(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146320
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0833 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q10/0833
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059143
(22)【出願日】2023-03-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 憲亮
(72)【発明者】
【氏名】吉田 重信
(72)【発明者】
【氏名】山内 隆
(72)【発明者】
【氏名】樋口 勤
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】物品のサプライチェーンにおける取引者の手間を軽減しながら、トレーサビリティ情報の蓄積および開示を行う。
【解決手段】情報処理システム(1)は、紐づけ部(14)と取得部(11)と生成部(12)とを含む。紐づけ部(14)は、物品(F)に付帯させるための媒体(T)の媒体識別情報と、物品(F)のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末(70)から取得する。取得部(11)は、複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末(80-i)が、物品(F)に付帯する媒体(T)から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末(80-i)の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベース(DB1)に記録する。生成部(12)は、紐づけ情報および読取情報を参照し、物品(F)の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、前記物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する紐づけ部と、
前記複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末が、前記物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベースに記録する取得部と、
前記紐づけ情報および前記読取情報を参照して、前記物品の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する生成部と、
を含む情報処理システム。
【請求項2】
前記紐づけ部は、前記上流側ノードが使用する前記読取用端末から前記読取情報を前記取得部が取得する前に、前記紐づけ情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記トレーサビリティ提示情報に前記需要者がアクセスするためのアクセス情報を、前記複数のノードのうち下流側ノードが使用する出力用端末に出力する出力部と、をさらに含む、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記アクセス情報を、前記物品に付帯可能な態様で出力する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記出力用端末に対するユーザ操作に応じて、前記トレーサビリティ提示情報をカスタマイズする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記読取情報は、前記物品に付帯するセンサから取得したセンサ情報をさらに含む、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記センサは、温度センサである、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記媒体は、前記センサと、前記センサ情報の履歴を記憶するメモリを含み、
前記読取情報は、前記センサ情報の履歴をさらに含む、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成され、
前記紐づけ情報は、前記データベースに格納されている、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、を含み、
前記紐づけ情報は、前記第2データベースに格納されており、
前記紐づけ情報のハッシュ値が、前記第1データベースに格納されており、
前記取得部は、前記読取情報を前記第1データベースに記録する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、を含み、
前記紐づけ情報は、前記第1データベースに格納され、
前記取得部は、前記読取情報を前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、前記第1データベースとは異なる第3データベースと、を含み、
前記紐づけ情報は、前記第3データベースに格納されており、
前記紐づけ情報のハッシュ値が、前記第1データベースに格納されており、
前記取得部は、前記読取情報を前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、前記第1データベースおよび前記第2データベースの何れとも異なる第3データベースと、を含み、
前記紐づけ情報は、前記第1データベースに格納されており、
前記第3データベースには、収集サーバによって収集された前記読取情報が格納され、
前記取得部は、前記第3データベースから前記読取情報を取得して前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、前記第1データベースとは異なる第3データベースと、前記第1データベース、前記第2データベース、および前記第3データベースの何れとも異なる第4データベースと、を含み、
前記紐づけ情報は、前記第3データベースに格納されており、
前記紐づけ情報のハッシュ値が、前記第1データベースに格納されており、
前記第4データベースには、収集サーバによって収集された前記読取情報が格納され、
前記取得部は、前記第4データベースから前記読取情報を取得して前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項15】
物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、前記物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する紐づけステップと、
前記複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末が、前記物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベースに記録する取得ステップと、
前記紐づけ情報および前記読取情報を参照して、前記物品の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する生成ステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品のトレーサビリティを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、生産者端末と、加工業者端末と、販売店側端末と、消費者側端末と、管理サーバとを有するシステムが記載されている。生産者端末は、生産物に生産者が貼り付けた親コードを読み取り、原料情報および出荷情報に対応付けて管理サーバに送信する。加工業者端末は、納入された生産物に貼り付けられた親コードと、加工後の生産物に加工業者が貼り付けた子コードとを読み取り、加工情報、入荷情報、出荷情報等に対応付けて管理サーバに送信する。販売者端末は、納入された生産物に貼り付けられた子コードを読み取り、入荷情報および出荷情報に対応付けて管理サーバに送信する。管理サーバは、各端末から受信した親コード、原料情報、子コード、加工情報、入荷情報、および出荷情報を紐づけて記憶する。消費者端末は、購入された生産物に貼り付けられた子コードを読み取って管理サーバに送信することにより、管理サーバから受信する商品情報および流通履歴(トレーサビリティ情報)を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、生産者、加工業者、および販売店にとって、原料情報、加工情報、入荷情報、または出荷情報等をトレーサビリティ情報として、取引の度に端末に入力する必要があり、新たな運用コストが流通の各工程で発生する。また、消費者にトレーサビリティ情報を開示するには、子コードを読み取り可能な消費者端末を消費者が有している必要があるため、充分に開示されない可能性があり、運用コスト増額に見合う効果が期待できない。
【0005】
本発明の一態様は、上述した課題を解決するため、物品のサプライチェーンにおける取引者の手間を軽減しながら、トレーサビリティ情報の蓄積および開示を行う技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、前記物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する紐づけ部と、前記複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末が、前記物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベースに記録する取得部と、前記紐づけ情報および前記読取情報を参照して、前記物品の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する生成部と、を含む。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、前記物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する紐づけステップと、前記複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末が、前記物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベースに記録する取得ステップと、前記紐づけ情報および前記読取情報を参照して、前記物品の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する生成ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、物品のサプライチェーンにおける取引者の手間を軽減しながら、トレーサビリティ情報の蓄積および開示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を説明するブロック図である。
