(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014645
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】傘の反返り破損防止用ツール
(51)【国際特許分類】
A45B 25/22 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A45B25/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022126682
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】522236545
【氏名又は名称】中井 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】中井 雅裕
(57)【要約】
【課題】 強風の中で傘をさした時に傘が風にあおられて小間・親骨が逆に反返り破損することを防止できる傘の反返り破損防止用ツールを提供する。
【解決手段】本発明は傘の中棒へ装着する為の接続部(3)を設けた中棒装着リング(1)と中棒装着リング(1)へ接続する為のリング装着部(4)および露先へ装着する為の露先装着部(5)を設けた弾力性のある紐状バンド(2)を備えたことを特徴とする傘の反返り破損防止用ツール。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強風の中で傘をさした時に傘が風にあおられて小間・親骨が逆に反返り破損することを防止できる中棒装着リング(1)と弾力性のある紐状バンド(2)を備えた傘の反返り破損防止用ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は傘を強風の中で使用することで小間・親骨が反返り、破損することを防止するためのリングにゴムなど弾力性のある紐を装着した道具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、傘の表面を網体で覆い、反返りを防止するための後付け破損防止具があった(特許文献1参照)。
【0003】
また、傘の握柄部または中棒にアームプレートを固定し、このアームプレートと露先とに紐材の両端部を引掛けて反返りを防止するための後付け破損防止具があった(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5203530号公報
【特許文献2】実用新案登録第3107166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記網体の破損防止具は傘の表面を覆う構造であるため、閉じたときに外れやすい。また、外した状態で携行をする場合は濡れた状態である為、別に袋などの入れ物が必要となる。一方で、外さずに網体とともに閉じたときは、付属のネームバンドでは長さが足りず、留めることが困難になる。更に、開いた状態における傘と網体の固定は、網体の縦糸から延設された紐体の端を利用者自身が手元(ハンドル)近くで握り固定をするため、強風の際には指力が必要となり、子供や高齢者には適さない。
【0006】
また、上記アームプレートを使用した破損防止具は強風時でもアームプレートがぶれないようにジャストサイズで手元(ハンドル)または中棒へ固定しなければならない為、異なる固定場所や種類の異なる傘に装着する場合は、それぞれの太さに適合した複数サイズのアームプレートを用意しなければならない(汎用性がない)。更にアームプレートを中棒へ固定した場合は、傘を閉じる際に固定されたアームプレートが障害となり、下ろくろを下はじきまで下げることができない。また、下はじきまで下げられたとしても、アームプレートを中に入れて閉じたときは、付属のネームバンドでは長さが足りず、留めることが困難になる。更に部品点数が多く複雑な構成であることから重量がかさみ、子供や高齢者に適さないとともにコストも高くなる。
【0007】
なお、上記二つの破損防止具はどちらも大きな課題として、露先と手元(ハンドル)近くを紐を介して固定する構造であるため、傘をさしている時には紐が顔周辺の位置に存在することから、顔に当たり大変邪魔になるとともに視界も妨げる。また、アームプレートを使用した破損防止具は紐の中央にバネを設ける構造である為、髪の毛を挟み怪我をするリスクもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決する為、以下の手段を採用する。
本発明に掛かる傘の反返り破損防止用ツールはプラスチックのような軽量で耐久性がある素材を用いた中棒装着リング(1)とゴムのような弾力性のある紐状バンド(2)の2つの要素から構成される。
【0009】
前記の通り本発明品は中棒装着リング(1)及び紐状バンド(2)のみのシンプルな構成である為、傘内部の中棒の上はじきより上部(石突き側)の狭い箇所への設置も可能となる。
【0010】
なお、紐状バンド(2)は片側が中棒装着リング(1)へ最初から装着されている構造であるため、もう片側(反対側)の小さいリング状の露先装着部(5)を傘内部から露先へ接続するだけで装着が完了となる。
【0011】
また、中棒装着リング(1)の内径を中棒の太さより大きいサイズとし、余裕を持たせることでさまざまなサイズの傘への設置が可能である(汎用性がある)。なお、余裕を持たせた状態においても紐状バンドは中棒装着リング(1)と露先の間で引張状態である為、傘の反返り破損防止の機能には全く影響を及ぼさない。
【発明の効果】
【0012】
本発明品を傘に装着することにより、強風の中で傘をさした時に傘が風にあおられて小間・親骨が逆に反返り破損することを防止できる。このため、傘の投棄抑制にもつながりSDGsへの貢献ができるツールである。
【0013】
また、本発明品は傘内部に装着できる小さくシンプルな構成であることから、本発明品を装着したままで傘を閉じることができ、更に付属のネームプレートで留めることもできる。なお、本発明品を濡れた状態で外して携行する必要が無いため、別に袋などの入れ物を用意する必要もない。
【0014】
更に、中棒装着リング(1)は傘内部の中棒の上はじきより上部(石突き側)へ設置される為、中棒装着リング(1)自体が手元(ハンドル)まで下がってくることがなく、傘を使用時に利用者が本発明品を抑える必要がない(傘の通常通りの使用が可能)。
【0015】
また、紐状バンド(2)も傘をさしている時に頭部より上の位置にある為、顔に触れることが無く、視界を妨げることもない。
【0016】
なお、本発明品は従来の発明品と比較をして部品点数が少なく軽量であることから、子供や高齢者にも適しているとともに、コストも安価である。
【0017】
最後に、紐状バンド(2)は中棒装着リング(1)から容易に着脱可能な為、好みの色や長さ、太さに変えることができ、オリジナルの組み合わせを作ることができる。このため、傘の取り違い防止にもつなげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の形態について
図1を参照して説明する。
(イ)中棒装着リング(1)へ弾力性のある紐状バンド(2)を設ける。
(ロ)中棒装着リング(1)へは中棒をくぐらせることができるように接続部(3)を設ける。
(ハ)紐状バンド(2)は末端に中棒装着リング(1)へ装着する為のリング装着部(4)を設ける。また、もう一方の末端には露先へ装着する為の露先装着部(5)を設ける。
本発明は以上のような構成である。
【0020】
次に、本発明品を傘に装着して利用する際の方法について
図1および
図2を参照して説明する。
まず、中棒装着リング(1)の接続部(3)を開き、傘の中棒の上はじきより上部(石突き側)へくぐらせた後、接続部(3)を閉じ装着をする。
次に、露先装着部(5)を露先に引掛けて傘へ装着をすることで利用可能となる。
【0021】
なお、本発明品を好みの色や長さ、太さの組み合わせでアレンジする場合は中棒装着リング(1)の接続部(3)を開き、好みの紐状バンド(2)のリング装着部(4)を中棒装着リング(1)へくぐらせて装着(交換)をすることでオリジナルセットを作ることができる。
【0022】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものでなく、本説明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、中棒装着リング(1)はプラスチックに限定されることなく、軽量であれば金属でも構わない。また、リング装着部(4)および露先装着部(5)においてもゴムのような弾力性のある素材に限定されることなく、プラスチックや金属でも構わない。
【符号の説明】
【0023】
(1)中棒装着リング
(2)紐状バンド
(3)接続部
(4)リング装着部
(5)露先装着部