(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146403
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059269
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 憲児
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ・アンナーセル
(72)【発明者】
【氏名】アブラー・サイード・アルアモウディ
(72)【発明者】
【氏名】アブドラティフ・アブドラー・アンナージム
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】ユーザの保全作業の効率を向上させること。
【解決手段】情報処理方法は、コンピュータが、不具合に関する不具合情報を取得し、不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する処理を実行することを特徴とする。また、情報処理方法は、コンピュータが、類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、過去の不具合に関する過去情報、及び、類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、処理を実行することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
不具合に関する不具合情報を取得し、
前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定し、
前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、
前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記過去の不具合は、前記類似不具合の前記発生時刻から所定期間内に発生した前記不具合であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記過去情報は、前記過去の不具合の内容、前記過去の不具合の発生箇所、及び、前記過去の不具合に対して行った処置の少なくとも1つに関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記過去情報は、前記過去の不具合に対応する前記保全計画に関する過去保全計画情報を含むことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記過去の不具合を特定する処理は、前記類似不具合の内容及び前記類似不具合の発生箇所の少なくとも一方に応じて前記過去の不具合を特定する処理を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記不具合情報を取得する処理は、プラント施設で発生した前記不具合に関する前記不具合情報を取得する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
不具合に関する不具合情報を取得し、
前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定し、
前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、
前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項8】
不具合に関する不具合情報を取得する取得部と、
前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する計画特定部と、
前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定する不具合特定部と、
前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する表示制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
履歴に基づき、ユーザの意思決定を支援する技術が知られている。例えば、インターネットを介したコンテンツの配信の分野では、ユーザの視聴履歴を基に、当該ユーザが好むことが予想されるコンテンツを推薦する技術が用いられる。また、小売りの分野では、ユーザの購買履歴を基に、当該ユーザが購入する可能性が高い商品を推薦する技術が用いられる。
【0003】
このような履歴を基にユーザの意思決定を支援する技術は、工業の分野においても有用である。例えば、過去に行われた点検の結果を基に、産業用機械の保全計画を自動生成する技術が知られている。また、過去の施設の状態から異常の発生を予測する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-19230号公報
【特許文献2】特開2022-34688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、保全作業を効率よく行うという観点で改良の余地がある。
【0006】
例えば、従来の技術では、システムは、1つの故障に対して、当該故障を予防する、あるいは、修理するための保全計画を生成する。これに対して、例えば、複数の故障に対してまとめて保全作業を行った方が、作業効率がよい場合がある。
【0007】
しかしながら、従来の技術では、複数の故障に対してまとめて保全作業を行うか否かを判断するための情報がユーザに対して提示されない。そのため、ユーザは、そもそも複数の故障に対して複数の保全作業をまとめて行えるか否かを判断することができない。
【0008】
一つの側面では、ユーザの保全作業の効率を向上させることができる情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一側面にかかる情報処理方法は、コンピュータが、不具合に関する不具合情報を取得し、前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する処理を実行することを特徴とする。また、情報処理方法は、コンピュータが、前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、処理を実行することを特徴とする。
