(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146382
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】建築用資材の製造方法及び建築用資材
(51)【国際特許分類】
B29C 65/48 20060101AFI20241004BHJP
B32B 37/12 20060101ALI20241004BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B29C65/48
B32B37/12
B32B27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059245
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003322
【氏名又は名称】大日本塗料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】白方 陽菜子
(72)【発明者】
【氏名】網野 可菜
(72)【発明者】
【氏名】青木 敬太
(72)【発明者】
【氏名】前田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】畠山 忠
【テーマコード(参考)】
4F100
4F211
【Fターム(参考)】
4F100AK07D
4F100AK25B
4F100AK25C
4F100AK51E
4F100AK53B
4F100AT00A
4F100AT00D
4F100BA04
4F100BA07
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4F100CB05C
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4F100EH46E
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4F211TC02
4F211TD11
4F211TN60
4F211TQ01
(57)【要約】
【課題】屋外環境下においても長期に亘って外観、耐久性及び機能性フィルム層の付着性を維持できる建築用資材を提供する。
【解決手段】基材1上に少なくとも一層の塗膜層2を設ける工程と、接着層5を介して前記少なくとも一層の塗膜層2上に機能性フィルム層3を設ける工程とを含み、前記機能性フィルム層3の一方の表面には前記接着層5が設けられている、建築用資材の製造方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に少なくとも一層の塗膜層を設ける工程と、接着層を介して前記少なくとも一層の塗膜層上に機能性フィルム層を設ける工程とを含み、前記機能性フィルム層の一方の表面には前記接着層が設けられている、建築用資材の製造方法。
【請求項2】
前記機能性フィルム層は、保護層及び加飾層よりなる群から選ばれる少なくとも一層を含む、請求項1に記載の建築用資材の製造方法。
【請求項3】
前記機能性フィルム層上に少なくとも一層の塗膜層を設ける工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の建築用資材の製造方法。
【請求項4】
基材と、前記基材上に配置された少なくとも一層の塗膜層と、前記少なくとも一層の塗膜層上に配置された機能性フィルム層とを含み、前記少なくとも一層の塗膜層と前記機能性フィルム層の間に接着層が存在している、建築用資材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用資材の製造方法及び建築用資材に関し、特には、屋外環境下においても長期に亘って外観、耐久性及び機能性フィルム層の付着性を維持できる建築用資材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、建築用資材の保護や加飾を目的とする手法としては、一般的に塗料による塗装が行われ、これによって保護層や加飾層を形成している。一方、保護や加飾の別の手段として、被塗物に対してフィルムを貼り付ける技術も提案されている。
【0003】
特開2002-234077号公報(特許文献1)には、無機建材表面に、塗装フィルムを熱及び/又は圧力により接合させることにより得られることを特徴とする塗膜積層無機建材が記載されている。特許文献1では、無機建材は、多孔質構造を有すると共に各種加工が施されているものが一般的に使用されていることから、塗料による塗装では、均一な塗膜を形成することが難しく、塗膜自体にワレや剥がれが生じるなどといった問題点があったところ、無機建材表面に塗装フィルムを熱及び/又は圧力により接合させる手法とすることで、塗料による塗装で生じていた問題点を解決することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるような、無機建材表面に加飾フィルムを直接貼り付ける手法では、基材への付着力が十分に担保できないといった問題が考えられる。通常、建築用資材には、断熱や不燃のために空壁のある無機基材が用いられる場合が多い。また、基材自体の意匠性を向上させるため、基材表面が凹凸形状になっている場合もある。塗料での塗装では、塗料が空壁に含侵するため、経時におけるワレや剥がれ等の課題はあるものの全面剥離等の問題は生じにくい。一方で、加飾フィルムは、基材の空壁や凹凸形状に追従しにくいことから、十分に追従できていない部分や、屋外環境等の厳しい条件下においては、基材から加飾フィルムが全面剥離する等の問題が発生する場合がある。またさらに、このような無機建材は脆い部分を含む場合もあり、脆弱な基材部と加飾フィルムとの接合部においては加飾フィルムが剥がれやすくなる課題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、屋外環境下においても長期に亘って外観、耐久性及び機能性フィルム層の付着性を維持できる建築用資材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、予め基材上に少なくとも一層の塗膜層を設けた後に機能性フィルム層を接着層を介して適用することで、屋外環境下においても長期に亘って外観、耐久性及び機能性フィルム層の付着性を維持できる建築用資材を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
