(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146260
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20241004BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20241004BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241004BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06T19/00 300A
G06T19/00 300B
G06F3/01 510
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059054
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安井 裕司
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA11
5B050EA07
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA09
5E555AA04
5E555AA27
5E555BA02
5E555BA06
5E555BA38
5E555BB02
5E555BB06
5E555BB38
5E555BC07
5E555BD01
5E555BE17
5E555CA44
5E555CB21
5E555CB66
5E555CC01
5E555CC22
5E555DA08
5E555DB32
5E555DB53
5E555DC05
5E555DC09
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC52
5E555DC63
5E555DC64
5E555EA12
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが使用対象とするアバター間の切り替えを容易にするための技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置であって、仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボットである第2のアバターの挙動を、ユーザ操作に基づいて制御する制御手段と、前記仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、前記現実空間における前記第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、前記ユーザ操作に基づいて切り替える切替手段とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボットである第2のアバターの挙動を、ユーザ操作に基づいて制御する制御手段と、
前記仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、前記現実空間における前記第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、前記ユーザ操作に基づいて切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
表示装置に前記仮想映像又は前記現実視点映像を表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第1のモードにおいて、前記仮想映像の所定領域に、前記第2のアバターが存在する場所の画像を重畳して表示させ、
前記切替手段は、前記ユーザ操作に基づいて前記所定領域に対して特定の動作が実行された場合に、前記第1のモードから前記第2のモードへ切り替えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定の動作は、前記第1のアバターを前記所定領域の位置まで接近させる動作を含むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定の動作は、前記第1のアバターを前記所定領域の位置に対して閾値距離まで接近させる動作を含むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行された場合、前記所定領域の表示内容を、前記第2のアバターが存在する場所の画像から、前記第2のアバターの前記現実視点映像の少なくとも一部の領域の現実視点映像へ変更することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記切替手段により前記第1のモードから前記第2のモードへ切り替えられた場合、前記所定領域に表示されていた前記少なくとも一部の領域の現実視点映像の表示位置を変更することなく、前記少なくとも一部の領域の現実視点映像を包含する前記第2のアバターの前記現実視点映像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定領域は、前記仮想空間内の少なくとも一部の領域であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記情報処理装置は、
前記第1のモードにおいて、前記俯瞰モードで前記特定の動作が実行された場合、前記俯瞰モードから前記仮想視点モードへ切り替える第2の切替手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記情報処理装置は、
前記第1のモードにおいて、ユーザからの指示に基づいて前記俯瞰モードと前記仮想視点モードとを切り替える第3の切替手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第1のアバターが前記所定領域に対して前記閾値距離まで接近した場合、前記第1のアバターの移動を停止することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ユーザが装着する表示装置に前記仮想映像又は前記現実視点映像を表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記ユーザ操作に基づいて特定の動作が実行された場合に、前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記第2のモードにおいて、前記第2のアバターの前記現実視点映像を表示させ、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記第2のアバターの前記現実視点映像の少なくとも一部の領域の現実視点映像を前記仮想映像の所定領域に重畳して、前記仮想映像を表示させることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記仮想視点モードで、前記少なくとも一部の領域の現実視点映像を前記仮想映像の所定領域に重畳して、前記仮想映像を表示させることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記仮想視点モードにおいて、前記第1のアバターが前記所定領域を向かないように前記仮想映像を表示させることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記俯瞰モードで、前記少なくとも一部の領域の現実視点映像を前記仮想映像の所定領域に重畳して、前記仮想映像を表示させることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記俯瞰モードにおいて、前記第1のアバターが前記所定領域を向かないように前記仮想映像を表示させることを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記特定の動作は、前記第2のアバターを前記現実空間における移動可能領域の境界に接近させる動作を含むことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記第2のアバターの移動速度及び移動加速度に基づいて前記第1のアバターの移動を制御することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記表示制御手段は、前記所定領域とともに他のコンテンツ表示領域を前記仮想映像内に表示させ、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合における前記第1のアバターの移動速度に基づいて、前記第1のアバターに対する前記他のコンテンツ表示領域の位置を制御することを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記表示制御手段は、前記第1のアバターの移動速度が大きいほど、前記第1のアバターから前記他のコンテンツ表示領域までの距離が遠くなるように、前記他のコンテンツ表示領域の位置を制御することを特徴とする請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
