(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146269
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/33 20060101AFI20241004BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20241004BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241004BHJP
G01N 21/35 20140101ALI20241004BHJP
【FI】
G01N21/33
G01N21/27 Z
H04N7/18 K
G01N21/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059066
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠木 直哉
【テーマコード(参考)】
2G059
5C054
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059AA10
2G059EE02
2G059HH01
2G059HH03
2G059KK01
2G059KK04
2G059MM09
2G059MM10
5C054CA03
5C054CA04
5C054CA05
5C054CC02
5C054DA07
5C054FA07
(57)【要約】
【課題】所定の素材を効果的に発見することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、入力インターフェースと、プロセッサと、を備える。入力インターフェースは、対象領域から反射した紫外線に関する紫外線情報と前記対象領域から反射した赤外線に関する赤外線情報とを取得する。プロセッサは、前記紫外線情報に基づいて、前記対象領域における紫外線の反射率を算出し、前記赤外線情報に基づいて、前記対象領域における赤外線の反射率を算出し、前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域から反射した紫外線に関する紫外線情報と前記対象領域から反射した赤外線に関する赤外線情報とを取得する入力インターフェースと、
前記紫外線情報に基づいて、前記対象領域における紫外線の反射率を算出し、
前記赤外線情報に基づいて、前記対象領域における赤外線の反射率を算出し、
前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
外部装置に接続する出力インターフェースを備え、
前記プロセッサは、前記対象領域に前記所定の素材が存在すると判定すると、前記出力インターフェースを通じて前記対象領域の位置を示す位置情報を前記外部装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の素材は、木材である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率との差が所定の閾値以上である場合、前記対象領域に木材が存在すると判定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入力インターフェースは、赤外線及び紫外線を測定する光学センサを備えるドローンに接続する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
対象領域を加熱する前に測定された加熱前温度を示す加熱前温度情報と前記対象領域を加熱した後に測定された加熱後温度を示す加熱後温度情報とを取得する入力インターフェースと、
前記加熱前温度情報と前記加熱後温度情報とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定するプロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項7】
外部装置に接続する出力インターフェースを備え、
前記プロセッサは、前記対象領域に前記所定の素材が存在すると判定すると、前記出力インターフェースを通じて前記対象領域の位置を示す位置情報を前記外部装置に送信する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の素材は、木材である、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記加熱前温度と前記加熱後温度との差が所定の閾値以下である場合、前記対象領域に木材が存在すると判定する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記入力インターフェースは、赤外線及び紫外線を測定する光学センサを備えるドローンに接続する、
請求項6乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
対象領域から反射した紫外線に関する紫外線情報と前記対象領域から反射した赤外線に関する赤外線情報とを取得し、
前記紫外線情報に基づいて、前記対象領域における紫外線の反射率を算出し、
前記赤外線情報に基づいて、前記対象領域における赤外線の反射率を算出し、
前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する、
情報処理方法。
【請求項12】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
対象領域を加熱する前に測定された加熱前温度を示す加熱前温度情報と前記対象領域を加熱した後に測定された加熱後温度を示す加熱後温度情報とを取得し、
前記加熱前温度情報と前記加熱後温度情報とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する、
情報処理方法。
【請求項13】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
対象領域から反射した紫外線に関する紫外線情報と前記対象領域から反射した赤外線に関する赤外線情報とを取得する機能と、
前記紫外線情報に基づいて、前記対象領域における紫外線の反射率を算出する機能と、
前記赤外線情報に基づいて、前記対象領域における赤外線の反射率を算出する機能と、
