IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図1
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図2
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図3
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図4
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図5
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図6
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図7
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図8
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図9
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図10
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図11
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図12
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図13
  • 特開-室内ユニット、および空調システム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146374
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】室内ユニット、および空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20241004BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20241004BHJP
   F24F 11/32 20180101ALI20241004BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241004BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20241004BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241004BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20241004BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F5/00 Z
F24F1/0007 401D
F24F11/32
F25B1/00 321L
F24F11/89
H05K7/20 H
H05K7/20 W
F24F140:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059228
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】開発 巳智子
(72)【発明者】
【氏名】植田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】堂前 浩
(72)【発明者】
【氏名】花田 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】島崎 数喜
(72)【発明者】
【氏名】武内 敏文
(72)【発明者】
【氏名】友田 稔
【テーマコード(参考)】
3L051
3L054
3L260
5E322
【Fターム(参考)】
3L051BE04
3L054BE04
3L260AA09
3L260AB03
3L260BA49
3L260CB01
3L260CB90
3L260EA07
3L260FB02
3L260GA17
3L260HA02
5E322AA07
5E322AB10
5E322BA01
5E322BA05
5E322BB03
5E322BB06
5E322DA04
5E322DB08
(57)【要約】
【課題】屋内に配置される発熱機器を簡便に冷却する。
【解決手段】冷凍サイクルが行われることで、対象空間(S)の空気調和を行う空気調和装置(10)を構成する室内ユニットであって、空気通路(48)が内部に形成されるケーシング(34)と、空気調和装置(10)の運転モードによらず、ケーシング(34)の外側に配置される発熱機器(5)を冷却可能な冷却部(60)とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルが行われることで、対象空間(S)の空気調和を行う空気調和装置(10)を構成する室内ユニットであって、
空気通路(48)が内部に形成されるケーシング(34)と、
前記空気調和装置(10)の運転モードによらず、前記ケーシング(34)の外側に配置される発熱機器(5)を冷却可能な冷却部(60)とを備える
室内ユニット。
【請求項2】
前記空気通路(48)に配置される室内熱交換器(32)と、
前記室内熱交換器(32)に空気を搬送する室内ファン(33)とをさらに備え、
前記冷却部(60)は、所定の冷却媒体と熱交換することで前記発熱機器(5)を冷却し、
前記冷却媒体は、冷凍サイクル行うことで放熱器または蒸発器として機能する前記室内熱交換器(32)を流れる熱媒体、または前記室内ファン(33)により搬送される空気を含む
請求項1に記載の室内ユニット。
【請求項3】
前記冷却部(60)は、前記発熱機器(5)と前記冷却媒体との間の熱伝達に利用される伝熱部(61)を有し、
前記伝熱部(61)は、前記ケーシング(34)を貫通するように設けられる
請求項2に記載の室内ユニット。
【請求項4】
前記伝熱部(61)は、冷却材が封入されたヒートパイプ(62)、または前記空気通路(48)と前記ケーシング(34)の外側とを連通する吹出流路(63)を含む
請求項3に記載の室内ユニット。
【請求項5】
前記冷却部(60)は、前記ケーシング(34)外に配置され、前記発熱機器(5)に向かって空気を搬送する冷却ファン(65)をさらに備える
請求項1または2に記載の室内ユニット。
【請求項6】
前記発熱機器(5)は、前記対象空間(S)内にある所定の機器(R)と通信する通信装置(3,5)であり、
前記通信装置(3,5)は、前記所定の機器(R)と信号を送受信するアンテナ部材(5a)を備え、
前記冷却部(60)は、前記アンテナ部材(5a)を冷却する
請求項1または2に記載の室内ユニット。
【請求項7】
前記通信装置(3,5)は、28GHz以上の周波数で前記所定の機器(R)と通信する
請求項6に記載の室内ユニット。
【請求項8】
前記通信装置(3,5)をさらに備える
請求項6に記載の室内ユニット。
【請求項9】
請求項1または2に記載の室内ユニットと、
連絡配管(12)を介して前記室内ユニットと接続される熱源ユニット(20)と、
前記発熱機器(5)の温度状態に応じて、前記室内ユニットまたは前記熱源ユニット(20)を制御する制御装置(100)とを備える
空調システム。
【請求項10】
前記発熱機器(5)の温度状態を検出する検出部(50)をさらに備え、
前記検出部(50)は、前記発熱機器(5)に設置されるセンサ部(50a)と、該センサ部(50a)から出力される信号が入力されるセンサ基板(50b)とを有し、
前記センサ基板(50b)は、前記室内ユニットに設けられる
請求項9に記載の空調システム。
【請求項11】
