(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146533
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】制御システム、気流発生装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20241004BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20241004BHJP
F24F 13/26 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F11/74
F24F13/26
F24F7/007 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059500
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇人
(72)【発明者】
【氏名】薮ノ内 伸晃
(72)【発明者】
【氏名】井藤 好克
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BG02
3L056BG05
3L260AB20
3L260BA02
3L260BA74
(57)【要約】
【課題】人が快適に感じやすい空気を下方に送る。
【解決手段】制御システム1は、空調装置3と、送風装置4と、気流発生装置5と、制御装置2と、を備える。空調装置3は、施設100の所定空間200に面する造営材に設置される。空調装置3は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。送風装置4は、所定空間200に配置される。送風装置4は、ファンを有し、下方に向かう第1気流を発生させる。気流発生装置5は、所定空間200に配置される。気流発生装置5は、第2気流を発生させる。制御装置2は、空調装置3と送風装置4と気流発生装置5とを制御する。制御装置2は、送風装置4が稼働している場合に、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気が第2気流によって第1気流に合流するように空調装置3及び気流発生装置5を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の所定空間に面する造営材に設置され、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う空調装置と、
前記所定空間に配置され、ファンを有し、下方に向かう第1気流を発生させる送風装置と、
前記所定空間に配置され、第2気流を発生させる気流発生装置と、
前記空調装置と前記送風装置と前記気流発生装置とを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記送風装置が稼働している場合に、前記空調装置から吹き出される冷気又は暖気が前記第2気流によって前記第1気流に合流するように前記空調装置及び前記気流発生装置を制御する、
制御システム。
【請求項2】
前記空調装置及び前記気流発生装置は、前記所定空間に面する天井面の近傍空間に配置され、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1気流の風量に基づいて、前記第2気流の風量を制御する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記気流発生装置を複数備え、
前記制御装置は、前記第1気流の風量に基づいて、前記複数の気流発生装置のうちから稼働させる気流発生装置の数を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記空調装置及び前記気流発生装置を複数備え、
前記制御装置は、前記第1気流の風量と前記複数の空調装置の稼働状況とに基づいて、前記複数の気流発生装置のうちから稼働させる1以上の気流発生装置を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記所定空間には、前記所定空間と区分けされた空間を有するブース型の什器が設置されており、
前記送風装置は、前記什器の天井部に設置され、前記区分けされた空間にて下方に向かう前記第1気流を発生させる、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
前記送風装置は、前記区分けされた空間内の空気を排気する排気運転、及び、前記区分けされた空間内に空気を吸気する吸気運転を行うことが可能に構成されており、
前記制御装置は、
前記送風装置における前記排気運転及び前記吸気運転の切替制御を行うことが可能に構成されており、
前記送風装置が前記吸気運転を行っている場合に、前記空調装置から吹き出される前記冷気又は前記暖気を、前記第2気流によって前記送風装置の前記ファンの上流側へ送るように、前記空調装置及び前記気流発生装置を制御する、
請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記空調装置、前記気流発生装置、及び前記送風装置のうちの少なくとも1つの装置に対する制御に関する制御情報、及び、前記空調装置から吹き出される前記冷気又は前記暖気が前記第1気流に合流していることを示す合流情報のうちの少なくとも一方を表示装置に表示させる、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
請求項1に記載の制御システムに用いられ、
前記送風装置が稼働している場合に前記第2気流を発生させ、
前記第2気流によって、前記空調装置から吹き出される前記冷気又は前記暖気を前記第1気流に合流させる、
