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特開2024-146575プログラム、ゲーム制御装置、ゲームシステム及び制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146575
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム制御装置、ゲームシステム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20241004BHJP
   A63F 13/61 20140101ALI20241004BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20241004BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/61
A63F13/35
G06F3/16 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059558
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂
(72)【発明者】
【氏名】稲場 直樹
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】井上 快
(57)【要約】
【課題】ゲーム内で再生される音声広告の効果を適切に評価できる基準を示す。
【解決手段】ゲーム内で広告音声を再生可能なゲームの制御を実行する端末装置10は、再生環境検出部120と、可聴度算出部130とを含む。再生環境検出部120は、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する。可聴度算出部130は、再生環境検出部120によって検出された再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を算出する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するコンピュータを、
前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部と、
前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、
して機能させるプログラム。
【請求項2】
前記再生環境は、音声出力のON/OFF設定の状態を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記再生環境は、前記広告音声の音量を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記再生環境は、前記広告音声を含むゲーム内音声の音量を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記再生環境は、前記広告音声のゲーム内相対音量を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記再生環境は、特定周波数帯に限定した前記広告音声のゲーム内相対音量を含む
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記再生環境は、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記再生環境は、前記ゲームを表示する画面に表示される映像の情報量を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記可聴度算出部は、前記広告音声による広告期間全体に対する前記広告音声が再生された時間の長さに基づいて、前記可聴度を算出する
請求項1ないし8の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記可聴度算出部は、前記広告音声による広告期間の中の特定の重要期間における前記再生環境を、当該重要期間以外の前記広告期間における前記再生環境よりも重みを付けて前記可聴度を算出する
請求項1ないし8の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するゲーム制御装置であって、
前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部と、
前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項12】
サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するゲームシステムであって、
前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部と、
前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、
を含むゲームシステム。
【請求項13】
ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するコンピュータを制御する制御方法であって、
前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップと、
前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップと、
を含む制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプログラム、ゲーム制御装置、ゲームシステム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲーム等のコンテンツ内で広告を露出することがある。ゲーム内広告の場合、広告のターゲットユーザは、ゲームをプレイするプレイヤや、ゲームプレイを動画配信した際の視聴者などである。
昨今、前記広告に音声を用いる場合もある。音声を用いた広告は、映像による広告と比して視覚的に邪魔になり難いことや、視聴者の印象に残り易いなどのメリットもあり、注目されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-510608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、音声広告については音声の再生環境によって、視聴者がその内容を認識しづらいことが起こり得る。例えば、広告音声の再生中にゲーム内の他の音声(例えばスポーツゲームの観客の歓声等)が大きな音量で再生されていると、広告音声は聴き取り難くなってしまう。このため、同じ音声広告を再生した場合でも、再生環境によって視聴者の音声広告の認識の度合いは異なるものになる。このように、音声広告はその効果を適切に評価し難いものであり、妥当な評価の基準も存在しないのが現状である。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、音声広告の効果を適切に評価できる基準を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するコンピュータを、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、して機能させる。
【0007】
本発明の一態様に係るゲーム制御装置は、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するゲーム制御装置であって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するゲームシステムであって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係る制御方法は、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するコンピュータを制御する制御方法であって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップと、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
図2】ゲーム画面の一例を示す図である。
図3】端末装置の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図4】再生環境検出部の構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図5】音声出力のON/OFF設定の状態と可聴度との関係の一例を示す図である。
図6】端末装置における音量設定の一例を示す図である。
図7】あるタイミングにおけるゲーム内音声のチャンネル毎の再生状況の一例を示す図である。
図8】広告音声の周波数スペクトルの一例を示す図である。
図9】広告音声の出力データの一例を示す。
図10】相対音量検出部の構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図11】ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無と可聴度との関係の一例を示す図である。
図12】ゲーム画面の他の一例を示す図である。
図13図12のゲーム画面から所定時間後のゲーム画面の一例を示す図である。
図14】可聴度の算出に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図15】再生環境検出処理の一例を示すフローチャートである。
図16】広告音声の可聴度算出処理の一例を示すフローチャートである。
図17】可聴度の算出に関する処理の他の一例を示すフローチャートである。
図18】可聴度の算出に関する処理の他の一例を示すフローチャートである。
図19】可聴度の算出に関する処理の他の一例を示すフローチャートである。
図20】本発明の一実施の形態に係る配信システムの構成例を示す概略のブロック図である。
図21】視聴装置の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図22】本発明の一実施の形態に係るコンテンツシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
図23】端末装置の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[1.システム構成例]
図1は、ゲーム内で音声広告の音声を再生することができる、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数の端末装置10-n(nは正の整数。10-1、10-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内の端末装置10-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数の端末装置10-nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「端末装置10」と記載して説明する。
【0013】
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内の端末装置10-n及びサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0014】
ユーザが操作する端末装置10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。端末装置10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0015】
サーバ30は、ゲームおよび広告の制御・管理を行うサーバコンピュータである。サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。また、サーバ30は、端末装置10でユーザがプレイしているゲーム内で再生される音声広告等のゲーム内広告の情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。データベースDBはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0016】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。例えば、主にゲームの制御・管理を行うゲームサーバと、主に広告の制御・管理を行う広告管理サーバとを別構成としてもよい。
また、ネットワークN上に同じ機能を有する複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0017】
(端末装置のハード構成例)
端末装置10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、通信部15、入力部16、表示部17、および音出力部18を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路、画像処理部、またはサウンド処理部等が介在しているが、ここでは図示を省略している。
【0018】
CPU11は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェア(ゲームプログラム等)の命令を解釈して実行し、端末装置10全体の制御を行うプロセッサである。プロセッサは、CPU11に加え、またはCPU11に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよい。
ROM12は、端末装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0019】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0020】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、データ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいて端末装置10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0021】
入力部16は、ユーザが種々の操作命令を端末装置10に入力するためのものである。入力部16の一例としては、タッチインタフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な入力部16として構成してもよい。
【0022】
表示部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて駆動され、ゲーム画面等を表示する。表示部17には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部17を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインタフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部17をタッチパネルとして構成した場合、端末装置10は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部17の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。表示部17は、端末装置10と一体である必要はなく、例えば、端末装置10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。このように、表示部17が外部接続されるテレビジョンモニタ等の場合、当該表示部17は端末装置10の構成には含まれない。
【0023】
音出力部18は、スピーカを備え、CPU11からの発音指示に基づいてオーディオ信号(音声信号)を生成してスピーカより広告音声、ゲーム効果音等を含む音声を出力する。音出力部18は、スピーカに代えて、またはスピーカに加えて、オーディオ信号を端末装置10外へ出力するための出力インタフェースを備える。前記出力インタフェースには、ヘッドホンジャック(イヤホンジャックともいう)が含まれる。また、ヘッドホンジャック以外の音声出力可能な出力ポート、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、Lightning(登録商標)ポート等も前記出力インタフェースに含まれる。また、例えば、Bluetooth等のオーディオ信号を出力可能な無線通信インタフェースも、前記出力インタフェースに含まれる。
【0024】
また、端末装置10は、記録媒体ドライブを具備していてもよい。記録媒体ドライブとしては、例えば、DVD-ROMドライブ、CD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブは、記録媒体から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダを介してRAM13等に供給する。
【0025】
また、端末装置10は、カメラ、角速度センサ(ジャイロセンサ)、GPS(Global Positioning System)受信モジュール等のハードウェア構成を具備していてもよい。
【0026】
(サーバのハード構成例)
