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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146397
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
   B62K 11/10 20060101AFI20241004BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20241004BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B62K11/10
B62J45/00
B62M7/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059263
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和啓
(72)【発明者】
【氏名】楢▲崎▼ 康生
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AF02
3D011AF04
3D011AF05
3D011AG01
3D011AL41
(57)【要約】
【課題】モータを支持するスイングアームを備える電動車両において、スイングアームの大型化およびばね下の重量の増大を抑制しながら、モータを有するスイングアームと電動車両の機能部品の組み付け性が良好な電動車両を提供する。
【解決手段】電動車両は、車体にピボット軸(29)を介して揺動可能に支持されるスイングアーム(16)と、スイングアーム(16)に設けられて駆動輪(12)を駆動するモータ(13)と、モータ(13)に電気的に接続される電動車両の機能部品(32)と、を備える電動車両において、車体を構成する車体フレーム(11)とは別体で、車体フレーム(11)に取付可能なサブフレーム(28)を備え、サブフレーム(28)は、スイングアーム(16)を揺動可能に支持するピボット部(65b、75b)を有し、電動車両の機能部品(32)は、サブフレーム(28)に支持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体にピボット軸(29、429)を介して揺動可能に支持されるスイングアーム(16、416)と、前記スイングアーム(16、416)に設けられて駆動輪(12、412)を駆動するモータ(13、413)と、前記モータ(13、413)に電気的に接続される電動車両の機能部品(32、432)と、を備える電動車両において、
前記車体を構成する車体フレーム(11、411)とは別体で、前記車体フレーム(11、411)に取付可能なサブフレーム(28、228、328、428)を備え、
前記サブフレーム(28、228、328、428)は、前記スイングアーム(16、416)を揺動可能に支持するピボット部(65b、75b)を有し、
前記電動車両の機能部品(32、432)は、前記サブフレーム(28、228、328、428)に支持される
ことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記サブフレーム(28、228、328、428)は、上下方向に延出するベース部(61a、71a、361a、371a)を有し、
前記サブフレーム(28、228、328、428)は、前記ベース部(61a、71a、361a、371a)を前記車体フレーム(11、411)に接続する上側接続部(63、73)と下側接続部(61b、71b)との少なくとも上下2か所の接続部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記上側接続部(63、73)と前記下側接続部(61b、71b)との少なくとも一方は、車両側面視で前記ベース部(61a、71a、361a、371a)から車体前方に延出して前記車体フレーム(11、411)に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記上側接続部(63、73)は、車両側面視で、前記ベース部(61a、71a、361a、371a)の上部から車体前方に延出して前記車体フレーム(11、411)に接続され、
前記下側接続部(61b、71b)は、車両側面視で、前記ベース部(61a、71a、361a、371a)の下部から車体前方に延出して前記車体フレーム(11、411)に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の電動車両。
【請求項5】
前記サブフレーム(28、228、328、428)は、左部(60、360)および右部(70、370)を有し、
前記左部(60、360)および前記右部(70、370)は、それぞれに対応する前記ベース部(61a、71a、361a、371a)、前記上側接続部(63、73)および前記下側接続部(61b、71b)を備え、
前記サブフレーム(28、228、328、428)は、前記左部(60、360)および前記右部(70、370)の間を接続する少なくとも一つのクロス部材(55、58)を有する
ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の電動車両。
【請求項6】
前記電動車両の機能部品(32、432)は、前記左部(60、360)と前記右部(70、370)との間に配設され、車体前後方向で前記車体フレーム(11、411)と前記ベース部(61a、71a、361a、371a)との間に位置し、上下方向で前記上側接続部(63、73)と前記下側接続部(61b、71b)との間に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載の電動車両。
【請求項7】
前記電動車両の機能部品(32、432)はブラケット(90)を介して前記サブフレーム(28、228、328、428)に接続される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電動車両。
【請求項8】
前記ベース部(61a、71a、361a、371a)の上端部が接続されるクロス部材(55、58)を備え、
前記電動車両の機能部品(32、432)の端子(81)は上部に位置し、
前記電動車両の機能部品(32、432)の端子(81)に接続される配線(83、84、85)を備え、
前記配線(83、84、85)は、前記クロス部材(55、58)の上方または下方を通って前記モータ(13、413)に配索される
ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の電動車両。
【請求項9】
前記電動車両の機能部品(32、432)は、前記モータ(13、413)をコントロールする制御部材(32)である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電動車両。
【請求項10】
前記ベース部(61a、71a、361a、371a)の上端部が接続されるクロス部材(55、58)を備え、
前記クロス部材(55、58)と前記ベース部(61a、71a、361a、371a)との間に、前記ピボット部(65b、75b)を設ける
ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイングアームに駆動用のモータが支持された電動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、電動モータを備えるスイングアームに、電動車両の機能部品である電動モータの出力を制御するPDU(Power Drive Unit)が支持される構成が開示されている。特許文献1では、スイングアームに設けられる電動モータに加えてPDUを配置することで、電動車両の機能部品を備えるスイングアームの車体への組付け性が良くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5608031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、電動モータを備えるスイングアームに他の電動車両の機能部品も支持されるため、スイングアームが大型化し易く、揺動部分であるばね下の重量が増大し易いという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、モータを支持するスイングアームを備える電動車両において、スイングアームの大型化およびばね下の重量の増大を抑制しながら、モータを有するスイングアームと電動車両の機能部品の組み付け性が良好な電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電動車両は、車体にピボット軸を介して揺動可能に支持されるスイングアームと、前記スイングアームに設けられて駆動輪を駆動するモータと、前記モータに電気的に接続される電動車両の機能部品と、を備える電動車両において、前記車体を構成する車体フレームとは別体で、前記車体フレームに取付可能なサブフレームを備え、前記サブフレームは、前記スイングアームを揺動可能に支持するピボット部を有し、前記電動車両の機能部品は、前記サブフレームに支持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
モータを支持するスイングアームを備える電動車両において、スイングアームの大型化およびばね下の重量の増大を抑制しながら、モータを有するスイングアームと電動車両の機能部品の組み付け性が良好な電動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る電動車両の左側面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る電動車両の要部の斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る電動車両の要部の底面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係るサブフレームとPCUとの周辺部を示す左前方から見た斜視図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係るサブフレームとPCUとの周辺部を示す背面図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に係るサブフレームとPCUとの周辺部を示す右側面図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係るサブフレームとPCUとの周辺部を示す背面図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係るサブフレームとPCUとの周辺部を示す左前方から見た斜視図である。
図9】本発明の第3の実施の形態に係るサブフレームとPCUとの周辺部を示す背面図である。
図10】本発明の第4の実施の形態に係る電動車両の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動車両10の左側面図である。
電動車両10は、車体フレーム11と、駆動輪である後輪12を駆動する電動モータ(モータ)13と、前輪14を操舵自在に支持するフロントフォーク15と、後輪12を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える電動の自動二輪車である。
電動車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する鞍乗り型車両である。本実施の形態の電動車両10は、低床のフロア部18を有する電動スクータである。
【0010】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電動車両10の要部の斜視図である。
車体フレーム11は、前端部のヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から後ろ斜め下方に延びるダウンフレーム21と、ダウンフレーム21の下端から後方に延びるアンダーフレーム22と、アンダーフレーム22の後端から車幅方向に延びるクロスフレーム23と、クロスフレーム23の左右外端からそれぞれ後上方に延びる左右一対のサイドフレーム24と、を有する。サイドフレーム24は、クロスフレーム23から後ろ斜め上方に延びる立ち上げフレーム部25と、立ち上げフレーム部25から後方に延出するリアフレーム部26とを有する。左右一対のリアフレーム部26の後端は、テールパイプ27で連結されている。
【0011】
ダウンフレーム21の下端部には、後方に延びる左右一対のステップフレーム21aが接続される。ステップフレーム21aは、サイドフレーム24の立ち上げフレーム部25にそれぞれ接続される。左右一対の立ち上げフレーム部25の間には、立ち上げフレーム部25を前方で連結する連結フレーム25aで接続される。立ち上げフレーム部25には、車幅方向外側に延びるリアステップブラケット25bが設けられている。
【0012】
図1に示すように、ヘッドパイプ20には、左右一対のフロントフォーク15が操舵自在に取り付けられている。フロントフォーク15の上部には、操舵用ハンドル19が取り付けられている。フロントフォーク15の下端には、車軸14aを介して、前輪14が取り付けられている。
【0013】
左右のサイドフレーム24の下端部には、別体形状のサブフレーム28が取り付けられている。サブフレーム28には、左右方向(車幅方向)に延びるピボット軸29が支持される。
ピボット軸29には、前後方向に沿って延びるスイングアーム16が軸支されている。スイングアーム16は、ピボット軸29から後輪12の左側方に延びている(図2参照)。スイングアーム16の後端部は、車軸12aを介して後輪12を支持する。
【0014】
スイングアーム16には、電動モータ13が内蔵される。電動モータ13は、後輪12の左側方に位置する。よって、スイングアーム16は、スイング式のパワーユニットとして構成される。スイングアーム16の後端部と左側のリアフレーム部26との間には、リアクッション30が連結されている。
【0015】
リアフレーム部26は、乗員が着座するシート17を下側から支持する。シート17の下方には、バッテリ31が配置されている。バッテリ31は、左右一対のサイドフレーム24と、サイドフレーム24の前方の連結フレーム25aと、によって支持されている。
【0016】
バッテリ31の下方には、電子部品としてのPCU(Power Control Unit)32が支持されている。PCU32は、インバータ等を含み構成され、例えば、バッテリ31から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を電動モータ13に供給する。また、PCU32は、電動モータ13の回生時には、電動モータ13が発電した交流電力を直流電力に変換し、バッテリ31に充電する。
【0017】
車体フレーム11は、車体カバー40によって覆われる。
車体カバー40は、フロントカバー41、ハンドルカバー42、レッグシールド43、左右一対のフロアサイドカバー44、シート下カバー45及びリアサイドカバー46等を備える。
【0018】
フロントカバー41は、ヘッドパイプ20等の車体フレーム11の前端部を前方から覆う。ハンドルカバー42は、フロントカバー41の上方で、操舵用ハンドル19の左右中央部を覆う。レッグシールド43は、フロントカバー41の後部に接続され、ヘッドパイプ20及びダウンフレーム21を後方から覆う。シート下カバー45は、シート17の下方の空間を前方から覆う。
【0019】
フロアサイドカバー44は、レッグシールド43及びシート下カバー45に連結され、左右一対のステップフレーム21aと、アンダーフレーム22と、サブフレーム28と、を左右両側から覆う。リアサイドカバー46は、シート下カバー45の後縁部に接続され、サイドフレーム24やバッテリ31等を左右両側から覆う。