【0010】
一側面にかかる情報処理プログラムは、コンピュータに、不具合に関する不具合情報を取得し、前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する処理を実行させることを特徴とする。また、情報処理プログラムは、コンピュータに、前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、処理を実行させることを特徴とする。
【0011】
一側面にかかる情報処理装置は、取得部と、計画特定部と、不具合特定部と、表示制御部と、を有することを特徴とする。取得部は、不具合に関する不具合情報を取得する。計画特定部は、前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する。不具合特定部は、前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定する。表示制御部は、前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する。
【発明の効果】
【0012】
一実施形態によれば、ユーザの保全作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る提示処理の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る不具合DBが蓄積する過去の不具合情報の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る保全計画DBが蓄積する保全計画の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る危険情報DBが蓄積する危険情報の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る不具合報告画面の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るレーティングテーブルの一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るレーティングテーブルの一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る保全計画の検索結果画面の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係るグラフ表示画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、ここで説明する実施形態により本願の発明が限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、各実施形態は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0015】
[1.提示処理の概要]
図1は、実施形態に係る提示処理の一例を示す図である。
図1に示す情報処理システム1は、情報処理装置10及び端末装置20を有する。実施形態に係る提示処理は、情報処理装置10によって実行される。情報処理装置10は、提示処理を実行することで、プラント等の施設に関する不具合に対する保全計画を、端末装置20を使用するユーザU1に提示する。
【0016】
図1に示すように、情報処理装置10は、まず端末装置20を介してユーザU1から不具合(以下、第1の不具合とも記載する)に関する不具合情報を取得する(ステップS1)。不具合情報は、例えば、プラント等の施設で発生した故障などの不具合に関する情報である。
【0017】
情報処理装置10は、不具合情報に類似する不具合(以下、類似不具合とも記載する)に基づき、保全計画を特定する(ステップS2)。なお、情報処理装置10には、類似不具合に対応する保全計画が予め蓄積されているものとする。
【0018】
また、情報処理装置10は、過去の不具合情報から、ユーザU1に提示する第2の不具合に関する情報を特定する(ステップS3)。第2の不具合(過去の不具合の一例。以下、追加不具合とも記載する)は、例えば、類似不具合が発生した時刻に応じて特定される不具合である。第2の不具合は、ユーザU1から取得した不具合と関連があってもよく、関連がなくてもよい。
【0019】
情報処理装置10は、特定した保全計画及び第2の不具合に関する情報を、端末装置20を介してユーザU1に提示する(ステップS4)。
【0020】
このように、情報処理装置10は、保全計画及び第2の不具合に関する情報をユーザU1に提示する。ここで、第2の不具合は、上述したように、類似不具合が発生した時刻に応じた不具合であり、例えば、類似不具合が発生してから所定期間内に発生した不具合である。
【0021】
これにより、ユーザU1は、第1の不具合に対応する保全計画を確認することができるとともに、第1の不具合が発生した後に、発生する可能性がある第2の不具合を確認することができる。ユーザU1は、第1の不具合に対する保全作業と、第2の不具合に対する保全作業をまとめて行えるか否かを検討することができ、保全作業の効率を向上させることができる。
【0022】
[2.システム構成例]
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置20と、を備える。
【0023】
情報処理装置10は、例えばサーバ装置である。端末装置20は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、及び、スマートフォン等の、据え置き型又は携帯型の端末装置である。
【0024】
情報処理装置10及び端末装置20は、例えばネットワークNを介して通信可能に接続される。ネットワークNは、例えばインターネットである。また、ネットワークNは、プラント等の施設内に構築されたLAN(Local Area Network)であってもよい。
【0025】
