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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146234
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】データ記録装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/88 20180101AFI20241004BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20241004BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20241004BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20241004BHJP
   F24F 1/20 20110101ALI20241004BHJP
【FI】
F24F11/88
F24F11/89
F24F11/58
F24F11/52
F24F1/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059015
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 真一郎
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA61
3L260BA64
3L260FC33
3L260FC40
3L260GA26
3L260HA10
3L260JA14
3L260JA20
(57)【要約】
【課題】空気調和機の保守点検の作業を容易にする。
【解決手段】データ記録装置1は、可撓性を有するケーブル2と、ケーブル2を介して空気調和機に接続される本体3とを備えている。本体3は、ケーブル2を介して空気調和機から情報を取得する有線通信部と、空気調和機から取得された情報を記憶する記憶部と、ケーブル2を介して空気調和機から供給される電力を用いて保守端末装置と無線通信する無線通信部とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するケーブルと、
前記ケーブルを介して空気調和機に接続される本体とを備え、
前記本体は、
前記ケーブルを介して前記空気調和機から情報を取得する有線通信部と、
前記情報を記憶する記憶部と、
前記ケーブルを介して前記空気調和機から供給される電力を用いて端末装置と無線通信する無線通信部とを有する
データ記録装置。
【請求項2】
前記ケーブルは、ケーブル側コネクタを有し、
前記本体は、前記ケーブル側コネクタが接続される本体側コネクタをさらに有し、
前記ケーブルは、前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されているときに、前記電力を前記本体に供給し、前記情報を前記本体に伝達する
請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記本体は、前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されているときに、前記電力を用いて発光する発光素子をさらに有する
請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記本体は、内部に前記本体側コネクタと前記有線通信部と前記記憶部と前記無線通信部とが配置される筐体をさらに備え、
前記筐体には、前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されるときに前記ケーブル側コネクタが貫通する開口部が形成される
請求項3に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記発光素子は、前記筐体の内部に配置され、
前記開口部は、
前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されるとき、前記ケーブル側コネクタが挿入される挿入部と、
前記挿入部に繋がる表示部とから形成され、
前記発光素子から発光された光は、前記表示部を介して前記筐体の外部から視認される
請求項4に記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記表示部の面積は、前記挿入部の面積より小さい
請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記挿入部の縁の曲率半径の最小値は、前記表示部の縁の曲率半径の最小値より小さい
請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項8】
前記ケーブル側コネクタは、前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されているときに、前記挿入部に嵌合する
請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項9】
前記表示部の径は、前記ケーブル側コネクタの径の最小値より小さい
請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項10】
前記ケーブルは、前記ケーブル側コネクタの一部を被覆する被覆部をさらに有し、
前記表示部は、前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されているとき、前記表示部が前記被覆部に塞がれないように、形成される
請求項5に記載のデータ記録装置。
【請求項11】
前記ケーブルは、前記ケーブル側コネクタの一部を被覆する被覆部をさらに有し、
前記被覆部は、前記ケーブル側コネクタが前記本体側コネクタに接続されているとき、前記筐体から離れている
