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特開2024-146240監視制御装置、監視制御システム、データ提供方法、および、データ提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146240
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】監視制御装置、監視制御システム、データ提供方法、および、データ提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20241004BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241004BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
G05B23/02 Z
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059023
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】米元 亮馬
【テーマコード(参考)】
3C223
5E555
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA06
3C223AA21
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EA01
3C223EA09
3C223EB01
3C223EB07
3C223FF02
3C223FF05
3C223FF12
3C223FF13
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH17
3C223HH29
5E555AA74
5E555AA79
5E555BA37
5E555BB37
5E555BC09
5E555BC15
5E555BD01
5E555CB74
5E555CC22
5E555DB41
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC13
5E555DD06
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 任意にタイミングで疑似的な監視画面を表示できる監視制御装置、監視制御システム、データ提供方法、および、データ提供プログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、監視制御装置は、インターフェースと第1記憶部と第2記憶部と通信部とプロセッサとを有する。インターフェースは、監視対象とする設備に関する実値データを取得する。第1記憶部は、インターフェースを介して取得する実値データを記憶する。第2記憶部は、実値データに対応する疑似データを記憶する。通信部は、端末装置と通信する。プロセッサは、端末装置から実値データが要求された場合、第1記憶部に記憶された実値データを端末装置へ供給し、端末装置から疑似データが要求された場合、第2記憶部に記憶された疑似データを端末装置へ供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象とする設備に関する実値データを取得するインターフェースと、
前記インターフェースを介して取得する実値データを記憶する第1記憶部と、
前記実値データに対応する疑似データを記憶する第2記憶部と、
端末装置と通信する通信部と、
前記端末装置から実値データが要求された場合、前記第1記憶部に記憶された実値データを前記端末装置へ供給し、前記端末装置から疑似データが要求された場合、前記第2記憶部に記憶された疑似データを前記端末装置へ供給するプロセッサと、
を有する監視制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記端末装置から実値データが要求された場合、前記第1記憶部に記憶された実値データを用いて作成する監視画面に表示するための表示用の実値データを前記端末装置へ供給し、前記端末装置から疑似データが要求された場合、前記第2記憶部に記憶された疑似データを用いて作成する監視画面のデモ画面に表示するための表示用の疑似データを前記端末装置へ供給する、
請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項3】
前記表示用の実値データは、前記第1記憶部に記憶された実値データを用いて作成される前記監視対象とする設備の状態を示す関数を表示するためのデータであり、
前記表示用の疑似データは、前記第2記憶部に記憶された疑似データを用いて作成される前記監視対象とする設備の状態を示す関数を表示するためのデータである、
請求項2に記載の監視制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1記憶部に記憶されている実値データに基づいて前記第2記憶部に記憶する疑似データを作成する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の監視制御装置。
【請求項5】
監視制御装置と端末装置とを備える監視制御システムにおいて、
前記監視制御装置は、
監視対象とする設備に関する実値データを取得するインターフェースと、
前記インターフェースを介して取得する実値データを記憶する第1記憶部と、
前記実値データに対応する疑似データを記憶する第2記憶部と、
