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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146416
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/215 20160101AFI20241004BHJP
【FI】
H02K11/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059296
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】森下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】為国 宏高
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB08
5H611PP05
5H611QQ03
5H611RR02
5H611UA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】磁気的影響を抑えたステータを提供する。
【解決手段】ステータ10は、ステータコア121と、インシュレータと、コイル123と、回路基板42と、スペーサ43とを有する。ステータコアは、中心軸を周方向に囲む環状のコアバック121aと、コアバックから径方向に延びて周方向に複数配置されるティース121bとを有する。インシュレータは、ステータコアの少なくとも一部を覆う。コイルは、ティースにインシュレータを介して取り付けられる。回路基板は、電子部品が実装され、ステータコアの軸方向一方側に配置される。スペーサは、軸方向において、回路基板とステータコアとの間に配置される。回路基板とスペーサとは接続される。ステータコアは、スペーサを支持する支持部を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を周方向に囲む環状のコアバックと、前記コアバックから径方向に延びて周方向に複数配置されるティースとを有するステータコアと、
前記ステータコアの少なくとも一部を覆うインシュレータと、
前記ティースに前記インシュレータを介して取り付けられるコイルと、
電子部品が実装され、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される回路基板と、
軸方向において、前記回路基板と前記ステータコアとの間に配置されるスペーサと、
を有し、
前記回路基板と前記スペーサとは接続され、
前記ステータコアは、前記スペーサを支持する支持部を有する、ステータ。
【請求項2】
前記支持部は、前記ステータコアを軸方向に凹むコア穴部を有し、
前記スペーサは、前記コア穴部に対向する位置で軸方向に突出するスペーサ突起部を有し、
前記スペーサ突起部は、前記コア穴部の内側に位置し、
前記コア穴部と前記スペーサ突起部との間に接着部材が配置される、請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記支持部は、前記ステータコアを軸方向に凹むコア穴部でありを有し、
前記スペーサは、前記コア穴部に対向する位置で、前記スペーサを軸方向に凹むスペーサ凹部を有し、
前記コア穴部と前記スペーサ凹部との間に接続部材が配置される、請求項1に記載のステータ。
【請求項4】
中心軸を周方向に囲む環状のコアバックと、前記コアバックから径方向に延びて周方向に複数配置されるティースとを有するステータコアと、
前記ステータコアの少なくとも一部を覆うインシュレータと、
前記ティースに前記インシュレータを介して取り付けられるコイルと、
電子部品が実装され、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される回路基板と、
軸方向において、前記回路基板と前記ステータコアとの間に配置されるスペーサと、
を有し、
前記回路基板と前記スペーサとは接続され、
前記インシュレータは、前記スペーサを支持する支持部を有する、ステータ。
【請求項5】
前記インシュレータは、前記複数のティースのうちの一部のティースにおける前記スペーサ側を覆う、請求項4に記載のステータ。
【請求項6】
前記支持部は、前記インシュレータを軸方向に凹むインシュレータ穴部を有し、
前記スペーサは、前記インシュレータ穴部に対向する位置で軸方向に突出するスペーサ突起部を有し、
