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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146238
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】熱交換器及び熱交換器の製造方法
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20241004BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20241004BHJP
F28F 3/00 20060101ALI20241004BHJP
F28F 3/06 20060101ALI20241004BHJP
【ＦＩ】
F28F3/08 301B
F28D9/00
F28F3/00 311
F28F3/06 A
F28F3/08 301A
F28F3/08 311
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023059019
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 拓也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正敏
(72)【発明者】
【氏名】諏佐 利浩
【テーマコード（参考）】
3L103
【Ｆターム（参考）】
3L103AA01
(57)【要約】
【課題】熱交換器を容易に製造することができるようにする。
【解決手段】熱交換器は、層部材（110）と、隔壁部材（120）とを備え、前記複数の層部材（110）の各々は、流路部材（111）と、スペーサ部材（112）とを含み、前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、Ｍは２以上の自然数であり、前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である。
【選択図】図１
【解決手段】熱交換器は、層部材（110）と、隔壁部材（120）とを備え、前記複数の層部材（110）の各々は、流路部材（111）と、スペーサ部材（112）とを含み、前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、Ｍは２以上の自然数であり、前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層される複数の層部材（110）と、
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、
Ｍは２以上の自然数であり、
前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である、熱交換器。
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、
Ｍは２以上の自然数であり、
前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である、熱交換器。
【請求項2】
前記第１差が、さらに５０μｍ以下である、請求項１に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第１差が、さらに１０μｍ以下である、請求項２に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記複数の層部材（110）の各々は、前記積層方向（V1）において、前記流路部材（111）の寸法と前記スペーサ部材（112）の寸法との差の絶対値が、１０μｍ以下である、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記隔壁部材（120）には、屈曲又は湾曲する変形箇所（123）を有する変形隔壁部材（120A）が含まれる、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記変形箇所（123）は、前記変形隔壁部材（120A）と前記スペーサ部材（112）との接合箇所のうち最も前記流路部材（111）寄りに位置する場所（124）から、前記変形隔壁部材（120A）と前記流路部材（111）との接合箇所（125）のうち最も前記スペーサ部材（112）寄りに位置する場所（125a）までの間に位置する、請求項５に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記積層方向（V1）において、前記複数の層部材（110）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記複数の層部材（110）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第２差が５×Ｍμｍ以下である、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第２差は、さらに、２×Ｍμｍ以下である、請求項７に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記積層方向（V1）に隣り合う前記層部材（110）と前記隔壁部材（120）とがろう材（S）により互いに接合され、
複数の層部材（110）のうちの少なくとも１つの層部材（110）は、
前記積層方向（V1）において、前記スペーサ部材（112）の寸法と前記流路部材（111）の寸法との差の絶対値が、前記ろう材（S）の寸法よりも大きい、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
複数の層部材（110）のうちの少なくとも１つの層部材（110）は、
前記積層方向（V1）において、前記スペーサ部材（112）の寸法と前記流路部材（111）の寸法との差の絶対値が、前記ろう材（S）の寸法よりも大きい、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項10】
積層される複数の層部材（110）と、
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
スペーサ部材（112）と
を含み、
複数の前記流路部材（111）の各々は、
前記スペーサ部材（112）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置される第１部分（1111）と、
前記スペーサ部材（112）と前記隔壁部材（120）とで挟まれる第２部分（1112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第１部分（1111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第２部分（1112）の寸法と全ての前記スペーサ部材（112）の寸法との和との差の絶対値である第３差が、１００μｍ以下である、熱交換器。
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
スペーサ部材（112）と
を含み、
複数の前記流路部材（111）の各々は、
前記スペーサ部材（112）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置される第１部分（1111）と、
前記スペーサ部材（112）と前記隔壁部材（120）とで挟まれる第２部分（1112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第１部分（1111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第２部分（1112）の寸法と全ての前記スペーサ部材（112）の寸法との和との差の絶対値である第３差が、１００μｍ以下である、熱交換器。
【請求項11】
冷媒配管（P1）が設けられた差込部材（P）を差し込むための差込部（400）を備える、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記差込部（400）は、前記差込部材（P）の端部（P3）を係止する係止部（410）を含み、
前記係止部（410）は、Ｃ字形状、又はカギ形状を含む、請求項１１に記載の熱交換器。