ここで、情報処理システム1は、プラントに関する保全計画の推薦(提示)を行うためのシステムである。例えば、情報処理システム1は、プラントに関する不具合に対する複数の保全計画をユーザU1に提示する。また、情報処理システム1は、第2の不具合に関する情報をユーザU1に提示する。
【0026】
その際、ユーザU1は、提示された複数の保全計画のいずれかを実際に採用することができる。また、ユーザU1は、第2の不具合を考慮した保全計画を採用することができる。
【0027】
これにより、情報処理システム1は、ユーザU1の意思決定を支援し、ユーザU1の業務効率を向上させることができる。
【0028】
ここで、本実施形態におけるプラントは、例えば石油プラント、石油化学プラント、化学プラント、又はガスプラントである。プラントが稼働することで、LNG(液化天然ガス)、樹脂(プラスチック、ナイロン等)、化学製品といった生成物が得られる。
【0029】
また、プラントは、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、石油、天然ガス等を採掘する井戸元における施設等を有する。また、プラント内には、生成物を生成するための設備機器に加え、プラントの状態に関する情報を取得するためのフィールド機器が備えられる。
【0030】
フィールド機器は、センサ機器、操作機器及び警報機器を含む。例えば、センサ機器は、圧力センサ、温度センサ、pHセンサ、速度センサ、加速度センサ等である。例えば、操作機器は、バルブ、ポンプ及びファン等であり、モータ及びアクチュエータ等によって駆動される。例えば、警報機器は、ランプ及びスピーカ等である。
【0031】
ここで、プラントにおいては様々な不具合が発生する。不具合は、施設、設備機器、フィールド機器等の異常であって、プラントに悪影響を与える事象である。なお、悪影響には、生成物の生産の停止及び遅延、コスト(例えば、金銭的コスト、人的コスト、時間的コスト)の増加等が含まれる。
【0032】
ユーザU1は、不具合が発生した場合、不具合を解消するための保全計画を立案する。保全計画は、例えば不具合が発生した設備機器の修繕、清掃、部品の交換等である。なお、保全計画は、不具合が発生しているか否かにかかわらず、不具合の予防のために実施される場合がある。
【0033】
ユーザU1は、例えば、プラントの管理者など不具合を解消するための保全計画を立案する人物である。ここでは、ユーザU1が不具合の入力及び保全計画の立案の両方を行うものとするが、不具合の入力及び保全計画の立案をそれぞれ別のユーザが実行するようにしてもよい。
【0034】
例えば、不具合の入力をプラントのエンジニアが行い、保全計画の立案をプラントの管理者が行うようにしてもよい。この場合、不具合の入力を行う端末装置20と、保全計画及び第2の不具合に関する情報の提示を受ける端末装置20と、がそれぞれ別の装置であってもよい。例えば、情報処理装置10が、エンジニアが操作する端末装置20から不具合情報を受信するとともに、プラントの管理者が操作する端末装置20に保全計画及び第2の不具合に関する情報を送信するようにしてもよい。
【0035】
[2-1.情報処理装置の構成例]
図3は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0036】
(通信部11)
通信部11は、他の装置と通信を行う処理部であり、例えば通信インタフェース等により実現される。例えば、通信部11は、端末装置20と通信する。
【0037】
(記憶部12)
記憶部12は、各種データ、及び制御部13が実行する各種プログラム等を記憶する処理部である。記憶部12は、例えばメモリ及びハードディスク等により実現される。この記憶部12は、制御部13が各種処理を実行する際の過程で得られるデータ、及び各種処理を実行したことで得られる処理結果等、情報処理装置10が実行する処理で発生する各種データを記憶する。
【0038】
図3に示すように、記憶部12は、不具合DB121、保全計画DB122、及び、危険情報DB123を有する。
【0039】
(不具合DB121)
不具合DB121は、発生した過去の不具合に関する過去の不具合情報を蓄積する。
図4は、実施形態に係る不具合DB121が蓄積する過去の不具合情報の一例を示す図である。
図4に示すように、過去の不具合情報は、「不具合ID」、「日時」、「位置」、「チーム」、「重要度」、「問題」、「詳細情報」という項目を含む。
【0040】
項目「不具合ID」は、不具合を識別するための情報である。項目「日時」は、不具合が発生した日時、又は不具合の情報が不具合DB121に登録された日時である。項目「位置」は、不具合が発生したプラント内の位置を示す情報である。項目「チーム」は、不具合の対象の施設、設備又は機器の担当として紐づけられているチームを示す情報である。
【0041】
項目「重要度」は、不具合の重要度を示す情報である。例えば、「重要度」の値は、「超高」、「高」、「中」、「低」のいずれかによって表される。
【0042】
項目「問題」は、不具合の概要を示す情報であり、不具合を登録する(又は報告する)ユーザによって記述される。項目「詳細情報」は、不具合の詳細情報であり、不具合を登録する(又は報告する)ユーザによって記述される。
【0043】
例えば、
図4には、「DF0151」で識別される不具合が、日時「2022/4/1 13:01」に「Area_1」という位置において発生したものであり、不具合の対象を担当するチームが「Team_1」であり、重要度が「低」であることが示されている。また、
図4には、「DF0151」で識別される不具合の概要が「ガス漏れ」であり、詳細情報が「Area_1のガス漏れ」であることが示されている。
【0044】
(保全計画DB122)
保全計画DB122は、実施済みの保全計画の情報を蓄積する。
図5は、実施形態に係る保全計画DB122が蓄積する保全計画の一例を示す図である。
図5に示すように、保全計画は、「保全計画ID」、「日時」、「不具合の種類」、「発生要因」、「解決法」、「コンポーネント」、「必要な準備」、「安全要件」、「要員数」、「所要時間」、「費用」及び「不具合ID」という項目を含む。
【0045】
項目「保全計画ID」は、保全計画を識別するための情報である。項目「日時」は、保全計画が実施された日時(実施開始又は実施完了の日時)、又は保全計画の情報が保全計画DB122に登録された日時である。
【0046】
