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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146488
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】音響システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 27/00 20060101AFI20241004BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20241004BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20241004BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04R27/00 B
H04R3/00 310
G10K15/02
G06F3/16 530
G06F3/16 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059418
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(71)【出願人】
【識別番号】523465104
【氏名又は名称】株式会社otonoha
(72)【発明者】
【氏名】竹本 悠平
(72)【発明者】
【氏名】喜村 康弘
【テーマコード(参考)】
5D208
5D220
【Fターム(参考)】
5D208BC05
5D208BD03
5D220AA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プライベートスペースの利用者にはなるべく大きな自由度を与え、パブリックスペースでは、調和のとれた音楽環境を提供する音響システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】音響システム1は、パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカー10aとプライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカー10bとを含む複数のスピーカーと、複数のスピーカーそれぞれにネットワークを介して接続され、各スピーカーがパブリックスペースに配置されているか、プライベートスペースに配置されているかを識別して管理する管理サーバー20とを備える。管理サーバー20は、第1スピーカー10a及び第2スピーカー10bに対して操作指示が可能な第1ウェブページを生成し、かつ、プライベートスペースを利用する利用者の利用者端末から第2スピーカー10bの操作指示が可能な第2ウェブページを生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者が利用可能なパブリックスペースと、制限された利用者が利用可能な1つ以上のプライベートスペースとを有する施設において用いられる音響システムであって、
前記施設に配置されたスピーカーであって、前記パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカーと、前記プライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカーとを含む、スピーカーと、
前記スピーカーに接続され、各スピーカーが前記パブリックスペースに配置されているか、前記プライベートスペースに配置されているかを識別して管理する、管理サーバーと、を備え、
前記管理サーバーは、前記第1スピーカー及び前記第2スピーカーに対して操作指示が可能な第1ウェブページを作成し、かつ、
前記管理サーバーは、プライベートスペースを利用する利用者の利用者端末からそのプライベートスペースに配置された第2スピーカーの操作指示入力が可能な第2ウェブページを作成する、音響システム。
【請求項2】
前記第1ウェブページ及び前記第2ウェブページのスピーカーの操作指示入力項目は、どの音源を選択するかという音源選択と、音量設定とを含む、請求項1に記載の音響システム。
【請求項3】
前記第2ウェブページが、前記第2スピーカーに対して操作指示が可能な範囲は、前記第1ウェブページが、前記第2スピーカーに対して操作指示が可能な範囲よりも狭い、請求項1に記載の音響システム。
【請求項4】
前記第1ウェブページは、管理者用の管理者端末から前記第1スピーカー及び前記第2スピーカーに対して操作指示可能であり、
前記管理サーバーは、パブリックスペースを利用する利用者の利用者端末からそのパブリックスペースに配置された第1スピーカーの操作指示入力が可能な第3ウェブページを作成する、請求項1に記載の音響システム。
【請求項5】
前記第3ウェブページが、前記第1スピーカーに対して操作指示が可能な範囲は、前記第1ウェブページが、前記第1スピーカーに対して操作指示が可能な範囲よりも狭い、請求項1に記載の音響システム。
【請求項6】
前記第2スピーカーは複数であり、
前記第2ウェブページは、各第2スピーカーに対応して個別に作成される、請求項1に記載の音響システム。
【請求項7】
前記プライベートスペースは複数あり、少なくとも1のプライベートスペースに複数の第2スピーカーが配置され、
前記第2ウェブページは、プライベートスペースごとに、当該プライベートスペースに配置された複数の第2スピーカーに対して操作指示可能に作成される、請求項1に記載の音響システム。
【請求項8】
前記第2スピーカーは複数であり、
前記第2ウェブページは、各第2スピーカーに対応して、複数作成され、
前記管理サーバーは、各第2スピーカーの前記第2ウェブページのURLに相当する二次元コードを作成し、
前記二次元コードは、対応する第2スピーカーの配置されたプライベートスペースに表示される、請求項1に記載の音響システム。
【請求項9】
前記第1ウェブページでは、各スピーカーに対して再生スケジュールの設定が可能であり、
前記スピーカーは前記再生スケジュールに従って音声を再生する
請求項1に記載の音響システム。
【請求項10】
前記第2スピーカーは複数であり、
前記第2ウェブページは、各第2スピーカーに対応して、複数作成され、
各第2ウェブページへの前記利用者端末のアクセスは、対応する第2スピーカーの配置されているプライベートスペースの利用予約に対応して制限される、請求項1に記載の音響システム。
【請求項11】
前記管理サーバーは、施設のプライベートスペースの利用予約を、利用時間を指定して受け付ける施設予約サーバーから施設予約情報を受信し、
前記利用者端末が第2ウェブページにアクセスしようとしたとき、前記管理サーバーは、前記施設予約情報に応じて、第2ウェブページへのアクセスを許可する、請求項1に記載の音響システム。
【請求項12】
複数の利用者が利用可能なパブリックスペースと、制限された利用者が利用可能な1つ以上のプライベートスペースとを有する施設に配置されたスピーカーを制御するコンピュータープログラムであって、