前記スペーサ突起部は、前記インシュレータ穴部の内側に位置する、請求項5に記載のステータ。
【請求項7】
前記支持部は、前記インシュレータを軸方向に突出するインシュレータ突起部を有し、
前記スペーサは、前記インシュレータ突起部に対向する位置で軸方向に凹むスペーサ穴部を有し、
前記インシュレータ突起部が、前記スペーサ穴部の内側に位置する、請求項5に記載のステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のブラシレスモータでは、複数の突極を放射状に配置したステータに、ロータに設けた磁石の磁極を検出する磁極検出用センサを備え、磁極検出用センサからの検出信号に基づいて各突極のコイルへの通電を切り替える制御が行われる。特許文献1のブラシレスモータは、磁極検出用センサを磁石に対向する状態で保持するセンサホルダを備えると共に、センサホルダが、ステータに対して着脱可能な固定手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-264971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のブラシレスモータにおけるステータには、磁極検出用センサが配置される溝に加えて、ステータに対してセンサホルダを位置決めするための溝が設けられている。センサを配置する溝以外に、センサホルダの位置決めする溝を鉄心の先端に設けているため、トルクの脈動やトルク低下などの磁気的影響がある。
【0005】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁気的影響を抑えたステータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的なステータは、ステータコアと、インシュレータと、コイルと、回路基板と、スペーサとを有する。前記ステータコアは、中心軸を周方向に囲む環状のコアバックと、前記コアバックから径方向に延びて周方向に複数配置されるティースとを有する。前記インシュレータは、前記ステータコアの少なくとも一部を覆う。前記コイルは、前記ティースに前記インシュレータを介して取り付けられる。前記回路基板は、電子部品が実装され、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される。前記スペーサは、軸方向において、前記回路基板と前記ステータコアとの間に配置される。前記回路基板と前記スペーサとは接続される。前記ステータコアは、前記スペーサを支持する支持部を有する。
【0007】
本開示の例示的なステータは、ステータコアと、インシュレータと、コイルと、回路基板と、スペーサとを有する。前記ステータコアは、中心軸を周方向に囲む環状のコアバックと、前記コアバックから径方向に延びて周方向に複数配置されるティースとを有する。前記インシュレータは、前記ステータコアの少なくとも一部を覆う。前記コイルは、前記ティースに前記インシュレータを介して取り付けられる。前記回路基板は、電子部品が実装され、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される。前記スペーサは、軸方向において、前記回路基板と前記ステータコアとの間に配置される。前記回路基板と前記スペーサとは接続される。前記インシュレータは、前記スペーサを支持する支持部を有する。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本開示によれば、磁気的影響を抑えつつ、電子部品が配置されたスペーサをステータコアに取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、例示的な第1実施形態のモータの外観を示す図である。
図2図2は、例示的な第1実施形態のモータの回転軸に沿った断面を示す図である。
図3図3は、例示的な第1実施形態のモータの内部を示す分解図である。
図4図4は、例示的な第1実施形態のステータを示す分解図である。
図5図5は、図4の一部を拡大した図である。
図6図6は、例示的な第1実施形態のステータの変形例を示す分解図である。
図7図7は、例示的な第2実施形態のステータを示す分解図である。