【0020】
フロントフォーク15には、前輪14を上方から覆うフロントフェンダ47が取り付けられている。また、リアフレーム部26には、後輪12を上方から覆うリアフェンダ48が取り付けられている。
【0021】
スイングアーム16には、メインスタンド50が支持されている。
また、クロスフレーム23の左部には、サイドスタンド51が支持されている。
【0022】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電動車両10の要部の底面図である。
車体フレーム11には、スイングアーム16を有するスイングアームユニット100が取り付けられる。スイングアームユニット100は、車体フレーム11に取り付けられるサブフレーム28と、サブフレーム28に支持されるPCU(電動車両の機能部品)32と、サブフレーム28に揺動可能に支持されるスイングアーム16と、スイングアーム16に支持された電動モータ13と、を有する。
【0023】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るサブフレーム28とPCU32との周辺部を示す左前方から見た斜視図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係るサブフレーム28とPCU32との周辺部を示す背面図である。図6は、本発明の第1の実施の形態に係るサブフレーム28とPCU32との周辺部を示す右側面図である。
サブフレーム28は、車幅方向に延在する。サブフレーム28は、車幅方向左側に設けられた左部60と、車幅方向右側に設けられた右部70と、を有する。
【0024】
左部60は、図1に示すように、上下方向に延びる縦パイプ部(ベース部)61aと、縦パイプ部61aの上端から車両側面視において前方に延びる上側接続ステー部(上側接続部)63と、縦パイプ部61aの下端から車両側面視において前方に延びる下側接続パイプ部(下側接続部)61bと、を有する。
右部70は、図6に示すように、上下方向に延びる縦パイプ部(ベース部)71aと、縦パイプ部71aの上端から車両側面視において前方に延びる上側接続ステー部(上側接続部)73と、縦パイプ部71aの下端から車両側面視において前方に延びる下側接続パイプ部71bと、を有する。
【0025】
本実施の形態では、サブフレーム28は、左右対称に構成される。すなわち、本実施の形態では、左部60と右部70とは左右対称である。また、サブフレーム28では、左部60と右部70とは一体に構成される。
【0026】
具体的には、サブフレーム28は、左右のサブフレーム28間を接続しベース部の一部をなす車幅方向(左右方向)に延びる上側クロスパイプ(クロス部材、第1のクロス部材)55を有する。図5に示すように、上側クロスパイプ55は、サブフレーム28の車幅中心線L0の左側となるパイプ左部55Lと、車幅中心線L0の右側となるパイプ右部55Rと、を有する。
【0027】
図5に示すように、パイプ左部55Lには、車幅中心線L0から車幅方向外側下方に延びる縦パイプ部61aが支持される。縦パイプ部61aは、車幅中心線L0から下方に進むに連れて車幅方向左側に傾斜する。縦パイプ部61aの下端には、前方に延びる下側接続パイプ部61bが形成される。縦パイプ部61aは、補強ステー62でパイプ左部55Lに接合される。
【0028】
パイプ左部55Lの左端部には、前側に延出する上側接続ステー部63が設けられる。上側接続ステー部63は、下側接続パイプ部61bよりも左側に設けられる。上側接続ステー部63は、断面略U字状で前方に延びる折り曲げ板状である。詳細には、上側接続ステー部63は、前方に延びる板状の側面部63aを有する。側面部63aの上端には、車幅方向内側に屈曲した板状の上面部63bが形成される。側面部63aの下端には、車幅方向内側に屈曲した板状の下面部63cが形成される。下面部63cは、上面部63bと対向するように折り曲げられる。
【0029】
上側接続ステー部63は、側面部63aの後端がパイプ左部55Lの前面に突き当てられ、上面部63b及び下面部63cが、それぞれ、パイプ左部55Lを上下から挟んだ状態で接合される。これにより、パイプ左部55Lには、前方に延出する上側接続ステー部63が設けられる。上側接続ステー部63は、車両側面視では、縦パイプ部61aの上端から前方に延出する形状である。
上面部63bには、背面視で、略L字状に曲げられた上部固定ステー64が形成されている。上部固定ステー64は、車幅方向内端で上方に屈曲する。上部固定ステー64には、車幅方向に延びる固定孔64a(図4参照)が形成される。
【0030】
パイプ左部55Lの外周部には、折り曲げ板状のガセット左部65が接合される。ガセット左部65は、パイプ左部55Lの上面に沿って左右方向に延びる上面部65aと、上面部65aの左端から下方に曲げられた左面部としてのピボット部65bと、ピボット部65bの下部前端で車幅方向外側に屈曲する左下面部65cと、を有する。上面部65aと、ピボット部65bと、左下面部65cとは、前端で、上側クロスパイプ55に接合される。
【0031】
図4図5に示すように、上面部65aの後縁は、車幅中心線L0から車幅方向外側に進むに連れて後方に湾曲する。
図1に示すように、ピボット部65bは、車両側面視では、上側クロスパイプ55から後方に突出する。ピボット部65bは、車両側面視では、後方に進むに連れて上下幅が大きくなる略扇形形状をしている。ピボット部65bの後端部には、厚み方向に延びる円筒状のピボット挿通部65dが支持される。
【0032】
パイプ左部55L、縦パイプ部61a、下側接続パイプ部61b、補強ステー62、上側接続ステー部63、ガセット左部65により、本実施の形態の左部60が構成される。なお、左部60には他の部材、形状が含まれてもよい。
【0033】
左右対称である右部70も、左部60と同様に形成される。
詳述すれば、図5に示すように、パイプ右部55Rには、車幅中心線L0から車幅方向外側下方に延びる縦パイプ部71aが支持される。縦パイプ部71aは、車幅中心線L0から下方に進むに連れて車幅方向右側に傾斜する。縦パイプ部71aの下端には、前方に延びる下側接続パイプ部71bが形成される。縦パイプ部71aは、補強ステー72でパイプ右部55Rに接合される。
【0034】
パイプ右部55Rの右端部には、前側に延出する上側接続ステー部73が設けられる。上側接続ステー部73は、下側接続パイプ部71bよりも右側に設けられる。上側接続ステー部73は、断面略U字状で前方に延びる折り曲げ板状である。詳細には、上側接続ステー部73は、前方に延びる板状の側面部73aを有する。側面部73aの上端には、車幅方向内側に屈曲した板状の上面部73bが形成される。側面部73aの下端には、車幅方向内側に屈曲した板状の下面部73cが形成される。下面部73cは、上面部73bと対向するように折り曲げられる。
【0035】
上側接続ステー部73は、側面部73aの後端がパイプ右部55Rの前面に突き当てられ、上面部73b及び下面部73cが、それぞれ、パイプ右部55Rを上下から挟んだ状態で接合される。これにより、パイプ右部55Rには、前方に延出する上側接続ステー部73が設けられる。上側接続ステー部73は、車両側面視では、縦パイプ部71aの上端から前方に延出する形状である。
上面部73bには、背面視で、略L字状に曲げられた上部固定ステー74が形成されている。上部固定ステー74は、車幅方向内端で上方に屈曲する。上部固定ステー74には、車幅方向に延びる固定孔74aが形成される(図6参照)。
【0036】
パイプ右部55Rの外周部には、折り曲げ板状のガセット右部75が接合される。ガセット右部75は、パイプ右部55Rの上面に沿って左右方向に延びる上面部75aと、上面部75aの右端から下方に曲げられた右面部としてのピボット部75bと、ピボット部75bの下部前端で車幅方向外側に屈曲する右下面部75cと、を有する。上面部75aと、ピボット部75bと、右下面部75cとは、前端で、上側クロスパイプ55に接合される。
【0037】
