(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146429
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/0207 372
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059319
(22)【出願日】2023-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 唯
(72)【発明者】
【氏名】伴 駿
(72)【発明者】
【氏名】平方 克志
(72)【発明者】
【氏名】岡田 俊
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】特典を効率良く管理できる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、記憶部と、制御部とを備える。記憶部は、同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、特典を識別する特典IDと、施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、特典IDに対して、決済先IDと、複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶する。制御部は、データベースにおける共通データに基づいて、複数の施設それぞれで利用者端末を用いた決済における特典の適用可否を判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶する記憶部と、
前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれで利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記決済先IDおよび前記共通施設IDが紐付いた前記共通データを含む決済情報を生成して前記施設へ送信した後、前記利用者端末からユーザIDが紐付けられて送信される前記決済情報に基づいて前記特典の適用可否を判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記施設が前記利用者端末から取得したユーザIDと前記決済先IDおよび前記共通施設IDが紐付いた前記共通データとが紐付いた決済要求を受信し、受信した前記決済要求に基づいて前記特典の適用可否を判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データベースは、前記施設毎の位置情報を含み、
前記制御部は、
利用者によって指定された前記特典IDの前記特典の獲得要求を受け付けた場合に、当該特典IDに紐付く前記個別データに基づいて、当該特典が利用可能な前記施設の位置情報を前記利用者端末へ提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記共通データに前記施設に関する位置情報が紐付いている場合には、前記共通データに紐付いた位置情報を、前記施設毎の位置情報よりも優先して提供する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記特典IDに前記共通データのみ紐付いているか、前記共通データおよび前記個別データが紐付いているかを判定し、前記共通データのみ紐付いている場合には、前記共通データに含まれる位置情報を提供し、前記共通データおよび前記個別データが紐付いている場合には、前記個別データに含まれる前記施設毎の位置情報を提供する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記施設の位置を地図表示により提供する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特典は、
前記決済の割引に関するクーポンまたはスタンプカードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記施設は、
無人でのサービス提供を行う施設である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶部に記憶する工程と、
前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれで利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶部に記憶する手順と、
前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれで利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する手順と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の取引対象を購入する利用者に対して所定の特典を付与する技術が知られている。このような技術の一例として、任意の商品に対する割引クーポン(以下、単にクーポンと呼ぶ場合がある。)を事前にユーザが獲得しておき、レジでの精算の際に獲得したクーポンを使用して決済を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、クーポン等の特典を効率良く管理できない場合がある。
【0005】
例えば、あるメーカが製造した商品が、複数の店舗で販売される場合、かかる商品に対するクーポンは、店舗毎に紐付けられる。そして、ユーザが獲得したクーポンが、決済する店舗に紐づいている場合にクーポンを適用する。このため、クーポンに紐づいた店舗が大量に存在する場合、かかる大量の店舗から決済する店舗を検索する必要があり検索処理に時間を要してしまう。また、自動販売機などのような設置が容易で店舗数の上限が多い場合は、各店舗毎に店舗識別情報を発行せず、全て同じ店舗識別情報として管理し、それに紐づくクーポンを発行することも考えられるが、この場合は、店舗識別情報に各店舗の位置情報を紐づけることが出来ないため、ユーザが獲得したクーポンをどこで利用できるか確認する方法がなかった。このように、従来は、クーポン等の特典を効率良く管理する点で改善の余地があった。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、特典を効率良く管理できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、記憶部と、制御部とを備える。前記記憶部は、同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶する。前記制御部は、前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれで利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、クーポンを効率良く管理できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図1C】
図1Cは、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る施設情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るクーポン情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るクーポンの登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るユーザスキャン時の決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係るストアスキャン時の決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔実施形態〕
図1A~
図1Cを用いて、本実施形態の情報処理装置等により実現される情報処理について説明する。