従って、本発明の建築用資材の製造方法は、基材上に少なくとも一層の塗膜層を設ける工程と、接着層を介して前記少なくとも一層の塗膜層上に機能性フィルム層を設ける工程とを含み、前記機能性フィルム層の一方の表面には前記接着層が設けられている、建築用資材の製造方法である。
【0009】
本発明の建築用資材の製造方法の好適例において、前記機能性フィルム層は、保護層及び加飾層よりなる群から選ばれる少なくとも一層を含む。
【0010】
本発明の建築用資材の製造方法の他の好適例においては、前記機能性フィルム層上に少なくとも一層の塗膜層を設ける工程をさらに含む。
【0011】
また、本発明の建築用資材は、基材と、前記基材上に配置された少なくとも一層の塗膜層と、前記少なくとも一層の塗膜層上に配置された機能性フィルム層とを含み、前記少なくとも一層の塗膜層と前記機能性フィルム層の間に接着層が存在している、建築用資材である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、屋外環境下においても長期に亘って外観、耐久性及び機能性フィルム層の付着性を維持できる建築用資材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の建築用資材の一実施態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明は、建築用資材の製造方法及び建築用資材に関する。
【0015】
本発明において、建築用資材とは、建築に用いる材料であり、その具体例としては、例えば、単板、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質建材;窯業系サイディングボード、フレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグバーライト板、木片セメント板、パルプセメント板、プレキャストコンクリート板、軽量気泡コンクリート(ALC)板またはALCパネル、石膏ボード等の窯業建材;金属サイディングボード、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属建材等の各種建材(特に建築板)が好適に挙げられる。また、建築用資材の具体例として、塩ビシート、ターポリン、プラダン(プラスチック製ダンボール)、アクリル板等のプラスチック基材、タイル、ガラス板等も挙げられる。
【0016】
本発明において、建築用資材は、少なくとも基材を含む。本明細書において、基材とは、塗膜層及び機能性フィルム層が適用される対象を意味する。
【0017】
基材としては、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、チタンやそれらの合金等の金属基材、セメント、コンクリート、石膏、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、大理石、人工大理石、ガラス、セラミック等の金属以外の無機質基材、木質基材、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、特にはポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック基材、並びにこれら基材の2種以上の材料を組み合わせた複合基材等が挙げられる。この中でも、特にセメント、コンクリート、石膏、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、大理石、人工大理石、セラミック等の無機質基材、木質基材等の表面に多孔質部や脆弱部を含む基材において、本発明の効果がより顕著に得られる。
【0018】
本発明において、建築用資材及び基材は、様々な形状のものがあり、例えば、フィルム状、シート状、板状等の二次元形状基材や複雑形状の立体物である三次元形状基材等がある。建築用資材及び基材の表面は、平滑であってもよいし、凹凸を有していてもよい。
【0019】
まず、本発明の建築用資材の製造方法について説明する。本発明の建築用資材の製造方法は、以下の2つの工程を含む建築用資材の製造方法である。
第1の工程:基材上に少なくとも一層の塗膜層を設ける工程。
第2の工程:接着層を介して少なくとも一層の塗膜層上に機能性フィルム層を設ける工程。
【0020】
本発明の建築用資材の製造方法では、機能性フィルム層を設ける前に、基材上に少なくとも一層の塗膜層を予め設けることで、接着層との付着性が向上し、それによって機能性フィルム層が基材から剥離することを防ぐことができる。また、基材上に少なくとも一層の塗膜層を予め設けることで、基材の表面に脆弱部が存在する場合はこれを補強し、脆弱部の存在による機能性フィルム層の剥離を防ぐことができる。これによって、屋外環境下においても長期に亘って基材への機能性フィルム層の付着性を維持することができる。
【0021】
本発明において、塗膜層とは、基材上に配置される層のうち、塗装によって形成される塗膜の層を意味する。
【0022】
