(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146412
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】蓋体装着装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
B65B7/28 L
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059279
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】507023016
【氏名又は名称】日本機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒松 大造
(72)【発明者】
【氏名】生澤 和巳
(72)【発明者】
【氏名】粟林 雅行
(72)【発明者】
【氏名】春元 猛
【テーマコード(参考)】
3E049
【Fターム(参考)】
3E049AA05
3E049AB02
3E049BA10
3E049CA01
3E049DA01
3E049EA01
(57)【要約】
【課題】装着作業の成功率の向上を図ることが可能な蓋体装着装置を提供する。
【解決手段】蓋体装着装置は、容器本体の開口に蓋体を嵌合させることにより、容器本体に蓋体を装着させるものであり、蓋体を保持可能に構成されたハンド機構4と、蓋体がピックアップされるピックアップ位置と、容器本体に蓋体が取り付けられる取付位置との間でハンド機構を移動させる移動機構とを備える。ハンド機構4は、蓋体を保持する保持部42と、保持部42によって保持された蓋体を押下する複数の押下部43とを含む。複数の押下部43は、保持部42の周囲に間隔を隔てて配置され、蓋体を押下するタイミングを個別に制御可能に構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の開口に蓋体を嵌合させることにより、前記容器本体に前記蓋体を装着させる蓋体装着装置であって、
前記蓋体を保持可能に構成されたハンド機構と、
前記蓋体がピックアップされるピックアップ位置と、前記容器本体に前記蓋体が取り付けられる取付位置との間で前記ハンド機構を移動させる移動機構とを備え、
前記ハンド機構は、前記蓋体を保持する保持部と、前記保持部によって保持された蓋体を押下する複数の押下部とを含み、
前記複数の押下部は、前記保持部の周囲に間隔を隔てて配置され、前記蓋体を押下するタイミングを個別に制御可能に構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋体装着装置において、
前記保持部は、前記蓋体を傾動可能な状態で保持するように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項3】
請求項2に記載の蓋体装着装置において、
前記ハンド機構が前記取付位置に移動される前に、前記複数の押下部のうちの一つの押下部が前記蓋体を押下することにより、前記保持部に保持される蓋体が傾けられるように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項4】
請求項3に記載の蓋体装着装置において、
前記保持部に保持される蓋体が傾けられた状態で、前記移動機構によって前記ハンド機構が前記取付位置に移動された後に、前記一つの押下部以外の押下部が順に前記蓋体を押下することにより、前記容器本体の開口に前記蓋体が嵌合されるように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項5】
請求項3に記載の蓋体装着装置において、
前記押下部は、傾動可能な押下板を有し、前記押下板が前記蓋体に当接されるように構成され、
前記一つの押下部が前記蓋体を押下して、前記保持部に保持される蓋体が傾けられる際に、前記一つの押下部の押下板が前記蓋体に倣うように傾けられることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載の蓋体装着装置において、
前記ハンド機構は、前記蓋体までの距離を計測する測距部を含み、
前記測距部の検出結果に基づいて、前記容器本体に対する前記蓋体の取り付けが成功したか否かを判定するように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1つに記載の蓋体装着装置において、
前記ハンド機構は、前記押下部の位置を調整する調整部を含むことを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1つに記載の蓋体装着装置において、
前記蓋体は、蓋面部と、前記蓋面部の周縁から下方に延びる内側面部と、前記内側面部の下端部から外側に延びる底面部と、前記底面部の外側端部から上方に延びる外側面部と、前記外側面部の上端部から外側に張り出すフランジ部とを有し、
前記押下部は、前記蓋面部および前記フランジ部を押さえ付けるとともに、前記内側面部を押さえ付けるように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器本体の開口に蓋体を嵌合させることにより、容器本体に蓋体を装着させる蓋体装着装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。なお、容器本体および蓋体により容器が構成されている。
【0003】