請求項1または2に記載の室内ユニットと、
前記発熱機器(5)の異常を報知する報知部(70)とを備える
空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内ユニット、および空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
引用文献1には、小型化された携帯電話基地局等に設置可能な冷却装置が開示されている。冷却装置は、通信装置が内部に配置される筐体の側壁に設けられる。冷却装置には、筐体内の空気と筐体外の空気とを熱交換する熱交換部と熱交換部に空気を搬送するファンとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-150667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信機器の小型基地などの装置はオフィスビルなどでは屋内に設置される。このような装置は発熱するため冷却が必要になるが、引用文献1のよう冷却装置を各装置に設けようとすると、コストがかかる上に各装置の運転を制御する必要がある。しかし、このような発熱機器の冷却を簡便に行うことは検討されてこなかった。
【0005】
本開示の目的は、屋内に配置される発熱機器を簡便に冷却することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、
冷凍サイクルが行われることで、対象空間(S)の空気調和を行う空気調和装置(10)を構成する室内ユニットである。室内ユニットは、空気通路(48)が内部に形成されるケーシング(34)と、前記空気調和装置(10)の運転モードによらず、前記ケーシング(34)の外側に配置される発熱機器(5)を冷却可能な冷却部(60)とを備える。
【0007】
第1の態様では、対象空間(S)を空調する室内ユニット(30)を利用することで簡便に発熱機器(5)を冷却できる。発熱機器(5)のみを冷却する専用の装置を設ける必要がないため、コストを抑えることができる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、
前記空気通路(48)に配置される室内熱交換器(32)と、
前記室内熱交換器(32)に空気を搬送する室内ファン(33)とをさらに備え、
前記冷却部(60)は、所定の冷却媒体と熱交換することで前記発熱機器(5)を冷却し、
前記冷却媒体は、冷凍サイクル行うことで放熱器または蒸発器として機能する前記室内熱交換器(32)を流れる熱媒体、または前記室内ファン(33)により搬送される空気を含む。
【0009】
第2の態様では、室内熱交換器(32)を流れる冷媒、または室内ファン(33)により搬送される空気を用いることで、簡便に発熱機器(5)を冷却できる。特に、室内熱交換器(32)が放熱器として機能する暖房運転においても、中継器(5)を冷却できる。
【0010】
第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記冷却部(60)は、前記発熱機器(5)と前記冷却媒体との間の熱伝達に利用される伝熱部(61)を有し、
前記伝熱部(61)は、前記ケーシング(34)を貫通するように設けられる。
【0011】
第3の態様では、ケーシング(34)に伝熱部(61)を設けるだけで、発熱機器(5)を容易に冷却できる。
【0012】
第4の態様は、第3の態様において、
前記伝熱部(61)は、冷却材が封入されたヒートパイプ(62)、または前記空気通路(48)と前記ケーシング(34)外とを連通する吹出流路(63)を含む。
【0013】
第4の態様では、ケーシング(34)にヒートパイプ(62)または吹出流路(63)を設けるだけで簡便に発熱機器(5)を冷却できる。
【0014】
第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、
前記冷却部(60)は、前記ケーシング(34)外に配置され、前記発熱機器(5)に向かって空気を搬送する冷却ファン(65)をさらに備える。
【0015】
第5の態様では、冷却ファン(65)により発熱機器(5)に対する冷却効果を高めることができる。
【0016】
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、
前記発熱機器(5)は、前記対象空間(S)にある所定の機器(R)と通信する通信装置(3,5)であり、
前記通信装置(3,5)は、前記所定の機器(R)と信号を送受信するアンテナ部材(5a)を備え、
前記冷却部(60)は、前記アンテナ部材(5a)を冷却する。
【0017】
通信装置(3,5)では、通信によりアンテナ部材(5a)の温度が高くなりやすい。第6の態様では、冷却部(60)によってアンテナ部材(5a)の温度上昇を抑えることができる。
【0018】
第7の態様は、第6の態様において、
室内ユニット(30)は、室内を空調する空調室内機であり、
前記通信装置(3,5)は、28GHz以上の周波数で前記所定の機器(R)と通信する。
【0019】
このような通信装置(3,5)が通信できる距離は比較的短い。そのため対象空間(S)にある所定の機器(R)と通信する場合、該対象空間(S)内または該対象空間(S)に近接する空間(天井裏)に通信装置(3,5)を配置することが好ましい。第7の態様では、室内ユニット(30)は、対象空間(S)または対象空間(S)に近接した空間に配置されるため、室内ユニット(30)の近傍に通信装置(3,5)を設けることで、室内ユニット(30)の運転を利用して通信装置(3,5)を冷却できる。
【0020】
第8の態様は、第6または第7の態様において、
前記通信装置(3,5)をさらに備える。
【0021】
第8の態様では、通信装置(3,5)を備えた室内ユニットを提供できる。
【0022】
第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つの室内ユニットと、
連絡配管(12)を介して前記室内ユニットと接続される熱源ユニット(20)と、
前記発熱機器(5)の温度状態に応じて、前記室内ユニットまたは前記熱源ユニット(20)を制御する制御装置(100)とを備える空調システムである。
【0023】
第9の態様では、発熱機器(5)の温度に応じて空気調和装置(10)により自動で発熱機器(5)を冷却できる。
【0024】
第10の態様は、第9の態様において、
前記発熱機器(5)の温度状態を検出する検出部(50)をさらに備え、
前記検出部(50)は、前記発熱機器(5)に設置されるセンサ部(50a)と、該センサ部(50a)から出力される信号が入力されるセンサ基板(50b)とを有し、
前記センサ基板(50b)は、前記室内ユニット内に設けられる。
【0025】
センサ基板(50b)を、室内ユニット(30)の制御部(制御基板)に設けることができる。これにより室内ユニット(30)が備える他のセンサ(室内温度センサ、室内湿度センサなど)と同様に、室内ユニット(30)は検出部(50)を備えることができる。
【0026】
第11の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つの室内ユニットと、
前記発熱機器(5)の異常を報知する報知部(70)とを備える空調システムである。
【0027】
第11の態様では、報知部(70)により発熱機器(5)の異常を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本実施形態の空調システムの構成を示す概略図である。
図2図2は、無線通信システムの構成を示す概略図である。
図3図3は、空気調和装置の配管系統図である。
図4図4は、室内ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
図5図5は、空調システムの各種の機器の関係を示すブロック図である。
