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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146536
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 41/00 20200101AFI20241004BHJP
   B62M 7/02 20060101ALI20241004BHJP
   B62J 50/30 20200101ALI20241004BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20241004BHJP
   B62J 43/16 20200101ALI20241004BHJP
【FI】
B62J41/00
B62M7/02 X
B62J50/30
B62J45/00
B62J43/16
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059505
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 悠一
(72)【発明者】
【氏名】大平 晃嗣
(72)【発明者】
【氏名】竹内 秀太
(72)【発明者】
【氏名】木村 陽
(72)【発明者】
【氏名】石川 淳
(57)【要約】
【課題】駆動モータと制御装置とを、それぞれの発熱量に応じて、他方の発熱量によらず、独立して最適な冷却を行うことができる鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】自動二輪車1は、前輪11及び後輪12と、車体フレーム20と、駆動力を発生させる駆動モータ30と、駆動モータ30を制御する制御装置40と、駆動モータ30を冷却する第1冷却装置80と、制御装置40を冷却する第2冷却装置90と、備える。第1冷却装置80には、第1冷媒R1が循環し、第2冷却装置90には、第1冷媒R1とは異なる第2冷媒R2が循環する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪及び後輪と、
車体フレームと、
駆動力を発生させる駆動モータと、
前記駆動モータを制御する制御装置と、
前記駆動モータを冷却する第1冷却装置と、
前記制御装置を冷却する第2冷却装置と、備える鞍乗型車両であって、
前記第1冷却装置には、第1冷媒が循環し、
前記第2冷却装置には、前記第1冷媒とは異なる第2冷媒が循環する、
鞍乗型車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
前記第1冷媒は、オイルであり、
前記第1冷却装置は、オイルクーラと、オイルポンプと、前記オイルクーラ、前記オイルポンプ、及び、前記駆動モータを循環する第1冷媒流路と、を備え、
前記オイルポンプは、前記駆動モータの動力で駆動する、
鞍乗型車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の鞍乗型車両であって、
前記第2冷媒は、冷却水であり、
前記第2冷却装置は、ラジエータと、冷却水ポンプと、前記ラジエータ、前記冷却水ポンプ、及び、前記制御装置を循環する第2冷媒流路と、を備え、
前記冷却水ポンプは、前記制御装置の内部に配置されている、
鞍乗型車両。
【請求項4】
請求項3に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、前記車体フレームに固定され、前記制御装置と前記ラジエータとを収容する収容部材をさらに備え、
前記ラジエータは、前記制御装置よりも後方に配置されており、
前記収容部材には、
前記ラジエータの後部で後方に開口した排出側開口部と、
前記ラジエータと前記制御装置との間で左右方向に開口した導入側開口部と、が形成されている、
鞍乗型車両。
【請求項5】
請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、
前記駆動モータに電力を供給するバッテリをさらに備え、
前記車体フレームは、上下方向及び前後方向に延在する左右一対の側壁部を有するメインフレームを有し、
前記駆動モータは、前記メインフレームの後端部に配置され、
前記バッテリは、前記左右一対の側壁部の間、且つ、前記駆動モータよりも前方に配置され、
前記制御装置は、前記メインフレームの上部に配置され、
前記オイルクーラは、前記バッテリの下方、且つ、前記前輪と前記駆動モータとの間に配置される、
鞍乗型車両。
【請求項6】
請求項5に記載の鞍乗型車両であって、
前記オイルクーラの前方には上下方向に延在する複数のルーバが設けられたカバー部材が配置されており、
前記カバー部材の車幅方向寸法は、前記前輪の車幅方向寸法よりも大きく、
前記カバー部材は、前後方向から見て、前記前輪と重なる領域を含む中心部と、前記中心部の車幅方向両外側に形成される外側部と、を有し、
前記カバー部材において、前記中心部の前記ルーバの車幅方向の間隔は、前記外側部の前記ルーバの車幅方向の間隔よりも狭くなっている、