蓋体装着装置は、蓋体を保持するハンド機構と、ハンド機構を移動させる移動機構とを備えている。ハンド機構は、蓋体が吸着される吸着パッドと、吸着パッドの周囲に設けられた複数の爪部材とを含んでいる。そして、吸着パッドに蓋体が吸着された状態でハンド機構が移動されることにより、容器本体の開口付近に蓋体が移送される。次に、ハンド機構が下降されることにより、複数の爪部材によって蓋体が押下され、容器本体の開口に蓋体が嵌め合わされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、蓋体装着装置による容器本体に対する蓋体の装着作業の成功率を向上させることについて改善の余地がある。なお、上記した従来の蓋体装着装置では、複数の爪部材により蓋体が同時に押下されるため、嵌合時の容器の弾性変形が一挙に行われる必要があるので、装着作業の成功率を向上させることが困難である。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、装着作業の成功率の向上を図ることが可能な蓋体装着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による蓋体装着装置は、容器本体の開口に蓋体を嵌合させることにより、容器本体に蓋体を装着させるものであり、蓋体を保持可能に構成されたハンド機構と、蓋体がピックアップされるピックアップ位置と、容器本体に蓋体が取り付けられる取付位置との間でハンド機構を移動させる移動機構とを備える。ハンド機構は、蓋体を保持する保持部と、保持部によって保持された蓋体を押下する複数の押下部とを含む。複数の押下部は、保持部の周囲に間隔を隔てて配置され、蓋体を押下するタイミングを個別に制御可能に構成されている。
【0008】
このように構成することによって、複数の押下部を所定の順番で押下させることにより、容器本体の開口に対して蓋体の各部が順に嵌め込まれるので、容器本体の開口に蓋体を円滑に嵌合させることができる。
【0009】
上記蓋体装着装置において、保持部は、蓋体を傾動可能な状態で保持するように構成されていてもよい。
【0010】
この場合において、ハンド機構が取付位置に移動される前に、複数の押下部のうちの一つの押下部が蓋体を押下することにより、保持部に保持される蓋体が傾けられるように構成されていてもよい。
【0011】
上記一つの押下部により蓋体が傾けられる蓋体装着装置において、保持部に保持される蓋体が傾けられた状態で、移動機構によってハンド機構が取付位置に移動された後に、一つの押下部以外の押下部が順に蓋体を押下することにより、容器本体の開口に蓋体が嵌合されるように構成されていてもよい。
【0012】
上記一つの押下部により蓋体が傾けられる蓋体装着装置において、押下部は、傾動可能な押下板を有し、押下板が蓋体に当接されるように構成され、一つの押下部が蓋体を押下して、保持部に保持される蓋体が傾けられる際に、一つの押下部の押下板が蓋体に倣うように傾けられるようにされていてもよい。
【0013】
上記蓋体装着装置において、ハンド機構は、蓋体までの距離を計測する測距部を含み、測距部の検出結果に基づいて、容器本体に対する蓋体の取り付けが成功したか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0014】
上記蓋体装着装置において、ハンド機構は、押下部の位置を調整する調整部を含んでいてもよい。
【0015】
上記蓋体装着装置において、蓋体は、蓋面部と、蓋面部の周縁から下方に延びる内側面部と、内側面部の下端部から外側に延びる底面部と、底面部の外側端部から上方に延びる外側面部と、外側面部の上端部から外側に張り出すフランジ部とを有し、押下部は、蓋面部およびフランジ部を押さえ付けるとともに、内側面部を押さえ付けるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の蓋体装着装置によれば、装着作業の成功率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態による蓋体装着装置の構造を示した斜視図である。
【
図2】
図1の蓋体装着装置の構成を示したブロック図である。
【
図3】容器本体に蓋体が装着された容器の一例を示した断面図である。
【
図4】
図1の蓋体装着装置からハンド機構を省略して示した平面図である。
【
図5】
図1の蓋体装着装置のハンド機構を上側から見た斜視図である。
【
図6】
図5のハンド機構を下側から見た斜視図である。
【
図9】第1実施形態の蓋体装着装置においてハンド機構が取付位置の上方に移動された状態を示した斜視図である。
【
図10】
図9の蓋体装着装置のハンド機構を示した断面図である。
【
図11】第1実施形態の蓋体装着装置において蓋体が取付位置に移送された状態を示した斜視図である。
【
図12】
図11の蓋体装着装置のハンド機構を示した断面図である。
【
図13】第2実施形態のハンド機構を上側から見た斜視図である。
【
図15】
図13のハンド機構の押下部の位置が変更された状態を示した斜視図である。
【
図17】内側面部を有する蓋体および容器本体の一例を示した斜視図である。
【
図18】第3実施形態のハンド機構を示した斜視図である。
【
図19】
図18のハンド機構により蓋体が保持された状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
(第1実施形態)
まず、
図1~
図8を参照して、本発明の第1実施形態による蓋体装着装置100の構成について説明する。
【0020】
蓋体装着装置100は、容器本体151の開口151aに蓋体152を嵌合させることにより、容器本体151に蓋体152を装着させるように構成されている。なお、容器本体151および蓋体152により容器150が構成されている。容器150は、たとえば、内嵌合型であり、樹脂(たとえば、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリエチレンテレフタレートなど)からなる。
【0021】
具体的には、
図3に示すように、容器本体151は、鉢状に形成されており、円形の底面と、その底面から上方に延びる側周面とを有する。側周面は、上方に進むほど拡径され、上端が開放されている。すなわち、容器本体151の上端には、開口151aが形成されている。容器本体151は、内容物(図示省略)を収容可能な収容空間を有する。内容物の一例としては、食品を挙げることができる。蓋体152は、円板状に形成され、周縁に円環状の嵌合突部152aが設けられている。嵌合突部152aは、下方に突出するように形成されるとともに、周方向に延びるように形成されている。嵌合突部152aは、開口151aに圧入可能に構成されている。
【0022】
蓋体装着装置100は、
図1に示すように、容器本体搬送機構1と、蓋体搬送機構2と、移動機構3と、ハンド機構4と、制御装置5と、フレーム6とを備えている。
