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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146395
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B62M 7/02 20060101AFI20241004BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20241004BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20241004BHJP
   B62K 11/04 20060101ALI20241004BHJP
   B62K 25/10 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B62M7/02 C
B62M7/12
B62J45/00
B62K11/04 Z
B62K25/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059261
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 圭祐
【テーマコード(参考)】
3D011
3D014
【Fターム(参考)】
3D011AF01
3D011AF04
3D011AH01
3D011AK12
3D011AK14
3D011AK15
3D014DD04
3D014DF02
3D014DF13
3D014DF32
(57)【要約】
【課題】モータの側方に減速機を備える電動車両において、ピボット軸の周りのレイアウトをコンパクトにすることができる電動車両を提供する。
【解決手段】電動車両は、スイングアーム(17)を揺動可能に支持するピボットフレーム(24)を有する車体フレーム(11)と、ピボット軸(26)の上方に配置されるモータ(12)と、前記モータ(12)の側方に配置される減速機(32)と、を有する電動車両において、前記ピボットフレーム(24)の左右幅は前記モータ(12)の左右幅よりも狭く、前記ピボットフレーム(24)の側方には前記減速機(32)が配設される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイングアーム(17)を揺動可能に支持するピボットフレーム(24)を有する車体フレーム(11)と、ピボット軸(26)の上方に配置されるモータ(12)と、前記モータ(12)の側方に配置される減速機(32)と、を有する電動車両において、
前記ピボットフレーム(24)の左右幅は前記モータ(12)の左右幅よりも狭く、
前記ピボットフレーム(24)の側方には前記減速機(32)が配設される
ことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記スイングアーム(17)は、前記ピボット軸(26)に揺動可能に支持される左右一対のピボット部(71、72)を有し、
前記ピボットフレーム(24)は、前記左右一対のピボット部(71、72)の間に設けられる単一の部材である
ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記モータ(12)と前記減速機(32)との接続面を通る線(L12)と、前記ピボットフレーム(24)の側面と、は離間しており、
前記減速機(32)のケース(120)は、前記ピボットフレーム(24)側に向かって突出する突出部(120a)を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記ピボットフレーム(24)は、出力軸支持部(63)を有し、
前記出力軸支持部(63)は、左右に貫通する孔であり、
前記出力軸支持部(63)には、出力軸(122)が挿通され、
前記出力軸(122)には、前記減速機(32)とは反対側にドライブプーリー(125)が配設される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【請求項5】
前記出力軸支持部(63)は、車両側面視で、前記ピボット軸(26)と後輪軸(16a)とを結ぶ線(L2)上に位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の電動車両。
【請求項6】
前記ピボットフレーム(24)は、前記モータ(12)の外周に沿って前方に延出する第一アーム(65)と、前記モータ(12)の外周に沿って後方に延出する第二アーム(61)と、を備え、
前記ピボットフレーム(24)は、前記第一アーム(65)および前記第二アーム(61)で、前記モータ(12)と、シート(18)を支持するリアフレーム(22)と、を支持する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【請求項7】
前記ピボットフレーム(24)は、クッション(28)の下端および上端を支持する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピボット軸よりも上方にモータが配置され、モータが減速機構を有する電動車両において、減速機構の出力軸に設けられるドライブスプロケットと、駆動輪に設けられるドリブンスプロケットとの間に動力伝達部材となるチェーンを設けて動力を伝達する電動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、減速機構はモータの幅方向外側に設けられ、モータ及び減速機構が、スイングアームを支持するピボットフレームの間に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6977149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ピボットフレームの車幅方向の大きさは、モータと減速機構よりも大きなものとなる。しかしながら、ピボットフレームの幅方向外側にはスイングアームも設けられるため、ピボットフレームの幅方向の大きさをコンパクトにしたいという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、モータの側方に減速機を備える電動車両において、ピボット軸の周りのレイアウトをコンパクトにすることができる電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電動車両は、スイングアームを揺動可能に支持するピボットフレームを有する車体フレームと、ピボット軸の上方に配置されるモータと、前記モータの側方に配置される減速機と、を有する電動車両において、前記ピボットフレームの左右幅は前記モータの左右幅よりも狭く、前記ピボットフレームの側方には前記減速機が配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
ピボット軸の周りのレイアウトをコンパクトにすることができる電動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る電動二輪車の左側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る電動二輪車の右側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る電動二輪車の正面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る電動二輪車の平面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る電動二輪車の底面図である。
図6】車体カバーの図示を省略した電動二輪車の要部を示す左側面図である。
図7】ピボットフレームの正面図である。