請求項5に記載のデータ記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、データ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる業務用途の空気調和機では、保守作業者の定期的な保守点検に役立てるために、空気調和機の制御装置が運転データを記録するデータ記録装置を備えることが知られている。保守作業者は保守点検を行うときに、保守端末装置を空気調和機に接続し、運転データを空気調和機から取得して保守点検を行う(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-123977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、定期的な保守点検を行うことが想定されていない空気調和機(たとえば家庭用の空気調和機)の場合は、運転データを記録するデータ記録装置が設けられていない。したがって、使用者から空気調和機が故障した旨の連絡を受けて、保守作業者が空気調和機の故障解析を行う場合、過去の運転データを利用した故障解析が行えない。また、このような空気調和機は、保守作業者が制御装置からリアルタイムで運転データを収集することも想定されておらず、制御装置が配置される位置、向きが空気調和機の種類により大きく異なる。そのため、保守作業者が保守端末装置と制御装置とを接続することが難しく、保守作業者が運転データを収集する作業を困難にすることがある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、空気調和機の保守点検の作業を容易にするデータ記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるデータ記録装置は、可撓性を有するケーブルと、前記ケーブルを介して空気調和機に接続される本体とを備え、前記本体は、前記ケーブルを介して前記空気調和機から情報を取得する有線通信部と、前記情報を記憶する記憶部と、前記ケーブルを介して前記空気調和機から供給される電力を用いて端末装置と無線通信する無線通信部とを有している。
【発明の効果】
【0007】
開示のデータ記録装置は、空気調和機の保守点検の作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1のデータ記録装置を示す斜視図である。
図2図2は、本体用コネクタ部を示す斜視図である。
図3図3は、ケーブル側コネクタと被覆部とを示す正面図である。
図4図4は、本体を示す斜視図である。
図5図5は、筐体を示す分解斜視図である。
図6図6は、蓋が取り外されたときの本体を示す平面図である。
図7図7は、ケーブル側コネクタが本体側コネクタに適切に接続されているときのデータ記録装置1を示す断面図である。
図8図8は、本体を示す正面図である。
図9図9は、ケーブル側コネクタが本体側コネクタに適切に接続されているときのデータ記録装置を示す正面図である。
図10図10は、複数の電子部品により形成された電気回路を示すブロック図である。
図11図11は、本体を示す断面図である。
図12図12は、実施例2のデータ記録装置を示す断面図である。
図13図13は、実施例3のデータ記録装置の本体を示す正面図である。
図14図14は、実施例4のデータ記録装置の本体を示す正面図である。
図15図15は、実施例5のデータ記録装置の本体を示す正面図である。
図16図16は、実施例6のデータ記録装置の本体を示す正面図である。
図17図17は、実施例7のデータ記録装置の本体を示す正面図である。
図18図18は、実施例8のデータ記録装置の本体を示す正面図である。
図19図19は、実施例9のケーブル側コネクタが本体側コネクタに適切に接続されているときのデータ記録装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかるデータ記録装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例0010】
実施例1のデータ記録装置1は、図1に示されているように、ケーブル2と本体3とを備えている。図1は、実施例1のデータ記録装置1を示す斜視図である。ケーブル2は、ケーブル本体5と空気調和機用コネクタ部6と本体用コネクタ部9とを備えている。ケーブル本体5は、図示されていない複数の電線と、複数の電線が互いに電気的に接続されないように複数の電線を絶縁する絶縁物とを備え、可撓性を有する紐状に形成されている。空気調和機用コネクタ部6は、ケーブル本体5の一端に設けられている。本体用コネクタ部9は、ケーブル本体5のうちの空気調和機用コネクタ部6が設けられている一端の反対側の他端に設けられている。
【0011】
図2は、本体用コネクタ部9を示す斜視図である。本体用コネクタ部9は、ケーブル側コネクタ7と被覆部8とを備えている。ケーブル側コネクタ7は、図示されていない複数のケーブル側ピンを備えている。複数のケーブル側ピンは、ケーブル本体5の複数の電線にそれぞれ電気的に接続されている。被覆部8は、樹脂に例示される絶縁体から形成されている。被覆部8は、ケーブル側コネクタ7の長手方向10における一端が露出するように、ケーブル側コネクタ7を覆っている。
【0012】
被覆部8の幅W2は、図3に示されているように、ケーブル側コネクタ7の幅W1より大きい。図3は、ケーブル側コネクタ7と被覆部8とを示す正面図である。幅W1は、ケーブル側コネクタ7の幅方向11における径(差渡し)に等しく、すなわち、幅方向11に垂直である2つの平面にケーブル側コネクタ7が挟まれたときに、その2つの平面の間の距離に等しい。幅方向11は、ケーブル側コネクタ7が沿う平面に平行であり、かつ、ケーブル側コネクタ7の長手方向10に垂直である。幅W1は、ケーブル側コネクタ7の長手方向10の径の最大値である。幅W2は、被覆部8の幅方向11における径に等しい。幅W2は、被覆部8の径の最大値である。
【0013】
被覆部8の厚さT2は、ケーブル側コネクタ7の厚さT1より大きい。厚さT1は、ケーブル側コネクタ7の厚さ方向12における径に等しい。厚さ方向12は、ケーブル側コネクタ7が沿う平面に垂直であり、すなわち、ケーブル側コネクタ7の長手方向10に垂直であり、かつ、幅方向11に垂直である。厚さT1は、ケーブル側コネクタ7の径の最小値である。厚さT2は、被覆部8の厚さ方向12における径に等しい。厚さT2は、被覆部8の径の最小値である。
【0014】
図4は、本体3を示す斜視図である。本体3は、筐体14を備えている。筐体14は、概ね直方体状に形成されている。図5は、筐体14を示す分解斜視図である。筐体14は、筐体本体15と蓋16と複数のボス17と複数のねじ18とを備えている。筐体本体15は、樹脂に例示される絶縁体から形成され、箱状に形成されている。筐体本体15には、内部空間21と入口開口部22と開口部23とが形成されている。内部空間21は、筐体本体15の内部に形成され、概ね直方体状に形成されている。入口開口部22は、概ね長方形に形成されている。開口部23は、筐体本体15のうちのケーブル側コネクタ7に接続されるコネクタ側部分24に形成されている。内部空間21は、開口部23を介して筐体本体15の外部に接続されている。
【0015】
蓋16は、樹脂に例示される絶縁体から形成され、概ね長方形の板状に形成されている。蓋16は、筐体本体15の入口開口部22に配置され、入口開口部22を塞ぐ。複数のボス17の各々は、筐体本体15を形成する絶縁体と同じ絶縁体から形成され、円柱状に形成されている。複数のボス17は、内部空間21に配置され、筐体本体15に一体に形成されている。複数のねじ18は、蓋16が筐体本体15の入口開口部22を塞いだ状態で、筐体本体15の複数のボス17に締結されている。蓋16は、複数のねじ18が筐体本体15の複数のボス17に締結されることにより、筐体本体15の入口開口部22が塞がれた状態で、筐体本体15に固定される。
【0016】