前記端末装置と通信する第1通信部と、
前記端末装置から実値データが要求された場合、前記第1記憶部に記憶された実値データを前記端末装置へ供給し、前記端末装置から疑似データが要求された場合、前記第2記憶部に記憶された疑似データを前記端末装置へ供給する第1プロセッサと、を有し、
前記端末装置は、
前記監視制御装置と通信する第2通信部と、
通常モードが設定されている場合には前記監視制御装置から取得する前記監視対象とする設備に関する実値データを用いて監視画面を作成し、前記通常モードとは異なるデモモードが設定されている場合には前記監視制御装置から取得する前記実値データに対応する疑似データを用いて前記監視画面に相当するデモ画面を作成する第2プロセッサと、
前記通常モードが設定されている場合には前記第2プロセッサが作成する前記監視画面を表示し、デモモードが設定されている場合には前記第2プロセッサが作成する前記デモ画面を表示する表示部と、を有する、
監視制御システム。
【請求項6】
前記第1プロセッサは、前記端末装置から実値データが要求された場合、前記第1記憶部に記憶された実値データを用いて作成する監視画面に表示するための表示用の実値データを前記端末装置へ供給し、前記端末装置から疑似データが要求された場合、前記第2記憶部に記憶された疑似データを用いて作成する監視画面のデモ画面に表示するための表示用の疑似データを前記端末装置へ供給し、
前記第2プロセッサは、前記通常モードが設定されている場合には前記監視制御装置から取得する前記表示用の実値データを用いて前記監視画面を作成し、前記デモモードが設定されている場合には前記監視制御装置から取得する前記表示用の疑似データを用いて前記デモ画面を作成する、
請求項5に記載の監視制御システム。
【請求項7】
前記表示用の実値データは、前記第1記憶部に記憶された実値データを用いて作成される前記監視対象とする設備の状態を示す関数を表示するためのデータであり、
前記表示用の疑似データは、前記第2記憶部に記憶された疑似データを用いて作成される前記監視対象とする設備の状態を示す関数を表示するためのデータである、
請求項6に記載の監視制御システム。
【請求項8】
前記第1プロセッサは、前記第1記憶部に記憶されている実値データに基づいて前記第2記憶部に記憶する疑似データを作成する、
請求項5乃至7の何れか1項に記載の監視制御システム。
【請求項9】
端末装置にデータを提供するデータ提供方法であって、
監視対象とする設備に関する実値データを第1記憶部に記憶し、
前記実値データに対応する疑似データを第2記憶部に記憶し、
前記端末装置から実値データが要求された場合には前記第1記憶部に記憶された実値データを前記端末装置へ供給し、
前記端末装置から疑似データが要求された場合、前記第2記憶部に記憶された疑似データを前記端末装置へ供給する、
データ提供方法。
【請求項10】
端末装置と通信する機能を有するコンピュータに、
監視対象とする設備に関する実値データを第1記憶部に記憶させ、
前記実値データに対応する疑似データを第2記憶部に記憶させ、
前記端末装置から実値データが要求された場合には前記第1記憶部に記憶された実値データを前記端末装置へ供給させ、
前記端末装置から疑似データが要求された場合には前記第2記憶部に記憶された疑似データを前記端末装置へ供給させる、
ことを実行させるためのデータ提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視制御装置、監視制御システム、データ提供方法、および、データ提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、上下水道、ダム等における設備の稼働状況などを監視する監視制御システムがある。監視制御システムにおいて、監視制御装置としてのサーバは、監視対象である設備に関連するセンサなどのデータ収集装置で収集するデータ(実値データ)を蓄積する。監視制御装置は、センサなどで取得した実値データを様々な方法で加工し、監視者が設備の状態などを監視できる画面(監視画面)を表示する機能を提供する。
【0003】
しかしながら、従来の監視制御システムは、監視制御装置によって蓄積される実値データが一定の条件を満たさなければ、監視者にとって有益な情報を監視画面に表示できないことがある。例えば、設備などの状態を示すグラフを監視画面に表示する場合、グラフを作成するために必要な所定期間の実値データが必要である。また、実値データの変化から異常を発見(予測)するための情報を監視画面に表示する場合、監視対象となる設備における異常の発生に伴う異常な実値データが必要である。
【0004】
すなわち、従来の監視制御装置は、監視制御システムを稼働させた後に指定される条件を満たす実値データが蓄積されるまでの間、監視者にとって有益なデータを提供することができない。このため、監視制御システムを導入した事業者は、システムを導入してからしばらくの間、監視制御の効果が実感できなかったり、実際に作業を行う作業員(監視者)に監視画面の使い方などを浸透させることが難かったりするという事態が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-332069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みて為されたもので、任意にタイミングで疑似的な監視画面を表示できる監視制御装置、監視制御システム、データ提供方法、および、データ提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、監視制御装置は、インターフェースと第1記憶部と第2記憶部と通信部とプロセッサとを有する。