図8】ピボットフレームの左側面図である。
図9】ピボットフレームの背面図である。
図10】ピボットフレームの右側面図である。
図11図6のXI-XI線断面図である。
図12図6のXII-XII線断面図である。
図13】バッテリケースの下部周辺を示す前左方からの斜視図である。
図14】車体カバーの図示を省略した電動二輪車の要部を示す右後方からの斜視図である。
図15】サイドスタンドを利用した場合の電動二輪車の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る電動二輪車10の左側面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る電動二輪車10の右側面図である。図3は、本発明の実施の形態に係る電動二輪車10の正面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る電動二輪車10の平面図である。図5は、本発明の実施の形態に係る電動二輪車10の底面図である。
電動二輪車(電動車両)10は、車体フレーム11にバッテリ駆動式の電動モータ(モータ)12が支持され、車体フレーム11の前端に前輪13を支持するフロントフォーク15が操舵可能に支持され、車体フレーム11の後部に後輪16を支持するスイングアーム17が揺動可能に支持され、車体フレーム11の後部上方に乗員が跨るようにして着座するシート18が支持された鞍乗り型車両である。
【0010】
車体フレーム11は、前端部に設けられるヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20の後方に位置するフロントフレーム21と、フロントフレーム21の後方に位置するリアフレーム22と、を備える。
【0011】
フロントフォーク15は、ヘッドパイプ20に操舵可能に取り付けられる。フロントフォーク15の上部には、操舵用ハンドル25が取り付けられている。フロントフォーク15の下端部には、前輪軸(車軸)13aを介して前輪13が支持される。
【0012】
スイングアーム17は、リアフレーム22に支持されるピボット軸26に支持される。ピボット軸26は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム17は、ピボット軸26を中心に上下に揺動する。スイングアーム17には、リンク機構27を介してリアクッション28が接続される。スイングアーム17の後端部には、後輪軸(車軸)16aを介して後輪16が支持される。
【0013】
シート18は、リアフレーム22の上方に配置される。シート18は、リアフレーム22に支持される。シート18は、前方のライダーシート18aと、ライダーシート18aの後方でライダーシート18aよりも上方に設けられたパッセンジャーシート18bとを備える。
【0014】
フロントフレーム21には、バッテリ30が支持される。バッテリ30の上方には、PCU(Power Control Unit)31が配置されている。PCU31は、インバータ等を含んで構成され、例えば、バッテリ30から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を電動モータ12に供給する。また、PCU31は、電動モータ12の回生時には、電動モータ12が発電した交流電力を直流電力に変換し、バッテリ30に充電する。PCU31は、電動二輪車10の操作に応じて電動モータ12を制御する。
【0015】
PCU31の後方には、電動モータ12が配置される。電動モータ12は、ピボット軸26の上方に配置される。電動モータ12の側方には減速機32(図2参照)が配置される。電動モータ12は、減速機32を介して、動力伝達機構33(図1参照)に駆動力を伝達する。動力伝達機構33は、電動モータ12からの駆動力を後輪16に伝達する。
【0016】
フロントフォーク15には、ヘッドライト34が支持される。ヘッドライト34の後方上部には、左右一対のフロントウインカ35が支持される。
【0017】
車体フレーム11は、車体カバー40を備える。
本実施の形態の車体カバー40は、フロントフレーム21の上方に配置されるユニットカウル41と、リアフレーム22に支持されるリアカウル42と、を有する。
ユニットカウル41は、下方に凹んだお椀状のカバーである。ユニットカウル41は、内燃機関を有する鞍乗り型車両の燃料タンクを模した外観形状を成す。ユニットカウル41は、操舵用ハンドル25とシート18との間に配置される。ユニットカウル41は、電動二輪車10の前部上方を覆う。ユニットカウル41の上面には、ロック機構41aが設けられている。ユニットカウル41は、ロック機構41aの操作により車体に着脱可能に構成される。
【0018】
リアカウル42は、シート18と後輪16の間に配置される。リアカウル42は、シート18の下方を車体側方から覆う。リアカウル42は、シート18の下方から車幅方向外側に延びる上面(第一面)42aを有する。上面42aの車幅方向外端には、下方に向かうに連れて車幅方向内側に延びる下面(第二面)42bが形成される。上面42aと下面42bとの接続部は、車幅方向外側に突き出る形状を成しており、リアカウル42の稜線42cを形成する。
【0019】
フロントフォーク15には、前輪13を上方から覆うフロントフェンダ43が設けられる。リアフレーム22には、後輪16を上方から覆うリアフェンダ44が取り付けられている。
【0020】
図6は、車体カバー40を省略した電動二輪車10の要部を示す左側面図である。
図1図6に示すように、本実施の形態の車体フレーム11では、フロントフレーム21と、リアフレーム22とは別体である。すなわち、フロントフレーム21とリアフレーム22とは、前後に分割可能に構成される。
また、本実施の形態のリアフレーム22は、上方のシートフレーム23と、下方のピボットフレーム24と、を有する。本実施の形態のリアフレーム22では、シートフレーム23とピボットフレーム24とは別体である。すなわち、シートフレーム23とピボットフレーム24とは、上下に分割可能に構成される。
【0021】
フロントフレーム21は、ヘッドパイプ20から後方に延出する。
フロントフレーム21は、ヘッドパイプ20の上端部から後下方に延出する左右一対のアッパーフレーム(メインフレーム)21aを有する。アッパーフレーム21aは、前端部で、後方に進むに連れて車幅方向外側に延出し、前端部よりも後部では、後下方に直線状に延びる。アッパーフレーム21aの後端部には、接続部21a1が形成される。
【0022】
アッパーフレーム21aの前端部の下方には、ヘッドパイプ20の下端部から後上方に延びる左右一対のサブフレーム21bが接続される。サブフレーム21bサブフレーム21bは、後端部で、それぞれの対応するアッパーフレーム21aに接続される。
【0023】
サブフレーム21bの前端部の下方には、ヘッドパイプ20から下方に延出する左右一対のダウンフレーム21cが接続される。ダウンフレーム21cは、サブフレーム21bを介して、ヘッドパイプ20の下端部に接続される。ダウンフレーム21cは、車両側面視では、直線状に後下方に延びる。ダウンフレーム21cは、車両側面視では、アッパーフレーム21aよりも急傾斜で下方に延びる。ダウンフレーム21cの下端部には、バッテリ支持部21c1が形成される。
【0024】
サブフレーム21bとダウンフレーム21cの接続部は、ガセット21dで補強されている。
【0025】
アッパーフレーム21aと、サブフレーム21bと、ダウンフレーム21cと、ガセット21dとにより、本実施の形態のフロントフレーム21が構成される。フロントフレーム21では、アッパーフレーム21a、サブフレーム21b、ダウンフレーム21cは、パイプ状に形成される。
【0026】
アッパーフレーム21aの後端部の接続部21a1には、リアフレーム22が接続される。詳細には、接続部21a1には、リアフレーム22のシートフレーム23が接続される。シートフレーム23は、締結部材で、アッパーフレーム21aの接続部21a1に締結される。締結部材は、例えば、ボルトである。
