(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146434
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、コンピュータープログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01F 23/292 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
G01F23/292 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059328
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501220570
【氏名又は名称】アクセリア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523121794
【氏名又は名称】アドバリーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新関 智明
(72)【発明者】
【氏名】伴 泰洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛
(72)【発明者】
【氏名】戸田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】田中 望
(72)【発明者】
【氏名】長田 直之
(72)【発明者】
【氏名】小林 允
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA06
2F014AC07
2F014FA04
2F014GA01
(57)【要約】
【課題】所定の容器内に蓄積された所定の物体の状態を推定すること。
【解決手段】所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、を備える推定装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、
所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、
を備える推定装置。
【請求項2】
前記状態推定部は、前記物体の状態の推定として、前記物体が異常状態となっているか否かを推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記正解ラベルは、前記物体が正常状態であるか、前記物体の一部が固まってしまうことによる異常状態であるか、を示す請求項1又は2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記正解ラベルは、前記異常状態について複数の種別を示す、請求項3に記載の推定装置。
【請求項5】
前記状態推定部は、前記物体の状態の推定として、前記物体の残量を推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項6】
所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得ステップと、
所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定ステップと、
を有する推定方法。
【請求項7】
所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、
所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、を備える推定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【請求項8】
所定の物体を格納する容器において、内部に残る前記物体の残量を示す情報と、前記残量の時系列における変化を示すグラフと、を画面に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の物体の状態を推定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
畜産業では、畜産飼料のコストが生産コスト全体の約6割を占める。それにもかかわらず、畜産飼料の価格は不安定な相場変動の影響を受けやすい。そのため、畜産飼料の適正な管理は畜産業界にとって喫緊の課題である。畜産飼料の適正な管理を実現するためには、畜産飼料の残量を適正に把握する必要がある。
【0003】
畜産飼料は、一般的に飼料タンク内に備蓄される。飼料タンク内の畜産飼料の残量は、従来はタンク上部又はタンク側面のぞき窓から目視で管理されることが一般的である。また、タンク上部から長竿などの棒状の物体を飼料の山に差し込み深さを測ることによって残量を推測することも行われている。また、このようにタンク等の容器内の格納物の量を計ることについては様々な分野で要求があり、例えば給油のタンク残量を計測する技術なども提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このように人手に頼った確認方法は、労力を要することや危険を伴う可能性があるという課題がある。また、赤外線センサーを飼料タンク内にレベルセンサーとして取り付けることで、ある一定量まで飼料が減った場合に報知する技術も提案されている。しかしながら、畜産飼料がある一定量に減少するまでは、残量がわからない。