前記スピーカーは、前記パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカーと、前記プライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカーとを含み、
前記コンピュータープログラムは、管理者端末から前記第1スピーカー及び前記第2スピーカーに対して操作指示が可能な第1ウェブページと、プライベートスペースを利用する利用者の利用者端末からそのプライベートスペースに配置された第2スピーカーの操作指示が可能な第2ウェブページを生成する、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設に複数のスピーカーを配置して用いる音響システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のスピーカーを、ネットワークを介してコンピューターに接続して一元管理するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。近年、オフィスにおいて、複数のスピーカーを配置し、作業効率のアップやリラックス効果を狙って、音楽を流す試みがされている。ここで、音楽とは、たとえば、JPOPやクラシックなどの楽曲や、川の水の流れる音や小鳥のさえずりなど自然音が収録されたものなど様々である。
【0003】
オフィスには、会議室や休憩室、食堂、応接室、個室など、様々な空間が存在する。特に、シェアオフィスでは、多くの人が利用するパブリックスペースと、特定の利用者が利用するプライベートスペースとが共存する。このような複雑な環境においては、多くの人に最適な音響環境を提供することは困難である。人それぞれに好き嫌いや嗜好があり、個人がそれぞれの音響機器を自由に設定できるようにすると、他の人には必ずしも快適な音響環境であるとは言えない。たとえば、一人だけ大音量の音楽を再生する、一人だけ場にそぐわない音楽を流す、といった問題が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-95064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、施設の様々な空間に配置された複数のスピーカーを管理して、最適な音楽環境を提供できる音響システムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の音響システムは、複数の利用者が利用可能なパブリックスペースと、制限された利用者が利用可能な1つ以上のプライベートスペースとを有する施設において用いられる音響システムであって、
前記施設に配置されたスピーカーであって、前記パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカーと、前記プライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカーとを含む、スピーカーと
前記スピーカーに接続され、各スピーカーが前記パブリックスペースに配置されているか、前記プライベートスペースに配置されているかを識別して管理する、管理サーバーと、を備え、
前記管理サーバーは、前記第1スピーカー及び前記第2スピーカーに対して操作指示が可能な第1ウェブページを作成し、かつ、
前記管理サーバーは、前記管理サーバーの外の利用者端末から前記第2スピーカーの操作指示が可能な第2ウェブページを作成する。
【0007】
本開示のコンピュータープログラムは、複数の利用者が利用可能なパブリックスペースと、制限された利用者が利用可能な1つ以上のプライベートスペースとを有する施設に配置されたスピーカーを制御するコンピュータープログラムであって、
前記スピーカーは、前記パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカーと、前記プライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカーとを含み、
前記コンピュータープログラムは、管理者端末から前記第1スピーカー及び前記第2スピーカーに対して操作指示が可能な第1ウェブページと、プライベートスペースを利用する利用者の利用者端末からそのプライベートスペースに配置された第2スピーカーの操作指示が可能な第2ウェブページを生成する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の音響システムは、施設に配置された複数のスピーカーと、前記複数のスピーカーに接続された管理サーバーとを備えており、管理サーバーは、管理者向けに、全てのスピーカーを操作指示できる第1ウェブページと、各プライベートスペース利用者向けに、そのスペースに配置されているスピーカーだけを操作指示可能な第2ウェブページとを提供する。したがって、管理者は施設内全体の調和のとれた音楽環境を提供することができ、各プライベートスペース利用者は、各プライベートスペースを希望の音楽環境とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る音響システム1の概略構成を示す図である。
図2図2は、スピーカー10の概略構成図である。
図3図3(表1)は、第1実施形態に係る各スピーカー10の設置場所、第1及び第2ウェブページ接続用のURLを示す図である。
図4図4は、第1ウェブページの操作指示入力画面51の一例を示す図である。
図5図5は、各スピーカー10の再生タイムスケジュールを示す図である。
図6A図6Aは、施設内で各スピーカー10の配置を示すレイアウト図である。
図6B図6Bは、施設内で各スピーカー10の配置を示すレイアウト図である。図6Bは、図6Aに配置された各スピーカーの属性を符号で示している。
図6C図6Cは、施設内で各スピーカー10の配置を示すレイアウト図である。図6Cは、図6Aに配置された各スピーカーのアイコンの符号を示している。
図7図7は、施設内で各スピーカー10の配置を示すレイアウト表示画面53と再生タイムスケジュールを示すスケジュール表示画面52を並べて表示したものである。
図8図8は、施設内で各スピーカー10の配置を示すレイアウト表示画面53と、スピーカー10の操作指示入力画面51を重ねて表示した図である。
図9図9は、第2ウェブページの操作指示入力画面55の一例を示す図である。
図10図10は、端末22、24から管理サーバー20を経てスピーカー10に制御指令を送って音楽再生を実行するフローを示す図である。
図11図11は、管理サーバー20がスピーカー10に音楽再生を開始させ終了させる制御フローを示す図である。
図12図12は、変形実施形態1Aに係る音響システム1と施設予約サーバー30の概略構成を示す図である。
図13図13(表2)は、第2実施形態に係る各スピーカー10の設置場所、第1、第2及び第3ウェブページ接続用のURLを示す図である。
図14図14(表3)は、第2実施形態に係る各スピーカー10の設置場所、第2及び第3ウェブページ接続用のURL、施設の利用者の第2及び第3ウェブページ利用の制限を示す図である。
