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特開2024-146297情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146297
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/451 20180101AFI20241004BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241004BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F9/451
G06F3/0481
G06F3/14 310E
G06F3/14 330A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059104
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉嶌 衛
【テーマコード(参考)】
5B069
5B376
5E555
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069CA02
5B069DD15
5B069JA01
5B069JA02
5B376AE20
5B376AE44
5E555AA07
5E555AA09
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555CA02
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB05
5E555CB06
5E555CB20
5E555CB33
5E555CB42
5E555CC05
5E555DB03
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC10
5E555DC13
5E555DC60
5E555DD01
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】自動化対象の処理内容に依存せずに自動化処理を実現することを課題とする。
【解決手段】情報処理プログラムは、コンピュータに、複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、前記画面に対するユーザ操作に関する補助情報を前記画面に表示させて、前記ユーザ操作を受け付けるまで前記自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する、処理を実行させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、前記画面に対するユーザ操作に関する補助情報を前記画面に表示させて、前記ユーザ操作を受け付けるまで前記自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する、
処理を実行させる情報処理プログラム。
【請求項2】
前記画面は、複数の操作それぞれに対応する部品を含むGUI(Graphical User Interface)であり、
前記補助情報は、前記ユーザ操作の対象である部品の周囲に枠を重ねて表示し、ユーザに操作対象への操作を促す情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記画面は、複数の操作それぞれに対応する部品を含むGUI(Graphical User Interface)であり、
前記補助情報は、前記ユーザ操作の対象である部品の周囲に半透明のウィンドウ枠を重ねて表示し、ユーザに操作対象への操作を促す情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記画面は、複数の操作それぞれに対応する部品を含むGUI(Graphical User Interface)であり、
前記補助情報は、前記ユーザ操作の対象である部品の設定方法に関するガイドメッセージを表示し、ユーザに操作対象への操作を促す情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記生成する処理によって生成された処理定義に基づき、表示された前記画面に対する複数の処理を自動実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、前記画面に対するユーザ操作に関する補助情報を前記画面に表示させて、前記ユーザ操作を受け付けるまで前記自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する生成部、
を有する情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、前記画面に対するユーザ操作に関する補助情報を前記画面に表示させて、前記ユーザ操作を受け付けるまで前記自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する、
