特開 2024-146281 吐出キャップ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024146281

(43)【公開日】2024-10-15

(54)【発明の名称】吐出キャップ

(51)【国際特許分類】

   B65D 47/40 20060101AFI20241004BHJP

   B65D 47/06 20060101ALI20241004BHJP

【ＦＩ】

B65D47/40 100

B65D47/06

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023059081

(22)【出願日】2023-03-31

(71)【出願人】

【識別番号】000006909

【氏名又は名称】株式会社吉野工業所

(74)【代理人】

【識別番号】100147485

【弁理士】

【氏名又は名称】杉村 憲司

(74)【代理人】

【識別番号】230118913

【弁護士】

【氏名又は名称】杉村 光嗣

(74)【代理人】

【識別番号】100154003

【弁理士】

【氏名又は名称】片岡 憲一郎

(72)【発明者】

【氏名】山本 学

【テーマコード（参考）】

3E084

【Ｆターム（参考）】

3E084AB01

3E084BA02

3E084CB02

3E084DB09

3E084DB12

3E084EA03

3E084EB02

3E084FA01

3E084FB01

3E084GA01

3E084GA06

3E084GB06

3E084GB17

3E084HA03

3E084HB04

3E084HB05

3E084HD01

3E084JA20

3E084KA20

3E084LC01

3E084LD01

3E084LF09

(57)【要約】

【課題】内容物の固化による弁体の固着を抑制できる吐出キャップを提供する。
【解決手段】液状の内容物を収容する容器本体２の口部２ａに装着されるキャップ本体３と、キャップ本体３の内側に取り付けられる内側部材４と、弁体５とを有し、キャップ本体３は吐出口６を有し、内側部材４は環状のシール部７を有し、弁体５は、シール部７に接するシール位置に移動することで、容器本体２内の内容物が吐出口６に向けてシール部７から流出することを阻止できる一方、シール位置から移動することで、容器本体２内の内容物が吐出口６に向けてシール部７から流出することを許容でき、内側部材４は、シール部７よりも径方向外側に、容器本体２の正立姿勢状態でシール部７と異なる位置で内容物を溜めることができる液溜め部８を形成する、吐出キャップ１。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

液状の内容物を収容する容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体の内側に取り付けられる内側部材と、弁体とを有し、
前記キャップ本体は吐出口を有し、
前記内側部材は環状のシール部を有し、
前記弁体は、前記シール部に接するシール位置に移動することで、前記容器本体内の前記内容物が前記吐出口に向けて前記シール部から流出することを阻止できる一方、前記シール位置から移動することで、前記容器本体内の前記内容物が前記吐出口に向けて前記シール部から流出することを許容でき、
前記内側部材は、前記シール部よりも径方向外側に、前記容器本体の正立姿勢状態で前記シール部と異なる位置で前記内容物を溜めることができる液溜め部を形成する、吐出キャップ。

【請求項2】

前記液溜め部は前記シール部の外周縁部に沿って全周に亘って形成され、前記正立姿勢状態で前記液溜め部における内周縁部の上端は前記シール部の上端部に位置する、請求項１に記載の吐出キャップ。

【請求項3】

前記シール部は、前記吐出口から吐出されずに残った前記内容物を前記弁体が前記シール位置に戻った後に前記容器本体内に向けて通過させる溝部を有する、請求項１に記載の吐出キャップ。

【請求項4】

前記キャップ本体と前記内側部材との間に取り付けられる弁支持部と、
前記弁体を前記正立姿勢状態での下側に向けて前記シール位置まで付勢する付勢部とを有し、
前記付勢部は、前記弁支持部と前記弁体とを連ねる弾性体によって形成される、請求項１に記載の吐出キャップ。