図8図8は、例示的な第2実施形態のステータの変形例を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本明細書では、理解の容易のため、モータの回転軸に略平行な方向を軸方向Zと記載し、軸方向Zの一方側を軸方向一方側Z1と記載し、軸方向Zの他方側を軸方向他方側Z2と記載する。また、軸方向Zを中心とする径方向Rと記載し、軸方向Zを中心とする周方向を周方向Cと記載する。ただし、あくまで説明の便宜のために方向を定義したに過ぎず、特に水平方向、鉛直方向を定義する必要がある場合を除き、本発明に係る冷却装置の使用時の向きを限定しない。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0011】
図1図3を参照して、例示的な第1実施形態のモータ1を説明する。図1は、例示的な第1実施形態のモータ1の外観を示す図である。図2は、例示的な第1実施形態のモータ1の回転軸に沿った断面を示す図である。図3は、例示的な第1実施形態のモータ1の内部を示す分解図である。
【0012】
モータ1は、一例として、四輪車又は二輪車の車輪に用いられる。典型的には、モータ1は、四輪車又は二輪車の車軸に取り付けられるインホイールモータとして用いられる。
【0013】
図1に示すように、モータ1は、回転軸であるシャフト30と、ステータ10と、ロータ20とを有する。インホイールモータの場合、シャフト30は、車軸を構成する。ステータ10は、円柱形状であり、シャフト30に固定される。ロータ20は、ステータ10に対して相対回転する。具体的には、ロータ20は、シャフト30を軸にステータ10の周囲を回転する。
【0014】
[ロータ]
図2及び図3に示すように、ロータ20は、ヨーク21と、複数のマグネット22と、リム25と、接続部26とを有する。リム25は、ステータ10の外周を囲う環状の部材である。例えば、リム25には、図示しないタイヤが取り付けられる。ヨーク21は、リム25の内周面に沿って配置される円筒形状つまり環状の鉄製部材である。ヨーク21は、リム25に対して溶接にて接続されている。また、溶接の代わりに、リム25にアルミニウムや樹脂製の材料を用いて、ヨーク21をインサート成型で覆って固定しても良い。ヨーク21の内周面には、内周面に沿って複数のマグネット22が配置される。具体的には、複数のマグネット22は、ヨーク21の内周面において、周方向CにN極とS極とが交互に並べて配置される。マグネット22は、例えば、直方体上の永久磁石によって構成される。実施形態において複数のマグネットが並べて配置されるが、1つの円環状のマグネットでN極とS極が交互に配置されているものでも良い。
【0015】
接続部26は、リム25をシャフト30に対して回転可能に接続する。具体的には、接続部26は、カバー23と、一対の軸受24とを有する。カバー23は、リム25、ヨーク21及びステータ10の軸方向の両端面を覆う。実施形態においては、カバー23は、ヨーク21に対してネジで接続する。ただし、リム25に対してカバー23を接続しても良い。
【0016】
本実施形態において、カバー23は、第1カバー23aと、第2カバー23bとを有する。第1カバー23aは、リム25、ヨーク21及びステータ10の軸方向一方側Z1を覆う。第2カバー23bは、リム25、ヨーク21及びステータ10の軸方向他方側Z2を覆う。第1カバー23a及び第2カバー23bの各々は、筒部23cを有する。第2カバー23bには、例えば、ブレーキ機構27が配置される。実施形態では、第1カバー23a、第2カバー23b、及びリム25はそれぞれ別部材であるが、第1カバー23a及び第2カバー23bのいずれか一方がリム25と一つの部材で構成されていてもよい。
【0017】
筒部23cは、シャフト30を囲み、軸方向Zに延びる。筒部23cは、内部に軸受24を保持する。軸受24は、シャフト30に対して、第1カバー23a又は第2カバー23bを回転可能に支持する。
【0018】
[ステータ]
次に、図3図5を参照して、例示的な第1実施形態のステータ10を説明する。図4は、例示的な第1実施形態のステータ10を示す分解図である。図5は、図4の一部を拡大した図である。図4及び図5は、理解を容易にするため、ステータ10の一部のコイル123を省略している。更に、図5は、図4からインシュレータ122を省略している。
【0019】
図3図5に示すように、ステータ10は、ステータホルダ13と、ステータコア121と、インシュレータ122と、コイル123と、センサユニット40とを有する。
【0020】
ステータホルダ13は、円盤状のプレス品であり、軸方向Zに沿って貫通する貫通孔13aを有する。例えば、貫通孔13aにシャフト30が圧入され、シャフト30とステータホルダ13とが固定される。
【0021】