本体3は、電気回路をさらに備えている。電気回路は、図6に示されているように、基板25と複数の電子部品26とを備えている。図6は、蓋16が取り外されたときの本体3を示す平面図である。基板25は、板状に形成され、内部空間21に配置され、筐体本体15に固定されている。複数の電子部品26の各々は、基板25に実装され、内部空間21に配置されている。複数の電子部品26は、基板25を介して電気的に接続されている。電気回路は、複数の電子部品26が基板25を介して電気的に接続されることにより形成されている。
【0017】
複数の電子部品26は、本体側コネクタ27と発光素子28とを含んでいる。本体側コネクタ27は、内部空間21のうちの開口部23の近傍に配置されている。本体側コネクタ27は、図示されていない複数の本体側ピンを備えている。発光素子28は、発光ダイオード(LED:Light-Emitting Diode)から形成されている。発光素子28は、発光素子28から発光される光が開口部23を通過するように、内部空間21のうちの開口部23の近傍に配置されている。発光素子28は、さらに、発光素子28とコネクタ側部分24との間の距離D1が予め定められた所定距離より大きくなるように、コネクタ側部分24から離れて配置されている。
【0018】
ケーブル側コネクタ7の一端は、図7に示されているように、ケーブル側コネクタ7が開口部23を貫通することにより、内部空間21に挿入され、本体側コネクタ27に接続される。図7は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときのデータ記録装置1を示す断面図である。本体側コネクタ27の複数の本体側ピンは、本体側コネクタ27がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、ケーブル側コネクタ7の複数のケーブル側ピンにそれぞれ電気的に接続される。被覆部8は、本体側コネクタ27がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、被覆部8とコネクタ側部分24との間の距離D2が、予め定められた所定距離より小さくなるように配置され、または、コネクタ側部分24に接触する。
【0019】
図8は、本体3を示す正面図である。開口部23は、挿入部31と表示部32とから形成されている。挿入部31は、挿入部31の横断面の形状がケーブル側コネクタ7の横断面の形状に概ね等しくなるように、形成されている。ケーブル側コネクタ7の横断面の形状とは、長手方向10に垂直である平面にケーブル側コネクタ7が交差する断面の形状を示している。挿入部31の横断面の形状は、コネクタ側部分24が沿う平面に挿入部31が交差する断面の形状を示している。このため、挿入部31は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、ケーブル側コネクタ7に嵌合し、ケーブル側コネクタ7により塞がれる。ケーブル側コネクタ7は、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合しているときに、ケーブル側コネクタ7の長手方向10と異なる方向に移動したり、筐体14に対して回転したりしないように、筐体14に支持される。
【0020】
表示部32は、挿入部31と表示部32とが隔てられていないように、挿入部31に繋がっている。表示部32は、さらに、表示部32の面積が挿入部31の面積より小さくなるように、形成されている。表示部32は、さらに、表示部32の径の最大値がケーブル側コネクタ7の径の最小値より小さくなるように、形成されている。すなわち、表示部32は、表示部32の高さH1と表示部32の横幅L1との両方がケーブル側コネクタ7の厚さT1より小さくなるように、形成されている。高さH1は、表示部32の上下方向33における径に等しい。上下方向33は、コネクタ側部分24が沿う平面に平行であり、かつ、基板25が沿う平面に垂直である。横幅L1は、表示部32の左右方向34における径に等しい。左右方向34は、コネクタ側部分24が沿う平面に平行であり、かつ、上下方向33に垂直である。開口部23の縁35は、挿入部縁36と表示部縁37とから形成されている。挿入部縁36は、縁35のうちの挿入部31の縁に一致する一部である。表示部縁37は、縁35のうちの挿入部31と異なる残部であり、表示部32の縁の一部に一致している。開口部23は、さらに、挿入部縁36が沿う曲線の曲率半径の最小値が、表示部縁37が沿う曲線の曲率半径の最小値より小さくなるように、形成されている。
【0021】
図9は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときのデータ記録装置1を示す正面図である。挿入部31は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、長手方向10で被覆部8に重なっている。すなわち、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、長手方向10に垂直である投影面に挿入部31が正射影された被覆部図形は、被覆部8が投影面に正射影された図形に含まれている。このため、挿入部31は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、被覆部8により塞がれている。
【0022】
表示部32の一部は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、長手方向10で被覆部8に重なっていない。すなわち、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部32が投影面に正射影された表示部図形の一部は、被覆部図形に含まれていない。このため、表示部32の一部は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、被覆部8により塞がれないで露出し、視認可能である。発光素子28から発光された光は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部32の一部が被覆部8により塞がれないことにより、表示部32を介して筐体14の外部に漏れ、視認可能である。すなわち、表示部32は、発光素子28から発光された光を通過させて、発光素子28が点灯しているか否かをユーザに表示する機能を有している。
【0023】
複数の電子部品26により形成された電気回路は、図10に示されているように、無線通信部41と有線通信部42と記憶部43と制御部44とをさらに含んでいる。図10は、複数の電子部品26により形成された電気回路を示すブロック図である。無線通信部41は、本体側コネクタ27がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、制御部44に制御され、ケーブル2を介して本体3に供給される電力を用いて、保守端末装置(本発明の端末装置)と無線通信する。有線通信部42は、本体側コネクタ27がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、制御部44に制御され、ケーブル2を介して本体3に供給される電力を用いて、ケーブル2を介して本体3に出力された情報を取得する。
