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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146341
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
B65B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059180
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】早川 智敬
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 涼太郎
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BB04
3E003BC05
3E003BD01
3E003BE01
3E003DA01
3E003DA02
3E003DA05
(57)【要約】
【課題】 箱に引っかかることなく集積品をスムーズに確実に箱詰めする箱詰め装置を提供する。
【構成】 底面部25が搬送方向に沿って傾斜したバケット20を備えるバケットコンベア装置12と、バケットコンベア装置の搬出側の右側方に配置され、搬送方向に対して直交する方向に前後進移動する製品収容部30を有するシャトル渡りレール装置17と、抜き出し位置で一時停止するバケットに収納された集積品2をプッシャー部材46で押し出して製品収容部に引き渡すプッシャー装置18を備える。製品収容部の搬送面31は、バケットの底面部にあわせて傾斜する。集積品を載せた製品収容部が前進して箱3内にいる状態で、プッシャー部材が箱の開口する側面側で一時停止し、その一時停止した状態で製品収容部を後退移動させることで、製品収容部上の集積品を箱内に落下供給し得るように構成する。
【選択図】 図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の製品が集積された集積品を収納するバケットを備えるバケットコンベア装置と、
前記バケットコンベア装置の搬出側の側方に配置され、搬送方向に対して直交する方向に前後進移動する製品収容部を有する渡り装置と、
前記渡り装置への抜き出し位置で一時停止する前記バケットに収納された前記集積品をプッシャー部材で押し出して前記渡り装置に引き渡すプッシャー装置を備え、
前記渡り装置は、前端位置では前記製品収容部の少なくとも前方側が、側面が開口する箱の内部に進入し、後方位置では前記抜き出し位置で待機する前記バケット内から押し出される前記集積品を受取可能な場所に位置するように構成し、
前記製品収容部の前記集積品が相対移動する搬送面は、少なくとも前記箱の内部に進入する部位が左右方向に傾斜し、
前記製品収容部が前端位置にいる状態で、前記プッシャー部材が前記箱の前記開口する側面側で一時停止し、その一時停止した状態で前記製品収容部を後退移動させることで、前記製品収容部上の前記集積品を前記箱内に落下供給し得るように構成する
箱詰め装置。
【請求項2】
前記バケットの底部は、前記搬送方向に対して直交する方向に複数のフリーローラが並列に配置されて構成される請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記製品収容部の前記搬送面は、前記製品収容部の移動方向に複数のフリーローラが並列に配置されて構成される請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記バケットの底部は、前記搬送方向に対して直交する方向に沿うように形成され、両端が開口する第1空間部を有し、
前記搬送面は、前記製品収容部の移動方向に沿うように形成され、両端が開口する第2空間部を有し、
前記抜き出し位置で一時停止する前記バケットの前記第1空間部と、前記第2空間部は同一直線上に位置し得るように構成し、
前記プッシャー部材の下端に、前記第1空間部並びに第2空間部内に進入可能な突部を備える請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記バケットの底部は、前記搬送方向に沿って傾斜し、
前記搬送面は、全長に渡り左右方向に傾斜し、前記搬送面の傾斜方向は前記バケットの底部の傾斜方向と同じにする
請求項1~4のいずれか1項に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記バケット内に前記製品を供給する移し替え手段を備え、
前記移し替え手段は、前記搬送方向に沿って前記製品の供給位置をずらし、前記集積品の全体の前記搬送方向の長さは、前記バケット内に収納された斜めの状態の平面視では前記箱の開口された幅以下に短く、水平に戻した状態では前記箱の開口された幅より長くなるように構成する請求項1に記載の箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱詰め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
側面が開口している箱に対し、側面から製品を供給し、平積み状態の製品群を箱内にセットする箱詰め装置として、例えば特許文献1に開示された装置がある。この特許文献1に開示された装置は、搬出端側が箱内に進入可能に前後進移動並びに上下移動する供給コンベアを備え、製品を供給コンベアに1個ずつ供給し、供給コンベアの先端を箱の中に挿入し、供給コンベアから1個ずつ製品を落下供給する。供給コンベアの先端位置を徐々に上昇させることで、1つ前に供給した製品の上に次の製品を落下供給し、複数の製品を平積状態で箱詰めするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3668889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された装置のように製品を1つずつ箱内に供給する構成では、生産性が悪く、単位時間あたりの処理数を多くすることが出来ない。そこで、本発明者らは、例えば前段階で複数の製品を平積みする行程を設け、平積みして形成される集積品の状態で箱内に横の開口部位から供給することを考えた。