【0027】
シートフレーム23は、後上方に延出する左右一対のシートレール23aを有する。シートレール23aは、左右一対のアッパーフレーム21aのそれぞれから後上方に延出する。シートレール23aは、車体の後端部まで延びている。シートレール23aの上方には、シート18が支持される。シートレール23aはリアカウル42によって左右から覆われる。
【0028】
左右一対のシートレール23aの長手方向中途部には、下方に延びるシートサブフレーム23bがそれぞれ接続される。シートサブフレーム23bは、シートレール23aよりも急傾斜で前下方に延びて、シートレール23aではない他のフレームとしてのピボットフレーム24に接続される。換言すれば、シートサブフレーム23bは、ピボットフレーム24から後上方に延出してシートレール23aを支持する。
【0029】
ピボットフレーム24とシートサブフレーム23bとの接続部22aは、リアガセット23cで補強される。リアガセット23cは、車両側面視では、略三角形状の板材である。リアガセット23cは、シートサブフレーム23bの上端部後方に沿うと共に、シートレール23aの下部に沿うように配置され、シートサブフレーム23bの上端部およびシートレール23aの下部を車両側方から覆うように溶接される。接続部22aよりも後方において、シートレール23aには、グラブレール23dが設けられる。よって、シート18を支持するシートフレーム23は、アッパーフレーム21aとピボットフレーム24とに、前後方向に跨って設けられる。
【0030】
シートレール23aと、シートサブフレーム23bと、リアガセット23cと、グラブレール23dとにより、本実施の形態のシートフレーム23が構成される。シートフレーム23では、シートレール23aと、シートサブフレーム23bは、パイプ状に形成される。
【0031】
フロントフレーム21とピボットフレーム24とには、バッテリ30の外装部材としてのバッテリケース50が支持される。バッテリケース50は、中空の箱状である。バッテリケース50は、車両側面視で、フロントフレーム21とピボットフレーム24とに囲まれるように配置される。
【0032】
詳細には、バッテリケース50は、車両側面視において、フロントフレーム21のサブフレーム21bおよびダウンフレーム21cに沿って延びる前面部51と、前面部51の上端からアッパーフレーム21aに沿って後方に延びる天面部52と、前面部51の下端から天面部52の傾斜形状に沿って延びる底面部(バッテリ底面)53と、天面部52の後端および底面部53の後端を接続する後面部54と、前面部51、天面部52、底面部53、および後面部54の左側に配置される左側の側面部55(図1参照)と、前面部51、天面部52、底面部53、および後面部54の右側に配置される右側の側面部56(図2参照)と、を有する。
【0033】
後面部54は、車両側面視で段差状をなしている。詳細には、後面部54は、天面部52の後端から下側に延びる前側後面54aと、前側後面54aの後端から後側に延びる段差面54bと、段差面54bの後端から下側に延びる後側後面54cと、を有する。
【0034】
バッテリケース50では、底面部53の前端に、前下方に突出する前端固定部57が形成される。前端固定部57は、左右のダウンフレーム21cのバッテリ支持部21c1の間に配置される。バッテリ支持部21c1には車幅方向に固定部材が挿通され、これにより、前端固定部57がバッテリ支持部21c1に固定される。
【0035】
天面部52の後端部には、上方に突出する上端固定部58(図6参照)が形成される。図6に示すように、上端固定部58は、前後方向に延びる。上端固定部58は車幅方向中央部に形成される。上端固定部58は、前端側でアッパーフレーム21aの接続部21a1に固定される。上端固定部58の後端側は、バッテリケース50の前側後面54aよりも後方に突出する。上端固定部58は、後端側でピボットフレーム24の上部に固定される。
後側後面54cには、後方に突出する後端固定部59が形成される。後端固定部59には、ピボットフレーム24の下部に固定される。
【0036】
ピボットフレーム24は、下端が、ダウンフレーム21cのバッテリ支持部21c1よりも下方に位置する。バッテリケース50は、ダウンフレーム21cとピボットフレーム24とに支持されており、バッテリ30のバッテリケース50が、ダウンフレーム21cとピボットフレーム24との間に渡って配置される。すなわち、バッテリ30は、底面部53が前方よりも後方が低くなるように配置される。底面部53は、車両側面視において、ダウンフレーム21cの下端とピボットフレーム24の下端とを結ぶ線L1(図1参照)に沿って延出する。底面部53は、路面(地面)Rに対する傾斜角度が鋭角をなしている。底面部53の下方には、前輪13と、路面Rと、底面部53とにより、車両側面視で略三角状のスペースS1が形成される。
【0037】
本実施の形態では、フロントフレーム21やリアフレーム22のピボットフレーム24などの車体フレーム11と、バッテリ30を収容するバッテリケース50などにより、電動二輪車10の骨格形状を有する車体が構成される。
【0038】
図7は、ピボットフレーム24の正面図である。図8は、ピボットフレーム24の左側面図である。図9は、ピボットフレーム24の背面図である。図10は、ピボットフレーム24の右側面図である。
本実施の形態のピボットフレーム24は、中実構造を有する一体形状の単一のフレームである。ピボットフレーム24は、例えば、鋳造品である。ピボットフレーム24は、中実であるため、剛性、強度を担保することができる。
【0039】
本実施の形態のピボットフレーム24は、上下方向に延びる略四角柱状の柱部60を有する。柱部60は、詳細には、上方に進むに連れてやや後方に傾傾する。柱部60の上方には、後上方に延出する後方アーム部(第二アーム)61が形成される。後方アーム部61は、電動モータ12の外周に沿って後方に延出する(図6参照)。後方アーム部61の先端部(後端部)には、車幅方向(左右方向)に貫通する貫通孔が形成されたフレーム固定部61aが形成される。フレーム固定部61aの前下方には、車幅方向に貫通する貫通孔が形成されたクッション接続部61bが形成される。クッション接続部61bに対応して、後方アーム部61の後下面には、上方に凹んだクッション挿入部61cが形成される(図9参照)。クッション接続部61b、クッション挿入部61cは、後方アーム部61の長手方向中途部に形成される。
【0040】
柱部60と後方アーム部61との間には、柱部60と後方アーム部61との接続部分に対応して、車幅方向に延びる円筒状のピボット軸支持部62が形成される。ピボット軸支持部62は、柱部60よりも右側(左右方向他側)に突出する(図9参照)。ピボット軸支持部62には、車幅方向に貫通するピボット軸孔62aが形成される。
【0041】
ピボット軸支持部62の前方には、円筒状の出力軸支持部63が形成される。出力軸支持部63は、柱部60よりも左側(左右方向一側)に突出する(図9参照)。出力軸支持部63には、車幅方向に貫通する出力軸孔63aが形成される。出力軸孔63aは、ピボット軸孔62aよりも大径である。
【0042】
出力軸支持部63の周囲には、板状の締結板64が形成される。締結板64の外周部には、複数の締結孔64aが形成される。締結板64は、後方アーム部61に対して車幅方向で離間している(図7図9参照)。締結板64は、柱部60に対して右側に偏って形成される(図7図9)。締結板64は、車幅中心線L10よりも右側に偏って形成される(図11参照)。締結板64は、後方アーム部61よりも左右幅が小さい。締結板64は、電動モータ12の外周に沿って前方に延出する前方アーム部(第一アーム)65を有する(図6参照)。前方アーム部65は、上縁が電動モータ12の外周に沿って下方に凹んで湾曲する。前方アーム部65の先端(前端)には、車幅方向に貫通する貫通孔が形成されてバッテリ固定部65aが形成される。