【0024】
記憶部43は、本体側コネクタ27がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、制御部44に制御され、ケーブル2を介して本体3に供給される電力を用いて、有線通信部42により取得された情報を記憶する。制御部44は、本体側コネクタ27がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、ケーブル2を介して本体3に供給される電力を用いて、発光素子28と無線通信部41と有線通信部42と記憶部43とを制御する。
【0025】
データ記録装置1は、空気調和機(不図示)と保守端末装置とともに利用される。空気調和機は、室内機と室外機とを備えている。室内機は、空気調和機により冷暖房される部屋に設置されている。室外機は、室外に設置されている。室外機は、空気調和機を制御する制御装置を備えている。例えば制御装置は空気調和機を制御する制御用マイコンや各種電子部品が搭載された制御基板である。この制御基板には、基板設計時や製品設計時などに制御基板から空気調和機の運転データなどを取り出すための取り出し口(以下、点検用コネクタ(不図示)ともいう)を備えている。室外機のうちの点検用コネクタが配置されている位置は、空気調和機の機種により異なっている。制御装置は、空気調和機用コネクタ部6が点検用コネクタに適切に接続されているときに、ケーブル2を介してデータ記録装置1の本体3に電力を供給し、予め定められた情報をデータ記録装置1の本体3にケーブル2を介して出力する。
【0026】
保守端末装置は、スマートフォンに例示されるコンピュータであり、無線通信機能を備えている。保守端末装置は、無線通信によりデータ記録装置1と情報伝達可能に接続されているときに、無線通信を介してデータ記録装置1に指示信号を送信したり、無線通信を介してデータ記録装置1から送信された情報を取得したりする。
【0027】
[実施例1のデータ記録装置1の動作]
データ記録装置1は、空気調和機を保守作業者が保守点検するときに利用される。保守作業者は、まず、ケーブル側コネクタ7を本体側コネクタ27に接続し、ケーブル2の空気調和機用コネクタ部6を空気調和機の室外機に設けられた点検用コネクタに接続する。データ記録装置1は、空気調和機用コネクタ部6が点検用コネクタに適切に接続されることにより、かつ、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されることにより、室外機に適切に取り付けられる。ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、ケーブル側コネクタ7は、挿入部31に嵌合し、被覆部8は、距離D2が所定距離より小さくなるように配置されている。データ記録装置1は、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合していることにより、また、距離D2が所定距離より小さいことにより、ケーブル側コネクタ7が長手方向10と異なる方向に移動したり筐体14に対して回転したりしないように、ケーブル側コネクタ7を筐体14に支持することができる。このため、データ記録装置1は、本体側コネクタ27を基板25に固定するはんだ付け部や基板25の回路パターンに応力が加わることを抑制することができ、基板25に不具合が発生することを防止することができる。
【0028】
点検用コネクタは、空気調和機の制御基板上に配置されていることが多く、点検用コネクタの周囲に本体3が配置可能である十分なスペースがあるとは限らない。点検用コネクタの周囲に十分なスペースがない場合でも、空気調和機用コネクタ部6が本体3よりも小さいときに、空気調和機用コネクタ部6は、点検用コネクタの周囲に配置可能であり、点検用コネクタに接続が可能である。このため、データ記録装置1は、空気調和機用コネクタ部6が本体3に固定されている他のデータ記録装置に比較して、保守作業者が空気調和機用コネクタ部6を空気調和機の点検用コネクタに接続する作業を容易にすることができる。
【0029】
また、データ記録装置1は、ケーブル2が可撓性を有していることにより、空気調和機用コネクタ部6を点検用コネクタに接続した状態で、点検用コネクタと本体3とをケーブルの長さ分だけ離すことができ、本体3をいろいろな場所に移動させることができる。このため、保守作業者は、空気調和機用コネクタ部6が空気調和機の点検用コネクタに接続されるときに、保守作業者に近い位置に本体3を配置したり、本体3の向きを変えたりすることができる。すなわち、データ記録装置1は、空気調和機用コネクタ部6が本体3またはケーブル側コネクタ7に固定されている他のデータ記録装置に比較して、本体3を取り扱う作業を容易にすることができる。
【0030】
空気調和機の制御装置は、データ記録装置1が室外機に適切に取り付けられているときに、ケーブル2を介してデータ記録装置1の本体3に電力を供給する。データ記録装置1の制御部44は、ケーブル2を介して電力が本体3に供給されたときに、無線通信部41、有線通信部42を起動するとともに、発光素子28を点灯する。発光素子28から発光された光は、表示部32を介して筐体14の外部に漏れる。
【0031】
保守作業者は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に接続された後で、かつ、ケーブル2の空気調和機用コネクタ部6が空気調和機の点検用コネクタに接続された後に、発光素子28が点灯しているか否かを確認する。このとき、保守作業者は、ケーブル2が可撓性を有していることにより、空気調和機用コネクタ部6を点検用コネクタ(不図示)に接続した状態で、室外機に対して本体3の向きを変更することができる。すなわち保守作業者は、表示部32を視認しやすいように、本体3の向きを変更することができる。このため、保守作業者は、表示部32が向いている位置に移動する必要がなく、空気調和機用コネクタ部6が本体3に固定されている他のデータ記録装置に比較して、発光素子28が点灯しているか否かを容易に確認することができる。保守作業者は、発光素子28が点灯していないときに、たとえば、空気調和機用コネクタ部6を空気調和機の点検用コネクタに接続し直し、ケーブル側コネクタ7を本体側コネクタ27に接続し直し、発光素子28が点灯しているか否かを再度確認する。
【0032】