情報処理装置の制御方法であって、
仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボットである第2のアバターの挙動を、ユーザ操作に基づいて制御する制御工程と、
前記仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、前記現実空間における前記第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、前記ユーザ操作に基づいて切り替える切替工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項22】
請求項21に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項23】
請求項21に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、現実空間の第1領域に存在しているユーザが、第1領域と時間及び位置の少なくとも一方が異なる現実空間の第2領域に存在する制御対象の動作を制御する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、仮想空間のアバターと現実空間のアバターとの間の切り替えが難しいという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが使用対象とするアバター間の切り替えを容易にするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明に係る情報処理装置は、
仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボットである第2のアバターの挙動を、ユーザ操作に基づいて制御する制御手段と、
前記仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、前記現実空間における前記第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、前記ユーザ操作に基づいて切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが使用対象とするアバター間の切り替えを容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】(a)一実施形態に係るサーバ装置(情報処理装置)の構成例を示す図あり、(b)一実施形態に係るアバターロボットの構成例を示す図あり、(c)一実施形態に係るVRゴーグル装置の構成例を示す図である。
【
図3】(a)一実施形態に係るサーバ装置(情報処理装置)の機能構成例を示す図あり、(b)一実施形態に係るアバターロボットの機能構成例を示す図あり、(c)一実施形態に係るVRゴーグル装置の機能構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の一例を示す処理シーケンス図である。
【
図5】一実施形態に係るサーバ装置(情報処理装置)が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る現実空間の第2のアバターからへ仮想空間の第1のアバターの遷移処理の一例を示す処理シーケンス図である。
【
図7】一実施形態に係るサーバ装置(情報処理装置)が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図9】変形例1に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図10】変形例2に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図11】変形例3に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図12】一実施形態に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図13】変形例1に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図14】変形例2に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図15】変形例3に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図16】変形例4に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図17】変形例5に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
【
図18】変形例2~変形例5に係る遷移処理後の第1のアバターの向きの説明図である。
【
図19】変形例2~変形例5に係る遷移処理後の第1のアバターの向きと、他のコンテンツ表示領域との距離(近い場合)の説明図である。
【
図20】変形例2~変形例5に係る遷移処理後の第1のアバターの向きと、他のコンテンツ表示領域との距離(遠い場合)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図1において、10はサーバ装置(情報処理装置)である。20はアバターロボットである。アバターロボット20は、現実世界(例えばリゾート地)に配置され、遠隔でのユーザ操作に基づいて現実世界の所定範囲(例えばリゾート地内の移動可能領域として設定された範囲)を自由に移動することができる。アバターロボット20が撮影した映像をユーザが確認しながら、アバターロボット20を遠隔で操作し、アバターロボット20の位置及び/又は向き、さらに撮影方向(視点方向)を自由に変更することができる。アバターロボット20の操作によって、ユーザは遠隔の現実世界を実際に訪問したかのような体験をすることができる。
【0011】
30は、VR(Virtual Reality)ゴーグル装置である。ユーザ50はVRゴーグル装置30を装着し、各種映像(例えば仮想空間の映像や、アバターロボット20の現実視点映像等)を視認したり、表示映像を見ながらVRゴーグル装置30を操作することにより、仮想空間内の第1のアバター又は現実空間のアバターロボット20である第2のアバターを自由に操作することができる。ただし、表示装置はVRゴーグル装置30に限定されず、スマートフォンやPC(パーソナルコンピュータ)等のディスプレイであってもよいし、壁等へ投影を行う投影形式のディスプレイであってもよい。40はネットワークである。サーバ装置10、アバターロボット20、及びVRゴーグル装置30がネットワーク40を介して接続されている。
【0012】
<装置構成>
続いて、
図2(a)乃至
図2(c)を参照しながら、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10、アバターロボット20、及びVRゴーグル装置30の構成例を説明する。
図2(a)が、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の構成例を示す図であり、
図2(b)が、本発明の一実施形態に係るアバターロボット20の構成例を示す図であり、
図2(c)が、本発明の一実施形態に係るVRゴーグル装置30の構成例を示す図である。
【0013】
図2(a)に示すように、サーバ装置10は、CPU101、記憶装置102、及び通信部103を備えている。サーバ装置10の制御動作は、CPU101が記憶装置102に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU101は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置102は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU101により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部103は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。