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34、および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0027】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行うプロセッサである。プロセッサは、CPU31に加え、またはCPU31に代えて、GPU、DSP、またはFPGA等のハードウェアを含んで構成されてもよい。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM33は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0028】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各端末装置10-nとの間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。また、例えば、サーバ30は、ユーザがプレイしたゲーム動画を、観戦者に配信する配信サーバとの間の通信を制御する。なお、サーバ30に配信サーバとしての機能を持たせることもできる。
【0029】
[2.音声広告の一例]
本実施の形態の音声広告の一例について、その概要を説明する。
ゲームシステム1では、各種ゲームを実行できる。例えば、スポーツゲーム(野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール等を題材としたゲーム)、レースゲーム、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム等、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを実行できる。なお、ゲームは、端末装置10がサーバ30又は他の端末装置10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、端末装置10単体で実行されてもよい。以下では、ゲームシステム1で実行されるゲームの一例として、主に野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0030】
図2は、端末装置10の表示部17に表示されるゲーム画面G10の一例を示す。ゲーム画面G10は、仮想的な球場である仮想空間において、野球ゲームの進行の状態を表示する動画または静止画である。図2では、ユーザが投球操作を行う場合のゲーム画面G10を例示している。図2に例示するように、投球操作を行う場面では、投手キャラクタPCの後方のバックスクリーンBS等に配置された仮想カメラで撮像した画像が表示される。例えば、ゲーム画面G10には、ユーザによる操作対象の投手キャラクタPC、捕手キャラクタCT、相手チームの打者キャラクタBT、球場のフェンスFN、バックネット裏のスタンドの観客キャラクタSP等の、仮想カメラの画角に入る仮想ゲーム空間内の各種オブジェクトが表示される。また、ゲーム画面G10には、現在のイニング、得点、ボールカウント、アウトカウント、出塁状況等を示すゲーム進行情報表示領域A11等も表示される。
【0031】
ゲーム内では、所定のタイミングで、音声広告ADの音声(広告音声)が再生される。例えば、広告音声は、バックネット裏の内野スタンドで商品を販売する販売員(いわゆる球場の売り子)の声として、ゲーム内で、他のゲーム音声(効果音等)とともに再生される。図2では、図示しない球場の売り子の声で、「昔ながらのこだわりの味、○○ビールいかがですかー」(○○ビールは商品名または役務名の一例)という音声広告ADの音声が再生されていることを例示している。この場合、広告音声は、ゲーム進行の邪魔になることなく、ゲームの臨場感を高めるような広告になる。
あるいは、広告音声は、例えば、観客キャラクタSPの声として再生されてもよい。また、広告音声は、例えば、実況席にいる実況者の声として再生されてもよい。また、広告音声は、例えば、球場のバックスクリーン等に設置されたスピーカから発される場内アナウンスとして再生されてもよい。これらに限らず、広告音声は、ゲーム内でどのような形態で再生されてもよい。
【0032】
音声広告の広告対象は、商品であってもよいし、役務であってもよいし、商品または役務を提供する提供者(会社等)の宣伝であってもよい。
1回の広告音声による広告期間(音声広告期間)は、例えば、5秒間、10秒間、30秒間など、任意に設定可能である。
音声広告は、ゲーム中に任意の回数(1回以上)、再生されるように設定できる。ゲーム中に複数回数、音声広告を再生する場合、音声広告期間はいつも同じ長さで再生してもよいし、少なくとも1の音声広告期間の長さが、他の音声広告期間の長さと異なっていてもよい。また、ゲーム中に複数回数、音声広告を再生する場合、例えば、1回目の再生はA商品の音声広告、2回目の再生はA商品とは異なるB商品の音声広告というように、広告対象(音声広告の内容)が変わってもよい。音声広告の内容は、広告管理機能を有するサーバ30における設定操作により変更可能である。例えば、音声広告の情報は、サーバ30から端末装置10に送信され、端末装置10に保存される。
【0033】
音声広告の再生タイミングも任意に設定可能である。例えば、ゲーム開始から所定時間毎に(例えば、30秒毎、1分毎、3分毎、5分毎等)に、音声広告が定期的にゲーム内で再生されるようにしてもよい。あるいは、ゲーム内で所定の条件を満たしたタイミングで、音声広告が再生されるようにしてもよい。例えば、野球ゲームの場合、各打者キャラクタBTが打席に入ったタイミング、イニング開始のタイミング、攻守交代のタイミング(イニング終了のタイミング)、ゲーム開始のタイミング等、任意の条件を音声広告が再生される条件として設定できる。
【0034】
なお、音声広告と併せて、ゲーム内で静止画または動画による画像広告が表示されてもよい。例えば、図2のゲーム画面G10では、球場のフェンスFNに、音声広告の対象となる商品または役務を宣伝するための広告用の画像(静止画または動画)が表示されるようにしてもよい。また、図12および図13は、ユーザが打撃操作を行うためのゲーム画面G20の一例を示す。このゲーム画面G20では、球場の外野スタンドの上部に設置されている看板SBに、声広告の対象となる商品または役務を宣伝するための広告用の画像が表示されるようにしてもよい。このように、音声広告と併せて、仮想空間内のオブジェクトに画像広告を表示することで、ゲーム進行の邪魔になることなく、広告効果の向上を期待できる。ゲーム内に画像広告も表示する場合、広告音声による広告期間(広告音声が再生されている期間)だけでなく、広告音声が再生されていない時間帯も含めて、対象の商品等の画像広告が常時表示されていてもよい。あるいは、広告音声による広告期間中だけ、対象の商品等の画像広告が表示されてもよい。あるいは、広告音声による広告期間およびその前または後の所定期間(例えば広告期間の前後10秒間)、対象の商品等の画像広告が表示されてもよい。
なお、音声広告と併せて、バーナー広告等の広告画像がゲーム画像に重畳して表示されるようにしてもよい。
もちろん、上記のような画像広告はなく、音声広告のみで対象となる商品等の宣伝をしてもよい。
【0035】
広告音声のゲーム内における主な再生方法には、例えば、下記の2つがある。
・ゲームの音声に対して、単純に広告音声を足し合わせるもの
・仮想空間内に広告音声の音源を設置(音源位置を設定)するもの
前者のゲーム音声に広告音声を単純に足し合わせるものであれば、ゲームの進行状況等に関係なく広告音声は予め決められた音量等で再生される。この方法であれば、ユーザは比較的広告音声を認識し易いが、仮想空間の音場を無視することになるため、ユーザは若干違和感を感じることもある。
【0036】
一方、後者の仮想空間内に広告音声の音源を設置するものは、仮想空間内に設定された仮想的な音源位置と仮想的な聴音位置によって、広告音声の再生音量等が変化する。例えば、仮想空間が野球場で音源位置が野球場内のバックネット裏の内野スタンドに設定した場合、聴音位置が当該内野スタンドに近いほど大きな音量で再生されることになる。聴音位置は、一般的に仮想カメラの位置やユーザの操作対象キャラクタの位置などに設定される。例えば、ユーザが投球操作を行う図2のゲーム画面G10では、操作対象キャラクタである投手キャラクタPCの位置が聴音位置となる。一方、例えば、ユーザが打撃操作を行う図12のゲーム画面G20では、操作対象キャラクタである打者キャラクタBTの位置が聴音位置となり、図2の場合とは音源位置からの距離が異なるので、広告音声の再生音量も異なる。また、仮想空間内の位置によって変化するものとしては、音量以外にも音質(例えば、音源位置と聴音位置が離れるほど高音成分が減衰する)などがある。また、音源位置または聴音位置における仮想空間の状況に合わせて残響音などが付加されることもある。
このように、仮想空間内に広告音声の音源を設置する方法であれば、音源位置と聴音位置との間の距離等によっては音声広告をユーザが認識し辛くなることは起こり得るが、違和感は感じ難くなる。よって、この場合、ユーザに受け入れられやすい音声広告とすることができる。
【0037】
以上のように、広告音声のゲーム内における前記2つの再生方法は、双方一長一短である。本実施の形態のゲームシステム1では、前記2つの再生方法の何れで広告音声が再生されてもよい。
【0038】
[3.広告音声の可聴度算出の概要]
本実施の形態に係る端末装置10またはゲームシステム1では、少なくとも広告音声を再生している期間におけるゲーム内またはゲーム外の再生環境を検出・分析して、再生した音声広告の可聴度合いを特定し、広告効果算出のためのデータとする。
例えば、音声広告の可聴度合いの最大値を1、最小値を0として、可聴度合いを低下させる再生環境の要因に基づいて、音声広告の音声の可聴度を算出する。
なお、以下では、音声広告の音声の可聴度のことを、「広告音声の可聴度」または「音声広告の可聴度」と称する。
【0039】
再生環境の検出については、例えば音声広告の再生中、終始検出するようにしてもよいし、音声広告の再生中の特定のタイミングで1回以上検出するようにしてもよい。また、再生時間の長い音声広告などでは、その再生中の複数のタイミングの平均値などを適用してもよい。ここで、複数のタイミングの平均値は、複数のタイミングのそれぞれで検出された複数の再生環境の平均値(再生環境が数値化できる場合)であってもよいし、複数のタイミングのそれぞれで算出された複数の可聴度の平均値であってもよい。
例えば、音声広告の再生中、所定のサンプリング周期(例えば、0.5秒毎、1.0秒毎など)で、再生環境が検出され、サンプリング周期毎に可聴度が算出される。
【0040】
音声広告の可聴度合いを低下させる要因としては、下記1~5のような再生環境が考えられる。これらの要因の何れかによって、音声広告の可聴度を算出してもよいし、後述するように、これらの要因の2つ以上の組み合わせによって、音声広告の可聴度を算出してもよい。
1.音声出力のON/OFF設定の状態
2.絶対音量(広告音声の音量、または広告音声を含むゲーム内音声の音量)
3.相対音量(広告音声のゲーム内相対音量)
4.ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無
5.映像の情報量
以下に、端末装置10の機能および前記1~5の再生環境のそれぞれの詳細について説明する。
【0041】
[4.端末装置の機能的構成]
図3は、端末装置10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図3に示すように、端末装置10は記憶部150を含む。記憶部150は、端末装置10の動作制御に必要なプログラムやデータを記憶装置(例えば、ROM12、RAM13、補助記憶装置14等)に記憶する。本実施の形態では、記憶部150は、オペレーションシステム(以下、「OS」と称する)151、ゲームプログラム152、可聴度算出プログラム153、ゲームデータ154、および音声広告情報155等を記憶する。
【0042】
OS151は、端末装置10の各部の基本的な制御や管理を行うためのソフトウェアでる。OS151は、ゲームプログラム152または可聴度算出プログラム153等のアプリケーションプログラムに対するインタフェースを提供し、ハードウェアなどの各リソースに対する管理を行う。
ゲームプログラム152は、端末装置10がゲームを実行するためのアプリケーションプログラムである。
可聴度算出プログラム153は、「プログラム」の一例であって、広告音声の可聴度の算出を実行するためのアプリケーションプログラムである。なお、可聴度算出プログラム153は、ゲームプログラム152の中にサブプログラム(サブルーチン)として組み込まれていてもよい。
【0043】
ゲームデータ154は、ゲーム実行に必要な各種データを含む。例えば、ゲームデータ154には、ゲーム音声情報(ゲーム音情報と称してもよい)が含まれる。このゲーム音声情報には、ゲーム内で再生され得る様々な音の音声データ、およびそれらの音量に関する情報などが含まれる。ゲーム内で再生され得る様々な音としては、例えば様々な効果音(野球ゲームの観客の声援・打撃音・捕球音など、様々なゲームの風の音・足音・銃の射撃音など)、BGM(background music)、ナレーション等がある。後述する複数のチャンネルに設定される音声およびその音量は、ゲーム音声情報に含まれる。また、ゲームデータ154には、仮想空間内に配置される各種オブジェクトの情報、オブジェクトの能力等のパラメータの情報等も含まれる。
【0044】
音声広告情報155は、ゲーム内で再生され得る1以上の音声広告のオーディオデータ(広告音声データと称する)、その音量、再生タイミング、再生時間に関する情報等を含む。なお、音声広告の音声(広告音声)は、ゲーム内で再生される音の一部であることから、音声広告情報155は、ゲーム音声情報の中に含まれるものとしてもよい。すなわち、音声広告情報155は、ゲームデータ154の中に含まれるものとしてもよい。
【0045】
なお、記憶部150が記憶するゲームデータ154または音声広告情報155を含む各種データは、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されており、端末装置10がサーバ30にアクセスした場合に、必要なデータが端末装置10のRAM13又は補助記憶装置14にダウンロードされるようにすることができる。また、端末装置10で実行されたゲームの結果やデータの変更についての情報は、リアルタイムで又は所定のタイミングで端末装置10からサーバ30へ送信され、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されているデータが適宜更新されるようにすることができる。また、例えば、ゲームの少なくとも一部を、各ユーザの端末装置10において、サーバ30にログインせずにオフラインでもゲームが実行できるように、必要なデータを端末装置10の補助記憶装置14等に記憶しておくようにしてもよい。
【0046】
また、端末装置10は制御部100を含む。制御部100は、OS151、ゲームプログラム152、または可聴度算出プログラム153を、CPU11が実行することにより実現される。
制御部100は、ゲーム制御部110と、再生環境検出部120と、可聴度算出部130とを含む。
【0047】
ゲーム制御部110は、ユーザの操作入力等に基づいてゲームを進行させるゲーム制御機能を有する。本実施の形態のゲームは、ゲーム内で広告音声を再生可能なゲームである。ゲーム制御部110は、出力制御部111を含む。この出力制御部111は、ゲーム内で再生される音(広告音声を含む)を音出力部18に出力する音出力制御部としての機能を有する。また、出力制御部111は、ゲーム画面として表示させる画像(動画または静止画)を表示部17に出力する表示制御部としての機能を有する。
【0048】
再生環境検出部120は、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する機能を有する。ここで、前記「広告音声」とは、音声によって広告を行う「音声広告」の音声である。広告音声が再生されている期間中またはその前後の期間に、広告音声に関連する静止画または動画(前述の画像広告)が画面に表示されてもよい。
また、前記「広告音声の再生に関する期間」は、広告音声が再生されている期間であってもよいし、広告音声が再生される直前の所定期間(例えば直前の0~5秒前等)であってもよいし、その両方であってもよい。
また、前記「再生環境」とは、広告音声またはその他の音が再生される際に人間(ユーザ)の聴覚に影響を及ぼす要素である。例えば、音声出力のON/OFF設定、広告音声の絶対音量、広告音声を含むゲーム内音声の絶対音量、ゲーム内における広告音声の相対的な音量、ユーザが使用している発音機器(音を発生させる機器)は何か(例えば、ヘッドホン、イヤホン、スピーカ等)、映像の情報量、ゲーム外の雑音・騒音等の音声である外部環境音などが、「再生環境」の一例に相当する。
【0049】
前記「広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する」に関し、広告音声の再生に関する期間中、終始、再生環境を検出するようにしてもよいし、当該期間中の特定のタイミングで再生環境を検出するようにしてもよい。ここで、特定のタイミングは、例えば、広告音声の再生開始のタイミングであってもよいし、広告音声の再生中の任意のタイミングであってもよい。例えば、特定のタイミングは、広告音声の再生開始からt秒後(t≧0)であってもよいし、広告音声による広告期間(=1回の音声広告の総再生時間)の50%が経過した時点(広告期間が10秒間の場合、広告音声の再生開始から5秒経過時点)であってもよいし、広告期間のn%(0≦n≦100)%が経過した時点であってもよい。
広告音声の再生に関する期間中に再生環境を検出する特定のタイミングは1回であってもよいし、複数回であってもよい。例えば、広告音声の再生に関する期間中の複数のタイミングで検出した平均値を、再生環境の検出値としてもよい。
【0050】
可聴度算出部130は、前記再生環境検出部120によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する機能を有する。ここで、前記「可聴度」とは、再生された広告音声を人間(ユーザ)が聴き取ることができる程度(度合)を示すものであり、広告音声による広告の効果を評価する指標の一つとなり得るものである。
