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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146584
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】撮像レンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20241004BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G02B13/04
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059574
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】安田 慶太
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA03
2H087PA05
2H087PA19
2H087PB07
2H087QA03
2H087QA07
2H087QA19
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】光学性能が向上した撮像レンズを提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る撮像レンズ10は、物体側から像側に向かって順に位置する、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、を備える。第2レンズの光軸上における厚みをD3とし、第1レンズの像側の面の曲率半径をR2とし、撮像レンズのd線に対する焦点距離をfとすると、下記の式(1)及び式(2)を満足する。
0.12<D3/f<0.14・・・(1)
-1.3<R2/f<-0.90・・・(2)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズであって、
物体側から像側に向かって順に位置する、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、を備え、
前記第2レンズの光軸上における厚みをD3とし、前記第1レンズの前記像側の面の曲率半径をR2とし、前記撮像レンズのd線に対する焦点距離をfとすると、下記の式(1)及び式(2)を満足する、撮像レンズ。
0.12<D3/f<0.14 ・・・(1)
-1.3<R2/f<-0.90 ・・・(2)
【請求項2】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第4レンズのd線に対する焦点距離をf4とすると、下記の条件式(3)を満足する撮像レンズ。
1.1<f4/f<1.3 ・・・(3)
【請求項3】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第4レンズの前記物体側の面は凸形状である、撮像レンズ。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像レンズであって、
前記第4レンズの前記物体側の面及び前記像側の面は凸形状である、撮像レンズ。
【請求項5】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第4レンズの前記像側の面と、前記第5レンズの前記物体側の面とが接している、撮像レンズ。
【請求項6】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記撮像レンズの光軸上における全長をDaとし、前記第5レンズの前記像側の面から前記第6レンズの前記物体側の面までの光軸上における距離をD9とすると、下記の条件式(4)を満足する撮像レンズ。
0<D9/Da<0.035 ・・・(4)
【請求項7】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第2レンズ及び前記第3レンズのd線に対する合成焦点距離をf23とすると、下記の条件式(5)を満足する撮像レンズ。
4.2<f23/f<5.7 ・・・(5)
【請求項8】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第2レンズのd線に対する焦点距離をf2とすると、下記の条件式(6)を満足する撮像レンズ。
―1.20<f2/f<―1.05 ・・・(6)
【請求項9】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第7レンズの光軸上における厚みをD12とすると、下記の条件式(7)を満足する撮像レンズ。
0.25<D12/f<0.60 ・・・(7)
【請求項10】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第1レンズのd線に対する焦点距離をf1とすると、下記の条件式(8)を満足する撮像レンズ。
―1.25<f1/f<―1.10 ・・・(8)
【請求項11】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第7レンズのd線に対する焦点距離をf7とすると、下記の条件式(9)を満足する撮像レンズ。
2.2<f7/f<2.8 ・・・(9)
【請求項12】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第3レンズのd線に対する焦点距離をf3とすると、下記の条件式(10)を満足する撮像レンズ。
0.950<f3/f<1.05 ・・・(10)
【請求項13】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第5レンズのd線に対する焦点距離をf5とすると、下記の条件式(11)を満足する撮像レンズ。
―1.25<f5/f<―0.950 ・・・(11)
【請求項14】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第6レンズのd線に対する焦点距離をf6とすると、下記の条件式(12)を満足する撮像レンズ。
2.05<f6/f<3.30 ・・・(12)
【請求項15】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、及び前記第7レンズの各々は、硝子材料で構成される、撮像レンズ。
【請求項16】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記撮像レンズの光軸上での全長をDaとし、下記の条件式(13)を満足する撮像レンズ。
4.5<Da/f<4.8 ・・・(13)
【請求項17】
請求項1に記載の撮像レンズであって、
前記第7レンズの前記物体側の面及び前記像側の面は、非球面形状である、撮像レンズ。
【請求項18】
撮像レンズであって、物体側から像側に向かって順に位置する、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、で構成され、前記第2レンズの光軸上における厚みをD3とし、前記第1レンズの前記像側の面の曲率半径をR2とし、前記撮像レンズのd線に対する焦点距離をfとすると、下記の式(1)及び式(2)を満足する、撮像レンズと、