前記係止部（410）は、Ｃ字形状、又はカギ形状を含む、請求項１１に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記差込部（400）は、前記差込部材（P）が挿入されるスリット部（420）を含む、請求項１１に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項15】
積層される複数の層部材（110）と、
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である熱交換器の製造方法であって、
前記隔壁部材（120）を変形させつつ前記隔壁部材（120）と前記流路部材（111）と前記スペーサ部材（112）とをろう付けする工程を含む、熱交換器の製造方法。
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である熱交換器の製造方法であって、
前記隔壁部材（120）を変形させつつ前記隔壁部材（120）と前記流路部材（111）と前記スペーサ部材（112）とをろう付けする工程を含む、熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器及び熱交換器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１には、熱交換器が開示されている。特許文献１の熱交換器は、一対のスペーサバー（スペーサ部材）を挟んでチューブプレート（隔壁部材）を重ねることにより、流体通路が複数段に形成された構造をしている。各流体通路には、その流通方向に沿って波形フィン（流路部材）が配設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平４－６３９８９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱交換器の構成部材がろう付けによって接合されることで、熱交換器が製造される。しかし、熱交換器の材料となるロール材の厚みやプレス成形のバラツキによって、熱交換器の各層の構成部材間の高さには数十μm程度の差が生じる可能性がある。この高さの差によって、熱交換器の構成部材の接合面間がろう材で埋まらないことで、接合面間に隙間が発生し、接合不良が発生する可能性がある。熱交換器の構成部材間の接合不良を解消するために、熱交換器の層毎に構成部材の高さを調整していたが、層毎に高さを調整する作業が煩雑であった。
【0005】
本開示の目的は、容易に製造できる熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第１の態様の熱交換器は、積層される複数の層部材（110）と、隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）とを備え、前記複数の層部材（110）の各々は、冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）とを含み、前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、Ｍは２以上の自然数であり、前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である。
【0007】
第１の態様では、熱交換器を容易に製造することができる。
【0008】
第２の態様は、前記第１差が、さらに５０μｍ以下である。
【0009】
第２の態様では、第１差をさらに５０μｍ以下とすることができる。
【0010】
第３の態様は、第２の態様において、第１差が、さらに１０μｍ以下である。
【0011】
第３の態様では、第１差をさらに１０μｍ以下とすることができる。
【0012】
第４の態様は、第１～第３のいずれか１つの態様において、前記複数の層部材（110）の各々は、前記積層方向（V1）において、前記流路部材（111）の寸法と前記スペーサ部材（112）の寸法との差の絶対値が、１０μｍ以下である。
【0013】
第４の態様では、複数の層部材（110）の各々について、流路部材（111）の寸法とスペーサ部材（112）の寸法との差に制限を設けることができる。
【0014】
第５の態様は、第１～第４のいずれか１つの態様において、前記隔壁部材（120）には、屈曲又は湾曲する変形箇所（123）を有する変形隔壁部材（120A）が含まれる。
【0015】
第５の態様では、変形隔壁部材（120A）の変形箇所（123）での変形によりスペーサ部材（112）と流路部材（111）との寸法差を吸収することができる。
【0016】
第６の態様においては、第５の態様において、前記変形箇所（123）は、前記変形隔壁部材（120A）と前記スペーサ部材（112）との接合箇所のうち最も前記流路部材（111）寄りに位置する場所（124）から、前記変形隔壁部材（120A）と前記流路部材（111）との接合箇所（125）のうち最も前記スペーサ部材（112）寄りに位置する場所（125a）までの間に位置する。
【0017】
第６の態様では、変形隔壁部材（120A）に対するスペーサ部材（112）の接合箇所と流路部材（111）の接合箇所との間の領域において変形隔壁部材（120A）を変形させることができる。
【0018】
第７の態様は、第１～第６のいずれか１つの態様において、前記積層方向（V1）において、前記複数の層部材（110）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記複数の層部材（110）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第２差が５×Ｍμｍ以下である。
【0019】
第７の態様では、複数の層部材（110）の全層数を考慮して第２差に制限を設けることができる。
【0020】
第８の態様は、第７の態様において、前記第２差は、さらに、２×Ｍμｍ以下である。
【0021】
第８の態様では、第２差をさらに２×Ｎμｍ以下とすることができる。
【0022】
第９の態様は、第１～第８のいずれか１つの態様において、前記積層方向（V1）に隣り合う前記層部材（110）と前記隔壁部材（120）とがろう材（S）により互いに接合され、複数の層部材（110）のうちの少なくとも１つの層部材（110）は、前記積層方向（V1）において、前記スペーサ部材（112）の寸法と前記流路部材（111）の寸法との差の絶対値が、前記ろう材（S）の寸法よりも大きい。
【0023】
第９の態様では、熱交換器（1）を容易に製造することができる。
【0024】
第１０の態様の熱交換器は、積層される複数の層部材（110）と、隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）とを備え、前記複数の層部材（110）の各々は、冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、スペーサ部材（112）とを含み、複数の前記流路部材（111）の各々は、前記スペーサ部材（112）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置される第１部分（1111）と、前記スペーサ部材（112）と前記隔壁部材（120）とで挟まれる第２部分（1112）とを含み、前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第１部分（1111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第２部分（1112）の寸法と全ての前記スペーサ部材（112）の寸法との和との差の絶対値である第３差が、１００μｍ以下である。
【0025】
第１０の態様では、熱交換器を容易に製造することができる。
【0026】
第１１の態様は、第１～第１０のいずれか１つの態様において、熱交換器は、冷媒配管（P1）が設けられた差込部材（P）を差し込むための差込部（400）を備える。
【0027】
第１１の態様では、熱交換器に差込部材（P）を装着することができる。
【0028】
第１２の態様は、第１１の態様において、前記差込部（400）は、前記差込部材（P）の端部（P3）を係止する係止部（410）を含み、前記係止部（410）は、Ｃ字形状、又はカギ形状を含む。
【0029】
第１２の態様では、Ｃ字形状、又はカギ形状の係止部（410）により差込部材（P）を支持することができる。。
【0030】
第１３の態様は、第１１の態様又は第１２の態様において、前記差込部（400）は、前記差込部材（P）が挿入されるスリット部（420）を含む。
【0031】
第１３の態様では、スリット部（420）により差込部材（P）を支持することができる。
【0032】
