(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014647
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】パワーデバイスの接合方法
(51)【国際特許分類】
B23K 31/02 20060101AFI20240125BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20240125BHJP
H01R 4/02 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B23K31/02 310Z
B23K1/00 330D
H01R4/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022127454
(22)【出願日】2022-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-04
(71)【出願人】
【識別番号】521257640
【氏名又は名称】尊田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】尊田 浩二
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB08
5E085BB28
5E085DD01
5E085HH01
5E085JJ03
5E085JJ25
(57)【要約】
【課題】 パワーデバイスの接合に使用されるはんだについて、電力は電流の2乗と抵抗値の積であることから、はんだの抵抗値を低減させて消費電力の低減を行いたいという課題がある。
【解決手段】 電流は抵抗値が低い個所を通ろうとする自然の原理を利用し、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可し、はんだ付け部の電気抵抗を低減させる方法を提供する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可することを特徴とする方法を提供する。
【請求項2】
液体状態のはんだ(27)に交流の電流を印可し、電流は抵抗値が低い個所を通ろうとする自然の原理から、液体状態のはんだ(27)が冷却され、液体状態のはんだ(27)の中に析出するはんだの微細結晶(28)の結晶構造が、電流が流れる方向に対して、電流が流れやすい結晶構造、すなわち電気の抵抗としてのはんだの抵抗値が低くくなるような結晶構造で析出することを特徴とする請求項1に準ずる方法を提供する。
【請求項3】
液体状態のはんだ(27)に交流の電流を印可し、液体状態のはんだ(27)が冷却され、はんだがすべて固体のはんだ(29)になったときには、はんだの抵抗値が低減することを特徴とする請求項1および、請求項2に準ずる方法を提供する。
【請求項4】
自由電子が移動するときに、電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理を利用し、液体状態のはんだ(27)が冷却され、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ変化し、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可し、はんだの抵抗値を低減させるすることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3に準ずる方法を提供する。
【請求項5】
交流電源(30)に接続された、等価回路でコンデンサになる個所のコンデンサの電極(31、32)の間の、直流的に絶縁された領域に、はんだ(33)を設置し、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流電源(30)から交流の電圧を、交流電源(30)に接続されたコンデンサの電極(31、32)へ印可することを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項6】
交流電源(30)から電極(32、33)へ印可する交流の電圧の周波数については、印可される交流電圧によりコンデンサに発生する変位電流と、はんだ(33)が持っている抵抗によるジュール熱により、はんだが(33)再溶融しなければよいので周波数に関する制約はないことを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項7】
電力は電流の2乗と抵抗値の積で、電力と時間の積が熱エネルギーであるため、はんだ付け部に交流の電流を印可し、はんだの抵抗値を低減することにより、消費電力を低減できることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項8】
電力は電流の2乗と抵抗値の積で、ジュール熱は電力と時間の積がであるため、はんだ付け部に交流の電流を印可し、はんだの抵抗値を低減することにより、発熱の抑制が期待され、放熱用部材のコンパクト化に寄与できることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項9】
電子部品のはんだと接合するための金属層とはんだの接合について、はんだに交流の電流を印可すると、電子が通りやすいような金属層とはんだの合金層(63)の構造になることにより、電子部品のはんだと接合するための金属層とはんだの合金層の抵抗値が低減することを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項10】
本発明は、交流の電圧を等価回路でコンデンサになる個所に印可する方法であり、放射される電磁波は、磁界強度(23)より電界強度(24)のほうが大きいため、低周波の交流の電圧を印可する場合、外部の機器の誤動作の原因となる電磁波ノイズを抑制および遮蔽する素材は磁性体でなくてもよいため、素材の選択が容易になることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項11】
本発明は、交流の電圧を等価回路でコンデンサになる個所に印可する方法であり、放射される電磁波は、磁界強度(23)より電界強度(24)のほうが大きいため、外部の機器の誤動作の原因となる電磁波ノイズを抑制および遮蔽する素材に磁性体を用いる場合、磁性体の厚みは薄くてもよいことを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項12】
導電性の材料で合金等の板状の配線(67)を用いる場合、パワーデバイス(66)のIGBTのエミッタ側もしくは、パワーMOSFETのドレイン側もしくは、パワーダイオードのアノード側を接合するはんだ(68)が、液体状態のはんだ(27)から固体のはんだ(29)になるときに、交流の電界(34、35)を印可することにより、はんだの結晶構造が電流が流れる方向に対して、電流が流れやすい結晶方位へ、すなわち抵抗値が低くくなるような結晶方位になり、導電性の材料の合金等で板状の部材の配線(67)と、パワーデバイス(66)のIGBTのエミッタ側もしくは、パワーMOSFETのドレイン側もしくは、パワーダイオードのアノード側の間のはんだ(68)の電気抵抗が低減することを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項13】
パワーデバイス(78)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77、78)と、パワーデバイス(78)のIGBTもしくは、パワーMOSFETを接合するはんだ(79、80)について、液体状態のはんだ(27)から固体のはんだ(29)になるときに、交流の電界(34、35)を印可すると、パワーデバイス(78)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77、78)と、パワーデバイス(78)のIGBTもしくは、パワーMOSFETの間のはんだ(79、80)の電気抵抗が低減することを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項14】