【0051】
以下には、音声広告の可聴度合いを低下させる要因となり得る再生環境毎に、可聴度の算出例を説明する。
【0052】
[4-1.音声出力のON/OFF設定の状態]
再生環境検出部120が検出する再生環境は、音声出力のON/OFF設定の状態とすることができ、これに基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度(これを「第1の可聴度」と称する)を算出することができる。
ここで、前記「音声出力のON/OFF設定」とは、ゲームを実行する端末装置10の音出力部18から音声を出力するか否かの設定である。音声出力がOFFの場合は、消音状態となりユーザは広告音声やゲーム音を聴くことはできなくなる。「音声出力のON/OFF設定」には、音声を出さない状態である「ミュート(消音、無音)」の設定またはその解除の設定も含まれる。ミュートの設定は、音声出力OFF設定に該当し、ミュート解除の設定は、音声出力ON設定に該当する。
【0053】
音声出力のON/OFF設定は、1)ゲーム内のオプション設定によって設定される場合があってもよいし、2)OSの設定による場合があってもよいし、3)ハードウェアスイッチによって設定される場合があってもよい。
【0054】
図4は、再生環境検出部120の構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。再生環境検出部120は、音声出力設定検出部121を含む構成とすることができる。この音声出力設定検出部121は、音声出力のON/OFF設定の状態を検出する機能を有する。例えば前記1)の場合、音声出力設定検出部121は、ゲーム内のオプション設定の情報が記憶されている記憶部150からその情報を読み出して、音声出力のON/OFF設定の状態を検出する。また、前記2)のOSの設定による場合または前記3)のハードウェアスイッチの設定による場合は、何れもOSの管理に基づくので、音声出力設定検出部121は、OSの管理情報を取得することにより、音声出力のON/OFF設定の状態を検出する。
【0055】
また、前記1)~3)の場合のうちの2以上の設定が可能であってもよい。また、前記1)~3)以外にも、音声出力のON/OFF設定が可能であってもよい。音声出力のON/OFF設定が複数可能な場合、どれか一つでも音声出力がOFFに設定されていると、音声自体が出力されず、ユーザは広告音声を聴くことはできないため、第1の可聴度A1は「0」となる。
【0056】
図5は、音声出力のON/OFF設定の状態と第1の可聴度A1との関係の一例を示す図である。図5に示すように、「音声出力のON/OFF設定」が複数可能な場合、各音声出力の設定が全てONの場合、第1の可聴度A1は「1」となる。一方、複数の「音声出力のON/OFF設定」の何れかがOFFの場合、第1の可聴度A1は「0」となる。
【0057】
例えば、図5に示す音声出力のON/OFF設定の状態と第1の可聴度A1との関係を式(論理式、論理関数であってもよい)等で表した関係情報が予め記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)に記憶されている。そして、可聴度算出部130は、再生環境検出部120が検出した各音声出力のON/OFF設定の状態を取得し、前記関係情報に基づいて、第1の可聴度A1を算出する。
例えば、前記1)~3)の場合のように、端末装置10において「音声出力のON/OFF設定」を行う方法がn(nは1以上の自然数)通りあり、各音声出力の状態値SVnを、ONの場合SVn=1、OFFの場合SVn=0とする。この場合、例えば、下式(1)により、第1の可聴度A1を算出することができる。
A1=SV1×SV2×・・・×SVn ・・・(1)
【0058】
[4-2.絶対音量]
広告音声の絶対音量が大きくなるほど、ユーザは広告音声を聴き取り易くなる。そこで、再生環境検出部120が検出する再生環境は、広告音声の音量とすることができ、これに基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度を算出することができる。
【0059】
また、広告音声を含むゲーム内音声の絶対音量が大きくなるほど、ユーザはゲーム内音声に含まれる広告音声も聴き取り易くなる。そこで、再生環境検出部120が検出する再生環境は、広告音声を含むゲーム内音声の音量とすることができ、これに基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度を算出してもよい。
【0060】
再生環境検出部120が検出する「広告音声の音量」または「広告音声を含むゲーム内音声の音量」に基づいて、可聴度算出部130が算出する広告音声の可聴度を「第2の可聴度」と称する。
【0061】
ここで、前記「音量」は、その大きさが定量的に検出できるものであればよく、例えば「dBFS」を単位とする音圧レベルは、「音量」の一例に相当する。また、例えば「ホン(phon)」を単位とするラウドネス(音の聴覚的な強さ)は、「音量」の一例に相当する。また、音声波形の振幅を「音量」としてもよい。
【0062】
出力される「広告音声」または「広告音声を含むゲーム内音声」の音量が大きいほど、第2の可聴度を1に近づけるようにする。ここで、広告音声の音量が変化する要因として、ゲーム内においては、ゲームの進行に合わせてゲームプログラム(ゲーム制御部110)によって制御された音量(前述の音声広告の音源位置と聴音位置の例など)、ゲーム内のオプション設定による音量設定などがある。また、音声広告の音量が変化する要因として、ゲーム外では、OS管理による音量設定がある。なお、ゲーム内のオプション設定による音量設定については、広告音声の音量を他のゲーム内音声とは独立して設定できる場合と、広告音声を含むゲーム内音声の音量を設定できる場合とがあるが、その何れであってもよい。
このように、広告音声の音量においても複数の要因があるため、それら要因のいずれか1つを利用してもよいし、必要に応じて2以上を組み合わせてもよい。なお、ゲーム内のオプション設定による音量(広告音声の音量を他のゲーム内音声とは独立して設定できない場合)またはOS管理による音量を取得する場合は、広告音声を含むゲーム内音声の音量を取得することになる。
【0063】
図4に示すように、本実施形態に係る再生環境検出部120は、絶対音量検出部122を含む構成とすることができる。この絶対音量検出部122は、広告音声の音量または広告音声を含むゲーム内音声の音量を検出する機能を有する。
広告音声データは、音声広告情報155として管理されており、絶対音量検出部122は、ゲームの進行に合わせて制御される広告音声の音量を、ゲーム制御部110より取得する。ここで、ゲームの進行に合わせて制御される広告音声の再生方法は、前述の2つの方法(ゲームの音声に対して単純に広告音声を足し合わせる方法、仮想空間内に広告音声の音源を設置する方法)の何れであってもよい。また、絶対音量検出部122は、ゲームの進行に合わせて制御される広告音声を含むゲーム内音声の音量を、ゲーム制御部110より取得してもよい。
また、ゲーム内のオプション設定による場合、絶対音量検出部122は、当該オプション設定の情報が記憶されている記憶部150から情報を読み出して、広告音声の音量(または広告音声を含むゲーム内音声の音量)を取得する。
また、OSの設定による場合、絶対音量検出部122は、OSの管理情報を取得することにより、広告音声を含むゲーム内音声の音量を検出する。
【0064】
ここで、ある端末装置10のあるサンプリングタイミングにおける音量設定が、図6に例示する設定だった場合を例に挙げて説明する。この例では、ゲームの進行に合わせてゲーム制御部110によって制御された広告音声(または広告音声を含むゲーム内音声)の音量が「-20dBFS」である。また、ゲーム内オプション設定による広告音声の音量が「-10dBFS」である。また、OS管理による音量が「-15dBFS」である。これらの何れかの値を取得するようにしてもよいが、これらを組み合わせてもよい。例えば、ゲームの進行に合わせてゲーム制御部110によって制御された広告音声の音量のみを取得して、第2の可聴度A2を算出してもよい。
これらを組み合わせた方が、実際にユーザの耳に届く広告音声の音量に近い端末内出力音量を正確に取得することができる。上記の3つの音量を組み合わせる場合、下式のようにこれらを加算して広告音声の端末内出力音量VOを求める。
VO=-20dBFS-10dBFS-15dBFS=-45dBFS
【0065】
そして、このように得られた広告音声の端末内出力音量VOの値に基づいて、可聴度算出部130は、第2の可聴度A2を算出する。その算出の方法は様々あるが、例えば、端末内出力音量VOが-80dBFS以下で第2の可聴度A2=0となり、端末内出力音量VOが0dBFSで第2の可聴度A2=1となるようにしてもよい。この場合、例えば、下式(2)により、第2の可聴度A2を算出することができる。
A2=1-(-VO/80) ・・・(2)
ここで、0≦A2≦1であり、前記の式(2)の算出結果がA2<0となる場合は、A2=0とする。
【0066】
また、実際には一定以上の音量があればそれ以上の音量があっても可聴度合いに変化が無い場合もある。そこで、端末内出力音量VOが-10dBFSより大きい場合は第2の可聴度A2=1となるようにしてもよい。
【0067】
また、このような音量の設定情報を参照する方法とは異なる方法として、上記のような音量設定情報を参照せず、再生環境検出部120は、その音量を音声の出力データ(波形データ)から直接検出してもよい。この場合、音声の出力データから音量を解析する既知のアルゴリズムを適用できる。例えば、ゲームの進行に合わせてゲーム制御部110によって制御された広告音声の出力データから広告音声の音量を検出する。
音声の出力データから直接音量を検出すれば、広告音声データ自体の音量も考慮することができる。ただし、音声の出力データから音量を解析するための処理が必要となるため処理負荷はその分高くなる。
【0068】
[4-3.相対音量]
広告音声の再生中には、ゲームである以上、他の音声が混ざることがある。このような他の音声が混ざるほど、音声広告は認識し辛くなるため、このような他の音声との相対音量を求めることで可聴度を算出することができる。
【0069】
そこで、再生環境検出部120が検出する再生環境は、広告音声のゲーム内相対音量とすることができ、当該ゲーム内相対音量に基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度(これを「第3の可聴度」と称する)を算出する。
ここで、前記「広告音声のゲーム内相対音量」は、広告音声以外のゲーム内音声に対する広告音声の相対的な音量であってもよいし、広告音声を含むゲーム内音声全体(広告音声+広告音声以外)に対する広告音声の相対的な音量であってもよい。
【0070】
以下に、第3の可聴度を求める具体例を説明する。
ゲーム内の他の音声を考慮する場合、例えば次のように設定音量から第3の可聴度を算出することが考えられる。図7は、ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS: First-person shooter)等において、あるタイミングにおけるゲーム内音声のチャンネル毎の再生状況の一例を示す。例えば、ゲーム内音声は、図7に例示するように、チャンネル毎に音量が管理されている。なお、前記チャンネルをトラックと称してもよい。各チャンネルには再生する音声が割り振られており、再生する音量もチャンネル毎に設定されている。ここでの各チャンネルの音量は、端末装置10で最終的に再生される音声データそのものの音量ではなく、チャンネル毎に設定された設定音量である。最終的にはこれらの各チャンネルの音声がすべて合成され、一つのゲーム内音声として音出力部18より出力される。
【0071】
なお、実際には音量は、モノラルだけでなく、左右スピーカ用、またはサラウンド用(例えば2.1ch、5.1ch、7.1ch)など複数の設定があるが、ここでは説明の簡略化のため、モノラル用(または左または右の何れか一方のスピーカ用等)の設定音量として説明する。
【0072】
図7の例では、広告音声はChannel 1に設定されている。ここで、Channel 1の広告音声の再生方法は、前述の2つの方法(ゲームの音声に対して単純に広告音声を足し合わせる方法、仮想空間内に広告音声の音源を設置する方法)の何れであってもよい。
【0073】
また、図7では、Channel 1の広告音声の再生中に、他のChannelの音声として、Channel 2とChannel 3とChannel 4の3つの音声もゲーム内で再生されている例を示している。ここで、広告音声以外の音声の設定音量は、Channel 2のBGM(設定音量-20dBFS)と、Channel 3の風の音(設定音量-30dBFS)と、Channel 4の足音(設定音量-26dBFS)を合成した場合の音量Channel 2&3&4となる。この設定音量Channel 2&3&4は、下式のとおり「-18.7dBFS」となる。下式で「^」はべき乗を示す。
Channel 2&3&4=10Log10(10^(-20dBFS/10)+
10^(-30dBFS/10)+10^(-26dBFS/10))
=-18.7dBFS
【0074】
一方、Channel 1の広告音声の設定音量は「-12dBFS」である。そこで、広告音声と広告音声以外のゲーム内音声との比率(広告音声以外のゲーム内音声に対する広告音声の相対的な音量)をゲーム内相対音量RVとした場合、広告音声のゲーム内相対音量RVは、下式(3)により算出できる。
RV=広告音声以外の音声の音量/広告音声の音量 ・・・(3)
=(-18.7dBFS)/(-12dBFS)=1.56
この算出例では、広告音声が他の音声と比して、聴感上、およそ1.56倍に聴こえることを意味する。以下では、広告音声のゲーム内相対音量RVを、単に「ゲーム内相対音量RV」と記載する場合がある。
なお、音量の数値がマイナスのため、ゲーム内相対音量RV(広告音声以外のゲーム内音声に対する広告音声の相対的な音量)は、広告音声以外の音声の音量/広告音声の音量となる。
また、ゲーム内相対音量RVを、広告音声を含むゲーム内音声全体に対する広告音声の相対的な音量(広告音声を含むゲーム内音声全体の音量/広告音声の音量)として求めてもよい。
【0075】
図7の例では、あるタイミングでChannel 1の広告音声の再生中に、広告音声以外のChannel 2とChannel 3とChannel 4の3つの音声が同時再生される例を示したが、別のタイミングでは、広告音声の再生中に同時再生される広告音声以外のチャンネル音声が異なることもある。仮に、あるタイミングで、Channel 5の銃の射撃音(設定音量-8dBFS)のみが広告音声と同時再生されていたとすると、ゲーム内相対音量RVは、
RV=(-8dBFS)/(-12dBFS)=0.67
となる。この例のように、比較的大きな音量に設定されているChannel 5の音声が広告音声と同時再生されることにより、これだけで音声広告はやや聴き取りにくい状況となることが分る。
【0076】
図4に示すように、本実施形態に係る再生環境検出部120は、相対音量検出部123を含む構成とすることができる。この相対音量検出部123は、広告音声のゲーム内相対音量を検出する機能を有する。相対音量検出部123は、各チャンネルの設定音量を取得し、前述のとおり広告音声のゲーム内相対音量RVを求める。
【0077】
そして、可聴度算出部130は、前記ゲーム内相対音量RVを利用して、第3の可聴度を算出する。例えば、広告音声と広告音声以外のゲーム内音声との比率であるゲーム内相対音量RV(=広告音声以外の音声の音量/広告音声の音量)が3以上あれば、第3の可聴度A3=1とする場合、単純に下式(4)により、第3の可聴度A3を算出してもよい。
A3=RV/3=(広告音声以外の音声の音量/広告音声の音量)/3 ・・・(4)
ここで、0≦A3≦1であり、前記の式(4)の算出結果がA3>1となる場合は、A3=1とする。
【0078】
上述の各チャンネルの音量設定は、ゲームの進行によって動的に変化する場合もある。例えば、風の音などは、仮想カメラが屋外から屋内に入ると、音量が小さくなるように設定される。また、前述のように広告音声もゲームの進行によって動的に変化する場合(音声広告の音源位置と聴音位置との距離の変化の例など)もある。このように、広告音声の再生中に、広告音声及び/又は広告音声以外のゲーム内音声の設定音量が変化することも考えられる。そこで、例えば、広告音声の再生中に、いくつかの時系列的なサンプリングポイントを設けて、各設定音量の平均値を求めるようにすることが好ましい。
【0079】
また、上記では、各チャンネルに設定された音量の情報を利用したが、これに限らず、例えば、各チャンネルの音声の出力データから、直接、音量を解析し、広告音声および広告音声以外のゲーム内音声の音量を求め、ゲーム内相対音量RVを検出してもよい。
【0080】
上述のチャンネルの数は任意に設定可能であり、例えば、広告音声のチャンネルと、広告音声以外のゲーム内音声のチャンネルとの2つだけであってもよい。また、広告音声のチャンネルが複数あってもよく、音声広告の内容・種類に応じて、使用される広告音声のチャンネルが切り替えられるようになっていてもよい。例えば、内野スタンドの売り子の声の音声広告と、球場のバックスクリーンに設置されたスピーカから発される音声広告とは、異なるチャンネルで音量等が管理されていてもよい。
【0081】
また、上記では広告音声の再生中のゲーム内相対音量RVを算出したが、広告音声の再生直前(例えば、広告音声再生の0~5秒前など)の広告音声以外の音量を考慮してもよい。これは、広告音声の再生直前の音量が小さいと、ユーザは耳を澄ましている状態と考えられるため、広告音声を認識し易い状態にあると考えられるからである。