第１４の態様は、第１の態様から第１３のいずれか１つの態様において、前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する。
【0033】
第１４の態様では、隔壁部材（120）を屈曲又は湾曲させることによって、熱交換機の構成部材の接合面間に隙間が発生することを抑制して、隔壁部材（120）に流路部材（111）とスペーサ部材（112）とを効果的にろう付けすることができる。
【0034】
第１５の態様は、積層される複数の層部材（110）と、隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）とを備え、前記複数の層部材（110）の各々は、冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）とを含み、前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である熱交換器の製造方法である。熱交換器の製造方法は、前記隔壁部材（120）を変形させつつ前記隔壁部材（120）と前記流路部材（111）と前記スペーサ部材（112）とをろう付けする工程を含む。
【0035】
第１５の態様では、熱交換器を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表す場合がある。各実施形態、変形例、及び図中において、同一又は相当部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明及びそれに付随する効果等の説明は繰り返さない。
【0038】
（１）全体構成
実施形態に係る熱交換器（1）は、複数の流体の間で熱交換を行う機器である。熱交換器（1）は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の素材により形成される。図１及び図２に示すように、熱交換器（1）は、積層体（100）と、第１プレート部材（200）と、第２プレート部材（300）とを備える。
実施形態に係る熱交換器（1）は、複数の流体の間で熱交換を行う機器である。熱交換器（1）は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属製の素材により形成される。図１及び図２に示すように、熱交換器（1）は、積層体（100）と、第１プレート部材（200）と、第２プレート部材（300）とを備える。
【0039】
積層体（100）は、複数の層部材（110）と、隔壁部材（120）とを含む。複数の層部材（110）は、第１方向（V1）に沿って積層される。第１方向（V1）は、層部材（110）の積層方向を示す。複数の層部材（110）の各々は、流路部材（111）と、スペーサ部材（112）とを含む。
【0040】
流路部材（111）は、冷媒の流路を形成する。流路部材（111）は、第１方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる山部（111a）と、第１方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる谷部（111b）とを含む（図８（ａ）及び図８（ｂ）参照）。流路部材（111）は、山部（111a）と谷部（111b）とを交互に配置した波板形状を有する（図８（ａ）及び図８（ｂ）参照）。
【0041】
スペーサ部材（112）は、流路部材（111）の設置スペースを確保する。スペーサ部材（112）は、第１方向（V1）（層部材（110）の積層方向）に対して垂直な方向側に配置される。本実施形態では、第１方向（V1）に対して垂直な方向として、第２方向（V2）と、第３方向（V3）とを規定する。第１方向（V1）、第２方向（V2）、及び第３方向（V3）は互いに垂直な方向である。
【0042】
本実施形態では、複数の層部材（110）は、２種類の層部材を含む。２種類の層部材は、第１層部材（110A）と、第２層部材（110B）とで構成される。第１層部材（110A）と第２層部材（110B）とが、第１方向（V1）に沿って交互に配置される。なお、複数の層部材（110）は、３つ以上の種類の層部材を含み、３つ以上の種類の層部材が第１方向（V1）に沿って順番に繰り返し配置されていてもよい。
【0043】
以下では、第１層部材（110A）の流路部材（111）を第１流路部材（111A）と記載し、第２層部材（110B）の流路部材（111）を第２流路部材（111B）と記載することがある。また、第１層部材（110A）のスペーサ部材（112）を第１スペーサ部材（112A）と記載し、第２層部材（110B）のスペーサ部材（112）を第２スペーサ部材（112B）と記載することがある。
【0044】
第１流路部材（111A）の山部（111a）と谷部（111b）は、第３方向（V3）に沿って延びる。第１流路部材（111A）は、第３方向（V3）に沿って冷媒を送る。第２流路部材（111B）の山部（111a）と谷部（111b）は、第２方向（V2）に沿って延びる。第２流路部材（111B）は、第２方向（V2）に沿って冷媒を送る。本実施形態では、第１流路部材（111A）と、第２流路部材（111B）とが、互いに垂直な方向に冷媒を送る。なお、第１層部材（110A）の第１流路部材（111A）により冷媒が送られる方向と、第２流路部材（111B）により冷媒が送られる方向とは特に限定されない。
【0045】
第１流路部材（111A）と第２流路部材（111B）とは、互いに異なる種類の冷媒を送る。本実施形態では、第１流路部材（111A）と第２流路部材（111B）とのうちの一方の流路部材が冷媒としてプロパンを送り、他方の流路部材が冷媒として水を送る。なお、第１流路部材（111A）と第２流路部材（111B）とのうちの一方の流路部材が冷媒としてプロパンを送り、他方の流路部材が冷媒としてＣＯ２を送ってもよい。また、第１流路部材（111A）と第２流路部材（111B）とのうちの一方の流路部材が冷媒として水を送り、他方の流路部材が冷媒としてＣＯ２を送ってもよい。
【0046】
流路部材（111）は、冷媒が流れる流路（R）を形成する。以下では、第１流路部材（111A）により形成される第１流路（R1）を流れる冷媒を第１冷媒と記載し、第２流路部材（111B）により形成される第２流路（R2）を流れる冷媒を第２冷媒と記載することがある。第１流路（R1）は第２方向（V2）に沿って延びる。第２流路（R2）は第３方向（V3）に沿って延びる。
【0047】
隔壁部材（120）は、平板状の部材である。隔壁部材（120）は、隣り合う層部材（110）の間に配置される。本実施形態では、隔壁部材（120）が第１層部材（110A）と第２層部材（110B）との間に配置される。
【0048】
第１プレート部材（200）は、平板状の部材である。第１プレート部材（200）は、第１方向（V1）の一方向側（V11）から積層体（10）に対向する。第１プレート部材（200）は、最も第１方向（V1）の一方向側（V11）（最上段）に位置する。
【0049】
第２プレート部材（300）は、平板状の部材である。第２プレート部材（300）は、第１方向（V1）の他方向側（V12）から積層体（10）に対向する。第２プレート部材（300）は、最も第１方向（V1）の他方向側（V12）（最下段）に位置する。
【0050】
図３（ａ）及び図３（ｂ）に示すように、熱交換器（1）には、差込部材（P）を差し込むための差込部（400）が形成される。差込部材（P）は、冷媒配管（P1）と、板状部（P2）とを含む。冷媒配管（P1）は、冷媒を送るための管状の部材である。板状部（P2）は、板状の部材であり、差込部（400）に差し込まれる。板状部（P2）は、板状の部材である。板状部（P2）には、冷媒配管（P1）が設けられる。板状部（P2）には、冷媒が通る孔が設けられ、当該孔が冷媒配管（P1）の内部と連通していると共に熱交換器（1）と対向している。冷媒配管（P1）を通じて熱交換器（1）に冷媒が送られる。差込部（400）及び冷媒配管（P1）は、熱交換器（1）において、第２方向（V2）の両側と、第３方向（V3）の両側とに計４つ設けられる。なお、図１～図３（ｂ）においては、差込部（400）及び差込部材（P）は１つしか設けられておらず、残り３つの差込部（400）及び差込部材（P）の図示は省略している。
【0051】
（２）熱交換器の構成部材
（２－１）第１プレート部材
図４（ａ）に示すように、第１プレート部材（200）は、対向部（201）と、隅部（202）とを含む。対向部（201）は、流路部材（111）と対向する。対向部（201）は、第１プレート部材（200）の中央部に設けられる。隅部（202）は、第１隅部（2021）～第4隅部（2024）を含み、第１プレート部材（200）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（202）の間には差込部（400）が形成される。