項目「不具合の種類」は、保全計画に対応する不具合の種類を示す情報である。例えば、保全計画に対応する不具合は、保全計画によって解消しようとしている不具合、又は保全計画によって発生が予防されることが期待される不具合である。項目「発生要因」は、保全計画に対応する不具合の発生要因を示す情報である。項目「解決法」は、保全計画に対応する不具合の具体的な解決法を示す情報である。項目「コンポーネント」は、保全計画、又は保全計画に対応する不具合との関係が深いコンポーネントである。
【0047】
項目「必要な準備」は、保全計画に必要な物品、スキル、手順等の情報である。項目「安全要件」は、保全計画において要求される安全に関する要件である。項目「要員数」は、保全計画の実施に要した人員の数(人的コスト)である。項目「所要時間」は、保全計画の実施に要した時間(時間的コスト)である。項目「費用」は、保全計画の実施に要した費用(金銭的コスト)である。項目「不具合ID」は、保全計画と不具合とを対応付けるための情報である。
【0048】
例えば、
図5には、「MT0211」で識別される保全計画が、日時「2022/4/1 14:21」に実施されたものであることが示されている。また、
図5には、「MT0211」で識別される保全計画には、「DF0151」で識別される不具合が対応していることが示されている。
【0049】
また、
図5には、「MT0211」で識別される保全計画に対応する不具合の種類が「漏出」であり、発生要因が「経年劣化」であり、解決法が「修復及び改善」であり、コンポーネントが「バルブ」であることが示されている。
【0050】
また、
図5には、「MT0211」で識別される保全計画に必要な準備が「足場設置、コンテナ」であり、安全要件が「ガス探知、ハーネス着用」であることが示されている。
【0051】
さらに、
図5には、「MT0211」で識別される保全計画に要した人員の数が「5名」であり、要した時間が「6時間」であり、費用が「¥1,500,000」であったことが示されている。
【0052】
(危険情報DB123)
危険情報DB123は、保全計画に関する対象についての危険性に関する危険情報を蓄積する。
図6は、実施形態に係る危険情報DB123が蓄積する危険情報の一例を示す図である。
図6に示すように、危険情報は、「対象」、「危険度」、「危険の種類」及び「安全要件」という項目を含む。
【0053】
項目「対象」は、危険性を示す対象を識別するための情報である。例えば、項目「対象」は、プラントにおける、位置、施設、設備、機器、又はコンポーネント等を識別する情報である。
【0054】
項目「危険度」は、対象の危険性の大きさを示す情報である。例えば、「重要度」の値は、「高」、「中」、「低」のいずれかである。
【0055】
項目「危険の種類」は、対象において発生し得る危険の種類に関する情報である。また、項目「安全要件」は、危険の種類に応じて要求される安全に関する要件である。
【0056】
例えば、
図6には、「Area_1」の危険度は「中」であり、発生し得る危険の種類は「高所」に関するものであり、安全要件として「ハーネス着用」が要求されることが示されている。
【0057】
(制御部13)
制御部13は、情報処理装置10全体を制御する。制御部13は、取得部131と計画特定部132と、不具合特定部133と、表示制御部134と、を有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0058】
(取得部131)
取得部131は、プラントで発生した不具合の情報である不具合情報を取得する。
【0059】
不具合情報は、情報処理システム1に報告される不具合の情報である。例えば、取得部131は、表示制御部134が端末装置20に表示させる不具合報告画面61を介して不具合情報を取得する。
【0060】
図7は、実施形態に係る不具合報告画面61の一例を示す図である。
図7に示す不具合報告画面61は、表示制御部134によって端末装置20に表示される。
【0061】
図7に示すように、不具合報告画面61には、プルダウンリスト61a、プルダウンリスト61b、プルダウンリスト61c、テキストボックス61d、テキストボックス61e及びボタン61fが表示される。
【0062】
プルダウンリストは、1つ以上の選択肢を表示する。また、プルダウンリストによって表示される候補のうちの1つがユーザU1によって選択される。
【0063】
プルダウンリスト61aは、あらかじめ定められたプラント内の位置の候補として「Area_1」、「Area_2」、「Area_3」及び「Area_4」を表示する。
【0064】
プルダウンリスト61bは、あらかじめ定められたチームの候補として、「Team_1」、「Team_2」、「Team_3」及び「Team_4」を表示する。
【0065】
プルダウンリスト61cは、あらかじめ定められた重要度の候補として、「超高」、「高」、「中」及び「低」を表示する。
【0066】
テキストボックス61d及びテキストボックス61eは、ユーザU1によるテキストの入力を受け付ける。ただし、テキストボックス61dに入力可能な文字数は、テキストボックス61eに入力可能な文字数よりも少なく設定されているものとする。
【0067】
ボタン61fが押下されると、不具合報告画面61の各オブジェト(プルダウンリスト及びテキストボックス)に入力された内容が情報処理装置10に送信される。これにより、取得部131は不具合情報を取得することができる。
【0068】
例えば、
図7に示す状態でボタン61fが押下された場合、取得部131は、位置が「Area_2」であり、チームが「Team_3」である不具合情報を取得する。また、取得部131は、重要度が「中」であり、問題が「ガス漏出」であり、詳細情報が「タンクから二酸化炭素が漏出」である不具合情報を取得する。
【0069】
取得部131は、取得した不具合情報を計画特定部132に出力するとともに、不具合DB121に記憶する。
【0070】
(計画特定部132)
計画特定部132は、不具合と対応付けられてあらかじめ蓄積された保全計画の情報の中から、不具合情報が示す不具合に類似する不具合(類似不具合とも記載する)に対応付けられた保全計画を特定する。
【0071】
まず、計画特定部132は、不具合情報及び不具合DB121をレーティングテーブルに変換する。