例えば、再生環境検出部120は、広告音声の再生開始の所定時間前(例えば5秒前)から再生開始までの広告音声再生前期間の広告音声以外の音量を検出する。前記広告音声再生前期間は、広告音声の再生に関する期間の一例である。そして、可聴度算出部130は、広告音声再生前期間の広告音声以外の音量が小さいほど、可聴度が大きくなるように、広告音声の再生中に算出した可聴度を補正する。この補正対象の可聴度は、第3の可聴度だけでなく、可聴度算出部130により算出される全ての可聴度を含めることができる。なお、この可聴度の補正結果が1を超える場合は、可聴度は1となる。
【0082】
(周波数帯域の限定)
また、前述のような広告音声のゲーム内相対音量RVは、音声の周波数帯域を限定することでより精度を上げることができる。例えば、地鳴りのような低音の音の中では、同じような低音の音は認識しづらいが、小鳥の声などのような高音の音は比較的認識しやすくなる。これを利用し、音声広告で使用されている音声の周波数帯域に限定してゲーム内相対音量RVを算出すれば、当該ゲーム内相対音量RV、およびそれに基づいて算出される第3の可聴度A3の精度を高めることができる。
広告音声で使用されている全体の周波数帯域に限定してもよいし、当該全体の周波数帯域のうちの広告音声が主に使用している帯域や広告音声の特徴を表す帯域に限定してもよい。
【0083】
そこで、再生環境検出部120が検出する再生環境は、特定周波数帯に限定した広告音声のゲーム内相対音量RVとすることができ、当該ゲーム内相対音量RVに基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度(第3の可聴度)を算出してもよい。
ここで、前記「特定周波数帯」とは、少なくとも広告音声の主な周波数帯域を含む特定の周波数帯をいう。ここで、「広告音声の主な周波数帯」とは、広告音声で使用されている周波数帯域のうち、主に使用されている周波数帯域、及び/又は、広告音声を認識するために重要な周波数帯域である。「特定周波数帯」は、広告音声の特徴を表す周波数帯ということもできる。なお、「特定周波数帯」は、広告音声で使用されている全体の周波数帯域(広告音声で使用されていない帯域を除く周波数帯域)であってもよい。
【0084】
また、「特定周波数帯」は、予め決めておいてもよい(男性の声の広告音声であれば例えば300~1000Hz、女性の声の広告音声であれば例えば700~1500Hz、など)。あるいは、「特定周波数帯」は、広告音声の再生中に、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)解析などのスペクトル解析により広告音声が主に使用している帯域を抽出して設定してもよい。例えば、FFT解析した広告音声の周波数スペクトルにおける帯域ピークの±a%(0<a<100、例えばa=30)の帯域を「特定周波数帯」とすることができる。
【0085】
図8は、広告音声の出力データ(例えば前述のChannel 1の広告音声の出力データ)をFFT等によりスペクトル解析した結果の周波数スペクトルの一例を示す。図8では、広告音声の周波数スペクトルにおいて、ピークPの周波数FRpを帯域ピークとして、当該周波数FRpの±30%の帯域を、特定周波数帯に設定する例を示している。
【0086】
例えば、広告音声の特定周波数帯の音量(帯域音量)は、広告音声の出力データから、FFT解析などによって抽出することができる。
また、音声広告以外の音声の特定周波数帯の音量(帯域音量)は、広告音声以外のゲーム内音声の出力データ(広告音声を除いたゲーム内音声の出力データ)から、FFT解析などによって抽出することができる。
抽出された特定周波数帯における、広告音声の帯域音量および音声広告以外の帯域音量により、前記の式(3)を適用して特定周波数帯におけるゲーム内相対音量RVを求め、前記の式(4)を適用して第3の可聴度A3を算出することができる。
【0087】
また、言語音は母音と子音で構成されている。一般的に、子音は母音よりも小さな音で高い周波数を含んでいるが、言語を聴いて理解するためには子音部分の聞き取りが重要となる。よって、子音判別用の帯域(例えば1500Hz~2500Hz、4000Hz~5000Hz等)を、「特定周波数帯」に含めてもよい。例えば、一般的に、子音「s」の音声周波数は、さ(sa)では4800Hz~5000Hz、し(si)では4100Hz、す(su)では5000Hz、せ(se)では4900Hz、そ(so)では4300Hzが帯域ピーク(中心周波数)になる。例えば、言語理解のために特に重要な子音(例えば、さしすせそ、たちつてと等)の帯域ピークを含む帯域を、子音判別用の帯域として設定する。なお、子音によって周波数帯域も異なっているので、子音判別用の帯域は、1つに限らず2つ以上設けてもよい。
【0088】
広告音声の帯域音量および音声広告以外の帯域音量は、例えば広告音声の再生期間の平均値とし、当該平均値を用いて第3の可聴度A3を算出してもよい。
あるいは、広告音声の再生期間を複数の期間に区分し、区分した期間(区分期間と称す)毎に、特定周波数帯に限定した広告音声の帯域音量および音声広告以外の帯域音量を抽出し、区分期間毎に第3の可聴度A3を算出してもよい。図9は、広告音声の出力データ(波形データ)の一例を示す。図9では、広告音声の再生期間を一定期間毎に区分(1秒単位で複数に区分)した例を示している。なお、区分期間の長さは1秒に限定されず、任意に設定可能である。このように、広告音声の再生期間(広告音声による広告期間)を複数に区分する場合は、区分期間毎に広告音声の使用帯域を考慮するようにしてもよい。すなわち、区分期間毎に異なる特定周波数帯を設定してもよい(換言すれば、複数の区分期間の少なくとも1つに設定される特定周波数帯が、その他の区分期間に設定される特定周波数帯とは異なっていてもよい)。このように、区分期間毎に使用帯域を考慮し、各区分期間に適した特定周波数帯を設定することで、例えば、前半は女性の声、後半は男性の声など、一つの音声広告内の期間により使用帯域が異なるような広告音声でも、正確に第3の可聴度A3を算出できる。
【0089】
このような使用帯域の抽出(特定周波数帯の決定)は、広告音声に対して予め抽出しておくのが望ましいが、広告音声の再生中に抽出してもよい。広告音声に対して予め使用帯域を抽出した場合、音声広告の音声データに特定周波数帯の情報が関連付けられる。そして、音声広告の音声データおよび特定周波数帯の情報等が音声広告情報155として、端末装置10の記憶装置(RAM13、補助記憶装置14等)に保存される。そして、広告音声の再生時に記憶装置から特定周波数帯の情報が読み出され、当該特定周波数帯に限定した広告音声のゲーム内相対音量RVが算出され、第3の可聴度A3が算出される。
【0090】
一方、広告音声の再生中に使用帯域を抽出(特定周波数帯を決定)する場合、広告音声を再生しながら、スペクトル解析により広告音声が主に使用している帯域等を特定周波数帯として決定し、また、当該スペクトル解析の結果から、当該特定周波数帯における広告音声の帯域音量を検出する。また、広告音声以外の音声の帯域音量の検出については次のようにする。すなわち、広告音声の再生中は限定すべき特定周波数帯がまだ分からないため、音声広告再生中の広告音声以外の音声データを記憶装置(RAM13等)に一時保存しておき、広告音声の再生後(区分する場合は区分期間の再生後)に、決定された特定周波数帯における広告音声以外の音声データの帯域音量を検出する。
【0091】
図10は、相対音量検出部123の構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。この相対音量検出部123は、特定周波数帯設定部1231と、スペクトル解析部1232と、広告音量検出部1233と、広告外音量検出部1234と、ゲーム内相対音量算出部1235とを含む。
【0092】
特定周波数帯設定部1231は、特定周波数帯を設定する機能を有する。特定周波数帯設定部1231は、広告音声に対して特定周波数帯が予め抽出される場合、当該予め抽出された特定周波数帯の情報を取得して特定周波数帯を設定する。また、特定周波数帯設定部1231は、前述のように広告音声の再生中に特定周波数帯を抽出し、抽出した特定周波数帯を設定してもよい。
【0093】
スペクトル解析部1232は、広告音声または広告音声以外のゲーム内音声に対して、FFTなどによってスペクトル解析する機能を有する。スペクトル解析部1232が広告音声のスペクトル解析をした結果は、特定周波数帯設定部1231が特定周波数帯を決定するため、または広告音量検出部1233が特定周波数帯に限定した広告音声の帯域音量を検出するために使用される。また、スペクトル解析部1232が広告音声以外のゲーム内音声のスペクトル解析をした結果は、広告外音量検出部1234が特定周波数帯に限定した広告音声以外のゲーム内音声の帯域音量を検出するために使用される。
【0094】
広告音量検出部1233は、特定周波数帯に限定した広告音声の帯域音量を検出する機能を有する。広告外音量検出部1234は、特定周波数帯に限定した広告音声以外のゲーム内音声の帯域音量を検出する機能を有する。ゲーム内相対音量算出部1235は、広告音量検出部1233が検出した広告音声の帯域音量と、広告外音量検出部1234が検出した広告音声以外のゲーム内音声の帯域音量と、に基づいて、広告音声のゲーム内相対音量RVを算出する機能を有する。例えば、ゲーム内相対音量算出部1235は、前記の式(3)を適用してゲーム内相対音量RVを算出する。
【0095】
[4-4.ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無]
一般的にヘッドホンやイヤホンによる聴音は、聴感上大きな音で再生されやすいことや、外部のノイズが入り辛いなどの理由で、スピーカによる再生よりもユーザが音声を認識し易い。そこで、再生環境検出部120が検出する再生環境は、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無とすることができ、これに基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度(これを「第4の可聴度」と称する)を算出する。
ここで、前記「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」とは、再生された広告音声またはその他の音声を聴く手段として、ユーザがヘッドホン又はイヤホンを利用しているか否かについての再生環境をいう。
【0096】
図11は、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無と第4の可聴度A4との関係の一例を示す図である。図11に例示するように、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている再生環境では、第4の可聴度A4は「1」となる。一方、ヘッドホン又はイヤホンの何れもが利用されていない再生環境では、第4の可聴度A4は「0.6」となる。これは一例であり、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている場合の方が、利用されていない場合よりも第4の可聴度A4が大きければ、図11に示す値に限定されない。
【0097】
図4に示すように、再生環境検出部120は、利用発音機器検出部124を含む構成とすることができる。この利用発音機器検出部124は、少なくともユーザが利用(または使用)している発音機器がヘッドホン又はイヤホンであるか否かを検出する機能を有する。ここで、発音機器には、ヘッドホン、イヤホン、スピーカ等を含む。利用発音機器検出部124は、ユーザが利用している発音機器が、具体的にヘッドホン、イヤホン、スピーカの何れであるかを検出してもよい。利用発音機器検出部124は、下記に例示する様々な方法によって、「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」を検出可能である。
【0098】
「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」は、ゲームを実行する端末装置10(スマートフォン、ゲーム装置等の情報処理装置)にヘッドホンジャック(イヤホンジャックともいう)が存在する場合は、当該ヘッドホンジャックにヘッドホン端子またはイヤホン端子が差し込まれているか否かの判定により、例えばOSを介して検出することができる。
また、「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」は、ゲームを実行する端末装置10にヘッドホンジャック以外の音声出力可能な出力ポート(例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、Lightning(登録商標)ポート等)が存在する場合も検出可能である。例えば、ヘッドホンジャック以外の音声出力可能な出力ポートに、直接またはヘッドホンジャック変換アダプタを介して、ヘッドホン又はイヤホンが接続されているか否かを、OSを介して検出することができる。
【0099】
また、「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」は、ゲームを実行する端末装置10に、ワイヤレスヘッドホンまたはワイヤレスイヤホンを接続するための無線通信機能を具備する場合も検出可能である。前記無線通信機能には、例えば所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)等)の機能などがある。例えば、音声出力可能な無線ポートに接続されている機器が、ワイヤレスヘッドホンまたはワイヤレスイヤホンであるか否かを、OSを介して検出することができる。
【0100】
また、「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」は、端末装置10に内蔵されたカメラまたは端末装置10と有線または無線で接続されたカメラによって、ユーザの耳付近を含む頭部を撮像し、画像認識処理によってユーザがヘッドホン又はイヤホンの利用しているか否かを判断してもよい。この画像認識処理には、既知の画像処理アルゴリズムを適用できる。
【0101】
また、「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」は、次のような態様でも検出できる。すなわち、端末装置10に内蔵された内臓スピーカが使用されている場合、それをOSを介して検出することができる。基本的に、内臓スピーカの使用と、ヘッドホン又はイヤホンの使用は択一的であり、内臓スピーカの使用中はヘッドホン等は使用されていないとの判定が可能である。
【0102】
なお、端末装置10からはゲーム内音声が出力されているものの、ヘッドホン又はイヤホンの代わりに、有線または無線で端末装置10と接続された外部接続スピーカが使用されている可能性がある。この場合、次のようにして「ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無」を検出してもよい。
すなわち、端末装置10に内蔵されたマイク(集音部)または端末装置10と有線または無線で接続されたマイクで外部音声を検出(入力)し、当該外部音声に現在再生しているゲーム内音声(広告音声を含む)が含まれているのかを、既知の音声解析アルゴリズムによって検出する。マイクから入力された外部音声にゲーム内音声が含まれている場合、外部接続スピーカが使用されていると判定できる。そして、この場合、ヘッドホン又はイヤホンが使用されていないとの判定が可能である。一方、マイクから入力された外部音声にゲーム内音声が含まれていない場合、ヘッドホン又はイヤホンが使用されているとの判定が可能である。なお、所定の音量以下の(ヘッドホン等から漏れ出た程度の音量の)ゲーム内音声しか検出しなかった場合は、マイクから入力された外部音声にゲーム内音声が含まれていないものとして扱って、ヘッドホン又はイヤホンが使用されていると判定してもよい。
【0103】
[4-5.映像の情報量]
広告音声の再生に関する期間に表示される映像の情報量を加味して、広告音声の可聴度を算出してもよい。ここで、「映像の情報量」とは、ユーザが映像から受ける視覚的な情報の多さをいう。一般的に、映像の情報量が多いと視覚に意識がいき易くなり、聴覚に意識がいき辛くなる傾向にある。そのため、広告音声の再生に関する期間中に、ゲーム画面から受ける視覚的な情報量がどの程度なのかを推測して、これを広告音声の可聴度に反映させるようにしてもよい。映像の情報量が多いほど、広告音声の可聴度は低くなる。
【0104】
そこで、再生環境検出部120が検出する再生環境は、ゲームを表示する画面に表示される映像の情報量とすることができ、これに基づいて、可聴度算出部130は、広告音声の可聴度(これを「第5の可聴度」と称する)を算出する。ここで、「映像」は、静止画であってもよいし動画であってもよい。
図4に示すように、再生環境検出部120は、映像情報量検出部125を含む構成とすることができる。この映像情報量検出部125は、ゲームを表示する画面に表示される映像の情報量を検出する機能を有する。映像情報量検出部125は、下記に例示する様々な方法によって、映像の情報量を検出可能である。
【0105】
例えば、映像の時系列的な変化量は、「映像の情報量」の一例に相当する。例えば、ゲームの映像(ゲーム画面)を生成するための仮想カメラが固定されている場合に比して、仮想カメラの位置や向きが変化しているような場合は、映像の時系列的な変化量は多くなる。例えば、ゲーム画面内の複数の特定位置をサンプリングポイントとし、当該複数のサンプリングポイントについて、広告音声の再生中の「フレーム間の色の変化」を定期的に(例えば1秒毎のサンプリング周期で)取得することにより、「映像の情報量」を検出してもよい。あるいは、ゲーム画面内の複数のサンプリングポイントについて、所定のサンプリング周期毎に画素情報の変化の有無(すなわち、前回のサンプリングタイミングから画素情報が変化したか否か)を判断し、「映像の情報量」を検出してもよい。なお、映像の時系列的な変化量が検出できれば、その手法はこれに限定されない。
【0106】