【0005】
しかしながら、係る構成にした場合、例えば不定形製品であったり、横に位置ずれした状態で積み重なったりすると、平面視において集積品の横幅が単体の製品の横幅よりも広くなる。そして、広くなった集積品の横幅が箱の開口された部位の横幅よりも長くなると、集積品が箱の開口部に引っかかるなどしてスムーズに箱に供給できない。
【0006】
また、例えば製品の表面が濡れている場合、摩擦抵抗が大きくなり、例えばベルトコンベアのように搬送面が前進移動するようなことがなく、搬送面上に置かれた集積品をプッシャー部材で押し出して箱に供給しようとした場合、搬送面との間の摩擦により集積品をスムーズに押し出して供給することが困難となる。
【0007】
また、例えば製品が柔らかい場合、製品をストッパーやガイドに当てて位置を規制しようとすると、製品が曲がるおそれがあるため、係る位置の規制は行えない。よって、上述したように横に位置ずれした状態で積み重なるような事態が発生しても修正することが難しい。
【0008】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の箱詰め装置は、(1)複数の製品が集積された集積品を収納するバケットを備えるバケットコンベア装置と、前記バケットコンベア装置の搬出側の側方に配置され、搬送方向に対して直交する方向に前後進移動する製品収容部を有する渡り装置と、前記渡り装置への抜き出し位置で一時停止する前記バケットに収納された前記集積品をプッシャー部材で押し出して前記渡り装置に引き渡すプッシャー装置を備え、前記渡り装置は、前端位置では前記製品収容部の少なくとも前方側が、側面が開口する箱の内部に進入し、後方位置では前記抜き出し位置で待機する前記バケット内から押し出される前記集積品を受取可能な場所に位置するように構成し、前記製品収容部の前記集積品が相対移動する搬送面は、少なくとも前記箱の内部に進入する部位が左右方向に傾斜し、前記製品収容部が前端位置にいる状態で、前記プッシャー部材が前記箱の前記開口する側面側で一時停止し、その一時停止した状態で前記製品収容部を後退移動させることで、前記製品収容部上の前記集積品を前記箱内に落下供給し得るように構成した。
【0010】
プッシャー部材によりバケットから押し出された集積品は、製品収容部に移し替えられ、製品収容部が前進移動すると、それに追従して集積品も前進する。そして、その前方で一時停止して待機している側面が開口する箱内に、製品収容部が進入すると、集積品も当該開口から箱内に進入する。製品収容部の搬送面の少なくとも前記箱の内部に進入する箱に進入する部位が左右方向に傾斜しているため、その搬送面の上に位置する集積品もその傾斜に沿って傾くので、箱に集積品を入れるときに、集積品を挿入方向に対する左右の片側を持ち上げた斜めの姿勢で供給できる。よって、平面視で横幅が短くなり、集積品は、箱に引っかかることなくスムーズに箱内に入る。
【0011】
また、バケット内に製品を供給する際に搬送方向に沿った前後にズレ、集積品全体では幅広になり、水平状態の集積品を押し込んでも箱に入らないような状況であっても、製品収容部の搬送面に沿って傾斜させることで箱の開口部位の幅以下の狭い場合には箱内への挿入が可能となる。
【0012】
その後、プッシャー部材を箱の側面の開口側で一時停止した状態で製品収容部を後退移動させると、仮に集積品が製品収容部と共に後退移動しようとしても、その移動方向にプッシャー部材が存在するため、集積品は例えばプッシャー部材に突き当たった状態で留まり、製品収容部が箱の外に移動すると、集積品のみ箱内に残る。すると、製品収容部の搬送面による支持がなくなるため、集積品は落下して箱の底面の上に載り、箱詰めが行われる。このように複数の製品の箱詰め処理を、集積品のまま一括して行うことができる。
【0013】
(2)前記バケットの底部は、前記搬送方向に対して直交する方向に複数のフリーローラが並列に配置されて構成されるとよい。このようにすると、製品はフリーローラと線接触し、接触抵抗が低減され、傾斜方向に移動しやすくなる。また、抜き出し位置で待機するバケット内の集積品をプッシャー部材で押し出す際に、押し出される集積品の移動方向にフリーローラは自転し、その移動をスムーズに行わせることができる。
【0014】
(3)前記製品収容部の前記搬送面は、前記製品収容部の移動方向に複数のフリーローラが並列に配置されて構成されるとよい。このようにすると、製品収容部の搬送面に対する集積品の相対移動をスムーズに行わせることができ、バケットから製品収容部への集積品の移動並びに製品収容部から箱内への供給をスムーズに行わせることができる。
【0015】
(4)前記バケットの底部は、前記搬送方向に対して直交する方向に沿うように形成され、両端が開口する第1空間部を有し、前記搬送面は、前記製品収容部の移動方向に沿うように形成され、両端が開口する第2空間部を有し、前記抜き出し位置で一時停止する前記バケットの前記第1空間部と、前記第2空間部は同一直線上に位置し得るように構成し、前記プッシャー部材の下端に、前記第1空間部並びに第2空間部内に進入可能な突部を備えるとよい。このようにすると、プッシャー部材の下端に設けた突部を第1空間部内に進入させた状態でプッシャー部材を前進移動させると、突部は集積品の底面よりも下方に位置した状態で移動するので、集積品を確実に押送し、バケットから押し出して製品収容部に移動することができる。また、第1空間部と第2空間部が同一直線上に位置しているため、バケットから集積品を押し出して製品収容部側に移動したプッシャー部材の突部は、そのまま第2空間部内に入り込み、そのまま第2空間部内を移動することができる。よって、製品収容部に移った集積品も確実にプッシャー部材で押し出すことができる。
【0016】
(5)前記バケットの底部は、前記搬送方向に沿って傾斜し、前記搬送面は、全長に渡り左右方向に傾斜し、前記搬送面の傾斜方向は前記バケットの底部の傾斜方向と同じにするとよい。
【0017】
