(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146391
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】駐車装置および駐車装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
E04H 6/06 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
E04H6/06 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059257
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗山 茂幸
(57)【要約】
【課題】パレットが安全に昇降動作することができる駐車装置を提供すること。
【解決手段】駐車装置は、上下方向および左右方向に複数の駐車領域を含む駐車装置であって、車両を載置するパレットと、パレットを左右方向に横行移動させる横行台車と、横行移動している横行台車を駐車領域内で停止させるために、駐車領域内で横行移動している横行台車を検出する第1のセンサと、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出する第2のセンサと、を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向および左右方向に複数の駐車領域を含む駐車装置であって、
車両を載置するパレットと、
前記パレットを前記左右方向に横行移動させる横行台車と、
横行移動している前記横行台車を前記駐車領域内で停止させるために、駐車領域内で横行移動している前記横行台車を検出する第1のセンサと、
前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出する第2のセンサと、を含む、駐車装置。
【請求項2】
前記第1のセンサは、接触センサであり、
前記第2のセンサは、非接触センサである、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記第2のセンサは、前記パレットまたは前記横行台車までの距離を測定し、測定された前記距離に基づいて前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出する、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記複数の駐車領域は、前記上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および前記左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を有し、
前記第2のセンサは、2~m-1段の各々の1~n連の駐車領域に設置されている、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項5】
さらに、前記第2のセンサの検出信号に基づき、前記パレットのうちの所定のパレットの前記上下方向への昇降動作を制御する制御部を含む、請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記制御部は、(m-2)×(n-1)個の前記第2のセンサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項5に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記第2のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記制御部は、(m-1)×(n-1)個の前記第2のセンサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項5に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の2~m-1段の駐車領域に設置されている前記第2のセンサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項5に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記第2のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記制御部は、前記所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の1~m-1段の駐車領域に設置されている前記第2のセンサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記パレットの前記昇降動作を開始する、請求項5に記載の駐車装置。
【請求項10】
前記制御部は、予め設定された個数の前記第2のセンサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項5に記載の駐車装置。
【請求項11】
上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を含む駐車装置であって、
車両を載置するパレットと、
前記パレットを左右方向に横行移動させる横行台車と、
2~m-1段の各々の1~n連の前記駐車領域に設置され、前記横行台車が前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサの検出信号に基づき、前記パレットのうちの所定のパレットの前記上下方向への昇降動作を制御する制御部と、を含む、駐車装置。
【請求項12】
前記複数のセンサは、非接触センサである、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記複数のセンサのうちの(m-2)×(n-1)個のセンサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項14】
前記複数のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、前記パレットが前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、
前記制御部は、前記複数のセンサのうちの(m-1)×(n-1)個のセンサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の2~m-1段の駐車領域に設置されているセンサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項16】
前記複数のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、前記パレットが前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、
前記制御部は、前記所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の1~m-1段の駐車領域に設置されているセンサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記複数のセンサのうちの予め設定された個数のセンサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項18】
前記複数のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、前記パレットが前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、