図15図15(表4)は、各スピーカー10の設置場所、第1ウェブページ接続用のURL、施設の管理者の第1ウェブページ利用の制限を示す図である。
図16図16は、第1ウェブページの初期設定として、施設内の各スピーカーのアイコンを、レイアウトの設定画面54に配置する方法を説明する図である。
図17図17は、スピーカーの停止時のスピーカーアイコン、スピーカーの再生中のスピーカーアイコン及び音圧アイコンを説明する図である。
図18図18は、スピーカーアイコンに付随する音圧アイコンの、音量レベルによる変化を示す図である。
図19図19は、第3実施形態の第1ウェブページにおける、操作指示入力を説明する図である。
図20図20は、第1ウェブページにおいて、レイアウト表示画面53bとスケジュール表示画面52を並べて表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1実施形態
(1)第1実施形態の音響システム1の構成
本実施形態の音響システム1は、図1に示すように、施設に配置された複数のスピーカー10と、管理サーバー20と、管理者端末22と、を備えている。ここで施設とは、オフィス、工場、役場、公共施設、百貨店などの商業施設、スタジアム、コンサートホール、ホテルなど、様々である。
【0011】
本実施形態における施設は、パブリックスペースと、プライベートスペースとを備えている。パブリックスペースは、原則として、その施設の利用者すべてが利用可能な空間である。たとえば、受付、カフェコーナー、ラウンジコーナーなどである。プライベートスペースは、施設の利用者の内で制限された利用者のみが利用できる空間である。たとえば、会議室、応接室、1人又は複数の利用者が単独で利用する個室などである。プライベートスペースは、そのスペースの利用者が、特定の時間に予約して利用する空間であってもよい。
【0012】
スピーカー10は、ネットワークを介して、管理サーバー20に接続されている。スピーカー10は、IPスピーカーである。スピーカー10は、通信部11と、記憶部12と、再生部13と、制御部14を備えている。通信部11は、ネットワークに接続され、ネットワークと通信し、管理サーバー20からコマンドを受信する。記憶部12には、楽曲が1以上記憶されている。楽曲とは、たとえば、JPOPやクラシックなどの楽曲や、川の水の流れる音や小鳥のさえずりなど自然音が収録されたものなどを含む。再生部13は、音楽を増幅して、再生する。制御部14は、通信部11が受信したコマンドに従い、記憶部12に保存された楽曲を選択し、再生部13に、コマンドに指定された音量に増幅して再生させる。本実施形態においては、楽曲は、スピーカー10の記憶部12に保存されているが、別の場所に保存されていてもよい。例えば、管理サーバー20から提供されてもよい。
【0013】
スピーカー10は、パブリックスペースに配置されるもの(第1スピーカー10aと呼ぶことがある)と、プライベートスペースに配置されるもの(第2スピーカー10bと呼ぶことがある。)を含む。
【0014】
スピーカー10は、特定の方向に音を出す指向性スピーカー10Aであってもよいし、水平面内の複数の多くの方向に音を出す無指向性スピーカー10Bであってもよい。指向性スピーカー10Aとしては、壁掛け型スピーカーや卓上型スピーカー、床置き型のスピーカーなどがある。無指向性スピーカー10Bとしては、天井埋め込み型スピーカー、卓上型スピーカー、床置き型のスピーカーなどがある。
【0015】
IPスピーカーは、ネットワークN上で自己を固有に識別する識別子(例えば、IPアドレス)が割り当てられている。スピーカー10は、IPスピーカーでなくても、通信機を介して、ネットワークに接続されていてもよい。IPスピーカーは、音声通話時、IP通話用のプロトコルに準拠して音声データや映像データの送受信を行う。IP通話用のプロトコルの一例は、IETF(Internet Engineering Task Force:インターネット技術タスクフォース)により標準化されRFC3261にて規定されているSIP(Session Initiation Protocol)である。
【0016】
スピーカー10と管理サーバー20とは、LAN(Local Area Network)上に構成され、相互接続される。管理者端末22と、利用者端末24とはLAN上で管理サーバー20に接続される。ネットワークは、複数のLANと、これらを相互接続するインターネット等のWAN(Wide Area Network)を介して構成されてもよい。スピーカー10は、LANを構成するルーターにイーサネットケーブルで接続され、イーサネットケーブルを介して音声データを送信するとともに、イーサネットケーブルを介してPoE(Power over Ethernet)給電されてもよい。なお、本実施形態で用いられるネットワークは、全てが、LAN、WANなどで構成されていなくてもよい。たとえば、利用者の端末24は、公衆回線から、管理サーバー20の属するLANに接続できるように構成してもよい。
【0017】
管理サーバー20は、ネットワークを介して、施設内の複数のスピーカー10に接続されている。管理サーバー20は、各スピーカー10がパブリックスペースに配置されているか、プライベートスペースに配置されているかを識別して管理している。管理サーバー20は、コンピューターであり、プロセッサと、記憶部とを備えている。記憶部には、スピーカー10を制御するプログラムが保存されている。プロセッサは、記憶部に保存されたプログラムを読み込んで実行することにより、各スピーカー10に、再生する楽曲を指定するコマンドや、楽曲を再生する音量を指定するコマンドを送信する。
【0018】
(2)音響システム1のスピーカー制御方法
音響システム1のスピーカー制御方法について説明する。
【0019】
管理サーバー20は、施設内でネットワーク内に接続されたスピーカー10の設置場所を把握している。管理サーバー20が記憶部に保存しているスピーカー情報テーブルの一例を図3(表1)に示す。図3(表1)では、一列目に各スピーカーの名前(又は番号)が記載され、2列目に、各スピーカーの設置場所が示されている。3列目は、その設置場所がパブリックスペースか、プライベートスペースかを示している。つまり、管理サーバー20は、各スピーカー10がパブリックスペースに配置されているか、プライベートスペースに配置されているかを識別して管理している。
【0020】