前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
0.12<D3/f<0.14 ・・・(1)
-1.3<R2/f<-0.90 ・・・(2)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像レンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視用カメラ及び車載用カメラなどを含むカメラに用いられる撮像レンズには、環境変化に強く、画面全域で結像性能が良いことが要求される。加えて、撮像レンズをカメラに搭載するための搭載スペースが限られることが多いことなどを理由として、小型かつ軽量であることも撮像レンズに要求される。
【0003】
以上の要求に対応可能な単焦点の撮像レンズとして、特許文献1及び2に記載の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、要求される温度域が広い過酷な環境であっても良好に使用でき、かつ色収差補正精度が高いレンズユニットが開示されている。例えば、特許文献2には、広い温度範囲及び波長帯域にて使用可能であり、かつ、コンパクト性に優れたレンズユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-008960号公報
【特許文献2】特開2013-047753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像レンズ及び撮像装置は、より高い光学性能が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に位置する、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、を備える。第2レンズの光軸上における厚みをD3とし、第1レンズの像側の面の曲率半径をR2とし、撮像レンズのd線に対する焦点距離をfとすると、下記の式(1)及び式(2)を満足する。
0.12<D3/f<0.14・・・(1)
-1.3<R2/f<-0.90・・・(2)
【0007】
本開示の一実施形態に係る撮像装置は、撮像レンズと、撮像素子と、を備える。撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に位置する、負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズと、正の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、で構成される。撮像レンズは、第2レンズの光軸上における厚みをD3とし、第1レンズの像側の面の曲率半径をR2とし、撮像レンズのd線に対する焦点距離をfとすると、下記の式(1)及び式(2)を満足する。撮像素子は、撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する。
0.12<D3/f<0.14・・・(1)
-1.3<R2/f<-0.90・・・(2)
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態に係る撮像レンズ及び撮像装置によれば、光学性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施例1に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図2A図1の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図2B図1の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図2C図1の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図3】本開示の実施例2に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図4A図3の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図4B図3の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図4C図3の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図5】本開示の実施例3に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図6A図5の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図6B図5の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図6C図5の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図7】本開示の実施例4に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図8A図7の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図8B図7の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図8C図7の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図9】本開示の実施例5に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図10A図9の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図10B図9の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図10C図9の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図11】本開示の実施例6に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図12A図11の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図12B図11の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図12C図11の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図13】本開示の実施例7に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図14A図13の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図14B図13の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図14C図13の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図15】本開示の実施例8に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図16A図15の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図16B図15の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図16C図15の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
