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特開2024-146419投射方法、投射システム、及びプロジェクター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146419
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】投射方法、投射システム、及びプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20241004BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241004BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20241004BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20241004BHJP
   G09G 5/373 20060101ALI20241004BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/14 Z
G09G5/37 600
G09G5/373 200
G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059303
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 修治
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA96
2K203FB04
2K203FB05
2K203MA23
5C058BA35
5C058EA03
5C182AA03
5C182AA04
5C182BA01
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA46
5C182BB04
5C182BB12
5C182BB13
5C182BB26
5C182BC26
5C182CB14
5C182CB34
5C182CB44
5C182CB54
5C182CC02
5C182CC11
(57)【要約】
【課題】マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーの作業効率を向上させる。
【解決手段】処理装置22は、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の開始要求を受け付けたと判定した場合、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cに対し、サムネイル画像の生成及び送信を要求する。処理装置22は、第2のプロジェクター2bにおいて生成された第2のサムネイル画像TI2及び第3のプロジェクター2cにおいて生成された第3のサムネイル画像TI3を取得する。処理装置22は、第1のサムネイル画像TI1を生成する。処理装置22は、第1の投射領域PA1に第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を並べて投射する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、
第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターに入力される入力画像に基づく第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に、前記入力画像に基づく第2の投射画像を投射し、
第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像と第2の縮小画像とを並べて投射し、
前記第1の縮小画像は、前記第1の投射画像を縮小させた画像であり、
前記第2の縮小画像は、前記第2の投射画像を縮小させた画像である、
投射方法。
【請求項2】
第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、
第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターに入力される入力画像に基づく第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に、前記入力画像に基づく第2の投射画像を投射し、
第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像及び第2の縮小画像の少なくともいずれか1つを投射し、
前記第1の縮小画像は、前記第1のプロジェクターに入力される前記入力画像を縮小させた画像であり、
前記第2の縮小画像は、前記第2のプロジェクターに入力される前記入力画像を縮小させた画像である、
投射方法。
【請求項3】
前記第1の投射モードと前記第2の投射モードとは、ユーザーの前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターのいずれかに対する操作によって切り替えられる、
請求項1又は請求項2に記載の投射方法。
【請求項4】
前記第1の投射画像は、前記第1のプロジェクターに入力される前記入力画像から、前記第1の投射領域に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第1の加工画像であり、
前記第2の投射画像は、前記第2のプロジェクターに入力される前記入力画像から、前記第2の投射領域に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第2の加工画像である、
請求項1に記載の投射方法。
【請求項5】
前記第1の加工画像には、前記入力画像から前記第1の投射領域に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施されており、
前記第2の加工画像には、前記入力画像から前記第2の投射領域に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施されている、
請求項4に記載の投射方法。
【請求項6】
第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、
第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に第2の投射画像を投射し、
第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像と第2の縮小画像とを並べて投射し、
前記第1の縮小画像は、前記第1の投射画像が投射された前記第1の投射領域が撮像された第1の撮像画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2の投射画像が投射された前記第2の投射領域が撮像された第2の撮像画像である、
投射方法。
【請求項7】
前記第1の縮小画像及び前記第2の縮小画像の配列と、前記第1の投射領域及び前記第2の投射領域の配列とは、互いに一致している、
請求項1又は請求項2に記載の投射方法。
【請求項8】
前記第2のプロジェクターの姿勢が、基本姿勢及び前記基本姿勢に対して天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢であるかを示す姿勢情報と、前記第2のプロジェクターにおける前記第2の投射画像の天地の向きをいずれの向きに設定するかを示す姿勢設定情報とに基づいて、前記第2の縮小画像の天地の向きを決定する、
請求項1又は請求項2に記載の投射方法。
【請求項9】
第1のプロジェクターと、第2のプロジェクターとを含み、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターによりマルチプロジェクションを行う投射システムであって、
第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターは、第1の投射領域に第1の投射画像を投射し、前記第1の投射モードにおいて、前記第2のプロジェクターは、第2の投射領域に第2の投射画像を投射し、
第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターは、前記第1の投射領域に、前記第1の投射画像を縮小させた第1の縮小画像と、前記第2の投射画像を縮小させた第2の縮小画像とを並べて投射する、
投射システム。
【請求項10】
マルチプロジェクションシステムを構成し、第1の投射機構を有するプロジェクターであって、
1又は複数のプロセッサーを備え、
前記1又は複数のプロセッサーは、
入力画像を取得し、
前記入力画像から第1の投射領域に投射する範囲の画像を切り出すことを少なくとも含む画像処理の内容を指定する設定情報を取得し、
前記入力画像に前記設定情報の示す画像処理を施すことによって第1の投射画像を出力し、
前記入力画像又は前記第1の投射画像から、前記入力画像又は前記第1の投射画像を縮小させた第1の縮小画像を生成し、
前記マルチプロジェクションシステムを構成する他のプロジェクターにおいて、第2の投射領域に投射される第2の投射画像に基づいて生成された第2の縮小画像を取得し、
第1の投射モードにおいて、前記第1の投射領域に前記第1の投射画像を前記第1の投射機構に投射させ、第2の投射モードにおいて、前記第1の投射領域に前記第1の縮小画像と前記第2の縮小画像とを並べて前記第1の投射機構に投射させる、
プロジェクター。
【請求項11】
前記第2の投射モードにおいて、前記設定情報、及び前記他のプロジェクターに入力される他の入力画像から前記第2の投射領域に投射する範囲を切り出す処理を少なくとも含む画像処理の内容を指定する他の設定情報の少なくともいずれか一方を変更する設定変更部をさらに備える、
請求項10に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記設定情報及び前記他の設定情報には、前記マルチプロジェクションシステムを構成する複数のプロジェクターの配列に関する情報が含まれる、
請求項11に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射方法、投射システム、及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各プロジェクターから投射対象に部分画像を投射するマルチプロジェクションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-117989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に係る技術では、各部分画像が作業者の意図通りに投射されているか否かを作業者が確認する際、投射対象の大きさ、形状、配置等によっては、作業者が各部分画像を1箇所から俯瞰できない場合がある。このような場合、作業者は、各部分画像を視認可能な位置まで移動する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る投射方法の一態様は、第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターに入力される入力画像に基づく第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に、前記入力画像に基づく第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像と第2の縮小画像とを並べて投射し、前記第1の縮小画像は、前記第1の投射画像を縮小させた画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2の投射画像を縮小させた画像である。