図12および図13に例示するゲーム画面G20を用いて具体例を説明する。図12および図13は、ユーザが打撃操作を行うためのゲーム画面G20であり、図13のゲーム画面G20の映像は、図12のゲーム画面G20の映像から所定時間後(例えば1秒後)の映像である。打撃操作を行う場面では、ホームベースHBよりも捕手側の位置に配置された仮想カメラで撮像した映像(画像)が表示される。図12のゲーム画面G20には、例えば、ユーザによる操作対象の打者キャラクタBT、相手チームの投手キャラクタPC、ストライクゾーンSZ、ミートカーソルMCなどが表示される。さらに、バックスクリーンBS、看板SBなど、仮想カメラの画角に入る仮想ゲーム空間内の各種オブジェクトも表示される。また、図12のゲーム画面G20には、投手キャラクタPCが投球可能な球種(いわゆる持ち球)の情報を示すパーツP21や、ゲーム進行情報表示領域A11なども表示される。この例では、パーツP21およびストライクゾーンSZは、図12に示すように、投手キャラクタPCが投球動作を開始するまでは表示されているが、図13に示すように、投手キャラクタPCが片足を上げて投球動作を開始すると、ゲーム画面G20から消去される。
【0107】
図12および図13では、ゲーム画面G20内に、3行×3列の9つのサンプルポイントSP1~SP9を設け、映像の時系列的な変化量を検出する例を示している。複数のサンプルポイントSP1~SP9において、広告音声の再生中の「フレーム間の色の変化」を定期的に(例えば1秒毎のサンプリング周期で)取得し、比較する。図12および図13の2つの映像において、仮想カメラの位置や向きは同じであるため、ほとんどのサンプルポイントに変化は無いが、上段中央のサンプルポイントSP2だけ、パーツP21の有無により、例えば青から黒に画素の色が変化している。このような映像の変化を抽出して、映像の時系列的な変化量とする。例えば、所定のサンプリング周期で、前回のサンプリングタイミングと今回のサンプリングタイミングとで、サンプルポイントSP1~SP9のうちの幾つのポイントが変化したかを検出する。そして、広告音声の再生後(区分する場合は区分期間の再生後)に、サンプルポイントの変化数の合計値(または平均値であってもよい)を求める。
【0108】
例えば、時系列的な映像の変化量を「C」、サンプルポイントの変化数の合計値を「V」とする。映像の変化量Cは、サンプルポイントの変化数の合計値Vが大きいほど、より大きくなる。例えば、映像の変化量Cは、下式(5)により、Vの関数として表すことができる。
C=f(V)=a×V ・・・(5)
ここで前記の式(5)中のaは任意の係数である。
また、第5の可聴度A5は、映像の変化量Cが小さいほど、より大きくなる。例えば、第5の可聴度A5は、下式(6)により、Cの関数として表すことができる。
A5=f(C)=b/C ・・・(6)
ここで前記の式(6)中のbは任意の係数である。
【0109】
なお、画面内に設定するサンプルポイントの数または位置(座標)は上記に限定されず、任意に設定可能である。また、各サンプルポイントは、1つの画素の変化を検出するものであってもよいし、所定の大きさ(面積)を有する画素群であってもよい。各サンプルポイントが所定の大きさを有する画素群の場合、当該画素群の中の1つでも変化すればそのサンプルポイントが変化したものとしてもよいし、当該画素群の所定パーセント以上(例えば30%以上)が変化した場合に限りそのサンプルポイントが変化したものとしてもよい。あるいは、サンプルポイント毎に変化した画素数を求め、全てのサンプルポイントについて変化した画素数を集計して、前記変化数の合計値Vとしてもよい。
上記に限らず、時系列的な映像の変化量が検出できれば、その手法は何でもよい。
【0110】
また、映像に使用されている色の多さは、「映像の情報量」の一例に相当する。一般的に、多くの色が使用されている映像では視覚に意識がいき易くなるので、聴覚への意識が低下し易くなる傾向がある。映像に使用されている色が多いほど、映像の情報量が多くなり、よって、第5の可聴度は低くなる。
また、映像の明るさ(映像の明暗に関する情報)は、「映像の情報量」の一例に相当する。一般的に、明るい映像では視覚に意識がいき易くなる一方、暗い映像では聴覚に意識がいき易くなる。明るい映像ほど映像の情報量が多くなり、よって、可聴度は低くなる。
また、映像のコントラストの高さは、「映像の情報量」の一例に相当する。一般的に、映像のコントラストが高いほど視覚に意識がいき易くなる一方、コントラストが低いほど聴覚に意識がいき易くなる。映像のコントラストが高いほど映像の情報量が多くなり、よって、第5の可聴度は低くなる。
【0111】
[5.組み合わせの態様]
以上が基本の可聴度の算出方法である。以上で説明した、音声広告の可聴度合いを低下させる様々な要因に基づく広告音声の可聴度の算出方法を、必要に応じて全部または一部を組み合わせて利用してもよい。
前述の音声出力のON/OFF設定の状態に基づく第1の可聴度A1、絶対音量に基づく第2の可聴度A2、相対音量に基づく第3の可聴度A3、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無に基づく第4の可聴度A4、および映像の情報量に基づく第5の可聴度A5を組み合わせた総合の広告音声の可聴度を「A」とした場合、広告音声の可聴度Aは、例えば下式(7)により表すことができる。
A=A1×A2×A3×A4×A5 ・・・(7)
なお、広告音声の可聴度Aは、第1~第5の可聴度A1~A5の少なくとも1つから求めることができる。よって、前記の式(7)の例において、第1~第5の可聴度A1~A5のうちの一部の適用を省略して、広告音声の可聴度Aを算出してもよい。
【0112】
一例を挙げると、ある端末装置10において、
・音声出力のON/OFF設定が全てON (第1の可聴度A1=1.0)
・広告音声は-10dBFSで再生 (第2の可聴度A2=0.88)
・ゲーム内相対音量RV=2(広告音声と広告音声以外のゲーム内音声との比率が2) (第3の可聴度A3=0.67)
・ヘッドホンを利用 (第4の可聴度A3=1.0)
の場合、広告音声の可聴度Aは、
A=A1×A2×A3×A4=1.0×0.88×0.67×1.0=0.59
となる。この例の場合、第5の可聴度A5の適用を省略している。
そして、算出された広告音声の可聴度Aの値は、広告効果を評価する係数の一つとして利用することができる。
【0113】
上記に限定されず、例えば、広告音声の可聴度Aを、下式(8)などにより算出してもよい。
A=γ1×A1×(γ2×A2+γ3×A3+γ4×A4+γ5×A5) ・・・(8)
ここで前記の式(8)中のγ1~γ5は、0より大きい任意の係数である。係数γ1~γ5は、全て同じ値であってもよいし、少なくとも1つの係数が他の係数の値とは異なっていてもよい。
前記の式(8)の例においても、第1~第5の可聴度A1~A5のうちの一部の適用を省略して、広告音声の可聴度Aを算出してもよい。
【0114】
第1~第5の可聴度A1~A5の中で、広告音声の可聴度Aに寄与する重み付けを行なってもよい。例えば、映像の情報量に基づく第5の可聴度A5については、広告音声に直接的に関係する他の可聴度A1~A4よりも重みを小さくしてもよい。例えば、前記の式(8)を適用する場合、係数γ5の値を、係数γ1~γ4の値よりも小さくしてもよい。
【0115】
なお、図4では、可聴度算出部130が第1~第5の可聴度A1~A5を算出するために、再生環境検出部120が、音声出力設定検出部121、絶対音量検出部122、相対音量検出部123、利用発音機器検出部124、および映像情報量検出部125を含んでいる構成例を示した。但し、再生環境検出部120は、これらの構成要素121~125のうちの少なくとも1つを具備していればよく、必要に応じて1つ以上の構成要素を省略可能である。
【0116】
[6.処理]
次に、本実施の形態の端末装置10で実行される処理の一例を以下に説明する。図14は、端末装置10で実行される可聴度の算出に関する処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、記憶部150に記憶されている可聴度算出プログラム153(または可聴度算出プログラム153を含むゲームプログラム152)を、制御部100(端末装置10のCPU11)が実行することにより実現される(図15ないし図19の各フローチャートを参照した処理についても同様)。
【0117】
広告音声による広告期間(例えば10秒間)に少なくとも1回の再生環境を検出すれば、当該広告音声の可聴度を算出できるが、図14では、広告期間において複数のサンプリングタイミングを設けて、複数回、再生環境を検出しながら可聴度を算出する一例を説明する。
制御部100は、ゲーム実行中において広告音声の再生開始タイミングになると(S100でYES)、計時を開始し(S102)、サンプリングタイミングになったか否かを判断する(S104)。ここで、サンプリングタイミングになった場合(S104でYES)、制御部100は、広告音声再生中の再生環境を検出する再生環境検出処理を実行し、検出した再生環境を記憶部150に記憶する(S106)。
【0118】
図15は、再生環境検出処理の一例を示すフローチャートである。
制御部100は、前述のように音声出力のON/OFF設定の状態を検出し、検出した音声出力の設定状態の情報を記憶部150に記憶する(S200)。
また、制御部100は、前述のように広告音声(または広告音声を含むゲーム内音声)の音量(絶対音量)を検出し、検出した音量の情報を記憶部150に記憶する(S202)。
また、制御部100は、前述のように広告音声のゲーム内相対音量を検出し、検出したゲーム内相対音量の情報を記憶部150に記憶する(S204)。なお、S204では、特定周波数帯に限定した広告音声のゲーム内相対音量を検出してもよい。
また、制御部100は、前述のようにヘッドホン又はイヤホンの利用の有無を検出し、当該利用の有無の情報を記憶部150に記憶する(S206)。
また、制御部100は、前述のようにゲーム画面に表示される映像の情報量を検出し、検出した映像の情報量の情報を記憶部150に記憶する(S208)。
【0119】
なお、図15では、ステップS200~S208の各処理を、例えば並行処理または並列処理により略同時に実行する例を示しているが、ステップS200~S208の各処理を逐次処理により順次実行してもよい(この場合、処理の順番は順不同である)。
また、図15では、ステップS200~S208の5つの処理を実行する例を示したが、これらの処理のうちの少なくとも1つの処理が実行されれば広告音声の可聴度を算出可能であり、1つ以上の処理を省略してもよい。
【0120】
図14に戻って説明を続けると、ステップS106の再生環境検出処理の後、制御部100は、広告音声の可聴度を算出する可聴度算出処理を実行し、算出した可聴度の情報を記憶部150に記憶する(S108)。
【0121】
図16は、広告音声の可聴度算出処理の一例を示すフローチャートである。
制御部100は、前述のように、音声出力のON/OFF設定の状態に基づいて第1の可聴度A1を算出し、算出した第1の可聴度A1の情報を記憶部150に記憶する(S300)。
また、制御部100は、前述のように、広告音声(または広告音声を含むゲーム内音声)の音量に基づいて第2の可聴度A2を算出し、算出した第2の可聴度A2の情報を記憶部150に記憶する(S302)。
また、制御部100は、前述のように、広告音声のゲーム内相対音量に基づいて第3の可聴度A3を算出し、算出した第3の可聴度A3の情報を記憶部150に記憶する(S304)。
また、制御部100は、前述のように、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無に基づいて第4の可聴度A4を算出し、算出した第4の可聴度A4の情報を記憶部150に記憶する(S306)。
また、制御部100は、前述のように、ゲーム画面に表示される映像の情報量に基づいて第5の可聴度A5を算出し、算出した第5の可聴度A5の情報を記憶部150に記憶する(S308)。
【0122】
なお、図16では、ステップS300~S308の各処理を、例えば並行処理または並列処理により略同時に実行する例を示しているが、ステップS300~S308の各処理を逐次処理により順次実行してもよい(この場合、処理の順番は順不同である)。
また、図16では、ステップS300~S308の5つの処理を実行する例を示したが、これらの処理のうちの少なくとも1つの処理が実行されれば広告音声の可聴度を算出可能であり、1つ以上の処理を省略してもよい。
【0123】
その後、制御部100は、異なる複数の再生環境に基づいて算出した第1~第5の可聴度A1~A5を組み合わせて(例えば前記の式(7)を適用して)、総合の可聴度Aを算出し、算出した可聴度A4の情報を記憶部150に記憶する(S310)。
なお、ステップS300~S308の5つの処理のうちの4つを省略する場合、ステップS310を省略できる。
【0124】
図14に戻って説明を続けると、ステップS108の可聴度算出処理の後、制御部100は、広告音声による広告期間が終了したか否かを判断する(S110)。ここで、広告期間が終了していない場合(S110でNO)、ステップS104に戻る。ステップS104~S110の処理は、広告期間が終了(S110でYES)になるまで繰り返される。これにより、広告期間中は、サンプリングタイミング毎に、再生環境が検出されて広告音声の可聴度が算出される。
【0125】
広告音声による広告期間が終了した場合(S110でYES)、制御部100は、サンプリングタイミング毎に算出した広告音声の可聴度に基づいて、広告音声による広告効果の評価を行う(S112)。例えば、制御部100は、サンプリングタイミング毎に得られた複数の可聴度の平均値または合計値等を、広告効果を評価する係数の一つとし、広告効果の評価を行い、その結果を記憶部150に記憶する。
その後、制御部100は、広告音声の可聴度および広告効果の情報を、広告を管理するサーバ30に送信する(S114)。
【0126】
なお、図14では、サンプリングタイミング毎に(例えば、1秒周期で)広告音声の可聴度を算出する例を示したが、これに限定されない。例えば、図17に示すように、広告音声による広告期間中のサンプリングタイミング毎に検出された再生環境に基づいて、広告期間の終了後に、広告音声の可聴度を算出してもよい。図17のフローチャートにおいて、ステップS400~S406、S412、S414は、図14のステップS100~S106、S112、S114と同様の処理であり、その説明を省略する。
図17の処理例では、広告音声による広告期間が終了した後に(S408でYES)、制御部100は、サンプリングタイミング毎に検出した再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を算出する(S410)。例えば、制御部100は、サンプリングタイミング毎に検出した再生環境(音量など)の平均に基づいて、広告音声の可聴度を算出してもよい。あるいは、サンプリングタイミング毎に検出した再生環境に基づいて、サンプリングタイミング毎の広告音声の可聴度をまとめて算出するバッチ処理としてもよい。
【0127】
なお、図14または図17では、端末装置10において、広告音声による広告効果の評価まで行う例を示したが、これに限定されない。例えば、端末装置10で算出した広告音声の可聴度の情報が、端末装置10からサーバ30に送信され、可聴度の情報を受信したサーバ30側で音声広告の広告効果の評価を実行してもよい。
あるいは、後述のように、端末装置10の再生環境検出部120が検出した再生環境の情報が、端末装置10からサーバ30に送信され、サーバ30側で広告音声の可聴度の算出および広告効果の評価を実行してもよい。
【0128】
図14または図17では、1回の広告音声による広告期間が終了する度に、音声広告の可聴度の情報(または広告効果の情報)をサーバ30に送信する例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム中には複数回、広告音声が再生されるので、ゲームの終了後に、当該ゲーム中に再生された広告音声の可聴度の情報(または広告効果の情報)をまとめてサーバ30に送信してもよい。あるいは、算出した可聴度の情報(または広告効果の情報)を記憶装置にストックしておき、例えば1時間単位、1日単位等の所定の時間単位でまとめて、端末装置10からサーバ30に送信してもよい。また、オフラインでも実行可能なゲームの場合、端末装置10がサーバ30にログインしたタイミングで、それまでに再生された音声広告の可聴度の情報(または広告効果の情報)を、端末装置10からまとめてサーバ30に送信してもよい。
【0129】
[7.音声広告の再生時間の考慮]
ゲームはユーザによりインタラクティブに進行するものであるため、必ずしも広告音声がすべて再生されるとは限らない。例えば、サッカーゲームのハーフタイム中の演出として広告音声を場内アナウンスするような場合、ハーフタイムをユーザがスキップしてしまうと、音声広告が途中で途切れてしまうことも考えられる。
そのような場合、音声広告の本来の再成時間全体の所定割合以上(例えば8割以上)を再生していたら広告音声の可聴度(または可聴度を補正する係数)を「1.0」とする等としてもよいし、再生された時間割合に応じて可聴度(または可聴度を補正する係数)を特定するようにしてもよい。
また、広告音声の再生が途中で中止されたことにより、広告音声の再生時間があまりに短い場合は、当該広告音声の可聴度(または可聴度を補正する係数)を「0」としてもよい。例えば、広告音声の再生開始から再生中止までの時間が所定時間以内(例えば1秒以内)の場合、当該広告音声の可聴度を「0」としてもよい。また、音声広告の本来の再成時間全体に対する広告音声が実際に再生された時間割合が所定割合以下(例えば1割以下)の場合、当該広告音声の可聴度を「0」としてもよい。
【0130】
そこで、本実施形態の可聴度算出部130は、広告音声による広告期間全体に対する広告音声が再生された時間の長さに基づいて、広告音声の可聴度(これを「第6の可聴度」と称する)を算出するようにしてもよい。
ここで、前記「広告音声による広告期間」とは、広告音声によって「音声広告」が行われる期間をいう。換言すれば、「広告音声による広告期間」は、音声広告の本来の再成時間全体の時間である。例えば、10秒間の音声広告の場合は、広告音声の再生開始から10秒間が、「広告音声による広告期間」である。