前記制御部は、前記複数のセンサのうちの予め設定された個数のセンサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項11に記載の駐車装置。
【請求項19】
さらに、前記上下方向に延在する第1のガイドレールを含み、
前記パレットは、前記パレットの昇降動作において前記第1のガイドレールによってガイドされる昇降ガイドを含み、
2~m-1段に位置する前記横行台車は、前記パレットの前記昇降動作において前記昇降ガイドをガイドする第2のガイドレールを含む、請求項4または請求項11に記載の駐車装置。
【請求項20】
上下方向および左右方向に複数の駐車領域を含む駐車装置の制御方法であって、
車両を載置するパレットを横行移動させる横行台車が、前記駐車領域内の設定位置に停止していることをセンサによって検出し、
前記センサの検出信号に基づき、前記パレットのうちの所定のパレットの昇降動作を開始する、駐車装置の制御方法。
【請求項21】
前記複数の駐車領域は、前記上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および前記左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を有し、
前記センサは、2~m-1段の各々の1~n連の駐車領域に設置されている、請求項20に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項22】
(m-2)×(n-1)個の前記センサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出するとき、前記パレットの前記昇降動作を開始する、請求項21に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項23】
前記センサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記1段の1~n連の駐車領域に設置された前記センサは、前記パレットが前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、
(m-1)×(n-1)個の前記センサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出するとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項21に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項24】
前記所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の2~m-1段の駐車領域に設置されている前記センサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項21に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項25】
前記センサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記1段の1~n連の駐車領域に設置された前記センサは、前記パレットが前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、
前記所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の1~m-1段の駐車領域に設置されている前記センサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項21に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項26】
予め設定された個数の前記センサが、前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出するとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項21に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項27】
前記センサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、
前記1段の1~n連の駐車領域に設置された前記センサは、前記パレットが前記駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、
予め設定された個数の前記センサが、前記パレットまたは前記横行台車が前記駐車領域内の前記設定位置に停止していることを検出しているとき、前記所定のパレットの前記昇降動作を開始する、請求項21に記載の駐車装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、自動車などの車両を駐車するための駐車装置に関する。また、本発明の一実施形態は、自動車などの車両を駐車するための駐車装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駐車装置として、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させる、いわゆる多段式駐車装置が知られている。多段式駐車装置では、パレットを上下方向に昇降動作させ、または左右方向に横行動作させることにより、入出庫口に移動したパレットに車両を入出庫させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多段式駐車装置におけるパレットの横行動作は、パレット200と連結される横行台車によって行われる。また、パレットの昇降動作は、主に、パレットに設置された吊チェーンの巻き上げ、または巻き下げによって行われる。しかしながら、吊チェーンのみによるパレットの昇降動作では、吊チェーンの振動または風などによってパレットが揺れてしまい、パレットの昇降動作が安定しない。そのため、パレットには昇降ガイドが設けられ、昇降ガイドがガイドレールによってガイドされながら昇降動作することにより、パレットの昇降動作を安定させることができる。
【0005】
ガイドレールは、例えば、支柱および横行台車に設置される。支柱のガイドレールの途切れた部分が、横行台車のガイドレールによって補間される。しかしながら、横行台車は横行動作が行われるため、横行台車が駐車領域内の所定の位置に停止していない場合には、横行台車のガイドレールの位置ずれが生じる。この場合、パレットの昇降動作を行うと、パレットと横行台車との衝突(具体的には、パレットの昇降ガイドと横行台車のガイドレールとの衝突)が起きる。そのため、駐車装置のさらなる安全性を確保するため、パレットと横行台車との衝突を回避するための安全対策が望まれていた。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、パレットが安全に昇降動作することができる駐車装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る駐車装置は、上下方向および左右方向に複数の駐車領域を含む駐車装置であって、車両を載置するパレットと、パレットを左右方向に横行移動させる横行台車と、横行移動している横行台車を駐車領域内で停止させるために、駐車領域内で横行移動している横行台車を検出する第1のセンサと、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出する第2のセンサと、を含む。
【0008】
第1のセンサは、接触センサであり、第2のセンサは、非接触センサであってもよい。
【0009】