第1の工程において、基材上に設けられる塗膜層は、一層であってもよいし、二層以上であってもよい。
【0023】
第1の工程において、基材上に設けられる塗膜層は、厚さが120μm以下であることが好ましく、5~80μmであることがより好ましい。塗膜層が複数層からなる場合、ここに記載される数値範囲は、塗膜層の合計の厚さを指す。
【0024】
第1の工程において、塗膜層は、既知の塗装手段、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、コテ塗装、ヘラ塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装、スプレー塗装(例えばエアースプレー塗装、エアレススプレー塗装)、シャーワーコーター塗装、ディッピング塗装等によって基材に塗料を塗装することで得られる。
【0025】
第1の工程において、塗膜層の乾燥手段は、特に限定されず、周囲温度での自然乾燥や乾燥機等を用いた強制乾燥のいずれであってもよい。
【0026】
第1の工程において、基材上に設けられる塗膜層は、通常、樹脂を含む。塗膜層中の樹脂の量は、10~100質量%であることが好ましく、20~95質量%であることがより好ましい。塗膜層が複数層からなる場合、ここに記載される数値範囲は、各塗膜層中の樹脂の量を指す。
【0027】
第1の工程において、基材上に設けられる塗膜層には、塗料業界において通常使用されている樹脂を使用することができる。例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミン樹脂、ケチミン樹脂等が挙げられる。樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
第1の工程において、基材上に設けられる塗膜層は、アクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことが好ましい。基材と機能性フィルム層の間に設置される塗膜層にアクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を用いることで、基材への機能性フィルム層の付着性を更に向上させることができる。
【0029】
第1の工程において、基材上に設けられる塗膜層は、その他の成分として、顔料、分散剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、シランカップリング剤、付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、殺虫剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、帯電防止剤、導電性付与剤等を必要に応じて適宜含んでいてもよい。
【0030】
本発明の建築用資材の製造方法では、第1の工程で得られた少なくとも一層の塗膜層上に接着層を介して機能性フィルム層を設ける(第2の工程)。建築用資材に機能を付与するために、塗膜ではなく、フィルムを用いることで、屋外環境下においても長期に亘って外観及び耐久性を維持することができる。例えば、従来のように、塗膜により建築用資材に機能を付与する場合、塗装ムラが発生した部分での外観及び物性の低下が見られるところ、機能性フィルムを用いた場合は、均一な膜を基材上に設置できるため、このような欠点を解消することができる。また、本発明の建築用資材の製造方法によれば、基材上に少なくとも一層の塗膜層を予め設けることで、屋外環境下においても長期に亘って基材への機能性フィルム層の付着性を維持できることから、建築用資材の外観と耐久性の維持において優れた効果を発揮することができる。
【0031】
本発明において、機能性フィルム層とは、基材上に配置される層のうち、基材にある特定の機能を付与するために配置されるフィルムの層を意味する。例えば、機能性フィルム層には、意匠性(光沢の付与等も含まれる)、耐久性等の機能を基材に付与する層がある。
【0032】
また、本発明において、フィルム層とは、基材上に配置される際、既にフィルム状に成形されている層を意味し、基材上に配置される際に塗装によって形成される塗膜層とは区別される。
【0033】
機能性フィルム層には、樹脂を成形してなるフィルム(成形フィルム)を使用してもよいし、塗料から塗装により形成される塗膜をフィルム(塗装フィルム)として使用してもよいし、インクから印刷により形成される膜をフィルム(印刷フィルム)として使用してもよいし、成形フィルム、塗装フィルム及び印刷フィルムの少なくとも2種類を組み合わせてなる複合フィルムを使用してもよい。また、機能性フィルム層には、一層からなるフィルム(単層フィルム)を使用してもよいし、複数層からなるフィルム(積層フィルム)を使用してもよい。
【0034】
フィルムの製造に使用できる成形方法、塗装方法及び印刷方法としては、従来知られている成形方法、塗装方法及び印刷方法を使用することができる。なお、例えば、塗膜のみから構成されるフィルムや印刷膜のみから構成されるフィルムを使用する場合は、ポリプロピレン等の支持体上に塗膜(単層もしくは積層)又は印刷膜(単層もしくは積層)を形成し、支持体から塗膜又は印刷膜を剥離することで、塗装フィルムを得ることができる。
【0035】
フィルムの製造に使用できる成形方法としては、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、圧空成形等が挙げられる。
【0036】
フィルムの製造に使用できる塗装方法としては、例えば、バーコーター、ダイコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、グラビアコーター等のコーターを用いた塗装方法やディッピングが挙げられる。
【0037】