【
図2】
図1に示すブロックチェーンシステムに記録される情報を説明する模式図である。
【
図3】
図1に示すタグ登録情報データベースに記録される情報を説明する模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る情報処理方法の流れを説明するフロー図である。
【
図5】トレーサビリティ提示情報の確認画面の具体例を示す図である。
【
図6】トレーサビリティ提示情報の詳細な具体例を示す図である。
【
図7】
図6に示す温度管理に関する情報の具体例を示す図である。
【
図8】
図1に示す情報処理システムの変形例の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図1に示す情報処理システムの変形例の構成を示すブロック図である。
【
図10】
図1に示す情報処理システムの変形例の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図1に示す情報処理システムの変形例の構成を示すブロック図である。
【
図12】
図1に示す情報処理システムの変形例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、本発明の一態様における物品の一例として、食品Fを適用する。情報処理システム1は、食品Fのトレーサビリティ情報をデータベースに記録して、当該食品の需要者に開示するシステムである。
【0011】
<情報処理システム1の構成>
情報処理システム1について、
図1を参照して説明する。
図1は、情報処理システム1の構成を説明するブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、管理サーバ10と、管理端末70と、読取用端末80-1、80-2、80-3、…80-nと、出力用端末90と、データベースDB100と、を含む。データベースDB100は、第1データベースDB1と、第2データベースDB2とを含んでいてもよい。本実施形態では、第1データベースDB1は、ブロックチェーンシステムによって構成されるものとして説明する。ここで、nは自然数である。読取用端末80-1、~80-nのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、読取用端末80-i(iは1以上n以下の自然数)とも記載する。管理サーバ10は、管理端末70およびn個の読取用端末80-iのそれぞれと、ネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、管理サーバ10は、第1データベースDB1、および第2データベースDB2のそれぞれと、図示しないネットワークを介して通信可能に接続される。
【0012】
ネットワークN1は、例えば、無線または有線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、モバイルデータ通信ネットワーク、またはこれらの組み合わせを含む。ただし、ネットワークN1は、上述したものに限定されない。
【0013】
(食品FおよびタグT)
図1に示すように、情報処理システム1は、食品Fを対象として動作する。換言すると、食品Fは、トレーサビリティ情報を記録する対象である。食品Fは、例えば、輸送中の温度管理が重要となる食品であってもよい。そのような食品Fの一例としては、生鮮食品(野菜、果物等の農産物、食肉、食用鳥卵等の畜産物、魚類、貝類、海藻類等の水産物)、酒、冷凍食品等が挙げられるが、これらに限られない。また、食品Fは、梱包されていてもよい。
【0014】
食品Fには、タグTが付帯する。タグTは、食品Fに付帯する媒体の一例である。タグTは、食品Fの梱包に付されていてもよく、食品Fの梱包を複数まとめたパレットなどの集合体に付されていてもよい。以下では、「タグTが食品Fに付される」とは、このような梱包またはパレットに付されることも含む。タグTは、例えば、後述する上流側ノードによって食品Fに付される。タグTは、当該タグTを識別するタグ識別情報(Unique ID、媒体識別情報の一例)を有する。タグTは、メモリとセンサとを含んでいてもよい。当該センサが取得したセンサ情報の履歴を記憶するために、当該メモリが使用されてもよい。タグTのタグ識別情報は、当該メモリに格納されていてもよい。以下、タグ識別情報を、UIDと記載する場合もある。
【0015】
例えば、タグTは、センサの一例である温度センサと、上述したメモリと、近距離無線通信を行うアンテナと、集積回路と、を含む。なお、タグTは、上述した構成に限られない。タグTは、温度センサが測定した温度と、測定時刻とを関連付けた温度情報(センサ情報の一例)をメモリに記憶する動作を、所定間隔で繰り返す。これにより、メモリは、タグ識別情報と、温度情報の履歴と、を記憶する。メモリに記憶されたタグ識別情報と温度情報の履歴とは、アンテナを介して、読取用端末80-iによって読み取り可能である。タグ識別情報および温度情報は、いずれか一方のみを選択して読み取られることがあっても良い。例えば、温度情報は、タグTの起動からシステムの最終の読取用端末80-nで読み取られるまでタグTに記憶され、途中の読取用端末80-iで読み取られなくてもよい。また、近距離無線通信の一例としては、RFID(Radio Frequency Identification)を用いた通信、NFC(Near Field Communication)(登録商標)等が挙げられるが、これに限られない。このようなタグTは、例えば、温度ロガータグと呼称されるものであってもよいが、これに限られない。市販のタグTの例としては、(株)サトー社製LogBiz(登録商標)-Thermo、エイブリィ・デニソン・ジャパン社製TT SensorPlus2などが挙げられる。
【0016】
(食品Fのサプライチェーン)
食品Fのサプライチェーンは、複数のノードによって構成される。ノードとは、食品Fの取引を行う取引者である。複数のノードは、生産者(上流側ノードの一例)と、小売業者(下流側ノードの一例)と、生産者および小売業者の間で取引を行う中間業者と、を含む。中間業者の一例としては、例えば、輸送業者、輸出フォワーダ、シッパー等が挙げられる。例えば、食品Fは、国内の生産者、輸送業者、輸出フォワーダ、シッパー、海外の輸出フォワーダ、輸送業者、小売業者、の順に取引されることにより、生産者から海外の小売業者に供給され、需要者に販売される。需要者は、小売業者の販売する食品Fを購入しようとする者であり、例えば、消費者、食品Fを加工して販売する者等が挙げられる。なお、食品Fのサプライチェーンを構成する複数のノードは、上述した例に限られない。
【0017】
(管理端末70の構成)
管理端末70は、管理者が利用する端末である。例えば、管理端末70は、携帯可能な端末であってもよいし、据え置き型の端末であってもよい。管理端末70は、紐づけ情報を登録するための端末である。紐づけ情報の詳細については後述する。
【0018】
(読取用端末80-iの構成)
読取用端末80-iは、複数のノードの各々が利用する端末である。例えば、読取用端末80-iは、携帯可能な端末であってもよいし、据え置き型の端末であってもよい。以下では、読取用端末80-1は、生産者が利用する端末である。読取用端末80-2~80-[n-1]は、各中間業者が利用する端末である。読取用端末80-nは、小売業者が利用する端末である。
【0019】
各読取用端末80-iの構成は同様であるため、ここでは、読取用端末80-1の構成について説明し、他の読取用端末80-2、…80-nの構成については説明を繰り返さない。
【0020】
読取用端末80-1は、制御部810と、記憶部820と、通信部830と、無線通信部840と、測位信号受信部850と、を含む。制御部810は、読取用端末80-1の各部を統括して制御する。記憶部820は、制御部810が使用する各種のデータを記憶する。通信部830は、ネットワークN1を介して外部の装置との通信を行う。なお、以降、制御部810が、通信部830を介して情報を送受信することを、単に「読取用端末80-1が情報を送受信する」等とも記載する。
【0021】
無線通信部840は、アンテナを含み、当該アンテナを介してタグTと近距離無線通信を行う。なお、以降、制御部810が、無線通信部840を介してタグTから情報を読み取ることを、単に「読取用端末80-1がタグTから情報を読み取る」等とも記載する。
【0022】
測位信号受信部850は、自装置の位置を測定するための信号を受信する。例えば、測位信号受信部850は、GPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS受信部であってもよい。また、測位信号受信部850は、ビーコン信号を受信するBluetooth(登録商標)インタフェースであってもよい。以降、制御部810が、測位信号受信部850の受信信号に基づき自装置の位置を測定することを、単に「読取用端末80-1が位置を測定する」等とも記載する。なお、読取用端末80-iは、測位信号受信部850を用いる代わりに、通信部830がネットワークN1に接続するために経由する基地局またはアクセスポイントの位置情報を用いて、自装置の位置を測定してもよい。この場合、読取用端末80-1は、測位信号受信部850を備えていなくてもよい。
【0023】
(出力用端末90の構成)