管理サーバー20は、表1のようなスピーカー情報テーブルとともに、スピーカー制御プログラムを記憶部に保存している。スピーカー制御プログラムは、スピーカー10の利用操作入力用の2種類のウェブページを備えている。ウェブページは、HTML(HyperText Markedup Language)を使って記述されている。第1ウェブページは、音響システム1の管理者がスピーカー10の操作指示が可能なウェブページである。第1ウェブページにおいては、全てのスピーカー10の操作指示が可能である。第1ウェブページのURL(Uniform Resource Locator)アドレスのホスト名、パス名の部分(以下、URLアドレスと略す。)は、例えば、表1に示すように、xxx.jp/adminである。第2ウェブページは、プライベートスペースを利用する利用者の端末24からそのプライベートスペースに配置された第2スピーカー10bの操作指示が可能なウェブページである。第2ウェブページは、原則として、スピーカー10毎に作成される。本実施形態においては、第2ウェブページは、第2スピーカー10bごとに作成され、第2ウェブページの数は、第2スピーカー10bの数と同じである。表1において、スピーカー03に対する、第2ウェブページのURLアドレスは、xxx.jp/spk03であり、スピーカー04に対する、第2ウェブページのURLアドレスは、xxx.jp/spk04である。
【0021】
(2-1)管理者による第1ウェブページへの操作指示入力
管理者は、管理者端末22において、ブラウザを利用して、管理サーバー20に保存されたスピーカー制御プログラムを立ち上げて、第1ウェブページに、アクセスする。第1ウェブページに、操作指示入力することによって、施設の全てのスピーカー10へのコマンドを作成することができる。
【0022】
第1ウェブページの操作指示入力画面51の例を図4に示す。図4の入力画面51の1行目では、施設の全てのスピーカー10の中から、操作指令(コマンド)を入力するスピーカー10を選択することができる。図4では、パブリックスペースに配置されている第1スピーカー10aである「カフェコーナー1」が選択されている。
【0023】
第1ウェブページの操作指示入力画面51では、1行目で選択したスピーカー10について、2行目以下で操作指示可能な項目が表示される。操作指示可能な項目とは、ここでは、音源(2行目)と音量(3行目)と再生の期間(4~5行目)である。音源とは、各スピーカーにおいて、どのような楽曲を再生するかという事である。音源は、2行目にポップアップされ表示される楽曲のリストから選択する。楽曲とは、たとえば、JPOPやクラシックなどの楽曲や、川の水の流れる音や小鳥のさえずりなど自然音が収録されたものなどを含む。図4では、「JPOP楽曲1」が選択されている。音量は、例えば、レベル1~レベル10となるにしたがって、音量が次第に大きくなるように設定される。操作指示入力画面51において、管理者の選択によって、音量を選択できる。図4では、「レベル3」が選択されている。
【0024】
スピーカー10の再生期間は、図4の画面51においては、4~5行目において設定できる。画面51では、3/11日に、9:00~10:00の間、「カフェコーナー1」のスピーカー10を再生する設定を行ったことを示している。
【0025】
また、第1ウェブページは、図5に示すように、各スピーカー10について、どのような設定を行ったか、あるいは設定中の状況を示すタイムテーブルを表示する画面52を有していてもよい。
【0026】
図4の画面51において、スピーカー10の再生条件の入力が終わると、6行目の「OK」をクリックして、入力を終了する。「OK」をクリックすることによって、スピーカー「カフェコーナー1」に対する操作指示(コマンド)が実行されるように設計されていてもよい。最初から入力し直す場合には、「キャンセル」である。
【0027】
以上のように、操作指示入力画面51において、スピーカー「カフェコーナー1」の操作指示入力が終了すると、次に別のスピーカー10を選択して、操作指示入力(コマンド作成)を行う。すべての操作指示入力を行うスピーカーについて入力を終えると、管理者は入力を終了してもよい。
【0028】
スピーカー制御プログラム、又は第1ウェブページは、さらに、施設内でのスピーカー10の配置を示す地図(レイアウト表示画面53)を有していてもよい。図6A、6Bは、レイアウト表示画面53の一例である。図6Aは第1ウェブページにおける表示画面であり、図6Bは、施設に配置されたスピーカー10の符号を示している。図6Bの表示画面53において、スピーカー10を、パブリックスペースに配置された指向性スピーカー10Aa、パブリックスペースに配置された無指向性スピーカー10Ba、プライベートスペースに配置された指向性スピーカー10Abに区別して表示している。図6A、6Bの表示画面53では、表示されていないが、プライベートスペースに配置された無指向性スピーカー10Bbを含んでいてもよい。
【0029】
第1ウェブページにアクセスすると、図6Aのようなスピーカー10のレイアウト表示画面53が端末24の表示画面に表示されてもよい。そして、表示画面53の中から、特定のスピーカー10Aa、10Ba、10Ab、10Bbをクリックすることにより、図4に示すような設定画面が表示されるように構成されていてもよい。図6Aでは、選択した「カフェ―コーナー1」のスピーカー11bに、選択されたことを示すマークが表示されている。
【0030】
また、図6Aのようなスピーカー10のレイアウト表示画面53とともに、図4に示すような各スピーカーの再生予定スケジュールを同時に表示してもよい(図7)。
【0031】
また、図6Aに示す配置地図の特定のスピーカー10を選択することにより、選択したスピーカー11bの設定画面が前面に重畳して表示されてもよい(図8)。
【0032】
(2-2)プライベートスペース利用者による第2ウェブページへの操作指示入力
次に、プライベートスペース利用者による第2ウェブページへの入力方法について説明する。
【0033】
事前準備として、管理サーバーは、スピーカー情報テーブル、及びスピーカー制御プログラムを利用して、各スピーカー10の2次元バーコードを発行する。2次元バーコードは、プライベートスペース毎に発行されてもよい。2次元バーコードは、たとえば、QRコード(登録商標)である。各2次元バーコードは、紙に印刷され、プライベートスペースに据え置かれる。あるいは、2次元バーコードは、プライベートスペースのデジタルサイネージに表示される。プライベートスペースを利用する利用者は、利用者の端末を利用して、2次元バーコードを読み取り、プライベートスペースに設置されたスピーカー10に対応する第2ウェブページにアクセスする。
【0034】
管理サーバー20は、別途、プライベートスペースの利用予約を管理してもよい。この場合は、管理サーバー20は、第2ウェブページにアクセスしようとした端末のIDをチェックし、利用者の所持する端末、又は利用者に関連する端末と判断した場合には、利用者の端末の第2ウェブページへのアクセスを許可する。
【0035】