空気調和機の制御装置は、データ記録装置1が室外機に適切に取り付けられているときに、さらに、ケーブル2を介してデータ記録装置1の有線通信部42に保守点検用情報(本発明の情報)を出力する。保守点検用情報としては、エラーコードと運転データとが例示される。エラーコードは、空気調和機に発生した不具合を示している。運転データは、空気調和機に操作された操作内容を示し、または、空気調和機が開始した運転の種類を示し、または、空気調和機に設けられているセンサが検出した検出結果を示している。空気調和機の制御装置は、保守点検用情報が生成される度に、ケーブル2を介してデータ記録装置1の有線通信部42に保守点検用情報を繰り返し出力する。
【0033】
保守作業者は、発光素子28が点灯しているときに、保守端末装置を操作し、保守端末装置をデータ記録装置1に無線通信により情報伝達可能に接続する。保守作業者は、保守端末装置がデータ記録装置1に接続された後に、保守端末装置を操作し、無線通信を介して書込開始指示信号を保守端末装置からデータ記録装置1に送信する。制御部44は、保守端末装置から無線通信を介して送信された書込開始指示信号を無線通信部41が受信したときに、制御部44は、空気調和機の制御装置から有線通信部42に入力された保守点検用情報を取得し、その取得された保守点検用情報を記憶部43に記録する。
【0034】
制御部44は、その取得された保守点検用情報が記憶部43に適切に記録された後に、発光素子28を消灯する。制御部44は、発光素子28が消灯された後も、空気調和機の制御装置から保守点検用情報が出力される度に、有線通信部42を用いてその保守点検用情報を取得し、有線通信部42により取得された保守点検用情報を記憶部43に記録する。
【0035】
保守作業者は、発光素子28を消灯されているか否かを確認し、発光素子28が消灯しているときに、予め定められた所定期間(たとえば、数日間)だけデータ記録装置1を放置する。空気調和機は、放置されている期間に通常通りに利用される。保守作業者は、データ記録装置1が所定期間放置された後に、保守端末装置を操作し、無線通信により保守端末装置をデータ記録装置1に情報伝達可能に接続し、無線通信を介して書込終了指示信号を保守端末装置からデータ記録装置1に送信する。
【0036】
データ記録装置1の制御部44は、書込終了指示信号を受信したときに、保守点検用情報の記憶部43への記録を停止し、発光素子28を点灯する。保守作業者は、発光素子28が点灯しているか否かを確認し、発光素子28が点灯していないときに、保守端末装置を再度操作し、保守端末装置をデータ記録装置1に情報伝達可能に接続し、書込終了指示信号を保守端末装置からデータ記録装置1に送信する。
【0037】
データ記録装置1は、発光素子28が点灯された後に、無線通信部41を制御し、記憶部43に記録された保守点検用情報を保守端末装置に無線通信を介して送信する。保守端末装置は、無線通信によりデータ記録装置1から送信された保守点検用情報を取得し記録する。保守作業者は、データ記録装置1から送信された保守点検用情報が保守端末装置に記録された後に、ケーブル2の空気調和機用コネクタ部6を空気調和機の点検用コネクタから取り外し、データ記録装置1を室外機から取り外す。保守作業者は、保守端末装置に記録された保守点検用情報を用いて、空気調和機を保守点検する。
【0038】
このような動作によれば、保守作業者は、保守点検用情報が記録される記憶装置が空気調和機に設けられていないときでも、データ記録装置1を用いて、保守点検用情報を取得することができる。このため、データ記録装置1によれば、保守点検用情報が記録される記憶装置が空気調和機に設けられる必要がなく、空気調和機から記憶装置が省略されることにより、空気調和の製造コストを低減することができる。
【0039】
図11は、本体3の断面図である。データ記録装置1は、発光素子28がコネクタ側部分24から離れて内部空間21に配置されていることにより、保守作業者がデータ記録装置1を取り扱うときに、発光素子28の放電により、保守作業者が開口部23を介して感電することを防止することができる。すなわち、距離D1は、予め定められた所定距離より大きくなるように決定され、所定距離は、保守作業者の指49が開口部23付近に触れても発光素子28の放電により感電が起こらない十分に長い距離に定められる。
【0040】
[筐体14の製造方法]
筐体14は、例えば、市場販売される汎用の筐体から製造されている。汎用の筐体は、既述の蓋16と複数のボス17と複数のねじ18と同様の蓋と複数のボスと複数のねじとを備え、既述の筐体本体15と異なる他の筐体本体を備えている。その筐体本体は、既述の開口部23が形成されておらず、他の部分は、既述の筐体本体15と同じである。このとき、その筐体本体は、切削加工され、開口部23が形成され、既述の筐体本体15に加工される。このとき、挿入部縁36の曲率半径の最小値が表示部縁37の曲率半径の最小値より小さいことにより、表示部32は、挿入部31を切削加工するエンドミルを用いて切削加工されることにより形成可能である。このため、データ記録装置1は、開口部23が形成されるときに、挿入部31を切削加工するエンドミルと異なる他のエンドミルを利用する必要がなく、1つのエンドミルを用いて開口部23を容易に形成することができ、筐体14の製造コストを低減することができる。
【0041】
[実施例1のデータ記録装置1の効果]
実施例1のデータ記録装置1は、可撓性を有するケーブル2と、ケーブル2を介して空気調和機に接続される本体3とを備えている。本体3は、ケーブル2を介して空気調和機から情報を取得する有線通信部42と、空気調和機から取得された情報を記憶する記憶部43と、ケーブル2を介して空気調和機から供給される電力を用いて保守端末装置と無線通信する無線通信部41とを備えている。実施例1のデータ記録装置1によれば、ケーブル2を介して本体3が空気調和機に接続されるときに、本体3が空気調和機に対して配置される位置と向きとが制限される必要がない。このため、実施例1のデータ記録装置1は、ケーブル2を介して本体3が空気調和機に接続されるときに、本体3が空気調和機に対して配置される位置と向きとを保守作業者が変更可能であり、保守作業者がケーブル2と本体3とを取り扱う作業を容易にすることができる。
【0042】
また、実施例1のデータ記録装置1のケーブル2は、ケーブル側コネクタ7を備えている。本体3は、ケーブル側コネクタ7が接続される本体側コネクタ27をさらに備えている。ケーブル2は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に接続されているときに、空気調和機から本体3に電力を供給し、空気調和機から出力された情報を本体3に伝達する。実施例1のデータ記録装置1は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27から取り外され、ケーブル2を他のケーブルに交換可能である。実施例1のデータ記録装置1は、たとえば、適切な長さのケーブル2を介して本体3を空気調和機に接続することにより、ケーブル2と本体3とが配置される位置が保守作業者により自由に変更されることができ、保守作業者が本体3を取り扱う作業をより容易にすることができる。
【0043】
