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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146393
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ガス排出用構造体及び蓄電ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20241004BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241004BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/35 101
H01M50/342 101
H01M50/289
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059259
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119552
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 公秀
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雅也
(72)【発明者】
【氏名】國枝 雅文
(72)【発明者】
【氏名】越智 新吾
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012BB02
5H040AA37
5H040AY08
5H040LL06
(57)【要約】
【課題】蓄電ユニットにおいて、規制部材が、連通部材の外側への変位を規制し、連通部材と蓄電素子との密着性を高めることができ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制する。
【解決手段】ガス排出用構造体100は、複数の蓄電素子11の各々のガス排出弁11fと対応する複数の開口部112aを有し、ガス排出弁11fからのガスを外部に排出するための排出管110と、排出管110の複数の開口部112aをそれぞれ囲うように排出管110の複数の開口部112aが形成される面に配置され、ガス排出弁11fから排出管110までのガスの排出経路101を連通させる複数の連通部材120と、連通部材120の周囲において、連通部材120と隣り合ってそれぞれ配置され、連通部材120への変位を規制する複数の規制部材140と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれガス排出弁を有する複数の蓄電素子が、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層された蓄電装置に設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するために用いられるガス排出用構造体であって、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、
前記連通部材の周囲において、前記連通部材と隣り合ってそれぞれ配置され、前記連通部材の外側への変位を規制する複数の規制部材と、
を備えるガス排出用構造体。
【請求項2】
前記規制部材は、前記連通部材を全周に亘って取り囲むように形成される、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項3】
前記規制部材は、前記連通部材と隙間を持って隣り合って配置されている、請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項4】
前記排出管と前記蓄電装置の前記連通部材の端部に対向する対向面のそれぞれは、前記隙間を超えて前記規制部材の少なくとも一部と対向して延在されている、
請求項3に記載のガス排出用構造体。
【請求項5】
前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と接触可能な蓄電素子側の端部と、前記排出管の前記開口部が形成される面と接触可能な排出管側の端部と、前記蓄電素子側の端部と前記排出管側の端部との間を外側に膨出するように湾曲又は屈曲して繋ぐ外側膨出部と、を有して環状に形成され、
前記規制部材は、前記外側膨出部の最外周面と少なくとも対向するように、前記連通部材と隣り合ってそれぞれ配置される、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項6】
前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と、前記排出管の前記開口部が形成される面との少なくとも一方に面接触する平坦面を有する、
請求項5に記載のガス排出用構造体。
【請求項7】
前記蓄電素子側の端部は、前記連通部材の軸方向に平行に形成される端部内壁面を有する、
請求項5に記載のガス排出用構造体。
【請求項8】
前記連通部材は、前記連通部材の軸方向に関して、前記蓄電素子に最も近い先端領域と、前記排出管に最も近い先端領域との少なくとも一方に、前記先端領域を越えて該先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部とを有する、
請求項5に記載のガス排出用構造体。
【請求項9】
前記連通部材の前記排出管側の端部は湾曲しており、
前記排出管の前記開口部が形成される面には、前記連通部材の前記排出管側の端部に沿った湾曲面が形成される、
請求項5に記載のガス排出用構造体。
【請求項10】
前記複数の連通部材は、連結部を介してそれぞれ一体に連結されている、
請求項5に記載のガス排出用構造体。
【請求項11】
前記連結部は、前記連通部材の軸方向において、前記外側膨出部の最外周面と前記排出管側の端部との間、且つ、前記外側膨出部の最外周面及び前記排出管側の端部から離れた位置で、前記外側膨出部に接続される、
請求項10に記載のガス排出用構造体。
【請求項12】
前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と接触可能な蓄電素子側の端部と、前記排出管の前記開口部が形成される面と接触可能な排出管側の端部と、前記蓄電素子側の端部と前記排出管側の端部とからそれぞれ外側に膨出するように湾曲又は屈曲する2つの外側膨出部と、前記2つの外側膨出部同士の間で内側に膨出するように湾曲又は屈曲する内側膨出部と、を有して環状に形成され、
前記規制部材は、前記2つの外側膨出部の最外周面と少なくとも対向するように、前記連通部材と隣り合ってそれぞれ配置される、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項13】
前記連通部材は、前記規制部材よりも熱膨張率が高い、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項14】
前記規制部材は、前記連通部材が前記排出管の開口部から立設される方向に沿った内壁面を有する、請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項15】
前記連通部材はゴム材料により構成され、前記規制部材は前記ゴム材料より硬度の高い材料により構成される、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項16】
前記連通部材は、前記ガス排出弁の側から前記排出管の側に向かう方向に沿って、外側に拡がる側壁を有する、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項17】
前記連通部材は、前記排出管の前記開口部を有する面の法線方向に弾性変形して、前記連通部材の蓄電素子側の端部の高さを調整する高さ調整部と、前記高さ調整部と前記蓄電素子側の端部との間で前記高さ方向に沿って延在し、前記高さ方向に直交する断面形状が一様な筒状部と、を含み、
前記複数の規制部材は、前記筒状部の周囲に、前記筒状部と隣り合ってそれぞれ配置される、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項18】
前記連通部材の軸方向から見て、前記筒状部の周囲に配置される前記規制部材は、該規制部材の全体が前記高さ調整部と重なって形成される、
請求項17に記載のガス排出用構造体。
【請求項19】
前記高さ調整部は、前記筒状部の端部から、前記連通部材の軸方向に対して直交する方向に延びる平面部分を含む、
請求項17に記載のガス排出用構造体。
【請求項20】
前記高さ調整部は、蛇腹形状の部分を含む、請求項17に記載のガス排出用構造体。
【請求項21】
前記蛇腹形状の部分は、前記排出管側又は前記蓄電素子側の一端部と、前記筒状部に繋がる他端部までの間に、前記高さ調整部の軸方向に沿って、径方向外側に拡がる拡径部と、前記拡径部の最大径部から径方向内側に縮む縮径部とが少なくとも一組、連続して設けられている、
請求項20に記載のガス排出用構造体。
【請求項22】
前記規制部材は、複数の前記蓄電素子同士の間に配置されたセパレータに取り付けられ、
前記セパレータと前記排出管の間には第2の隙間が存在する、
請求項1に記載のガス排出用構造体。
【請求項23】
ガス排出弁をそれぞれ有し、前記各ガス排出弁が同一方向に向く姿勢で積層してなる前記複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
請求項1から22のいずれか1項に記載のガス排出用構造体と、
を備える蓄電ユニット。
【請求項24】
それぞれガス排出弁を有し、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
前記複数の蓄電素子に対向して設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するガス排出用構造体と、を備え、
前記ガス排出用構造体が、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、
前記連通部材の周囲において、前記連通部材と隣り合うように前記複数の蓄電素子上にそれぞれ配置される複数の規制部材と、
を備える蓄電ユニット。
【請求項25】
前記複数の規制部材は、前記ガス排出弁が形成された前記蓄電素子の蓋板と一体成形されている、
請求項24に記載の蓄電ユニット。
【請求項26】
それぞれガス排出弁を有し、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
前記複数の蓄電素子に対向して設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するガス排出用構造体と、を備え、
前記ガス排出用構造体が、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、
前記連通部材の周囲において、前記連通部材と隣り合うように前記排出管上にそれぞれ配置される複数の規制部材と、
を備える蓄電ユニット。
【請求項27】
それぞれガス排出弁を有し、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
前記複数の蓄電素子に対向して設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するガス排出用構造体と、を備え、
前記ガス排出用構造体が、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、を備え、
前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と接触可能な蓄電素子側の端部と、前記排出管の前記開口部が形成される面と接触可能な排出管側の端部と、前記蓄電素子側の端部と前記排出管側の端部との間を外側に膨出するように湾曲又は屈曲して繋ぐ外側膨出部と、を有して環状に形成され、
前記排出管の前記開口部が形成される面又は前記ガス排出弁が形成された前記蓄電素子の面は、前記外側膨出部の少なくとも一部に係合するように加工され、当該一部に隣接して配置される突出係合部を含む、
蓄電ユニット。
【請求項28】
前記突出係合部は、前記連通部材の軸方向に関して、前記外側膨出部の最外周面の位置に到達する形状を有する、
請求項27に記載の蓄電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス排出用構造体及び蓄電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス排出弁を安全弁として設けた複数の蓄電素子を、所定の方向に配列して形成した蓄電装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この蓄電装置には、各蓄電素子のガス排出弁から放出されるガスの排出流路を形成する排気部材が取り付けられている。排気部材には、ガス排出弁から排出されたガスを排気部材内に導入するための開口部が形成され、排気部材の流路の先端部から、ガス排出弁からのガス、及びガスと共に放出される電解液等が排出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-277735号公報