【0006】
本開示に係る投射方法の一態様は、第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターに入力される入力画像に基づく第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に、前記入力画像に基づく第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像及び第2の縮小画像の少なくともいずれか1つを投射し、前記第1の縮小画像は、前記第1のプロジェクターに入力される前記入力画像を縮小させた画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2のプロジェクターに入力される前記入力画像を縮小させた画像である。
【0007】
本開示に係る投射方法の一態様は、第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像と第2の縮小画像とを並べて投射し、前記第1の縮小画像は、前記第1の投射画像が投射された前記第1の投射領域が撮像された第1の撮像画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2の投射画像が投射された前記第2の投射領域が撮像された第2の撮像画像である。
【0008】
本開示に係る投射システムの一態様は、第1のプロジェクターと、第2のプロジェクターとを含み、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターによりマルチプロジェクションを行う投射システムであって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターは、第1の投射領域に第1の投射画像を投射し、前記第1の投射モードにおいて、前記第2のプロジェクターは、第2の投射領域に第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターは、前記第1の投射領域に、前記第1の投射画像を縮小させた第1の縮小画像と、前記第2の投射画像を縮小させた第2の縮小画像とを並べて投射する。
【0009】
本開示に係るプロジェクターの一態様は、マルチプロジェクションシステムを構成し、第1の投射機構を有するプロジェクターであって、1又は複数のプロセッサーを備え、前記1又は複数のプロセッサーは、入力画像を取得し、前記入力画像から第1の投射領域に投射する範囲の画像を切り出すことを少なくとも含む画像処理の内容を指定する設定情報を取得し、前記入力画像に前記設定情報の示す画像処理を施すことによって第1の投射画像を出力し、前記入力画像又は前記第1の投射画像から、前記入力画像又は前記第1の投射画像を縮小させた第1の縮小画像を生成し、前記マルチプロジェクションシステムを構成する他のプロジェクターにおいて、第2の投射領域に投射される第2の投射画像に基づいて生成された第2の縮小画像を取得し、第1の投射モードにおいて、前記第1の投射領域に前記第1の投射画像を前記第1の投射機構に投射させ、第2の投射モードにおいて、前記第1の投射領域に前記第1の縮小画像と前記第2の縮小画像とを並べて前記第1の投射機構に投射させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る投射システムの構成図である。
図2】各プロジェクターに入力される入力画像の一例を示す図である。
図3図1のマスタープロジェクターの構成例を示すブロック図である。
図4】姿勢情報、姿勢設定情報、及びサムネイル画像の天地の向きの関係を示す図である。
図5図1のデータサーバーの構成例を示すブロック図である。
図6】第1の投射モードにおける投射システムの動作の一例を示す図である。
図7】第2の投射モードにおける投射システムの動作の一例を示す図である。
図8】第2の投射モードにおける投射システムの動作の一例を示す図である。
図9】第2の投射モードにおける投射システムの動作の一例を示す図である。
図10】マスタープロジェクターの処理装置によるサムネイル画像の表示の動作を示すフローチャートである。
図11図10のサブルーチンであるサムネイル画像選択及び設定変更の動作を示すフローチャートである。
図12】変形例1に係る投射システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際と異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0012】
1.第1実施形態
1.1.投射システムの概要
以下、図1図2を参照しつつ、第1実施形態に係る投射システムの概要について説明する。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る投射システムの構成図である。投射システム1は、複数のプロジェクター2と、データサーバー3とを含んでいる。複数のプロジェクター2は、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cを含んでいる。
【0014】
第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、第3のプロジェクター2c、及びデータサーバー3は、ネットワーク4を介して互いに接続されている。ネットワーク4は、例えば、LANである。ここで、LANとはLocal Area Networkの略称である。なお、LANは、インターネットと接続されていてもよい。
【0015】
第1実施形態において、投射対象5は4つの側面を有する柱状の構造物である。投射対象5の4つの側面のうち、3つの側面のそれぞれに第1の投射領域PA1、第2の投射領域PA2、及び第3の投射領域PA3が設けられている。第2の投射領域PA2は、第1の投射領域PA1の右側に、第1の投射領域PA1と隣り合って配置されている。第3の投射領域PA3は、第1の投射領域PA1の左側に、第1の投射領域PA1と隣り合って配置されている。
【0016】
第1のプロジェクター2aは、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射する。即ち、第1のプロジェクター2aは、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射可能な位置に設置されている。また、第1のプロジェクター2aは、第1のプロジェクター2aの姿勢が基本姿勢となるように設置されている。ここで、基本姿勢とは、第1のプロジェクター2aの本体の天地が逆さまとなる姿勢で設置されていない通常の姿勢を意味する。
【0017】
第2のプロジェクター2bは、第2の投射領域PA2に第2の投射画像PI2を投射する。即ち、第2のプロジェクター2bは、第2の投射領域PA2に第2の投射画像PI2を投射可能な位置に設置されている。また、第2のプロジェクター2bの姿勢は、第1のプロジェクター2aの姿勢と同様に基本姿勢である。
【0018】
第3のプロジェクター2cは、第3の投射領域PA3に第3の投射画像PI3を投射する。即ち、第3のプロジェクター2cは、第3の投射領域PA3に第3の投射画像PI3を投射可能な位置に設置されている。また、第3のプロジェクター2cは、所謂天吊り状態で天地逆さまに設置されている。第3のプロジェクター2cの姿勢は、基本姿勢に対して天地を反転させた反転姿勢である。
【0019】
データサーバー3は、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cがそれぞれ投射する投射画像のデータを格納する。データサーバー3は、格納された投射画像のデータを、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cに送信する。
【0020】
即ち、投射システム1は、3台のプロジェクター2及びデータサーバー3を用いて構築されたマルチプロジェクションシステムである。
【0021】
ユーザーU1は、投射システム1を構築する作業を実施する作業者である。ユーザーU1は、第1のプロジェクター2aを操作することにより、マルチプロジェクションに参加するプロジェクターを決定する。本例では、ユーザーU1の操作に供する第1のプロジェクター2aが、投射システム1におけるマスタープロジェクターとなる。マスタープロジェクターは、当該マルチプロジェクションに参加するすべてのプロジェクターを管理する。
【0022】
ユーザーU1は、ネットワーク4に接続されているプロジェクターの中から、例えば、ネットワーク4上のアドレスを指定することにより、マルチプロジェクションに参加するプロジェクターを選択する。本例では、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cは、ユーザーU1により選択されたプロジェクターである。ユーザーU1により選択された第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cは、それぞれ、スレーブプロジェクターである。スレーブプロジェクターは、マスタープロジェクターにより管理される。
【0023】
ユーザーU1は、第1のプロジェクター2aを操作することにより、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cにおける投射に関する各種設定を変更することができる。例えば、第1のプロジェクター2aが第2のプロジェクター2bに対し、第2のプロジェクター2bの設定情報を要求すると、第2のプロジェクター2bは、自身の設定情報を第1のプロジェクター2aに送信する。第1のプロジェクター2aが第3のプロジェクター2cに対し、第3のプロジェクター2cの設定情報を要求すると、第3のプロジェクター2cは、自身の設定情報を第1のプロジェクター2aに送信する。
【0024】
なお、本例では、第1のプロジェクター2aがマスタープロジェクターに設定され、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cがスレーブプロジェクターに設定されたが、実施形態はこれに限られない。例えば、第2のプロジェクター2bがマスタープロジェクターに設定され、その他のプロジェクターがスレーブプロジェクターに設定されてもよい。また、第3のプロジェクター2cがマスタープロジェクターに設定され、その他のプロジェクターがスレーブプロジェクターに設定されてもよい。
【0025】
図1に示す例では、ユーザーU1の視界には、第1の投射領域PA1及び第2の投射領域PA2は含まれるが、第3の投射領域PA3は含まれない。つまり、第3の投射領域PA3は、ユーザーU1の死角となっている。従って、図1に示す状況において、ユーザーU1は、第1の投射画像PI1及び第2の投射画像PI2を視認することはできるが、第3の投射画像PI3を視認することはできない。
【0026】
