生成装置54のプロセッサ31は、センサ4の検知信号により移動体64を読取位置で検知した場合(ステップST41、YES)、ラインスキャナ2に対してライン情報の取得を指示する撮影用パルスをオンにする(ステップST42)。撮影用パルスがオンになると、ラインスキャナ2は、所定の読取周期で読取位置のライン情報をラインセンサ2aにより取得し、取得したライン情報を画像生成装置54へ出力する。
【0094】
画像生成装置54のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンしている間、スキャナインターフェース34によりラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取ったライン情報を取得する(ステップST43)。
画像生成装置54のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取ったライン情報を取得すると共に、センサインターフェース38により形状センサ81が移動体64に設けた形状基準部82の形状パターンを検知した結果である検知信号を取得する(ステップST44)。プロセッサ31は、形状センサ81が連続的に検知する検知信号を取得し、それらの検知信号を一定間隔で並べることで図15(a)に示すような形状センサ81による形状基準部82の検知結果を示す波形を取得する。
【0095】
画像生成装置54のプロセッサ31は、形状センサ81による形状基準部82の検知結果を取得すると、形状センサ81が形状基準部82の形状を検知した検知結果に基づいて移動体64の移動速度を特定する(ステップST45)。例えば、プロセッサ31は、上述したように、移動体64の速度によって形状センサ81による形状基準部82の検知結果である波形が変化することを用いて形状センサ81の検知結果から移動体64の移動速度を特定する。
【0096】
画像生成装置54のプロセッサ31は、ラインスキャナ2からライン情報を取得したときの移動速度を形状センサ81の検知結果から特定すると、特定した移動速度とライン情報の読取周期とに基づいて取得したライン情報とそれ以前に取得したライン情報とを結合させる(ステップST46)。プロセッサ31は、取得したライン情報を結合させた画像を記憶部32に保持する。これにより、画像生成装置54の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で読み取った部分の移動体64の画像が保持される。
【0097】
また、画像生成装置54のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンした後もセンサ4の検知信号を監視し、移動体64が読取位置を通過したか(移動体64が読取位置で検知されなくなったか)否かを判定する(ステップST47)。画像生成装置54のプロセッサ31は、移動体64が読取位置を通過するまでの間、つまり、移動体64が読取位置を通過中である間(ステップST47、NO)、ステップST43-47の処理を繰り返し実行する。
【0098】
画像生成装置54のプロセッサ31は、移動体64が読取位置を通過した場合(ステップST47、YES)、撮影用パルスをオフにし(ステップST48)、ラインスキャナ2による移動体64の撮像を終了する。ラインスキャナ2は、移動体64が読取位置に達したときから読取位置を通過するまでの間、所定の読取周期でラインセンサ2aが撮像するライン情報を画像生成装置54へ出力する。これにより、画像生成装置54は、形状センサ81による検知結果から特定する移動速度で読取位置を通過した移動体6全体を所定の読取間隔でスキャンしたライン情報を取得できる。
【0099】
画像生成装置54のプロセッサ31は、移動体64が読取位置を通過するまでの間、ラインスキャナ2が読取周期で取得するライン情報を形状センサ81の検知結果から特定する移動速度に基づいて結合する処理を繰り返し実行する。これにより、画像生成装置54のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で撮像するライン情報を形状センサ81の検知結果から特定した移動速度に応じて結合させることにより移動体6全体の画像を形成(生成)することができる。この結果、画像生成装置54の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で撮像したライン情報から形成(生成)した移動体64全体の画像が保持される。
【0100】