ステータコア121は、円環状であり、ステータホルダ13の外周部に固定される。このとき、ステータコア121は、マグネット22の径方向Rの内側に隙間を介して配置される。ステータコア121の中心は、シャフト30の中心軸と略一致する。
【0022】
ステータコア121は、複数のコア部材を軸方向Zに積層して構成される。コア部材は、例えば磁性鋼板から形成される。図5に示すように、ステータコア121は、コアバック121aと、ティース121bとを有する。
【0023】
コアバック121aとティース121bとは、一体に形成されている。コアバック121aは、シャフト30の中心軸を周方向Cに囲み、環状に形成される。ティース121bは、コアバック121aの径方向Rの外側の表面から径方向Rの外側に延びる。複数のティース121bが、周方向Cに沿って等間隔に配置される。
【0024】
インシュレータ122は、ステータコア121の少なくとも一部を覆う。インシュレータ122は、ステータコア121とコイル123とを電気的に絶縁する絶縁性部材である。例えば、インシュレータ122は、絶縁性樹脂で形成される。インシュレータ122は、各ティース121bに取り付けられる。
【0025】
具体的には、インシュレータ122は、コアバック121aの軸方向Zの両側端部、及び各ティース121bの軸方向Zの両側端部に配置される。また、インシュレータ122は、各ティース121bの周方向Cに沿った面とコアバック121aの径方向Rの外側面にも配置される。各ティース121bの軸方向Zの両側面であって径方向Rにおける外側の領域及び径方向Rの外側の面は、インシュレータ122で覆われず、露出している。
【0026】
コイル123は、ティース121bにインシュレータ122を介して取り付けられる。コイル123は、インシュレータ122を介して各ティース121bに図示しない導線を巻き回して形成される。コイル123は、周方向Cに複数配置される。
【0027】
コイル123に駆動電流を与えると、複数のティース121bに磁束が生じる。これにより、ティース121bとマグネット22との間に生じる吸引及び反発の作用により、周方向Cのトルクが発生する。その結果、ステータ10に対して、ロータ20がシャフト30を中心として回転する。
【0028】
[センサユニット]
本実施形態において、複数のティース121bのうちの一部のティース121bの軸方向一方側Z1には、センサユニット40が配置される。センサユニット40は、センサ41と、回路基板42と、スペーサ43とを有する。センサ41は、回路基板42のうち軸方向他方側Z2を向く実装面に実装され、ロータ20の状態又はコイル123の状態を検知する。ロータ20の状態を検知するとは、例えば、ホールセンサ又はエンコーダ等によるロータ20の周方向Cの回転位置の検知、又はロータ20の回転速度の検知が挙げられる。コイル123の状態を検知するとは、例えば、サーミスタによるコイル123の温度の検知が挙げられる。センサ41は、上記センサに限定されず、センサによって検知される状態も上記の状態に限定されない。本実施形態において、センサ41は電子部品の一例である。
【0029】
回路基板42の実装面側には、スペーサ43が接続される。スペーサ43は、軸方向Zにおいて、回路基板42とステータコア121との間に配置される。つまり、回路基板42は、スペーサ43を介して、ステータコア121の軸方向一方側Z1に配置される。
【0030】
スペーサ43は、ベース部431と、スペーサ突起部432a、432bとを有する。ベース部431には、センサ41が接触して位置決めされる。本実施形態では、センサ41は、ベース部431の軸方向他方側Z2の端面において、周方向Cに3個並んで配置される。各センサ41は、周方向Cに隣り合うティース121bの隙間に配置される。例えば、センサ41がロータ20の周方向Cの回転位置を検知する場合、各センサ41の検出信号が図示しないモータ1の制御回路に送信され、U相、V相及びW相にそれぞれ対応するコイル123の状態を制御する。
【0031】
[センサユニットの取付1]
スペーサ突起部432a、432bは、ベース部431の軸方向他方側Z2の端面から軸方向他方側Z2に突出する略円柱状の突起である。本実施形態では、ベース部431に2つのスペーサ突起部432a、432bが設けられる構成としたが、ベース部431に設けられるスペーサ突起部432は、2つに限らない。また、スペーサ突起部432a、432bの形状は、略円柱状に限らない。
【0032】