図2は、各プロジェクターに入力される入力画像の一例を示す図である。入力画像II1は、データサーバー3から出力され、ネットワーク4を介して、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cにそれぞれ入力される。つまり、本例において、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cには、同一の入力画像II1が入力される。本例において、入力画像II1に基づく1つの投射画像が、第1のプロジェクター2aからの第1の投射画像PI1、第2のプロジェクター2bからの第2の投射画像PI2、及び第3のプロジェクター2cからの第3の投射画像PI3により形成される。
【0027】
第1のプロジェクター2aは、入力された入力画像II1から第1の投射画像PI1を生成する。第2のプロジェクター2bは、入力された入力画像II1から第2の投射画像PI2を生成する。第3のプロジェクター2cは、入力された入力画像II1から第3の投射画像PI3を生成する。
【0028】
ユーザーU1は、第1の投射領域PA1、第2の投射領域PA2、及び第3の投射領域PA3に、第1の部分画像II1aに対応する投射画像、第2の部分画像II1bに対応する投射画像、及び第3の部分画像II1cに対応する投射画像をそれぞれ投射することを計画している。また、ユーザーU1は、第4の部分画像II1dを、いずれのプロジェクターにおいても使用しない、すなわち第4の部分画像II1dをいずれのプロジェクターからも投射しないことを計画している。
【0029】
1.2.プロジェクターの構成
以下、図3を参照しつつ、第1実施形態に係るプロジェクターの構成について説明する。
【0030】
図3は、図1の第1のプロジェクター2aの構成例を示すブロック図である。第1のプロジェクター2aは、記憶装置21、処理装置22、通信装置23、操作装置24、投射装置25、及び姿勢検出装置26を備えている。
【0031】
記憶装置21は、各種情報を記憶する。記憶装置21は、例えば、RAM等の揮発性メモリー及びROM等の不揮発性メモリーを含んで構成されている。ここで、RAMとは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMとは、Read Only Memoryの略称である。記憶装置21には、制御プログラム211等が記憶されている。記憶装置21の揮発性メモリーは、処理装置22のワークエリア212として処理装置22に利用される。制御プログラム211は、第1のプロジェクター2aの全体を制御するプログラムである。
【0032】
なお、記憶装置21の一部又は全部は、外部記憶装置、外部サーバー等に設けられてもよい。また、記憶装置21に記憶される各種情報の一部又は全部は、予め記憶装置21に記憶されてもよいし、外部記憶装置、外部サーバー等から取得されてもよい。
【0033】
処理装置22は、第1のプロジェクター2aの動作を制御する。処理装置22は、入力画像取得部221、設定情報取得部222、画像処理部223、生成部224、縮小画像取得部225、投射制御部226、姿勢情報取得部227、要求受付部228、情報送信部229、及び設定変更部220としての機能を有している。処理装置22は、1以上のCPUを含んで構成されている。但し、処理装置22は、CPUの代わりに、又はCPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えていてもよい。ここで、CPUとは、Central Processing Unitの略称であり、FPGAとは、Field-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0034】
処理装置22は、記憶装置21から制御プログラム211を読み出し、読み出された制御プログラム211を実行する。処理装置22は、制御プログラム211を実行することにより、入力画像取得部221、設定情報取得部222、画像処理部223、生成部224、縮小画像取得部225、投射制御部226、姿勢情報取得部227、要求受付部228、情報送信部229、及び設定変更部220として機能する。
【0035】
入力画像取得部221は、通信装置23を介して入力画像II1を取得する。
【0036】
設定情報取得部222は、第1のプロジェクター2aの設定情報を取得する。設定情報は、入力画像II1から第1の投射領域PA1に投射する範囲の画像を切り出すことを少なくとも含む画像処理の内容を指定する情報である。
【0037】
画像処理部223は、入力画像II1に設定情報の示す画像処理を施すことによって第1の投射画像PI1を出力する。画像処理には、切出処理、輝度伸長処理等の処理が含まれる。切出処理は、入力画像II1から第1の投射領域PA1に投射する範囲の画像を切り出す処理である。輝度伸長処理は、入力画像II1の各画素の画素値について全画素にわたって統計処理して得られた統計量に基づいて、第1の投射画像PI1の輝度を調整する処理である。
【0038】
言い換えると、第1の投射画像PI1は、入力画像II1から、第1の投射領域PA1に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第1の加工画像である。
【0039】
生成部224は、第1の投射画像PI1から、第1のサムネイル画像TI1を生成する。第1のサムネイル画像TI1は、第1の投射画像PI1を縮小させた画像である。生成部224は、姿勢情報取得部227により取得された第1のプロジェクター2aの姿勢情報と、姿勢設定情報とに基づいて、第1のサムネイル画像TI1の天地の向きを決定する。姿勢設定情報は、第1のプロジェクター2aにおける第1の投射画像PI1の天地の向きをいずれの向きに設定するかを示す情報である。
【0040】
図4は、姿勢情報、姿勢設定情報、及びサムネイル画像の天地の向きの関係を示す図である。図4において、「フロント」は、本実施形態のように、投射画像を視聴する視聴者の位置から見て、プロジェクターが投射対象よりも手前、且つ天地の向きが反転されずに設置されることを示す。「天吊りフロント」は、視聴者の位置から見て、プロジェクターが投射対象よりも手前、且つ天地の向きが反転されて設置されることを示す。
【0041】
図4に示したように、姿勢情報が基本姿勢を示し、姿勢設定情報がフロントを示すとき、サムネイル画像の天地の向きは、非反転に設定される。「非反転」は、第1のサムネイル画像TI1の天地の向きが、入力画像II1の天地の向きと一致していることを示す。姿勢情報が基本姿勢を示し、姿勢設定情報が天吊りフロントを示すとき、サムネイル画像の天地の向きは、反転に設定される。「反転」は、第1のサムネイル画像TI1の天地の向きが、入力画像II1の天地の向きに対して反転していることを示す。姿勢情報が反転姿勢を示し、姿勢設定情報がフロントを示すとき、第1のサムネイル画像TI1の天地の向きは、反転に設定される。また、姿勢情報が反転姿勢を示し、姿勢設定情報が天吊りフロントを示すとき、第1のサムネイル画像TI1の天地の向きは、非反転に設定される。
【0042】
縮小画像取得部225は、マルチプロジェクションシステムを構成する他のプロジェクター、即ち、スレーブプロジェクターから投射される投射画像に基づいて生成されたサムネイル画像をスレーブプロジェクターから取得する。つまり、縮小画像取得部225は、第2のプロジェクター2bから、第2の投射領域PA2に投射される第2の投射画像PI2に基づいて生成された第2のサムネイル画像を取得する。また、縮小画像取得部225は、第3のプロジェクター2cから、第3の投射領域PA3に投射される第3の投射画像PI3に基づいて生成された第3のサムネイル画像を取得する。
【0043】
投射制御部226は、第1の投射モードにおいて、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射装置25に投射させる。第1の投射モードは、投射システム1において、マルチプロジェクションを行うための通常の投射モードである。
【0044】
投射制御部226は、第2の投射モードにおいて、第1の投射領域PA1に第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を並べて投射装置25に投射させる。第2の投射モードは、1つの投射領域に、複数のプロジェクターの各々に対応するサムネイル画像を集約して表示させることにより、ユーザーU1が、マルチプロジェクションに参加している各プロジェクターの設定を確認又は変更するためのモードである。
【0045】
第1の投射モードと第2の投射モードとは、ユーザーU1の操作装置24に対する操作によって切り替えられる。なお、第1の投射モードと第2の投射モードとは、ユーザーU1の第2のプロジェクター2b又は第3のプロジェクター2cに対する操作によって切り替えられるようになっていてもよい。
【0046】
姿勢情報取得部227は、姿勢検出装置26により取得された第1のプロジェクター2aの姿勢を示す姿勢情報を取得する。取得された姿勢情報は、生成部224において、縮小画像の生成に利用される。
【0047】
要求受付部228は、操作装置24を介してユーザーU1からの各種要求を受け付ける。例えば、要求受付部228は、ユーザーU1から、マルチプロジェクションの設定に関する要求を受け付ける。マルチプロジェクションの設定には、マルチプロジェクションに参加するプロジェクターの選択、入力画像の選択、入力画像の切出し範囲の設定、輝度伸長処理の設定、エッジブレンド処理の設定等を含む。例えば、要求受付部228は、ユーザーU1から第1の投射モードと第2の投射モードとの切り替え要求を受け付ける。要求受付部228は、ユーザーU1からのサムネイル画像の表示の開始要求又は終了要求を受け付ける。
【0048】
設定変更部220は、第2の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aの設定情報、第2のプロジェクター2bの設定情報、及び第3のプロジェクター2cの設定情報の少なくともいずれか1つを変更する。
【0049】
情報送信部229は、他のプロジェクター、即ち、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cに要求情報、設定変更情報等の情報を送信する。要求情報は、例えば、サムネイル画像を生成し送信することを要求する情報及び設定変更情報を送信すること要求する情報である。設定変更情報は、例えば、設定変更部220において変更された他のプロジェクターに対する設定の情報である。
【0050】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインターフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置23は、無線通信インターフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインターフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USB等に準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インターフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。通信装置23は、第2のプロジェクター2b、第3のプロジェクター2c、データサーバー3等の外部装置との間においてデータ通信を行う。
【0051】