なお、画像生成装置534プロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で取得するライン情報と各ライン情報を取得したときの移動体の移動速度(又は形状センサ81の検知結果)とを紐づけて記憶部32に蓄積しておくようにしても良い。この場合、画像生成装置54のプロセッサ31は、任意のタイミングで記憶部32に蓄積した情報に基づいてライン情報の読取周期と移動体6の移動速度とに応じた間隔で結合させることにより移動体6全体の画像を生成するようにしても良い。
【0101】
以上のように、第4の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、移動体に設けた形状基準部を検知する形状センサに接続する。画像生成装置は、形状センサによる形状基準部の検知結果により移動体の移動速度を特定する。画像生成装置は、移動体がラインスキャナの読取位置を通過する間、形状センサによる形状基準部の検知結果から特定する移動体の移動速度に基づいてラインスキャナから取得するライン情報を結合させた画像を生成する。
【0102】
これにより、第4の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、実際に移動している移動体に設けた形状基準部を形状センサが検知した検知結果から移動体の移動速度を特定でき、特定した移動速度に基づいてラインスキャナが所定の読取周期で取得するライン情報を結合させた歪みが少ない移動体全体又は移動体に搭載した物品の画像を生成することができる。
【0103】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
図19は、第5の実施形態に係る画像読取システム15の構成を概略的に示す図である。図19は、物品Pを載せて移動する移動体65を上方から見た図である。
第5の実施形態に係る画像読取システム15は、上述した画像生成装置5の基本構成を備える画像生成装置55(図21参照)と上述した移動体6の基本構成を備える移動体65(図22参照)とイメージセンサ91とにより構成される。第5の実施形態に係る画像読取システム15は、イメージセンサ91により移動体65に取り付けた基準画像部92の画像を読み取り、イメージセンサ91による基準画像部92の読取結果により移動体65の移動速度を特定する。
【0104】
図19に示すように、第5の実施形態に係る画像読取システム15は、ラインスキャナ2、フレーム3、センサ4、画像生成装置55、移動体65、および、イメージセンサ91を有する。図19に示す画像読取システム15において、ラインスキャナ2、フレーム3およびセンサ4は、図1および図2に示す画像読取システム1と同様に構成されるものであるため、詳細な説明を省略するものとする。
【0105】
移動体65は、基準画像部92が設けられる。基準画像部92は、速度を計測するための所定の画像パターン(基準画像パターン)で構成される。基準画像部92は、移動体65が読取位置を通過中にイメージセンサ91によって画像が読み取られる位置に設けられる。
【0106】
イメージセンサ91は、ライン状の画像情報を読み取るセンサである。イメージセンサ91は、移動体65がラインセンサ2aの読取位置を通過中に基準画像部92の画像(基準画像パターン)を読み取るように構成される。イメージセンサ91は、移動体の速度を特定するための情報を検知するセンサ(検知手段)の一例である。イメージセンサ91は、移動体64における基準画像部92の画像を読み取った読取結果を画像生成装置54へ出力する。
【0107】
図19に示す構成例において、基準画像部92は、移動体65の側面に設けられる。イメージセンサ91は、ラインセンサ2aの読取位置において移動体65の側面を検知するように設ける。例えば、イメージセンサ91は、ラインセンサ2aの読取位置にある移動体65にある基準画像部92の画像を1(又は数)ライン分読み取った画像情報(基準画像のライン情報)を検知結果(読取結果)として出力する。また、基準画像部92の画像(基準画像パターン)は白黒の2値画像として形成し、イメージセンサ91は基準画像部92の画像を2値の画素データとして読み取った結果(検知信号)を出力するようにしても良い。
【0108】
図20(a)および(b)は、図19に示す基準画像部92の画像をイメージセンサ91で読み取った読取結果とその読取結果に対応する移動体65の移動速度とを関係を示す図である。