もし複数の段階で報知しようとすると、そのレベル毎に赤外線センサーを取り付ける必要がありコストや労力を要してしまうという問題があった。また、飼料タンク内に蓄積されている飼料の一部が固まってしまうことに起因して種々の問題が生じることもあった。このような問題は、飼料タンクに限られた問題ではなく、所定の容器内に所定の物体を備蓄する様々なケースに共通する問題である。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、所定の容器内に蓄積された所定の物体の状態を推定することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、を備える推定装置である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の推定装置であって、前記状態推定部は、前記物体の状態の推定として、前記物体が異常状態となっているか否かを推定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の推定装置であって、前記正解ラベルは、前記物体が正常状態であるか、前記物体の一部が固まってしまうことによる異常状態であるか、を示す。
【0010】
本発明の一態様は、上記の推定装置であって、前記正解ラベルは、前記異常状態について複数の種別を示す。
【0011】
本発明の一態様は、上記の推定装置であって、前記状態推定部は、前記物体の状態の推定として、前記物体の残量を推定する。
【0012】
本発明の一態様は、所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得ステップと、所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定ステップと、を有する推定方法である。
【0013】
本発明の一態様は、所定の物体を格納する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、所定の物体を格納している容器の内側を情報から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、を備える推定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、所定の容器内に蓄積された所定の物体の状態を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の情報システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】格納物体の補給と取り出しとの具体例を示す図である。
【
図4】飼料タンク内10の正常状態の具体例を示す図である。
【
図5】異常状態の一態様である“ラットホール”の状態の具体例を示す図である。
【
図6】異常状態の一態様である“ブリッジ”の状態の具体例を示す図である。
【
図7】異常状態の一態様である“ブロッキング”の状態の具体例を示す図である。
【
図8】異常状態の一態様である“付着残留”の状態の具体例を示す図である。
【
図9】センサーユニット20の撮像装置によって撮影される画像(タンク内画像)の具体例を示す図である。
【
図10】推定装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。
【
図11】情報提供部533によって提供される情報に基づいて端末装置40に表示される画面の第一の具体例を示す図である。
【
図12】情報提供部533によって提供される情報に基づいて端末装置40に表示される画面の第二の具体例を示す図である。
【
図14】情報システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図15】学習装置60の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図16】学習装置60の処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図17】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の情報システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【0017】
情報システム100は、飼料タンク10、センサーユニット20、中継装置30、端末装置40、推定装置50及び学習装置60を備える。中継装置30と、センサーユニット20とは、通信を行うことによってデータを送受信する。中継装置30とセンサーユニット20との間で行われる通信は、無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。
図1の例では、無線通信を一例として示している。この無線通信は、例えば短距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))であってもよいし、無線LAN(Local Area Network)であってもよいし、LPWA(Low Power, Wide Area)であってもよい。中継装置30、端末装置40、推定装置50及び学習装置60は、ネットワーク70を介して通信する。ネットワーク70は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク70は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。中継装置30は、センサーユニット20から受信されたデータを推定装置50に送信する。推定装置50は、受信されたデータに基づいて飼料タンク10内の飼料の状態について推定し、推定結果に基づいて端末装置40にデータを送信する。