鞍乗型車両。
【請求項7】
請求項4に記載の鞍乗型車両であって、
前記車体フレームには、シート構造体及び左右一対のニーグリップが取り付けられており、
前記制御装置及び前記ラジエータの少なくとも一部は、前記シート構造体及び左右一対の前記ニーグリップの少なくとも一方によって車幅方向外側が覆われており、
側面視で、前記ニーグリップ及び前記シート構造体の少なくとも一方と、前記車体フレームとの間には、導風開口部が形成されている、
鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、鞍乗型車両においても、CO2排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、駆動力を発生させる駆動モータが搭載された鞍乗型車両に関する研究開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、後輪を駆動させる駆動モータと、駆動モータを制御する制御装置(PCU)と、駆動モータ及び制御装置を冷却する冷却装置と、が搭載された鞍乗型車両が記載されている。特許文献1に記載の鞍乗型車両に搭載された冷却装置は、ラジエータと、ウォーターポンプとを備え、ラジエータと、ウォーターポンプと、制御装置と、駆動モータとを、冷却液が循環する。冷却装置は、ラジエータで冷却液を冷却し、ラジエータで冷却された冷却液を、ウォーターポンプによって、制御装置及び駆動モータに供給する。そして、ラジエータで冷却された冷却液が制御装置及び駆動モータを流れることによって、制御装置及び駆動モータは冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/186749号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の鞍乗型車両において、制御装置と駆動モータとは放熱量が異なるため、求められる冷却能力も異なる。しかしながら、特許文献1に記載の鞍乗型車両に搭載された冷却装置は、1つの冷却液で制御装置及び駆動モータの双方を冷却するため、求められる冷却能力が大きい方に合わせて制御装置及び駆動モータの双方を冷却することとなり、制御装置及び駆動モータのそれぞれについて、発熱量や適切な冷却温度に大きな隔たりがある場合に最適な冷却とすることは難しい。
【0006】
本発明は、駆動モータと制御装置とを、それぞれの発熱量に応じて、他方の発熱量によらず、独立して最適な冷却を行うことができる鞍乗型車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
前輪及び後輪と、
車体フレームと、
駆動力を発生させる駆動モータと、
前記駆動モータを制御する制御装置と、
前記駆動モータを冷却する第1冷却装置と、
前記制御装置を冷却する第2冷却装置と、備える鞍乗型車両であって、
前記第1冷却装置には、第1冷媒が循環し、
前記第2冷却装置には、前記第1冷媒とは異なる第2冷媒が循環する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、駆動モータと制御装置とを、それぞれの発熱量に応じて、他方の発熱量によらず、独立して最適な冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の自動二輪車の左側面図である。
図2図1の自動二輪車の前部をフロントカウル及びニーグリップを除いた状態で見た左側面図である。
図3図1の自動二輪車のハンドル近傍を上方から見た模式図である。
図4図1の自動二輪車の第1冷却装置周辺の左側面図である。
図5図1の自動二輪車の第1冷却装置におけるオイルクーラを前方から見た模式図である。
図6図1の自動二輪車のオイルクーラ及びカバー部材を前方から見た模式図である。
図7図1の自動二輪車をフロントカウル、ニーグリップ、及び、シート構造体を除いた状態で見た左側面図である。
図8図1の自動二輪車の第2冷却装置におけるラジエータを前方から見た模式図である。
図9図1の自動二輪車における制御装置を上方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の鞍乗型車両の一実施形態としての自動二輪車を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、自動二輪車の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0011】
[自動二輪車の全体構成]