【特許文献2】特許第6017539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気部材の開口部は、対向して配置される各蓄電素子に延びる連通部材を介して、各蓄電素子と接続されている。ガス排出弁から排出された高圧のガスは、連通部材を通過して排気部材に導入される。この高圧のガスは、連通部材の変位、位置ずれなどを含む不具合を生じさせる可能性があり、そのような不具合の発生は、ガスの漏洩を誘発するおそれがある。
【0005】
本発明は、ガスの排出に伴う連通部材の不具合の発生を抑制し、密封されたガスの排出経路を確保し得るガス排出用構造体及び蓄電ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、
それぞれガス排出弁を有する複数の蓄電素子が、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層された蓄電装置に設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するために用いられるガス排出用構造体であって、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、
前記連通部材の周囲において、前記連通部材と隣り合ってそれぞれ配置され、前記連通部材の外側への変位を規制する複数の規制部材と、
を備えるガス排出用構造体。
【0007】
上記(1)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、規制部材は、連通部材の外側への変位を規制する。変位が規制された連通部材は、ガスの圧力によって軸方向へ伸張するように変形し、蓄電素子、排出管に向けて押し付けられる。これにより、連通部材と蓄電素子、排出管との密着性が高められ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0008】
(2)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記規制部材は、前記連通部材を全周に亘って取り囲むように形成される、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0009】
上記(2)の態様によれば、規制部材が連通部材を取り囲んでいるため、ガス漏れの抑制効果が高められる。
【0010】
(3)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記規制部材は、前記連通部材と隙間を持って隣り合って配置されている、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0011】
上記(3)の態様によれば、連通部材又は規制部材の寸法に公差がある場合でも、規制部材と連通部材とを、互いに干渉することなく、容易に組み立てできる。
【0012】
(4)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記排出管と前記蓄電装置の前記連通部材の端部に対向する対向面のそれぞれは、前記隙間を超えて前記規制部材の少なくとも一部と対向して延在されている、(3)に記載のガス排出用構造体である。
【0013】
上記(4)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、連通部材が隙間分外側に変位して規制部材により規制された際、連通部材の軸方向への変位を、排出管の開口部が形成される面と蓄電装置のガス排出弁が形成される面で受け止めることができ、連通部材と蓄電素子との密着性を高めることができる。
【0014】
(5)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と接触可能な蓄電素子側の端部と、前記排出管の前記開口部が形成される面と接触可能な排出管側の端部と、前記蓄電素子側の端部と前記排出管側の端部との間を外側に膨出するように湾曲又は屈曲して繋ぐ外側膨出部と、を有して環状に形成され、
前記規制部材は、前記外側膨出部の最外周面と少なくとも対向するように、前記連通部材と隣り合ってそれぞれ配置される、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0015】
上記(5)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、連通部材の外側膨出部が規制部材に当接すると、連通部材の外側への変位が規制され、連通部材の軸方向へ伸長する力が生じ、蓄電素子側の端部と排出管側の端部との接触圧が増加する。これにより、連通部材の排出管と蓄電素子との密着性が高まり、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0016】
(6)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と、前記排出管の前記開口部が形成される面との少なくとも一方に面接触する平坦面を有する、(5)に記載のガス排出用構造体である。
【0017】
上記(6)の態様によれば、蓄電素子のガス排出弁が形成される面と、排出管の開口部が形成される面との少なくとも一方での面接触が確保され、連通部材と蓄電素子との密着性をさらに高めることができ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0018】
(7)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記蓄電素子側の端部は、前記連通部材の軸方向に平行に形成される端部内壁面を有する、(5)に記載のガス排出用構造体である。
【0019】
上記(7)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、ガスの整流効果が得られるとともに、外側膨出部の内部に形成される環状凹部内に熱風、高温の粒子等が入り込むことが抑制され、連通部材の劣化を抑制できる。
【0020】
(8)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記連通部材の軸方向に関して、前記蓄電素子に最も近い先端領域と、前記排出管に最も近い先端領域との少なくとも一方に、前記先端領域を越えて該先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部とを有する、(5)に記載のガス排出用構造体である。
【0021】
上記(8)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、蓄電素子に最も近い先端領域の湾曲部、又は排出管に最も近い先端領域の湾曲部が、蓄電素子のガス排出弁が形成される面、又は排出管の開口部が形成される面と接触する部位となり、連通部材と蓄電素子との密着性をより高めることができる。
【0022】
(9)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材の前記排出管側の端部は湾曲しており、前記排出管の前記開口部が形成される面には、前記連通部材の前記排出管側の端部に沿った湾曲面が形成される、(5)に記載のガス排出用構造体である。
【0023】
上記(9)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、排出管側の端部が排出管の開口部が形成される面に向けて変位して、排出管側の端部が湾曲面に押し当てられた際、互いの接触面積を大きくできて、連通部材と排出管との密着性を高めることができる。
【0024】
(10)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記複数の連通部材は、連結部を介してそれぞれ一体に連結されている、(5)に記載のガス排出用構造体である。
【0025】
上記(10)の態様によれば、複数の連通部材が一体に連結されているため、連通部材の組み付け作業が簡単になり、複数の蓄電素子上に連通部材を作業性よく配置できる。
【0026】
(11)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連結部は、前記連通部材の軸方向において、前記外側膨出部の最外周面と前記排出管側の端部との間、且つ、前記外側膨出部の最外周面及び前記排出管側の端部から離れた位置で、前記外側膨出部に接続される、(10)に記載のガス排出用構造体である。
【0027】
上記(11)の態様によれば、連結部を、排出管の開口部が形成される面と規制部材との間に配置でき、また、ガス排出弁からのガス発生時に、排出管側の端部が変形して、排出管の開口部が形成される面と十分に接触でき、連通部材と排出管との密着性をより高めることができる。
【0028】
(12)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と接触可能な蓄電素子側の端部と、前記排出管の前記開口部が形成される面と接触可能な排出管側の端部と、前記蓄電素子側の端部と前記排出管側の端部とからそれぞれ外側に膨出するように湾曲又は屈曲する2つの外側膨出部と、前記2つの外側膨出部同士の間で内側に膨出するように湾曲又は屈曲する内側膨出部と、を有して環状に形成され、
前記規制部材は、前記2つの外側膨出部の最外周面と少なくとも対向するように、前記連通部材と隣り合ってそれぞれ配置される、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0029】
上記(12)の態様によれば、蓄電素子のガス排出弁が形成される面と排出管の開口部が形成される面との間の距離が大きい場合でも、ガス排出弁からのガス発生時に、連通部材の外側膨出部が規制部材に当接すると、連通部材の外側への変位が規制されたまま、連通部材の軸方向へ伸びる。この軸方向の変位により、蓄電素子側の端部と排出管側の端部との接触圧が増加するため、連通部材の排出管と蓄電素子との密着性を高められる。
【0030】
(13)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記規制部材よりも熱膨張率が高い、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0031】
上記(13)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、規制部材は、連通部材よりも熱膨張率が低いために外側に広がりにくくなり、連通部材の外側への変位をより確実に規制できる。また、連通部材が軸方向へ熱膨張しやすくなることで、連通部材と蓄電素子との密着性をより高めることができる。
【0032】
(14)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記規制部材は、前記連通部材が前記排出管の開口部から立設される方向に沿った内壁面を有する、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0033】
上記(14)の態様によれば、規制部材が連通部材の立設される方向に沿った内壁面を有するため、規制部材を連通部材の外面に、より近接して配置でき、ガス漏れをより確実に抑制できる。
【0034】
(15)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材はゴム材料により構成され、前記規制部材は前記ゴム材料より硬度の高い材料により構成される、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0035】
上記(15)の態様によれば、規制部材の硬度が連通部材の硬度より高いため、規制部材そのものが連通部材の外側への変位に対抗して変形しにくくなり、ガス漏れをより確実に抑制できる。
また、各々の連通部材が変形することにより、蓄電素子及びガス排出用構造体の製造時に発生する寸法公差を吸収することができ、ガス排出用構造体の蓄電素子に対する配置を安定的に維持できる。
【0036】
(16)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記ガス排出弁の側から前記排出管の側に向かう方向に沿って、外側に拡がる側壁を有する、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0037】
上記(16)の態様によれば、連通部材の側壁が、ガス排出弁の側から排出管の側に向かう方向に沿って、外側に拡がっているため、排出管の側から連通部材を圧縮する応力が発生しても、連通部材が傾くことを抑制できる。
【0038】