図17】本開示の実施例9に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
図18A図17の撮像レンズの非点収差を示すグラフ図である。
図18B図17の撮像レンズの歪曲収差を示すグラフ図である。
図18C図17の撮像レンズの球面収差を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示に係る実施形態を説明する。
【0011】
<第1実施形態>
以下、図面を適宜用いて、一実施形態に係る撮像レンズ10及び撮像装置1について説明する。撮像レンズ10及び撮像装置1の構成を示す各添付図面において、「物体側」は左側に対応し、「像側」は右側に対応する。以下の説明で用いられる各図は模式的なものであり、図面上の寸法比率などは現実のものとは必ずしも一致していない。
【0012】
(撮像装置1)
撮像装置1は、撮像レンズ10と、撮像レンズ10を介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子20と、を有する。例えば、撮像素子20は、電荷結合素子(Charge Coupled Device、CCD)及び相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor、CMOS)などの固体撮像素子を含む。撮像素子20は、表面に、像面21が位置する。撮像装置1は、被写体としての物体の像を撮像レンズ10が撮像素子20の像面21に結像することで被写体を撮像する。例えば、撮像装置1は、連続的に撮像を繰り返す動画撮影に用いることができる。より具体的には、例えば、撮像装置1は、監視用カメラ又は車載用カメラなどに用いられる。撮像装置1が車載用カメラに用いられる場合、例えば、撮像装置1は、撮像装置1を制御する制御装置を備える車両の、側方部、前方部及び後方部の少なくとも1つに位置する。すなわち、撮像装置1は、車両の側方、前方及び後方の少なくとも1つを撮影する。
【0013】
(撮像レンズ10)
撮像レンズ10は、第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、第4レンズ140、第5レンズ150、第6レンズ160、及び第7レンズ170を有する。撮像レンズ10は、第1レンズ110乃至第7レンズ170以外にも、実質的に屈折力を有さないレンズ、並びに絞り、及びカバーガラスを含む、レンズ以外の他の光学要素などを有してもよい。例えば、撮像レンズ10は、第1レンズ110乃至第7レンズ170に加えて、開口絞り180、第1平板190a、及び第2平板190bを有する。
【0014】
撮像レンズ10は、物体側から像側に向かって順に位置する、第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130、開口絞り180、第4レンズ140、第5レンズ150、第6レンズ160、第7レンズ170を有する。撮像レンズ10は、7枚構成の単焦点の撮像レンズである。撮像レンズ10は、第7レンズ170の像側に位置する、第1平板190a及び第2平板190bを有していてもよい。
【0015】
第1レンズ110は、球面形状を有する。第1レンズ110の物体側の面、及び、像側の面は、凹面である。第2レンズ120は、球面形状を有する。第2レンズ120の物体側の面、及び、像側の面は、凹面である。第3レンズ130は、球面形状を有する。第3レンズ130の物体側の面、及び、像側の面は、凸面である。第4レンズ140は、球面形状を有する。第4レンズ140の物体側の面、及び、像側の面は、凸面である。第5レンズ150は、球面形状を有する。第5レンズ150の物体側の面は、凹面である。第5レンズ150の像側の面は、凸面である。第6レンズ160は、球面形状を有する。第6レンズ160の両面の各々は、凸面である。第7レンズ170の両面の各々は、非球面である。
【0016】
第1レンズ110は、負の屈折力を有する。第2レンズ120は、負の屈折力を有する。第3レンズ130は、正の屈折力を有する。第4レンズ140は、正の屈折力を有する。第5レンズ150は、負の屈折力を有する。第6レンズ160は、正の屈折力を有する。第7レンズ170は、正の屈折力を有する。
【0017】
監視用カメラ又は車載用カメラに用いられる撮像レンズ10は、広い画角を得るために焦点距離を短くすることが好ましい一方で、撮像レンズ10の機構的な制約からバックフォーカスは焦点距離に比べて長くする必要がある。撮像レンズ10のうち、物体側には負の屈折力を有するレンズが位置し、像側には正の屈折力を有するレンズが位置する。撮像レンズ10に物体側から入射した光は、負の屈折力を有するレンズにより発散された後、像側の正の屈折力を有するレンズにより集光される。これにより、レンズ系の主点を撮像レンズ10の後方に飛出させることができ、焦点距離に比べて長いバックフォーカスを確保することが可能となる。
【0018】
具体的には、負の屈折力を有する第1レンズ110及び第2レンズ120が光を発散させ、正の屈折力を有する第3レンズ130、第4レンズ140、第6レンズ160、及び第7レンズ170が光を集光する。撮像レンズ10において、最も物体側に負の屈折力を有する第1レンズ110及び第2レンズ120を配置することで、撮像レンズ10は、主点を後方に置くために十分な負の屈折力を確保することができる。撮像レンズ10において、開口絞り180の物体側に正の屈折力を有する第3レンズ130が位置することで、撮像レンズ10は、倍率色収差に関する良好な補正が可能となる。撮像レンズ10において、開口絞り180の像側に正の屈折力を有する第4レンズ140、第6レンズ160、及び第7レンズ170が位置することで、撮像レンズ10は、像面21への光の入射角度を小さくできると共に、収差を良好に補正することができる。
【0019】
第2レンズ120と第3レンズ130とは、接合レンズとして形成されている。第2レンズ120の像側の面と、第3レンズ130の物体側の面とは、接している。例えば、第2レンズ120と第3レンズ130とは、接着剤により接合されてよい。第4レンズ140と第5レンズ150とは、接合レンズとして形成されている。第4レンズ140の像側の面と、第5レンズ150の物体側の面とは、接している。例えば、第4レンズ140と第5レンズ150とは、接着剤により接合されてよい。
【0020】