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1は、電動式の自動二輪車である。自動二輪車1は、前輪11及び後輪12と、自動二輪車1の骨格としての車体フレーム20と、後輪12を駆動する駆動源としての駆動モータ30と、駆動モータ30を制御する制御装置40と、前輪11を懸架するフロントリンクサスペンション機構50と、操舵部60と、後輪12を懸架するリヤサスペンション機構70と、駆動モータ30を冷却する第1冷却装置80と、制御装置40を冷却する第2冷却装置90と、を備える。また、自動二輪車1には、駆動モータ30、制御装置40、及び、自動二輪車1に取り付けられた各種の補機類に供給する電力を蓄電するバッテリBATが搭載されている。バッテリBATは、充放電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池である。
【0012】
[車体フレーム]
図1及び図2に示すように、車体フレーム20は、メインフレーム22と、メインフレーム22の後端に連結する左右一対のピボットフレーム23と、メインフレーム22の後端に連結するシートフレーム24と、を備える。車体フレーム20の各部材は、アルミニウム、チタン、鉄、マグネシウム等の比較的軽量であり且つ剛性の高い金属、又は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等で形成される。
【0013】
メインフレーム22は、後方に向かうにしたがって下方に傾斜して延在し、上下方向及び前後方向に延在する左右一対の側壁部221を有する。メインフレーム22の前上端部には、前方斜め下方向から後方斜め上方向に向かってに窪んだ挿通穴222が形成されている。挿通穴222は貫通しておらず、メインフレーム22の挿通穴222の上方には、スピードメータ、タコメータ等の計器13が配置されている(図3参照)。なお、挿通穴222は、前方斜め下方向から後方斜め上方向に向かってメインフレーム22の前上端部を貫通していてもよく、計器13は、挿通穴222を覆うように配置されていてもよい。
【0014】
左右一対の側壁部221には、後述する揺動アーム53の上アーム531が回動可能に連結する上アーム連結部221aと、後述する揺動アーム53の下アーム532が回動可能に連結する下アーム連結部221bと、が設けられている。下アーム連結部221bは、上アーム連結部221aよりも下方に設けられている。
【0015】
ピボットフレーム23は、左右一対の側壁部221のそれぞれに設けられる。すなわち、自動二輪車1は、左右一対のピボットフレーム23を有する。左右のピボットフレーム23には、それぞれ、後述するスイングアーム71を回動可能に支持するピボット231が設けられている。
【0016】
シートフレーム24は、後方に向かうにしたがって緩やかに上方に傾斜して前後方向に延在する。シートフレーム24の前端部は、メインフレーム22に連結している。
【0017】
車体フレーム20には、フロントカウル25が取り付けられている。フロントカウル25は、車体フレーム20の前部と、車体フレーム20の前側領域の左右の一部と、を覆うカウル部材である。
【0018】
車体フレーム20には、車体フレーム20を上方から覆うようにシート構造体26が取り付けられている。シート構造体26は、車体フレーム20の上部に位置して着座面を形成する上面部261と、上面部261の左端部と右端部とからそれぞれ下方に延在する左右一対の側面部262と、を有する。
【0019】
車体フレーム20には、シート構造体26の左右それぞれの側面部262の前部にニーグリップ27が取り付けられている。ニーグリップ27は、フロントカウル25の一部であってもよいし、シート構造体26の一部であってもよいし、フロントカウル25及びシート構造体26と別部材であってもよい。左右のニーグリップ27は、それぞれ車体フレーム20の左方及び右方の一部を覆うように、上下方向及び前後方向に延在している。
【0020】
[駆動モータ、バッテリ、制御装置]
駆動モータ30は、メインフレーム22の後端部に固定されている。駆動モータ30は、左右のピボットフレーム23の間に配置されている。そして、駆動モータ30の車幅方向外側には、左右方向から見て、ピボットフレーム23が駆動モータ30を上下方向に跨ぐように配置されている。これにより、駆動モータ30は、左右方向からの障害物に対し、ピボットフレーム23で保護される。
【0021】
バッテリBATは、メインフレーム22に固定されている。バッテリBATは、左右一対の側壁部221の間、且つ、駆動モータ30よりも前方に配置され、左右がメインフレーム22の左右の側壁部221に覆われるように配置されている。
【0022】
制御装置40は、メインフレーム22の上部に配置され、メインフレーム22に固定されている。制御装置40は、DC/DCコンバータ等の回路とECU等のコントローラとがユニット化されたパワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)である。制御装置40は、駆動モータ30と、自動二輪車1に取り付けられた各種の補機類と、に供給する電力を制御する。
【0023】
[フロントリンクサスペンション機構]
フロントリンクサスペンション機構50は、上下に延びる左右一対のフロントフォーク51と、ヘッドパイプ52と、揺動アーム53と、フロントサスペンション54と、を有する。
【0024】