また、実施例1のデータ記録装置1の本体3は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に接続されているときに、ケーブル2を介して空気調和機から本体3に供給される電力を用いて発光する発光素子28をさらに備えている。これにより、発光素子28の発光を確認することで、保守作業者はケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されていると確認することができる。したがって、実施例1のデータ記録装置1は、空気調和機から本体3に電力が供給されるようにケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているか否かを保守作業者が確認する作業を容易にすることができる。
【0044】
また、実施例1のデータ記録装置1の本体3は、筐体14をさらに備えている。筐体14の内部には、本体側コネクタ27と記憶部43と有線通信部42と無線通信部41とが配置されている。筐体14には、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に接続されるときにケーブル側コネクタ7が貫通する開口部23が形成されている。このとき、実施例1のデータ記録装置1は、本体側コネクタ27と記憶部43と有線通信部42と無線通信部41とが筐体14に覆われていることにより、本体側コネクタ27と無線通信部41と有線通信部42と記憶部43とに埃が接触することを抑制することができる。このため、実施例1のデータ記録装置1は、埃により本体側コネクタ27と無線通信部41と有線通信部42と記憶部43とに不具合が発生することを抑制することができる。実施例1のデータ記録装置1は、本体側コネクタ27と記憶部43と有線通信部42と無線通信部41とが筐体14に覆われているときでも、筐体14に開口部23が形成されていることにより、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されることができる。
【0045】
また、実施例1のデータ記録装置1の発光素子28は、筐体14の内部に配置されている。開口部23は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に接続されるとき、ケーブル側コネクタ7が挿入される挿入部31と、挿入部31に繋がる表示部32とから形成されている。すなわち、挿入部31と表示部32とは、1つの開口部23から形成されている。発光素子28から発光された光は、表示部32を介して筐体14の外部から視認される。このとき、筐体14は、挿入部31と表示部32とが別個の2つの開口部から形成される他の筐体に比較して、安価に製造される。このため、実施例1のデータ記録装置1は、製造コストを低減することができる。
【0046】
また、実施例1のデータ記録装置1の表示部32の面積は、挿入部31の面積より小さい。このとき、実施例1のデータ記録装置1は、表示部32を介して筐体14の内部に埃が進入することをより抑制することができ、筐体14の内部に進入した埃により不具合が発生することをより抑制することができる。
【0047】
また、実施例1のデータ記録装置1の挿入部31の縁である挿入部縁36の曲率半径の最小値は、表示部32の縁である表示部縁37の曲率半径の最小値より小さい。このとき、表示部32が切削加工されるときに、挿入部31を切削加工するエンドミルと異なる他のエンドミルを用いる必要がなく、表示部32は、挿入部31を切削加工するエンドミルを用いて切削加工可能である。このため、実施例1のデータ記録装置1は、1つのエンドミルを用いて開口部23を容易に形成することができ、筐体14の製造コストを低減することができる。
【0048】
また、実施例1のデータ記録装置1のケーブル側コネクタ7は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、挿入部31に嵌合している。このとき、実施例1のデータ記録装置1は、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合しているときに、ケーブル側コネクタ7が長手方向10と異なる方向に移動したり筐体14に対して回転したりしないように、ケーブル側コネクタ7を筐体14に支持することができる。このため、実施例1のデータ記録装置1は、本体側コネクタ27を基板25に固定するはんだ付け部や基板25の回路パターンに応力が加わることを抑制することができ、基板25に不具合が発生することを防止することができる。
【0049】
また、実施例1のデータ記録装置1の表示部32の径は、ケーブル側コネクタ7の径の最小値より小さい。このとき、実施例1のデータ記録装置1は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に接続されるときに、ケーブル側コネクタ7が誤って表示部32を貫通することを防止することができる。このため、実施例1のデータ記録装置1は、保守作業者がケーブル側コネクタ7を本体側コネクタ27に挿入する作業を容易にすることができる。また、これにより、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に挿入されるため、ケーブル側コネクタ7と本体側コネクタ27とに不具合が発生することを抑制することができる。
【0050】
また、実施例1のデータ記録装置1のケーブル2は、ケーブル側コネクタ7の一部を被覆する被覆部8をさらに備えている。表示部32は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているとき、表示部32が被覆部8に塞がれないように、形成されている。このとき、実施例1のデータ記録装置1は、表示部32を通過した光が被覆部8により遮られることを防止し、発光素子28の光をより確実に外部に通過させることができ、発光素子28が点灯しているか否かを保守作業者が確認する作業を容易にすることができる。
【実施例0051】
ところで、既述の実施例1のデータ記録装置1は、発光素子28とコネクタ側部分24との間の距離D1が所定距離より大きくなるように設計されているが、距離D1が所定距離より小さくなるように設計されてもよい。実施例2のデータ記録装置51は、図12に示されているように、距離D1が所定距離より小さくなるように発光素子28が配置され、他の部分は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同じである。図12は、実施例2のデータ記録装置51を示す断面図である。発光素子28は、発光素子28から発光される光が開口部23の表示部32を通過するように、すなわち、発光素子28から発光された光が広がる発光範囲に表示部32が含まれるように、配置されている。発光範囲は、発光素子28を始点として有する2つの半直線の間に形成されている。
【0052】
