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特開2024-146375情報処理装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146375
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20241004BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059229
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草間 あゆみ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】定期的に身体的情報を測定する意識面も考慮した生活管理状態を知ることを可能とすることを目的とする。
【解決手段】利用者の測定活動により得られる生体情報を処理する情報処理装置は、時間間隔をおいて測定された生体情報の変動を取得する変動取得部と、生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得部と、変動の推移及び測定間隔の推移に基づいて利用者の生活管理状態を判定する判定部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の測定活動により得られる生体情報を処理する情報処理装置であって、
時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得部と、
前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得部と、
前記変動の推移及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記判定部は、前記変動及び前記測定間隔の組み合わせと生活習慣タイプとが対応付けられている対応関係に基づいて前記利用者の前記変動及び前記測定間隔に対応する生活習慣タイプを判定し、前記生活習慣タイプの推移に基づいて前記生活管理状態を判定する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記生活管理状態は、所定の期間中に複数行われた前記生活習慣タイプの判定において判定された回数が多い前記生活習慣タイプに基づいて決定される、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記判定部は、判定された前記生活管理状態に基づいて生活習慣の改善を促すコメントを作成する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記判定部は、前記生活習慣タイプの推移に基づいて前記生活管理状態の改善度合いをさらに判定する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記生活習慣タイプの推移を、前記変動及び前記測定間隔の組合せの関係を示すマトリクス図に表示する表示部を備える、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記生活管理状態は、前記変動が変動閾値によって度合別に分けられた変動度合と前記測定間隔が間隔閾値によって度合別に分けられた間隔度合とに基づいて定められ、
前記変動閾値及び前記間隔閾値は、前記利用者の属性又は入力情報の少なくとも一方に基づいて定められる、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記変動は、異なる期間毎に間隔をおいて測定された前記生体情報の期間別変動率に基づいて演算されるとともに、直近の前記期間別変動率の比重が高まるように重みづけされた値である、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記測定間隔は、異なる時期に前記生体情報を測定した時期別測定間隔に基づいて演算されるとともに、直近の前記時期別測定間隔の比重が高まるように重みづけされた値である、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記判定部は、前記変動の推移及び前記測定間隔の推移に基づいて前記生活習慣タイプを分類して前記利用者の生活管理状態を判定し、判定された生活管理状態を前記変動の推移及び前記測定間隔の推移の少なくとも一方に基づいてさらに分類する、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記生体情報は、体重である、
情報処理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記生活管理状態に関する情報を前記利用者に報知する報知デバイスをさらに備える、
情報処理装置。
【請求項13】
利用者の測定活動により得られる生体情報を処理する情報処理装置のコンピュータが実行する方法であって、
時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得ステップと、
前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得ステップと、
前記変動及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定ステップと、
を備える方法。
【請求項14】
利用者の測定活動により得られる生体情報を処理するコンピュータを、
時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得ステップと、
前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得ステップと、
前記変動及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定ステップ、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、健康管理支援装置が示されている。この健康管理支援装置は、測定された2種以上の身体的情報の分析結果に基づいてアドバイスを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-209871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような健康管理支援装置にあっては、利用者が毎日朝と夜に体重を測定することが前提とされており、定期的に身体的情報を測定するという意識が確立していない利用者の健康管理を支援するものではない。そのため、特許文献1に開示されている健康管理支援装置においては、定期的に身体的情報を測定するというような意識付けが必要な利用者の健康管理支援を行うためには、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、定期的に身体的情報を測定する意識面も考慮した生活管理状態を知ることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の情報処理装置は、利用者の測定活動により得られる生体情報を処理する情報処理装置であって、時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得部と、前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得部と、前記変動の推移及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この態様によれば、生体情報の変動の推移と生体情報を測定した測定間隔との推移に基づいて利用者の生活管理状態が判定される。この判定で用いる生体情報の変動は、例えば利用者の食事の摂取状況及び運動状況などが反映されやすい。また、判定で用いる測定間隔は、規則的な生活の状況及び利用者の身体状態に対する関心度などが反映されやすい。
【0008】
このため、生体情報の変動の推移を利用することにより例えば継続的な食事制限及び定期的な運動の継続などの状況を把握することができる。また、測定間隔の推移を利用することにより例えば規則的な生活の継続及び身体状態の関心度の変化などの状況を把握することができる。したがって、生体情報の変動の推移と測定間隔との推移に基づく判定結果から、定期的に身体的情報を測定する意識面も考慮した生活管理状態を知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る測定装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、体重変動率変数の求め方の一例を示す図である。
図4図4は、測定間隔変数の求め方の一例を示す図である。