処理を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RPA(Robotic Process Automation)技術を使用し、人手により実施していた業務を自動化または効率化する業務改善や業務改革が進んでいる。RPAは、RPA用の開発環境を用いてワークフローを生成し、生成したワークフローを実行させることにより、予め規定した処理をロボットに代行させる。
【0003】
また、ワークフローの生成時に、自動化の対象となる各処理の制御パラメータがまとめて設定されることにより、ロボットは、事前設定されたパラメータに基づいて各処理を順に実行する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“RPAとは何かをマンガでもわかりやすく解説、事例や主要製品をまとめて紹介する”、[online]、[令和5年3月23日検索]、インターネット<https://www.sbbit.jp/article/cont1/37189>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のRPA技術では、自動化の対象処理の内容によっては容易に自動化処理を行うことができない場合がある。
【0006】
例えば、自動化の対象となる一連の処理の中に、人の操作を必要とする処理が含まれる場合には、人の判断を必要とする処理が間に挟まることにより、ロボットに自動化処理を行わせることが困難である。また、自動化処理の対象となる処理に、自動操作が難解な処理が含まれる場合には、制御パラメータの事前設定が複雑で難しいものとなるため、ロボットに自動化処理を行わせることが困難である。
【0007】
一つの側面では、自動化対象の処理内容に依存せずに自動化処理を実現することができる情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の案では、情報処理プログラムは、コンピュータに、複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、前記画面に対するユーザ操作に関する補助情報を前記画面に表示させて、前記ユーザ操作を受け付けるまで前記自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、自動化対象の処理内容に依存せずに自動化処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例1に係る業務処理自動化システムの全体構成例を説明する図である。
図2図2は、参考技術を説明する図である。
図3図3は、参考技術を説明する図である。
図4図4は、参考技術を説明する図である。
図5図5は、実施例1に係る生成装置により生成されるワークフローの具体例を示す図である。
図6図6は、実施例1に係る補助情報の具体例を示す図である。
図7図7は、実施例1に係る補助情報の具体例を示す図である。
図8図8は、実施例1に係る補助情報の具体例を示す図である。
図9図9は、実施例1に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、ハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【実施例0012】
(全体構成)
図1は、実施例1に係る業務処理自動化システムの全体構成例を説明する図である。図1に示すように、業務処理自動化システムは、RPA(Robotic Process Automation)による自動化を行うシステムであり、ネットワークを介して接続される生成装置10と実行装置20-1~20-nとを有する。生成装置10は、RPAツールを用いて、自動操作が定義されるワークフローを生成するコンピュータや情報処理装置の一例である。実行装置20-1~20-nそれぞれは、生成されたワークフローを実行するコンピュータや情報処理装置の一例である。なお、ネットワークには、様々な有線通信や無線通信を採用することができる。
【0013】
生成装置10は、様々な業務における業務画面に表示されたGUI部品に対応する複数の操作を自動実行するワークフローを生成する。また、生成装置10は生成したワークフローを、ネットワークを介して、実行装置20-1~20-nのそれぞれに提供する。なお、ワークフローは、アクティビティのツリーから構成され、アクティビティは、ワークフローの各処理の実行単位である。
【0014】
実行装置20-1~20-nは、ネットワークを介して、生成装置10からワークフローを受信する。そして、それぞれの実行装置20は、受信したワークフローを実行することで、ワークフローで定義された業務処理を自動実行する。このようにして、実行装置20で行われる業務処理の自動化が実現される。
【0015】
なお、ワークフローで定義される業務処理、すなわち自動実行対象の業務処理は、例えば、製品の受注と発注の操作や、銀行の入出金、書類の申請等の処理である。そして当該処理には、操作権限の確認等の自動実行が困難な操作が含まれる場合がある。そのため、実行装置20は、生成されたワークフローを実行することにより、自動実行が困難な操作の際に、画面上に後述する補助情報を表示してユーザ操作の受付けを待ち合わせることにより、ユーザの処理負担を軽減し、一連の操作を自動実行することができる。
【0016】
(参考技術の問題点)