図20(a)は、移動中の移動体65が備える基準画像部92をイメージセンサ91が読み取った読取結果を示す図である。図20(a)は、イメージセンサ91が読み取ったライン情報を横軸に一定間隔で並べた画像の例を示す。図20(b)は、図20(a)に示す読取結果に対応する移動体65の移動速度を示す図である。なお、図20(a)において、横軸は時間軸である。また、図15(b)において、横軸は図20(a)に対応する時間軸であり、縦軸は基準画像部92を備える移動体65の速度である。
【0109】
イメージセンサ91は、基準画像部92の画像を読み取ったライン情報を出力する。イメージセンサ91の読取結果であるライン情報は、時間軸(横軸)に一定の間隔で並べると、図20(a)に示すように、基準画像部92の画像を時間軸において移動体65の移動速度に応じて変倍したような画像となる。
【0110】
図20(a)に示す例において、bc間におけるイメージセンサ91の読取結果は、ab間およびcd間における読取結果に比べて基準画像部92の画像パターンが横軸方向に拡大した形状となっている。これは、図20(b)に示すように、bc間における移動体65の移動速度が、ab間およびcd間における移動体65の移動速度に比べて遅くなっていることを示す。
【0111】
仮に、ラインセンサ2aの読取位置を通過する間の移動体65の移動速度が一定であれば、イメージセンサ91の読取結果は、基準画像部92の画像パターンを一定の割合で横軸方向に変倍又は等倍した画像となる。これに対して、ラインセンサ2aの読取位置を通過する間に移動速度が遅くなった区間があれば、イメージセンサ91の読取結果は、移動速度が遅くなった区間で横軸方向に拡大(伸張)したような画像となる。また、ラインセンサ2aの読取位置を通過する間に移動速度が速くなった区間があれば、形状センサ81の検知結果は、移動速度が速くなった区間において横軸方向に縮小(圧縮)したような画像となる。
【0112】
これらの関係を用いて、画像生成装置55のプロセッサ31は、ラインセンサ2aの読取位置を通過中の移動体65に設けた基準画像部92の画像パターンをイメージセンサ91が読み取った読取結果によって移動体65の移動速度を特定する。例えば、画像生成装置55のプロセッサ31は、イメージセンサ91による読取結果において基準画像部92の白画像領域又は黒画像領域の横軸方向における間隔によって移動体65の移動速度を特定する。また、画像生成装置55のプロセッサ31は、移動体65が基準速度である場合のイメージセンサ91による基準画像部92の読取結果を基準値として記憶部32に保持しておき、実際のイメージセンサ91による読取結果と基準値との比較によって移動体65の移動速度を検知するようにしても良い。
【0113】
図21は、第5の実施形態に係る画像読取システム15における画像生成装置55の構成例を示すブロック図である。
図21に示すように、第5の実施形態に係る画像読取システム15における画像生成装置55は、図3に示す画像生成装置5の構成に加えて形状センサ用のセンサインターフェース(I/F)39を有する。なお、図21に示す構成例において、プロセッサ31、記憶部32、通信部33、スキャナインターフェース34およびセンサインターフェース35は、上述した図3に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0114】
センサインターフェース(第2のセンサインターフェース)39は、イメージセンサ91に接続する。センサインターフェース39は、移動体65の移動速度を示す画像情報としてイメージセンサ91が基準画像部92を読み取った画像情報を取得するインターフェースとして機能する。イメージセンサ91は、ラインセンサ2aの読取位置を通過中の移動体65の側面に設けた基準画像部92の読取結果を出力する。画像生成装置55のプロセッサ31は、イメージセンサ91が読み取る画像情報に基づいて移動体65の移動速度を特定する。
【0115】
図22は、第5の実施形態に係る画像読取システム15における移動体65の構成例を示すブロック図である。
図22に示すように、第5の実施形態に係る画像読取システム15における移動体65は、図4に示す移動体6に基準画像部92を設けた構成を有する。基準画像部92は、例えば、図19に示すように、移動体65の側面に設けられる。基準画像部92は、移動体65がラインセンサ2aの読取位置を通過中に速度計測用のセンサとしてイメージセンサ91が読み取ることができる画像パターンを備えるものであれば良い。なお、図17に示す構成例において、プロセッサ41、記憶部42、通信部43、駆動制御部44および駆動機構45は、上述した図4に示す構成と同様なもので実現できるため詳細な説明を省略する。
【0116】
次に、第5の実施形態に係る画像読取システム15における画像生成処理(第5の画像生成処理)について説明する。