【0023】
[容器本体搬送機構]
図4に示すように、容器本体搬送機構1は、コンベア11と、ガイド部材12と、ストッパ13とを含んでいる。容器本体搬送機構1は、フレーム6(
図1参照)に設けられている。
【0024】
コンベア11は、容器本体151を載置可能であり、その容器本体151を搬送するように構成されている。コンベア11は、供給位置P1と取付位置P2と搬出位置P3とが設けられており、供給位置P1から搬出位置P3に向けて搬送方向(X1方向)に容器本体151を搬送するように構成されている。供給位置P1は、作業員またはロボット(図示省略)によって容器本体151が供給される位置である。取付位置P2は、容器本体151に蓋体152が取り付けられる位置である。搬出位置P3は、容器本体151に蓋体152が取り付けられた容器150が作業員またはロボット(図示省略)によって搬出される位置である。
【0025】
ガイド部材12は、供給位置P1から取付位置P2に向かう容器本体151をガイドするために設けられている。ガイド部材12は、コンベア11によって搬送される容器本体151の搬送方向と直交する方向(Y1およびY2方向)の位置を調整するように構成されている。ガイド部材12は、容器本体151を取付位置P2に適切に搬送するために設けられている。
【0026】
ストッパ13は、コンベア11によって搬送される容器本体151を取付位置P2で塞き止めるために設けられている。ストッパ13は、たとえば、左右一対のシリンダ131によって構成されている。シリンダ131は、容器本体151の搬送経路の外側に配置されたシリンダ本体131aと、シリンダ本体131aから進退可能なピストンロッド131bとを有する。ピストンロッド131bがシリンダ本体131aから突出されることにより容器本体151の搬送経路が塞がれる一方、ピストンロッド131bがシリンダ本体131aに退避されることにより容器本体151の搬送経路が開放されるようになっている。
【0027】
[蓋体搬送機構]
蓋体搬送機構2は、コンベア21と、ガイド部材(図示省略)と、ストッパ(図示省略)とを含んでいる。蓋体搬送機構2は、フレーム6(
図1参照)に設けられ、容器本体搬送機構1と隣接するように配置されている。
【0028】
コンベア21は、蓋体152を載置可能であり、その蓋体152を搬送するように構成されている。コンベア21は、供給位置P4とピックアップ位置P5とが設けられており、供給位置P4からピックアップ位置P5に向けて搬送方向(Y1方向)に蓋体152を搬送するように構成されている。供給位置P4は、作業員またはロボット(図示省略)によって蓋体152が供給される位置である。ピックアップ位置P5は、ハンド機構4により蓋体152がピックアップされる位置である。たとえば、コンベア21は、コンベア11に対して上方に配置されている。
【0029】
ガイド部材は、供給位置P4からピックアップ位置P5に向かう蓋体152をガイドするために設けられている。ガイド部材は、コンベア21によって搬送される蓋体152の搬送方向と直交する方向(X1およびX2方向)の位置を調整するように構成されている。ガイド部材は、蓋体152をピックアップ位置P5に適切に搬送するために設けられている。ストッパは、コンベア21によって搬送される蓋体152をピックアップ位置P5で塞き止めるために設けられている。
【0030】
[移動機構]
図1に示すように、移動機構3は、ピックアップ位置P5と取付位置P2との間でハンド機構4を移動させるように構成されている。移動機構3は、ハンド機構4を直動させる直動型であり、アクチュエータ31および32を含んでいる。
【0031】
アクチュエータ31は、水平方向(Y1およびY2方向)に延びる本体部311と、本体部311に沿って移動可能なスライダ312とを有する。本体部311は、フレーム6に取り付けられている。
【0032】
アクチュエータ32は、鉛直方向(Z1およびZ2方向)に延びる本体部321と、本体部321に沿って移動可能なスライダ322とを有する。本体部321は、スライダ312に取り付けられている。スライダ322には、ハンド機構4が連結されている。
【0033】
移動機構3では、スライダ312および322がスライド移動されることにより、ハンド機構4を移動させるようになっている。具体例として、スライダ312が一方側(Y2方向側)に移動された状態で、スライダ322が下降されることにより、ハンド機構4がピックアップ位置P5に移動される。また、スライダ312が他方側(Y1方向側)に移動された状態で、スライダ322が下降されることにより、ハンド機構4が取付位置P2に移動される。
【0034】
[ハンド機構]
ハンド機構4は、蓋体152を保持可能であり、その蓋体152を容器本体151の開口151aに嵌合させるために設けられている。
図5に示すように、ハンド機構4は、本体部41と、保持部42と、6つの押下部43と、3つの測距部44と、アーム45とを含んでいる。
【0035】
本体部41は、メインプレート411およびサブプレート412を有し、メインプレート411およびサブプレート412が組み付けられることによって形成されている。メインプレート411は円環板状に形成され、サブプレート412は円板状に形成されている。メインプレート411およびサブプレート412は同心上に配置され、メインプレート411の上方にサブプレート412が配置されている。メインプレート411およびサブプレート412は、締結部材413を用いて組み付けられている。メインプレート411およびサブプレート412の間には、アーム45の一方端部45aが取り付けられている。アーム45の他方端部45bは、スライダ322に連結されている。すなわち、本体部41は、アーム45を介してスライダ322に固定されている。たとえば、メインプレート411の直径は200mmである。
【0036】