図1A~
図1Cは、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1Aでは、クーポン(特典の一例)の登録処理を示し、
図1Bでは、ユーザスキャンによる決済処理を示し、
図1Cでは、ストアスキャンによる決済処理を示す。なお、
図1A~
図1Cでは、本実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ10によって、実施形態に係る情報処理等が実現されるものとする。
【0012】
図1A~
図1Cに示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、決済サーバ10と、利用者端末100と、店舗端末200と、外部装置300とを含む。決済サーバ10、利用者端末100、店舗端末200及び外部装置300は、ネットワークN(例えば、
図10参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1A~
図1Cに示した情報処理システム1には、複数台の決済サーバ10、複数台の利用者端末100、複数台の店舗端末200および複数台の外部装置300が含まれていてもよい。
【0013】
図1A~
図1Cに示す決済サーバ10は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ10は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0014】
また、決済サーバ10は、電子決済サービスにおいて利用者に付与され、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンに関するクーポン情報(例えば、クーポンの適用対象である取引対象(商品)を識別する識別情報(取引対象識別情報)、クーポンにより利用者に付与される利益の内容(所定の金額のキャッシュバック等)、利用者がクーポンを獲得するための獲得条件等)を、クーポンの提供者(言い換えると、クーポンの企画、設定等を行い、クーポンの原資を出資(提供)する者)から受け付け、自装置の記憶部で管理する。例えば、決済サーバ10は、取引対象識別情報として、取引対象に添付されるバーコード(JANコードや、インストアコード等のバーコード)が示す情報を管理する。
【0015】
また、決済サーバ10は、利用者と、利用者が獲得したクーポンとを紐付け、自装置の記憶部で管理する。
【0016】
図1A~
図1Cに示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、
図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0017】
なお、利用者端末100は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0018】
図1A~
図1Cに示す店舗端末200は、利用者に取引対象を提供する施設に内蔵される情報処理装置である。本開示では、食料品等を無人で提供する自動販売機を施設の一例として説明する。なお、施設は、自動販売機に限らず、コインランドリーや、照明写真機等であってもよい。また、店舗端末200は、利用者に取引対象を提供する店舗において利用される情報処理装置であってもよい。この場合の店舗端末200は、例えば、POS(Point of Sales)端末や、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、店舗端末200は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0019】
図1A~
図1Cに示す外部装置300は、施設が提供する取引対象に関する情報や、利用者が施設に対して行った決済に関する情報等を管理する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、外部装置300は、JANコードが示す取引対象識別情報や、JANコードに紐付けられた取引対象の情報(名称等)、取引対象の価格等の情報を、取引対象に関する情報として所定のサーバ(JANコード統合商品情報データベース等)や、店舗を管理する事業者が利用する事業者端末等から取得し、取得した情報を自装置の記憶部に記憶する。また、外部装置300は、店舗を管理する事業者が独自に採番したインストアコードが示す取引対象識別情報や、取引対象の名称、取引対象の価格等の情報を、取引対象に関する情報として事業者M1が利用する事業者端末から取得し、自装置の記憶部に記憶する。また、外部装置300は、後述する利用者端末100を用いた決済を識別する識別情報(決済番号)や、当該決済の対象である取引対象の取引対象識別情報等の情報を、利用者が店舗に対して行った決済に関する情報として店舗端末200から受け付け、自装置の記憶部に記憶する。
【0020】
また、外部端末300は、不図示の設定者による操作に従ってクーポンに関する設定を行う。なお、クーポンに関する設定は、不図示の設定者端末を介して行われる。設定者端末は、設定者によって利用される情報処理装置である。設定者端末は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、携帯電話機、PDA等により実現される。また、設定者端末は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0021】
なお、設定者端末は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML等のマークアップ言語等により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0022】
〔利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、決済サーバ10が実行する情報処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗に配置(もしくは表示)された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗を識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者が利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0023】
例えば、利用者が店舗にて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者は、決済アプリを介して、店舗に設置(または表示)された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者或いは店舗の店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100は、利用者を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗(若しくは店舗の事業者)を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。
【0024】
このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗識別情報が示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。ここで、決済サーバ10は、店舗の口座へ電子マネーを移行させる際、若しくは、所定のタイミングで、所定の手数料(管理手数料等)を店舗の口座から減算してもよい。
【0025】