電子部品の接合に、金属の微細粒子(95)を含んだ有機溶剤(96)を用いて、金属の微細粒子(95)を含んだ有機溶剤(96)に交流の電界(97、98)を印可すると、電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理から、交流の電界(97、98)の印可に合わせて、有機溶剤(96)に含まれている、個別の金属の微細粒子(95)の中の、それぞれの電子(99)の移動(100)は、電子(99)の移動(100)に対して最も抵抗が低くなるように、有機溶剤(96)の中で、個別の金属の微細粒子(95)はセルフアライメント(104、105)により回転あるいは、移動することを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項15】
電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理から、電子部品の接合に低温焼結接合を用いて、低温焼結接合の工程で交流の電界(97、98)を印可すると、低温焼結接合工程の完了時に、微細粒子(95)が融合した状態の金属(103)は、電子が移動しやすくなり、微細粒子(95)が融合した状態の金属(103)の抵抗は低くなることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項16】
本発明は、パワーデバイスのみではなく、マイクロプロセッサやASICやプログラマブルロジックデバイスなどの集積回路やメモリやチップコンデンサやチップ抵抗などの電子部品を、プリント基板やセラミック基板などの実装基板やプリント基板のスルーホールへ、ボールはんだやナノ粒子導電性ペーストやはんだペーストなどを用いて接合する場合にも適用できることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【請求項17】
本発明は、交流電源(30)から交流の電圧を、交流電源(30)に接続されたコンデンサの電極(31、32)へ印可するときに、交流電源(30)をGND接続(40)せずにフローティングの電源にすることを特徴とする請求項1および、請求項2および、請求項3および、請求項4に準ずる方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーデバイスの接合方法に関するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0002】
【非特許文献1】日本金属学会誌 第73巻 第9号(2009)732-741、凝固中断実験によるSn-Ag系合金の凝固過程の解析、防衛大学校機能材料工学科、宮内喜子(防衛大学校大学院生)、江坂久雄、篠塚計
【非特許文献2】第24回マイクロエレクトロニクスシンポジウム、2014年9月、磁界によりSn結晶方位を配向するはんだ接合部の高信頼性化技術、山中公博(中央大学 工学部)、西川宏(大阪大学 接合科学研究所)、田口博久(中央大学 工学部)、原田美由紀(関西大学 化学生命工学部)、越智光一(関西大学 化学生命工学部)
【非特許文献3】山陽特殊製鋼、技報Vol.4(1997年)No.1、材料電磁プロセッシングの進展、浅井慈生(名古屋大学、工博)
【非特許文献4】デンソーテクニカルレビュー、Vol.16、2011、両面放熱パワーモジュール「パワーカード」の実装技術、坂本善次
【非特許文献5】金属微細粒子を用いた低温焼結接合材料の機械的特性および強度信頼性に関する研究、報告番号12102甲第9276号、2019年9月、筑波大学、システム情報工学研究科、鈴木智久
【非特許文献6】銅単結晶(100)、(110)、および(111)上への酸性硫酸銅浴からの銅電着について、木下宏(大阪府立大学)、林忠夫(大阪府立大学)、石田武男(大阪府立大学)、1966年Vol.17、No.6
【背景技術】
【0003】
パワーデバイスの接合方法として、はんだ付けやナノ粒子導電性ペーストを使用した接合方法がある。
【0004】
はんだを融液状態から固体へと凝固させる場合のはんだの生成をコントロールする方法として、融液はんだを冷却する時の降温レートを調整する方法がある。[非特許文献1]にSn-Ag系合金の凝固過程の検討が示されている。
【0005】
しかし、[非特許文献1]には、はんだの電気抵抗を低減させる方法についての記載はない。
【0006】
図1に、Snの結晶構造の体心正方晶のβ-Sn結晶構造を示す。a軸(2)の原子間距離は5.83Å、b軸(3)の原子間距離は3.18Å、c軸(4)の原子間距離はb軸の原子間距離と同じ3.18Åである。
【0007】
融液はんだを冷却する時に、はんだに非接触で磁界の印可を行い、はんだの結晶構造の配向をコントロールする方法がある。[非特許文献2]にはんだ凝固時に、Sn結晶が磁気異方性を持っていることを利用し、外部磁界に対してSn結晶構造が磁化容易方向に配向するように、はんだと非接触の外部磁界を印可することで、Sn結晶方位のa軸、b軸、c軸の中で、エレクトロマイグレーションが起きにくいc軸を、実際にはんだへ電気回路の一部として電流が流れる経路として電流が流れる場合に、はんだに電流が流れる方向と垂直になるように結晶方位を配向させて、Sn結晶方位のc軸に磁界が発生するようにし、エレクトロマイグレーションを起きにくくする方法が示されている。
【0008】
しかし、[非特許文献2]には、はんだ付け部の電気抵抗を低減させる方法としての記載はなく、はんだ付け部の電気抵抗を低減させる方法の記載はない。
【0009】
また、[非特許文献2]は、[非特許文献2]の
図1に示されているように、Sn結晶方位のc軸の配向についての記載はあるが、Sn結晶方位のa軸、b軸の配向についての記載は無い
【0010】
また、[非特許文献2]は、[非特許文献2]の
図3に示すように、Sn結晶が磁気異方性を持っているため、外部磁界に対して磁化容易方向にSn結晶構造が配向することを利用するために磁界を用いる方法であり、はんだに対して交流の電界を印可するなど、電界を用いることは記載されていない。
【0011】
また、[非特許文献2]の
図3に示す方向で磁界を印可した場合、サンプルのSnに印可された磁界により発生する電流の方向は、印可した磁界と直交する方向である。
【0012】
すなわち、[非特許文献2]の
図1に示すように、実際に電気回路として使用するときに、はんだに電流が流れる方向は、Sn結晶方位のc軸の配向と直交する方向に電流は発生する。
【0013】
なお、印可する磁界は、[非特許文献2]の項目の、2目標接合部の構造と作製工程の設計概念、の中に、先行技術として用いた鉄鋼精錬における磁界印可条件は、直流磁界(7.5T)であることを記載しており、このことから印可する磁界の磁束密度(0、0.5T、1.3T)の磁界は交流ではなく直流であることがわかる。
【0014】
また、[非特許文献2]の項目の、2目標接合部の構造と作製工程の設計概念、の項目の内容に、接合部への電流印可が不要で、の記載があることから、[非特許文献2]の方法ではサンプルのSnに電流を印可しないことを示している。
【0015】
[非特許文献3]のp.5の項目の、2.4分離・凝縮機能、の説明箇所に、融液金属に直接電極を接触させて直流電流を流し、同時に溶融金属に非接触で電流と直交する磁界の印可を行い、直流電流と印可した磁界により発生するローレンツ力を用い、溶融金属に働くローレンツ力と、介在物には生じないローレンツ力の差で介在物を移動させ、金属の結晶から介在物すなわち、不純物を除去する方法が示されている。
【0016】
しかし、[非特許文献3]には、融液金属に直接電極を接触させて直流電流を流す方法であり、これを、
図6に示す本発明によるパワーデバイス(38)のはんだ付け部のはんだ(33)に適用するのは困難である。