第1レンズ110乃至第7レンズ170の各々は、硝子材料で形成されている。これにより、紫外線による黄変及び温度変化による光学特性の変化を低減することが可能となる。第1レンズ110乃至第7レンズ170の各々は、屈折率が異なる硝子材料が用いられてもよい。第1レンズ110乃至第7レンズ170の材料は、硝子に限らない。例えば、第1レンズ110乃至第7レンズ170のうち、いずれか1つのレンズのみが、硝子以外の材料から構成されていてもよい。例えば、第1レンズ110乃至第7レンズ170のうち、いずれか1つのレンズのみが、樹脂材料などから構成されていてもよい。
【0021】
開口絞り180は、撮像レンズ10のF値を調節することができる。開口絞り180は、第3レンズ130と第4レンズ140との間に位置している。例えば、開口絞り180を、第3レンズ130と第4レンズ140との間に配置することで、例えば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などの良好な補正が可能となる。例えば、開口絞り180を、第3レンズ130と第4レンズ140との間に配置することで、レンズ系の小型化が可能となる。
【0022】
例えば、第1平板190aは、所定の波長帯の光の透過量を低減させる光学フィルターであってよい。例えば、第1平板190aは、赤外線カットフィルタ又は紫外線カットフィルタなどの光学部材から構成される。第1平板190aが赤外線カットフィルタから構成される場合、例えば、第1平板190aは、像面21における赤外線の影響を低減させることができる。第1平板190aが紫外線カットフィルタから構成される場合、例えば、第1平板190aは、撮像素子20における紫外線の影響を低減させることができる。例えば、赤外線カットフィルタ及び紫外線カットフィルタの材料は、硝子であってよい。
【0023】
例えば、第2平板190bは、撮像素子20に対して配置されるLIDガラスなどの光学部材から構成される。LIDガラスは、イメージセンサとしての撮像素子20に対して用いられるカバーガラスである。
【0024】
以下、撮像レンズ10及び撮像装置1における機能について説明する。
【0025】
撮像レンズ10は、以下の条件式(1)及び(2)を満足する。
0.12<D3/f<0.14・・・(1)
-1.3<R2/f<-0.90・・・(2)
D3は第2レンズ120の光軸Ax上における厚みである。R2は、第1レンズ110の像側の面の曲率半径である。fは、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離である。
【0026】
条件式(1)は、第2レンズ120の光軸Ax上における厚みD3と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fと、を関連付けたものである。D3/fの値が0.12よりも大きいことで、撮像レンズ10の球面収差が過補正となる虞を低減できる。D3/fの値が0.14よりも小さいことで、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。
【0027】
条件式(2)は、第1レンズ110の像側の曲率半径R2と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fと、を関連付けたものである。R2/fの値が-1.3よりも大きいことで、周辺像高での球面収差が受ける影響を低減でき、撮像レンズ10の球面収差が過補正となる虞を低減できる。R2/fの値が-0.90よりも小さいことで、開口絞り180の像側に配置された、第4レンズ140及び第5レンズ150の接合レンズの屈折力が大きくなり過ぎないため、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。
【0028】
撮像レンズ10は、以下の条件式(3)を満足してもよい。
1.1<f4/f<1.3・・・(3)
f4は、第4レンズ140のd線に対する焦点距離である。
【0029】
条件式(3)は、第4レンズ140のd線に対する焦点距離f4と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f4/fの値が1.1よりも大きくなることで、開口絞り180の像側に位置する凸レンズである第4レンズ140の屈折力が大きくなり過ぎないため、放射(以下、メリディオナル)方向の像面が物体側に倒れる虞を低減できる。f4/fの値が1.3よりも小さくなることで、同心円(以下、サジタル)方向及びメリディオナル方向の像面が像側に倒れてしまう虞を低減できる。
【0030】
撮像レンズ10において、第4レンズ140の物体側の面は凸形状であってよい。開口絞り180の像側に設置された、第4レンズ140の物体側の面を凸面とすることで、第4レンズ140と、開口絞り180の物体側に位置する負レンズである第3レンズ130との間で、ゴーストが発生する虞を低減することができる。
【0031】
撮像レンズ10において、第4レンズ140の物体側の面及び像側の面は、凸形状であってよい。第4レンズ140は、開口絞り180を通過後の光線を集光する機能を持つ。開口絞り180通過後の光線を集光する第4レンズ140の両面を凸形状にすることで、撮像レンズ10の収差の補正が容易となる。
【0032】
撮像レンズ10において、第4レンズ140の像側の面と、第5レンズ150の物体側の面とは、接していてよい。第4レンズ140と、第5レンズ150とは接合レンズとして構成されていてよい。開口絞り180の像側に、アッベ数が大きい第4レンズ140とアッベ数が小さい第5レンズ150とを接合したレンズが位置することで、撮像レンズ10の軸上色収差の補正が容易となる。また、開口絞り180の近傍に位置するレンズを接合レンズにすることで、レンズの組み込みが容易な形状となる。
【0033】
撮像レンズ10は、以下の条件式(4)を満足してもよい。
0<D9/Da<0.035・・・(4)
Daは、撮像レンズ10の光軸Ax上における全長である。D9は、第5レンズ150の像側の面から第6レンズ160の物体側の面までの光軸Ax上における距離である。
【0034】
条件式(4)は、撮像レンズ10の光軸Ax上における全長Daと、第5レンズ150の像側の面から第6レンズ160の物体側の面までの光軸Ax上における距離D8を関連付けたものである。D9/Daの値が0よりも大きくなることで、第5レンズ150の像側の面と第6レンズ160の物体側の面との間に間隔ができ、撮像レンズ10全体の屈折力が小さくなり過ぎないため、メリディオナル方向の像面が物体側に倒れる虞を低減できる。D9/Daが0.035よりも小さくなることで、撮像レンズ10全体の屈折力が大きくなりすぎないため、メリディオナル方向の像面が像側に倒れる虞を低減できる。
【0035】
撮像レンズ10は、以下の条件式(5)を満足してもよい。
4.2<f23/f<5.7・・・(5)
f23は、第2レンズ120及び第3レンズ130のd線に対する合成焦点距離である。
【0036】