図5図5は、体重変動判定テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、測定間隔判定テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、生活乱れ判定テーブルの一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図8に続くフローチャートである。
図10図10は、図9に続くフローチャートである。
図11図11は、生活習慣タイプ「1」の生活習慣改善コメントの一例を示す図である。
図12図12は、生活習慣タイプ「5」の生活習慣改善コメントの一例を示す図である。
図13図13は、生活習慣タイプ「9」の生活習慣改善コメントの一例を示す図である。
図14図14は、生活管理状態の改善度合いを示す図である。
図15図15は、生活習慣タイプの変化履歴(推移)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10を示す斜視図である。
【0011】
図1に示すように、情報処理装置10は、利用者の測定活動により得られる時系列の生体情報を処理する装置である。測定活動とは、利用者が自身の生体情報を測定するために行う活動をいう。具体的に説明すると、情報処理装置10は、生体の生体情報を測定する装置である。情報処理装置10は、生体の一例である人間の生体情報を測定する。生体情報は、当該情報処理装置10を利用する利用者の体重である。
【0012】
情報処理装置10は、体重計を構成する。また、情報処理装置10は、利用者の生体情報である体重を測定するとともに、測定した体重を処理する。
【0013】
なお、本実施形態では、測定する生体情報が利用者の体重である場合を例に挙げて説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。測定する生体情報は、例えば利用者の体脂肪、筋肉量、血圧等であってもよい。
【0014】
情報処理装置10の筐体20は、矩形状に形成されている。筐体20の上面22には、液晶モニタ24が設けられている。液晶モニタ24の近傍には、複数のスイッチ26が設けられている。
【0015】
情報処理装置10は、上面22に加えられた荷重を測定する荷重センサ102(図2参照)を内蔵する。荷重センサ102は、情報処理装置10に乗った利用者の体重を測定する。測定した体重は、例えば液晶モニタ24に表示される。
【0016】
(ハードウエア構成)
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、情報処理装置10は、情報処理装置10のコンピュータを構成するプロセッサ100を中心に構成されており、プロセッサ100には、筐体20の上面22に加えられた重量を測定する前述した荷重センサ102が接続されている。また、プロセッサ100には、記憶部110、入力部112、表示部114、報知部116、時計部118、及び通信部120が接続されている。表示部114又は報知部116の少なくとも一方は、本願の生活管理状態に関する情報を利用者に報知する報知デバイスを構成する。
【0018】
プロセッサ100は、汎用プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)で構成される。また、プロセッサ100は、専用プロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されてもよい。さらに、プロセッサ100は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などで構成されてもよい。
【0019】
プロセッサ100は、利用者が体重を測定して荷重センサ102から体重が入力される度に、荷重センサ102から入力された体重を、表示部114を構成する液晶モニタ24に表示する。このとき、プロセッサ100は、測定した体重を測定データとして記憶部110に記憶する。
【0020】
プロセッサ100は、記憶部110に前回の測定した体重が記憶されている場合、今回測定した体重と前回測定した体重との差から体重の変動を得る。例えば、プロセッサ100は、今回測定された今回体重から前回測定された前回体重を減算して減算値を算出する。そして、プロセッサ100は、算出した減算値を前回体重で除算して「100」を乗算し、体重の変動を示す体重変動率を算出する。この体重変動率の演算式を次の(式1)に示す。
【0021】
体重変動率={(今回体重-前回体重)÷前回体重}×100 ・・・ (式1)
【0022】
ここで、本実施形態では、生体情報としての体重の変動の一例として体重変動率を用いる場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。本実施形態は、例えば、生体情報としての体重の変動として、体重の変動量、体重の変動パターン等を用いてもよい。
【0023】
また、プロセッサ100は、利用者の体重の測定間隔を取得する。例えば、プロセッサ100は、記憶部110に前回の測定した体重が記憶されている場合、今回の測定日から前回測定日までの日数を測定間隔として算出する。この測定間隔の演算式を次の(式2)に示す。
【0024】
測定間隔=今回測定日-前回測定日 ・・・ (式2)
【0025】
ここで、同日に複数回測定が行われた場合、プロセッサ100は、同日の最後に測定された体重をその日の体重とする。また、同日に複数回測定が行われた場合、プロセッサ100は、同日の複数測定された体重の平均値をその日の体重としてもよい。
【0026】
そして、プロセッサ100は、利用者が体重を測定する度に、今回測定した体重を、算出した体重変動率と、測定間隔と、時計部118から取得した現在の測定日時と共に記憶部110に逐次記憶する。
【0027】
記憶部110は、記憶手段を構成する。この記憶部110は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体を構成する。記憶部110は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び記憶装置を含む。記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等で構成することができる。
【0028】
記憶部110を構成する例えばメモリには、情報処理装置10の処理手順を示す処理プログラム、及び処理プログラムで用いられるデータ等が読み書き可能に記憶される。この処理プログラムは、情報処理装置10を動作させるためのプログラムとしての情報処理プログラムの全部又は一部を構成する。
【0029】
プロセッサ100は、記憶部110に記憶された情報処理プログラムに従って各処理を実行する。これにより、情報処理装置10は、方法としての情報処理方法を実施する。記憶部110は、本実施形態の情報処理装置10の機能を実現する処理プログラムを格納する記憶媒体として機能する。
【0030】
また、記憶部110には、前述したように、利用者が体重を測定する度に、測定した体重と前述した体重変動率及び測定間隔と測定日時とを、記憶部110に逐次記憶する。
【0031】
入力部112は、プロセッサ100にデータを入力する入力機器を構成する。入力機器としては、前述したスイッチ26が挙げられる。
【0032】
入力部112からは、利用者によって情報が入力される。利用者が入力する入力情報としては、利用者の性別、年齢、及び身長などが挙げられる。
【0033】
また、入力情報としては、例えば利用者がアスリートタイプであるか一般人タイプであるか等の属性が挙げられる。なお、利用者がアスリートタイプであるか一般人タイプであるかの判断は、測定結果から情報処理装置10のプロセッサ100が判定してもよい。
【0034】
また、入力情報としては、例えば当該情報処理装置の利用目的が挙げられる。利用目的としては、ダイエット、筋力増強又は健康増進などが挙げられる。
【0035】
そして、入力部112から入力された入力情報は、プロセッサ100によって記憶部110に記憶される。
【0036】
表示部114は、表示装置で構成される。表示装置としては、例えば前述した液晶モニタ24が挙げられる。
【0037】
表示部114は、利用者の生活管理情報に関する情報を表示によって利用者に報知する。また、表示部114は、生活管理状態の改善度合いを生活習慣タイプの推移に基づいて表示する。さらに、表示部114は、生活習慣タイプの推移を、体重の変動率及び測定間隔の組合せの関係を示すマトリクス図に表示する。
【0038】
報知部116は、音出力装置で構成される。音出力装置としては、例えばスピーカ又はブザーなどが挙げられる。報知部116は、例えば警告音を出力するともに、測定手順又は測定結果などを音声で出力することができる。
【0039】
報知部116は、利用者の生活管理情報に関する情報を利用者に報知する。
【0040】