出力用端末90は、小売業者が利用する端末である。出力用端末90は、携帯可能なコンピュータであってもよいし、据え置き型のコンピュータであってもよい。携帯可能なコンピュータとしては、ポータブルPC、タブレット端末、スマートフォンなどが挙げられる。また、出力用端末90は、出力用端末90として動作するためのアプリケーションがインストールされたコンピュータであってもよいし、出力用端末90として動作するよう構成された専用のコンピュータであってもよい。前者の場合、そのようなアプリケーションの一例としては、管理サーバ10から送信される情報を表示するとともに当該情報を印刷するアプリケーションが挙げられる。また、出力用端末90は、読取用端末80-nと同一のコンピュータによって構成されてもよいし、異なるコンピュータによって構成されてもよい。
【0024】
図1に示すように、出力用端末90は、制御部910と、記憶部920と、通信部930と、入力部940と、表示部950と、を含む。また、出力用端末90は、印刷装置91に接続される。制御部910は、出力用端末90の各部を統括して制御する。記憶部920は、制御部910が使用する各種のデータを記憶する。通信部930は、ネットワークN1を介して外部の装置との通信を行う。なお、以降、制御部910が、通信部930を介して情報を送受信することを、単に「出力用端末90が情報を送受信する」等とも記載する。
【0025】
入力部940は、入力操作を受け付ける。表示部950は、制御部910が出力する情報を表示する。入力部940は、マウス、キーボード、またはタッチパッド等によって構成されてもよい。表示部950は、ディスプレイ等によって構成されてもよい。また、入力部940および表示部950は、一体に形成されたタッチパネル等によって構成されてもよい。なお、以降、制御部910が、入力部940を介して入力操作を受け付けることを、単に「出力用端末90が入力操作を受け付ける」等とも記載する。また、制御部910が、表示部950に情報を表示することを、単に「出力用端末90が情報を表示する」等とも記載する。
【0026】
(管理サーバ10の構成)
管理サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を含む。制御部110は、管理サーバ10の各部を統括して制御する。記憶部120は、制御部110が使用する各種のデータを記憶する。通信部130は、ネットワークN1または他のネットワークを介して外部の装置との通信を行う。また、制御部110は、取得部11と、生成部12と、出力部13と、紐づけ部14と、を含む。以降、制御部110に含まれる各部が通信部130を介して情報を送受信することを、単に「各部が情報を送受信する」とも記載する。
【0027】
紐づけ部14は、タグ識別情報と、上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末70から取得する。取得部11は、各読取用端末80-iが食品Fに付帯するタグTから読み取ったタグ識別情報と、当該読取用端末80-iの位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得して第1データベースDB1に記録する。生成部12は、紐づけ情報および読取情報を参照して、食品Fの需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する。出力部13は、トレーサビリティ提示情報に需要者がアクセスするためのアクセス情報を、出力用端末90に出力する。各部の詳細については、後述する「情報処理方法S1の流れ」において説明する。
【0028】
(第1データベースDB1の構成)
第1データベースDB1の構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、第1データベースDB1に記録される情報の一例を説明する模式図である。第1データベースDB1は、ブロックチェーンシステムによって構成される。第1データベースDB1は、ブロックB1、B2、…Bmのチェーンを格納する。mは自然数である。ブロックBk(kは1以上m以下の自然数)は、1または複数の取引情報TRiを含む。ブロックBk+1は、ブロックBkのハッシュ値を格納する。これにより、ブロックB1、B2、…Bmが記録された時系列順が保証される。その結果、第1データベースDB1に記録される情報の改ざん耐性が向上する。
【0029】
取引情報TR1、TR2、…TRnは、食品Fの取引を示す情報である。ここでは、取引情報TRiは、読取用端末80-iから得られた情報に関連する取引を示すものとする。なお、
図2では、取引情報TR1を1つ示しているが、読取用端末80-1から得られた情報に基づく取引情報TR1の個数は、複数であってもよい。これは、複数の食品Fが取引されたことを示す。同様に、取引情報TR2~TRnの個数も、それぞれ複数であってよい。
【0030】
このようなブロックB1、B2、…Bmのチェーンは、複数の分散ノード(図示せず)の各々に、同期しながら格納される。換言すると、各分散ノードは、ブロックB1、B2、…Bmのチェーンを同期させながら共有して格納する。これにより、格納された取引情報TRiの透明性が担保される。
【0031】
第1データベースDB1には、公知のブロックチェーン技術を採用したデータベースシステムを採用可能である。これにより、取引情報TRiの耐改ざん性を高めることができる。なお、取引情報TRiの詳細については、後述する「情報処理方法S1の流れ」において説明する。また、第1データベースDB1には、後述する第2データベースDB2に記憶される紐づけ情報のハッシュ値を含むトランザクションデータが記憶されていてもよい。
【0032】
(第2データベースDB2の構成)
第2データベースDB2の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、第2データベースDB2に記録される情報の一例を説明する模式図である。第2データベースDB2は、生産者に配布されるタグTに関する紐づけ情報Rを記憶する。紐づけ情報Rは、管理端末70によって登録される。紐づけ情報Rは、タグTのUIDと、上流側ノード関連情報とを紐づけた情報である。上流側ノード関連情報は、例えば、生産者識別情報(生産者IDとも記載)と、商品識別情報(商品IDとも記載)と、を含む。例えば、タグTに関して、配布先の生産者および食品Fは、事前に定められている。このような事前の定めに基づいて、当該タグTのタグ識別情報と、上流側ノード関連情報とが紐づけられ、紐づけ情報Rとして第2データベースDB2に記憶される。
【0033】
例えば、生産者に配布される複数のタグTについて、同一の商品としての食品Fに付されることが定められたとする。この場合、管理端末70に入力された、複数のタグTの各々についての紐づけ情報Rが、第2データベースDB2に記憶される。これらの複数の紐づけ情報Rは、互いに異なるタグ識別情報と、同一の生産者識別情報と、同一の商品識別情報とを含む。なお、タグTに関する配布先の生産者および食品Fは事前に定められるが、管理端末70による紐づけ情報Rの登録処理自体は、必ずしも、タグTが生産者に配布される時点より前に行われることに限定されない。また、前述したように、紐づけ情報Rのハッシュ値が、第1データベースDB1に記録されてもよい。これにより、紐づけ情報Rの改ざん耐性を高めることができる。
【0034】
なお、生産者識別情報は、生産者を識別するための情報である。また、商品識別情報は、生産者が生産する食品Fの商品を識別するための情報である。また、第2データベースDB2は、生産者マスタと、商品マスタとを記憶する。生産者マスタは、生産者識別情報に関連付けて生産者情報を記憶する。生産者情報は、生産者の名称(一例として、社名)等を含むが、これに替えて、または加えて、その他の情報を含んでいてもよい。商品マスタは、生産者識別情報に関連付けて記憶される。つまり、商品マスタに含まれる情報は、当該生産者が生産する食品Fに係る商品情報である。商品マスタは、商品識別情報に関連付けて商品情報を記憶する。商品情報は、商品名および品種等を含むが、これに替えて、または加えて、その他の情報を含んでいてもよい。生産者識別情報、生産者情報、商品識別情報、および商品情報は、上流側ノード関連情報の一例である。なお、上流側ノード関連情報は、上述した例に限定されない。
【0035】
<情報処理方法S1の流れ>
以上のように構成された情報処理システム1は、本実施形態に係る情報処理方法S1を実行する。情報処理方法S1の流れについて、
図4を参照して説明する。
図4は、情報処理方法S1の流れを説明するフロー図である。
図4に示すように、情報処理方法S1は、ステップS101~S102、およびステップS11~S23を含む。
【0036】
ステップS101において、管理端末70は、タグTの識別情報と、上流側ノード関連情報と、を入力部から取得すると、これらを紐づけた紐づけ情報Rを、管理サーバ10に送信する。この時点において、例えば、タグTは、生産者に配布されていなくてもよい。
【0037】
ステップS102において、管理サーバ10の紐づけ部14は、管理端末70から紐づけ情報Rを取得し、第2データベースDB2に記憶する。ここで、紐づけ部14が紐づけ情報Rを取得する当該ステップS102は、後述するステップS12(取得部11が読取用端末80-1から読取情報を取得するステップ)より前に実行される。
【0038】
なお、次のステップS11の実行前において、タグTは生産者に配布されるとともに、生産者によって、当該タグTに定められた食品Fに付されるものとする。また、食品Fに付されたタグTは、電気的ON/OFFがある場合、例えば、センサが付帯している場合、生産者の操作によって起動されることにより、温度情報の記録を開始しているものとする。電気的ON/OFFがあるようなセンサが付帯しない場合、例えば、二次元コード等をタグTとする場合、上流側のノードが、当該タグTを読取用端末で読み込んだ時点で、次のステップS11が実行される。
【0039】
ステップS11において、読取用端末80-1は、生産者の操作に応じて、食品Fに付帯するタグTから、タグ識別情報を読み取る。また、読取用端末80-1は、自装置の位置を測定して位置情報を取得する。また、読取用端末80-1は、タグ識別情報、読取日時、および自装置の位置情報を含む読取情報を、管理サーバ10に送信する。また、読取用端末80-1は、タグTから、温度情報の履歴を読み取ってもよい。この場合、読取用端末80-1は、さらに温度情報の履歴を含む読取情報を、管理サーバ10に送信してもよい。ステップS11は、例えば、生産者が食品Fを出荷する際に行われる。なお、位置情報の取得は、タグ識別情報の読み取りと共に行なう構成に限定されない。例えば、読取用端末80-1は、タグ識別情報の読み取りより前に、予め測定した位置情報を取得しておいてもよい。また、読取用端末80-1は、タグ識別情報の読み取りより前に、当該読取用端末80-1の使用場所に応じて予め入力された位置情報を取得しておいてもよい。