図8及び
図9は、実施形態に係るレーティングテーブルの一例を示す図である。
【0072】
ここでは、不具合情報の位置が「Area_2」であり、チームが「Team_3」であり、重要度が「中」であり、問題が「ガス漏出」であり、詳細情報が「タンクから二酸化炭素が漏出」であるものとする。
【0073】
計画特定部132は、不具合情報を変換することで
図8に示すレーティングテーブルを得る。
図8に示すように、レーティングテーブルには、不具合情報に含まれる「場所」、「チーム」及び「重要度」が反映される。
【0074】
レーティングテーブルにおいては、不具合情報に含まれる項目の値は「5」であり、不具合情報に含まれない項目の値は「1」である。
【0075】
不具合情報の位置は「Area_2」であるため、レーティングテーブルにおける「Area_1」、「Area_3」、「Area_4」の値は「1」であり、「Area_2」の値は「5」である。
【0076】
レーティングテーブルは、ベクトルとして表される。例えば、
図8に示すレーティングテーブルはベクトル(1,5,1,1,1,1,5,1,1,1,5,1)に相当する。
【0077】
さらに、計画特定部132は、不具合DB121が記憶する過去の不具合情報を変換することで
図9に示すレーティングテーブルを得る。
図9には、不具合「DF0151」及び「DF0152」のレーティングテーブルが示されている。なお、計画特定部132が変換する過去の不具合情報は2つに限定されない。計画特定部132が変換する過去の不具合情報は、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0078】
不具合「DF0151」のレーティングテーブルはベクトル(5,1,1,1,5,1,1,1,1,1,1,5)に相当する。不具合「DF0152」のレーティングテーブルはベクトル(5,1,1,1,1,1,5,1,1,1,1,5)に相当する。
【0079】
計画特定部132は、不具合情報を変換して得たレーティングテーブルと、不具合DB121の過去の不具合情報を変換して得たレーティングテーブルのそれぞれとの間の類似度を計算する。このとき、計画特定部132は、レーティングテーブルをベクトルとみなし、(1)式によりベクトル間のコサイン類似度を計算する。
【0080】
【0081】
ただし、A及びBは類似度を計算する対象のベクトルである。また、例えばA
iはベクトルAのi番目の要素である。また、nは、ベクトルの要素数である。
図8及び
図9の例によれば、n=12である。
【0082】
さらに、計画特定部132は、不具合情報及び不具合DB121に含まれる過去の不具合情報のうち、レーティングテーブルに変換されなかったテキストの情報である「問題」及び「詳細情報」の不具合間の類似度を、(2)式のようにTF-IDFによって計算する。ここでは、各不具合の「問題」及び「詳細情報」が文書とみなされる。
【0083】
【0084】
ただし、tは不具合情報の「問題」及び「詳細情報」における対象の単語の出現回数である。nは、不具合DB121に蓄積済みの文書の数である。dfは、不具合DB121に蓄積済みの文書のうち、対象の単語を含む文書の数である。
【0085】
(1)式によって計算された類似度をSim1とし、(2)式によって計算された類似度をSim2として、計画特定部132は、最終的な類似度を(3)式のように計算する。
【0086】
【0087】
ただし、wはあらかじめ設定される重みである。wは0以上1以下の間の値であり、例えば0.5であってもよい。
【0088】
なお、不具合間の類似度の計算方法はここで、説明したものに限られない。計画特定部132は、データ間の類似度を計算する既知の任意の方法により不具合間の類似度を計算しうる。
【0089】
計画特定部132は、不具合情報との類似度が大きい順に、不具合DB121から一定数の過去の不具合を類似不具合として抽出する。ここで計画特定部132が抽出する類似不具合の数(一定数)は、予め情報処理システム1において決められた数であってもよく、ユーザU1が指定した数であってもよい。
【0090】
さらに、計画特定部132は、抽出した類似不具合に対応する保全計画を、保全計画DB122に蓄積された保全計画の中から特定する。例えば、計画特定部132は、保全計画DB122の項目「不具合ID」を基に、類似不具合に対応する保全計画を特定する。
【0091】
計画特定部132は、抽出した類似不具合に関する情報を不具合特定部133に出力する。また、計画特定部132は、特定した保全計画に関する情報を表示制御部134に出力する。
【0092】
(不具合特定部133)
不具合特定部133は、計画特定部132が抽出した類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合の中から第2の不具合を特定する。第2の不具合は、例えば、類似不具合が発生してから所定期間の間に発生した不具合である。
【0093】
第2の不具合は、必ずしも類似不具合に関連して発生した不具合に限定されない。第2の不具合は、発生時刻に基づいて特定される過去の不具合であればよく、類似不具合と関連(例えば因果関係)のない不具合であってもよい。
【0094】
不具合特定部133は、例えば、計画特定部132が抽出した類似不具合のうち、類似度が最も大きい最大類似不具合の発生時刻に基づき、第2の不具合を特定する。
【0095】
不具合特定部133は、例えば、不具合DB121から最大類似不具合の発生時刻から半年以内に発生した過去の不具合を第2の不具合として特定する。このとき、不具合特定部133が、例えば、最大類似不具合の発生箇所や発生内容が同じ過去の不具合を第2の不具合として特定するようにしてもよい。この場合、不具合特定部133は、不具合DB121に加え、保全計画DB122を参照して第2の不具合を特定する。
【0096】
例えば、不具合特定部133は、発生位置が最大類似不具合と同じである過去の不具合を第2の不具合として特定しうる。また、不具合特定部133は、不具合の発生位置に加え、保全計画に含まれるコンポーネントが、最大類似不具合と同じ過去の不具合を第2の不具合として特定するようにしてもよい。
【0097】
不具合特定部133は、特定した第2の不具合に関する第2の不具合情報を表示制御部134に出力する。