一方、ステータコア121において、一部のティース121bは、インシュレータ122で覆われていない露出した領域に、軸方向他方側Z2に凹むコア穴部124a、124bを有する。コア穴部124a及びスペーサ突起部432aは、互いに対向する。コア穴部124b及びスペーサ突起部432bは、互いに対向する。コア穴部124aには、スペーサ突起部432aが挿入される。コア穴部124bには、スペーサ突起部432bが挿入される。言い換えると、スペーサ突起部432aは、コア穴部124aに対向する位置に配置され、コア穴部124aの内側に位置する。スペーサ突起部432bは、コア穴部124bに対向する位置に配置され、コア穴部124bの内側に位置する。コア穴部124a、124bとスペーサ突起部432a、432bとは僅かな隙間を設けて挿入されても良いし、軽圧入で固定されても良い。
【0033】
具体的には、一部のティース121bには、切欠部121cとコア穴部124a、124bとが形成さえる。切欠部121cは、ティース121bの軸方向一方側Z1の端部において、周方向Cの端面上に凹んで形成される。コア穴部124a、124bは、それぞれ、スペーサ突起部432a、432bに対応した形状を有する軸方向Zに沿って延びる縦穴である。例えば、スペーサ突起部432a、432bが略円柱状である場合、コア穴部124a、124bは、円筒状の穴である。なお、コア穴部124a、124bに対してスペーサ突起部432a、432bが挿入可能であれば、スペーサ突起部432a、432bの形状と、コア穴部124a、124bの形状とは、異なる形状でもよい。また、コア穴部124a、124bの軸方向Zの深さは、ティース121bの軸方向高さよりも短い。ただし、コア穴部124a、124bは、ティース121bを軸方向に貫通しても良い。
【0034】
コア穴部124a、124bに対してスペーサ突起部432a、432bが挿入されると、切欠部121cには、内部にセンサ41の少なくとも一部が配置される。本実施形態では、切欠部121cは、周方向Cに並ぶ3つのティース121bに配置される。切欠部121cを設けることにより、センサ41の軸方向他方側Z2の端部をティース121bの軸方向一方側Z1の端部より軸方向他方側Z2に配置できる。これにより、各センサ41は、マグネット22に径方向に対向して配置でき、マグネット22の磁束を精度良く検知することができる。また、センサユニット40を含むステータ10を軸方向Zに小型化できる。
【0035】
このように、スペーサ43は、コア穴部124a、124bによって支持される。コア穴部124a、124bは、支持部の一例である。したがって、ティース121bの径方向外側端部に各センサ41を配置する切欠部121c以外にスペーサ43を固定する切欠部を設ける必要が無い。よって、トルクの脈動やトルク低下などの磁気的影響を抑えたモータ1を提供できる。
【0036】
また、スペーサ突起部432aとコア穴部124aとの間、及びスペーサ突起部432bとコア穴部124bとの間には、硬化性の樹脂、接着剤、両面テープ又は糊等が配置されてもよい。硬化性の樹脂、接着剤、両面テープ又は糊は、接着部材の一例である。接着部材が、スペーサ突起部432aとコア穴部124aとの間、及びスペーサ突起部432bとコア穴部124bとの間の隙間を埋めることで、センサユニット40を容易かつより強固にステータ10に取り付けることができる。
【0037】
なお、本実施形態において、スペーサ突起部432a、432bの軸方向他方側Z2の先端に軸方向Zと交差する方向に突出するツメ等の突起が設けられ、スペーサ突起部432a、432bとコア穴部124a、124bとの間でスナップフィットが形成されてもよい。
【0038】
[センサユニットの取付2]
次に、図6を参照して、例示的な第1実施形態のステータ10の変形例を説明する。図6は、例示的な第1実施形態のステータ10の変形例を示す分解図である。図6は、ステータ10の変形例におけるセンサユニット40の周辺を拡大して示している。図6では、図4及び図5で省略した一部のコイル123及びインシュレータ122が図示されている。
【0039】
図6に示すステータ10Aは、図4及び図5に示すステータ10と比べて、センサユニット40の代わりにセンサユニット40Aを有する以外、ステータ10と同じである。
【0040】
センサユニット40Aは、センサユニット40と比べて、スペーサ43の代わりにスペーサ43Aを有する。スペーサ43Aは、スペーサ凹部433a、433bを有するベース部431Aを有する。ベース部431Aは、スペーサ突起部432a、432bの代わりにスペーサ凹部433a、433bを有する以外、ベース部431と同じである。