時計部118は、現在時刻をプロセッサ100に出力するとともに時間の測定を行う。時計部118から現在時刻を受けたプロセッサ100は、現在時刻を記憶部110に記憶することができる。
【0041】
通信部120は、データを無線又は有線で送受信するためのインターフェースを構成する。通信部120は、プロセッサ100と外部装置との間でデータの送受信を可能とする。プロセッサ100は、通信部120を介して、外部装置から処理プログラム等を受信して記憶部110に記憶することができる。また、プロセッサ100は、通信部120を介して、外部装置である端末などと通信可能である。
【0042】
これにより、プロセッサ100は、測定結果などを端末に送信して端末で表示させることができる。
【0043】
荷重センサ102は、筐体20の上面22に加えられて荷重を測定するとともに、測定した荷重データを利用者の体重に変換してプロセッサ100に出力する。
【0044】
(機能ブロックの説明)
図2には、情報処理装置10のプロセッサ100の制御によって実施される情報処理装置10の機能の一例が示されている。
【0045】
情報処理装置10のプロセッサ100の制御によって実施される機能は、変動取得部121と、測定間隔取得部122と、閾値決定部123と、判定部124と、を含む。
【0046】
各部121、122、123、124の機能は、プロセッサ100が記憶部110から読み出した情報処理プログラムを実行することでプロセッサ100によって実現される。
【0047】
[変動取得部]
変動取得部121は、時間間隔をおいて測定された利用者の生体情報としての体重の変動を取得する。体重の変動は、体重の変動率を含み、本実実施形態では、体重の変動として体重の変動率を示す体重変動率を例に挙げて説明する。
【0048】
具体的に説明すると、変動取得部121は、測定日毎に記憶部110に記憶された体重変動率を記憶部110から読み出すことによって体重の変動率を取得する。
【0049】
ここで、本実施形態において変動率は、異なる期間毎に間隔をおいて測定された生体情報である体重の期間別変動率に基づいて演算されるとともに、直近の期間別変動率の比重が高まるように重みづけされた値である。
【0050】
この変動率は、例えば、所定期間において体重変動率の加重移動平均を算出することで取得される。
【0051】
なお、本実施形態では、算出した加重移動平均を体重変動率変数とする場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。本実施形態は、他の方法で直近の期間別変動率の比重が高まるように重みづけしてもよい。当然のことながら、直近の期間別変動の比重が高まるように重みづけするのは必須ではない。本実施形態は、例えば、体重変動率変数として体重変動率の標準偏差を用いてもよい。
【0052】
図3は、体重変動率変数の求め方の一例を示す図である。
【0053】
図3に示すように、所定期間の体重変動率の荷重移動平均を取得する場合、変動取得部121は、所定期間に得られた各体重を演算式200によって演算する。この演算式200において、「WR」は、体重変動率を示す。「WRi」は、(a-14+i)日前のWRを示す。「CWR」は、体重変動率変数を示す。また、「a」は、対象とする所定期間の日数を示し、この演算式200は、日数aが「14」の場合が例示されている。
【0054】
これにより、各体重変動率(WR)に乗算される定数は、測定日が新しくなるに従って大きくなり、重みづけが大きくなる。また、算出される体重変動率変数には、生体情報としての体重の変動の推移が含まれる。
【0055】
[測定間隔取得部]
測定間隔取得部122は、利用者の生体情報としての体重を測定した測定間隔を取得する。
【0056】
具体的に説明すると、測定間隔取得部122は、測定日毎に記憶部110に記憶された測定間隔を記憶部110から読み出すことによって所定の測定日から前回の測定日までの測定間隔を取得する。
【0057】
ここで、本実施形態において測定間隔は、所定の期間における各測定日の測定間隔に基づいて演算されるとともに、直近の測定間隔の比重が高まるように重みづけされた値である。
【0058】
この測定間隔は、例えば、所定期間における各測定日の測定間隔の加重移動平均を算出することで取得される。
【0059】
なお、本実施形態では、算出した加重移動平均を測定間隔変数とする場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。本実施形態は、他の方法で直近の測定間隔の比重が高まるように重みづけしてもよい。当然のことながら、直近の測定間隔の比重が高まるように重みづけするのは必須ではない。本実施形態は、例えば、測定間隔変数として測定間隔の標準偏差を用いてもよい。
【0060】
図4は、測定間隔変数の求め方の一例を示す図である。
【0061】
図4に示すように、所定期間における各測定日の測定間隔の加重移動平均を取得する場合、測定間隔取得部122は、所定期間に得られた各測定間隔を演算式202によって演算する。この演算式202において、「MI」は、測定間隔を示す。「MIi」は、(a-14+i)日前のMIを示す。「CMI」は、測定間隔変数を示す。また、「a」は、対象とする所定期間の日数を示し、この演算式202は、日数aが「14」の場合が例示されている。
【0062】
これにより、各測定間隔(MI)に乗算される定数は、測定日が新しくなるに従って大きくなり、重みづけが大きくなる。また、算出される測定間隔変数には、測定間隔の推移が含まれる。
【0063】
なお、本実施形態では、前述の変動率及び前述の測定間隔を記憶部110から読み出して取得する場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0064】
例えば、利用者が体重を測定する度に測定した体重がサーバ等の外部装置へ送信され、体重、体重変動率、測定間隔、及び測定日の測定日時が外部装置の記憶装置に逐次記録されるシステムを用いてもよい。このシステムの場合、情報処理装置10は、外部装置から変動率及び測定間隔を取得してもよい。
【0065】
[判定部]
判定部124は、利用者の生活管理状態の評価を行うものであり、取得した生体情報である体重の変動の推移及び測定間隔の推移に基づいて、利用者の生活管理状態を判定する。また、判定部124は、体重の変動としての変動率及び測定間隔の組み合わせと生活習慣タイプとが互いに対応付けられている対応関係に基づいて利用者の変動率及び測定間隔に対応する生活習慣タイプを判定し、生活習慣タイプの推移に基づいて生活管理状態を判定する。さらに、判定部124は、生活習慣タイプの推移に基づいて生活管理状態の改善度合いをさらに判定する。また、判定部124は、生活習慣タイプの推移に基づいて生活管理状態の改善度合いをさらに判定する。さらに、判定部124は、体重の変動の推移及び測定間隔の推移に基づいて生活習慣タイプを分類して利用者の生活管理状態を判定し、判定された生活管理状態を体重の変動の推移及び測定間隔の推移の少なくとも一方に基づいてさらに分類する。詳細は後述する。
【0066】
本実施形態において、判定部124は、変動取得部121で取得した体重変動率変数を変動率として用いるとともに、測定間隔取得部122で取得した測定間隔変数を測定間隔として用いて、利用者の生活管理状態を判定する。
【0067】
また、本実施形態において、判定部124は、生活管理状態を生活乱れとして判定する。生活乱れの判定には、テーブルが用いられる。
【0068】
図5は、体重変動判定テーブル210の一例を示す図である。図5中の「i」は、第1変動判定閾値を示し、「j」は、第2変動判定閾値を示す。第1変動判定閾値i及び第2変動判定閾値jは、予め定められた値である。第1変動判定閾値iは、第2変動判定閾値jよりも大きい値である。
【0069】
判定部124は、体重の変動率としての体重変動率変数を体重変動判定テーブル210に基づいて判定する。体重変動率変数は、「1」、「2」、「3」の体重変動率判定値に分けられる。
【0070】
具体的に説明すると、判定部124は、体重変動率変数が第1変動判定閾値i未満である場合、体重変動率判定値を「1」とする。また、判定部124は、体重変動率変数が第1変動判定閾値i以上第2変動判定閾値j以下の場合、体重変動率判定値を「2」とする。そして、判定部124は、体重変動率変数が第2変動判定閾値jを超える場合、体重変動率判定値を「3」とする。
【0071】
「1」、「2」、「3」の体重変動率判定値は、体重の変動率が変動閾値としての各変動判定閾値によって度合別に分けられた変動度合を示す。
【0072】
なお、本実施形態では、変動率としての体重変動率変数を各体重変動率判定値に分ける為の各変動判定閾値を予め定められた値としたが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0073】
各変動判定閾値は、記憶部110に記憶された利用者の属性又は入力情報の少なくとも一方に基づいて定めてもよい。