（２－１）第１プレート部材
図４（ａ）に示すように、第１プレート部材（200）は、対向部（201）と、隅部（202）とを含む。対向部（201）は、流路部材（111）と対向する。対向部（201）は、第１プレート部材（200）の中央部に設けられる。隅部（202）は、第１隅部（2021）～第4隅部（2024）を含み、第１プレート部材（200）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（202）の間には差込部（400）が形成される。
【0052】
（２－２）第２プレート部材
図４（ｂ）に示すように、第２プレート部材（300）は、対向部（301）と、隅部（302）と、載置部（303）とを含む。対向部（301）は、流路部材（111）と対向する。対向部（301）は、第２プレート部材（300）の中央部に設けられる。隅部（302）は、第１隅部（3021）～第４隅部（3024）を含み、第２プレート部材（300）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（302）の間には、載置部（303）が位置する。載置部（303）には、差込部（400）に差し込まれた差込部材（P）が載置される。
図４（ｂ）に示すように、第２プレート部材（300）は、対向部（301）と、隅部（302）と、載置部（303）とを含む。対向部（301）は、流路部材（111）と対向する。対向部（301）は、第２プレート部材（300）の中央部に設けられる。隅部（302）は、第１隅部（3021）～第４隅部（3024）を含み、第２プレート部材（300）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（302）の間には、載置部（303）が位置する。載置部（303）には、差込部（400）に差し込まれた差込部材（P）が載置される。
【0053】
（２－３）第１スペーサ部材
図５（ａ）に示すように、第１スペーサ部材（112A）は、配置部（112A1）と、隅部（112A2）と、一対の第１枠部（112A3）と、一対の第２枠部（112A4）とを含む。一対の第１枠部（112A3）は、第２方向（V2）に沿って互いに離間しつつ、第３方向（V3）に沿って互いに平行に延びる。一対の第２枠部（112A4）は、第３方向（V3）に沿って互いに離間しつつ、第２方向（V2）に沿って互いに平行に延びる。一対の第１枠部（112A3）と、一対の第２枠部（112A4）とが略矩形状の枠を形成しており、当該枠の内側に配置部（112A1）が位置する。配置部（112A1）は、第１流路部材（111A）を配置するために設けられ、第１スペーサ部材（112A）を第１方向（V1）に沿って貫通する空所である。配置部（112A1）は、第１スペーサ部材（112A）の中央部に設けられる。隅部（112A2）は、第１隅部（112A21）～第４隅部（112A24）を含み、第１スペーサ部材（112A）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（112A2）の間には差込部（400）が形成される。第１枠部（112A3）及び第２枠部（112A4）は隅部（112A2）を介して連続している。第１枠部（112A3）には第１流路部材（111A）が取り付けられる。第２枠部（112A4）と第１流路部材（111A）との間には、隙間（Q1）が存在する。
図５（ａ）に示すように、第１スペーサ部材（112A）は、配置部（112A1）と、隅部（112A2）と、一対の第１枠部（112A3）と、一対の第２枠部（112A4）とを含む。一対の第１枠部（112A3）は、第２方向（V2）に沿って互いに離間しつつ、第３方向（V3）に沿って互いに平行に延びる。一対の第２枠部（112A4）は、第３方向（V3）に沿って互いに離間しつつ、第２方向（V2）に沿って互いに平行に延びる。一対の第１枠部（112A3）と、一対の第２枠部（112A4）とが略矩形状の枠を形成しており、当該枠の内側に配置部（112A1）が位置する。配置部（112A1）は、第１流路部材（111A）を配置するために設けられ、第１スペーサ部材（112A）を第１方向（V1）に沿って貫通する空所である。配置部（112A1）は、第１スペーサ部材（112A）の中央部に設けられる。隅部（112A2）は、第１隅部（112A21）～第４隅部（112A24）を含み、第１スペーサ部材（112A）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（112A2）の間には差込部（400）が形成される。第１枠部（112A3）及び第２枠部（112A4）は隅部（112A2）を介して連続している。第１枠部（112A3）には第１流路部材（111A）が取り付けられる。第２枠部（112A4）と第１流路部材（111A）との間には、隙間（Q1）が存在する。
【0054】
（２－４）第２スペーサ部材
図５（ｂ）に示すように、第２スペーサ部材（112B）は、配置部（112B1）と、隅部（112B2）と、一対の第３枠部（112B3）と、一対の第４枠部（112B4）とを含む。一対の第３枠部（112B3）は、第２方向（V2）に沿って互いに離間しつつ、第３方向（V3）に沿って互いに平行に延びる。一対の第４枠部（112B4）は、第３方向（V3）に沿って互いに離間しつつ、第２方向（V2）に沿って互いに平行に延びる。一対の第３枠部（112B3）と、一対の第４枠部（112B4）とが略矩形状の枠を形成しており、当該枠の内側に配置部（112B1）が位置する。配置部（112B1）は、第２流路部材（111B）を配置するために設けられ、第２スペーサ部材（112B）を第１方向（V1）に沿って貫通する空所である。配置部（112B1）は、第２スペーサ部材（112B）の中央部に設けられる。隅部（112B2）は、第１隅部（112B21）～第２隅部（112B24）を含み、配置部（112B1）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（112B2）の間には差込部（400）が形成される。第３枠部（112B3）及び第４枠部（112B4）は隅部（112B2）を介して連続している。第３枠部（112B3）には第２流路部材（111B）が取り付けられる。第４枠部（112B4）と第２流路部材（111B）との間には、隙間（Q2）が存在する。
図５（ｂ）に示すように、第２スペーサ部材（112B）は、配置部（112B1）と、隅部（112B2）と、一対の第３枠部（112B3）と、一対の第４枠部（112B4）とを含む。一対の第３枠部（112B3）は、第２方向（V2）に沿って互いに離間しつつ、第３方向（V3）に沿って互いに平行に延びる。一対の第４枠部（112B4）は、第３方向（V3）に沿って互いに離間しつつ、第２方向（V2）に沿って互いに平行に延びる。一対の第３枠部（112B3）と、一対の第４枠部（112B4）とが略矩形状の枠を形成しており、当該枠の内側に配置部（112B1）が位置する。配置部（112B1）は、第２流路部材（111B）を配置するために設けられ、第２スペーサ部材（112B）を第１方向（V1）に沿って貫通する空所である。配置部（112B1）は、第２スペーサ部材（112B）の中央部に設けられる。隅部（112B2）は、第１隅部（112B21）～第２隅部（112B24）を含み、配置部（112B1）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（112B2）の間には差込部（400）が形成される。第３枠部（112B3）及び第４枠部（112B4）は隅部（112B2）を介して連続している。第３枠部（112B3）には第２流路部材（111B）が取り付けられる。第４枠部（112B4）と第２流路部材（111B）との間には、隙間（Q2）が存在する。
【0055】
（２－５）隔壁部材
図６に示すように、隔壁部材（120）は、対向部（121）と、隅部（122）とを含む。対向部（121）は、流路部材（111）と対向する。対向部（121）は、隔壁部材（120）の中央部に設けられる。隅部（122）は、第１隅部（1221）～第４隅部（1224）を含み、対向部（121）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（122）の間には差込部（400）が形成される。
図６に示すように、隔壁部材（120）は、対向部（121）と、隅部（122）とを含む。対向部（121）は、流路部材（111）と対向する。対向部（121）は、隔壁部材（120）の中央部に設けられる。隅部（122）は、第１隅部（1221）～第４隅部（1224）を含み、対向部（121）の４隅に設けられる。隣り合う隅部（122）の間には差込部（400）が形成される。