より詳細な例を説明する。例えば、店舗に設置(または表示)された店舗識別情報は、店舗ごとに設定されるURLであって、店舗が属するグループを示すグループ識別情報と、そのグループにおいて店舗を識別するグループ店舗識別情報とに紐づけ、決済サーバ10が参照可能に管理されている。なお、店舗識別情報となるURLは、決済サーバ10にアクセスするためのURLとなる。利用者端末100は、店舗識別情報を撮影すると、撮影した店舗識別情報が示すURLにアクセスし、利用者識別情報を送信する。このような場合、決済サーバ10は、アクセスされたURLと対応するグループ識別情報を特定し、特定したグループ識別情報と紐づけられた電子マネーの口座(「ウォレット」と表示する場合がある)を特定する。続いて、決済サーバ10は、利用者端末100に対して金額入力画面を表示させ、金額を入力させる。そして、決済サーバ10は、利用者端末50から受けつけた利用者識別情報と紐づけられたウォレットから、グループ識別情報を特定し、特定したグループ識別情報と紐づけられたウォレットに対して、入力された金額の電子マネーを移動させる。なお、決済サーバ10は、グループ識別情報およびグループ店舗識別情報に紐づけられるウォレットに電子マネーを移動させてもよい。
【0026】
決済で使用される店舗識別情報は上述のように、店舗毎に発行されるのが通常だが、自動販売機やコインランドリーのように、店舗の数が短期間で上限するような店舗の場合、各店舗に店舗識別情報を管理するのではなく、販売する加盟店が同一であれば、自動販売機として全て同じ店舗識別情報を付与して管理する管理形態も存在する。この場合は、新しく自動販売機を設置する場合でも新たに店舗識別情報を発行することなく、同一の店舗識別情報を利用すればよいため管理が容易となる。
【0027】
しかしながら、上記のようなケースにおいて、クーポンを発行する場合、一つの店舗識別情報に関連する一つのクーポンを発行すれば、全ての自動販売機でのクーポン利用を可能とすることが出来る。ただし、この場合、ユーザが取得したクーポンの利用可能場所をクーポン画面から確認したい場合に、店舗識別情報が一つであるため、複数の住所を紐づけられず、利用可能場所を表示できないといった問題が発生する。
【0028】
本開示では、決済には上記の一つの店舗識別情報を用い、それとは別に、例えば、店舗をユーザに表示する際には、上記の一つの店舗識別情報と紐付いた店舗毎の店舗識別情報を内部(決済サーバ10)のみで管理することで、店舗毎の店舗識別情報から店舗の位置をユーザに表示できる。なお、この点の詳細については後述する。
【0029】
上述した決済は、ユーザが店舗のコードをスキャンして決済を行うことからユーザスキャンによる決済とも呼ばれる。なお、ユーザスキャンによる決済処理の詳細については、
図1Bで後述する。
【0030】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述したユーザスキャンによる決済処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗端末200を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗端末200は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗を識別する情報とを含んだ決済に関する情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗の店舗端末200或いは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0031】
より詳細には、利用者端末100は、利用者識別情報とともに決済サーバ10に対して支払いリクエストを送信する。このような場合、決済サーバ10は、ワンタイムコードを生成し、生成したワンタイムコードと利用者識別情報とを紐づけるとともに、ワンタイムコードを利用者端末50に送信する。すると、利用者端末100は、画面上にワンタイムコード(すなわち、利用者を識別する情報)を表示する。このような場合、店舗端末200は、利用者端末100に表示されたワンタイムコードを読み取ると、読み取ったワンタイムコードと、グループ識別情報、グループ店舗識別情報および決済金額を決済サーバ10に送信する。すると、決済サーバ10は、ワンタイムコードに紐づけられた利用者識別情報に紐づくウォレットから、グループ識別情報およびグループ店舗識別情報とに紐づけられるウォレットに決済金額分の電子マネーを移動させる。
【0032】
上述した決済は、店舗端末200が利用者端末100のコードをスキャンして決済を行うことからストアスキャンによる決済とも呼ばれる。なお、ストアスキャンによる決済処理の詳細については、
図1Cで後述する。
【0033】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者が予め電子マネーをチャージした口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、店舗の口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者のクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
【0034】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者の口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、決済サーバ10が、利用者の口座から決済金額分の電子マネーを引き出し、決済金額から所定の手数料(管理手数料等)を減算した額の現金を店舗の銀行口座に入金する処理が行われてもよい。このような場合、例えば、決済サーバ10は、各利用者から店舗に対する決済金額を、店舗の売上情報として管理し、所定のタイミングで、売上情報に基づき、店舗の銀行口座に、売り上げ(売上情報が示す決済金額の合計額)から所定の手数料を減算した額の現金を入金する。
【0035】
なお、決済サーバ10は、決済の際に利用されたクーポンの原資が店舗の負担するものである場合、店舗の銀行口座に現金を入金する際、若しくは、店舗の口座に電子マネーを移行する際等に、決済金額から負担分の現金を減算して銀行口座に入金、若しくは、決済金額から担分の電子マネーを減算して店舗の口座に移行させる処理を実行してもよい。
【0036】
なお、クーポンの原資は、店舗ではなく、決済対象の提供者(例えば、商品のメーカ)が負担する場合がある。その場合、決済サーバ10は、上記の減算する処理を行わない。
【0037】
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。例えば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数のユーザが有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、ユーザや店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サーバ10は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0038】
〔実施形態の概要について〕
ここで、従来、所定の取引対象を購入する利用者に対して所定の利益を付与する技術の一例として、任意の商品に対する割引クーポン(以下、単にクーポンと呼ぶ場合がある。)を事前にユーザが獲得しておき、レジでの精算の際に獲得したクーポンを使用して決済を行う技術が提案されている。しかしながら、従来は、クーポンを効率良く管理できない場合がある。
【0039】
例えば、あるメーカが製造した商品が、複数の店舗で販売される場合、かかる商品に対するクーポンは、店舗毎に紐付けられる。そして、ユーザが獲得したクーポンが、決済する店舗に紐づいている場合にクーポンを適用する。このため、クーポンに紐づいた店舗が大量に存在する場合、かかる大量の店舗から決済する店舗を検索する必要があり検索処理(クーポンの適用可否判定)に時間を要してしまう。また、自動販売機などのような設置が容易で店舗数の増減が多い店舗の場合は、各店舗毎に店舗識別情報を発行せず、全て同じ店舗識別情報として管理し、それに紐づくクーポンを発行することも考えられるが、この場合は、店舗識別情報に各店舗の位置情報を紐づけることが出来ないため、ユーザが獲得したクーポンをどこで利用できるか確認する方法がなかった。このように、従来は、クーポンを効率良く管理する点で改善の余地があった。