操作装置24は、ユーザーU1から、第1のプロジェクター2aに対する入力操作を受け付ける入力インターフェースである。操作装置24は、例えば、第1のプロジェクター2aの筐体に設けられた操作ボタンを有している。操作装置24は、押下された操作ボタンを識別する情報を処理装置22へ出力する。これにより、ユーザーU1の操作装置24に対する入力操作の内容が処理装置22へ出力される。これにより、ユーザーU1の操作装置24に対する入力操作の内容が処理装置22へ伝達される。
【0052】
なお、操作装置24は、操作ボタンの代わりにタッチパネルを有していてもよい。この場合、操作装置24は、検出したタッチ位置を示すデータを処理装置22へ出力する。また、操作装置24は、第1のプロジェクター2aの筐体から独立したリモコン装置であってもよい。
【0053】
投射装置25は、投射光を投射する。また、投射装置25は、不図示の光源と、光変調器251と、投射レンズ252とを備えている。光源は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED、レーザー光源等を含む。光変調器251は、1以上の液晶パネルを含んでいる。なお、光変調器251は、液晶パネルの代わりに、DMDを含んでいてもよい。
【0054】
光変調器251は、処理装置22から入力される信号に基づいて、光源から発せられた光を、投射対象5上に第1の投射画像PI1を表示するための投射光に変調する。ここで、LEDとは、Light Emitting Diodeの略称であり、DMDとはDigital Mirror Deviceの略称である。投射レンズ252は、光変調器251によって変調された投射光を投射対象5において結像させる。
【0055】
投射装置25は、投射制御部226の制御により、投射対象5上に第1の投射画像PI1を表示するための投射光を投射する。言い換えると、投射装置25は、処理装置22から入力された画像情報に基づく画像を投射対象5上に投射する。
【0056】
姿勢検出装置26は、第1のプロジェクター2aの姿勢が、基本姿勢及び反転姿勢のいずれであるかを検出する。姿勢検出装置26は、具体的には1軸以上の加速度センサー、1軸以上のジャイロセンサー等により実現され、第1のプロジェクター2aの本体に固定されている。
【0057】
なお、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cの構成は、第1のプロジェクター2aと同様であるため、これらの説明は省略される。
【0058】
第2の投射画像PI2は、第2のプロジェクター2bにおいて、入力画像II1から、第2の投射領域PA2に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第2の加工画像である。第3の投射画像PI3は、第3のプロジェクター2cにおいて、入力画像II1から、第3の投射領域PA3に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第3の加工画像である。
【0059】
1.3.データサーバーの構成
以下、図5を参照しつつ、第1実施形態に係るデータサーバー3の構成について説明する。
【0060】
図5は、図1のデータサーバー3の構成例を示すブロック図である。データサーバー3は、記憶装置31、処理装置32、及び通信装置33を備えている。
【0061】
記憶装置31は、各種情報を記憶する。記憶装置31は、例えば、RAM等の揮発性メモリー及びROM等の不揮発性メモリーを含んで構成されている。記憶装置31には、制御プログラム311、映像データ312等が記憶されている。記憶装置31の揮発性メモリーは、処理装置32のワークエリア313として処理装置32に利用される。制御プログラム311は、データサーバー3の全体を制御するプログラムである。
【0062】
処理装置32は、データサーバー3の動作を制御する。処理装置32は、管理部321及び送信部322としての機能を有している。処理装置32は、1以上のCPUを含んで構成されている。但し、処理装置32は、CPUに代わりに、又はCPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えていてもよい。
【0063】
処理装置32は、記憶装置31から制御プログラム311を読み出し、読み出された制御プログラム311を実行する。処理装置32は、制御プログラム311を実行することにより、管理部321及び送信部322として機能する。
【0064】
管理部321は、複数の映像データ312の配信スケジュール等を管理する。管理部321は、第1のプロジェクター2aから、特定の映像データの送信要求を受け取ると、複数の映像データ312の中から投射システム1に送信する映像データを特定する。管理部321は、特定した映像データを、第1のプロジェクター2aからの送信要求に従って、投射システム1に送信する。
【0065】
送信部322は、管理部321からの指示に基づいて、複数の映像データ312の中から、特定の映像データを通信装置33を介して投射システム1に送信する。
【0066】
通信装置33は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインターフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置33は、無線通信インターフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインターフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USB等に準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インターフェースとしては、無線LAN及びBluetooth等に準拠した製品が挙げられる。通信装置33は、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、第3のプロジェクター2c等の外部装置との間においてデータ通信を行う。
【0067】
なお、記憶装置31の一部又は全部は、外部記憶装置、外部サーバー等に設けられてもよい。また、記憶装置31に記憶される各種情報の一部又は全部は、予め記憶装置31に記憶されてもよいし、外部記憶装置、外部サーバー等から取得されてもよい。
【0068】
1.4.投射システムの動作の概要
以下、図6図9を参照しつつ、投射システム1の動作の概要について説明する。
【0069】
図6は、第1の投射モードにおける投射システム1の動作の一例を示す図である。図6に示したように、第1のプロジェクター2aは、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射する。第1の投射領域PA1に投射された画像は、第1の部分画像II1aに対応した画像である。第2のプロジェクター2bは、第2の投射領域PA2に第2の投射画像PI2を投射する。第2の投射領域PA2に投射された画像は、第2の部分画像II1bに対応した画像である。
【0070】
第3のプロジェクター2cは、第3の投射領域PA3に第3の投射画像PI3を投射する。ここで、第3の投射領域PA3に投射された画像は、ユーザーU1の計画では、第3の部分画像II1cに対応した画像であるが、図6では、第4の部分画像II1dに対応した画像が第3の投射領域PA3に投射されている。また、第3の投射領域PA3には、第4の部分画像II1dの天地が反転した画像が投射されている。従って、図6の状態では、ユーザーU1の計画とは異なる投射画像が第3の投射領域PA3に投射されている。
【0071】
この例では、第3のプロジェクター2cの設定が適切に行われていないことが考えられる。しかし、第3の投射領域PA3は、ユーザーU1の死角となっているため、ユーザーU1は、第3の投射領域PA3に投射された画像がユーザーU1の計画とは異なる画像であることを認識しづらい。
【0072】
図7は、第2の投射モードにおける投射システム1の動作の一例を示す図である。図7に示したように、第1のプロジェクター2aは、第1の投射領域PA1に第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を投射する。第1のサムネイル画像TI1は、第1の部分画像II1aに対応した画像である。第2のサムネイル画像TI2は、第2の部分画像II1bに対応した画像である。第3のサムネイル画像TI3は、第4の部分画像II1dに対応した画像であり、且つ天地が反転した画像である。第3のサムネイル画像TI3は、第3のプロジェクター2cにおける姿勢情報及び姿勢設定情報に基づいて、入力画像II1に対して天地が反転した画像として出力される。
【0073】
ユーザーU1の計画によれば、第3の投射領域PA3には、第3の部分画像II1cが「非反転」で投射されるはずである。このように、ユーザーU1は、第2の投射モードにおいて、第3の投射領域PA3にユーザーU1の計画した画像とは異なる画像が、計画した向きと反対向きに投射されていることを認識することができる。
【0074】
図8は、第2の投射モードにおける投射システム1の動作の一例を示す図である。ユーザーU1による操作装置24の操作によって、処理装置22は、第3のプロジェクター2cに設定されている各種情報を第1の投射領域PA1に表示させる。より具体的に述べると、情報送信部229は、第3のプロジェクター2cに対し、第3のプロジェクター2cの設定情報を要求するための要求情報を送信する。第3のプロジェクター2cは、設定情報取得部222からの要求情報を受信すると、第3のプロジェクター2cの設定情報を第1のプロジェクター2aに送信する。
【0075】
設定情報取得部222は、第3のプロジェクター2cの設定情報を取得する。図8に示したように、投射制御部226は、取得された設定情報に基づいて、第1の投射領域PA1に、第3のサムネイル画像TI3及び第3のプロジェクター2cの設定情報INF1を投射する。
【0076】
設定情報INF1には、入力画像II1の切出し範囲として、第4の部分画像II1dに対応する切出し範囲が設定されており、設置の姿勢として「フロント」が設定されている。
【0077】
ユーザーU1は、ユーザーU1の計画に従って、第3のプロジェクター2cの設定を修正する。この場合、ユーザーU1は、操作装置24を操作することにより、入力画像II1の切出し範囲を、第4の部分画像II1dに対応する切出し範囲から第3の部分画像II1cに対応する切出し範囲に変更する。また、ユーザーU1は、操作装置24を操作することにより、設置の姿勢の設定を「フロント」から「天吊りフロント」に変更する。
【0078】
図9は、第2の投射モードにおける投射システム1の動作の一例を示す図である。ユーザーU1は、変更された第3のサムネイル画像TI3を参照することにより、第3の投射画像PI3が正しく投射されていることを確認することができる。図9に示したように、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3の配列と、第1の投射領域PA1、第2の投射領域PA2、及び第3の投射領域PA3の配列とは、互いに一致している。
【0079】
1.5.投射システムの動作例
以下、図10図11を参照しつつ、第1実施形態に係る投射システム1の動作例を説明する。
【0080】
図10は、第1のプロジェクター2aの処理装置22によるサムネイル画像の表示の動作を示すフローチャートである。以下、図10を参照することにより、処理装置22によるサムネイル画像の表示の動作について説明する。図10のルーチンは、例えば、処理装置22が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0081】