インターフェースは、監視対象とする設備に関する実値データを取得する。第1記憶部は、インターフェースを介して取得する実値データを記憶する。第2記憶部は、実値データに対応する疑似データを記憶する。通信部は、端末装置と通信する。プロセッサは、端末装置から実値データが要求された場合、第1記憶部に記憶された実値データを端末装置へ供給し、端末装置から疑似データが要求された場合、第2記憶部に記憶された疑似データを端末装置へ供給する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバを含む監視制御システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバと端末装置とが備える機能を説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る監視制御システムにおける監視制御装置と端末装置との動作例を説明するためのシーケンスである。
図4図4は、実施形態に係る監視制御システムにおいて端末装置が表示する監視画面の表示例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る監視制御システムにおいて端末装置が表示する監視画面の表示例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る監視制御システムにおいて端末装置が表示する監視画面のデモ画面の表示例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る監視制御システムにおいて端末装置が表示する監視画面のデモ画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバ11を含む監視制御システム1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバ11を含む監視制御システム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、監視制御システム1は、サーバ11および端末装置12(12A、12B、12C)などにより構成される。
【0010】
サーバ11は、監視対象とするデータを管理する装置である。サーバ11は、端末装置12(12A、12B、12C)と通信可能に接続される。サーバ11は、端末装置12からの要求に応じてデータを提供する。また、サーバ11は、データ収集装置13に接続される。サーバ11は、データ収集装置13が収集したデータを取得し、データ収集装置13から取得したデータを管理する。
【0011】
データ収集装置13は、監視対象となる機器又はシステムの状態を示すデータを取得する。データ収集装置13は、センサおよび通信インターフェースなどのデバイスを含む装置である。データ収集装置13は、実際に収集するデータ(以下、実値データと称する)を通信用のインターフェースによりサーバ11へ送信する。例えば、データ収集装置13は、センサで検知したデータ(実値データ)を通信用のインターフェースによりサーバ11へ送信する。
【0012】
サーバ11は、データ収集装置13から取得する監視対象とする機器又はシステムに関するデータを管理する。すなわち、サーバ11は、データ収集装置13から実値データを取得し、データ収集装置13から取得した実値データをメモリに記憶(蓄積)する。サーバ11は、端末装置12からの要求に応じてメモリに記憶した実値データを含むデータを端末装置12に提供する。
【0013】
また、サーバ11は、実値データに対応する疑似データをメモリに保持する。サーバ11は、端末装置12からの疑似データの要求に応じて疑似データを提供する。疑似データは、端末装置12へ提供すべき実値データが不足している場合、あるいは、実値データの代わりに端末装置12へ提供するデータである。例えば、疑似データは、端末装置12が監視対象の状態を示す情報として表示装置に表示するために必要な実値データを想定して予め設定されるデータである。疑似データは、オペレータが作成するデータであっても良いし、一部の実値データから生成するデータであっても良い。
【0014】
端末装置12は、対象とする機器又はシステムを監視する人物(監視者)に情報を提供する監視装置である。各端末装置12は、監視者によって操作される。端末装置12は、パーソナルコンピュータ(PC)であっても良いし、スマートフォンあるいはタブレットPCなどの携帯端末であっても良い。端末装置12は、監視制御システム1において、複数存在しても良い。各端末装置12は、サーバ11と通信する通信部を備える。
【0015】
端末装置12は、サーバ11から取得するデータに基づいて監視対象とする機器又はシステムに関するデータを表示装置に表示する。端末装置12は、サーバ11から取得するデータを用いて監視対象とする機器又はシステムの状態などを示す情報を表示する監視画面を作成し、作成した監視画面を表示装置に表示する。本実施形態に係る端末装置12は、サーバ11から取得する実値データを用いて作成した監視画面だけでなく、サーバ11から取得する疑似データを用いて作成した監視画面のデモンストレーション(以下、デモと称する)画面を表示装置に表示する機能を備える。
【0016】
次に、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバ11の構成について説明する。