図4図5に示すように、上面部75aの後縁は、車幅中心線L0から車幅方向外側に進むに連れて後方に湾曲する。
図6に示すように、ピボット部75bは、車両側面視では、上側クロスパイプ55から後方に突出する。ピボット部75bは、車両側面視では、後方に進むに連れて上下幅が大きくなる略扇形形状をしている。ピボット部75bの後端部には、厚み方向に延びる円筒状のピボット挿通部75dが支持される。
【0038】
パイプ右部55R、縦パイプ部71a、下側接続パイプ部71b、補強ステー72、上側接続ステー部73、ガセット右部75により、本実施の形態の右部70が構成される。なお、右部70には他の部材、形状が含まれてもよい。
【0039】
ここで、左部60の縦パイプ部61aと、右部70の縦パイプ部71aとは、先端側で上側クロスパイプ55に沿うように湾曲して互いに接続される。
すなわち、本実施の形態では、左部60の縦パイプ部61aと、右部70の縦パイプ部71aとは一体のパイプ形状である。左部60の縦パイプ部61aおよび下側接続パイプ部61bと、右部70の縦パイプ部71aおよび下側接続パイプ部71bとは、曲げ加工された一体のパイプ材56の一部形状で構成される。
【0040】
また、左部60のガセット左部65と、右部70のガセット右部75とは、車幅方向に互いに接続される。
すなわち、本実施の形態では、左部60のガセット右部75と、右部70のガセット右部75とは、一体の曲げ板形状である。左部60のガセット左部65と、右部70のガセット右部75とは、曲げ加工された一体のピボットガセット57で構成される。ピボットガセット57には、ガセット左部65の上面部65aの後端と、ガセット右部75の上面部75aの後端とにより、前方に凹んだ湾曲部57a(図4参照)が形成される。
【0041】
左部60の下側接続パイプ部61bの前端部と、右部70の下側接続パイプ部71bとの前端部との間には、車幅方向に延びる下側クロスパイプ(クロス部材、第2のクロス部材)58が固定される。これにより、長手形状を有する下側接続パイプ部61b、71bは補強される。下側クロスパイプ58の車幅方向中央部には、下部固定ステー59が設けられる(図4参照)。下部固定ステー59には、上下方向に貫通する貫通孔59a(図4参照)が形成される。
【0042】
図4図6に示すように、サブフレーム28では、縦パイプ部61a、71aと、上側接続ステー部63、73と、下側接続パイプ部61b、71bとにより、車両側面視で、前方が開放された略U字状の空間が形成される。また、サブフレーム28では、左右の上側接続ステー部63、73と下側接続パイプ部61b、71bとにより、車体正面視で、左右方向に挟まれた空間が形成される。すなわち、サブフレーム28では、縦パイプ部61a、71aと、上側接続ステー部63、73と、下側接続パイプ部61b、71bとにより、前方が開放された電装配置スペースS(図4参照)が構成される。
【0043】
本実施の形態では、電装配置スペースSには、電動車両の機能部品の一例としてのPCU32が配置される。PCU32は、図示しない電子機器であるPCU本体部と、PCU本体部を収容する直方体状のケーシング80と、ケーシング80の上面に設けられた電力端子部(端子)81と、ケーシング80の右側面に設けられた通信端子部82とを有する。ケーシング80には、図5に示す背面視で、矩形状の四隅に対応する位置に円筒状の締結部80a、80b(図5参照)が形成されている。締結部80a、80bは前後方向に延びる。締結部80a、80bには締結部材が締結されることにより、PCU32がサブフレーム28に固定される。
【0044】
詳細には、PCU32のケーシング80は、ブラケット90を介してサブフレーム28に固定される。
図4に示すように、ブラケット90は、板状のベース面91を有する。ベース面91は、正面視で、略台形状に形成される。ベース面91には、厚み方向に貫通する適宜の肉抜き孔91aが形成される。肉抜き孔91aにより、PCU32のケーシング80がブラケット90の前方に露出する。肉抜き孔91aにより、PCU32には、外部の空気が接触してPCU32が放熱され易くなっている。ベース面91の四隅には、前後方向に貫通する締結孔91b、91cが形成される。四隅の締結孔91b、91cには、それぞれ、前方から締結部材が挿通される。この締結部材は、PCU32のケーシング80の四つの締結部80a、80bにそれぞれ締結される。下側の締結部80bは、下側クロスパイプ58よりも下方に位置し、下側クロスパイプ58よりも下方で前方から締結される。このようにして、PCU32がブラケット90に固定される。
【0045】
ブラケット90の上端部において、ベース面91の左側には、後方に折れ曲がった形状の左固定部92が形成される。左固定部92は、サブフレーム28の左部60の上部固定ステー64に固定される。上部固定ステー64には、左側から締結部材が挿通される。
ブラケット90の上端部において、ベース面91の右側には、後方に折れ曲がった形状の右固定部93が形成される。右固定部93は、サブフレーム28の右部70の上部固定ステー74に固定される。上部固定ステー74には、右側から締結部材が挿通される。
ブラケット90の下端部において、ベース面91の車幅方向中央部には、言わば、切り起こし状に前方に折れ曲がった屈曲固定部94が形成される。屈曲固定部94は、サブフレーム28の下部固定ステー59に固定される。下部固定ステー59には、上方から締結部材が挿通される。
【0046】
ブラケット90は、上部では、左右方向に締結される。また、ブラケット90は、下部では、上下方向に締結される。ブラケット90は、左右方向と上下方向との複数の方向に締結されることにより、サブフレーム28にしっかりと固定され易くなっている。ブラケット90は、計三か所でサブフレーム28に固定される。これにより、ブラケット90を介して、PCU32がサブフレーム28に固定される。
【0047】
PCU32は、前後方向では、ブラケット90とサブフレーム28のベース部(縦パイプ部61a、71a)とで挟まれ、且つ、左右方向では、サブフレーム28の左右の上側接続ステー部63、73と下側接続パイプ部61b、71bとで挟まれた位置で、サブフレーム28に固定される。PCU32が、ブラケット90を介してサブフレーム28に固定されることにより、ブラケット90の仕様、形状を変えるだけで、他の形状のPCU32を装着できる。また、サブフレーム28に加わる外力をブラケット90で吸収し易くできるため、PCU32に外力が伝達されることを抑制できる。
【0048】
PCU32の電力端子部81は、図4に示すように、U相、V相、W相に応じた三相交流端子81a、81b、81cや、直流電力端子81d、81eを有する。三相交流端子81a、81b、81cには、三相交流の高圧配線(配線)83、84、85が接続される。高圧配線83~85は、上側クロスパイプ55にガイドされながら上側クロスパイプ55の上方を通って後方のピボットガセット57に配索される。高圧配線83~85は、ピボットガセット57では、湾曲部57aで下方に曲がりながらサブフレーム28の背面に配索される。サブフレーム28の背面には、折り曲げ棒状の係合バー28aが設けられており、高圧配線83~85は係合バー28bに引っかけられて保持される。高圧配線83~85の先端(後端)には、コネクタ86が設けられている(図5参照)。コネクタ86は、スイングアーム16に支持された電動モータ13に接続される。
【0049】
図2図3に示すように、スイングアーム16は、サブフレーム28に揺動可能に支持される。
スイングアーム16は、後輪12を支持するスイングアーム本体110と、スイングアーム本体110の車幅方向外側に取り付けられるスイングアームカバー111と、を有する。スイングアーム本体110は、後輪12の前方では左右に延在し、その後部では、後輪12の左側を前後に延びる。スイングアーム本体110は、車幅方向外側が開放された形状を有する。スイングアーム本体110には、電動モータ13や、電動モータ13の動力を後輪12に伝達する動力伝達機構(不図示)が収容される。スイングアーム本体110は、スイングアームカバー111により車幅方向外側から閉塞される。