【0017】
図20に示すように、実際にパワーデバイス(69)を動作するときに、電流がフレーム(70)から、はんだ(71)へ、はんだ(71)からパワーデバイス(69)へと流れるときは、パワーデバイスの幅(72)と比較して、はんだの厚み(73)は非常に薄いため、[非特許文献3]に記載されているように溶融はんだに直接電極を接触させて直流電流を流す方法にて、はんだ全体に均一に直流電流を流すためにはパワーデバイスの幅(72)に合わせた大きな電極(74、75)が必要になり、また、はんだが固体になったときに、直接溶融はんだに接触させていた大きな電極(74、75)は、はんだに固着してしまう。
【0018】
なお、
図20は溶融はんだに直接電極を接触させて直流電流を流す方法を説明するための例図である。
【0019】
図20に示すように、[非特許文献3]に記載されている溶融はんだに直接電極を接触させて直流電流を流す方法を用いる場合、はんだ全体に均一に直流電流を流すために使用する大きな電極(74)とパワーデバイス(69)の間(83)は接合されず、フレーム(70)と大きな電極(75)の間(84)も接合されないので、[非特許文献3]に記載された方法を用いて、パワーデバイス(69)とフレーム(70)をはんだ付けすることは不可能である。
【0020】
なお、[非特許文献3]のp.5の項目の、2.4分離・凝縮機能の説明箇所に、融液金属に直接電極を接触させて直流電流を流し、と記載されているように融液金属に印可する電流は直流である。
【0021】
図2に示す、三相モータ制御用の電子部品で、一つのリードフレーム(5)に三相モータのU相、V相、W層の制御用として、複数のパワーデバイスのIGBTもしくは、パワーMOSFETやパワーダイオードをダイボンディングすなわち、はんだ(6)付けする場合、[非特許文献3]の
図1(Fig.1)の(a)に描かれているように、コイル(7)から印可する磁界の磁束は曲線(8)になっているため、[非特許文献3]に記載された磁界の磁束を用いる方法を、
図2に示す複数のパワーデバイスのもしくは、パワーMOSFETやパワーダイオードのはんだ付けに適用する場合、印可する磁界の磁束密度をU相用パワーデバイス(9)と、V相用パワーデバイス(10)と、W相用パワーデバイス(11)に対して均一にするように調整することは困難である。なお、
図2では、ステージ(12)にリードフレーム(5)を載せている例を示している。
【0022】
交流の電磁波は、電磁波の進行方向(13)に対して、電磁波の電界(14)と磁界(15)は直交した波動になるが、[非特許文献2]に示された方法では印可する磁界は直流で、なおかつ電界は放射しない方法である。
【0023】
たとえば[非特許文献2]に示された磁界を印可する方法で、直流の磁界ではなく、交流の磁界を印可した場合、すなわち、電磁波を放射する元(16)から交流の磁界を放射した場合の電磁波は、
図3に示すように、電磁波を発生する放射元(16)の近傍では、電界強度(17)より磁界強度(18)のほうが大きい。
【0024】
交流の電磁波の電界と磁界の強度は距離の2乗で減衰する。
図2に示す電子部品に、交流の磁界を印可した場合、磁界の放射元のコイル(7)からの距離がU相用パワーデバイス(9)、V相用パワーデバイス(10)、W相用パワーデバイス(11)で異なるため、U相用パワーデバイス(9)と、V相用パワーデバイス(10)、W相用パワーデバイス(11)へ達する電磁波の強度は均一にならない。
【0025】
図4に示すように、交流の電磁波は、電磁波の進行方向(19)に対して、電磁波の電界(20)と磁界(21)は直交した波動になるが、電磁波を放射する元(22)から交流の電界を放射した場合の電磁波は、電界を発生する放射元の近傍では、磁界強度(23)より電界強度(24)のほうが大きい。
【0026】
図10と
図11に示すように、磁界ではなく電界を用いるようにするために、交流電源(30)にてコンデンサの電極(32、33)に交流の電圧を印可し、コンデンサの電極(32、33)間に電界(45)を発生させる。発生させた電束(45)は、コンデンサの電極(32、33)の中央部では曲線ではなく直線の電束(45)になる。
【0027】
図12に示すように、コイル(48)で発生させる磁束は、曲線の磁束(49)に対して、コンデンサ(50)で発生させる電束は、直線の電束(51)になるため、電界内の電束密度を均一にするのは容易である。
【0028】
なお、
図10と
図11に示すように、コンデンサの電極(32、33)の端部(46)の電束は、曲線の電束(47)になるため、コンデンサの電極(32、33)の端部(46)の曲線の電束は用いないようにする。
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
パワーデバイスの接合に使用されるはんだについて、電力は電流の2乗と抵抗値の積であることから、はんだの抵抗値を低減させて消費電力の低減を行いたいという課題がある。
【0030】
また、ジュール熱は電力と時間の積であるため、はんだの抵抗値を低減させて、はんだ付け部から発生する熱を低減させて、放熱用部材をコンパクト化したいという課題がある。
【0032】
また、はんだの抵抗値を低減させる方法に電磁波を用いる場合には、外部の機器の誤動作を抑制するため、電磁波ノイズを遮蔽したいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、従来のパワーデバイスを接合する方法の、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可しない方法と比較して、はんだ付け部の電気抵抗が低減する方法を提供する。
【0034】
本発明のパワーデバイスを接合する方法は、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可する。
【0035】
交流の電流を印可すると、電流は抵抗値が低い個所を通ろうとする自然の原理から、液体状態のはんだ(27)の中に析出するはんだの微細結晶(28)の結晶構造は、電流が流れる方向に対して、電流が流れやすい結晶構造、すなわち電気の抵抗としてのはんだの抵抗値が低くくなるような結晶構造で析出する。
【0036】
このことにより、本発明のパワーデバイスを接合する方法を用いると、はんだがすべて固体のはんだ(29)になったときには、はんだの抵抗値は低減する。
【0037】
あるいは、本発明は、自由電子が移動するときに、電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理を利用し、液体状態のはんだ(27)が冷却され、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ変化し、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可し、はんだの抵抗値を低減させる方法を提供する。
【0038】
なお、これ以降に単に電子と記載している個所は自由電子のことである。
【0039】
図5に示すように、はんだの温度(25)について、液体状態になっている高温のはんだを冷却(26)すると、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態のはんだへ変化し、さらに冷却すると固体のはんだ(29)へと変化する。
【0040】
本発明は、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可する。
【0041】
本発明は、交流電源(30)に接続された、等価回路でコンデンサになる個所のコンデンサの電極(31、32)の間の、直流的に絶縁された領域に、はんだ(33)を設置し、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流電源(30)から交流の電圧を、交流電源(30)に接続されたコンデンサの電極(31、32)へ印可する。
【0042】