【0014】
図2(b)に示すように、アバターロボット20は、CPU201、記憶装置202、通信部203、撮影部204及び駆動部205を備えている。アバターロボット20の制御動作は、CPU201が記憶装置202に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU201は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置202は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU201により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部203は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。
【0015】
撮影部204は、カメラであり、アバターロボット20の現実視点映像を撮影する。駆動部205は、アバターロボット20が備える不図示の車輪を駆動する。これにより、アバターロボット20は、ユーザによる遠隔操作に基づいて、前後方向への移動、左右方向への移動、その場での回転移動を行うことができる。また、駆動部205は、ユーザによる遠隔操作に基づいて、撮影部204の撮影方向を変更することもできる。
【0016】
図2(c)に示すように、VRゴーグル装置30は、CPU301、記憶装置302、通信部303、表示部304、操作入力部305及び加速度センサ306を備えている。VRゴーグル装置30の制御動作は、CPU301が記憶装置302に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU301は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置302は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU301により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。
【0017】
通信部303は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。表示部304は、ユーザ50に対して各種映像を表示する。操作入力部305は、仮想空間内の第1のアバター又は現実空間のアバターロボット20である第2のアバターを操作するための指示の入力を受け付ける。加速度センサ306は、VRゴーグル装置30に加わる加速度を検出する。
【0018】
操作入力部305は、加速度センサ306の検出結果を操作指示の入力として受け付けることができる。例えばVRゴーグル装置30を装着したユーザ50が、背伸びする動作又は膝を伸ばす動作を行うことで、アバターを上昇させるあるいはアバターの視線方向を上向きに徐々に変更する。背を縮める動作又は膝を曲げる動作を行うことで、アバターを下降させるあるいはアバターの視線方向を下向きに徐々に変更する。頭を左回転する動作を行うことで、アバターを左方向に自転させる。頭を右回転する動作を行うことで、アバター右方向に自転させる。頭を前傾にする動作を行うことで、アバターを前進させる。頭を後傾にする動作を行うことで、アバターを後進させる。頭を左に傾ける動作を行うことで、アバターを左進させる。頭を右に傾ける動作を行うことで、アバターを右進させる。
【0019】
なお、本実施形態ではVRゴーグル装置30自体の動きで操作入力を受け付ける例を説明するが、操作入力部305はこの例に限定されない。例えば、VRゴーグル装置30とは別体の装置(ジョイスティック、ゲーム用のコントローラ、インタラクティブシート等)を用いて操作入力を受け付けるように構成してもよい。インタラクティブシートとは、椅子に座った状態でシート部に対して各種動作を行うことで、操作入力を受け付けることができるシートである。その場合、こうした別体の装置がサーバ装置10等と通信するように構成すればよい。
【0020】
<機能構成>
続いて、
図3(a)乃至
図3(c)を参照しながら、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10、アバターロボット20、及びVRゴーグル装置30の機能構成例を説明する。
図3(a)が、本発明の一実施形態に係るサーバ装置10の機能構成例を示す図であり、
図3(b)が、本発明の一実施形態に係るアバターロボット20の機能構成例を示す図であり、
図3(c)が、本発明の一実施形態に係るVRゴーグル装置30の機能構成例を示す図である。
【0021】
図3(a)に示すように、サーバ装置10は、映像送信部1001、映像受信部1002、アバター制御部1003、表示制御部1004、及びモード切替部1005を備える。映像送信部1001は、仮想空間の映像または現実空間のアバターロボット20の現実視点映像をVRゴーグル装置30へ送信する。仮想空間の映像は、仮想空間のアバターの外観を視認できる俯瞰映像であってもよいし、仮想空間に配置されるアバターの仮想視点映像であってもよい。映像受信部1002は、現実空間のアバターロボット20の現実視点映像を、アバターロボット20から受信する。
【0022】
アバター制御部1003は、仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターの挙動を、操作入力部305を用いたユーザ操作に基づいて制御する。表示制御部1004は、VRゴーグル装置30の表示部304に表示する映像を制御する。モード切替部1005は、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、ユーザ操作に基づいて切り替える。
【0023】
図3(b)に示すように、アバターロボット20は、撮影部2001、映像送信部2002、及び制御部2003を備える。撮影部2001は、例えばアバターロボット20の頭部付近に設けられ、アバターロボット20の前方の映像を撮影する。撮影部2001により撮影された映像は、アバターロボット20の現実視点映像である。映像送信部2002は、撮影部2001により撮影されたアバターロボット20の現実視点映像をサーバ装置10へ送信する。制御部2003は、サーバ装置10のアバター制御部1003による制御に基づいて、アバターロボット20の移動及び視線方向の変更等を制御する。
【0024】
図3(c)に示すように、VRゴーグル装置30は、映像受信部3001、表示部3002、及び操作入力部3003を備える。映像受信部3001は、サーバ装置10から仮想空間の仮想映像を受信したり、アバターロボット20の現実視点映像をサーバ装置10を介して受信したりする。表示部3002は、映像受信部3001が受信した映像をユーザ50に対して表示する。操作入力部3003は、仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターを操作する指示の入力を受ける。
【0025】
<仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移>
図8は、本実施形態に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
図8の上段は、仮想空間の第1のアバターの位置及び現実空間の第2のアバターの位置の変化を示している。
図8の中段は、アバターの位置の変化に応じた、ユーザ50が装着しているVRゴーグル装置30の表示部3002の表示映像の変化を示している。
図8の下段は、アバターの移動速度(縦軸)と、仮想空間の第1のアバターの位置及び現実空間の第2のアバターの位置の変化との関係を示している。
【0026】
図8の中段の左から一番目に示すように、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードにおいて、VRゴーグル装置30の表示部3002に仮想映像が表示されている。なお、第1のモードは、仮想空間内の第1のアバター800を含む仮想映像を表示する俯瞰モードと、第1のアバター800の仮想視点から見た仮想映像を表示する仮想視点モードとを含むことができ、何れかのモードで仮想映像が表示される。
図8の中段の左から一番目では、俯瞰モードで仮想映像が表示されており、仮想空間内に第1のアバター800を観察することができる。
【0027】
仮想空間は、例えば部屋のような空間であり、この仮想映像の所定領域である壁領域810の少なくとも一部に、第2のアバター(アバターロボット20)が存在する場所の画像811が重畳されて表示されている。なお、この画像811は、アバターロボット20の現実視点映像である必要はなく、アバターロボット20が存在する場所に関連する静止画像であってもよい。図示の例では、リゾート地の景色の画像が重畳されて表示されている。