第2のセンサは、パレットまたは横行台車までの距離を測定し、測定された距離に基づいてパレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出してもよい。
【0010】
複数の駐車領域は、上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を有し、第2のセンサは、2~m-1段の各々の1~n連の駐車領域に設置されていてもよい。
【0011】
駐車装置は、さらに、第2のセンサの検出信号に基づき、パレットのうちの所定のパレットの上下方向への昇降動作を制御する制御部を含んでいてもよい。
【0012】
制御部は、(m-2)×(n-1)個の第2のセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。第2のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、制御部は、(m-1)×(n-1)個の第2のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0013】
制御部は、所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の2~m-1段の駐車領域に設置されている第2のセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。第2のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、制御部は、所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の1~m-1段の駐車領域に設置されている第2のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、パレットの昇降動作を開始してもよい。
【0014】
制御部は、予め設定された個数の第2のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る駐車装置は、上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を含む駐車装置であって、車両を載置するパレットと、パレットを左右方向に横行移動させる横行台車と、2~m-1段の各々の1~n連の駐車領域に設置され、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出する複数のセンサと、複数のセンサの検出信号に基づき、パレットのうちの所定のパレットの上下方向への昇降動作を制御する制御部と、を含む。
【0016】
複数のセンサは、非接触センサであってもよい。
【0017】
制御部は、複数のセンサのうちの(m-2)×(n-1)個のセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。複数のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、1段のn連の駐車領域に設置されたセンサは、パレットが駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、制御部は、複数のセンサのうちの(m-1)×(n-1)個のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0018】
制御部は、所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の2~m-1段の駐車領域に設置されているセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。複数のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、パレットが駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、制御部は、所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の1~m-1段の駐車領域に設置されているセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0019】
制御部は、複数のセンサのうちの予め設定された個数のセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。複数のセンサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、パレットが駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、制御部は、複数のセンサのうちの予め設定された個数のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0020】
駐車装置は、さらに、上下方向に延在する第1のガイドレールを含み、パレットは、パレットの昇降動作において第1のガイドレールによってガイドされる昇降ガイドを含み、2~m-1段に位置する横行台車は、パレットの昇降動作において昇降ガイドをガイドする第2のガイドレールを含んでいてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法は、上下方向および左右方向に複数の駐車領域を含む駐車装置の制御方法であって、車両を載置するパレットを横行移動させる横行台車が、駐車領域内の設定位置に停止していることをセンサによって検出し、センサの検出信号に基づき、パレットのうちの所定のパレットの昇降動作を開始する。
【0022】
複数の駐車領域は、上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を有し、センサは、2~m-1段の各々の1~n連の駐車領域に設置されていてもよい。
【0023】
(m-2)×(n-1)個のセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出するとき、パレットの昇降動作を開始してもよい。センサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、パレットが駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、(m-1)×(n-1)個のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出するとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0024】
所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の2~m-1段の駐車領域に設置されているセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、パレットの昇降動作を開始してもよい。センサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、パレットが駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、所定のパレットが停止している駐車領域に隣接する連の1~m-1段の駐車領域に設置されているセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【0025】