気流発生装置。
【請求項10】
1以上のプロセッサに実行され、施設の所定空間に面する造営材に設置され冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う空調装置と、前記所定空間に配置されファンを有し下方に向かう第1気流を発生させる送風装置と、前記所定空間に配置され第2気流を発生させる気流発生装置と、を備える制御システムにて用いられる制御方法であって、
前記送風装置が稼働している場合に、前記空調装置から吹き出される冷気又は暖気が前記第2気流によって前記第1気流に合流するように、前記空調装置及び前記気流発生装置を制御する、
制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に制御システム、気流発生装置、制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、気流を発生させる制御システム、気流発生装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、天井下面に設置され、天井付近から床面に向かって直線的に進行する空気流を送風筒の先端から放流する小型送風機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような送風機(送風装置)を用いた場合、送風機が送る空気流に直接あたる人は、夏場においては天井付近の暑い空気流(気流)があたるため暑く感じ、冬場においては空気流があたるため寒く感じるということがあった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、人が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる制御システム、気流発生装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る制御システムは、空調装置と、送風装置と、気流発生装置と、制御装置と、を備える。前記空調装置は、施設の所定空間に面する造営材に設置される。前記空調装置は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。前記送風装置は、前記所定空間に配置される。前記送風装置は、ファンを有し、下方に向かう第1気流を発生させる。前記気流発生装置は、前記所定空間に配置される。前記気流発生装置は、第2気流を発生させる。前記制御装置は、前記空調装置と前記送風装置と前記気流発生装置とを制御する。前記制御装置は、前記送風装置が稼働している場合に、前記空調装置から吹き出される冷気又は暖気が前記第2気流によって前記第1気流に合流するように前記空調装置及び前記気流発生装置を制御する。
【0007】
本開示の一態様に係る気流発生装置は、前記制御システムに用いられる。前記気流発生装置は、前記送風装置が稼働している場合に前記第2気流を発生させる。前記気流発生装置は、前記第2気流によって、前記空調装置から吹き出される前記冷気又は前記暖気を前記第1気流に合流させる。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、1以上のプロセッサに実行される。前記制御方法は、制御システムにて用いられる方法である。前記制御システムは、空調装置と、送風装置と、気流発生装置と、を備える。前記空調装置は、施設の所定空間に面する造営材に設置される。前記空調装置は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。前記送風装置は、前記所定空間に配置される。前記送風装置は、ファンを有する。前記送風装置は、下方に向かう第1気流を発生させる。前記気流発生装置は、前記所定空間に配置される。前記気流発生装置は、第2気流を発生させる。前記制御方法は、前記送風装置が稼働している場合に、前記空調装置から吹き出される冷気又は暖気が前記第2気流によって前記第1気流に合流するように、前記空調装置及び前記気流発生装置を制御する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の上記態様に係る制御システム、気流発生装置、制御方法及びプログラムによれば、人が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の制御システムに含まれる装置の位置関係を示す説明図である。
【
図3】
図3は、同上の制御システムに含まれる装置の位置関係を示す別の説明図である。
【
図4】
図4は、同上の制御システムの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実施形態及び変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0013】
本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
なお、本開示でいう「直交(垂直)」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の差の範囲内で交差する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。すなわち、本開示でいう「直交」は、二者でなす角度が80度以上100度以下である場合を含む。
【0015】
(実施形態1)
(1)概要
まず、実施形態1に係る制御システム1の概要について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、実施形態1の制御システム1は、施設100に設けられる。
【0017】