【0018】
図2は、飼料タンク10の具体例を示す図である。飼料タンク10は、容器の具体例である。
図2に示されるように、飼料タンク10は、タンク本体11、上蓋12、取り出し口13を備える。上蓋12の裏側には、センサーユニット20が取り付けられる。そのため、センサーユニット20は、飼料タンク10の内側上部に設けられることになる。飼料タンク10の内部には、所定の物体(以下「格納物体」という。)が格納される。本実施形態において飼料タンク10の内部に格納される格納物体は、畜産飼料14である。畜産飼料は、例えば粒状の物体である。畜産飼料は、例えば粒度の細かい飼料(例えばマッシュ)であってもよい。
【0019】
図3は、格納物体の補給と取り出しとの具体例を示す図である。上蓋12が持ち上げられることによって、タンク本体11の上部に設けられた開口部が開放される。格納物体は、開放された開口部から飼料タンク10の内部に矢印15で示されるように補給される。取り出し口13には、飼料タンク10の内部に格納された畜産飼料14の一部を下方に取り出すための機構が設けられている。人が取り出し口13を操作することによって、畜産飼料14を飼料タンク10から矢印16で示されるように取り出すことができる。
【0020】
飼料タンク10内の畜産飼料14は、内部の環境や保管期間に応じてその一部が固まってしまうことがある。このように畜産飼料14が固まってしまうと、飼料タンク10内の畜産飼料14の残量を正確に把握することが困難になってしまうおそれがある。また、畜産飼料14が飼料タンク10の内壁の一部に付着して固まってしまった場合には、単に取り出し口13を操作するのみでは、飼料タンク10内の畜産飼料14の一部を取り出すことが困難になってしまうおそれもある。そのため、容器内の物体の状態として、残量を知りたいというニーズと、畜産飼料14の一部が固まってしまうことによる異常状態が生じていないか知りたいというニーズと、がある。以下、飼料タンク10内の正常状態と異常状態との具体例について説明する。
【0021】
図4は、飼料タンク内10の正常状態の具体例を示す図である。正常状態である場合には、畜産飼料14の上面には、多少の高低差が生じているとしても、取り出し口13付近まで到達するような凹みは生じていない。また、正常状態の畜産飼料14の内側には、空洞が生じていない。なお、ここで言う“空洞”とは、畜産飼料14の粒と粒との間に生じてしまうような粒の大きさと同等かそれ以下の大きさの空間を指すのではなく、少なくとも粒の大きさよりも10倍程度以上(飼料タンク10によっては100倍でも1000倍でもそれ以上でもよい)の大きさの空間を指す。正常状態である場合には、飼料タンク10内に残存している畜産飼料14は、最も低い部位(
図4の例では取り出し口13の上面)から順に畜産飼料14が蓄積される。そのため、正常状態である場合には、最も低い部位には殆ど畜産飼料14が蓄積されていないにもかかわらず、それよりも高い部位(
図4の例では飼料タンク10内の斜面の部分等)に所定量以上の畜産飼料14が付着しているような状態にはならない。
【0022】
図5は、異常状態の一態様である“ラットホール”の状態の具体例を示す図である。
図5に示される異常状態では、水平面で見たときの略中心部分において、取り出し口13付近まで到達するような凹みが生じており、上面が陥没している。この場合、畜産飼料14は飼料タンク10内の壁面に付着し、付着した畜産飼料14の粒に他の畜産飼料14の粒が次々と付着して固まっている。この場合、飼料タンク10内に多くの畜産飼料14が残存しているにもかかわらず、取り出し口13を操作しただけでは畜産飼料14が落ちてこないため取り出すことが困難である。また、取り出し口13を操作しても畜産飼料14が落ちてこないため、飼料タンク10の関係者は畜産飼料14が枯渇してしまったと誤って判断してしまうおそれもある。
【0023】
図6は、異常状態の一態様である“ブリッジ”の状態の具体例を示す図である。
図6に示される異常状態では、畜産飼料14の下面が固まってしまっており、最も低い部位(
図6の例では取り出し口13の上面)には畜産飼料14が到達していない。この場合、飼料タンク10内に多くの畜産飼料14が残存しているにもかかわらず、取り出し口13を操作しただけでは畜産飼料14が落ちてこないため取り出すことが困難である。また、取り出し口13を操作しても畜産飼料14が落ちてこないため、飼料タンク10の関係者は畜産飼料14が枯渇してしまったと誤って判断してしまうおそれもある。
【0024】
図7は、異常状態の一態様である“ブロッキング”の状態の具体例を示す図である。
図7に示される異常状態では、畜産飼料14の内側に空洞が生じている。例えば、畜産飼料14の内側に蟻の巣状の空洞が生じている。この場合、畜産飼料14は飼料タンク10内の壁面に付着し、付着した畜産飼料14の粒に他の畜産飼料14の粒が次々と付着して固まっている。この場合、飼料タンク10内に多くの畜産飼料14が残存しているにもかかわらず、取り出し口13を操作しただけでは畜産飼料14が落ちてこないため取り出すことが困難である。また、取り出し口13を操作しても畜産飼料14が落ちてこないため、飼料タンク10の関係者は畜産飼料14が枯渇してしまったと誤って判断してしまうおそれもある。
【0025】
図8は、異常状態の一態様である“付着残留”の状態の具体例を示す図である。