左右一対のフロントフォーク51は、前輪11を挟んで、前輪11の左側と、前輪11の右側とに配置される。左右一対のフロントフォーク51の上端部には、左右一対のフロントフォーク51のそれぞれの上端部を連結する連結部55が設けられている。連結部55には、連結部55から上方に向かって延在するステムシャフト56が設けられている。
【0025】
ヘッドパイプ52は、筒状の部材である。ヘッドパイプ52の筒状の内部には、ステムシャフト56が下方から挿通する。ステムシャフト56は、ヘッドパイプ52の軸心を中心に回動可能にヘッドパイプ52に支持される。
【0026】
ヘッドパイプ52の上端部近傍前側には、前方向に突出する上アーム連結部52aが形成されている。ヘッドパイプ52の下端部近傍後側には、後方向に突出する下アーム連結部52bが形成されている。
【0027】
揺動アーム53は、上下方向に揺動可能にメインフレーム22に支持されるとともに、ヘッドパイプ52を上下方向に揺動可能に支持する。揺動アーム53は、ヘッドパイプ52の上アーム連結部52aに連結する上アーム531と、ヘッドパイプ52の下アーム連結部52bに連結する下アーム532と、を有する。
【0028】
上アーム531は、前後方向に延在する。上アーム531の後端は、メインフレーム22に設けられた上アーム連結部221aに左右方向を軸に回動可能に支持される。したがって、上アーム531は、後端を軸に前端が上下方向に揺動可能となっている。上アーム531の前端は、ヘッドパイプ52の上アーム連結部52aを、左右方向を軸に回動可能に支持する。
【0029】
下アーム532は、上アーム531の下方に配置され、前後方向に延在する。下アーム532の後端は、メインフレーム22に設けられた下アーム連結部221bに左右方向を軸に回動可能に支持される。したがって、下アーム532は、後端を軸に前端が上下方向に揺動可能となっている。下アーム532の前端は、ヘッドパイプ52の下アーム連結部52bを、左右方向を軸に回動可能に支持する。下アーム532の前端と後端との間には、フロントサスペンション54の下端を支持するサスペンション下端支持部532aが形成されている。
【0030】
フロントサスペンション54は、略円柱状の部材である。フロントサスペンション54は、上方に向かうにしたがって後方に傾斜して上下方向に延在する。フロントサスペンション54の上端は、車体フレーム20に左右方向を軸に回動可能に支持される。フロントサスペンション54の下端は、下アーム532のサスペンション下端支持部532aに左右方向を軸に回動可能に支持される。フロントサスペンション54は、略円柱状の軸方向に伸縮可能となっている。
【0031】
[操舵部]
操舵部60は、回動部62と、ハンドル63と、リンク部64と、を有する。
【0032】
図2及び図3に示すように、回動部62は、円柱状のパイプ部621と、パイプ部621の下部領域の外周面から延出する連結部622と、を有する。
【0033】
円柱状のパイプ部621の上側領域は、下方からメインフレーム22の挿通穴222に挿通する。パイプ部621は、メインフレーム22の挿通穴222の窪み方向を軸に回動可能にメインフレーム22に支持される。パイプ部621の下端部は、メインフレーム22の挿通穴222よりも下方に位置している。
【0034】
連結部622は、円柱状のパイプ部621の下端部近傍の外周面から、メインフレーム22の上端の側面を覆うように上方に起立した縦壁部622aを有する。縦壁部622aは、上方に向かうにしたがって径方向外側に拡開し、メインフレーム22の前端部の前側を取り囲むように円錐台状に延出する。
【0035】
ハンドル63は、バーハンドルであり、縦壁部622aの上端部近傍に連結されている。
【0036】
図1及び図2に戻って、リンク部64は、メインフレーム22の挿通穴222よりも下側の回動部62の所定位置に支持されている。
【0037】
リンク部64は、上リンク641と下リンク642と連結軸643とを有する。上リンク641の下端部と下リンク642の上端部とが、連結軸643で接続されている。連結軸643は左右方向に延在し、上リンク641と下リンク642とは、互いに連結軸を中心に回動自在に連結されている。
【0038】
上リンク641の上端は、メインフレーム22の挿通穴222よりも下側の回動部62の所定位置に、左右方向を軸に回動可能に支持されている。
【0039】
下リンク642の下端は、ステムシャフト56の上端に、左右方向を軸に回動可能に支持されている。
【0040】
上リンク641と下リンク642との接続部である連結軸643は、上リンク641の上端及び下リンク642の下端よりも前方に位置している。すなわち、リンク部64は、左右方向から見て、上リンク641と下リンク642との接続部である連結軸643が前方に位置するように、側面視で略“く”の字状に前方に突出している。リンク部64は、ステムシャフト56と回動部62とを接続することで、ハンドル63の操舵をステムシャフト56に伝達する。そして、リンク部64は、上リンク641と下リンク642とが連結軸643を中心に回動することによって、ヘッドパイプ52の上下動を許容する。
【0041】