【請求項5】

前記吐出口を覆う閉位置と前記吐出口を開放する開位置との間で移動できる蓋体を有し、
前記蓋体は、前記閉位置において前記吐出口に挿入されて前記吐出口を塞ぐ閉塞ロッドを有し、
前記閉塞ロッドは、前記蓋体が前記閉位置にある時に前記シール位置の前記弁体を前記正立姿勢状態での下側に押す先端部を有する、請求項１に記載の吐出キャップ。

【請求項6】

前記吐出口を覆う閉位置と前記吐出口を開放する開位置との間で移動できる蓋体を有し、
前記蓋体は、前記閉位置において前記吐出口に挿入されて前記吐出口を塞ぐ閉塞ロッドを有し、
前記閉塞ロッドは、前記蓋体が前記閉位置にある時に前記弁体に嵌合する前記嵌合部を有し、
前記嵌合部は、前記蓋体が前記閉位置から前記開位置に移動する時に前記弁体への嵌合が解消される、請求項１に記載の吐出キャップ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は吐出キャップに関する。

【背景技術】

【0002】

液状の内容物を収容する容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体の内側に取り付けられる内側部材と、弁体とを有し、キャップ本体は吐出口を有し、内側部材は環状のシール部を有し、弁体は、シール部に接するシール位置に移動することで、容器本体内の内容物が吐出口に向けてシール部から流出することを阻止できる一方、シール位置から移動することで、容器本体内の内容物が吐出口に向けてシール部から流出することを許容できる、吐出キャップが知られている（例えば特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１３－１８０７７５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記構成を有する従来の吐出キャップは、乾性油（亜麻仁油など）などのように酸化や加熱などによって粘度を増し、固化する性質の液体を内容物とする場合に、流通時に振動や衝撃などによって弁体がシール位置から移動した時に容器本体内からシール部を通過した内容物がシール部の外周部で弁体に付着し、その後に固化し、弁体が固着してしまい、使用時に内容物を吐出できない吐出不良を生じる虞がある。

【0005】

そこで本発明の目的は、内容物の固化による弁体の固着を抑制できる吐出キャップを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様は以下のとおりである。

【0007】

［１］
液状の内容物を収容する容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体の内側に取り付けられる内側部材と、弁体とを有し、
前記キャップ本体は吐出口を有し、
前記内側部材は環状のシール部を有し、
前記弁体は、前記シール部に接するシール位置に移動することで、前記容器本体内の前記内容物が前記吐出口に向けて前記シール部から流出することを阻止できる一方、前記シール位置から移動することで、前記容器本体内の前記内容物が前記吐出口に向けて前記シール部から流出することを許容でき、
前記内側部材は、前記シール部よりも径方向外側に、前記容器本体の正立姿勢状態で前記シール部と異なる位置で前記内容物を溜めることができる液溜め部を形成する、吐出キャップ。

【0008】

［２］
前記液溜め部は前記シール部の外周縁部に沿って全周に亘って形成され、前記正立姿勢状態で前記液溜め部における内周縁部の上端は前記シール部の上端部に位置する、［１］に記載の吐出キャップ。

【0009】

［３］
前記シール部は、前記吐出口から吐出されずに残った前記内容物を前記弁体が前記シール位置に戻った後に前記容器本体内に向けて通過させる溝部を有する、［１］又は［２］に記載の吐出キャップ。

【0010】

［４］
前記キャップ本体と前記内側部材との間に取り付けられる弁支持部と、
前記弁体を前記正立姿勢状態での下側に向けて前記シール位置まで付勢する付勢部とを有し、
前記付勢部は、前記弁支持部と前記弁体とを連ねる弾性体によって形成される、［１］～［３］の何れか１項に記載の吐出キャップ。

【0011】

［５］
前記吐出口を覆う閉位置と前記吐出口を開放する開位置との間で移動できる蓋体を有し、
前記蓋体は、前記閉位置において前記吐出口に挿入されて前記吐出口を塞ぐ閉塞ロッドを有し、
前記閉塞ロッドは、前記蓋体が前記閉位置にある時に前記シール位置の前記弁体を前記正立姿勢状態での下側に押す先端部を有する、［１］～［４］の何れか１項に記載の吐出キャップ。