【0041】
スペーサ凹部433a、433bは、ベース部431Aの軸方向他方側Z2の端面から軸方向一方側Z1に凹む。言い換えると、スペーサ凹部433a、433bは、ベース部431Aの軸方向他方側Z2の端面から軸方向一方側Z1に延びる縦穴である。スペーサ凹部433a、433bは、それぞれ、コア穴部124a、124bに対向する位置に配置される。スペーサ凹部433a及びコア穴部124aは、棒状の接続部材434aを介して互いに接続される。スペーサ凹部433b及びコア穴部124bは、棒状の接続部材434bを介して互いに接続される。言い換えると、スペーサ凹部433aとコア穴部124aとの間には、接続部材434aが配置される。スペーサ凹部433bとコア穴部124bとの間には、接続部材434bが配置される。接続部材434a、434bは、スペーサ43A及びステータコア121に対して着脱可能である。
【0042】
具体的には、接続部材434aの軸方向一方側Z1の端部は、スペーサ凹部433aの内側に位置する。接続部材434aの軸方向他方側Z2の端部は、コア穴部124aの内側に位置する。接続部材434bの軸方向一方側Z1の端部は、スペーサ凹部433bの内側に位置する。接続部材434bの軸方向他方側Z2の端部は、コア穴部124bの内側に位置する。また、例えば、接続部材434aの軸方向一方側Z1の端部、及び接続部材434bの軸方向一方側Z1の端部の形状は、それぞれ、コア穴部124aの形状、及びコア穴部124bの形状と同じである。
【0043】
このように、スペーサ43A及びステータコア121に対して着脱可能な接続部材434a、434bによって、センサユニット40がステータコア121に固定されるため、接続部材434a、434bのみを交換することが可能になり、ステータ10のメンテナンス性が向上する。
【0044】
接続部材434aの素材は、特に限定されない。また、接続部材434a、434bは、スペーサ突起部432a、432bと同様に、スペーサ凹部433a、433b及びコア穴部124a、124bとの間でスナップフィットが形成されてもよい。また、接続部材434aとコア穴部124a及びスペーサ凹部433aとの間、並びに、接続部材434bとコア穴部124b及びスペーサ凹部433bとの間には、接着部材が配置されてもよい。
【0045】
[第2実施形態]
続いて、例示的な第2実施形態に係るモータについて説明する。第2実施形態は、インシュレータの形状及びセンサユニットの取付方が第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態について第1実施形態と異なる事項を説明し、第1実施形態と重複する事項の説明は割愛する。
【0046】
図7を参照して、例示的な第2実施形態のステータ10Bを説明する。図7は、例示的な第2実施形態のステータ10Bを示す分解図である。図7は、ステータ10Bにおけるセンサユニット40Bの周辺を拡大して示している。
【0047】
第2実施形態のモータ1Bは、第1実施形態のモータ1と比べて、ステータ10の代わりにステータ10Bを有する以外、第1実施形態のモータ1と同じである。
【0048】
図7に示すように、ステータ10Bは、モータ1のステータホルダ13と、ステータコア121と、コイル123と、センサユニット40とを有する。また、ステータ10Bは、モータ1のインシュレータ122の代わりにインシュレータ122Bを有する。
【0049】
インシュレータ122Bは、図4又は図6に示すモータ1のインシュレータ122と比べて、一部のティース121bの軸方向一方側Z1の全部を覆う。ティース121bの軸方向一方側Z1の全部を覆うインシュレータ122Bには、軸方向一方側Z1の面から軸方向他方側Z2に凹むインシュレータ穴部125a、125bが配置される。
【0050】
インシュレータ穴部125a及びスペーサ突起部432aは、互いに対向する。インシュレータ穴部125b及びスペーサ突起部432bは、互いに対向する。インシュレータ穴部125aには、スペーサ突起部432aが挿入される。インシュレータ穴部125bには、スペーサ突起部432bが挿入される。言い換えると、スペーサ突起部432aは、インシュレータ穴部125aに対向する位置に配置され、インシュレータ穴部125aの内側に位置する。スペーサ突起部432bは、インシュレータ穴部125bに対向する位置に配置され、インシュレータ穴部125bの内側に位置する。インシュレータ穴部125a、125bは、それぞれ、スペーサ突起部432a、432bに対応した形状を有する軸方向Zに沿って延びる縦穴である。例えば、スペーサ突起部432a、432bが略円柱状である場合、インシュレータ穴部125a、125bは、円筒状の穴である。なお、インシュレータ穴部125a、125bに対してスペーサ突起部432a、432bが挿入可能であれば、スペーサ突起部432a、432bの形状と、インシュレータ穴部125a、125bの形状とは、異なる形状でもよい。