【0050】
図3に示すように、スイングアーム本体110は、後輪12の前方では、電動車両10の車幅方向の車幅中心線L1を跨ぐように左右方向に延在する。スイングアーム本体110の前端部には、左右一対のピボット接続部110a、110bが形成される。ピボット接続部110a、110bは、サブフレーム28のピボット挿通部65d、75dの間に配置される。そして、スイングアーム16のピボット接続部110a、110bおよびサブフレーム28のピボット挿通部65d、75dには、一本のピボット軸29が挿通される。これにより、スイングアーム16がピボット軸29を介してサブフレーム28に揺動可能に支持される。
【0051】
スイングアーム本体110の後部には、電動モータ13が収容される。電動モータ13は、後輪12の側部に配置される。すなわち、本実施の形態では、電動モータ13は、いわゆる、ホイールサイドモータである。電動モータ13には、PCU32から延びる高圧配線83~85が接続される。高圧配線83~85は、スイングアーム本体110の前端部に形成された開口110cからスイングアーム本体110の内部に導入されて、高圧配線83~85のコネクタ86が電動モータ13に接続される。PCU32は、電動モータ13に交流電力を供給して電動モータ13を制御する。
【0052】
サブフレーム28と、スイングアーム16と、電動モータ13と、PCU32となどにより、本実施の形態のスイングアームユニット100が構成される。
スイングアームユニット100は、車体フレーム11に取り付けられる。本実施の形態では、左右のサイドフレーム24の立ち上げフレーム部25に、スイングアームユニット100が取り付けられる。
【0053】
具体的には、サブフレーム28は、上側接続ステー部63、73が、立ち上げフレーム部25の車幅方向外側に配置され、下側接続パイプ部61b、71bの下側クロスパイプ58が、立ち上げフレーム部25の車幅方向内側に配置される。
【0054】
そして、左部60の上側接続ステー部63は、左側の立ち上げフレーム部25の車幅方向外面に当接された状態で、左右方向に延びる接続部材により、左側の立ち上げフレーム部25の車幅方向外面に固定される。
また、右部70の上側接続ステー部73は、右側の立ち上げフレーム部25の車幅方向外面に当接された状態で、左右方向に延びる接続部材により、右側の立ち上げフレーム部25の車幅方向外面に固定される。
さらに、下側接続パイプ部61b、71bの下側クロスパイプ58には、左右方向に延びる接続部材が挿通され、左右の立ち上げフレーム部25の内側に接続される。
よって、スイングアーム16を回動可能に支持するサブフレーム28は、左右方向に延びる3つの接続部材により、車体フレーム11に取り付けられる。
【0055】
ここで、スイングアームユニット100では、車体フレーム11に取り付ける前に、電動モータ13とPCU32間の高圧配線83~85などの配線を予め接続することが可能である。よって、電動モータを備えるスイングアームを車体に取り付けた後に電動モータとPCUの配線を接続する場合に比べて、車体フレーム11などがない状況で配線の接続作業ができるため、容易に配線を接続し易くなっている。
【0056】
スイングアームユニット100のサブフレーム28が車体フレーム11に取り付けられると、スイングアームユニット100の後端部には、上方から延びるリアクッション30が接続される。また、車体フレーム11の図示しないECU(Electronic Control Unit)から延びる通信線のコネクタは、サブフレーム28の右側から、PCU32の通信端子部82(図6参照)に接続される。通信端子部82は、図6に示すように、右部70において、ブラケット90と、縦パイプ部71aと、上側接続ステー部73と、下側接続パイプ部71bとの間から右方向に露出しており、通信線のコネクタの接続作業が容易になっている。
本実施の形態では、電動車両10の組み立て作業が容易になっている。
【0057】
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、車体にピボット軸29を介して揺動可能に支持されるスイングアーム16と、スイングアーム16に設けられて後輪12を駆動する電動モータ13と、電動モータ13に電気的に接続される電動車両の機能部品32と、を備える電動車両10において、車体を構成する車体フレーム11とは別体で、車体フレーム11に取付可能なサブフレーム28を備え、サブフレーム28は、スイングアーム16を揺動可能に支持するピボット部65b、75bとを有し、電動車両の機能部品32は、サブフレーム28に支持される。
【0058】
この構成によれば、サブフレーム28に、電動モータ13を支持するスイングアーム16と、電動モータ13に電気的に接続される電動車両の機能部品32とを支持させることにより、スイングアーム16や電動車両の機能部品32などをユニット化して予め組み立てる構成とすることができる。よって、電動モータ13と電動車両の機能部品32との間の配線を接続した後に、電動モータ13が設けられたスイングアーム16を車体に取り付け可能となり、電動モータ13と電動車両の機能部品32との組み付け性を向上させることができる。また、スイングアーム16に、電動車両の機能部品32を設けないので、スイングアーム16の揺動重量を軽量化できる。
したがって、電動モータ13を支持するスイングアーム16を備える電動車両10において、スイングアーム16の大型化および、スイングアーム16と共に揺動する部分であるばね下の重量の増大を抑制しながら、電動モータ13を有するスイングアーム16と電動車両の機能部品32の組み付け性が良好な電動車両10を提供することができる。
【0059】
本実施の形態では、サブフレーム28は、上下方向に延出する縦パイプ部61a、71aを有し、サブフレーム28は、縦パイプ部61a、71aを車体フレーム11に接続する上側接続ステー部63、73と下側接続パイプ部61b、71bとの少なくとも上下2か所の接続部を有する。
この構成によれば、サブフレーム28が上下方向に延出する縦パイプ部61a、71aを有することで電動車両の機能部品32を縦パイプ部61a、71aが形成する上下方向の空間に支持させ易くできる。また、サブフレーム28を上下二箇所で支持するので剛性を持ってスイングアーム16を支持することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、上側接続ステー部63、73は、車両側面視で、縦パイプ部61a、71aの上部から車体前方に延出して車体フレーム11に接続され、下側接続パイプ部61b、71bは、車両側面視で、縦パイプ部61a、71aの下部から車体前方に延出して下側クロスパイプ58を介して車体フレーム11に接続される。
この構成によれば、上側接続ステー部63、73と下側接続パイプ部61b、71bとを前方に延出させて車体フレーム11と接続させることで、縦パイプ部61a、71aと車体フレーム11との間に前後方向の空間を設けることができ、電動車両の機能部品32をその空間に収容し易くできる。
【0061】
また、本実施の形態では、サブフレーム28は、左部60および右部70を有し、左部60および右部70は、それぞれに対応する縦パイプ部61a、71a、上側接続ステー部63、73および下側接続パイプ部61b、71bを備え、サブフレーム28は、左部60および右部70の間を接続する上側クロスパイプ55と下側クロスパイプ58とを有する。
この構成によれば、左右一対の形状を有するサブフレーム28とすることで左右方向での空間を形成することができ、その空間に電動車両の機能部品32を収容し易くすることができる。また、上側クロスパイプ55と下側クロスパイプ58とによってサブフレーム28の強度を、より向上させることができる。
【0062】
また、本実施の形態では、電動車両の機能部品32は、左部60と右部70との間に配設され、車体前後方向で車体フレーム11と縦パイプ部61a、71aとの間に位置し、上下方向で上側接続ステー部63、73と下側接続パイプ部61b、71bとの間に位置する。