(17)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材は、前記排出管の前記開口部を有する面の法線方向に弾性変形して、前記連通部材の蓄電素子側の端部の高さを調整する高さ調整部と、前記高さ調整部と前記蓄電素子側の端部との間で前記高さ方向に沿って延在し、前記高さ方向に直交する断面形状が一様な筒状部と、を含み、
前記複数の規制部材は、前記筒状部の周囲に、前記筒状部と隣り合ってそれぞれ配置される、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0039】
上記(17)の態様によれば、連通部材の高さ調整部は、蓄電素子側の端部が蓄電素子に接触することで連通部材に作用する応力を吸収しつつ、連通部材の軸方向長さ(高さ)を調整できる。そのため、蓄電素子及びガス排出用構造体の製造時に発生する寸法公差があっても、ガス排出用構造体の蓄電素子に対する配置を安定的に維持できる。
【0040】
(18)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記連通部材の軸方向から見て、前記筒状部の周囲に配置される前記規制部材は、該規制部材の全体が前記高さ調整部と重なって形成される、(17)に記載のガス排出用構造体である。
【0041】
上記(18)の態様によれば、規制部材は、高さ調整部の外側への変位を規制できる。
【0042】
(19)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記高さ調整部は、前記筒状部の端部から、前記連通部材の軸方向に対して直交する方向に延びる平面部分を含む、(17)に記載のガス排出用構造体である。
【0043】
上記(19)の態様によれば、連通部材の変形領域が軸方向に対して直交する方向(径方向)に延びる部分を含むため、発生した応力を吸収できる。
【0044】
(20)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記高さ調整部は、蛇腹形状の部分を含む、(17)に記載のガス排出用構造体である。
【0045】
上記(20)の態様によれば、連通部材の高さ調整部が蛇腹形状の部分を含むため、連通部材が円滑に変形し、発生した応力を効率よく吸収できる。
【0046】
(21)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記蛇腹形状の部分は、前記排出管側又は前記蓄電素子側の一端部と、前記筒状部に繋がる他端部までの間に、前記高さ調整部の軸方向に沿って、径方向外側に拡がる拡径部と、前記拡径部の最大径部から径方向内側に縮む縮径部とが少なくとも一組、連続して設けられている、(20)に記載のガス排出用構造体である。
【0047】
上記(21)の態様によれば、蛇腹形状の部分を、径方向外側に拡がる拡径部と、拡径部の最大径部から径方向内側に縮む縮径部とにより、容易に形成できる。
【0048】
(22)本発明の一態様に係るガス排出用構造体は、前記規制部材は、複数の前記蓄電素子同士の間に配置されたセパレータに取り付けられ、前記セパレータと前記排出管の間には第2の隙間が存在する、(1)に記載のガス排出用構造体である。
【0049】
上記(22)の態様によれば、規制部材又はセパレータの高さ方向に寸法公差があっても、排出管と規制部材又はセパレータとの干渉を防止できる。
【0050】
(23)本発明の一態様に係る蓄電ユニットは、
ガス排出弁をそれぞれ有し、前記各ガス排出弁が同一方向に向く姿勢で積層してなる前記複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
(1)から(22)のいずれか1つに記載のガス排出用構造体と、
を備える蓄電ユニットである。
【0051】
上記(23)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、連通部材の外側への変位が規制されるため、連通部材の軸方向へ膨張する。これにより、連通部材と蓄電素子との間、又は連通部材と排出管との間の密着性が高められ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れることを抑制できる。
【0052】
(24)本発明の一態様に係る蓄電ユニットは、
それぞれガス排出弁を有し、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
前記複数の蓄電素子に対向して設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するガス排出用構造体と、を備え、
前記ガス排出用構造体が、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、
前記連通部材の周囲において、前記連通部材と隣り合うように前記複数の蓄電素子上にそれぞれ配置される複数の規制部材と、
を備える蓄電ユニットである。
【0053】
上記(24)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、規制部材は、連通部材の外側への変位を規制するため、連通部材が規制部材により規制されたまま、連通部材の軸方向へ伸びる。この軸方向への延びによって、連通部材と蓄電素子との密着性を高めることができ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0054】
(25)本発明の一態様に係る蓄電ユニットは、
前記複数の規制部材は、前記ガス排出弁が形成された前記蓄電素子の蓋板と一体成形されている、(24)に記載の蓄電ユニットである。
【0055】
上記(25)の態様によれば、複数の規制部材が蓄電素子の蓋板と一体成形されており、規制部材を容易に配置できる。
【0056】
(26)本発明の一態様に係る蓄電ユニットは、
それぞれガス排出弁を有し、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
前記複数の蓄電素子に対向して設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するガス排出用構造体と、を備え、
前記ガス排出用構造体が、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、
前記連通部材の周囲において、前記連通部材と隣り合うように前記排出管上にそれぞれ配置される複数の規制部材と、
を備える蓄電ユニットである。
【0057】
上記(26)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、規制部材は、連通部材の外側への変位を規制するため、連通部材が規制部材により規制されたまま、連通部材の軸方向へ伸びる。この軸方向への延びによって、連通部材と蓄電素子との密着性を高めることができ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0058】
(27)本発明の一態様に係る蓄電ユニットは、
それぞれガス排出弁を有し、前記ガス排出弁をそれぞれ同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子を有する蓄電装置と、
前記複数の蓄電素子に対向して設けられ、前記蓄電素子から発生するガスを排出するガス排出用構造体と、を備え、
前記ガス排出用構造体が、
前記複数の蓄電素子の各々の前記ガス排出弁と対応する複数の開口部を有し、前記ガス排出弁からのガスを外部に排出するための排出管と、
前記排出管の前記複数の開口部をそれぞれ囲うように前記排出管の前記複数の開口部が形成される面に配置され、前記ガス排出弁から前記排出管までの前記ガスの排出経路を連通させる複数の連通部材と、を備え、
前記連通部材は、前記蓄電素子の前記ガス排出弁が形成される面と接触可能な蓄電素子側の端部と、前記排出管の前記開口部が形成される面と接触可能な排出管側の端部と、前記蓄電素子側の端部と前記排出管側の端部との間を外側に膨出するように湾曲又は屈曲して繋ぐ外側膨出部と、を有して環状に形成され、
前記排出管の前記開口部が形成される面又は前記ガス排出弁が形成された前記蓄電素子の面は、前記外側膨出部の少なくとも一部に係合するように加工され、当該一部に隣接して配置される突出係合部を含む、
蓄電ユニットである。
【0059】
上記(27)の態様によれば、ガス排出弁からのガス発生時に、突出係合部が、連通部材が外側へ変位するのを規制するため、連通部材の変位しようとする外側への力と、連通部材の軸方向へ伸長しようとする力とによって、連通部材と蓄電素子との密着性を高めることができ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
(28)本発明の一態様に係る蓄電ユニットは、
前記突出係合部は、前記連通部材の軸方向に関して、前記外側膨出部の最外周面の位置に到達する形状を有する、
(27)に記載の蓄電ユニットである。
【0060】
上記(28)の態様によれば、突出係合部が連通部材の外側膨出部の最外周面の位置まで形成されているため、連通部材のずれを防止できる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、規制部材が、連通部材の外側への変位を規制し、連通部材と蓄電素子との密着性を高めることができ、ガス排出弁からのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、実施の形態1に係る蓄電ユニットの外観を示す斜視図である。
図2図2は、蓄電ユニットを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3図3は、図1のIII-III線に沿った部分の一部の断面図である。
図4図4は、実施の形態1に係るガス排出用構造体における連通部材の斜視図である。
図5図5は、実施の形態1に係るガス排出用構造体において、配列された規制部材の一部を下方から見た斜視図である。
図6A図6Aは、規制部材の斜視図である。
図6B図6Bは、互いに接近した状態で配置された二つの規制部材の斜視図である。
図7図7は、規制部材の変形例の斜視図である。
図8図8は、図7に示した二つの規制部材と、この二つの規制部材により挟まれた連通部材の側面図である。
図9A図9Aは、図3に示すA領域において、ガスの圧力が連通部材に及んでいない初期状態における連通部材を示す断面図である。
図9B図9Bは、図9Aの状態において、ガスの圧力が連通部材に及ぶことにより、連通部材が規制部材まで移動した状態を示す断面図である。
図9C図9Cは、図9Bの状態において、ガスの圧力により連通部材が変形した状態を示す断面図である。
図10図10は、ガスが連通部材を通過する状態を示す断面図である。
図11A図11Aは、実施の形態2に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図であって、ガスの圧力が連通部材に及んでいない初期状態における連通部材を示す断面図である。
図11B図11Bは、図11Aの状態において、ガスの圧力が連通部材に及ぶことにより、連通部材が変位した状態を示す断面図である。
図12図12は、実施の形態3に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
図13図13は、実施の形態4に係るガス排出用構造体における連通部材の斜視図である。
図14図14は、実施の形態5に係るガス排出用構造体における連通部材の斜視図である。
図15A図15Aは、実施の形態5に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図であって、ガス排出用構造体の蓄電装置への固定前の状態における断面図である。
図15B図15Bは、ガス排出用構造体の蓄電装置への固定後の状態における断面図である。
図16A図16Aは、実施の形態6に係るガス排出用構造体における連通部材の斜視図である。
図16B図16Bは、実施の形態6に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
図17A図17Aは、実施の形態7に係るガス排出用構造体における連通部材の斜視図である。
図17B図17Bは、実施の形態7に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
図18図18は、実施の形態8に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
図19A図19Aは、実施の形態9に係るガス排出用構造体における連通部材を下方から見た状態における斜視図である。
図19B図19Bは、図19AのXIX-XIX線に沿った断面図である。
図20図20は、実施の形態10に係るガス排出用構造体における連通部材を下方から見た状態における斜視図である。
図21A図21Aは、実施の形態11に係るガス排出用構造体における連通部材を下方から見た状態における斜視図である。
図21B図21Bは、図21AのXXI-XXI線に沿った断面図である。
図22図22は、図21BのB領域の拡大図である。
図23A図23Aは、実施の形態12に係るガス排出用構造体における連通部材を下方から見た状態における斜視図である。