【0040】
ステップS12において、管理サーバ10の取得部11は、読取用端末80-1から、読取情報を取得する。前述したように、読取情報には、タグ識別情報、当該端末の位置情報、および読取日時が含まれる。また、読取情報には、さらに温度情報の履歴が含まれる場合もある。また、取得部11は、取得した読取情報を、第1データベースDB1に記録する。
【0041】
例えば、取得部11は、読取情報を含む取引情報TR1を、第1データベースDB1に記録する。
図2を参照して、取引情報TR1について説明する。
図2を参照し、読取情報に、温度情報の履歴が含まれている場合の具体例について説明する。
図2に示すように、取引情報TR1は、タグ識別情報D1と、生産者識別情報D2と、商品識別情報D3と、通過位置情報D4と、通過時刻D5と、温度情報の履歴D6とを含む。
【0042】
ここで、タグ識別情報D1、通過位置情報D4、および温度情報の履歴D6は、読取用端末80-1から取得した情報である。なお、通過位置情報D4としては、読取用端末80-1から取得した当該端末の位置情報が適用される。また、通過時刻D5は、読取用端末80-1から情報を取得した時刻である。
【0043】
また、生産者識別情報D2および商品識別情報D3は、第2データベースDB2を参照して特定された情報である。具体的には、取得部11は、読取用端末80-1から取得したタグ識別情報D1に関連付けられた生産者識別情報D2と商品識別情報D3とを、第2データベースDB2を参照して特定し、取引情報TR1に含める。
【0044】
このような取引情報TR1は、食品Fが生産者(通過位置情報D4)から出荷された時点(通過時刻D5)における、当該食品Fに付されたタグTのタグ識別情報を示す。また、
図2の例に示すように、取引情報TR1は、食品Fが生産者(通過位置情報D4)から出荷された時点(通過時刻D5)までにおける、当該食品Fに付されたタグTに含まれる温度センサが測定した温度情報の履歴を含んでいてもよい。
【0045】
ステップS13において、読取用端末80-2は、ステップS11における読取用端末80-1と同様に動作する。ただし、読取用端末80-2は、中間業者の操作に応じて動作する点が異なる。また、ステップS13は、例えば、中間業者が食品Fを出荷する際に行われる。
【0046】
ステップS14における管理サーバ10の動作は、ステップS12と同様であるが、取引情報TR1に替えて取引情報TR2を記録する点が異なる。以降、読取用端末80-3、…80-[n-1]は、読取用端末80-2と同様にステップS13を実行し、管理サーバ10は、ステップS14を実行する。これにより、取引情報TR2~TR[n-1]が、第1データベースDB1に記録される。取引情報TR2~TR[n-1]に含まれる情報については、
図2に示した取引情報TR1と同様に説明される。
【0047】
このような取引情報TR2~TR[n-1]は、それぞれ、食品Fが中間業者(通過位置情報D4)から出荷された時点(通過時刻D5)における、当該食品Fに付されたタグTのタグT識別情報を示す。また、取引情報TR2~TR[n-1]は、それぞれ、食品Fが中間業者(通過位置情報D4)から出荷された時点(通過時刻D5)までにおける、当該食品Fに付されたタグTに含まれる温度センサが測定した温度情報の履歴を含んでいてもよい。
【0048】
ステップS15において、読取用端末80-nは、ステップS11における読取用端末80-1と同様に動作する。ただし、読取用端末80-nは、小売業者の操作に応じて動作する点が異なる。また、ステップS15は、例えば、小売業者が食品Fを入荷する際に行われる。
【0049】
ステップS16における管理サーバ10の処理は、ステップS12と同様であるが、取引情報TR1に替えて取引情報TRnを記録する点が異なる。これにより、取引情報TRnが、第1データベースDB1に記録される。取引情報TRnに含まれる情報については、
図2に示した取引情報TR1と同様に説明される。
【0050】
このような取引情報TRnは、食品Fが小売業者(通過位置情報D4)に入荷された時点(通過時刻D5)における、当該食品Fに付されたタグTのタグT識別情報を示す。また、取引情報TRnは、食品Fが小売業者(通過位置情報D4)に入荷された時点(通過時刻D5)までにおける、当該食品Fに付されたタグTに含まれる温度センサが測定した温度情報の履歴を含んでいてもよい。
【0051】
ステップS11~S16までの動作により、第1データベースDB1には、食品Fに関する取引情報TR1~TRnが記録される。
【0052】
ステップS17において、出力用端末90は、小売業者の操作に応じて、管理サーバ10に対して、食品Fに関するトレーサビリティ提示情報を要求する。当該要求には、食品Fに付されたタグTのタグ識別情報が含まれる。なお、食品Fに付帯するセンサが測定した温度情報の履歴が第1データベースDB1に保存されている場合は、当該要求には、トレーサビリティ提示情報に当該温度情報の履歴を含めることを要求する情報が含まれていてもよい。なお、出力用端末90は、読取用端末80-nが読み取ったタグ識別情報を、当該読取用端末80-nから取得してもよい。また、出力用端末90は、タグTとの近距離無線通信を行う無線通信部(図示せず)を備えている場合、タグTから直接タグ識別情報を読み取ってもよい。以下、当該要求に含まれるタグ識別情報を、対象のタグ識別情報とも記載する。
【0053】
ステップS18において、管理サーバ10の生成部12は、紐づけ情報(第2データベースDB2を参照)、および読取情報を含む取引情報TRiを(第1データベースDB1を参照)を参照して、食品Fの需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する。また、生成部12は、生成したトレーサビリティ提示情報を、出力用端末90に送信する。トレーサビリティ提示情報は、食品Fの需要者向けに提示される情報である。生成部12は、需要者向けのトレーサビリティ提示情報を、小売業者が確認できるように、当該小売業者の出力用端末90に送信する。
【0054】
例えば、生成部12は、対象のタグ識別情報に関連付けられた生産者識別情報および商品識別情報を、第2データベースDB2から取得する。また、生成部12は、当該生産者識別情報に関連付けられた生産者情報を、生産者マスタから取得する。また、生成部12は、当該商品識別情報に関連付けられた商品情報を、商品マスタから取得する。また、生成部12は、対象のタグ識別情報を含む取引情報TR1~TRnを、第1データベースDB1から取得する。これらの情報に基づいて、生成部12は、トレーサビリティ提示情報を生成する。トレーサビリティ提示情報は、例えば、需要者が利用する端末(図示せず)に表示可能なウェブページであってもよい。トレーサビリティ提示情報に含まれる情報の一例としては、例えば、生産者情報、商品情報、通過位置情報の履歴、または温度情報の履歴等が挙げられるが、これらに限られない。
【0055】
また、生成部12は、複数のトレーサビリティ提示情報を生成して、出力用端末90に送信してもよい。この場合、生成部12は、複数のトレーサビリティ提示情報を、その何れかを選択可能な態様で、出力用端末90に送信してもよい。トレーサビリティ提示情報を選択可能な態様の具体例について、
図5を参照して説明する。
図5は、トレーサビリティ提示情報の確認画面の一例を示す図である。
図5に示すように、生成部12は、トレーサビリティ提示情報の確認画面G10を生成し、出力用端末90に送信する。確認画面G10は、複数のトレーサビリティ提示情報G1、G2を含む。トレーサビリティ提示情報G1、G2の詳細な具体例については後述する。また、確認画面G10は、ユーザインタフェース(以下、UI:User Interfaceと記載)オブジェクトG14、G24を含む。UIオブジェクトG14は、トレーサビリティ提示情報G1を選択するとともにそのアクセス情報を出力する操作を受け付ける。UIオブジェクトG24は、トレーサビリティ提示情報G2を選択するとともにそのアクセス情報を出力する操作を受け付ける。
【0056】
トレーサビリティ提示情報G1の詳細な具体例について、
図6を参照して説明する。
図6は、トレーサビリティ提示情報G1の詳細な具体例を示す図である。
図6に示すように、
図6に示すトレーサビリティ提示情報G1は、ウェブページG11~G13を含む。
【0057】
ウェブページG11は、「商品基本情報」として、食品Fおよび産地の撮影画像、産地、生産者、および住所等の情報を含む。これらの情報は、生産者マスタおよび商品マスタから取得された情報に基づき生成される。
【0058】
ウェブページG12は、「トレーサビリティ情報」として、輸送ルートを示すマップ、通過地点の履歴、および温度管理に関する情報を含む。輸送ルートを示すマップ、通過地点の履歴は、取引情報TR1~TRnに含まれる通過位置情報D4、通過時刻D5に基づき生成される。温度管理に関する情報は、取引情報TR1~TRnに含まれる温度情報の履歴D6に基づき生成される。例えば、温度情報の履歴D6に含まれる温度の最大値が摂氏XX度を超過していなければ、温度管理に関する情報として、「摂氏XX度以内の輸送」、との情報が生成される。
【0059】
また、トレーサビリティ提示情報G2のウェブページG12は、温度管理に関する情報として、さらに、
図7に示す情報を含んでいてもよい。
図7は、温度管理に関する情報の具体例を示す図である。
図7に示す温度管理に関する情報は、食品Fに付帯するタグTに含まれる温度センサが測定した温度の経時変化を示すグラフである。当該グラフは、取引情報TR1~TRnに含まれる温度情報の履歴D6に基づき生成される。
【0060】
ウェブページG13は、「おいしい食べ方」として、食品Fのレシピを示す動画像、下ごしらえ、保存方法等に関する情報を含む。これらの情報は、商品マスタから取得された情報に基づき生成される。
【0061】
同様に、