[リヤサスペンション機構]
リヤサスペンション機構70は、スイングアーム71と、リヤサスペンション72と、を有する。
【0042】
本実施形態のスイングアーム71は、片持ち式のスイングアームである。スイングアーム71は、前後方向に延在する。スイングアーム71の前端部は、ピボットフレーム23の左右方向に延在するピボット231に軸支される。したがって、スイングアーム71は、左右方向に延在するピボット231を軸に回動可能に車体フレーム20のピボットフレーム23に支持される。よって、スイングアーム71の後端部は、ピボット231を軸に上下方向に揺動可能となっている。スイングアーム71の後端部は、後輪12の車軸を左側から支持する。
【0043】
駆動モータ30と後輪12とは、ベルトやギヤ等を備える不図示の動力伝達機構で連結される。なお、スイングアーム71は、当該動力伝達機構を収容するケースとして使用されてもよい。
【0044】
リヤサスペンション72は、略円柱状の部材である。リヤサスペンション72は、下方に向かうにしたがって後方に傾斜するようにして上下方向に延在する。リヤサスペンション72の前上端部は、左右方向を軸に回動可能にメインフレーム22又はシートフレーム24に支持される。リヤサスペンション72の後下端部は、左右方向を軸に回動可能にスイングアーム71に支持される。そして、リヤサスペンション72は、略円柱状の軸方向に伸縮可能となっている。
【0045】
[第1冷却装置]
図4に示すように、第1冷却装置80は、オイルクーラ81と、オイルポンプ82と、第1冷媒R1が循環する第1冷媒流路83と、を備える。第1冷媒流路83は、オイルクーラ81と、オイルポンプ82と、駆動モータ30と、を循環する流路である。第1冷媒R1は、冷却オイルである。
【0046】
オイルクーラ81は、フィン付きの細管を多数配列した構造を有している。そして、細管に第1冷媒R1を通流させることによって、第1冷媒R1が外気と熱交換して冷却される。オイルクーラ81には、細管に外気を導風する導風ファンが設けられていてもよい。
【0047】
オイルクーラ81は、バッテリBATの下方、且つ、前輪11と駆動モータ30との間に配置されている。本実施形態では、メインフレーム22の下部にオイルクーラ支持フレーム28が取り付けられており、オイルクーラ81は、オイルクーラ支持フレーム28に固定されている。
【0048】
これにより、オイルクーラ81が走行風を受けやすい位置に配置されるので、オイルクーラ81において、駆動モータ30を冷却する第1冷媒R1をより効率よく冷却することができる。
【0049】
オイルクーラ81は、略直方体形状を有している。オイルクーラ81は、外気がオイルクーラ81に導入されるオイルクーラ81の外気導入面81aが前方斜め下方向を向くようにオイルクーラ支持フレーム28に固定されている。
【0050】
図5に示すように、オイルクーラ81は、上下方向に延在し、第1冷媒R1が導入されて一時貯留する導入側タンク81bと、導入側タンク81bと左右方向に対向して上下方向に延在し、第1冷媒R1が一時貯留されて排出される排出側タンク81cと、左右方向に延在し、導入側タンク81bと排出側タンク81cとを連通する複数の冷却流路81dと、を備える。複数の冷却流路81dは、上下方向所定間隔で、上下方向に並んで配置されている。上下方向で隣り合う冷却流路81d間の空間には、双方の冷却流路81dに接触する放熱板81eが設けられている。放熱板81eは、例えば、蛇腹状に左右方向に延在する。
【0051】
導入側タンク81bに導入された第1冷媒R1は、冷却流路81dを流れる際に、冷却流路81d間の空間を流れる空気と熱交換して冷却される。このとき、冷却流路81dと空気との間で熱交換されるのに加えて、放熱板81eと空気との間でも熱交換されるので、より効率よく第1冷媒R1を冷却できる。
【0052】
オイルクーラ81の前方には、外気導入面81aと対向してカバー部材810が配置されている。図6に示すように、カバー部材810には、上下方向に延在する多数のルーバ811が設けられている。カバー部材810の車幅方向寸法は、前輪11の車幅方向寸法よりも大きく、カバー部材810は、前後方向から見て、前輪11と重なる領域を含む中心部810aと、中心部810aの車幅方向両外側に形成される外側部810bと、を有する。カバー部材810において、中心部810aのルーバ811の車幅方向の間隔は、外側部810bのルーバ811の車幅方向の間隔よりも狭くなっている。
【0053】
このように、外気導入面81aの前方にルーバ811を設けることによって、走行風に指向性を持たせて、外気をより効率的にオイルクーラ81に導入できる。また、カバー部材810において、中心部810aのルーバ811の車幅方向の間隔は、外側部810bのルーバ811の車幅方向の間隔よりも狭くなっているので、ルーバ811によって、前輪11からの飛び石等からオイルクーラ81を保護できる。
【0054】
図4に戻って、オイルポンプ82は、駆動モータ30の動力で駆動する。本実施形態では、オイルポンプ82は、駆動モータ30と隣り合うように配置されている。
