(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014644
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】緩衝消音材
(51)【国際特許分類】
E04B 1/82 20060101AFI20240125BHJP
E06B 3/62 20060101ALI20240125BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20240125BHJP
E06B 3/12 20060101ALN20240125BHJP
【FI】
E04B1/82 W
E06B3/62 B
E04B2/74 511L
E06B3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022126681
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】510049713
【氏名又は名称】サクラインターナショナル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】妙代 金幸
【テーマコード(参考)】
2E001
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001DF17
2E001FA06
2E001FA07
2E001GA60
2E001GA72
2E001HE01
2E001LA09
2E014AA01
2E014BA02
2E014BB03
2E014BC02
2E016AA01
2E016BA02
2E016CA01
2E016CB01
2E016CB02
2E016CB03
2E016CB04
2E016CC01
2E016DA06
2E016DB04
2E016DC02
2E016DD05
(57)【要約】
【課題】展示会場、イベント会場においてブース造作用に設計、開発された多面スリット構造持つアルミ・フレーム部材を使用し設営されたブースについては、人員の移動や接触等によって支柱素材のスリット部と壁面素材との間に生じる隙間からの不快音が発生しブース運営の妨げになる場合があるが、現在においてもこれら不快音の解消については何らの対策もなされていない。
【解決手段】ブース設計用に開発された多面スリット構造持つアルミ・フレーム部材の各スリット部に挿入して用いる構成部中央に振動防止のスリットを設けた難燃性ゴムや人工ゴム系素材からなる緩衝消音材を提供することにより上記課題を達成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全幅12~14ミリ、全高5ミリの難燃性ゴムや人工ゴム系素材からなる軟性帯状物であって、構成部中央に振動防止のスリットを設けた事を特徴とする緩衝消音材。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に展示会やイベントにおけるブース構築にあたり使用されるブース設計用に開発された多面スリット構造持つアルミ・フレーム部材に組み込んで用いられる緩衝消音材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、展示会やイベントの開催が増加すると共に、出展される造作物は多様化、複雑化しつつも、出展コスト等の兼合いから過美な装飾を控え、比較的安価且つ工夫を凝らした造作が可能なブース設計用に開発されたアルミ・フレーム部材を使用する機会も増えつつある傾向にある。
【0003】
ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材使用する事により安価且つ工夫を凝らした造作が可能でガラス板や簡易ドアなどの設置が容易になる反面、汎用性と利便性を重視した部材であるが故に、多面スリットの構造に多少の余幅を設けてある事から、例えば簡易ドアの開閉や隣接ブースとの壁面にあたる部位においては、人員の移動や接触等によって、支柱素材のスリット部と壁面素材との間に生じる隙間からの不快音が発生する。
【0004】
従来、展示会場やイベント会場については多数の人員が往来する環境であり、これらの不快音は会場の雑踏音にかき消される形になっていたため意識される事が少なかったが、展示会やイベントのカテゴリも増加する中で、これらの不快音がブース運営の妨げになる場合があり、また壁面素材としてガラス板などを用いた場合、不快音の発生に併せ壁面素材が破損する可能性がある事から、出来る限りこれが発生しないようにすることが好ましい。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述のとおり展示会場やイベント会場については多数の人員が往来する環境であり、このような不快音に着目される事例が従前少なかったことから、現在においてもこれら不快音の解消については何らの対策もなされておらず、またこの不快音のため隣接ブースの出展社相互に於いて騒音問題となる事例が発生していた。
【0006】