【0056】
第１プレート部材（200）の第n隅部（202n）と、第２プレート部材（300）の第n隅部（302n）と、第１スペーサ部材（112A）の第n隅部（112A2n）と、第２スペーサ部材（112B）の第n隅部（112B2n）と、隔壁部材（120）の第n隅部（122n）とが、第１方向（V1）に沿って積層されるように配置される。ｎは、１以上、４以下の自然数である。
【0057】
図５（ａ）に示す第１流路部材（111A）においては、一対の第１枠部（112A3）の各々との間に隙間（Q1）をそれぞれ形成しつつ、第１流路部材（111A）のうち第３方向（V3）の両側の端部（111C）が第１スペーサ部材（112A）の一対の第２枠部（112A4）に形成された溝（112a）にそれぞれ嵌められることで第１スペーサ部材（112A）に取り付けられる。図５（ｂ）に示す第２流路部材（111B）においては、一対の第４枠部（112B4）の各々との間に隙間（Q2）をそれぞれ形成しつつ、第２流路部材（111B）のうち第２方向（V2）の両側の端部（111C）が第２スペーサ部材（112B）の一対の第３枠部（112B3）に形成された溝（112a）にそれぞれ嵌められることで第２スペーサ部材（112B）に取り付けられる。
【0058】
（３）冷媒の流れ
図７に示すように、熱交換器（1）に設けられる差込部材（P）には、第２方向（V2）に沿って配置される一対の第１差込部材（PA11,PA12）と、第３方向（V3）に沿って配置される一対の第２差込部材（PB21,PB22）が含まれる。
図７に示すように、熱交換器（1）に設けられる差込部材（P）には、第２方向（V2）に沿って配置される一対の第１差込部材（PA11,PA12）と、第３方向（V3）に沿って配置される一対の第２差込部材（PB21,PB22）が含まれる。
【0059】
図７及び図８（ａ）に示すように、第１冷媒は、第１差込部材（PA11）の冷媒配管（P1）に流入して、冷媒配管（P1）を通過した後、隙間（Q1）を通じて第１流路部材（111A）へ送られる。第１流路部材（111A）へ送られた第１冷媒は、第１流路部材（111A）によって形成される第１流路（R1）（図８（b）参照）を通じて送られた後、第１差込部材（PA12）の冷媒配管（P1）を通じて熱交換器（1）から排出される。
【0060】
図７及び図８（ｂ）に示すように、第２冷媒は、第２差込部材（PA21）の冷媒配管（P1）に流入して、冷媒配管（P1）を通過した後、隙間（Q2）を通じて第２流路部材（111B）へ送られる。第２流路部材（111B）へ送られた第２冷媒は、第２流路部材（111B）によって形成される第２流路（R2）（図８（a）参照）を通じて送られた後、第２差込部材（PA22）の冷媒配管（P1）を通じて熱交換器（1）から排出される。
【0061】
図５（ａ）及び図５（ｂ）に示すように、流路部材（111）は、スペーサ部材（112）により支持される。スペーサ部材（112）には溝（112a）が形成され、溝（112a）に流路部材（111）が嵌められる（取り付けられる）ことで、流路部材（111）がスペーサ部材（112）に対して位置決めされる。本実施形態では、隔壁部材（120）は流路部材（111）の周囲に配置される複数の枠部を含み、複数の枠部のうち流路部材（111）を介して互いに対向する一対の枠部（112A4, 112B3）には溝（112a）がそれぞれ形成され、当該溝（112a）には流路部材（111）が嵌められ、流路部材（111）を介して互いに対向する他の一対の枠部（112A3, 112B4）の各々と流路部材（111）との間には、それぞれ隙間（Q1,Q2）が設けられる。溝（112a）は、一対の枠部（112A4, 112B3）の各々において、流路部材（111）と対向する面を凹ませた形状を有する。図８（ａ）及び図８（ｂ）に示すように、当該一対の隙間（Q1,Q2）のうちの１つの隙間を通じて冷媒が流路部材（111）に送られ、他の１つの隙間を通じ冷媒が流路部材（111）の外部に送られる。複数の隔壁部材（120）の各々は、流路部材（111）を囲むようにして当該複数の枠部を環状に接続した１つの部材で構成される。
【0062】
（４）ろう付け
流路部材（111）、スペーサ部材（112）、隔壁部材（120）、第１プレート部材（200）、及び第２プレート部材（300）は、互いに別体の部材である。図９（ａ）及び図９（ｂ）は、ろう付け前の熱交換器（1）の構成部材の状態を示す。図１０（ａ）及び図１０（ｂ）は、ろう付け後の熱交換器（1）の構成部材の状態を示す。図９（ａ）～図１０（ｂ）に示すように、熱交換器（1）の構成部材（流路部材（111）、スペーサ部材（112）、隔壁部材（120）、第１プレート部材（200）、及び第２プレート部材（300））は、ろう付けにより互いに接合される。熱交換器（1）の構成部材は、例えば、銅合金製のろう材（S）によって炉中ろう付けされて接合される。
流路部材（111）、スペーサ部材（112）、隔壁部材（120）、第１プレート部材（200）、及び第２プレート部材（300）は、互いに別体の部材である。図９（ａ）及び図９（ｂ）は、ろう付け前の熱交換器（1）の構成部材の状態を示す。図１０（ａ）及び図１０（ｂ）は、ろう付け後の熱交換器（1）の構成部材の状態を示す。図９（ａ）～図１０（ｂ）に示すように、熱交換器（1）の構成部材（流路部材（111）、スペーサ部材（112）、隔壁部材（120）、第１プレート部材（200）、及び第２プレート部材（300））は、ろう付けにより互いに接合される。熱交換器（1）の構成部材は、例えば、銅合金製のろう材（S）によって炉中ろう付けされて接合される。
【0063】
ろう付けは、熱交換器（1）の構成部材間（例えば、流路部材（111）及びスペーサ部材（112）と、隔壁部材（120）との間）にろう材（S）を配置し、ろう材（S）を加熱することで溶かし、熱交換器（1）の構成部材間の接合面の隙間にろう材（S）を行き渡らせて当該構成部材をろう材（S）により接合面同士を接合することである。ろう付けが行われると、流路部材（111）、スペーサ部材（112）、隔壁部材（120）、第１プレート部材（200）、及び第２プレート部材（300）がろう材（S）により互いに接合されて、熱交換器（1）が製造される。なお、ろう付け時にプレス成形された熱交換器（1）の構成部材についてプレス成形後にバリ取りを行って、バリによる構成部材間の高さの差を低減するように構成してもよい。
【0064】
以下では、流路部材（111）を第１方向（V1）の両側から挟む隔壁部材（120）のうち、流路部材（111）に対して第１方向（V1）の一方向側（V11）に位置する隔壁部材（120）を第１隔壁部材と記載し、第１方向（V1）の他方向側（V12）に位置する隔壁部材（120）を第２隔壁部材と記載することがある。
【0065】
本実施形態では、ろう付け時に加熱による弾性係数の低下と自重によって隔壁部材（120）が変形（塑性変形）する。本実施形態では、ろう付けが行われると、第１隔壁部材に流路部材（111）の複数の山部（111a）の各々がろう材（S）により接合され、かつ、第２隔壁部材に流路部材（111）の複数の谷部（111b）の各々がろう材（S）により接合されるように、第１隔壁部材及び第２隔壁部材が変形（屈曲又は湾曲）する。
【0066】
（５）熱交換器の構成部材に関する寸法
本実施形態では、熱交換器（1）の複数の層部材（110）がＭ個の層部材で構成される。すなわち、層部材（110）の全層数がＭ個である。Ｍは、２以上の自然数である。以下では、Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）を任意層部材（E）と記載することがある。Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数である。本実施形態では、任意層部材（E）が２個の層部材（110）（図１０（a）及び図１０（ｂ）において最上段の層である層部材（E1）、及び２段目の層である層部材（E2））で構成される（Ｎ＝２）。
本実施形態では、熱交換器（1）の複数の層部材（110）がＭ個の層部材で構成される。すなわち、層部材（110）の全層数がＭ個である。Ｍは、２以上の自然数である。以下では、Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）を任意層部材（E）と記載することがある。Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数である。本実施形態では、任意層部材（E）が２個の層部材（110）（図１０（a）及び図１０（ｂ）において最上段の層である層部材（E1）、及び２段目の層である層部材（E2））で構成される（Ｎ＝２）。