本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、施設100は、マンション等の住宅施設であってもよいし、オフィス等の非住宅施設であってもよい。さらに、施設100は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。実施形態1では、施設100が、オフィスである場合を想定する。
【0018】
制御システム1は、制御装置2と、空調装置3と、送風装置4と、気流発生装置5と、を備える。
【0019】
以下では一例として、
図2に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸の3軸を設定して説明する。X軸及びY軸は水平方向に沿っており、Z軸は鉛直方向に沿っている。また、Z軸の正の方を「上方」、Z軸の負の方を「下方」と呼ぶことがある。X軸、Y軸、及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は、制御システム1の使用時の方向を限定する趣旨で表記していない。
【0020】
図2に示すように、空調装置3は、施設100の所定空間200に面する造営材(壁面202)に設置される。空調装置3は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。
【0021】
送風装置4は、所定空間200に配置される。送風装置4は、ファン41を有する。送風装置4は、下方に向かう第1気流A1を発生させる。
【0022】
気流発生装置5は、所定空間200に配置される。気流発生装置5は、第2気流A2を発生させる。
【0023】
制御装置2(
図1参照)は、空調装置3と、送風装置4と、気流発生装置5と、を制御する。制御装置2は、送風装置4が稼働している場合に、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気が第2気流A2によって第1気流A1に合流するように空調装置3及び気流発生装置5を制御する。
【0024】
実施形態1の制御システム1によれば、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気を第1気流A1に合流させることで第1気流A1の温度を変えることができるため、人H1が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0025】
(2)詳細
以下、実施形態1に係る制御システム1の詳細な構成について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0026】
(2.1)制御システムの構成
図1に示すように、実施形態1の制御システム1は、制御装置2と、複数の空調装置3と、送風装置4と、複数の気流発生装置5と、表示装置6と、を備える。
【0027】
(2.2)空調装置の構成
図2に示すように、空調装置3は所定空間200に面する造営材に設置される。造営材は、例えば天井、梁、又は壁等である。実施形態1の空調装置3は、所定空間200に面する壁面202に設置される。なお、空調装置3は、所定空間200に面する天井面201に設置されてもよい。
【0028】
さらに、実施形態1の空調装置3は、天井面201の近傍空間R1に面する壁面202に設置される。言い換えると、空調装置3は、天井面201の近傍空間R1に配置される。
【0029】
近傍空間R1は、天井面201付近の空間である。より具体的には、近傍空間R1は、天井面201からの鉛直方向の距離が所定距離Z1以内である空間である。所定距離Z1は、例えば50cmである。ただし、所定距離Z1は、所定空間200の広さ、及び、床面203に対する天井面201の高さ等によって変わる。所定距離Z1は、例えば1mであってもよい。
【0030】
空調装置3は、ヒートポンプを用いた空調装置である。空調装置3は、所定空間200に配置される室内機と、例えば屋外空間等に配置される室外機と、を備える。実施形態1の空調装置3は、複数の動作モードを有する。複数の動作モードは、冷房モード(冷房運転)と、暖房モード(暖房運転)と、を含む。空調装置3は、冷房モードでは、所定空間200の室温が設定温度に近付くように、冷気を所定空間200に送る。空調装置3は、暖房モードでは、所定空間200の室温が設定温度に近付くように、暖気を所定空間200に送る。実施形態1の空調装置3は、制御装置2の制御に応じて稼働する。
【0031】
空調装置3は、吹出口31を備える。吹出口31は、冷気又は暖気を吹き出す。言い換えると、吹出口31は、冷気又は暖気の気流を吹き出す。
【0032】
(2.4)送風装置の構成
図2に示すように、実施形態1の送風装置4は所定空間200に面する天井面201に設置される。言い換えると、送風装置4は、天井面201の近傍空間R1に配置される。
【0033】
実施形態1の送風装置4は、所定空間200において下方に向かう第1気流A1を発生させる。実施形態1の送風装置4は、シーリングファンであり、所定空間200内の空気を循環させる。ただし、送風装置4は、シーリングファンに限らず、ファンが筐体に収納されるように構成されダクトから第1気流A1を吹き出すような装置であってもよい。
【0034】
実施形態1の送風装置4は、ファン41と、アーム42と、を有する。
【0035】
アーム42の第1端は、天井面201に取り付けられる。また、アーム42の第2端には、ファン41が取り付けられている。
【0036】
ファン41は、回転することで気流を発生させる。以下の説明において、ファン41が回転している際に、ファン41が空気を吸い込む空間のことを「吸気空間R2」と呼ぶことがある。例えば、ファン41は、第1方向に回転することで、吸気空間R2の空気を吸い込み、吸い込んだ空気をファン41の下方に送ることで第1気流A1を発生させる。
【0037】