【0074】
これにより、利用者の性別、年齢、身長、又はダイエット目的の利用者か筋力増強目的の利用者かなどの入力情報、あるいは利用者がアスリートタイプであるか一般人タイプであるかなどの属性に応じて各変動判定閾値を変更することができる。これにより、入力情報又は属性に適した体重変動率判定値を設定することができる。
【0075】
図6は、測定間隔判定テーブル220の一例を示す図である。図6中の「k」は、第1測定間隔判定閾値を示し、「l」は、第2測定間隔判定閾値を示す。第1測定間隔判定閾値k及び第2測定間隔判定閾値lは、予め定められた値である。第1測定間隔判定閾値kは、第2測定間隔判定閾値lよりも大きい値である。
【0076】
判定部124は、測定間隔としての測定間隔変数を測定間隔判定テーブル220に基づいて判定する。測定間隔変数は、「1」、「2」、「3」の測定間隔判定値に分けられる。
【0077】
具体的に説明すると、判定部124は、測定間隔変数が第1測定間隔判定閾値k未満である場合、測定間隔判定値を「1」とする。また、判定部124は、測定間隔変数が第1測定間隔判定閾値k以上第2測定間隔判定閾値l以下の場合、測定間隔判定値を「2」とする。そして、判定部124は、測定間隔変数が第2測定間隔判定閾値lを超える場合、測定間隔判定値を「3」とする。
【0078】
「1」、「2」、「3」の測定間隔判定値は、測定間隔が間隔閾値として各測定間隔判定閾値によって度合別に分けられた間隔度合を示す。
【0079】
なお、本実施形態では、測定間隔としての測定間隔変数を各測定間隔判定値に分ける為の各測定間隔判定閾値を予め定められた値としたが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0080】
各測定間隔判定閾値は、記憶部110に記憶された利用者の属性又は入力情報の少なくとも一方に基づいて定めてもよい。利用者の属性又は入力情報の少なくとも一方に基づいて各測定間隔判定閾値を定める際には、例えば閾値決定部123を用いる。
【0081】
閾値決定部123は、判定部124で用いる変動閾値としての各変動判定閾値i、j及び間隔閾値としての各測定間隔判定閾値k、lを、前述した利用者の属性又は入力情報の少なくとも一方に基づいて定める。
【0082】
これにより、利用者の性別、年齢、身長、又はダイエット目的の利用者か筋力増強目的の利用者かなどの入力情報、あるいは利用者がアスリートタイプであるか一般人タイプであるかなどの属性に応じて各測定間隔判定閾値を変更することができる。これにより、入力情報又は属性に適した測定間隔判定値を設定することができる。
【0083】
図7は、生活乱れ判定テーブル230の一例を示す図である。
【0084】
判定部124は、体重の変動値を示す体重変動率判定値及び測定間隔を示す測定間隔判定値の組合せを、生活乱れ判定テーブル230に基づいて判定する。体重変動率判定値及び測定間隔判定値の組合せは、「1」から「9」の生活習慣タイプに分類される。生活乱れ判定テーブル230には、体重変動率判定値(生体情報の変動)及び測定間隔判定値の組合せと、「1」から「9」の生活習慣タイプとの対応関係が示されている。
【0085】
具体的に説明すると、判定部124は、体重変動率判定値が「1」の場合、測定間隔判定値が「1」であれば生活習慣タイプを「1」とし、測定間隔判定値が「2」であれば生活習慣タイプを「4」とする。また、判定部124は、体重変動率判定値が「1」の場合、測定間隔判定値が「3」であれば生活習慣タイプを「7」とする。
【0086】
また、判定部124は、体重変動率判定値が「2」の場合、測定間隔判定値が「1」であれば生活習慣タイプを「2」、測定間隔判定値が「2」であれば生活習慣タイプを「5」、測定間隔判定値が「3」であれば生活習慣タイプを「8」とする。
【0087】
さらに、判定部124は、体重変動率判定値が「3」の場合、測定間隔判定値が「1」であれば生活習慣タイプを「3」、測定間隔判定値が「2」であれば生活習慣タイプを「6」、測定間隔判定値が「3」であれば生活習慣タイプを「9」とする。
【0088】
さらに、判定部124は、例えば前述した変動率と測定間隔とに基づいて取得した生活乱れ点数によって、各生活習慣タイプをさらに細分化することができる。
【0089】
そして、判定部124は、判定された生活習慣タイプに基づいて生活習慣の改善を促すコメントを作成し、当該コメントを液晶モニタ24に表示することができる。
【0090】
この生活習慣タイプには、体重の変動率の大小又は測定間隔の長短などのバラツキが反映される。このため、判定された生活習慣タイプによって生活習慣の乱れが分かる。
【0091】
また、判定部124は、判定された生活習慣タイプの推移を液晶モニタ24に表示することで、生活管理状態の改善度合いを利用者に報知することができる。判定部124は、生活管理状態の改善度合いの判定結果として、後述する図14の改善度合いグラフ300を液晶モニタ24に表示する。
【0092】
また、判定部124は、生活習慣タイプの推移を体重の変動率及び測定間隔の組合せの関係を示すマトリクス図として液晶モニタ24に表示することができる。液晶モニタ24に表示するマトリクス図としては、後述する図15の履歴グラフ310が挙げられる。
【0093】
なお、本実施形態では、情報処理装置10である体重計のプロセッサ100が判定部124の処理を行う場合について説明するが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0094】
例えば、利用者の体重が、測定される度にサーバ等の外部装置へ送信され、体重、体重変動率、測定間隔、及び測定日の測定日時が外部装置の記憶装置に逐次記録されるシステムを用いてもよい。このシステムの場合、外部装置(サ―バ等)が情報処理装置を構成してもよく、当該情報処理装置のコンピュータを構成するプロセッサが前述した判定部124の処理を行ってもよい。また、外部装置(サ―バ等)と通信可能なスマートフォン等の端末が情報処理装置を構成してもよく、当該端末は、外部装置から取得する情報に基づいて判定部124の処理を行ってもよい。さらに、体重計、外部装置(サ―バ等)及びスマートフォン等の端末の少なくとも2つが連携して情報処理装置を構成していてもよい。
【0095】
(動作説明)
次に、情報処理装置10の動作を、図8から図10を用いて説明する。
【0096】
図8は、本実施形態に係る情報処理装置10の動作の一例を示すフローチャートである。図9は、図8に続くフローチャートである。図10は、図9に続くフローチャートである。
【0097】
判定部124は、現時点から14日前までの期間内に3日分以上の測定データが記憶部110に記憶されているか否かを判断する(ステップS10)。
【0098】
ステップS10において、3日分以上の測定データが記憶されていない場合、判定部124は、予め設定された設定値として、例えば、利用者の生活習慣の乱れ度合を示す生活乱れ点数を20点とし、生活習慣タイプを「9」とし、生活乱れ点数及び生活習慣タイプを記憶部110に記憶して(ステップS12)、ステップS30へ移行する。なお、予め設定された設定値は、利用者が入力する入力情報に基づいて設定されてもよい。
【0099】
ステップS10において、3日分以上の測定データが記憶されている場合、変動取得部121は、体重変動率変数を算出する(ステップS14)。
【0100】
具体的に説明すると、変動取得部121は、上述したように、記憶部110から変動率としての体重変動率を読み出して取得し、例えば図3に示した演算式200を用いて体重変動率変数(CWR)を算出する。
【0101】
また、測定間隔取得部122は、測定間隔変数を算出する(ステップS16)。
【0102】
具体的に説明すると、測定間隔取得部122は、上述したように、記憶部110から測定間隔を読み出して取得し、例えば図4に示した演算式202を用いて測定間隔変数(CMI)を算出する。
【0103】
そして、判定部124は、体重変動変数(CWR)及び測定間隔変数(CMI)に基づいて、生活の乱れスコアを示す主成分得点を算出する(ステップS18)。このステップS18において、判定部124は、主成分分析を用いて作成された方程式に基づいて、体重変動率と測定間隔の二変数から一次元の指標である主成分得点を導く。その一例を次に示す。なお、主成分分析に限らず、二次元の変数を一次元に導く手法であれば他の手法が用いられてもよい。
【0104】
主成分得点は、体重変動変数に予め定められた定数cを乗算した乗算値から、測定間隔変数に予め定められた定数dを乗算した乗算値を減算して減算値を求め、この減算値から予め定められた定数bを減算して算出する。主成分得点を算出する演算式を(式3)に示す。
【0105】
主成分得点=(体重変動変数×定数c)-(測定間隔変数×定数d)-定数b ・・・(式3)
【0106】