【0040】
そこで、決済サーバ10は、
図1A~
図1Cに示す情報処理を実行する。具体的には、決済サーバ10は、同一のクーポンが利用可能な複数の施設200で共通の共通施設ID(共通の店舗識別情報)を生成してクーポンに紐づけて自装置に記憶しておく。そして、決済サーバ10は、外部装置300から決済する店舗の共通施設IDを取得し、かかる共通施設IDに紐づいたクーポンによりクーポンの適用可否を判定する。これにより、クーポンの適用可否を判定する際に、クーポンに紐づいた大量の店舗の中から決済を行う店舗を検索する必要が無いため、自動販売機等のように大量の施設200が存在する場合であっても迅速にクーポンの適用可否を判定することができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10によれば、クーポンを効率よく管理することができる。
【0041】
以下、
図1A~
図1Cを用いて、上記した情報処理について詳細に説明する。まず、
図1Aを用いて、クーポンの登録処理について説明し、次いで、
図1Bおよび
図1Cを用いて、ユーザスキャンおよびストアスキャンによるクーポン適用時の決済処理について説明する。なお、以下の説明では店舗端末200は、無人で食料品等を提供する自動販売機である例を示す。また、以下の説明では、利用者端末100を利用者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者を利用者端末100と読み替えることもできる。
【0042】
図1Aに示すように、決済サーバ10は、同一のクーポンを利用可能な複数の施設200のリスト情報を外部装置300から取得する(ステップS1)。具体的には、外部装置300は、設定者から受け付けたクーポンの設定内容を受け付ける。例えば、設定者は、不図示の設定者端末を介して、決済サーバ10によって提供される画面を操作して設定内容の送信を行う。設定内容は、クーポンの対象となる施設200、クーポンの内容(割引率等)、クーポンの条件(利用可能期間や、利用可能なユーザ属性等)等を含む。また、リスト情報には、施設毎の名称や、位置情報等が含まれる。
【0043】
外部装置300は、受け付けた設定内容に基づいて、クーポンの利用可能な施設200の一覧を示すリストと、クーポンの内容およびクーポンの条件を含むリスト情報を生成して決済サーバ10へ送信する。
【0044】
続いて、決済サーバ10は、外部装置300から受信したリスト情報を基に、クーポンを識別するクーポンIDを発行し、かかるクーポンIDと、共通SIDと、共通MIDとを紐づけた共通データを生成し、施設情報データベースに登録する(ステップS2)。共通MIDは、決済先を識別する識別情報である加盟店ID(グループ識別情報、マーチャントIDとも呼ばれる)であり、複数の施設で共通の加盟店IDである。また、共通SIDは、複数の施設で共通の識別情報であり、加盟店を識別する識別情報である。なお、決済サーバ10は、未登録(共通MIDおよび共通SIDを未発行)の加盟店からリスト情報を取得した場合には、新たに共通MIDおよび共通SIDを発行し、既に登録済(共通MIDおよび共通SIDを発行済)の加盟店からリスト情報を取得した場合には、発行済の共通MIDおよび共通SIDをクーポンIDに紐付ける。なお、加盟店ID(共通加盟店ID)は、決済先IDに相当する。また、詳細は後述するが、施設情報データベースには、施設の位置情報等といった施設情報も含まれる。
【0045】
続いて、決済サーバ10は、発行したクーポンIDに対して、リスト情報に含まれる複数の施設について施設毎のMIDと、施設毎のSIDとを発行してクーポンIDに紐付けた個別データを生成し、施設情報データベースに登録する(ステップS3)。SIDは、施設毎の識別情報(店舗識別情報)である。MIDは、施設毎のマーチャントIDである。なお、MIDは、共通MIDと同じ識別情報であってもよく、施設毎に異なる識別情報であってもよい。なお、共通MIDおよび共通SIDは、決済に用いられる識別情報であり、上記した個別データのMIDおよびSIDは、決済サーバ10のみで管理される。つまり、決済サーバ10は、複数の施設それぞれを内部で区別して管理するために、施設毎にSIDおよびMIDを発行する。
【0046】
続いて、決済サーバ10は、登録した共通データである共通MIDおよび共通SIDの組を外部装置300へ通知する(ステップS4)。そして、外部装置300は、共通MIDおよび共通SIDの組を自装置に記憶する。これにより、クーポンの登録処理を完了する。なお、外部装置300への共通MIDおよび共通SIDの通知は、新規登録時のみ行う処理であり、既に登録済の加盟店については共通MIDおよび共通SIDの通知は行われなくてもよい。
【0047】
続いて、
図1Aを用いて、利用者端末100へのクーポン獲得処理について説明する。具体的には、利用者端末100は、決済アプリを起動して、クーポン獲得要求を決済サーバ10へ送信する(ステップS5)。クーポン獲得要求は、利用者端末100に表示されたクーポン獲得画面において提示された獲得可能なクーポン一覧から利用者が選択する(クーポンIDを指定する)ことで送信される。利用者端末100は、利用者を識別する利用者IDを紐付けたクーポン獲得要求を決済サーバ10へ送信する。
【0048】
続いて、決済サーバ10は、利用者端末100から受信したクーポン獲得要求に基づいて、利用者IDと、クーポンIDとを紐付けて利用者情報DBに登録する(ステップS6)。
【0049】
続いて、決済サーバ10は、利用者が獲得したクーポンのクーポンIDに紐付いた個別データに基づく情報提供を行う(ステップ7)。具体的には、決済サーバ10は、獲得したクーポンが利用可能な施設200の位置提供要求を利用者から受信した場合、クーポンIDに紐付いた施設200の位置情報を利用者100へ提供する。例えば、決済サーバ100は、利用者端末100の位置周辺に存在する施設200の位置を地図表示により提供する。これにより、利用者に対してクーポンを利用可能な施設200の位置情報を提供することができる。
【0050】
なお、決済サーバ10は、クーポンIDに紐づく共通データに、位置情報が含まれている場合は、共通データに含まれる位置情報を、個別データに含まれる施設毎の位置情報よりも優先して提供する。
【0051】
また、決済サーバ10は、決済に使用される共通データにクーポンが紐付くとともに個別データが存在しない場合(施設毎にクーポン設定を行っている場合)には、共通データに紐付く施設の位置情報を提供し、共通データとは別に個別データがクーポンに紐づいている場合は、個別データの位置情報を提供する。
【0052】
また、決済サーバ10は、クーポンIDに共通データのみ紐付いているか、共通データおよび個別データが紐付いているかを判定し、共通データのみ紐付いている場合には、共通データに含まれる位置情報を提供し、共通データおよび個別データが紐付いている場合には、個別データに含まれる施設毎の位置情報を提供してもよい。
【0053】
次に、
図1Bおよび
図1Cを用いて、ユーザスキャンおよびストアスキャンによるクーポン適用時の決済処理について説明する。まず、
図1Bを用いて、ユーザスキャンによるクーポン適用時の決済処理について説明する。
【0054】
具体的には、
図1Bに示すように、施設200である自動販売機は、利用者によって商品が選択されると、外部装置300へ決済情報要求を送信する(ステップS1)。決済情報要求は、決済額の情報を含んだ決済情報(例えば、2次元コード)の生成要求であり、選択された商品の価格である決済額を含んだ要求である。
【0055】
続いて、外部装置300は、決済を識別する識別情報である決済ID(決済番号)を生成し、施設200に対応する固有番号に紐付けて自装置に記憶する(ステップS2)。固有番号は、外部装置300が内部で管理する番号であって、各施設を識別する識別情報である。
【0056】
続いて、外部装置300は、決済情報生成要求を決済サーバ10へ送信する(ステップS3)。決済情報生成要求は、決済情報の生成要求であり、決済ID、決済額、共通MIDおよび共通SIDを含む要求である。