本発明は、ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材の経済性、汎用性、利便性を損なう事無く、多様なアルミ・フレーム部材において容易に適用可能な緩衝消音材を提供する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成する為に多様な形状を持つブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材に施されたスリット構造の内側空間部分に、難燃軟性素材で成形した緩衝消音材を追加挿入する事により、使用するアルミ・フレーム部材自体に加工を施すことなく、上記課題を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材を使用したブースを設営した場合に於いて、多面スリットの構造を持つアルミ・フレーム部材と嵌合されるガラス板若しくはポリカーボネート単板及び中空素材或いは木製板などの壁面素材や簡易ドアといった嵌合素材の嵌合部から発生していた不快音の発生が抑止され、隣接ブース出展社相互の騒音問題の解決が図れると共に、壁面素材等の破損防止の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム・アップライト部材のサンプル断面図である。
【
図2】ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム・アップライト部材のサンプル断面図である。
【
図3】ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材のスリット部に組み込む緩衝消音材の断面図である。
【
図4】ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材の一部を拡大表示し、板状素材を組み込む際の組み込み方を示した図である。
【
図5】ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材の一部を拡大表示し、緩衝消音材を組み込む際の組み込み方を示した図である。
【
図6】緩衝消音材を組み込んだ後のブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材の一部を拡大表示し、板状素材を組み込んだ際の緩衝消音材の形状を示した図である。
【
図7】緩衝消音材を組み込んだ後の板状素材等の固定状態を示した図である。
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係わる緩衝消音材の使用実施例を図に基づいて詳細に説明する。
【0012】
展示会場やイベント会場等におけるブース設営作業においては、
図1乃至
図2のような形状を持つブース造作用に設計、開発された柱状のアルミ・フレーム部材に、様々な用途に合わせて作られた各種の構築素材を専用工具を用いて適宜組み付ける事により、短時間で堅牢なブースを設営する事が可能である。
【0013】
ブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材は、
図1乃至
図2のように単面若しくは多面的に分岐しており、各面にスリットを設ける事によって、ブースの形状に応じてそのスリット部に木や金属、ガラス、熱可塑性プラスチック(ポリカーボネート)、金属複合板などの板状素材4を組み込み、それを上下左右から前述のアルミ・フレーム部材で挟み込むことにより、簡易壁面を構成する事ができる。
【0014】
これらブース造作用に設計、開発されたアルミ・フレーム部材には、構造上それぞれ
図1の1a、
図2の2aのような空間部分が存在する。
【0015】
アルミ・フレーム部材のスリット構造から生じるこれら
図1の1a、
図2の2aの空間がある事によって、
図4のようにスリット部から1a若しくは2aを貫き1b若しくは2bに接触する形で組み込まれた板状素材4の不慮の脱落や分解といった障害の発生防止の効果を発揮しているが、同時にスリット構造部と板状素材4との間に1d乃至1e若しくは2d乃至2eに示す微空間を生じさせ、これが干渉する事により不快音発生の原因になる。
【0016】
図3に示す3a乃至3gで構成された3は、変形可能な難燃性ゴムや人工ゴム系素材により成形されているため、
図5に示すとおり
図1の1a、
図2の2aで示す空間部分に容易に組み込む事が可能である。
【0017】
図6に示すとおり
図3を組み込んだ
図1、
図2に示すアルミ・フレーム部材のスリット部に対し、
図3の3gに接触する形で板状素材4を組み付ける事によって、
図3は組み付けの際に発生する圧力により
図1の1a、
図2の2aのそれぞれの空間内でアルミ・フレーム部材の構造壁面に密着する形で変形する。
【0018】
図3が
図1の1a、
図2の2aのそれぞれの空間内でアルミ・フレーム部材の構造壁面に密着する形で変形する事と同時に、
図3の3a乃至3dに示す部分も同時に変形し、
図7に示すようにスリット部を通過し
図3の3gに接触する形で3a乃至3dの間に組付けられた板状素材4を3a乃至3dの各点によって両面から挟み込む形となる。
【0019】
板状素材4は柔軟性を持つ
図3の3a乃至3dの各点により両面から挟み込まれる事によって、スリット構造部と板状素材4との間に発生していた1d乃至1e若しくは2d乃至2eに示す微空間における干渉を抑制する事が可能となり、結果として不快音発生を防止する事ができる。
【0020】
また、
図3が
図1の1a、
図2の2aのそれぞれの空間内でアルミ・フレーム部材の構造壁面に密着する形で変形する事により、隣接ブース間の遮音性を高める事ができる。