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特開2024-146231監視システム、および、アダプタサーバプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146231
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】監視システム、および、アダプタサーバプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
G06F11/30 140A
G06F11/30 155
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059012
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】津崎 貴信
(72)【発明者】
【氏名】張 辰樹
【テーマコード(参考)】
5B042
5K048
【Fターム(参考)】
5B042GC12
5B042MA08
5K048BA34
5K048DA07
5K048EB10
5K048FB08
5K048HA21
(57)【要約】
【課題】 コストをかけずに実現できる監視システムおよびアダプタサーバプログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、監視システムは、監視対象となるデータを収集するコントローラとクラウドサーバとを有する。クラウドサーバは、コントローラが収集するデータを用いたサービスを提供するための処理を実行するアプリケーションサーバとアダプタサーバとを有する。アダプタサーバは、第1のインターフェースとデータ処理部と第2のインターフェースとを有する。第1のインターフェースは、広域ネットワークを介してコントローラと通信する。データ処理部は、第1のインターフェースによりコントローラから受信するデータをファイリングする処理を含むデータ処理を実行する。第2のインターフェースは、データ処理部により処理されたデータをアプリケーションサーバへ送信する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となるデータを収集するコントローラと前記コントローラが収集するデータを処理するクラウドサーバとを有する監視システムにおいて、
前記クラウドサーバは、
前記コントローラが収集するデータを用いたサービスを提供するための処理を実行するアプリケーションサーバとアダプタサーバとを有し、
前記アダプタサーバは、
広域ネットワークを介して前記コントローラと通信するための第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースにより前記コントローラから受信するデータをファイリングする処理を含むデータ処理を実行するデータ処理部と、
前記データ処理部により処理されたデータを前記アプリケーションサーバへ送信する第2のインターフェースと、を有する、
監視システム。
【請求項2】
前記第1のインターフェースは、広域ネットワークを介したデータ通信に用いられる標準化された汎用の通信プロトコルによって前記コントローラからのデータを受信する、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記第2のインターフェースは、前記アプリケーションサーバが備える通信プロトコルに対応する通信プロトコルによって前記データ処理部により処理したデータを前記アプリケーションサーバへ送信する、
請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記データ処理部は、前記コントローラから受信するデータをファイリングするファイリング処理と前記コントローラから受信するデータをリアルタイムで出力する処理とを実行する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項5】
クラウドサービスを提供する物理サーバに、
広域ネットワークを介して監視対象となるデータを収集するコントローラと通信する第1の通信機能と、
前記第1の通信機能により前記コントローラから受信するデータをファイリングする処理を含むデータ処理を実行するデータ処理機能と、
前記データ処理機能により処理されたデータを前記コントローラが収集するデータを用いてサービスを提供するための処理を実行するアプリケーションサーバへ送信する第2の通信機能と、
を実行させるためのアダプタサーバプログラム。
【請求項6】
前記第1の通信機能は、広域ネットワークを介したデータ通信に用いられる標準化された汎用の通信プロトコルによって前記コントローラからのデータを受信する処理を実行する、
請求項5に記載のアダプタサーバプログラム。
【請求項7】
前記第2の通信機能は、前記アプリケーションサーバが備える通信プロトコルに対応する通信プロトコルによって前記データ処理機能により処理したデータを前記アプリケーションサーバへ送信する処理を実行する、
請求項6に記載のアダプタサーバプログラム。