【0057】
続いて、決済サーバ10は、決済情報生成要求に従って、決済情報を生成し(ステップS4)、生成した決済情報を外部装置300へ提供する(ステップS5)。決済情報は、例えば、決済ID、決済額、共通MIDおよび共通SIDを含む2次元コードである。
【0058】
続いて、外部装置300は、受信した決済情報を、該当の施設200へ提供する(ステップS6)。具体的には、外部装置300は、受信した決済情報の決済IDに紐付く固有番号に対応する施設200を該当の施設200として特定する。
【0059】
続いて、施設200は、受信した決済情報を、不図示の表示部に画面表示する(ステップ7)。具体的には、施設200は、決済情報を利用者端末100で読み取り可能な態様で表示する。
【0060】
続いて、利用者端末100は、施設200に表示された決済情報を決済アプリの読み取り機能で読み取り(ステップS8)、読み取った決済情報を決済サーバ10へ送信する(ステップS9)。
【0061】
続いて、決済サーバ10は、利用者端末100から受信した決済情報に基づいて、クーポンの適用可否の判定を行う(ステップS10)。具体的には、決済サーバ10は、利用者情報データベースおよび施設情報データベースを参照して、受信した決済情報の共通MIDおよび共通SIDに紐付くクーポンIDのクーポンを利用者が獲得している場合に、クーポン適用可能と判定する。
【0062】
このように、本開示では、クーポンIDを共通MIDおよび共通SIDに紐付けるとともに、決済情報に共通MIDおよび共通SIDを含ませることで、ユーザスキャンにより取得した決済情報からクーポンの適用可否を容易に判定することができる。
【0063】
続いて、決済サーバ10は、クーポン適用可能と判定した場合には、クーポンを適用後の価格を決済額として決済処理を行う(ステップS11)。なお、決済サーバ10は、クーポン適用不可と判定した場合には、クーポンを適用しない価格を決済額として決済処理を行う。なお、決済サーバ10は、内部管理用の個別データであるMIDおよびSIDで表示された店舗情報から利用者がクーポン取得して、その後、そのクーポンが利用された場合に、取得起因のMIDおよびSIDが示す施設200にて決済が行われたと特定してもよい。
【0064】
続いて、決済サーバ10は、利用者端末100へ決済完了通知を行う(ステップS12)とともに、外部装置300へ決済完了通知を行う(ステップS13)。決済完了通知は、決済IDおよび決済額を含む。
【0065】
続いて、外部装置300は、決済完了通知における決済IDに基づいて、決済された施設200を特定する(ステップS14)。具体的には、外部装置300は、自装置が記憶する決済IDおよびSIDの組を参照して、決済完了通知における決済IDに紐付くSIDを特定する。
【0066】
続いて、外部装置300は、特定した施設200に対して商品提供指示を行う(ステップS15)。続いて、施設200は、商品提供指示に従って、利用者が選択した商品を提供する(ステップS16)。
【0067】
次に、
図1Cを用いて、ストアスキャンによるクーポン適用時の決済処理について説明する。
【0068】
具体的には、
図1Cに示すように、利用者端末100は、利用者によって施設200の商品が選択された後、利用者の操作に従って、ユーザIDを含む情報コードを表示する(ステップS1)。利用者は、情報コードを表示した状態で、施設200の情報読み取り部に利用者端末100をかざす。
【0069】
続いて、施設200は、利用者端末100に表示された情報コードを読み取ることでユーザIDを取得する(ステップS2)。続いて、施設200は、読み取ったユーザIDと、選択された商品の価格である決済額とを含んだ決済要求を外部装置300へ送信する。
【0070】
続いて、外部装置300は、決済を識別する識別情報である決済ID(決済番号)を生成し、施設200に対応する共通SIDに紐付けて自装置に記憶する(ステップS4)。
【0071】
続いて、外部装置300は、決済要求を決済サーバ10へ送信する(ステップS5)。決済要求は、決済ID、決済額、ユーザID、共通MIDおよび共通SIDを含む。
【0072】
続いて、決済サーバ10は、外部装置300から受信した決済要求に基づいて、クーポンの適用可否の判定を行う(ステップS7)。具体的には、決済サーバ10は、利用者情報データベースおよび施設情報データベースを参照して、受信した決済要求の共通MIDおよび共通SIDに紐付くクーポンIDのクーポンを利用者が獲得している場合に、クーポン適用可能と判定する。
【0073】
このように、本開示では、クーポンIDを共通IMDおよび共通SIDに紐付けることで、ストアスキャンにより取得した決済情報からクーポンの適用可否を容易に判定することができる。
【0074】
続いて、決済サーバ10は、クーポン適用可能と判定した場合には、クーポンを適用後の価格を決済額として決済処理を行う(ステップS7)。なお、決済サーバ10は、クーポン適用不可と判定した場合には、クーポンを適用しない価格を決済額として決済処理を行う。なお、決済サーバ10は、内部管理用の個別データであるMIDおよびSIDで表示された店舗情報から利用者がクーポンを取得した後に、所定期間内に、そのクーポンが利用された場合に、取得起因のMIDおよびSIDが示す施設200にて決済が行われたと特定してもよい。例えば、取得から一定時間内に、クーポンが利用された場合に、取得起因のMID、SIDと決済情報を紐づけて記憶する。このようにすることで、決済情報としては共有MIDと共通SIDしか含まれていないため、どの店舗で決済されたかが決済サーバ10側では特定できないが、紐づけられたMID、SIDを参照することでどこに位置している店舗で決済されたかを決済サーバ10が特定することが可能となる。
【0075】
続いて、決済サーバ10は、外部装置300へ決済完了通知を行う(ステップS7)。決済完了通知は、決済IDおよび決済額を含む。
【0076】
続いて、外部装置300は、決済完了通知における決済IDに基づいて、決済された施設200を特定する(ステップS8)。具体的には、外部装置300は、自装置が記憶する決済IDおよびSIDの組を参照して、決済完了通知における決済IDに紐付くSIDを特定する。
【0077】
続いて、外部装置300は、特定した施設200に対して商品提供指示を行う(ステップS9)。続いて、施設200は、商品提供指示に従って、利用者が選択した商品を提供する(ステップS10)。
【0078】
以上のように、実施形態に係る決済サーバ10は、利用者の決済の対象に関する取引対象情報を外部装置300から取得し、取得した取引対象情報に基づいて特定したクーポンに基づく利益を利用者に付与する。これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、決済アプリを用いた決済において利用者に適用可能なクーポンを自動的に適用することができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10は、決済における利用者の利便性を向上させることができる。
【0079】
〔決済サーバの構成〕
次に、
図2を用いて、決済サーバ10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図2に示すように、決済サーバ10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0080】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、施設200、外部装置300等との間で情報の送受信を行う。
【0081】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部30は、利用者情報データベース(DB)31と、口座データベース(DB)32と、施設情報データベース(DB)33と、クーポン情報データベース(DB)34とを有する。
【0082】
(利用者情報データベース31について)