図6図6は、室内ユニットのケーシングの立体斜視図である
図7図7は、冷却部の構成を示す概略図である。
図8図8は、制御装置の動作を示すフローチャートである。
図9図9は、変形例1にかかる冷却部の構成を示す図7に相当する図である。
図10図10は、変形例2にかかる冷却部の構成を示す図7に相当する図である。
図11図11は、変形例3にかかる冷却部の構成を示す図7に相当する図である。
図12図12は、変形例4にかかる冷却部の構成を示す図7に相当する図である。
図13図13は、変形例5にかかる冷却部の構成を示す図7に相当する図である。
図14図14は、変形例6にかかる冷却部の構成を示す図7に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。なお、図中に示す矢印は空気が流れる方向を示す。
【0030】
(1)空調システム
図1および図2に示すように、本実施形態の空調システム(1)は、無線通信システム(2)が設けられたビル等に適用される。詳細は後述するが、無線通信システム(2)は、基地局(3)と、複数の中継器(5)とを有する。基地局(3)は、無線によりサーバ(7)および中継器(5)と接続する。中継器(5)はビル内の複数の部屋内に配置される情報端末(R)と通信する。空調システム(1)は、空気調和装置(10)、制御装置(100)、警報装置(70)を備える。ビルには、無線通信システム(2)が設けられる。
【0031】
(2)空気調和装置
図2および図3に示すように、空気調和装置(10)は、室内空間(S)を空調する。室内空間(S)は、対象空間(S)の一例である。空気調和装置(10)は、室内空間(S)を空調する複数の運転モードを有する。運転モードは、冷房運転、暖房運転、送風運転を含む。
【0032】
空気調和装置(10)は、複数の室内ユニット(30)を有するマルチ式である。空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)、複数の室内ユニット(30A,30B)、連絡配管(12)、および空調制御部(AC)を有する。複数の室内ユニット(30)と室外ユニット(20)とは、連絡配管(12)を介して互いに接続される。この接続により、閉回路である冷媒回路(11)が構成される。
【0033】
(2-1)冷媒回路
冷媒回路(11)は、室外ユニット(20)に設けられる室外回路(20a)と、各室内ユニット(30)にそれぞれ設けられる室内回路(30a)とを含む。冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。冷媒は、熱媒体の一例である。
【0034】
(2-2)連絡配管
連絡配管(12)は、液連絡配管(13)とガス連絡配管(14)とを含む。
【0035】
液連絡配管(13)は、第1主管(13a)と、第1主管(13a)から分岐する複数の第1分岐管(13b)とを含む。第1主管(13a)の一端は、液閉鎖弁である第1閉鎖弁(15)を介して室外回路(20a)に接続する。複数の第1分岐管(13b)のそれぞれの一端は、第1主管(13a)と接続する。複数の第1分岐管(13b)のそれぞれの他端は、対応する室内回路(30a)に接続する。
【0036】
ガス連絡配管(14)は、第2主管(14a)と、第2主管(14a)から分岐する複数の第2分岐管(14b)とを含む。第2主管(14a)の一端は、ガス閉鎖弁である第2閉鎖弁(16)を介して室外ユニット(20)に接続する。複数の第2分岐管(14b)のそれぞれの一端は、第2主管(14a)と接続する。複数の第2分岐管(14b)のそれぞれの他端は、対応する室内ユニット(30)に接続する。
【0037】
(2-3)室外ユニット
室外ユニット(20)は、室外に配置される。室外ユニット(20)は、例えばビルなどの屋上や地上に配置される。室外ユニット(20)は、熱源ユニット(20)の一例である。
【0038】
室外ユニット(20)は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外ファン(23)、切換機構(24)、室外膨張弁(25)および第1制御部(C1)を有する。
【0039】
圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、スクロール式、揺動ピストン式、ローリングピストン式、スクリュー式などの回転式圧縮機である。圧縮機(21)は、インバータ装置により運転周波数(回転数)が可変に構成される。
【0040】
室外熱交換器(22)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。室外熱交換器(22)は、その内部を流れる冷媒と室外空気とを熱交換させる。
【0041】
室外ファン(23)は、室外において室外熱交換器(22)の近傍に配置される。本例の室外ファン(23)は、プロペラファンである。室外ファン(23)は、室外熱交換器(22)を通過する空気を搬送する。
【0042】
切換機構(24)は、冷房サイクルである第1冷凍サイクルと、暖房サイクルである第2冷凍サイクルとを切り換えるように、冷媒回路(11)の流路を変更する。切換機構(24)は、四方切換弁である。切換機構(24)は、第1ポート、第2ポート、第3ポート、および第4ポートを有する。切換機構(24)の第1ポートは、圧縮機(21)の吐出部と繋がる。切換機構(24)の第2ポートは、圧縮機(21)の吸入部と繋がる。切換機構(24)の第3ポートは、第2閉鎖弁(16)を介してガス連絡配管(14)と繋がる。切換機構(24)の第4ポートは、室外熱交換器(22)のガス端と繋がる。
【0043】
切換機構(24)は、第1状態と第2状態とに切り換わる。第1状態(図1の実線で示す状態)の切換機構(24)は、第1ポートと第4ポートとを連通し且つ第2ポートと第3ポートとを連通する。第2状態(図1の破線で示す状態)の切換機構(24)は、第1ポートと第3ポートとを連通し、第2ポートと第4ポートとを連通する。
【0044】
室外膨張弁(25)は、冷媒を減圧する。室外膨張弁(25)は、室外回路(20a)において、第1閉鎖弁(15)と室外熱交換器(22)の間に配置される。室外膨張弁(25)は、開度が調節可能な電子膨張弁である。
【0045】
(2-4)室内ユニット
図2および図4に示すように、本例の室内ユニット(30)は、天井埋込式である。室内ユニット(30)は、ケーシング(34)、室内ファン(33)、室内熱交換器(32)、ベルマウス(49)、ドレンパン(44)およびフラップ(38)を有する。室内ユニット(30)は、室内空間(S)を空調する。
【0046】
ケーシング(34)は、ケーシング本体(35)と、パネル(36)とを有する。ケーシング本体(35)は、下側に開放面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(36)は、ケーシング本体(35)の開口面に着脱可能に設けられる。パネル(36)は、平面視において矩形枠状のパネル本体(37)と、パネル本体(37)の中央に設けられる吸込グリル(45)とを有する。
【0047】
パネル本体(37)の中央には、吸込口(46)が形成される。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に取り付けられる。パネル本体(37)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(47)が1つずつ形成される。ケーシング(34)の内側には空気通路(48)が形成される。空気通路(48)の一端には室内空気を吸い込む吸込口(46)が、他端には室内へ空気を吹き出す吹出口(47)が設けられる。
【0048】
室内ファン(33)は、空気通路(48)における室内熱交換器(32)の上流側に配置される。室内ファン(33)は、遠心式である。室内ファン(33)は、室内熱交換器(32)を通過する空気を室内空間(S)へ供給する。室内ファン(33)は、その風量が複数段階に切り替え可能に構成される。