前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項14】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
対象領域を加熱する前に測定された加熱前温度を示す加熱前温度情報と前記対象領域を加熱した後に測定された加熱後温度を示す加熱後温度情報とを取得する機能と、
前記加熱前温度情報と前記加熱後温度情報とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項15】
ドローンと情報処理装置とを備えるシステムであって、
前記ドローンは、
対象領域に紫外線及び赤外線を照射する照射機構と、
前記対象領域から反射した紫外線及び赤外線を測定する光学センサと、
前記照射機構及び光学センサを飛行させる飛行機構と、
前記紫外線に関する紫外線情報と前記赤外線に関する赤外線情報とを前記情報処理装置に送信する出力インターフェースと、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記紫外線情報と前記赤外線情報とを取得する入力インターフェースと、
前記紫外線情報に基づいて、前記対象領域における紫外線の反射率を算出し、
前記赤外線情報に基づいて、前記対象領域における赤外線の反射率を算出し、
前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する、
プロセッサと、
を備える、
システム。
【請求項16】
ドローンと情報処理装置とを備えるシステムであって、
前記ドローンは、
対象領域を加熱する加熱機構と、
前記対象領域の加熱前温度と加熱後温度とを測定する温度センサと、
前記加熱機構及び温度センサを飛行させる飛行機構と、
前記加熱前温度を示す加熱前温度情報と前記加熱後温度を示す加熱後温度情報とを前記情報処理装置に送信する出力インターフェースと、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記加熱前温度情報と前記加熱後温度情報とを取得する入力インターフェースと、
前記加熱前温度情報と前記加熱後温度情報とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定するプロセッサと、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物を処理する処分場などでは、廃棄物の中から、木材(素材)からなる廃棄物(木くず)を除去する作業が行われることがある。そのような処分場では、作業員が目視で廃棄物の中から木くずを探し出す。
【0003】
また、作業員を補助するために廃棄物の画像などに基づいて木くずの位置を提示するシステムが提供されている。
【0004】
しかしながら、従来、システムは、木くずの破損又は汚れなどによって木くずを発見することができないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、所定の素材を効果的に発見することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報処理装置は、入力インターフェースと、プロセッサと、を備える。入力インターフェースは、対象領域から反射した紫外線に関する紫外線情報と前記対象領域から反射した赤外線に関する赤外線情報とを取得する。プロセッサは、前記紫外線情報に基づいて、前記対象領域における紫外線の反射率を算出し、前記赤外線情報に基づいて、前記対象領域における赤外線の反射率を算出し、前記紫外線の反射率と前記赤外線の反射率とに基づいて、前記対象領域に所定の素材が存在するかを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る検知システムの構成例を概念的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るドローンの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るドローンの動作例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係るドローンの動作例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係るユーザ端末の表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係るサーバの動作例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係るドローンの構成例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係るドローンの動作例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係るサーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
実施形態に係る検知システムは、廃棄物の中から所定の素材(ここでは、木材)を検知する。検知システムは、平たく広げた廃棄物(ゴミ山)の中から、木材からなる廃棄物(木くず)が存在する位置(木材が存在する可能性が高い位置)を検知する。検知システムは、検知された位置を作業員に提示する。たとえば、作業員は、提示された位置に従って木くずを除去する。
たとえば、検知システムは、廃棄物処理場などで用いられる。
【0010】
図1は、実施形態に係る検知システム1の構成例を概略的に示す。
図1が示すように、検知システム1は、油圧シャベル7、ゴミ山9、サーバ10、ドローン20及びユーザ端末30などを備える。サーバ10は、ドローン20及びユーザ端末30と通信可能に接続する。
【0011】
油圧シャベル7は、廃棄物を平たく広げるための機械である。油圧シャベル7は、廃棄物を平たく広げてゴミ山9を形成する。
【0012】
ゴミ山9は、廃棄物を平たく広げて形成される。ゴミ山9は、木くずを含む(含み得る)。ゴミ山9は、木くずの他に、金属くず、廃プラスチック、瓦礫、ガラス陶磁器くず又はゴムくずなどから構成される。
【0013】
ドローン20は、無人で飛行する飛翔体である。ドローン20は、ゴミ山9の上部を飛行する。ドローン20は、ゴミ山9の上部を飛行する間において、ゴミ山9の各部に紫外線及び赤外線を照射する。ドローン20は、紫外線及び赤外線の反射光の強度を取得しサーバ10に通知する。ドローン20については、後に詳述する。