図23B図23Bは、図23AのXXIII-XXIII線に沿った断面図である。
図24図24は、実施の形態13に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
図25A図25Aは、実施の形態14に係るガス排出用構造体における連通部材を下方から見た状態における斜視図である。
図25B図25Bは、図25AのXXV-XXV線に沿った断面図である。
図26A図26Aは、実施の形態15に係るガス排出用構造体における連通部材を下方から見た状態における斜視図である。
図26B図26Bは、図26AのXXVI-XXVI線に沿った断面図である。
図27図27は、実施の形態16に係るガス排出用構造体において、規制部材がそれぞれ設けられた二枚のセパレータが蓄電素子を挟み込む状態を示す斜視図である。
図28図28は、規制部材が設けられた四枚のセパレータの上面図である。
図29図29は、規制部材とセパレータの分解斜視図である。
図30図30は、セパレータに設けられた規制部材と排出管との関係を示す側面図である。
図31A図31Aは、実施の形態17に係るガス排出用構造体において、蓄電素子上に配置される規制部材を示す側面図である。
図31B図31Bは、図31Aで示した規制部材を位置決め部材として用いて、別の規制部材が配置された状態を示す側面図である。
図32A図32Aは、実施の形態18に係るガス排出用構造体において、排出管上に配置される支持部材を示す側面図である。
図32B図32Bは、図32Aで示した規制部材を位置決め部材として用いて、別の規制部材が配置された状態を示す側面図である。
図33図33は、実施の形態19に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
図34図34は、実施の形態20に係るガス排出用構造体における連通部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るガス排出用構造体及び蓄電ユニットについて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0064】
図1は、実施の形態1に係る蓄電ユニット1の外観を示す斜視図である。以下の説明及び図面において、蓄電ユニット1が備える複数の蓄電素子11の並び方向を長手方向、Y軸方向と定義し、鉛直方向である蓄電ユニット1の高さ方向をZ軸方向と定義する。また、Z軸方向及びY軸方向に直交する方向を幅方向、X軸方向と定義する。
【0065】
また、以下の説明において、例えば、Z軸プラス方向とは、上向きの方向であり、Z軸マイナス方向とは、Z軸プラス方向と反対の下向きの方向である。X軸方向及びY軸方向についても同様に、軸に沿った一方の向きをプラス方向、他方の向きをマイナス方向と定義する。また、平行及び直交等の、相対的な方向又は姿勢を示す表現は、厳密には、その方向又は姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0066】
(実施の形態1)
本実施の形態におけるガス排出用構造体(ガス排気部材)100及びこのガス排出用構造体100を用いた蓄電ユニット1の構成について説明する。
【0067】
蓄電ユニット1は、外部から供給された電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電ユニット1は、電力貯蔵用途又は電源用途等に使用される。具体的には、蓄電ユニット1は、例えば、家庭用又は産業用の蓄電設備等に使用される定置用のバッテリー等として使用される。また、蓄電ユニット1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、又は電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用又はエンジン始動用等のバッテリー等として使用できる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。
【0068】
図2は、実施の形態1に係る蓄電ユニット1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、蓄電ユニット1は、蓄電装置10と、ガス排出用構造体100と、を備える。蓄電装置10は、扁平な略直方体形状を有する複数の電池モジュール(組電池)を、Y軸方向に沿って配列させた長尺状の形状を有する。具体的には、蓄電装置10は、Y軸方向に並べられて一体にされた複数の蓄電素子11と、複数の蓄電素子11を収容する外装体18とを含む。また、蓄電装置10は、図示しないケーブル、検出線等の電線、バスバー等を含んでもよい。また、蓄電装置10は、複数の蓄電素子11を拘束する拘束部材(エンドプレート19等)を更に有していてもよい。
【0069】
ここで、上記した蓄電素子11のZX平面に平行な面を「長側面」、YZ平面に平行な面を「短側面」と呼ぶ。つまり、蓄電装置10は、複数の蓄電素子11の長側面同士が対向するように配列され、各短側面が同じ向きに配置されている。
【0070】
蓄電素子11は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子11は、二次電池には限定されず、一次電池又はキャパシタでもよい。蓄電素子11は、扁平な直方体状の形状を有する金属製の容器11aを備える。容器11aには、電極端子である正極端子11b及び負極端子11cが、それぞれ周囲と絶縁された状態で同じ面内に配置される。ここで、正極端子11b及び負極端子11cが配置される面を電極面11dという。正極端子11bと負極端子11cとは、電極面11dの一方の端部と他方の端部に離れて配置される。電極面11dの正極端子11b及び負極端子11cの間には、容器11a内の圧力上昇時にガスを排出して圧力を開放する安全弁としてのガス排出弁11fが設けられる。ガス排出弁11fは、容器11a内の規定圧以上の圧力上昇時に、容器11a内のガスを排出して圧力を開放することによって、蓄電装置10の安全性を保っている。
【0071】
また、複数の蓄電素子11は、それぞれのガス排出弁11fが同一の方向(図1のZ軸プラス方向)を向く姿勢で配列されている。また、複数の蓄電素子11は、長側面を図1のY方向に積層して、配列されている。容器11aの電極面11dには、電解液を注液するための注液部等が設けられていてもよい。また、容器11aの内部には、蓄電要素又は発電要素である電極体と、正極集電体及び負極集電体を含む集電体等が配置され、電解液(非水電解質)等が封入されている。蓄電素子11の内部構造については公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。蓄電素子11の構成は上記例に限らず、他の形態でもよい。
【0072】
正極端子11b及び負極端子11cは、容器11aの電極面11dから外側(図1のZ軸プラス方向)に向けて突出して配置される。そして、各蓄電素子11は、適宜なバスバー(不図示)等を介して電気的にそれぞれ接続されており、バスバーは不図示のケーブルに接続される。これにより、蓄電装置10が、外部から供給される電気を充電し、また、充電した電気を外部へ放電できる。
【0073】
外装体18は、蓄電装置10を収容する矩形の箱状の筐体(モジュールケース)である。つまり、外装体18は、蓄電装置10の外側を覆って設けられ、蓄電装置10を含む各部を所定の位置で固定することで収容物を衝撃等から保護する。外装体18は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材により形成されるが、特にその材料は限定されない。
【0074】
ガス排出用構造体100は、排出管110と、複数の連通部材120と、複数の規制部材140とを有し、各蓄電素子11のガス排出弁11fから発生するガスを外部に排出するために使用される。複数の連通部材120および複数の規制部材140は、排出管110と蓄電装置10との間に挟持される。
【0075】
図3は、図1のIII-III線に沿った部分の一部の断面図である。図1および図2に示すように、ガス排出用構造体100および排出管110の形状は、蓄電素子11の並び方向(Y軸方向)に連続して延びる長尺状である。図3に示すように、排出管110は、幅方向(X軸方向)の端部に形成された一対の鍔部115と、一対の鍔部115同士の間に設けられた突出部116とを有する。また排出管110は、連通部材120および規制部材140に対向する側に、排出管110の底部の大部分を形成する底板112を有する。つまり、排出管110は、突出部116と底板112で囲まれる内部空間を排出経路101とした有底の筒状体111で構成される。
【0076】
鍔部115は、幅方向(X軸方向)の端部に形成された一対の端部側壁114から、筒状体111の幅方向(X軸方向)中央に向けて延びて形成される。突出部116は、一対の鍔部115の筒状体111の幅方向中央側の端部から、蓄電装置10が位置する側の反対方向(Z軸プラス方向)に向けて突出して形成される。この筒状体111は、インサート成形品で構成され、本体部インサート132と、本体部インサート132を覆う外層樹脂131とを有する。
【0077】
突出部116は、幅方向(X軸方向)の幅を突出先端側ほど狭くするように傾斜している。これにより、突出部116は、底板112から離れるにつれて先細りするテーパー形状となる。突出部116と底板112とに囲まれた排出経路101は、断面形状が台形であり、十分な排気容量が確保される。
【0078】
上記した筒状体111は、例えば、樹脂を射出する金型にあらかじめ本体部インサート132をセットしておき、樹脂を金型に射出して外層樹脂131を形成することにより製造できる。ただし、排出管110の製造方法は、上記方法には限定されない。
【0079】
底板112は、連通部材120および規制部材140を介して蓄電装置10に対向して設けられ、複数のガス排出弁11fに対応した複数の開口部112aが形成されている。底板112と蓄電装置10との間に介装される連通部材120には、開口部112aに対応して貫通路120aが設けられている。貫通路120aは、排出経路101の一部を形成する。底板112は、例えば樹脂により形成されるが、その材料は特に限定されない。
【0080】
筒状体111の突出部116の内部空間は、底板112の開口部112a及び連通部材120の貫通路120aに連通されて、ガス排出弁11fから排出されるガスを外部に排出する排出経路101を画定する。これにより、蓄電素子11からガス排出弁11fを介して排出されたガスは、連通部材120の貫通路120a、底板112の開口部112aを通して排出経路101に進入する。さらに排出経路101に進入したガスは、排出経路101の一端に設けられた排出パイプに向けて流れ、排出パイプを介して外部の接続管等の外部排出経路に排出される。
【0081】
外層樹脂131は、筒状体111の底部の一部と、底部から突出した突出部116の外側面と内側面に形成されている。外層樹脂131は、蓄電素子11から排出される高温のガスの排出経路101の表面を形成する。そのため、外層樹脂131は耐熱性の高い樹脂から形成される。
【0082】
外層樹脂131は、例えば耐熱性の高い樹脂材料であるポリフェニレンスルファイド(PPS)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)で形成してもよい。本体部インサート132は、例えば金属製であり、突出部116の芯体を構成する。本体部インサート132は、排出管110に必要な剛性が付与されるとともに、その長手方向(Y軸方向)の両端部には、外装体18と接続する固定部132bが設けられている。
【0083】
上記した外層樹脂131は、本体部インサート132の外側面及び内側面を覆っているが、内側面には設けずに本体部インサート132の内側面を露出させた構成にしてもよい。
【0084】
図3に示すように、鍔部115と突出部116とは、蓄電素子11の並び方向(Y軸方向)に沿って連続した表面を有して形成されている。また、鍔部115と突出部116は、X軸方向に沿って階段形状を有するが、鍔部115と突出部116との間には隙間がなく、それぞれが連続した表面で繋がっている。
【0085】
図1及び図2に示すように、外装体18は、長手方向(Y軸方向)の両端部にエンドプレート19を備える。エンドプレート19は外装体18の剛性を高めるとともに、ガス排出用構造体100との連結に用いられる。
【0086】
ガス排出用構造体100は、蓄電装置10に対向して配置され、蓄電装置10に対して締結具を用いて固定される。具体的には、排出管110の長手方向(Y方向)の両端部から本体部インサート132の固定部132bが突出し、複数の連通部材120及び複数の規制部材140を挟んだ状態で、固定部132bがビス13aを用いて外装体18に固定される。
【0087】
また、排出管110の長手方向の中央部に、ビス孔を有するタブ117を設け、蓄電素子11の並び方向(Y軸方向)の中間位置に、ビス固定孔を有する補強板14を配置してもよい。この構成によれば、ビス13bを用いてタブ117を補強板14に固定でき、排出管110に生じる撓みを軽減できる。よって、排出管110と蓄電素子11との間に設けられる連通部材120がより均等に圧縮されて、密封性が向上する。