【0028】
ユーザ50は、VRゴーグル装置30の操作入力部3003を操作して、第1のアバター800を操作して、仮想空間内を自由に移動させることができる。ユーザ50は、操作入力部3003を操作して、所定領域(壁領域810の少なくとも一部の領域である画像811の表示領域)に対して特定の動作を実行することで、第1のモードから第2のモードへの切り替えを行う。
【0029】
特定の動作として、第1のアバター800を所定領域の位置に対して閾値距離(画像811を表示する位置802から離間した位置801)まで接近させる動作を行う。第1のアバターが位置821から位置801に到達した場合、まず第1のモードの俯瞰モードから第1のモードの仮想視点モードへの視点切り替え処理を行う。これにより、
図8の中段の左から二番目のように、仮想視点モードで仮想映像が表示されており、第1のアバター800の視点での映像が表示される。この時、所定領域(画像表示領域)の表示内容を、第2のアバターであるアバターロボット20が存在する場所の画像811から、第2のアバターの現実視点映像812へ変更する。そして、特定の動作として、位置801からさらに、所定領域(画像表示領域)の表示位置(位置802)に第1のアバター800を接近させる動作を行うと、第1のアバター800が位置802へ向けて自動で減速する。そして、位置802において移動速度がゼロになるようにアバター800が移動する。
【0030】
第1のアバター800が位置802に到達すると、
図8の中段の左から三番目に示すように、現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードへの切り替えが実行され、VRゴーグル装置30の表示部3002に現実視点映像812が表示される。これにより、仮想空間の第1のアバター800から、アバターロボット20である第2のアバターへの遷移を行うことができる。遷移した時点では、アバターロボット20は停止状態であり、現実視点映像812が表示されている。遷移後に、ユーザ50は、VRゴーグル装置30の操作入力部3003を操作して、アバターロボット20を移動させることができる。
図8の中段の左から四番目に示すように、ユーザ操作に応じてアバターロボット20の位置が位置823から位置824に変化したことにより、現実視点映像813のように表示映像が変化する。ユーザ50は、アバターロボット20である第2のアバターを操作することで、アバターロボット20が移動できる現実空間における移動可能領域の範囲内で自由にアバターロボット20を移動して、その現実視点映像を視認することができる。これにより、ユーザはアバターロボット20の現実視点映像を介して、アバターロボット20が存在する場所(例えばリゾート地)を実際に訪問したかのような体験をすることができる。
【0031】
<処理>
次に、
図4の処理シーケンス図及び
図5のフローチャート、及び
図8を参照しながら、本実施形態に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理について説明する。
【0032】
まず
図4のF401において、サーバ装置10は、仮想空間の仮想映像をVRゴーグル装置30へ送信する。F402において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作に基づいて、仮想空間の第1のアバターを操作する。F403において、サーバ装置10は、仮想空間の第1のアバターの挙動を制御し、ユーザ50の操作内容を反映させた仮想空間の仮想映像をVRゴーグル装置30へ送信する。
【0033】
F404において、アバターロボット20は、第2のアバター(アバターロボット20)が存在する場所の画像をサーバ装置10へ送信する。例えば、アバターロボット20が存在する場所に関連する静止画像(例えばリゾート地の景色の画像)を送信する。なお、F404の処理は事前に行われてサーバ装置10が画像を保持しておいてもよい。
【0034】
F405において、サーバ装置10は、仮想空間の仮想映像の所定領域(
図8の例では、仮想空間内の壁領域810の少なくとも一部に設けられた画像表示領域811)に、現実空間における第2のアバター(アバターロボット20)が存在する場所の画像(例えばリゾート地の景色の画像)を重畳して送信する。
【0035】
F406において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作に基づいて、所定領域に対して特定の動作を実行する。ここでの特定の動作は、
図8の例では、第1のアバター800を所定領域の位置に対して閾値距離(画像811を表示する位置802から離間した位置801)まで接近させる動作である。
【0036】
F407において、アバターロボット20は、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像をサーバ装置10へ送信する。当該処理は、サーバ装置10が、特定の動作が実行されたことをアバターロボット20へ通知することに応じて行われてもよい。あるいは、常時第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像をサーバ装置10へ送信しておくように構成してもよい。
【0037】
F408において、サーバ装置10は、所定領域の表示内容を、第2のアバター(アバターロボット20)が存在する場所の画像から第2のアバターの現実視点映像へ変更する。F409において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作に基づいて、所定領域に対して特定の動作を実行する。ここでの特定の動作は、
図8の例では、所定領域(画像表示領域)の表示位置である位置802に第1のアバター800を接近させる動作である。
【0038】
F410において、サーバ装置10は、第1のモードから第2のモードへ切り替えを行う。これにより、仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移が実行される。F411において、サーバ装置10は、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像をVRゴーグル装置30へ送信して表示させる。
図8の例では、VRゴーグル装置30は現実視点映像812を表示する。
【0039】
F412において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作内容に基づいて、現実空間の第2のアバターを操作する。F413において、サーバ装置10は、現実空間の第2のアバターの挙動を制御する。F414において、アバターロボット20は、ユーザ50の操作内容を反映させた現実視点映像(
図8の例では現実視点映像813)をサーバ装置10へ送信する。
【0040】
F415において、サーバ装置10は、ユーザ50の操作内容を反映させた現実視点映像(
図8の例では現実視点映像813)をVRゴーグル装置30へ送信して表示させる。以上で
図4の処理シーケンスが終了する。
【0041】
次に、
図5は、本実施形態に係るサーバ装置(情報処理装置)が実施する処理の手順を示すフローチャートである。仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードの状態で処理が開始する。
【0042】
S501において、サーバ装置10のアバター制御部1003は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、仮想空間における第1のアバターを制御する。S502において、サーバ装置10の表示制御部1004は、仮想空間の仮想映像の所定領域に、現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターが存在する場所の画像(
図8の例では画像811)を重畳して表示させる。
【0043】
S503において、サーバ装置10のモード切替部1005は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、所定領域に対して特定の動作が実行されたか否かを判定する。ここでの特定の動作は、
図8の例では、第1のアバター800を所定領域の位置に対して閾値距離(画像811を表示する位置802から離間した位置801)まで接近させる動作である。本ステップがYesである場合、S504へ進む、一方、本ステップがNoである場合、S501に戻る。
【0044】
S504において、サーバ装置10の表示制御部1004は、所定領域の表示内容を、第2のアバターが存在する場所の画像から第2のアバターの現実視点映像へ変更する。