図1に示すように、サーバ11は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、記憶部24、通信部25、表示部26、操作部27、および、インターフェース(I/F)28などを有する。
【0017】
プロセッサ21は、プログラムを実行することによりデータ処理および各部の制御などを実行する。ROM22は、不揮発性のメモリであり、プロセッサ21が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶する。RAM23は、データを一時的に記憶するメモリである。記憶部24は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。プロセッサ21は、ROM22又は記憶部24に記憶するプログラムを実行することにより後述する処理機能を実現する。
【0018】
また、記憶部24は、実値データを記憶する第1の記憶領域(第1記憶部)24a、および、疑似データを記憶する第2の記憶領域(第2記憶部)24bを備える。第1の記憶領域24aは、データ収集装置13が取得する実値データを格納するデータベース(実値データベース)を記憶する第1のメモリである。第2の記憶領域24bは、第1の記憶領域24aに格納する実値データに対応する疑似データを格納するデータベース(疑似データベース)を記憶する第2のメモリである。
【0019】
なお、実値データおよび疑似データなどのデータは、サーバ11の外部装置である記憶装置(例えば、別のサーバ)に記憶されるようにしても良い。この場合、サーバ11は、実値データおよび疑似データを記憶する外部の記憶装置にアクセスするためのインターフェースを備える構成とすれば良い。
【0020】
通信部25は、各端末装置12と通信するためのインターフェースである。通信部25は、例えば、ネットワークを介して各端末装置12(12A、12B、12C)と通信するネットワークインターフェースである。
【0021】
インターフェース28は、データ収集装置13からデータを取得するためのインターフェースである。インターフェース28は、センサなどのデータ収集装置13が収集する監視対象となる実値データを取得するインターフェースである。インターフェース28は、各データ収集装置13が備える通信方式に対応するインターフェースを含むものであれば良い。例えば、インターフェース28は、ネットワークを介して各データ収集装置13に通信接続するネットワークインターフェースであっても良い。
【0022】
表示部26は、画像(画面)を表示するディスプレイである。操作部27は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作デバイスである。操作部27は、監視制御装置を操作する人物(例えば、監視制御システムの管理者等)が操作指示を入力するためのデバイスを含む。
【0023】
なお、サーバ11としては、表示部26および操作部27を省略しても良い。また、サーバ11は、外部装置あるいは管理者などが作成した後述する疑似データなどのデータを外部装置から入力するためのインターフェースを備えるようにしても良い。
【0024】
次に、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバ11に通信接続する端末装置12の構成について説明する。
図1に示すように、端末装置12(12A、12B、12C)は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶部34、通信部35、表示部36、および、操作部37などを有する。なお、各端末装置12A、12B、12Cは、それぞれが図1に示すような構成を備えるものとする。
【0025】
プロセッサ31は、プログラムを実行することによりデータ処理および各部の制御などを実行する。ROM32は、不揮発性のメモリであり、プロセッサ31が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶する。RAM33は、データを一時的に記憶するメモリである。
【0026】
記憶部34は、書き換え可能な不揮発性のメモリである。記憶部34は、プロセッサ31が実行するプログラムや制御データなどを記憶しても良い。
通信部35は、サーバ11と通信接続するためのインターフェースである。例えば、通信部35は、ネットワークを介してサーバ11と通信するネットワークインターフェースである。
【0027】
表示部36は、画像(画面)を表示するディスプレイである。表示部36は、例えば、後述するサーバ11から取得する実値データに基づいて生成される監視画面を表示する。また、表示部36は、サーバ11から取得する実値データに対応する疑似データに基づいて生成される監視画面のデモ画面を表示する。
【0028】
操作部37は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作デバイスである。操作部37は、表示部36に表示した監視画面あるいはデモ画面を視認するオペレータ(監視者)が情報を入力するためのデバイスを含む。例えば、表示部36および操作部37は、画面に表示するボタン(アイコン)にオペレータがタッチしたことを検知するタッチパネル付きの表示装置により構成される。
【0029】
次に、実施形態に係る監視制御システム1における各装置が備える機能について説明する。
図2は、実施形態に係る監視制御システム1において各装置が備える機能が概略的に説明するための図である。
図2に示すように、サーバ11は、プロセッサ21が記憶部24又はROM22に記憶したプログラムを実行することにより実現する機能として、応答要求部41、実値データ処理部42、疑似データ処理部43、および、疑似データ作成部46を有する。