【0067】
第１方向（V1）において、熱交換器（1）の任意層部材（E）を構成する全ての流路部材（111）の寸法の和を第１和ＥＡと記載することがある。本実施形態では、第１和ＥＡは、寸法ＥＡ１と寸法ＥＡ２との和である（ＥＡ＝ＥＡ１＋ＥＡ２）。
【0068】
第１方向（V1）において、熱交換器（1）の任意層部材（E）を構成する全てのスペーサ部材（112）の寸法の和を第２和ＥＢと記載することがある。本実施形態では、第２和ＥＢは、寸法ＥＢ１と寸法ＥＢ２との和である（ＥＢ＝ＥＢ１＋ＥＢ２）。
【0069】
熱交換器（1）において、第１和ＥＡと第２和ＥＢとの差の絶対値を第１差Ｆと記載することがある（Ｆ＝｜ＥＡ－ＥＢ｜）。
【0070】
本実施形態では、第１差Ｆは１００μｍ以下である（Ｆ≦１００μｍ）。なお、第１差Ｆは、さらに５０μｍ以下であることが好ましい（Ｆ≦５０μｍ）。また、第１差Ｆは、さらに１０μｍ以下であることが好ましい（Ｆ≦１０μｍ）。
【0071】
熱交換器（1）の複数の層部材（110）の各々は、第１方向（V1）において、流路部材（111）の寸法とスペーサ部材（112）の寸法との差の絶対値が、１０μｍ以下である（｜ＥＡ１―ＥＢ１｜≦１０μｍ、｜ＥＡ２―ＥＢ２｜≦１０μｍ等）。
【0072】
以下では、第１方向（V1）において、熱交換器（1）の複数の層部材（110）を構成する全ての流路部材（111）（Ｍ個の流路部材（111））の寸法の和を第３和ＧＡと記載することがある。
【0073】
第１方向（V1）において、熱交換器（1）の複数の層部材（110）を構成する全てのスペーサ部材（112）（Ｍ個のスペーサ部材（112））の寸法の和を第４和ＧＢと記載することがある。
【0074】
熱交換器（1）において、第３和ＧＡと第４和ＧＢとの差の絶対値を第２差Ｈと記載することがある（Ｈ＝｜ＧＡ－ＧＢ｜）。
【0075】
本実施形態では、第２差Ｈは、５×Ｍμｍ以下である（Ｈ≦５×Ｍμｍ）。なお、第２差Ｈは、さらに、２×Ｍμｍ以下であることが好ましい（Ｈ≦２×Ｍμｍ）。
【0076】
（６）ろう付け後の熱交換器の構成部材の形状
図１１（ａ）及び図１１（ｂ）は、ろう付け後の熱交換器（1）の構成部材の形状を示す。以下では、隔壁部材（120）のうち、屈曲又は湾曲する変形箇所（123）を有する隔壁部材（120）を変形隔壁部材（120A）と記載することがある。変形隔壁部材（120A）は、変形箇所（123）を有さず、ろう付け前はフラットな形状を有していたが、ろう付けにより変形箇所（123）が形成される。図１１（ａ）及び図１１（ｂ）に示すように、変形隔壁部材（120A）の変形箇所（123）は、変形隔壁部材（120A）とスペーサ部材（112）との接合箇所のうち最も流路部材（111）寄りに位置する場所（124）から、変形隔壁部材（120A）と流路部材（111）との接合箇所（125）のうち最もスペーサ部材（112）寄りに位置する場所（125a）までの間に位置する。本実施形態では、変形箇所（123）は、場所（124）で変形隔壁部材（120A）を屈曲又は湾曲させる第１変形箇所（123a）と、場所（125a）で変形隔壁部材（120A）を屈曲又は湾曲させる第２変形箇所（123ｂ）とを含む。
図１１（ａ）及び図１１（ｂ）は、ろう付け後の熱交換器（1）の構成部材の形状を示す。以下では、隔壁部材（120）のうち、屈曲又は湾曲する変形箇所（123）を有する隔壁部材（120）を変形隔壁部材（120A）と記載することがある。変形隔壁部材（120A）は、変形箇所（123）を有さず、ろう付け前はフラットな形状を有していたが、ろう付けにより変形箇所（123）が形成される。図１１（ａ）及び図１１（ｂ）に示すように、変形隔壁部材（120A）の変形箇所（123）は、変形隔壁部材（120A）とスペーサ部材（112）との接合箇所のうち最も流路部材（111）寄りに位置する場所（124）から、変形隔壁部材（120A）と流路部材（111）との接合箇所（125）のうち最もスペーサ部材（112）寄りに位置する場所（125a）までの間に位置する。本実施形態では、変形箇所（123）は、場所（124）で変形隔壁部材（120A）を屈曲又は湾曲させる第１変形箇所（123a）と、場所（125a）で変形隔壁部材（120A）を屈曲又は湾曲させる第２変形箇所（123ｂ）とを含む。
【0077】
変形隔壁部材（120A）が変形箇所（123）を有することで、第１方向（V1）において、スペーサ部材（112）の寸法Ｌ１と流路部材（111）の寸法Ｌ２との差を、変形箇所（123）の変形により吸収して、当該差の絶対値を１０μｍ以下とすることが可能となる（｜Ｌ１－Ｌ２｜≦１０μｍ）。
【0078】
また、積層方向（V1）において、スペーサ部材（112）の寸法Ｌ１と流路部材（111）の寸法Ｌ２との差の絶対値が、ろう材（S）の寸法よりも大きい（｜Ｌ１－Ｌ２｜＞Ｌ３）。このように構成しても、変形箇所（123）により変形隔壁部材（120A）を屈曲又は湾曲させることで、熱交換器（1）の構成部材の接合面間に隙間が発生することを抑制するようにして、熱交換器（1）の構成部材を効果的に接合することができる。また、隔壁部材（120）を変形させることでスペーサ部材（112）と流路部材（111）との寸法差を吸収できるので、積層方向（V1）において、スペーサ部材（112）の寸法Ｌ１と流路部材（111）の寸法Ｌ２との差を無くすようにスペーサ部材（112）の寸法Ｌ１と流路部材（111）の寸法Ｌ２とを調整していくような煩雑な作業が不要となる。その結果、熱交換器（1）を容易に製造することができる。
【0079】
（７）効果
以上のように、任意層部材（E）は、Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される。Ｎは、２以上、 Ｍ以下の自然数である。第１方向（V1）（積層方向）において、任意層部材（E）を構成する全ての流路部材（111）の寸法の和（第１和ＥＡ）と、任意層部材（E）を構成する全てのスペーサ部材（112）の寸法の和（第２和ＥＢ）との差の絶対値である第１差Ｆ（Ｆ＝｜ＥＡ－ＥＢ｜）が、１００μｍ以下である（Ｆ≦１００μｍ）。第１差Ｆは、さらに５０μｍ以下であることが好ましい（Ｆ≦５０μｍ）。また、第１差Ｆは、さらに１０μｍ以下であることが好ましい（Ｆ≦１０μｍ）。これによると、熱交換器（1）の高さ（第１方向（V1）の寸法）を複数の層（Ｎ個（２個以上）の層部材（110））でまとめて調整することができるので、熱交換器（1）を容易に製造することができる。また、熱交換器（1）の製造時に、流路部材（111）の高さと、スペーサ部材（112）の高さとを層毎に1つずつ調整していくような煩雑な作業が不要であるため、熱交換器（1）の製造コストの増加を抑制できる。また、熱交換器（1）の構成部材の精度について上記第１差Ｆのような裕度を持たせることで、熱交換器（1）の不良率の増加を抑制しつつ、熱交換器（1）を容易に製造することができる。
以上のように、任意層部材（E）は、Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される。Ｎは、２以上、 Ｍ以下の自然数である。第１方向（V1）（積層方向）において、任意層部材（E）を構成する全ての流路部材（111）の寸法の和（第１和ＥＡ）と、任意層部材（E）を構成する全てのスペーサ部材（112）の寸法の和（第２和ＥＢ）との差の絶対値である第１差Ｆ（Ｆ＝｜ＥＡ－ＥＢ｜）が、１００μｍ以下である（Ｆ≦１００μｍ）。第１差Ｆは、さらに５０μｍ以下であることが好ましい（Ｆ≦５０μｍ）。また、第１差Ｆは、さらに１０μｍ以下であることが好ましい（Ｆ≦１０μｍ）。これによると、熱交換器（1）の高さ（第１方向（V1）の寸法）を複数の層（Ｎ個（２個以上）の層部材（110））でまとめて調整することができるので、熱交換器（1）を容易に製造することができる。また、熱交換器（1）の製造時に、流路部材（111）の高さと、スペーサ部材（112）の高さとを層毎に1つずつ調整していくような煩雑な作業が不要であるため、熱交換器（1）の製造コストの増加を抑制できる。また、熱交換器（1）の構成部材の精度について上記第１差Ｆのような裕度を持たせることで、熱交換器（1）の不良率の増加を抑制しつつ、熱交換器（1）を容易に製造することができる。
【0080】
【0081】
熱交換器（1）の変形例は、積層体（100）と、第１プレート部材（200）と、第２プレート部材（300）とを備える。積層体（100）は、複数の層部材（110）と、隔壁部材（120）とを含む。複数の層部材（110）の各々は、流路部材（111）と、スペーサ部材（112）とを含む。