【0055】
このように、オイルクーラ81で冷却した第1冷媒R1である冷却オイルで発熱量が大きい駆動モータ30を冷却することができるので、駆動モータ30をより適切に冷却できる。また、駆動モータ30の動力で駆動するオイルポンプ82で第1冷媒R1を循環させるので、第1冷却装置80をコンパクトに設けることができる。
【0056】
駆動モータ30には、駆動モータ30のモータケース31の内部に第1冷媒R1が通流するモータケース内流路32が設けられており、第1冷媒流路83は、モータケース内流路32に連通している。
【0057】
第1冷媒流路83には、切替バルブ84が設けられている。第1冷媒流路83は、オイルクーラ81から排出された第1冷媒R1を切替バルブ84に供給する第1供給流路831aと、切替バルブ84からオイルポンプ82を介してモータケース内流路32に第1冷媒R1を供給する第2供給流路831bと、モータケース内流路32から排出された第1冷媒R1を切替バルブ84に供給する第1排出流路832aと、切替バルブ84から排出された第1冷媒R1をオイルクーラ81に供給する第2排出流路832bと、を有する。
【0058】
そして、切替バルブ84は、第1状態と第2状態とに切替可能となっている。切替バルブ84が第1状態のとき、オイルポンプ82から圧送された第1冷媒R1は、第2供給流路831bからモータケース内流路32に供給され、モータケース内流路32を流れて駆動モータ30を冷却した後、第1排出流路832aから切替バルブ84に戻り、切替バルブ84から切替バルブ84から第2排出流路832bを通ってオイルクーラ81に供給され、オイルクーラ81で冷却された後、第1供給流路831aから切替バルブ84へと戻り、第2供給流路831bを通って再びオイルポンプ82で圧送される。切替バルブ84が第2状態のとき、オイルポンプ82から圧送された第1冷媒R1は、第2供給流路831bからモータケース内流路32に供給され、モータケース内流路32を流れ、第1排出流路832aから切替バルブ84に戻り、第2排出流路832bには流れずに、再び第2供給流路831bに供給される。したがって、切替バルブ84が第2状態のとき、第1冷媒R1は、オイルクーラ81には流れずにモータケース内流路32を循環するため、駆動モータ30は冷却されない。切替バルブ84は、例えば、駆動モータ30の冷間始動時等に第2状態となる。
【0059】
[第2冷却装置]
図7に示すように、第2冷却装置90は、ラジエータ91と、冷却水ポンプ92と、第2冷媒R2が循環する第2冷媒流路93と、を備える。第2冷媒流路93は、ラジエータ91と、冷却水ポンプ92と、制御装置40と、を循環する流路である。第2冷媒R2は、冷却水である。
【0060】
このように、第1冷却装置80を循環する第1冷媒R1と、第2冷却装置90を循環する第2冷媒R2とが異なることによって、第1冷却装置80で冷却する駆動モータ30と、第2冷却装置90で冷却する制御装置40とを、それぞれの発熱量に応じて、他方の発熱量によらず、独立して最適な冷却を行うことができる。
【0061】
図8に示すように、ラジエータ91は、略直方体形状を有している。ラジエータ91は、左右方向に延在し、第2冷媒R2が導入される導入口911と、導入口911から導入された第2冷媒R2を一時貯留する導入側タンク912と、導入側タンク912と上下方向に対向して左右方向に延在し、第2冷媒R2が一時貯留される排出側タンク913と、上下方向に延在し、導入側タンク912と排出側タンク913とを連通する複数の冷却流路914と、排出側タンク913に一時貯留された第2冷媒R2が排出される排出口915と、を備える。複数の冷却流路914は、左右方向所定間隔で、左右方向に並んで配置されている。左右方向で隣り合う冷却流路914間の空間には、双方の冷却流路914に接触する放熱板916が設けられている。放熱板916は、例えば、蛇腹状に上下方向に延在する。ラジエータ91には、細管に外気を導風する導風ファンが設けられていてもよい。
【0062】
導入側タンク912に導入された第2冷媒R2は、冷却流路914を流れる際に、冷却流路914間の空間を流れる空気と熱交換して冷却される。このとき、冷却流路914と空気との間で熱交換されるのに加えて、放熱板916と空気との間でも熱交換されるので、より効率よく第2冷媒R2を冷却できる。
【0063】
図7に戻って、ラジエータ91は、外気がラジエータ91に導入される外気導入面91aと、ラジエータ91を通過した外気が外部に排出される外気排出面91bと、を有する。ラジエータ91において、外気導入面91aと外気排出面91bとは、互いに向かい合う面となっている。
【0064】
車体フレーム20のメインフレーム22の上部には、制御装置40とラジエータ91とを収容する上部ハウジング29が取付固定されている。
【0065】
上部ハウジング29は、メインフレーム22の左右の側壁部221の上端から上方に延び、前後方向に延在する左右一対の側壁部291を有する。左右一対の側壁部291は、上端部同士が上壁部等によって接続していてもよいし、上方に向かうにしたがって車幅方向中央側に傾斜又は湾曲して上下方向に延在しており、左右一対の側壁部291の上端部同士が接続していてもよい。そして、上部ハウジング29によって囲まれた空間に、制御装置40が固定されている。