図8の例では、壁領域810の一部に表示されている画像811が、現実視点映像812へ変更される。壁領域810に接近することで現実視点映像812へ切り替わることから、アバターロボット20を用いた仮想体験への期待を高めることができる。
【0045】
S505において、サーバ装置10のモード切替部1005は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、所定領域に対して特定の動作が実行されたか否かを判定する。ここでの特定の動作は、
図8の例では、所定領域(画像表示領域)の表示位置である位置802に第1のアバター800を接近させる動作である。本ステップがYesである場合、S506へ進む、一方、本ステップがNoである場合、待機する。あるいは、位置801から位置802へ移動せずに反対に離れる方向に移動した場合には、S502に戻るように構成してもよい。
【0046】
S506において、サーバ装置10のモード切替部1005は、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードから、現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードへ切り替える。S507において、サーバ装置10の表示制御部1004は、第2のモードにおいて、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像をVRゴーグル装置30へ送信して表示させる。S508において、のアバター制御部1003は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、現実空間の第2のアバター(アバターロボット20)を制御する。以上で
図5の処理が終了する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードから、現実空間における第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードへの切り替えを容易に実行することができる。
【0048】
[変形例1(第1のモードから第2のモードへの遷移)]
図9は、変形例1に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
図9の中段の左から一番目の仮想映像の表示方法が
図8と異なっている。
図8の例では、第1のモードの俯瞰モードで仮想映像を表示する例を説明したが、
図9のように、第1のモードの仮想視点モードで仮想映像を表示してもよい。この場合、第1のアバター800が位置801に到達しても
図8のように俯瞰モードから仮想視点モードへの切り替えは行われない。この場合、位置801を超えてさらに位置802へ接近したことに応じて、
図8の説明と同様の処理を行うように構成することができる。
【0049】
[変形例2(第1のモードから第2のモードへの遷移)]
図10は、変形例2に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
図10では、中段の左から一番目の仮想映像の表示方法が
図8と同様に俯瞰モードである。
図10では、
図8とは異なり、第1のアバター800を位置801に接近させる動作を行うと、第1のアバター800が位置801に接近するにつれて減速し、位置801で第1のアバター800の移動が自動で停止する。あるいは、ユーザ50が位置801上まで第1のアバター800を減速しながら移動し、位置801上で停止する操作を実行してもよい。位置801上で第1のアバター800が停止したことに基づいて、
図8の例と同様に俯瞰モードから仮想視点モードへの切り替えが行われる。
【0050】
本変形例2では、壁領域の位置802まで第1のアバター800が接近せずに第1のモードから第2のモードへの切り替えが行われる。第1のモードから第2のモードへの切り替え前は、
図10の中段の左から二番目の仮想映像のように、アバターロボット20の現実視点映像833の一部の現実視点映像832が仮想映像の所定領域(例えば壁領域の枠831の中)に表示されている。そして、第1のモードから第2のモードへの切り替え後、アバターロボット20の現実視点映像833が表示される。その際、現実視点映像833は、現実視点映像832を包含して表示される。枠831は説明の便宜上重畳されて表示されているが、現実視点映像833のみが表示され、枠831は表示されない。
【0051】
その際、現実視点映像833の一部の映像である現実視点映像832が、表示部3002内の同じ位置に表示されるように制御する。すなわち、第1のモードから第2のモードへの遷移の前後で現実視点映像832の表示位置が変化しないように遷移を行う。このように、ユーザ50の視覚情報の変化量が所定値以下になるように維持しながら、モード切り替えを実行する。これにより、現実視点映像832から視界が大きく変化することを抑制することができるため、モード遷移時のユーザ50の違和感を低減することが可能となる。
【0052】
そして、第1のモードから第2のモードへの切り替え後、ユーザ50はVRゴーグル装置30を操作して、アバターロボット20を自由に移動させ、その現実視点映像834を視認することができる。
【0053】
なお、本変形例2では、壁領域全体にアバターロボット20の現実視点映像の一部の現実視点映像832を表示したが、壁領域全体に表示する例に限定されず、壁領域の一部に表示してもよい。
【0054】
[変形例3(第1のモードから第2のモードへの遷移)]
図11は、変形例3に係る仮想空間の第1のアバターから現実空間の第2のアバターへの遷移処理の説明図である。
図11の中段の左から一番目の仮想映像の表示方法が
図10と異なっている。
図10の例では、第1のモードの俯瞰モードで仮想映像を表示する例を説明したが、
図11のように、第1のモードの仮想視点モードで仮想映像を表示してもよい。この場合、第1のアバター800が位置801に到達しても俯瞰モードから仮想視点モードへの切り替えは行われない。この場合、
図10と同様に、第1のアバター800を位置801に接近させる動作を行うと、第1のアバター800が位置801に接近するにつれて減速し、位置801で第1のアバター800の移動が停止する。以降の処理は
図10を参照して説明した変形例2と同様である。
【0055】
<現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移>
続いて、
図12は、本実施形態に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
図12の上段は、現実空間の第2のアバターの位置及び仮想空間の第1のアバターの位置の変化を示している。
図12の中段は、アバターの位置の変化に応じた、ユーザ50が装着しているVRゴーグル装置30の表示部3002の表示映像の変化を示している。
図12の下段は、アバターの移動速度(縦軸)と、現実空間の第2のアバターの位置及び仮想空間の第1のアバターの位置の変化との関係を示している。
【0056】
図12の中段の左から一番目に示すように、現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードにおいて、VRゴーグル装置30の表示部3002に現実視点映像1211が表示されている。図示の例では、竹林を通る道の映像が表示されている。
【0057】
ユーザ50は、VRゴーグル装置30の操作入力部3003を操作して、第2のアバター(アバターロボット20)を操作して、現実空間の所定範囲内の領域を自由に移動させることができる。ユーザ50は、操作入力部3003を操作して、特定の動作を実行することで、第2のモードから第1のモードへの切り替えを実行することができる。ここでの特定の動作は、アバターロボット20を、その移動可能領域の境界位置へ接近させる動作を含む。アバターロボット20が位置1221から移動して、境界位置に相当する位置1222に接近すると、アバターロボット20を停止させる制御を行う。この時、
図12の中段の左から二番目に示すように、(現実視点映像1213を包含する)現実視点映像1212が表示されている。
【0058】
そして、VRゴーグル装置30の操作入力部3003を操作して、所定のボタンを押下したり、或いは、これ以上移動できない方向(境界位置のさらに外側方向)へアバターロボット20を移動させる動作を行ったりしたことに応じて、第2のモードから第1のモードへ遷移させる。
【0059】
図12の中段の左から三番目に示すように、第1のモード(の俯瞰モード)での仮想空間の仮想映像がVRゴーグル装置30の表示部3002に表示される。仮想空間の第1のアバター1200は位置1223に存在し、第1のアバター1200は壁領域を向くように制御された状態で表示される。