【0014】
ユーザ端末30(外部装置)は、木くずを除去する作業員Pが所持する端末である。ユーザ端末30は、木くずの位置を示す位置情報をサーバ10から取得する。ユーザ端末30は、位置情報に基づいて、木くずの位置を作業員Pに提示する。ここでは、ユーザ端末30は、スマートグラスである。ユーザ端末30は、AR(Augmented Reality)技術を用いて現実のゴミ山9に木くずの位置を重ねて表示する。ユーザ端末30については、後に詳述する。
【0015】
サーバ10(情報処理装置)は、ドローン20からの情報などに基づいて木くずの有無を判定する。サーバ10は、木くずが存在すると判定すると、木くずの位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信する。
【0016】
次に、サーバ10の構成例について説明する。
図2は、サーバ10の構成例を示す。
図2が示すように、サーバ10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、操作部16、表示部17、ドローンインターフェース18及び端末インターフェース19などを備える。プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、操作部16、表示部17、ドローンインターフェース18及び端末インターフェース19と、は、データバス又は所定のインターフェースなどを介して通信可能に接続する。
【0017】
なお、サーバ10は、
図2が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、サーバ10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0018】
プロセッサ11は、サーバ10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0019】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0020】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、サーバ10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0021】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0022】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM14は、たとえば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、サーバ10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0023】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。操作部16は、キーボード、ボタン又はタッチパネルなどから構成される。
【0024】
表示部17は、プロセッサ11からの制御に基づいて情報を表示する。たとえば、表示部17は、液晶モニタから構成される。操作部16がタッチパネルから構成される場合、表示部17は、操作部16と一体的に形成された液晶モニタから構成される。
【0025】
ドローンインターフェース18(入力インターフェース)は、ドローン20などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、ドローンインターフェース18は、無線LAN(Local Area Network)接続をサポートするものである。
【0026】
端末インターフェース19(出力インターフェース)は、ユーザ端末30などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、端末インターフェース19は、無線LAN接続をサポートするものである。
【0027】
なお、ドローンインターフェース18と端末インターフェース19とは、一体的に構成されるものであってもよい。
【0028】
次に、ドローン20の構成例について説明する。
図3は、ドローン20の構成例を示す。
図3が示すように、ドローン20は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、飛行機項26、超音波センサ27、カメラ28、位置センサ29、照射機構201及び光学センサ202などを備える。
【0029】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、飛行機項26、超音波センサ27、カメラ28、位置センサ29、照射機構201及び光学センサ202と、は、データバス又は所定のインターフェースなどを介して通信可能に接続する。
【0030】
なお、ドローン20は、
図3が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、ドローン20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0031】
プロセッサ21は、ドローン20全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0032】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0033】
ROM22は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、ドローン20の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0034】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0035】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM24は、たとえば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、ドローン20の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0036】