データ記録装置51は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体3とを取り扱う作業を容易にすることができる。データ記録装置51は、距離D1が所定距離より小さいことにより、発光素子28から発光された光のうちの表示部32を通過する光の割合が大きくなる。このため、データ記録装置51は、既述の実施例1のデータ記録装置1に比較して、表示部32を通過する光の強度が大きく、発光素子28が点灯しているか否かを保守作業者が確認する視認性を向上させることができる。
【0053】
発光範囲は、発光素子28に近いほど、狭くなる。このため、実施例2のデータ記録装置51の発光素子28は、既述の実施例1のデータ記録装置1の発光素子28が基板25に設置されるときより、基板25に高精度に設置される必要がある。すなわち、既述の実施例1のデータ記録装置1は、発光素子28が高精度に設置される必要がなく、実施例2のデータ記録装置51に比較して、容易に作製され、製造コストを低減することができる。
【0054】
ところで、既述の実施例1のデータ記録装置1の本体3は、開口部23の挿入部31と表示部32とが左右方向34に並んでいるが、挿入部31と表示部32とが上下方向33に並んでもよい。
【実施例0055】
実施例3のデータ記録装置の本体52は、図13に示されているように、既述の実施例1のデータ記録装置1の表示部32が他の表示部53に置換され、他の部分は、既述の実施例1のデータ記録装置1の本体3と同じである。図13は、実施例3のデータ記録装置の本体52を示す正面図である。表示部53は、既述の表示部32と同様に、表示部53の径の最大値がケーブル側コネクタ7の径の最小値より小さくなるように、形成されている。表示部53は、さらに、挿入部31と上下方向33に並び、発光素子28の発光範囲の内側に配置されている。本体52は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部53が被覆部8により塞がれないで露出するように形成されている。実施例3のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体52とを取り扱う作業を容易にすることができる。
【実施例0056】
実施例4のデータ記録装置の本体55は、図14に示されているように、既述の実施例3のデータ記録装置の発光素子28が他の発光素子56に置換され、表示部53が他の表示部57に置換され、他の部分は、既述の実施例3のデータ記録装置の本体52と同じである。図14は、実施例4のデータ記録装置の本体55を示す正面図である。発光素子56は、基板25の本体側コネクタ27が配置される上側の反対側の下側に配置されている。表示部53は、既述の表示部32と同様に、表示部53の径の最大値がケーブル側コネクタ7の径の最小値より小さくなるように、形成されている。表示部57は、さらに、挿入部31と上下方向33に並び、基板25の下側のうちの発光素子56の発光範囲の内側に配置されている。本体55は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部57が被覆部8により塞がれないで露出するように形成されている。実施例4のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体55とを取り扱う作業を容易にすることができる。
【0057】
既述の実施例のデータ記録装置の表示部32、53、57は、径がケーブル側コネクタ7の径の最小値(厚さT1)より小さく形成されているが、径が厚さT1より大きく形成されてもよい。
【実施例0058】
実施例5のデータ記録装置の本体61は、図15に示されているように、既述の実施例3のデータ記録装置の表示部53が他の表示部62に置換され、他の部分は、既述の実施例3のデータ記録装置の本体52と同じである。図15は、実施例5のデータ記録装置の本体61を示す正面図である。表示部62は、挿入部31と上下方向33に並んでいる。表示部62は、幅W3がケーブル側コネクタ7の厚さT1より大きくなるように、かつ、幅W3が挿入部31の幅W4より小さくなるように、形成されている。幅W3は、表示部62の左右方向34における径に等しい。幅W4は、挿入部31の左右方向34における径に等しい。本体55は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部57が被覆部8により塞がれないで露出するように形成されている。
【0059】
実施例5のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体61とを取り扱う作業を容易にすることができる。また、実施例5のデータ記録装置の挿入部31は、表示部62の幅W3が挿入部31の幅W4より小さいことにより、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、ケーブル側コネクタ7に嵌合する。実施例5のデータ記録装置は、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合しているときに、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に対して移動しないように支持され、本体側コネクタ27が固定される基板25に応力が加わることを抑制することができる。
【実施例0060】
実施例6のデータ記録装置の本体65は、図16に示されているように、既述の実施例3のデータ記録装置の表示部53が他の表示部66に置換され、他の部分は、既述の実施例3のデータ記録装置の本体52と同じである。図16は、実施例6のデータ記録装置の本体65を示す正面図である。表示部66は、高さH2がケーブル側コネクタ7の厚さT1より大きくなるように、かつ、横幅L2がケーブル側コネクタ7の厚さT1より大きくなるように、形成されている。高さH2は、表示部66の上下方向33における径に等しい。横幅L2は、表示部66の左右方向34における径に等しい。すなわち、表示部62の径の最大値は、ケーブル側コネクタ7の厚さT1より大きい。表示部66は、さらに、挿入部31と表示部66との境界の幅Cがケーブル側コネクタ7の厚さT1より小さい。幅Cは、挿入部31と表示部66との境界の径の最大値である。本体55は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部66が被覆部8により塞がれないで露出するように形成されている。
【0061】
実施例6のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体65とを取り扱う作業を容易にすることができる。また、実施例6のデータ記録装置は、挿入部31と表示部66との境界の幅Cがケーブル側コネクタ7の厚さT1より小さいことにより、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、挿入部31に嵌合するケーブル側コネクタ7が表示部66に移動することを抑制することができる。実施例6のデータ記録装置は、挿入部31に嵌合するケーブル側コネクタ7が表示部66に移動することが抑制されることにより、本体側コネクタ27が固定される基板25が変形することを抑制することができる。