【0030】
また、サーバ11は、実値データを格納する実値データベース44および疑似データを格納する疑似データベース45を有する。実値データベース44は、記憶部24の第1の記憶領域24aに設けられ、疑似データベース45は、記憶部24の第2の記憶領域24bに設けられる。さらに、端末装置12(12A、12B、12C)は、プロセッサ31が記憶部34又はROM32に記憶したプログラムを実行することにより実現する機能として画面生成部51を有する。
【0031】
応答要求部41は、端末装置12からの要求を受け付け、要求されたデータを端末装置12へ応答(出力)する。応答要求部41は、端末装置12からの要求内容を識別する。例えば、応答要求部41は、端末装置12から要求されたデータが実値データを要求するものであるか疑似データを要求するものであるかを識別する。また、応答要求部41は、端末装置12からデータ要求とともに要求されるデータに関する条件なども特定する。
【0032】
応答要求部41は、端末装置12から実値データの要求を受けた場合、実値データ処理部42に端末装置12へ提供(出力)すべき実値データ(表示用の実値データ)の作成を要求する。ここで、表示用の実値データは、例えば、監視対象とする設備の状態又は診断結果を示すグラフを描画するための関数(計数)を示すデータであっても良い。また、応答要求部41は、表示用の実値データの要求とともに必要とする実値データのサンプリング期間などの条件を指定する情報を取得する。応答要求部41は、端末装置12から要求された実値データの条件を示す情報を実値データ処理部42に供給する。
【0033】
応答要求部41は、端末装置12から要求された実値データ(表示用の実値データ)の作成を実値データ処理部42に要求した後、実値データ処理部42が実値データベース44の実値データを用いて作成する表示用の実値データを端末装置12へ送信(提供)する。
【0034】
また、応答要求部41は、端末装置12から要求された表示用の実値データを実値データ処理部42が作成できない場合、当該端末装置12へ要求された実値データが提供できない旨を通知する。例えば、応答要求部41は、端末装置12から要求された表示用の実値データを作成するのに必要な実値データが実値データベースに蓄積されていない場合(実値データが不足している場合)、実値データが不足していること(又は存在していないこと)を端末装置12へ通知する。
【0035】
また、応答要求部41は、端末装置12から疑似データの要求を受けた場合、疑似データ処理部43に端末装置12へ提供する疑似データ(表示用の疑似データ)の作成を要求する。ここで、表示用の疑似データは、例えば、疑似データを用いて監視対象とする設備の状態又は診断結果を示すグラフを描画するための関数(係数値など)を示すデータであっても良い。応答要求部41は、端末装置12から要求された疑似データ(表示用の疑似データ)の作成を疑似データ処理部43に指示した後、疑似データ処理部43が作成する表示用の疑似データを端末装置12へ送信(提供)する。
【0036】
実値データ処理部42は、応答要求部41からの要求に応じて端末装置12へ提供すべき実値データ(表示用の実値データ)を作成し、作成した表示用の実値データを応答要求部41へ返す。実値データ処理部42は、応答要求部41から指定された条件に合致する実値データを実値データベース44から取得する。実値データ処理部42は、指定された条件に合致する実値データが実値データベース44から取得できた場合、取得した実値データに基づいて端末装置12へ提供する表示用の実値データを作成する。
【0037】
実値データベース44は、データ収集装置13が収集する実値データを格納する。実値データベース44には、監視制御システム1の稼働に応じてデータ収集装置13から取得する実値データが蓄積される。すなわち、実値データベース44には、監視制御システム1を稼働させてからの時間に応じて実値データが蓄積されることとなる。例えば、1カ月分の実値データは、監視制御システム1を稼働させてから1カ月間以上の時間が経過しないと、実値データベース44に蓄積されないことなる。
【0038】
例えば、実値データ処理部42は、表示用の実値データとして、実値データベース44から取得する実値データを用いて監視対象とする設備の状態又は診断結果を示すグラフを描画するための関数を作成する。また、実値データ処理部42は、表示用の実値データを作成するために必要な実値データが実値データベース44に存在しない場合(実値データが不足していた場合)、実値データが不足していること(又は存在していないこと)を応答要求部41へ通知する。
【0039】
疑似データ処理部43は、応答要求部41からの要求に応じて端末装置12へ提供すべき疑似データ(表示用の疑似データ)を作成し、作成した疑似データを応答要求部41へ返す。疑似データ処理部43は、応答要求部41からの要求に応じて表示用の疑似データを作成するために必要な疑似データを疑似データベース45から取得する。疑似データ処理部43は、実値データベース44から取得する疑似データに基づいて応答要求部41から端末装置12へ提供する疑似データを作成する。例えば、疑似データ処理部43は、端末装置12へ提供する疑似データ(表示用の疑似データ)として、疑似データベース45から取得する疑似データを用いて画面に表示する疑似データを示す関数を生成する。
【0040】