図8に示すように、保持部42は、本体部41の中心に配置され、蓋体152を保持するように構成されている。保持部42は、鉛直方向に延びるシリンダ421と、シリンダ421の先端(下端)に設けられた吸着パッド422とを有する。シリンダ421は、メインプレート411の孔部に配置され、サブプレート412に組み付けられている。吸着パッド422は、蓋体152を吸着させて保持するために設けられている。吸着パッド422は、シリンダ421に対して鉛直方向に移動可能に設けられるとともに、水平面に対して傾動可能に構成されている。たとえば、吸着パッド422の直径は40mmであり、吸着パッド422の最大傾動角度は5度である。
【0037】
図6に示すように、6つの押下部43は、保持部42によって保持された蓋体152を押下するために設けられている。6つの押下部43は、押下部43a~43fによって構成されている。押下部43a~43fは、メインプレート411の周方向に連なるように配置されている。すなわち、押下部43a~43fは、保持部42の周囲に間隔を隔てて配置されている。
【0038】
図5に示すように、各押下部43は、押下板431と、可動片432と、エアシリンダ433と、スリーブ434と、シャフト435と、ストッパ436と、付勢部材(図示省略)とを有する。スリーブ434、シャフト435およびストッパ436は、エアシリンダ433を挟むように一対で設けられている。
【0039】
押下板431は、メインプレート411の下方に配置され、蓋体152と当接されるようになっている。たとえば、押下板431の下面(蓋体152と当接される面)は粗くされ、押下板431の下面が蓋体152に対して滑りにくくされている。押下板431は、下方から見た場合に、弧状に湾曲されるように形成されている。押下板431は、可動片432の下側に取り付けられ、可動片432に対して径方向において傾動可能に設けられている。具体的に、押下板431は、水平な状態から、径方向内側(保持部42に近い側)が径方向外側よりも上方に位置するように傾くことが可能である。たとえば、押下板431の最大傾動角度は5度である。
【0040】
可動片432は、押下板431による蓋体152の押下が行われる際に下方に移動されるように構成されている。エアシリンダ433は、メインプレート411に取り付けられたシリンダ本体433aと、シリンダ本体433aに対して進退するピストンロッド433bとを有する。ピストンロッド433bの下端部には、可動片432が連結されている。
【0041】
スリーブ434は、メインプレート411に取り付けられ、メインプレート411の下側に配置されている。スリーブ434には、シャフト435が挿通されている。シャフト435の下端部が可動片432に連結され、シャフト435の上端部にはストッパ436が設けられている。スリーブ434およびシャフト435は、昇降される可動片432をガイドするために設けられている。ストッパ436は、可動片432の下方への移動を規制するために設けられている。ストッパ436は、シャフト435に対する取付位置を調整可能に構成されている。付勢部材は、可動片432を上方に付勢するように構成されている。
【0042】
各押下部43では、エアシリンダ433の非作動時に、付勢部材の付勢力により可動片432がスリーブ434に当接されている。そして、エアシリンダ433の作動時には、ピストンロッド433bが下方に突出されることにより、付勢部材の付勢力に抗して可動片432および押下板431が下方に移動される。その後、ストッパ436がメインプレート411に当接されることにより、可動片432および押下板431の下方への移動が停止される。したがって、各押下部43では、シャフト435に対するストッパ436の取付位置を調整することにより、押下板431の押下量を調整することが可能である。つまり、各押下部43では、エアシリンダ433が作動され、押下板431が下方に移動されることにより、蓋体152の押下が行われるようになっている。
【0043】
図7に示すように、押下部43a~43fの押下板431は、周方向に連なるように配置され、円環状に配置されている。このため、押下部43a~43fの押下板431により、蓋体152の周縁(円環状の嵌合突部152aと対応する領域)を個別に押下することが可能である。
【0044】
図6に示すように、3つの測距部44は、容器本体151に対する蓋体152の装着作業が行われた後に、蓋体152までの距離を計測するために設けられている。3つの測距部44は、本体部41に取り付けられ、周方向に間隔を隔てて配置されている。各測距部44の接触子44aは、押下板431の貫通孔を介して蓋体152にアクセス可能にされている。
【0045】
[制御装置]
図1に示すように、制御装置5は、フレーム6に設けられ、蓋体装着装置100を制御するように構成されている。
図2に示すように、制御装置5は、容器本体搬送機構1と、蓋体搬送機構2と、移動機構3と、ハンド機構4とを制御する機能を有する。たとえば、制御装置5は、コンベア11および21の駆動制御を行うとともに、ストッパ13の開閉制御を行うように構成されている。また、制御装置5は、アクチュエータ31および32を制御してハンド機構4を移動させるように構成されている。
【0046】
また、制御装置5は、シリンダ421の気圧を制御することにより、吸着パッド422に蓋体152を吸着させるとともに、その蓋体152を吸着パッド422から離脱させるように構成されている。また、制御装置5は、エアシリンダ433を制御することにより、押下板431の昇降を制御するように構成されている。すなわち、押下部43a~43fは、蓋体152を押下するタイミングを個別に制御可能である。
【0047】
具体的には、ハンド機構4が取付位置P2に移動される前に、押下部43aが蓋体152を押下することにより、保持部42に保持される蓋体152が傾けられるようになっている。そして、移動機構3によってハンド機構4が取付位置P2に移動された後に、押下部43b~43fが順に蓋体152を押下するようにされている。なお、押下部43aは、本発明の「一つの押下部」の一例であり、押下部43b~43fは、本発明の「一つの押下部以外の押下部」の一例である。
【0048】
また、制御装置5は、容器本体151に対する蓋体152の装着作業が行われた後に、3つの測距部44を用いて蓋体152までの距離を計測するように構成されている。そして、制御装置5は、3つの測距部44の検出結果に基づいて、装着作業が成功したか否かを判定するように構成されている。たとえば、3つの測距部44の検出結果の全てが予め設定された範囲内の場合には、装着作業が成功したと判定される。一方、3つの測距部44の検出結果のうちの少なくとも1つが予め設定された範囲外の場合には、蓋体152が嵌め込まれずに浮いている箇所があるため、装着作業が失敗したと判定される。