近年、業務システムでは、複数のシステムの連携や複数の業務処理を実行するなどの複雑化が進むに伴い、業務に対するオンラインヘルプ機能の実装や、定型業務の自動化が行われている。ここで、図2を用いて業務に対するオンラインヘルプ機能の実装、図3を用いて定型業務の自動化についてそれぞれ説明する。
【0017】
企業で使用する情報システムは、複数のパッケージソフトウェアおよび専用に開発した業務アプリを組み合わせて構築される場合が多く、自社開発したソフトウェアと、他社が開発したソフトウェアとを統合し、業務システムとして現場に実装される。
【0018】
図2の例では、業務システムにおける、SaaS(Software as a Service)システムと、ソフトウェアパッケージとが、他社である外部SaaSベンダーと外部パッケージ開発/販売業者が開発した製品を使用している。そして、SaaSシステムとソフトウェアパッケージと、自社の受託開発部門が開発した自社開発ソフトウェアとを、情報システム部門が統合することにより業務システムが構築され、利用部門で使用される。
【0019】
ここで、利用部門が業務を効率的に進めるために、業務システムにおける操作マニュアルやオンラインヘルプといった機能が求められる。操作マニュアルは、情報システム部門が業務システムを実装する際に作成する場合や、利用部門が業務システム実装後に作成する場合がある。
【0020】
しかし、情報システム部門が操作マニュアルを作成する場合には、業務システムの実装前に、利用部門の業務内容や疑問点を適切に把握しなければならず、十分なマニュアルの作成は困難である。また、利用部門が操作マニュアルを作成する場合には、マニュアルが紙ベースになるため参照する行為に手間がかかり、また、習熟度が少ない利用頻度の低い業務場面などは、十分なマニュアルの作成は困難である。
【0021】
そして、オンラインヘルプは、それぞれのシステムやソフトウェアの開発工程で組み込まれるので、導入先の利用部門の業務に合わせた文言を組み込むことができず、十分な内容のオンラインヘルプを実装することは困難である。よって、前述の通り、作成した業務システムに対して、十分な内容の操作マニュアルやオンラインヘルプを実装することは困難であるといえる。
【0022】
次に、図3を参照し、業務内容の自動化についての問題点について説明する。通常、業務システムは、各利用部門の業務に必要である機能を全て含むように構築されるので、全社では大規模なものとなるが、各利用部門単位では利用する機能は一部であり、その操作は定型化することになる。
【0023】
そのため、定型化した業務に対してRPAツールを適用することにより、業務の自動化を行うことが求められる。しかし、定型業務の途中に、利用権限の再確認等のユーザの判断が必要な処理が含まれる場合やGUI部品の取得が困難な画面構成である場合には、一連の処理の自動化は難しい。
【0024】
図3の例では、情報システム部門が構築した業務システムにおいて、利用部門#1の定型操作と、利用部門#2の定型操作とが示されている。また、利用部門#1の定型業務において、RPAツールの適用を図るが、3番目の画面についての処理が利用権限の再確認が必要な処理であることから、3番目の画面までの遷移は自動化が可能であるが、それ以降の処理の自動化は困難であることが示されている。
【0025】
前述したように、近年の複雑化した業務システムは、RPAツールを用いたとしても業務処理を自動化するのが難しい。ここで、図4を参照し、RPAツールによる自動化が困難であることを、具体例を挙げて説明する。図4の例では、RPAツールが生成するワークフローと、それに対応する業務画面とが示されている。
【0026】
例えば、まず、RPAツールは、業務画面(1)に表示された「項目1」の情報を取得するアクティビティを生成する。次に、RPAツールは、「項目1」に「A」を設定するアクティビティを生成する。これにより、業務画面(1)から「項目1」に「A」が設定された業務画面(2)へと遷移される。
【0027】
続いて、RPAツールは、業務画面(2)に表示された「項目2」の情報を取得するアクティビティを生成する。ここで、「項目2」の設定候補は、業務画面(3)に示された「B、C、D」であり、設定候補の選択にはユーザの判断を要する。そのため、RPAツールは、「項目1」と同様に「項目2」について設定するアクティビティの生成を図るが、「項目2」の設定候補の選択を行うことができず、「項目2」に対する設定処理を確定することができない。すなわち、「項目2」の値を設定するアクティビティを確定することができない。
【0028】
よって、図4の一連の処理にRPAツールの適用を図ったとしても、「項目2」の情報の取得処理までしかワークフローを生成することができないので、「項目2」の設定処理を含む一連の処理のワークフローを生成することができない。つまり、自動化処理を実現することができない。
【0029】
(実施例1に係る生成装置10により行われる処理)
そこで、実施例1に係る生成装置10は、自動化処理を実現することが困難である処理が含まれる場合であっても、自動化対象の処理内容に依存せずに容易に自動化処理を実現するワークフローを生成することができる。具体的には、生成装置10は、複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、画面に対するユーザ操作に関する補助情報を前記画面に表示させて、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する。