疑似データベース45は、疑似データを格納する。疑似データベース45は、操作部27によって入力された疑似データを格納する。また、疑似データベース45は、疑似データ作成部46によって作成された疑似データを格納するようにしても良い。また、疑似データベース45は、外部の入力装置によってサーバ11に入力される疑似データを格納するようにしても良い。
【0041】
疑似データベース45に格納する疑似データは、実値データに対応するデータである。疑似データベース45は、端末装置12に提供可能な実値データに対応する疑似データを格納する。例えば、端末装置12に提供する実値データ(表示用の実値データ)が1カ月分の実値データである場合、疑似データベース45には、1カ月分の実値データに対応する疑似データを格納する。
【0042】
なお、疑似データ処理部43は、応答要求部41から疑似データが要求された場合に疑似データ作成部46に疑似データを作成させるようにしても良い。この場合、疑似データ作成部46は、疑似データ処理部43又は応答要求部41から指示に応じて疑似データを作成し、疑似データベース45に保存するようにすれば良い。これにより、疑似データ処理部43は、応答要求部41から疑似データが要求された場合に疑似データ作成部46が作成した疑似データを疑似データベース45から取得できる。
【0043】
疑似データ作成部46は、疑似データを作成する。疑似データ作成部46は、疑似データ処理部43が応答要求部41から端末装置12へ提供する疑似データを作成するための疑似データを作成する。疑似データ作成部46は、疑似データの元となるデータを用いて実値データに相当(対応)する疑似データを作成する。
【0044】
例えば、疑似データ作成部46は、実値データベース44に記憶されている実値データの一部から生成する疑似データに基づいて端末装置12へ提供する表示用の疑似データを作成する。具体例として、疑似データ作成部46は、実値データベース44に蓄積されている数日分の実値データから表示用の疑似データを作成するのに必要な期間分(例えば1カ月分など)の実値データに相当する疑似データを生成する。
【0045】
また、疑似データ作成部46は、操作部27により入力されたデータから端末装置12へ提供する所定日数分の疑似データを作成するようにしても良い。具体例としては、疑似データ作成部46は、操作部27により係員が入力する数日分の実値データに相当するデータから端末装置12へ提供するのに必要な期間分の疑似データを作成するようにしても良い。
【0046】
次に、実施形態に係る監視制御装置としてのサーバ11を含む監視制御システム1の動作について説明する。
図3は、実施形態に係る監視制御システム1を構成するサーバ11と端末装置12との動作例を説明するためのシーケンスである。
まず、端末装置12を操作するオペレータ(監視者)は、操作部37を用いて監視画面の表示を指示するものとする。端末装置12のプロセッサ31は、画面生成部51として機能するアプリケーションを起動し、オペレータが操作部37を用いて入力する監視画面の表示指示を受け付ける(ST11)。ここで、プロセッサ31は、監視画面を表示するための条件の指示なども受け付ける。例えば、プロセッサ31は、監視画面を表示する条件として、監視対象とする機器の設定および各種パラメータの設定などの指定を受け付ける。
【0047】
プロセッサ31は、監視画面の表示指示が入力されると、監視画面に表示するための実値データ(表示用の実値データ)をサーバ11へ要求する(ST12)。プロセッサ31は、通信部35によりサーバ11と通信し、実値データの要求とともにオペレータにより指定された条件(監視画面の表示条件)をサーバ11へ送信する。
【0048】
サーバ11は、通信部25により端末装置12からの実値データの要求を受信する。サーバ11のプロセッサ21は、端末装置12からの実値データの要求を受信すると、端末装置12へ提供する実値データ(表示用の実値データ)を生成する処理を実行する(ST13)。
【0049】
例えば、プロセッサ21は、応答要求部41により受け付けた表示用の実値データの作成を実値データ処理部42に指示する。プロセッサ21は、実値データ処理部42により実値データベース44から取得する実値データに基づいて表示用の実値データを作成する。例えば、プロセッサ21は、実値データ処理部によって表示用の実値データとして監視対象とする設備の状態又は診断結果を示すグラフを描画するための関数(係数値など)を作成する。、
プロセッサ21は、表示用の実値データを作成するために必要な実値データに不足がなければ(ST14、YES)、実値データベース44に蓄積した実値データに基づいて生成した表示用の実値データを通信部25により端末装置12へ送信する(ST15)。
【0050】
端末装置12のプロセッサ31は、通信部35によりサーバ11から表示用の実値データを受信した場合、サーバ11から受信した表示用の実値データを用いて監視画面を生成し、生成した監視画面を表示部36に表示する(ST16)。
【0051】
また、サーバ11のプロセッサ21は、表示用の実値データを生成するために必要な実値データが存在しない場合(ST14、NO)、実値データが不足している旨の通知を通信部25により端末装置12へ送信する(ST17)。例えば、プロセッサ21は、表示用の実値データを作成するために必要な実値データが実値データベース44に存在しない場合、実値データの生成処理の結果として実値データが不足している旨を応答要求部41へ出力し、応答要求部41により実値データの不足を端末装置12へ通知する。
【0052】
端末装置12のプロセッサ31は、サーバ11から実値データが不足している旨の通知を受信した場合、監視画面に表示する実値データが不足している旨を表示部36に表示する(ST18)。