条件式(5)は、第2レンズ120及び第3レンズ130のd線に対する合成焦点距離f23と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f23/fの値が4.2よりも大きくなることで、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。f23/fが5.7よりも小さくなることで、撮像レンズ10の球面収差は過補正となる虞を低減できる。
【0037】
撮像レンズ10は、以下の条件式(6)を満足してもよい。
―1.20<f2/f<―1.05・・・(6)
f2は、第2レンズ120のd線に対する焦点距離である。
【0038】
条件式(6)は、第2レンズ120のd線に対する焦点距離f2と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f2/fの値が―1.20よりも大きくなることで、第1レンズ110から入射した光を集光する機能を有する第2レンズ120の屈折力が小さくなり過ぎないため、サジタル方向及びメリディオナル方向において像が分離してしまう虞を低減できる。f2/fが―1.05よりも小さくなることで、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。
【0039】
撮像レンズ10は、以下の条件式(7)を満足してもよい。
0.25<D12/f<0.60・・・(7)
D12は、第7レンズ170の光軸Ax上における厚みである。
【0040】
条件式(7)は、第7レンズ170の光軸Ax上における厚みD12と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。D12/fの値が0.25よりも大きくなることで、第7レンズ170の屈折力が大きくなり過ぎず、サジタル方向とメリディオナル方向での屈折力のバランスが崩れにくくなるため、撮像レンズ10の非点収差の補正を容易にすることができる。D12/fの値が0.60よりも小さくなることで、メリディオナル方向の像面が物体側に倒れてしまう虞を低減できる。
【0041】
撮像レンズ10は、以下の条件式(8)を満足してもよい。
―1.25<f1/f<―1.10・・・(8)
f1は、第1レンズ110のd線に対する焦点距離である。
【0042】
条件式(8)は、第1レンズ110のd線に対する焦点距離f1と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f1/fの値が―1.25よりも大きくなることで、物体側から最初に光が入射する第1レンズ110の屈折力が小さくなり過ぎず、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。f1/fの値が―1.10よりも小さくなることで、第1レンズ110の像側の面の曲率半径R2が小さくなり過ぎず、加工が容易となる。
【0043】
撮像レンズ10は、以下の条件式(9)を満足してもよい。
2.2<f7/f<2.8・・・(9)
f7は、第7レンズ170のd線に対する焦点距離である。
【0044】
条件式(9)は、第7レンズ170のd線に対する焦点距離f7と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f7/fの値が2.2よりも大きくなることで、像面21に最も近い正レンズである第7レンズ170の屈折力が大きくなり過ぎず、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。f7/fの値が2.8よりも小さくなることで、メリディオナル方向の像面が像側に倒れてしまう虞を低減できる。
【0045】
撮像レンズ10は、以下の条件式(10)を満足してもよい。
0.950<f3/f<1.05・・・(10)
f3は、第3レンズ130のd線に対する焦点距離である。
【0046】
条件式(10)は、第3レンズ130のd線に対する焦点距離f3と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f3/fの値が0.95よりも大きくなることで、第3レンズ130の屈折力が大きくなり過ぎず、撮像レンズ10の軸上色収差が大きく発生する虞を低減できる。f3/fの値が1.05よりも小さくなることで、撮像レンズ10の軸上色収差が大きく発生する虞を低減できる。
【0047】
撮像レンズ10は、以下の条件式(11)を満足してもよい。
―1.25<f5/f<―0.950・・・(11)
f5は、第5レンズ150のd線に対する焦点距離である。
【0048】
条件式(11)は、第5レンズ150のd線に対する焦点距離f5と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f5/fの値が―1.25よりも大きくなることで、開口絞り180の物体側に位置するレンズのうち唯一の負レンズである第5レンズ150の屈折力が小さくなり過ぎず、撮像レンズ10の軸上色収差の補正が困難となる虞を低減できる。f5/fの値が―0.950よりも小さくなることで、撮像レンズ10の光軸Ax上における色収差が過補正となる虞を低減できる。
【0049】
撮像レンズ10は、以下の条件式(12)を満足してもよい。
2.05<f6/f<3.30・・・(12)
f6は、第6レンズ160のd線に対する焦点距離である。
【0050】
条件式(12)は、第6レンズ160のd線に対する焦点距離f6と、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。f6/fの値が2.05よりも大きくなることで、第6レンズ160の焦点距離f6が長くなり過ぎず、撮像レンズ10の球面収差が補正不足となる虞を低減できる。f6/fの値が3.30よりも小さくなることで、像高8割付近の球面収差が過補正となる虞を低減できる。
【0051】
撮像レンズ10は、以下の条件式(13)を満足してもよい。
4.5<Da/f<4.8・・・(13)
【0052】
条件式(13)は、撮像レンズ10の光軸Ax上における全長Daと、撮像レンズ10のd線に対する焦点距離fを関連付けたものである。Da/fの値が4.5よりも大きくなることで、サジタル方向とメリディオナル方向の像が分離する虞を低減できる。Da/fの値が4.8よりも小さくなることで、撮像レンズ10における各レンズの間隔を一定程度にすることができ、撮像レンズ10の球面収差の補正が可能となる。また、撮像レンズ10の全長及び径方向での小型化が可能となり、カメラ筐体設計の自由度を向上できる。
【0053】
撮像レンズ10において、第7レンズ170の物体側の面及び像側の面は非球面形状であってよい。撮像面に最も近いレンズを非球面形状にすることで、センサーへの入射角を容易に調節することが可能となり、球面収差及び非点収差の補正が容易となる。
【0054】
撮像レンズ10の光軸Ax上における全長Daは、第1レンズ110の物体側の面から、物体側から撮像レンズ10に向けて平行光を入射させたときに、平行光が1点に集まる位置までの距離である。撮像レンズ10の光軸Ax上における全長Daは、第1レンズ110の物体側の面から、像面21までの距離に対応する。
【実施例0055】
次に、本開示の撮像レンズ10に係る実施例のレンズ構成について主に説明する。より具体的には、撮像レンズ10の具体的な数値による実施例1乃至9を示す。実施例1乃至9は、各レンズの屈折力の正負、面形状、及び条件式(1)乃至(13)に示すパラメータなどについて、上述した撮像レンズ10の特徴を有する。