通信部25は、サーバ10などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部25は、無線LAN接続をサポートするものである。
【0037】
飛行機構26は、プロセッサ21からの制御に従ってドローン20を飛行させる機構である。飛行機構26は、ドローン20をホバリング、旋回、前進、後退、上昇及び下降させる。たとえば、飛行機構26は、モータ及びモータによって駆動されるプロペラなどから構成される。
【0038】
超音波センサ27は、超音波を照射して障害物を検知するためのセンサである。超音波センサ27は、超音波を送信し障害物からの反射波を受信することで、障害物の有無又は障害物との距離などを測定する。超音波センサ27は、障害物の有無又は距離などをプロセッサ21に通知する。
【0039】
カメラ28は、ドローン20の周囲を撮影する。たとえば、カメラ28は、障害物などを撮影する。カメラ28は、撮影した画像をプロセッサ21に送信する。たとえば、カメラ28は、ライトなどを備えるものであってもよい。
【0040】
位置センサ29は、ドローン20の位置を検知するセンサである。たとえば、位置センサ29は、GPS(Global Positioning System)をサポートする。位置センサ29は、ドローン20の位置を示す信号をプロセッサ21に送信する。
【0041】
照射機構201は、プロセッサ21からの制御に従って、紫外線及び赤外線を照射する。照射機構201は、ゴミ山9に対して紫外線及び赤外線を照射する。たとえば、照射機構201は、ドローン20の下部に下向きに設置されている。
たとえば、照射機構201は、紫外線及び赤外線を発生するランプ及び紫外線及び赤外線を集光するレンズなどから構成される。
【0042】
また、照射機構201は、紫外線を照射する照射機構と赤外線を照射する照射機構とから構成されるものであってもよい。
【0043】
光学センサ202は、照射機構201が照射した紫外線及び赤外線の反射光の強度を測定する。光学センサ202は、紫外線及び赤外線がゴミ山9で反射した反射光の強度を測定する。
【0044】
たとえば、光学センサ202は、反射光を集光するレンズ及び集光された反射光を電圧に変換する素子などから構成される。
【0045】
また、光学センサ202は、紫外線の反射光の強度を測定する光学センサと赤外線の反射光の強度を測定する光学センサとから構成されるものであってもよい。
また、照射機構201と光学センサ202とは、一体的に構成されるものであってもよい。
【0046】
次に、ユーザ端末30の構成例について説明する。前述の通り、ユーザ端末30は、スマートグラスである。
図4は、ユーザ端末30の構成例を示す。
図4が示すように、ユーザ端末30は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、NVM34、操作部36、表示部37、位置センサ38、電子コンパス39及び加速度センサ301などを備える。プロセッサ31と、ROM32、RAM33、NVM34、操作部36、表示部37、位置センサ38、電子コンパス39及び加速度センサ301と、は、データバス又は所定のインターフェースなどを介して通信可能に接続する。
【0047】
なお、ユーザ端末30は、
図4が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、ユーザ端末30から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0048】
プロセッサ31は、ユーザ端末30全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ31は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ31は、内部メモリ、ROM32又はNVM34が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0049】
なお、プロセッサ31がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ31は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0050】
ROM32は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM32に記憶される制御プログラム及び制御データは、ユーザ端末30の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0051】
RAM33は、揮発性のメモリである。RAM33は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM33は、プロセッサ31からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM33は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0052】
NVM34は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM34は、たとえば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM34は、ユーザ端末30の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0053】
操作部36は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部36は、入力された操作を示す信号をプロセッサ31へ送信する。操作部36は、キーボード、ボタン又はタッチパネルなどから構成される。
【0054】
表示部37は、プロセッサ31からの制御に基づいて情報を表示する。表示部37は、現実に情報を重ねて表示する。たとえば、表示部37は、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイから構成される。
【0055】
位置センサ38は、ユーザ端末30の位置を検知するセンサである。たとえば、位置センサ38は、GPSをサポートする。位置センサ38は、ユーザ端末30の位置を示す信号をプロセッサ31に送信する。
【0056】