ここで、測定間隔変数は、利用者の定期的に身体的情報を測定するという意識の影響を受けやすく、体重変動変数と比較して利用者がコントロールし易い変数である。一方、体重変動変数は、食事の摂取状況及び運動状況等の生活習慣の影響を受けやすく、測定間隔変数と比較して利用者がコントロールし難い変数である。
【0107】
このため、測定間隔変数に乗算される定数dは、体重変動変数に乗算される定数cよりも小さい値とすることが望ましい。しかしながら、定数c及び定数dは可変であってもよい。例えば、利用者が情報処理装置10の利用を開始したときは定数dが定数cより大きい値であってもよく、情報処理装置10の利用期間が経過するにつれて定数cの値が定数dより大きい値に変化していってもよい。このような場合、測定間隔を短くすることで生活管理状態が良い評価が得られ易いため、特に、健康について意識し始めた利用者が、定期的に身体的情報を測定するというような意識付けを向上するモチベーションが維持されやすい。
【0108】
次に、判定部124は、生活の乱れスコアを示す主成分得点に基づいて、生活乱れ点数を算出して記憶部110に記憶する(ステップS20)。ステップS20において、判定部124は、例えば、主成分得点の最大値が100点となるように正規化を行い、生活の乱れ点数を導出する。
【0109】
生活乱れ点数は、予め定められた定数fから、主成分得点に予め定められた定数eを乗算した乗算値を減算して算出する。生活乱れ点数を算出する演算式を(式4)に示す。
【0110】
生活乱れ点数=-定数e×主成分得点+定数f ・・・ (式4)
【0111】
この(式4)は「生活乱れ点数=定数f-(主成分得点×定数e)」と表すことができる。例えば、主成分得点の最大値が-1である場合、主成分得点を-25倍(e=-25)して、75(f=75)を加算する。
【0112】
この生活乱れ点数の上限はg点とし、下限はh点とする。g点は、例えば「100点」とすることができる。h点は、例えば「0点」とすることができる。
【0113】
判定部124は、上限を100点とするとともに下限を0点として生活乱れ点数を取得する。
【0114】
この生活乱れ点数は、利用者の生活の乱れを示す値であり、点数が低くなるに従って生活の乱れが大きいことを示す。
【0115】
生活の乱れ点数には、規則的な体重測定の状況、規則正しくバランスの取れた食事の摂取状況、又は規則的に行われる適度な運動状況が反映される。食事の摂取状況には、食べ過ぎ又は飲み過ぎなどの生活習慣の乱れが現れる。食事の摂取状況及び運動状況は、生活乱れ点数に反映されるので、生活乱れ点数は、生活習慣病の予防判断に利用することが可能となる。
【0116】
そして、判定部124は、記憶部110から直近の体重変動率を読み出して取得し、体重変動率の大きさを判断する(ステップS22)。
【0117】
ステップS22において、体重変動率が小さく体重の変動が少ない場合、判定部124は、ステップS24へ移行する。ステップS22において、体重変動率が普通であり、体重の変動が通常あり得る範囲内の場合、判定部124は、ステップS26へ移行する。ステップS22において、体重変動率が大きく体重の変動が大きい場合、判定部124は、ステップS28へ移行する。
【0118】
その一例として、判定部124は、上述したように、図5に示した体重変動判定テーブル210を用いて、記憶部110から取得した体重変動率の大きさを、「1」、「2」、及び「3」の三段階に分ける。
【0119】
「1」は、体重変動率が小さいに対応する。「2」は、体重変動率が普通に対応する。「3」は、体重変動率が大きいに対応する。
【0120】
各ステップS24、S26、S28において、判定部124は、記憶部110から直近の測定間隔を読み出して取得し、測定間隔の長さについて判断して生活習慣タイプを決定する(ステップS24、S26、S28)。これにより、判定部124は、生活管理状態がタイプ別に分類されたいずれかの生活習慣タイプに属するかを判定する。生活習慣タイプは、利用者が属する生活管理の習慣の類型を示すものである。
【0121】
その一例として、判定部124は、前述した(機能ブロックの説明)で説明したように、図6に示した測定間隔判定テーブル220を用いて、記憶部110から取得した測定間隔の長さを、「1」、「2」、及び「3」の三段階に分ける。
【0122】
「1」は、測定間隔が短いに対応し、測定間隔が短いとは、例えば毎日又は2日に1回体重測定を行っている場合であってもよい。「2」は、測定間隔が普通に対応し、測定間隔が普通とは、測定忘れなどを含めた通常あり得る範囲内、例えば3日から6日に1回体重測定を行っている場合であってもよい。「3」は、測定間隔が長いに対応し、測定間隔が長いとは、測定間隔が長く体重測定をさぼっている等が疑われる場合、例えば7日以上間隔を空けて体重測定を行っている場合であってもよい。
【0123】
ステップS24において、測定間隔が短い場合、判定部124は、生活習慣タイプを「1」として記憶部110に記憶する。ステップS24において、測定間隔が普通である場合、判定部124は、生活習慣タイプを「2」として記憶部110に記憶する。ステップS24において、測定間隔が長い場合、判定部124は、生活習慣タイプを「3」として記憶部110に記憶する。
【0124】
ステップS26において、測定間隔が短い場合、判定部124は、生活習慣タイプを「4」として記憶部110に記憶する。ステップS26において、測定間隔が普通である場合、判定部124は、生活習慣タイプを「5」として記憶部110に記憶する。ステップS26において、測定間隔が長い場合、判定部124は、生活習慣タイプを「6」として記憶部110に記憶する。
【0125】
ステップS28において、測定間隔が短い場合、判定部124は、生活習慣タイプを「7」として記憶部110に記憶する。ステップS28において、測定間隔が普通である場合、判定部124は、生活習慣タイプを「8」として記憶部110に記憶する。ステップS28において、測定間隔が長い場合、判定部124は、生活習慣タイプを「9」として記憶部110に記憶する。
【0126】
記憶部110には、判定された最新の生活習慣タイプが記憶される。
【0127】
そして、判定部124は、各生活習慣タイプを、生活乱れ点数の推移、体重変動率の推移、及び測定間隔の推移に基づいて細分化し、生活習慣タイプに基づいて生活習慣の改善を促すコメントを作成する。そして、判定部124は、作成したコメントを判定した生活習慣タイプ別に液晶モニタ24に表示する(ステップS30)。コメントの作成には、例えば記憶部110に記憶されたデータテーブル(500、510、520)を用いることができる。
【0128】
ここで、生活習慣タイプ毎に作成されるコメントは、生活乱れ点数の推移、体重変動率の推移、及び測定間隔の推移に基づいて細分化された項目毎に作成されるが、本実施形態では、簡素化した生活習慣改善コメントについて図面を用いて説明する。
【0129】
[コメント]
図11図12及び図13は、それぞれ生活習慣タイプ「1」、「5」、「9」の生活習慣改善コメントの一例を示す図である。図11には、生活習慣タイプ「1」と判定された場合に用いられる第1データテーブル500が示されている。図12には、生活習慣タイプ「5」と判定された場合に用いられる第2データテーブル510が示されている。図13には、生活習慣タイプ「9」と判定された場合に用いられる第3データテーブル520が示されている。各データテーブル500、510、520のコメント欄には、生活習慣タイプ「1」、「5」、「9」に基づいて生活習慣の改善を促すコメントが記憶されている。
【0130】
各データテーブル500、510、520には、生活習慣タイプの経時的な推移に基づいて選択されるコメントが記憶されている。選択されるコメントには、生活習慣タイプが現在の生活習慣タイプ「1」、「5」又は「9」に至るまでの経緯が反映される。生活習慣タイプの推移は、日にちが経過するごとに生活習慣タイプが向上傾向にある正の相関と、生活習慣タイプに変化がない相関なしと、日にちが経過するごとに生活習慣タイプが下降傾向にある負の相関とに分類されている。これらの推移は、さらに細分化することができる。
【0131】
生活習慣タイプ「1」と判定された利用者は、自分の目標達成のために努力を惜しまないタイプである。
【0132】
生活習慣タイプ「1」において、生活習慣タイプの推移が正の相関の場合、体重変動率が小さくかつ測定間隔が短いので規則正しい生活が送れており、生活乱れ点数が向上している。このため、コメント欄には、現状維持してもらえるようなコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0133】
生活習慣タイプ「1」において、生活習慣タイプの推移が相関なしの場合、体重変動率が小さくかつ測定間隔が短いので規則正しい生活が送れており、生活乱れ点数に変化はない。このため、コメント欄には、現状維持してもらえれば問題ないが、さらに生活乱れ点数を上昇できるようなコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0134】