【0049】
-蓋体の装着動作-
次に、
図1、
図3、
図6、および
図9~
図12を参照して、第1実施形態の蓋体装着装置100による蓋体152の装着動作について説明する。
【0050】
まず、
図1に示すように、容器本体搬送機構1では、コンベア11により、供給位置P1の容器本体151が取付位置P2に搬送される。その際、取付位置P2に向かう容器本体151は、ガイド部材12によってガイドされる。そして、容器本体151が取付位置P2に到達すると、ストッパ13により容器本体151が取付位置P2で塞き止められる。なお、容器本体151が取付位置P2に到達した場合に、コンベア11の駆動が停止されるようにしてもよいし、コンベア11の駆動が継続されるようにしてもよい。
【0051】
また、蓋体搬送機構2では、コンベア21により、供給位置P4の蓋体152がピックアップ位置P5に搬送される。その際、ピックアップ位置P5に向かう蓋体152は、ガイド部材(図示省略)によってガイドされる。そして、蓋体152がピックアップ位置P5に到達すると、ストッパ(図示省略)により蓋体152がピックアップ位置P5で塞き止められる。なお、蓋体152がピックアップ位置P5に到達した場合に、コンベア21の駆動が停止されるようにしてもよいし、コンベア21の駆動が継続されるようにしてもよい。
【0052】
そして、移動機構3のスライダ322が下降されることにより、ハンド機構4の吸着パッド422(
図6参照)がピックアップ位置P5の蓋体152に当接される。次に、負圧を発生させることにより、ピックアップ位置P5の蓋体152が吸着パッド422に吸着される。その状態でスライダ322が上昇されることにより、蓋体152が持ち上げられ、蓋体152がコンベア21から離間される。このとき、吸着パッド422が蓋体152の中心に吸着されており、押下部43の押下板431(
図6参照)の下方に蓋体152の嵌合突部152a(
図3参照)が配置されている。
【0053】
その後、スライダ312が他方側(Y1方向側)に移動されることにより、
図9に示すように、ハンド機構4が保持する蓋体152が取付位置P2の上方に配置される。そして、押下部43aによる蓋体152の押下が行われることにより、
図10に示すように、保持部42が保持する蓋体152が傾けられる。このとき、吸着パッド422が傾動され、押下部43aの押下板431も蓋体152に倣うように傾動される。
【0054】
次に、スライダ322が下降されることにより、
図11に示すように、ハンド機構4が取付位置P2に移動される。すなわち、ハンド機構4が保持する蓋体152が取付位置P2に移送される。このため、
図12に示すように、取付位置P2の容器本体151にハンド機構4が保持する蓋体152が嵌め合わされる。このとき、押下部43aにより押下されている部分の蓋体152の嵌合突部152aが容器本体151の開口151aに嵌め込まれている。なお、押下部43b~43fの下方に位置している部分の蓋体152の嵌合突部152aは、容器本体151に載せられた状態であり、容器本体151の開口151aに嵌め込まれていない。
【0055】
次に、押下部43aと隣接する押下部43bによる蓋体152の押下が行われることにより、押下部43bの下方に位置している部分の蓋体152の嵌合突部152aが容器本体151の開口151aに嵌め込まれる。次に、押下部43bと隣接する押下部43cによる蓋体152の押下が行われることにより、押下部43cの下方に位置している部分の蓋体152の嵌合突部152aが容器本体151の開口151aに嵌め込まれる。次に、押下部43cと隣接する押下部43dによる蓋体152の押下が行われることにより、押下部43dの下方に位置している部分の蓋体152の嵌合突部152aが容器本体151の開口151aに嵌め込まれる。次に、押下部43dと隣接する押下部43eによる蓋体152の押下が行われることにより、押下部43eの下方に位置している部分の蓋体152の嵌合突部152aが容器本体151の開口151aに嵌め込まれる。次に、押下部43eと隣接する押下部43fによる蓋体152の押下が行われることにより、押下部43fの下方に位置している部分の蓋体152の嵌合突部152aが容器本体151の開口151aに嵌め込まれる。
【0056】
つまり、蓋体装着装置100では、容器本体151の開口151aに対する円環状の嵌合突部152aの嵌め込みが、嵌合突部152aの周方向においてシーケンシャルに行われるようになっている。すなわち、押下部43aによって押下された部分を起点として、嵌合が周方向の一方側にシーケンシャルに行われる。
【0057】
次に、負圧が解消されることにより、蓋体152が吸着パッド422から離脱される。次に、スライダ322が上昇されることにより、取付位置P2の蓋体152からハンド機構4が離間される。そして、3つの測距部44により、取付位置P2の蓋体152までの距離が計測される。その後、制御装置5(
図1参照)により、3つの測距部44の検出結果に基づいて、装着作業が成功したか否かが判定される。
【0058】
そして、装着作業が成功したと判定された場合には、ストッパ13が開かれることにより、取付位置P2の容器150がコンベア11によって搬出位置P3に搬送される。また、スライダ312が一方側(Y2方向側)に移動される。
【0059】
その一方、装着作業が失敗したと判定された場合には、装着作業がやり直されるようにしてもよいし、報知装置(図示省略)を用いて装着作業の失敗が周囲に報知されるようにしてもよい。
【0060】
上記した動作が繰り返し行われ、容器本体151に対する蓋体152の装着が連続的に行われる。
【0061】
-効果-