フィルムの製造に使用できる印刷方法としては、例えば、インクジェット(IJ)印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、デザインスプレー等が挙げられる。
【0038】
機能性フィルム層は、厚さが250μm以下であることが好ましく、30~180μmであることが更に好ましい。機能性フィルム層が厚すぎると、機能性フィルム層の上から基材の模様が認識できなくなる場合がある。また、例えば凹凸形状の基材上に機能性フィルム層を設ける場合に、基材の凹凸に追従した状態で機能性フィルムを設置する観点から、機能性フィルム層は厚すぎないことが好ましい。機能性フィルム層が複数層からなる場合、ここに記載される厚さの数値範囲は、機能性フィルム層の合計の厚さを指す。また、機能性フィルム層の厚さ(複数層の場合はその合計の厚さ)は、第1の工程により設けられた塗膜層の厚さ(複数層の場合はその合計の厚さ)と同じか、又は第1の工程により設けられた塗膜層の厚さ(複数層の場合はその合計の厚さ)より厚いことが好ましい。
【0039】
機能性フィルム層は、着色されていてもよいし、透明であってもよい。
【0040】
機能性フィルム層は、通常、樹脂を含む。機能性フィルム層中の樹脂の量は、10~100質量%であることが好ましく、20~95質量%であることがより好ましい。機能性フィルム層が複数層からなる場合、ここに記載される数値範囲は、各機能性フィルム層中の樹脂の量を指す。
【0041】
機能性フィルム層に使用できる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミン樹脂、ケチミン樹脂等が挙げられる。樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
機能性フィルム層は、アクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことが好ましい。これによって、建築用資材の耐久性を向上できるとともに、塗膜層や接着層がアクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含む場合には機能性フィルム層の付着性を更に向上させることができる。機能性フィルム層が複数層よりなる場合は少なくとも接着層に面する層がアクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことが好ましく、そのいずれもがアクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことがより好ましい。
【0043】
機能性フィルム層は、その他の成分として、顔料、分散剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、シランカップリング剤、付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、殺虫剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、帯電防止剤、導電性付与剤等を必要に応じて適宜含んでいてもよい。
【0044】
機能性フィルム層は、保護層及び加飾層よりなる群から選ばれる少なくとも一層を含むことが好ましい。
【0045】
本発明において、保護層とは、建築用資材の基材表面を保護するための層である。機能性フィルム層が保護層を含むことで、建築用資材の耐久性を向上させることができる。また、本発明において、加飾層とは、基材に意匠を施したり、基材とは異なる質感を付与したりすることを目的とする層を意味する。ここで、意匠とは、形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合である。
【0046】
また、機能性フィルム層の一方の表面には、接着層が設けられている。本発明によれば、機能性フィルム層は、接着層を介して、基材(特には基材上に存在する塗膜層)に付着させる。従って、第2の工程において、機能性フィルム層は、その表面に設けられた接着層を塗膜層に付着させることで、塗膜層上に配置させる。
【0047】
接着層は、接着剤から構成される層である。接着層及び接着剤は、それぞれ粘着層及び粘着剤と称される場合もある。接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、これらの中でも、アクリル系接着剤が好ましい。
【0048】
本発明の建築用資材の製造方法においては、機能性フィルム層の付着性の観点から、第1の工程により得られる塗膜層と、機能性フィルム層の表面に設けられた接着層のいずれか一方の層がアクリル樹脂を含むことが好ましく、当該塗膜層と接着層の両方の層がアクリル樹脂を含むことが更に好ましい。
【0049】
接着層の厚さは、20~200μmであることが好ましい。
【0050】
接着層は、機能性フィルム層の表面に接着剤を塗布することで形成することができる。フィルム状の接着層を機能性フィルム層に貼り合わせることもできる。
【0051】
第2の工程において、基材上に形成された塗膜層上に機能性フィルム層を設ける手段としては、従来知られているフィルムの貼り付け方法を利用することができ、好ましい手段としては、真空成形、圧空成形、3次元表面加飾成形等が挙げられる。
【0052】
本発明の建築用資材の製造方法は、更に以下の工程を含むことができる。
第3の工程:機能性フィルム層上に少なくとも一層の塗膜層を設ける工程。
【0053】
本発明の建築用資材の製造方法では、機能性フィルム層に加えて、塗膜層を設けることで、基材にさらなる機能を付与したり、機能性フィルム層により付与された機能を補強したりすることができる。
【0054】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、一層であってもよいし、二層以上であってもよい。