図5に示すように、トレーサビリティ提示情報G2は、ウェブページG21~G23を含む。ウェブページG21~G23は、ウェブページG11~G13に含まれる情報のレイアウト、文字色、背景色、等を変更したものであってもよい。また、ウェブページG21~G23は、ウェブページG11~G13に含まれない情報を含んでいてもよい。また、ウェブページG21~G23には、ウェブページG11~G13が含む情報が全て含まれていなくてもよい。
【0062】
ステップS19において、出力用端末90は、管理サーバ10から受信したトレーサビリティ提示情報を表示する。例えば、出力用端末90は、複数のトレーサビリティ提示情報を選択可能に表示する。ここでは、
図5に示した確認画面G10が表示されたとする。
【0063】
ステップS20において、出力用端末90は、トレーサビリティ提示情報をカスタマイズするための小売業者の操作を受け付ける。例えば、出力用端末90は、トレーサビリティ提示情報を選択するための小売業者の操作を受け付ける。ここでは、確認画面G10に含まれるUIオブジェクトG14、G24の何れかに対する操作が受け付けられたものとする。出力用端末90は、小売業者の操作を示す情報を、管理サーバ10に送信する。
【0064】
ステップS21において、管理サーバ10の生成部12は、小売業者の操作に応じて、トレーサビリティ提示情報をカスタマイズする。この例では、管理サーバ10の生成部12は、小売業者の操作に応じて、複数のトレーサビリティ提示情報の何れかを選択することにより、カスタマイズを行う。
【0065】
ステップS22において、管理サーバ10の出力部13は、選択したトレーサビリティ提示情報に需要者がアクセスするためのアクセス情報を、出力用端末90に出力する。例えば、出力部13は、当該アクセス情報を、食品Fに付帯可能な態様で出力してもよい。付帯可能な態様とは、例えば、印刷可能な態様であってもよい。
【0066】
ステップS23において、出力用端末90は、受信したアクセス情報を表示する。また、アクセス情報が、印刷可能な態様である場合、出力用端末90は、小売業者の操作に基づいて、アクセス情報を印刷装置91に出力することにより、印刷媒体に印刷する。印刷媒体は、例えば、食品Fまたは食品Fの包装体に貼り付けるためのシール用紙、または、包装体自体であってもよい。例えば、アクセス情報は、トレーサビリティ提示情報を閲覧可能なネットワーク上のアドレス(例えば、URI:Uniform Resource Identifier、URL:Uniform Resource Locator等)を含んでいてもよい。そのようなアドレスは、二次元コードで表されていてもよいし、文字列で表されていてもよい。このように、アクセス情報は、需要者が利用する端末によって読み取り可能な態様であることが望ましい。これにより、需要者は、タグTから情報を読み取り可能な端末を有している必要はなく、アクセス情報を読み取り可能な端末を有していればよい。例えば、二次元コードであれば、カメラを有する端末であれば読み取り可能である。ただし、アクセス情報は、上述した例に限定されない。
【0067】
このようにして、
図5に示すように、小売業者は、確認画面G10において選択したトレーサビリティ提示情報に対応するUIオブジェクトG14またはG24を操作することにより、アクセス情報Qの印刷物を得ることができる。小売業者は、アクセス情報Qの印刷物を食品Fに付して、店舗に陳列してもよい。また、小売業者は、アクセス情報Qの印刷物を、店舗に陳列した食品Fの近傍に掲示してもよい。
【0068】
このように、需要者は、食品Fに付された、または近傍に掲示されたアクセス情報Qを参照して、トレーサビリティ提示情報にアクセスすることができる。例えば、アクセス情報QがURLを示す二次元コードである場合、需要者は、端末(図示せず)のカメラを用いて二次元コードからURLを読み取り、読み取ったURLにブラウザでアクセスする。これにより、需要者は、当該食品Fに関するトレーサビリティ提示情報にアクセスすることができる。
【0069】
<本実施形態の効果>
上記構成によれば、管理サーバ10は、各読取用端末80-iが食品Fに付帯するタグTから読み取ったUIDと、当該端末の位置情報と、読取日時とを含む読取情報を受信し、読取情報を含む取引情報TRiを第1データベースDB1に記録する。また、第2データベースDB2には、上流側ノード関連情報と、タグTのUIDとが関連付けられた紐づけ情報が、管理端末70によって登録されている。これにより、第1データベースDB1に取引情報TRiを蓄積するためには、各ノード(取引者)が、食品Fに付帯する単一のタグTから情報を読み取る操作を読取用端末80-iを用いて行えばよく、取引の度に上流側ノード関連情報(例えば、生産者情報または商品情報等)といった煩雑な情報入力操作等を行う必要はない。
【0070】
また、上記構成によれば、管理サーバ10は、第1データベースDB1および第2データベースDB2を参照して、食品Fを小売業者(下流側ノード)から購入可能な需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する。また、管理サーバ10は、トレーサビリティ提示情報に需要者がアクセスするためのアクセス情報を、小売業者が使用する出力用端末90に出力する。これにより、小売業者は、アクセス情報を需要者に提示することができ、需要者は、トレーサビリティ提示情報にアクセスしやすくなる。その結果、トレーサビリティ情報の蓄積および開示を行うことができる。
【0071】
また、上記構成によれば、管理サーバ10は、アクセス情報を、食品Fに付帯可能な態様(例えば、印刷可能な態様)で出力する。これにより、小売業者は、アクセス情報を印刷して食品Fに貼付する等、アクセス情報を食品Fに付帯させることができる。その結果、食品Fの購入を検討する需要者、および食品Fを購入した需要者が、トレーサビリティ提示情報にさらにアクセスしやすくなる。
【0072】
また、上記構成によれば、管理サーバ10は、出力用端末90に対する小売業者の操作に応じて、トレーサビリティ提示情報をカスタマイズする。例えば、管理サーバ10は、複数のトレーサビリティ提示情報を生成し、何れかを小売業者の操作に基づき選択することにより、カスタマイズを行う。これにより、小売業者は、自身が販売対象とする需要者に適したトレーサビリティ提示情報を採用することができ、需要者の満足度が向上する。
【0073】
また、上記構成によれば、食品Fに付帯させるセンサとして、タグTに含まれる温度センサを適用している。これにより、温度情報に関するトレーサビリティ情報を需要者に提示することができ、輸送中の温度管理が重要となる食品F(生鮮食品(青果、鮮魚、水産物)、酒、冷凍食品等)に好適である。
【0074】
また、上記構成によれば、食品Fに付帯させる媒体として、温度センサと、温度情報の履歴を記憶するメモリを含むタグTを採用している。これにより、食品Fが各ノードを通過する時点で測定された温度だけでなく、その時点までの温度情報の履歴が、第1データベースDB1に記録される。その結果、温度情報の経時変化をより詳細に需要者に提示することができ、需要者の満足度がさらに向上する。
【0075】
また、上記構成によれば、取引情報TRiを記録するデータベースとして、ブロックチェーンシステムを採用している。これにより、取引情報TRiの追跡可能性、耐改ざん性および透明性が担保されるので、トレーサビリティ提示情報の信頼性が向上する。また、紐づけ情報のハッシュ値を、ブロックチェーンシステムに記録している。これにより、紐づけ情報の改ざん耐性を高めることができる。
【0076】
〔変形例1〕
上述した実施形態において、読取情報は、第1データベースDB1に格納される代わりに第2データベースDB2に格納され、紐づけ情報は、第2データベースDB2に格納される代わりに第1データベースDB1に格納されてもよい。本変形例では、取得部11は、読取用端末80-iから取得した読取情報を、第2データベースDB2に記録する。また、取得部11は、当該読取情報のハッシュ値を生成して、第1データベースDB1に記録する。なお、読取情報のハッシュ値とは、読取情報を含む取引情報TRiのハッシュ値であってもよい。このように変形した場合も、読取情報は、そのハッシュ値がブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースDB1に記録されるので、上述した実施形態と同様に、改ざん耐性を有する。
【0077】
〔変形例2〕
上述した情報処理システム1は、
図8のように変形可能である。
図8は、本変形例に係る情報処理システム1Aの構成を示すブロック図である。
図8に示すように、情報処理システム1Aは、情報処理システム1とほぼ同様に構成される。ただし、管理サーバ10に替えて管理サーバ10Aを含む点と、データベースDB100に替えてデータベースDB100aを含む点と、さらに収集サーバ20Aを含む点と、が異なる。データベースDB100aは、第1データベースDB1aと、第2データベースDB2aと、第3データベースDB3aと、を含む。第1データベースDB1aは、ブロックチェーンシステムによって構成される。第2データベースDB2aは、第1データベースDB1aとは異なるデータベースである。第3データベースDB3aは、第1データベースDB1aおよび第2データベースDB2aの何れとも異なるデータベースである。
【0078】
管理サーバ10Aは、上述した管理サーバ10とほぼ同様に構成されるが、取得部11に替えて取得部11Aを含む点が異なる。取得部11Aの詳細については後述する。収集サーバ20Aは、制御部210と、記憶部220と、通信部230とを含む。制御部210は、収集サーバ20Aの各部を統括して制御する。記憶部220は、制御部210が使用する各種のデータを記憶する。通信部230は、ネットワークN1または他のネットワークを介して外部の装置との通信を行う。
【0079】
紐づけ情報は、第1データベースDB1aに格納されている。第3データベースDB3aには、収集サーバ20Aによって収集された読取情報が格納される。
【0080】
以上のように情報処理システム1Aを構成することにより、情報処理方法S1は、次のように変形される。
【0081】
ステップS11、S13、S15において、読取用端末80-iは、タグTから読み取ったタグ識別情報と、自装置の位置情報と、読取日時とを含む読取情報を、収集サーバ20Aに送信する。なお、前述したように、読取情報には、温度情報の履歴が含まれていてもよい。
【0082】