予め設定された個数のセンサが、横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出するとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。センサは、さらに、1段の1~n連の駐車領域に設置され、1段の1~n連の駐車領域に設置されたセンサは、パレットが駐車領域内の設定位置に停止していることを検出し、予め設定された個数のセンサが、パレットまたは横行台車が駐車領域内の設定位置に停止していることを検出しているとき、所定のパレットの昇降動作を開始してもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態に係る駐車装置によれば、安定した昇降動作が可能であり、駐車装置の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る駐車装置において、パレットの昇降動作におけるガイドの構成を説明する模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る駐車装置に設置される第1のセンサの構成を示す模式図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に係る駐車装置に設置される第2のセンサの構成を示す模式的な上面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係る駐車装置に設置される第2のセンサの構成を示す模式的な上面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御部の制御構成を説明するブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する駐車装置の模式的な背面図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な背面図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な背面図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る駐車装置の構成を示す模式的な背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照し説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0029】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0030】
図1~
図16を参照して、本発明の一実施形態に係る駐車装置100および駐車装置100の制御方法について説明する。
【0031】
[1.駐車装置100の構成の概要]
図1および
図2は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の構成を示す模式的な正面図および側面図である。本明細書では、駐車装置100の入出庫口がある面を正面とし、その反対側の面を背面として説明する。また、駐車装置100の正面から背面に向かう方向、または駐車装置100の背面から正面に向かう方向(すなわち、車両500が駐車装置100に入出庫する方向)を前後方向として説明する。
【0032】
駐車装置100は、支柱102および支柱102間に架設される梁104を含む骨格構造を有し、1台分の車両500が収容可能に区画化された複数の領域(以下、「駐車領域」という。)を有する。例えば、
図1に示す駐車装置100は、車両500が積み重なる上下方向(昇降方向)に4段、車両500が並置される左右方向(横行方向)に4連の16個の駐車領域を有する。但し、駐車装置100では、車両500を昇降し、または横行するための予備的空間を必要とする。このような予備的空間を除くと、駐車装置100は、
図1に示すように、最大13台の車両500を駐車し、収容することができる。駐車装置100では、車両500は、パレット200上に載置されて、いずれかの駐車領域内に収容される。
【0033】
また、駐車装置100の1段は、車両500の入出庫口を有する。すなわち、駐車装置100の1段には、ゲート106が設置され、車両500は、ゲート106が開閉されて、入庫し、または出庫することができる。ゲート106の開閉は、駐車装置100の外側に設置された操作盤108によって操作される。操作盤108は、ゲート106の開閉だけでなく、所定のパレットを移動させることができる。例えば、所定の駐車領域のパレット200を1段に移動させるように操作することができる。なお、操作盤108は、支柱102に設置されてもよい。
【0034】
駐車装置100は、大別して、地上段である1段に位置する駐車領域、中間段である2~3段に位置する駐車領域、および最上段である4段に位置する駐車領域に区分される。地上段に位置する駐車領域には、左右方向に横行動作することができるパレット200が配置されている。中間段に位置する駐車領域には、パレット200および横行台車300が配置されている。横行台車300は、パレット200と連結し、パレット200を左右方向に横行移動させることができる。また、パレット200には、昇降装置210が設置されており、パレット200は、昇降装置210を用いて上下方向に昇降動作することができる。最上段に位置する駐車領域には、昇降装置210が設置されたパレット200が配置されているが、横行台車300は配置されていない。そのため、最上段に位置する駐車領域に配置されたパレット200は、上下方向に昇降動作することができるが、左右方向に横行動作することはできない。
【0035】
左右方向で隣接する2つのパレット200は、車両500同士が干渉しない間隔を有して配置されている。2段の駐車領域のパレット200は、下方に位置する1段の駐車領域のパレット200を横行移動させた後、2段と1段との間を昇降動作し、車両500を入出庫させることができる。3段の駐車領域のパレット200は、下方に位置する1段および2段の駐車領域のパレット200を横行移動させた後、3段と1段との間を昇降動作し、車両500を入出庫させることができる。4段の駐車領域のパレット200は、下方に位置する1段~3段の駐車領域のパレットを横行移動させた後、4段と1段との間を昇降動作し、車両500を入出庫させることができる。
【0036】
駐車装置100は、複数の車両500が駐車可能である立体駐車装置である。立体駐車装置では、2段~4段に駐車された車両500が入出庫する際には、2段~4段のパレット200を1段に移動させる必要がある。
図1に示す駐車装置100は、1段のパレット200を横行移動させ、2段~4段のパレット200を昇降動作させる方式であるが、駐車装置100は、このような方式に限られない。例えば、1段のパレット200を地下ピットに沈みこませて、2段~4段のパレット200を1段に降下させる方式、1段~3段のパレット200を前後方向にスライドさせて、2段~4段のパレット200を1段に降下させる方式、またはこれらを組み合わせた方式など、本実施形態に係る駐車装置100は、様々な方式を適用することができる。
【0037】
なお、
図1に示す駐車装置100は4段4連の構造を有するが、駐車装置100の構造はこれに限られない。駐車装置100が設置される場所により、上下方向に4段未満または5段以上の構造を有していてもよく、左右方向に4連未満または5連以上の構造を有していてもよい。駐車装置100は、上下方向に1~m段(mは3以上の自然数)および左右方向に1~n連(nは2以上の自然数)の駐車領域を有する構造であればよい(本明細書において、m段×n連の駐車領域を有する駐車装置100という場合がある。)。この場合、1段の駐車領域が地上段の駐車領域に対応し、2~m-1段の駐車領域が中間段の駐車領域に対応し、およびm段が最上段の駐車領域に対応する。したがって、この場合、2~m-1段に位置する駐車領域に横行台車300が配置されている。
【0038】