【0060】
この際、現実視点映像1212の一部の映像である現実視点映像1213が、表示部3002内の同じ位置に表示されるように制御する。すなわち、第2のモードから第1のモードへの遷移の前後で現実視点映像1213の表示位置が変化しないように遷移を行う。これにより、現実視点映像1213から視界が大きく変化することを抑制することができるため、モード遷移時のユーザ50の違和感を低減することが可能となる。また、現実視点映像1213以外の仮想空間の仮想映像部分は、フェードイン動作で表示されるように構成してもよい。これにより、ユーザ50は、現実視点映像からの急な変化を抑制しつつ、仮想空間に戻ってきたことを違和感なく認識することができる。
【0061】
以降、ユーザ50は、仮想空間における第1のアバター1200を操作することで、仮想空間内を自由に移動することができる。これにより、ユーザはアバターロボット20の現実視点映像を介して、アバターロボット20が存在する場所(例えば竹林を通る道)を実際に訪問したかのような体験をし、その後、ユーザの仮想空間に戻ってくるという体験をすることができる。
【0062】
<処理>
次に、
図6の処理シーケンス図及び
図7のフローチャート、及び
図12を参照しながら、本実施形態に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理について説明する。
【0063】
まず
図6のF601において、VRゴーグル装置30は、サーバ装置10から受信した第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像を表示する。F602において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作に基づいて、第2のアバター(アバターロボット20)を操作する。F603において、サーバ装置10は、現実空間の第2のアバター(アバターロボット20)の挙動を制御する。
【0064】
F604において、アバターロボット20は、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像をサーバ装置10へ送信する。F605において、サーバ装置10は、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像をVRゴーグル装置30へ送信して表示させる。F606において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作に基づいて、特定の動作を実行する。ここでの特定の動作は、
図12の例では、アバターロボット20を、その移動可能領域の境界位置へ接近させる動作である。F607において、サーバ装置10は、第2のモードから第1のモードへ切り替える。
【0065】
F608において、サーバ装置10は、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像の一部領域の現実視点映像を仮想映像の所定領域に重畳して、VRゴーグル装置30へ仮想映像を送信する。F609において、VRゴーグル装置30は、受信した仮想映像を表示する。
図12の例では、第1のモード(の俯瞰モード)において、現実視点映像1212の一部領域の現実視点映像1213を壁領域に重畳して表示する。この際、現実視点映像1212の一部の映像である現実視点映像1213が、表示部3002内の同じ位置に表示されるように制御する。すなわち、第2のモードから第1のモードへの遷移の前後で現実視点映像1213の表示位置が変化しないように遷移を行う。
【0066】
F610において、VRゴーグル装置30は、ユーザ50の操作に基づいて、仮想空間の第1のアバター(
図12の例では第1のアバター1200)を操作する。F611において、サーバ装置10は、仮想空間の第1のアバターの挙動を制御し、ユーザ50の操作内容を反映させた仮想空間の仮想映像をVRゴーグル装置30へ送信する。以上で
図7の処理シーケンスが終了する。
【0067】
次に、
図7は、本実施形態に係るサーバ装置(情報処理装置)が実施する処理の手順を示すフローチャートである。現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードで処理が開始する。
【0068】
S701において、サーバ装置10のアバター制御部1003は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、現実空間におけるアバターロボット20である第2のアバターを制御する。S702において、サーバ装置10の表示制御部1004は、アバターロボット20から受信した第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像を、VRゴーグル装置30へ送信して表示させる。
【0069】
S703において、サーバ装置10のモード切替部1005は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、特定の動作が実行されたか否かを判定する。ここでの特定の動作は、
図12の例では、アバターロボット20を、その移動可能領域の境界位置へ接近させる動作である。本ステップがYesである場合、S704へ進む、一方、本ステップがNoである場合、S701に戻る。
【0070】
S704において、サーバ装置10のモード切替部1005は、現実空間における第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像を表示する第2のモードから、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードへ切り替える。
【0071】
S705において、サーバ装置10の表示制御部1004は、第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像の一部領域の現実視点映像を仮想映像の所定領域に重畳して、VRゴーグル装置30へ送信して表示させる。
図12の例では、第1のモード(の俯瞰モード)において、現実視点映像1212の一部領域の現実視点映像1213を壁領域に重畳して表示する。この際、現実視点映像1212の一部の映像である現実視点映像1213が、表示部3002内の同じ位置に表示されるように制御する。すなわち、第2のモードから第1のモードへの遷移の前後で現実視点映像1213の表示位置が変化しないように遷移を行う。
【0072】
S706において、サーバ装置10のアバター制御部1003は、VRゴーグル装置30におけるユーザ操作に基づいて、仮想空間における第1のアバターを制御する。以上で
図7の処理が終了する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、現実空間における第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードから、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードへの切り替えを容易に実行することができる。
【0074】
[変形例1(第2のモードから第1のモードへの遷移)]
図13は、変形例1に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
図13の中段の左から三番目の仮想映像の表示方法が
図12と異なっている。
図12の例では、第1のモードの俯瞰モードで仮想映像を表示する例を説明したが、
図13のように、第1のモードの仮想視点モードで仮想映像を表示してもよい。
【0075】
[変形例2(第2のモードから第1のモードへの遷移)]
図14は、変形例2に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
図14では、
図12の例とは異なり、アバターロボット20をほぼ一定移動速度で位置802に接近させる動作を行う。アバターロボット20が位置802に接近・到達したことに応じて第2のモードから第1のモードへの切り替えが行われる。アバターロボット20は位置802に到達したことに応じて自動で停止する。そして、仮想空間の第1のアバター1200に遷移した際、仮想映像の仮想視点の方向1232が、現実視点映像1231の表示領域である壁領域の方向を向かないように制御する。
【0076】
ここで、
図18は、第2のモードから第1のモードへの遷移に関する変形例2~変形例5に係る遷移処理後の第1のアバターの向きの説明図である。第1のアバター1200が向く方向は、仮想空間内の壁領域1701及び所定領域である画像表示領域1702が存在する方向である、×印1711で示した方向ではなく、〇印1712で示した方向である。