【0043】
後方アーム部61と前方アーム部65との間には、上方に突出するモータ固定片66が形成される(図10参照)。モータ固定片66には、車幅方向に貫通する複数の締結部66a、66bが形成される。モータ固定片66の下方には、左側に突出する座部67が形成される(図8参照)。座部67は、前後方向に延びる。
【0044】
柱部60の下端後部には、円筒状のリンク連結部68が形成される。リンク連結部68には、車幅方向に貫通するリンク軸孔68aが形成される。
【0045】
リンク連結部68の前上方には、車幅方向に延びる板状のプレート固定部69が形成される。プレート固定部69は柱部60の車幅方向両外側に突出する(図7図9参照)。プレート固定部69は、ピボット軸支持部62や出力軸支持部63よりも車幅方向外側に突出する。プレート固定部69は、前方に進むに連れて下方に傾斜する。プレート固定部69の前端は、柱部60よりも前方に突出する。プレート固定部69の前端部には、車幅方向に貫通するバッテリ固定孔69aが形成される。プレート固定部69の後端部には、車幅方向に凹んだプレート締結孔69bが形成される。
【0046】
図6において、ピボットフレーム24は、フロントフレーム21、リアフレーム22のシートサブフレーム23b、電動モータ12、および、バッテリ30に接続される。
すなわち、ピボットフレーム24では、電動モータ12の外周に沿う前方アーム部65や後方アーム部61では、前方アーム部65のバッテリ固定部65a(図8参照)には、バッテリケース50の上端固定部58や、電動モータ12が締結される。また、後方アーム部61のフレーム固定部61a(図8参照)には、シートサブフレーム23bの下端が接続される。
【0047】
また、ピボットフレーム24では、締結板64(図8参照)やモータ固定片66(図8参照)には電動モータ12などが固定される。
さらに、ピボットフレーム24では、左右のプレート固定部69の間には、バッテリケース50の後端固定部59が配置され、左右のプレート固定部69に、バッテリケース50が固定される。
よって、ピボットフレーム24は、フロントフレーム21、リアフレーム22、および、バッテリケース50と一体形状をなす。ピボットフレーム24が、バッテリケース50などと一体形状をなすことにより、幅狭なピボットフレーム24の剛性向上に寄与する。
【0048】
図1図5において、ピボットフレーム24のピボット軸支持部62には、ピボット軸26が支持される。ピボット軸26は、ピボット軸孔62a(図8参照)を貫通し、ピボットフレーム24の左右両側に突出する。ピボット軸26の両端部には、スイングアーム17が揺動可能に支持される。
【0049】
図5に示すように、スイングアーム17は、前後方向に延びる左右一対のピボット部71、72を有する。ピボット部71、72は、それぞれ、ピボットフレーム24の車幅方向両側に配置される。ピボット部71、72は、ピボット軸26を介して揺動可能に支持される。
ピボット部71、72は、ピボット軸26から後方に延びる。ここで、右側のピボット部72は、ピボット軸26から後方に延びて後方に進むに連れて左側に傾斜する。右側のピボット部72は、後端部で、左側のピボット部71に接続される。
【0050】
右側のピボット部72の後端部には、後方に延びるアーム部73が形成される。アーム部73は、車幅方向外側(左側)を迂回するように曲がりながら後方に延びる。アーム部73の後端部には、後輪軸16aを介して後輪16が支持される。スイングアーム17は後輪16を片持ちする。
【0051】
左側のピボット部71と右側のピボット部72との接続部には、下方に突出するリンク接続部74が形成される。リンク接続部74には、リンク機構27が接続される。よって、スイングアーム17には、リンク機構27を介してリアクッション28が接続される。
【0052】
図1図5に示すように、リアクッション28は、上下方向に延びる外観筒状である。リアクッション28は、ピボット軸26よりも上方でピボットフレーム24に接続される。リアクッション28は、スイングアーム17の左右のピボット部71、72の間に配置される(図5参照)。リアクッション28は、スイングアーム17の上方から下方に延びる。リアクッション28の上下には、連結部28a、28b(図6参照)が形成される。連結部28a、28bには、車幅方向に延びる孔が形成される。リアクッション28の上側の連結部28aは、ピボットフレーム24のクッション挿入部61c(図9参照)に挿入された状態で、車幅方向に延びる軸でクッション接続部61b(図8参照)に揺動可能に支持される。リアクッション28の下側の連結部28bは、リンク機構27に揺動可能に支持される。
【0053】
図5図6に示すように、リンク機構27は、車両側面視で略三角状のクッション連結部76と、クッション連結部76に回動可能に支持される左右一対のリンク77、78と、を備える。
クッション連結部76には、略三角形状の頂点に対応する位置に揺動部76a、76b、76cが形成される。具体的には、クッション連結部76は、後上側の揺動部76aと、揺動部76aの前下方に設けられた前下側の揺動部76bと、前下側の揺動部76bの後方に設けられた後下側の揺動部76cと、を有する。
【0054】
後上側の揺動部76aは、スイングアーム17のリンク接続部74に揺動可能に接続される。前下側の揺動部76bには、リアクッション28の下側の連結部28bが揺動可能に連結される。後下側の揺動部76cには、左右一対のリンク77、78が揺動可能に連結される。リンク77、78は、前方に延びる。リンク77、78は、ピボットフレーム24の下端部のリンク連結部68の左右両側にそれぞれ配置される。リンク77、78は、ピボットフレーム24のリンク連結部68に揺動可能に連結される。
【0055】
すなわち、ピボットフレーム24には、リアクッション28の上端の連結部28aが支持されると共に、リアクッション28の下端の連結部28bがリンク機構27を介して支持される。よって、スイングアーム17に取り付けられるリアクッション28の上下端が、ピボットフレーム24という一部材に支持される。このため、リアクッション28のコンパクト化および精度管理に寄与し易くなっている。
リンク機構27を介してリアクッション28が伸縮することにより、スイングアーム17の揺動が減衰される。
【0056】
図11は、図6のXI-XI線断面図である。
本実施の形態では、スイングアーム17の車幅方向両外側には、左右一対のピボットサブフレーム80、81が設けられる。ピボットサブフレーム80、81は、スイングアームのピボット部71、72の車幅方向外側に配置される。ピボットサブフレーム80、81は、上下方向に延びる。ピボットサブフレーム80、81は、下方に進むに連れて車幅方向内側に湾曲する。ピボットサブフレーム80、81は、上端部がピボット軸26(図1図2参照)の端部に支持される。ピボットサブフレーム80、81は、下端部において、ピボットフレーム24のプレート固定部69に固定される。ピボットサブフレーム80、81とピボットフレーム24との間には、所定のスペースS2、S3が形成される。
【0057】
左側のピボットサブフレーム80には、サイドスタンド82が回動可能に支持される。サイドスタンド82は、起立状態とされて路面Rに設置されると、車体をサイドスタンド82側に傾けた状態で支持可能となる。
【0058】
図12は、図6のXII-XII線断面図である。図12には、バッテリ30の断面を示す。
バッテリ30は、バッテリケース50と、バッテリケース50に収容される複数のバッテリユニット(バッテリ本体)90と、を有する。
【0059】