電子コンパス39は、ユーザ端末30が向いている方角を検知するセンサである。たとえば、電子コンパス39は、地磁気を検知して方角を検知する。電子コンパス39は、ユーザ端末30が向いている方角を示す信号をプロセッサ21に送信する。
【0057】
加速度センサ301は、ユーザ端末30に掛かる加速度を検知する。ここでは、加速度センサ301は、ユーザ端末30の向きを検知する。加速度センサ301は、ユーザ端末30の向きを示す信号をプロセッサ21に送信する。
【0058】
次に、ドローン20が実現する機能について説明する。ドローン20が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ、ROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0059】
まず、プロセッサ21は、飛行機構26を用いてゴミ山9の上空を飛行する機能を有する。
【0060】
ここでは、プロセッサ21は、木くずを検知する対象となる検知領域に設定された飛行経路を飛行する。検知領域は、ゴミ山9の少なくとも一部を含む。
【0061】
図5は、ドローン20の飛行経路41を示す。
図5では、飛行経路41を上面から見た図である。
【0062】
図5は、木くずを検知する対象となる検知領域40を示す。検知領域40は、矩形に形成されている。検知領域40の内部には、飛行経路41が設定されている。
【0063】
飛行経路41は、検知領域40においてx軸方向の一端から他端に架けて設定されている。飛行経路41は、検知領域40の他端まで進むとy軸方向に所定の距離進んで、x軸方向の一端に向かって進む。飛行経路41は、上記のように、検知領域40の各部を通過する。
【0064】
たとえば、飛行経路41は、ドローン20が紫外線及び赤外線を検知領域の各部に照射可能となるように設定される。
たとえば、ティーチングプレイバック法で飛行経路41がドローン20に設定される。
【0065】
なお、プロセッサ21は、超音波センサ27及びカメラ28を用いて障害物を避けながら飛行するものであってもよい。また、プロセッサ21は、飛行経路41上に障害物がある場合には停止するものであってもよい。
【0066】
また、プロセッサ21は、光学センサ202を用いて、紫外線の反射波の強度を測定する機能を有する。
【0067】
図6は、プロセッサ21が紫外線の強度を測定する動作例を示す。
【0068】
プロセッサ21は、飛行経路41を飛行中において、照射機構201を用いて紫外線をゴミ山9の一部(対象領域)に照射する。プロセッサ21は、ドローン20を停止してもよいし、所定の速度で移動し続けてもよい。
【0069】
紫外線を照射すると、プロセッサ21は、光学センサ202を用いて、紫外線の反射波の強度を測定する。紫外線の反射波の強度(紫外線反射強度)を測定すると、プロセッサ21は、位置センサ29を用いて、自身の位置を検査位置(対象領域の位置)として取得する。検査位置を取得すると、プロセッサ21は、通信部25を通じて、検査位置と紫外線反射強度とを示す紫外線情報(反射した紫外線に関する情報)をサーバ10に送信する。
【0070】
また、プロセッサ21は、光学センサ202を用いて、赤外線の反射波の強度を測定する機能を有する。
図6は、プロセッサ21が赤外線の強度を測定する動作例を示す。
【0071】
紫外線情報を送信すると、プロセッサ21は、照射機構201を用いて赤外線をゴミ山9の当該一部に照射する。赤外線を照射すると、プロセッサ21は、光学センサ202を用いて、赤外線の反射波の強度(赤外線反射強度)を測定する。赤外線の反射波の強度を測定すると、プロセッサ21は、通信部25を通じて、検査位置と赤外線反射強度とを示す赤外線情報(反射した赤外線に関する情報)をサーバ10に送信する。
【0072】
なお、プロセッサ21は、赤外線の強度を測定した後に、紫外線情報及び赤外線情報をサーバ10に送信してもよい。
【0073】
プロセッサ21は、飛行経路41に沿って飛行しながら、ゴミ山9の各部における紫外線情報及び赤外線情報をサーバ10に送信する。
【0074】
次に、サーバ10が実現する機能について説明する。サーバ10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0075】
まず、プロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて紫外線情報及び赤外線情報をドローン20から取得する機能を有する。
【0076】
前述の通り、ドローン20のプロセッサ21は、紫外線情報及び赤外線情報をサーバ10に送信する。
【0077】
プロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて紫外線情報及び赤外線情報を受信する。
【0078】
なお、プロセッサ11は、プッシュ通知で紫外線情報及び赤外線情報をドローン20から取得してもよい。また、プロセッサ11は、ドローン20にリクエストを送信して、当該リクエストに対するレスポンスとして紫外線情報及び赤外線情報を取得してもよい。
【0079】
また、プロセッサ11は、紫外線情報及び赤外線情報に基づいて木くずの有無を判定する機能を有する。
【0080】
紫外線情報及び赤外線情報を取得すると、プロセッサ11は、ゴミ山9の検査位置における紫外線の反射率及び赤外線の反射率を算出する。
【0081】
たとえば、NVM14は、ドローン20の照射機構201が照射する紫外線の強度(紫外線照射強度)及び赤外線の強度(赤外線照射強度)を示す情報を予め格納する。プロセッサ11は、紫外線反射強度を紫外線照射強度で除算して紫外線の反射率を算出する。同様に、プロセッサ11は、赤外線反射強度を赤外線照射強度で除算して赤外線の反射率を算出する。
【0082】
紫外線の反射率及び赤外線の反射率を算出すると、プロセッサ11は、紫外線の反射率及び赤外線の反射率に基づいて、検査位置における木くずの有無を判定する。
【0083】
たとえば、木材における紫外線の反射率は、コンクリート及びアルミニウムにおけるそれらと比べて低い。また、木材における赤外線の反射率は、コンクリート及びアルミニウムにおけるそれらと比べて高い。即ち、木材における紫外線の反射率と赤外線の反射率との差は、コンクリート及びアルミニウムにおける紫外線の反射率と赤外線の反射率との差よりも大きくなる。
【0084】
従って、プロセッサ11は、算出された紫外線の反射率と赤外線の反射率との差が所定の閾値以上である場合、当該検査位置に木くずが存在と判定する。また、プロセッサ11は、当該差が所定の閾値未満である場合、当該検査位置に木くずが存在しないと判定する。