図2に示すように、中間段および最上段に位置する駐車領域に配置されるパレット200には、昇降装置210と接続された4本の吊チェーン202がパレット200の前後左右の4箇所に設置されている。パレット200の昇降動作は、昇降装置210および吊チェーンを用いて行われる。しかしながら、吊チェーンのみによるパレット200の昇降動作では、吊チェーンの振動または風などによってパレット200が揺れ、パレット200の昇降動作が安定しない。そのため、駐車装置100では、中間段および最上段の駐車領域に配置されるパレット200に、昇降ガイド220が設置されている。パレット200の昇降ガイド220は、支柱102に設置されたガイドレール110および横行台車300に設置されたガイドレール310と係合することができる。パレット200の昇降ガイド220が、ガイドレール110およびガイドレール310に沿って移動することにより、パレット200の昇降動作を安定させることができる。
【0039】
ここで、
図3を参照して、パレット200の昇降動作におけるガイドについて説明する。
【0040】
[2.ガイドの構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100において、パレット200の昇降動作におけるガイドの構成を説明する模式図である。
【0041】
図3は、駐車装置100の背面側から眺めた模式図である。
図3に示すように、駐車装置100は、パレット200と接続された昇降ガイド220、支柱102と接続されたガイドレール110、および横行台車300と接続されたガイドレール310を含む。昇降ガイド220は、上下方向に延在し、断面L字形状または断面I字形状を有する。ガイドレール110およびガイドレール310は、上下方向に延在し、断面コの字形状を有する。ガイドレール310は、上下方向に配置された2つのガイドレール110の間に位置するように、横行台車300に接続されている。
【0042】
パレット200の昇降動作において、昇降ガイド220は、ガイドレール110およびガイドレール310と係合し、パレット200は、昇降ガイド220がガイドレール110およびガイドレール310によってガイドされながら昇降する。昇降ガイド220がガイドレール110およびガイドレール310によってガイドされながら昇降することにより、パレット200の左右方向への移動が制限される。そのため、昇降動作におけるパレット200の揺れを抑制することができ、パレット200の昇降動作を安定させることができる。
【0043】
なお、昇降ガイド220、ガイドレール110、およびガイドレール310の形状は、上述した形状に限られない。例えば、昇降ガイド220が断面コの字形状を有し、ガイドレール110およびガイドレール310が断面L字形状または断面I字形状であってもよい。このような構成であっても、昇降ガイド220が、ガイドレール110およびガイドレール310と係合し、ガイドレール110およびガイドレール310によってガイドされることができる。
【0044】
上述したように、駐車装置100では、パレット200の昇降動作において、パレット200の昇降ガイド220と係合するガイドレール310が横行台車300に設置されている。しかしながら、横行台車300が駐車領域内の所定の位置(予め設定され、許容範囲を含む設定位置)に停止していないと、パレット200の昇降動作時に、パレット200の昇降ガイド220と横行台車300のガイドレール310とが衝突する。また、昇降ガイド220、ガイドレール110、およびガイドレール310が設置されていない場合でも、横行台車300が駐車領域から外れた位置に停止していると、パレット200と横行台車とが衝突する。そのため、駐車装置100では、パレット200の横行動作において、横行台車300を駐車領域内の所定の位置で停止するために、横行台車300またはパレット200に後述する第1のセンサ410が設けられている。また、駐車装置100では、さらに、横行台車300が駐車領域内の所定の位置で停止していることを検出するために、第2のセンサ420が設けられている。
【0045】
そこで、
図4、
図5A、および
図5Bを参照して、第1のセンサ410および第2のセンサ420について説明する。
【0046】
[3.第1のセンサ410]
図4は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100に設置される第1のセンサ410の構成を示す模式図である。
【0047】
図4に示すように、第1のセンサ410は、横行台車300に取り付けられて使用される。例えば、第1のセンサ410は、横行台車の背面に取り付けられる。なお、地上段に位置する駐車領域には、横行台車300が設置されていない。この場合、第1のセンサ410は、横行移動が可能なパレット200の背面または裏面(車両500が載置される面の反対側の面)に取り付けられる。
【0048】
第1のセンサ410は、接触センサである。例えば、第1のセンサ410は、リミットスイッチである。
図4に示すように、第1のセンサ410が、支柱102に設けられたストライカー122によって叩かれると、第1のセンサ410が作動し、検出信号が生成される。なお、第1のセンサ410の構成は、リミットスイッチの構成に限られない。第1のセンサ410は、横行動作している横行台車300またはパレット200が駐車領域内の所定の位置に到達したことを検出することができる構成であればよい。このような構成であれば、第1のセンサ410は、光学センサのような非接触センサであってもよい。
【0049】
なお、第1のセンサ410は、支柱102または梁104などの駐車装置100の骨格構造に取り付けられていてもよい。この場合、ストライカー122は、横行台車300またはパレット200に取り付けられる。このような構成であっても、第1のセンサ410は、横行動作している横行台車300またはパレット200が駐車領域内の所定の位置に到達したことを検出することができる。
【0050】
[4.第2のセンサ420]
図5Aおよび
図5Bは、本発明の一実施形態に係る駐車装置100に設置される第2のセンサ420の構成を示す模式的な上面図である。
【0051】
図5Aに示すように、第2のセンサ420は、支柱102または梁104に取り付けられて使用される。第2のセンサ420は、中間段に位置する駐車領域の各々に設けられる。第2のセンサ420の取付位置は特に限定されず、横行台車300が駐車領域内の所定の位置に停止していることを検出することができるように取り付けられていればよい。
【0052】
第2のセンサ420は、非接触センサである。例えば、第2のセンサ420は、磁気センサである。
図5Aに示すように、第2のセンサ420は、横行台車300に設けられた磁石330によるしきい値以上の磁力を検出すると、検出信号を生成する。磁石330は、第2のセンサ420と対応し、第2のセンサ420が駐車領域内の所定の位置に横行台車300が停止していることを検出することができる位置に設けられている。これにより、第2のセンサ420は、横行台車300が駐車領域内の所定の位置に停止しているときに、検出信号を生成することができる。なお、第2のセンサ420は、検出された磁力に基づき第2のセンサ420と磁石330との距離を算出してもよい。駐車領域内の横行台車300の停止位置に許容範囲が設定されている場合、算出された距離に基づいて許容範囲内であるか否かを判定することができる。換言すると、磁石330が第2のセンサ420と直接対向することなく、ずれている場合であっても、算出された距離から、横行台車300が駐車領域内の所定の位置に停止していると判定することができる。この場合、第2のセンサ420は、算出された距離がしきい値以下であるとき、第2のセンサ420は、検出信号を生成する。
【0053】
例えば、第2のセンサ420は、光学センサであってもよい。