【0098】
なお、ここでは、不具合特定部133が、類似度が最も大きい類似不具合の発生時刻に基づき、第2の不具合を特定するとしたが、不具合特定部133による第2の不具合の特定方法はこれに限定されない。
【0099】
例えば、不具合特定部133は、ユーザU1が指定する類似不具合の発生時刻に基づき、第2の不具合を特定しうる。あるいは、不具合特定部133は、計画特定部132が抽出した全ての類似不具合の発生時刻に基づき、第2の不具合を特定しうる。
【0100】
(表示制御部134)
表示制御部134は、画面の表示を制御する。表示制御部134は、端末装置20に画面を表示させる。
【0101】
例えば、表示制御部134は、Webサーバとして機能する。すなわち、表示制御部134は、画面を表示するためのデータ(例えば、HTMLファイル)を生成する。そして、表示制御部134は、生成したデータを端末装置20に送信する。端末装置20は、表示制御部134から受信したデータに基づく画面をWebブラウザ等に表示させる。
【0102】
なお、端末装置20は、Webブラウザではなく情報処理システム1の専用のアプリケーションにより画面を表示させてもよい。その際、表示制御部134は、アプリケーションに対応した形式のデータを送信する。
【0103】
表示制御部134は、例えば、上述した不具合報告画面61を端末装置20に表示させる。また、表示制御部134は、保全計画の検索結果画面62を端末装置20に表示させる。
【0104】
図10は、実施形態に係る保全計画の検索結果画面62の一例を示す図である。
図10に示すように、検索結果画面62には、表示領域62a、検索結果領域62b、ボタン62c、及び、不具合表示領域62dが含まれる。
【0105】
図10に示すように、表示領域62aには、検索を行う不具合(報告された不具合)に関する不具合情報が表示される。ここでは、発生した位置が「Area_2」であり、チームが「Team_3」であり、重要度が「中」であり、問題が「ガス漏出」であり、詳細情報が「タンクから二酸化炭素が漏出」である不具合が表示領域62aに表示される。
【0106】
検索結果領域62bには、表示領域62aに表示される不具合に基づき、計画特定部132が特定した保全計画に関する計画情報(保全計画情報の一例)が表示される。ここでは、例えば、計画特定部132が算出した類似度が高い順に計画情報が表示される。
【0107】
表示制御部134は、例えば、保全計画の計画情報として、「不具合ID」、「保全計画ID」、「不具合の種類」、「発生要因」、「解決法」、「コンポーネント」、「必要な準備」、「安全要件」、「要員数」、「所要時間」、「費用」を検索結果領域62bに表示する。
【0108】
図10の例では、計画特定部132が保全計画「MT0213」、「MT0211」、「MT0215」を特定した場合の計画情報が示されている。
【0109】
ボタン62cは、検索結果の表示を切り替えるボタンである。ユーザU1によってボタン62cが押下されると、表示制御部134は、検索結果の表示を一覧表示からグラフ表示に切り替える。例えば、表示制御部134は、ボタン62cの押下に応じて、グラフ表示画面63を表示する。
【0110】
図11は、実施形態に係るグラフ表示画面63の一例を示す図である。
図11に示すように、グラフ表示画面63では、2つの軸で表現される座標平面に、「MT0211」、「MT0213」、「MT0215」といった保全計画を表す図形が配置される。
【0111】
グラフ表示画面63における横軸は保全計画の費用である。グラフ表示画面63における縦軸は保全計画の要員数と所要時間を掛けて得られる工数である。許容値は、例えばユーザU1によって指定される値である。表示制御部134は、例えば、保全計画の検索結果画面62に入力される指定値(図示省略)を許容値としてもよいし、指定値から計算された値を許容値としてもよい。
【0112】
また、保全計画を表す各図形のパターンの密度は、危険度を表している。表示制御部134は、危険情報DB123に基づく危険度が大きい保全計画ほど、パターンの密度を濃く表示する。
【0113】
図10に戻り、表示制御部134は、例えば、検索結果領域62bの下の不具合表示領域62dに、第2の不具合に関する第2の不具合情報(過去情報の一例)を表示する。ここでは、不具合特定部133が、不具合ID「DF0153」で識別される類似不具合に基づき、第2の不具合として不具合ID「DF0157」、「DF0168」で識別される不具合を特定したものとする。
【0114】
この場合、表示制御部134は、不具合ID「DF0157」、「DF0168」で識別される第2の不具合に関する第2の不具合情報を不具合表示領域62dに表示する。表示制御部134は、例えば、第2の不具合情報として、第2の不具合の内容(例えば「不具合の種類」や「発生要因」など)、不具合の発生箇所(例えば「位置」や「コンポーネント」など)、第2の不具合に対して行った処置(例えば「解決法」など)の少なくとも1つを表示する。あるいは、表示制御部134は、例えば、第2の不具合情報として、第2の不具合に対応する保全計画に関する情報(過去保全計画情報の一例)を表示する。
【0115】
図10の例では、表示制御部134は、例えば、「発生時期」、「不具合ID」、「保全計画ID」、「不具合の種類」、「発生要因」、「解決法」、「コンポーネント」、「必要な準備」、「安全要件」、「要員数」、「所要時間」、「費用」を検索結果領域62bに表示する。
【0116】
「発生時期」は、第2の不具合が発生した時期を示す情報である。
図8の例では、不具合ID「DF0157」の第2の不具合が、不具合ID「DF0153」の類似不具合が発生してから「13日後」に発生したことが示されている。
【0117】
表示制御部134は、例えば、第2の不具合に対応する保全計画を、保全計画DB122に蓄積された保全計画の中から取得する。表示制御部134は、取得した保全計画から、第2の不具合情報の「保全計画ID」、「不具合の種類」、「発生要因」、「解決法」、「コンポーネント」、「必要な準備」、「安全要件」、「要員数」、「所要時間」、「費用」を抽出する。表示制御部134は、抽出した第2の不具合情報を不具合表示領域62dに表示する。
【0118】