この構成によれば、電動車両の機能部品32がサブフレーム28が成す空間内に配置されることで、電動車両の機能部品32の配置をコンパクトな配置としつつ、電動車両の機能部品32をサブフレーム28によって強度を持って支持することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、電動車両の機能部品32はブラケット90を介してサブフレーム28に接続される。
この構成によれば、ブラケット90を介して電動車両の機能部品32をサブフレーム28に取り付けるので、電動車両の機能部品32の取り付け自由度を高めることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、縦パイプ部61a、71aの上端部が接続される上側クロスパイプ55を備え、電動車両の機能部品32の電力端子部81は上部に位置し、電動車両の機能部品32の電力端子部81に接続される配線83~85を備え、配線83~85は、上側クロスパイプ55の上方を通って電動モータ13に配索される。
この構成によれば、配線83~85の取り回しをし易く、上側クロスパイプ55を配線83~85のガイドとして利用することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、電動車両の機能部品32は、電動モータ13に高圧電力を供給するPCU32である。
この構成によれば、電動モータ13とPCU32との間の高圧配線83~85を接続した後に、電動モータ13が設けられたスイングアーム16を車体に取り付け可能となる。このため、PCU32から延びる太くて剛性が大きくなり易い高圧配線83~85を車体フレーム11の影響を受けずに接続することが可能であり、電動モータ13とPCU32との組み付け性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施の形態では、縦パイプ部61a、71aの上端部が接続される上側クロスパイプ55を備え、上側クロスパイプ55と縦パイプ部61a、71aとの間に、ピボット部65b、75bを有するピボットガセット57を設ける。
この構成によれば、サブフレーム28の更なる強度向上をしつつ、サブフレーム28によってスイングアーム16を支持することができる。
【0067】
[第2の実施の形態]
本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0068】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るサブフレーム228とPCU32との周辺部を示す背面図である。
第2の実施の形態のサブフレーム228では、第1の実施の形態のサブフレーム28の上部固定ステー64、74に代えて、上部固定ステー264、274を有する点が第1の実施の形態とは異なる。第2の実施の形態の上部固定ステー264、274は、第1の実施の形態の上部固定ステー64、74よりも前方に形成されている。これにより、第2の実施の形態のサブフレーム228では、PCU32が、上側クロスパイプ55から前方に離間し、上側クロスパイプ55とPCU32との間に広い空間が形成され易い。
【0069】
第2の実施の形態では、この上側クロスパイプ55とPCU32との間の空間に、PCU32から延びる高圧配線83~85が上方から通される。上方から通された高圧配線83~85は、上側クロスパイプ55にガイドされながら上側クロスパイプ55の下方を通って上側クロスパイプ55の後方に配索される。上側クロスパイプ55の後方に配索された高圧配線83~85は係合バー28aに保持されて後方に配索される。このようにして、第2の実施の形態では、高圧配線83~85が後方に配索され、高圧配線83~85のコネクタ86が電動モータ13に接続される。
【0070】
第2の実施の形態では、高圧配線83~85が上側クロスパイプ55の下方を通されるように構成される点以外は、第1の実施の形態と同様である。よって、本発明を適用した第2の実施の形態でも、スイングアーム16に電動モータ13が支持される電動車両10において、ばね下の重量の増大を抑制しながら、電動モータ13への配線の接続が容易であり、電動モータ13やスイングアーム16の組み付け性が良好な電動車両10を提供することができる。
【0071】
特に、本実施の形態では、縦パイプ部61a、71aの上端部が接続される上側クロスパイプ55を備え、PCU32の電力端子部81は上部に位置し、PCU32の電力端子部81に接続される高圧配線83~85を備え、高圧配線83~85は、上側クロスパイプ55の下方を通って電動モータ13に配索される。
この構成によれば、高圧配線83~85の取り回しをし易く、上側クロスパイプ55を高圧配線83~85のガイドとして利用することができる。
【0072】
[第3の実施の形態]
本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1又は第2の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0073】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るサブフレーム328とPCU32との周辺部を示す左前方から見た斜視図である。図9は、本発明の第3の実施の形態に係るサブフレーム328とPCU32との周辺部を示す背面図である。
第3の実施の形態に係るサブフレーム328では、第1の実施の形態のサブフレーム28の縦パイプ部61a、71a、補強ステー62、72に代えて、縦パイプ部361a、371a、ガセット362、372を有する点が、第1の実施の形態とは異なる。
【0074】
すなわち、図9に示すように、パイプ左部55L、パイプ右部55Rのそれぞれには、下側接続パイプ部61b、71bの後端から上方に延びる縦パイプ部361a、371aが接続される。左右の縦パイプ部361a、371aは、それぞれ、上方に進むに連れて車幅方向外側に直線状に延びる。縦パイプ部361a、371aの上端は、それぞれ、パイプ左部55L、パイプ右部55Rに接続される。縦パイプ部361a、371aの上端はガセット362、363で補強されてパイプ左部55L、パイプ右部55Rにそれぞれ固定される。
【0075】
本実施の形態では、左部360の縦パイプ部361aと下側接続パイプ部61bとは一体のパイプ材356Rの一部形状である。また、本実施の形態では、右部370の縦パイプ部371aと下側接続パイプ部71bとは一体のパイプ材356Lの一部形状である。パイプ材356Rとパイプ材356Lとは、別体である。
すなわち、第1の実施の形態では、左部60の縦パイプ部61aと下側接続パイプ部61bと、右部70の縦パイプ部71aと下側接続パイプ部71bとは、一体のパイプ材56の一部形状であった。これに対して、第3の実施の形態では、左部360の縦パイプ部361aと下側接続パイプ部61bと、右部370の縦パイプ部371aと下側接続パイプ部71bとは、分離された別体の形状として構成される。
【0076】
第3の実施の形態では、左部360の縦パイプ部361aと下側接続パイプ部61bと、右部370の縦パイプ部371aと下側接続パイプ部71bとが別体である点以外は、第1の実施の形態と同様である。よって、本発明を適用した第3の実施の形態でも、スイングアーム16に電動モータ13が支持される電動車両10において、ばね下の重量の増大を抑制しながら、電動モータ13への配線の接続が容易であり、電動モータ13やスイングアーム16の組み付け性が良好な電動車両10を提供することができる。
【0077】
[第4の実施の形態]
本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1乃至第3の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0078】
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る電動車両410の左側面図である。