【0055】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、厚さが50μm以下であることが好ましく、1~40μmであることがより好ましい。塗膜層が複数層からなる場合、ここに記載される数値範囲は、塗膜層の合計の厚さを指す。
【0056】
第3の工程において、塗膜層は、既知の塗装手段、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、コテ塗装、ヘラ塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装、スプレー塗装(例えばエアースプレー塗装、エアレススプレー塗装)、シャーワーコーター塗装、ディッピング塗装等によって基材に塗料を塗装することで得られる。
【0057】
第3の工程において、塗膜層の乾燥手段は、特に限定されず、周囲温度での自然乾燥や乾燥機等を用いた強制乾燥のいずれであってもよい。
【0058】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、着色されていてもよいし、透明であってもよい。
【0059】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、光触媒や親水層等、樹脂を含まない場合もあるが、樹脂を含む場合がある。塗膜層に樹脂を含む場合の塗膜層中の樹脂の量は、10~100質量%であることが好ましく、20~95質量%であることがより好ましい。塗膜層が複数層からなる場合、ここに記載される数値範囲は、各塗膜層中の樹脂の量を指す。
【0060】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層には、塗料業界において通常使用されている樹脂を使用することができる。例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミン樹脂、ケチミン樹脂等が挙げられる。樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、アクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことが好ましい。機能性フィルム層上に設けられる塗膜層がアクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことで、建築用資材の耐久性が向上するとともに、他の層もアクリル樹脂又はアクリルシリコーン樹脂を含むことで機能性フィルム層との付着性がより良好になる。
【0062】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、その他の成分として、顔料、分散剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、シランカップリング剤、付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、殺虫剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、帯電防止剤、導電性付与剤等を必要に応じて適宜含んでいてもよい。
【0063】
第3の工程において、機能性フィルム層上に設けられる塗膜層は、保護層及び加飾層よりなる群から選ばれる少なくとも一層を含むことが好ましい。保護層を形成することで建築用資材の耐久性をより向上することができ、インクジェット印刷による加飾層を定着させることでさまざまな意匠を有する建築用資材を提供することができる。
【0064】
次に、本発明の建築用資材について説明する。
【0065】
本発明の建築用資材は、基材と、基材上に配置された少なくとも一層の塗膜層と、少なくとも一層の塗膜層上に配置された機能性フィルム層とを含み、少なくとも一層の塗膜層と機能性フィルム層の間に接着層が存在している、建築用資材である。本発明の建築用資材における建築用資材、基材、塗膜層、機能性フィルム層及び接着層については、本発明の建築用資材の製造方法の説明において記載したとおりである。
【0066】
本発明の建築用資材は、機能性フィルム層上に配置された少なくとも一層の塗膜層を更に含むことができる。ここで、機能性フィルム層上に配置された塗膜層についても、本発明の建築用資材の製造方法の説明において記載したとおりである。
【0067】
本発明の建築用資材は、上述した本発明の建築用資材の製造方法によって製造することができる。
【0068】
図1は、本発明の建築用資材の一実施態様を示す概略図である。
図1に示される建築用資材は、基材1と、基材1上に配置された塗膜層2と、塗膜層2上に配置された機能性フィルム層3と、機能性フィルム層3上に配置された塗膜層4とを含み、塗膜層2と機能性フィルム層3の間に接着層5が存在している。
【実施例0069】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0070】
<塗料の調製>
各水系樹脂エマルションをベースに下記の塗料を調製した。各塗料の樹脂の割合については、表1~3の「樹脂組成」に示す。表1~3の「樹脂組成」に示される数値は質量基準である。
(塗膜層(2)用塗料No.)
1.アクリル樹脂エマルションをベースとした水系塗料
2.アクリルシリコーン樹脂エマルションをベースとした水系塗料
3.アクリル樹脂エマルション:アクリルシリコーン樹脂エマルション=50:50(質量比)で混合した水系塗料
4.エポキシ樹脂エマルションをベースとした水系塗料
5.ふっ素樹脂エマルションをベースとした水系塗料
6.ウレタン樹脂エマルションをベースとした水系塗料
(機能性フィルム層(3)用塗料No.)