【0056】
実施例1乃至9において、上述した撮像レンズ10の焦点距離f及び撮像レンズ10の光軸Ax上でのF値、並びに全長Daの各々の値は、次の表1のとおりである。表1の各実施例における諸データにおいて、焦点距離fなどを含む、レンズ諸元から導出される値についても、特記のない限りd線に対する値である
【0057】
【表1】
【0058】
実施例1乃至9において、条件式(1)乃至(13)の各々に含まれるパラメータの値は、次の表2のとおりである。
【0059】
【表2】
【0060】
各実施例における基本レンズデータにおいて、レンズ諸元中の番号i(iは自然数)は、撮像レンズ10に含まれる全てのレンズ、開口絞り180、第1平板190a、及び第2平板190bの各面に対して物体側から順番に付された面番号である。Siは、i番目の面を示す。Riはi番目の面の曲率半径である。Diは、i番目の面Siと、i+1番目の面Si+1との間の、光軸Ax上における距離である。Ndはd線に対する屈折率である。νdはd線に対するアッベ数である。面間隔Diについては実施例1における図1のみに図示し、他の実施例における図面上ではその図示を省略する。
【0061】
以下の全ての諸元の値において、記載されている曲率半径Ri及び面間隔Diなどの長さの単位は特記のない限りミリメートル(mm)を使用し、各表での記載を省略する。各表において、「E」は指数表現(10のべき乗)を示す。撮像レンズ10の構成は、以下の実施例における構成に限定されず、比例拡大と比例縮小とにおいても同等の光学性能が得られる。
【0062】
以下の実施例におけるレンズの各面のうち、非球面の形状は、次の数式(16)で表される。数式(16)は、非球面方程式である。
【0063】
【数1】
【0064】
数式(16)における各数値は、物体側から像側へ向かう方向を正とする。kは円錐係数、Aは4次の非球面係数、Bは6次の非球面係数、Cは8次の非球面係数、Dは10次の非球面係数である。hは光線の高さ、cは中心曲率半径の逆数、Zは面頂点に対する接平面からの深さである。以下の各実施例における非球面データは、基本レンズデータにおいて「※」を付したレンズの面における非球面の形状を、数式16で表した場合の非球面係数などを示す。
【0065】
(実施例1)
図1は、本開示の実施例1に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図1は、実施例1に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図1に示されるように、実施例1の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0066】
図1において、D1は、第1レンズ110の光軸Ax上における厚みに対応する。D3は、第2レンズ120の光軸Ax上における厚みに対応する。D4は、第3レンズ130の光軸Ax上における厚みに対応する。D7は、第4レンズ140の光軸Ax上における厚みに対応する。D8は、第5レンズ150の光軸Ax上における厚みに対応する。D10は、第6レンズ160の光軸Ax上における厚みに対応する。D12は、第7レンズ170の光軸Ax上における厚みに対応する。D14は、第1平板190aの光軸Ax上における厚みに対応する。D16は、第2平板190bの光軸Ax上における厚みに対応する。面間隔Diに関する上記の説明は、以下の他の実施例においても同様に当てはまる。
【0067】
表3は、実施例1に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表3において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0068】
【表3】
【0069】
表4は、実施例1に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表4に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0070】
【表4】
【0071】
図2A図2B、及び図2Cは、図1の撮像レンズ10の各収差を示すグラフ図である。
【0072】
図2Aは、図1の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図2Aにおいて、縦軸は瞳径を1に正規化した入射瞳上の入射高を示し、横軸は結像位置のずれを示す。グラフ中の各線は、グラフ右に示す各波長の光に対する非点収差(mm)を示す。「Sagittal」はサジタル方向における像面の値を意味し、「Tangential」は垂直(以下、タンジェンシャル)方向における像面の値を意味する。
【0073】
図2Bは、図1の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図2Bにおいて、縦軸は瞳径を1に正規化した入射瞳上の入射高を示し、横軸は結像位置のずれを示す。グラフ中の各線は、グラフ右に示す各波長の光に対する歪曲収差(%)を示す。
【0074】
図2Cは、図1の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図2Cにおいて、縦軸は瞳径を1に正規化した入射瞳上の入射高を示し、横軸は結像位置のずれを示す。グラフ中の各線は、グラフ右に示す各波長の光に対する球面収差(mm)を示す。
【0075】
図2A図2B、及び図2Cに示されるように、実施例1によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0076】
以上の収差図に関する説明は、他の各実施例で示す収差図においても同様に当てはまるため、以下では説明を省略する。
【0077】
(実施例2)
図3は、本開示の実施例2に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図3は、実施例2に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図3に示されるように、実施例2の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0078】
表5は、実施例2に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表5において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0079】
【表5】
【0080】
表6は、実施例2に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表6に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0081】
【表6】
【0082】