【請求項8】
前記データ処理機能は、前記コントローラから受信するデータをファイリングするファイリング処理と前記コントローラから受信するデータをリアルタイムで出力する処理とを実行する、
請求項5乃至7の何れか1項に記載のアダプタサーバプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視システム、および、アダプタサーバプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道、ビル、ダム、電力などの社会インフラにおける設備の稼働状況などを監視する監視システムがある。近年では、社会インフラにおける設備の稼働状況などを示すデータを様々なデータ処理によって加工した情報をWeb上で閲覧できるようにする監視システムが提案されている。このような監視システムでは、クラウドコンピューティングによってWEB端末で閲覧可能とする情報を生成することが考えられる。
【0003】
従来、中大規模の事業場には、監視対象となる機器などの動作状態を示すデータを収集したり、収集したデータに基づいて機器を制御したりするための監視制御システムが設けられていることが多い。従来の監視制御システムは、事業場に設けた監視制御サーバで集約したデータを広域のネットワークを介してクラウドへ送信することができる。このため、クラウドでWEB端末に表示するデータを生成する監視システムは、事業場に設けた既存の監視制御サーバから広域ネットワークを介してデータを取得する構成とすれば良い。
【0004】
しかしながら、既存の監視制御サーバが設置されていない事業場は、新たに監視制御サーバを設置することが大きな負担となる。また、小規模な事業場によっては、物理的に新たに監視制御サーバを設置するスペースなどの環境が整わないこともあり得る。このため、監視システムを小規模な事業場を含む多くの事業場に広く普及させるためには、コストをかけずに簡易な構成で監視システムを実現できるものが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-228282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたもので、コストをかけずに実現できる監視システムおよびアダプタサーバプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、監視システムは、監視対象となるデータを収集するコントローラとコントローラが収集するデータを処理するクラウドサーバとを有する。クラウドサーバは、監視対象となるデータを用いたサービスを提供するための処理を実行するアプリケーションサーバとアダプタサーバとを有する。アダプタサーバは、第1のインターフェースとデータ処理部と第2のインターフェースとを有する。第1のインターフェースは、広域ネットワークを介してコントローラと通信する。データ処理部は、第1のインターフェースによりコントローラから受信するデータをファイリングする処理を含むデータ処理を実行する。第2のインターフェースは、データ処理部により処理されたデータをアプリケーションサーバへ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る監視システムの全体構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る監視システムにおける第1の構成例を説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る監視システムにおける第2の構成例を説明するための図である。
図4図4は、実施形態に係る監視システムにおける第1の構成例を実現するための各サーバの構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る監視システムにおける第2の構成例を実現するための各サーバの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る監視システム1の全体構成について概略的に説明する。
図1は、実施形態に係る監視システム1における全体構成を概略的に説明するための図である。
監視システム1は、上下水道、ビル、ダム、電力等の社会インフラにおける設備の稼働状況などの情報を提供するシステムである。本実施形態では、監視システムの一例として、上下水道に関する情報を提供するシステムを想定して説明するものする。監視システム1は、機場(事業場)2に設置する装置と各機場向けのクラウドサービスシステム3とにより構成される。
【0010】
図1に示す例において、監視システム1は、監視対象とする設備および機器が設置される機場2(2A、2B、2C)ごとにクラウドサービスシステム33(3A、3B、3C)が設けられる。各機場2には、機場内のセンサなどからデータを収集する複数のコントローラからのデータを集約する監視制御サーバが配置される場合と監視制御サーバを配置せずに複数のコントローラが設置される場合とがあるものとする。
【0011】