【0051】
このように、スペーサ43は、インシュレータ穴部125a、125bによって支持される。インシュレータ穴部125a、125bは、支持部の一例である。樹脂製のインシュレータ122Bを加工してスペーサ43を含むセンサユニット40を支持する支持部を設けることで、金属製のステータコアを加工する場合と比べて、支持部を容易に形成できる。特に、樹脂製のインシュレータ122Bへの穴開け加工は、金属製のステータコアへの穴開け加工より容易である。
【0052】
また、インシュレータ122Bは、一部のティース121bの軸方向一方側Z1の全部を覆うことから、金属製のステータコアを加工することなく、センサユニット40を支持する支持部を設けることができ、ステータ及びモータに対する磁気的な影響を少なくできる。
【0053】
次に、図8を参照して、例示的な第2実施形態のステータ10Bの変形例を説明する。図8は、例示的な第2実施形態のステータ10Bの変形例を示す分解図である。
【0054】
図8に示すステータ10Cは、図7に示すステータ10Bと比べて、センサユニット40の代わりに第1実施形態のセンサユニット40Aを有し、インシュレータ122Bの代わりにインシュレータ122Cを有する以外、ステータ10Bと同じである。
【0055】
インシュレータ122Cは、インシュレータ122Bと比べて、インシュレータ穴部125a、125bの位置に、インシュレータ突起部126a、126bが設けられる点が異なる。
【0056】
ステータ10Cにおいて、インシュレータ突起部126a及びセンサユニット40Aにおけるスペーサ凹部433aは、互いに対向する。インシュレータ突起部126b及びセンサユニット40Aにおけるスペーサ凹部433bは、互いに対向する。スペーサ凹部433aには、インシュレータ突起部126aが挿入される。スペーサ凹部433bには、インシュレータ突起部126bが挿入される。言い換えると、インシュレータ突起部126aは、スペーサ凹部433aに対向する位置に配置され、スペーサ凹部433aの内側に位置する。インシュレータ突起部126bは、スペーサ凹部433bに対向する位置に配置され、スペーサ凹部433bの内側に位置する。
【0057】
インシュレータ122Cに突起部を設け、スペーサ43に凹部を設けることで、突起部以外のインシュレータ122Cの軸方向Zの厚さを薄くでき、センサユニット40Aを含むステータ10Cを軸方向Zに小型化できる。
【0058】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0059】
また、図面は、開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示は、ステータの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 :モータ
1B :モータ
10 :ステータ
10A :ステータ
10B :ステータ
10C :ステータ
13 :ステータホルダ
30 :シャフト
40 :センサユニット
40A :センサユニット
40B :センサユニット
41 :センサ
42 :回路基板
43 :スペーサ
43A :スペーサ
121 :ステータコア
121a :コアバック
121b :ティース
122 :インシュレータ
122B :インシュレータ
122C :インシュレータ
123 :コイル
124a :コア穴部
124b :コア穴部
125a :インシュレータ穴部
125b :インシュレータ穴部
126a :インシュレータ突起部
126b :インシュレータ突起部
432 :スペーサ突起部
432a :スペーサ突起部
432b :スペーサ突起部
433a :スペーサ凹部
433b :スペーサ凹部
434a :接続部材
434b :接続部材
Z :軸方向
Z1 :軸方向一方側
Z2 :軸方向他方側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8