このように、表示制御部134が、第2の不具合に対応する保全計画の少なくとも一部をユーザU1に提示することで、ユーザU1は、報告された不具合に対する保全作業と同時に行える保全作業の有無を確認することができる。これにより、ユーザU1は、報告された不具合に加え、その後に起きる可能性がある第2の不具合に対しても対応可能な保全作業の計画を行うことができ、保全作業の効率をより向上させることができる。
【0119】
なお、ここでは、表示制御部134が、第2の不具合に対応する保全計画を含む第2の不具合情報を検索結果画面62に表示するとしたが、表示制御部134が検索結果画面62に表示する情報はこれに限定されない。
【0120】
例えば、表示制御部134が、類似不具合及び第2の不具合の両方に対応する保全計画に関する第2の計画情報を表示するようにしてもよい。この第2の計画情報は、例えば、不具合特定部133によって生成されうる。
【0121】
不具合特定部133は、例えば、類似不具合の保全計画と、第2の不具合の保全計画と、を組み合わせて第2の計画情報を生成する。不具合特定部133は、例えば、類似不具合の保全計画及び第2の不具合の保全計画で共通する工程(例えば、足場設置など)を1つの工程とすることで、第2の計画情報の要員数や所要時間、費用の見積もりを行いうる。
【0122】
[3.情報処理例]
図12は、実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12に示す情報処理は、情報処理装置10によって実行される。
【0123】
図12に示すように、情報処理装置10は、まず不具合情報を取得する(ステップS101)。例えば、情報処理装置10は、端末装置20を介してユーザU1から不具合情報を取得する。
【0124】
次に、情報処理装置10は、取得した不具合情報及び過去の不具合情報をレーティングテーブルに変換する(ステップS102)。
【0125】
情報処理装置10は、レーティングテーブルを基に、不具合に類似する類似不具合を抽出し、保全計画を特定する(ステップS103)。
【0126】
情報処理装置10は、類似不具合の発生時刻に基づき、第2の不具合を特定する(ステップS104)。例えば、情報処理装置10は、類似不具合の発生した時刻から所定期間内に発生した過去の不具合を第2の不具合として特定する。
【0127】
情報処理装置10は、保全計画及び第2の不具合に関する情報をユーザU1に提示する(ステップS105)。
【0128】
[4.効果]
これまで説明してきたように、実施形態の情報処理方法は、コンピュータ(情報処理装置10)が、不具合に関する不具合情報を取得し、不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定し、類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定する処理を実行することを特徴とする。また、実施形態の情報処理方法は、コンピュータ(情報処理装置10)が、過去の不具合に関する過去情報、及び、類似不具合に対応する保全計画に関する保全計画情報、を表示する処理を実行することを特徴とする。
【0129】
このように、情報処理方法によって、情報処理装置10は、保全計画情報に加え、過去の不具合に関する過去情報をユーザU1に提示することができる。その結果、本実施形態によれば、ユーザU1の保全作業の効率が向上する。
【0130】
また、過去の不具合は、類似不具合の発生時刻から所定期間内に発生した不具合である。これにより、情報処理装置10は、類似不具合の発生時刻から所定期間内に発生した不具合をユーザU1に提示することができる。
【0131】
過去情報は、過去の不具合の内容、過去の不具合の発生箇所、及び、過去の不具合に対して行った処置の少なくとも1つに関する情報を含む。これにより、情報処理装置10は、ユーザU1に過去の不具合の内容、過去の不具合の発生箇所、及び、過去の不具合に対して行った処置の少なくとも1つに関する情報を提示することができる。
【0132】
過去情報は、過去の不具合に対応する保全計画に関する過去保全計画情報を含む。これにより、情報処理装置10は、ユーザU1に過去の不具合に対する保全計画を提示することができる。
【0133】
過去の不具合を特定する処理は、類似不具合の内容及び類似不具合の発生箇所の少なくとも一方に応じて過去の不具合を特定する処理を含む。これにより、情報処理装置10は、ユーザU1に類似不具合の内容及び類似不具合の発生箇所の少なくとも一方に応じた過去の不具合に関する過去情報を提示することができる。
【0134】
不具合情報を取得する処理は、プラント施設で発生した不具合に関する不具合情報を取得する処理を含む。これにより、情報処理装置10は、プラント施設で発生した不具合に関する不具合情報を取得することができる。
【0135】
実施形態の情報処理プログラムは、コンピュータ(情報処理装置10)に、不具合に関する不具合情報を取得し、不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定し、類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定する処理を実行させることを特徴とする。また、実施形態の情報処理プログラムは、コンピュータ(情報処理装置10)に、過去の不具合に関する過去情報、及び、類似不具合に対応する保全計画に関する保全計画情報、を表示する、処理を実行させることを特徴とする。
【0136】
このように、情報処理プログラムによって、情報処理装置10は、保全計画情報に加え、過去の不具合に関する過去情報をユーザU1に提示することができる。その結果、本実施形態によれば、ユーザU1の保全作業の効率が向上する。
【0137】
実施形態の情報処理装置10は、取得部131と、計画特定部132と、不具合特定部133と、表示制御部134と、を有することを特徴とする。取得部131は、不具合に関する不具合情報を取得する。計画特定部132は、不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する。不具合特定部133は、類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定する。表示制御部134は、過去の不具合に関する過去情報、及び、類似不具合に対応する保全計画に関する保全計画情報、を表示する。