図8に示される異常状態では、飼料タンク10内の畜産飼料14の大部分が取り出された状態であるが、一部が飼料タンク10内の壁面に付着して固まって残っている。この場合、飼料タンク10内に畜産飼料14が残存しているにもかかわらず、取り出し口13を操作しただけでは畜産飼料14が落ちてこないため取り出すことが困難である。また、このように壁面に付着した畜産飼料14をそのままにしていると、新たに投入した畜産飼料14がこれらの付着した畜産飼料14にさらに付着し、ラットホールに発展してしまうおそれがある。
【0026】
センサーユニット20は、飼料タンク10の内側上部に設けられる。センサーユニットは、制御装置及び撮像装置を備える。制御装置は、所定のタイミングで撮像装置を動作させて飼料タンク10内を撮像することでタンク内画像を取得し、取得したタンク内画像を中継装置30に送信する。タンク内画像は、飼料タンク10の画像である。撮像装置は、飼料タンク10の内側上部から下方を撮像する。
図9は、センサーユニット20の撮像装置によって撮影される画像(タンク内画像)の具体例を示す図である。タンク内画像には、飼料タンク10のタンク本体11の内壁と、畜産飼料14とが撮影されている。タンク内画像において、畜産飼料14の外縁は、十分な量が飼料タンク10内に蓄積されている場合であって且つ正常状態である場合には、
図9に示されるように略円形を形成する。
図9では、畜産飼料14の外縁が形成する円の直径の長さはd1である。撮像装置は、撮像してえら得たタンク内画像のデータを制御装置に出力する。
【0027】
中継装置30は、通信装置である。中継装置30は、センサーユニット20との間で通信を行う第一通信インターフェースと、ネットワーク70を介して他装置との間で通信を行う第二通信インターフェースを備える。中継装置30は、第一通信インターフェースによってセンサーユニット20からデータを受信する。中継装置30は、受信されたデータを、第二通信インターフェースによって推定装置50に送信する。
【0028】
端末装置40は、飼料タンク10に関連するユーザーによって使用される情報処理装置である。端末装置40は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター、テレビ受像器などの装置である。端末装置40は、推定装置50から、飼料タンク10内の格納物体に関する情報を受信する。端末装置40は、受信された情報を出力する。端末装置40は、例えば音声を出力することによって情報を出力してもよいし、画面を表示することによって情報を出力してもよい。画面の表示は、例えばブラウザによって行われてもよいし、特定のアプリケーションによって行われてもよい。ユーザーは、端末装置40の出力を知覚することによって、飼料タンク10内の格納物体の状態(残量、異常状態となっているか否かなど)を認識することができる。
【0029】
推定装置50は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。
図10は、推定装置50の機能構成を示す概略ブロック図である。推定装置50は、通信部51、記憶部52及び制御部53を備える。
【0030】
通信部51は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部51は、無線通信又は有線通信でネットワーク70に接続し、他の装置との間でデータ通信する。
【0031】
記憶部52は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部52は、制御部53によって記録されるデータを記憶する。記憶部52に記憶されているデータは、制御部53によって読み出される。記憶部52は、例えばタンク情報記憶部521及び学習済モデル記憶部522として機能する。
【0032】
タンク情報記憶部521は、飼料タンク10における畜産飼料14に関する情報を記憶する。例えば、タンク情報記憶部521は、センサーユニット20から送信されたタンク内画像のログを記録する。例えば、タンク情報記憶部521は、制御部53によって推定された結果(飼料タンク10内の状態)を示す情報のログを記憶する。
【0033】
学習済モデル記憶部522は、予め学習処理によって生成された学習済モデルの情報を記憶する。このような学習処理は、例えば他の装置(例えば学習装置60)によって実行されてもよいし、自装置(推定装置50)によって実行されてもよい。学習済モデル記憶部522が記憶する学習済モデルは、センサーユニット20の撮像装置によって撮影されるタンク内画像に基づいて飼料タンク10内の状態を推定するために使用される学習済モデルである。このような学習済モデルは、例えば予め生成されたタンク内画像と、そのタンク内画像における状態を示す正解ラベルと、の組み合わせを含む教師データを複数用いて教師有り学習を実行することによって得られてもよい。
【0034】
飼料タンク10内の畜産飼料14が異常状態になっている場合と正常状態である場合とでは、タンク内画像に違いが生じうる。例えば、ラットホールが生じている場合には、タンク内画像の中央部付近において深い凹部が写る。例えば、ブリッジが生じている場合には、飼料タンク10内の畜産飼料14の一部が固まっていることに応じてその上面にも凹凸として影響が生じうる。例えば、ブロッキングが生じている場合には、飼料タンク10内の畜産飼料14の一部が広範囲にわたって固まっていることに応じて、その上面にも凹凸として影響が生じうる。例えば、付着残留が生じている場合には、タンク内画像において殆どの畜産飼料14が無いにもかかわらず内壁ではなく畜産飼料14の色が広範囲にわたって写る。このように、タンク内画像と異常状態との間には相関がある。