【0030】
ここで、図5を参照して、生成装置10によるワークフローの生成処理について具体的に説明する。図5は、実施例1に係る生成装置10により生成されるワークフローの具体例を示す図である。図5では、生成装置10が、RPAツールを用いて前述の図4の一連の処理を行うワークフローを生成する場合について示されている。
【0031】
生成装置10は、図4の例と同様に、「項目1」に「A」を設定し、業務画面(2)から「項目2」の情報を取得するアクティビティを生成する。その後、生成装置10は、前段処理のアクティビティによる「項目2」の設定処理がユーザの判断を要する処理であることから、画面に対するユーザ操作に関する補助情報と、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせるための情報とを表示するアクティビティを生成する。図5では、補助情報として、操作対象である「項目2」の周囲が枠で囲まれ強調表示され、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせるための情報として、「前の項目」、「次の項目」と記載されたボタンが表示された業務画面(4)が示されている。
【0032】
そして、生成装置10は、「前の項目」または「次の項目」のどちらかが操作されるまで待機するアクティビティを生成する。ここで、生成装置10は、ユーザによって「項目2」に「B」が設定されて「次の項目」のボタンがクリックされると、「次の項目」が操作されたと判定されて、「項目2」に「B」が設定された業務画面(5)から次の項目である「項目3」の情報を取得するアクティビティを生成する。そして、生成装置10は、以降の各項目に対しても同様の処理を継続する。
【0033】
つまり、生成装置10は、ユーザの判断を要しない設定処理については、自動で設定処理を行うアクティビティを用いて処理を確定する。一方で、生成装置10は、ユーザの判断を要する設定処理については、ユーザ操作に関する補助情報と、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせる情報とを表示するアクティビティを用いて処理を確定する。これにより、生成装置10は、「項目2」の設定処理のように、自動実行を行わせるのが困難である操作が含まれる場合であっても、一連の処理をロボットに行わせることができるワークフローを生成することができる。
【0034】
(生成装置10の機能構成)
次に、生成装置10の機能構成について説明する。図1に示すように、生成装置10は、制御部11と、記憶部12とを有する。記憶部12は、各種データや制御部11が実行するプログラムなどを記憶する処理部であり、例えばメモリやハードディスクなどにより実現される。
【0035】
制御部11は、生成装置10全体を司る処理部であり、例えばプロセッサ等により実現される。この制御部11は、生成部11aを有する。なお、生成部11aは、プロセッサが有する電子回路やプロセッサが実行するプロセスなどにより実現される。
【0036】
生成部11aは、複数の処理単位を組み合わせることで、表示された画面に対する複数の操作の自動実行についての定義を行う処理定義を、画面に対するユーザ操作に関する補助情報を画面に表示させて、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせる処理単位を用いて生成する。ここで、処理単位とは、ワークフローを構成する1つ1つのアクティビティを指し、処理定義とは、ロボットが実行する処理のワークフロー全体を指す。
【0037】
例えば、生成部11aは、RPAツールを用いて、情報システム部門が構築した業務システムで実行される各処理で各処理に対応した画面を生成し、当該画面に対する複数の操作を自動実行させるワークフローを生成する。ここで、生成部11aは、例えば、生成するワークフローにユーザの判断を要する操作が含まれる場合には、ユーザ操作を促す補助情報を表示して、ユーザ操作を受付けるまで自動実行を待ち合わせる処理を実行させるアクティビティをワークフローに組み込む。
【0038】
つまり、生成部11aは、ユーザの判断を要しない操作には、当該操作の自動実行処理のアクティビティを用い、ユーザの判断を要する処理には、補助情報を表示して自動実行を待ち合わせる処理のアクティビティを用いることにより、自動処理を実現するワークフローを生成する。
【0039】
ここで、図6から図8を参照し、前述のユーザ操作に関する補助情報について説明する。図6から図8は、実施例1に係る補助情報の具体例を示す図である。まず、図6の例では補助情報の表示として、ユーザ操作の対象である部品の周囲に、外枠のみのウィンドウを重ねて表示する例が示されている。なお、当該補助情報の表示は、外枠のみのウィンドウを重ねて行われることにより、画面に表示された操作対象についてのユーザの操作が阻害されることがない。
【0040】