ステップS12、S14、S16において、収集サーバ20Aの取得部21Aは、取得した読取情報を、第3データベースDB3aに記録する。
図2の例では、読取情報は、タグ識別情報D1と、通過位置情報D4と、通過時刻D5(読取日時)と、温度情報の履歴D6と、を関連付けた情報を含む。
【0083】
また、管理サーバ10の取得部11Aは、第3データベースDB3aから、読取情報を取得して第2データベースDB2aに記録する。また、取得部11Aは、読取情報のハッシュ値を生成し、第1データベースDB1aに記録する。具体的には、取得部11Aは、取得した読取情報と、第1データベースDB1aに格納された紐づけ情報と、を参照して、取引情報TRiを生成し、第2データベースDB2aに記録する。例えば、取得部11Aは、第3データベースDB3aから読取情報を取得する。また、取得部11Aは、読取情報に含まれるタグ識別情報に関連付けられた生産者識別情報および商品識別情報を、第1データベースDB1aの紐づけ情報を参照して取得する。これにより、取得部11Aは、読取情報と、生産者識別情報と、商品識別情報とを含む取引情報TRiを生成し、第2データベースDB2aに記録することができる。また、取得部11Aは、取引情報TRiのハッシュ値を、第1データベースDB1aに記録してもよい。
【0084】
なお、管理サーバ10の取得部11Aの動作は、必ずしも、ステップS12、S14、S16にそれぞれ続いて行われなくてもよい。例えば、取得部11Aは、所定間隔またはスケジュールに従って、読取情報が第3データベースDB3aに記録されるタイミングとは非同期に、第3データベースDB3aから読取情報を取得してもよい。その他のステップについては、前述した通りである。
【0085】
なお、本変形例において、第3データベースDB3aと、管理サーバ10Aとの間に、さらに、他のデータベースが介在してもよい。他のデータベースは、例えば、ukabis(スマートフードチェーンプラットフォーム)に含まれるものであってもよい。この場合、取得部11Aは、第3データベースDB3aから読取情報を取得して蓄積する他のデータベースから、当該読取情報を取得して第2データベースDB2aに記録してもよい。
【0086】
本変形例は、読取用端末80-iから読取情報を収集する処理を収集サーバ20Aが担うことで、管理サーバ10Aの負荷を軽減することができる。また、第3データベースDB3aに記憶される読取情報に保存期間が設定されている場合にも、当該読取情報を第2データベースDB2aに確実に格納して、トレーサビリティ提示情報の生成に用いることができる。また、本変形例は、読取情報を第1データベースDB1aに記録せずにそのハッシュ値を記録することで、運用コストの高いブロックチェーンシステムに記録する情報の容量を低減しつつも、読取情報の改ざん耐性を保つことができる。
【0087】
〔変形例3〕
上述した情報処理システム1は、
図9のように変形可能である。
図9は、本変形例に係る情報処理システム1Bの構成を説明するブロック図である。
図9に示すように、に係る情報処理システム1Bは、情報処理システム1とほぼ同様に構成される。ただし、管理サーバ10に替えて管理サーバ10Bを含む点と、読取用端末80-iに替えて読取用端末80B-iを含む点と、データベースDB100に替えてデータベースDB100bを含む点と、が異なる。データベースDB100bは、第1データベースDB1bおよび第2データベースDB2bを含む。第1データベースDB1bおよび第2データベースDB2bは、第1データベースDB1および第2データベースDB2とほぼ同様に構成される。ただし、第1データベースDB1bにおける読取情報は、読取用端末80-iの取得部11Bによって格納される点が異なる。
【0088】
読取用端末80B-iは、読取用端末80-iとほぼ同様に構成されるが、制御部810が取得部11Bを含む点が異なる。管理サーバ10Bは、管理サーバ10とほぼ同様に構成されるが、取得部11を含まない点が異なる。
【0089】
以上のように情報処理システム1Bを構成することにより、情報処理方法S1は、次のように変形される。
【0090】
ステップS11、S13、S15において、読取用端末80B-iの取得部11Bは、タグTから読み取ったタグ識別情報および温度情報の履歴と、自装置の位置情報(通過位置情報)と、読み取った時刻(通過時刻)とを関連付けた取引情報TRiを、ネットワークN1を介して第1データベースDB1bに記録する。
【0091】
これにより、第1データベースDB1bに記録される取引情報TRiは、
図2に示した情報のうち、タグ識別情報D1と、通過位置情報D4と、通過時刻D5と、温度情報の履歴D6と、を含む。
【0092】
本変形例では、ステップS12、S14、S16は省略される。その他のステップについては、前述した通りである。
【0093】
本変形例は、管理サーバ10Bに取得部を含めないことにより、管理サーバ10Bの負荷を軽減することができる。
【0094】
〔変形例4〕
上述した実施形態に係る情報処理システム1は、
図10に示すように変形可能である。
図10は、本変形例に係る情報処理システム1Cの構成を説明するブロック図である。
図10に示すように、情報処理システム1Cは、情報処理システム1とほぼ同様に構成される。ただし、データベースDB100の代わりにデータベースDB100cを含む点が異なる。データベースDB100cは、第1データベースDB1cを含む。第1データベースDB1cは、ブロックチェーンシステムによって構成される。第1データベースDB1cには、紐づけ情報が格納されている。また、取得部11は、読取用端末80-iから取得した読取情報を、当該第1データベースDB1cに記録する。その他の点については、情報処理システム1と同様に構成されるため、詳細な説明を繰り返さない。本変形例は、上述した実施形態と同様に、紐づけ情報および読取情報の改ざん耐性を高めることができ、トレーサビリティ提示情報の信頼性を向上させることができる。
【0095】
〔変形例5〕
上述した実施形態に係る情報処理システム1は、
図11に示すように変形可能である。
図11は、本変形例に係る情報処理システム1Dの構成を説明するブロック図である。
図11に示すように、情報処理システム1Dは、情報処理システム1とほぼ同様に構成される。ただし、管理サーバ10に替えて管理サーバ10Dを含む点と、データベースDB100に替えてデータベースDB100dを含む点と、が異なる。
【0096】
管理サーバ10Dは、管理サーバ10とほぼ同様に構成されるが、取得部11に替えて取得部11Dを含む点が異なる。取得部11Dの詳細については後述する。
【0097】
データベースDB100dは、第1データベースDB1dと、第1データベースDB1dとは異なる第2データベースDB2dと、第1データベースDB1dとは異なる第3データベースDB3dと、を含む。第1データベースDB1dは、ブロックチェーンシステムによって構成される。第2データベースDB2dおよび第3データベースDB3dは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。紐づけ情報は、第3データベースDB3dに格納されている。紐づけ情報のハッシュ値は、第1データベースDB1dに格納されている。
【0098】
以上のように情報処理システム1Dを構成することにより、情報処理方法S1は、次のように変形される。ステップS12、S14、S16において、管理サーバ10Dの取得部11Dは、取得した読取情報を、第2データベースDB2dに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を第1データベースDB1dに記録する。
【0099】
本変形例は、読取情報および紐づけ情報を第1データベースDB1aに記録せずにそのハッシュ値を記録することで、運用コストの高いブロックチェーンシステムに記録する情報の容量を低減しつつも、読取情報の改ざん耐性を保つことができる。
【0100】
〔変形例6〕
上述した変形例2に係る情報処理システム1Aは、
図12に示すように変形可能である。
図12は、本変形例に係る情報処理システム1Eの構成を説明するブロック図である。
図12に示すように、情報処理システム1Eは、変形例2に係る情報処理システム1Aとほぼ同様に構成される。ただし、管理サーバ10Aに替えて管理サーバ10Eを含む点と、データベースDB100aに替えてデータベースDB100eを含む点と、が異なる。
【0101】
管理サーバ10Eは、管理サーバ10Aとほぼ同様に構成されるが、取得部11Aに替えて取得部11Eを含む点が異なる。取得部11Eの詳細については後述する。
【0102】
データベースDB100eは、第1データベースDB1eと、第2データベースDB2eと、第3データベースDB3eと、第4データベースDB4eと、を含む。第1データベースDB1eは、ブロックチェーンシステムによって構成される。第2データベースDB2eは、第1データベースDB1eとは異なる。第3データベースDB3eは、第1データベースDB1eとは異なる。第2データベースDB2eおよび第3データベースDB3eは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。第4データベースDB4eは、第1データベースDB1e、第2データベースDB2e、および第3データベースDB3eの何れとも異なる。
【0103】
紐づけ情報は、第3データベースDB3eに格納されている。また、紐づけ情報のハッシュ値が、第1データベースDB1eに格納されている。第4データベースDB4eには、収集サーバ20Aによって収集された読取情報が格納される。
【0104】
以上のように情報処理システム1Eを構成することにより、情報処理方法S1は、次のように変形される。ステップS12、S14、S16において、管理サーバ10Eの取得部11Eは、第4データベースDB4eから読取情報を取得して第2データベースDB2eに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を第1データベースDB1eに記録する。
【0105】
本変形例は、読取用端末80-iから読取情報を収集する処理を収集サーバ20Aが担うことで、管理サーバ10Aの負荷を軽減することができる。また、第4データベースDB4eに記憶される読取情報に保存期間が設定されている場合にも、当該読取情報を第2データベースDB2eに確実に格納して、トレーサビリティ提示情報の生成に用いることができる。また、本変形例は、読取情報および紐づけ情報を第1データベースDB1aに記録せずにそのハッシュ値を記録することで、運用コストの高いブロックチェーンシステムに記録する情報の容量を低減しつつも、読取情報および紐づけ情報の改ざん耐性を保つことができる。