【0035】
飼料タンク内の畜産飼料14の量によっても、タンク内画像に違いが生じうる。畜産飼料14が正常状態である場合には、飼料タンク10内に蓄積された畜産飼料14の高さが高いほど直径d1が長くなり、畜産飼料14の高さが低いほど直径d1が短くなる。このように、タンク内画像と畜産飼料14の量との間にも相関がある。
【0036】
教師データとして用いられるタンク内画像は、状態推定部532の推定対象となる飼料タンク10と同じ大きさや同じ型の飼料タンク10の内部の画像であることが望ましいが、他の大きさの飼料タンク10や他の型の飼料タンク10の内部の画像であってもよい。教師データとして用いられるタンク内画像における畜産飼料14は、状態推定部532の推定対象となる飼料タンク10に蓄積される畜産飼料14と同じ種別や同じ粒径の畜産飼料14であることが望ましいが、他の種別や他の粒径の畜産飼料14の画像であってもよい。学習済モデル記憶部522は、例えば飼料タンク10の種別毎に学習済モデルを記憶してもよいし、畜産飼料14の種別毎に学習済モデルを記憶してもよい。学習済モデル記憶部522は、例えば飼料タンク10の種別と畜産飼料14の種別との組み合わせ毎に学習済モデルを記憶してもよい。これらの場合、後述する状態推定部532は、推定対象となる飼料タンク10や畜産飼料14の種別に応じた学習済モデルを使用して推定処理を実行してもよい。
【0037】
制御部53は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部53は、CPUがプログラムを実行することによって、画像取得部531、状態推定部532及び情報提供部533として機能する。なお、制御部53の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0038】
画像取得部531は、センサーユニット20から送信されたデータを、通信部51を介して受信する。画像取得部531は、受信されたデータから、センサーユニット20の撮像装置によって撮影されたタンク内画像の画像データを取得する。画像取得部531は、取得されたタンク内画像の画像データをタンク情報記憶部521にログデータとして記録する。
【0039】
状態推定部532は、画像取得部531によって取得されたタンク内画像と学習済モデルとを用いて、飼料タンク10内の畜産飼料14の状態を推定する。畜産飼料14の状態の具体例として、畜産飼料14の残量と、畜産飼料14に異常状態が生じているか否か、とがある。状態推定部532が畜産飼料14の残量を推定する場合には、正解ラベルとして畜産飼料14の残量を含む教師データを用いた学習処理によって得られた学習済モデルが用いられる。状態推定部532が畜産飼料14に異常状態が生じているか否かを推定する場合には、正解ラベルとして異常状態が生じているか否かを示す教師データを用いた学習処理によって得られた学習済モデルが用いられる。この場合には、様々な異常状態が生じている教師データと、正常状態(異常状態が生じていない状態)の教師データとを用いて学習処理が実行されてもよい。状態推定部532は推定結果をタンク情報記憶部521に記録する。このとき、状態推定部532は、推定結果と、その推定結果を得る際に使用されたタンク内画像とを対応付けて記録してもよい。状態推定部532は、推定結果と、その推定結果が得られた際の日時を示す情報とを対応付けて記録してもよい。
【0040】
情報提供部533は、飼料タンク10の関係者が使用する端末装置40に対し情報を提供する。情報提供部533は、端末装置40に対し、その関係者が使用する飼料タンク10に取り付けられたセンサーユニット20によって得られた測定値に基づいて得られる情報を提供する。例えば、飼料タンク10と、情報の提供先となる端末装置40とが予め対応付けて記憶部52に記録されていてもよい。例えば、端末装置40から、飼料タンク10を示す識別子とともに要求データが送信され、要求データに含まれる識別子が示す飼料タンク10に関する情報がその端末装置40に応答情報として送信されてもよい。この場合、端末装置40から飼料タンク10に関する認証がなされることが望ましい。情報提供部533が提供する情報は、少なくとも飼料タンク10内の飼料の状態を含む。情報提供部533が提供する情報は、例えば残量の推定結果であってもよいし、異常状態となっているか否かの推定結果であってもよい。また、情報提供部533は、異常状態との推定結果が得られた場合には、プッシュ通信で端末装置40に対して異常の発生を通知してもよい。
【0041】
図11は、情報提供部533によって提供される情報に基づいて端末装置40に表示される画面の第一の具体例を示す図である。
図11の例では、表示画面には、タンク名901、タンク状体画像902、残量推定値903、温度測定値904、湿度測定値905、電池残量値906、直近更新日時907、直近開閉日時908及び飼料名909が表示される。
【0042】
タンク名901は、表示されている画面が示す飼料タンク10のタンク名を示す。タンク名901は、さらに飼料タンク10の大きさを示す情報を含んでもよい。
【0043】
タンク状体画像902は、飼料タンク10内の畜産飼料14の残量の概略を示す画像である。タンク状体画像902は、推定装置50の状態推定部532によって推定された状態に応じて変化する。タンク状体画像902は、異常状態が生じていると推定された場合には、その異常状態の種別に応じたパターンの画像が表示されてもよい。例えば、異常状態としてラットホール、ブリッジ、ブロッキング、付着残留の4つのパターンがある場合には、正常状態を加えて少なくとも5つのパターンそれぞれに応じた画像が予め準備されてもよい。