【0138】
[5.システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0139】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0140】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0141】
[6.ハードウェア]
次に、情報処理装置10のハードウェア構成例を説明する。
図13は、ハードウェア構成例を説明する図である。
図13に示すように、情報処理装置10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、
図13に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0142】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカード等であり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、
図3に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0143】
プロセッサ10dは、
図3に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、
図1等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、情報処理装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部131、計画特定部132、不具合特定部133及び表示制御部134等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部131、計画特定部132、不具合特定部133及び表示制御部134等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0144】
このように、情報処理装置10は、情報処理プログラムを読み出して実行することで情報処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、情報処理装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記情報処理プログラムを読み出し、読み出された上記情報処理プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいう情報処理プログラムは、情報処理装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータ又はサーバが情報処理プログラムを実行する場合や、これらが協働して情報処理プログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0145】
この情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0146】
開示される技術的特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0147】
(1)
コンピュータが、
不具合に関する不具合情報を取得し、
前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定し、
前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、
前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
(2)
前記過去の不具合は、前記類似不具合の前記発生時刻から所定期間内に発生した前記不具合であることを特徴とする、(1)に記載の情報処理方法。
(3)
前記過去情報は、前記過去の不具合の内容、前記過去の不具合の発生箇所、及び、前記過去の不具合に対して行った処置の少なくとも1つに関する情報を含むことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の情報処理方法。
(4)
前記過去情報は、前記過去の不具合に対応する前記保全計画に関する過去保全計画情報を含むことを特徴とする、(3)に記載の情報処理方法。
(5)
前記過去の不具合を特定する処理は、前記類似不具合の内容及び前記類似不具合の発生箇所の少なくとも一方に応じて前記過去の不具合を特定する処理を含むことを特徴とする、(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(6)
前記不具合情報を取得する処理は、プラント施設で発生した前記不具合に関する前記不具合情報を取得する処理を含むことを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載の情報処理方法。
(7)
コンピュータに、
不具合に関する不具合情報を取得し、
前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定し、
前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定し、
前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
(8)
不具合に関する不具合情報を取得する取得部と、
前記不具合に類似する類似不具合に対応する保全計画を特定する計画特定部と、
前記類似不具合の発生時刻に基づき、過去の不具合を特定する不具合特定部と、
前記過去の不具合に関する過去情報、及び、前記類似不具合に対応する前記保全計画に関する保全計画情報、を表示する表示制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0148】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 端末装置
121 不具合DB
122 保全計画DB
123 危険情報DB
131 取得部
132 計画特定部
133 不具合特定部
134 表示制御部