具体的には、操作対象のコンポーネント(部品)である「項目1、設定値1」の周囲に、太枠のみのウィンドウを重ねる例が示されている。これにより、生成部11aは、当該補助情報を表示して操作対象を明確にし、ユーザの操作対象への操作を促すことができる処理を実行させるアクティビティをワークフローに組み込むことができる。なお、生成部11aは、図6に示されたように、外枠の他に矢印等のアイコンを表示して、さらに操作対象を明確とするアクティビティを組み込んでもよい。
【0041】
次に、図7の例では、補助情報の表示として、操作対象のコンポーネント(部品)の周囲に半透明のウィンドウ枠を重ねて表示する例が示されている。具体的には、操作画面において、操作対象のコンポーネントである「項目1、設定値1」以外の場所に半透明のウィンドウを重ねて表示する例が示されている。これにより、生成部11aは、当該補助情報を表示するとともに操作対象の部品以外の場所を覆うように表示して、操作対象以外の場所への操作を阻害するので、ユーザに操作対象への操作を促すことができる処理を実行させるアクティビティをワークフローに組み込むことができる。
【0042】
続いて、図8の例では、補助情報の表示として、操作対象のコンポーネント(部品)への設定方法についての操作ガイド(ガイドメッセージ)を表示する例が示されている。具体的には、操作対象のコンポーネントである「項目2、設定値2」の周囲に、「項目2には設定値2を指定します。」と記載されたガイドメッセージのウィンドウ枠を重ねて表示する例が示されている。これにより、生成部11aは、当該補助情報を表示して、ユーザに操作対象の部品に対する操作方法を把握させるので、ユーザに操作対象への操作を促すことができる処理を実行させるアクティビティをワークフローに組み込むことができる。
【0043】
なお、生成部11aは、当該補助情報の表示について、ガイドメッセージが記載されたウィンドウ枠を重ねて表示することにより、画面に表示された操作対象についてのユーザの操作が阻害されることがない。また、生成部11aは、業務システムとは独立して、ガイドメッセージを作成しワークフローに組み込むため、業務システムを改修することなく、文言の変更や設定を行うことができる。
【0044】
そして、生成部11aは、前述した3種類の補助情報について、1つの操作対象のコンポーネントに対して、複数の補助情報を組み合わせて表示する処理を組み込んだワークフローを生成してもよい。
【0045】
続いて、図8を参照し、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせるアクティビティについて説明する。図8の例では、前述した補助情報とともに、対象項目の移動ボタンが表示されている。具体的には、「前の項目」と記載されたボタンと、「次の項目」と記載されたボタンとが表示される例が示されている。
【0046】
これにより、当該ボタンの操作の有無の判定により、操作対象の遷移を行うか否かを判定することができるため、生成部11aは、ユーザ操作を受け付けるまで自動実行を待ち合わせる処理を実行させるアクティビティを組み込んだワークフローを生成することができる。
【0047】
このように、生成部11aは、コンポーネントを操作するアクティビティの代わりに、補助情報である操作ガイドを表示するアクティビティを使用したワークフローを生成することができる。なお、操作対象の遷移の判定として、前述した方法の他に、ファンクションキー等の特別に割り当てたホットキーの操作や、業務システムにおけるボタンコントロール等のマウス操作(クリックやダブルクリック)の有無により、当該判定が行われてもよい。
【0048】
(実行装置20の機能構成)
続いて、図1に戻り、実行装置20の機能構成について説明する。図1に示すように、実行装置20は、制御部21と、記憶部22とを有する。記憶部22は、各種データや制御部21が実行するプログラムなどを記憶する処理部であり、例えばメモリやハードディスクなどにより実現される。
【0049】
制御部21は、実行装置20全体を司る処理部であり、例えばプロセッサ等により実現される。この制御部21は、実行部21aを有する。なお、実行部21aは、プロセッサが有する電子回路やプロセッサが実行するプロセスなどにより実現される。
【0050】
実行部21aは、前述した生成装置10によって生成された処理定義に基づき、表示された画面に対する複数の処理を自動実行する。例えば、実行部21aは、前述した生成部11aによって生成され、ネットワークを介して受信したワークフローを用いて、業務システムによって表示された画面に対する複数の処理を自動実行する。
【0051】
つまり、実行部21aは、前述のワークフローを用いることにより、特定の設定値の入力等の自動実行が可能な処理に対しては、自動的に処理を行う。一方で、実行部21aは、利用権限の再確認等の自動化が困難な処理に対しては、補助情報を表示して、ユーザ操作を待ち合わせる処理を行う。これにより、実行装置20は、業務システムに自動化が困難な処理が含まれる場合であっても、一連の処理を自動実行することができる。
【0052】
(生成装置10の処理の流れ)
図9は、実施例1に係る生成装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、ある特定のコンポーネントに対する処理の組み込み工程を示したものであり、当該コンポーネントに対する工程が終了した場合には、次のコンポーネントに対して同様の処理を繰り返すものとする。
【0053】