【0044】
準備された画像は、端末装置40において予め記憶されていてもよいし、推定装置50の記憶部52に記憶されていてもよい。推定装置50が画像を記憶している場合には、情報提供部533は端末装置40に対して状態のパターンに応じた画像を読み出して端末装置40に送信する。タンク状体画像902は、蓄積形状の推定結果に加えてさらに残量の推定結果に応じて変化してもよい。例えば、残量の推定結果が0%~35%である場合と、残量の推定結果が36%~70%である場合と、残量の推定結果が71%~100%である場合とで、それぞれの状態(正常状態や異常状態の種別)に応じた画像が予め準備されてもよい。この具体例の場合には、15パターンの画像が準備されてもよい。
【0045】
残量推定値903は、状態推定部532の推定結果である残量の値を示す。残量推定値903は、他の文字列に比べてより大きな文字列で表示されてもよい。温度測定値904は、飼料タンク10内の温度の測定値を示す。このような表示がなされる場合、温度センサーがセンサーユニット20に設けられる。湿度測定値905は、飼料タンク10内の湿度の測定値を示す。このような表示がなされる場合、湿度センサーがセンサーユニット20に設けられる。電池残量値906は、センサーユニット20に設けられた電池の残量を示す。このような表示がなされる場合、電池の残量を測定するセンサーがセンサーユニット20に設けられる。
【0046】
直近更新日時907は、表示されている各情報が取得された日時を示す。
直近開閉日時908は、開閉推定部535によって最も近いタイミングで上蓋12が開閉されたと推定された日時を示す。ユーザーは、直近開閉日時908の値を見ることによって、いつ上蓋12が開閉されたかを知ることができる。もし、ユーザーにとって想定外の日時が表示されている場合には、ユーザーが把握していない第三者によって上蓋12が開閉された可能性がある。直近開閉日時908が表示されることによって、ユーザーは、そのような異常事態の発生を容易に知ることが可能となる。
飼料名909は、飼料タンク10内に蓄積されている飼料の種別名を示す。
【0047】
図12は、情報提供部533によって提供される情報に基づいて端末装置40に表示される画面の第二の具体例を示す図である。
図12の例では、残量推定値911及び残量推移グラフ912が表示される。残量推定値911は、残量推定値903と同様の情報を含む。残量推移グラフ912は、飼料タンク10内の畜産飼料14の残量の推移を時系列に表すグラフである。例えば、縦軸は残量(例えば満タンを100%としたときのパーセンテージ)を示し、横軸は時間を示す。
【0048】
図13は、端末装置40の表示例を示す図である。複数の飼料タンク10を管理するユーザーの端末装置40には、
図13に示されるように1つの画面で複数の飼料タンク10の情報が表示されてもよい。
図13の例では、
図11に示される画像が1つの画面で2つ横に並べて表示されている。
図11に示される画像は1つの画面で3つ以上並べて表示されてもよいし、縦に並べて表示されてもよいし、縦及び横に並べて表示されてもよい。
【0049】
図14は、情報システム100の処理の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。センサーユニット20の制御装置は、所定のタイミングでタンク内を撮像してタンク内画像を取得する。センサーユニット20の制御装置は、取得されたタンク内画像を含むデータを中継装置30に送信する(ステップS101)。中継装置30は、センサーユニット20からデータを受信すると、受信されたデータを推定装置50に中継する(ステップS102)。
【0050】
推定装置50の画像取得部531は、タンク内画像を含むデータを受信すると、受信されたデータに含まれるタンク内画像をログデータとして記憶部52に記録する(ステップS103)。状態推定部532は、受信されたデータに含まれるタンク内画像に基づいて状態を推定する(ステップS104)。情報提供部533は、推定結果を含む提供情報のデータを生成する。情報提供部533は、得られた推定結果の飼料タンク10に対応付けられている端末装置40に対し、提供情報のデータを送信する(ステップS105)。端末装置40は、提供情報のデータを受信すると、受信されたデータに基づいて画面のデータ(表示情報)を生成する(ステップS106)。そして、端末装置40は、生成された表示情報に基づいて画面を表示する(ステップS107)。なお、表示情報は端末装置40のプロセッサーによって生成されてもよいし、推定装置50の制御部53(例えば情報提供部533)によって生成されてもよい。端末装置40は、自装置に設けられている画像表示装置や、自装置に接続されている画像表示装置に、表示情報に応じた画面(例えば
図11~
図13に示される画面)を表示する。
【0051】
図15は、学習装置60の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。学習装置60は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。学習装置60は、通信部61、記憶部62及び制御部63を備える。
【0052】
通信部61は、通信機器である。通信部61は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部61は、制御部63の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部61は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0053】