第1実施形態では、上記のように、押下部43a~43fが所定の順番で押下されることによって、容器本体151の開口151aに対して蓋体152の各部が順に嵌め込まれるので、容器本体151の開口151aに蓋体152を円滑に嵌合させることができる。したがって、装着作業の成功率の向上を図ることができる。また、蓋体152が容器本体151に装着されて収容空間が密閉される前後における圧力変動が抑制されるので、容器150にかかる負荷を低減するとともに、最後の押下部43fに要求される押圧力を小さくすることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、保持部42に保持される蓋体152が傾けられた状態で取付位置P2に移送されることによって、容器本体151の開口151aに嵌合突部152aの一部が挿入され、嵌合の起点を作ることができる。また、容器本体の底面の一部が載置面に対して浮いている部分があり、その浮いている部分と対応する位置で蓋体を押下すると容器が傾きやすい場合に、浮いている部分と対応する位置に傾けた蓋体を挿入することにより、その容器本体に蓋体を適切に装着させることができる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、
図13~
図16を参照して、本発明の第2実施形態によるハンド機構4aの構成について説明する。第2実施形態のハンド機構4aでは、後述する押下部43hおよび43iの位置を調整可能にされている。
【0064】
図13および
図14に示すように、ハンド機構4aは、本体部8と、保持部42と、6つの押下部43とを含んでいる。本体部8は、ベースプレート81と、調整部82aおよび82bとを有する。
【0065】
ベースプレート81は、矩形板であり、中央に保持部42が設けられている。ベースプレート81の長手方向の一方側には、2つの開口81aが形成され、ベースプレート81の長手方向の他方側には、2つの開口81bが形成されている。
【0066】
調整部82aは、押下部43hの位置を調整するために設けられている。調整部82aは、可動プレート821aと、シリンダ822aとを有する。可動プレート821aは、ベースプレート81の長手方向の一方側にスライド可能に設けられている。すなわち、可動プレート821aは、開口81aの上方に配置されている。シリンダ822aは、可動プレート821aを移動させるために設けられている。シリンダ822aは、ベースプレート81に取り付けられたシリンダ本体8221aと、シリンダ本体8221aに対して進退するピストンロッド8222aとを有する。ピストンロッド8222aは、可動プレート821aに連結されている。
【0067】
調整部82bは、押下部43iの位置を調整するために設けられている。調整部82bは、可動プレート821bと、シリンダ822bとを有する。可動プレート821bは、ベースプレート81の長手方向の他方側にスライド可能に設けられている。すなわち、可動プレート821bは、開口81bの上方に配置されている。シリンダ822bは、可動プレート821bを移動させるために設けられている。シリンダ822bは、ベースプレート81に取り付けられたシリンダ本体8221bと、シリンダ本体8221bに対して進退するピストンロッド8222bとを有する。ピストンロッド8222bは、可動プレート821bに連結されている。
【0068】
6つの押下部43は、ベースプレート81に設けられた2つの押下部43gと、可動プレート821aに設けられた2つの押下部43hと、可動プレート821bに設けられた2つの押下部43iとによって構成されている。押下部43gは、ベースプレート81の長手方向の中間部に配置されるとともに、保持部42を挟んで対向するように配置されている。押下部43hのエアシリンダなどは開口81aに配置され、押下部43iのエアシリンダなどは開口81bに配置されている。押下部43g~43iが蓋体を押下するタイミングは適宜設定可能である。
【0069】
ピストンロッド8222aがシリンダ本体8221aに退避されるとともに、ピストンロッド8222bがシリンダ本体8221bに退避された状態では、6つの押下部43が円環状に配置されている。
【0070】
図15および
図16に示すように、ピストンロッド8222aがシリンダ本体8221aから突出されるとともに、ピストンロッド8222bがシリンダ本体8221bから突出された状態では、押下部43hと押下部43iとの間の距離が長くされる。
【0071】
なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0072】
-効果-
第2実施形態では、上記のように、押下部43hおよび43iの位置を調整可能であることによって、形状の異なる容器に対応することができる。たとえば、
図13および
図14に示した状態では円形の蓋体の装着に好適であり、
図15および
図16に示した状態では矩形の蓋体の装着に好適である。
【0073】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0074】
(第3実施形態)
次に、
図17~
図20を参照して、本発明の第3実施形態によるハンド機構4bの構成について説明する。第3実施形態のハンド機構4bでは、蓋体252用のエクステンションが設けられている。なお、
図18~
図20では、見やすさを考慮して、複数の押下部43jのうちの一つだけを示している。
【0075】
ここで、
図17に示すように、容器250は、容器本体251および蓋体252により構成されている。容器本体251の内容物(図示省略)の一例としては、食品を挙げることができる。
【0076】
容器本体251は、有底角筒状に形成されており、角丸矩形の底面と、その底面から上方に延びる側周面とを有する。容器本体251は、内容物を収容可能な収容空間を有し、上端に開口251aが形成されている。容器本体251には、開口251aの外側に嵌合凹部251bが形成され、嵌合凹部251bの外側にフランジ部251cが形成されている。嵌合凹部251bは、下方に窪むように溝状に形成されるとともに、開口251aの内側面に倣うように角丸矩形枠状に形成されている。フランジ部251cは、外側に張り出すように形成され、嵌合凹部251bに倣うように角丸矩形枠状に形成されている。
【0077】