なお、実施形態1の送風装置4は、複数の動作モードを有する。複数の動作モードは、下降気流モードと、上昇気流モードと、を含む。送風装置4は、下降気流モードでは、ファン41を第1方向に回転させることで、ファン41の上方からファン41の下方に向かう第1気流A1を発生させる。送風装置4は、上昇気流モードでは、ファン41を第1方向とは逆の第2方向に回転させることで、ファン41の下方からファン41の上方に向かう気流を発生させる。
【0038】
(2.5)気流発生装置の構成
図2に示すように、実施形態1の気流発生装置5は所定空間200に面する天井面201に設置される。言い換えると、気流発生装置5は、天井面201の近傍空間R1に配置される。
【0039】
天井面201の近傍空間R1は気流を遮るものが比較的少ないため、第2気流A2にて、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気を第1気流A1に合流させやすい。
【0040】
図3に示すように、実施形態1の気流発生装置5は、一の空調装置3に対応するように設置されている。つまり、気流発生装置5は、対応する空調装置3が吹き出す冷気又は暖気を、第1気流A1に送る第2気流A2を発生させる。
【0041】
図2に示すように、気流発生装置5は、アーム501と、本体部502と、を備える。アーム501の第1端は、例えば天井面201に設けられた配線ダクトに取り付けられる。また、アーム501の第2端は、本体部502と繋がっている。
【0042】
本体部502は、円筒状に形成されている。実施形態1の気流発生装置5は、本体部502の中心軸がX軸に沿うように配置されている。本体部502は、ファン及び整流部材等を収容している。なお、本体部502が円筒状に形成されていることは必須ではなく、本体部502は角筒状に形成されていてもよい。
【0043】
本体部502は、X軸方向における第1端部504及び第2端部505を有する。第1端部504の開口は吸気口52である。また、第2端部505の開口は吹出口51である。
図2及び
図3に示すように、実施形態1の吹出口51は、送風装置4の方を向いている。
【0044】
気流発生装置5は、ファンを駆動させて吸気口52で空気を吸い吹出口51から空気を吹き出すことで、第2気流A2を発生させる。例えば、気流発生装置5は、空調装置3によって吹き出された冷気又は暖気を、ファンを駆動させて吸気口52で吸い、吸い込んだ冷気又は暖気を吹出口51から吹き出す。また、気流発生装置5は、空調装置3によって吹き出された冷気又は暖気の気流を通過し、第1気流A1に到達する第2気流A2を発生させてもよい。つまり、気流発生装置5は、冷気又は暖気を吸い込んで吹き出すことで発生させる第2気流A2、又は、冷気又は暖気の気流を通過し第1気流A1に到達する第2気流A2にて、冷気又は暖気を第1気流A1に到達させる。
【0045】
実施形態1の気流発生装置5が発生させる第2気流A2は、噴流であり、直進性を有する指向性気流である。また、実施形態1の第2気流A2は、天井面201に沿った気流である。指向性気流である第2気流A2は、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気を第1気流A1に送りやすい。
【0046】
実施形態1の気流発生装置5は、送風装置4が稼働している場合に第2気流A2を発生させることで、第2気流A2によって、空調装置から吹き出される冷気又は暖気を第1気流に合流させる。
【0047】
(2.6)表示装置
実施形態1の表示装置6は、所定空間200に面する壁面202に設置されている。実施形態1の表示装置6の外形は、扁平な直方体状である。表示装置6は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部を有する。表示部は、制御装置2による制御に基づいて、様々な情報を表示する。なお、表示装置6は、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、又はタブレット端末等で構成されていてもよい。また、表示装置6は、所定空間200以外の空間に配置されてもよい。
【0048】
(2.7)制御装置
制御装置2は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。制御装置2では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御装置2の各部の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0049】
図1に示すように、制御装置2は、施設100内の例えば管理室に設置されている。ただし、制御装置2は、管理会社等、施設100の外部に配置されていてもよい。制御装置2は、例えばサーバ装置である。
【0050】
制御装置2は、通信部21と、記憶部22と、第1制御部23(空調装置制御部)と、第2制御部24(送風装置制御部)と、第3制御部25(気流発生装置制御部)と、第4制御部26(表示装置制御部)と、を備える。
【0051】
通信部21は、複数の空調装置3、送風装置4、複数の気流発生装置5、及び表示装置6の各々と通信可能に構成された通信インタフェースを含む。なお、本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。通信部21は、複数の空調装置3、送風装置4、複数の気流発生装置5、及び表示装置6の各々と通信を行うことで、複数の空調装置3、送風装置4、複数の気流発生装置5、及び表示装置6の各々の稼働状況を取得する。また、通信部21は、第1制御部23の制御に基づいて空調装置3に制御情報を送信し、第2制御部24の制御に基づいて送風装置4に制御情報を送信し、第3制御部25の制御に基づいて気流発生装置5に制御情報を送信する。