図23は、第5の実施形態に係る画像読取システム15における画像生成処理(第5の画像生成処理)の動作例を説明するためのフローチャートである。
画像生成装置55のプロセッサ31は、センサ4の検知信号を監視することにより、移動体65が読取位置に達したか(移動体65を読取位置で検知したか)否かを判定する(ステップST51)。
【0117】
画像生成装置55のプロセッサ31は、センサ4の検知信号により移動体65を読取位置で検知した場合(ステップST51、YES)、ラインスキャナ2に対してライン情報の取得を指示する撮影用パルスをオンにする(ステップST52)。撮影用パルスがオンになると、ラインスキャナ2は、所定の読取周期で読取位置のライン情報をラインセンサ2aにより取得し、取得したライン情報を画像生成装置55へ出力する。
【0118】
画像生成装置55のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンしている間、スキャナインターフェース34によりラインスキャナ2が所定の読取周期で読み取ったライン情報を取得する(ステップST53)。
【0119】
また、画像生成装置55のプロセッサ31は、ラインスキャナ2から読取周期でライン情報を取得すると共に、センサインターフェース38によりイメージセンサ91が移動体65に設けた基準画像部92の画像を読み取った結果である画像情報を取得する(ステップST54)。プロセッサ31は、イメージセンサ91が連続的に読み取るライン情報を取得し、それらのライン情報を一定間隔で並べることで図20(a)に示すようなイメージセンサ91による基準画像部92の読取結果となる画像を取得する。
【0120】
画像生成装置55のプロセッサ31は、イメージセンサ91による基準画像部92の検知結果を取得すると、イメージセンサ91による基準画像部92の画像の読取結果に基づいて移動体65の移動速度を特定する(ステップST55)。例えば、プロセッサ31は、上述したように、移動体65の移動速度に応じてイメージセンサ91による基準画像部92の読取結果としての画像が変化することを用いてイメージセンサ91による基準画像部92の読取結果から移動体65の移動速度を特定する。
【0121】
画像生成装置55のプロセッサ31は、ラインスキャナ2からライン情報を取得したときの移動速度を形状センサ81の検知結果から特定すると、特定した移動速度とライン情報の読取周期とに基づいて取得したライン情報とそれ以前に取得したライン情報とを結合させる(ステップST56)。プロセッサ31は、取得したライン情報を結合させた画像を記憶部32に保持する。これにより、画像生成装置55の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で読み取った部分の移動体65の画像が保持される。
【0122】
また、画像生成装置55のプロセッサ31は、撮影用パルスをオンした後もセンサ4の検知信号を監視し、移動体65が読取位置を通過したか(移動体65が読取位置で検知されなくなったか)否かを判定する(ステップST57)。画像生成装置55のプロセッサ31は、移動体65が読取位置を通過するまでの間、つまり、移動体65が読取位置を通過中である間(ステップST57、NO)、ステップST53-57の処理を繰り返し実行する。
【0123】
画像生成装置55のプロセッサ31は、移動体65が読取位置を通過した場合(ステップST57、YES)、撮影用パルスをオフにし(ステップST58)、ラインスキャナ2による移動体65の撮像を終了する。ラインスキャナ2は、移動体65が読取位置に達したときから読取位置を通過するまでの間、所定の読取周期でラインセンサ2aが撮像するライン情報を画像生成装置55へ出力する。これにより、画像生成装置55は、イメージセンサ91による読取結果から特定する移動速度で読取位置を通過した移動体65全体を所定の読取間隔でスキャンしたライン情報を取得できる。
【0124】
画像生成装置55のプロセッサ31は、移動体65が読取位置を通過するまでの間、ラインスキャナ2が読取周期で取得するライン情報をイメージセンサ91による読取結果から特定する移動速度に基づいて結合する処理を繰り返し実行する。これにより、画像生成装置55のプロセッサ31は、ラインスキャナ2が所定の読取周期で撮像するライン情報をイメージセンサ91による読取結果から特定した移動速度に応じて結合させることにより移動体65全体の画像を形成(生成)することができる。この結果、画像生成装置55の記憶部32には、ラインスキャナ2が読取位置で撮像したライン情報から形成(生成)した移動体65全体の画像が保持される。