【0062】
ところで、既述の実施例のデータ記録装置は、挿入部31にケーブル側コネクタ7が嵌合するように形成されているが、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合しないように形成されてもよい。
【実施例0063】
実施例7のデータ記録装置の本体71は、図17に示されているように、既述の実施例1のデータ記録装置の表示部32が他の表示部72に置換され、他の部分は、既述の実施例3のデータ記録装置の本体52と同じである。図17は、実施例7のデータ記録装置の本体71を示す正面図である。表示部72は、挿入部31と左右方向34に並んでいる。表示部72は、表示部72の高さが挿入部31の高さと等しくなるように、形成されている。このため、ケーブル側コネクタ7は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、挿入部31に嵌合しないで、左右方向34に移動可能である。本体55は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部72が被覆部8により塞がれないで露出するように形成されている。
【0064】
実施例7のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体61とを取り扱う作業を容易にすることができる。実施例7のデータ記録装置では、本体側コネクタ27に適切に接続されているケーブル側コネクタ7が左右方向34に移動することにより、変形することがある。既述の実施例1~6のデータ記録装置は、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合することにより、実施例7のデータ記録装置に比較して、基板25が変形することを抑制し、基板25に不具合が発生することを防止することができる。
【実施例0065】
実施例8のデータ記録装置の本体75は、図18に示されているように、既述の実施例1のデータ記録装置の表示部32が他の表示部76に置換され、他の部分は、既述の実施例3のデータ記録装置の本体52と同じである。図18は、実施例8のデータ記録装置の本体75を示す正面図である。表示部76は、挿入部31と上下方向33に並んでいる。表示部76は、表示部76の横幅が挿入部31の横幅と等しくなるように、形成されている。このため、ケーブル側コネクタ7は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、挿入部31に嵌合しないで、上下方向33に移動可能である。本体55は、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、表示部76が被覆部8により塞がれないで露出するように形成されている。
【0066】
実施例8のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体61とを取り扱う作業を容易にすることができる。実施例8のデータ記録装置では、本体側コネクタ27に適切に接続されているケーブル側コネクタ7が上下方向33に移動することにより、変形することがある。既述の実施例1~6のデータ記録装置は、ケーブル側コネクタ7が挿入部31に嵌合することにより、実施例7のデータ記録装置に比較して、基板25が変形することを抑制し、基板25に不具合が発生することを防止することができる。
【実施例0067】
実施例9のデータ記録装置の本体81は、図19に示されているように、既述の実施例1のデータ記録装置1の本体側コネクタ27が他の本体側コネクタ82に置換され、他の部分は、既述の実施例1のデータ記録装置1の本体3と同じである。図19は、実施例9のケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ82に適切に接続されているときのデータ記録装置を示す断面図である。本体側コネクタ82は、既述の本体側コネクタ27と同様に、形成されている。本体側コネクタ82は、本体側コネクタ82がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに、被覆部8とコネクタ側部分24との間の距離D2が所定距離より大きくなるように、配置され、基板25に固定されている。
【0068】
実施例9のデータ記録装置は、既述の実施例1のデータ記録装置1と同様に、動作し、保守作業者がケーブル2と本体61とを取り扱う作業を容易にすることができる。実施例9のデータ記録装置では、発光素子28から発光された光は、表示部32を通過し、ケーブル2のケーブル側コネクタ7または被覆部8を反射し、コネクタ側部分24の外側の表面のうちの表示部32の近傍の部分を照らす。このため、発光素子28から発光された光は、本体側コネクタ82がケーブル2のケーブル側コネクタ7に適切に接続されているときに表示部32の全部が被覆部8に長手方向10に重なっているときでも、視認可能である。すなわち、保守作業者は、コネクタ側部分24が光に照らされているか否かを確認することにより、発光素子28が点灯しているか否かを確認することができる。
【0069】
ところで、既述の実施例のデータ記録装置では、ケーブル側コネクタ7が本体側コネクタ27に適切に接続されているときに、被覆部8が開口部23の挿入部31を覆っているが、被覆部8が開口部23に挿入されてもよい。被覆部8が開口部23に挿入されるときでも、データ記録装置は、既述の実施例のデータ記録装置と同様に、保守作業者が本体3や空気調和機用コネクタ部6を取り扱う作業を容易にすることができる。
【0070】
ところで、既述の実施例のデータ記録装置は、ケーブル2が本体3から取り外し可能に形成されているが、ケーブル2が本体3から取り外せなくてもよい。ケーブル2が本体3から取り外せないときでも、データ記録装置は、既述の実施例のデータ記録装置と同様に、保守作業者が本体3や空気調和機用コネクタ部6を取り扱う作業を容易にすることができる。
【0071】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 :データ記録装置
2 :ケーブル
3 :本体
6 :空気調和機用コネクタ部
7 :ケーブル側コネクタ
8 :被覆部
14:筐体
23:開口部
27:本体側コネクタ
28:発光素子
31:挿入部
32:表示部
36:挿入部縁
37:表示部縁
41:無線通信部
42:有線通信部
43:記憶部
51:データ記録装置
52:本体
53:表示部
55:本体
56:発光素子
57:表示部
61:本体
62:表示部
65:本体
66:表示部
71:本体
72:表示部
75:本体
76:表示部
81:本体
82:本体側コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19