【0052】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリである。なお、記憶部22は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0053】
記憶部22は、複数の空調装置3、送風装置4、複数の気流発生装置5、及び表示装置6の各々の稼働状況、及び、施設100の空間情報を記憶している。空間情報は、施設100の所定空間200の寸法設計情報、施設100のBIM(Building Information Modeling)データ等の3次元モデルデータ、複数の空調装置3の位置情報、送風装置4の位置情報、及び複数の気流発生装置5の位置情報を含む。
【0054】
第1制御部23は、空調装置3を制御する。第1制御部23は、空調装置3の、送風開始又は送風停止の制御、動作モードの切替制御、設定温度の制御、風量の制御、及び風向きの制御等を行う。本開示でいう「風量の制御」とは、「風速(流速)の制御」を含む。
【0055】
例えば、第1制御部23は、空調装置3に対応する気流発生装置5の稼働している場合に、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気が気流発生装置5に向かうように、風量の制御及び風向きの制御を行う。なお、第1制御部23は、例えば施設100の管理者等の操作に基づいて、空調装置3を制御してもよい。
【0056】
第2制御部24は、送風装置4を制御する。第2制御部24は、送風装置4の、送風開始又は送風停止の制御、動作モードの切替制御、及び風量の制御等を行う。なお、第2制御部24は、例えば施設100の管理者等の操作に基づいて、送風装置4を制御してもよい。
【0057】
第3制御部25は、気流発生装置5を制御する。第3制御部25は、気流発生装置5の、送風開始又は送風停止の制御、及び風量の制御等を行う。
【0058】
実施形態1の第3制御部25は、気流発生装置5に対応する空調装置3が送風中であり、かつ、送風装置4が下降気流モードで稼働している場合に、気流発生装置5による送風を開始させる。また、第3制御部25は、気流発生装置5に対応する空調装置3が送風中でない場合、又は、送風装置4が下降気流モードで稼働していない場合に、気流発生装置5による送風を停止させる。つまり、実施形態1の第3制御部25は、空調装置3及び送風装置4の動作と気流発生装置5の動作とを連動させる。実施形態1の制御システム1によれば、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気をより確実に第1気流A1に合流させることができ、かつ、気流発生装置5が無駄に稼働することを抑制することができる。
【0059】
実施形態1の第3制御部25は、送風装置4が発生させる第1気流A1の風量に基づいて、気流発生装置5が発生させる第2気流A2の風量を制御する。より具体的には、第3制御部25は、第2気流A2の風量が第1気流A1の風量より小さくなるように、第2気流A2の風量を制御する。さらに、第3制御部25は、第1気流A1の風量が大きい程、第2気流A2の風量が大きくなるように制御する。
【0060】
第1気流A1の風量に基づいて第2気流A2の風量を制御することで、第2気流A2によって第1気流A1に送られる冷気又は暖気が、効率的に所定空間200の下方に送られるようにすることができる。
【0061】
また、実施形態1の第3制御部25は、気流発生装置5と送風装置4の吸気空間R2との間の距離に基づいて、風量を制御する。具体的には、気流発生装置5と、送風装置4の吸気空間R2との間の距離が遠くなる程、風量を大きくする制御を行う。なお、実施形態1の第3制御部25は、気流発生装置5と送風装置4のファン41の中心P1(
図3参照)との間の距離に基づいて、風量を制御する。また、実施形態1の第3制御部25は、気流発生装置5と送風装置4の吸気空間R2との間の距離に関わらず送風装置4の吸気空間R2での第2気流A2の風速が目標値になるように風量の制御を行う。
【0062】
気流発生装置5と送風装置4の吸気空間R2との間の距離に基づいて第3制御部25が風量を制御することで、例えば気流発生装置5と送風装置4の吸気空間R2との間の距離が遠い場合であっても、第2気流A2が吸気空間R2まで届くようにすることができる。
【0063】
また、実施形態1の第3制御部25は、送風装置4が発生させる第1気流A1の風量に基づいて、複数の気流発生装置5のうちから稼働させる気流発生装置5の数を決定する。第3制御部25は、第1気流A1が大きい程、多くの気流発生装置5を稼働させる。なお、第3制御部25は、複数の気流発生装置5の最大風量の総和が、第1気流A1の風量より小さくなるように、稼働させる気流発生装置5の数を決定する。また、第3制御部25は、稼働している空調装置3の数以下となるように、稼働させる気流発生装置5の数を決定する。
【0064】
第1気流A1の風量に基づいて稼働させる気流発生装置5の数を決定することで、第1気流A1の温度をより適切に変えることができるため、人H1がより快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0065】
また、実施形態1の第3制御部25は、送風装置4が発生させる第1気流A1の風量と複数の空調装置3の稼働状況とに基づいて、複数の気流発生装置5のうちから稼働させる1以上の気流発生装置5を決定する。第3制御部25は、稼働している空調装置3が複数ある場合、稼働している複数の空調装置3に対応する複数の気流発生装置5のうちから稼働させる1以上の気流発生装置5を決定する。そして、第3制御部25は、複数の気流発生装置5の最大風量の総和が、第1気流A1の風量より小さくなるように、稼働させる気流発生装置5の数を決定する。稼働している複数の空調装置3に対応する複数の気流発生装置5の数が、稼働させる気流発生装置5の数より多い場合には、第3制御部25は、送風装置4に近い気流発生装置5を優先的に稼働させる。