図5Bに示すように、第2のセンサ420は、第2のセンサ420と横行台車300に設けられた構造体340との間の距離Dを測定する。構造体340は、駐車領域内の横行台車300の停止位置と対応するように設けられている。構造体340は、横行台車300の背面から突出して設けられているため、第2のセンサ420と構造体340との間の距離は、第2のセンサ420と構造体340以外の部分(例えば、横行台車300の背面部分など)との間の距離よりも小さくなる。したがって、第2のセンサ420は、測定された距離Dがしきい値以下であるとき、検出信号を生成する。
【0054】
横行台車300の横行移動では直ちに停止されない場合もあるため、駐車領域内の所定の位置は、ある程度の許容範囲(マージン)を有していることが好ましい。例えば、左右方向において、
図5Aに示す磁石330および
図5Bに示す構造体340の長さを調整することにより、マージンを確保することができる。
【0055】
駐車装置100では、第1のセンサ410および第2のセンサ420に基づき、各種制御処理が行われる。
【0056】
[5.制御部400の構成]
図6は、本発明の一実施形態に係る駐車装置の制御部400の制御構成を説明するブロック図である。
【0057】
制御部400は、駐車装置100の各種制御処理を行うことができる。制御部400は、制御シーケンスを実行するICチップであってもよく、制御プロブラムを実行するコンピュータであってもよい。制御部400は、操作盤108に含まれていてもよく、別途設置される制御盤に含まれていてもよい。制御部400は、制御シーケンスまたは制御プログラムを実行することにより、さまざまな制御処理を行うことができる。
【0058】
例えば、
図6に示すように、制御部400は、第1のセンサ410と通信可能に接続され、第1のセンサ410で生成された検出信号を受信することができる。また、制御部400は、第2のセンサ420と通信可能に接続され、第2のセンサ420で生成された検出信号を受信することができる。さらに、制御部400は、横行台車300、パレット200(具体的には、地上段に位置するパレット200)、およびパレット200(具体的には、中間段に位置するパレット200)に設置された昇降装置210と通信可能に接続されている。
【0059】
第1のセンサ410は、横行移動している中間段の横行台車300および地上段のパレット200の駐車領域内における停止位置を検出することができる。制御部400は、第1のセンサ410からの検出信号を受信し、横行台車300およびパレット200を停止させる制御信号を生成することができる。
【0060】
第2のセンサ420は、横行台車300が駐車領域内の所定の位置を検出することができる。制御部400は、第2のセンサ420からの検出信号を受信し、予め設定された横行台車300の台数と検出信号の個数とが一致するか否かを判定することができる。横行台車300の台数と検出信号の個数とが一致する場合、全ての横行台車300の各々が駐車領域内の所定の位置に停止していることを意味する。そのため、制御部400は、横行台車300の台数と検出信号の個数とが一致するとき、すなわち、全ての横行台車300の各々が駐車領域内の所定の位置に停止しているとき、パレット200の昇降動作を開始する制御信号を生成し、昇降装置210に制御信号を送信する。
【0061】
また、別の例として、制御部400は、一部の第2のセンサ420の検出信号に基づき、パレット200の昇降動作を開始する制御信号を生成することもできる。例えば、制御部400は、昇降動作が行われるパレット200が停止している駐車領域に隣接する連の各段に設置されている第2のセンサ420から検出信号を受信したとき、パレット200の昇降動作を開始する制御信号を生成することができる。
【0062】
このように、駐車装置100では、パレット200の昇降動作を行う前に、第2のセンサ420の検出信号に基づき、制御部400が、横行台車300が駐車領域内の所定の位置に停止しているか否かの判定を行う。
【0063】
[6.駐車装置100の制御方法]
図7~
図12を参照して、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の制御方法について説明する。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の制御方法を説明するフローチャートである。また、
図8~
図12は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の制御方法を説明する駐車装置100の模式的な背面図である。
【0065】
具体的には、
図7のフローチャートは、駐車装置100において、車両500を入出庫するときに行われるパレット200の移動処理を示す。
図7に示すフローチャートは、ステップS110~ステップS190を含む。以下、
図8~
図12を参照しながら、ステップS110~ステップS190について、順に説明する。ここでは、3段3連に位置するパレット200に載置された車両500が出庫するものとして説明する。なお、
図8~
図12は、パレット200に載置された車両500を出庫する場合を説明する模式図であるが、車両500を入庫する場合も同様である。また、
図8~
図12は、
図1に示す駐車装置100の正面図と対応する駐車装置100の背面図であり、
図8~
図12の駐車領域を示す段および連も、
図1の駐車領域を示す段および連に対応している。さらに、
図8~
図12では、便宜上、パレット200に設置されている昇降装置210の図示を省略している。
【0066】
ステップS110では、制御部400が、パレット200の横行動作を行う必要があるか否かを判定する。パレット200の横行動作が必要であるとき(ステップS110:YES)、ステップS120が実行される。パレット200の横行動作が必要でないとき(ステップS110:NO)、ステップS150が実行される。
【0067】
図8では、3段3連の駐車領域に位置するパレット200を降下させるために、2段3連および1段3連の駐車領域に位置するパレット200を横行移動させる必要がある。この場合、制御部400は、2段3連および1段3連の駐車領域に位置するパレット200を横行移動させるための制御信号を、2段3連の駐車領域に位置する横行台車300および1段3連の駐車領域に位置するパレット200に送信する。
【0068】
ステップS120では、中間段の駐車領域に位置する横行台車300および地上段の駐車領域に位置するパレット200の横行移動が行われる。制御信号を受信した2段3連の駐車領域に位置する横行台車300は、連結されたパレット200とともに、2段2連の駐車領域への横行移動を開始する(
図9参照)。同様に、制御信号を受信した1段3連の駐車領域に位置するパレット200は、1段2連の駐車領域への横行移動を開始する(
図9参照)。
【0069】
ステップS130では、制御部400が、横行移動している横行台車300またはパレット200に設置された第1のセンサ410の検出信号を受信したか否かを判定する。第1のセンサ410の検出信号を受信したとき(ステップS130:YES)、ステップS140が実行される。第1のセンサ410の検出信号を受信しないとき(ステップS140:NO)、再度ステップS130が実行される。
【0070】
ステップS140では、横行移動している中間段の横行台車300および地上段のパレット200の横行移動を停止する(
図10参照)。これより、横行移動していた中間段の横行台車300および地上段のパレット200は、所定の駐車領域内で停止する。
【0071】
図10では、2段3連の駐車領域から横行台車300とともに横行移動していたパレット200に設置された第1のセンサ410が、2段2連の駐車領域内で検出信号を生成し、生成された検出信号が制御部400に送信される。また、1段3連の駐車領域から横行移動していたパレット200に設置された第1のセンサ410が、1段2連の駐車領域内で検出信号を生成し、生成された検出信号が制御部400に送信される。検出信号を受信した制御部400は、横行台車300およびパレット200の横行移動を停止する。これにより、2段3連の駐車領域に位置していた横行台車300およびパレット200は、2段2連の駐車領域の位置で停止する。また、1段3連の駐車領域の駐車領域に位置していたパレット200は、1段2連の駐車領域の位置で停止する。