記憶部62は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部62は、制御部63によって使用されるデータを記憶する。記憶部62は、例えば学習データ記憶部621及び学習済モデル記憶部622として機能してもよい。
【0054】
学習データ記憶部621は、学習装置60において実行される学習処理に用いられる学習データを記憶する。学習データ記憶部621が記憶する学習データは、タンク内画像と正解ラベルとを含む。学習データ記憶部621は、例えば学習済モデル記憶部522が記憶する学習済モデルの生成に使用される教師データを学習データとして記憶してもよい。
【0055】
学習済モデル記憶部622は、学習データ記憶部621に記憶されている学習データを用いた学習処理によって得られる学習済モデルを記憶する。
【0056】
制御部63は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部63は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報制御部631及び学習制御部632として機能する。なお、制御部63の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0057】
情報制御部631は、情報の入出力を制御する。例えば、情報制御部631は、他の機器(情報処理装置や記憶媒体)から学習データを取得し、学習データ記憶部621に記録する。例えば、情報制御部631は、学習済モデル記憶部622に記憶されている学習済モデルを、他の装置(例えば推定装置50)に対して送信する。
【0058】
学習制御部632は、学習データ記憶部621に記憶されている学習データを用いて学習処理を実行する。このような学習処理の具体例として、例えば、サポートベクトルマシンやニューラルネットワーク等の分類のための教師あり学習が用いられてもよい。学習制御部は、例えば教師あり学習を行うことによって、入力されるタンク内画像に基づいて畜産飼料14の状態を推定するための学習済モデルを生成する。学習制御部632は、生成された学習済モデルを学習済モデル記憶部622に記録する。学習制御部632によって得られた学習済モデルは、推定装置50に対して送信され、推定装置50の学習済モデル記憶部522に記録されてもよい。このような学習済モデルは、入力としてタンク内画像を与えることによって、出力として飼料タンク10内の畜産飼料14の状態を示す値を得ることが可能である。
【0059】
図16は、学習装置60の処理の具体例を示すフローチャートである。まず、情報制御部631は学習データを取得する(ステップS101)。学習データは、例えばユーザーによって入力されてもよいし、他の情報機器から通信によって取得されてもよいし、学習装置60に接続された記録媒体から取得されてもよい。学習制御部632は、学習データを用いて学習処理を実行し、学習済モデルを学習済モデル記憶部622に記録する(ステップS102)。
【0060】
このように構成された情報システム100では、所定の容器(例えば飼料タンク10)内に蓄積された所定の物体(例えば畜産飼料14)の状態を推定することが可能となる。具体的には以下の通りである。
【0061】
情報システム100では、所定の容器内に画像センサーが設けられる。画像センサーによって、容器の内側上部から格納物体の上面を含むタンク内の画像が撮像される。このタンク内画像に基づいて、所定の容器内に格納されている格納物体の状態(量や異常など)が推定される。レベルセンサーのように、格納物体の量がある閾値に達しているか否かということが検知されるのではなく、画像に基づいて推定される。そのため、より少ない数のセンサーで、より高い精度で状態を推定することが可能となる。
【0062】
具体的には、飼料タンク10内の畜産飼料14の量が推定される。そのため、ユーザーは格納物体の蓄積量について情報を容易に取得することが可能となる。具体的には、飼料タンク10内の畜産飼料14が異常状態となっているか否かが推定されてもよい。そのため、ユーザーは格納物体の蓄積量について情報を容易に取得することが可能となる。
【0063】
このように残量や異常の有無に関する情報をよりリアルタイムに近いタイミングで容易に取得することができるため、畜産生産者や飼料管理者は畜産飼料をより効率的に管理することが可能となる。例えば、補給をしなければならないタイミングをより適切に判断することが可能となる。さらに、畜産生産者や飼料管理者は、品質のよい畜産飼料をオンデマンドで調達することが可能となるため、畜産物の品質を向上させることも可能となる。
【0064】
また、飼料供給会社にとっては、より効率的に畜産飼料を生産することが可能となり、品質を高く維持しつつ、価格を低くすることが可能となる。さらに、飼料供給会社にとっては、酪農地域の特性である広大な営業エリアの供給管理をより容易に行うことが可能となる。
【0065】
図17は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば推定装置50及び学習装置60に適用されてもよい。この場合、例えば通信部51及び通信部61は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部52及び記憶部62は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部53及び制御部63は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0066】