【0066】
第1気流A1の風量と複数の空調装置3の稼働状況とに基づいて、稼働させる気流発生装置5を決定することで、第1気流A1の温度をより適切に変えることができるため、人H1がより快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。また、送風装置4に近い気流発生装置5を優先的に稼働させることで、気流発生装置5の消費電力を抑制することができ、かつ、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気をより確実に第1気流A1に合流させることができる。
【0067】
第4制御部26は、表示装置6を制御する。第4制御部26は、空調装置3、気流発生装置5、及び送風装置4のうちの少なくとも1つの装置に対する制御に関する制御情報、及び、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気が第1気流A1に合流していることを示す合流情報のうちの少なくとも一方を表示装置6に表示させる。制御情報は、装置が稼働しているか否かの情報、装置の動作モードの情報、装置の設定温度の情報、装置の風量の情報、及び装置の風向きの情報等を含む。また、合流情報は、例えば温度センサが検知する温度の情報である。例えば、温度センサが送風装置4の吸気空間R2に配置されることで、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気が第1気流A1に合流しているか否かを検知することが可能である。温度センサは、例えば送風装置4のアーム42に設置される。
【0068】
第4制御部26が制御情報及び合流情報の少なくとも一方を表示装置6に表示させることで、例えば所定空間200を利用する者が制御システム1の稼働状況を確認することができる。
【0069】
(3)制御システムの動作
次に、
図4を参照して制御システム1の動作について説明する。
【0070】
図4は、制御システム1の制御装置2が行う制御方法を示すフローチャートである。まず、制御装置2は、送風装置4が稼働中であるか否かを判断する(S1)。送風装置4が稼働中でない場合(S1:No)、制御装置2は、再度ステップS1の処理を行う。一方で、送風装置4が稼働中である場合(S1:Yes)、制御装置2は、気流発生装置5の稼働数の決定を行い(S2)、稼働させる気流発生装置5の決定を行う(S3)。次に、制御装置2は、稼働させる気流発生装置5の風量を決定し(S4)、気流発生装置5による送風を開始させる。そして、制御装置2は、処理を終了する。
【0071】
図4に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0072】
(4)変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。
【0073】
実施形態1に係る制御システム1と同等の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る。制御方法は、1以上のプロセッサに実行される。制御方法は、制御システム1にて用いられる方法である。制御システム1は、空調装置3と、送風装置4と、気流発生装置5と、を備える。空調装置3は、施設100の所定空間200に面する造営材(壁面202)に設置される。空調装置3は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。送風装置4は、所定空間200に配置される。送風装置4は、ファン41を有する。送風装置4は、下方に向かう第1気流A1を発生させる。気流発生装置5は、所定空間200に配置される。気流発生装置5は、第2気流A2を発生させる。制御方法は、送風装置4が稼働している場合に、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気が第2気流A2によって第1気流A1に合流するように、空調装置3及び気流発生装置5を制御する。一態様に係るプログラムは、上記の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0074】
本開示における制御システム1又は制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1又は制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0075】
また、制御システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システムの構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能、例えば、制御装置2の第3制御部25等の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0076】
制御システム1が表示装置6を備えることは必須ではない。また、制御システム1が複数の空調装置3と、複数の気流発生装置5と、を備えることは必須ではない。制御システム1は、一の空調装置3と、送風装置4と、一の気流発生装置5と、制御装置2と、を備えていればよい。
【0077】
実施形態1では、気流発生装置5の本体部502の向きが固定である場合を例示したが、本体部502の向きは可変であってもよい。例えば、第3制御部25の制御によって本体部502の向きが変わってもよい。
【0078】
(実施形態2)
実施形態2に係る制御システム1について説明する。
【0079】