【0082】
図１２は、熱交換器（1）の変形例の一部断面図である。図１２に示すように、複数の流路部材（111）の各々は、第１部分（1111）と、第２部分（1112）とを含む。第１部分（1111）は、スペーサ部材（112）に対し、第１方向（V1）に対して垂直な方向側に配置される。第２部分（1112）は、スペーサ部材（112）と隔壁部材（120）とで挟まれる。第２部分（1112）は、スペーサ部材（112）に対して第１方向（V1）の一方向側（V11）又は第１方向（V1）の他方向側（V12）に位置していればよい。
【0083】
流路部材（111）、スペーサ部材（112）、隔壁部材（120）、第１プレート部材（200）、及び第２プレート部材（300）は、互いに別体の部材である。熱交換器（1）の変形例は、ろう付けにより構成部材が互いに接合される。ろう付け時に加熱による弾性係数の低下と自重によって隔壁部材（120）が変形（塑性変形）する。
【0084】
第１方向（V1）において、熱交換器（1）の変形例における任意層部材（E）を構成する全ての流路部材（111）の第１部分（1111）の寸法の和を第５和と記載することがある。第１方向（V1）において、熱交換器（1）の変形例における任意層部材（E）を構成する全ての流路部材（111）の第２部分（1112）の寸法と、熱交換器（1）の変形例における任意層部材（E）を構成する全てのスペーサ部材（112）の寸法との和を第６和と記載することがある。熱交換器（1）の変形例において、第５和と第６和との差の絶対値を第３差と記載することがある。
【0085】
本実施形態では、第３差は１００μｍ以下である。なお、第３差は、さらに５０μｍ以下であることが好ましい。また、第３差は、さらに１０μｍ以下であることが好ましい。
【0086】
複数の層部材（110）の各々について、第１寸法と、第２寸法との差の絶対値が、１０μｍ以下である。第１寸法は、第１方向（V1）において、熱交換器（1）の変形例における第１部分（1111）の寸法である。第２寸法は、第１方向（V1）において、熱交換器（1）の変形例における第２部分（1112）の寸法とスペーサ部材（112）の寸法との和である。
【0087】
熱交換器（1）の変形例における複数の層部材（110）の全層数をＭとする。以下では、第１方向（V1）において、熱交換器（1）の変形例における複数の層部材（110）を構成する全ての流路部材（111）の第１部分（1111）（Ｍ個の第１部分（1111））の寸法の和を第７和と記載することがある。第１方向（V1）において、熱交換器（1）の変形例における複数の層部材（110）を構成する全ての第２部分（1112）（Ｍ個の第２部分（1112））の寸法と、全てのスペーサ部材（112）（Ｍ個のスペーサ部材（112））の寸法との和を第８和と記載することがある。熱交換器（1）の変形例において、第７和と第８和との差の絶対値を第４差と記載することがある。
【0088】
本実施形態では、第４差は、５×Ｍμｍ以下である。なお、第４差は、さらに、２×Ｍμｍ以下であることが好ましい。
【0089】
また、熱交換器（1）の変形例についても、隔壁部材（120）の変形隔壁部材（120A）（図１１（ａ）及び図１１（ｂ）参照）と同様に、屈曲又は湾曲する変形隔壁部材を含む。熱交換器（1）の変形例においては、変形隔壁部材が屈曲又は湾曲する変形箇所を有し、当該変形箇所は、当該変形隔壁部材とスペーサ部材（112）との接合箇所のうち最も流路部材（111）の第１部分（1111）寄りに位置する場所から、当該変形隔壁部材と第２部分（1112）との接合箇所（125）のうち最もスペーサ部材（112）寄りに位置する場所までの間に位置する。
【0090】
また、熱交換器（1）の変形例において、複数の層部材（110）のうちの少なくとも１つの層部材（110）は、積層方向（V1）において、上記第１寸法と、上記第２寸法との差の絶対値が、ろう材（S）の寸法よりも大きい。
【0091】
また、積層方向（V1）において、スペーサ部材（112）および第２部分（1112）の寸法の和と、第１部分（1111）の寸法との差の絶対値が、ろう材（S）の寸法よりも大きい。
【0092】
（９）差込部の形状
図１３（ａ）及び図１３（ｂ）に示すように、差込部（400）は、係止部（410）を含む。係止部（410）は、差込部（400）のうち差込部材（P）の板状部（P2）の端部（P3）（図１４（ｂ）参照）を係止する部分である。端部（P3）は、第１方向（V1）に対して垂直な方向側の端部である。図１３（ａ）に示すように、係止部（410）は、第１方向（V1）に沿って見るとＣ字形状を有する。図１３（ｂ）に示すように、係止部（410）は、第１方向（V1）に沿って見るとカギ形状を有していてもよい。カギ形状は、第１方向（V1）に沿って見ると係止部（410）がＣ字形状を有しつつ、さらに、係止部（410）において、Ｃ字形状の開口に相当する箇所に対し当該開口が狭くなる方向に突起（411）が形成された形状である。
図１３（ａ）及び図１３（ｂ）に示すように、差込部（400）は、係止部（410）を含む。係止部（410）は、差込部（400）のうち差込部材（P）の板状部（P2）の端部（P3）（図１４（ｂ）参照）を係止する部分である。端部（P3）は、第１方向（V1）に対して垂直な方向側の端部である。図１３（ａ）に示すように、係止部（410）は、第１方向（V1）に沿って見るとＣ字形状を有する。図１３（ｂ）に示すように、係止部（410）は、第１方向（V1）に沿って見るとカギ形状を有していてもよい。カギ形状は、第１方向（V1）に沿って見ると係止部（410）がＣ字形状を有しつつ、さらに、係止部（410）において、Ｃ字形状の開口に相当する箇所に対し当該開口が狭くなる方向に突起（411）が形成された形状である。
【0093】
図１４（ａ）及び図１４（ｂ）に示すように、差込部（400）は、スリット部（420）を含んでいてもよい。スリット部（420）は、第２プレート部材（300）に形成される穴である。本実施形態のスリット部（420）は、図４（b）に示す載置部（303）に穴を設けた形状を有する。スリット部（420）には、差込部材（P）が挿入される。詳細には、スリット部（420）には、差込部材（P）の板状部（P2）の端部（P4）が挿入される。端部（P4）は、第１方向（V1）の他方向側（V12）の端部である。差込部（400）は、Ｃ字形状の係止部（410）と、スリット部（420）との両方を含んでいてもよい。差込部（400）は、カギ形状の係止部（410）と、スリット部（420）との両方を含んでいてもよい。
【0094】
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0095】
以上に述べた「第１」、「第２」、「第３」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上に説明したように、本開示は、熱交換器及び熱交換器の製造方法について有用である。
【符号の説明】
【0097】
１ 熱交換器
１１０ 層部材
１１１ 流路部材
１１２ スペーサ部材
１２０ 隔壁部材
Ｅ 任意層部材
Ｖ１ 第１方向（積層方向）
１１０ 層部材
１１１ 流路部材
１１２ スペーサ部材
１２０ 隔壁部材
Ｅ 任意層部材
Ｖ１ 第１方向（積層方向）
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層される複数の層部材（110）と、
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、
Ｍは２以上の自然数であり、
前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下であり、
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する、熱交換器。
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、Ｍ個の層部材（110）を含み、
Ｍは２以上の自然数であり、
前記複数の層部材（110）は、前記Ｍ個の層部材（110）のうちの任意のＮ個の層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
Ｎは、２以上、Ｍ以下の自然数であり、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下であり、
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する、熱交換器。
【請求項2】