このようにすると、バケットの底部が傾斜しているため、バケット内に収納された集積品を構成する複数の製品は、底部の傾斜に沿って傾斜し、集積品全体では、平面視で搬送方向に沿った長さが短くなる。そして、プッシャー部材によりバケットから押し出された集積品は、製品収容部に移し替えられ、製品収容部が前進移動すると、それに追従して集積品も前進する。そして、その前方で一時停止して待機している側面が開口する箱内に、製品収容部が進入すると、集積品も当該開口から箱内に進入する。この箱に集積品を入れるときに、集積品を挿入方向に対する左右の片側を持ち上げた斜めの姿勢で供給できるので、平面視で横幅が短くなり、集積品は、箱に引っかかることなくスムーズに箱内に入る。
【0018】
(6)前記バケット内に前記製品を供給する移し替え手段を備え、前記移し替え手段は、前記搬送方向に沿って前記製品の供給位置をずらし、前記集積品の全体の前記搬送方向の長さは、前記バケット内に収納された斜めの状態の平面視では前記箱の開口された幅以下に短く、水平に戻した状態では前記箱の開口された幅より長くなるように構成するとよい。このようにすると、製品収容部とともに集積品を箱内にスムーズに挿入しつつ、製品収容部を後退移動して箱の外部に取り出し、集積品を箱内で落下供給して箱詰めを行うと、集積品の側面、より具体的には、集積品を構成する複数の各製品の所定の側面が箱の内側面に接触し、箱の内側面からの反力を受けて集積品は安定的に保持される。
【0019】
また、上述した(1)から(6)に示す構成は、適宜組み合わせて構成することができ、そのように組み合わせた構成を前提として、実施形態や図面に記載の構成要素を組み合わせるとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、箱に引っかかることなく集積品をスムーズに確実に箱詰めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る箱詰め装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。
図2】その平面図である。
図3】その正面図である。
図4】その斜視図(その1)である。
図5】その斜視図(その2)である。
図6】製品収容部が後端位置の状態を示す平面図である。
図7】製品収容部が後端位置の状態を示す正面図である。
図8】製品収容部が後端位置の状態を示す左側面図である。
図9】製品収容部が後端位置の状態を示す斜視図(その1)である。
図10】製品収容部が後端位置の状態を示す斜視図(その2)である。
図11】製品収容部が後端位置の状態を示す平面図である。
図12】製品収容部が前端位置の状態を示す斜視図である。
図13】製品収容部が前端位置の状態を示す平面図である。
図14】製品収容部が前端位置の状態を示す左側面図である。
図15】製品収容部が前端位置の状態を示す平面図である。
図16】プッシャー部材とバケットを説明する拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0023】
図1図3は、本実施形態の箱詰め装置10の全体構成を示しており、図4以降はその一部分を拡大して示している。また、図示の便宜上、動きのある一部の構成要素については、同一図面上に複数の状態を示す図面がある。それに応じて製品1も、時系列で異なるタイミングの状態のものを同一画面上に描画している図面がある。
【0024】
図1図3に示すように、本実施形態の箱詰め装置10は、製品1を1個ずつ前後に一列に並べた状態で搬送する製品搬送装置11と、製品搬送装置11の搬出側に配置され複数の製品1を積層した集積品2を搬送するバケットコンベア装置12と、バケットコンベア装置12の搬出端側に配置され、少なくとも側面が開口された箱3を搬送する箱搬送装置13と、製品搬送装置11で搬送される製品1をバケットコンベア装置12のバケット20に移し替える移し替えロボット16と、抜き出し位置で一時停止するバケット20に収納される集積品2を箱搬送装置13上で待機する箱3内に供給するシャトル渡りレール装置17及びプッシャー装置18等を備える。
【0025】
製品1は、商品を収納した偏平のパウチであり、2枚のフィルムを重ねた状態で四辺をシールして形成される四方シール包装体である。この包装体は、矩形状の本体1aの4辺の周囲には帯状のシール部1bが形成される。また本実施形態の製品1は、前工程の製造時に水が付着し、表面が濡れた状態で製品搬送装置11上を搬送される。また、本体1aの表面は被包装物である食品の形状が表れ凹凸がある形態となる。
【0026】
製品搬送装置11は、搬送方向に沿って配置される複数のベルトコンベアを備え、搬送面上に製品1を1つずつ前後に並べた状態で搬送する。この製品搬送装置11は、シャトル式ピッチ変更装置を用い、上流側のベルトコンベアの下流端は、搬送方向に沿って伸縮して往復移動し、下流端の位置を上流側に移動しつつ下流側の吸着ベルトコンベア上に製品1を1つずつ供給する。すなわち、ベルトコンベアの下流端部に配置したセンサが製品1を検知すると、下流端部を上流側に後退して、吸着ベルトコンベアに製品を供給する。そして、吸着ベルトコンベア上に所定数、本実施形態では、4個の製品1がベルトコンベアから供給されると、吸着ベルトコンベアが回転し、バケットコンベア装置12に対向する搬出端領域に製品1が至ると一時停止する。なお、前後の製品1の間隔は、図では等ピッチで一定の間隔で搬送しているが、実際の搬送状況ではベルトコンベアから吸着ベルトコンベアへの供給タイミングにより、前後の間隔がばらついた状態で搬送されることがある。
【0027】
バケットコンベア装置12は、製品搬送装置11の搬送方向の左側に配置され、製品搬送装置11の下流側区間と、バケットコンベア装置12の上流側区間が重なるように配置される。バケットコンベア装置12は、ダブルループで駆動する所定のエンドレスチェーン21に取付けられた8個のバケット20を備え、バケット20は前後に並ぶ4個単位で移動を制御する。また、バケットコンベア装置12の搬送方向に沿った水平な区間の長さは、8個分のバケット20の長さの合計以上とし、図1等に示すように、8個のバケット20が搬送面に同時に存在することができるようにする。この場合に、上流側に位置する4個のバケット20は、製品搬送装置11の搬送ラインの左側面側に位置した状態で一時停止し、移し替えロボット16によって製品搬送装置11の製品1が移し替え供給されるのを待つ。また、下流側に位置する4個のバケット20は、箱搬送装置13上で待機する箱3に対する箱詰め供給のために適宜位置で待機する。