図9に示すように、生成装置10の生成部11aは、操作対象のコンポーネントの情報を取得する(S101)。その後、当該コンポーネントに対する処理がユーザの操作が必要な処理である場合には(S102:Yes)、生成部11aは、補助情報を表示してユーザ操作を受付けるまで待機するアクティビティを確定する(S103)。
【0054】
一方、当該コンポーネントに対する処理がユーザの操作が必要な処理でない場合には(S102:No)、生成部11aは、自動実行するアクティビティを確定する(S104)。そして、生成装置10は、S103またはS104の処理の後、当該コンポーネントに対する工程を終了する。
【0055】
(効果)
上述したように、生成装置10は、自動化処理が困難な操作に対して、補助情報を表示させてユーザの操作を受け付けるまで待機するアクティビティを組み込むことにより、一連の処理を自動実行させることができるワークフローを生成する。この結果、生成装置10は、自動化が困難な処理が含まれる場合であっても、一連の処理の自動実行を行わせることができる。したがって、生成装置10は、自動化対象の処理内容に依存せずに自動化処理を実現することができる。
【0056】
また、生成装置10は、自動化処理が困難な操作に対して、ユーザ操作に関する補助情報を表示するアクティビティを組み込むことにより、ワークフローを生成する。この結果、生成装置10は、自動化処理が困難でありユーザに行わせる操作についてのガイドメッセージを、自動操作の対象である業務システムとは独立して、表示させることができる。したがって、生成装置10は、業務システムを改修することなくオンラインヘルプの実装を実現することができ、また、業務システムとは独立して、オンラインヘルプの修正等を実現することができる。
【実施例0057】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0058】
(数値等)
上記実施例で用いた項目例、設定値例等は、あくまで一例であり、任意に変更することができる。また、各フローチャートで説明した処理の流れも矛盾のない範囲内で適宜変更することができる。
【0059】
(システム)
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0060】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、生成された処理定義に基づき、表示された画面に対する複数の処理を自動実行する処理部は、生成装置10が有してもよい。
【0061】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0062】
(ハードウェア)
図10は、ハードウェア構成例を示す図である。生成装置10と実行装置20とは同様の構成を有するので、ここでは、情報処理装置100として説明する。図10に示すように、情報処理装置100は、通信装置100a、HDD(Hard Disk Drive)100b、メモリ100c、プロセッサ100dを有する。また、図10に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0063】
通信装置100aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他の装置との通信を行う。HDD100bは、図1に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0064】
プロセッサ100dは、図1に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD100b等から読み出してメモリ100cに展開することで、図1等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、生成装置10が有する生成部11a等と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ100dは、生成部11a等と同様の機能を有するプログラムをHDD100b等から読み出す。そして、プロセッサ100dは、生成部11a等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0065】
このように、情報処理装置100は、プログラムを読み出して実行することで情報処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、情報処理装置100は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、情報処理装置100によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、上記実施例が同様に適用されてもよい。
【0066】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 生成装置
11 制御部
11a 生成部
12 記憶部
20、20-1~20-n 実行装置
21、21-1~21-n 制御部
21a、21a-1~21a-n 実行部
22、22-1~22-n 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10