第2ウェブページの操作指示入力画面55の例を図9に示す。操作指示入力画面の1行目は、操作対象のスピーカー10を示している。管理者用の操作指示入力画面51(図4参照)が、プライベートスペース利用者用の操作指示入力画面55(図9)と異なる点は、前者が操作指示入力対称のスピーカー10を選択して入力できるのに対し、後者があらかじめ特定されているスピーカー10に対して入力する点である。2行目以下の操作指示可能な項目は、両者共通である。第2ウェブページの操作指示入力画面の操作指示可能な項目は、第1ウェブページと同様に、音源(2行目)と音量(3行目)と再生の期間(4~5行目)である。再生の期間については、管理サーバー20は、プライベートスペースの利用予約をチェックして、プライベートスペース利用者の部屋の利用期間のみに、スピーカー利用期間を限定してもよい。なお、第2ウェブページの操作指示入力画面の操作指示可能な項目は、第1ウェブページの操作指示入力画面の操作指示可能な項目よりも制限されていてもよい。例えば、第1ウェブページの操作指示入力画面からは1~5段階の音量レベルが操作指示可能であるのに対し、第2ウェブページの操作指示入力画面からは1~3段階の音量レベルが操作指示可能に構成されてもよい。例えば、第1ウェブページの操作指示入力画面からはX個の音源から所望の音源を選択する操作指示可能であるのに対し、第2ウェブページの操作指示入力画面からはY個(Y<X)から所望の音源を選択する操作指示可能に構成されてもよい。
【0036】
(2-3)各スピーカー10における音楽再生の実行
次に、本実施形態の音響システム1を用いた音楽再生の流れの概要を図10図11を用いて説明する。
【0037】
管理者端末22、利用者の端末24は、ブラウザを利用して、管理サーバーに保存されたスピーカー制御プログラムを立ち上げ、第1ウェブページ又は第2ウェブページにアクセスする。管理者又はプライベートスペースの利用者は、第1又は第2ウェブページの表示画面を見ながら操作指示を入力する。管理者端末22、又は利用者の端末24は、GUI(Graphical User Interface)操作入力を受け付ける。操作指示内容は、図10に示すように、管理サーバー20に送信され、管理サーバー20は、操作指示内容を受信する。管理サーバー20は、受信内容に基づいて、スピーカー10に対するコマンドを作成する。管理サーバー20はスピーカー10にコマンドを送信する。スピーカー10の通信部11は、コマンドを受信する。スピーカー10は、受信したコマンドに基づいて、音楽再生の設定変更、再生制御を行う。
【0038】
また、再生予約時間(期間)を考慮した管理サーバー20によるスピーカー10の制御フローを、図11に示す。管理サーバー20は、第1ウェブページ又は第2ウェブページに入力された再生開始時間になると、スピーカー10に音楽再生のコマンドを送信する。スピーカー10は、コマンドを受信すると、音楽再生を開始する。管理サーバー20は、第1ウェブページ又は第2ウェブページに入力された再生終了時間になると、スピーカー10に音楽再生終了のコマンドを送信する。スピーカー10は、コマンドを受信すると、音楽再生を終了する。
【0039】
(3)変形実施形態1A
第1実施形態においては、管理サーバー20は、施設のプライベートスペースの予約を管理していた。変形実施形態1Aにおいては、図12に示すように、管理サーバー20は、ネットワークを介して、施設予約サーバー30に接続されている。施設予約サーバー30は、施設のプライベートスペースの予約を管理する。変形実施形態1Aのその他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0040】
プライベートスペースを利用する利用者の端末から、管理サーバー20の第2ウェブページにアクセスがあったとき、管理サーバー20は、その第2ウェブページに対応するプライベートスペースの予約状況を施設予約サーバー30に確認する。施設予約サーバー30は、そのプライベートスペースの予約状況を記録した施設予約情報を記憶部に記憶している。施設予約サーバー30は、管理サーバー20から問い合わせがあると、そのプライベートスペースの施設予約情報を管理サーバー20に送信する。施設予約情報を受け取った管理サーバー20は、第2ウェブページにアクセスしようとした利用者端末24が、施設予約者の端末24又は施設予約者に関連する端末24であるときは、端末24の第2ウェブページへのアクセスを許可し、施設予約者の端末24又は施設予約者に関連する端末24でないときは、端末24の第2ウェブページへのアクセスを許可しない。
【0041】
さらに、第2ウェブページにアクセスを許可した利用者端末24が、スピーカー利用の設定をする際に、管理サーバー20は、利用時間(期間)の設定を、プライベートスペースの施設予約情報の予約時間の範囲内のみに制限してもよい。
【0042】
(4)変形実施形態1B
第1実施形態では、各プライベートスペースに1台のスピーカー1bが配置されている。変形実施形態1Bにおいては、1以上のプライベートスペースに、それぞれ2台以上のスピーカー1bが配置されている。この場合には、複数のスピーカー1bが配置されたプライベートルームに対応する第2ウェブページは、プライベートスペースごとに生成され、第2ウェブページごとに対応するプライベートスペース内の複数台のスピーカー1bの操作指示が可能に構成されていてもよい。同一のプライベートスペースに配置された複数台のスピーカー1bにそれぞれ第2ウェブページを生成するように、構成してもよい。
【0043】
2.第2実施形態
第1実施形態の音響システム1においては、管理者以外の施設利用者は、パブリックスペースに配置された第1スピーカー10aのウェブページを用いた操作指令ができなかった。第2実施形態においては、管理者以外の施設利用者も、パブリックスペースに配置された第1スピーカー10aのウェブページを用いた操作指令が可能である。このウェブページを第3ウェブページと呼ぶことにする。ただし、第3ウェブページにおいて、管理者以外の施設利用者の第1スピーカー10aの操作指示可能な項目の設定範囲は、第1ウェブページにおいて、管理者の第1スピーカー10aの操作指示可能な項目の設定範囲に比べて制限されている。
【0044】
第2実施形態におけるスピーカー情報テーブルを図13(表2)に示す。図13(表2)では、一列目に各スピーカーの名前(又は番号)が記載され、2列目に、各スピーカーの設置場所が示されている。3列目は、その設置場所がパブリックスペースか、プライベートスペースかを示している。つまり、本実施形態においても、管理サーバー20は、各スピーカー10がパブリックスペースに配置されているか、プライベートスペースに配置されているかを識別して管理している。
【0045】
第1実施形態と同様に、本実施形態においても、管理サーバー20は、表2のようなスピーカー情報テーブルとともに、スピーカー制御プログラムを記憶部に保存している。スピーカー制御プログラムは、スピーカー10の利用操作入力用の3種類のウェブページを備えている。ウェブページは、HTMLを使って記述されている。
【0046】
第1ウェブページは、第1実施形態とまったく同様であり、音響システム1の管理者がスピーカー10の操作指示が可能なウェブページである。第1ウェブページにおいては、全てのスピーカー10の操作指示が可能である。第1ウェブページのURLアドレスは、例えば、表1に示すように、xxx.jp/adminである。
【0047】
第2ウェブページは、本実施形態においても第1実施形態と同様に、プライベートスペースを利用する利用者の端末24から、第2スピーカー10bに対しての操作指示が可能なウェブページである。第2ウェブページは、原則として、第2スピーカー10b毎に作成される。第2ウェブページの数は、第2スピーカー10bの数と同じである。表2において、スピーカー03に対する、第2ウェブページのURLアドレスは、xxx.jp/spk03であり、スピーカー04に対する、第2ウェブページのURLアドレスは、xxx.jp/spk04である。