【0066】
上部ハウジング29は、側壁部291の後部に設けられたラジエータ支持部292をさらに備える。
【0067】
略直方体形状を有するラジエータ91は、外気導入面91aが前方斜め上方向を向き、外気排出面91bが後方斜め下方向を向くようにして、ラジエータ支持部292に固定されている。そして、上部ハウジング29のラジエータ支持部292には、ラジエータ91の後部で後方に開口した排出側開口部29aが形成される。
【0068】
また、上部ハウジング29の側壁部291には、ラジエータ91と制御装置40との間で左右方向に開口した導入側開口部29bが形成される。
【0069】
自動二輪車1の走行時において、走行風が導入側開口部29bからラジエータ91に導入され、走行風と第2冷媒R2とがラジエータ91で熱交換することによって、第2冷媒R2は冷却される。そして、第2冷媒R2とラジエータ91で熱交換した走行風は、外気排出面91bから排出側開口部29aを通って後方に排出される。
【0070】
このように、制御装置40とラジエータ91とを上部ハウジング29に収容してモジュール化することによって、自動二輪車1への組付性が向上するとともに、上部ハウジング29に排出側開口部29aと導入側開口部29bとを設けることによって、ラジエータ91における第2冷媒R2の冷却効率を向上させることができる。
【0071】
冷却水ポンプ92は、制御装置40の内部に配置されている。冷却水ポンプ92は、第2冷媒R2を圧送する電動アクチュエータである。
【0072】
図9に示すように、制御装置40には、制御装置40のPCUケース41の内部に第2冷媒R2が通流するPCUケース内流路42が設けられており、第2冷媒流路93は、このPCUケース内流路42に連通している。そして、第2冷媒R2を圧送する電動アクチュエータである冷却水ポンプ92は、このPCUケース内流路42に設けられている。
【0073】
このように、第2冷媒R2を圧送する冷却水ポンプ92が、制御装置40のPCUケース41の内部に設けられていることによって、電気接続のある制御装置40の内部に電動アクチュエータである冷却水ポンプ92を設けることができるので、第2冷却装置90をコンパクトに設けることができ、独立して駆動できる。
【0074】
図1に戻って、制御装置40及びラジエータ91の少なくとも一部は、シート構造体26及び左右一対のニーグリップ27の少なくとも一方によって車幅方向外側が覆われている。
【0075】
さらに、側面視で、ニーグリップ27及びシート構造体26の少なくとも一方と、メインフレーム22の側壁部221との間には、左右方向を向く導風開口部21が形成されている。
【0076】
そして、自動二輪車1の走行時において、導風開口部21から走行風が車幅方向内側に導入され、導入側開口部29bを通ってラジエータ91の外気導入面91aに導風されて、ラジエータ91に導入される。
【0077】
これにより、第2冷却装置90の冷却性能を向上できる。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0079】
例えば、本実施形態では、鞍乗型車両は、自動二輪車であるものとしたが、自動二輪車以外の鞍乗型車両であってもよい。
【0080】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0081】
(1) 前輪(前輪11)及び後輪(後輪12)と、
車体フレーム(車体フレーム20)と、
駆動力を発生させる駆動モータ(駆動モータ30)と、
前記駆動モータを制御する制御装置(制御装置40)と、
前記駆動モータを冷却する第1冷却装置(第1冷却装置80)と、
前記制御装置を冷却する第2冷却装置(第2冷却装置90)と、備える鞍乗型車両(自動二輪車1)であって、
前記第1冷却装置には、第1冷媒(第1冷媒R1)が循環し、
前記第2冷却装置には、前記第1冷媒とは異なる第2冷媒(第2冷媒R2)が循環する、
鞍乗型車両。
【0082】
(1)によれば、第1冷却装置を循環する第1冷媒と、第2冷却装置を循環する第2冷媒とが異なることによって、駆動モータと制御装置とを、それぞれの発熱量に応じて、他方の発熱量によらず、独立して最適な冷却を行うことができる。
【0083】
(2) (1)に記載の鞍乗型車両であって、
前記第1冷媒は、オイルであり、
前記第1冷却装置は、オイルクーラ(オイルクーラ81)と、オイルポンプ(オイルポンプ82)と、前記オイルクーラ、前記オイルポンプ、及び、前記駆動モータを循環する第1冷媒流路(第1冷媒流路83)と、を備え、
前記オイルポンプは、前記駆動モータの動力で駆動する、
鞍乗型車両。
【0084】
(2)によれば、第1冷媒である冷却オイルで発熱量が大きい駆動モータを冷却することができるので、駆動モータをより適切に冷却できる。また、駆動モータの動力で駆動するオイルポンプで第1冷媒を循環させるので、第1冷却装置をコンパクトに設けることができる。