【0088】
図4は、実施の形態1に係るガス排出用構造体100における連通部材120の斜視図である。複数の連通部材120は、底板112の複数の開口部112a(図3)をそれぞれ囲うように、底板112の複数の開口部112aが形成される面に配置される。これにより、連通部材120は、ガス排出弁11fから排出管110までのガスの排出経路を連通させる。連通部材120は、例えば樹脂、ゴムなどの様な弾性変形可能な材料により構成されるが、その材料は特に限定されない。
【0089】
本実施形態の連通部材120は、Z軸方向から見た平面視において(XY平面上において)、二つの直線部121と二つの曲線部122が連結されて形成される環状閉曲線に沿った形状、より具体的にはオーバル形状を呈する。連通部材120は、Z軸方向に対称形状である。環状閉曲線の内側中央には、上述した貫通路120aが、連通部材120の軸方向、即ち、ガスの排出方向であって、Z軸方向に延びるように形成されている。連通部材120は、排出管110の底板112における複数の開口部112aをそれぞれ囲うように配置され、且つ、蓄電素子11のガス排出弁11fをそれぞれ囲うように配置されている。これにより、貫通路120aは、ガス排出弁11fと開口部112aとを気密に連通する。
【0090】
また、連通部材120は、図3に示すように、直線部121及び曲線部122に沿った全周に渡って、軸方向(Z軸方向)に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面を含むZ軸方向に延びる面に沿った断面において、略U字形状を有しており、この略U字形状の内部において画定された環状凹部123を有している。
【0091】
図5は、実施の形態1に係るガス排出用構造体100において、配列された規制部材140の一部を下方から見た斜視図である。図6Aは、規制部材140の斜視図である。図6Bは、連通部材120の周囲において、互いに接近した状態で配置された二つの規制部材140の斜視図である。複数の規制部材140は、それぞれ、連通部材120の周囲において、連通部材120と隣り合ってそれぞれ配置される。規制部材140は、連通部材120の外側、すなわちX軸方向及びY軸方向において、貫通路120aの外側に配置される。
【0092】
規制部材140は、連通部材120に対向する内壁面141を有する。内壁面141は、Z軸方向から見た平面視において(XY平面上において)、連通部材120の外縁に沿う形状を有している。これにより、二つの規制部材140は、連通部材120の外周を全周に亘って取り囲んで配置される。また、本実施形態において規制部材140は、連通部材120と隙間Gを持って隣り合って配置されている。すなわち、規制部材140は、連通部材120の周囲において、連通部材120と隣り合って配置されているが、この「隣り合って」は、規制部材140と連通部材120との間に隙間がある場合と隙間がない場合の双方を含む。
【0093】
図7は、規制部材140の変形例の斜視図である。図8は、図7に示した二つの規制部材140と、この二つの規制部材140により挟まれた連通部材120の側面図である。変形例の規制部材140は、蓄電素子11の上に配置される脚部142を有している。脚部142は、X軸方向及びY軸方向において内壁面141の一部を切り欠いて形成され、内壁面141の高さを調整する。この脚部142の高さに応じて、内壁面141が連通部材120の外縁を囲む高さ範囲を変更できる。
【0094】
次に、図9A図9Cを用いて、ガス排出弁11fからガスの排出が生じた場合の連通部材120及び規制部材140の機能を説明する。具体的に図9A図9Cは、ガスの圧力に対する連通部材120及び規制部材140の挙動を示している。
【0095】
図9Aは、図3に示すA領域において、排出されたガスの圧力が連通部材120に及んでいない初期状態における連通部材120を示す断面図である。初期状態において、ガスが貫通路120aを流れていても、矢印で示すように、ガスの圧力による影響が連通部材120まで及んでいない。よって、連通部材120の位置と形状は初期状態から変形していない。より詳細には、規制部材140は、連通部材120から隙間Gをもって離れている。
【0096】
図9Bは、図9Aの状態において、ガスの圧力が連通部材120に及ぶことにより、連通部材120が規制部材140まで移動した状態を示す断面図である。ガスの排出がある程度の量になると、所定量のガスが連通部材120の環状凹部123に進入し、矢印で示すように、ガスの圧力は、連通部材120に及び始める。このガス圧により、連通部材120は、連通部材120自身の外側方向、すなわち規制部材140に接近する方向に膨らむとともに移動し、規制部材140の内壁面141に当接する。
【0097】
図9Cは、図9Bの状態において、ガスの圧力により連通部材120が変形した状態を示す断面図である。連通部材120は、ガスの圧力を更に受けつつ、ガス圧の反対方向から規制部材140によって支持されている。このため、連通部材120は、図9Bの状態から更に変形し、X軸方向及びY軸方向(XY平面上において)においては潰れるとともに、連通部材120の軸方向、すなわちZ軸方向に延びるように変形する。よって、連通部材120は、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成された面(電極面11dに相当する)及び排出管110の開口部112aが形成された面(底板112の下面に相当する)との密着度が高まる。
【0098】
すなわち、本実施形態のガス排出用構造体100によれば、ガス排出弁11fからのガス発生時に、規制部材140が、連通部材120が外側(外周側)へ変位するのを規制する。これにより、連通部材120は、外側への変位が規制されたまま連通部材120の軸方向へ変位するようになり、連通部材120と蓄電素子11との密着性が高められる。よって、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0099】
なお、規制部材140は、連通部材120の外側への変位を規制するが、ここでの「変位」は、少なくとも連通部材120が、図9Bに示すように外側へ移動することを含むが、必ずしも図9Cに示す状態まで変形しなくても、ガス漏れの抑制効果が得られる。
【0100】
また、規制部材140は、連通部材120の全周に亘って取り囲んで配置されており、これにより、変位の規制が周方向に関して均一となり、ガス漏れの抑制効果が高められる。
【0101】
また、本実施形態において規制部材140は、連通部材120と隙間Gを持って隣り合って配置されている。これにより、連通部材120又は規制部材140の寸法に公差がある場合でも、規制部材140と連通部材120とを、互いに干渉することなく、容易に組み立てできる。
【0102】
また、排出管110と蓄電装置10における、連通部材120の端部に対向する対向面Fu,Fd(図9A図9C)のそれぞれは、隙間Gを超えて規制部材140の少なくとも一部と対向して延在されている。対向面Fdは、電極面11d(後述する図31A図31Bの蓋板11eでもよい)に含まれる面であり、対向面Fuは、底板112の下面に含まれる面である。これにより、ガス排出弁11fからのガス発生時に連通部材120が規制部材140により規制された際、連通部材120は隙間Gの分だけ外側に変位するが、その変位後の位置でも、連通部材120の軸方向への変位は、排出管110の開口部112a(図3)が形成される面と蓄電装置10のガス排出弁11fが形成される面とで受け止められる。よって、連通部材120と蓄電素子11との密着性を、連通部材120に発生する変位によらず常に高めることができる。
【0103】
特に本実施形態において、連通部材120は、図3図9A図9Cに示すように、連通部材120の軸方向に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面に平行な断面において、略U字形状を有している。この略U字形状に沿うように、連通部材120は、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、蓄電素子側の端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ外側膨出部126とを有している。
【0104】
蓄電素子側の端部124は、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面(対向面Fdでもよい)と接触可能であり、排出管側の端部125は、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)と接触可能である。そして、外側膨出部126は、蓄電素子側の端部124と排出管側の端部125との間を外側、すなわちX軸方向及びY軸方向において、貫通路120aの外側に膨出するように湾曲又は屈曲して繋ぐ。
【0105】
このような形状を有する連通部材120に対し、規制部材140は、外側膨出部126の最外周面126aと少なくとも対向するように、連通部材120と隣り合って配置されている。
【0106】
このような構成においては、ガス排出弁11fからのガス発生時に、連通部材120の外側膨出部126が規制部材140に当接すると、連通部材120の外側への変位が規制された状態で、連通部材120の軸方向へ伸長する力が生じ、蓄電素子側の端部124と排出管側の端部125との接触圧が増加する。これにより、連通部材120の排出管110と蓄電素子11との密着性が高まり、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0107】
なお、規制部材140が存在しない場合、連通部材120が大きく膨れ出す可能性があるが、規制部材140の存在により、そのような事態の発生を防止できる。
【0108】
また、連通部材120は、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面と、排出管110の開口部112aが形成される面との少なくとも一方に面接触する平坦面127を有する。
【0109】
これにより、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面(対向面Fdでもよい)と、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)との少なくとも一方での面接触(本実施形態では両方の面での面接触)が確保される。このため、連通部材120と、蓄電素子11、排気管110との密着性をさらに高めることができ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0110】
図10は、ガスが連通部材120を通過する状態を示す断面図である。少なくとも連通部材120の蓄電素子側の端部124は、連通部材120の軸方向に平行に形成される端部内壁面124aを有する。
【0111】
端部内壁面124aは、連通部材120の軸方向に平行に延びており、且つ所定の厚みTを有している。このため、ガス排出弁11fから排出されたガスは、そのガス圧力により連通部材120を膨出させるとともに、端部内壁面124aにより矢印で示すように直進する。これにより、多量のガスが環状凹部123の内側空間に入り込むことが抑制されるとともに、連通部材120の本体が排出されたガスに晒されることが抑制される。
【0112】
すなわち、ガス排出弁11fからのガス発生時に、端部内壁面124aによってガスの整流効果が得られ、外側膨出部126の内部に形成される環状凹部123内に熱風、高温の粒子等が入り込むことが抑制される。その結果、連通部材120の劣化を抑制でき、長期間にわたって気密を維持できる。
【0113】
また、上述した平坦面127は、X軸方向又はY軸方向に幅Wを有しており、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面及び排出管110の開口部112aが形成される面に対して面接触をしているので、仮に端部内壁面124aが熱、高温の粒子等により劣化したとしても、全体的に気密を維持できる。
【0114】
なお、端部内壁面124aの厚みTは、例えば、連通部材120の軸方向高さの1/10以上、1/3以下にしてもよい。また、平坦面127の幅Wは、例えば、貫通路120aの相当円直径の1/40以上、1/10以下にしてもよい。
【0115】
連通部材120は、規制部材140よりも熱膨張率が高いことが望ましい。ガス排出弁11fからのガス発生時に、規制部材140は、連通部材120よりも熱膨張率が低いために外側に広がりにくくなり、連通部材120の外側への変位をより確実に規制できる。また、連通部材120が軸方向へ熱膨張しやすくなることで、連通部材120と蓄電素子11との密着性をより高めることができる。
【0116】
また、規制部材140は、連通部材120が排出管110の開口部112aから立設される方向に沿った内壁面141(図6A)を有する。規制部材140が連通部材120の立設される方向に沿った内壁面141を有するため、規制部材140を連通部材120の外面に、より近接して配置でき、ガス漏れをより確実に抑制できる。