【0028】
移し替えロボット16は、吸着ノズル22と、その吸着ノズル22を昇降移動並びに製品搬送装置11とバケットコンベア装置12の間を水平方向に往復移動させる駆動機構23を備える。本実施形態では、吸着ノズル22を4個備え、4個の製品1を一括して移し替え処理可能としている。具体的には、吸着ノズル22は、2個一組でベース部材24の下面に取り付け、駆動機構23によりベース部材24ごと吸着ノズル22を移動させる。2つのベース部材24は、製品搬送装置11の搬送面の上方において一直線上に位置し得るように構成し、各ベース部材24に取り付けられる2個の吸着ノズル22の間隔は、バケットコンベア装置12のバケット20の配置ピッチと等しくし、一直線上に位置する前後のベース部材24に取り付けられた合計4個の吸着ノズル22も一直線上に位置するとともに、バケット20の配置ピッチと等しい等間隔に位置するように構成する。
【0029】
これにより、バケットコンベア装置12に対向する製品搬送装置11の下流側区間に製品1が前後に4個並んだ状態で製品搬送装置11が一時停止し、そこで製品1は待機する。そして、その状態で駆動機構23の動作により製品搬送装置11の搬送面の上方に4つの吸着ノズル22が位置すると、各吸着ノズル22は、各製品1の上方に位置する。なお、吸着ノズル22が搬送面の上方所定位置に来るタイミングと、製品1が搬送面の所定位置に来るタイミングの前後は任意である。次いで、駆動機構23の動作により吸着ノズル22が下降移動し製品1の表面に接触して吸着することで4個分の製品1を一括して吸着保持する。そして、その吸着保持した状態のまま吸着ノズル22をバケットコンベア装置12の各バケット20の上方所定位置に移動する。その状態で吸引を解除すると、4個の製品1がそれぞれ対向するバケット20内に落下供給される。係る処理を繰り返すことで、各バケット20内に製品1が段積みされる。
【0030】
なお、図1図4等では、4つの吸着ノズル22が製品1を吸引保持した状態で製品搬送装置11の搬送面の上方に位置した状態のときに、製品搬送装置11の下流側区間の搬送面上には吸着ノズル22の下方に製品1が存在している状態を示しているが、これは、製品搬送装置11の下流側区間に4つの製品1が前後に並んだ状態で一時停止している状態と、その待機している製品を4つの吸着ノズル22で吸着して上昇した状態を同時に描画しており、実際には、例えば吸着ノズル22が製品搬送装置11上の製品1を吸着して上昇移動した状態では、製品搬送装置11の下流側区間には製品1は存在せず、吸着ノズル22によりバケットコンベア装置12の各バケット20に製品を移し替えた後、吸着ノズル22が再度製品搬送装置11の下流側区間の上に戻ってくるまでの間或いはそれ以降に、製品搬送装置11の下流側区間の搬送面上に4個の製品1が位置するように動作を制御する。
【0031】
さらに本実施形態では、バケット20の横幅を、製品1の搬送方向に対する横幅の2倍以上の長さにし、移し替えロボット16で製品1をバケット20に供給する際に、左右方向に製品1個分を交互にずらすように制御する。これにより、製品搬送装置11上を1列で搬送されてきた製品1を、バケットコンベア装置12では所定数の製品1が左右2列に並ぶように集積された集積品2がセットされる。
【0032】
同じバケット20上に移し替えられる製品1は、平面視で必ずしも同じ位置に積み重なるとは限らず、前後や左右にずれて積み重ねられる。よって、集積品2は、平面視で製品1の搬送方向に対する横幅及びまたは搬送方向に沿った前後長が長くなることがある。
【0033】
このように集積品2の平面視の寸法形状が製品1単体のものより広がることも考慮し、本実施形態のバケット20は、搬送方向に沿った前後方向の長さを製品1の前後長よりも長くした大きめの寸法形状とし、製品1の供給位置が前後にばらついてもバケット20内に収まるように構成する。
【0034】
さらに、バケット20の底面部25は、搬送方向の下流側すなわち進行方向前方が上昇する傾斜面にする。これにより、製品1の自重で搬送方向の後側への移動を案内する。また、バケットの20の後壁部26はダブルループを構成する所定のエンドレスチェーン21に取付けられ、搬送方向に沿って水平に移動する区間では垂直に起立するように構成する。これにより、仮に製品1が底面部25の傾斜面に案内されてバケット20内で相対的に進行方向後方側に移動した場合に、後壁部26にあたり、それ以上の後方への移動を抑止する。このように、後壁部26は、各バケット20における後方側の位置決めガイド機能を発揮する。
【0035】
後壁部26の前面側の下端近傍位置には、前方斜め上方に向けて延びる第1回転軸27aが搬送方向に対して直交する左右方向に多数平行に配置され、その第1回転軸27aに第1ローラ27を回転自在に取付ける。個々の第1ローラ27は、フリーローラとなり、第1回転軸27aを中心に自転可能に構成される。また、複数の第1回転軸27aの下端の後壁部26への取り付け位置は同一高さにし、搬送面に対する傾斜角度も等しくしている。これにより、複数の第1回転軸27aひいては複数の第1ローラ27は、同一面上に位置し、底面部25の一部を構成する。
【0036】
また、後壁部26の前方所定距離をおいた位置には、対を構成する後壁部26と同じエンドレスチェーン21に前側支持部29が取付けられ、搬送方向に沿って水平に移動する区間では垂直に起立するように構成する。前側支持部29は、正面視で略T字状の板状(図14等参照)で、T字状の横に延びる部位が後方に向けて折れ曲がった傾斜状(図16等参照)に形成される。この前側支持部29の高さは、後壁部26よりも低くし、底面部25の前端縁側の高さ位置に対応するように構成する。前側支持部29の上端近傍位置の傾斜状の部位には、後方斜め下方に向けて延びる第2回転軸28aが搬送方向に対して直交する左右方向に多数平行に配置され、その第2回転軸28aに第2ローラ28を回転自在に取付ける。個々の第2ローラ28は、フリーローラとなり、第2回転軸28aを中心に自転可能に構成される。また、複数の第2回転軸28aの上端の前側支持部29への取り付け位置は同一高さにし、搬送面に対する傾斜角度も等しくする。さらに、第1回転軸27aと第2回転軸28aは同一直線上に位置するように構成し、第1ローラ27と第2ローラ28の直径は同じにする。これにより、第1ローラ27と第2ローラ28は同一平面上に位置し、底面部25を構成する。