第4の実施の形態における電動車両410は、第1乃至第3の実施の形態における電動車両10とは車種が異なる。これに応じて、電動車両410は、第1の実施の形態における電動車両10とは、車体フレーム411や車体カバー440が異なる。ここで、電動車両410の構成に関して、第1の実施の形態における電動車両10に対応する構成については、車体フレーム411と車体カバー440と以外に関しては、第1の実施の形態の符号の三桁目に「4」をつけることで、その説明を省略する。
【0079】
電動車両410の車体フレーム411は、前端部のヘッドパイプ420と、ヘッドパイプ420の上部から後ろ斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム421と、メインフレーム421よりも急傾斜でメインフレーム421の前端部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム422と、メインフレーム421の後端部から下方に延びる左右一対のセンターフレーム423と、センターフレーム423から後上方に延びる左右一対のシートフレーム424と、を有する。車両側面視で、メインフレーム421と、ダウンフレーム422と、センターフレーム423とに囲まれた空間には、バッテリ431が配置される。バッテリ431は、車体フレーム411に支持される。
【0080】
センターフレーム423には、後方からスイングアームユニット400のサブフレーム428が取り付けられる。よって、本実施の形態でも、スイングアームユニット400のスイングアーム416が車体フレーム411に揺動可能に支持される。スイングアーム416は、左側のシートフレーム424から下方に延びるリアクッション430に接続される。サブフレーム428は車体カバー440で覆われる。
【0081】
第4の実施の形態の電動車両410においても、スイングアームユニット400が車体フレーム411に取り付けられる点は、第1の実施の形態と同様である。よって、本発明を適用した第4の実施の形態でも、スイングアーム416に電動モータ413が支持される電動車両410において、ばね下の重量の増大を抑制しながら、電動モータ413への配線の接続が容易であり、電動モータ413やスイングアーム416の組み付け性が良好な電動車両410を提供することができる。
【0082】
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0083】
上記実施の形態のサブフレーム28、228、328、428では、上側接続ステー部63、73と縦パイプ部61a、71aとは上側クロスパイプ55を介して接続される構成を説明したが、これに限定されない。例えば、縦パイプ部61a、71aの上端が更に延びて前方に折り曲げられ、縦パイプ部61a、71aの上端部分が、車両側面視で前方に延出する上側接続部を構成してもよい。
【0084】
上記実施の形態のサブフレーム28~428では、縦パイプ部61a、71aの上下には、それぞれ、前方に延出する上側接続ステー部63、73と、下側接続パイプ部61b、71bと、が設けられる構成を説明したが、サブフレーム28~428の構成は、これに限定されない。例えば、縦パイプ部61a、71aの上下に設けられる上側接続ステー部63、73や下側接続パイプ部61b、71bの一方が、省略された構成でもよい。換言すれば、上側接続部と下側接続部との少なくとも一方は、車両側面視でベース部61a、71a、361a、371aから車体前方に延出して車体フレーム11、411に接続される構成でもよい。この場合には、サブフレームにより、車両側面視で略三角形状の空間を形成できる。また、斜めに傾斜する車体フレームに、サブフレームを、ベース部を上下方向に延ばした姿勢で取り付け易い。
【0085】
上記実施の形態のサブフレーム28~428では、上側クロスパイプ55と下側クロスパイプ58とを有する構成を説明したがこれに限定されない。上側クロスパイプ55や下側クロスパイプ58はいずれか一つで左部60、360と右部70、370と一体に接続する構成にしてもよい。また、サブフレーム28~428では、上側クロスパイプ55と下側クロスパイプ58とに加えて、さらに、車幅方向に延びるクロス部材を備え、3つ以上のクロス部材を備えてもよい。さらに、クロス部材は、ベース部の上端、下端に限定されず、ベース部の長手方向中途部に設けられてもよい。
【0086】
上記実施の形態のサブフレーム28~428では、左部60と右部70とは左右対称の構成を例示したが、左右非対称の構成でもよい。
【0087】
上記実施の形態のサブフレーム28~428では、左部60、360と右部70、370とは、上側クロスパイプ55と下側クロスパイプ58以外は、左右に分離した構成を例示したが、これに限定されず、左部60、360と右部70、370とは、上側クロスパイプ55と下側クロスパイプ58以外も、分離構造ではなくてもよい。例えば、左右の縦パイプ部61a、71aに代えて、一枚の板材で左部、右部における一体形状のベース部を構成してもよい。また、上側接続ステー部63、73に代えて、一枚の板材で左部、右部における一体形状の上側接続部を構成してもよい。さらに、下側接続パイプ部61b、71bに代えて、一枚の板材で、左部、右部における一体形状の下側接続部を構成してもよい。よって、例えば、一枚の板材を車両側面視で折り曲げた形状により、ベース部と上側接続部と下側接続部とを一体形状に構成してもよい。
【0088】
すなわち、上述の通り、サブフレームは、上下方向に延出する成分(ベース部)と、前方に延出する上下の取り付け部を有する構造であれば、左右一対の形状でも、左右一体の形状でもよい。
【0089】
上記実施の形態のサブフレーム28~428では、上側クロスパイプ55とベース部61a、71a、361a、371aとの間にピボット挿通部65d、75dが設けられる構成として、上側クロスパイプ55とベース部61a、71a、361a、371aとの間に設けられたピボットガセット57に設けられる構成を説明したが、ピボット挿通部65d、75dは、補強部材に設けられなくてもよい。すなわち、ピボット挿通部65d、75dは、上側クロスパイプ55とベース部61a、71a、361a、371aとの間の位置に補強部材とは別に設けてもよい。
【0090】
上記第4の実施の形態では、車体フレーム411は、ヘッドパイプ420と、メインフレーム421と、ダウンフレーム422と、センターフレーム423と、シートフレーム424と、を有する構成を説明したが、車体フレーム411の構成はこれに限定されない。例えば、車体フレーム411は、ダウンフレーム422とメインフレーム421とに跨って支持されてバッテリ431を収容するフレーム相当のバッテリケースなどを含んでも良い。すなわち、スイングアームユニット400のサブフレーム428がセンターフレーム423に取り付けられる構成を説明したが、スイングアームユニット400のサブフレーム428がバッテリケースなどに取り付けられてもよい。
【0091】
上記実施の形態では、スイングアーム16、416に電動モータ13、413が支持される構成として、後輪12、412の側方に電動モータ13、413が配置され、電動モータ13、413から動力伝達部材としての減速機構を介して後輪12、412に動力が伝達されるホイールサイドモータの構成を例示したが、スイングアーム16、416に電動モータ13、413が支持させる構成は、このホイールサイドモータの構成に限定されない。例えば、電動モータ13は後輪12、413のホイールの真横に配置され、電動モータ13、413の駆動軸と、後輪軸を同一として、減速機構を設けない構成でもよい。また、後輪12、412のホイールに電動モータ13、413が収容された構成、いわゆる、インホイールモータの構成により、スイングアーム16、416に電動モータ13、413が支持されてもよい。
【0092】