図10のルーチンが開始されると、先ず、ステップS11において、処理装置22は、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の開始要求を受け付けたか否かを判定する。言い換えると、ステップS11において処理装置22は、ユーザーU1から、投射モードを第1の投射モードから第2の投射モードへ切り替える旨の要求を受け付けたか否かを判定する。
【0082】
ステップS11において、処理装置22が、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の開始要求を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS11における判定結果が肯定(ステップS11:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS12の処理を実行する。この場合、ステップS12において、処理装置22は、参加中のプロジェクター、即ち、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cに対し、サムネイル画像の生成及び送信を要求する。
【0083】
一方、ステップS11において、処理装置22が、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の開始要求を受け付けていないと判定した場合、即ち、ステップS11における判定結果が否定(ステップS11:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS12からステップS18までの処理を省略して、本ルーチンを一旦終了する。即ち、この場合、処理装置22は、サムネイル画像の表示を実行しない。
【0084】
次いで、ステップS13において、処理装置22は、第2のプロジェクター2bにおいて生成された第2のサムネイル画像TI2、及び第3のプロジェクター2cにおいて生成された第3のサムネイル画像TI3を取得する。
【0085】
ステップS14において、処理装置22は、第1のサムネイル画像TI1を生成する。
【0086】
次いで、ステップS15において、処理装置22は、第1の投射領域PA1に第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を並べて投射する。
【0087】
次いで、ステップS16において、処理装置22は、サムネイル画像選択及び設定変更の処理を実行する。サムネイル画像選択及び設定変更の処理は、ユーザーU1が、表示されているサムネイル画像を選択し、選択されたサムネイル画像に対応するプロジェクターの設定を確認及び変更する際の処理である。このサムネイル画像選択及び設定変更の処理の詳細については後述する。
【0088】
次いで、ステップS17において、処理装置22は、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の終了要求を受け付けたか否かを判定する。言い換えると、ステップS17において処理装置22は、ユーザーU1から、投射モードを第2の投射モードから第1の投射モードへ切り替える旨の要求を受け付けたか否かを判定する。
【0089】
ステップS17において、処理装置22が、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の終了要求を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS17における判定結果が肯定(ステップS17:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS18の処理を実行する。この場合、ステップS18において、処理装置22は、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3の表示を終了し、その後、本ルーチンを一旦終了する。
【0090】
一方、ステップS17において、処理装置22が、ユーザーU1からサムネイル画像の表示の終了要求を受け付けていないと判定した場合、即ち、ステップS17における判定結果が否定(ステップS17:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS12の処理を再び実行する。即ち、処理装置22は、サムネイル画像の表示の終了要求を受け付けるまで、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を表示し続ける。
【0091】
なお、ステップS18において、処理装置22は、サムネイル画像の表示を終了するとき、第2の投射モードを終了させた旨を第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cに通知することが望ましい。これにより、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cは、サムネイル画像の生成及び送信を停止することができる。また、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cは、第1のプロジェクター2aに対し、定期的にAckを送信し、送信したAckに対する応答が返ってこない場合、サムネイル画像の生成及び送信を停止してもよい。
【0092】
以上が、第1実施形態に係る処理装置22によるサムネイル画像の表示の動作である。なお、処理装置22は、上述した各ステップにおいて以下のように機能する。処理装置22は、ステップS11及びS17において、要求受付部228として機能する。処理装置22は、ステップS12において、情報送信部229として機能する。処理装置22は、ステップS13において、縮小画像取得部225として機能する。処理装置22は、ステップS14において、生成部224として機能する。処理装置22は、ステップS15及びS18において、投射制御部226として機能する。
【0093】
図11は、図10のサブルーチンであるサムネイル画像選択及び設定変更の動作を示すフローチャートである。以下、図11を参照することにより、処理装置22のサムネイル画像選択及び設定変更の動作について説明する。図11のルーチンは、図10に示したように、ステップS15の後に実行される。
【0094】
図11のルーチンが開始されると、先ず、ステップS21において、処理装置22は、ユーザーU1により第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3のうちのいずれかが選択されたか否かを判定する。
【0095】
ステップS21において、処理装置22が、サムネイル画像のうちのいずれかが選択されたと判定した場合、即ち、ステップS21における判定結果が肯定(ステップS21:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS22の処理を実行する。この場合、ステップS22において、処理装置22は、選択されたサムネイル画像に対応するプロジェクターの設定情報を取得する。
【0096】
より具体的に述べると、処理装置22は、選択されたサムネイル画像に対応するプロジェクターに対し、当該プロジェクターの設定情報を第1のプロジェクター2aに送信する旨の送信要求を送信する。当該プロジェクターは、第1のプロジェクター2aからの送信要求を受信すると、当該プロジェクター自身の設定情報を第1のプロジェクター2aに送信する。処理装置22は、通信装置23において受信した情報から当該プロジェクターの設定情報を取得する。
【0097】
次いで、ステップS23において、処理装置22は、取得された設定情報を第1の投射画像PI1の一部として、第1の投射領域PA1に表示する。
【0098】
次いで、ステップS24において、処理装置22は、ユーザーU1による設定の変更要求を受け付けたか否かを判定する。
【0099】
ステップS24において、処理装置22が、ユーザーU1による設定の変更要求を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS24における判定結果が肯定(ステップS24:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS25の処理を実行する。この場合、ステップS25において、処理装置22は、変更された設定情報及びサムネイル画像の生成要求を当該プロジェクターに送信する。
【0100】
次いで、ステップS26において、処理装置22は、当該プロジェクターにより生成されたサムネイル画像を取得する。
【0101】
次いで、ステップS27において、処理装置22は、取得されたサムネイル画像を表示する。このとき表示されるサムネイル画像には、ステップS25における設定変更の結果が反映されている。
【0102】
次いで、ステップS28において、処理装置22は、ユーザーU1から設定変更機能の終了を受け付けたか否かを判定する。
【0103】
ステップS28において、処理装置22が、ユーザーU1から設定変更機能の終了を受け付けたと判定した場合、即ち、ステップS28における判定結果が肯定(ステップS28:YES)であった場合、処理装置22は、ステップS29の処理を実行する。この場合、ステップS29において、処理装置22は、設定変更機能を終了し、すべてのサムネイル画像、即ち、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を表示し、本ルーチンを終了する。
【0104】
一方、ステップS28において、処理装置22が、ユーザーU1から設定変更機能の終了を受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS28における判定結果が否定(ステップS28:NO)であった場合、処理装置22は、再びステップS21の処理を実行する。
【0105】
一方、ステップS24において、処理装置22が、ユーザーU1による設定の変更要求を受け付けなかったと判定した場合、即ち、ステップS24における判定結果が否定(ステップS24:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS25からステップS27までの処理を省略して、ステップS28の処理を実行する。
【0106】
また、ステップS21において、処理装置22が、サムネイル画像のうちいずれかが選択されなかったと判定した場合、即ち、ステップS21における判定結果が否定(ステップS21:NO)であった場合、処理装置22は、ステップS22からステップS27までの処理を省略して、ステップS28の処理を実行する。
【0107】
以上が、第1実施形態に係る処理装置22によるサムネイル画像選択及び設定変更の動作である。なお、処理装置22は、ステップS21及びS28において、要求受付部228として機能する。処理装置22は、ステップS22において、設定情報取得部222として機能する。処理装置22は、ステップS23、S27、及びS29において、投射制御部226として機能する。処理装置22は、ステップS24において、要求受付部228及び設定変更部220として機能する。処理装置22は、ステップS25において、情報送信部229として機能する。処理装置22は、ステップS26において、縮小画像取得部225として機能する。