【0037】
複数の第1ローラ27と第2ローラ28は、それぞれが搬送方向に対して交差する左右に並ぶように配置される。これにより底面部25の上に置かれた製品1は、複数の第1ローラ27と第2ローラ28に線接触し、接触抵抗が小さくなる。よって、製品1は、第1ローラ27及び第2ローラ28の傾斜に沿って搬送方向の後方側に移動しやすくなる。
【0038】
さらに、第1ローラ27の前端と第2ローラ28の後端の間は所定の距離をおき、同一線上に位置する第1ローラ27と第2ローラ28との間に所定の第1空間部19が形成される。この第1空間部19は、バケット20の幅方向の左右両側端に到る。さらにまた、第1ローラ27の前後方向の長さは、第2ローラ28の前後方向の長さよりも短くし、第1空間部19は、底面部25の前後方向の中心位置よりも後側に形成される。
【0039】
さらに本実施形態では、搬送方向の左右両側にはサイドガイドを設けずに開放状態とする。これにより、バケット20内の集積品2を構成する製品1は、搬送方向に対する左右及び前方はフリー状態となり、例えば製品1が上記の相対的な後方へ移動しようとした際に、抵抗なくスムーズな移動を案内し、綺麗な位置揃えをしたり、搬送方向に対する位置ずれの程度を少なくしたり、移動時に製品1に抵抗が加わって変形することを抑制したりできる。
【0040】
上述した構成のバケット20に製品1を供給すると、底面部25を傾斜面に形成したため、バケット20内に供給される各製品1は、底面部25の傾斜角度に対応して搬送方向前側が持ち上がった傾斜状に配置され、集積品2は縦断面が略平行四辺形の姿態でセットされる。よって、例えば搬送方向に沿った前後方向にずれることなく綺麗に段積みされた集積品2の平面視の前後方向の長さは、製品1の前後方向の長さよりも短くなる。同様に、前後方向にずれて積み重なって構成される集積品2全体の平面視の前後方向の長さは、その集積品2を水平に戻した状態の前後方向の長さよりも短くなる。
【0041】
バケットコンベア装置12の搬送面の下流側端付近、すなわち、図1等で示す8個のバケット20が並んだ状態における下流側の先頭のバケット20の存在位置が、バケット20内の集積品2を側方に抜き出してシャトル渡りレール装置17に渡す抜き出し位置となり、その抜き出し位置にあるバケット20内に収納される集積品2が、プッシャー装置18で押し出され、シャトル渡りレール装置17に案内されて箱3に向けて前進移動して箱3内に供給される。
【0042】
シャトル渡りレール装置17は、傾斜状態の集積品2を収容する製品収容部30と、その製品収容部30をバケットコンベア装置12の搬送方向に対して直交する方向に沿って往復移動させる第1移動装置32を備える。製品収容部30は、ベースプレート35と、ベースプレート35に回転自在に支持される複数の第3ローラ37を備える。ベースプレート35は、底板部35aと、その底板部35aの左右両側縁部を折り曲げて起立させた第1側壁部35bと第2側壁部35cを備える。底板部35aは、バケットコンベア装置12の搬送方向に対して直交する方向、すなわち、シャトル渡りレール装置17における前後進移動方向に沿って延びる細幅な矩形状からなり、箱搬送装置13に向けて移動する方向を前方とすると、底板部35aの右側縁側に設けた第1側壁部35bの高さは高く、底板部35aの左側縁側に設けた第2側壁部35cの高さは低くなるように高低差を設ける。
【0043】
そして、第1側壁部35bの下端近傍位置には、底板部35aの幅方向中央側に向けて斜め上方に延びる第3回転軸37aが前後方向に多数平行に配置され、その第3回転軸37aに第3ローラ37を回転自在に取付ける。個々の第3ローラ37は、フリーローラとなり、第3回転軸37aを中心に自転可能に構成される。また、複数の第3回転軸37aの下端の第1側壁部35bへの取り付け位置は同一高さにし、傾斜角度も等しくしている。
【0044】
さらにこの第3回転軸37aの傾斜角度は、第1回転軸27aの傾斜角度と等しくし、第3回転軸37aの第1側壁部35bへの取り付け位置は、抜き出し位置で待機するバケット20の第1回転軸27aの後壁部26への取り付け位置と同じになるように設定し、第1ローラ27の長さと第3ローラ37の長さを等しくする。これにより、第3ローラ37は、抜き出し位置で待機する第1ローラ27と同一平面上に位置し、さらに第1ローラ27と第3ローラ37の先端位置は、同一直線上に位置し、バケットコンベア装置12の搬送方向に対して直交する左右方向すなわち製品収容部30の前後方向で揃う。
【0045】
また、第2側壁部35cの上端近傍位置には、底板部35aの幅方向中央側に向けて斜め下方に延びる第4回転軸38aが前後方向に多数平行に配置され、その第4回転軸38aに第4ローラ38を回転自在に取付ける。個々の第4ローラ38は、フリーローラとなり、第4回転軸38aを中心に自転可能に構成される。
【0046】
また、複数の第4回転軸38aの上端の第2側壁部35cへの取り付け位置は同一高さにし、傾斜角度も等しくしている。さらに、第3回転軸37aと第4回転軸38aは同一直線上に位置するように構成し、第3ローラ37と第4ローラ38の直径は同じにしている。これにより、第3ローラ37と第4ローラ38は同一平面上に位置し、製品収容部30の搬送面31を構成する。この搬送面31は、バケットコンベア装置12から箱搬送装置13に向けて集積品2を移動する経路となる渡りレールを構成する。この渡りレールを構成する第3ローラ37と第4ローラ38は、回転軸が前後方向に対して直交する方向にあるフリーローラであるため、集積品2が搬送面31上を相対的に前後方向に移動しようとすると、第3ローラ37並びに第4ローラ38が自転し、低抵抗でスムーズに移動する。
【0047】