各クラウトサービスシステム3は、機場2からのデータを処理する共通な構成を備えるサーバ(アプリケーションサーバ)を有するとともに、対応する機場2に配置される装置に応じたサーバも設けられる場合がある。例えば、機場内の各コントローラからのデータを集約する監視制御サーバを備える機場に対応するクラウドサービスは、広域インターフェースを介して機場の監視制御サーバからのデータをアプリケーションサーバが受信する構成とする。これに対して、監視制御サーバが設置されていない機場に対応するクラウドサービスは、広域インターフェースを介して機場内の各コントローラからのデータを受信するサーバ(アダプタサーバ)を備え、アダプタサーバからアプリケーションサーバへデータを転送する構成とする。
【0012】
次に、実施形態に係る監視システム1における第1の構成例と第2の構成例とについて説明する。
図2は、実施形態に係る監視システム1における第1の構成例を説明するための図である。
図2は、監視システム1の第1の構成例として、機場(事業場)Aに配置される機場側の装置(監視制御システム)2Aと機場Aに対応するクラウドサービスシステム3Aとの構成例を示す。機場Aには、監視制御サーバを含む監視制御システムが設置されるものとする。
【0013】
図2に示す第1の構成例において、機場A側の監視制御システム2Aは、機場Aにおけるコントローラが収集する監視対象とするデータをファイリングした後に機場A用のクラウドサービスシステム3Aへ送信する。機場Aの監視制御システム2Aは、機場A内における設備等を監視および制御するためのシステムである。
【0014】
例えば、機場A側システムとしての監視制御システム2Aは、機場A内における設備や機器などの監視および操作を可能とする中大規模向けのシステムである。機場Aなどの中大規模の機場(事業場)は、導入コストや維持費などのコスト面よりも安定した運用を行うための信頼性を重視して設計した監視制御システムが設けられる。このような監視制御システムの一部又は全部は、Web端末に情報を表示するサービスを前提せずに開発および設計された既存のシステムであっても良い。
【0015】
機場側システム(監視制御システム)2Aは、複数のコントローラ21A(21A1、21A2、21A3)、ルータ22A、監視制御サーバ23、および、操作装置24を備える。図2に示す第1の構成例において、監視制御システム2Aは、データを二重化するための2つのLAN(ローカルエリアネットワーク)によってコントローラ21Aと監視制御サーバ23と各操作装置24とが接続される。さらに、二重化された監視制御サーバ23および各操作装置24は、ルータ22Aにより広域ネットワークを介して機場A用のクラウドサービスシステム3Aに通信接続される。
【0016】
複数のコントローラ21A(21A1、21A2、21A3)は、それぞれが監視対象となるデータを計測あるいは収集するセンサなどのデバイスからデータを取得するPLC(Programmable Logic Controller)に接続される。各コントローラ21Aは、PLCにより監視対象となるデータを収集し、収集したデータをリアルタイムで二重化された監視制御サーバ23へ供給する。各コントローラ21Aと監視制御サーバ23とは、LANを前提とした独自のインターフェースを有し、LAN-AとLAN-Bとにより通信接続される。
【0017】
監視制御サーバ23は、各コントローラ21Aからのデータをファイリングし、ファイリングしたデータを含むデータをルータ22Aにより広域ネットワークを介してクラウドサービスシステム3Aへ送出する。監視制御サーバ23は、独自のインターフェースによって各コントローラ21Aからのデータを受信する機能、受信したデータに対するデータファイリング機能、および、ルータ22を用いて広域ネットワーク経由でクラウドサービスシステム3Aへデータを送出する機能を備える。
また、操作装置24は、当該機場A内における監視および制御を行うオペレータが操作する端末装置である。
【0018】
機場A用のクラウドサービスシステム3Aは、機場Aの監視制御システム2Aに対応して設けられる。機場A用のクラウドサービスシステム3Aは、図2に示す構成例において、アプリケーションサーバ31A、WEBサーバ32A、通報装置33A、および、ストレージ34Aを有する。
【0019】
クラウドサービスシステム3は、プロセッサ、メモリ、主記憶装置、および、通信インターフェースなどを備える物理サーバで構成される。クラウドサービスシステム3は、1つ又は複数の物理サーバにおいて実行されるプログラムで実現される仮想マシンとして各装置が設計される。すなわち、クラウドサービスシステム3A、3B、3Cは、各機場用として提供すべき処理に応じて選択されるスペックの物理サーバにおいて仮想マシンが設けられる。
【0020】
図2に示す機場A用のクラウドサービスシステム3Aは、クラウドに配置された物理サーバで実現される仮想マシンとしてのアプリケーションサーバ31A、WEBサーバ32A、通報装置33A、および、ストレージ34Aにより構成される。
【0021】