【0012】

［６］
前記吐出口を覆う閉位置と前記吐出口を開放する開位置との間で移動できる蓋体を有し、
前記蓋体は、前記閉位置において前記吐出口に挿入されて前記吐出口を塞ぐ閉塞ロッドを有し、
前記閉塞ロッドは、前記蓋体が前記閉位置にある時に前記弁体に嵌合する前記嵌合部を有し、
前記嵌合部は、前記蓋体が前記閉位置から前記開位置に移動する時に前記弁体への嵌合が解消される、［１］～［５］の何れか１項に記載の吐出キャップ。

【発明の効果】

【0013】

本発明によれば、内容物の固化による弁体の固着を抑制できる吐出キャップを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】本発明の第１実施形態の吐出キャップを有する吐出容器の一例を示す断面図である。

【図2】図１の部分拡大図である。

【図3】図２に示す溝の正面図である。

【図4】図３のＡ－Ａ断面図である。

【図5】本発明の第２実施形態の吐出キャップを有する吐出容器の一例を示す断面図である。

【図6】図５の部分拡大図である。

【図7】図５に示す閉塞ロッドが弁体をシール位置から移動させた状態を示す断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。

【0016】

図１～図４に示すように、本発明の第１実施形態において吐出キャップ１は、液状の内容物（不図示）を収容する容器本体２の口部２ａに装着されるキャップ本体３と、キャップ本体３の内側に取り付けられる内側部材４と、弁体５とを有し、キャップ本体３は吐出口６を有し、内側部材４は環状のシール部７を有し、弁体５は、シール部７に接するシール位置に移動することで、容器本体２内の内容物が吐出口６に向けてシール部７から流出することを阻止できる一方、シール位置から移動することで、容器本体２内の内容物が吐出口６に向けてシール部７から流出することを許容でき、内側部材４は、シール部７よりも径方向外側に、容器本体２の正立姿勢状態でシール部７と異なる位置で内容物を溜めることができる液溜め部８を形成する。

【0017】

上記構成によれば、流通時に振動や衝撃などによって弁体５がシール位置から移動し、内容物が容器本体２内からシール部７を通過したとしても、シール部７と異なる位置で液溜め部８に内容物を溜めることができるので、内容物がシール部７の外周部で弁体５に付着することを抑制できる。したがって、酸化や加熱などによって粘度を増し、固化する性質の液体を内容物とする場合に、シール部７の外周部で弁体５に付着した内容物の固化による弁体５の固着が生じてしまうことを抑制できる。したがって上記構成によれば、内容物の固化による弁体５の固着を抑制できる吐出キャップ１を実現できる。

【0018】

液溜め部８はシール部７の外周縁部に沿って全周に亘って形成され、正立姿勢状態で液溜め部８における内周縁部の上端はシール部７の上端部に位置する。上記構成によれば、流通時に振動や衝撃などによって容器本体２内からシール部７を通過した内容物を液溜め部８に溜め易くできるので、内容物の固化による弁体５の固着をより一層抑制できる。液溜め部８は例えば、周方向に全周に亘って連続して伸びる環状溝形状をなす。

【0019】

シール部７は、吐出口６から吐出されずに残った内容物を弁体５がシール位置に戻った後に容器本体２内に向けて通過させる溝部９を有する。上記構成によれば、吐出口６から吐出されずに残った内容物を溝部９を通して容器本体２内に向けて引き込む（「サックバック」ともいう）ことができるので、吐出口６から内容物が零れることを抑制できる。また、吐出口６から吐出されずに残った内容物を容器本体２内に向けて引き込んだ後、溝部９内に残った内容物で溝部９をシールできる。さらに、液溜め部８に残った内容物が、溝部９に残った内容物に繋がるようになっているので、溝部９の良好なシール状態を維持することが可能となる。また上記構成によれば、吐出口６から吐出されずに残った内容物が、後述する閉塞ロッド１２ａが吐出口６に挿入される際に閉塞ロッド１２ａによって吐出口６から押し出されて零れることも抑制できる。溝部９は本実施形態では、内側部材４側に形成され、周方向に間隔を空けて設けられる複数の溝９ａからなるが、これに限らない。溝部９は、弁体５側に設けられてもよく、単数の溝９ａからなる構成としてもよい。