また、第4ローラ38は、抜き出し位置で待機するバケット20の第2ローラ28と同一平面上に位置し、さらに第2ローラ28と第4ローラ38の先端位置は、同一直線上に位置し、バケットコンベア装置12の搬送方向に対して直交する左右方向すなわち製品収容部30の前後方向で揃うように構成する。
【0048】
さらに第3ローラ37と第4ローラ38の先端同士の間に所定の第2空間部39が形成される。この第2空間部39は、製品収容部30の前後両端に到る。そして、第2空間部39は、抜き出し位置で待機するバケット20の第1空間部19の延長線上に位置する。
【0049】
また、製品収容部30の第1側壁部35bは、バケットコンベア装置12の抜き出し位置で一時停止しているバケット20の後壁部26と同一平面上に位置するように構成し、第1側壁部35bの後端縁側、すなわち、バケットコンベア装置12側の端縁は、外に向けて開いたガイド部35dを構成する。
【0050】
製品収容部30を前後進移動させるための第1移動装置32は、前後方向に延びるように配置される第1ガイドレール41と、その第1ガイドレール41に嵌まり前後進移動する第1スライダー42と、その第1スライダー42の上面に起立形成される支持柱部43と、第1スライダー42を往復動作させる駆動源となる第1駆動モータ44等を備える。第1駆動モータ44の出力軸を所定の動力伝達機構を介して第1スライダー42に連係させ、出力軸の正逆回転に伴い第1スライダー42が第1ガイドレール41に沿って往復移動するように構成する。また第1駆動モータ44は、例えばサーボモータ等を用いるとよい。
【0051】
支持柱部43の上端面に、ベースプレート35の底板部35aの下面の後端側を連結する。これにより、第1駆動モータ44の出力を受けて第1スライダー42ひいては支持柱部43が前後進し、一体となって製品収容部30も前後進移動する。そして、製品収容部30が前端位置にあるとき、製品収容部30の前端側部位が箱搬送装置13で待機中の箱3の内部に進入し得る構成にする(図4図9等参照)。また、製品収容部30が後端位置にあるとき、製品収容部30の後端がバケットコンベア装置12の右側面に近接する。
【0052】
プッシャー装置18は、プッシャー部材46と、そのプッシャー部材46を昇降するシリンダー47と、シリンダー47をバケットコンベア装置12から箱搬送装置13に向けて前後進移動するための第2移動装置48等を備える。第2移動装置48は、バケットコンベア装置12から箱搬送装置13に至る前後方向に延びるように配置される第2ガイドレール51と、その第2ガイドレール51に嵌まり前後進移動する第2スライダー52と、その第2スライダー52と、第2スライダー52を往復動作させる駆動源となる第2駆動モータ54等を備える。第2駆動モータ54の出力軸を所定の動力伝達機構を介して第2スライダー52に連係させ、出力軸の正逆回転に伴い第2スライダー52が第2ガイドレール51に沿って往復移動するように構成する。また第2駆動モータ54は、例えばサーボモータ等を用いるとよい。
【0053】
シリンダー47は、第2スライダー52に取付けられ、シリンダーロッド47aが下向きに突出するように構成され、シリンダーロッド47aの先端にプッシャー部材46が取付けられる。これにより、シリンダーロッド47aの往復動作により、プッシャー部材46は昇降し、上昇位置ではプッシャー部材46の下端縁が、バケット20内の集積品2の上面よりも上方に位置し、下降位置ではプッシャー部材46の下端縁がバケット20の底面部25に近接するように構成する。プッシャー部材46の下端縁は、底面部25の傾斜面に対応して傾斜させた傾斜辺とし、その傾斜角度は底面部25の傾斜角度と同じにしている。さらに下端縁の所定位置には、下方に突出する矩形状の突片部46aを設け、下降位置に至った際に、突片部46aがバケット20の第1空間部19内に進入可能に構成している。このようにすると、製品1が偏平で薄いものであって、プッシャー部材46の下端縁と底面部25との間に生じる隙間内に製品1が入り込むおそれがある場合でも、第1空間部19内に進入する突片部46aが、底面部25より下方に位置するため、係る入り込みを抑止し、集積品2の全体を押送可能となる。
【0054】
また、第2駆動モータ54の正逆回転に伴い、第2スライダー52が第2ガイドレール51に沿って前進移動し、前方位置に至った際にはプッシャー部材46は箱搬送装置13上で待機する箱3の開口部付近より好ましくは内部に進入し、後方位置に至った際にはプッシャー部材46はバケットコンベア装置12のバケット20の左外側(集積品2の押送方向における後方側)に位置するように構成する。図1等では、前方位置と後方位置の両方の状態を示している。
【0055】
箱搬送装置13は、両側面並びに上方が開口した状態の箱3を搬送し、箱詰め位置で待機する。所定数の製品1の箱詰めが完了すると箱搬送装置13が動作し、集積品2を収納した箱3を間欠搬送し、その途中でフラップを折り曲げて製函する。
【0056】
箱詰め装置10は、以下のような動作を行う制御機能を備え、製品搬送装置11上を搬送される製品1をバケットコンベア装置12のバケット20内に移し替えて集積品2を形成し、そのバケット20内の集積品2を、プッシャー装置18を用いてバケット20から押し出すと共に、シャトル渡りレール装置17上を移動して箱搬送装置13上で待機する箱3に横から押し込んで箱詰めする。
【0057】
具体的には、まずバケットコンベア装置12は、空の4個のバケット20を製品搬送装置11の下流側区間に対向する位置に移動し一時停止する。この一時停止しているバケット20に対し、移し替えロボット16が4つの吸着ノズル22を動作させ、製品搬送装置11上の先頭の4個の製品を一括して吸着保持し、それぞれを対応するバケット20内に供給する。そして移し替えロボット16は、バケット20内の供給位置を変えながら所定枚数の製品1を平積み状態で積層し、集積品2を形成する。
【0058】