【0048】
第3ウェブページは、パブリックスペースを利用する利用者の端末24から、第1スピーカー10aに対しての操作指示が可能なウェブページである。第3ウェブページは、原則として、第1スピーカー10a毎に作成される。第3ウェブページの数は、第1スピーカー10aの数と同じである。表2において、スピーカー01に対する、第3ウェブページのURLアドレスは、xxx.jp/spk01であり、スピーカー02に対する、第3ウェブページのURLアドレスは、xxx.jp/spk02である。
【0049】
管理者による第1ウェブページへの操作指示入力、及びプライベートスペースの利用者による第2ウェブページへの操作指示入力は、第1実施形態とまったく同じであるので、説明を省略する。
【0050】
ここでは、施設の利用者による、パブリックスペースに配置された第1スピーカー10aの第3ウェブページへの操作指示入力について説明する。
【0051】
パブリックスペースの利用者は、パブリックスペースにおいて、利用したい第1スピーカー10aの2次元バーコードを探す。2次元バーコードが見つかれば、それを読み込むことにより、管理サーバー20に存在する各第1スピーカー10aの第3ウェブページにアクセスして、図9に示すような画面55において、その第1スピーカー10aの操作指示の入力が可能になる。
【0052】
ただし、この場合に、図14、15に例示するように、第3ウェブページにおける第1スピーカー10aの操作指示の設定は、第1ウェブページにおける設定に比べて制限されている。図14(表3)は、第2ウェブページについて、各利用者の操作指示の設定の入力制限を示すものである。図15(表4)は、管理者用の第1ウェブページの操作指示の設定の入力制限を示すものである。表3、表4の比較から明らかなように、表3の第3ウェブページでは、パブリックスペースに配置された、「スピーカー01」、「スピーカー02」において、音源選択が禁止され、音量設定がレベル1~5までに制限されている。一方、表4の第1ウェブページでは、「スピーカー01」~「スピーカー04」について、音源選択が許可され、音量設定がレベル1~10と広いレンジが許容されている。
【0053】
なお、表3、表4では、第3ウェブページにおける利用者の第1スピーカー10aの操作指示入力において、第1ウェブページにおける管理者の第1スピーカー10aの操作指示入力に比べて、音源選択、及び、音量設定の両方において、より大きな制約を受けている。音源選択、及び、音量設定のどちらか一方において、より大きな制約を受けるように、構成されていてもよい。
【0054】
その他の第2実施形態の構成は、第1実施形態と同じである。変形実施形態1Aと同様に、第2実施形態の音響システム1に施設予約サーバー30を組み合わせて用いることも可能である。また、変形実施形態1Bと同様に、同一のプライベートスペースに配置された複数台のスピーカー1bに共通の第2ウェブページを生成するように、構成してもよい。
【0055】
3.第1実施形態及び第2実施形態の特徴
音響システム1は、施設に配置された複数のスピーカー10を制御する音響システムである。施設は、複数の利用者が利用可能なパブリックスペースと、制限された利用者が利用可能な1つ以上のプライベートスペースとを有する。音響システム1は、複数のスピーカー10と、管理サーバー20とを備える。管理サーバー20と、各スピーカー10は、ネットワークを介して接続されている。スピーカー10は、パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカー10aと、プライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカー10bとを含む。管理サーバー20は、スピーカー制御プログラムを実行して、スピーカー10の音楽再生を制御する。
【0056】
スピーカー制御プログラムは、管理者入力用の第1ウェブページと、プライベートスペースの利用者用の第2ウェブページとを備えている。第1ウェブページは、第1スピーカー10a及び第2スピーカーの操作指示入力が可能である。第2ウェブページでは、特定の第2スピーカーの操作指示入力が可能である。操作指示入力項目は、音源選択と、音量設定と、再生期間を含む。
【0057】
管理者は、管理者端末22を用いて、第1ウェブページに接続することができる。管理者端末22は、ネットワークを介して管理サーバー20に接続されている。
【0058】
利用者端末24は、ネットワークを介して管理サーバー20に接続可能に構成されている。プライベートルーム利用者は、利用者端末24を用いて、プライベートルームに備えられた2次元バーコードを読み取り、そのプライベートルームに配置された第2スピーカー10bの第2ウェブページに接続可能になるように構成してもよい。
【0059】
また、利用者端末24から、第2ウェブページへのアクセス権限は、その利用者端末24に関連する利用者が、プライベートスペースの利用予約をしているか否かで制限してもよい。
【0060】
さらに、パブリックスペースの利用者が、パブリックスペースの第1スピーカー10aの第2ウェブページに、操作指示入力が可能であってもよい。この場合は、管理者が第1ウェブページにおいて、入力する場合に比べて、操作指示項目の入力範囲が制限されていてもよい。
【0061】
以上説明したように、音響システム1は、管理者用に第1ウェブページを提供し、利用者用に第2又は第3ウェブページを提供するので、管理者は施設内全体の調和のとれた音楽環境を提供することができ、各プライベートスペース利用者は、各プライベートスペースを希望の音楽環境とすることができる。
【0062】
4.第3実施形態
第3実施形態は、第1実施形態と比べて、第1ウェブページが操作指示の入力を行うGUIの詳細を有している点のみが異なり、その他は第1実施形態と同じである。
【0063】
(1)第1ウェブページへの基本的な入力操作
管理者が、管理者端末22上で、第1ウェブページのURLを選択すると、図6Aに示すレイアウト表示画面53が表示される。レイアウト表示画面53には、指向性スピーカー10Aのアイコン、無指向性スピーカー10Bのアイコンがパブリックスペース又はプライベートスペースに配置されている。レイアウト表示画面53においては、プライベートスペースは、会議室1~3、応接室1、2であり、その他のスペースは、パブリックスペースである。レイアウト表示画面53において、パブリックスペースには、ラウンジ、カフェコーナー、待ち合わせコーナー、受付、エントランスを含む。
【0064】
図6A、6B、6Cのレイアウト画面には、2種類のスピーカーアイコンが表示されている。図6Cに示すように、一つは、指向性スピーカーアイコンI1であり、もう一つは、無指向性スピーカーアイコンI2である。指向性スピーカーアイコンI1は、その向きで、再生する音の指向性を示していてもよい。
【0065】