【0106】
〔変形例7〕
上述した実施形態において、情報処理システム1は、物品の包装体を回収するためのシステムに変形することができる。この場合、タグTは、物品の包装体に付帯される。あるいは、タグTの代わりに、媒体識別情報を有する媒体Tが物品の包装体に付されてもよい。また、媒体識別情報が印刷可能な態様である場合、媒体Tは、媒体識別情報が印刷された包装体であってもよい。
【0107】
本変形例では、管理サーバ10の紐づけ部14は、物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報であって、物品の包装体の回収先を示す情報を含む上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する。また、取得部11は、少なくとも読取用端末80-1および80-nのそれぞれが、物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得して第1データベースDB1に記録する。また、生成部12は、紐づけ情報および読取情報を参照して、包装体の回収先を示す情報を含むトレーサビリティ提示情報を生成する。
【0108】
具体例として、物品が食品Fであり、媒体Tが、二次元コード(媒体識別情報の一例)が印刷された包装体である例について説明する。また、上流側ノードは、包装体メーカである例について説明する。換言すると、読取用端末80-1は、包装体メーカが利用する端末である。また、包装体の回収先は、包装体メーカである例について説明する。
【0109】
この場合、管理端末70において、包装体に印刷された二次元コードと、回収先としての包装体メーカに関する情報を含む上流側ノード関連情報と、が入力されると、これらを紐づけた紐づけ情報が、第2データベースDB2に記憶される。二次元コードが印刷された包装体は、生産者に配布される。生産者は当該包装体を用いて食品Fを包装し、出荷する。食品Fは、中間業者により順次取引され、小売業者に入荷される。
【0110】
小売業者は、読取用端末80-nを用いて、入荷した食品Fの包装体から二次元コードを読み取る。トレーサビリティ提示情報には、回収先としての包装体メーカの情報が含まれる。小売業者は、トレーサビリティ提示情報を参照することにより、包装体の回収先である包装体メーカを知ることができる。また、出力部13は、包装体の回収先を含む配送伝票を、印刷可能な態様で出力してもよい。これにより、小売業者は、回収先に包装体を容易に返送することができる。包装体メーカは、回収した包装体をリサイクルして新たな包装体を生成してもよいし、回収した包装体を洗浄してリユースしてもよい。
【0111】
なお、包装体の回収先は、必ずしも包装体メーカに限られない。例えば、上流側ノード関連情報は、包装体メーカとは異なるリサイクル業者を示す情報、または、包装体の原料を示す情報、等を含んでいてもよい。この場合、小売業者は、トレーサビリティ提示情報を参照することで、回収先のリサイクル業者、または、包装体の原料に応じた回収先を知ることができる。
【0112】
また、本変形例において、読取用端末80-1~80-nのうち、少なくとも読取用端末80-1と、読取用端末80-nとが読取情報を読み取ればよく、中間のノード(この例では、生産者、中間業者)は、必ずしも読取情報を読み取らなくてもよい。換言すると、包装体メーカが読取用端末80-1を利用し、小売業者が読取用端末80-2を利用するのであってもよい。
【0113】
また、本変形例において、包装体メーカが生産した包装体に、包装体メーカとは異なる業者が媒体Tを付帯させる(例えば二次元コードを印刷する)としてもよい。この場合、媒体Tを付帯させる業者が、読取用端末80-1を利用してもよい。
【0114】
〔その他の変形例〕
上述した実施形態において、管理サーバ10の各機能ブロックは、第1データベースDB1に含まれる複数の分散ノードのそれぞれに含まれていてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態では、上流側ノードが、最上流の生産者である例について説明した。ただし、上流側ノードは、タグTが付された食品Fを最初に取り扱うノード、例えば、食品FにタグTを付す作業を行うノードであれば、最上流のノードでなくてもよい。例えば、上流側ノードは、中間業者としての加工業者であってもよい。
【0116】
また、下流側ノードが、最下流の小売業者である例について説明した。ただし、下流側ノードは、需要者に食品Fを販売可能な中間業者であれば、最下流のノードでなくてもよい。例えば、下流側ノードは、中間業者としての卸業者であってもよい。
【0117】
紐づけ情報を取得するタイミングは、最下流のノードが使用する前記読取用端末から前記読取情報を前記取得部が取得する前であってもよい。
【0118】
また、上述した実施形態において、タグTは、温度センサを含むもの(温度ロガータグ)に限らず、温度センサに替えて、または加えて、その他のセンサを含むものであってもよい。この場合、読取情報は、タグ識別情報、読取用端末80-iの位置情報、読取日時に加えて、食品Fに付帯するその他のセンサから取得したセンサ情報をさらに含んでもよい。その他のセンサとしては、輸送中の食品Fについて管理が重要となる情報を検出するセンサであることが望ましい。そのようなセンサとしては、例えば、湿度センサ、振動センサ等が挙げられるが、これらに限られない。この場合、タグTのメモリには、その他のセンサ情報の履歴が記憶される。これにより、需要者に対して、センサ情報に係るトレーサビリティ情報を提示することができる。
【0119】
また、上述した実施形態において、タグTに替えて、媒体識別情報を含む媒体と、センサとが、別体として食品Fに付帯されていてもよい。この場合、読取用端末80-iは、媒体識別情報と、センサ情報とを読み取って、自装置の位置情報と共に管理サーバ10に送信する。これにより、第1データベースDB1には、少なくとも、食品Fが各ノードを通過した地点で検出されたセンサ情報を含む取引情報TRiが記録される。これにより、需要者に対して、各ノードを通過した地点でのセンサ情報に係るトレーサビリティ情報を提示することができる。
【0120】
また、上述した実施形態において、各ノードは、読取用端末80-iを用いて、食品Fの入荷および出荷の一方に限らず、両方において、タグTから情報を読み取る操作を行ってもよい。また、各ノードは、読取用端末80-iを用いて、入荷および出荷の際に限らず、入荷してから出荷するまでの間の任意の時点において、タグTから情報を読み取る操作を行ってもよい。また、各ノードが、入荷してから出荷するまでの間に、読取用端末80-iを用いてタグTから読取を行う操作の回数は、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
【0121】
また、上述した実施形態において、中間業者の一部または全部が、読取用端末80-iを所持していなくてもよく、または、読取用端末80-iを用いたタグTからの読み取りの操作を行わなくてもよい、この場合であっても、第1データベースDB1には、少なくとも生産者が出荷する時点の取引情報TR1と、少なくとも小売業者が入荷する時点の取引情報TRnが記録される。そして、取引情報TR1には、生産者がタグTを起動してから食品Fを出荷するまでの温度情報の履歴が格納されており、取引情報TRnには、生産者がタグTを起動してから小売業者が食品Fを入荷するまでの温度情報の履歴が格納されている。その結果、需要者に提示するためのトレーサビリティ提示情報に、上述した実施形態と同様に、詳細な温度情報の履歴を含めることができる。
【0122】
また、上述した実施形態において、管理サーバ10の生成部12は、複数のトレーサビリティ提示情報の何れかを小売業者の操作に応じて選択することにより、カスタマイズを行うものと説明した。ただし、トレーサビリティ提示情報をカスタマイズする手法は、これに限られない。例えば、生成部12は、トレーサビリティ提示情報を構成可能な複数のレイアウト部品を生成し、小売業者の操作に応じてレイアウト部品を配置することにより、トレーサビリティ提示情報をカスタマイズしてもよい。これにより、小売業者が販売対象とする需要者により適したトレーサビリティ提示情報を生成することができる。
【0123】
また、上述した実施形態において、アクセス情報は、食品Fに付帯可能な態様でなくてもよい。例えば、アクセス情報(二次元コード等)は、小売業者の店舗において食品Fの近傍に掲示可能な態様であってもよい。
【0124】
また、上述した実施形態において、食品Fに付されたタグTは、小売業者による販売前に取り除かれてもよい。この場合、タグTは、回収され、再利用されてもよいし、廃棄されてもよい。
【0125】
また、上述した実施形態において、第1データベースDB1、DB1a、DB1b、DB1c、DB1d、DB1eの代わりに、他のデータベースシステムを用いてもよい。例えば、そのような他のデータベースシステムは、リレーショナルデータベースであってもよいが、これに限られない。
【0126】
上述した実施形態および変形例1において、情報処理システム1、1Aは、少なくとも管理サーバ10、10Aを含んでいればよく、その他の装置およびデータベースの一部または全部は、情報処理システム1、1Aの外部に配置されてもよい。また、変形例2において、情報処理システム1Bは、少なくとも管理サーバ10Bおよび読取用端末80B-iを含んでいればよく、その他の装置およびデータベースの一部または全部は、情報処理システム1Bの外部に配置されてもよい。
【0127】
上述した実施形態および各変形例において、食品Fの代わりにその他の物品を適用してもよい。
【0128】
〔まとめ〕
本実施形態の態様1に係る情報処理システムは、物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、前記物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する紐づけ部と、前記複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末が、前記物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベースに記録する取得部と、前記紐づけ情報および前記読取情報を参照して、前記物品の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する生成部と、を含む。