【0131】
広告音声が再生された時間の長さに基づいて得られる第6の可聴度は、広告音声による広告期間の途中で広告音声の再生が中止された場合にのみ算出するようにしてもよい。あるいは、前記途中での再生中止の有無にかかわらず、第6の可聴度を算出するようにしてもよい。
【0132】
一例を挙げると、広告音声による広告期間全体の時間の長さを「t1(sec)」、実際に広告音声が再生された時間の長さを「t2(sec)」とする場合、例えば下式(9)により、第6の可聴度A6を算出してもよい。
A6=t2/(0.8×t1) ・・・(9)
ここで、0≦A6≦1であり、前記の式(9)の算出結果がA6>1となる場合は、A6=1とする。
【0133】
第6の可聴度A6を考慮して、広告音声の可聴度Aを算出する場合、例えば前記の式(7)を下式(10)に変形して適用することができる。
A=A1×A2×A3×A4×A5×A6 ・・・(10)
なお、前記の式(10)の例において、第1~第5の可聴度A1~A5のうちの一部の適用を省略して、広告音声の可聴度Aを算出してもよい。
【0134】
図18は、音声広告の再生時間を考慮する本態様の処理の一例を示すフローチャートである。なお、図18において、図14と同様の処理には同じステップ番号を付してその説明を省略する。この図18の処理例では、図14のフローチャートにおけるステップS104~S110のループ処理の中に、広告期間の途中で広告音声の再生が中止されたか否かを判断するステップS500が挿入される。
広告期間の途中で広告音声の再生が中止されることなく広告期間が終了した場合(S500でNO、およびS110でYES)、実質的に図14と同様の処理が実行される。
一方、広告期間の途中で広告音声の再生が中止された場合(S500でYES)、制御部100は、広告音声が再生された時間(広告音声の再生開始から再生中止までの時間)を取得する(S502)。その後、制御部100は、広告音声が再生された時間の長さに基づいて、ステップS108で算出されて保存されている可聴度を補正し、補正後の可聴度を記憶部150に記憶する(S504)。例えば、制御部100は、前記の式(9)を適用して第6の可聴度A6を算出し、さらに前記の式(10)により第6の可聴度A6を組み込んだ可聴度Aを算出する。ステップS504の後はステップS112に移行する。
【0135】
[8.音声広告における重要部分の再生時の再生環境]
広告音声には広告として重要な部分が存在する場合がある。このような重要部分の再生環境を考慮して、広告音声の可聴度に反映させるようにしてもよい。例えば、「昔ながらのこだわりの味、○○ビールいかがですかー」という音声広告であった場合、商品名である「○○ビール」が重要部分と考えられる。このような重要部分がどこであるのか(広告期間における6秒~8秒の時間帯など)の情報を予め設定しておき、当該重要部分の再生環境を他の部分の再生環境よりも重みを付けて、広告音声の可聴度を算出するようにしてもよい。
【0136】
そこで、本実施形態の可聴度算出部130は、広告音声による広告期間の中の特定の重要期間における再生環境を、当該重要期間以外の広告期間における再生環境よりも重みを付けて、広告音声の可聴度を算出するようにしてもよい。
ここで、前記「広告音声による広告期間の中の特定の重要期間」とは、広告音声による広告期間の中でも重要と評価される特定の期間である。例えば、広告主によって予め指定された広告期間の中の特定の期間を、「重要期間」としてもよい。また、例えば、音声広告の対象とする商品や役務の名称(すなわち、商品名またはサービス名)が再生される期間、広告主の名称(会社名など)が再生される期間などを、「重要期間」としてもよい。
【0137】
図19は、音声広告における重要部分を考慮する本態様の処理の一例を示すフローチャートである。この図19において、図14と同様の処理には同じステップ番号を付してその説明を省略する。この図19の処理例では、広告音声の再生中においてサンプリングタイミングになった場合(S104でYES)、制御部100は、重要期間か否かを判断する(S602)。ここで、重要期間であった場合(S602でYES)、制御部100は、重みの設定がない場合よりも可聴度が大きくなるような所定の重みを設定する(S604)。この重みを設定した場合、制御部100は、ステップS106により検出した再生環境に基づいて可聴度を算出する場合、所定の重みを適用して可聴度を算出する(S608)。一方、重要期間でなかった場合(S602でNO)、制御部100は、重みを設定することなく、ステップS106により検出した再生環境に基づいて可聴度を算出する(S608)。
なお、図19のステップS608の可聴度算出処理は、ステップS604で重みが設定された場合にその重みを反映すること以外は、図14のステップS108の可聴度算出処理と同様である。
【0138】
[9.まとめ]
以上の説明のように、本実施形態に係るプログラムは、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行する端末装置10(コンピュータの一例)を再生環境検出部120と、可聴度算出部130として機能させるためのプログラムである。
また、本実施形態に係る端末装置10(ゲーム制御装置の一例)またはゲームシステム1は、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するものであって、再生環境検出部120と、可聴度算出部130とを含む。
再生環境検出部120は、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する。可聴度算出部130は、再生環境検出部120によって検出された再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を算出する。この構成によれば、端末装置10が実行するゲーム内で再生される音声広告の効果を評価する指標として、広告音声の再生に関する期間の再生環境に基づいて算出する可聴度を用いることができ、これにより音声広告の効果を評価する精度を高めることができる。
【0139】
また、前記再生環境は、音声出力のON/OFF設定の状態とすることができる。音声出力のON/OFF設定の状態はユーザ毎に異なり、音声出力がOFFに設定されている場合、ユーザは広告音声を聴くことはできない。よって、上記の構成によれば、広告音声の再生に関する期間における音声出力のON/OFF設定の状態に基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0140】
また、前記再生環境は、広告音声の音量とすることができる。広告音声の絶対音量が大きくなるほど、ユーザは広告音声を聴き取り易くなる。よって、上記の構成によれば、広告音声の再生に関する期間における広告音声の音量の大きさに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0141】
また、前記再生環境は、広告音声を含むゲーム内音声の音量とすることができる。広告音声を含むゲーム音声の絶対音量が大きくなるほど、ユーザはゲーム音声に含まれる広告音声も聴き取り易くなる。よって、上記の構成によれば、広告音声の再生に関する期間における広告音声を含むゲーム音声音量の大きさに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0142】
また、前記再生環境は、前記広告音声のゲーム内相対音量とすることができる。広告音声以外の音声に対する広告音声の相対的な音量が大きくなるほど、ユーザはゲーム音声に含まれる広告音声も聴き取り易くなる。よって、上記の構成によれば、広告音声以外の音声に対する広告音声の相対的な音量の大きさに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0143】
また、前記再生環境は、特定周波数帯に限定した前記広告音声のゲーム内相対音量とすることができる。ゲーム内の広告音声の相対的な音量の大きさは、広告音声の特徴を表す特定周波数帯(例えば帯域ピークの±α%の帯域、子音判別用の帯域等)に限定することでより精度を上げることができる。よって、上記の構成によれば、特定周波数帯に限定した広告音声の相対的な音量に基づいて、広告音声の可聴度をより精度よく求めることができる。
【0144】
また、再生環境検出部120は、広告音声による広告期間を複数の区分期間に分割して各区分期間に特定周波数帯を設定し、区分期間毎に特定周波数帯に限定した広告音声のゲーム内相対音量を検出してもよい。そして、複数の区分期間の少なくとも1つに設定される特定周波数帯が、その他の区分期間に設定される特定周波数帯とは異なっていてもよい。また、可聴度算出部130は、区分期間毎のゲーム内相対音量に基づいて、広告音声の可聴度を算出してもよい。
上記の構成により、区分期間毎に使用帯域を考慮し、各区分期間に適した特定周波数帯を設定することで、一つの音声広告内の期間により使用帯域が異なるような広告音声でも、正確に可聴度を算出できる。
【0145】
また、前記再生環境は、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無とすることができる。一般的にヘッドホン又はイヤホンによる聴音は、聴感上大きな音で再生されやすいことや、外部のノイズが入り難い等の理由により、スピーカによる再生よりも音声を認識し易い。よって、上記の構成によれば、広告音声の再生に関する期間におけるヘッドホン又はイヤホンの利用の有無の再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0146】
また、前記再生環境は、ゲームを表示する画面に表示される映像の情報量とすることができる。一般的に、映像の情報量が多いほど、ユーザは視覚に意識が行き易くなる一方、聴覚に意識がいき辛くなる傾向がある。よって、上記の構成によれば、広告音声の再生に関する期間における映像の情報量に基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0147】
また、前記可聴度算出部130は、広告音声による広告期間全体に対する広告音声が再生された時間の長さに基づいて、可聴度を算出するようにしてもよい。これにより、広告音声による広告期間全体が再生されない場合であっても、広告期間全体に対する広告音声が再生された時間の長さに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0148】
また、前記可聴度算出部130は、広告音声による広告期間の中の特定の重要期間における再生環境を、重要期間以外の前記広告期間における再生環境よりも重みを付けて可聴度を算出してもよい。これにより、広告音声による広告期間の中でも特に重要な重要期間については、重要期間以外の広告期間よりも再生環境の重みを高くすることにより、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0149】
[10.変形例等]
以上、本発明の実施形態について説明したが、具体的な構成は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、上述した各構成や態様は、任意に組み合わせることができる。
【0150】
[10-1]dBFS以外の利用
上記の説明では、「音量」の算出に、主にデシベル(dBFS)を単位とする音圧レベルを利用したが、これに限定されない。前述のように、「音量」は、その大きさが定量的に検出できるものであればよく、例えば「ホン(phon)」を単位とするラウドネスを利用してもよい。dBFSを単位とする音圧レベルに代えてラウドネスを利用することにより、算出される広告音声の可聴度の精度が若干向上することが期待される。
【0151】
[10-2]外部環境音の考慮
上記の説明では、再生環境検出部120が検出する再生環境を広告音声以外の音量に対する広告音声の相対音量とする場合、基本的に端末内(ゲーム内)の音声を対象としたが、マイク入力のある端末装置10などでは、マイクからの入力による外部音声を考慮してもよい。この場合、端末装置10に内蔵されたマイクまたは端末装置10と有線または無線で接続されたマイクで外部の音声(外部環境音)を入力する。そして、マイクから入力された外部環境音を、例えば、図7のチャンネルの一つとして扱い、再生環境検出部120は、ゲーム内音声および外部環境音を含む広告音声以外の音量に対する広告音声の相対音量を検出する。また、可聴度算出部130は、当該広告音声の相対音量に基づいて、広告音声の可聴度(前述の第3の可聴度A3に相当)を算出する。
【0152】
なお、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている再生環境の場合、マイクから入力される外部環境音は、ゲーム内音声を略含まない純粋な外部環境音として扱うことができる。一方、ヘッドホン又はイヤホンではなく、スピーカが使用されている再生環境の場合、マイクから入力される外部環境音にゲーム内音声が含まれることになる。そこで、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている再生環境と、スピーカが使用されている再生環境とで、入力される外部環境音の扱いを異ならせてもよい。
【0153】
例えば、スピーカが使用されている再生環境では、ゲーム内音声の音声波形データと逆位相の音声波形データを生成し、当該逆位相の音声波形データを、入力された外部環境音の音声波形データに重ねて、外部環境音に含まれるゲーム内音声の影響を低減する。この低減処理された外部環境音を使用してもよい。
【0154】
また、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている再生環境の場合、ユーザの耳元でゲーム内音声が発音されるので、スピーカが使用される場合に比べて、外部環境音の影響は受け難いといえる。しかし、外部環境音がある程度の音量になると、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている場合でも、外部環境音の影響は大きくなる。そこで、ヘッドホン又はイヤホンが利用されている再生環境の場合、入力された外部環境音の音量が所定以上の場合に限り、外部環境音を含む広告音声以外の音量に対する広告音声の相対音量を検出し、広告音声の可聴度を算出してもよい。
【0155】
[10-3]端末装置10とサーバ30は、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明した各種機能の一部を端末装置10のCPU11によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。例えば、端末装置10が再生環境検出部120を備え、サーバ30が可聴度算出部130を備える構成のゲームシステム1としてもよい。この構成の場合、端末装置10の再生環境検出部120が検出した再生環境の情報が、端末装置10からサーバ30に送信され、サーバ30の可聴度算出部130において、端末装置10より受信した再生環境に基づいて、広告音声の可聴度が算出される。
【0156】
[10-4]以上では、ゲーム内で広告音声を再生可能なゲームを実行する端末装置10(ゲーム端末)において、再生環境を検出し、広告音声の可聴度を算出する構成例について説明したが、端末装置10で実行されたゲームのプレイ動画が配信された場合の視聴端末においても、上記と同様にして、再生環境を検出し、広告音声の可聴度を算出することができる。これを以下に説明する。
【0157】
図20は、本発明の一実施の形態に係る配信システム2の構成例を示す概略のブロック図である。配信システム2は、ゲーム端末である前述の端末装置10と、前述のサーバ30と、配信サーバ50と、視聴端末60とを含む。端末装置10の制御部100は、実行されたゲームのプレイ動画(以下、ゲームプレイ動画と称す)の情報を生成して、配信サーバ50へ送信する機能を有する。
【0158】
配信サーバ50は、端末装置10から受信したゲームプレイ動画を、視聴端末60へと配信する機能を有する。配信サーバ50のハード構成は、サーバ30と同様であり(図1参照)、その説明を省略する。なお、配信サーバ50の配信機能をサーバ30に持たせることにより、配信サーバ50を省略してもよい。
【0159】
また、視聴端末60のハード構成は、端末装置10と同様であり(図1参照)、その説明を省略する。視聴端末60では、配信されるゲームプレイの動画を視聴する機能を有する。例えば、汎用のウェブブラウザやその拡張機能(視聴プログラムの一例)によってゲームプレイ動画を視聴できるようにする場合、ブラウジング機能を有する様々な情報処理装置を視聴端末60とすることができる。また、視聴端末60に専用の視聴プログラムをインストールして、ゲームプレイ動画を視聴できるようにしてもよい。視聴端末60としては、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、携帯情報端末(PDA)、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、多機能型テレビジョン受像機等を適用できる。
【0160】
ここで、視聴端末60において広告音声が再生されるケースには、例えば、
(1)視聴端末60においてゲームプレイ動画の音声に対して広告音声が足し合わされる場合、
(2)ゲームプレイ動画に最初から含まれている広告音声が再生される場合、
の2つがある。
【0161】
前記(1)の場合、視聴端末60において、ゲームプレイ動画とは別に音声広告情報を保存し、ゲームプレイ動画の再生中にゲームプレイ動画の音声に対して、広告音声を足し合わせる。なお、この場合、広告管理機能を有するサーバ(サーバ30または配信サーバ50)から視聴端末60へ、ゲームプレイ動画(このゲームプレイ動画の中に広告音声が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい)とは別に、音声広告情報が配信される。この場合は、前述の端末装置10において、ゲーム音声に対して、単純に広告音声を足し合わせる再生方法と基本的に同様である。よって、前述した第1~第6の広告音声の可聴度A1~A6の算出方法およびこれらを適宜組み合わせて可聴度を算出する方法を、視聴端末60または配信システム2においても適用可能である。また、音声広告における重要期間の重み付け等についても同様に適用可能である。