蓋体252は、蓋面部252aと、内側面部252bと、底面部252cと、外側面部252dと、フランジ部252eとを有する。蓋面部252aは、角丸矩形状に形成されている。内側面部252bは、蓋面部252aの周縁から下方に延びるように形成されている。底面部252cは、内側面部252bの下端部から外側に延びるように形成されている。外側面部252dは、底面部252cの外側端部から上方に延びるように形成されている。フランジ部252eは、外側面部252dの上端部から外側に張り出すように形成されている。
【0078】
内側面部252bが外側面部252dよりも大きく、蓋面部252aがフランジ部252eよりも上方に配置されている。このため、蓋面部252aが高くされることにより、容器250の収容可能が拡張されている。そして、内側面部252bの下側部分と底面部252cと外側面部252dとにより嵌合突部が構成されている。嵌合突部は、下方に突出するように形成され、角丸矩形枠状に形成されている。この嵌合突部は、嵌合凹部251bに嵌合可能に構成されている。フランジ部252eは、嵌合突部に倣うように角丸矩形枠状に形成され、フランジ部251cと対応するように設けられている。
【0079】
図18~
図20に示すように、ハンド機構4bは、本体部41と、保持部42と、複数の押下部43jとを含んでいる。
【0080】
押下部43jは、押下板431と可動片432とエアシリンダ433とスリーブ434とシャフト435とストッパ436と付勢部材(図示省略)とに加えて、ブラケット437とエアシリンダ438と押圧片439とを有する。すなわち、エクステンションは、ブラケット437とエアシリンダ438と押圧片439とによって構成されている。押下板431は、蓋面部252aを押下するように構成されている。
【0081】
ブラケット437は、押下板431の径方向外側端部に取り付けられる取付部437aと、取付部437aに設けられた押下板437bとを有する。押下板437bは、押下板431よりも下方に配置され、フランジ部252eを押下するように構成されている。
【0082】
図20に示すように、エアシリンダ438は、取付部437aに設けられたシリンダ本体438aと、シリンダ本体438aに対して進退するピストンロッド438bとを有する。ピストンロッド438bの先端には、押圧片439が設けられている。エアシリンダ438は、押圧片439を内側面部252bに押圧可能に構成されている。押圧片439は、内側面部252bに当接される面が傾動可能に構成されている。
【0083】
なお、第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0084】
-効果-
第3実施形態では、上記のように、エクステンションが設けられることによって、押下板431により蓋面部252aを押下するとともに、押下板437bによりフランジ部252eを押下しながら、押圧片439により内側面部252bを外側から押圧することができる。これにより、内側面部252bの外側への弾性変形が抑制されるので、蓋体252の嵌合突部を容器本体251の嵌合凹部251bに適切に嵌合させることができる。
【0085】
なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0086】
(他の実施形態)
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0087】
たとえば、第1実施形態では、移動機構3が直動型である例を示したが、これに限らず、移動機構がロボットアームなどであってもよい。
【0088】
また、第1実施形態では、押下部43が6つ設けられる例を示したが、これに限らず、押下部の数は複数であればいくつであってもよい。
【0089】
また、第1実施形態では、測距部44が3つ設けられる例を示したが、これに限らず、測距部の数はいくつであってもよいし、測距部が設けられていなくてもよい。すなわち、装着作業が成功したか否かの判定が行われる例を示したが、これに限らず、装着作業が成功したか否かの判定が行われないようにしてもよい。
【0090】
また、第1実施形態では、保持部42に保持される蓋体152が傾けられた状態で取付位置P2に移送される例を示したが、これに限らず、保持部に保持される蓋体が水平な状態で取付位置に移送されるようにしてもよい。この場合には、ハンド機構の取付位置への移動が完了された後に、6つの押下部による蓋体の押下が所定の順番で行われるようにすればよい。たとえば、蓋体が矩形の場合には、蓋体の四隅を押下した後に、蓋体の残りの部分を押下するようにしてもよいし、蓋体の四隅のみを押下するようにしてもよい。すなわち、吸着パッド422が傾動可能である例を示したが、これに限らず、吸着パッドが傾動不能であってもよい。また、押下板431が傾動可能である例を示したが、これに限らず、押下板が傾動不能であってもよい。
【0091】
また、第1実施形態では、押下部43bの押下、押下部43cの押下、押下部43dの押下、押下部43eの押下、および、押下部43fの押下が順に行われる例を示したが、これに限らず、押下部の押下パターンはどのようなものであってもよい。たとえば、押下部43bおよび43cの押下、押下部43dの押下、および、押下部43eおよび43fの押下が順に行われるようにしてもよい。また、押下部43b~43fの押下が同時に行われるようにしてもよい。すなわち、複数の押下部の一部が同時に押下されるようにしてもよい。また、押下部43bおよび43fの押下、押下部43cおよび43eの押下、および、押下部43dの押下が順に行われるようにしてもよい。すなわち、嵌合起点から両側に押下がシーケンシャルに行われるようにしてもよい。
【0092】
また、第1実施形態では、押下部43b~43fによる蓋体152の押下が行われた後に、蓋体152が吸着パッド422から離脱される例を示したが、これに限らず、押下部43b~43fによる蓋体152の押下が行われる前に、蓋体152が吸着パッド422から離脱されるようにしてもよい。
【0093】
また、第1実施形態では、容器150が内嵌合型である例を示したが、これに限らず、容器が内外嵌合型や外嵌合型などであってもよい。
【0094】
また、第1実施形態では、容器150が樹脂からなる例を示したが、これに限らず、容器が紙などからなっていてもよい。
【0095】