利用者情報データベース31は、決済サーバ10が提供する電子決済サービスの利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図3を用いて、利用者情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態に係る利用者情報データベース31の一例を示す図である。
図3の例において、利用者情報データベース31は、「ユーザID」、「決済履歴」、「獲得済クーポン」といった項目を有する。
【0083】
「ユーザID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「決済履歴」は、電子決済サービスを利用して行った決済の履歴を示し、例えば、決済先や、決済金額等といった情報が格納される。「獲得済クーポン」は、クーポン情報データベース34に格納されたクーポン情報が示すクーポンのうち、利用者が獲得したクーポンを示し、例えば、クーポンを識別するための識別情報(クーポンID)が格納される。
【0084】
(口座データベース32について)
口座データベース32は、利用者や店舗(事業者)、施設200等が電子決済サービスにおいて所有する口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、口座データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る口座データベース32の一例を示す図である。
図4の例において、口座データベース32は、「口座ID」、「所有者情報」、「口座残高」といった項目を有する。
【0085】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有する所有者に関する情報を示し、例えば、所有者を識別するための識別情報が格納される。「口座残高」は、口座の残高を示す。
【0086】
(施設情報データベース33について)
施設情報データベース33は、施設に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、施設情報データベース33が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る施設情報データベース33の一例を示す図である。
図5の例において、施設情報データベース33は、「施設ID」、「加盟店ID」、「事業者ID」、「施設情報」、「適用クーポン」といった項目を有する。
【0087】
「施設ID」は、施設200を識別するための識別情報であり、上記したSIDである。「加盟店ID」は、決済先を識別するための識別情報であり、上記したMIDである。「事業者ID」は、施設200を管理する事業者を識別するための識別情報である。「施設情報」は、施設200に関する情報であり、施設名や、施設200の位置情報等を含む。「適用クーポン」は、施設200に適用されるクーポンであり、後述するクーポン情報データベース34におけるクーポンIDが入力される。
【0088】
図5において、「施設ID」の「共通SID#1」は、複数の施設200で共通の共通SIDであり、「SID#1」は、施設毎のSIDである。また、「加盟店ID」の「共通MID#1」は、複数の施設200で共通の共通MIDであり、「MID#1」は、施設毎のMIDである」。
【0089】
(クーポン情報データベース34について)
クーポン情報データベース34は、利用者に適用されるクーポンに関する各種の情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、クーポン情報データベース34が記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係るクーポン情報データベース34の一例を示す図である。
図6の例において、クーポン情報データベース34は、「クーポンID」、「利益内容」、「獲得条件」といった項目を有する。
【0090】
「クーポンID」は、クーポンを識別するための識別情報を示す。「利益内容」は、クーポンにより利用者に付与される利益の内容を示す。「獲得条件」は、利用者がクーポンを獲得するための条件(例えば、デモグラフィック属性や、サイコグラフィック属性、決済履歴)を示す。
【0091】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0092】
(制御部40の情報処理について)
制御部40は、
図1A~
図1Cで説明した登録処理および決済処理を行う。
【0093】
(登録処理について)
具体的には、制御部40は、外部装置300から同一のクーポンを利用可能な複数の施設200のリスト情報を取得する。リスト情報は、施設200の名称、施設200の位置情報、クーポン情報(利益内容や、利用可能期間)等を含む。
【0094】
制御部40は、取得したリスト情報に基づいて、クーポンIDを発行する。また、制御部40は、リスト情報の送信元である加盟店が未登録である場合には、共通SIDおよび共通MIDを新たに発行する。制御部40は、発行したクーポンIDと、共通SIDと、共通MIDとを紐付けた共通データを生成し、施設情報DB33に登録する。
【0095】
また、制御部40は、リスト情報に含まれる複数の施設毎にMIDおよびSIDを発行し、クーポンIDに対して、発行したMIDと、SIDとを紐付けることで個別データを生成し、施設情報DB33に登録する。
【0096】
制御部40は、個別データおよび共通データを施設情報DB33に登録後、共通データである共通MIDおよび共通SIDの組を外部装置300へ通知する。
【0097】
(決済処理について:ユーザスキャン)
具体的には、制御部40は、外部装置300から決済情報生成要求を受け付ける。決済情報生成要求には、決済ID、決済額、共通MIDおよび共通SIDが含まれる。制御部40は、決済情報生成要求に基づいて、決済情報を生成し外部装置300へ提供する。決済情報は、例えば、2次元コードであり、決済ID、決済額、共通MIDおよび共通SIDを含む。
【0098】
制御部40は、決済情報を外部装置300へ提供した後、利用者端末100から決済情報を取得する。利用者端末100から取得する決済情報は、上記した情報に加え、ユーザIDが紐付けされている。
【0099】
制御部40は、利用者端末100から取得した決済情報に基づいて、クーポンの適用可否を判定する。具体的には、制御部40は、利用者情報DB31および施設情報DB33を参照して、利用者端末100から取得した決済情報における共通MIDおよび共通SIDに紐付いたクーポンを利用者が獲得しているか否かを判定する。
【0100】
制御部40は、かかるクーポンを利用者が獲得している場合、詳細には、利用者情報DB31におけるユーザIDに獲得済クーポンとして該当のクーポンIDが紐付いている場合、クーポンを適用可能であると判定する。一方、制御部40は、かかるクーポンを利用者が獲得していない場合、詳細には、利用者情報DB31におけるユーザIDに獲得済クーポンとして該当のクーポンIDが紐付いていない場合、クーポンを適用不可であると判定する。
【0101】
制御部40は、クーポンの適用の可否判定の結果に基づいて、決済処理を行う。具体的には、制御部40は、クーポンを適用可能であると判定した場合、クーポンを適用後(割引後)の価格を決済額として決済処理を行う。一方、制御部40は、クーポンを適用不可であると判定した場合、クーポンを適用しない価格を決済額として決済処理を行う。
【0102】
制御部40は、決済処理を完了した後、外部装置300および利用者端末100に対して決済完了通知を行う。決済完了通知には、決済IDおよび決済額が含まれる。
【0103】
(決済処理について:ストアスキャン)
具体的には、制御部40は、外部装置300から決済要求を受け付ける。決済要求には、決済ID、決済額、ユーザID、共通MIDおよび共通SIDが含まれる。
【0104】
制御部40は、外部装置300から取得した決済要求に基づいて、クーポンの適用可否を判定する。具体的には、制御部40は、利用者情報DB31および施設情報DB33を参照して、決済要求における共通MIDおよび共通SIDに紐付いたクーポンを利用者が獲得しているか否かを判定する。