前記第１差が、さらに５０μｍ以下である、請求項１に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第１差が、さらに１０μｍ以下である、請求項２に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記複数の層部材（110）の各々は、前記積層方向（V1）において、前記流路部材（111）の寸法と前記スペーサ部材（112）の寸法との差の絶対値が、１０μｍ以下である、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記隔壁部材（120）には、屈曲又は湾曲する変形箇所（123）を有する変形隔壁部材（120A）が含まれる、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記変形箇所（123）は、前記変形隔壁部材（120A）と前記スペーサ部材（112）との接合箇所のうち最も前記流路部材（111）寄りに位置する場所（124）から、前記変形隔壁部材（120A）と前記流路部材（111）との接合箇所（125）のうち最も前記スペーサ部材（112）寄りに位置する場所（125a）までの間に位置する、請求項５に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記積層方向（V1）において、前記複数の層部材（110）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記複数の層部材（110）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第２差が５×Ｍμｍ以下である、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第２差は、さらに、２×Ｍμｍ以下である、請求項７に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記積層方向（V1）に隣り合う前記層部材（110）と前記隔壁部材（120）とがろう材（S）により互いに接合され、
複数の層部材（110）のうちの少なくとも１つの層部材（110）は、
前記積層方向（V1）において、前記スペーサ部材（112）の寸法と前記流路部材（111）の寸法との差の絶対値が、前記ろう材（S）の寸法よりも大きい、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
複数の層部材（110）のうちの少なくとも１つの層部材（110）は、
前記積層方向（V1）において、前記スペーサ部材（112）の寸法と前記流路部材（111）の寸法との差の絶対値が、前記ろう材（S）の寸法よりも大きい、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項10】
積層される複数の層部材（110）と、
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
スペーサ部材（112）と
を含み、
複数の前記流路部材（111）の各々は、
前記スペーサ部材（112）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置される第１部分（1111）と、
前記スペーサ部材（112）と前記隔壁部材（120）とで挟まれる第２部分（1112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第１部分（1111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第２部分（1112）の寸法と全ての前記スペーサ部材（112）の寸法との和との差の絶対値である第３差が、１００μｍ以下であり、
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する、熱交換器。
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
スペーサ部材（112）と
を含み、
複数の前記流路部材（111）の各々は、
前記スペーサ部材（112）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置される第１部分（1111）と、
前記スペーサ部材（112）と前記隔壁部材（120）とで挟まれる第２部分（1112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第１部分（1111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の第２部分（1112）の寸法と全ての前記スペーサ部材（112）の寸法との和との差の絶対値である第３差が、１００μｍ以下であり、
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材が屈曲又は湾曲した形状を有する、熱交換器。
【請求項11】
冷媒配管（P1）が設けられた差込部材（P）を差し込むための差込部（400）を備える、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記差込部（400）は、前記差込部材（P）の端部（P3）を係止する係止部（410）を含み、
前記係止部（410）は、Ｃ字形状、又はカギ形状を含む、請求項１１に記載の熱交換器。
前記係止部（410）は、Ｃ字形状、又はカギ形状を含む、請求項１１に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記差込部（400）は、前記差込部材（P）が挿入されるスリット部（420）を含む、請求項１１に記載の熱交換器。
【請求項14】
積層される複数の層部材（110）と、
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である熱交換器の製造方法であって、
前記隔壁部材（120）を変形させつつ前記隔壁部材（120）と前記流路部材（111）と前記スペーサ部材（112）とをろう付けする工程を含み、
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記ろう付けする工程では、前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材を屈曲又は湾曲させる、熱交換器の製造方法。
隣り合う前記層部材（110）の間に配置される隔壁部材（120）と
を備え、
前記複数の層部材（110）の各々は、
冷媒の流路を形成する流路部材（111）と、
前記流路部材（111）に対し、前記層部材（110）の積層方向（V1）に垂直な方向側に配置されるスペーサ部材（112）と
を含み、
前記複数の層部材（110）は、２つ以上の前記層部材（110）で構成される任意層部材（E）を含み、
前記積層方向（V1）において、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記流路部材（111）の寸法の和と、前記任意層部材（E）を構成する全ての前記スペーサ部材（112）の寸法の和との差の絶対値である第１差が、１００μｍ以下である熱交換器の製造方法であって、
前記隔壁部材（120）を変形させつつ前記隔壁部材（120）と前記流路部材（111）と前記スペーサ部材（112）とをろう付けする工程を含み、
前記流路部材（111）は、前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に凸となる複数の山部（111a）と、前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に凸となる複数の谷部（111b）とを含み、前記複数の山部（111a）と前記複数の谷部（111b）とが前記積層方向（V1）に垂直な方向に沿って交互に配置され、
前記隔壁部材（120）は、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の一方向側（V11）に位置する第１隔壁部材と、前記流路部材（111）に対して前記積層方向（V1）の他方向側（V12）に位置する第２隔壁部材とを含み、
前記ろう付けする工程では、前記第１隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の山部（111a）の各々がろう材により接合され、かつ、前記第２隔壁部材に前記流路部材（111）の前記複数の谷部（111b）の各々がろう材により接合されるように、前記第１隔壁部材及び前記第２隔壁部材のうちの少なくとも１つの隔壁部材を屈曲又は湾曲させる、熱交換器の製造方法。