図6に示す、はんだ(33)に交流の電界(34、35)を印可する部材の構成は、コンデンサの電極(32)の上にステージ(36)があり、ステージ(36)の上にリードフレーム(37)があり、リードフレーム(37)の上にはんだ(33)があり、はんだ(33)の上にパワーデバイス(38)がある。すなわち、コンデンサの電極(31、32)の間にステージ(36)とリードフレーム(37)とはんだ(33)とパワーデバイス(38)を設置する。
【0043】
【0044】
図6では、プラス側の電界から、マイナス側の電界へ印可する交流の電界(34、35)の方向を模式的に矢印として表している。
【0045】
図6に示すように、交流電源(30)からコンデンサの電極(31、32)へ交流の電圧を印可すると、コンデンサの電極(31)とはんだ付けしたい部材の一種である電子部品(38)の間に交流の電界(34、35)が印可される。
【0046】
コンデンサに交流の電圧が印可されると、交流の電界が発生し、変位電流が流れるという原理より、はんだ(33)に交流の電流が流れる。
【0047】
なお、
図6に示す構成において、リードフレーム(37)は導電性のCu合金製で良いが、リードフレーム(37)の素材は導電性のCu合金製であることにはこだわらない。
【0048】
図6に示す構成において、ステージ(36)は非導電性のセラミック製で良いが、ステージ(36)の素材は非導電性のセラミックにはこだわらない。例えば、非導電性のプラスチック製でもよい。
【0049】
交流電源(30)に接続された、等価回路でコンデンサになる個所の、コンデンサの電極(32、33)の間にはんだ(33)を設置し、ステージ(36)上で液体状態のはんだ(27)を冷却し、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流電源(30)から交流の電圧を交流電源(30)に接続された電極(32、33)へ印可し、電極(32、33)間に交流の電界(39、40)を印可する。
【0050】
交流電源(30)から電極(32、33)へ印可する交流の電圧の周波数については、印可される交流電圧によりコンデンサに発生する変位電流と、はんだ(33)が持っている抵抗によるジュール熱により、はんだが(33)再溶融しなければよいので周波数に関する制約はない。
【0051】
コンデンサに印可される周波数は、半導体製造装置のドライエッチング装置や、マルチチャンバー式スパッタ装置内の酸化膜除去チャンバーで、シリコン基板表面に生成された自然酸化膜除去行うためのプラズマを発生させる高周波電源の周波数の13.56MHzや、レジストアッシャーのマグネトロン真空管から導波管を通じて印可する2.7GHzなどの高周波で無くてよい。
【0052】
液体状態のはんだ(27)に析出してきたはんだの微細結晶(28)内の電子を移動させるために交流の電圧を印可することが目的であるため、たとえば低周波の50Hzや60Hzなどでよい。
【0053】
なお、電子が移動する方向と、電流の流れる方向は正反対の方向である。
【0054】
図6で示した、電極(32、33)の間に、液体状態のはんだ(27)と、析出してきたはんだの微細結晶(28)が混在している状態のはんだ(33)を設置し、交流電源(30)に接続された電極(32、33)へ交流の電界(34、35)を印可すると、
図7と
図8に示すように、析出してきたはんだの微細結晶(28)内の電子(41、42)は印可された交流の電界(34、35)に合わせて移動する。
【0055】
図6、
図7、
図8で示すように、はんだに印可する交流の電界(34、35)は、はんだ付けが完了した電子部品を実際に電気回路を構成する部材として使用するときに、はんだに電流が流れる場合の電流の順方向あるいは、逆方向と同じになるように、はんだに電流が流れる場合の電子が移動する逆方向あるいは、順方向と同じになるように印可する。
【0056】
図7、
図8の矢印は、プラス側の電界(42)から、マイナス側の電界(44)へ印可する交流の電界(34、35)の方向を模式的に表している。なお、
図28に示すように、コンデンサの電極(31)側に、プラスチック製などの非導電性の部材(108)を貼り付けて、コンデンサの電極(31)側とパワーデバイス(38)を接触させても良い。なお接触にてガードリング部のガラスコートなどを破損しないようにする。
【0057】
図7、
図8に示すように、液体状態のはんだ(27)中に、徐々に析出するはんだの微細結晶(28)の中の電子(41)は、印可された交流の電界(34、35)のプラス側(42)および、電界のマイナス側(43)に合わせて移動(44)する。
【0058】
このとき、電子(41)が移動(44)するときに、電子(41)は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理により、液体状態のはんだ(27)中に徐々に析出する微細結晶(28)の配向は、電子(41)が移動しやすいような結晶構造の配向になる。
【0059】
すなわち、電流は抵抗値が低い個所を通ろうとする自然の原理により、液体状態のはんだ(27)中に徐々に析出する微細結晶(28)の結晶構造の配向は、電流が流れるときの抵抗値が低くなるような結晶構造の配向になる。
【0060】
例えば、
図1で示した体心正方晶のβ-Sn結晶構造を例として用いると、β-Sn結晶構造を
図1のように、b軸と平行でない方位から見るよりも、
図9に示すβ-Sn結晶構造の(100)面に垂直な[100]方向からβ-Sn結晶を見たほうが、Sn原子が少なく見える。
【0061】
電流は抵抗値が低い個所を通ろうとする自然の原理により、電子の移動方向でβ-Sn結晶を見たときに、電子の移動がしやすいように、すなわちSn原子が少なく見えるような配向の結晶構造にβ-Sn結晶は成長する。
【0062】
すなわち、はんだに交流の電界(34、35)を印可すると、液体状態のはんだ(27)中に徐々に析出するはんだの微細結晶(28)の配向は、電子の移動(44)に対してSn原子が少なく見え、電子が移動(44)しやすい配向の結晶構造になるように成長しやすくなる。
【0063】
これらのことが、液体状態のはんだ(27)から、最終的に全て固体のはんだ(29)へと凝固するまでの間に行われる。
【0064】
この結果、はんだが全て固体へと凝固したはんだの結晶(29)の配向は、電子が移動しやすいような結晶構造の配向になる。
【0065】
すなわち、はんだが全て固体へと凝固したはんだの結晶(29)の配向は、電流が流れるときに抵抗値が低くなるような結晶構造の配向になる。
【0066】
まとめると、はんだが液体状態(27)から固体へと凝固(29)するときに、交流の電界(34、35)をはんだに印可すると、はんだ付け部の抵抗値は低減する。
【0067】
なお一例として、
図10、
図11に示すように、一つのリードフレーム(5)に、三相モータのU相、V相、W層の制御用として、複数のパワーデバイスのIGBTもしくは、パワーMOSFETもしくは、パワーダイオードをはんだ(6)付けするような構成になっている部材の場合、はんだ(6)付けするような構成になっている部材の端部の電束は曲線の電束(45)になる。
【0068】
図10、
図11に示すように、ダイボンディングすなわち、はんだ(6)付けするような構成になっている部材の端部に近いU相用パワーデバイス(9)と、W相用パワーデバイス(11)に対して印可される電界が曲線になり、はんだ(6)付けするような構成になっている部材の端部に近いU相用パワーデバイス(9)と、W相用パワーデバイス(11)と、それらの間にあるV相用パワーデバイス(10)に対して印可される電界が均一にならない場合がある。
【0069】
対策として、
図12に示すように、コンデンサ(48)により発生させる電束は、直線の電束(49)になることを利用する。
【0070】
なお、
図12に示すように、コンデンサの端部の電束については曲線の電束(50)になっているが、コンデンサの中央部は直線の電束(49)になっている。
【0071】
図13、