【0053】
図4は、端末装置12が表示部36に実値データが不足している旨を表示した表示例を示す図である。
図4に示す表示例は、監視対象とするポンプによる全楊程の状態を示す監視画面において実値データが不足している旨を示す表示画面61を表示した例である。図4に示す例では、サンプリング期間として指定されている「2021.01~2021.2」の期間において、監視対象とするポンプによる全楊程の状態を示す情報(グラフ)を表示するための実値データが不足していることを示している。また、図4に示す表示例において、表示部36は、各種の設定を行うための設定ボタン62を表示する。設定ボタン62が指示された場合、端末装置12のプロセッサ31は、各種の設定指示を受け付けるための操作画面を表示する。
【0054】
端末装置12のプロセッサ31は、オペレータによる監視画面に対応するデモ画面の表示指示を受け付ける(ST21)。例えば、端末装置12を操作するオペレータ(監視者)は、操作部37を用いてデモモードを指定することにより監視画面のデモ画面の表示を指示する。プロセッサ31は、デモモードへの切り替えを指示するボタンを任意のタイミングで受け付ける。また、プロセッサ31は、サーバ11から実値データの不足が通知された場合にデモモードによる監視画面(監視画面のデモ画面)の表示の指示を促すようにしても良い。
【0055】
図5は、端末装置12が表示部36に実値データの不足を報知する表示欄を表示した画面上にデモ画面の表示を指示するための操作画面を表示した例を示す図である。
例えば、端末装置12のプロセッサ31は、図4に示すような実値データが不足している旨の表示画面61を表示した状態において設定ボタン62が指示されると、図5に示すような操作画面71を表示する。
【0056】
図7に示す操作画面71は、デモモードへの切り替えを指示するデモモードボタン71aを表示する。操作画面71は、例えば、通常モードである状態で設定ボタン62が指示された場合に表示されるものとする。デモモードボタン71aは、オペレータがデモモードへの切り替え(デモ画面の表示)を指示する場合に指示するボタンである。デモモードボタン71aが指示された場合、プロセッサ31は、監視画面に対応するデモ画面を表示するための処理を開始する。
【0057】
端末装置12のプロセッサ31は、デモ画面の表示指示を受け付けると、監視画面のデモ画面を表示するための疑似データ(表示用の疑似データ)をサーバ11へ要求する(ST22)。プロセッサ31は、通信部35によりサーバ11と通信し、監視画面に対応するデモ画面を表示するための疑似データの要求をサーバ11へ送信する。
【0058】
サーバ11は、通信部25により端末装置12からの疑似データの要求を受信する。サーバ11のプロセッサ21は、端末装置12からの疑似データの要求を受信すると、端末装置12へ提供する疑似データ(表示用の疑似データ)を作成する処理を実行する(ST23)。
【0059】
例えば、プロセッサ21は、応答要求部41により受け付けた表示用の疑似データの生成を疑似データ処理部43に指示する。プロセッサ21は、疑似データ処理部43により疑似データベース45にアクセスし、疑似データベース45から取得する疑似データに基づいて表示用の疑似データを生成する。
【0060】
また、疑似データの作成処理において、プロセッサ21は、疑似データ作成部46によって疑似データの作成を実行するようにしても良い。例えば、プロセッサ21は、実値データベース44に格納されている実値データに基づいて表示用の疑似データを作成するために必要な疑似データを生成するようにしても良い。また、プロセッサ21は、操作部27などでオペレータが入力するデータに基づいて表示用の疑似データを作成するために必要な疑似データを生成するようにしても良い。
【0061】
サーバ11のプロセッサ21は、表示用の疑似データを作成すると、作成した表示用の疑似データを通信部25により端末装置12へ送信する(ST24)。
端末装置12のプロセッサ31は、通信部35によりサーバ11から表示用の疑似データを受信し、受信した表示用の疑似データを用いて監視画面のデモ画面を作成し、作成した監視画面のデモ画面を表示部36に表示する(ST25)。
【0062】
図6は、実施形態に係る監視制御システム1における端末装置12が表示部36に表示する監視画面に対応するデモ画面の表示例を示す図である。
図6に示す表示例は、監視対象とするポンプによる全楊程の状態を示す監視画面のデモ画面の例である。図6に示す例において、プロセッサ31は、デモモードであることをデモ画面の上部の表示領域81に表示するとともにサーバ11から提供される表示用の疑似データに基づくグラフ群82を表示する。
【0063】
図6の表示領域81に示すように、端末装置12は、デモモード中であること(デモ画面を表示中であること)を画面上の視認しやすい箇所に表示する。これにより、端末装置12は、デモモード中である間、表示している画面がデモ画面であり、表示中のグラフ群82が実値に基づく診断結果などの情報ではないことをオペレータ(監視者)に認識させることができる。
【0064】
図6に示すデモ画面に表示するグラフ群82の各グラフは、それぞれ監視対象とするポンプにおける全楊程の推定値および基準値の疑似データを示す。端末装置12のプロセッサ31は、グラフ群82の各グラフをサーバ11が疑似データを用いて作成した表示用の疑似データに基づいて描画する。
【0065】
図7は、実施形態に係る監視制御システム1における端末装置12が表示部36に表示する操作画面の例を示す図である。