バッテリケース50の内部には、上下二段のバッテリ収容部50a、50bが形成される。上下二段のバッテリ収容部50a、50bは、それぞれ、左右一対設けられる。よって、バッテリケース50の内部には、バッテリ収容部50a、50bが全体で4つ設けられる。バッテリ収容部50a、50bの基本構成は位置に関わらず同様である。バッテリ収容部50a、50bには、同様に構成されたバッテリユニット90がそれぞれ収容される。バッテリユニット90は、長手形状を有する直方体状に形成される。バッテリユニット90は電気を蓄える部分であり、本実施の形態のバッテリ30の主要な本体部分である。
【0060】
上側のバッテリ収容部50aは、下側のバッテリ収容部50bよりも前方に形成される。すなわち、上側のバッテリ収容部50aは、下側のバッテリ収容部50bよりも、前方にオフセットして形成される。換言すれば、図1図2に示すように、バッテリケース50の後面部54において、前側後面54aから前方に延びる空間により上側のバッテリ収容部50aが形成される。また、後側後面54cから前方に延びる空間により下側のバッテリ収容部50bが形成される。よって、バッテリケース50内では、上下のバッテリユニット90は、前後にオフセットするようにして、上下に重ねるように配置される。
【0061】
図12において、バッテリケース50の側面部55、56は、アッパーフレーム21a、21aよりも車幅方向で内側に位置する。すなわち、バッテリケース50の側面部55、56が、車幅方向では、アッパーフレーム21aの外端よりも車幅方向内側に位置しており、実質的には、アッパーフレーム21aの内端よりも車幅方向内側に位置する。これにより、バッテリケース50の車幅方向に対する膨出形状が抑制される。
【0062】
バッテリ30では、バッテリユニット90の熱はバッテリケース50を介して放熱される。バッテリケース50には、走行風が当たり冷却される。ここで、本実施の形態では、ラジエータ130は、バッテリケース50の底面部53の下方に配置されるため、バッテリケース50は、ラジエータ130などの排風の影響を受け難い位置に設けられている。よって、バッテリケース50は走行風によって効率よく冷却され易くなっている。なお、バッテリケース50は平坦面状の形状を図示しているが、バッテリケース50には、冷却フィンを設けてもよい。例えば、側面部55、56に冷却フィンを設けて、バッテリケース50の外部の走行風によって冷却する構成でもよい。
【0063】
バッテリケース50の上方には、ジャンクションボックス(配電箱)95が配置される。ジャンクションボックス95は、コンタクタや、メインフューズ、電流センサなどの図示しない種々の電子機能部品が装着された本体部と、この本体部を覆う外装ケース96と、を有する。ジャンクションボックス95には、電気ハーネス97(図6参照)から延びる所定の配線が接続される。ジャンクションボックス95は、略矩形状に形成される。ジャンクションボックス95は、一つのバッテリユニット90よりも前後に短く且つ左右に大きい。ジャンクションボックス95は、バッテリユニット90の二つ分よりも左右には小さい。すなわち、ジャンクションボックス95は、バッテリケース50よりも前後に短い。また、ジャンクションボックス95の左右幅は、バッテリケース50の左右幅よりも狭い。ジャンクションボックス95は、一対のアッパーフレーム21a間から上方に延びる。本実施の形態の外装ケース96は、バッテリケース50に一体に形成されており、天面部52から上方に延びる。
【0064】
図6に示すように、ジャンクションボックス95の後方であって、バッテリケース50の上方には、PCU31が配置される。PCU31は、PCUケース100を有する。PCUケース100は、直方体状である。PCUケース100は、バッテリ30の天面部52に沿って延びる直方体状である。PCUケース100の後方には、電動モータ12が配置される。
【0065】
PCU31の後方には、電動モータ12が配置される。電動モータ12は、ピボットフレーム24の上方において、ピボット軸26の真上に配置される。
【0066】
図11に示すように、電動モータ12は、円筒状のモータケース110を有する。モータケース110には、車幅方向に延びるモータ軸111が回転可能に支持される。モータ軸111には、ロータ112が固定される。ロータ112の径方向外側には、コイル部を有するステータ113が支持される。モータ軸111はモータケース110の右側に突出する。モータ軸111の右側先端には、駆動ギア114が支持される。駆動ギア114は、減速機32の入力ギア121に接続される。
【0067】
モータケース110は、後方から固定具によりPCUケース100に固定され、PCU31と電動モータ12とが一体とされる(図1図2図6参照)。電動モータ12のモータケース110の外周部には、ピボットフレーム24に固定される固定片110aが設けられる。固定片110aは、ピボットフレーム24の締結部66a、66b(図9参照)などに締結される。
【0068】
電動モータ12は、ピボットフレーム24の左右幅よりも大きく形成される。具体的には、電動モータ12は、ピボット軸支持部62の右端から出力軸支持部63の左端までの左右幅よりも、電動モータ12は、左右幅が大きく形成される。よって、電動モータ12よりも下方であって、ピボットフレーム24の右側にはスペースS4が形成される。このスペースS4には、減速機32が配置される。減速機32は、バッテリケース50の段差面54bに進入した状態で配置される(図2参照)。減速機32は、車体側面視では、後上方に延びて電動モータ12の側方(右側)に配置される。
したがって、従来は、例えば、電動二輪車の車幅は、電動モータ、減速機、左右のピボットフレームの4層の積み重ねた大きさに依存していたが、本実施の形態では、ピボットフレーム24を電動モータ12の左右幅よりも小さくすることで、電動モータ12と減速機32との2層の積み重ねにおさめて、電動二輪車10の左右幅(車幅)を小さくし易くできる。
【0069】
減速機32は、減速機ケース(ケース)120と、入力ギア121と、出力ギア(不図示)と、入力ギア121と出力ギアとの間に配置される中間ギア(不図示)と、を有する。
本実施の形態の減速機ケース120は左右に半割れの構造である。減速機ケース120は、左右方向に重ね合わせて組み立てられる。減速機ケース120の内部には、入力ギア121や、出力ギアなどが回転可能に配置される。これにより、入力ギア121の回転が所定の減速比で出力ギアから出力可能とされる。
【0070】
減速機ケース120は、電動モータ12のモータケース110やピボットフレーム24の締結板64(図8参照)などに車幅方向外側から締結される。
図11において、電動モータ12のモータケース110と減速機32の減速機ケース120との接続面を通過する線L12と、ピボットフレーム24の締結板64の側面を通過する線L11と、は車幅方向に離間している。減速機ケース120はピボットフレーム24の締結板64に向かって突出する突出部120aを有する。突出部120aにより、電動モータ12とピボットフレーム24との間のスペースS4を減速機32の配置スペースとして活用することができる。
【0071】
減速機ケース120の突出部120a内には、出力ギアが配置される。この出力ギアには、車幅方向に延びる出力軸122が固定される。出力軸122は、ピボットフレーム24の出力軸支持部63(図8参照)に挿通される。出力軸122は、ピボットフレーム24の車幅方向両側に延在する。
【0072】
出力軸122には、減速機32とは車幅方向で反対側にドライブプーリー125が配設される(図1参照)。ドライブプーリー125は、出力軸122と一体に回転する。ドライブプーリー125には、無端帯状のドライブベルト(ベルト)126が巻き掛けられるドライブベルト126は、後方に延びており、後輪軸12aに固定されたドリブンプーリー127に巻き掛けられる。ドライブベルト126は、車体側面視で、スイングアーム17の左側のピボット部71の上下に位置する。
ドライブプーリー125と、ドライブベルト126と、ドリブンプーリー127と、により、本実施の形態の動力伝達機構33が構成される。
【0073】