図14に示すようにはんだ付けする構造(51)側のコンデンサの電極(52)を分割し、分割したコンデンサの電極(52)と、はんだ付けする構造(51)側のコンデンサの電極(52)と反対側のコンデンサの電極(53)の間隔を同じにする。
【0072】
【0073】
はんだ付けする構造(51)側のコンデンサの電極(52)を分割し、分割したコンデンサの電極(52)と、はんだ付けする構造(51)側の分割したコンデンサの電極(52)と反対側のコンデンサの電極(53)の間隔を同じにすると、
図13、
図14に示した電束は、
図10、
図11に示した曲線になっている電束(45)と比較して、直線の電束(54、89)になるように調整できる。
【0074】
すなわち、曲線になっている電束(45)を直線に、かつ均一に調整する方法としては、
図13、
図14に示すようにはんだ付けする構造(51)側のコンデンサの電極(52)を分割し、分割されたコンデンサの電極(52)と反対側のコンデンサの電極(53)の間の距離を調整するだけでよい。
【0075】
あるいは、対策として、
図26、
図27に示すようにはんだ付けする構造(51)側と反対側のコンデンサの電極(85)を分割し、分割したコンデンサの電極(85)と、はんだ付けする構造(51)側のコンデンサの電極(86)の間隔を同じにする方法でもよい。
【0076】
【0077】
はんだ付けする構造(51)側と反対側のコンデンサの電極(85)を分割し、分割したコンデンサの電極(85)と、はんだ付けする構造(51)側のコンデンサの電極(86)の間隔を同じにすると、
図10、
図11に示した曲線になっている電束(45)と比較して、
図26、
図27に示すように直線の電束(87、88)になる。
【0078】
すなわち、曲線になっている電束(45)を直線に、かつ均一にする方法は、
図26、
図27に示すようにはんだ付けする構造(51)側と反対側のコンデンサの電極(85)を分割し、分割されたコンデンサの電極(85)と反対側のコンデンサの電極(86)の間の距離を調整するだけでよい。
【本発明に対する従来の技術】
【0079】
本発明の方法に対して、従来の技術である、交流の電界をはんだに印可しない方法の場合、液体状態のはんだ中に徐々に析出するはんだの結晶構造は、[非特許文献1]に記載されている方法や、[非特許文献2]の
図6の(a)0T、すなわち磁界を印可せず、なおかつ電界も印可しない場合には、Snが融液状態から冷却されて固体へ変化すると、固体になったβ-Sn結晶構造は、a軸、b軸、c軸のどの方位とも直交あるいは平行でない、すなわちランダムな配向の結晶構造になり、電子が移動しやすいような結晶構造にならず、はんだ付け部の電気抵抗を低減するような効果はない。
【期待される効果】
【0080】
電力は電流の2乗と抵抗値の積で、電力と時間の積が熱エネルギーであるため、はんだの抵抗値を低減することにより、消費電力を低減できることが期待される。
【0081】
電力は電流の2乗と抵抗値の積で、ジュール熱は電力と時間の積がであるため、はんだの抵抗値を低減することにより、発熱の抑制が期待され、放熱用部材のコンパクト化にも寄与できることが期待される。
【本発明の適用例】
【0082】
図18に、はんだ付けしたい部材の一種であるパワーデバイスのIGBTに本発明を適用する場合を示す。
【0083】
【0084】
はんだ付けするIGBTのコレクタ側の構成の例として、コレクタにするためP型の不純物のボロンが拡散されているSi基板(60)と、Si基板とオーミック接合するAl層(61)と、バリアメタルのTi層(62)と、はんだ(6)と接合するためのNi層と、はんだ付け不良の原因となるNi層の酸化防止のためのAu層の構成になっている場合、はんだ付け時に、酸化防止のためのAu層は溶融状態のはんだ中にすぐに拡散するため、はんだ(6)と接合するのはNi層であり、はんだに印可する交流の電界により、Ni層と接合するはんだ結晶との間で電子が行き来する。
【0085】
これにより、Ni層と、はんだ結晶は電子が通りやすいような接合すなわち、電子が通りやすいようなNiとはんだの合金層(63)の構造になり、Niとはんだの合金層の抵抗値が低減することが期待される。
【0086】
図19に、はんだ付けしたい部材の一種であるパワーデバイスのパワーMOSFETに本発明を適用する場合を示す。
【0087】
【0088】
はんだ付けするパワーMOSFETのドレイン側の構成の例として、ドレインにするためN型の不純物のリン、もしくは砒素が拡散されているSi基板(64)と、バリアメタルとしてのTi層(65)と、はんだと接するNi層と、はんだ付け不良の原因となるNi層の酸化防止のためのAu層になっている場合、はんだ付け時に、酸化防止のためのAu層は溶融状態のはんだ中にすぐに拡散するため、溶融状態のはんだと接合するのはNi層であり、はんだに印可する交流の電界により、Ni層と接合するはんだ結晶との間で電子が行き来する。
【0089】
これにより、Ni層と、はんだ結晶は電子が通りやすいような接合すなわち、電子が通りやすいようなNiとはんだの合金層(65)の構造になり、Niとはんだの合金層の抵抗値が低減することが期待される。
【0090】
本発明は、
図6に示すように、交流電源(30)に接続された、等価回路でコンデンサになる個所のコンデンサの電極(31、32)の間の、直流的に絶縁された領域の電界を利用する方法であり、電磁波を放射する元(22)から放射される電磁波は、磁界の強度より電界の強度のほうが大きい。
【0091】
図4に示すように、電界を発生する放射元の近傍では、磁界強度(23)より電界強度(24)のほうが強くなることから、本発明の回路からの電磁波ノイズは、磁界強度(23)より電界強度(24)のほうが強い。
【0092】
図15に示すように、本発明の回路(55)から発生する電磁波ノイズを遮蔽するには、電流を通しやすい素材(56)、たとえばアルミニウムなどで囲いGNDへ接続(57)するだけでよく、本発明の回路(55)から発生する電磁波ノイズによる外部機器の誤動作の抑制は簡易である。
【0093】
なお、
図15に示す方法は本方法を実現させるための例図である。
【0094】
[非特許文献3]の
図1(Fig.1)の(a)に示された磁界を用いる方法の場合、
図3に示すように、電磁波を放射する元(16)から磁界を放射した電磁波になり、電磁波を発生する放射元(16)の近傍では、電界強度(17)より磁界強度(18)のほうが大きい。
【0095】
図16に示すように、[非特許文献3]の
図1(Fig.1)の(a)に示された磁界を用いる方法の場合、電磁波ノイズを遮蔽するため、電気を通しやすい素材(56)、たとえばアルミニウムなどで磁界を用いる方法の回路(58)を囲ってGNDへ接続(57)しても、アルミニウムは磁性材ではないため、磁束を遮蔽するのは困難であり、外部へ漏れ出る磁束(59)があるため、外部の機器の誤動作の抑制は困難である。
【0096】
なお、
図16に示す方法は外部へ漏れ出る磁束(59)による外部の機器の誤動作の抑制が困難であることを説明するための例図である。
【0097】
磁界から発生する磁束を遮蔽する素材は磁性体であることなど制約があるため、磁界から発生する磁束を遮蔽する素材の選択肢は、電束を遮蔽する素材と比較した場合は少なくなる。
【0098】
なお、高周波の磁界の場合、磁性体ではないアルミニウムなどを用いても、表皮効果によりアルミニウムなどの表面に渦電流が発生し、発生した電流をGNDへ逃がすことにより、電磁波ノイズを遮蔽することができる。この方法は、高周波の磁界の場合のみ有効である。
【0099】
しかし、[非特許文献2]に示された方法は直流の磁界であり、直流もしくは50Hzや60HZなどの低周波の電磁波ノイズを遮蔽するためには磁性体が必要である。
【0100】
本発明で使用可能な周波数の50Hzあるいは60Hzなどの低周波の磁界の場合、表皮効果が低くなる。このため、磁束を遮蔽するために使用する素材の磁性体が薄い場合は、素材の磁性体の中を通して磁束を流して遮蔽しきれない可能性が高くなるため、外部へ磁束を漏れないように遮蔽するためには、使用する素材の磁性体を厚くする必要がある。