【0105】
制御部40は、かかるクーポンを利用者が獲得している場合、詳細には、利用者情報DB31におけるユーザIDに獲得済クーポンとして該当のクーポンIDが紐付いている場合、クーポンを適用可能であると判定する。一方、制御部40は、かかるクーポンを利用者が獲得していない場合、詳細には、利用者情報DB31におけるユーザIDに獲得済クーポンとして該当のクーポンIDが紐付いていない場合、クーポンを適用不可であると判定する。
【0106】
制御部40は、クーポンの適用の可否判定の結果に基づいて、決済処理を行う。具体的には、制御部40は、クーポンを適用可能であると判定した場合、クーポンを適用後(割引後)の価格を決済額として決済処理を行う。一方、制御部40は、クーポンを適用不可であると判定した場合、クーポンを適用しない価格を決済額として決済処理を行う。
【0107】
制御部40は、決済処理を完了した後、外部装置300に対して決済完了通知を行う。決済完了通知には、決済IDおよび決済額が含まれる。
【0108】
〔処理のフロー〕
図7を用いて、実施形態に係る決済サーバ10のクーポンの登録処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係るクーポンの登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0109】
図7に示すように、決済サーバ10は、クーポンを利用可能な施設200のリスト情報を取得する(ステップS101)。
【0110】
次に、決済サーバ10は、外部装置300から受信したリスト情報を基に、クーポンを識別するクーポンIDを発行する(ステップS102)。つづいて、決済サーバ10は、かかるクーポンIDに、共通SIDおよび共通MIDを紐づけた共通データを施設200毎に生成し、施設情報データベースに記憶する(ステップS103)。
【0111】
次に、決済サーバ10は、リスト情報に含まれる施設毎にMIDおよびSIDを発行する(ステップS104)。次に、決済サーバ10は、発行したクーポンIDにMIDおよびSIDを紐付けた個別データを生成し、施設情報データベースに記憶し(ステップS105)、登録処理を完了する。
【0112】
次に、
図8を用いて、実施形態に係る決済サーバ10のユーザスキャン時の決済処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係るユーザスキャン時の決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0113】
図8に示すように、決済サーバ10は、外部装置300から決済情報生成要求を受け付ける(ステップS201)。決済情報生成要求には、決済ID、決済額、共通MIDおよび共通SIDが含まれる。
【0114】
次に、決済サーバ10は、決済情報生成要求を基に、決済情報を生成し外部装置300へ提供する(ステップS202)。
【0115】
次に、決済サーバ10は、利用者端末100から決済情報を取得する(ステップS203)。次に決済サーバ10は、取得した決済情報に基づいて、クーポンの適用可否を判定する(ステップS204)。
【0116】
次に、決済サーバ10は、クーポン適用の可否判定の結果に応じた決済額により決済処理を行う(ステップS205)。次に、決済サーバ10は、決済完了通知を利用者端末100および外部装置300へ通知し(ステップS206)、処理を終了する。
【0117】
次に、
図9を用いて、実施形態に係る決済サーバ10のストアスキャン時の決済処理の手順について説明する。
図9は、実施形態に係るストアスキャン時の決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0118】
図9に示すように、決済サーバ10は、外部装置300から決済要求を受け付ける(ステップS301)。決済要求には、決済ID、決済額、ユーザID、共通MIDおよび共通SIDが含まれる。
【0119】
次に、決済サーバ10は、決済要求に基づいて、クーポンの適用可否を判定する(ステップS302)。
【0120】
次に、決済サーバ10は、クーポン適用の可否判定の結果に応じた決済額により決済処理を行う(ステップS303)。次に、決済サーバ10は、決済完了通知を外部装置300へ通知し(ステップS304)、処理を終了する。
【0121】
〔変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0122】
例えば、
図1Aで示したクーポンの登録処理において、決済サーバ10は、外部装置300を介してリスト情報を取得したが、不図示の設定者端末から直接リスト情報を取得してもよい。
【0123】
また、
図1Bおよび
図1Cで示したが、決済処理において、決済サーバ10は、外部装置300を介して施設200から決済情報生成要求や決済要求を受信したが、施設200から直接、決済情報生成要求や決済要求を受信してもよい。同様に、決済サーバ10は、決済情報の送信や決済完了通知を外部装置300を介さずに直接施設200へ送信してもよい。
【0124】
〔処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0125】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0126】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0127】
〔負担者の設定について〕
これまで、クーポンの原資がメーカによって負担される例について説明してきた。一方で、クーポンの原資を負担する負担者はメーカでなくてもよい。例えば、負担者は、店舗及び利用者等であってもよい。
【0128】
また、上述では、クーポンを特典の一例として挙げたが、クーポンに限らず、スタンプカードの発行や、別商品の提供等を特典としてもよい。
【0129】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ10は、記憶部30と、制御部40とを備える。記憶部30は、同一の特典が利用可能となる複数の施設200毎に、特典を識別する特典ID(クーポンID)と、施設200に対して決済する際の決済先を識別する加盟店ID(決済先ID、MID)と、施設200それぞれを識別する施設ID(SID)とを紐付けた個別データと、特典IDに対して、加盟店IDと、複数の施設200で共通の共通施設ID(共通SID)とを紐付けた共通データとを含むデータベース(施設情報DB33)を記憶する。制御部40は、施設情報DB33における共通データに基づいて、複数の施設200それぞれで利用者端末100を用いた決済における特典の適用可否を判定する。
【0130】
これにより、決済サーバ10によれば、クーポンの適用可否を判定する際に、クーポンに紐づいた大量の店舗の中から決済を行う店舗を検索する必要が無いため、自動販売機等のように大量の施設200が存在する場合であっても迅速にクーポンの適用可否を判定することができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10によれば、クーポンを効率よく管理することができる。
【0131】
また、制御部40は、加盟店IDおよび共通施設IDが紐付いた共通データを含む決済情報を生成して施設200へ送信した後、利用者端末100からユーザIDが紐付けられて送信される決済情報に基づいて特典の適用可否を判定する。
【0132】
これにより、ユーザスキャンによる決済処理において特典の適用可否を効率良く行うことができる。
【0133】
また、制御部40は、施設200が利用者端末100から取得したユーザIDと加盟店IDおよび共通施設IDが紐付いた共通データとが紐付いた決済要求を受信し、受信した決済要求に基づいて特典の適用可否を判定する。
【0134】
これにより、ストアスキャンによる決済処理において特典の適用可否を効率良く行うことができる。
【0135】