【0077】
また、変形例2~変形例5に係る遷移処理後の第1のアバター1200に関して、
図19に示すように、第1のアバター1200が向く方向に、他のコンテンツ表示領域1901及び1902のうちの少なくとも1つ以上をさらに表示してもよい。また
図20に示すように、他のコンテンツ表示領域2001及び2002のうちの少なくとも1つ以上をさらに表示してもよい。
図19では、第1のアバター1200に近い位置に他のコンテンツ表示領域1901及び1902が表示されている。
図20では、第1のアバター1200から遠い位置に他のコンテンツ表示領域1901及び1902が表示されている。他のコンテンツ表示領域の表示位置は、第1のアバター1200の移動速度が大きいほど遠くし、第1のアバター1200の移動速度が小さいほど近い位置に表示してもよい。すなわち、第1のアバター1200の移動速度が大きいほど、第1のアバター1200から他のコンテンツ表示領域までの距離が遠くなるように、他のコンテンツ表示領域の位置を制御してもよい。これにより、遷移後の第1のアバターが過度に他のコンテンツ表示領域に接近してしまうことを抑制することが可能となる。
【0078】
なお、
図19及び
図20に示したような、仮想空間内のアバターが向く方向に1つ以上の他のコンテンツ表示領域を表示させる処理は、変形例2~変形例5の場合に限定されない。現実空間における第2のアバター(アバターロボット20)の現実視点映像を表示する第2のモードから、仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードへ遷移した場合に、仮想空間内のアバターが向く方向に1つ以上の他のコンテンツ表示領域を表示するように制御してもよい。
【0079】
[変形例3(第2のモードから第1のモードへの遷移)]
図15は、変形例3に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
図15の中段の左から三番目の仮想映像の表示方法が
図14と異なっている。
図14の例では、第1のモードの俯瞰モードで仮想映像を表示する例を説明したが、
図15のように、第1のモードの仮想視点モードで仮想映像を表示してもよい。
【0080】
[変形例4(第2のモードから第1のモードへの遷移)]
図16は、変形例4に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
図16では、
図14及び
図15の例とは異なり、アバターロボット20を加速しながら位置802に接近させる動作を行う。アバターロボット20が位置802に接近・到達したことに応じて第2のモードから第1のモードへの切り替えが行われる。アバターロボット20は位置802に到達したことに応じて自動で停止する。そして、仮想空間の第1のアバター1200に遷移した際、仮想映像の仮想視点の方向1232が、現実視点映像1231の表示領域である壁領域の方向を向かないように制御する。そして、第1のアバター1200は、アバターロボット20を加速させていた際の加速度及び速度に基づいて遷移後の第1のアバター1200の移動速度を決定する。すなわち、遷移前に加速していた場合、その加速を反映させた状態で第1のアバター1200を移動させる。これにより、遷移の前後でのアバター操作感を維持しつつ、第1のアバター1200に遷移した後に現実視点映像1231に急接近してしまうことを防止することができる。
【0081】
[変形例5(第2のモードから第1のモードへの遷移)]
図17は、変形例5に係る現実空間の第2のアバターから仮想空間の第1のアバターへの遷移処理の説明図である。
図17の中段の左から三番目の仮想映像の表示方法が
図16と異なっている。
図16の例では、第1のモードの俯瞰モードで仮想映像を表示する例を説明したが、
図17のように、第1のモードの仮想視点モードで仮想映像を表示してもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では、仮想映像の所定領域が、仮想空間の壁領域の少なくとも一部の領域又は全部の領域であるものとして説明を行ったが、この例に限定されない。例えば、仮想映像の所定領域は、仮想空間内で浮遊するディスプレイを模した枠上の表示領域であってもよい。従って、所定領域は、仮想空間内の少なくとも一部の領域であってもよい。また、他のコンテンツ表示領域についても同様に、壁領域の少なくとも一部の領域又は全部の領域であってもよいし、仮想空間内で浮遊するディスプレイを模した枠上の表示領域であってもよい。従って、他のコンテンツ表示領域は、仮想空間内の少なくとも一部の領域であってもよい。
【0083】
<その他の実施形態>
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0084】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態に係る情報処理装置(10)は、
仮想空間におけるアバターである第1のアバター(800、1200)又は現実空間におけるアバターロボット(20)である第2のアバターの挙動を、ユーザ操作に基づいて制御する制御手段(1003)と、
前記仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、前記現実空間における前記第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、前記ユーザ操作に基づいて切り替える切替手段(1005)と、
を備える。
【0085】
これにより、ユーザが使用対象とするアバター間の切り替えを容易に行うことが可能となる。
【0086】
2.上記実施形態に係る情報処理装置(10)は、
表示装置(30)に前記仮想映像又は前記現実視点映像を表示させる表示制御手段(1004)をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第1のモードにおいて、前記仮想映像の所定領域(810)に、前記第2のアバターが存在する場所の画像(811)を重畳して表示させ、
前記切替手段は、前記ユーザ操作に基づいて前記所定領域に対して特定の動作が実行された場合に、前記第1のモードから前記第2のモードへ切り替える。
【0087】
これにより、ユーザが仮想空間内で特定の動作を行うだけで、仮想映像から現実視点映像への切り替えを容易に行うことが可能となる。
【0088】
3.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記特定の動作は、前記第1のアバターを前記所定領域の位置(802)まで接近させる動作を含む。
【0089】
これにより、ユーザが仮想空間内でアバターを移動する動作を行うだけで、仮想映像から現実視点映像への切り替えを容易に行うことが可能となる。
【0090】
4.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記特定の動作は、前記第1のアバターを前記所定領域の位置に対して閾値距離まで(位置801まで)接近させる動作を含む(
図10、
図11等)。
【0091】
これにより、ユーザが仮想空間内でアバターを移動する動作を行うだけで、仮想映像から現実視点映像への切り替えを容易に行うことが可能となる。
【0092】
5.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行された場合、前記所定領域の表示内容を、前記第2のアバターが存在する場所の画像(811)から、前記第2のアバターの前記現実視点映像(812、833)の少なくとも一部の領域の現実視点映像(812、832)へ変更する(
図8~
図11)。
【0093】
これにより、アバターロボットの存在する場所の現実視点映像を認識することができるため、アバターロボット20を用いた仮想体験への期待を高めることができる。
【0094】
6.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記切替手段により前記第1のモードから前記第2のモードへ切り替えられた場合、前記所定領域に表示されていた前記一部領域の現実視点映像(832)の表示位置を変更することなく、前記一部領域の現実視点映像(832)を包含する前記第2のアバターの前記現実視点映像(833)を前記表示装置に表示させる(
図10、
図11)。
【0095】
これにより、一部領域の現実視点映像から視界が大きく変化することを抑制することができるため、モード遷移時のユーザの違和感を低減することが可能となる。
【0096】
7.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記所定領域は、前記仮想空間内の少なくとも一部の領域(810)である。