【0101】
本発明から放射される電磁波ノイズは、磁界強度(23)より電界強度(24)のほうが大きいため、外部の機器の誤動作を抑制するための電磁波ノイズを遮蔽する素材に磁性体を用いた場合には、磁性体の厚みは薄くてもよい。
【0102】
パワーデバイス(66)のIGBTのエミッタ側や、パワーMOSFETのドレイン側や、パワーダイオードのアノード側に接続される配線について、Al配線などの細線ワイヤではなく、導電性の材料であるCu合金等で板状の配線(67)を用いる方法がある。
【0103】
図17に示すように、コンデンサに交流電源(30)により交流の電圧を印可し、コンデンサの電極(31)と導電性の材料であるCu合金等で板状の部材の配線(67)の間に交流の電界(34、35)を印可し、コンデンサに交流の電圧を印可すると変位電流が流れる原理を用いて、導電性の材料であるCu合金等で板状の配線(67)と、IGBTのエミッタ側や、パワーMOSFETのドレイン側や、パワーダイオードのアノード側の間のはんだ(68)に交流の電流を流す。
【0104】
なお、
図17に示す方法は本方法を実現させるための例である。
【0105】
図17では、プラス側の電界から、マイナス側の電界へ印可する交流の電界(34、35)の方向を模式的に矢印として表している。
【0106】
図17で示したはんだ(68)は、
図7に示すように、液体状態のはんだ(27)と、析出してきたはんだの微細結晶(28)が混在している状態で、交流の電流が流れると、
図8に示すように、析出してきたはんだの微細結晶(28)内の電子(41、42)が移動する(43、44)。
【0107】
導電性の材料であるCu合金等で板状の配線(67)と、パワーデバイス(66)のIGBTのエミッタ側もしくは、パワーMOSFETのドレイン側を接合するはんだ(68)に交流の電界(34、35)を印可すると、液体状態のはんだ(27)中に徐々に析出するはんだの微細結晶(28)の配向は、電子が移動しやすい配向の結晶構造になるように成長しやすくなる。
【0108】
すなわち、導電性の材料であるCu合金等で板状の部材の配線(67)と、パワーデバイス(66)のIGBTのエミッタ側もしくは、パワーMOSFETのドレイン側を接合するはんだ(68)が、液体状態のはんだ(27)から固体のはんだ(29)になるときに、交流電源(30)から交流の電界(34、35)を印可すると、導電性の材料であるCu合金等で板状の部材の配線(67)と、パワーデバイス(66)のIGBTのエミッタ側もしくは、パワーMOSFETのドレイン側もしくは、パワーダイオードのアノード側の間のはんだ(68)の電気抵抗は低減する。
【0109】
導電性の材料であるCu合金等で板状の配線(67)は、導電性の配線で良いため、材料はCu合金等にこだわらない。
【0110】
なお
図17の場合、交流電源(30)から供給される電流の一部は、導電性の材料であるCu合金等で板状の配線(67)を通して流れ出る可能性があるため、導電性の材料であるCu合金等で板状の配線(67)をGNDへ接続しないようにして、
図6では交流電源(30)をGNDへ接続(40)しているが、
図17に示すように、交流電源(30)をGND接続(40)しないようにフローティングの電源にする。
【0111】
[非特許文献4]のFig.4と、Fig.5に示すように、パワーデバイス(76)のIGBTやパワーMOSFETに接続される配線について、Al配線などの細線ワイヤや導電性のCu合金フレームではなく、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77、78)を用いる方法がある。
【0112】
図21に示すように、コンデンサに交流電源(30)により交流の電圧を印可し、コンデンサに交流の電圧を印可すると変位電流が流れる原理を用いて、コンデンサの電極(31、32)と、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77)と、導電性の部材(107)の間のはんだ(106)および、導電性の部材(107)とパワーデバイス(76)の間のはんだ(79)および、パワーデバイス(76)と、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する放熱用部材(78)の間のはんだ(80)に交流の電流を流す。
【0113】
なお、
図21に示す方法は本方法を実現させるための例図である。
【0114】
図21はコンデンサの電極(31)とパワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77)の間および、コンデンサの電極(32)とパワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(78)の間に、セラミックなどの絶縁体(81、82)がある場合を示す。なお、交流電源(30)から供給される電流の一部は、導電性の放熱用部材(77、78)を通して流れ出る可能性があるため、導電性の放熱用部材(77、78)をGNDへ接続しないようにして、
図6では交流電源(30)をGNDへ接続(40)しているが、
図21に示すように、交流電源(30)をGND接続(40)しないようにフローティングの電源にする。
【0115】
図21で示した、はんだ(79、80、106)は、
図7に示すように、液体状態のはんだ(27)と、析出してきたはんだの微細結晶(28)が混在している状態で、交流の電流が流れると、
図8に示すように、析出してきたはんだの微細結晶(28)内の電子(41、42)が移動する(43、44)。
【0116】
パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を、外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77、78)および、導電性の部材(107)と、パワーデバイス(76)のIGBTやパワーMOSFETやパワーダイオードを接合するはんだ(79、80、106)に交流の電界(34、35)を印可すると、液体状態のはんだ(27)中に徐々に析出するはんだの微細結晶(28)の配向は、電子が移動しやすい配向の結晶構造になるように成長しやすくなる。
【0117】
すなわち、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77)と、導電性の部材(107)の間のはんだ(106)および、導電性の部材(107)とパワーデバイス(76)の間のはんだ(79)および、パワーデバイス(76)と、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する放熱用部材(78)の間のはんだ(80)が、液体状態のはんだ(27)から固体のはんだ(29)になるときに、交流の電界(34、35)を印可すると、と、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する導電性の放熱用部材(77)と、導電性の部材(107)の間のはんだ(106)および、導電性の部材(107)とパワーデバイス(76)の間のはんだ(79)および、パワーデバイス(76)と、パワーデバイス(76)の動作により発生する熱を外部へ放熱する放熱用部材(78)の間のはんだ(80)の電気抵抗は低減する。
【0118】
[非特許文献5]に示すように、パワーデバイス(90)のIGBTやパワーMOSFETやパワーダイオードと導電性のCu合金フレーム(91)などを接合するのに、ナノ粒子導電性ペーストを用いて低温焼結する方法、すなわち金属微細粒子を用いた低温焼結接合(92)を行う方法がある。
【0119】
[非特許文献5]のp.3の1.2低温焼結接合技術の項目に、高温で溶融する金属を微細粒子にすると、微細粒子になった金属は体積に対する表面積が大きくなるため、微細粒子になった金属の表面エネルギーが高くなり、周辺の微細粒子の金属同志が融合しやすくなり、そのぶん融合するために必要な外部からのエネルギーの供給が低減できることで、見かけ上金属の溶融する温度を下げることが可能であることが示されている。