【0162】
図21は、視聴端末60の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図21において、端末装置10と同様の機能を有する構成には同じ部材番号を付し、その説明を省略する。視聴端末60の記憶部150は、OS151、視聴プログラム652、可聴度算出プログラム153、ゲームプレイ動画データ654、および音声広告情報155等を記憶する。また、視聴端末60の制御部100は、OS151、視聴プログラム652、または可聴度算出プログラム153を、CPUが実行することにより実現される。視聴端末60の制御部100は、前述の端末装置10と同様の機能を有する再生環境検出部120と、可聴度算出部130とを含む。
【0163】
前記(2)の場合、端末装置10でのゲームの実行中に再生された広告音声をそのまま含むゲームプレイ動画を、視聴端末60においてユーザが視聴することになる。この場合、視聴端末60において広告音声を再生するタイミング等を管理していないため、視聴端末60の制御部100は、広告音声が再生されるタイミングやその広告期間を検出する必要がある。例えば、次のようにして広告音声が再生されるタイミング等を検出できる。
例えば、端末装置10の制御部100は、ゲーム実行中に再生された広告音声に関する情報を、ゲームプレイ動画に関連付けて配信サーバ50へ送信する。ここで、前記広告音声に関する情報には、広告音声による広告期間がゲームプレイ動画内のどこにあるのかという時期的情報を含む。例えば、ゲームプレイ動画の所定のファイル構造のヘッダ部分に、広告音声に関する情報が記録される。配信サーバ50は、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声に関する情報も併せて、視聴端末60へと配信する。視聴端末60の制御部100は、ゲームプレイの動画に関連付けられた広告音声に関する情報に基づいて、広告音声が再生されるタイミングや広告期間を検出する。
【0164】
視聴端末60の制御部100は、検出した広告期間において、再生環境として、音声出力のON/OFF設定の状態、広告音声を含むゲーム内音声の絶対音量、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無、または映像の情報量を前述したように検出し、広告音声の可聴度(第1、第2、第4、第5の可聴度、これらの組み合わせの可聴度)を算出できる。
また、ゲームプレイ動画に関連付けられる広告音声に関する情報に、広告音声のゲーム内相対音量の情報を含めてもよい。すなわち、ゲーム端末である端末装置10の制御部100は、前述のようにして検出した広告音声のゲーム内相対音量を、生成したゲームプレイ動画に関連付けて記憶する。この場合、視聴端末60の制御部100は、ゲームプレイ動画に関連付けられている広告音声のゲーム内相対音量を取得することにより、ゲーム内相対音量に基づく第3の可聴度も算出できる。
なお、ゲームプレイ動画に関連付けられる広告音声に関する情報として、端末装置10で検出した映像の情報量の情報を含めてもよい。この場合、視聴端末60では、ゲームプレイ動画に関連付けられている映像の情報量を取得するだけで第5の可聴度を容易に算出できる。
また、音声広告の再生時間を考慮した前述の第6の可聴度や、音声広告における重要期間の重み付け等についても同様に適用可能である。
【0165】
以上のように、配信されたゲームプレイ動画を視聴する視聴端末60においても、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出し、検出した再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を算出可能である。
本態様に係るプログラムは、ゲームプレイ動画を再生可能な視聴端末60(コンピュータの一例)を、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部120と、前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部130として機能させるためのプログラムである。
また、本態様に係る視聴端末60は、ゲームプレイ動画を再生可能なものであって、前記再生環境検出部120と、前記可聴度算出部130とを含む。
また、本態様に係る配信システム2は、サーバ(サーバ30及び/又は配信サーバ50)と、当該サーバと通信可能な視聴端末60とを含む配信システム2であって、前記再生環境検出部120と、前記可聴度算出部130とを含む。例えば、再生環境検出部120と可聴度算出部130とを視聴端末60に設けてもよいし、再生環境検出部120を視聴端末60側に設け、可聴度算出部130をサーバ側に設けてもよい。
また、本態様に係るゲームプレイ動画を再生可能な視聴端末60(コンピュータの一例)を制御する制御方法は、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップと、再生環境検出ステップによって検出された再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップと、を含む。
【0166】
(ゲームプレイ動画に広告音声の可聴度の情報を関連付ける態様)
前記(2)の場合、ゲームプレイ動画に関連付けられる前述の「広告音声に関する情報」として、端末装置10またはサーバ(サーバ30又は配信サーバ50)で算出された広告音声の可聴度の情報を含めてもよい。
例えば、端末装置10(ゲーム端末の一例)の制御部100は、ゲームプレイ動画を生成する場合、広告音声による広告期間の時期的情報と、前述のように算出した広告音声の可聴度の情報とを含む「広告音声に関する情報」を、当該ゲームプレイ動画に関連付ける。そして、端末装置10の制御部100は、前記広告音声に関する情報が関連付けられたゲームプレイ動画を配信サーバ50(サーバの一例)へ送信する。配信サーバ50は、前記広告音声に関する情報が関連付けられたゲームプレイ動画を、視聴端末60へ配信する。これにより、視聴端末60の制御部100は、ゲームプレイ動画の視聴中において、広告音声による広告期間の部分を視聴したか否かを前記広告期間の時期的情報に基づいて判定し、視聴したと判定した場合、ゲームプレイ動画に関連付けられている広告音声の可聴度の情報を取得することにより、広告音声の可聴度を算出することができる。この態様の場合、視聴端末60では、広告音声による広告期間の部分を視聴したか否かの判定だけで、簡単に広告音声の可聴度を算出することができる。
【0167】
ここで、ゲームプレイ動画に関連付けられる広告音声の可聴度の情報としては、ゲーム端末である端末装置10側の可聴度が、視聴端末60側の可聴度としても適用できる広告音声の可聴度の情報である。例えば、端末装置10におけるヘッドホン又はイヤホンの利用の有無に基づく第4の可聴度については、視聴端末60における広告音声の可聴度に影響を及ぼさないため、ゲームプレイ動画に関連付ける必要性はない。ゲームプレイ動画に関連付けられる広告音声の可聴度の情報としては、例えば第1、第2、第3、第5、第6の可聴度のうちの少なくとも1つ、またはこれらを任意に組み合わせた可聴度を適用できる。よって、視聴端末60の制御部100は、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の可聴度の情報に基づいて、視聴端末60側の広告音声の可聴度(例えば第1、第2、第3、第5、第6の可聴度、またはこれらを任意に組み合わせた可聴度)を容易に算出可能である。
【0168】
なお、広告音声の可聴度の情報(または広告音声の可聴度の情報を含む広告音声に関する情報)をゲームプレイ動画に関連付ける処理は、端末装置10ではなくサーバ(サーバ30又は配信サーバ50)が実行してもよい。例えば、前述のようにサーバ側に可聴度算出部130を設ける構成では、広告音声の可聴度の情報をゲームプレイ動画に関連付ける処理をサーバの制御部が実行するようにしてもよい。
【0169】
また、視聴端末60の制御部100は、「ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の可聴度の情報に基づいて算出した広告音声の可聴度」と、「視聴端末60において検出した再生環境(または広告音声の再生時間)に基づいて算出した広告音声の可聴度」と、を組み合わせた総合の広告音声の可聴度を算出してもよい。
例えば、視聴端末60の制御部100は、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の可聴度の情報に基づいて、第1、第2、第3、第5の可聴度A1、A2、A3、A5を算出する。さらに、視聴端末60の制御部100は、視聴端末60におけるヘッドホン又はイヤホンの利用の有無の再生環境を検出し、第4の可聴度A4を算出する。そして、視聴端末60の制御部100は、両者を組み合わせて、第1~第5の可聴度A1~A5を反映させた総合の広告音声の可聴度Aを算出する(例えば、前記の式(7)を適用)。
また、例えば、視聴端末60の制御部100は、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の可聴度の情報に基づいて第3、第5の可聴度A3、A5を算出し、且つ、視聴端末60において検出した再生環境に基づいて第1、第2、第4の可聴度A1、A2、A4を算出し、これらを組み合わせて、総合の広告音声の可聴度Aを算出してもよい。
以上の例に限らず、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の可聴度の情報に基づいて算出される広告音声の可聴度は、第1、第2、第3、第5、第6の可聴度の少なくとも1つであればよい。また、視聴端末60において検出した再生環境(または広告音声の再生時間)に基づいて算出される広告音声の可聴度は、第1~第6の可聴度の少なくとも1つであればよい。
【0170】
なお、音声出力のON/OFF設定の状態に基づく第1の可聴度については、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の第1の可聴度が「0」か否かによって、視聴端末60における処理を次のように異ならせてもよい。
すなわち、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の第1の可聴度が「0」(この場合、当該広告音声の広告期間中はゲームプレイ動画が消音状態)の場合には、視聴端末60においても第1の可聴度「0」をそのまま適用してもよい。一方、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の第1の可聴度が「0」でなかった(例えば「1」であった)としても、視聴端末60のユーザが音声出力をOFFに設定すると、視聴端末60からは音声自体が出力されず、ユーザは広告音声を聴くことはできない。よって、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の第1の可聴度が「0」でない場合は、さらに視聴端末60において音声出力のON/OFF設定の状態を検出した上で、第1の可聴度を決定することが好ましい。
【0171】
また、「広告音声の音量」または「広告音声を含むゲーム内音声の音量(すなわちゲームプレイ動画の音量)」に基づく第2の可聴度については、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の第2の可聴度をそのまま視聴端末60で適用することもできるが、視聴端末60において次のように補正した第2の可聴度を適用してもよい。すなわち、視聴端末60のユーザは、広告音声を含むゲームプレイ動画の音量(絶対音量)を、視聴端末60において調整することができる。例えば、視聴端末60で実行する視聴プログラムにおけるオプション設定による音量設定、またはOS管理による音量設定により、視聴端末60から出力されるゲームプレイ動画の音量は変化しうる。そこで、視聴端末60から出力されるゲームプレイ動画の音量が小さいほど、ゲームプレイ動画に関連付けられた広告音声の第2の可聴度が小さくなるように補正し、当該補正後の第2の可聴度を視聴端末60で適用する第2の可聴度としてもよい。
【0172】
以上のように、本態様に係るプログラムは、視聴端末60(コンピュータの一例)で広告音声を含み得るゲームプレイ動画の視聴が行われた場合に、前記広告音声の可聴度を算出する処理を実行するプログラムであって、前記ゲームプレイ動画内における広告音声による広告期間の時期的情報および前記広告音声の可聴度の情報が前記ゲームプレイ動画に関連付けられており、前記ゲームプレイ動画に関連付けられた前記時期的情報に基づいて、前記ゲームプレイ動画の視聴中に前記広告音声による広告期間が再生されたか否かを判定する広告音声再生判定部と、前記広告音声再生判定部によって前記広告音声が再生されたと判定された場合に、前記ゲームプレイ動画に関連付けられた前記広告音声の可聴度の情報に基づいて、前記視聴端末60における前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部として前記視聴端末60を機能させるプログラムである。
【0173】
本態様に係る前記プログラムは、さらに、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部として前記視聴端末60を機能させ、前記可聴度算出部は、前記ゲームプレイ動画に関連付けられた前記広告音声の可聴度の情報と、前記再生環境との少なくとも一方に基づいて、前記視聴端末60における前記広告音声の可聴度を算出するようにしてもよい。
【0174】
また、本態様に係るプログラムは、視聴端末60に対してゲームプレイ動画を配信するサーバと通信可能であり、ゲーム内で広告音声を再生可能なゲームを実行するとともに、当該ゲームの実行結果である前記ゲームプレイ動画を生成する処理を実行する端末装置10を、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部120と、前記再生環境検出部120によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部130と、前記ゲームプレイ動画内における広告音声による広告期間の時期的情報および前記広告音声の可聴度の情報を前記ゲームプレイ動画に関連付ける関連付け部と、前記時期的情報および前記広告音声の可聴度の情報が関連付けられた前記ゲームプレイ動画を前記サーバに送信する送信部として機能させるプログラムである。
【0175】
また、本態様に係る配信システム2は、ゲーム内で広告音声を再生可能なゲームを実行するとともに、当該ゲームの実行結果のゲームプレイ動画を生成する端末装置10(ゲーム端末の一例)と、前記ゲームプレイ動画を前記端末装置10から受信して配信するサーバ(例えばサーバ30及び/又は配信サーバ50)と、配信された前記ゲームプレイ動画を視聴する視聴端末60とを含む配信システム2であって、前記端末装置10は、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部を含み、前記端末装置10または前記サーバは、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部と、前記ゲームプレイ動画内における広告音声による広告期間の時期的情報および前記広告音声の可聴度の情報を前記ゲームプレイ動画に関連付ける関連付け部とを含み、前記視聴端末60は、前記ゲームプレイ動画に関連付けられた前記時期的情報に基づいて、前記ゲームプレイ動画の視聴中に前記広告音声による広告期間が再生されたか否かを判定する広告音声再生判定部と、前記広告音声再生判定部によって前記広告音声が再生されたと判定された場合に、前記ゲームプレイ動画に関連付けられた前記広告音声の可聴度の情報に基づいて、前記視聴端末60における前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部とを含む。
【0176】
[10-5]以上では、ゲームのコンテンツ(ユーザがプレイするゲーム、または配信されるゲームプレイ動画)を対象として、再生環境を検出し、広告音声の可聴度を算出する構成例について説明したが、ゲームだけでなく、それ以外のコンテンツを対象としても、上記と同様にして、再生環境を検出し、広告音声の可聴度を算出することができる。
ここで、前記「コンテンツ」には、例えば、映画、ドラマ、ミュージックビデオ、その他の映像、音楽、小説その他の電子書籍の朗読など、ユーザが視聴可能な様々なコンテンツを含めることができる。
【0177】
図22は、本発明の一実施の形態に係るコンテンツシステム3の構成例を示す概略のブロック図である。コンテンツシステム3は、コンテンツ視聴端末である端末装置90と、広告管理サーバ70と、コンテンツサーバ80とを含む。広告管理サーバ70は、前述のサーバ30の広告管理機能と同様の機能を有する。コンテンツサーバ80は、コンテンツデータを端末装置90に配信する機能を有する。なお、広告管理サーバ70とコンテンツサーバ80とを統合して、1つのサーバとして構成してもよい。広告管理サーバ70またはコンテンツサーバ80のハード構成は、サーバ30と同様であり(図1参照)、その説明を省略する。
【0178】