【0072】
なお、制御部400は、検出信号を受信した後に直ちに横行台車300およびパレット200の横行移動を停止してもよく、検出信号を受信した後で所定の時間経過後に横行台車300およびパレット200の横行動作を停止してもよい。
【0073】
ステップS150では、制御部400が、パレットの昇降動作を行う必要があるか否かを判定する。パレット200の昇降動作が必要であるとき(ステップS150:YES)、ステップS160が実行される。パレットの昇降動作が必要でないとき(ステップS150:NO)、パレット200の移動処理は終了する。
【0074】
図10では、3段3連の駐車領域に位置するパレット200を降下させるためには、パレット200の昇降動作を必要とする。
【0075】
ステップS160では、制御部400が、中間段に位置する駐車領域に設置されている第2のセンサ420の検出信号を取得する。横行台車300が、駐車領域内の所定の位置に停止している場合には、第2のセンサ420は、検出信号を生成する。一方、横行台車300が、駐車領域内の所定の位置から外れている場合には、第2のセンサ420は、検出信号を生成しない。
【0076】
図10では、2段および3段の駐車領域に位置する横行台車300は、駐車領域内の正常な位置で停止している。そのため、制御部400は、8個の第2のセンサ420のうち、6個の第2のセンサ420の検出信号を取得することができる。
【0077】
例えば、m段×n連の駐車領域(mは3以上、nは2以上の自然数)を有する駐車装置100において、横行台車300が駐車領域内の所定の位置(正常な位置)で停止している場合、制御部400は、(m-2)×(n-1)個の第2のセンサ420の検出信号を取得することができる。
【0078】
ステップS170では、制御部400が、予め設定された中間段の横行台車300の台数と取得した第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するか否かを判定する。横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するとき(ステップS170:YES)、ステップS180が実行される。横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致しないとき(ステップS170:NO)、パレット200の移動処理は終了する。
【0079】
横行台車300が駐車領域内の正常な位置で停止していれば、横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とは一致するはずである。一方、横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致しない場合には、横行台車300が駐車領域外で停止している、または駐車領域内であっても許容範囲外の位置で停止しているなど、横行台車300の停止位置に異常があると認められる。横行台車300の停止位置に異常がある場合においてパレット200の昇降動作を行うと、パレット200と横行台車300とが衝突するおそれがある。したがって、横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致しない場合では、パレット200の移動処理は終了し、横行台車300の停止位置が異常である旨のアラートを生成することができる。
【0080】
図10では、予め設定された中間段の横行台車300の台数は6台であり、ステップS160で取得された第2のセンサの検出信号の個数は6個である。そのため、横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致する。したがって、制御部400は、3段3連の駐車領域に位置するパレット200を降下させるための制御信号を生成し、生成した制御信号を3段3連の駐車領域に位置するパレット200の昇降装置210に送信する。
【0081】
また、m段×n連の駐車領域(mは3以上、nは2以上の自然数)を有する駐車装置100において、予め、横行台車300の台数に対応する第2のセンサの検出信号の個数を設定値として設定しておいてもよい。例えば、設定値は、(m-2)×(n-1)個である。この場合、制御部400は、設定値と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するかを判定する。
【0082】
ステップS180では、中間段および最上段の駐車領域に位置するパレットの昇降移動が行われる。制御信号を受信した3段3連の駐車領域に位置するパレット200は、地上段へ向けて昇降動作を開始する(
図11参照)。パレット200は、パレット200に設置された昇降ガイド220が、支柱に設置されたガイドレール110および隣接する連に位置する横行台車300に設置されたガイドレール310によってガイドされながら、昇降移動する。
【0083】
ステップS180において、第1のセンサ410および第2のセンサ420を動作させ、パレット200の昇降動作を監視してもよい。例えば、昇降動作しているパレット200の昇降ガイド220が、隣接する連に位置する横行台車300に設置されたガイドレール310と衝突すると、隣接する連に位置する横行台車300が駐車領域内の停止位置から外れる場合がある。この場合、第2のセンサ420によって検出信号が生成されなくなるため、横行台車300の異常を検知することができる。そのため、少なくとも1つの第2のセンサ420からの検出信号が遮断された場合、制御部400は、パレット200の昇降動作を直ちに停止することができる。第1のセンサ410も同様である。
【0084】
ステップS190では、パレット200の昇降移動を停止する(
図12参照)。昇降装置210は、昇降距離に基づいてパレット200を停止させてもよく、別途設置されたセンサを用いてパレット200を停止させてもよい。
【0085】
ステップS190が実行されると、パレット200の移動処理は終了する。その後、ゲート106を開閉することにより、車両500を入庫し、または出庫することができる。
【0086】
なお、パレット200の横行動作および昇降動作は、
図8~
図12に示すものに限られない。以下では、
図13~
図16を参照して、上述したものとは異なるパレット200の横行動作および昇降動作について説明する。なお、以下においても、3段3連に位置するパレット200に載置された車両500が出庫するものとして説明する。
【0087】
図13~
図16は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の制御方法を説明する駐車装置100の模式的な背面図である。
【0088】
図13には、3段3連の駐車領域に位置する横行台車300の横行移動が示されている。ステップS120では、出庫する車両500が載置されているパレット200に連結された横行台車300が横行移動してもよい。この場合、ステップS130では、3段2連の駐車領域内において、第1のセンサ410の検出信号が判定される。また、ステップS140では、横行移動している横行台車300が3段2連の駐車領域の位置で停止する。すなわち、3段3連の駐車領域に位置していたパレット200は、3段2連の駐車領域の位置で停止する(
図14参照)。
【0089】
続いて、ステップS150以降が実行されるが、
図14に示す状態においても、制御部400が、横行台車300に設置されている全ての第2のセンサ420の検出信号を取得し(ステップS160)、予め設定された横行台車300の台数と取得した第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するか否かを判定する(ステップS170)。