【0108】
1.6.第1実施形態が奏する効果
以上説明したように、第1実施形態に係る投射方法は、第1のプロジェクター2aと、第2のプロジェクター2bと、第3のプロジェクター2cとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法である。
【0109】
本方法は、第1の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aから、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射し、第2のプロジェクター2bから、第2の投射領域PA2に第2の投射画像PI2を投射し、第3のプロジェクター2cから、第3の投射領域PA3に第3の投射画像PI3を投射する。第1の投射画像PI1、第2の投射画像PI2、及び第3の投射画像PI3は、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cに入力される入力画像II1に基づく。
【0110】
本方法は、第2の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aから、第1の投射領域PA1に、第1のサムネイル画像TI1と、第2のサムネイル画像TI2と、第3のサムネイル画像TI3とを並べて投射する。
【0111】
ここで、第1のサムネイル画像TI1は、第1の投射画像PI1を縮小させた画像であり、第2のサムネイル画像TI2は、第2の投射画像PI2を縮小させた画像であり、第3のサムネイル画像TI3は、第3の投射画像PI3を縮小させた画像である。
【0112】
本方法によれば、第1の投射領域PA1に、第1のサムネイル画像TI1と第2のサムネイル画像TI2と第3のサムネイル画像TI3とが並べて投射される。従って、ユーザーU1は、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を同時に視認することができる。そのため、ユーザーU1の位置から、ユーザーU1が第3の投射画像PI3を視認できないという場合であっても、ユーザーU1は、第3の投射画像PI3が意図した通りの画像となっているか否かを、その場で確認することができる。このように、本方法によれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーU1の作業効率を向上させることができる。
【0113】
なお、第1実施形態において、第1のサムネイル画像TI1は「第1の縮小画像」の一例であり、第2のサムネイル画像TI2は「第2の縮小画像」の一例であり、処理装置22は「プロセッサー」の一例であり、投射装置25は「第1の投射機構」の一例である。
【0114】
また、第1の投射モードと第2の投射モードとは、ユーザーU1の第1のプロジェクター2aに対する操作によって切り替えられる。
【0115】
これによれば、ユーザーU1は、第1のプロジェクター2aを操作して、第1のプロジェクター2aの投射モードを第1の投射モードから第2の投射モードへ切り替えることができる。これにより、第1のプロジェクター2aに各プロジェクターの投射画像に対応するサムネイル画像を表示させ、各プロジェクターの設定を容易に確認することができる。
【0116】
また、第1の投射画像PI1は、第1のプロジェクター2aにおいて、入力画像II1から、第1の投射領域PA1に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第1の加工画像である。第2の投射画像PI2は、第2のプロジェクター2bにおいて、入力画像II1から、第2の投射領域PA2に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第2の加工画像である。
【0117】
これによれば、入力画像が切り出された後の加工画像、即ち、実際に投射される投射画像により近い画像をサムネイル画像として出力することができる。従って、ユーザーU1は、第3の投射画像PI3が意図した通りの画像となっているか否かを、より容易に確認することができる。
【0118】
また、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3の配列と、第1の投射領域PA1、第2の投射領域PA2、及び第3の投射領域PA3の配列とは、互いに一致している。
【0119】
これによれば、ユーザーU1は、実際に投射されている配列と一致した配列により、第1の投射画像PI1、第2の投射画像PI2、及び第3の投射画像PI3の状況をサムネイル画像として観察することができる。従って、ユーザーU1は、より正確に状況を把握することができる。
【0120】
また、本方法は、姿勢情報と、姿勢設定情報とに基づいて、第3のサムネイル画像TI3の天地の向きを決定する。姿勢情報は、第3のプロジェクター2cの姿勢が、基本姿勢及び基本姿勢に対して天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢であるかを示す情報である。姿勢設定情報は、第3のプロジェクター2cにおける第3の投射画像PI3の天地の向きをいずれの向きに設定するかを示す情報である。
【0121】
これによれば、第3のサムネイル画像TI3の天地の向きには、第3のプロジェクター2cの姿勢が反映されるとともに、ユーザーU1による姿勢の設定が反映される。従って、第3のサムネイル画像TI3の天地の向きと、第3の投射領域PA3に投射される第3の投射画像PI3の天地の向きとが一致することとなり、ユーザーU1は、より正確に状況を把握することができる。
【0122】
また、第1実施形態に係る投射システム1は、第1のプロジェクター2aと、第2のプロジェクター2bと、第3のプロジェクター2cとを含む。投射システム1は、第1のプロジェクター2a、第2のプロジェクター2b、及び第3のプロジェクター2cによりマルチプロジェクションを行う投射システムである。
【0123】
第1の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aは、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射する。第1の投射モードにおいて、第2のプロジェクター2bは、第2の投射領域PA2に第2の投射画像PI2を投射する。第1の投射モードにおいて、第3のプロジェクター2cは、第3の投射領域PA3に第3の投射画像PI3を投射する。
【0124】
第2の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aは、第1の投射領域PA1に、第1の投射画像PI1を縮小させた第1のサムネイル画像TI1と、第2の投射画像PI2を縮小させた第2のサムネイル画像TI2と、第3の投射画像PI3を縮小させた第3のサムネイル画像TI3とを並べて投射する。
【0125】
これによれば、ユーザーU1は、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を同時に視認することができる。そのため、ユーザーU1の位置から、ユーザーU1が第3の投射画像PI3を視認できないという場合であっても、ユーザーU1は、第3の投射画像PI3が意図した通りの画像となっているか否かを、その場で確認することができる。このように、本方法によれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーU1の作業効率を向上させることができる。
【0126】
また、第1実施形態に係る第1のプロジェクター2aは、マルチプロジェクションシステムを構成し、投射装置25を有するプロジェクターである。第1のプロジェクター2aは、処理装置22を備えている。処理装置22は、入力画像取得部221と、設定情報取得部222と、画像処理部223と、生成部224と、縮小画像取得部225と、投射制御部226とを備える。
【0127】
入力画像取得部221は、入力画像II1を取得する。設定情報取得部222は、設定情報を取得する。設定情報は、入力画像II1から第1の投射領域PA1に投射する範囲の画像を切り出すことを少なくとも含む画像処理の内容を指定する情報である。画像処理部223は、入力画像II1に設定情報の示す画像処理を施すことによって第1の投射画像PI1を出力する。生成部224は、第1の投射画像PI1から、第1の投射画像PI1を縮小させた第1のサムネイル画像TI1を生成する。
【0128】
縮小画像取得部225は、第2のサムネイル画像TI2及び第3のサムネイル画像TI3を取得する。第2のサムネイル画像TI2は、マルチプロジェクションシステムを構成する第2のプロジェクター2bにおいて、第2の投射領域PA2に投射される第2の投射画像PI2に基づいて生成される画像である。第3のサムネイル画像TI3は、マルチプロジェクションシステムを構成する第3のプロジェクター2cにおいて、第3の投射領域PA3に投射される第3の投射画像PI3に基づいて生成される画像である。
【0129】
投射制御部226は、第1の投射モードにおいて、第1の投射領域PA1に第1の投射画像PI1を投射装置25に投射させる。投射制御部226は、第2の投射モードにおいて、第1の投射領域PA1に第1のサムネイル画像TI1と第2のサムネイル画像TI2と第3のサムネイル画像TI3とを並べて投射装置25に投射させる。
【0130】
これによれば、ユーザーU1の位置から、ユーザーU1が第3の投射画像PI3を視認できないという場合であっても、ユーザーU1は、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を同時に視認することができる。そのため、ユーザーU1は、第3の投射画像PI3を視認可能な位置まで移動しなくとも、第3の投射画像PI3が意図した通りの画像となっているか否かを、その場で確認することができる。このように、本プロジェクターによれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーU1の作業効率を向上させることができる。
【0131】
また、第1のプロジェクター2aは、設定変更部220をさらに備える。設定変更部220は、第2の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aの設定情報、第2のプロジェクター2bの設定情報、及び第3のプロジェクター2cの設定情報の少なくともいずれか1つを変更する。
【0132】
第2のプロジェクター2bの設定情報は、第2のプロジェクター2bに入力される入力画像II1から、第2の投射領域PA2に投射する範囲を切り出す処理を少なくとも含む画像処理の内容を指定する情報である。第3のプロジェクター2cの設定情報は、第3のプロジェクター2cに入力される入力画像II1から、第3の投射領域PA3に投射する範囲を切り出す処理を少なくとも含む画像処理の内容を指定する情報である。
【0133】
これによれば、ユーザーU1は、第1のプロジェクター2a~第3のプロジェクター2cの設定に問題があった場合、その場で、第1のプロジェクター2a~第3のプロジェクター2cの設定の少なくともいずれか1つの設定を変更することができる。従って、本プロジェクターによれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーU1の作業効率をより向上させることができる。
【0134】