【0085】
当該検査位置に木くずが存在すると判定すると、プロセッサ11は、端末インターフェース19を通じて、木くずが存在する位置として当該検査位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信する。
プロセッサ11は、紫外線情報及び赤外線情報を取得するごとに上記の通り動作する。
【0086】
次に、ユーザ端末30が実現する機能について説明する。ユーザ端末30が実現する機能は、プロセッサ31が内部メモリ、ROM32又はNVM34などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0087】
まず、プロセッサ31は、通信部35を通じて位置情報をサーバ10から取得する機能を有する。
【0088】
前述の通り、サーバ10のプロセッサ11は、位置情報をユーザ端末30に送信する。
【0089】
プロセッサ31は、通信部35を通じて位置情報を受信する。
【0090】
なお、プロセッサ31は、プッシュ通知で位置情報をサーバ10から取得してもよい。また、プロセッサ31は、サーバ10にリクエストを送信して、当該リクエストに対するレスポンスとして位置情報を取得してもよい。
【0091】
また、プロセッサ31は、表示部37に位置情報を表示する機能を有する。
ここでは、プロセッサ31は、AR技術を用いて位置情報を現実に重ねて表示する。
【0092】
たとえば、プロセッサ31は、位置センサ38を用いて自身の位置を取得する。また、プロセッサ31は、電子コンパス39を用いて自身が向いている方角を取得する。また、プロセッサ31は、加速度センサ301を用いて自身の向きを取得する。
【0093】
プロセッサ31は、自身の位置、方角及び向きに基づいて、現実に重なるように位置情報を表示部37に表示する。
【0094】
図7は、プロセッサ31が位置情報を表示部37に表示する表示例である。ここでは、作業員Pは、表示部37越しにゴミ山9を視認しているものとする。
【0095】
プロセッサ31は、ゴミ山9上にマーカ91を表示する。ここでは、プロセッサ31は、マーカ91a乃至91cを表示する。
【0096】
マーカ91は、木くずが存在する位置を示す。即ち、マーカ91は、位置情報を示す。マーカ91は、現実のゴミ山9において木くずが存在する位置に重なるように表示される。
また、プロセッサ31は、位置情報を受信するごとに表示部37に位置情報を追加してもよい。
【0097】
次に、サーバ10の動作例について説明する。
図8は、サーバ10の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0098】
まず、サーバ10のプロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて紫外線情報を取得する(S11)。紫外線情報を取得すると、プロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて赤外線情報を取得する(S12)。
【0099】
赤外線情報を取得すると、プロセッサ11は、紫外線情報及び赤外線情報にそれぞれ基づいて紫外線の反射率及び赤外線の反射率を算出する(S13)。紫外線の反射率及び赤外線の反射率を算出すると、プロセッサ11は、紫外線の反射率と赤外線の反射率との差が所定の閾値以上であるかを判定する(S14)。
【0100】
差が所定の閾値以上であると判定すると(S14、YES)、プロセッサ11は、端末インターフェース19を通じて、紫外線情報又は赤外線情報の検査位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信する(S15)。
【0101】
差が所定の閾値未満であると判定した場合(S14、NO)、又は、位置情報をユーザ端末30に送信した場合(S15)、プロセッサ11は、動作を終了するかを判定する(S16)。たとえば、プロセッサ11は、ドローン20が飛行経路41を通過し終えたかを判定する。また、プロセッサ11は、操作部16を通じて動作を終了する操作を入力したかを判定する。
【0102】
動作を終了しないと判定すると(S16、NO)、プロセッサ11は、S11に戻る。
動作を終了すると判定すると(S16、YES)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0103】
なお、プロセッサ11は、紫外線の反射率が所定の閾値以下であり赤外線の反射率が所定の閾値以上である場合に、木くずが存在すると判定してもよい。プロセッサ11が紫外線の反射率及び赤外線の反射率に基づいて木くずの有無を判定する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0104】
また、プロセッサ11は、カメラ28を用いて撮影された画像にさらに基づいて木くずの有無を判定してもよい。たとえば、プロセッサ11は、人工知能などの画像処理アルゴリズムに従って画像から木くずを認識してもよい。プロセッサ11は、紫外線の反射率と赤外線の反射率と認識結果とに基づいて木くずの有無を判定してもよい。
また、プロセッサ11は、木材以外の素材の有無を判定するものであってもよい。
【0105】
また、ドローン20のプロセッサ21は、紫外線の反射率及び赤外線の反射率を算出するものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、紫外線の反射率を示す紫外線情報及び赤外線の反射率を示す赤外線情報をサーバ10に送信してもよい。
また、ドローン20のプロセッサ21は、紫外線の反射率及び赤外線の反射率に基づいて木くずの有無を判定するものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、木くずの位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信するものであってもよい。また、プロセッサ21は、木くずを検知すると音又は光などで作業員Pに木くずの位置を通知するものであってもよい。
【0106】
また、ユーザ端末30は、スマートフォンなどであってもよい。この場合、ユーザ端末30のプロセッサ31は、位置情報を座標などで表示部37に表示するものであってもよい。
【0107】