本実施の形態では、ピボットフレーム24でピボット軸26と出力軸122が支持されるので、ピボット軸26と出力軸122との取り付け精度を出し易い。よって、出力軸122に関わる駆動系と、ピボット軸26に関わるスイング系の組付けにおける精度管理がし易くできる。
【0074】
ここで、出力軸支持部63は、車両側面視で、ピボット軸26と後輪軸16aとを結ぶ線L3上に位置する。これにより、ドライブプーリー125に巻かれるドライブベルト126について、沈み込み及び延び方向での周長変化を同等にできるので、ドライブベルト126を使用する動力伝達機構33であっても、ピボット軸26と出力軸122が別軸でも張力の精度を出しやすくすることができる。
【0075】
図13は、バッテリケース50の下部周辺を示す前左方からの斜視図である。
バッテリケース50の下方には、電動車両機能部品を冷却するラジエータ130が配置される。詳細には、ラジエータ130は、バッテリケース50の下方に支持されるオンボードチャージャー140の下方に配置される。電動車両機能部品としては、本実施の形態では、電動モータ12や、PCU31、オンボードチャージャー(チャージャー)140である。すなわち、本実施の形態では、底面部53が斜め配置であるので、バッテリ30の下方にスペースS1が形成されており、このスペースS1にラジエータ130が配置可能となっている。また、このスペースS1は十分に大きいため、オンボードチャージャー140も配置可能であるが、オンボードチャージャー140を底面ブラケット141に支持させて配置することにより、コンパクトなレイアウトにできる。
【0076】
特に、本実施の形態のラジエータ130の最下部130d(図1参照)は、車両側面視において、前輪軸13aと後輪軸16aとを結ぶ線L3よりも下方に位置する。車両下方のデッドスペースにラジエータ130を配置することができる。
【0077】
ここで、ラジエータ130は、車両側面視において、ダウンフレーム21cの延長線L4上に配置される。よって、車両前方側で走行風を受けやすい位置にラジエータ130を配置し易く、かつ、ラジエータ130の配置をフレーム形状に沿ったレイアウトとすることができる。また、ラジエータ130は、車両側面視で、バッテリ30の底面部53の後端よりも上方かつバッテリ30の底面部53の前端よりも下方に位置し、前輪13の後方に配置される。すなわち、バッテリ30の底面部53の後端を通過する水平線を後端線L5とし、バッテリ30の底面部53の前端を通過する水平線を前端線L6とする場合に、ラジエータ130は、車両側面視で、後端線L5よりも上方かつ前端線L6よりも下方に位置し、前輪13の後方に配置される。ラジエータ130が、車幅方向の幅が狭くなり易い前輪13の後方に配置されることにより、ラジエータ130が走行風を受け易くできる。
【0078】
ラジエータ130について、具体的な配置構造について説明すると、底面部53には、左右一対の底面ブラケット(ブラケット)141が固定される。底面ブラケット141は前後方向に延びる。底面ブラケット141には、左右方向に貫通する三角状の肉抜き孔が複数形成される。左右の底面ブラケット141の間には、直方体状のオンボードチャージャー140が配置される。オンボードチャージャー140は、左右の底面ブラケット141に支持される。オンボードチャージャー140は底面部53に沿って前下がりに傾斜する。オンボードチャージャー140はバッテリ30に電気的に接続される。オンボードチャージャー140は、交流電力を直流電力に変更してバッテリユニット90に供給したりする。
【0079】
底面ブラケット141の前端には、前下方に延出するブラケットステー(ブラケット)142が設けられる。ブラケットステー142には、ラジエータ130が締結される。ラジエータ130は、底面部53の下方前側において、底面ブラケット141およびブラケットステー142により吊り下げられるように支持される。ラジエータ130は、前輪13と、バッテリケース50の底面部53と、路面Rと、で囲まれた略三角形状のスペースS1(図1参照)に配置される。ラジエータ130は、底面ブラケット141およびブラケットステー142により支持されるので、車両下方であってもラジエータ130をコンパクトに支持することができる。
【0080】
ラジエータ130は、車幅方向に延びる外観板状のコア130aと、コア130aの左側のタンク130bと、コア130aの右側のタンク130cと、を備える。走行風が流入可能なコア130aは、下部が上部よりも前方に位置する。すなわち、コア130aは、前面が後方に進むに連れて上方に傾斜する。コア130aは前輪軸13aよりも下方で前輪13に対向する。コア130aの前面は、上部よりも下部が前方に位置するため、前輪13についた砂などがラジエータ130の前面に進入することを抑制しながら走行風を受けることができる。
【0081】
図5に示すように、ラジエータ130の右側のタンク130cには、後方に延びる第1の冷却配管131が接続される。第1の冷却配管131の下流端は、オンボードチャージャー140に接続される。オンボードチャージャー140には、図示しない冷却経路が形成される。オンボードチャージャー140の冷却経路の下流端である排出口には、後方に延びる第2の冷却配管132が接続される。
【0082】
第2の冷却配管132は後方に延びると、ピボットフレーム24とピボットサブフレーム81との間のスペースS2(図11参照)に進入して、バッテリケース50の上方に向けて配索される。第2の冷却配管132は、後面部54に沿って段差状に曲がりながらバッテリケース50の上方に配索されると(図1参照)、その下流端が、PCUケース100に接続される。PCUケース100の内部には、電動モータ12のモータケース110の内部と連通する冷却経路が形成されている。図2に示すように、電動モータ12のモータケース110の後面には、冷却経路の下流端である排出口が形成されており、第3の冷却配管133が接続される。
【0083】
第3の冷却配管133は、ピボットフレーム24およびスイングアーム17の右側を取って下方に配索される。下方に配索された第3の冷却配管133は、ピボットフレーム24とピボットサブフレーム80の間のスペースS3(図11参照)を通って底面部53の下方に向けて前方に配索される。図5に示すように、第3の冷却配管133は、前端部では、左側に曲がっており、ウォーターポンプ135の軸方向の流入部135aに接続される。ウォーターポンプ135は、ポンプブラケット143を介して、左側の底面ブラケット141に固定される。ウォーターポンプ135は、駆動用の電動モータ12とは異なる電動モータ(不図示)により駆動される。ウォーターポンプ135は、ウォーターポンプ135の径方向の送出部135bから外部に冷却水を圧送する。ウォーターポンプ135の送出部135bには、第4の冷却配管134が接続される。第4の冷却配管134の下流端は、ラジエータ130の左側のタンク130bに接続される。
【0084】
ラジエータ130、オンボードチャージャー(電動車両機能部品)140、PCU(電動車両機能部品)31、電動モータ(電動車両機能部品)12、ウォーターポンプ135、そして、これらを適宜に接続する冷却配管131~134により、本実施の形態の冷却水が循環する循環経路138が構成される。循環経路138では、ウォーターポンプ135が駆動することにより、オンボードチャージャー140、PCU31、電動モータ12の順に冷却水が循環して冷却される。ここで、発熱量は、オンボードチャージャー140、PCU31、電動モータ12の順に高くなる。よって、オンボードチャージャー140、PCU31、電動モータ12の順に冷却水を通過させることにより、冷却水が昇温したとしても、さらに高温の下流側に流すことで効率よく冷却可能になっている。
【0085】
特に、最初に冷却するオンボードチャージャー140がラジエータ130と共に底面部53に配置されており、オンボードチャージャー140がラジエータ130近くに設けられている。よって、ラジエータ130で冷却された冷却水を速やかにオンボードチャージャー140に送ることが可能であり、ラジエータ130や各電動車両機能部品が互いに離間する場合に比べて、コンパクトな循環経路138の配索とし易くなっている。