次いで所定枚数の製品1を移し替え、4つのバケット20にそれぞれ集積品2が収納されるとその4つのバケット20が一斉に前進移動し、先頭のバケット20が抜き出し位置に至ると一時停止する。また、これに伴い、後続の空の4つのバケット20が前進移動し製品搬送装置11の下流側区間に対向する位置に至ると一時停止する。これにより、8個のバケット20は、図1等に示すようにバケットコンベア装置12の搬送面に前後が繋がった状態で並ぶ。なお、図1では、図示の便宜上8個のバケット20に集積品2が収納された状態を描画しているが、上述した8個のバケット20が前後に並んだ瞬間では、前側の4つのバケット20には集積品2が収納され、後続の4つのバケット20には集積品2は収納されておらず上述したように空の状態となる。そして、以下に示すように前側の4つのバケット20に収納された集積品2を箱搬送装置13上で待機する箱3に供給する間に、移し替えロボット16により空の4つのバケット20に対する移し替えを行う。
【0059】
上述したように集積品2が収納された前側の4つのバケット20のうち先頭のバケット20が抜き出し位置で一時停止した際には、第2移動装置48によりプッシャー部材46は後方位置すなわちバケットコンベア装置12の搬送方向の左外側に位置し、さらにシリンダー47により下降位置で待機する。これにより、プッシャー部材46は、抜き出し位置で一時停止している1番目のバケット20に収納された集積品2の左側面に対向する。また、シャトル渡りレール装置17の製品収容部30は後端位置で待機し、1番目のバケット20の底面部25と、製品収容部30の搬送面31が同一平面上で接近した状態となる。
【0060】
次いで、第2駆動モータ54が回転し、第2移動装置48によりプッシャー部材46を前進移動させ、プッシャー部材46によりバケット20内の集積品2を前方に押し出し、シャトル渡りレール装置17の製品収容部30の搬送面31に移し替える。このプッシャー部材46の前進移動時に、プッシャー部材46の突片部46aは、第1空間部19内を移動し、そのまま製品収容部30の第2空間部39内に進入する。これにより、集積品2を構成する複数の製品1の全てを確実にバケット20から押し出して製品収容部30に移し替えることができる。そして、上述したように製品収容部30の搬送面31も底面部25と同じ傾斜角度を有する傾斜面となっているため、集積品2は個々の製品1が斜めに傾斜した姿勢を維持する。
【0061】
さらに、第1移動装置32と第2移動装置48が協働し、製品収容部30とプッシャー部材46が共に前進移動し、製品収容部30が箱搬送装置13上で待機する箱3の側面から内部に進入する。また、製品収容部30上の集積品2は、製品収容部30の前進移動に追従して箱搬送装置13に向けて移動し、さらにプッシャー部材46により押送され製品収容部30上を前進移動する。これにより、製品収容部30が前端位置に至り、プッシャー部材46が前方位置に至った際には、製品収容部30上の集積品2は、製品収容部30とともに箱3内に位置する。
【0062】
次いで、プッシャー部材46は前方位置の箱3の内部或いは搬入口付近で一時停止した状態で、製品収容部30を後退移動する。すると、集積品2は、製品収容部30とともに後退移動しようとしてもプッシャー部材46によりその後退移動が抑止される。そして、製品収容部30のみが後退移動して箱3の外に位置すると、集積品2が箱3内に落下供給される。これにより、複数の製品1の箱詰めが一括して行われる。
【0063】
集積品2は、製品収容部30とともに箱3内に挿入される際には搬送面31に沿って斜めに傾斜した姿勢で行われる。よって、集積品2は平面視で水平の状態よりも前後方向に対して直交する横幅が狭くなるので、箱3の側壁面に干渉することなくスムーズに内部に進入する。そして、製品収容部30が後退移動して落下供給された集積品2は、箱3の底面の上に載り、水平の姿勢に変位する。このとき、仮に集積品2を構成する複数の製品1の横ずれが大きく、水平の姿勢での集積品2の横幅が箱3の横幅(箱搬送装置13の搬送方向に沿った前後方向の幅)より広い場合には、いずれかの製品1の所定のシール部1bが箱3の内側面に接触するが、本実施形態の製品1は偏平なパウチであり本体1aを含め柔らかく湾曲可能なため、適宜変形して箱3内に収まる。また、仮に本体1aが比較的硬いものであっても、箱3の内側面に接触するシール部1bは柔らかいため、いずれにしても箱3内に収まる。また、濡れているパウチや、製品が不定形製品により平面視において集積品の製品端部が揃っていない場合であっても、確実に箱詰めできる。
【0064】
シャトル渡りレール装置17の製品収容部30の搬送面31もフリーローラにしているので、プッシャー部材46によりバケット20から集積品2が移し替えられる際にスムーズに行われる。また、製品収容部30の後退移動に伴い集積品2を箱3内に落下させる際にも連れ戻りすることなくスムーズに行われる。
【0065】
その後、プッシャー部材46は、シリンダー47により上昇位置に変位し、その上昇位置のまま第2移動装置48の同左により後退移動して後端位置に戻り、その後端位置にてシリンダー47により下降移動して次の集積品2の押し出しに備える。
【0066】
バケットコンベア装置12は、上述したプッシャー部材46により1番目のバケット20に収納された集積品2が押し出されてシャトル渡りレール装置17の製品収容部30に移し替えられると、前側の4つのバケット20をバケット1つ分だけ前進移動し、2番目のバケット20が抜き出し位置に至った状態で一時停止する。よって、1番目のバケット20に収納された集積品2を押し出したプッシャー部材46が後退移動してくる際には、既に2番目のバケット20が抜き出し位置に待機しているが、上述したように後退移動時にはプッシャー部材46は上昇位置にあるので、2番目のバケット20に収納された集積品2に干渉することなく後端位置まで移動する。
【0067】
以後、上記の操作を繰り返し行うことで、前側の4つのバケット20に収納された各集積品2を、順次箱3に対して箱詰めする。そして、4番目のバケット20に収納された集積品2がプッシャー部材46により押し出されると、バケットコンベア装置12は前側の4つのバケット20を移動させ、次の製品搬送装置11からの製品の移し替えに備える。
【0068】