例えば、端末装置12のプロセッサ31は、図6に示す設定ボタン62が指示された場合、図6に示すデモ画面上に図7に示す操作画面71を表示する。図7に示す例では、操作画面71には、動作モードを通常モードに切り替えることを指示する通常モードボタン71bが表示される。操作画面71に表示される通常モードボタン71bは、デモモードである場合に操作画面71に表示される。すなわち、デモモードである状態で設定ボタン62が指示されると、プロセッサ31は、デモ画面上に通常モードへの切り替えを指示するための通常モードボタンを含む操作画面を表示する。プロセッサ31は、通常モードボタン71bが指示されると、表示部36によるデモ画面の表示を終了し、動作モードを通常モードへ切り替える。
【0066】
以上のように、実施形態に係る監視制御装置は、監視対象とする設備の動作状態や性能を診断するための状態情報を示すグラフなどのデータを含む監視画面を監視員が操作する端末装置に表示させるためのデータを提供する。監視制御装置は、監視対象とする設備の動作状態や性能を診断するための情報をセンサなどのデータ収集装置から実値データとして取得して記憶部に蓄積する。端末装置は、オペレータによって選択可能な動作モードとして通常モードとデモモードとを有する。
【0067】
端末装置は、通常モードにおいて表示用の実値データをサーバに要求する。サーバは、端末装置からの表示用の実値データが要求された場合、表示用の実値データを作成するために必要な実値データが記憶部に存在すれば、記憶部に蓄積した実値データに用いて設備の状態や性能の診断結果を表すグラフなどの情報を監視画面上に描画させるための情報(表示用の実値データ)を端末装置に提供する。サーバは、端末装置からの表示用の実値データが要求された場合、表示用の実値データを作成するために必要な実値データが記憶部に存在しなければ、実値データの不足を端末装置に通知する。
【0068】
また、端末装置は、動作モードがデモモードであれば、実値データではなく表示用の疑似データをサーバに要求する。サーバは、端末装置から疑似データを要求された場合、デモ画面を表示するために用意された疑似データを用いて作成した表示用の疑似データを端末装置へ提供する。端末装置は、サーバから提供された表示用の疑似データに基づいて、疑似的に作成されたグラフなどのデータをデモ画面に表示する。
【0069】
以上により、実施形態に係る監視制御システムによれば、端末装置のオペレータが任意のタイミングで実値データに基づく診断結果と同様なフォーマットで疑似データから作成されたグラフなどのデータを表示するデモ画面を視認することができる。この結果、端末装置では、システムの導入直後などの実値データが蓄積されていない状況であっても、監視画面と同様な表示内容のデモ画面を表示することができ、任意のタイミングで監視画面の表示を疑似体験できる。
【0070】
また、実施形態に係る監視制御システムによれば、サーバに実値データが存在しない状態であっても、疑似データから作成したグラフなどのデータを描画したデモ画面を表示することができる。この結果、実際にシステムの稼働させていない状態であってもデモ画面を表示することができるため、展示会、あるいは、システム導入前の事業者に対する機能説明などにおいて、システムを稼働させた後に実行できる機能を実際のデモ画面で疑似的に提示することができる。
【0071】
さらに、実施形態に係る監視制御システムは、端末装置が動作モードに応じてサーバに要求するデータ(実値データ又は疑似データの何れか)を決定し、端末装置からの要求に応じてサーバが実値データ又は疑似データの何れかのデータを提供する。すなわち、実施形態に係る監視制御システムは、画面に表示するデータ(実値データ又は疑似データの何れか)の決定権が各端末装置にあることにより、複数の端末装置が異なる動作モードのデータをサーバへ要求することができ、動作モードを切り替えるためにサーバの設定を変更する作業(エンジニアリング)を不要とすることができる。
【0072】
なお、上記した各処理はいくつかのソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理の手順を実行するいくつかのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこれらプログラムをサーバおよび端末装置にインストールして実行することで、上記処理を容易に実現することができる。例えば、サーバおよび端末装置は、プログラムをネットワーク経由でダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。また、サーバおよび端末装置は、上記プログラムを各種の情報記憶媒体から読み取り、読み取ったプログラムを記憶することで、プログラムをインストールするようにしても良い。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…監視制御システム、11…サーバ(監視制御装置)、12…端末装置、13…データ収集装置、21…プロセッサ(第1プロセッサ)、24…記憶部、24a…第1の記憶領域(第1記憶部)、24b…第2の記憶領域(第2記憶部)、25…通信部(第1通信部)、31…プロセッサ(第2プロセッサ)、34…記憶部、35…通信部(第2通信部)、36…表示部、41…応答要求部、42…実値データ処理部、43…疑似データ処理部、44…実値データベース(第1記憶部)、45…疑似データベース(第2記憶部)、46…疑似データ作成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7