生活習慣タイプ「1」において、生活習慣タイプの推移が負の相関の場合、体重変動率が小さくかつ測定間隔が短いので規則正しい生活が送れているが、生活乱れ点数が減少している。このため、コメント欄には、生活乱れ点数がもう少し上昇するように、食事、運動量及び測定回数等の具体的なアドバイスを含んだコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0135】
生活習慣タイプ「5」と判定された利用者は、食事及び運動量の管理並びに体重測定などを自分のペースでのんびり続けられるタイプである。
【0136】
生活習慣タイプ「5」において、生活習慣タイプの推移が正の相関の場合、体重変動率及び測定間隔が標準なので規則的な生活が送れており、生活乱れ点数が向上している。このため、コメント欄には、生活管理習慣のさらなる改善は必須でないものの、さらに規則的な生活を送れるようなアドバイスを含めたコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0137】
生活習慣タイプ「5」において、生活習慣タイプの推移が相関なしの場合、体重変動率及び測定間隔が標準なので規則的な生活が送れており、生活乱れ点数は変化していない。このため、コメント欄には、生活管理習慣のさらなる改善は必須でないものの、規則的な生活が悪化傾向にならないような具体的なアドバイスを含めたコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0138】
生活習慣タイプ「5」において、生活習慣タイプの推移が負の相関の場合、体重変動率及び測定間隔が標準なので規則的な生活が送れているが、生活乱れ点数が減少しているので、生活管理習慣の改善が好ましい。このため、コメント欄には、規則的な生活が継続できるような具体的なアドバイスを含めたコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0139】
生活習慣タイプ「9」と判定された利用者は、自己管理できず頑張れないタイプである。
【0140】
生活習慣タイプ「9」において、生活習慣タイプの推移が正の相関の場合、体重変動率が大きくかつ測定間隔が長いので規則的な生活が送れているとはいえないが、生活乱れ点数が向上している。このため、コメント欄には、規則的な生活が送れるようなアドバイスを含めたコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0141】
生活習慣タイプ「9」において、生活習慣タイプの推移が相関なしの場合、体重変動率が大きくかつ測定間隔が長いので規則的な生活が送れているとはいえず、生活乱れ点数も低下しているので、規則的な生活が送れるように改善する必要がある。このため、コメント欄には、まずは測定回数を増やすような取り組みを行うようなアドバイスを含めたコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。
【0142】
生活習慣タイプ「9」において、生活習慣タイプの推移が負の相関の場合、体重変動率が大きくかつ測定間隔が長いので規則的な生活が送れているとはいえず、生活乱れ点数も低下しているので、規則的な生活が送れるように改善する必要がある。このため、コメント欄には、まずは測定回数を増やすような取り組みを行うようなアドバイスを含めたコメントが生活習慣の改善を促すコメントとして記憶されている。また、利用者に疲労感又は倦怠感がある場合は利用者が疾病を有する可能性がある。このため、コメント欄には、疾病に対して注意するようなアドバイスも記憶されている。
【0143】
次に、各生活習慣タイプを、生活乱れ点数の推移、体重変動率の推移、及び測定間隔の推移に基づいて細分化する例について説明する。生活乱れ点数の推移、体重変動率の推移、及び測定間隔の推移は、生活習慣タイプの経時的な推移を細分化するものである。
【0144】
生活乱れ点数の推移に基づいて細分化する場合、判定部124は、生活乱れ点数を取得した日にちを横軸(X軸)として生活乱れ点数を縦軸(Y軸)にプロットしたグラフにおいて、最小二乗法を使って生活乱れ点数の変化を示す回帰曲線を作成する。判定部124は、この回帰曲線の傾きに基づいて生活乱れ点数の推移について分類する。
【0145】
生活乱れ点数の変化を示す回帰曲線の傾きに基づいて生活乱れ点数の推移を分類する方法としては、例えば、経過日数と生活乱れ点数の向上との相関性に基づいた分類方法が挙げられる。生活乱れ点数の変化を示す回帰曲線の傾きに基づく相関関係を次に示す。
【0146】
回帰曲線の正の傾きが、0.0以上0.2未満の場合は、ほとんど相関無とする。
回帰曲線の正の傾きが、0.2以上0.4未満の場合は、弱い正の相関有とする。
回帰曲線の正の傾きが、0.4以上0.7未満の場合は、中程度の正の相関有とする。
回帰曲線の正の傾きが、0.7以上1.0未満の場合は、強い正の相関有とする。
回帰曲線の負の傾きが、0.2以上0.4未満の場合は、弱い負の相関有とする。
回帰曲線の負の傾きが、0.4以上0.7未満の場合は、中程度の負の相関有とする。
回帰曲線の負の傾きが、0.7以上1.0未満の場合は、強い負の相関有とする。
【0147】
体重変動率の推移に基づいて細分化する場合、判定部124は、体重変動率を取得した日にちを横軸(X軸)として体重変動率を縦軸(Y軸)にプロットしたグラフにおいて、最小二乗法を使って体重変動率の変化を示す回帰曲線を作成する。判定部124は、この回帰曲線の傾きに基づいて体重変動率の推移について分類する。
【0148】
体重変動率の変化を示す回帰曲線の傾きに基づいて体重変動率の推移を分類する方法としては、例えば、経過日数と体重変動率の向上(体重変動率が小さくなる場合を体重変動率の向上とする)との相関性に基づいた分類方法が挙げられる。体重変動率の変化を示す回帰曲線の傾きに基づく相関関係は、例えば上述した生活乱れ点数の変化を示す回帰曲線の傾きに基づく相関関係と同様でもよい。
【0149】
測定間隔の推移に基づいて細分化する場合、判定部124は、測定間隔に関し、測定間隔を取得した日にちを横軸(X軸)として測定間隔を縦軸(Y軸)にプロットしたグラフにおいて、最小二乗法を使って測定間隔の変化を示す回帰曲線を作成する。判定部124は、この回帰曲線の傾きに基づいて測定間隔の推移について分類する。
【0150】
測定間隔の変化を示す回帰曲線の傾きに基づいて測定間隔の推移を分類する方法としては、例えば、経過日数と測定間隔の向上(測定間隔が短くなる場合を測定間隔の向上とする)との相関性に基づいた分類方法が挙げられる。測定間隔の変化を示す回帰曲線の傾きに基づく相関関係は、例えば上述した生活乱れ点数の変化を示す回帰曲線の傾きに基づく相関関係と同様でもよい。
【0151】
そして、判定部124は、分類された生活乱れ点数の推移、体重変動率の推移、及び測定間隔の推移に基づいて各生活習慣タイプの推移を細分化し、生活習慣タイプに基づくコメントを細分化された項目ごとに作成して表示してもよい(図示省略)。
【0152】
例えば継続的な食事制限及び定期的な運動の継続などの状況は、体重の変動の推移に現れる。また、例えば規則的な生活の継続及び身体状態の関心度の変化などの状況は、測定間隔の推移に現れる。そのため、判定部124は、生活乱れ点数の推移で分類された生活管理状態の評価を、体重変動率の推移及び/又は測定間隔の推移でさらに分類してもよい。この場合、生活乱れ点数の推移で分類された評価の理由が、体重変動率の推移にあるのか、測定間隔の推移にあるのかが判定できる。そのため、生活乱れ点数の推移で分類された評価が示す生活管理状態に基づいてコメントを作成することで、生活管理状態を向上させるためのより適切なアドバイスを提供することができる。
【0153】
具体的に説明すると、生体情報としての体重の変動と測定間隔との推移に基づく判定結果から、定期的に身体的情報を測定する意識面も考慮した生活管理状態を把握することができる。それゆえ、定期的に身体的情報を測定する意識面も考慮したきめ細かいコメントを作成することができる。
【0154】
以上のように、本実施形態の情報処理装置10は、体重の変動及び測定間隔から利用者の身体状態の関心度を含めた生活習慣を判定することによって、生活習慣に応じた生活管理状態を向上させるためのアドバイスを提供することができる。
【0155】
なお、このステップS30で作成されるコメントは、前述した内容の限定されるものではない。作成されるコメントは、例えば、体重の変動又は測定間隔の変動も含めたものであっても良い。
【0156】
また、作成されるコメントは、体脂肪率計、筋肉量計、活動量計又は血圧計等の計測器から取得した測定結果を用いて作成されたものであってもよい。これにより、体脂肪率計、筋肉量計、活動量計又は血圧計等の計測器から取得した測定結果を考慮して、体重変動率を抑える為のアドバイスを提供することが可能となる。
【0157】
また、判定部124は、コメントを表示した後に、グラフを液晶モニタ24に表示して(ステップS32)、情報処理プログラムに従った処理を終了する。