アプリケーションサーバ31Aは、機場Aにおいて収集した監視対象となるデータを処理するアプリケーションプログラム(以下、アプリケーション)を実行する。アプリケーションサーバ31Aは、クラウドサービスシステム3における仮想サーバとして実現される。アプリケーションサーバ31Aが実行するアプリケーション(データ処理)は、機場A用のクラウドサービスとしてユーザに付加価値をなり得るサービスを提供するためのデータ処理を実行する。
【0022】
アプリケーションサーバ31Aは、機場Aの監視制御サーバ23から広域ネットワーク介して送信されるデータを受信する機能、および、機場Aから受信したデータを付加価値となるサービスを提供するためのアプリケーションによって処理する機能などを備える。アプリケーションサーバ31Aは、アプリケーションによって生成したデータをストレージ34Aに保存する。
【0023】
WEBサーバ32Aは、インターネットに接続されるWEB端末4に対してWEB画面を提供する仮想サーバである。WEBサーバ32Aは、インターネットを介して接続するWEB端末4にストレージ34Aに保存したデータなどを提供する。例えば、WEBサーバ32Aは、アプリケーションサーバ31Aが機場Aから取得したデータによって作成した機場Aの稼働状況などを示す画面をWEB端末4に提供する。
【0024】
通報装置33Aは、所定の通知先に通報を行う。例えば、通報装置33Aは、アプリケーションサーバ31Aが機場Aから取得したデータから通知先に通報すべき状態を検出した場合、所定の通知先に通報を報知する。
【0025】
次に、実施形態に係る監視システム1における第2の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る監視システム1における第2の構成例を説明するための図である。
図3は、監視システム1の第2の構成例として、機場(事業場)Cに構成される機場側コントローラ群2Cと機場C(コントローラ群2C)に対応するクラウドサービスシステム3Cとの構成例を示す。
【0026】
図3に示す第2の構成例において、機場Cは、機場C1、C2、C3を含むものとする。機場C内における各機場C1、C2、C3には、それぞれ監視対象とするデータを収集するコントローラ21C1、21C2、21C3が設けられる。各コントローラ21C1、21C2、21C3は、それぞれがルータ22C1、22C2、22C3により広域ネットワークを介して機場C用のクラウドサービスシステム3Cへデータを送信する。
【0027】
機場Cに含まれる各機場C1、C2、C3は、それぞれに監視制御サーバなどを設置するのが難しい環境であるものとする。例えば、各機場C1、C2、C3は、路上局盤あるいはマンホールポンプ所のような非常に狭いスペースであるために、監視制御サーバを機場側に設置することが物理的に困難である場合が想定される。また、各機場C1、C2、C3は、小規模の施設であるため、コストの都合によって監視制御サーバを機場側に設置することが困難である場合も想定される。
【0028】
これらのような監視制御サーバを設置することが困難な各機場C1、C2、C3では、図3に示すように、コントローラ21C1、21C2、21C3とルータ22C1、22C2、22C3とを機場側に設置する構成する。さらに、各機場C1、C2、C3において、コントローラ21C1、21C2、21C3が収集するデータは、ルータ22C1、22C2、22C3により広域ネットワークを介して機場C用のクラウドサービスシステム3Cへ直接送信する構成とする。
【0029】
機場C1のコントローラ21C1は、機場C1において監視対象となるデータを収集する。コントローラ21C1は、機場C1に設置するセンサなどのデバイスなどから監視対象となるデータを収集する。コントローラ21C1は、収集したデータをルータ22C1により広域ネットワークを介して機場C用のクラウドサービスシステム3Cへ送信する。同様に、機場C2のコントローラ21C2は、機場C2において監視対象となるデータを収集する。コントローラ21C2は、機場C2において収集したデータをルータ22C2により広域ネットワークを介して機場C用のクラウドサービスシステム3Cへ送信し、機場C3のコントローラ21C3は、機場C3において監視対象となるデータを収集する。コントローラ21C3は、機場C3において収集したデータをルータ22C3により広域ネットワークを介して機場C用のクラウドサービスシステム3Cへ送信する。
【0030】
また、機場Cの各コントローラ21C1、21C2、21C3は、広域ネットワークを介したデータの転送を行うため、LANを想定した機場Aのコントローラ21Aが備える通信用のインターフェースとは異なる通信用のインターフェースを備える。機場C1、C2、C3のコントローラ21C1、21C2、21C3は、それぞれが広域ネットワークを経由するデータ転送に適した汎用の通信プロトコルに対応するインターフェースを備える。
【0031】
機場Cに対応するクラウドサービスシステム3Cは、アプリケーションサーバ31C、WEBサーバ32C、通報装置33C、および、ストレージ34Cに加えて、アダプタサーバ35Cを有する。アプリケーションサーバ31C、WEBサーバ32C、通報装置33C、および、ストレージ34Cは、アプリケーションサーバ31A、WEBサーバ32A、通報装置33A、および、ストレージ34Aと同様な構成を有するもので良い。