【0049】
室内熱交換器(32)は、空気通路(48)に配置される。室内熱交換器(32)は、室内ファン(33)の周囲に配置される。室内熱交換器(32)では、室内ファン(33)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。
【0050】
ベルマウス(49)は、空気通路(48)に配置される。具体的には、ベルマウス(49)は、吸込口(46)の上方に配置される。ベルマウス(49)は吸込空気を整流する。
【0051】
ドレンパン(44)は、空気通路(48)に配置される。具体的には、ドレンパン(44)は、ベルマウス(49)上、かつ、室内熱交換器(32)の下方に配置される。ドレンパン(44)は、凹状に形成される。ドレンパン(44)内には、室内熱交換器(32)が蒸発器として機能した時に発生する水が貯留される。ドレンパン(44)に貯留された水は、ドレン管(図示省略)を介して外部に排出される。
【0052】
フラップ(38)は、吹出口(47)から吹き出される空気である吹出空気の風向を調節する。フラップ(38)は、パネル本体(37)の側縁、あるいは吹出口(47)の長手方向に沿うように設けられる。
【0053】
室内ユニット(30)は、第2制御部(C2)を有する。各室内ユニット(30)の第2制御部(C2)と、第1制御部(C1)とは、第1通信線(W1)を介して互いに接続される。第1通信線(W1)は、有線または無線である。
【0054】
(3-5)リモートコントローラ
空気調和装置(10)は、リモートコントローラ(40)を有する。リモートコントローラ(40)は、各室内ユニット(30)に1つずつ設けられる。リモートコントローラ(40)は、空気調和装置(10)を操作するための機器である。図2に示すように、リモートコントローラ(40)は、第1操作部(41)および第1表示部(42)を有する。
【0055】
第1操作部(41)は、人が空気調和装置(10)に対する各種の指示を入力するための機能部である。第1操作部(41)は、スイッチ、ボタン、またはタッチパネルを含む。第1表示部(42)は、空気調和装置(10)に対する設定内容や、空気調和装置(10)の状態を表示する。
【0056】
リモートコントローラ(40)は、第3制御部(C3)を有する。第3制御部(C3)と第2制御部(C2)とは、第2通信線(W2)を介して互いに接続される。第2通信線(W2)は有線または無線である。
【0057】
(3-6)空調制御部
図5に示すように、空調制御部(AC)は、空気調和装置(10)の動作を制御する。空調制御部(AC)は、第1制御部(C1)、第2制御部(C2)、第3制御部(C3)、第1通信線(W1)、第2通信線(W2)、第3通信線(W3)および第4通信線(W4)を含む。第1制御部(C1)、第2制御部(C2)、第3制御部(C3)のそれぞれは、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
【0058】
第1制御部(C1)は、圧縮機(21)、切換機構(24)、室外膨張弁(25)、室外ファン(23)を制御する。第2制御部(C2)は、室内膨張弁(31)および室内ファン(33)を制御する。第3制御部(C3)は、第1操作部(41)の入力に基づく指示を第2制御部(C2)に出力する。第3制御部(C3)は、第1操作部(41)の入力に応じて第1表示部(42)に所定の情報を表示させる。
【0059】
(4)温度センサ
図4図6に示すように、温度センサ(50)は、中継器(5)に配置される。温度センサ(50)は、中継器(5)の温度状態を検出する検出部である。温度センサ(50)は、室内ユニット(30)の第2制御部(C2)に通信可能に接続される。本実施形態の温度センサ(50)は、空気調和装置(10)の一部を構成する。言い換えると、室内ユニット(30)は、温度センサ(50)を備える。温度センサ(50)は、センサ部(50a)およびセンサ基板(50b)を有する。
【0060】
センサ部(50a)は、中継器(5)に設置される。センサ部(50a)は、中継器(5)のうち発熱する部分に接する。別の言い方をすると、センサ部(50a)は、中継器(5)のうち温度が上昇しやすい部分に接する。具体的に、センサ部(50a)は、中継器(5)のうち後述するアンテナ部材(5a)に接するように設けられる。
【0061】
センサ基板(50b)は、センサ部(50a)と有線により接続される。センサ基板(50b)には、センサ部(50a)から出力される信号が入力される。センサ基板(50b)は、第2制御部(C2)に中継器(5)の温度状態を示す温度情報を出力する。例えば、センサ基板(50b)は、センサ部(50a)から受信した信号に基づいて中継器(5)の温度情報を生成し、該温度情報を第2制御部(C2)へ送信する。中継器(5)の温度情報は、中継器(5)の温度である。中継器(5)の温度情報は、アンテナ部材(5a)の温度であってもよい。センサ基板(50b)は、室内ユニット(30)に設けられればよく、第2制御部(C2)の一部を構成してもよい。
【0062】
(5)制御装置
制御装置(100)は、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
【0063】
制御装置(100)は、空調制御部(AC)、警報装置(70)と通信する。制御装置(100)は、ビル内の空気制御装置(100)、照明、エレベータ、扉の開閉、防犯システムなどの制御も兼用してもよい。すなわち、制御装置(100)は、ビル内の機器を集中して管理する集中管理制御装置であってもよいし、BEMS(Building Energy Management System)のようなビル内で使用する電力の使用量などを計測し、空気調和装置(10)の運転や照明を制御するシステムであってもよい。制御装置(100)は、各第2制御部(C2)から中継器(5)の温度状態を示す信号を受信し、温度状態が異常であるか否かを判定する。制御装置(100)は、温度状態が異常であると判定した中継器(5)を示す情報を警報装置(70)に送信する。制御装置(100)は、ビル内の一室(集中管理室)に配置されてもよい、ビルとは異なる建物内に配置されてもよい。
【0064】
(6)警報装置
警報装置(70)は、中継器(5)の異常を報知する報知部を構成する。警報装置(70)は、制御装置(100)と同じ集中管理室に配置されてもよいし、ビルとは異なる建物内に配置されてもよい。警報装置(70)は、ビル内に配置された中継器(5)のうち温度異常を示す中継器(5)を報知する。これにより作業員は、温度異常を示す中継器(5)を特定できる。警報装置(70)は、報知制御部(71)、発報部(72)、第2表示部(73)を有する。
【0065】
報知制御部(71)は、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。報知制御部(71)は、制御装置(100)と通信可能に接続される。報知制御部(71)は、発報部(72)および第2表示部(73)を制御する。
【0066】
発報部(72)は、スピーカーである。発報部(72)は、中継器(5)の温度が異常を示したとき、アラーム音を鳴らす。発報部(72)は、中継器(5)の温度が異常であることを報知する音声を報知してもよい。
【0067】
第2表示部(73)は、ディスプレイである。第2表示部(73)は、中継器(5)の温度が異常であることを表示する。
【0068】
(7)運転動作
空気調和装置(10)の運転動作について図1を参照しながら説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。なお、図1では、冷房運転時の冷媒の流れを実線矢印で示し、暖房運転時の冷媒の流れを破線矢印で示している。
【0069】
(7-1)冷房運転