上記実施の形態では、サブフレーム28~428に支持される電動車両の機能部品として、PCU32を例示したが、PCU32に代えて、バッテリやバッテリ充電用のオンボードチャージャなど、内燃機関の車両には不要であるが電動車両10、410に特有の機能部品を支持させてもよい。また、電動車両の機能部品として、PCU32を例示したが、PCU32に代えて、電動モータ13をコントロールする制御部材、例えば、PDUやECUを支持させてもよい。
【0093】
上記実施の形態では、電動車両10として前輪14と後輪12とを有する鞍乗り型の自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型の電動車両や4輪以上を備えた鞍乗り型の電動車両に適用可能である。
【0094】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0095】
(構成1)車体にピボット軸を介して揺動可能に支持されるスイングアームと、前記スイングアームに設けられて駆動輪を駆動するモータと、前記モータに電気的に接続される電動車両の機能部品と、を備える電動車両において、前記車体を構成する車体フレームとは別体で、前記車体フレームに取付可能なサブフレームを備え、前記サブフレームは、前記スイングアームを揺動可能に支持するピボット部を有し、前記電動車両の機能部品は、前記サブフレームに支持されることを特徴とする電動車両。
この構成によれば、サブフレームに、モータを支持するスイングアームと、モータに電気的に接続される電動車両の機能部品と、を支持させることにより、スイングアームや電動車両の機能部品などをユニット化して予め組み立てる構成とすることができる。よって、モータと電動車両の機能部品との間の配線を接続した後に、モータが設けられたスイングアームを車体に取り付け可能となり、モータと電動車両の機能部品との組み付け性を向上させることができる。また、スイングアームに、電動車両の機能部品を設けないので、スイングアームの揺動重量を軽量化できる。
したがって、モータを支持するスイングアームを備える電動車両において、スイングアームの大型化およびばね下の重量の増大を抑制しながら、モータを有するスイングアームと電動車両の機能部品の組み付け性が良好な電動車両を提供することができる。
【0096】
(構成2)前記サブフレームは、上下方向に延出するベース部を有し、前記サブフレームは、前記ベース部を前記車体フレームに接続する上側接続部と下側接続部との少なくとも上下2か所の接続部を有することを特徴とする構成1に記載の電動車両。
この構成によれば、サブフレームが上下方向に延出するベース部を有することで電動車両の機能部品をベース部が形成する空間に支持させ易くできる。また、サブフレームを上下二箇所で支持するので剛性を持ってスイングアームを支持することができる。
【0097】
(構成3)前記上側接続部と前記下側接続部との少なくとも一方は、車両側面視で前記ベース部から車体前方に延出して前記車体フレームに接続されることを特徴とする構成2に記載の電動車両。
この構成によれば、上側接続部と下側接続部との少なくとも一方を前方に延出させて車体フレームと接続させることで、ベース部と車体フレームとの間に空間を設けることができ、電動車両の機能部品をその空間に収容し易くできる。
【0098】
(構成4)前記上側接続部は、車両側面視で、前記ベース部の上部から車体前方に延出して前記車体フレームに接続され、前記下側接続部は、車両側面視で、前記ベース部の下部から車体前方に延出して前記車体フレームに接続されることを特徴とする構成3に記載の電動車両。
この構成によれば、上側接続部と下側接続部とを前方に延出させて車体フレームと接続させることで、ベース部と車体フレームとの間に空間を設けることができ、電動車両の機能部品をその空間に収容し易くできる。
【0099】
(構成5)前記サブフレームは、左部および右部を有し、前記左部および前記右部は、それぞれに対応する前記ベース部、前記上側接続部および前記下側接続部を備え、前記サブフレームは、前記左部および前記右部の間を接続する少なくとも一つのクロス部材を有することを特徴とする構成2から4のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、左右一対の形状を有するサブフレームとすることで左右方向での空間を形成することができ、その空間に電動車両の機能部品を収容し易くすることができる。また、クロス部材によってサブフレームの強度を、より向上させることができる。
【0100】
(構成6)前記電動車両の機能部品は、前記左部と前記右部との間に配設され、車体前後方向で前記車体フレームと前記ベース部との間に位置し、上下方向で前記上側接続部と前記下側接続部との間に位置することを特徴とする構成5に記載の電動車両。
この構成によれば、電動車両の機能部品が、サブフレームが成す空間内に配置されることで、電動車両の機能部品の配置をコンパクトな配置としつつ、電動車両の機能部品を、サブフレームによって強度を持って支持することができる。
【0101】
(構成7)前記電動車両の機能部品はブラケットを介して前記サブフレームに接続されることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、ブラケットを介して電動車両の機能部品をサブフレームに取り付けるので、電動車両の機能部品の取り付け自由度を高めることができる。
【0102】
(構成8)前記ベース部の上端部が接続されるクロス部材を備え、前記電動車両の機能部品の端子は上部に位置し、前記電動車両の機能部品の端子に接続される配線を備え、前記配線は、前記クロス部材の上方または下方を通って前記モータに配索されることを特徴とする構成2から6のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、配線の取り回しをし易く、クロス部材を配線のガイドとして利用することができる。
【0103】
(構成9)前記電動車両の機能部品は、前記モータをコントロールする制御部材であることを特徴とする構成1から8のいずれかに記載の電動車両。
この構成によれば、モータと制御部材との間の配線を接続した後に、モータが設けられたスイングアームを車体に取り付け可能となる。特に、制御部材がモータをコントロールするPCUである場合には、PCUから延びる太くて剛性が大きくなり易い配線を車体フレームの影響を受けずに接続することが可能であり、モータとPCUとの組み付け性を向上させることができる。
【0104】
(構成10)前記ベース部の上端部が接続されるクロス部材を備え、前記クロス部材と前記ベース部との間に、前記ピボット部を設けることを特徴とする構成2から6いずれか、または8に記載の電動車両。
この構成によれば、サブフレームの更なる強度向上をしつつ、サブフレームによってスイングアームを支持することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 電動車両
11 車体フレーム
12 後輪(駆動輪)
13 電動モータ(モータ)
16 スイングアーム
28 サブフレーム
29 ピボット軸
32 PCU(電動車両の機能部品、制御部材)
55 上側クロスパイプ(クロス部材)
57 ピボットガセット
58 下側クロスパイプ(クロス部材)
60 左部
61a 縦パイプ部(ベース部)
61b 下側接続パイプ部(下側接続部)
63 上側接続ステー部(上側接続部)
65b 左面部(ピボット部)
71a 縦パイプ部(ベース部)
71b 下側パイプ部(下側接続部)
73 上側接続ステー部(上側接続部)
75b 右面部(ピボット部)
70 右部
55 クロス部材
58 クロス部材
81 電力端子部(端子)
83 高圧配線(配線)
84 高圧配線(配線)
85 高圧配線(配線)
90 ブラケット
360 左部
361a 縦パイプ部(ベース部)
370 右部
371a 縦パイプ部(ベース部)
410 電動車両
411 車体フレーム
412 後輪(駆動輪)
413 電動モータ(モータ)
416 スイングアーム
428 サブフレーム
429 ピボット軸
432 PCU(電動車両の機能部品、制御部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10