【0086】
ラジエータ130の背面には、円形状のラジエータファン(空冷ファン)136が設けられている。ラジエータファン136は、車幅方向右側に設けられており、右側のタンク130c側に近接して設けられる。ラジエータファン136は、ラジエータ130との間を負圧にして、ラジエータ130の前方からラジエータ130に冷却風を導く。ラジエータ130で冷却水を冷却した冷却風は、ラジエータファン136により後方に排風される。ラジエータファン136及びウォーターポンプ135は、ラジエータ130の後方で、ラジエータ130とバッテリ30との間に配置される。このため、ラジエータファン136とウォーターポンプ135を、バッテリ30の下方に生じるスペースS1にコンパクトに配置することができる。特に、ラジエータファン136は、右側のタンク130c側に近接して設けられ、ウォーターポンプ135から遠ざかる位置に配置される。よって、ラジエータファン136とウォーターポンプ135とを効率よく配置して、コンパクトに配置し易くなっている。
【0087】
図6に示すように、ジャンクションボックス95の上方には、フロント給電ユニット98が設けられる。フロント給電ユニット98には、外部電源と接続される上面給電口99が設けられる。上面給電口99は、所定の規格に基づいて構成される。上面給電口99は、交流充電用の端子と、直流充電用の端子とを備える。上面給電口99は、上方に指向する。上面給電口99は、オンボードチャージャー140やバッテリ30と電気的に接続される。
【0088】
フロント給電ユニット98の周囲には、交流充電ケーブル150が収容可能に構成される。本実施の形態では、交流充電ケーブル150は、フロント給電ユニット98の周囲に巻いた状態で電動二輪車10に保管可能である。保管された交流充電ケーブル150は、着脱可能に構成されたユニットカウル41で覆われる(図1参照)。
【0089】
本実施の形態の交流充電ケーブル150は、上面給電口99に接続される給電ガン部151と、給電ガン部151から延びる電力ケーブル部152と、電力ケーブル部152の他端に接続されるプラグ部153と、を有する。交流充電ケーブル150は、給電ガン部151が上面給電口99に上方から接続され、プラグ部153が、いわゆる、家庭用のコンセントに接続される。これにより、上面給電口99には、交流電力が供給され、オンボードチャージャー140を介してバッテリ30が充電される。
【0090】
図14は、車体カバー40の図示を省略した電動二輪車10の要部を示す右後方からの斜視図である。
リアフレーム22には、サイド給電ユニット160が支持される。サイド給電ユニット160は、サイドスタンド82とは反対側である車両右側側面に設けられる。サイド給電ユニット160は、外部電源と接続されるサイド給電口(給電口)161(図2参照)と、サイド給電口161を包囲するベースカバー162と、ベースカバー162にヒンジ164を中心に開閉可能に支持された開閉カバー163と、を有する。サイド給電口161は、所定の規格に基づいて構成される。サイド給電口161は、交流充電用の端子と、直流充電用の端子とを備える。サイド給電口161は、オンボードチャージャー140やバッテリ30と電気的に接続される。サイド給電ユニット160は、サイド給電口161の接続面に直交する法線方向N1、換言すれば、サイド給電口161への差込方向が、平面視で、サイドスタンド82の延出方向L20と交差する(図4参照)。サイド給電ユニット160は、グラブレール23dの前方に配置される。
【0091】
サイド給電ユニット160により、車体の側方から給電可能である。よって、例えば、電動二輪車10を高速給電ステーションなどの充電設備の側方に停めた場合に、充電設備に備えられた外部電源を、サイド給電ユニット160に側方から接続することができる。このとき、グラブレール23dを把持して電動二輪車10を安定させた状態で、外部電源をサイド給電口161に接続、取り外しができる。
【0092】
図15は、サイドスタンド82を利用した場合の電動二輪車10の背面図である。図15において、二点鎖線は、電動二輪車10が直立状態を示す。すなわち、サイドスタンド82を利用しない場合を示す。このとき、車幅中心線L10は路面Rに垂直である。実線は、電動二輪車10がサイドスタンド82を利用した停止状態を示す。このとき、車幅中心線L10も傾斜する。
【0093】
本実施の形態のサイド給電ユニット160は、リアカウル42の稜線42cよりも下方に配置される。また、サイド給電ユニット160の車幅方向外表面は、リアカウル42の下面42bに沿って配置される。よって、サイド給電ユニット160が車幅方向への突出形状を抑制しながら配置される。下面42bは下方に向いているので、外観上目立ち難い位置にサイド給電口161を設けることができる。
【0094】
サイド給電ユニット160は、シートレール23aとシートサブフレーム23bの接続部22aに設けられる。接続部22aは、シートレール23aの延出方向と、シートサブフレーム23bの延出方向とが交差する位置の近傍を含んだ意味で用いる。換言すれば、接続部22aは、シートレール23aと、シートサブフレーム23bとの両方で支持される部位であるともいえる。よって、例えば、リアガセット23cに車体側面視で重複する位置は、接続部22aである。本実施の形態では、サイド給電ユニット160は、リアガセット23cに車体側面視で重複するように設けられる。
【0095】
サイド給電ユニット160は、サイド給電ユニット160の法線方向N1が、右下を向くように設けられる。すなわち、直立状態の電動二輪車10には、サイド給電ユニット160は、法線方向N1が、サイドスタンド82から離間する方向であって、背面視で、やや下側を向くように設けられる。換言すれば、直立状態の電動二輪車10には、サイドスタンド82を使用して車体を傾斜させた場合に、サイド給電口161の法線方向N1が路面Rに対して少なくとも垂直、つまりは、垂直以上に回転して向きが垂直または仰角となるように設けられる。
【0096】
よって、シートレール23aとシートサブフレーム23bの接続部22aにサイド給電ユニット160を設けるので、接続部22aという剛性のある位置にサイド給電ユニット160が設けられており、サイド給電口161に外部電源を接続しやすい。特に、本実施の形態のサイド給電ユニット160は、サイドスタンド82の反対側に設けられるので、充電時の外部電源の接続方向の力を、サイドスタンド82で受けさせ易くなっている。また、サイド給電口161の法線方向N1が下方を向くことで、車体が傾斜した際にサイド給電口161が側面に露出させて、サイド給電口161に作業者がアクセスさせ易くなっている。
【0097】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、スイングアーム17を揺動可能に支持するピボットフレーム24を有する車体フレーム11と、ピボット軸26の上方に配置される電動モータ12と、電動モータ12の側方に配置される減速機32と、を有する電動二輪車10において、ピボットフレーム24の左右幅は電動モータ12の左右幅よりも狭く、ピボットフレーム24の側方には減速機32が配設される。
この構成によれば、ピボットフレーム24の左右幅が、電動モータ12と減速機32によって影響を受けないため、ピボットフレーム24を幅狭にするなどの対応が可能となる。また、ピボットフレーム24の側方にスペースS4を設け易く、このスペースS4を活用して減速機32を設けることができる。よって、電動モータ12の側方に減速機32を備える電動二輪車10において、ピボット軸26の周りのレイアウトをコンパクトにすることができる。
【0098】