図4A図4B、及び図4Cは、図3の撮像レンズ10の収差図である。図4Aは、図3の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図4Bは、図3の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図4Cは、図3の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図4A図4B、及び図4Cに示されるように、実施例2によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0083】
(実施例3)
図5は、本開示の実施例3に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図5は、実施例3に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図5に示されるように、実施例3の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0084】
表7は、実施例3に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表7において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0085】
【表7】
【0086】
表8は、実施例3に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表8に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0087】
【表8】
【0088】
図6A図6B、及び図6Cは、図5の撮像レンズ10の収差図である。図6Aは、図5の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図6Bは、図5の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図6Cは、図5の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図6A図6B、及び図6Cに示されるように、実施例3によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0089】
(実施例4)
図7は、本開示の実施例4に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図7は、実施例4に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図7に示されるように、実施例4の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0090】
表9は、実施例4に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表9において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0091】
【表9】
【0092】
表10は、実施例4に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表10に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0093】
【表10】
【0094】
図8A図8B、及び図8Cは、図7の撮像レンズ10の収差図である。図8Aは、図7の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図8Bは、図7の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図8Cは、図7の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図8A図8B、及び図8Cに示されるように、実施例4によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0095】
(実施例5)
図9は、本開示の実施例5に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図9は、実施例5に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図9に示されるように、実施例5の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0096】
表11は、実施例5に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表11において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0097】
【表11】
【0098】
表12は、実施例5に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表12に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0099】
【表12】
【0100】
図10A図10B、及び図10Cは、図9の撮像レンズ10の収差図である。図10Aは、図9の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図10Bは、図9の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図10Cは、図9の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図10A図10B、及び図10Cに示されるように、実施例5によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0101】
(実施例6)
図11は、本開示の実施例6に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図11は、実施例6に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図11に示されるように、実施例6の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0102】
表13は、実施例6に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表13において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0103】
【表13】
【0104】
表14は、実施例6に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表14に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0105】
【表14】
【0106】