図16に、施設の地図上へのスピーカーアイコンを配置する設定画面54を示す。第1ウェブページの初期設定として、指向性スピーカーアイコンI1、及び、無指向性スピーカーアイコンI2を、施設の地図上へドロップアンドドロップで配置することにより、レイアウト表示画面53の初期設定を行うことができる。
【0066】
また、スピーカーアイコンI1、I2は、停止時と音楽再生時で異なる態様で表示されてもよい。図17に示すように、指向性スピーカーアイコンI1は、停止時には、指向性スピーカーアイコンI1単独で表示される。再生中には、スピーカーアイコンI1の周囲に音圧アイコンI11とともに表示される。音圧アイコンI11の表示される位置は、指向性スピーカー10Aの音声の再生する方向(指向性の方向)である。同様に、無指向性スピーカーアイコンI2は、停止時には、無指向性スピーカーアイコンI2単独で表示される。再生中には、スピーカーアイコンI2の周囲に音圧アイコンI21とともに表示される。音圧アイコンI21の表示される位置は、無指向性スピーカー10Bの全周である。
【0067】
音圧アイコンI11、I21は、図18に示すように、音圧アイコンの大きさを変えることによって、その音量の大きさを示す。指向性スピーカー10Aの音圧アイコンI11は、音量が大きくなる(レベルが大きくなる)に従い、その指向性の方向に長さが長く、広がりが大きくなる。無指向性スピーカー10Bの音圧アイコンI21は、音量が大きくなる(レベルが大きくなる)に従い、円が大きくなる。
【0068】
再び、第1ウェブページによる操作指示の入力操作に戻る。
【0069】
管理者が第1ウェブページのレイアウト表示画面53において、スピーカーアイコンをクリックすると、図19に示すように、設定画面51aがポップアップされる。設定画面51aは、図19のようにレイアウト表示画面53と重複して表示されてもよいし、レイアウト画面の上、下、左、又は右に並べて表示してもよい。
【0070】
図19の設定画面51aでは、1行目にスピーカー名が表示される。図19では、カフェコーナー1である。2行目~5行目は、操作指示可能な項目(設定項目)を示している。操作指示可能な項目とは、ここでは、音源(2行目)と音量(3行目)と再生の期間(4~5行目)である。音源とは、各スピーカーにおいて、どのようなどのような楽曲を再生するかという事である。音源は、2行目にポップアップされ表示される楽曲のリストから選択する。楽曲とは、たとえば、JPOPやクラシックなどの楽曲や、川の水の流れる音や小鳥のさえずりなど自然音が収録されたものなどを含む。設定画面51aでは、「JPOP楽曲1」が選択されている。音量は、レベル1~レベル10となるにしたがって、音量が次第に大きくなるように設定される。操作指示入力画面51において、管理者の選択によって、音量を選択できる。設定画面51aでは、「レベル3」である。音量の設定に従って、レイアウト表示画面53に、音圧アイコンI11を表示してもよい。
【0071】
スピーカー10の再生期間は、設定画面51aにおいては、4~5行目において設定できる。設定画面51aでは、3/11日に、9:00~10:00の間、「カフェコーナー1」のスピーカー10を再生する設定を行ったことを示している。
【0072】
また、第1ウェブページは、各スピーカー10について、どのような設定を行ったか、あるいは設定中の状況を示すタイムテーブルを表示するスケジュール表示画面52を有していてもよい。図20に示すように、スケジュール表示画面52は、レイアウト画面51bと並べて表示してもよい。
【0073】
図19の画面51aにおいて、スピーカー10の再生条件の入力が終わると、6行目の「OK」をクリックして、入力を終了する。ポップアップされていた設定画面51aが閉じられる。「OK」をクリックすることによって、スピーカー「カフェコーナー1」に対する操作指示入力が実行されるように設計されていてもよい。最初から入力し直す場合には、「キャンセル」である。このようにして、1のスピーカー10に対する操作指示入力が終了する。そして、次々に各スピーカーに対する操作指示入力をくりかえすことによって、対象となる全てのスピーカー10に対する操作指示入力を終了する。
て表示してもよい。
【0074】
(2)第1ウェブページのGUIの詳細
本実施形態においては、図20に示すように、レイアウト表示画面53b上に、スピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12が表示される。音量に相当する音圧アイコンI11、I12の形状(大きさ)は、現在あるいは将来のある時点での設定された音量を示してもよい。スピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12は、同一のカラー、又は異なるカラーで表示されてもよい。カラーは、赤色、青色、黄色、オレンジ色、緑色、紫色などである。同じ色でも濃い色と薄い色とで塗分けてもよい。カラーは、グラデーション又は模様を使って表示されていてもよい。通常、無指向性スピーカー10AのスピーカーアイコンI1と、一緒に用いられる音圧アイコンI11とは、同じカラーで表示される。また、指向性スピーカー10BのスピーカーアイコンI2と、一緒に用いられる音圧アイコンI21とは、同じカラーで表示される。
【0075】
管理者が第1ウェブページを用いてスピーカー10の操作指示項目を設定する際、カラーの項目を設けて、各スピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12のカラーを設定できるようにしてもよい。
【0076】
また、別の形態では、各スピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12は、各スピーカー10の属性に応じて、異なるカラーで表示されるようにしてもよい。より具体的には、各スピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12は、各スピーカー10が、指向性スピーカーであるか、無指向性スピーカーであるかによって、異なるカラーで表示されるようにしてもよい。また、各スピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12は、各スピーカー10が、第1スピーカー(パブリックスペースに配置されるスピーカー)であるか、第2スピーカー(プライベートスペースに配置されるスピーカー)であるかによって、異なるカラーで表示されるようにしてもよい。また、これらを組み合わせて、各スピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12は、各スピーカー10が、指向性スピーカーで第1スピーカーであるか、指向性スピーカーで第2スピーカーあるか、無指向性スピーカーで第1スピーカーであるか、指向性スピーカーで第2スピーカーであるか、によって、異なるカラーで表示されるようにしてもよい。
【0077】
また、別の態様では、スピーカー10の再生中の音源に応じて、異なる音源を再生しているスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12を、異なるカラーで表示してもよい。