【0020】

吐出キャップ１は、キャップ本体３と内側部材４との間に取り付けられる弁支持部１０と、弁体５を正立姿勢状態での下側に向けてシール位置まで付勢する付勢部１１とを有し、付勢部１１は、弁支持部１０と弁体５とを連ねる弾性体によって形成される。上記構成によれば、簡単な構造によって付勢部１１によるシール部７の良好なシールを実現できる。なお付勢部１１は、本実施形態では、それぞれ弁支持部１０と弁体５とを連ねる弾性体によって形成される複数の弾性部１１ａを有するが、これに限らない。弾性部１１ａは、本実施形態では、弁体５の外周面から径方向外側に伸びる一端部１１ａ１と、弁支持部１０から径方向内側に伸びる他端部１１ａ２と、周方向に伸び、上記一端部１１ａ１を上記他端部１１ａ２に連ねる中間部１１ａ３とを有するが、これに限らない。本実施形態では、弁支持部１０における正立姿勢状態での上端部はキャップ本体３に嵌合によって取り付けられ、弁支持部１０における正立姿勢状態での下端部は内側部材４に嵌合によって取り付けられるが、これに限らない。

【0021】

吐出キャップ１は、吐出口６を覆う閉位置と吐出口６を開放する開位置との間で移動できる蓋体１２を有し、蓋体１２は、閉位置において吐出口６に挿入されて吐出口６を塞ぐ閉塞ロッド１２ａを有し、閉塞ロッド１２ａは、蓋体１２が閉位置にある時にシール位置の弁体５を正立姿勢状態での下側に押す先端部１２ａ１を有する。上記構成によれば、蓋体１２が閉位置にある時に振動や衝撃などによって弁体５がシール位置から移動し、内容物が容器本体２内からシール部７を通過してしまうことを閉塞ロッド１２ａによって抑制できる。なお蓋体１２は本実施形態では、ヒンジ部２７を介してキャップ本体３に連なるが、これに限らない。

【0022】

閉塞ロッド１２ａは、蓋体１２が閉位置にある時にシール部７の中心軸線Ｏ上に位置する。上記構成によれば、シール位置にある弁体５を閉塞ロッド１２ａによって効率的に押すことができる。

【0023】

吐出容器１３は、吐出キャップ１と容器本体２とを有し、容器本体２は、口部２ａ、胴部２ｂ及び底部をこの順に有し、内層体１４と外層体１５とによって形成され、且つ、導入口１６を有し、導入口１６は、内容物の吐出に伴う内層体１４の容積を減少させる変形と外層体１５の弾性変形からの復元とによって、内層体１４と外層体１５との間に空気を導入する。上記構成によれば、内容物の吐出後に空気を内層体１４と外層体１５との間に導入し、シール部７でシールを形成できるので、容器本体２内の内容物への空気の接触を抑制し、内容物の品質を良好に維持できる。

【0024】

口部２ａは導入口１６を有し、キャップ本体３は通気口１７を有し、吐出容器１３は、空気を通気口１７から導入口１６まで通過させる導入路１８を有し、吐出キャップ１は、筒状の弁支持部１０から全周に亘って径方向外側に伸びる環状をなす通気弁体１９を有し、通気弁体１９は、空気が通気口１７を通って導入口１６に流入することを許容する一方、空気が導入口１６を通って通気口１７から流出することを阻止する。上記構成によれば、容器本体２をスクイズ操作する時に導入口１６からの空気の漏れを通気弁体１９によって抑制することで内容物を容易に吐出でき、スクイズ操作の解除により空気を導入路１８から導入口１６に導入して外層体１５を復元変形させることができる。