【0129】
上記構成によれば、トレーサビリティ提示情報を生成するために参照する紐づけ情報および読取情報のうち、紐づけ情報は、管理端末から取得される。また、読取情報は、各ノードが使用する読取用端末が、物品に付帯する媒体およびセンサから情報を読み取ることで、第1データベースに蓄積される。これにより、複数のノードは、読取用端末を用いて媒体およびセンサから情報を読み取るだけでよく、生産者情報または商品情報等の煩雑な情報の入力を行う必要がない。その結果、取引者の手間を軽減しながら、トレーサビリティ情報の蓄積および開示を行うことができる。
【0130】
また、本実施形態の態様2に係る情報処理システムは、態様1において、前記紐づけ部は、前記上流側ノードが使用する前記読取用端末から前記読取情報を前記取得部が取得する前に、前記紐づけ情報を取得する。
【0131】
上記構成によれば、複数のノードのそれぞれにおいて取引者が読取用端末を用いて読取情報を読み取る際には、既に紐づけ情報が取得されているので、取引者の手間を確実に軽減することができる。
【0132】
また、本実施形態の態様3に係る情報処理システムは、態様1または2において、前記トレーサビリティ提示情報に前記需要者がアクセスするためのアクセス情報を、前記複数のノードのうち下流側ノードが使用する出力用端末に出力する出力部と、をさらに含む。
【0133】
上記構成によれば、トレーサビリティ提示情報に需要者がアクセスするためのアクセス情報が出力されるので、需要者は、トレーサビリティ提示情報にアクセスしやすくなる。その結果、トレーサビリティ情報の蓄積および開示を行うことができる。
【0134】
また、本実施形態の態様4に係る情報処理システムは、態様3において、前記出力部は、前記アクセス情報を、前記物品に付帯可能な態様で出力する。
【0135】
上記構成によれば、需要者は、物品に関するトレーサビリティ提示情報にさらにアクセスしやすくなる。
【0136】
また、本実施形態の態様5に係る情報処理システムは、態様3または態様4において、前記生成部は、前記出力用端末に対するユーザ操作に応じて、前記トレーサビリティ提示情報をカスタマイズする。
【0137】
上記構成によれば、下流側ノードは、需要者に適したトレーサビリティ提示情報を採用することができ、需要者の満足度が向上する。
【0138】
また、本実施形態の態様6に係る情報処理システムは、態様1から態様5の何れか1つにおいて、前記読取情報は、前記物品に付帯するセンサから取得したセンサ情報をさらに含む。
【0139】
上記構成によれば、物品に付帯するセンサが取得したセンサ情報を需要者に提示することができ、需要者の満足度がさらに向上する。
【0140】
また、本実施形態の態様7に係る情報処理システムは、態様6において、前記センサは、温度センサである。
【0141】
上記構成によれば、輸送中の温度管理が重要となる物品に好適である。
【0142】
また、本実施形態の態様8に係る情報処理システムは、態様6または態様7において、前記媒体は、前記センサと、前記センサ情報の履歴を記憶するメモリを含み、前記読取情報は、前記センサ情報の履歴をさらに含む。
【0143】
上記構成によれば、センサ情報の経時変化をより詳細に需要者に提示することができ、需要者の満足度がさらに向上する。
【0144】
また、本実施形態の態様9に係る情報処理システムは、態様1から態様8の何れか1つにおいて、前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成され、前記紐づけ情報は、前記データベースに格納されている。
【0145】
上記構成によれば、データベースに記録される紐づけ情報および読取情報の追跡可能性、耐改ざん性、透明性が担保されるので、トレーサビリティ提示情報の信頼性が向上する。
【0146】
また、本実施形態の態様10に係る情報処理システムは、態様1から態様8の何れか1つにおいて、前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、を含み、前記紐づけ情報は、前記第2データベースに格納されており、前記紐づけ情報のハッシュ値が、前記第1データベースに格納されており、前記取得部は、前記読取情報を前記第1データベースに記録する。
【0147】
上記構成によれば、紐づけ情報および取引情報の改ざん耐性を高めることができる。
【0148】
また、本実施形態の態様11に係る情報処理システムは、態様1から態様8の何れか1つにおいて、前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、を含み、前記紐づけ情報は、前記第1データベースに格納され、前記取得部は、前記読取情報を前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する。
【0149】
上記構成によれば、紐づけ情報および取引情報の改ざん耐性を高めることができる。
【0150】
また、本実施形態の態様12に係る情報処理システムは、態様1から態様8の何れか1つにおいて、前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、前記第1データベースとは異なる第3データベースと、を含み、前記紐づけ情報は、前記第3データベースに格納されており、前記紐づけ情報のハッシュ値が、前記第1データベースに格納されており、前記取得部は、前記読取情報を前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する。
【0151】
上記構成によれば、紐づけ情報および取引情報の改ざん耐性を高めることができる。
【0152】
また、本実施形態の態様13に係る情報処理システムは、態様1から態様8の何れか1つにおいて、前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、前記第1データベースおよび前記第2データベースの何れとも異なる第3データベースと、を含み、前記紐づけ情報は、前記第1データベースに格納されており、前記第3データベースには、収集サーバによって収集された前記読取情報が格納され、前記取得部は、前記第3データベースから前記読取情報を取得して前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する。
【0153】
上記構成によれば、読取用端末から読取情報を収集する負荷を減らしながら、紐づけ情報および取引情報の改ざん耐性を高めることができる。
【0154】
また、本実施形態の態様14に係る情報処理システムは、態様1から態様8の何れか1つにおいて、前記データベースは、ブロックチェーンシステムによって構成される第1データベースと、前記第1データベースとは異なる第2データベースと、前記第1データベースとは異なる第3データベースと、前記第1データベース、前記第2データベース、および前記第3データベースの何れとも異なる第4データベースと、を含み、前記紐づけ情報は、前記第3データベースに格納されており、前記紐づけ情報のハッシュ値が、前記第1データベースに格納されており、前記第4データベースには、収集サーバによって収集された前記読取情報が格納され、前記取得部は、前記第4データベースから前記読取情報を取得して前記第2データベースに記録するとともに、当該読取情報のハッシュ値を前記第1データベースに記録する。
【0155】
上記構成によれば、読取用端末から読取情報を収集する負荷を減らしながら、紐づけ情報および取引情報の改ざん耐性を高めることができる。
【0156】
また、本実施形態の態様15に係る情報処理方法は、物品に付帯させるための媒体を識別する媒体識別情報と、前記物品のサプライチェーンに含まれる複数のノードのうち上流側ノードに関連する上流側ノード関連情報と、を紐づけた紐づけ情報を、管理端末から取得する紐づけステップと、前記複数のノードのそれぞれが使用する読取用端末が、前記物品に付帯する媒体から読み取った媒体識別情報と、当該読取用端末の位置情報と、読取日時と、を含む読取情報を取得してデータベースに記録する取得ステップと、前記紐づけ情報および前記読取情報を参照して、前記物品の需要者向けのトレーサビリティ提示情報を生成する生成ステップと、を含む。
【0157】
上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0158】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム1、1A、1B、1C、1D、1Eを構成する各装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部110、210、810に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0159】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0160】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0161】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0162】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0163】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0164】
1、1A、1B、1C、1D、1E 情報処理システム
10、10A、10B、10D、10E 管理サーバ
11、11A、11B、11D、11E、21A 取得部
12 生成部
13 出力部
20A 収集サーバ
80-i 各読取用端末
90 出力用端末
91 印刷装置
110、210、810、910 制御部
120、220、820、920 記憶部
130、230、830、930 通信部
840 無線通信部
850 測位信号受信部
940 入力部
950 表示部