【0078】
また、別の態様では、スピーカー10の再生中の音源のジャンルに応じて、異なるジャンルを再生しているスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12を、異なるカラーで表示してもよい。
【0079】
また、別の態様では、スピーカー10が管理者による初期設定の音源又は/及び音量で再生中であるか、施設利用者によって変更がされた音源又は/及び音量で再生中であるかによって、スピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12を、異なるカラーで表示してもよい。
【0080】
このようなレイアウト表示画面53bのGUI表示は、操作指示入力の表示画面である。GUI表示されたレイアウト表示画面53を、施設に配置されたスピーカー10の音楽再生状況を示すものとして用いてもよい。
【0081】
レイアウト表示画面53bのGUI表示を、管理者用の第1ウェブページの表示画面のみならず、施設利用者用の第2、第3ウェブページにおいて、表示してもよい。
【0082】
さらに、施設内のパブリックスペース、たとえば、受付付近にデジタルサイネージを配置して、レイアウト表示画面53bのGUI表示を行ってもよい。施設利用者は、施設内の音楽再生状況をデジタルサイネージにより知ることができ、自分の嗜好にあったパブリックスペースを選んで利用することができる。
【0083】
また、以上は、スピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12のカラー表示について説明した。上記設定は、図20のスケジュール表示画面52にも適用できる。スケジュール表示画面52において、「ヒーリング1」、「ヒーリング2」などの楽曲の表示を、スピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12のカラーの表示とリンクさせることが考えられる。たとえば、楽曲の表示を、スピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I12のカラーの表示とともに、楽曲に応じて、カラーを変更することが考えられる。あるいは、その楽曲のジャンルに応じてカラーを変更することが考えられる。あるいは、管理者の設定に応じて、楽曲の表示のカラーを変更することが考えられる。
【0084】
5.第3実施形態の特徴
音響システム1は、施設に配置された複数のスピーカー10を制御する音響システムである。施設は、複数の利用者が利用可能なパブリックスペースと、制限された利用者が利用可能な1つ以上のプライベートスペースとを有する。音響システム1は、複数のスピーカー10と、管理サーバー20とを備える。管理サーバー20と、各スピーカー10は、ネットワークを介して接続されている。スピーカー10は、パブリックスペースに配置された1台以上の第1スピーカー10aと、プライベートスペースに配置された1台以上の第2スピーカー10bとを含む。管理サーバー20は、スピーカー制御プログラムを実行して、スピーカー10の音楽再生を制御する。
【0085】
管理サーバー20は、施設レイアウトに対応するレイアウト画像に重畳して各スピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2を表示する表示画面53を作成する。表示画面53、53bには、スピーカー10が音源再生中の時には、スピーカーアイコンI1、I2の周囲に音圧アイコンI11、I21が表示される。スピーカー10が音源再生を停止したときは、音圧アイコンI11、I21は表示されない。
【0086】
表示画面53において、スピーカーアイコンI1、I2、及び/又は音圧アイコンI11、I21は、1以上の条件に応じて異なる態様で表示される、音圧アイコンI11、I21は、スピーカー10が再生中の音量に応じた大きさで表示される。スピーカーアイコンI1、I2、及び/又は音圧アイコンI11、I21は、スピーカー10が、指向性スピーカーであるか、無指向性スピーカーであるかによって、異なる形で表示される。
【0087】
一つのスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I21は、共通の色で表記されているのが好ましい。また、一つのスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I21は、再生中の音源に応じて異なる色で表示されてもよい。また、一つのスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I21は、再生中の音源のジャンルに応じて異なる色で表示されてもよい。また、別の態様では、一つのスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I21は、そのスピーカー10が、第1スピーカーであるか、第2スピーカーであるかによって、異なる色で表示されてもよい。また、別の態様では、一つのスピーカー10のスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I21は、そのスピーカー10の再生中の音源が管理者端末22による設定か、又は利用者端末24による設定に応じて、異なる色で表示されてもよい。
【0088】
本実施形態の表示画面53、53bは、施設のレイアウト画面にスピーカーアイコンI1、I2、及び音圧アイコンI11、I21が重畳して配置されているので、音源の再生状況が一目で確認できる。特に音圧アイコンI11、I21の有無によって、音源の再生ありなしを簡単に知ることができる。したがって、管理者のスピーカーの再生設定作業が容易になる。また、施設の利用者が表示画面53を見て、音源の再生状況を容易に知ることができる。
【0089】
本実施形態の表示画面53、53bは、音圧アイコンの大きさが音量の大きさに対応しているので、各スピーカーの再生音量を容易に把握することができる。
【0090】
本実施形態の表示画面53、53bは、さらに、アイコンのカラー表示を行う事によって、音源や、スピーカーの属性、設定者などを区別して表示することができる。これらの設定を、表示画面によって容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 音響システム
10 スピーカー
10a 第1スピーカー(パブリックスペースに配置されたスピーカー)
10b 第2スピーカー(プライベートスペースに配置されたスピーカー)
10A 指向性スピーカー
10B 無指向性スピーカー
11 スピーカーの通信部
12 スピーカーの記憶部
13 スピーカーの再生部
20 管理サーバー
30 施設予約サーバー
51、51a (第1ウェブページの)操作指示入力画面
52 スケジュール表示画面
53、53b レイアウト画面
54 施設レイアウト画像にスピーカーを配置する設定画面
55 (第2ウェブページの)操作指示入力画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20