冷房運転では、第1制御部(C1)が圧縮機(21)および室外ファン(23)を運転させ、切換機構(24)を第1状態とし、室外膨張弁(25)を全開とする。第2制御部(C2)が室内ファン(33)を運転させ、室内膨張弁(31)を所定開度に調節する。
【0070】
冷房運転時の冷媒回路(11)は、第1冷凍サイクルを行う。第1冷凍サイクルでは、室外熱交換器(22)が放熱器(厳密には、凝縮器)として機能し、室内熱交換器(32)が蒸発器として機能する。
【0071】
具体的には、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、液連絡配管(13)を流れ、各室内回路(30a)に分流する。各室内回路(30a)では、冷媒が室内膨張弁(31)で減圧された後、室内熱交換器(32)を流れる。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。各室内熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、ガス連絡配管(14)で合流した後、圧縮機(21)に吸入される。
【0072】
(7-2)暖房運転
暖房運転では、第1制御部(C1)が圧縮機(21)および室外ファン(23)を運転させ、切換機構(24)を第2状態とし、室外膨張弁 (25)を所定開度に調節する。第2制御部(C2)が室内ファン(33)を運転させ、室内膨張弁(31)を所定開度に調節する。
【0073】
暖房運転時の冷媒回路(11)は、第2冷凍サイクルを行う。第2冷凍サイクルでは、室内熱交換器(32)が放熱器(厳密には、凝縮器)として機能し、室外熱交換器(22)が蒸発器として機能する。
【0074】
具体的には、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、ガス連絡配管(14)を流れ、各室内回路(30a)に分流する。各室内回路(30a)では、冷媒が室内熱交換器(32)を流れる。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。各室内熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、各室内膨張弁(31)で減圧されたのち、液連絡配管(13)で合流する。液連絡配管(13)の冷媒は、室外膨張弁(25)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入される。
【0075】
(8)無線通信システム
図2および図5に示すように、ビルには無線通信システム(2)が設けられる。無線通信システム(2)は、基地局(3)は、中継器(5)からの指示により、サーバ(7)に対してダウンロードまたはアップロードを要求する。
【0076】
中継器(5)は、無線信号が到達可能な範囲に位置する情報端末(R)と無線接続する。具体的に、中継器(5)は、室内空間(S)にあるパソコンやスマートフォン等の情報端末(R)と通信する。中継器(5)は、通信装置の一例である。情報端末(R)は、所定の機器である。図4および図6に示すように中継器(5)は、アンテナ部材(5a)を備える。アンテナ部材(5a)は、情報端末(R)と信号を送受信する。
【0077】
基地局(3)および中継器(5)は、所定の周波数帯で通信する。周波数は、3.7GHz帯である3.6GHzないし4.2GHz、4.5GHz帯である4.4GHzないし4.9GHz、または28GHz帯(27.0GHzないし29.5GHz)である。周波数は、28GHz帯が好ましく、その中で28GHz以上がより好ましい。
【0078】
(8-1)中継器の配置
図2および図4に示すように中継器(5)は、各部屋の天井裏に配置される。部屋の広さにより天井裏に設置される中継器(5)の数を決定してもよい。本実施形態では中継器(5)は、各室内ユニット(30)に接するように配置される。具体的に、中継器(5)は、ケーシング(34)の外側に配置される。ケーシング(34)の外側は、ケーシング(34)の外面を含む。ケーシング(34)の外面は、ケーシング(34)を構成する面のうち天井裏の空間に面する部分をいう。このように、中継器(5)は、室内空間(S)外の空間に配置される。別の言い方をすると、中継器(5)は、吹出口(47)から吹き出される空気が当たらない位置に設けられる。すなわち、中継器(5)は、室内ユニット(30)の吹出口(47)よりも上方に配置される。中継器(5)は室内ユニット(30)よりも下方に配置されない。
【0079】
具体的に、図6に示すように室内ユニット(30)が天井面の矩形の開口(O)に嵌め込まれた状態において、パネル(36)の外周縁部は天井面に接している。パネル(36)は上方から見て概ね矩形に形成されている一方、ケーシング本体(35)は上方から見て概ね八角形に形成されている。そのため、パネル(36)の4隅には天井面に接していないスペースが形成される。中継器(5)は、パネル(36)上のこのスペースに配置される。
【0080】
(8-2)中継器の発熱の問題
近年の通信の高速化に伴って、ビルなどの所定の建物に高速通信可能な通信基地局およびその中継器の設置が求められる。通信速度が高速化すると、基地局および中継器のアンテナが発する熱量が大きくなる。そのため、発熱による基地局または中継器の故障を避けるために、該基地局または中継器を冷却する必要がある。例えば、中継器やアンテナに冷却装置を設けることで冷却することが考えられるが、例えば多数の部屋を有するビルなどにおいては、設置される中継器も比較的多い。そのため、多数の中継器のそれぞれに熱交換器及びファンを有する冷却装置を中継器に設置することは、手間がかかる上にコストもかかる。また、ヒートシンクにより中継器を冷却することが考えられるが、ヒートシンクを設置する手間やコストは冷却装置の設置よりも手間やコストは抑えられるもの、冷却装置よりも冷却効果は期待できない。
【0081】
このように、室内空間(S)の情報端末(R)と無線通信する通信装置において、中継器の発熱による温度上昇を抑えることが求められる。しかし、中継器の冷却を簡便に行ったり、中継器を冷却するためのコストを抑えたりするなどの検討はこれまでなされなかった。
【0082】
これに対して、本実施形態の室内ユニット(30)は、中継器(5)を冷却可能な冷却部(60)を備える。以下、冷却部(60)について具体的に説明する。
【0083】
(9)冷却部
冷却部(60)は、所定の冷却媒体と熱交換することで中継器(5)を冷却する。中継器(5)は発熱機器である。冷却媒体は、室内熱交換器(32)を流れる冷媒および室内ファン(33)により搬送される空気である。冷却媒体が冷媒である場合、冷却媒体は、冷凍サイクルにより放熱器として機能する室内熱交換器(32)を流れる冷媒であってもよいし、蒸発器として機能する室内熱交換器(32)を流れる冷媒であってもよい。すなわち、冷却媒体は、冷凍サイクル行うことで放熱器または蒸発器として機能する室内熱交換器(32)を流れる冷媒である。冷却部(60)は、空気調和装置(10)の運転モードによらず中継器(5)を冷却する。運転モードは、少なくても室内ユニット(30)の室内ファン(33)が運転するモードであればよい。
【0084】
図6および図7に示すように、冷却部(60)は、伝熱部(61)を有する。本実施形態の伝熱部(61)は、冷却材が封入されたヒートパイプ(62)である。ヒートパイプ(62)は、曲げ加工が自在の棒状の部材である。ヒートパイプ(62)は、蒸発部と放熱部とを有する。蒸発部はヒートパイプ(62)の一端側に配置される。放熱部はヒートパイプ(62)の他端側に配置される。
【0085】
ヒートパイプ(62)は、ケーシング(34)を貫通するように設けられる。具体的に、ケーシング本体(35)の側壁には取付孔(39)が設けられる。取付孔(39)は、ケーシング(34)の外側である天井裏の空間と、ケーシング(34)内の空気通路(48)とを連通する。取付孔(39)は、ヒートパイプ(62)を固定する。具体的に、取付孔(39)は、その内周面にヒートパイプ(62)の外周面が接するように形成される。取付孔(39)には、ヒートパイプ(62)を固定する固定部材が設けられていてもよい。