【0158】
図14は、生活管理状態の改善度合いを示す図である。図15は、生活習慣タイプの変化履歴(推移)を示す図である。
【0159】
図14に示すように、液晶モニタ24に表示されるグラフとしては、生活管理状態の改善度合いを生活習慣タイプの推移に基づいて表示する改善度合いグラフ300が挙げられる。
【0160】
この改善度合いグラフ300の横軸(X軸)は、体重を測定した測定日の日付を示す。また、改善度合いグラフ300の縦軸(Y軸)は、生活乱れ点数を示す。図14において、丸で囲まれた数字の「1」から「9」は、生活習慣タイプの「1」から「9」を示す。この改善度合いグラフ300には、生体情報の変動としての体重の変動の推移及び測定間隔の推移に基づいて判定された生活習慣タイプの推移が利用者の生活管理状態として表示される。
【0161】
この改善度合いグラフ300から利用者は、生活習慣タイプが「1」、「5」、「7」・・・「2」、「2」、「6」の順に変化しながら、生活乱れ点数が上昇していることが分かる。生活乱れ点数の上昇は、生活習慣が改善されていることを示す。
【0162】
また、生活乱れ点数が上昇する過程において、生活乱れ点数の振れ幅の大きさが分かる。判定部124は、この振れ幅の大きさに基づいてコメントを表示してもよい。
【0163】
この改善度合いグラフ300から将来の生活乱れ点数を予測することが可能となる。また、今の生活管理習慣が続いた場合、利用者の健康面への影響を予測することが可能となる。健康面への影響には、例えば利用者が痩せていく又は太っていく等が含まれる。
【0164】
このため、本実施形態の情報処理装置10は、未来予測の判定精度向上が可能となる。
【0165】
また、生体情報の測定回数が少ないと、未来予測の精度が落ちる恐れがある。しかし、本実施形態では、生活乱れ点数を加味することで、現状の状態をより正確に把握することが可能であるとともに、未来予測の判定精度向上も可能となる。
【0166】
未来予測の判定結果に対するコメントと現在のコメントとの間に大きな違いが生ずる場合には、どちらのコメントを優先して表示するか決めおく。そして、例えば各コメントに調整係数による重みづけを行うことによって、優先順位を定める処理において、優先するコメントが選択されるようにしてもよい。
【0167】
また、図15に示すように、液晶モニタ24に表示されるグラフとしては、生活習慣タイプの推移を、体重の変動率及び測定間隔の組合せの関係を示すマトリクス図に表示する履歴グラフ310が挙げられる。この履歴グラフ310では、体重の変動率及び測定間隔の組合せの関係として生活乱れ点数が用いられている。
【0168】
この履歴グラフ310の横軸(X軸)は、前述した測定間隔に基づいて定められる測定間隔のバラつきを示す。履歴グラフ310の横軸(X軸)は、測定間隔のバラつきが大きい場合と、測定間隔のバラつきが小さい場合と、測定間隔のバラつきに変化がない場合との三段階に分けられている。
【0169】
また、履歴グラフ310の縦軸(Y軸)は、前述した変動率に基づいて定められる体重変化のバラつきを示す。履歴グラフ310の縦軸(Y軸)は、体重変化のバラつきが大きい場合と、体重変化のバラつきが小さい場合と、体重変化のバラつきに変化がない場合との三段階に分けられている。
【0170】
図15において、丸で囲まれた数字の「1」から「9」は、生活習慣タイプの「1」から「9」を示す。各数字を有する丸は、例えば着色されており、その色の濃さは、当該丸に対応する生活習慣タイプの判別に用いられた体重の測定日を示す。色が濃くなるに従って測定日が新しいことを示す。この図において、色の濃さは、丸を描く線の種類で示している。色の濃さは、丸を描く線の種類が一点鎖線、破線、実線、二重線の順番で濃くなるものとする。
【0171】
なお、各生活習慣タイプを示す丸の色の濃さは、丸を描く線の種類の都合上、一点鎖線、破線、実線、二重線の四種類としたが、履歴グラフ310において各生活習慣タイプを示す丸は、総て異なる濃さで着色されるものとする。
【0172】
すなわち、履歴グラフ310は、丸で囲まれた数字が生活習慣タイプを示し、各数字を有した丸の色の濃さが各生活習慣タイプの推移を示す。これにより、生活習慣タイプの推移は、体重変化のバラつき及び測定間隔のバラつきの組合せの関係を示すマトリクス図に示される。
【0173】
この履歴グラフ310から利用者は、生活習慣タイプが変化した履歴を生活習慣タイプの推移として知ることができる。生活習慣タイプの変化履歴は、体重の変動率及び測定間隔の推移を示す。これにより、体重の変動率及び測定間隔の推移は、利用者の生活管理状態の判定に用いられる。
【0174】
また、判定された生活習慣タイプが履歴グラフ310の何処に該当したかもわかるので、判定結果の経時的な変化要因を把握することが可能となる。
【0175】
なお、本実施形態では、判定された最新の生活管理タイプに基づいて生活管理状態を決定する場合について説明したが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、変形例として、所定の期間中に複数行われた生活習慣タイプの判定において判定された回数が多い生活習慣タイプに基づいて生活管理状態を決定してもよい。
【0176】
具体的に説明すると、所定の期間中である14日間において、生活習慣タイプが「4」とされた回数が5回、生活習慣タイプが「5」とされた回数が8回、生活習慣タイプが「6」とされた回数が1回の場合、生活習慣タイプを「5」としてもよい。これにより、生活習慣タイプの推移に基づいて判定される生活管理状態は、所定の期間中に複数行われた生活習慣タイプの判定において判定された回数が多い生活習慣タイプに基づいて決定される。
【0177】
(作用及び効果)
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0178】
本実施形態における第1の態様は、利用者の測定活動により得られる生体情報を処理する情報処理装置10であって、時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得部121と、前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得部122と、前記変動の推移及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定部124と、を備える情報処理装置10に関する。
【0179】
この構成によれば、生体情報の変動の推移と生体情報を測定した測定間隔との推移に基づいて利用者の生活管理状態が判定される。
【0180】
この判定で用いる生体情報の変動は、例えば利用者の食事の摂取状況及び運動状況などが反映されやすい。
【0181】
食事の摂取状況及び運動状況としては、例えば、規則的で十分な睡眠をとること、規則的に適度な運動を行うこと、規則正しくバランスの取れた食事をとることが挙げられる。食事に関しては、食べ過ぎ又は飲み過ぎなどの生活習慣の乱れは、取得される生体情報に大きな影響を及ぼす。
【0182】
また、判定で用いる測定間隔は、規則的な生活の状況及び利用者の身体状態に対する関心度などが反映されやすい。
【0183】
不規則的な生活を送っている場合又は身体状態に対する関心度が低い場合、利用者は、生体情報の測定をさぼりがちとなる。規則的な生活を送っており且つ身体状態に対する関心度が高い場合、利用者は、生体情報の測定を規則的に行う。
【0184】
このため、生体情報の変動の推移を利用することにより例えば継続的な食事制限及び定期的な運動の継続などの状況を把握することができる。また、測定間隔の推移を利用することにより例えば規則的な生活の継続及び身体状態の関心度の変化などの状況を把握することができる。したがって、利用者は、生体情報の変動の推移と測定間隔との推移に基づく判定結果から、定期的に身体的情報を測定する意識面も考慮した生活管理状態を知ることが可能となる。また、定期的な身体的情報の測定の意識付けも可能となるので、利用者の健康管理の支援が可能となる。
【0185】
そして、生体情報としての体重の変動の推移と測定間隔との推移に基づく判定結果としての生活管理状態から利用者の生活習慣が改善傾向なのか、悪化傾向なのか、変化がないのかといった推移を考慮することで、生活管理状態を向上させるためのより適切なアドバイスを提供することができる。
【0186】
また、利用者の生活管理状態を知ることで、生活習慣病の予防に役立つとともに、生活管理状態の改善が可能となる。
【0187】
このため、本実施形態の情報処理装置10は、生活リズムが不規則で健康習慣又は健康状態を改善したい場合に役立つ。
【0188】
本実施形態における第2の態様では、第1の態様において、前記判定部124は、前記変動及び前記測定間隔の組み合わせと生活習慣タイプとが対応付けられている対応関係に基づいて前記利用者の前記変動及び前記測定間隔に対応する生活習慣タイプを判定し、前記生活習慣タイプの推移に基づいて前記生活管理状態を判定してもよい。