【0120】
図25に示すように、パワーデバイス(90)へ加圧(93)しながら、微細粒子の金属同志が融合しやすくなる低温焼結接合(92)の方法を用いて、なおかつコンデンサに交流電源(30)によりコンデンサに交流の電圧を印可する。
【0121】
なお、
図25に示す方法は本方法を実現させるための例図である。
【0122】
コンデンサに交流の電圧を印可すると、パワーデバイス(90)とフレーム(91)の間の金属微細粒子を用いた低温焼結接合(92)を行う箇所に交流の電界(97)が印可される。
【0123】
図22に示すように、低温焼結接合(92)方法は、時間(94)をかけて加熱しながら圧力(90)を加えることにより、ナノ粒子導電性ペースト、すなわち金属の微細粒子(95)を含んだ有機溶剤(96)の有機溶剤のみを揮発させる方法で、低温焼結接合工程の途中は金属の微細粒子(95)を減少した有機溶剤(97)が囲む状態になり、低温焼結接合工程の完了時には微細粒子が融合した状態の金属(103)になる。
【0124】
図23、
図24に示すように、ナノ粒子導電性ペースト、すなわち金属の微細粒子(95)を含んだ有機溶剤(96)に交流の電界(97、98)が印可されると、金属の微細粒子(95)の中の電子(99)が、印可した交流の電界に合わせて金属の微細粒子(95)の中で移動(100)する。
【0125】
図23、
図24の矢印は、プラス側の電界(101)から、マイナス側の電界(102)へ印可する交流の電界(97、98)の方向を、模式的に表している。
【0126】
なお、交流の電界(97、98)の印可に合わせて、有機溶剤(96)の中の、個別の金属の微細粒子(95)の回転あるいは、移動(104、105)することを個別の金属の微細粒子(95)のセルフアライメントと表現する。
【0127】
電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理から、交流の電界(97、98)の印可に合わせて、有機溶剤(96)の中の、個別の金属の微細粒子(95)の中の電子(99)が移動(100)するときに、個別の金属の微細粒子(95)の中の、れぞれの電子(99)の移動(100)は、電子(99)の移動(100)に対して最も抵抗が低くなるように、有機溶剤(96)の中で、個別の金属の微細粒子(95)はセルフアライメントにより回転あるいは、移動(104、105)する。
【0128】
なお、陽子1個や中性子1個の質量は、電子1個の質量の1840倍である。
【0129】
例えば、有機溶剤(96)の中の、個別の金属の微細粒子(95)が銅の場合、銅の原子核の原子は29個で、中性子は34個であり、同位体の銅の原子は29個で、中性子は36個である。
【0130】
すなわち、有機溶剤(96)の中の、個別の金属の微細粒子(95)が銅の場合には、1個の銅の原子核の質量は、1個の電子の質量の11万5920倍以上である。
【0131】
また、有機溶剤(96)の中の、金属の微細粒子(95)が銅の場合、銅の原子は単体ではなく、面心立方の結晶構造であり、金属の微細粒子(95)の銅は、多数の銅の面心立方の結晶構造で構成されている。このことから有機溶剤(96)の中の、個別の銅の微細粒子は電子(99)の質量と比較すると非常に大きい。
【0132】
交流の電界(97、98)の印可に合わせて、有機溶剤(96)の中の、個別の金属の微細粒子(95)の中の電子(99)は素早く反応して移動(100)するが、電子(99)の質量と比較して個別の金属の微細粒子(95)の質量は非常に大きいため、
図23、
図24に示す金属の微細粒子(95)のセルフアライメントによる回転あるいは、移動(104、105)は、電子(99)の移動(100)と比較して非常に遅い。しかし、交流の電界(97、98)の印可に合わせて、有機溶剤(96)の中の、金属の微細粒子(95)は電子(99)が移動(100)しやすいようにセルフアライメントにより回転あるいは、移動(104、105)する。
【0133】
なお、[非特許文献6]の、4.考察、4-1分極曲線について、に、結晶面の格子密度は面心立方格子の場合、(111)>(100)>(110)の順で減少し、と記載されており、すなわち(111)の結晶面より(110)の結晶面の格子密度は低いと記載されており、電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理から、交流の電界(97、98)を有機溶剤(96)の中の金属の銅の微細粒子(95)へ印可すると、電子が移動する方向に対して、有機溶剤(96)の中の金属の微細粒子(95)のセルフアライメントの回転もしくは移動(104、105)は、立方格子の(110)面が向くようになる。
【0134】
なお、有機溶剤(96)の中の金属の銅の微細粒子(95)の結晶構造は、単結晶ではなく、多結晶になっている場合は、金属の銅の微細粒子(95)の多結晶に対して、電子(99)が移動(100)しやすいようにセルフアライメントにより回転あるいは、移動(104、105)する。
【0135】
これらのことが、
図22に示す、低温焼結接合工程で、時間(94)をかけて加熱しながら圧力(90)を加えると、金属の微細粒子(95)を含んだ有機溶剤のみが揮発しながら、金属の微細粒子(95)を減少した有機溶剤(97)が囲む状態を経て、低温焼結接合工程の完了時に微細粒子が融合した状態の金属(103)になるまで行われる。
【0136】
電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理から、低温焼結接合工程の完了時の、微細粒子(95)が融合した状態の金属(103)は、電子が移動しやすくなり、微細粒子(95)が融合した状態の金属(103)の抵抗値は低くなる。
【0137】
なお、
図23、
図24の交流の電界(97、98)の方向と、金属の微細粒子(95)の中の電子(99)が移動(100)する方向は、反対の方向になる。
【0138】
なお、有機溶剤(96)の中の、金属の微細粒子(95)の種類については銅にこだわっておらず、低温焼結接合工程に適用できる金属であれば良く、たとえばSnやNiなど何でもよい。
【0139】
なお、本発明は、パワーデバイスのみではなく、マイクロプロセッサやASICやプログラマブルロジックデバイスなどの集積回路やメモリやチップコンデンサやチップ抵抗やなどの電子部品を、プリント基板やセラミック基板などの実装基板やプリント基板のスルーホールへ、ボールはんだやナノ粒子導電性ペーストやはんだを用いて接合する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【
図2】三相モータ制御用のパワーデバイスのはんだ付け
【
図3】電磁波を放射する元から磁界のみを放射した場合の電磁波
【
図4】電磁波を放射する元から電界のみを放射した場合の電磁波
【
図7】電界を印可したときのはんだの微細結晶内の電子の移動
【
図8】電界を印可したときのはんだの微細結晶内の電子の移動
【
図10】三相モータ制御用のパワーデバイスのはんだ付け
【
図11】三相モータ制御用のパワーデバイスのはんだ付け
【
図13】はんだ付けする構造側のコンデンサの電極が分割されたときの電束
【
図14】はんだ付けする構造側のコンデンサの電極が分割されたときの電束
【
図16】磁界を用いる方法の回路から発生する電磁波の遮蔽
【
図17】導電性の材料で板状の部材を配線としたはんだ付け
【
図18】はんだ付けするIGBTのコレクタ側の構成
【
図19】はんだ付けするパワーMOSFETのドレイン側の構成
【
図21】パワーデバイスの熱を放熱する放熱用部材を用いる方法
【
図23】交流の電界が印可された有機溶剤の中の金属の微細粒子の中の電子の移動
【
図24】交流の電界が印可された有機溶剤の中の金属の微細粒子の中の電子の移動
【