【0025】

付勢部１１は、弁支持部１０と弁体５の外周部における正立姿勢状態での上部とを連ねる。上記構成によれば、シール部７と付勢部１１との距離及び液溜め部８と付勢部１１との距離を大きくできるので、流通時に振動や衝撃などによってシール部７を通過した内容物が付勢部１１に付着して固化することによる弁体５の固着を抑制できる。また上記構成によれば、付勢部１１からシール部７に向かう流路を広く設けることができるので、サックバック時に内容物が吐出口６側からシール部７側に付勢部１１を通って流れ易くなるため、サックバック機能を向上できる。

【0026】

弁体５は、正立姿勢状態で上側に突き出るドーム形状をなす弁本体部５ａを有し、付勢部１１は、弁本体部５ａの外周部における上端部に連なり、シール位置において弁本体部５ａの外周部における正立姿勢状態での下端部がシール部７に接する。上記構成によれば、サックバック時に内容物が付勢部１１と溝部９とを通って流れ易くなるため、サックバック機能をより一層向上できる。

【0027】

弁体５は、弁本体部５ａにおける正立姿勢状態での上面から突き出る案内凸部５ｂを有し、案内凸部５ｂは、蓋体１２が閉位置にある時に閉塞ロッド１２ａの先端部１２ａ１の外周面に沿って伸びる。上記構成によれば、蓋体１２が開位置から閉位置に移動する時に、閉塞ロッド１２ａの先端部１２ａ１を案内凸部５ｂとの接触によって所定の位置に向けて案内できる。案内凸部５ｂは本実施形態では上面視Ｃ字状をなすが、これに限らない。

【0028】

上側天壁３ｂは、吐出口６の外周部から正立姿勢状態での下側に突き出る規制凸部３ｂ１を有し、規制凸部３ｂ１は、弁体５がシール位置から正立姿勢状態での上側に移動した時に径方向の弁体５の移動を規制するように弁体５に接触できる。上記構成によれば、簡単な構造によって弁体５の動作の安定性を向上できる。規制凸部３ｂ１は本実施形態では、弁体５に接触した状態で内容物を通すことができる周方向の間欠部を有するが、これに限らない。例えば、規制凸部３ｂ１に弁体５が接触した状態で内容物を通すことができる周方向の間欠部を弁体５に設ける構成としてもよい。

【0029】

内側部材４は、口部２ａに接する下側天壁４ａを有し、下側天壁４ａは、弁支持部１０よりも径方向内側において径方向内側に向けて正立姿勢状態での上側に伸び且つ液溜め部８における径方向内側部分を形成する液溜め内側壁２０と、液溜め内側壁２０の上端部から径方向内側に向けて正立姿勢での下側に伸び且つシール部７を形成するシール壁２１と、シール壁２１から径方向内側に伸び且つ全周に亘って連続する環状をなし、径方向内側に液体通過口２２を形成する液体通過口形成壁２３とを有する。上記構成によれば、簡単な構造によって良好なシール部７及び液溜め部８を形成できる。

【0030】

下側天壁４ａは、液溜め内側壁２０の外周縁部から径方向外側に伸びる横壁２４と、横壁２４から正立姿勢状態での上側に伸び、弁支持部１０における正立姿勢状態での下端部の内周面に嵌合する嵌合筒２５を有し、液溜め部８は、液溜め内側壁２０と嵌合筒２４とによって形成される。上記構成によれば、簡単な構造によって液溜め部８を形成できる。