また、施設情報データベース33は、施設200毎の位置情報を含む。制御部40は、利用者によって指定された特典IDの特典の獲得要求を受け付けた場合に、当該特典IDに紐付く個別データに基づいて、当該特典が利用可能な施設200の位置情報を利用者端末100へ提供する。
【0136】
これにより、クーポンの利用が可能な施設200の情報を利用者端末100へ提供することができる。
【0137】
また、制御部40は、施設200の位置を地図表示により提供する。
【0138】
これにより、クーポンの利用が可能な施設200の位置を利用者が容易に把握することができる。
【0139】
また、制御部40は、共通データに施設200に関する位置情報が紐付いている場合には、共通データに紐付いた位置情報を、施設200毎の位置情報よりも優先して提供する。
【0140】
これにより、共通データに紐付いた位置情報を優先的に提供できるとともに、個別データに位置情報が紐付いている場合には、施設毎の位置情報を提供できる。
【0141】
また、特典は、決済の割引に関するクーポンまたはスタンプカードである。
【0142】
これにより、クーポンまたはスタンプカードを効率良く管理することができる。
【0143】
また、施設200は、無人でのサービス提供を行う施設であり、例えば、自動販売機である。
【0144】
これにより、自動販売機等の大量に存在する施設200において利用可能な特典を効率良く管理することができる。
【0145】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ10を例に挙げて説明する。
図10は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0146】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0147】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0148】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0149】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0150】
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0151】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0152】
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現する等、構成は柔軟に変更できる。
【0153】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0154】
1 情報処理システム
10 決済サーバ
20 通信部
30 記憶部
31 利用者情報データベース
32 口座データベース
33 施設情報データベース
34 クーポン情報データベース
40 制御部
100 利用者端末
200 施設
300 外部装置
【手続補正書】
【提出日】2023-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶する記憶部と、
前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれの前記施設IDに基づく利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する制御部と、
を備え、
前記記憶部は、
利用者が獲得した前記特典の前記特典IDと、前記利用者のユーザIDとを紐付けた利用者情報を記憶し、
前記制御部は、
前記決済先IDおよび前記共通施設IDが紐付いた前記共通データを含む決済情報を生成して前記施設へ送信した後、前記施設から前記決済情報を読み取った前記利用者端末からユーザIDおよび前記施設IDが紐付けられて送信される前記決済情報と、前記利用者情報とに基づいて前記特典の適用可否を判定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記施設が前記利用者端末から取得したユーザIDと前記決済先IDおよび前記共通施設IDが紐付いた前記共通データとが紐付いた決済要求を受信し、受信した前記決済要求に基づいて前記特典の適用可否を判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データベースは、前記施設毎の位置情報を含み、
前記制御部は、
利用者によって指定された前記特典IDの前記特典の獲得要求を受け付けた場合に、当該特典IDに紐付く前記個別データに基づいて、当該特典が利用可能な前記施設の位置情報を前記利用者端末へ提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記共通データに前記施設に関する位置情報が紐付いている場合には、前記共通データに紐付いた位置情報を、前記施設毎の位置情報よりも優先して提供する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記特典IDに前記共通データのみ紐付いているか、前記共通データおよび前記個別データが紐付いているかを判定し、前記共通データのみ紐付いている場合には、前記共通データに含まれる位置情報を提供し、前記共通データおよび前記個別データが紐付いている場合には、前記個別データに含まれる前記施設毎の位置情報を提供する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記施設の位置を地図表示により提供する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特典は、
前記決済の割引に関するクーポンまたはスタンプカードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記施設は、
無人でのサービス提供を行う施設である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶部に記憶する工程と、
前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれの前記施設IDに基づく利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する制御工程と、
を含み、
前記記憶部は、
利用者が獲得した前記特典の前記特典IDと、前記利用者のユーザIDとを紐付けた利用者情報を記憶し、
前記制御工程は、
前記決済先IDおよび前記共通施設IDが紐付いた前記共通データを含む決済情報を生成して前記施設へ送信した後、前記施設から前記決済情報を読み取った前記利用者端末からユーザIDおよび前記施設IDが紐付けられて送信される前記決済情報と、前記利用者情報とに基づいて前記特典の適用可否を判定する
情報処理方法。
【請求項10】
同一の特典が利用可能となる複数の施設毎に、前記特典を識別する特典IDと、前記施設に対して決済する際の決済先を識別する決済先IDと、前記施設それぞれを識別する施設IDとを紐付けた個別データと、前記特典IDに対して、前記決済先IDと、前記複数の施設で共通の共通施設IDとを紐付けた共通データとを含むデータベースを記憶部に記憶する手順と、
前記データベースにおける前記共通データに基づいて、前記複数の施設それぞれの前記施設IDに基づく利用者端末を用いた決済における前記特典の適用可否を判定する制御手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記記憶部は、
利用者が獲得した前記特典の前記特典IDと、前記利用者のユーザIDとを紐付けた利用者情報を記憶し、
前記制御手順は、
前記決済先IDおよび前記共通施設IDが紐付いた前記共通データを含む決済情報を生成して前記施設へ送信した後、前記施設から前記決済情報を読み取った前記利用者端末からユーザIDおよび前記施設IDが紐付けられて送信される前記決済情報と、前記利用者情報とに基づいて前記特典の適用可否を判定する
情報処理プログラム。