図26】はんだ付けする構造側と反対側のコンデンサの電極の分割
【
図27】はんだ付けする構造側と反対側のコンデンサの電極の分割
【符号の説明】
【0141】
1 Sn原子
2 a軸
3 b軸
4 c軸
5 リードフレーム
6 はんだ
7 コイル
8 磁界の磁束の曲線
9 U相用パワーデバイス
10 V相用パワーデバイス
11 W相用パワーデバイス
12 ステージ
13 電磁波の進行方向
14 電界
15 磁界
16 電磁波を放射する元
17 電界強度
18 磁界強度
19 電磁波の進行方向
20 電界
21 磁界
22 電磁波を放射する元
23 電界強度
24 磁界強度
25 はんだの温度
26 はんだの冷却
27 液体状態のはんだ
28 はんだの微細結晶
29 固体のはんだ
30 交流電源
31 コンデンサの電極
32 コンデンサの電極
33 はんだ
34 交流の電界
35 交流の電界
36 ステージ
37 フレーム
38 パワーデバイス
39 負荷
40 GND 接続
41 微細結晶内の電子
42 電界のプラス側
43 電界のマイナス側
44 微細結晶内の電子の移動
45 曲線の電束曲線の電束
46 コイル
47 曲線の磁束
48 コンデンサ
49 直線の電束
50 曲線の電束
51 はんだ付けする構造
52 はんだ付けする構造側のコンデンサの電極
53 はんだ付けする構造と反対側のコンデンサの電極
54 直線の電束
55 本発明の回路
56 電流を通しやすい素材
57 GNDへ接続
58 磁界を用いる方法の回路
59 外部へ漏れ出る磁束
60 IGBTのコレクタ側のSi基板
61 IGBTのコレクタ側のAl層
62 IGBTのコレクタ側のバリアメタルのTi層
63 Niとはんだの合金層
64 パワーMOSFETのドレイン側のSi基板
65 パワーMOSFETのドレイン側のバリアメタルのTi層
66 パワーデバイス
67 導電性の材料であるCu合金等で板状の部材の配線
68 はんだ
69 パワーデバイス
70 フレーム
71 はんだ
72 パワーデバイスの幅
73 はんだの厚み
74 パワーデバイスの幅に合わせた大きな電極
75 パワーデバイスの幅に合わせた大きな電極
76 パワーデバイス
77 放熱用部材
78 放熱用部材
79 はんだ
80 はんだ
81 絶縁体
82 絶縁体
83 大きな電極とパワーデバイスの間
84 フレームと大きな電極の間
85 はんだ付けする構造側のコンデンサの電極
86 はんだ付けする構造と反対側のコンデンサの電極
87 直線の電束
88 直線の電束
89 直線の電束
90 パワーデバイス
91 導電性のCu合金フレーム
92 金属微細粒子を用いた低温焼結接合
93 加圧
94 時間
95 金属の微細粒子
96 金属の微細粒子を含んだ有機溶剤
97 交流の電界
98 交流の電界
99 金属の微細粒子の中の電子
100 電子の移動
101 プラス側の電界
102 マイナス側の電界
103 微細粒子が融合した状態の金属
104 回転あるいは、移動
105 回転あるいは、移動
106 はんだ
107 導電性の部材
108 非導電性の部材
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
【
図2】三相モータ制御用のパワーデバイスのはんだ付け
【
図3】電磁波を放射する元から磁界のみを放射した場合の電磁波
【
図4】電磁波を放射する元から電界のみを放射した場合の電磁波
【
図6】はんだに交流の電界を印可する部材の構成および、交流の電界を印可する装置の構成
【
図7】電界を印可したときのはんだの微細結晶内の電子の移動
【
図8】電界を印可したときのはんだの微細結晶内の電子の移動
【
図10】三相モータ制御用のパワーデバイスのはんだ付け
【
図11】三相モータ制御用のパワーデバイスのはんだ付け
【
図13】はんだ付けする構造側のコンデンサの電極が分割されたときの電束
【
図14】はんだ付けする構造側のコンデンサの電極が分割されたときの電束
【
図16】磁界を用いる方法の回路から発生する電磁波の遮蔽
【
図17】導電性の材料で板状の部材を配線としたはんだ付け
【
図18】はんだ付けするIGBTのコレクタ側の構成
【
図19】はんだ付けするパワーMOSFETのドレイン側の構成
【
図21】パワーデバイスの熱を放熱する放熱用部材を用いる方法
【
図23】交流の電界が印可された有機溶剤の中の金属の微細粒子の中の電子の移動
【
図24】交流の電界が印可された有機溶剤の中の金属の微細粒子の中の電子の移動
【
図26】はんだ付けする構造側と反対側のコンデンサの電極の分割
【
図27】はんだ付けする構造側と反対側のコンデンサの電極の分割
【
図28】コンデンサの電極側に、プラスチック製などの非導電性の部材を貼り付けて、コンデンサの電極側とパワーデバイスを接触させる場合の装置の構成
【手続補正書】
【提出日】2023-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源(30)に接続された、等価回路でコンデンサになる個所のコンデンサの電極(31、32)の間の、直流的に絶縁された領域に、フレーム(37)と、パワーデバイス(38)および、フレーム(37)とパワーデバイス(38)の間で、溶融しているはんだ(33)を設置し、溶融しているはんだ(33)が自然冷却などにより温度が低下して、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流電源(30)から交流の電圧を、交流電源(30)に接続されたコンデンサの電極(31、32)へ印可する装置で、
なお、はんだ(33)の代わりに、金属の微細粒子(95)を含んだ有機溶剤(96)を用いてもよく、
パワーデバイス(38)の代わりに、マイクロプロセッサなどの集積回路や、チップコンデンサおよび、チップ抵抗などの電子部品にも、適用できる装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
あるいは、本発明は、自由電子が移動するときに、電子は移動しやすい個所を通ろうとする自然の原理を利用し、液体状態のはんだ(27)が自然冷却などにより、はんだの温度が低下して、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ変化し、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可し、はんだの抵抗値を低減させる方法を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
図5に示すように、はんだの温度(25)について、液体状態になっている高温のはんだ
は自然冷却などによる、はんだの冷却(26)により、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態のはんだへ変化し、さらに冷却すると固体のはんだ(29)へと変化する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
交流電源(30)に接続された、等価回路でコンデンサになる個所の、コンデンサの電極(32、33)の間にはんだ(33)を設置し、ステージ(36)上で自然冷却などにより、はんだの温度が低下して、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流電源(30)から交流の電圧を交流電源(30)に接続された電極(32、33)へ印可し、電極(32、33)間に交流の電界(39、40)を印可する。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可することを特徴とする方法を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状態のはんだ(27)から、液体状態のはんだ(27)と析出してきたはんだの微細結晶(28)の混在状態へ、さらに固体のはんだ(29)へと変化するときに、交流の電流を印可することを特徴とする方法。