上述した実施形態では、シャトル渡りレール装置17の製品収容部30の搬送面31を、フリーローラで構成したが、本発明はこれに限ることはなく、例えばエンボスのように表面がでこぼこするなど形状に、或いは材質的に接触抵抗が小さいものとしてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、バケット20の底面部25の傾斜は、搬送方向の前方が持ちあった傾斜面にしたが、搬送方向の後側が持ち上がった傾斜面にしてもよい。その場合、搬送方向の前側に前壁部を起立するように形成し、集積品2がその前壁部側で揃うようにするとよい。また、そのように傾斜方向の前後を逆にした場合、それに併せて製品収容部30の搬送面31の傾斜も左右逆転するとよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、移し替えロボット16の駆動機構23は、製品搬送装置11とバケットコンベア装置12との間は、往復直線運動で吸着ノズル22を移動させるようにしたため、製品搬送装置11上を製品1が前後に等間隔で搬送されてきて、常に製品搬送装置11の搬送面の同じ位置で製品1が吸着ノズル22に吸着されると、バケット20内に移し替えられた個々の製品1は同じ位置に重ねられ、搬送方向に沿って前後方向に位置ずれはしない。一方、製品搬送装置11で搬送される製品1が前後にばらついている場合や、または箱サイズによっては、バケット20内に移し替えられた個々の製品1は、搬送方向に沿って前後方向に位置ずれして重なるが、そのズレ量は製品搬送装置11におけるばらつきに対応したものであり、集積品2ごとに異なる。よって、ズレ量が大きい場合には、集積品2の側面が箱3の内側面に接触してバネのように作用して集積品2を箱3内で固定し、荷崩れを防止することができることもあれば、ズレ量が小さくて集積品2の側面と箱3の内側面との間に隙間が形成されることもある。
【0071】
そこで、例えば必ず集積品2の側面が箱3の内側面に接触して保持されるように構成するとよい。例えば、製品搬送装置11の製品1のばらつきに関係なく、移し替えロボットで移し替える際に、バケットコンベア装置12の搬送方向に沿う前後に所定長さをずらして製品1を重ねるように構成するとよい。このとき、位置ずれの所定長さは、バケット20内に収納された斜めの状態の集積品2の全体の長さが平面視では箱3の開口された幅以下に短く、水平に戻した状態では箱3の開口された幅より長くなるようするとよい。さらに、箱3の開口された幅より長くする場合、例えば製品1のシール部1bが湾曲してバネのように作用して集積品を箱内で固定し、荷崩れを防止するように構成するとよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、製品1は偏平なパウチであって四方シール包装体から構成したが、横三方シール包装体としてもよく、さらには、偏平なパウチに限ることはなく、所定の厚みのあるものでもよく、各種の包装方法により製造される包装体や各種の物品としてもよい。
【0073】
また、集積品2は、上述した実施形態のように複数の製品1を上下に重ねる平積み状態にするものに限ることはなく、例えば、製品1を横にずらしながら上下に重ねたサシミ状や、上下に重ねることなく、複数の製品1をプッシャー部材46による押送方向に沿って並べるなど各種の形態を用いるとよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、バケット20内に左右2列に並ぶように収納された製品1は、図示の例では、互いに重なることなくそれぞれが綺麗に平積みされた状態としているが、左右に隣接する製品1の側縁部分同士が交互に重なるように積み重ねるとよい。このようにすると、集積品2の搬送方向に対して直交する方向の全長が短くなり、箱3のサイズを小さくできる。特に、製品1のシール部1bのシール幅が広い場合に、そのシール部1b同士を重ねるとよい。また、製品1が、例えば1辺のシール幅を他よりも広くし、その広くしたシール部1bに製品1の名称や各種の意匠・広告を印刷するようにした包装形態があり、係る場合には、その広くしたシール部1b同士が重なるようにするとよい。この場合に、例えば製品搬送装置11に搬送される製品1の向きが同じで、左右の一方側にシール幅の広いシール部1bが位置する姿勢で搬送される場合、移し替えロボット16のベース部材24を回転可能にするとよい。このように回転可能にすることで、吸着ノズル22で製品1を吸着してバケット20に移し替える際に、ベース部材24を都度180度ずつ回転することで、左右に供給する製品1のシール幅の広いシール部1bを、それぞれ中央側に位置させることができる。
【0075】
また、上述した実施形態では、バケット20の底面部25を傾斜面にし、その傾斜面にあわせてシャトル渡りレール装置17の製品収容部30の搬送面も全長に渡り同じ方向に傾斜させたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、バケット20の底面部25は水平にしたり、それにあわせて製品収容部30のバケット20から受け入れ側の搬送面を水平にしたりしてもよい。この場合に、製品収容部30の搬送面は、箱3の内部に進入する部位は左右方向に傾斜させ、当該部位に向けて押送方向に沿って徐々に傾斜角度を大きくとよい。また別の構成としては、例えばバケット20から集積品2を受け取った製品収容部30が箱3の内部に進入するまでに、カム機構などによって製品収容部30を傾斜させることで搬送面を傾斜させるようにしてもよい。この場合、プッシャーは、先端が第1空間部19内及び第2空間部39内に進入する棒状のものにするとよい。
【0076】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0077】
1 :製品
2 :集積品
3 :箱
10 :箱詰め装置
11 :製品搬送装置
12 :バケットコンベア装置
13 :箱搬送装置
16 :移し替えロボット
17 :シャトル渡りレール装置
18 :プッシャー装置
19 :第1空間部
20 :バケット
25 :底面部
27 :第1ローラ
28 :第2ローラ
30 :製品収容部
31 :搬送面
32 :第1移動装置
37 :第3ローラ
38 :第4ローラ
39 :第2空間部
46 :プッシャー部材
46a :突片部
48 :第2移動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16