【0085】
(3) (1)又は(2)に記載の鞍乗型車両であって、
前記第2冷媒は、冷却水であり、
前記第2冷却装置は、ラジエータ(ラジエータ91)と、冷却水ポンプ(冷却水ポンプ92)と、前記ラジエータ、前記冷却水ポンプ、及び、前記制御装置を循環する第2冷媒流路(第2冷媒流路93)と、を備え、
前記冷却水ポンプは、前記制御装置の内部に配置されている、
鞍乗型車両。
【0086】
(3)によれば、電気接続のある制御装置の内部に電動アクチュエータである冷却水ポンプを設けることができるので、第2冷却装置をコンパクトに設けることができる。
【0087】
(4) (3)に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、前記車体フレームに固定され、前記制御装置と前記ラジエータとを収容する収容部材(上部ハウジング29)をさらに備え、
前記ラジエータは、前記制御装置よりも後方に配置されており、
前記収容部材には、
前記ラジエータの後部で後方に開口した排出側開口部(排出側開口部29a)と、
前記ラジエータと前記制御装置との間で左右方向に開口した導入側開口部(導入側開口部29b)と、が形成されている、
鞍乗型車両。
【0088】
(4)によれば、制御装置とラジエータとを収容部材に収容してモジュール化することによって、鞍乗型車両への組付性が向上するとともに、収容部材に排出側開口部と導入側開口部とを設けることによって、ラジエータにおける第2冷媒の冷却効率を向上させることができる。
【0089】
(5) (2)に記載の鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、
前記駆動モータに電力を供給するバッテリ(バッテリBAT)をさらに備え、
前記車体フレームは、上下方向及び前後方向に延在する左右一対の側壁部(側壁部221)を有するメインフレーム(メインフレーム22)を有し、
前記駆動モータは、前記メインフレームの後端部に配置され、
前記バッテリは、左右一対の前記側壁部の間、且つ、前記駆動モータよりも前方に配置され、
前記制御装置は、前記メインフレームの上部に配置され、
前記オイルクーラは、前記バッテリの下方、且つ、前記前輪と前記駆動モータとの間に配置される、
鞍乗型車両。
【0090】
(5)によれば、オイルクーラが走行風を受けやすい位置に配置されるので、オイルクーラにおいて、駆動モータを冷却する第1冷媒をより効率よく冷却することができる。
【0091】
(6) (5)に記載の鞍乗型車両であって、
前記オイルクーラの前方には上下方向に延在する複数のルーバ(ルーバ811)が設けられたカバー部材(カバー部材810)が配置されており、
前記カバー部材の車幅方向寸法は、前記前輪の車幅方向寸法よりも大きく、
前記カバー部材は、前後方向から見て、前記前輪と重なる領域を含む中心部(中心部810a)と、前記中心部の車幅方向両外側に形成される外側部(外側部810b)と、を有し、
前記カバー部材において、前記中心部の前記ルーバの車幅方向の間隔は、前記外側部の前記ルーバの車幅方向の間隔よりも狭くなっている、
鞍乗型車両。
【0092】
(6)によれば、オイルクーラの前方にルーバを設けることによって、走行風に指向性を持たせて、外気をより効率的にオイルクーラに導入できる。また、カバー部材において、中心部のルーバの車幅方向の間隔は、外側部のルーバの車幅方向の間隔よりも狭くなっているので、ルーバによって、前輪からの飛び石等からオイルクーラを保護できる。
【0093】
(7) (4)に記載の鞍乗型車両であって、
前記車体フレームには、シート構造体(シート構造体26)及び左右一対のニーグリップ(ニーグリップ27)が取り付けられており、
前記制御装置及び前記ラジエータの少なくとも一部は、前記シート構造体及び左右一対の前記ニーグリップの少なくとも一方によって車幅方向外側が覆われており、
側面視で、前記ニーグリップ及び前記シート構造体の少なくとも一方と、前記車体フレームとの間には、導風開口部(導風開口部21)が形成されている、
鞍乗型車両。
【0094】
(7)によれば、第2冷却装置の冷却性能を向上できる。
【符号の説明】
【0095】
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 前輪
12 後輪
20 車体フレーム
21 導風開口部
22 メインフレーム
221 側壁部
26 シート構造体
27 ニーグリップ
29 上部ハウジング(収容部材)
29a 排出側開口部
29b 導入側開口部
30 駆動モータ
40 制御装置
80 第1冷却装置
81 オイルクーラ
810 カバー部材
810a 中心部
810b 外側部
811 ルーバ
82 オイルポンプ
83 第1冷媒流路
90 第2冷却装置
91 ラジエータ
92 冷却水ポンプ
93 第2冷媒流路
BAT バッテリ
R1 第1冷媒
R2 第2冷媒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9