【0032】
アダプタサーバ35Cは、クラウドに配置された物理サーバで実現される仮想サーバとして実現される。アダプタサーバ35Cは、コントローラ21C1、21C2、21C3とアプリケーションサーバ31Cとのデータのやり取りを仲介する、アダプタサーバ35は、広域ネットワークを介して各コントローラ21C1、21C2、21C3とに通信接続されるとともにアプリケーションサーバ31Cにも通信可能に接続される。
【0033】
アダプタサーバ35Cは、機場C1、C2、C3に設置したコントローラ21C1、21C2、21C3と広域ネットワークを介して通信するのに適した通信プロトコルによる通信インターフェース機能を備える。コントローラ21C1、21C2、21C3は、広域ネットワークを介してアダプタサーバ35Cへデータを送信するのに適した通信プロトコルによる通信インターフェース機能を備える。アダプタサーバ35Cは、コントローラ21C1、21C2、21C3が備える通信インターフェースに対応する通信インターフェースを備える。
【0034】
また、アダプタサーバ35Cは、機場に設置される監視制御サーバ23が備えるデータ処理機能を同様なデータファイリング機能などの処理を実行するデータ処理機能を備える。アダプタサーバ35Cは、既存の監視制御サーバ23Aと同様なデータファイリングを実行することにより、既存の監視制御サーバ23Aと同様な構成のデータをアプリケーションサーバ31Cへ供給することができる。
【0035】
さらに、アダプタサーバ35Cは、アプリケーションサーバ31Cと通信するためのインターフェースとして、既存の監視制御サーバ23がアプリケーションサーバ31Aへデータを送信するのに用いる通信プロトコルと同等の通信プロトコルによって通信を行う通信インターフェースを備える。
【0036】
上述した構成により、アダプタサーバ35Cは、アプリケーションサーバ31Aと同様に構成されるアプリケーションサーバ31Cに、既存の監視制御サーバ23がアプリケーションサーバ31Aに供給するデータと同等のデータを供給することができる。上記のようなアダプタサーバ35Cをクラウドに設けることにより、機場Cに設置したコントローラ21Cが収集したデータをクラウドのサーバが直接受信する構成としても、アプリケーションサーバ31Cあるいはアダプタサーバ35Cにおけるデータ処理機能などを新たに開発したり検証したり期間することを簡略化できる。
【0037】
なお、図2に示す第1の構成例と図3に示す第2の構成例とを組み合わせた監視システム1を実施するようにしても良い。例えば、図2に示す機場A用のクラウドサービスシステム3Aに図3に示すアダプタサーバ35Cと同様な構成のアダプタサーバを設置し、機場Aの一部に広域ネットワークを介してアダプタサーバへ直接データを送信するコントローラおよびルータを設けても良い。
【0038】
次に、実施形態に係る監視システム1における第1の構成例による各サーバの構成と第2の構成例による各サーバの構成とについて詳細に説明する。
図4は、実施形態に係る監視システム1における第1の構成例による各サーバが備える構成例を説明するための図である。
図4に示す例では、機場A側におけるコントローラ21Aおよび監視制御サーバ23の構成とクラウド側のアプリケーションサーバ31Aの構成とを示す。機場Aでは、図2に示すようなコントローラ21Aおよび監視制御サーバ23を含む監視制御システム2Aが設けられるものとする。
【0039】
図4に示す構成例において、コントローラ21Aと監視制御サーバ23とは、LANなどのローカルなネットワーク回線を介して接続される。このため、コントローラ21Aは、監視制御サーバ23とLANを介して通信するためのローカルインターフェース41を備える。監視制御サーバ23は、ローカルなネットワーク回線を介した通信を行うために、コントローラ21Aが備えるローカルインターフェース41に対応するローカルインターフェース51を備える。
【0040】
ローカルインターフェース41、51は、機場内でのローカルな通信を行えるものであれば良いため、システムの設計者が独自に策定した通信プロトコルによる通信インターフェースであっても良い。例えば、監視制御システム2Aが既存のシステムである場合、ローカルインターフェース41、51は、当該監視制御システム2Aを開発した時期に用いられていたローカル通信用のプロトコルによる通信インターフェースであることもあり得る。
【0041】
機場Aに設置する監視制御サーバ23は、ローカルインターフェース(I/F)51、RT(リアルタイム)/HT(ヒストリカル)サーバ52、および、通信インターフェース(I/F)53を有する。
監視制御サーバ23は、ローカルインターフェース51により当該機場A内における各コントローラ21Aが収集したデータを各コントローラ21Aから取得する。
【0042】
機場Aに設置する監視制御サーバ23は、RT/HTサーバ52によってローカルインターフェース51により受信する各コントローラ21Aが収集したデータを処理する。RT/HTサーバ(データ処理部)52は、ローカルインターフェース51により入力する各コントローラ21Aが収集したデータをリアルタイムに転送する処理とファイリングする処理とを実行する。