【0086】
ヒートパイプ(62)は、中継器(5)と室内熱交換器(32)を流れる冷媒との間の熱伝達に利用される。具体的に、ヒートパイプ(62)の放熱部は室内熱交換器(32)に接する。より具体的に、ヒートパイプ(62)の放熱部は、室内熱交換器(32)を構成する部品に接する。室内熱交換器(32)の部品は、冷媒配管、フィン、管板等を含む。ヒートパイプ(62)の蒸発部は、中継器(5)のアンテナ部材(5a)に接する。これにより、ヒートパイプ(62)は、中継器(5)が発する熱を室内熱交換器(32)に向かって伝熱する。厳密には、ヒートパイプ(62)は、蒸発部において中継器(5)から発する熱を吸収し、放熱部において室内熱交換器(32)に放熱する。
【0087】
ヒートパイプ(62)は、蒸発部において中継器(5)を構成する部品の中で、発熱しやすいアンテナ部材(5a)の熱を吸収することで、発熱による中継器(5)の不具合の発生を抑制できる。特にヒートパイプ(62)は、棒状の部材であり中継器(5)に接する先端の面積は小さい。これにより、中継器(5)またはそのアンテナ部材(5a)が比較的小型であることにより、発熱する部分の領域が比較小さくてもヒートパイプ(62)を使用することで、その発熱部分から吸熱しやすくできる。さらに、ヒートパイプ(62)は自在に曲げることができるため、中継器(5)または中継器(5)(またはそのアンテナ部材(5a))の設置位置は制限されず、中継器(5)と室内熱交換器(32)の冷媒とを熱交換できる。すなわち、ヒートパイプ(62)を用いることで、中継器(5)の温度上昇の抑制効果を高めることができる。
【0088】
また、ケーシング(34)に設置されるヒートパイプ(62)は1つに限られず、複数でもよい。これにより、中継器(5)において、発熱する箇所が複数、または発熱により温度上昇しやすい箇所が複数ある場合、それぞれにヒートパイプ(62)を設けることができる。例えば、中継器(5)に複数のアンテナ部材(5a)が設けられる場合、各アンテナ部材(5a)にヒートパイプ(62)を設けることができる。この場合、取付孔(39)も複数形成される。
【0089】
ヒートパイプ(62)は、中継器(5)の位置によって、形状を変えてもよい。ヒートパイプ(62)内の作動液が多いほど最大熱輸送量も多くなる。そのため、中継器(5)から室内熱交換器(32)への伝熱性を向上させるために、中継器(5)と室内熱交換器(32)との最短距離となる長さ以上のヒートパイプ(62)を用いてもよい。
【0090】
本実施形態の冷却部(60)は、空気調和装置(10)の運転モードによらず中継器(5)を冷却できる。具体的に、中継器(5)が発熱すると、最も高い箇所で80℃以上に達する。一方、空気調和装置(10)が冷房運転を行っている場合、室内熱交換器(32)は蒸発器として機能する。このとき、室内熱交換器(32)は通常10℃以下まで低下するため、室内熱交換器(32)の温度は中継器(5)の温度に比べて十分低い。従って、冷房運転において、ヒートパイプ(62)により中継器(5)を冷却できる。また、空気調和装置(10)が暖房運転を行っている場合、室内熱交換器(32)は放熱器として機能する。このとき、室内熱交換器(32)は、概ね60℃に達する。このように室内熱交換器(32)が放熱器として機能している場合であっても、室内熱交換器(32)の温度は、中継器(5)の温度よりも低い。従って、暖房運転において、ヒートパイプ(62)により中継器(5)を冷却できる。室内ファン(33)のみを回転させる送風運転においても、通過する空気通路(48)の風により室内熱交換器(32)は冷却されるため、室内熱交換器(32)の温度は、中継器(5)よりも低い。よって、送風運転においても、冷却部(60)は中継器(5)を冷却できる。
【0091】
(10)制御装置の動作
制御装置(100)は、中継器(5)の温度状態に応じて、室内ユニット(30)および室外ユニット(20)を制御する。具体的に、制御装置(100)は、第1制御部(C1)から受信した中継器(5)の温度情報に基づいて、室内ユニット(30)、室外ユニット(20)および警報装置(70)の運転を制御する。制御装置の制御の一例について図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、複数の室内ユニット(30)のうち1つの室内ユニット(30)が運転しているとする。
【0092】
ステップS11では、制御装置(100)は、中継器(5)の温度が所定温度以下であるか判定する。中継器(5)の温度が所定温度以下である場合(ステップS11のYES)、本制御はリターンする。中継器(5)の温度が所定値より高い場合(ステップS11のNO)、ステップS12が実行される。
【0093】
ステップS12では、制御装置(100)は、空気調和装置(10)が運転中であるかを判定する。空気調和装置(10)が運転中である場合(ステップS12のYES)、ステップS13が実行される。室内ユニット(30)が停止である場合(ステップS12のNO)、ステップS18が実行される。なお、空気調和装置(10)が停止している状態とは、圧縮機(21)、室内ファン(33)、室外ファン(23)の運転が停止している状態であればよく、空気調和装置(10)は通電状態であってもよい。
【0094】
ステップS13では、制御装置(100)は、空気調和装置(10)が暖房運転を行っているか判定する。空気調和装置(10)が暖房運転を行っている場合(ステップS13のYES)、ステップS15が実行される。空気調和装置(10)が暖房運転を行っていない場合(ステップS13のNO)、空気調和装置(10)は、冷房運転または送風運転を行っていると判断し、ステップS14が実行される。
【0095】
ステップS14では、制御装置(100)は、警報装置(70)を作動させる。警報装置(70)は、アラームや表示により作業者に中継器(5)の温度が異常であることを報知する。警報装置(70)は、所定の期間作動後に停止してもよいし、作業者の操作に基づいて停止してもよい。ステップS14が実行された後、本制御は終了する。
【0096】
ステップS15では、制御装置(100)は、空気調和装置(10)に対して保護運転を実行させる。ステップS15の保護運転は、圧縮機(21)の回転数を低下させる運転である。これにより、圧縮機(21)の回転数の低下により空気調和装置(10)の暖房能力が低下する。すなわち、室内熱交換器(32)において空気中への放熱が低下するため、ヒートパイプ(62)の放熱部と蒸発部との温度差が増大する。これにより、中継器(5)の温度上昇が抑制される。
【0097】
ステップS16では、制御装置(100)は、中継器(5)の温度が所定温度以下であるか判定する。中継器(5)の温度が所定温度以下である場合(ステップS16のYES)、ステップS17が実行される。中継器(5)の温度が所定値より高い場合(ステップS16のNO)、ステップS14が実行される。
【0098】
ステップS17では、制御装置(100)は、空気調和装置(10)に対してステップS15の保護運転を終了させる。本制御はリターンされる。
【0099】
ステップS18では、制御装置(100)は、空気調和装置(10)に対して保護運転を実行させる。ステップS18の保護運転は、送風運転である。送風運転では、圧縮機(21)の運転は停止し、室内ファン(33)が運転される。室内ファン(33)の運転により、空気通路(48)に空気が流れ室内熱交換器(32)は空冷される。これにより、ヒートパイプ(62)の放熱部の放熱が促進されることで、中継器(5)の温度上昇が抑制される。なお、送風運転では、室内ファン(33)に搬送された空気が冷却媒体となる。
【0100】