1.アクリル樹脂エマルションをベースとした水系塗料
2.アクリル樹脂エマルション:アクリルシリコーン樹脂エマルション=50:50(質量比)で混合した水系塗料
3.アクリル樹脂エマルション:ウレタン樹脂エマルション=50:50(質量比)で混合した水系塗料
4.ウレタン樹脂エマルションをベースとした水系塗料
(塗膜層(4)用塗料No.)
1.アクリル樹脂エマルションをベースとした水系塗料
【0071】
<使用した粘着シート>
接着層(5)の付与については、下記の粘着シートを使用した。粘着シートの樹脂組成を表1~3の「樹脂組成」に示す。また、粘着シートの厚さはいずれも50μmである。
(接着層(5)用粘着シートNo.)
1.アクリル樹脂系粘着シートHJ―9150W(日東電工(株)製)
2.PET樹脂系粘着シートFB-ML80(日東電工(株)製)
【0072】
実施例1
建築用資材No.1は下記の方法にて作製した。
<基材(1)に対して塗膜層(2)を設ける工程>
基材(1)としての表面に凹凸形状を有する建材外装材(210mm×110mm×10mm)に対し、塗膜層(2)用塗料No.1を表1に記載した乾燥膜厚になるようにエアスプレーにて塗装し、130℃5分間乾燥を行い、塗膜層(2)を設けた。
【0073】
<機能性フィルム層(3)の作製>
ポリプロピレン板(300mm×300mm×2mm)に対し、機能性フィルム層(3)用塗料No.1を表1に示した乾燥膜厚になるようバーコーターにて塗装し、50℃で5分、80℃で10分間乾燥を行い、機能性フィルム層(3)を作製した。
【0074】
<接着層貼付>
上記機能性フィルム層(3)に対して、接着層(5)用粘着シートNo.1を貼付け、機能性フィルム層(3)の表面に接着層(5)を設けた。
【0075】
<成形>
上記塗膜層(2)を付与した基材(1)に対して上記接着層(5)を設けた機能性フィルム層(3)を、接着層(5)が塗膜層(2)に接するように、TOM(3次元表面加飾)成形機(布施真空製 NGF-0709-S)を用いて3次元表面加飾成形し、建築用資材No.1を作製した。
【0076】
実施例2~10、実施例12~16
上記実施例1と同様の方法にて、建築用資材No.2~10、12~16を作製した。ただし、各層の形成に用いた塗料の種類及び膜厚並びに接着層(5)に用いた粘着シートの種類は、表1~3に示されるとおりである。
【0077】
実施例11
上記実施例1にて得られた建築用資材No.1に対し、塗膜層(4)用塗料No.1を表1に示した乾燥膜厚になるようエアスプレーにて塗装し、80℃10分間乾燥を行い、塗膜層(4)を設け、建築用資材No.11を作製した。
【0078】
比較例1
上記実施例1と同様に接着層(5)を設けた機能性フィルム層(3)を作製したのち、基材(1)としての表面に凹凸形状を有する建材外装材(210mm×110mm×10mm)に対して接着層(5)を設けた機能性フィルム層(3)を、接着層(5)が建築外装材に接するように、TOM成形機を用いて3次元表面加飾成形し、建築用資材No.17を作製した。
【0079】
比較例2
上記実施例1と同様に基材(1)としての表面に凹凸形状を有する建材外装材(210mm×110mm×10mm)に対し、塗膜層(2)用塗料No.1を表3に記載した乾燥膜厚になるようにエアスプレーにて塗装し、130℃5分間乾燥を行い、塗膜層(2)を設け、建築用資材No.18を作製した。
【0080】
比較例3
上記実施例1と同様に基材(1)としての表面に凹凸形状を有する建材外装材(210mm×110mm×10mm)に対して塗膜層(2)を設けた。次いで、機能性フィルム層(3)を作製したのち、TOM成形機を用いて塗膜層(2)を設けた基材(1)に対して機能性フィルム層(3)を塗膜層(2)上で3次元表面加飾成形し、建築用資材No.19を作製した。
【0081】
得られた建築用資材No.1~19の評価については、下記の方法に従い行った。
<評価方法>
<機能性フィルム層の成形性>
3次元表面加飾成形時及び成形後、建築用資材の状態を目視にて観察して機能性フィルム層の成形性を下記基準に従い評価した。結果を表1~3に示す。
(評価基準)