【0117】
また、連通部材120はゴム材料により構成され、規制部材140はゴム材料より硬度の高い材料により構成されることが望ましい。規制部材140の硬度が連通部材120の硬度より高いため、規制部材140そのものが連通部材120の外側への変位に対抗して変形しにくくなり、ガス漏れをより確実に抑制できる。また、各々の連通部材120が変形することにより、蓄電素子11及びガス排出用構造体100の製造時に発生する寸法公差を吸収でき、ガス排出用構造体100の蓄電素子11に対する配置を安定して維持できる。なお、規制部材140は、例えば樹脂、セラミックスなどにより形成されるが、その材料は特に限定されない。
【0118】
蓄電ユニット1は、ガス排出弁11fをそれぞれ有して、各ガス排出弁11fが同一方向に向く姿勢で積層してなる複数の蓄電素子11を有する蓄電装置10と、上述したガス排出用構造体100と、を備える。
【0119】
これにより、ガス排出弁11fからのガス発生時に、連通部材120の外側への変位が規制されるため、連通部材120はその軸方向へ膨張する。これにより、連通部材120と蓄電素子11との間、又は連通部材120と排出管110との間の密着性が高められ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れることを抑制できる。
【0120】
(実施の形態2)
図11Aは、実施の形態2に係るガス排出用構造体100における連通部材120の断面図であって、ガスの圧力が連通部材120に及んでいない初期状態における連通部材120を示す断面図である。図11Bは、図11Aの状態において、ガスの圧力が連通部材120に及ぶことにより、連通部材120が変位した状態を示す断面図である。
【0121】
図11Aに示す通り、本実施形態の連通部材120は、連通部材120の軸方向に関して、蓄電素子11に最も近い先端領域128と、排出管110に最も近い先端領域128との少なくとも一方に、先端領域128を越えて先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部129とを有する。本実施形態の連通部材120は、蓄電素子11に最も近い先端領域128Aと、排出管110に最も近い先端領域128Bの双方に、先端領域128A、128Bを越えて先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部129A、129Bとを有する。図11Aは、実施の形態1において図9Aで示した状態に相当する。
【0122】
また、連通部材120は、直線部121及び曲線部122(図4)に沿った全周に渡って、軸方向(Z軸方向)に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面を含むZ軸方向に延びる面に沿った断面において、略C字形状を有している。連通部材120の断面形状が、蓄電素子側の端部124から排出管側の端部125まで略C字形状を有するということもできる。
【0123】
なお、本実施形態の連通部材120も、実施の形態1と同様に、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ外側膨出部126とを有している。蓄電素子側の端部124は、湾曲部129Aと先端領域128Aの少なくとも一部を含んでおり、排出管側の端部125は、湾曲部129Bと先端領域128Bの少なくとも一部を含んでいるということができる。
【0124】
図11Bは、図11Aの状態において、矢印で示すように、ガスの圧力が連通部材120に及ぶとともに、連通部材120が変形した状態を示しており、実施の形態1において図9B及び図9Cで示した状態に相当する。このガスの圧力により、連通部材120は、連通部材120自身の外側方向、すなわち規制部材140に接近する方向に移動し、規制部材140の内壁面141に当接する。さらに、湾曲部129A、129Bが、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面(対向面Fdでもよい)、及び排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)と接触する。
【0125】
すなわち、ガス排出弁11fからのガス発生時に、蓄電素子11に最も近い先端領域128Aの湾曲部129A、又は排出管110に最も近い先端領域128Bの湾曲部129Bが、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面、又は排出管の開口部112aが形成される面と接触する部位となり、連通部材120と蓄電素子11との密着性をより高めることができ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制することができる。
【0126】
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係るガス排出用構造体100における連通部材120の断面図である。本実施形態において、連通部材120の排出管側の端部125は湾曲するように形成されており、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)には、連通部材120の排出管側の端部125に沿った湾曲面F1が形成されている。
【0127】
これにより、ガス排出弁11fからのガス発生時に、排出管側の端部125が排出管110の開口部112aが形成される面に向けて変位して、排出管側の端部125が湾曲面F1に押し当てられた際、互いの接触面積を大きくできて、連通部材120と排出管110との密着性を高めることができる。また、連通部材120の外側に向かう変位を抑制できる。なお、このような湾曲面F1は、例えば、厚みの大きい底板112(図3)を加工することにより形成できる。
【0128】
(実施の形態4)
図13は、実施の形態4に係るガス排出用構造体100における連通部材120の斜視図である。本実施形態においては、複数の連通部材120が、シート状の連結部150を介してそれぞれ一体に連結されている。特に連結部150は、複数の連通部材120の排出管側の端部125を連結する。なお、本斜視図は、X軸方向における所定の位置において、三つの連通部材120をY軸に沿って切断した状態を示している。連結部150による連通部材120の連結数は任意である。
【0129】
これによれば、複数の連通部材120が一体に連結されているため、連通部材120の組み付け作業が簡単になり、複数の蓄電素子11上に連通部材120配置する作業性を向上できる。なお、連結部150は、底板112の底面に貼り付けてもよいし、底板112を省略した排出管110の底部に直接貼り付けてもよい。
【0130】
(実施の形態5)
図14は、実施の形態5に係るガス排出用構造体100における連通部材120の斜視図である。本実施形態においても、実施の形態4と同様に、複数の連通部材120が、シート状の連結部150を介してそれぞれ一体に連結されている。実施の形態4とは異なり、連結部150は、連通部材120の軸方向において、外側膨出部126の最外周面126aと排出管側の端部125との間、且つ、外側膨出部126の最外周面126a及び排出管側の端部125から離れた位置で、外側膨出部126に接続される。
【0131】
これによれば、連結部150を、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)と蓄電素子11との間に配置でき、また、ガス排出弁11fからのガス発生時に、排出管側の端部125が変形して、排出管110の開口部112aが形成される面と十分に接触でき、連通部材120と排出管110との密着性をより高めることができ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制することができる。
【0132】
図15Aは、実施の形態5に係るガス排出用構造体100における連通部材の断面図であって、ガス排出用構造体100の蓄電装置10への固定前の状態における断面図である。一方、図15Bは、ガス排出用構造体100の蓄電装置10への固定後の状態における断面図である。
【0133】
上述したように、ガス排出用構造体100は、蓄電装置10に対して、ビス13a、13bなどの締結具を用いて固定される。締結具の締結に伴い、連通部材120は軸方向(Z軸方向)に圧縮される。また、蓄電素子11のガス排出弁が11f形成される面と排出管110の開口部112aが形成される面との間の距離が、距離D1から距離D2へと減少する(D1>D2)。
【0134】
本実施形態においては、連結部150が、外側膨出部126の最外周面126a及び排出管側の端部125から離れた位置で、外側膨出部126に接続されている。よって、排出管側の端部125が、連結部150よりも排出管110の開口部112aが形成される面に近い位置にある。これにより、連通部材120が軸方向に圧縮された際、連結部150から軸方向外側に突出した部位が変形することで、連通部材120と排出管110との間の密着性が高められ、且つ、蓄電素子11との間の密着性をより高めることができる。
【0135】
(実施の形態6)
図16Aは、実施の形態6に係るガス排出用構造体100における連通部材120の斜視図であり、図16Bは、同実施の形態における連通部材120の断面図である。図16Aの斜視図は、X軸方向における所定の位置において、連通部材120をY軸に沿って切断した状態を示している。
【0136】
本実施形態において、連通部材120は、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、2つの外側膨出部126A、126Bと、内側膨出部1201と、を有して環状に形成されている。
【0137】
蓄電素子側の端部124は、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面(対向面Fdでもよい)と接触可能であり、排出管側の端部125は、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)と接触可能である。そして、2つの外側膨出部126A、126Bは、蓄電素子側の端部124と排出管側の端部125とからそれぞれ外側、すなわちX軸方向及びY軸方向において、貫通路120aの外側に膨出するように湾曲又は屈曲する。
【0138】
さらに内側膨出部1201は、2つの外側膨出部126A、126B同士の間で内側、すなわちX軸方向及びY軸方向において、貫通路120aの方に膨出するように湾曲又は屈曲し、2つの外側膨出部126A、126Bを繋ぐ。
【0139】
このような形状を有する連通部材120に対し、規制部材140は、図16Bに示すように、2つの外側膨出部126A、126Bの最外周面126aと少なくとも対向するように、連通部材120と隣り合ってそれぞれ配置されている。
【0140】
これによれば、蓄電素子11のガス排出弁が11f形成される面と排出管110の開口部112aが形成される面との間の距離Dが大きい場合でも、ガス排出弁11fからのガス発生時に、連通部材120の外側膨出部126A、126Bが規制部材140に当接すると、連通部材120の外側への変位が規制されたまま、連通部材120は軸方向へ伸びる。この軸方向の変位により、蓄電素子側の端部124と排出管側の端部125との接触圧が増加するため、連通部材120の排出管110と蓄電素子11との密着性を高められ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制することができる。
【0141】
(実施の形態7)
図17Aは、実施の形態7に係るガス排出用構造体100における連通部材120の斜視図であり、図17Bは、同実施の形態における連通部材120の断面図である。図17Aの斜視図は、X軸方向における所定の位置において、連通部材120をY軸に沿って切断した状態を示している。
【0142】
本実施形態において、連通部材120は、連通部材120の軸方向に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面に平行な断面において、U字形状のU字開口側を内側に相対向させて配置した形状を有する。連通部材120は、このような横向きのU字形状に沿って、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、連通部材120の軸方向に延びて端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ側壁1202とを有し、環状に形成されている。
【0143】
蓄電素子側の端部124及び排出管側の端部125は、水平方向、すなわちX軸方向及びY軸方向に沿って延びている。このため、それぞれの平坦面127は大きな面積を有しており、蓄電素子11のガス排出弁11fが形成される面と、排出管110の開口部112aが形成される面とに対し、大きな面積をもって面接触でき、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制することができる。