本実施の形態では、スイングアーム17は、ピボット軸26に揺動可能に支持される左右一対のピボット部71、72を有し、ピボットフレーム24は、左右一対のピボット部71、72の間に設けられる単一の部材である。
この構成によれば、ピボットフレーム24が幅狭であっても、ピボットフレーム24の剛性、強度を確保しやすく、コンパクトなピボットフレーム24とすることができる。
【0099】
また、本実施の形態では、図11に示すように、電動モータ12と減速機32との接続面を通過する線L12と、ピボットフレーム24の側面を通過する線L11と、は離間している。よって、電動モータ12と減速機32との接続面と、ピボットフレーム24の側面と、は離間し、減速機32の減速機ケース120は、ピボットフレーム24側に向かって突出する突出部120aを有する。
この構成によれば、電動モータ12とピボットフレーム24との間のスペースS4を減速機32の配置スペースとして活用することができる。
【0100】
また、本実施の形態では、ピボットフレーム24は、出力軸支持部63を有し、出力軸支持部63は、左右に貫通する出力軸孔63aを備えており、出力軸支持部63には、出力軸122が挿通され、出力軸122には、減速機32とは反対側にドライブプーリー125が配設される。
この構成によれば、ピボットフレーム24でピボット軸26と出力軸122が支持されるので、ピボット軸26と出力軸122との取り付け精度を出し易く、ピボット軸26が関わるスイング系と、出力軸122が関わる駆動系との組付けにおける精度管理がし易くできる。なお、ドライブベルト126を使用して後輪16を駆動する場合であっても、ピボット軸26と出力軸122の取付精度を確保し易いため、同軸でない別軸でもドライブベルト126の張力の精度を出し易くできる。
【0101】
また、本実施の形態では、出力軸支持部63は、車両側面視で、ピボット軸26と後輪軸16aとを結ぶ線L2上に位置する。
この構成によれば、ドライブプーリー125に巻かれるドライブベルト126について、沈み込み及び延び方向での周長変化を同等にできるので、ベルト駆動とする場合に好適である。
【0102】
また、本実施の形態では、ピボットフレーム24は、電動モータ12の外周に沿って前方に延出する前方アーム部65と、電動モータ12の外周に沿って後方に延出する後方アーム部61と、を備え、ピボットフレーム24は、前方アーム部65および後方アーム部61で、電動モータ12と、シート18を支持するリアフレーム22と、を支持する。
この構成によれば、電動モータ12の左右幅よりも幅狭なピボットフレーム24の剛性向上に寄与するとともに、ピボットフレーム24で他部材との接続を可能とすることができる。
【0103】
また、本実施の形態では、ピボットフレーム24は、リアクッション28の下端および上端を支持する。
この構成によれば、スイングアーム17に取り付けられるリアクッション28もピボットフレーム24に支持することで、リアクッション28のコンパクト化および精度管理に寄与する。
【0104】
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0105】
上記実施の形態では、電動車両としての前輪13と後輪16とを有する電動二輪車10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた電動の鞍乗り型車両に適用可能である。
【0106】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0107】
(構成1)スイングアームを揺動可能に支持するピボットフレームを有する車体フレームと、ピボット軸の上方に配置されるモータと、前記モータの側方に配置される減速機と、を有する電動車両において、前記ピボットフレームの左右幅は前記モータの左右幅よりも狭く、前記ピボットフレームの側方には前記減速機が配設されることを特徴とする電動車両。
この構成によれば、ピボットフレームの左右幅が、モータと減速機によって影響を受けないため、ピボットフレームを幅狭にするなどの対応が可能となる。また、ピボットフレームの側方にスペースを設け易く、このスペースを活用して減速機を設けることができる。よって、モータの側方に減速機を備える電動車両において、ピボット軸の周りのレイアウトをコンパクトにすることができる。
【0108】
(構成2)前記スイングアームは、前記ピボット軸に揺動可能に支持される左右一対のピボット部を有し、前記ピボットフレームは、前記左右一対のピボット部の間に設けられる単一の部材であることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
この構成によれば、ピボットフレームが幅狭であっても、ピボットフレームの剛性、強度を確保しやすく、コンパクトなピボットフレームとすることができる。
【0109】
(構成3)前記モータと前記減速機との接続面を通る線と、前記ピボットフレームの側面と、は離間しており、前記減速機のケースは、前記ピボットフレーム側に向かって突出する突出部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両。
この構成によれば、モータとピボットフレームとの間のスペースを減速機の配置スペースとして活用することができる。
【0110】
(構成4)前記ピボットフレームは、出力軸支持部を有し、前記出力軸支持部は、左右に貫通する孔であり、前記出力軸支持部には、出力軸が挿通され、前記出力軸には、前記減速機とは反対側にドライブプーリーが配設されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、ピボットフレームでピボット軸と出力軸が支持されるので、ピボット軸と出力軸との取り付け精度を出し易く、ピボット軸が関わるスイング系と、出力軸が関わる駆動系との組付けにおける精度管理がし易くできる。
【0111】
(構成5)前記出力軸支持部は、車両側面視で、前記ピボット軸と後輪軸とを結ぶ線上に位置することを特徴とする請求項4に記載の電動車両。
この構成によれば、ドライブプーリーに巻かれるベルトについて、沈み込み及び延び方向での周長変化を同等にできるので、ベルト駆動とする場合に好適である。
【0112】
(構成6)前記ピボットフレームは、前記モータの外周に沿って前方に延出する第一アームと、前記モータの外周に沿って後方に延出する第二アームと、を備え、前記ピボットフレームは、前記第一アームおよび前記第二アームで、前記モータと、シートを支持するリアフレームと、を支持することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、モータの左右幅よりも幅狭なピボットフレームの剛性向上に寄与するとともに、ピボットフレームで他部材との接続を可能とすることができる。
【0113】
(構成7)前記ピボットフレームは、クッションの下端および上端を支持することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、スイングアームに取り付けられるクッションもピボットフレームに支持することで、クッションのコンパクト化および精度管理に寄与する。
【符号の説明】
【0114】
10 電動二輪車(電動車両)
11 車体フレーム
12 電動モータ(モータ)
16a 後輪軸
17 スイングアーム
18 シート
22 リアフレーム
24 ピボットフレーム(他のフレーム)
26 ピボット軸
28 リアクッション(クッション)
32 減速機
61 後方アーム部(第二アーム)
63 出力軸支持部
65 前方アーム部(第一アーム)
71 ピボット部
72 ピボット部
120 減速機ケース(ケース)
120a 突出部
122 出力軸
125 ドライブプーリー
L2 線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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