2.変形例
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内において適宜併合され得る。なお、以下に例示する変形例において、作用や機能が前述の実施形態と同等である要素については、以上の説明において使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0135】
2.1.変形例1
投射システムは、情報処理装置を含んでいてもよい。図12は、変形例1に係る投射システム1Aの構成図である。投射システム1Aは、複数のプロジェクター2、データサーバー3、及び情報処理装置6を含んでいる。複数のプロジェクター2、データサーバー3、及び情報処理装置6は、ネットワーク4を介して互いに接続されている。
【0136】
本変形例に係る投射システム1Aの構成は、情報処理装置6を含む点において第1実施形態に係る投射システム1の構成と相違している。
【0137】
第1のプロジェクター2aがマスタープロジェクターとして機能する場合、情報処理装置6は、第1のプロジェクター2aの機能の一部を実行する。
【0138】
例えば、情報処理装置6は、ユーザーU1の操作により、第1のプロジェクター2aの投射モードを第1の投射モードと第2の投射モードとの間において切り替えることができる。情報処理装置6は、投射モードを第1の投射モードから第2の投射モードに切り替えると、第2のプロジェクター2b及び第3のプロジェクター2cに対して、サムネイル画像の生成及び送信を要求する要求情報を送信する。
【0139】
また、情報処理装置6は、ユーザーU1の操作により、第2の投射モードにおいて、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3のうち1つのサムネイル画像を選択することができる。これにより、情報処理装置6は、当該サムネイル画像に対応するプロジェクターに対し、プロジェクターの設定情報を送信する要求を通知する。
【0140】
また、情報処理装置6は、当該サムネイル画像に対応するプロジェクターの設定情報を第1の投射領域PA1又は情報処理装置6のディスプレイに表示する。情報処理装置6は、ユーザーU1の操作により、当該サムネイル画像に対応するプロジェクターの設定情報を変更することができる。
【0141】
2.2.変形例2
画像処理には、エッジブレンド処理が含まれてもよい。エッジブレンド処理は、隣り合う2つの投射画像のつなぎ目が認識され難くなるように、隣り合う2つの投射画像の一部を重ね合わせ、且つ隣り合う2つの投射画像が重なる部分を各投射画像において減光させる処理である。例えば、投射対象5が第1実施形態で示されるような柱状の構造物ではなく、第1の投射領域PA1、第2の投射領域PA2、及び第3の投射領域PA3を有する平面、または平面に近い構造物である場合には、隣り合う2つの投射画像に対し、エッジブレンド処理が行われることが好ましい。
【0142】
第1の加工画像には、入力画像II1から第1の投射領域PA1に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施される。第2の加工画像には、入力画像II1から第2の投射領域PA2に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施される。第3の加工画像には、入力画像II1から第3の投射領域PA3に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施される。
【0143】
この場合、各サムネイル画像には、エッジブレンド処理の結果が反映される。隣り合う2つの投射画像を重ね合わせて投射対象に投射させる場合、隣り合う2つの投射画像に対応する各サムネイル画像は、実際に投射されているように、重ね合わせて表示させてもよい。また、各サムネイル画像は、隣り合う2つのサムネイル画像との間に間隔を空けて表示させてもよい。これによれば、エッジブレンド処理の状況を容易に把握することができる。
【0144】
2.3.変形例3
また、第1実施形態において、各サムネイル画像は、生成部224において、入力画像II1に基づいて生成されていたが、各サムネイル画像は、各投射領域に投射された投射画像を、カメラを用いて撮像された画像に基づいて生成されてもよい。
【0145】
本変形例に係る方法では、先ず、第1のカメラを用いて、第1の投射モードにおいて第1の投射画像PI1が投射された第1の投射領域PA1を撮像することにより、第1の撮像画像が取得される。同様に、第2のカメラを用いて、第1の投射モードにおいて第2の投射画像PI2が投射された第2の投射領域PA2を撮像することにより、第2の撮像画像が取得される。第3のカメラを用いて、第1の投射モードにおいて第3の投射画像PI3が投射された第3の投射領域PA3を撮像することにより、第3の撮像画像が取得される。
【0146】
第1のサムネイル画像は、第1の投射画像PI1が投射された第1の投射領域PA1が撮像された第1の撮像画像である。第2のサムネイル画像は、第2の投射画像PI2が投射された第2の投射領域PA2が撮像された第2の撮像画像である。第3のサムネイル画像は、第3の投射画像PI3が投射された第3の投射領域P3が撮像された第3の撮像画像である。
【0147】
次に、第2の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aから、第1の投射領域PA1に、第1の撮像画像と、第2の撮像画像と、第3の撮像画像とが並べて投射される。これによれば、実際に投射されている第3の投射画像PI3の状況をサムネイル画像として観察することができるため、ユーザーU1は、より正確に状況を把握することができる。第1の撮像画像と、第2の撮像画像と、第3の撮像画像との少なくとも1つは、サムネイル画像として投射される前に縮小処理が行われてもよいし、縮小処理が行われなくてもよい。例えば、第1のカメラから第1の投射領域PA1までの距離によっては、第1の撮像画像に含まれる第1の投射画像PI1が小さく写る場合がある。このような場合は、第1の撮像画像に縮小処理が行われなくても、サムネイル画像に適した第1の撮像画像が得られる。
【0148】
2.4.変形例4
第1実施形態において、各サムネイル画像は、各プロジェクターの出力画像であったが、各サムネイル画像は、入力画像II1を縮小させた画像であってもよい。この場合、生成部224は、入力画像II1から各サムネイル画像を生成する。
【0149】
例えば、第2の投射モードにおいて、第1のプロジェクター2aが、第1の投射領域PA1に第1のサムネイル画像TI1として第1の投射画像を縮小させた画像を投射し、第2のサムネイル画像TI2として第2の投射画像を縮小させた画像を投射し、第3のサムネイル画像TI3として第3の投射画像を縮小させた画像を投射したとき、第2のサムネイル画像TI2に異常が見られた場合を考える。
【0150】
この場合、ユーザーU1は、第1のプロジェクター2aに、第1のサムネイル画像TI1として第1のプロジェクター2aにおいて入力画像II1を縮小させた画像を投射させ、第2のサムネイル画像TI2として第2のプロジェクター2bにおいて入力画像II1を縮小させた画像を投射させ、第3のサムネイル画像TI3として第3のプロジェクター3cにおいて入力画像II1を縮小させた画像を投射させることができる。
【0151】
言い換えると、第1のサムネイル画像TI1は、第1のプロジェクター2aに入力される入力画像II1を縮小させた画像である。第2のサムネイル画像TI2は、第2のプロジェクター2bに入力される入力画像II1を縮小させた画像である。第3のサムネイル画像TI3は、第3のプロジェクター2cに入力される入力画像II1を縮小させた画像である。
【0152】
これにより、マルチプロジェクションに用いられる入力画像II1全体が第1の投射領域PA1に投射される。これによれば、ユーザーU1は、各プロジェクターに入力される入力画像II1に問題があるか否かを容易に確認することができる。なお、ユーザーU1は、第1のサムネイル画像TI1及び第3のサムネイル画像TI3は投射せず、第2のサムネイル画像TI2のみを投射させてもよい。
【0153】
2.5.変形例5
第1実施形態に係る投射システム1及び変形例1に係る投射システム1Aは、データサーバー3を含んでいたが、データサーバー3は、必ずしも必要ではない。その場合、投射システム1においては、複数のプロジェクター2のうち、いずれかのプロジェクターがデータサーバーを兼ねていればよい。また、投射システム1Aにおいては、複数のプロジェクター2のうち、いずれかのプロジェクター又は情報処理装置6がデータサーバーを兼ねていればよい。
【0154】
2.6.変形例6
第1実施形態に係る投射システム1及び変形例1に係る投射システム1Aにおいて、第1のプロジェクター2aの設定情報、第2のプロジェクター2bの設定情報、及び第3のプロジェクター2cの設定情報には、マルチプロジェクションシステムを構成する複数のプロジェクター2の配列に関する情報が含まれてもよい。これによれば、配列に関する情報に基づいて、第1のサムネイル画像TI1、第2のサムネイル画像TI2、及び第3のサムネイル画像TI3を正しく配列させることができる。
【0155】
2.7.変形例7
第1実施形態に係る投射システム1及び変形例1に係る投射システム1Aでは、第1の投射領域PA1に、マルチプロジェクションに参加するすべてのプロジェクターに対応するサムネイル画像を表示させていた。しかし、ユーザーU1が任意に選択した1つ以上のプロジェクターに対応するサムネイル画像のみを表示させてもよい。例えば、ユーザーU1は、ユーザーU1が視認できない第3の投射画像PI3に対応する第3のサムネイル画像TI3のみを選択して第1の投射領域PA1に表示させてもよい。或いは、ユーザーU1は、第3のサムネイル画像TI3と、第3のサムネイル画像TI3と隣合う第1のサムネイル画像TI1とを並べて表示させてもよい。
【0156】
2.8.変形例8
第1実施形態に係る投射システム1及び変形例1に係る投射システム1Aにおいて、姿勢検出装置26には、加速度センサー、ジャイロセンサー等が用いられていたが、姿勢検出装置は、これに限定されない。例えば、姿勢検出装置は、プロジェクターの内部に設置され、重力に従って移動する移動体と、移動体の位置を検出する検出器を備えた装置であってもよい。また、姿勢検出装置は、プロジェクターの外部に設置され、プロジェクターを撮影可能なカメラと、カメラにより撮影された画像から、プロジェクターの向きを判定する判定器を備えた装置であってもよい。
【0157】
2.9.変形例9
また、姿勢検出装置26は、必ずしも必要なく、ユーザーU1が操作装置24を用いて、姿勢情報をプロジェクターに設定してもよい。
【0158】
3.付記
以下、付記として本開示のまとめを記載する。
【0159】
3.1.付記1
第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターに入力される入力画像に基づく第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に、前記入力画像に基づく第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像と第2の縮小画像とを並べて投射し、前記第1の縮小画像は、前記第1の投射画像を縮小させた画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2の投射画像を縮小させた画像である、投射方法。