図5に示すように、実施形態2では、所定空間200に什器7が設置されている。什器7は、例えば直方体状の箱状に形成されている。什器7は、個室ブース型の什器である。什器7は、所定空間200と区分けされた空間71を有する。実施形態2の区分けされた空間71は、1人用の空間である。区分けされた空間71に入った人H1は、1人で仕事又は休憩等を行う。
【0080】
図5に示すように、実施形態2の送風装置4は、什器7の天井部72に設置される。送風装置4のファン41の上方及び下方において、天井部72は開口している。実施形態2の送風装置4は、下降気流モードでは、什器7の上方から空間71の下方に向かう第1気流A1を発生させる。つまり、実施形態2の送風装置4における下流気流モードは、吸気運転である。また、実施形態2の送風装置4は、上昇気流モードでは、空間71内から什器7の上方に向かう気流を発生させる。つまり、実施形態2の送風装置4における上昇気流モードは、排気運転である。以上のように、実施形態2の送風装置4は、区分けされた空間71内の空気を排気する排気運転、及び、区分けされた空間71内に空気を吸気する吸気運転を行うことが可能に構成されている。
【0081】
また、実施形態2に係る制御装置2の第2制御部24は、実施形態1と同様に、送風装置4の動作モードの切替制御が可能である。つまり、実施形態2の第2制御部24は、送風装置4における排気運転及び吸気運転の切替制御を行うことが可能に構成されている。
【0082】
実施形態2の第3制御部25は、送風装置4が吸気運転を行っている場合に、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気を、送風装置4のファン41の上流側へ送るように、第2気流A2を発生させる制御を行う。なお、送風装置4が吸気運転を行っている場合、ファン41の上流側は吸気空間R2である。
【0083】
また、実施形態2の第1制御部23は、送風装置4が吸気運転を行っている場合に、空調装置3が吹き出す冷気又は暖気が気流発生装置5に向かうように、風量の制御及び風向きの制御を行う。
【0084】
つまり、実施形態2の制御装置2は、送風装置4が吸気運転を行っている場合に、空調装置3から吹き出される冷気又は暖気を、第2気流A2によって送風装置4のファン41の上流側へ送るように、空調装置3及び気流発生装置5を制御する。
【0085】
実施形態2の制御システム1によれば、送風装置4の吸気運転時に、ファン41が冷気又は暖気を吸い込むことで、什器7内の区分けされた空間71内において、人H1がより快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0086】
なお、実施形態2の制御システム1の制御装置2は、
図4に示す処理を、送風装置4が吸気運転を行っている場合に行う。
【0087】
(まとめ)
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様に係る制御システム(1)は、空調装置(3)と、送風装置(4)と、気流発生装置(5)と、制御装置(2)と、を備える。空調装置(3)は、施設(100)の所定空間(200)に面する造営材(壁面202)に設置される。空調装置(3)は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。送風装置(4)は、所定空間(200)に配置される。送風装置(4)は、ファン(41)を有し、下方に向かう第1気流(A1)を発生させる。気流発生装置(5)は、所定空間(200)に配置される。気流発生装置(5)は、第2気流(A2)を発生させる。制御装置(2)は、空調装置(3)と送風装置(4)と気流発生装置(5)とを制御する。制御装置(2)は、送風装置(4)が稼働している場合に、空調装置(3)から吹き出される冷気又は暖気が第2気流(A2)によって第1気流(A1)に合流するように空調装置(3)及び気流発生装置(5)を制御する。
【0088】
この態様によれば、空調装置(3)が吹き出す冷気又は暖気を第1気流(A1)に合流させることで第1気流(A1)の温度を変えることができるため、人(H1)が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0089】
第2の態様に係る制御システム(1)では、第1の態様において、空調装置(3)及び気流発生装置(5)は、所定空間(200)に面する天井面(201)の近傍空間(R1)に配置される。
【0090】
この態様によれば、天井面(201)の近傍空間(R1)は気流を遮るものが比較的少ないため、第2気流(A2)にて空調装置(3)が吹き出す冷気又は暖気を第1気流(A1)に合流させやすい。
【0091】
第3の態様に係る制御システム(1)では、第1又は第2の態様において、制御装置(2)は、第1気流(A1)の風量に基づいて、第2気流(A2)の風量を制御する。
【0092】
この態様によれば、第1気流(A1)の風量に基づいて第2気流(A2)の風量を制御することで、第2気流(A2)によって第1気流(A1)に送られる冷気又は暖気が、効率的に所定空間(200)の下方に送られるようにすることができる。
【0093】
第4の態様に係る制御システム(1)は、第1から第3のいずれか1つの態様において、気流発生装置(5)を複数備える。制御装置(2)は、第1気流(A1)の風量に基づいて、複数の気流発生装置(5)のうちから稼働させる気流発生装置(5)の数を決定する。
【0094】
この態様によれば、第1気流(A1)の風量に基づいて稼働させる気流発生装置(5)の数を決定することで、第1気流(A1)の温度をより適切に変えることができるため、人(H1)がより快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0095】
第5の態様に係る制御システム(1)は、第1から第4のいずれか1つの態様において、空調装置(3)及び気流発生装置(5)を複数備える。制御装置(2)は、第1気流(A1)の風量と複数の空調装置(3)の稼働状況とに基づいて、複数の気流発生装置(5)のうちから稼働させる1以上の気流発生装置(5)を決定する。