【0189】
この構成によれば、利用者は、自己の生活管理状態を生活習慣タイプとして知ることができるので、利用者が属する生活習慣タイプに応じた生活管理習慣の改善が可能となる。また、生活管理状態は、生活習慣タイプの推移に基づいて判定される。
【0190】
本実施形態における第3の態様では、第2態様に記載の情報処理装置10であって、前記生活管理状態は、所定の期間中に複数行われた前記生活習慣タイプの判定において判定された回数が多い前記生活習慣タイプに基づいて決定されてもよい。
【0191】
この構成によれば、生活習慣タイプが判定された回数が多い生活習慣タイプに基づいて生活管理状況が決定されるので、利用者は、自己の基本的な生活習慣タイプを知ることができるとともに、この基本的な生活習慣管理タイプに基づいて生活管理状態を知ることができる。このため、一時的に異なる生活習慣タイプと判定された場合であっても、利用者は、判定された回数が多い基本的な生活習慣管理タイプに基づく生活管理状態を得ることができる。
【0192】
本実施形態における第4の態様では、第1態様から第3態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記判定部124は、判定された前記生活管理状態に基づいて生活習慣の改善を促すコメントを作成してもよい。
【0193】
この構成によれば、利用者は、コメントを知ることによって生活習慣の改善が容易となる。
【0194】
そして、本実施形態において、利用者は、生活習慣タイプ別にさらに細かく分類されたコメントを得ることができる。この場合、コメント数が増大するので、利用者は、目新しいコメントを得ることができ、毎日計測する意義が高まる。
【0195】
本実施形態における第5の態様では、第2態様から第4態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記判定部124は、前記生活習慣タイプの推移に基づいて前記生活管理状態の改善度合いをさらに判定してもよい。
【0196】
この構成によれば、利用者は、生活管理状態の改善度合いを生活習慣タイプの推移に基づいて知ることができるので、生活管理状態が上昇傾向にあるか否の判断が可能となる。これにより、利用者は、生活管理状態を改善する為のモチベーションが向上する。
【0197】
本実施形態における第6の態様は、第2態様から第5態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記生活習慣タイプの推移を、前記変動及び前記測定間隔の組合せの関係を示すマトリクス図に表示する表示部114を備えてもよい。
【0198】
この構成によれば、利用者は、自己の生活習慣タイプがマトリクス図の何処に該当したかを知ることができるので、生活習慣タイプが判定された要因を知ることができる。また、利用者は、前回の測定日と比較して、どのような点が改善傾向にあるか否かを知ることが可能となる。
【0199】
本実施形態における第7態様では、第2態様から第6態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記生活管理状態は、前記変動が変動閾値によって度合別に分けられた変動度合と前記測定間隔が間隔閾値によって度合別に分けられた間隔度合とに基づいて定められ、前記変動閾値及び前記間隔閾値は、前記利用者の属性又は入力情報の少なくとも一方に基づいて定められてもよい。
【0200】
この構成によれば、例えば、利用者の性別、年齢、身長、又はダイエット目的の利用者か筋力増強目的の利用者かなどの入力情報、あるいは利用者がアスリートタイプであるか一般人タイプであるかなどの属性に応じて各閾値を定めることができる。これにより、入力情報又は属性に適した生活習慣タイプの取得が可能となる。
【0201】
本実施形態における第8態様では、第1態様から第7態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記変動は、異なる期間毎に間隔をおいて測定された前記生体情報の期間別変動率に基づいて演算されるとともに、直近の前記期間別変動率の比重が高まるように重みづけされた値であってもよい。
【0202】
この構成によれば、直近の生体情報の推移に起因した生活管理習慣が生活管理状態の判定結果に反映されるので、利用者は、生活管理状態を改善する為のモチベーションが向上する。
【0203】
本実施形態における第9態様では、第1態様から第8態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記測定間隔は、異なる時期に前記生体情報を測定した時期別測定間隔に基づいて演算されるとともに、直近の前記時期別測定間隔の比重が高まるように重みづけされた値であってもよい。
【0204】
この構成によれば、直近の測定間隔の推移に起因した生活管理習慣が生活管理状態の判定結果に反映されるので、利用者は、生活管理状態を改善する為のモチベーションが向上する。
【0205】
本実施形態における第10態様では、第2態様から第9態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記判定部124は、前記変動の推移及び前記測定間隔の推移に基づいて前記生活習慣タイプを分類して前記利用者の生活管理状態を判定し、判定された生活管理状態を前記変動の推移及び前記測定間隔の推移の少なくとも一方に基づいてさらに分類してもよい。
【0206】
この構成によれば、生活習慣タイプを分類して判定した生活管理状態の判定結果の理由が、変動が示す体重変動率の推移にあるのか、測定間隔の推移にあるのかを判定することができる。そのため、判定された生活管理状態を体重変動の推移及び測定間隔の推移の少なくとも一方に基づいてさらに分類した判定結果に応じてコメントを作成することで、生活管理状態を向上させるためのより適切なアドバイスを提供することができる。
【0207】
本実施形態における第11態様では、第1態様から第10態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記生体情報は、体重であってもよい。
【0208】
この構成によれば、体重を管理する為の生活管理状態を得ることが可能となる。これにより、利用者は、当該情報処理装置10をダイエットなどに利用することが可能となる。
【0209】
そして、体重変動率は、食事又は運動によってコントロールするしかないが、例えばコメントに記載されたアドバイス等によって他の情報も利用者に提供するが可能となる。これにより、このコメントを見た利用者は、当該利用者の特性にあった体重変動率のコントロール方法の選択が可能となる。
【0210】
本実施形態における第12態様は、第1態様から第11態様のいずれか一つに記載の情報処理装置10であって、前記生活管理状態に関する情報を前記利用者に報知する報知デバイスをさらに備えてもよい。利用者に報知する報知デバイスとしては、表示部114及び報知部116の少なくとも一方を含んでもよい。
【0211】
この構成によれば、利用者は、表示部114及び報知部116の少なくとも一方を介して、自己の生活管理情報に関する情報を取得することが可能となる。これにより、例えば、判定された生活管理状態に応じて利用者の生活管理状態を向上させるためのより適切なアドバイスを提供することができる。
【0212】
本実施形態における第13の態様は、利用者の測定活動により得られる生体情報を処理する情報処理装置10のコンピュータが実行する方法であって、時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得ステップと、前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得ステップと、前記変動及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定ステップと、を備える方法に関する。
【0213】
本実施形態における第14態様は、利用者の測定活動により得られる生体情報を処理するコンピュータを、時間間隔をおいて測定された前記生体情報の変動を取得する変動取得ステップと、前記生体情報を測定した測定間隔を取得する測定間隔取得ステップと、前記変動及び前記測定間隔の推移に基づいて前記利用者の生活管理状態を判定する判定ステップ、として機能させるプログラムに関する。
【0214】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0215】
10 情報処理装置
100 プロセッサ
110 記憶部
114 表示部
116 報知部
121 変動取得部
122 測定間隔取得部
124 判定部
300 改善度合いグラフ
310 履歴グラフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15