また、第1実施形態では、容器150の平面形状が円形である例を示したが、これに限らず、容器の平面形状が矩形などであってもよい。
【0096】
なお、上記した実施形態および変形例を、適宜組み替えたり、適宜組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、容器本体の開口に蓋体を嵌合させることにより、容器本体に蓋体を装着させる蓋体装着装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
3 移動機構
4、4a、4b ハンド機構
42 保持部
43、43g~43j 押下部
43a 押下部(一つの押下部)
43b~43f 押下部(一つの押下部以外の押下部)
44 測距部
82a、82b 調整部
100 蓋体装着装置
151、251 容器本体
151a、251a 開口
152、252 蓋体
252a 蓋面部
252b 内側面部
252c 底面部
252d 外側面部
252e フランジ部
431 押下板
【手続補正書】
【提出日】2024-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上側の開口に当該容器本体の上から蓋体を押下して嵌合させることにより、前記容器本体に前記蓋体を装着させる蓋体装着装置であって、
前記蓋体を保持可能に構成されたハンド機構と、
前記蓋体が前記ハンド機構によりピックアップされるピックアップ位置と、前記容器本体に前記蓋体が取り付けられる取付位置との間で前記ハンド機構を移動させる移動機構と、
前記ハンド機構および前記移動機構を制御するとともに下記制御装置と、を備え、
前記ハンド機構は、前記移動機構に取り付けられる本体部と、前記本体部に取り付けられかつ前記蓋体を傾動可能な状態で保持する保持部と、前記保持部の周囲に間隔を隔てて配置されかつ前記保持部によって保持された蓋体を押下する複数の押下部と、前記本体部に取り付けられかつ前記蓋体までの距離を計測する測距部と、を含み、
前記複数の押下部は、傾動可能な押下板と、前記押下板を昇降させるエアシリンダと、を有し、前記一つの押下部が、前記保持部に保持される蓋体が傾けられる際に、前記一つの押下部の押下板が前記蓋体を押下して当該蓋体に倣うように傾けられるように構成されており、
前記制御装置は、前記容器本体に前記蓋体を装着するにあたって前記複数の押下部により前記蓋体を押下するタイミングを個別に制御する他、前記装着が行われた後で前記複数の押下部を上昇させたときに、前記測距部の検出結果に基づいて、前記容器本体に対する前記蓋体の取り付けが成功したか否かを判定するように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋体装着装置において、
前記ハンド機構が前記取付位置に移動される前に、前記複数の押下部のうちの一つの押下部が前記蓋体を押下することにより、前記保持部に保持される蓋体が傾けられるように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項3】
請求項2に記載の蓋体装着装置において、
前記保持部に保持される蓋体が傾けられた状態で、前記移動機構によって前記ハンド機構が前記取付位置に移動された後に、前記一つの押下部以外の押下部が順に前記蓋体を押下することにより、前記容器本体の開口に前記蓋体が嵌合されるように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の蓋体装着装置において、
前記ハンド機構は、前記押下部の位置を調整する調整部を含むことを特徴とする蓋体装着装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1つに記載の蓋体装着装置において、
前記蓋体は、蓋面部と、前記蓋面部の周縁から下方に延びる内側面部と、前記内側面部の下端部から外側に延びる底面部と、前記底面部の外側端部から上方に延びる外側面部と、前記外側面部の上端部から外側に張り出すフランジ部とを有し、
前記押下部は、前記蓋面部および前記フランジ部を押さえ付けるとともに、前記内側面部を押さえ付けるように構成されていることを特徴とする蓋体装着装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明による蓋体装着装置は、容器本体の上側の開口に当該容器本体の上から蓋体を押下して嵌合させることにより、前記容器本体に前記蓋体を装着させるものであり、前記蓋体を保持可能に構成されたハンド機構と、前記蓋体が前記ハンド機構によりピックアップされるピックアップ位置と、前記容器本体に前記蓋体が取り付けられる取付位置との間で前記ハンド機構を移動させる移動機構と、前記ハンド機構および前記移動機構を制御するとともに下記制御装置と、を備える。前記ハンド機構は、前記移動機構に取り付けられる本体部と、前記本体部に取り付けられかつ前記蓋体を傾動可能な状態で保持する保持部と、前記保持部の周囲に間隔を隔てて配置されかつ前記保持部によって保持された蓋体を押下する複数の押下部と、前記本体部に取り付けられかつ前記蓋体までの距離を計測する測距部と、を含む。前記複数の押下部は、傾動可能な押下板と、前記押下板を昇降させるエアシリンダと、を有し、前記一つの押下部が、前記保持部に保持される蓋体が傾けられる際に、前記一つの押下部の押下板が前記蓋体を押下して当該蓋体に倣うように傾けられるように構成されており、前記制御装置は、前記容器本体に前記蓋体を装着するにあたって前記複数の押下部により前記蓋体を押下するタイミングを個別に制御する他、前記装着が行われた後で前記複数の押下部を上昇させたときに、前記測距部の検出結果に基づいて、前記容器本体に対する前記蓋体の取り付けが成功したか否かを判定するように構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
ところで、上記蓋体装着装置において、前記ハンド機構が前記取付位置に移動される前に、前記複数の押下部のうちの一つの押下部が前記蓋体を押下することにより、前記保持部に保持される蓋体が傾けられるように構成されていてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】