以上のように構成された検知システムは、ゴミ山の各部において紫外線の反射率及び赤外線の反射率を算出する。検知システムは、紫外線の反射率及び赤外線の反射率に基づいて木くずの有無を判定する。その結果、検知システムは、効果的に木くずの有無を判定することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る検知システムは、ゴミ山9の表面の温度に基づいて木くずの有無を判定する点で第1の実施形態に係るそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0108】
図1は、第2の実施形態に係る検知システム1’の構成例を概略的に示す。
図1が示すように、検知システム1’は、油圧シャベル7、ゴミ山9、サーバ10、ドローン20’及びユーザ端末30などを備える。サーバ10は、ドローン20’及びユーザ端末30と通信可能に接続する。
【0109】
ドローン20’は、無人で飛行する飛翔体である。ドローン20’は、ゴミ山9の上部を飛行する。ドローン20は、ゴミ山9の上部を飛行する間において、ゴミ山9の各部に加熱する。ドローン20は、加熱前の温度と加熱後の温度とを取得しサーバ10に通知する。
【0110】
図9は、ドローン20’の構成例を示す。
図9が示すように、ドローン20’は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、飛行機項26、超音波センサ27、カメラ28、位置センサ29、加熱機構203及び温度センサ204などを備える。
【0111】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、飛行機項26、超音波センサ27、カメラ28、位置センサ29、加熱機構203及び温度センサ204と、は、データバス又は所定のインターフェースなどを介して通信可能に接続する。
【0112】
なお、ドローン20’は、
図9が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、ドローン20’から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0113】
加熱機構203は、プロセッサ21からの制御に従って、ゴミ山9の一部を加熱する。たとえば、加熱機構203は、マイクロ波を照射して対象物を加熱する誘電加熱によりゴミ山9の一部を加熱する。また、加熱機構203は、ヒータなどを用いて空気を媒体として対象物を加熱する乾式加熱によりゴミ山9の一部を加熱するものであってもよい。
【0114】
温度センサ204は、加熱機構203が加熱する領域の温度を測定する。温度センサ204は、赤外線などを検知して温度を測定する。温度センサ204は、測定された温度を示す信号をプロセッサ21に送信する。
【0115】
なお、加熱機構203と温度センサ204とは、一体的に構成されるものであってもよい。
【0116】
次に、ドローン20’が実現する機能について説明する。ドローン20’が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ、ROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0117】
ドローン20’は、第1の実施形態に係るドローン20が実行する機能に加えて以下の機能を実現する。
【0118】
まず、プロセッサ21は、温度センサ204を用いて、加熱前におけるゴミ山9の一部(対象領域)の温度を測定する機能を有する。
【0119】
ここでは、ドローン20’は、飛行経路41を飛行しているものとする。
図10は、プロセッサ21が加熱前におけるゴミ山9の検査位置の温度を測定する動作例を示す。
【0120】
プロセッサ21は、飛行経路41を飛行中において、温度センサ204を用いてゴミ山9の検査位置の温度(加熱前温度)を測定する。プロセッサ21は、ドローン20’を停止してもよいし、所定の速度で移動し続けてもよい。
【0121】
加熱前温度を測定すると、プロセッサ21は、位置センサ29を用いて、自身の位置を検査位置(対象領域の位置)として取得する。検査位置を取得すると、プロセッサ21は、通信部25を通じて、検査位置と加熱前温度とを示す加熱前温度情報をサーバ10に送信する。
【0122】
また、プロセッサ21は、加熱機構203を用いて、ゴミ山9の検査位置を加熱する機能を有する。
図10は、プロセッサ21がゴミ山9の検査位置を加熱する動作例を示す。
【0123】
加熱前情報を送信すると、プロセッサ21は、加熱機構203を用いてゴミ山9の検査位置を加熱する。たとえば、加熱機構203が誘電加熱を行う場合、プロセッサ21は、加熱機構203を用いて、マイクロ波をゴミ山9の検査位置に所定の時間照射する。また、加熱機構203が乾式加熱を行う場合、プロセッサ21は、加熱機構203を用いて、ゴミ山9の検査位置周辺の空気を所定の期間加熱する。
【0124】
また、プロセッサ21は、加熱後におけるゴミ山9の検査位置の温度を測定する機能を有する。
図10は、プロセッサ21が加熱後におけるゴミ山9の検査位置の温度を測定する動作例を示す。
【0125】
ゴミ山9の検査位置を加熱すると、プロセッサ21は、温度センサ204を用いてゴミ山9の検査位置の温度(加熱後温度)を測定する。加熱後温度を測定すると、プロセッサ21は、通信部25を通じて、検査位置と加熱後温度とを示す加熱後温度情報をサーバ10に送信する。
【0126】
なお、プロセッサ21は、加熱後温度を測定した後に、加熱前情報及び加熱後温度情報をサーバ10に送信してもよい。
【0127】
プロセッサ21は、飛行経路41に沿って飛行しながら、ゴミ山9の各部における加熱前温度情報及び加熱後温度情報をサーバ10に送信する。
【0128】
次に、サーバ10が実現する機能について説明する。サーバ10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0129】
サーバ10は、第1の実施形態に係るサーバ10が実行する機能に加えて以下の機能を実現する。
【0130】
まず、プロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて加熱前温度情報及び加熱後温度情報をドローン20から取得する機能を有する。
【0131】
前述の通り、ドローン20のプロセッサ21は、加熱前温度情報及び加熱後温度情報をサーバ10に送信する。
【0132】
プロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて加熱前温度情報及び加熱後温度情報を受信する。
【0133】
なお、プロセッサ11は、プッシュ通知で加熱前温度情報及び加熱後温度情報をドローン20から取得してもよい。また、プロセッサ11は、ドローン20にリクエストを送信して、当該リクエストに対するレスポンスとして加熱前温度情報及び加熱後温度情報を取得してもよい。
【0134】
また、プロセッサ11は、加熱前温度情報及び加熱後温度情報に基づいて木くずの有無を判定する機能を有する。
【0135】
加熱前温度情報及び加熱後温度情報を取得すると、プロセッサ11は、加熱前温度及び加熱後温度に基づいて、検査位置における木くずの有無を判定する。
【0136】
たとえば、木材の熱伝導率は、鉄、花崗岩、コンクリート、ガラス、ポリスチレン及び水のそれらと比べて低い。即ち、検査位置に木材が存在する場合、加熱前温度と加熱後温度と差は、検査位置に鉄、花崗岩、コンクリート、ガラス、ポリスチレン及び水が存在する場合に比較して小さくなる。
【0137】
従って、プロセッサ11は、加熱前温度と加熱後温度との差が所定の閾値以下である場合、当該検査位置に木くずが存在と判定する。また、プロセッサ11は、当該差が所定の閾値より大きい場合、当該検査位置に木くずが存在しないと判定する。
【0138】
当該検査位置に木くずが存在すると判定すると、プロセッサ11は、端末インターフェース19を通じて、木くずが存在する位置として当該検査位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信する。
プロセッサ11は、加熱前温度情報及び加熱後温度情報を取得するごとに上記の通り動作する。
【0139】
次に、サーバ10の動作例について説明する。
図11は、サーバ10の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0140】
まず、サーバ10のプロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて加熱前温度情報を取得する(S21)。加熱前温度情報を取得すると、プロセッサ11は、ドローンインターフェース18を通じて加熱後温度情報を取得する(S22)。
【0141】
加熱後温度情報を取得すると、プロセッサ11は、加熱前温度情報が示す加熱前温度と加熱後温度情報が示す加熱後温度との差が所定の閾値以下であるかを判定する(S23)。
【0142】
差が所定の閾値以下であると判定すると(S23、YES)、プロセッサ11は、端末インターフェース19を通じて、加熱前温度情報又は加熱後温度情報の検査位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信する(S24)。
【0143】
差が所定の閾値より大きいと判定した場合(S23、NO)、又は、位置情報をユーザ端末30に送信した場合(S24)、プロセッサ11は、動作を終了するかを判定する(S25)。たとえば、プロセッサ11は、ドローン20が飛行経路41を通過し終えたかを判定する。また、プロセッサ11は、操作部16を通じて動作を終了する操作を入力したかを判定する。
【0144】
動作を終了しないと判定すると(S25、NO)、プロセッサ11は、S21に戻る。
動作を終了すると判定すると(S25、YES)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0145】
なお、プロセッサ11は、加熱前温度及び加熱後温度などに基づいて、ゴミ山9の検査位置における熱伝導率を算出してもよい。熱伝導率が所定の閾値以下である場合に、木くずが存在すると判定してもよい。プロセッサ11が加熱前温度及び加熱後温度に基づいて木くずの有無を判定する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0146】
また、プロセッサ11は、カメラ28を用いて撮影された画像にさらに基づいて木くずの有無を判定してもよい。たとえば、プロセッサ11は、人工知能などの画像処理アルゴリズムに従って画像から木くずを認識してもよい。プロセッサ11は、加熱前温度と加熱後温度と認識結果とに基づいて木くずの有無を判定してもよい。
また、プロセッサ11は、木材以外の素材の有無を判定するものであってもよい。
【0147】
また、ドローン20’のプロセッサ21は、加熱前温度及び加熱後温度に基づいて木くずの有無を判定するものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、木くずの位置を示す位置情報をユーザ端末30に送信するものであってもよい。また、プロセッサ21は、木くずを検知すると音又は光などで作業員Pに木くずの位置を通知するものであってもよい。
【0148】
また、ユーザ端末30は、スマートフォンなどであってもよい。この場合、ユーザ端末30のプロセッサ31は、位置情報を座標などで表示部37に表示するものであってもよい。
【0149】
以上のように構成された検査システムは、ゴミ山の各部を加熱する。検査システムは、加熱前温度及び加熱後温度を測定する。検査システムは、加熱前温度及び加熱後温度に基づいて木くずの有無を判定する。その結果、検知システムは、効果的に木くずの有無を判定することができる。
【0150】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0151】
1…検知システム、1’…検知システム、7…油圧シャベル、9…ゴミ山、10…サーバ、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、16…操作部、17…表示部、18…ドローンインターフェース、19…端末インターフェース、20…ドローン、20’…ドローン、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…NVM、25…通信部、26…飛行機構、27…超音波センサ、28…カメラ、29…位置センサ、30…ユーザ端末、31…プロセッサ、32…ROM、33…RAM、34…NVM、35…通信部、36…操作部、37…表示部、38…位置センサ、39…電子コンパス、40…検知領域、41…飛行経路、91…マーカ、91a…マーカ、91b…マーカ、91c…マーカ、201…照射機構、202…光学センサ、203…加熱機構、204…温度センサ、301…加速度センサ。