〇:基材(1)に対して機能性フィルム層(3)が破れることなく基材(1)の凹凸に追従して成形できている。
△:基材(1)に対して機能性フィルム層(3)が破れることなく基材(1)の凹凸に追従して成形できているが、基材(1)の凸部を覆う機能性フィルム層(3)の厚みが薄くなる部分がある。
×:基材(1)の凹凸に追従して機能性フィルム層(3)が成形できていない。
【0082】
<建築用資材の外観>
建築用資材の外観を、目視で観察して下記基準に従い評価した。結果を表1~3に示す。
(評価基準)
〇:基材(1)からの機能性フィルム層(3)の浮き、機能性フィルム層(3)上のワキ跡、膨れ跡がない。かつ基材(1)の凹凸への機能性フィルム層(3)の入り込みができており、建築用資材の外観から基材(1)表面の模様がはっきりと認識できる。
△:基材(1)からの機能性フィルム層(3)の浮き、機能性フィルム層(3)上のワキ跡、膨れ跡がなく、基材(1)の凹凸への機能性フィルム層(3)の入り込みができているが、基材(1)表面の模様が薄く建築用資材の外観から認識できない。または基材(1)の凸部を覆う機能性フィルム層(3)の厚みが薄くなる部分がある。
×:基材(1)からの機能性フィルム層(3)の浮き、機能性フィルム層(3)上のワキ跡、膨れ跡がある。または基材(1)の凹凸への機能性フィルム層(3)の入り込みができていない。
【0083】
<機能性フィルム層の付着性>
建築用資材に対して、カッターナイフで基材に達するように中心角30°の切り込みを2本入れた。切り込みを入れた面に、粘着テープ(ニチバン セロテープ(登録商標)LP-24)を貼着し、粘着テープを剥した際の建築用資材の表面を観察し、下記基準に従い機能性フィルム層の付着性を評価した。結果を表1~3に示す。
(評価基準)
◎:粘着テープを剥した後、基材(1)、塗膜層(2)、接着層(5)及び機能性フィルム層(3)が完全に付着している。
〇:粘着テープを剥した後、基材(1)、塗膜層(2)、接着層(5)及び機能性フィルム層(3)が完全に付着しているが、一部浮きが見られる。
△:粘着テープを剥した後、基材(1)、塗膜層(2)、接着層(5)及び機能性フィルム層(3)が完全に付着しているが、一部浮き及び欠けが見られる。
×:粘着テープを剥した後、塗膜層(2)-接着層(5)間、または接着層(5)-機能性フィルム層(3)間で剥離している。
【0084】
<耐候性(耐久性)>
建築用資材について、スーパーUV促進試験機(岩崎電気(株)製SUV-W261)を用いて、以下のサイクルで1000時間放置する耐候試験を行った。耐候試験後の建築用資材の外観を目視にて観察し、評価した。また、光沢保持率についても光沢計(BYK製「micro-TRI-gloss」)にて測定を行った。結果を表1~3に示す。
評価結果が◎+、◎、〇または△である建築用資材は、屋外環境下においても長期に亘って外観、耐久性及び機能性フィルム層の付着性を維持できる建築用資材であるといえる。
なお、比較例1及び比較例3は、作製時の建築用資材の評価(機能性フィルム層の成形性、建築用資材の外観および機能性フィルム層の付着性)が悪かったので、耐候性(耐久性)の評価を行っていない。
(試験条件)
照射波長範囲 295~450nm、試料面紫外線強度100mW/cm2±5%
照射時:湿度50%RHブラックパネル温度63℃±2℃
結露時95%RH以上ブラックパネル温度40℃±2℃
試験条件照射6H/結露2H
(評価基準)
◎+:60°光沢保持率が95%以上かつ外観上白化・黄変等の変色、各層の破れ、剥がれ等大きな変化が確認されなかった。
◎:60°光沢保持率が90%以上かつ外観上白化・黄変等の変色、各層の破れ、剥がれ等大きな変化が確認されなかった。
〇:60°光沢保持率が85%以上かつ外観上白化・黄変等の変色、各層の破れ、剥がれ等大きな変化が確認されなかった。
△:60°光沢保持率が80%以上かつ外観上白化・黄変等の変色、各層の破れ、剥がれ等大きな変化が確認されなかった。
×:60°光沢保持率が80%未満または外観上白化・黄変等の変色、各層の破れ、剥がれ等大きな変化が確認された。
【0085】
【0086】
【0087】