【0125】
なお、画像生成装置55のプロセッサ31は、所定の読取周期でラインスキャナ2から取得するライン情報と各ライン情報を取得したときの移動体の移動速度(又はイメージセンサ91の読取結果)とを紐づけて記憶部32に蓄積しておくようにしても良い。この場合、画像生成装置55のプロセッサ31は、任意のタイミングで記憶部32に蓄積した情報に基づいてライン情報の読取周期と移動体6の移動速度とに応じた間隔で結合させることにより移動体65全体の画像を生成するようにしても良い。
【0126】
以上のように、第5の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、移動体に設けた基準画像部を読み取るイメージセンサに接続する。画像生成装置は、イメージセンサによる基準画像部の読取結果により移動体の移動速度を特定する。画像生成装置は、移動体がラインスキャナの読取位置を通過する間、イメージセンサによる基準画像部の読取結果から特定する移動体の移動速度に基づいてラインスキャナから取得するライン情報を結合させた画像を生成する。
【0127】
これにより、第5の実施形態に係る画像読取システムによれば、画像生成装置は、実際に移動している移動体に設けた基準画像部をイメージセンサが読み取った読取結果から移動体の移動速度を特定でき、特定した移動速度に基づいてラインスキャナが所定の読取周期で取得するライン情報を結合させた歪みが少ない移動体全体の画像および移動体に搭載した物品の画像を生成することができる。
【0128】
なお、第5の実施形態の変形例としては、ラインスキャナ2のラインセンサ2aが移動体の画像と共に移動体に設置した基準画像部92の画像を読み取る構成しても良い。
図23は、第5の実施形態の変形例に係る画像読取システム15´の構成例を示す図である。
図23に示す構成例によれば、移動体65´は、基準画像部92を移動体65´の筐体の上面に配置する。また、移動体65´は、基準画像部92を配置していない領域に物品Pを載置するものとする。これにより、ラインスキャナ2は、移動体65´の上面に載置した物品Pと基準画像部92とをラインセンサ2aで読み取ることができる。
【0129】
このような第5の実施形態の変形例に係る画像読取システム15´は、図19に示すようなイメージセンサ91を設ける必要がなくなる。また、画像読取システム15´における画像生成装置55´は、第5の実施形態の変形例に係るイメージスキャナ用のセンサインターフェース39を省略した構成で実現することができる。
【0130】
画像生成装置55´は、第5の実施形態で説明した画像生成装置55がイメージセンサ91から取得する基準画像部92の読取結果に代えて、ラインスキャナ2が取得するライン情報から基準画像部92の読取結果を抽出する。この場合、画像生成装置55´のプロセッサ31は、図23に示す動作例におけるステップST54の処理として、ラインスキャナ2が取得するライン情報から基準画像部92の画像領域の画像情報を基準画像部92の読取結果として抽出する処理を実行することにより、上述した図23に示すような画像生成処理(第5の画像生成処理)を実施することができる。
【0131】
以上のように、第5の実施形態の変形例に係る画像読取システムによっても、画像生成装置は、実際に移動している移動体に設けた基準画像部の読取結果をラインセンサが取得するライン情報から抽出し、ライン情報から抽出した基準画像部の読取結果に基づいて移動体の移動速度を特定でき、特定した移動速度に基づいてラインスキャナが所定の読取周期で取得するライン情報を結合させた移動体全体の画像および移動体に搭載した物品の画像を生成することができる。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1、12、13、14、15…画像読取システム、2…ラインスキャナ、2a…ラインセンサ、5、52、53、54、55…画像生成装置、6、62、63、64、65…移動体、31…プロセッサ、32…記憶部、33…通信部、34…スキャナインターフェース、35…センサインターフェース、36…クロック、37…センサインターフェース、38…センサインターフェース、39…センサインターフェース、41…プロセッサ、42…記憶部、43…通信部、44…駆動制御部、45…駆動機構、71…速度計測センサ、81…形状センサ、82…形状基準部、91…イメージセンサ、92…基準画像部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24