【0043】
機場Aに設置する監視制御サーバ23は、通信インターフェース53によってRT/HTサーバ52で処理したデータをアプリケーションサーバ31Aへ送信する。通信インターフェース53は、広域ネットワークを介してクラウドサービスシステム3と通信するためのインターフェースである。
【0044】
機場Aに対応するクラウドサービスシステム3Aにおいて、アプリケーションサーバ31Aは、通信インターフェース61、データサーバ62、および、アプリケーション63を有する。
アプリケーションサーバ31Aの通信インターフェース61は、監視制御サーバ23が備える通信インターフェース53に対応するインターフェースである。クラウドのアプリケーションサーバ31Aは、通信インターフェース61により監視制御サーバ23からのデータを受信する。
【0045】
アプリケーションサーバ31Aは、通信インターフェース61により受信するデータをデータサーバ62により管理し、データサーバ62が管理するデータを用いてアプリケーション63を実行する。アプリケーション63は、クラウドサービスシステム3として提供するサービスを実現するためのアプリケーションプログラム群である。
【0046】
例えば、アプリケーションサーバ31Aのアプリケーション63は、インターネットを介してWEB端末4などに機場Aに関する情報を表示する画面を提供する。また、アプリケーション63としてのプログラムは、新たに提供するサービスに応じて拡張されたり更新されたりするようにしても良い。これにより、アプリケーションサーバ31Aは、アプリケーション63を更新することにより、当該監視システム1における付加価値として提供するサービスを拡充したり変更したりすることができる。
【0047】
次に、実施形態に係る監視システム1における第2の構成例による各サーバの構成とについて詳細に説明する。
図5は、実施形態に係る監視システム1における第2の構成例による各サーバが備える構成例を説明するための図である。
図5に示す構成例では、機場C側におけるコントローラ21Cの構成とクラウド側(クラウドサーバ)に設けるアプリケーションサーバ31Cおよびアダプタサーバ35Cの構成とを示す。
【0048】
図5に示す構成例において、機場C(C1、C2、C3)には、図3に示すようなコントローラ21C(21C1、21C2、21C3)が設けられる。機場Cに設置する各コントローラ21C(21C1、21C2、21C3)は、広域ネットワークを介してアダプタサーバ35Cと通信するための通信インターフェースとして汎用プロトコルインターフェース(I/F)71を備える。
【0049】
各コントローラ21Cが備える汎用プロトコルインターフェース71は、広域ネットワークを介してデータを伝送することを前提した通信プロトコルを用いて通信を行うインターフェースであるものとする。例えば、汎用プロトコルインターフェース71は、水道情報活用システム標準仕様研究会が提言する汎用プロトコルを用いた通信プロトコルとしても良い。
【0050】
アダプタサーバ35Cは、図5に示すように、汎用プロトコルインターフェース(I/F)81、RT/HTサーバ82、および、通信インターフェース(I/F)83を有する。
汎用プロトコルインターフェース81は、各コントローラ21Cが備える汎用プロトコルインターフェース71に対応するインターフェースである。アダプタサーバ35Cは、汎用プロトコルインターフェース81により広域ネットワークを介して機場Cの各コントローラ21Cからのデータを受信する。第1のインターフェース(第1の通信機能)としての汎用プロトコルインターフェース81は、各コントローラ21Cに設けるインターフェース71と合わせて新規に開発される。
【0051】
アダプタサーバ35CのRT/HTサーバ82は、上述した監視制御サーバ23が備えるRT/HTサーバ52と同様なデータ処理を実行する。アダプタサーバ35Cは、汎用プロトコルインターフェース(I/F)81により機場Cの各コントローラ21Cが収集するデータを受信するため、RT/HTサーバ82により監視制御サーバ23のRT/HTサーバ52と同様なデータ処理を実行する。
【0052】
RT/HTサーバ82は、監視制御サーバ23のRT/HTサーバ52と同様なデータ処理を実行するように構成すれば良いため、監視制御サーバ23のRT/HTサーバ52と同様なプログラムによって実現される。言い換えると、アダプタサーバ35CのRT/HTサーバ82は、既存の監視制御サーバ23のRT/HTサーバ52と同様に構成することができる。このため、データ処理部(データ処理機能)としてのRT/HTサーバ82は、新規に開発したり検証したりするコストが削減できる。
【0053】
アダプタサーバ35Cの通信インターフェース83は、RT/HTサーバ(データ処理部)82で処理したデータをアプリケーションサーバ31Cへ送信する。通信インターフェース83は、上述した監視制御サーバ23の通信インターフェース53と同様に構成される。つまり、通信インターフェース83は、上述した監視制御サーバ23の通信インターフェース53と同様な通信プロトコルによってデータをアプリケーションサーバ31Cへ送信する。これにより、通信インターフェース83は、監視制御サーバ23の通信インターフェース53と同様に構成すれば良い。このため、第2のインターフェース(第2の通信機能)としての通信インターフェース83は、新規に開発したり検証したりするコストが削減できる。