(変形例)
図1の例では、容器の具体例として飼料タンクが適用され、容器に格納される物体(格納物体)の具体例として畜産飼料が適用された。しかしながら、容器及び格納物体は、それぞれ飼料タンク及び畜産飼料に限定される必要は無い。例えば、格納物体の具体例として、砂、石、粒状のポリマー、動物の体毛がある。個々の格納物体の大きさが容器の大きさに比べて十分に小さく、格納物体の堆積時の形状(特に上面の形状)が変化するようなものであってもよい。また、格納物体の具体例として上述したような固体が適用されてもよいし、水や石油などのような液体が適用されてもよい。
【0067】
状態推定部532は、タンク内画像において畜産飼料14と飼料タンク10の内壁との境界線を推定してもよい。このような推定処理は、例えば色の違いに基づいて境界線を推定する処理として実装されてもよいし、学習済モデルを用いて境界線を推定する処理として実装されてもよい。この場合、状態推定部532は、境界線の内側の領域の大きさに基づいて畜産飼料14の量を推定してもよい。例えば、境界線を円に近似することでその直径d1を算出し、直径d1に応じて畜産飼料14の量が推定されてもよい。
【0068】
センサーユニット20の設置位置は、飼料タンク10のタンク本体11の内側であって畜産飼料14の上面を撮影可能な位置であればあればどこでもよい。そのため、センサーユニット20の設置位置は、上述したような上蓋12の裏側でなくてもよい。
【0069】
情報提供部533は、センサーユニット20によって撮影された画像(例えば
図9に示す画像)を端末40に対して送信してもよい。この場合、端末40は、センサーユニット20によって撮影された画像を表示してもよい。例えば、
図11~
図13に示すような表示において、上記画像がさらに表示されてもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0070】
100…情報システム, 10…飼料タンク, 11…タンク本体, 12…上蓋, 13…取り出し口, 14…畜産飼料, 20…センサーユニット, 30…中継装置, 40…端末装置, 50…推定装置, 51…通信部, 52…記憶部, 53…制御部, 531…画像取得部, 532…状態推定部, 533…情報提供部, 60…学習装置, 61…通信部, 62…記憶部, 621…学習データ記憶部, 622…学習済モデル記憶部, 63…制御部, 631…情報制御部, 632…学習制御部, 901…タンク名, 902…タンク状体画像, 903…残量推定値, 904…温度測定値, 905…湿度測定値, 906…電池残量値, 907…直近更新日時, 908…直近開閉日時, 909…飼料名
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から補給される所定の粒状の物体を格納し下方に取り出し口を有する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、
所定の物体を格納している容器の内側を上方から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、
を備え、
前記正解ラベルは、前記物体が正常状態であるか、前記物体の一部が固まってしまうことによる異常状態であるか、を示し、
前記正解ラベルは、前記異常状態について複数の種別を示す、推定装置。
【請求項2】
前記状態推定部は、前記物体の状態の推定として、前記物体が異常状態となっているか否かを推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記状態推定部は、前記物体の状態の推定として、前記物体の残量を推定する、請求項1に記載の推定装置。
【請求項4】
上方から補給される所定の粒状の物体を格納し下方に取り出し口を有する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得ステップと、
所定の物体を格納している容器の内側を上方から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得ステップにおいて取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定ステップと、
を有し、
前記正解ラベルは、前記物体が正常状態であるか、前記物体の一部が固まってしまうことによる異常状態であるか、を示し、
前記正解ラベルは、前記異常状態について複数の種別を示す、推定方法。
【請求項5】
上方から補給される所定の粒状の物体を格納し下方に取り出し口を有する容器の内側に設けられた撮像装置によって撮像される画像を取得する取得部と、
所定の物体を格納している容器の内側を上方から撮影した画像と、前記画像に写っている前記物体の状態を示す正解ラベルと、を含む学習データを用いて予め学習処理を行うことによって得られた学習済モデルを用いて、前記取得部によって取得された画像に写っている前記物体の状態を推定する状態推定部と、を備え、
前記正解ラベルは、前記物体が正常状態であるか、前記物体の一部が固まってしまうことによる異常状態であるか、を示し、
前記正解ラベルは、前記異常状態について複数の種別を示す推定装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。