図12A図12B、及び図12Cは、図11の撮像レンズ10の収差図である。図12Aは、図11の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図12Bは、図11の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図12Cは、図11の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図12A図12B、及び図12Cに示されるように、実施例6によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0107】
(実施例7)
図13は、本開示の実施例7に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図13は、実施例7に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図13に示されるように、実施例7の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0108】
表15は、実施例7に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表15において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0109】
【表15】
【0110】
表16は、実施例7に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表16に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0111】
【表16】
【0112】
図14A図14B、及び図14Cは、図13の撮像レンズ10の収差図である。図14Aは、図13の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図14Bは、図13の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図14Cは、図13の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図14A図14B、及び図14Cに示されるように、実施例7によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0113】
(実施例8)
図15は、本開示の実施例8に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図15は、実施例8に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図15に示されるように、実施例8の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0114】
表17は、実施例8に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表17において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0115】
【表17】
【0116】
表18は、実施例8に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表18に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0117】
【表18】
【0118】
図16A図16B、及び図16Cは、図15の撮像レンズ10の収差図である。図16Aは、図15の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図16Bは、図15の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図16Cは、図15の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図16A図16B、及び図16Cに示されるように、実施例8によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0119】
(実施例9)
図17は、本開示の実施例9に係る撮像レンズ10のレンズ構成図である。図17は、実施例9に係る撮像レンズ10のレンズ構成を光学断面で示したものである。図17に示されるように、実施例9の撮像レンズ10において、第1レンズ110乃至第7レンズ170の屈折力及び形状は前述の通りである。
【0120】
表19は、実施例9に係る撮像レンズ10の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表19において、「※」で示される非球面の面S12及びS13では、曲率半径Riの値は、近軸曲率半径を示している。
【0121】
【表19】
【0122】
表20は、実施例9に係る撮像レンズ10の非球面係数を含む非球面データを示す。表20に示す非球面データは、第7レンズ170の面S12及びS13の各々のデータである。
【0123】
【表20】
【0124】
図18A図18B、及び図18Cは、図17の撮像レンズ10の収差図である。図18Aは、図17の撮像レンズ10の非点収差を示すグラフ図である。図18Bは、図17の撮像レンズ10の歪曲収差を示すグラフ図である。図18Cは、図17の撮像レンズ10の球面収差を示すグラフ図である。図18A図18B、及び図18Cに示されるように、実施例9によれば、非点、歪曲、及び球面の収差が良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ10が得られる。
【0125】
以上のような本開示の一実施形態に係る撮像レンズ10及び撮像装置1によれば、7枚構成によって高い光学性能を実現可能である。その結果、監視用カメラ及び車載用カメラなどを含むカメラに搭載可能な高い光学性能を有する撮像レンズ10及び撮像装置1を実現することが可能である。
【0126】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0127】
例えば、上述した各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0128】
一実施形態に係る撮像レンズ10について説明したが、本開示は上述した各実施例の撮像レンズ10に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、各実施例の撮像レンズ10の諸元は例示であって、本開示の範囲内で種々のパラメータの変更が可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 撮像装置
10 撮像レンズ
110 第1レンズ
120 第2レンズ
130 第3レンズ
140 第4レンズ
150 第5レンズ
160 第6レンズ
170 第7レンズ
180 開口絞り
190a 第1平板
190b 第2平板
20 撮像素子
21 像面
Ax 光軸
Di 面間隔
Da 全長
Ri 曲率半径
Si 面
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図18C