【0054】
図5に示す構成例において、アプリケーションサーバ31Cは、図4に示すアプリケーションサーバ31Aと同様に、通信インターフェース61、データサーバ62、および、アプリケーション63を有する。
【0055】
アプリケーションサーバ31Cは、通信インターフェース61によりアダプタサーバ35Cからデータを受信する。アダプタサーバ35Cは、監視制御サーバ23と同様なデータ処理によって処理したデータを通信インターフェース53と同様な構成の通信インターフェース83によりアプリケーションサーバ31Cへ送信する。
【0056】
アプリケーションサーバ31Cは、アプリケーションサーバ31Aが監視制御サーバ23から受信するデータと同様なデータをアダプタサーバ35Cから受信することとなる。従って、アプリケーションサーバ31Cは、アプリケーションサーバ31Aと同様な構成で実現することができる。この結果、アプリケーションサーバ31Cは、アプリケーションを新たに追加する場合であっても、当該アプリケーションが他のアプリケーションサーバ31Aで検証済みであれば新たに検証作業を実行する必要がない。
【0057】
以上のように、実施形態に係る監視システムは、事業場に設置した監視対象となるデータを収集するコントローラから広域ネットワークを介して直接データを受信するためのアダプタサーバをクラウドサーバに設ける。アダプタサーバは、コントローラからデータを受信するための第1のインターフェースを備えるとともに、既存の監視制御サーバと同等なデータ処理を行うデータ処理部とデータを既存の構成のアプリケーションサーバへ送信する第2のインターフェースとを備える。
【0058】
これにより、監視制御サーバを設置できない事業場であってもコントローラが収集するデータをクラウドサーバに設けたアダプタサーバが受信するようにできるため、既存のアプリケーションサーバの構成を変更することなく当該事業場用の監視システムをコストをかけずに実現することができる。
【0059】
また、実施形態に係る監視システムにおいて、アダプタサーバは、データ処理部および第2のインターフェースが既存の監視制御サーバが備えるデータ処理部および第2のインターフェースに準ずる構成によって実現でき、コントローラとの通信インターフェースである第1のインターフェースの開発および検証によって実現できる。この結果として、アダプタサーバを含む監視システムに対する開発および検証に掛かる手間を省力化することができ、監視制御サーバの設置が困難な事業場であっても低コストで導入可能な監視システムを提供できる。
【0060】
また、実施形態に係る監視システムにおいて、アダプタサーバはクラウドにおける物理サーバ上に設けられる仮想サーバである。このため、実施形態に係る監視システムは、事業場などの規模に応じてプロセッサ、メモリおよび主記憶装置などのスペックを選択した物理サーバを用いて実現することができ、初期費用および維持費用などのコストが規模に応じたものとすることができる。この結果として、実施形態に係る監視システムをコスト面において様々な事業場が導入し易くすることができる。
【0061】
なお、上記した各処理はいくつかのソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムをクラウド上の物理サーバにインストールして実行することで、上記処理を容易に実現することができる。例えば、物理サーバは、プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。また、物理サーバは、上記プログラムを各種の情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…監視システム、2(2A、2B、2C)…機場、2A…機場側システム(監視制御システム)、2C…コントローラ群、3(3A、3B、3C)…クラウドサービスシステム(クラウドサーバ)、3A…機場A用のクラウドサービスシステム(クラウドサーバ)、3C…機場C用のクラウドサービスシステム(クラウドサーバ)、4…WEB端末、21A(21A1、21A2、21A3)…コントローラ、21C(21C1、21C2、21C3)…コントローラ、22A…ルータ、22C(22C1、22C2、22C3)…ルータ、23…監視制御サーバ、31A、31C…アプリケーションサーバ、32A、32C…WEBサーバ、33A、33C…通報装置、34A、34C…ストレージ、35C…アダプタサーバ、41、51…ローカルI/F、52、82…RT/HTサーバ(データ処理部、データ処理機能)、53、61、83…通信I/F(第2のインターフェース、第2の通信機能)、62…データサーバ、63…アプリケーション、71、81…汎用プロトコルI/F(第1のインターフェース、第1の通信機能)。
図1
図2
図3
図4
図5