【0144】
(実施の形態8)
図18は、実施の形態8に係るガス排出用構造体100における連通部材120の断面図であって、ガスの圧力が連通部材120に及んでいない初期状態における連通部材120を示す断面図である。本実施形態は、実施の形態2の変形例に相当する。
【0145】
図18に示す通り、本実施形態の連通部材120は、連通部材120の軸方向に関して、蓄電素子11に最も近い先端領域128と、排出管110に最も近い先端領域128との少なくとも一方に、先端領域128を越えて先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部129とを有する。本実施形態の連通部材120は、蓄電素子11に最も近い先端領域128Aと、排出管110に最も近い先端領域128Bの双方に、先端領域128A、128Bを越えて先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部129A、129Bとを有する。図18は、実施の形態2において図11Aで示した状態に相当する。
【0146】
また、連通部材120は、直線部121及び曲線部122(図4)に沿った全周に渡って、軸方向(Z軸方向)に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面を含むZ軸方向に延びる面に沿った断面において、略S字形状を有している。連通部材120の断面形状が、蓄電素子側の端部124から排出管側の端部125まで略S字形状を有するということもできる。
【0147】
なお、本実施形態の連通部材120も、実施の形態1と同様に、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ外側膨出部126とを有する。さらに連通部材120は、実施の形態6と同様に内側膨出部1201を有する。内側膨出部1201は、外側膨出部126と蓄電素子側の端部124とを繋ぐ。蓄電素子側の端部124は、湾曲部129Aと先端領域128Aの少なくとも一部を含んでおり、排出管側の端部125は、湾曲部129Bと先端領域128Bの少なくとも一部を含んでいるということができる。
【0148】
図18の状態において、ガスの圧力が連通部材120に及ぶと、図11Bで説明した要領で、連通部材120が矢印で示すように変位する。すなわち、ガス圧により、連通部材120は、連通部材120自身の外側方向、すなわち規制部材140に接近する方向に移動し(矢印P1)、規制部材140の内壁面141に当接する。さらに、湾曲部129Bが、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)と接触する(矢印P2)。
【0149】
すなわち、ガス排出弁11fからのガス発生時に、排出管110に最も近い先端領域128Bの湾曲部129Bが、排出管の開口部112aが形成される面と接触する部位となり、連通部材120と排出管との密着性をより高めることができ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制することができる。
【0150】
(実施の形態9)
図19Aは、実施の形態9に係るガス排出用構造体100における連通部材120を下方から見た状態における斜視図である。図19Bは、図19AのXIX-XIX線に沿った断面図である。ただし、図19Bにおいては、図19Aで示されていない規制部材140が付け加えられている。
【0151】
本実施形態の連通部材120は、ガス排出弁11fの側から排出管110の側に向かう方向に沿って、外側、すなわちX軸方向及びY軸方向において、貫通路120aに対し反対側に拡がる側壁1202を有する。連通部材120の側壁1202が、ガス排出弁11fの側から排出管110の側に向かう方向に沿って、外側に拡がっているため、排出管110の側から連通部材120を、連通部材120の軸方向に圧縮する力が作用した場合でも、連通部材120が傾く方向を一定に維持できる。この場合、連通部材120の側壁1202は、その全体が外側に向けて膨らむように倒れることになり、一部が内側に向けて倒れて不均一に歪むことはない。なお、側壁1202の広がりは、二つの直線部121と二つの曲線部122(図4)の全てにおいて存在している。規制部材140は、側壁1202の外側において、側壁1202を取り囲むように位置している。
【0152】
(実施の形態10)
図20は、実施の形態10に係るガス排出用構造体100における連通部材120を下方から見た状態における斜視図である。本実施形態の連通部材120も、ガス排出弁11fの側から排出管110の側に向かう方向に沿って、外側に拡がる側壁1202を有している点で共通する。一方、Z軸方向から見た平面視において(XY平面上において)、実施の形態9における連通部材120は、実施の形態1と同様にオーバル形状を呈するのに対し、実施の形態10における連通部材120は、同じ平面視において矩形形状を呈する。すなわち、実施の形態10の連通部材120は、Z軸方向から見た平面視において、四つの直線部121が連結されて形成される環状閉曲線に沿った形状、より具体的には矩形形状を呈する。側壁1202の広がりは、四つの直線部121の全てにおいて存在している。本実施の形態10のZ軸に沿った断面形状は、前述した図19Bと同様の形状となる。図示していないが、実施の形態9と同様に、規制部材140は、側壁1202の外側において、側壁1202を取り囲むように位置している。
【0153】
(実施の形態11)
図21Aは、実施の形態11に係るガス排出用構造体100における連通部材120を下方から見た状態における斜視図である。図21Bは、図21AのXXI-XXI線に沿った断面図である。ただし、図21Bにおいては、図21Aで示されていない規制部材140が付け加えられている。
【0154】
本実施形態の連通部材120は、高さ調整部1203と筒状部1204とを備える。高さ調整部1203は、排出管110の開口部112aを有する面の法線方向、すなわち軸方向(Z軸方向)に弾性変形して、連通部材120の蓄電素子側の端部124の高さを調整する。一方、筒状部1204は、高さ調整部1203と蓄電素子側の端部124との間で高さ方向、すなわち軸方向(Z軸方向)に沿って延在し、高さ方向に直交する断面形状が一様である。
【0155】
複数の規制部材140は、筒状部1204の周囲に、筒状部1204と隣り合ってそれぞれ配置されている。本実施形態では、規制部材140は、筒状部1204との間に隙間Gをもって配置されている。
【0156】
高さ調整部1203は、ガス排出弁11fの側から排出管110の側に向かう方向に沿って、外側、すなわちX軸方向及びY軸方向において、貫通路120aの外側に向けて拡がっている。よって、高さ調整部1203が、ガス排出弁11fの側から排出管110の側に向かう方向に沿って、外側に拡がっているため、排出管110の側から連通部材120を圧縮する力が作用しても、連通部材120が傾く方向を一定に維持できる。なお、高さ調整部1203の広がりは、二つの直線部121と二つの曲線部122(図4)の全てにおいて存在している。
【0157】
筒状部1204は、Z軸方向から見た平面視において(XY平面上において)、二つの直線部121と二つの曲線部122が連結されて形成される環状閉曲線、より具体的にはオーバル形状を呈する。
【0158】
すなわち、連通部材120の高さ調整部1203は、蓄電素子側の端部124が蓄電素子11に接触することで連通部材120に作用する応力を吸収しつつ、連通部材120の軸方向長さ(高さ)を調整できる。そのため、蓄電素子11及びガス排出用構造体100の製造時に発生する寸法公差を吸収でき、ガス排出用構造体100の蓄電素子11に対する配置を安定的に維持できる。
【0159】
また、図21Bの破線で示すように、連通部材120の軸方向から見て、筒状部1204の周囲に配置される規制部材140は、規制部材140の全体が高さ調整部1203と重なって形成されている。これにより、規制部材140の配置スペースが、Z軸方向から見た平面視で高さ調整部1203の外側へはみ出さず、よりコンパクトに規制部材140を収容できる。
【0160】
さらに、高さ調整部1203は、筒状部1204の端部から、連通部材120の軸方向に対して直交する方向に延びる平面部分1205を含む。これにより、連通部材120に軸方向の力が作用しても、その力を平面部分1205の変形により吸収できる。
【0161】
図22は、図21BのB領域の拡大図である。連通部材120は、蓄電素子側の端部124に、全周に亘って内向きに突出し、平坦面127を持った第1突出部1206を有する。これにより、連通部材120の蓄電素子側の端部124が、平坦面127を持った第1突出部1206により面接触を確保するため、矢印で示す様にガス圧が生じても、連通部材120と蓄電素子11との剥離が生じにくくなり、互いの密着性を安定して維持できる。なお、連通部材120は、排出管側の端部125にも、図22と同様な第1突出部1206を設けることが可能であり、同様に連通部材120と排出管110との密着性を向上できる。
【0162】
ガス圧が平坦面127を持った第1突出部1206に作用することにより、密着性が向上する。このような密着性の向上は、ガス排出弁11fからのガス排出時のガス圧力、すなわち連通部材120の内圧(貫通路120aまたは排出経路101の圧力)と連通部材120の外圧の圧力差によりもたらされるものである。
【0163】
(実施の形態12)
図23Aは、実施の形態12に係るガス排出用構造体100における連通部材120を下方から見た状態における斜視図である。図23Bは、図23AのXXIII-XXIII線に沿った断面図である。ただし、図23Bにおいては、図23Aで示されていない規制部材140が付け加えられている。
【0164】
本実施形態の連通部材120は、実施の形態11と同様に、高さ調整部1203を有するが、高さ調整部1203が蛇腹形状(凹凸の繰り返し形状)の部分を含んでいる。これにより、連通部材120が円滑に変形し、発生した応力を効率よく吸収できる。
【0165】
具体的に、蛇腹形状の部分は、拡径部(凸部に相当)1207と縮径部(凹部に相当)1208とが少なくとも一組、連続して設けられている。拡径部1207は、排出管側又は前記蓄電素子側の一端部と、筒状部1204に繋がる他端部までの間に、高さ調整部1203の軸方向に沿って、径方向(軸方向に直交する方向)外側に拡がる。一方、縮径部1208は、拡径部1207の最大径部から径方向内側に縮むように形成される。
【0166】
これにより、蛇腹形状の部分を、径方向外側に拡がる拡径部1207と、拡径部1207の最大径部から径方向内側に縮む縮径部1208とにより容易に形成できる。また、拡径部1207と縮径部1208との組み合わせは二組以上でもよい。規制部材140は、拡径部1207と、縮径部1208と、筒状部1204の外側において、拡径部1207と、縮径部1208と、筒状部1204とを取り囲むように位置している。
【0167】
(実施の形態13)
図24は、実施の形態13に係るガス排出用構造体100における連通部材120の断面図である。本実施形態は、実施の形態13の構成に加えて、蓄電素子側の端部124に、全周に亘って外向きに突出し、蓄電電素子のガス排出弁11fが形成される面と面接触可能な平坦面127を有する第2突出部1209を有している。
【0168】
これにより、連通部材120の蓄電素子側の端部124が、内向きの第1突出部1206に加えて外向きの第2突出部1209を有するため、連通部材120と蓄電素子11との密着性をさらに向上でき、ガス排出弁11fから排出経路外へのガス漏れをより確実に防止できる。また、第2突出部1209は、連通部材120が傾斜するのを抑制することもできる。
【0169】
外向きの第2突出部は、排出管側の端部125にも設けることができる。この場合、連通部材120と排出管110との密着性をさらに向上できる。規制部材140は、拡径部1207と、縮径部1208と、筒状部1204の外側において、拡径部1207と、縮径部1208と、筒状部1204とを取り囲むように位置している。
【0170】
(実施の形態14)
図25Aは、実施の形態14に係るガス排出用構造体100における連通部材120を下方から見た状態における斜視図である。図25Bは、図25AのXXV-XXV線に沿った断面図である。ただし、図25Bにおいては、図25Aで示されていない規制部材140が付け加えられている。
【0171】
本実施形態の連通部材120は、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、連通部材120の軸方向に延びて端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ側壁1202とを有している。そして、蓄電素子側の端部124は、外向きに突出した第2突出部1209を有している。
【0172】
本実施形態においては、外向きに突出した第2突出部1209により、連通部材120と蓄電素子11及び排出管110との密着性をさらに向上でき、ガス排出弁11fから排出経路外へのガス漏れをより確実に防止できる。また、第2突出部1209は、連通部材120が傾斜するのを抑制することもできる。規制部材140は、側壁1202の外側において、側壁1202を取り囲むように位置している。