また、端末装置90のハード構成は、端末装置10と同様であり(図1参照)、その説明を省略する。端末装置90では、コンテンツを再生する機能を有する。端末装置90におけるコンテンツの再生は、例えばストリーミング方式によりコンテンツデータをダウンロードしながら、同時に再生をしてもよい。あるいは、端末装置90におけるコンテンツデータのダウンロードの完了後に、ユーザが任意のタイミングでコンテンツを再生するようにしてもよい。端末装置90としては、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、携帯情報端末(PDA)、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、多機能型テレビジョン受像機等を適用できる。
【0179】
端末装置90においても、コンテンツデータとは別に音声広告情報を保存し、コンテンツの再生中にコンテンツの音声に対して、広告音声を足し合わせる。これは、前述の端末装置10において、ゲーム音声に対して、単純に広告音声を足し合わせる再生方法と基本的に同様である。よって、前述した第1~第6の広告音声の可聴度A1~A6の算出方法およびこれらを組み合わせて可聴度を算出する方法を、端末装置90またはコンテンツシステム3においても適用可能である。また、音声広告における重要期間の重み付け等についても同様に適用可能である。
【0180】
図23は、端末装置90の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図23において、端末装置10と同様の機能を有する構成には同じ部材番号を付し、その説明を省略する。端末装置90の記憶部150は、OS151、コンテンツ再生プログラム952、可聴度算出プログラム153、コンテンツデータ954、および音声広告情報155等を記憶する。また、端末装置90の制御部100は、OS151、コンテンツ再生プログラム952、または可聴度算出プログラム153を、CPUが実行することにより実現される。端末装置90の制御部100は、前述の端末装置10と同様の機能を有する再生環境検出部120と、可聴度算出部130とを含む。
【0181】
以上のように、様々なコンテンツを再生可能な端末装置90においても、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出し、検出した再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を算出可能である。
本態様に係るプログラムは、コンテンツを再生可能な端末装置90(コンピュータの一例)を、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部120と、前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部130として機能させるためのプログラムである。
また、本態様に係る端末装置90は、コンテンツを再生可能なものであって、前記再生環境検出部120と、前記可聴度算出部130とを含む。
また、本態様に係るコンテンツシステム3は、サーバ(広告管理サーバ70及び/又はコンテンツサーバ80)と、当該サーバと通信可能な端末装置90とを含むコンテンツシステム3であって、前記再生環境検出部120と、前記可聴度算出部130とを含む。例えば、再生環境検出部120と可聴度算出部130とを端末装置90に設けてもよいし、再生環境検出部120を端末装置90側に設け、可聴度算出部130をサーバ側に設けてもよい。
また、本態様に係るコンテンツを再生可能な端末装置90(コンピュータの一例)を制御する制御方法は、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップと、再生環境検出ステップによって検出された再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップと、を含む。
【0182】
[10-6]上述した制御部100の機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路により実現してもよい。また、上述の各機能を個別にプロセッサ化してもよい。あるいは、上述の機能の一部または全部を集積してプロセッサ化してもよい。
【0183】
[10-7]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されて、ゲームシステム1、端末装置10またはサーバ30を構成するコンピュータにより実行される。また、プログラムのコンピュータへの提供は、インターネット、WAN、LANまたは専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して行うこともできる。ファイルサーバ(オンラインストレージ)に記憶しておいたプログラムを、コンピュータが読み出してもよい。また、配信サーバから配信されるプログラムをコンピュータが受信してもよい。前記記録媒体には、プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、それを受信したコンピュータで直接実行可能な形式のコードでなくてもよい。すなわち、配信サーバからダウンロード後にコンピュータで実行可能にインストールできれば、配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムの形式は任意である。また、プログラムは、複数に分割されてそれぞれ異なるタイミングでダウンロードされた後に合体するものであってもよい。分割されたプログラムをそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、ネットワークを介してプログラムを送信するサーバまたは受信するコンピュータにおける、RAM等の揮発性メモリのように、一定時間、プログラムを保持するものも含む。また、プログラムは、コンピュータに既に保存されているプログラムとの組み合わせで上述の機能を実現できる差分プログラムであってもよい。
【0184】
[11.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0185】
1)本発明の一態様に係るプログラムは、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するコンピュータを、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)として機能させる。
ここで、前記「コンピュータ」は、少なくともプロセッサ及び記憶装置(メモリ)を含むものであればよい。ここで、プロセッサは例えばCPUである。また、プロセッサは、CPUに加え、またはCPUに代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、据置型または携帯型のゲーム専用機、業務用(商業用)ゲーム機、携帯電話端末、PHS端末、PDA、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機、サーバ、その他プロセッサ及び記憶装置を含むものは全て「コンピュータ」に含まれる。また、「コンピュータ」は、通信可能な複数台で構成されていてもよい。例えば、サーバと端末装置とを含むシステムも「コンピュータ」に含まれる。
【0186】
上記1)に記載の態様によれば、音声広告の効果を評価する指標として、広告音声の再生に関する期間の再生環境に基づいて算出する可聴度を用いることができ、これにより音声広告の効果を評価する精度を高めることができる。
【0187】
2)本発明の一態様では、上記1)に記載の態様において、前記再生環境は、音声出力のON/OFF設定の状態を含む。この態様によれば、広告音声の再生に関する期間における音声出力のON/OFF設定の状態に基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0188】
3)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記再生環境は、前記広告音声の音量を含む。この態様によれば、広告音声の再生に関する期間における広告音声の音量の大きさに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0189】
4)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記再生環境は、前記広告音声を含むゲーム内音声の音量を含む。この態様によれば、広告音声の再生に関する期間における広告音声を含むゲーム音声音量の大きさに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0190】
5)本発明の一態様では、上記1)ないし4)の何れかに記載の態様において、前記再生環境は、前記広告音声のゲーム内相対音量を含む。この態様によれば、広告音声以外の音声に対する広告音声の相対的な音量の大きさに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0191】
6)本発明の一態様では、上記1)ないし5)の何れかに記載の態様において、前記再生環境は、特定周波数帯に限定した前記広告音声のゲーム内相対音量を含む。この態様によれば、特定周波数帯に限定した広告音声の相対的な音量に基づいて、広告音声の可聴度をより精度よく求めることができる。
【0192】
7)本発明の一態様では、上記1)ないし6)の何れかに記載の態様において、前記再生環境は、ヘッドホン又はイヤホンの利用の有無を含む。この態様によれば、広告音声の再生に関する期間におけるヘッドホン又はイヤホンの利用の有無の再生環境に基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0193】
8)本発明の一態様では、上記1)ないし7)の何れかに記載の態様において、前記再生環境は、前記ゲームを表示する画面に表示される映像の情報量を含む。この態様によれば、広告音声の再生に関する期間における映像の情報量に基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0194】
9)本発明の一態様では、上記1)ないし8)の何れかに記載の態様において、前記可聴度算出部(130)は、前記広告音声による広告期間全体に対する前記広告音声が再生された時間の長さに基づいて、前記可聴度を算出する。この態様によれば、広告音声による広告期間全体が再生されない場合であっても、広告期間全体に対する広告音声が再生された時間の長さに基づいて、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0195】
10)本発明の一態様では、上記1)ないし9)の何れかに記載の態様において、前記可聴度算出部(130)は、前記広告音声による広告期間の中の特定の重要期間における前記再生環境を、当該重要期間以外の前記広告期間における前記再生環境よりも重みを付けて前記可聴度を算出する。この態様によれば、広告音声による広告期間の中でも特に重要な重要期間については、重要期間以外の広告期間よりも再生環境の重みを高くすることにより、広告音声の可聴度を的確に求めることができる。
【0196】
11)本発明の一態様では、上記6)に記載の態様において、前記再生環境検出部(120)は、前記広告音声による広告期間を複数の区分期間に分割して各区分期間に前記特定周波数帯を設定し、区分期間毎に前記特定周波数帯に限定した広告音声のゲーム内相対音量を検出する。この場合、複数の区分期間の少なくとも1つに設定される特定周波数帯が、その他の区分期間に設定される特定周波数帯とは異なっていてもよい。この態様によれば、区分期間毎に使用帯域を考慮し、各区分期間に適した特定周波数帯を設定することで、一つの音声広告内の期間により使用帯域が異なるような広告音声でも、正確に可聴度を算出できる。
【0197】
12)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(1、10、30)は、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するものであって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0198】
13)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、サーバ(30)と、当該サーバと通信可能な端末装置(10)とを含み、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するゲームシステムであって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0199】
14)本発明の一態様に係る制御方法は、ゲーム内で広告音声を再生可能な前記ゲームの制御を実行するコンピュータを制御する制御方法であって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップ(S106、S406)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップ(S108、S410、S608)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0200】
15)本発明の一態様に係るプログラムは、ゲームプレイ動画を再生可能なコンピュータ(60)を、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、として機能させるためのプログラムである。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0201】
16)本発明の一態様に係る視聴端末(60)は、ゲームプレイ動画を再生可能なものであって、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0202】
17)本発明の一態様に係る配信システム(2)は、サーバ(30、50)と、当該サーバと通信可能な視聴端末(60)とを含み、前記視聴端末でゲームプレイ動画を再生可能な配信システムであって、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0203】
18)本発明の一態様に係るゲームプレイ動画を再生可能なコンピュータを制御する制御方法であって、広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップ(S106、S406)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップ(S108、S410、S608)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0204】
19)本発明の一態様に係るプログラムは、コンテンツの再生中に広告音声を再生可能なコンピュータ(60)を、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、として機能させるためのプログラムである。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0205】
20)本発明の一態様に係る端末装置(90)は、コンテンツの再生中に広告音声を再生可能なものであって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0206】
21)本発明の一態様に係るコンテンツシステム(3)は、サーバ(70、80)と、当該サーバと通信可能な端末装置(90)とを含み、コンテンツの再生中に広告音声を再生可能なコンテンツシステムであって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出部(120)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出部(130)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0207】
22)本発明の一態様に係る制御方法は、コンテンツの再生中に広告音声を再生可能なコンピュータを制御する制御方法であって、前記広告音声の再生に関する期間の再生環境を検出する再生環境検出ステップ(S106、S406)と、前記再生環境検出部によって検出された前記再生環境に基づいて、前記広告音声の可聴度を算出する可聴度算出ステップ(S108、S410、S608)と、を含む。これにより、上記1)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【0208】
23)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、1)~11)、15)、19)のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。これにより、上記1)~11)、15)、19)に記載の態様と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0209】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、DB…データベース、10…端末装置、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、17…表示部、18…音出力部、30…サーバ、31…CPU、33…RAM、34…補助記憶装置、35…通信部、100…制御部、110…ゲーム制御部、111…出力制御部、120…再生環境検出部、121…音声出力設定検出部、122…絶対音量検出部、123…相対音量検出部、124…利用発音機器検出部、125…映像情報量検出部、130…可聴度算出部、1231…特定周波数帯設定部、1232…スペクトル解析部、1233…広告音量検出部、1234…広告外音量検出部、ゲーム内相対音量算出部…1235、2…配信システム、50…配信サーバ、60…視聴端末、3…コンテンツシステム、70…広告管理サーバ、80…コンテンツサーバ、90…端末装置、AD…音声広告

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23