【0096】
この態様によれば、第1気流(A1)の風量と複数の空調装置(3)の稼働状況とに基づいて、稼働させる気流発生装置(5)を決定することで、第1気流(A1)の温度をより適切に変えることができるため、人(H1)がより快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0097】
第6の態様に係る制御システム(1)では、第1から第5のいずれかの態様において、所定空間(200)には什器(7)が設置されている。什器(7)は、所定空間(200)と区分けされた空間(71)を有するブース型の什器である。送風装置(4)は、什器(7)の天井部(72)に設置され、区分けされた空間(71)にて下方に向かう第1気流(A1)を発生させる。
【0098】
この態様によれば、什器(7)内の区分けされた空間(71)内において、人(H1)が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0099】
第7の態様に係る制御システム(1)では、第6の態様において、送風装置(4)は、区分けされた空間(71)内の空気を排気する排気運転、及び、区分けされた空間(71)内に空気を吸気する吸気運転を行うことが可能に構成されている。制御装置(2)は、送風装置(4)における排気運転及び吸気運転の切替制御を行うことが可能に構成されている。制御装置(2)は、送風装置(4)が吸気運転を行っている場合に、空調装置(3)から吹き出される冷気又は暖気を、第2気流(A2)によって送風装置(4)のファン(41)の上流側へ送るように、空調装置(3)及び気流発生装置(5)を制御する。
【0100】
この態様によれば、送風装置(4)の吸気運転時に、ファン(41)が冷気又は暖気を吸い込むことで、什器(7)内の区分けされた空間(71)内において、人(H1)が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0101】
第8の態様に係る制御システム(1)では、第1から第7のいずれか1つの態様において、制御装置(2)は、制御情報及び合流情報のうちの少なくとも一方を表示装置(6)に表示させる。制御情報は、空調装置(3)、気流発生装置(5)、及び送風装置(4)のうちの少なくとも1つの装置に対する制御に関する情報である。合流情報は、空調装置(3)から吹き出される冷気又は暖気が第1気流(A1)に合流していることを示す情報である。
【0102】
この態様によれば、制御情報及び合流情報の少なくとも一方を表示装置(6)に表示させることで、例えば所定空間(200)を利用する者が制御システム(1)の稼働状況を確認することができる。
【0103】
第1の態様以外の構成については、制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0104】
第9の態様に係る気流発生装置(5)は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る制御システム(1)に用いられる。気流発生装置(5)は、送風装置(4)が稼働している場合に第2気流(A2)を発生させる。気流発生装置(5)は、第2気流(A2)によって、空調装置(3)から吹き出される冷気又は暖気を第1気流(A1)に合流させる。
【0105】
この態様によれば、空調装置(3)が吹き出す冷気又は暖気を第1気流(A1)に合流させることで第1気流(A1)の温度を変えることができるため、人(H1)が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0106】
第10の態様に係る制御方法は、1以上のプロセッサに実行される。制御方法は、制御システム(1)にて用いられる方法である。制御システム(1)は、空調装置(3)と、送風装置(4)と、気流発生装置(5)と、を備える。空調装置(3)は、施設(100)の所定空間(200)に面する造営材(壁面202)に設置される。空調装置(3)は、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。送風装置(4)は、所定空間(200)に配置される。送風装置(4)は、ファン(41)を有する。送風装置(4)は、下方に向かう第1気流(A1)を発生させる。気流発生装置(5)は、所定空間(200)に配置される。気流発生装置(5)は、第2気流(A2)を発生させる。制御方法は、送風装置(4)が稼働している場合に、空調装置(3)から吹き出される冷気又は暖気が第2気流(A2)によって第1気流(A1)に合流するように、空調装置(3)及び気流発生装置(5)を制御する。
【0107】
この態様によれば、空調装置(3)が吹き出す冷気又は暖気を第1気流(A1)に合流させることで第1気流(A1)の温度を変えることができるため、人(H1)が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【0108】
第11の態様に係るプログラムは、第10の態様に係る制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0109】
この態様によれば、空調装置(3)が吹き出す冷気又は暖気を第1気流(A1)に合流させることで第1気流(A1)の温度を変えることができるため、人(H1)が快適に感じやすい空気を下方に送ることができる。
【符号の説明】
【0110】
1 制御システム
100 施設
2 制御装置
200 所定空間
201 天井面
3 空調装置
4 送風装置
41 ファン
5 気流発生装置
6 表示装置
7 什器
71 区分けされた空間
72 天井部
A1 第1気流
A2 第2気流
R1 近傍空間