ステップS19では、制御装置(100)は、中継器(5)の温度が所定温度以下であるか判定する。中継器(5)の温度が所定温度以下である場合(ステップS19のYES)、本制御はリターンする。中継器(5)の温度が所定値より高い場合(ステップS11のNO)、ステップS12が実行される。
【0101】
ステップS20では、制御装置(100)は、制御装置(100)は、空気調和装置(10)に対してステップS18の保護運転を終了させる。本制御はリターンされる。
【0102】
ステップS21では、制御装置(100)は、警報装置(70)を作動させる。警報装置(70)は、アラームや表示により作業者に中継器(5)の温度が異常であることを報知する。警報装置(70)は、所定の期間作動後に停止してもよいし、作業者の操作に基づいて停止してもよい。
【0103】
ステップS22では、制御装置(100)は、空気調和装置(10)に対して保護運転を実行させる。ステップS22の保護運転は、冷房運転である。冷房運転により、室内熱交換器(32)は蒸発器として機能するため、冷房運転時の室内熱交換器(32)の温度は、送風運転時の室内熱交換器(32)の温度よりも低い。そのため、ヒートパイプ(62)の放熱部における放熱が促進される結果、中継器(5)の温度上昇が抑制される。ステップS22の次に、ステップS19が再び実行される。
【0104】
(11)実施形態の特徴
(11-1)特徴1
本実施形態では、室内ユニット(30)は、空気調和装置(10)の運転モードによらず、ケーシング(34)の外側に配置される中継器(5)を冷却可能な冷却部(60)とを備える。本実施形態のように、中継器(5)と室内ユニット(30)とが配置される天井裏の空間において、室内ユニット(30)の運転を利用することで簡便に中継器(5)を冷却できる。言い換えると、本実施形態の室内ユニット(30)は、室内空間(S)の空調と中継器(5)の冷却とを兼用できる。このように、中継器(5)を冷却する複雑な装置を設けることを不要にできる。特に本実施形態のように比較的多数の室内空間(S)を有するビルにおいては中継器(5)も多数設置されるため、そのような冷却装置を設置することによる手間やコストを不要できる。さらに、空気調和装置(10)が冷房運転時でも暖房運転時でも中継器(5)を冷却できる。このように冷却部(60)は、空気調和装置(10)の運転モードによって中継器(5)を冷却できなくなるということがないため、簡便に中継器(5)を冷却できる。
【0105】
(11-2)特徴2
本実施形態では、冷却部(60)は、所定の冷却媒体と熱交換することで中継器(5)を冷却し、冷却媒体は、冷凍サイクル行うことで放熱器または蒸発器として機能する室内熱交換器(32)を流れる冷媒または室内ファン(33)により搬送される空気である。
【0106】
このように、室内熱交換器(32)を流れる冷媒、または室内ファン(33)により搬送される空気を冷却媒体として中継器(5)との熱交換に用いることができる。特に、室内熱交換器(32)が放熱器として機能する暖房運転においても、中継器(5)を冷却できる。
【0107】
(11-3)特徴3
本実施形態では、冷却部(60)は、中継器(5)から冷却媒体への熱伝達に利用される伝熱部(61)を有する。伝熱部(61)は、空気通路(48)とケーシング(34)外とを貫通する。ケーシング(34)に伝熱部(61)を設けるだけで、発熱機器(5)を容易に冷却できる。
【0108】
(11-4)特徴4
本実施形態では、伝熱部(61)は、冷却材が封入されたヒートパイプ(62)である。これにより、ヒートパイプ(62)を設けるだけで、熱交換器(32)または空気通路(48)内の空気と簡便に冷却できる。
【0109】
(11-5)特徴5
本実施形態では、冷却部(60)は、中継器(5)のアンテナ部材(5a)を冷却する。中継器(5)のアンテナ部材(5a)は、通信により高温になりやすい。冷却部(60)によってこのようなアンテナ部材(5a)の温度上昇を抑えることができる。
【0110】
(11-6)特徴6
本実施形態では、中継器(5)は、28GHz以上の周波数で情報端末(R)と通信する。
【0111】
このような高周波数帯の中継器(5)が通信できる範囲は比較的狭い。そのため室内空間(S)にあるパソコンやスマートフォン等の情報端末(R)と通信する場合、中継器(5)は、室内空間(S)または室内空間(S)の天井裏に設置される。室内空間(S)または室内空間(S)に近接する天井裏に中継器(5)を配置することが好ましい。本実施形態では室内ユニット(30)は天井裏に配置されているため、中継器(5)を室内ユニット(30)近傍に配置することで、室内ユニット(30)の運転を利用して冷却できる。
【0112】
(11-7)特徴7
本実施形態の空調システム(1)は、中継器(5)の温度状態に応じて、室内ユニット(30)または室外ユニット(20)を制御する制御装置(100)を備える。
【0113】
中継器(5)の温度に応じて空気調和装置(10)が運転される。このことで、ユーザが空気調和装置(10)を操作しなくても制御装置(100)が自動で中継器(5)を温度上昇を抑制する運転をするため、中継器(5)の温度上昇による不具合を未然に予防できる。
【0114】
(11-8)特徴8
本実施形態の室内ユニット(30)は、中継器(5)の温度状態を検出する温度センサ(50)をさらに備える。温度センサ(50)は、中継器(5)に設置されるセンサ部(50a)と、該センサ部(50a)から出力される信号が入力されるセンサ基板(50b)とを有する。センサ基板(50b)は、室内ユニット(30)内に設けられる。
【0115】
センサ基板(50b)を、室内ユニット(30)の第2制御部(C2)に設けることができる。言い換えると、第2制御部(C2)は、センサ基板(50b)を兼用する。
【0116】
(11-9)特徴9
本実施形態の空調システム(1)は、中継器(5)の異常を報知する警報装置(70)とを備える。
【0117】
警報装置(70)によりユーザは中継器(5)の温度が異常であることを認識できる。
【0118】
(12)変形例
上記実施形態の冷却部の変形例について説明する。
【0119】
(12-1)変形例1
図9に示すように、変形例1の冷却部(60)は、ヒートパイプ(62)およびヒートシンク(64)を備える。ヒートシンク(64)は、ケーシング(34)内においてヒートパイプ(62)に接する。ヒートシンク(64)は、ヒートパイプ(62)の放熱部に接するように配置される。これにより、ヒートパイプ(62)の放熱部における放熱が促進される。
【0120】
ヒートパイプ(62)の放熱部は、室内熱交換器(32)に接しないように室内熱交換器(32)の下流側の空間に位置する。ヒートパイプ(62)は、室内ファン(33)により搬送される空気通路(48)内の空気と中継器(5)とを熱交換する。すなわち、変形例1では、室内ファン(33)により搬送される空気が冷却媒体となる。ヒートシンク(64)をヒートパイプ(62)に設けることで、ヒートパイプ(62)の放熱部からの放熱を促進できる。その結果、中継器(5)の熱上昇の抑制効果を高めることができる。
【0121】
(12-2)変形例2
図10に示すように、変形例2の冷却部(60)は、ヒートパイプ(62)、第1ヒートシンク(64a)、第2ヒートシンク(64b)、および冷却ファン(65)を備える。
【0122】
ヒートパイプ(62)の放熱部は、室内熱交換器(32)に接しないように室内熱交換器(32)の下流側に位置する。すなわち、変形例2では、室内ファン(33)により搬送される空気が冷却媒体となる。第1ヒートシンク(64a)は、ケーシング(34)内においてヒートパイプ(62)の蒸発部に接し、第2ヒートシンク(64b)は、ケーシング(34)外においてヒートパイプ(62)の放熱部に接する。冷却ファン(65)は、ケーシング(34)の外側に配置される。冷却ファン(65)は、中継器(5)に向かって空気を搬送する。冷却ファン(65)は、該冷却ファン(65)により搬送される空気が中継器(5)または第2ヒートシンク(64b)に流れるように設けられていればよい。