図14に示す横行台車300の位置は、
図10に示す横行台車300の位置と異なっている。しかしながら、この場合においても、横行台車300の台数と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致することを判定することにより、横行台車300が駐車領域内の正常な位置で停止していることを確認することができる。そのため、3段2連の駐車領域に位置するパレット200を安全に1段2連の駐車領域まで昇降動作することができる(
図15および
図16参照)。すなわち、3段2連の駐車領域に位置するパレット200は、パレット200に設置された昇降ガイド220が、支柱に設置されたガイドレール110および隣接する連に位置する横行台車300に設置されたガイドレール310によってガイドされながら昇降移動し(ステップS180)、1段2連の駐車領域の位置で停止する(ステップS190)。
【0090】
以上説明したように、駐車装置100によれば、パレット200昇降動作を行う前に、第2のセンサ420を用いて横行台車300が駐車領域内の正常な位置に停止していることを確認することができる。そのため、パレット200の昇降動作の際に、パレット200と横行台車300との衝突を事前に回避することが可能である。例えば、第1のセンサ410が故障していた場合であっても、横行台車300が駐車領域内の正常な位置で停止していることを確認することができる。したがって、駐車装置100は、パレット200をより安全に昇降動作することができる。
【0091】
本実施形態に係る駐車装置100の構成は、さまざまな変形が可能である。以下では、
図17~
図19を参照して、駐車装置100のいくつかの変形例について説明する。変形例の説明において、駐車装置100の構成と同様の構成については説明を省略する。なお、駐車装置100の変形例は、これらに限られるものではない。
【0092】
<変形例1>
図17は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100Aの構成を示す模式的な背面図である。
【0093】
図17に示すように、駐車装置100Aでは、中間段(2段および3段)に位置する駐車領域だけでなく、地上段(1段)に位置する駐車領域にも、第2のセンサ420が設置されている。地上段では、パレット200自体が左右方向に横行動作し、横行台車300は配置されていない。そのため、地上段では、駐車領域内のパレット200の停止位置を基準とした所定の位置(設定位置)が設定され、第2のセンサ420が設置される。例えば、
図5Aに図示された磁石330がパレット200の背面側に設けられ、第2のセンサ420は、パレット200に設けられた磁石330の磁力を検出することができる。
【0094】
駐車装置100Aにおいては、
図7に示すステップS160において、中間段および地上段に位置する駐車領域に設置されている第2のセンサ420の検出信号を取得する。地上段のパレット200および中間段の横行台車300が駐車領域内の所定の位置に停止している場合には、第2のセンサ420は、検出信号を生成する。そのため、
図17に示すように、地上段のパレット200および中間段の横行台車300の全てが駐車領域内の正常な位置で停止している場合には、12個の第2のセンサ420のうち、9個の第2のセンサ420の検出信号を取得することができる。
【0095】
駐車装置100Aでは、横行台車300の台数(
図17では、6台)と第2のセンサ420の検出信号の個数(
図17では、9個)とが一致しない。しかしながら、この場合においても、予め設定された第2のセンサの個数(
図17では、9個)と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するか否かを判定することにより、中間段の横行台車300だけでなく、地上段のパレット200が、駐車領域内の所定の位置に停止していることを検出することができる。そのため、駐車装置100Aも、パレット200をより安全に昇降動作することができる。
【0096】
なお、m段×n連の駐車領域(mは3以上、nは2以上の自然数)を有する駐車装置100Aでは、パレット200および横行台車300が駐車領域内の所定の位置(正常な位置)で停止している場合、制御部400は、(m-1)×(n-1)個の第2のセンサ420の検出信号を取得することができる。
【0097】
<変形例2>
図18は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100Bの構成を示す模式的な背面図である。
【0098】
図18に示すように、駐車装置100Bでは、収容する車両500の台数に合わせてパレット200が設置されており、中間段(2段および3段)に位置する駐車領域の一部(
図18では、2段3連および3段3連の駐車領域)にパレット200が設置されていない。そのため、中間段に位置する駐車領域に配置されるパレット200の台数と横行台車300の台数とが一致していない。このような場合においても、中間段に位置する駐車領域の全てに、第2のセンサ420が設置される。このように第2のセンサ420を設置することにより、パレット200と連結していない横行台車300についても、駐車領域内の所定の位置に停止しているか否かを判定することができる。そのため、駐車装置100Bも、パレット200をより安全に昇降動作することができる。
【0099】
<変形例3>
図19は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100Cの構成を示す模式的な背面図である。
【0100】
図19に示すように、駐車装置100Cでは、収容する車両500の台数に合わせてパレット200および横行台車300が設置されており、中間段(2段および3段)に位置する駐車領域の一部(
図19では、2段3連および3段3連の駐車領域)にパレット200および横行台車300が設置されていない。すなわち、複数の連に位置する駐車領域にパレット200および横行台車300が設置されていない。このような場合においても、中間段に位置する中間領域の全てに、第2のセンサ420が設置される。
【0101】
図19に示す駐車装置100Cでは、第2のセンサ420の数が8個、パレット200の数が11台、および横行台車の数が4台である。この場合において、予め第2のセンサの所定の個数を設定値として設定しておくと、制御部400は、設定値(
図19では、横行台車300の台数と同じ4個)と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するか否かを判定し、横行台車300が、駐車領域内の所定の位置に停止していることを検出することができる。
【0102】
上述したように、設定値を設定しておくことにより、パレット200および横行台車300の数に依存しない判定が可能となる。駐車装置100Cの構成に合わせた設定値を設定し、設定値と第2のセンサ420の検出信号の個数とが一致するか否かを判定することにより、駐車装置100Cも、パレット200をより安全に昇降動作することができる。
【0103】
以上、本実施形態に係る駐車装置100の変形例について説明したが、本実施形態に係る駐車装置100は、変形例1~変形例3を適宜組み合わせた構成も可能である。
【0104】
上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0105】
100、100A、100B、100C:駐車装置、 102:支柱、 104:梁、 106:ゲート、 108:操作盤、 110:ガイドレール、 122:ストライカー、 200:パレット、 202:吊チェーン、 210:昇降装置、 220:昇降ガイド、 300:横行台車、 310:ガイドレール、 330:磁石、 340:構造体、 400:制御部、 410:第1のセンサ、 420:第2のセンサ、 500:車両