【0173】
(実施の形態15)
図26Aは、実施の形態15に係るガス排出用構造体100における連通部材120を下方から見た状態における斜視図である。図26Bは、図26AのXXVI-XXVI線に沿った断面図である。ただし、図26Bにおいては、図26Aで示されていない規制部材140が付け加えられている。
【0174】
本実施形態の連通部材120は、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、軸方向に延びて端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ側壁1202とを有している。そして、蓄電素子側の端部124は、内向きに突出する第1突出部1206を有している。
【0175】
本実施形態においては、内向きに突出する第1突出部1206により、連通部材120と蓄電素子11との密着性をさらに向上でき、ガス排出弁11fから排出経路外へのガス漏れをより確実に防止できる。規制部材140は、側壁1202の外側において、側壁1202を取り囲むように位置している。
【0176】
(実施の形態16)
図27は、実施の形態16に係るガス排出用構造体100において、規制部材140がそれぞれ設けられた二枚のセパレータ15が蓄電素子11を挟み込む状態を示す斜視図である。本実施形態においては、規制部材140は、複数の蓄電素子11同士の間に配置されたセパレータ15に取り付けられている。セパレータ15は、隣接した蓄電素子11間の絶縁を確保し、蓄電素子11同士の短絡を防止する部材であり、例えば樹脂製の板により構成される。
【0177】
規制部材140は、矩形状のセパレータ15の一辺の中央部に取り付けられる。図28は、規制部材140が設けられた複数枚(ここでは4枚を示す)のセパレータ15の上面図である。空間Sが隣接した規制部材140間に確保され、連通部材120が、この空間Sに配置される。
【0178】
図29は、規制部材140とセパレータ15の分解斜視図である。規制部材140は、内壁面141を含む規制部材本体143と、取り付け脚144とを有し、取り付け脚144が、セパレータ15の一辺の中央部に設置された取り付け片16を挟み込むことにより、規制部材140がセパレータ15に接続される。規制部材140は、取り付け片16に接着材による接着、熱による溶着等により固定される。
【0179】
図30は、セパレータ15に設けられた規制部材140と排出管110との関係を示す側面図である。セパレータ15と排出管100の間、すなわち規制部材140と排出管110の間には、連通部材120の高さ方向(Z軸方向)に第2の隙間G2が存在する。これにより、規制部材140又はセパレータ15の高さ方向に寸法公差があっても、排出管110と規制部材140又はセパレータ15との干渉を防止できる。
【0180】
(実施の形態17)
図31Aは、実施の形態17に係るガス排出用構造体100において、蓄電素子11上に配置される規制部材140を示す側面図である。
【0181】
上述した実施の形態1~16においては、規制部材140は、必ずしも蓄電素子11上に配置されているとは限らない。実施の形態1は、規制部材140が蓄電素子11上に配置されている状態を採っているが、規制部材140を蓄電素子11上に配置することは必須ではない。また、実施の形態16では、規制部材140はセパレータ15上に配置されている。
【0182】
一方、本実施の形態17においては、複数の規制部材140が、連通部材120の周囲において、連通部材120と隣り合うように複数の蓄電素子11上にそれぞれ配置される。これにより、ガス排出弁11fからのガス発生時に、規制部材140は、連通部材120の外側への変位を規制するため、連通部材120が規制部材140により規制されたまま、連通部材120の軸方向へ伸びる。この軸方向への延びによって、連通部材120と蓄電素子11との密着性を高めることができ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。
【0183】
特に本実施形態において、複数の規制部材140は、ガス排出弁11fが形成された蓄電素子11の蓋板11eと一体成形してもよい。蓋板11eは、蓄電素子11の電極面11d(図2)をも構成する部材であって、対向面Fdをも形成し得る。これにより、複数の規制部材140が蓄電素子11の蓋板11eと一体成形されており、規制部材140を容易に配置できる。
【0184】
図31Bは、図31Aで示した規制部材140を位置決め部材として用いて、別の規制部材140Aが配置された状態を示す側面図である。蓋板11eと一体成形された規制部材140が、位置決め部材としてブロック状の規制部材140Aを位置決めするため、規制部材140Aは連通部材120の変位位置をより高精度に設定できる。また、複数の規制部材140Aが位置決め部材に当接して配置されるため、組み立て時のハンドリング性を向上でき、組み立ての作業性を良好にできる。
【0185】
(実施の形態18)
図32Aは、実施の形態18に係るガス排出用構造体100において、排出管110上に配置される規制部材140を示す側面図である。
【0186】
本実施形態において、複数の規制部材140は、連通部材120の周囲において、連通部材120と隣り合うように排出管110上にそれぞれ配置されている。これにより、ガス排出弁11fからのガス発生時に、規制部材140は、連通部材120の外側への変位を規制するため、連通部材120が規制部材140により規制されたまま、連通部材120の軸方向へ伸びる。この軸方向への延びによって、連通部材120と蓄電素子11との密着性を高めることができ、ガス排出弁11fからのガスが経路外へ漏れるのを抑制できる。なお、複数の規制部材140は、排出管110と一体成形されてもよい。
【0187】
図32Bは、図32Aで示した規制部材140を位置決め部材として用いて、別の規制部材140Bが配置された状態を示す側面図である。排出管110と一体成形された規制部材140が、位置決め部材としてブロック状の規制部材140Bを位置決めするため、規制部材140Bは連通部材120の変位位置をより高精度に設定できる。また、複数の規制部材140Bが位置決め部材に当接して配置されるため、組み立て時のハンドリング性を向上でき、組み立ての作業性を良好にできる。
【0188】
(実施の形態19)
図33は、実施の形態19に係るガス排出用構造体100における連通部材120の断面図である。本実施形態の連通部材120は、第1実施形態と同様に、軸方向に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面に平行な断面において、略U字形状を有している。この略U字形状に沿うように、連通部材120は、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ外側膨出部126とを有している(図3図9A図9C)。
【0189】
一方、本実施形態のガス排出用構造体100は、上述した実施形態の様に、独立した規制部材140を備えていない。その代わり、ガス排出用構造体100は、排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)又はガス排出弁11fが形成された蓄電素子の面(対向面Fdでもよい)は、外側膨出部126の少なくとも一部の外側面に対応した形状に加工され、その外側面に隣接して配置されてガス漏れ時に互いに係合する突出係合部113(113A,113B)を備える。本実施形態においては、突出係合部113(113A,113B)が、ガス排出弁11fが形成された蓄電素子11の面及び排出管110の開口部112aが形成される面の双方に形成されている。
【0190】
突出係合部113は、外側膨出部126の少なくとも一部に係合する係合湾曲面113aを有し、ガス排出弁11fが形成された蓄電素子11の面又は排出管110の開口部112aが形成される面から起立して設けられている。係合湾曲面113aは、起立した部分に形成されている。突出係合部113は、蓄電素子11(特に蓋板11e)又は排出管110と一体成形されてもよいし、蓄電素子11又は排出管110とは別部材により形成してもよい。
【0191】
これにより、ガス排出弁11fからのガス排出時に、突出係合部113Aが、連通部材120の外側への変位を規制するため、連通部材120の変位しようとする外側への力と、連通部材120の軸方向へ伸長しようとする力とが、係合湾曲面113aに作用して、連通部材120と蓄電素子11との密着性を高める。
【0192】
さらに突出係合部113は、連通部材120の軸方向に関して、外側膨出部126の最外周面126aの位置に到達する形状を有することが望ましい。本実施形態では、蓄電素子11側の突出係合部113Aが最外周面126aに到達している。これにより、突出係合部113Aが外側膨出部126の最外周面126aまで形成されているため、突出係合部11Aからの連通部材120のずれを防止できる。なお、排出管110側の突出係合部113Bが最外周面126aの位置に到達していてもよい。
【0193】
(実施の形態20)
図34は、実施の形態20に係るガス排出用構造体100における連通部材120の断面図である。本実施形態の連通部材120は、第2実施形態と同様に、軸方向に沿った断面、すなわちXZ平面及びYZ平面に平行な断面において、略C字形状を有している。この略C字形状に沿うように、連通部材120は、蓄電素子側の端部124と、排出管側の端部125と、端部124と排出管側の端部125とを繋ぐ外側膨出部126とを有している。また、連通部材120は、蓄電素子11に最も近い先端領域128Aと、排出管110に最も近い先端領域128Bの双方に、先端領域128A、128Bを越えて先端領域から軸方向反対側に湾曲して反り返る湾曲部129A、129Bとを有する。
【0194】
本実施形態のガス排出用構造体100も、実施の形態19と同様に突出係合部113を含む。本実施形態においては、突出係合部113A、113Bが、ガス排出弁11fが形成された蓄電素子11の面(対向面Fdでもよい)及び排出管110の開口部112aが形成される面(対向面Fuでもよい)の双方に形成されている。
【0195】
突出係合部113は、外側膨出部126の少なくとも一部に係合する係合湾曲面113bを持つようにガス排出弁11fが形成された蓄電素子11の面又は排出管110の開口部112aが形成される面、或いは双方から起立している。係合湾曲面113bは、実施の形態19の係合湾曲面113aとは異なり、連通部材120の先端領域128A、128B及び湾曲部129A、129Bとの双方に係合する。
【0196】
これにより、ガス排出弁11fからのガス発生時に、突出係合部113が、連通部材120が外側へ変位するのを規制し、連通部材120の外側へ変位しようとする力と、連通部材120の軸方向へ伸長しようとする力とによって、係合湾曲面113bと連通部材120との密着性を高めることができる。
【0197】
さらに突出係合部113は、連通部材120の軸方向に関して、外側膨出部126の最外周面126aの位置に到達する形状を有することが望ましい。本実施形態では、蓄電素子11側の突出係合部113Aが最外周面126aの位置に到達している。これにより、突出係合部113Aからの連通部材120のずれを防止できる。なお、排出管110側の突出係合部113Bが最外周面126aの位置に到達していてもよい。
【符号の説明】
【0198】
1 蓄電ユニット
10 蓄電装置
11 蓄電素子
11a 容器
11b 正極端子
11c 負極端子
11d 電極面
11e 蓋板
11f ガス排出弁
13a,13b ビス
14 補強板
15 セパレータ
16 取り付け片
18 外装体
19 エンドプレート
100 ガス排出用構造体
101 排出経路
110 排出管
111 筒状体
112 底板
112a 開口部
113 突出係合部
113a 係合湾曲面
113b 係合湾曲面
114 端部側壁
115 鍔部
116 突出部
117 タブ
120 連通部材
120a 貫通路
121 直線部
122 湾曲部
123 環状凹部
124 蓄電素子側の端部
124a 端部内壁面
125 排出管側の端部
126 外側膨出部
126a 最外周面
127 平坦面
128 先端領域
129 湾曲部
131 外層樹脂
132 本体部インサート
132b 固定部
140 規制部材
141 内壁面
142 脚部
143 規制部材本体
144 取り付け脚
150 連結部
1201 内側膨出部
1202 側壁
1203 高さ調整部
1204 筒状部
1205 平面部分
1206 第1突出部
1207 拡径部
1208 縮径部
1209 第2突出部
Fu,Fd 対向面
F1 湾曲面
G 隙間
G2 第2の隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20
図21A
図21B
図22
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32A
図32B
図33
図34