【0031】

キャップ本体３は、口部２ａの外周面にねじ部を介して嵌合するキャップ周壁３ａと、キャップ周壁３ａから径方向内側に伸びる上側天壁３ｂと、上側天壁３ｂから正立姿勢状態での上側に突き出る筒状をなし、内側に吐出口６を形成する吐出ノズル３ｃとを有し、上側天壁３ｂは通気口１７を有し、吐出ノズル３ｃの正立姿勢状態での高さは、ヒンジ部２７側がその反対側よりも低い。上記構成によれば、吐出後に吐出ノズル３ｃ内に残る内容物の量を減らすことができるので、サックバックに要する時間を短縮できる。なおキャップ周壁３ａは口部２ａの外周面にねじ部以外の嵌合構造（例えば口部２ａに対して正立姿勢状態での下側に押し付ける操作によって嵌合できる構造）を介して嵌合する構成としてもよい。

【0032】

弁支持部１０、付勢部１１、弁体５及び通気弁体１９は、ゴム、エラストマー又は合成樹脂などの弾性変形できる材料による一体成形物であり、キャップ本体３、ヒンジ部２７及び蓋体１２は、合成樹脂材料による一体成形物である。内側部材４は合成樹脂材料による一体成形物である。上記構成によれば、部品点数を抑制できる。なお図中の弁体５における外周部の下端部に示す二点鎖線は、弾性変形前の形状を示す。

【0033】

図５～図７に示すように、本発明の第２実施形態において、閉塞ロッド１２ａは、蓋体１２が閉位置にある時に弁体５に嵌合する嵌合部２６を有し、嵌合部２６は、蓋体１２が閉位置から開位置に移動する時に弁体５への嵌合が解消される。上記構成によれば、蓋体１２を閉位置から開位置へ移動させる時にシール部７から離れる方向の力を嵌合部２６によって弁体５に与えることができるので、弁体５の固着がある程度生じたとしても、吐出不良が生じてしまうことを抑制できる。

【0034】

第２実施形態において、嵌合部２６は閉塞ロッド１２ａの筒状をなす先端部１２ａ１の内周面によって形成され、弁体５は、弁本体部５ａにおける正立姿勢状態での上面から突き出る凸状をなす被嵌合部５ｂを有し、嵌合部２６は、蓋体１２が閉位置にある時に被嵌合部５ｂに嵌合し、蓋体１２が閉位置から開位置に移動する時に被嵌合部５ｂへの嵌合が解消される。上記構成によれば、簡単な構造によって嵌合部２６を実現できる。

【0035】

本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施形態では、弁支持部１０を介して弁体５と通気弁体１９を一体成形しているが、別体に形成してもよい。また、導入口１６を口部２ａの代わりに、容器本体２の胴部２ｂや図示しない底部に設け、通気口１７、通気弁体１９及び導入路１８を設けない構成としてもよい。

【符号の説明】

【0036】

１ 吐出キャップ
２ 容器本体
２ａ 口部
２ｂ 胴部
３ キャップ本体
３ａ キャップ周壁
３ｂ 上側天壁
３ｃ 吐出ノズル
４ 内側部材
４ａ 下側天壁
５ 弁体
５ａ 弁本体部
５ｂ 案内凸部
５ｃ 被嵌合部
６ 吐出口
７ シール部
８ 液溜め部
９ 溝部
９ａ 溝
１０ 弁支持部
１１ 付勢部
１１ａ 弾性部
１１ａ１ 一端部
１１ａ２ 他端部
１１ａ３ 中間部
１２ 蓋体
１２ａ 閉塞ロッド
１２ａ１ 先端部
１３ 吐出容器
１４ 内層体
１５ 外層体
１６ 導入口
１７ 通気口
１８ 導入路
１９ 通気弁体
２０ 液溜め内側壁
２１ シール壁
２２ 液体通過口
２３ 液体通過口形成壁
２４ 横壁
２５ 嵌合筒
２６ 嵌合部
２７ ヒンジ部
Ｏ 中心軸線

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】