【0097】
これにより、仮想空間内の第1のアバターを、特定の領域に接近させる動作を行うだけで、モード切り替えを実現することが可能となる。
【0098】
8.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記情報処理装置は、
前記第1のモードにおいて、前記俯瞰モードで前記特定の動作が実行された場合、前記俯瞰モードから前記仮想視点モードへ切り替える第2の切替手段(1005)をさらに備える(
図8)。
【0099】
これにより、第1のモードから第2のモードへ切り替えた際の視界の変化を低減することができる。
【0100】
9.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記情報処理装置は、
前記第1のモードにおいて、ユーザからの指示に基づいて前記俯瞰モードと前記仮想視点モードとを切り替える第3の切替手段(1005)をさらに備える。
【0101】
これにより、ユーザの好みに応じて自由に俯瞰モードと仮想視点モードとの切り替えが可能となる。
【0102】
10.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記制御手段は、前記第1のアバターが前記所定領域に対して前記閾値距離まで接近した場合、前記第1のアバターの移動を停止する(
図10、
図11)。
【0103】
これにより、この状態でユーザから受け付けた追加の操作(例えばボタン押下、又は、所定領域に向かってさらに第1のアバターを移動させようとする指示)に応じて、アバターロボット20へ遷移させるといったことが可能となる。
【0104】
11.上記実施形態に係る情報処理装置(10)は、
ユーザが装着する表示装置(30)に前記仮想映像又は前記現実視点映像を表示させる表示制御手段(1004)をさらに備え、
前記切替手段は、前記ユーザ操作に基づいて特定の動作が実行された場合に、前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替える。
【0105】
これにより、ユーザが仮想空間内で特定の動作を行うだけで、現実視点映像から仮想映像への切り替えを容易に行うことが可能となる。
【0106】
12.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記第2のモードにおいて、前記第2のアバターの前記現実視点映像(1211)を表示させ、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記第2のアバターの前記現実視点映像の少なくとも一部の領域の現実視点映像(1213)を前記仮想映像の所定領域に重畳して、前記仮想映像を表示させる(
図12)。
【0107】
これにより、表示されていた現実視点映像から視界が大きく変化することを抑制することができるため、モード遷移時のユーザの違和感を低減することが可能となる。
【0108】
13.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記仮想視点モードで、前記少なくとも一部の領域の現実視点映像を前記仮想映像の所定領域に重畳して、前記仮想映像を表示させる(
図13、
図15、
図17)。
【0109】
これにより、現実空間の現実視点映像から仮想空間の仮想映像に遷移したことを容易に認識することができる。
【0110】
14.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記仮想視点モードにおいて、前記第1のアバターが前記所定領域を向かないように前記仮想映像を表示させる(
図13、
図15、
図17、
図18)。
【0111】
これにより、現実空間の現実視点映像から仮想空間に遷移した際に、視界に遷移前の現実視点映像が飛び込んでくるといった状況を回避することができるため、ユーザの違和感を低減した遷移が可能となる。
【0112】
15.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記第1のモードは、前記第1のアバターを含む前記仮想映像を表示する俯瞰モードと、前記第1のアバターの仮想視点から見た前記仮想映像を表示する仮想視点モードとを含み、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記俯瞰モードで、前記少なくとも一部の領域の現実視点映像を前記仮想映像の所定領域に重畳して、前記仮想映像を表示させる(
図12、
図14、
図16)。
【0113】
これにより、現実空間の現実視点映像から仮想空間の仮想映像に遷移したことを容易に認識することができる。
【0114】
16.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記俯瞰モードにおいて、前記第1のアバターが前記所定領域を向かないように前記仮想映像を表示させる(
図12、
図14、
図16、
図18)。
【0115】
これにより、現実空間の現実視点映像から仮想空間に遷移した際に、視界に遷移前の現実視点映像が飛び込んでくるといった状況を回避することができるため、ユーザの違和感を低減した遷移が可能となる。
【0116】
17.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記特定の動作は、前記第2のアバターを前記現実空間における移動可能領域の境界に接近させる動作を含む。
【0117】
これにより、第2のアバターであるアバターロボット20の移動操作だけで、モード切り替えを容易に行うことができる。
【0118】
18.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合、前記第2のアバターの移動速度及び移動加速度に基づいて前記第1のアバターの移動を制御する(
図14、
図15、
図16、
図17)。
【0119】
これにより、モード切り替えの前後のユーザ操作の連続性を維持することができるため、操作性を向上させることが可能となる。
【0120】
19.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記所定領域とともに他のコンテンツ表示領域(1901、1002、2001、2002)を前記仮想映像内に表示させ、
前記表示制御手段は、前記特定の動作が実行されて前記第2のモードから前記第1のモードへ切り替えられた場合における前記第1のアバターの移動速度に基づいて、前記第1のアバターに対する前記他のコンテンツ表示領域の位置を制御する。
【0121】
これにより、ユーザが視認しやすい適切な位置に他のコンテンツ表示領域を表示することができる。
【0122】
20.上記実施形態に係る情報処理装置(10)では、
前記表示制御手段は、前記第1のアバターの移動速度が大きいほど、前記第1のアバターから前記他のコンテンツ表示領域までの距離が遠くなるように、前記他のコンテンツ表示領域の位置を制御する。
【0123】
これにより、第1のモードに切り替わった際に、他のコンテンツ表示領域に対して仮想空間のアバターが急接近してしまうことを防止することができる。
【0124】
21.上記実施形態に係る情報処理装置(10)の制御方法は、
仮想空間におけるアバターである第1のアバター又は現実空間におけるアバターロボットである第2のアバターの挙動を、ユーザ操作に基づいて制御する制御工程と、
前記仮想空間の仮想映像を表示する第1のモードと、前記現実空間における前記第2のアバターの現実視点映像を表示する第2のモードとを、前記ユーザ操作に基づいて切り替える切替工程と、
を有する。
【0125】
これより、ユーザが使用対象とするアバター間の切り替えを容易に行うことが可能となる。
【0126】
22.上記実施形態に係るプログラムは、
上記実施形態に係る情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0127】
これにより、情報処理装置の機能をプログラムとして実現することが可能となる。
【0128】
23.上記実施形態に係る記憶媒体は、
上記実施形態に係る情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶された記憶媒体である。
【0129】
これにより、情報処理装置の機能を記憶媒体として実現することが可能となる。
【0130】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0131】
10:サーバ装置、20:アバターロボット、30:VRゴーグル装置30、1003:アバター制御部1003、1004:表示制御部、1005:モード切替部