【0160】
付記1に記載の投射方法によれば、第1の投射領域に、第1の投射画像を縮小させた画像と第2の投射画像を縮小させた画像とが並べて投射される。そのため、ユーザーは、第1の投射画像を縮小させた画像及び第2の投射画像を縮小させた画像を同時に視認することができる。従って、ユーザーの位置から、第2の投射画像を視認できないという場合であっても、ユーザーは、第2の投射画像が意図した通りの画像となっているか否かを、その場で確認することができる。
【0161】
3.2.付記2
第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターに入力される入力画像に基づく第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に、前記入力画像に基づく第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像及び第2の縮小画像の少なくともいずれか1つを投射し、前記第1の縮小画像は、前記第1のプロジェクターに入力される前記入力画像を縮小させた画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2のプロジェクターに入力される前記入力画像を縮小させた画像である、投射方法。
【0162】
付記2に記載の投射方法によれば、第1の投射領域に、第1のプロジェクターに入力される入力画像を縮小させた画像及び第2のプロジェクターに入力される入力画像を縮小させた画像の少なくともいずれか1つを投射することができる。そのため、ユーザーは、第1のプロジェクターに入力される入力画像又は第2のプロジェクターに入力される入力画像に問題があるか否かを容易に確認することができる。このように、付記2に記載の投射方法によれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0163】
3.3.付記3
前記第1の投射モードと前記第2の投射モードとは、ユーザーの前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターのいずれかに対する操作によって切り替えられる、付記1又は付記2に記載の投射方法。
【0164】
付記3に記載の投射方法によれば、ユーザーは、第1のプロジェクター或いは第2のプロジェクターを操作することで、操作されたプロジェクターの投射モードを第1の投射モードから第2の投射モードへ切り替えることができる。これにより、第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターの一方が、他方と同様に縮小画像を表示させることができるため、各プロジェクターの設定を容易に確認することができる。
【0165】
3.4.付記4
前記第1の投射画像は、前記入力画像から、前記第1の投射領域に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第1の加工画像であり、前記第2の投射画像は、前記入力画像から、前記第2の投射領域に投射する範囲を切り出す処理が少なくとも施された第2の加工画像である、付記1に記載の投射方法。
【0166】
付記4に記載の投射方法によれば、入力画像が切り出された後の加工画像、即ち、実際に投射されるべき投射画像により近い画像を縮小画像として出力することができる。従って、ユーザーは、第2の投射画像が意図した通りの画像となっているか否かを、より容易に確認することができる。
【0167】
3.5.付記5
前記第1の加工画像には、前記入力画像から前記第1の投射領域に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施されており、前記第2の加工画像には、前記入力画像から前記第2の投射領域に投射する範囲が切り出された画像に対して、エッジブレンド処理が施されている、付記4に記載の投射方法。
【0168】
付記5に記載の投射方法によれば、エッジブレンド処理の状況を容易に把握することができる。
【0169】
3.6.付記6
第1のプロジェクターと第2のプロジェクターとを含むマルチプロジェクションシステムにおける投射方法であって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、第1の投射領域に第1の投射画像を投射するとともに、前記第2のプロジェクターから、第2の投射領域に第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターから、前記第1の投射領域に、第1の縮小画像と第2の縮小画像とを並べて投射し、前記第1の縮小画像は、前記第1の投射画像が投射された前記第1の投射領域が撮像された第1の撮像画像であり、前記第2の縮小画像は、前記第2の投射画像が投射された前記第2の投射領域が撮像された第2の撮像画像である、投射方法。
【0170】
付記6に記載の投射方法によれば、実際に投射されている第2の投射画像の状況を縮小画像として観察することができるため、より正確に状況を把握することができる。
【0171】
3.7.付記7
前記第1の縮小画像及び前記第2の縮小画像の配列と、前記第1の投射領域及び前記第2の投射領域の配列とは、互いに一致している、付記1から付記6までのいずれか1つに記載の投射方法。
【0172】
付記7に記載の投射方法によれば、実際に投射されている配列と一致した配列で、第1投射画像及び第2投射画像の状況を縮小画像として観察することができるため、より正確に状況を把握することができる。
【0173】
3.8.付記8
前記第2のプロジェクターの姿勢が、基本姿勢及び前記基本姿勢に対して天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢であるかを示す姿勢情報と、前記第2のプロジェクターにおける前記第2の投射画像の天地の向きをいずれの向きに設定するかを示す姿勢設定情報とに基づいて、前記第2の縮小画像の天地の向きを決定する、付記1から付記7までのいずれか1つに記載の投射方法。
【0174】
付記8に記載の投射方法によれば、第2の縮小画像の天地の向きには、第2のプロジェクターの姿勢が反映されるとともに、ユーザーによる姿勢の設定が反映される。従って、第2の縮小画像の天地の向きと、第2の投射領域に投射される第2の投射画像の天地の向きとが一致することとなり、ユーザーは、より正確に状況を把握することができる。
【0175】
3.9.付記9
第1のプロジェクターと、第2のプロジェクターとを含み、前記第1のプロジェクター及び前記第2のプロジェクターによりマルチプロジェクションを行う投射システムであって、第1の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターは、第1の投射領域に第1の投射画像を投射し、前記第1の投射モードにおいて、前記第2のプロジェクターは、第2の投射領域に第2の投射画像を投射し、第2の投射モードにおいて、前記第1のプロジェクターは、前記第1の投射領域に、前記第1の投射画像を縮小させた第1の縮小画像と、前記第2の投射画像を縮小させた第2の縮小画像とを並べて投射する、投射システム。
【0176】
付記9に記載の投射システムによれば、ユーザーは、第1の縮小画像及び第2の縮小画像を同時に視認することができる。そのため、ユーザーの位置から、ユーザーが第2の投射画像を視認できないという場合であっても、ユーザーは、第2の投射画像が意図した通りの画像となっているか否かを、その場で確認することができる。このように、付記8に記載の投射システムによれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0177】
3.10.付記10
マルチプロジェクションシステムを構成し、第1の投射機構を有するプロジェクターであって、1又は複数のプロセッサーを備え、前記1又は複数のプロセッサーは、入力画像を取得し、前記入力画像から第1の投射領域に投射する範囲の画像を切り出すことを少なくとも含む画像処理の内容を指定する設定情報を取得し、前記入力画像に前記設定情報の示す画像処理を施すことによって第1の投射画像を出力し、前記入力画像又は前記第1の投射画像から、前記入力画像又は前記第1の投射画像を縮小させた第1の縮小画像を生成し、前記マルチプロジェクションシステムを構成する他のプロジェクターにおいて、第2の投射領域に投射される第2の投射画像に基づいて生成された第2の縮小画像を取得し、第1の投射モードにおいて、前記第1の投射領域に前記第1の投射画像を前記第1の投射機構に投射させ、第2の投射モードにおいて、前記第1の投射領域に前記第1の縮小画像と前記第2の縮小画像とを並べて前記第1の投射機構に投射させる、プロジェクター。
【0178】
付記10に記載のプロジェクターによれば、ユーザーの位置から、ユーザーが第2の投射画像を視認できないという場合であっても、ユーザーは、第1の縮小画像、及び第2の縮小画像を同時に視認することができる。そのため、ユーザーは、第2の投射画像を視認可能な位置まで移動しなくとも、第2の投射画像が意図した通りの画像となっているか否かを、その場で確認することができる。このように、付記9に記載のプロジェクターによれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0179】
3.11.付記11
前記第2の投射モードにおいて、前記設定情報、及び前記他のプロジェクターに入力される他の入力画像から前記第2の投射領域に投射する範囲を切り出す処理を少なくとも含む画像処理の内容を指定する他の設定情報の少なくともいずれか一方を変更する設定変更部をさらに備える、付記10に記載のプロジェクター。
【0180】
付記11に記載のプロジェクターによれば、ユーザーは、第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターの設定に問題があった場合、その場で、第1のプロジェクター及び第2のプロジェクターの設定の少なくともいずれか1つの設定を変更することができる。従って、付記11に記載のプロジェクターによれば、マルチプロジェクションシステムを構築するユーザーの作業効率をより向上させることができる。
【0181】
3.12.付記12
前記設定情報及び前記他の設定情報には、前記マルチプロジェクションシステムを構成する複数のプロジェクターの配列に関する情報が含まれる、付記10又は付記11に記載のプロジェクター。
【0182】
付記12に記載のプロジェクターによれば、配列に関する情報に基づいて、第1の縮小画像及び第2の縮小画像を正しく配列させることができる。
【符号の説明】
【0183】
1,1A…投射システム、2…複数のプロジェクター、2a…第1のプロジェクター、2b…第2のプロジェクター、2c…第3のプロジェクター、22…処理装置、220…設定変更部、221…入力画像取得部、222…設定情報取得部、223…画像取得部、224…生成部、225…縮小画像取得部、226…投射制御部、227…姿勢情報取得部、228…要求受付部、229…情報送信部、II1…入力画像、PA1…第1の投射領域、PA2…第2の投射領域、PA3…第3の投射領域、PI1…第1の投射画像、PI2…第2の投射画像、PI3…第3の投射画像、TI1…第1のサムネイル画像、TI2…第2のサムネイル画像、TI3…第3のサムネイル画像、U1…ユーザー。
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図12