【0123】
例えば、冬期ではケーシング(34)外側の空気温度は比較的低い。そのため、第2ヒートシンク(64b)により、中継器(5)の熱はヒートパイプ(62)を介して放出しやすくなる。夏期では、ケーシング(34)外側の空気温度は比較的高いが、冷却ファン(65)を運転することで、第2ヒートシンク(64b)から中継器(5)の熱を放出しやすくなる。このように、変形例2では、ヒートパイプ(62)に加え、第2ヒートシンク(64b)により中継器(5)を冷却できる。特に、第2ヒートシンク(64b)により、室内ユニット(30)が停止(室内ファン(33)が停止)していても中継器(5)の温度上昇を抑制できる。
【0124】
(12-3)変形例3
図11に示すように、変形例3の冷却部(60)は、第1ヒートパイプ(62a)および第2ヒートパイプ(62b)を有する。第1ヒートパイプ(62a)は、上記変形例1と同様に、放熱部が室内熱交換器(32)に接しないように室内熱交換器(32)の下流側に位置し、蒸発部が中継器(5)に接するように設けられる。すなわち、変形例3では、室内ファン(33)により搬送される空気が冷却媒体となる。第2ヒートパイプ(62b)は、ケーシング(34)内に配置される。第2ヒートパイプ(62b)の蒸発部は、第1ヒートパイプ(62a)の放熱部に接し、放熱部は空気通路(48)内のうち室内熱交換器(32)の下流側の空間に位置する。
【0125】
このように第1ヒートパイプ(62a)の放熱部から放出される熱を第2ヒートパイプ(62b)の蒸発部で吸収する。これにより、冷却部(60)が第1ヒートパイプ(62a)のみの場合に比べ、中継器(5)の温度上昇の抑制効果を向上できる。
【0126】
(12-4)変形例4
図12に示すように、変形例4の冷却部(60)は、筒部材(63)を有する。筒部材(63)は、取付孔(39)に取り付けられる。筒部材(63)の一端は、空気通路(48)の室内熱交換器(32)の下流側に向かって開放される。筒部材(63)の他端は、中継器(5)に向かって開放される。厳密に、筒部材(63)の他端は、中継器(5)近傍に位置する。筒部材(63)は、空気通路(48)とケーシング(34)外とを連通する吹出流路(63)を構成する。
【0127】
変形例4では、室内ファン(33)により搬送される空気通路(48)内の空気の一部は筒部材(63)に流入する。筒部材(63)に流入した空気は、中継器(5)に向かって吹き出される。中継器(5)は吹き出された空気により冷却される。このように変形例4の冷却媒体は、室内ファン(33)により搬送される空気である。この空気と中継器(5)とが熱交換されることで、中継器(5)の温度上昇を抑制できる。
【0128】
(12-5)変形例5
図13に示すように、変形例5の冷却部(60)は、ヒートシンク(64)、筒部材(63)、および冷却ファン(65)を備える。ヒートシンク(64)は、ケーシング(34)外において中継器(5)に接するように配置される。筒部材(63)の一端は、室内熱交換器(32)の下流側に向かって開放し、他端はヒートシンク(64)に向かって開放している。具体的に、筒部材(63)の他端はヒートシンク(64)近傍に位置する。冷却ファン(65)は、ヒートシンク(64)および中継器(5)に空気を搬送する。
【0129】
変形例5では、室内ファン(33)により搬送される空気通路(48)内の空気の一部は筒部材(63)に流入する。筒部材(63)に流入した空気は、ヒートシンク(64)に向かって吹き出される。ヒートシンク(64)は吹き出された空気により放熱が促進される。これにより、中継器(5)の温度上昇を抑制できる。このように変形例5の冷却媒体は、室内ファン(33)により搬送される空気である。
【0130】
(12-6)変形例6
図14に示すように、変形例6の冷却部(60)は、冷媒配管(32a)を有する。具体的に、変形例6では、室内熱交換器(32)の一部の冷媒配管(32a)がケーシング本体(35)の側壁を貫通して中継器(5)に接する。これにより、冷媒配管(32a)を流れる冷媒は、中継器(5)と熱交換する。このように変形例6の冷却媒体は、冷媒配管(32a)を流れる冷媒である。
【0131】
(13)その他の実施形態
上記状実施形態およびその各変形例は、以下のような構成としてもよい。
【0132】
室内ユニット(30)は中継器(5)を備えていてもよい。また、室内ユニット(30)は壁掛け式であってもよい。
【0133】
空気調和装置(10)は、間接膨張式であってもよい。例えば空気調和装置(10)は、チリングユニットを備える。空気調和装置(10)の冷媒回路には、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(25)、および冷却器(図示省略)が接続される。室内熱交換器(32)を流れる熱媒体は、水やブラインなどの循環液である。循環液は、所定のポンプにより室内熱交換器(32)と冷却器との間を循環する。循環液は冷却器において冷媒と熱交換することで冷却される。
【0134】
冷却部(60)は、基地局(3)に適用されてもよい。
【0135】
冷却部(60)は、ヒートパイプ(62)および筒部材(63)の両方を有していてもよい。
【0136】
ヒートパイプ(62)の放熱部は、室内熱交換器(32)接していてもよいし、接していなくてもよい。放熱部は空気通路(48)において室内熱交換器(32)の下流側に位置していればよい。
【0137】
筒部材(63)により、空気通路(48)の空気により中継器(5)を冷却する場合、筒部材(63)はなくてもよい。この場合、取付孔(39)が吹出流路(63)を構成する。
【0138】
ヒートシンク(64)が設けられる変形例において、ヒートシンク(64)の数や設置位置に限りはない。冷却ファン(65)が設けられる変形例において、ヒートシンク(64)のみで十分放熱できる場合は、冷却ファンの設置を要しない。
【0139】
空調システム(1)は制御装置を有していなくてもよい。この場合、上記実施形態で説明した制御装置(100)の動作や警報装置(70)の制御は、空調制御部(AC)が行ってもよい。
【0140】
温度センサ(50)は中継器(5)に設けられていてもよい。この場合、センサ基板(50b)は中継器(5)内に配置される。
【0141】
発熱機器(5)は、中継器(5)または基地局(3)に限られない。暖房運転時の室内熱交換器(32)以上にまで高温に達する機器であればよい。また、発熱機器(5)は、空気調和装置(10)の運転に用いられる機器以外であればよい。
【0142】
通信装置(3,5)は、室内ユニット(30)に接するように配置されているが、これに限定されない。冷却部(60)により冷却できる位置にあればよく、室内ユニット(30)の近傍に配置されていてもよい。
【0143】
通信装置(5)のうち、アンテナ部材(5a)は室内空間(S)に配置されていてもよい。例えば、アンテナ部材(5a)は室内空間(S)に面する天井面に接していてもよい。
【0144】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0145】
以上説明したように、本開示は、室内ユニットおよび空調システムについて有用である。
【符号の説明】
【0146】
1 空調システム
3,5 通信装置
5 中継器(発熱機器)
5a アンテナ部材
10 空気調和装置
12 連絡配管
20 室外ユニット(熱源ユニット)
30 室内ユニット
32 室内熱交換器
33 室内ファン
34 ケーシング
48 空気通路
50 検出部(温度センサ)
50a センサ部
50b センサ基板
60 冷却部
61 伝熱部
62 ヒートパイプ
63 吹出流路(筒部材)
64 ヒートシンク
65 冷却ファン
70 報知部(警報装置)
100 制御装置
S 室内空間(対象空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14